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JP2006066761A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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JP2006066761A
JP2006066761A JP2004249617A JP2004249617A JP2006066761A JP 2006066761 A JP2006066761 A JP 2006066761A JP 2004249617 A JP2004249617 A JP 2004249617A JP 2004249617 A JP2004249617 A JP 2004249617A JP 2006066761 A JP2006066761 A JP 2006066761A
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一郎 片岡
Yuji Inoue
裕二 井上
Seiki Itoyama
誠紀 糸山
Hidehisa Makita
英久 牧田
Masaaki Matsushita
正明 松下
Takaaki Mukai
隆昭 向井
Hirotake Kato
大岳 加藤
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Abstract

【課題】 長期間屋外で使用しても、受光面側の光電変換活性領域を封止する有機高分子樹脂が黄変し難く、その結果、黄変を原因とした太陽電池素子への入射光減少による性能低下を抑制し、同時に、素子受光面側に設けられる樹脂材料の光劣化を抑えた信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】 太陽電池素子1の受光面側が有機高分子樹脂4とその外側の透光性部材2とで封止されている太陽電池モジュールにおいて、前記有機高分子樹脂に、有機化合物からなる紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系光安定化剤と、有機過酸化物からなる架橋剤とが含有されており、前記太陽電池素子の光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される前記紫外線吸収剤の濃度が、前記太陽電池素子の光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される前記紫外線吸収剤の濃度よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールに係わり、特に、太陽電池素子の受光面側が有機高分子樹脂によって封止されている太陽電池モジュールに関する。
図3は太陽電池モジュールの基本的構造を表した概略断面図である。図3において、1は太陽電池素子、13は有機高分子樹脂、2は透光性部材、3は裏面保護部材である。太陽光は透光性部材、有機高分子樹脂を通過して太陽電池素子の光受光面に入射して電気エネルギーに変換される。発電された電気は出力端子(不図示)より外部に取り出される。
太陽電池素子はそのままでは屋外での過酷な環境下での使用に耐えることはできない。それは、太陽電池素子そのものは腐食を受けやすく、また外部からの衝撃などで容易に破損するからである。そこで、太陽電池素子を封止材で覆い保護する必要がある。最も一般的には太陽電池素子をガラスやフッ素樹脂フィルム等の透明で耐候性のある透光性部材と、フッ素樹脂フィルム、アルミラミネートフッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等の耐候性、防湿性、電気絶縁性に優れた裏面保護部材との間に有機高分子樹脂を介して挟持してラミネートするという方法が取られる。
従来の太陽電池封止用有機高分子樹脂としては、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が主に用いられてきた。中でもEVAの架橋性組成物は耐熱性、耐候性、透明性、コストなどの面で優れた特性を有しており、現在では太陽電池封止用有機高分子樹脂の主流となっている。
太陽電池モジュールは屋外で長期間使用されるために高度な耐久性が要求される。太陽電池素子の耐久性は無論のことであるが、封止材においても優れた耐光性、耐熱性が要求される。しかしながら10年以上におよぶ屋外曝露では封止材の光劣化、熱劣化は避けることができず、有機高分子樹脂の黄変や各部材間での剥離が顕在化する場合がある。有機高分子樹脂の黄変は入射光量の減少を招き、電気出力が低下する。また、部材間の剥離は剥離部分への水分の侵入による太陽電池素子あるいは素子に付随する金属部材の腐食を招き、太陽電池モジュール性能の低下につながる。
従来より用いられているEVAにはこのような劣化による黄変や他部材との剥離を防止するために、種々の添加剤が配合されている。中でも重要な役割を果たしているのが、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤であり、紫外線吸収剤と光安定化剤が紫外線を原因とする光劣化を、酸化防止剤が熱劣化を抑制し、長期間にわたる屋外曝露でも性能低下のない信頼性に優れた太陽電池モジュールを提供することに貢献している。
また、光劣化は封止材だけに留まらず、受光面側に設けられる種々の樹脂材料についても同様であり、封止材に添加される紫外線吸収剤はこのような樹脂材料に到達する紫外線を遮断して、樹脂材料の光劣化を抑制する役割をも果たしている。
例えば、特許文献1乃至3などに記載されているように、EVAに紫外線吸収剤を0.1〜1.0wt%、光安定化剤を0.05〜1.0wt%、酸化防止剤を0.05〜1.0wt%配合したものが太陽電池モジュール用の封止材として好適に用いられることが開示されている。
特開平8−139347号公報 特開平10−93124号公報 特開平10−112549号公報
しかしながら、上述したように添加剤を配合して耐光性、耐熱性を高めたEVAで封止した太陽電池モジュールでも長期間屋外で使用していると、受光面側のEVAが黄変して太陽電池モジュールの性能が低下する場合があることが明らかとなってきた。
本発明者はこの原因を究明すべく検討した結果、添加剤として配合している紫外線吸収剤が黄変の原因であることが分かってきた。すなわち、架橋剤としてEVAに添加されている有機過酸化物と紫外線との相互作用によって、紫外線吸収剤が黄変を呈する別の化合物に変化すると考えられる。これは、紫外線吸収剤の配合量を小さくした場合に黄変が軽減されること、また、有機過酸化物の配合量を大きくした場合に黄変が促進されることから間接的に推察される。
そこで、EVAの黄変によって太陽電池モジュールの性能が低下するという問題を解決するために、素子受光面側を封止するEVA中の紫外線吸収剤の配合量を小さくすることが考えられるが、その場合は、素子受光面側に設けられる樹脂材料に到達する紫外線を遮断することができなくなり、樹脂材料の光劣化が顕在化してしまう。具体的には、樹脂材料の黄変やクラックの発生となって現れる。これは外観上の問題だけにとどまらず、樹脂材料と封止材との剥離や樹脂材料の絶縁性能の低下を招き、太陽電池モジュールの品質信頼性を損なう原因となりうる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、長期間屋外で使用しても、受光面側の光電変換活性領域を封止する有機高分子樹脂が黄変し難く、その結果、黄変を原因とした太陽電池素子への入射光減少による性能低下を抑制し、同時に、素子受光面側に設けられる樹脂材料の光劣化を抑えた信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような構成が最良であることを見いだした。
即ち、本発明は、太陽電池素子の受光面側が有機高分子樹脂とその外側の透光性部材とで封止されている太陽電池モジュールにおいて、前記有機高分子樹脂に、有機化合物からなる紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系光安定化剤と、有機過酸化物からなる架橋剤とが含有されており、前記太陽電池素子の光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される前記紫外線吸収剤の濃度が、前記太陽電池素子の光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される前記紫外線吸収剤の濃度よりも小さいことを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、前記光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度が0.01重量%以下であり、前記光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度が0.1重量%以上であることが好ましい。
前記光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有されるヒンダードアミン系光安定化剤の濃度が0.5〜1.0重量%であることが好ましい。
本発明によれば、長期間屋外で使用しても、受光面側の光電変換活性領域を封止する有機高分子樹脂が黄変し難く、その結果、黄変を原因とした太陽電池素子への入射光減少による性能低下を抑制し、同時に、素子受光面側に設けられる樹脂材料の光劣化を抑えた信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
また、前記光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度が0.01重量%以下であり、前記光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度が0.1重量%以上であることによって、長期間屋外で使用しても、受光面側の光電変換活性領域を封止する有機高分子樹脂が黄変することなく、その結果、黄変を原因とする性能低下を防止できるとともに、素子受光面側に設けられる樹脂材料の光劣化のない極めて信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
さらに、前記光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有されるヒンダードアミン系光安定化剤の濃度が0.5〜1.0重量%であることによって、有機高分子樹脂の黄変をより効果的に抑制できる。
図1に本発明の太陽電池モジュールの概略構成図の一例を示す。図1に於いて、1は太陽電池素子、4は表面封止用有機高分子樹脂、2は透光性部材、5は裏面封止用有機高分子樹脂、3は裏面保護部材、6はバスバー電極、7は集電電極である。
まず、本発明における封止用有機高分子樹脂4、5について以下に詳しく説明する。
表面封止用有機高分子樹脂4は太陽電池素子受光面の凹凸を樹脂で被覆し、外部環境から素子を保護するために必要である。また、透光性部材2を太陽電池素子1に接着する役割も果たす。したがって、高透明性の他に、耐候性、接着性、耐熱性が要求される。このような要求を満たす材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、アイオノマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。中でもEVA樹脂は耐候性、接着性、充填性、耐熱性、耐寒性、耐衝撃性など太陽電池用途としてバランスのとれた物性を有しているので好適に用いられる。
本発明における表面封止用有機高分子樹脂には耐光性を高めるために有機化合物からなる紫外線吸収剤が含まれており、光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する表面封止用有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度は、光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する表面封止用有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度よりも小さい。ここで言う光電変換活性領域とは、太陽電池素子受光面側の領域中で光を吸収し光電変換を行い、太陽電池素子の出力を担っている領域のことを指し、図1で言えば、太陽電池素子において、バスバー電極と集電電極を除いた領域である。
光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する表面封止用有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度は、有機高分子樹脂に対して0.01重量%以下であることが好ましく、0.001重量%以下であることがより好ましい。濃度が0.01重量%を超えると、紫外線吸収剤の変質により長期間の屋外曝露に於いて有機高分子樹脂の黄変が顕在化し、太陽電池モジュールの性能が低下する。一方、0.01重量%以下であれば、黄変による性能低下はほとんど無視できる程度に抑えることができると共に、紫外線吸収剤による光量損失で出力が低下することがない。さらに0.001重量%以下であれば黄変による性能低下は認められなくなる。無論、濃度が0重量%、すなわち有機化合物からなる紫外線吸収剤が含まれない構成も本発明では採ることができる。
一方、光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する表面封止用有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の濃度は、有機高分子樹脂に対して0.1重量%以上であることが望ましい。濃度が0.1重量%未満であると、紫外線を表面封止用有機高分子樹脂で十分に遮断することができなくなり、表面封止用有機高分子樹脂層の下に配される部材の光劣化が進行しやすくなる。ここでいう光電変換活性領域以外というのは、具体的には例えば、集電電極・バスバー電極・出力取り出し用金属箔などの電極部材が設けられている領域、絶縁用テープ・意匠用テープなどの樹脂テープが設けられている領域、バイパスダイオードが設けられている領域、複数の太陽電池素子の間隙や太陽電池素子の周辺など太陽電池素子のない領域などを指す。このうち、複数の太陽電池素子の間隙や太陽電池素子の周辺など太陽電池素子のない領域において表面封止用有機高分子樹脂層の下に配される部材は、裏面封止用有機高分子樹脂層に含有される紫外線吸収剤の濃度を高めることでも光劣化を防止することができるので本発明の効果は限定的なものである。それ以外の領域、すなわち集電電極・バスバー電極・出力取り出し用金属箔などの電極部材が設けられている領域、絶縁用テープ・意匠用テープなどの樹脂テープが設けられている領域、バイパスダイオードが設けられている領域などは表面封止用有機高分子樹脂層での紫外線の遮断が部材の光劣化防止のために極めて効果的であり、本発明の光電変換活性領域以外の領域として特に好ましいものである。
本発明で用いられる有機化合物からなる紫外線吸収剤としては、従来より公知なものを種々選択して用いることができる。例えば、そのような紫外線吸収剤の代表的な化学構造は、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系に大別される。
サリチル酸系としてはフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートがある。
ベンゾフェノン系では2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾフェノン)メタンが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系としては2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−アミルルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3′−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2ーメチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}が挙げられる。
シアノアクリレート系では2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートが挙げられる。
トリアジン系としては、2−{4’,6’−ビス(2”,4”−ジメチルフェニル)−1’,3’,5’−トリアジン−2’−イル}−5−(オクチルオキシ)フェノールが挙げられる。
本発明の表面封止用有機高分子樹脂には、耐光性、耐熱性を高め、屋外での使用に対して十分な耐久性を付与するために、ヒンダードアミン系光安定化剤が添加される。ヒンダードアミン系光安定化剤は紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、有機高分子樹脂の光劣化あるいは熱劣化過程で生ずるラジカル種を補足して劣化反応を阻害する。添加量は通常、0.1〜0.3重量%程度であるが、本発明に於いては、光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する表面封止用有機高分子樹脂に含有される紫外線吸収剤の添加量が小さく、樹脂が多くの紫外線に晒される。したがって、光安定化剤を通常よりも多く添加して光劣化に対する耐久性を高めておくことが望ましく、前記光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有されるヒンダードアミン系光安定化剤の有機高分子樹脂に対する添加量は0.5〜1.0重量%が望ましい。添加量が1.0重量%を超えると光安定化剤のブリードアウトによって有機高分子樹脂の白化が起こりやすくなるので望ましくない。また、ヒンダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあるが、着色している場合が多く本発明の表面封止用有機高分子樹脂には好ましくない。
ヒンダードアミン系光安定化剤としてはコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが知られている。
表面封止用有機高分子樹脂は、高温使用条件下で軟化して流動するのを防ぎ、また、他部材との接着性を向上させるために有機過酸化物によって架橋される。有機過酸化物による架橋は、有機過酸化物から発生する遊離ラジカルが樹脂中の水素を引き抜いてC−C結合を形成することによって行われる。有機過酸化物の活性化方法には、熱分解、レドックス分解およびイオン分解が知られている。一般には熱分解法が好んで行われている。すなわち、あらかじめ有機過酸化物を添加した有機高分子樹脂のシートを作製して、これを太陽電池素子に加熱圧着すると同時に架橋が進行する。
有機過酸化物は化学構造によってヒドロペルオキシド、ジアルキル(アリル)ペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール、ペルオキシエステル、ペルオキシカルボナートおよびケトンペルオキシドに大別される。
ヒドロペルオキシド系としてはt−ブチルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、p−サイメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジヒドロペルオキシド、シクロヘキサンペルオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノンペルオキシドなどである。
ジアルキル(アリル)ペルオキシド系としてはジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドなどである。
ジアシルペルオキシド系としてはジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジイソブチリルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペリオキシド、ビス(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、m−トルイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ペルオキシこはく酸などである。
ペルオキシケタール系としては2,2−ジ−t−ブチルペルオキシブタン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾイル)ヘキシン−3、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレ−トなどである。
ペルオキシエステル系としてはt−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシ3,3,5−トリメチルヘサノエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、(1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ)2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ(t−ブチルペルオキシ)アジペート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ペルオキシ2−エチルヘキサノイル)ヘキサン、ジ(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、t−ブチルペルオキシマレート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルペルオキシドなどである。
ペルオキシカルボナート系としてはt−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ−n−プロピルペルオキシジカルボナート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナート、ジ(2−エチルヘキシルペルオキシ)ジカルボナート、ジ(2−エトキシエチルペルオキシ)ジカルボナート、ジ(メトキシイドプロピルペルオキシ)カルボナート、ジ(3−メトキシブチルペルオキシ)ジカルボナート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシルペルオキシ)ジカルボナートなどが挙げられる。
ケトンペルオキシド系としてはアセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、ケトンペルオキシドなどがある。その他の構造ではビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シランなども知られている。
これら有機過酸化物の添加量は有機高分子樹脂に対して1.0〜5.0重量%程度である。
上記有機過酸化物を有機高分子樹脂に混合し、加圧加熱しながら架橋および太陽電池モジュールの封止を行うことが可能である。加熱温度ならびに時間は各々の有機過酸化物の熱分解温度特性で決定することができる。一般には熱分解が90%、より好ましくは95%以上進行する温度と時間をもって加熱を終了する。
上記架橋反応を効率良く行うためには、架橋助剤と呼ばれるトリアリルシアヌレートを用いることも可能である。一般には樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部の添加量である。
封止用有機高分子樹脂には高温下での安定性を付与するために熱酸化防止剤を添加することがしばしば行われる。添加量は樹脂100重量部に対して0.1〜1.0重量部が適正である。酸化防止剤の化学構造としてはモノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系に大別される。
モノフェノール系では2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールがある。
ビスフェノール系では2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tertブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、{3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ}5,5ウンデカンが挙げられる。
高分子フェノール系としては1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、{ビス(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トリフェノール(ビタミンE)が知られている。
一方、硫黄系ではジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネートなどがある。
燐酸系ではトリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノおよびあるいはジフェニルホスファイト)、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトがある。
なお、太陽電池モジュールの使用環境を考慮して低揮発性の紫外線吸収剤、光安定化剤および熱酸化防止剤を用いることが好ましい。
より厳しい環境下で太陽電池モジュールの使用が想定される場合には有機高分子樹脂と太陽電池素子あるいは透光性部材との接着力を向上することが好ましい。シランカップリング剤や有機チタネート化合物を有機高分子樹脂に添加することで前記接着力を改善することが可能である。シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
裏面封止用有機高分子樹脂5は太陽電池素子裏面の凹凸を樹脂で被覆し、外部環境から素子を保護するために必要である。また、裏面保護部材3を太陽電池素子1に接着する役割も果たす。したがって、表面封止用有機高分子樹脂と同様に耐候性、接着性、耐熱性が要求されるため、表面封止用有機高分子樹脂として好適な材料を裏面封止用有機高分子樹脂としても用いることが好ましい。通常は、表面封止用有機高分子樹脂と同じ材料を裏面封止用有機高分子樹脂にも用いる。また、表面封止用有機高分子樹脂同様に、紫外線吸収剤、光安定化剤、架橋剤等の添加剤も通常配合され、その添加量も表面封止用有機高分子樹脂に準ずる。ただし、裏面封止用有機高分子樹脂は黄変しても太陽電池モジュール性能に影響がないことと、後述する裏面保護部材が紫外線によって光劣化するのを防止することを理由として、高濃度で紫外線吸収剤を配合することが望ましく、その添加量は有機高分子樹脂に対して0.1〜1.0重量%であることが好ましい。これによって、裏面保護部材としてフッ素樹脂フィルムのような耐光性に優れる材料を用いる必要が無くなり、耐光性はやや劣るものの、安価な材料を裏面保護部材として用いることができるようになる。一方、透明性に関しては必須ではないので、無機酸化物等のフィラーを加えて耐候性や機械的強度を向上させることが可能であり、また、顔料等によって着色してもよい。
以下、太陽電池モジュールを構成する各部材について説明する。
太陽電池素子1としては、1)結晶シリコン太陽電池、2)多結晶シリコン太陽電池、3)微結晶シリコン太陽電池、4)アモルファスシリコン太陽電池、5)銅インジウムセレナイド太陽電池、6)化合物半導体太陽電池など、従来公知な素子を目的に応じて種々選択して用いて良い。これら太陽電池素子は、所望する電圧あるいは電流に応じて複数個を直列または並列に接続する。また、これとは別に絶縁化した基板上に太陽電池素子を集積化して所望の電圧あるいは電流を得ることもできる。さらに、素子への逆バイアス印加を防止するためにバイパスダイオードを素子に接続することも必要に応じて行われる。
透光性部材2は太陽電池モジュールの最表層に位置するため耐候性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外曝露における長期信頼性を確保するための性能が必要である。本発明に好適に用いられる部材としては、(強化)ガラス板、フッ化物重合体フィルムが挙げられる。ガラス板としては光透過率の高い白板ガラスを用いることが好ましい。フッ化物重合体フィルムの具体例としては、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れている。フッ化物重合体フィルムと封止材との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理をフィルムに行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために延伸処理が施してあるフィルムを用いることも可能である。
裏面保護部材3は、太陽電池素子を保護し、湿度の侵入を防ぎ、外部との電気的絶縁を保つために用いられる。材料としては、充分な電気絶縁性を確保でき、しかも長期耐久性に優れ、熱膨張、熱収縮に耐えられる材料が好ましい。好適に用いられるものとしては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフッ化ビニル(PVF)フィルム、ガラス板等が挙げられる。フィルムに防湿性が要求される場合には、アルミラミネートPVFフィルム、アルミ蒸着PETフィルム、酸化珪素蒸着PETフィルム等が用いられる。さらに、モジュールの耐火性を向上させるために、フィルムでラミネートした亜鉛メッキ鉄箔、ステンレス箔等を裏面保護部材として用いることもできる。
裏面保護部材の外側には、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、あるいは、温度変化による歪、ソリを防止するために、支持板を貼り付けても良い。例えば、金属板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板、セラミック板などがある。また、建材を貼り付けることにより建材一体型太陽電池モジュールとすることもできる。建材としては、金属板、スレートボード、石膏ボード、瓦、ガラス繊維強化プラスチック、ガラスなどから種々選択して用いることができる。
以上述べた太陽電池素子、表面封止用有機高分子樹脂、裏面封止用有機高分子樹脂、透光性部材、裏面保護部材を用いて太陽電池モジュールとする方法を次に説明する。
まず、シート状に成型した表面及び裏面封止用有機高分子樹脂を太陽電池素子のそれぞれ受光面側と裏面側に配する。この時、表面封止用有機高分子樹脂のシートとして紫外線吸収剤含有量の異なる2種類のシートを作製し、太陽電池素子の光電変換活性領域には紫外線吸収剤含有量が少ないシートを、光電変換活性領域以外には紫外線吸収剤含有量が多いシートを配する。更にその外側に透光性部材と裏面保護部材をそれぞれ受光面側と裏面側に配した積層体とする。これを真空ラミネーターを用いて減圧下で加熱圧着することにより太陽電池モジュールを得ることができる。その他、ロールラミネーションなどによっても作製することが可能である。
以下、本発明の太陽電池モジュールを実施例に基づき詳細に説明する。
(実施例1)
導電性基板上に裏面反射層、半導体光活性層、透明電極層を順次形成し、透明電極層の上に櫛型の集電電極とそれに接続したバスバー電極を有するアモルファスシリコン太陽電池(太陽電池素子)を用いて本発明の第一の実施例に従う太陽電池モジュールを作製する方法を図2を用いて以下に説明する。
複数の太陽電池素子1を直列に接続して太陽電池素子直列体8とし、直列端の太陽電池素子に設けられている電極に銅箔からなる出力取り出し電極(不図示)を取り付ける。さらに素子への逆バイアス印加を防止するためバイパスダイオード(不図示)を太陽電池素子に取り付ける。バスバー電極には意匠性を考慮して、バスバー電極を覆うように白色のポリエステルテープ15を貼り付ける。
次に、太陽電池素子直列体8を封止するための封止用有機高分子樹脂、透光性部材、裏面保護部材について説明する。
表面封止用有機高分子樹脂は、太陽電池素子の光電変換活性領域封止用としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂ペレット(酢酸ビニル含有量33wt%)に、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.5重量%、シランカップリング剤としてγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量%、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン0.01重量%、光安定化剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート0.5重量%、酸化防止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニル)フォスファイト0.2重量%をそれぞれ添加したものを加熱溶融させ、Tダイのスリットから押し出して成形した厚さ400μmのシート状EVA(以下、EVAシート)14を、光電変換活性領域以外の封止用としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂ペレット(酢酸ビニル含有量33wt%)に、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.5重量%、シランカップリング剤としてγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量%、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン0.3重量%、光安定化剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート0.2重量%、酸化防止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニル)フォスファイト0.2重量%をそれぞれ添加したものを加熱溶融させ、Tダイのスリットから押し出して成形した厚さ400μmのEVAシート11を用いる。
裏面封止用有機高分子樹脂には、光電変換活性領域以外の表面封止用と同じEVAシート12を用いる。
透光性部材には厚さ3.2mmの白板強化ガラス9を、裏面保護部材には厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム10を用いる。
上記太陽電池素子直列体8、EVAシート11、12、14、ガラス9、PETフィルム10を図2の構成でラミネートする。すなわち、太陽電池素子直列体の受光面側に上記表面封止用EVAシート11,14とガラス9を、裏面側に裏面封止用EVAシート12とPETフィルム10を重ねて積層体とし、真空ラミネーターにて150℃で30分間加熱圧着することによって太陽電池素子を封止する。このとき、図2(a)に示すように太陽電池素子のバスバー電極上にEVAシート11が配されるようにして、それ以外の部分にEVAシート14が配されるように積層することにより、太陽電池素子受光面側の光電変換活性領域とそうでない領域とをそれぞれEVAシート14、EVAシート11で封止することができる。
出力取り出し電極(不図示)は、あらかじめ裏面封止用EVAシートとPETフィルムに設けておいた開口部より導出する。
上記方法にて作製した太陽電池モジュールにメタルハライドランプで300〜400nmの波長領域での照射強度が1.50kW/m2の紫外線を1000時間照射した。なお、照射中はブラックパネル温度が63℃、湿度が50%RHとなるように雰囲気をコントロールした。
封止前の太陽電池素子直列体と上記照射試験前後の太陽電池モジュールの電気特性をソーラーシミュレーターにて測定し、封止前を1とした試験前後の太陽電池モジュールの出力と短絡電流の相対値を表1に示す。また、試験後の太陽電池モジュール外観について観察を行い、その結果も表1に示した。なお、サンプル数は10で行い、データはその平均値である。
(実施例2)
実施例1に於いて、光電変換活性領域封止用のEVAシートに紫外線吸収剤を添加しない以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2に於いて透光性部材を、EVAとの接着面を放電処理した厚さ50μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)フィルムに変えた以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例2に於いて、光電変換活性領域封止用のEVAシートの光安定化剤添加量を1.0重量%とした以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例2に於いて、光電変換活性領域封止用のEVAシートの光安定化剤添加量を0.3重量%とした以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例2に於いて、光電変換活性領域封止用のEVAシートの光安定化剤添加量を1.2重量%とした以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例2に於いて、光電変換活性領域以外の封止に光電変換活性領域封止用EVAシート14を用いた。それ以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例3に於いて、光電変換活性領域以外の封止に光電変換活性領域封止用EVAシート14を用いた。それ以外は全く同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表2に示す。
実施例と比較例との比較を容易にするために、太陽電池モジュールを透光性部材によって分類し、データをまとめたのが以下に挙げる表である。
Figure 2006066761
Figure 2006066761
表1、2から明らかなように、本発明を実施した太陽電池モジュールは、長時間の紫外線照射に対して、光電変換活性領域を被覆するEVAが黄変することなく、黄変による性能の低下はほとんどない。
実施例1は実施例2、4に比べて僅かに短絡電流の低下が大きく、EVAが目視で分からない程度に黄変していることが推察されるが、その出力への影響は極僅かであり、実使用上問題無い程度である。
実施例5では光安定化剤の添加量が少ないためにEVAの極僅かな黄変が、実施例6では光安定化剤の添加量が多いために光安定化剤のブリードアウトによるEVAの極僅かな白濁がそれぞれ発生し、実施例2、4に比べて短絡電流の低下が大きくなっているが、これも実施例1同様僅かであり、実用上問題無い。
また、実施例1、2、4、5、6ではバスバー上に設けたポリエステルテープに変化は認められず、光による部材の劣化の無い極めて耐光性に優れた太陽電池モジュールとすることができた。
実施例3では透光性部材をガラスからETFEへ変更しているが、ガラス同様EVAの黄変やポリエステルテープの変化は認められない。
なお、実施例3では透光性部材としてETFEフィルムを用いているために、表面での反射損失がガラスよりも小さく、試験前の出力がガラスを用いた実施例よりも大きくなっている。
一方、表1から明らかなように、比較例1ではEVAの黄変は認められなかったものの、光電変換活性領域以外を被覆するEVAに紫外線吸収剤が含有されていないために、バスバー電極上に設けられたポリエステルテープが著しく黄変し、外観上好ましいとは言い難いものであった。
比較例2でも比較例1同様、EVAの黄変はなく、黄変による性能低下は認められなかったものの、光電変換活性領域以外を被覆するEVAに紫外線吸収剤が含有されていないために、バスバー電極上に設けられたポリエステルテープが著しく黄変した。黄変の程度は比較例2よりもひどいものであった。また、ポリエステルテープ表面には微小なクラックが無数に発生し、一部でポリエステルテープと表面封止用有機高分子樹脂との間で剥離が発生した。これは、表面部材が紫外線透過性に優れるETFEフィルムであるために、表面部材がガラスである比較例2よりも遥かに多くの紫外線がポリエステルテープに達したためであると推察される。
本発明を実施した太陽電池モジュールの一実施形態の概略平面図及び概略断面図である。 実施例1の太陽電池モジュールの作製過程を表す概略平面図及び概略断面図である。 従来の太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図及び概略断面図である。
符号の説明
1:太陽電池素子
2:透光性部材
3:裏面保護部材
4:表面封止用有機高分子樹脂
5:裏面封止用有機高分子樹脂
6:バスバー電極
7:集電電極
8:太陽電池素子直列体
9:ガラス(透光性部材)
10:PETフィルム
11:光電変換活性領域以外の封止用EVAシート
12:裏面封止用EVAシート
13:有機高分子樹脂
14:光電変換活性領域封止用EVAシート
15:ポリエステルテープ

Claims (2)

  1. 太陽電池素子の受光面側が有機高分子樹脂とその外側の透光性部材とで封止されている太陽電池モジュールにおいて、前記有機高分子樹脂に、有機化合物からなる紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系光安定化剤と、有機過酸化物からなる架橋剤とが含有されており、前記太陽電池素子の光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される前記紫外線吸収剤の濃度が0.01重量%以下であり、前記太陽電池素子の光電変換活性領域以外の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有される前記紫外線吸収剤の濃度が0.1重量%以上であることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記光電変換活性領域の少なくとも一部を被覆する有機高分子樹脂に含有されるヒンダードアミン系光安定化剤の濃度が0.5〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009110405A1 (ja) 2008-03-07 2009-09-11 セントラル硝子株式会社 熱硬化性有機無機ハイブリッド透明材料
CN103000703A (zh) * 2011-09-13 2013-03-27 杜邦太阳能有限公司 太阳能模块
WO2016067889A1 (ja) * 2014-10-27 2016-05-06 日立化成株式会社 波長変換型太陽電池モジュール

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