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JP2006055698A - ガス吸蔵材料及びその製造方法ならびにガス吸蔵装置 - Google Patents

ガス吸蔵材料及びその製造方法ならびにガス吸蔵装置 Download PDF

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JP2006055698A JP2004237596A JP2004237596A JP2006055698A JP 2006055698 A JP2006055698 A JP 2006055698A JP 2004237596 A JP2004237596 A JP 2004237596A JP 2004237596 A JP2004237596 A JP 2004237596A JP 2006055698 A JP2006055698 A JP 2006055698A
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Madoka Nishiyama
円 西山
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Abstract

【課題】 軽量で優れたガス吸蔵・放出能が期待できる新規な炭素系ガス吸蔵材料及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 表面に円筒状ないし円錐状のピット群が形成された原盤に流動性の高分子材料を塗布する工程と、該高分子材料を硬化し前記原盤から剥離して表面に円柱状ないし円錐状の突起群が形成された高分子シートを製造する工程と、該高分子シートの突起群を含む領域に金属被覆を形成する工程と、該金属被覆を触媒とする化学的気相成長法により前記突起群の軸線に略垂直かつ放射状に炭素繊維群を成長させる工程とにより、基板表面に略垂直に形成された円錐状ないし円柱状の突起からなる支持構造群と、該支持構造群の表面に形成された炭素繊維群とを有するガス吸蔵材料を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は新規な構造を有するガス吸蔵材料及びその製造方法ならびにガス吸蔵装置に関するものであって、特に燃料電池装置の燃料として用いられる水素を吸蔵するための炭素系吸蔵材料に関するものである。
環境問題、エネルギー問題等、大気汚染と電力不足事情を同時に解決する手段として、最近、燃料電池を実用化し普及させようという試みが活発になってきている。燃料電池は水素と酸素を燃料として電気化学反応によって電力を取り出し、排出ガスは水蒸気のみという優れた発電方法である。
水素ガスの貯蔵運搬方法としては、水素ガスボンベおよび液化水素ボンベが実用化されており、また水素吸蔵合金が長年にわたり研究されている。しかしながら今までに開発された水素吸蔵合金は重量水素密度が低く、また水素放出の際に500K程度の加熱が必要なため、小型軽量であることが求められる携帯機器用燃料電池システムの水素源としては採用が困難である。
一方、最近注目されているカーボンナノチューブが優れた水素吸蔵能を示すという報告(非特許文献1)があり、様々な視点からの調査研究がなされているが、その水素吸蔵能については未だ確定的な評価が得られていないのが現状である。
カーボンナノチューブは黒鉛シート(グラフェンシートともいう)が円筒状に丸まった構造を有するものであって、円筒を構成する炭素層が一層であるものを単層カーボンナノチューブ(シングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)ともいう)、二層以上であるものを多層カーボンナノチューブ(マルチウォールカーボンナノチューブ(MWNT)ともいう)と呼ぶ。また多層カーボンナノチューブのうち、炭素層が二層であるものを特に二層カーボンナノチューブ(ダブルウォールカーボンナノチューブ(DWNT)ともいう)と呼ぶことがある。黒鉛シートの巻き方や、構成単位である六員環炭素の配列、チューブの直径などによって各種物性が異なることが知られている。上記のいずれのカーボンナノチューブも、黒鉛と同様にsp2混成軌道の炭素原子のネットワークからなる完全な結晶質炭素である。
単層カーボンナノチューブ及び二層カーボンナノチューブの直径は、それぞれおよそ2nm未満および3nm未満で、チューブの内部には通常何も入っていないが、人工的にフラーレンや金属内包フラーレンを挿入して電子物性を変化させる試みがなされている。一方、多層カーボンナノチューブには、中心に中空部分を有するものと、中心まで結晶質炭素が詰まっており中空部分のないものとがある。
A.C.Dillon et al., "Storage of hydrogen in single−walled carbon nanotubes", Nature, 1997年3月, 386巻, p.377−379
本発明は、軽量で優れたガス吸蔵・放出能が期待できる新規な炭素系ガス吸蔵材料及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は第一に、「基板表面に略垂直に形成された円錐状ないし円柱状の突起からなる支持構造群と、該支持構造群の表面に形成された炭素繊維群とを有するガス吸蔵材料」(請求項1)を提供する。
円錐状ないし円柱状の突起を支持構造として、炭素繊維を立体的に支持することにより、水素分子、原子状水素、水素イオン等の吸蔵ガス種が炭素繊維表面に拡散しやすくなり、また単位体積当たりの表面積が増大するので、ガスの吸蔵・放出が早く、大きな吸蔵能を得ることが可能となる。
前記支持構造の表面に形成された炭素繊維の方向は一定でなくとも構わないが、吸蔵ガス種の炭素繊維表面への拡散をより容易にするためには、炭素繊維が支持構造の軸線に略垂直かつ放射状に形成されていることがより好ましい。そこで本発明は第二に、「前記炭素繊維群が前記支持構造群の軸線に略垂直かつ放射状に形成されたことを特徴とするガス吸蔵材料」(請求項2)を提供する。
前記炭素繊維群を構成する炭素繊維としては、カーボンナノチューブが好適である。カーボンナノチューブはグラファイト様の炭素網が年輪状に積層した構造を持つため、機械的に強固であり、ガスの吸蔵・放出に伴う構造変化が少なく安定した吸蔵能を維持することが期待できるからである。そこで本発明は、
「前記炭素繊維群がカーボンナノチューブからなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料」(請求項3)を提供する。
前記炭素繊維群を構成する炭素繊維としては、カーボンナノチューブ以外に、カーボンナノチューブとほぼ同様の外形を示しながら非晶質構造であるアモルファスナノ炭素繊維を用いることも好適である。アモルファスナノ炭素繊維は構造欠陥に起因する多くのガス吸蔵サイトを有すると考えられるためである。そこで本発明は、
「前記炭素繊維群がアモルファスナノ炭素繊維からなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料」(請求項4)を提供する。
吸蔵すべきガスが水素である場合には、前記基板をプロトン伝導性材料で構成することによって基板自体も吸着ガスの拡散経路として利用することができ、ガス吸蔵・放出の効率を向上させることができる。そこで本発明は、
「請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料であって、前記基板がプロトン伝導性材料からなることを特徴とするガス吸蔵材料」(請求項5)を提供する。
前記プロトン伝導性材料としては、前記支持構造となる円柱状ないし円錐状突起の形成が容易な高分子材料が好適である。そこで本発明は、
「請求項5に記載のガス吸蔵材料であって、前記プロトン伝導性材料が高分子材料であることを特徴とするガス吸蔵材料」(請求項6)を提供する。
プロトン伝導性の高分子材料としては、スルホン酸基(−SO3H)を有する材料が
プロトン拡散係数が大きく好適である。そこで本発明は、
「請求項6に記載のガス吸蔵材料であって、前記高分子材料がスルホン酸基(−SO3H)を有することを特徴とするガス吸蔵材料」(請求項7)を提供する。
以上の構造を有するガス吸蔵材料を、前記基板の厚さ方向に複数積層すれば、単位体積当たりのガス吸蔵量を増大させることができる。そこで本発明は、
「請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料が、前記基板の厚さ方向に複数積層されたことを特徴とするガス吸蔵材料」(請求項8)を提供する。
これらのガス吸蔵材料を容器に収容すればガス吸蔵装置を構成することができるが、本発明に係るガス吸蔵材料はシート状の形態を有するため、ガス吸蔵時または放出時のガス流れが基板面に平行であるようにすれば、ガス吸蔵部位である炭素繊維群へのガス吸蔵および炭素繊維群からのガス放出を効率よく行うことができる。そこで本発明は、
「請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料を容器に収容したガス吸蔵装置であって、ガス吸蔵時またはガス放出時における前記容器内におけるガス流れが、前記ガス吸蔵材料の基板面に平行であることを特徴とするガス吸蔵装置」(請求項9)を提供し、さらに前記ガス流れを実現可能な構成を有するガス吸蔵装置として、
「請求項9に記載のガス吸蔵装置であって、前記基板が前記容器内にロール状に巻かれて収容されていることを特徴とするガス吸蔵装置」(請求項10)を提供する。
また本発明は前記ガス吸蔵材料の製造方法として、
「表面に円筒状ないし円錐状のピット群が形成された原盤に流動性の高分子材料を塗布する工程と、該高分子材料を硬化し前記原盤から剥離して表面に円柱状ないし円錐状の突起群が形成された高分子シートを製造する工程と、該高分子シートの突起群を含む領域に金属被覆を形成する工程と、該金属被覆を触媒とする化学的気相成長法により前記突起群の軸線に略垂直かつ放射状に炭素繊維群を成長させる工程と、を有するガス吸蔵材料の製造方法」(請求項11)および、
「前記高分子シートがプロトン伝導性材料であることを特徴とする請求項11に記載のガス吸蔵材料の製造方法」(請求項12)および、
「請求項12に記載のガス吸蔵材料の製造方法であって、前記プロトン伝導性材料がスルホン酸基(−SO3H)を有することを特徴とするガス吸蔵材料の製造方法」(請求項13)および、
「請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料の製造方法であって、前記金属被覆がニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)からなる群から選択された少なくとも1の金属からなることを特徴とするガス吸蔵材料の製造方法」(請求項14)を提供する。
本発明に係るガス吸蔵材料は、ガス吸蔵部位である炭素繊維群が、円錐状ないし円柱状の支持構造群の上に形成されているので、炭素繊維群への吸蔵ガスの供給および炭素繊維群からの吸蔵ガスの放出が効率よく行われる。
また、前記基板をプロトン伝導性材料とすれば、基板自体もガス拡散経路として利用できるため、ガス吸蔵およびガス放出の効率を更に高めることが可能である。
かかる構造を有するガス吸蔵材料を前記基板の厚さ方向に複数積層すれば、単位体積当たりのガス吸蔵量を増大させることができる。
また本発明に係るガス吸蔵材料を容器に収容してガス吸蔵装置とする場合には、本発明に係るガス吸蔵材料はシート状の形態を有するため、ガス吸蔵時または放出時のガス流れが基板面に平行であるようにすれば、ガス吸蔵部位である炭素繊維群へのガス吸蔵および炭素繊維群からのガス放出を効率よく行うことができる。
図1は本発明に係るガス吸蔵材料の形態を説明する概略図である。
基板1上には、円錐状ないし円柱状の突起群からなる支持構造2が形成されている。支持構造2の直径は10nmないし300nm程度が好ましく、また基板表面からの高さは70nmないし1μm程度が適当である。支持構造の基部の径をd、高さをaとしたときに、d/aが0.5以上であればガスの吸蔵および放出をより効率的に行うことができる。
支持構造2は基部から先端までの直径がほぼ等しい円柱状であっても良いし、また先端にかけて直径が小さくなる円錐状であっても良く、両者の中間形態である円錐台形であっても良い。先端にかけて直径が大きくなる逆円錐形構造は、ガス吸蔵部位である炭素繊維群3へのガス拡散に対する抵抗が大きくなり、また構造的に不安定で製造も困難であるため、支持構造の形態として不適当である。
支持構造の基板面内における配列状態について特に制限は無いが、ガス吸蔵能を高めるためには最密充填配置とすることが好ましい。
支持構造2の一つ一つには、その軸線に対して略垂直かつ放射状に、炭素繊維群3が形成されている。炭素繊維群3を構成する炭素繊維は、カーボンナノチューブまたはアモルファスナノ炭素繊維であることが好ましい。
カーボンナノチューブの種類としては、シングルウォールナノチューブ、ダブルウォールナノチューブ、マルチウォールナノチューブ等が知られているが、これらのいずれもが本発明に適用可能である。またフラーレン等のナノ炭素粒子を内包した、ピーポッドと称されるカーボンナノチューブや、金属粒子を内包したカーボンナノチューブを適用することもできる。
グラファイト様の結晶構造を有する上記カーボンナノチューブの他、、非晶質構造を有するアモルファスナノ炭素繊維も同様に、炭素繊維群3を構成する炭素繊維として利用することができる。アモルファスナノ炭素繊維は乱れた炭素配列を有するので、ガス吸蔵サイトの密度が高く、高いガス吸蔵能が期待できる。
また、カーボンナノチューブやアモルファスナノ炭素繊維の表面を、吸着ガスとの親和力の大きい異原子、例えばフッ素原子を含む置換基で修飾した炭素繊維も好適に使用することができる。
図2は、図1の構造を有するガス吸蔵材料を、基板1の厚さ方向に複数積層した構造を有するガス吸蔵材料の概略図である。
積層構造を構成するための手段に特に制限は無く、図1の構造を有するガス吸蔵材料を重ね合わせることによって図2の構造を実現することが可能である。この場合、積層された複数のガス吸蔵材料が互いに強固に結合されている必要は無いが、基板1を高分子材料で構成した場合は、複数のガス吸蔵材料を積層した状態で基板1の材質に応じて適当な温度に加熱し、さらに基板の厚さ方向に圧力を加えることで互いに強固に結合することもできる。
積層された状態のガス吸蔵材料においては、ガス吸蔵部位である炭素繊維群へのガス供給またはガス放出は、積層された基板の間にある空間を通じ、基板面に平行な方向に行われることになるが、吸着ガスが水素である場合は、基板1をプロトン伝導性材料で構成することによって、基板自体をガス拡散経路として利用することが可能となる。すなわちプロトン伝導性材料で構成された基板の内部をプロトンが拡散することによって、基板面に平行な方向だけでなく、これに垂直な基板の厚さ方向(積層方向)にも吸着ガスの拡散が可能となり、高い効率でガス吸蔵・放出を行うことができる。
プロトン伝導性材料としては水和酸化スズ(SnO2・nH2O)やヘテロポリリン酸類などの無機材料を使用することも可能であるが、高分子材料を用いることがより好ましい。高分子材料は所望の形状に形成することが容易であり、円柱状ないし円錐状の支持構造を製造し易く、さらにシート状の自立構造をも構成できるからである。
プロトン伝導性の高分子材料としてはポリアニリンやパーフルオロカーボンスルホン酸などが知られているが、スルホン酸基(−SO3H)を有する材料がプロトンの拡散係数が大きく、例えばポリスチレンスルホン酸などは成形も容易で特に好適である。
図3は、本発明に係るガス吸蔵材料を容器に収容したガス吸蔵装置の例であって、ロール状に巻かれたガス吸蔵材料6が容器7に収容されている。容器7にはガスの出入口8が設けられており、外部のガス供給源やガス消費装置と接続される。
図3の構造を有するガス吸蔵装置では、ガス吸蔵の際、外部のガス供給源から出入口8を経て流入したガスは容器の上方から下方に向かって流れ、ロール状に巻かれたガス吸蔵材料6の基板面に平行な流れが形成される。このため基板表面に存在するガス吸蔵部位としての炭素繊維群に十分ガスが供給され、高い効率でガス吸蔵が行われる。またガス放出の際も同様に放出ガスが基板面に平行に流れるため、ガス流に対する抵抗が少なく、高い効率でガス放出を行うことができる。
次に、本発明に係るガス吸蔵材料の製造方法について説明する。
図4は本発明に係るガス吸蔵材料の製造工程を説明する概略図であり、ガス吸蔵部位周辺の断面を表している。
はじめに、表面に円筒状ないし円錐状の多数のピット11aを有する原盤11を用意する(図4a)。原盤はSiまたはSiO2からなる基板上にフォトリソグラフィーによって所定のパターンを形成し、さらに条件をコントロールしたドライエッチングを行うことで製造することができる。
ピットの形状は製造しようとするガス吸蔵材料の支持部に対応した形状とする。すなわちピットの直径は10nmないし300nmが好適であり、深さは70nmないし1μmであることが望ましい。また、ピットの面内配列や密度について特に制限は無いが、最密充填配置とすればガス吸蔵部位の密度を高めることができるので好ましい。
次に、原盤上に流動性の高分子材料12を流し、ピットの底まで十分行き渡るようにする(図4b)。その後、高分子材料の種類に応じて加熱や紫外線照射等の適切な方法を用いて流動性の高分子材料を固化させる。高分子材料としてはプロトン伝導性材料を用いることが望ましく、特にスルホン酸基(−SO3H)を有する高分子材料が望ましい。プロトン伝導性は流動性を有する時点で付与されていても良いが、最終的に固化した状態でプロトン伝導性を示せば十分であり、原盤から剥離した後にスルホン化等の化学処理を行ってプロトン伝導性を付与することも可能である。
高分子材料が完全に固化した後、シート状となった高分子材料を原盤から剥離することで、表面に円柱状ないし円錐状の突起13aが形成された高分子シート13が得られる(図4c)。剥離を容易にするためには予め原盤表面に適当な離型材を塗布しておくことが有効である。
流動性高分子材料を用いる代わりに、熱可塑性高分子材料を用いても良い。この場合はシート状の熱可塑性高分子材料を原盤に密着させながら加熱し(又は加熱した原盤に密着させ)、さらに適当な圧力を加えることで原盤の凹凸をシート状高分子材料に転写することができる。
次に、上記高分子シート13の突起群を含む領域に金属被覆14を形成する(図4d)。被覆する金属の種類としては、炭素繊維を成長させるための触媒として作用することが知られている、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)のいずれかの金属またはこれらの合金であることが望ましい。金属被覆14の形成方法に特に制限はなく、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法、無電解メッキ法など公知の方法を用いることができる。ただし基板が高分子材料であるため高温に加熱すると変形することがあり、また高エネルギー粒子の入射によって化学結合が分解することも考えられるため、成膜条件には注意が必要である。金属被覆14の厚さとしては、触媒として機能する最低限の厚さがあればよく、概ね10nm以下が適当である。また被膜のカバレッジは最低限数%以上あれば良い。
金属被膜14を形成したら、この被膜を触媒とする化学的気相成長法により、前記突起群の軸線に略垂直かつ放射状に炭素繊維15を成長させる(図4e)。
炭素繊維15の原料ガスとしては炭化水素類やアルコール類を用いることができ、製造しようとする炭素繊維の種類、例えばシングルウォールナノチューブやマルチウォールナノチューブ等の種類に応じて原料ガスと製造条件とを設定すれば良い。炭素繊維の長さは反応時間によって容易に制御することが可能である。
以上の工程により、プロトン伝導性高分子材料からなる基板上に形成された円錐状ないし円柱状の支持構造群と、該支持構造群の軸線に略垂直かつ放射状に形成された炭素繊維群とからなるガス吸蔵材料を製造することができる。
なお、成長させた炭素繊維群に非晶質化やフッ素化などの種々の操作を加えることで、ガス吸蔵特性の優れた炭素繊維群に変換することも可能である。例えば、上記の工程で製造されたガス吸蔵材料を酸化性ガス中で加熱して活性化させた後、更にフッ素含有ガス中で加熱してフッ素化することによって、炭素繊維群をフッ素化アモルファスナノ炭素繊維群へと変換することができる。
以上の工程により製造されるガス吸蔵材料は、図1に示す概略構造を有するものであるが、これを基板の厚さ方向に複数積層して図2に示す構造とすることも好ましい。このような構造とすることによってガス吸蔵部位の体積密度を高め、高いガス吸蔵能を実現することが可能となる。
また、上記の構造を有するガス吸蔵材料は、これをロール状に巻いて図3のごとく容器に収容することによって、ガスの吸蔵時または放出時における容器内のガス流れがガス吸蔵材料の基板に平行な方向となり、基板表面に配列している炭素繊維群へのガス供給が効率よく行われ、また炭素繊維群から放出されたガスを効率よくガス出入口に導くことができる。
本発明に係るガス吸蔵材料の形態を説明する概略図である。 本発明に係るガス吸蔵材料の形態を説明する概略図である。 本発明に係るガス吸蔵装置の形態を説明する概略図である。 本発明に係るガス吸蔵材料の製造工程を説明する概略図である。
符号の説明
1…基板、2…支持構造、3…炭素繊維群、6…ガス吸蔵材料、7…容器、8…出入口、11…原盤、11a…ピット、12…高分子材料、13…高分子シート、13a…突起、14…金属被覆、15…炭素繊維

Claims (14)

  1. 基板表面に略垂直に形成された円錐状ないし円柱状の突起からなる支持構造群と、該支持構造群の表面に形成された炭素繊維群とを有するガス吸蔵材料。
  2. 前記炭素繊維群が前記支持構造群の軸線に略垂直かつ放射状に形成されたことを特徴とするガス吸蔵材料。
  3. 前記炭素繊維群がカーボンナノチューブからなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料。
  4. 前記炭素繊維群がアモルファスナノ炭素繊維からなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料であって、前記基板がプロトン伝導性材料からなることを特徴とするガス吸蔵材料。
  6. 請求項5に記載のガス吸蔵材料であって、前記プロトン伝導性材料が高分子材料であることを特徴とするガス吸蔵材料。
  7. 請求項6に記載のガス吸蔵材料であって、前記高分子材料がスルホン酸基(−SO3H)を有することを特徴とするガス吸蔵材料。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料が、前記基板の厚さ方向に複数積層されたことを特徴とするガス吸蔵材料。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料を容器に収容したガス吸蔵装置であって、ガス吸蔵時またはガス放出時における前記容器内におけるガス流れが、前記ガス吸蔵材料の基板面に平行であることを特徴とするガス吸蔵装置。
  10. 請求項9に記載のガス吸蔵装置であって、前記基板が前記容器内にロール状に巻かれて収容されていることを特徴とするガス吸蔵装置。
  11. 表面に円筒状ないし円錐状のピット群が形成された原盤に流動性の高分子材料を塗布する工程と、該高分子材料を硬化し前記原盤から剥離して表面に円柱状ないし円錐状の突起群が形成された高分子シートを製造する工程と、該高分子シートの突起群を含む領域に金属被覆を形成する工程と、該金属被覆を触媒とする化学的気相成長法により前記突起群の軸線に略垂直かつ放射状に炭素繊維群を成長させる工程と、を有するガス吸蔵材料の製造方法。
  12. 前記高分子シートがプロトン伝導性材料であることを特徴とする請求項11に記載のガス吸蔵材料の製造方法。
  13. 請求項12に記載のガス吸蔵材料の製造方法であって、前記プロトン伝導性材料がスルホン酸基(−SO3H)を有することを特徴とするガス吸蔵材料の製造方法。
  14. 請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載のガス吸蔵材料の製造方法であって、前記金属被覆がニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)からなる群から選択された少なくとも1の金属からなることを特徴とするガス吸蔵材料の製造方法。
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