JP2005308150A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 油圧制御の応答性を向上しつつ、摩擦係合要素における滑りの発生および自動変速機の効率低下を防止する自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】 摩擦係合要素に供給するライン圧を制御するためのソレノイド電流を制御する電流制御部36は、第1コントローラ52と、第2コントローラ54とを含む。第1コントローラ52は、応答性を重視した制御ゲインに設計され、第2コントローラ54は、安定性を重視した制御ゲインに設計される。電流制御部36は、ライン圧を増圧方向に制御するときは、第1コントローラ52によってフィードバック制御を行ない、ライン圧を減圧方向に制御するときは、第2コントローラ54によってフィードバック制御を行なう。
【選択図】 図4
【解決手段】 摩擦係合要素に供給するライン圧を制御するためのソレノイド電流を制御する電流制御部36は、第1コントローラ52と、第2コントローラ54とを含む。第1コントローラ52は、応答性を重視した制御ゲインに設計され、第2コントローラ54は、安定性を重視した制御ゲインに設計される。電流制御部36は、ライン圧を増圧方向に制御するときは、第1コントローラ52によってフィードバック制御を行ない、ライン圧を減圧方向に制御するときは、第2コントローラ54によってフィードバック制御を行なう。
【選択図】 図4
Description
この発明は、自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、ソレノイドに流れる電流を制御することによって自動変速機の摩擦係合要素に供給する油圧を制御する自動変速機の油圧制御装置に関する。
自動変速機においては、自動変速機における摩擦係合要素(クラッチやブレーキなど)に供給する油圧(以下、「ライン圧」とも称する。)を自動変速機の入力トルクに応じて制御することが行なわれている。すなわち、自動変速機の入力トルクが増大したときは、摩擦係合要素に滑りが生じるのを防止するために、ライン圧が増圧方向に制御される。一方、ライン圧が必要以上に高いと、油圧を発生させるためのポンプの負荷を増大させることから、自動変速機の入力トルクが減少したときは、自動変速機の効率低下を防止するために、ライン圧が減圧方向に制御される。
従来より、自動変速機においてライン圧を制御するための油圧制御装置としては、ライン圧を制御するためのソレノイドを備え、ソレノイドの通電量が目標ライン圧を得るための電流目標値となるように、ソレノイドに流す電流をフィードバック制御する油圧制御装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、自動変速機においては、油圧制御の応答性が悪化すると変速ショックを招くなどの問題が生じるところ、上記の特許文献1は、ソレノイドに流す電流の電流目標値への収束性を高めることができる自動変速機のソレノイド駆動装置を開示する。
この特許文献1に開示されたソレノイド駆動装置は、フィードバック制御を行なうPID(比例積分微分)コントローラの制御ゲインを定常制御偏差に応じて変更する。そして、このソレノイド駆動装置によれば、定常制御偏差の大きいときに制御ゲインを大きくして制御偏差に対するフィードバック補正量を増大させることにより、ソレノイドに流す電流の電流目標値への収束性を高めることができる。
特開平11−184543号公報
特開平11−265203号公報
一般に、制御ゲインを大きくして応答性を高めると、それに伴なって制御量のオーバーシュートおよびアンダーシュートが発生する。そして、上述のように、自動変速機の入力トルクに応じて目標ライン圧が変更され、それに応じて電流目標値が変更される場合、制御の応答性を高めたことによってソレノイドに流れる電流が目標値をオーバーシュートまたはアンダーシュートし、その結果、ライン圧が目標圧を下回ると、摩擦係合要素において滑りが発生してしまう。
また、目標ライン圧に対するアンダーシュートを考慮して、摩擦係合要素において滑りが発生しないような所定の安全率をもって目標ライン圧を高めに設定することもできるが、目標ライン圧を高めに設定することは、上述したように、油圧を発生させるためのポンプの負荷を増大させ、自動変速機の効率低下を招く。
そして、上述した特許文献1に開示されるソレノイド駆動装置では、上記のような問題を十分に解決することはできない。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、油圧制御の応答性を向上しつつ、摩擦係合要素における滑りの発生および自動変速機の効率低下を抑制する自動変速機の油圧制御装置を提供することである。
この発明によれば、自動変速機の油圧制御装置は、自動変速機における摩擦係合要素に供給する油圧を制御する自動変速機の油圧制御装置であって、油圧を制御するためのソレノイドと、ソレノイドの通電量を制御することによって油圧を制御する制御部とを備え、制御部は、油圧を増圧方向に制御するとき、第1の制御ゲインを用いてソレノイドの通電量を制御し、油圧を減圧方向に制御するとき、第1の制御ゲインよりも小さい第2の制御ゲインを用いてソレノイドの通電量を制御する。
好ましくは、第1の制御ゲインは、第2の制御ゲインが用いられる場合よりもソレノイドの通電量を高応答に制御するための制御ゲインである。
好ましくは、第2の制御ゲインは、第1の制御ゲインが用いられる場合よりもソレノイドの通電量を安定的に制御するための制御ゲインである。
好ましくは、自動変速機の油圧制御装置は、ソレノイドの通電量を検出する電流検出部をさらに備え、制御部は、油圧の目標値に対応する目標電流と電流検出部によって検出される電流実績との大小関係に基づいて第1または第2の制御ゲインを選択する。
好ましくは、ソレノイドの通電量が大きくなるのに応じて油圧は減圧され、制御部は、電流実績が目標電流よりも大きいとき、第1の制御ゲインを用いてソレノイドの通電量を制御し、電流実績が目標電流よりも小さいとき、第2の制御ゲインを用いてソレノイドの通電量を制御する。
好ましくは、制御部は、第1および第2の制御ゲインをそれぞれ有する第1および第2の制御器を含み、第1の制御器は、電流実績が目標電流よりも大きいとき、ソレノイドの通電量を制御し、第2の制御器は、電流実績が目標電流よりも小さいとき、ソレノイドの通電量を制御する。
好ましくは、制御部は、電流実績と電流目標値との偏差に基づいてソレノイドの通電量をフィードバック制御する。
この発明による自動変速機の油圧制御装置においては、制御部は、油圧を増圧方向に制御するとき、第1の制御ゲインを用い、油圧を減圧方向に制御するとき、第1の制御ゲインよりも小さい第2の制御ゲインを用いてソレノイドの通電量を制御するので、油圧の増圧時は、応答性を確保しつつ、油圧の減圧時は、安定性を確保して、油圧制御される。
したがって、この発明によれば、油圧の増圧時は、目標圧への追従性を確保でき、油圧の減圧時は、油圧が目標圧をアンダーシュートするのを防止できる。その結果、油圧が目標圧を下回ることによる摩擦係合要素における滑りの発生を抑制できる。また、摩擦係合要素において滑りが発生しないような所定の安全率をもって目標油圧を高めに設定する必要がないので、自動変速機の効率低下を防止できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による自動変速機の油圧制御装置の構成を概略的に示す全体構成図である。
図1を参照して、この油圧制御装置10は、トランジスタ12と、ソレノイドバルブ14と、電流センサ16と、電流制御装置18と、電源ノード24と、接地ノード26とを備える。電流センサ16は、抵抗20と、電圧検出部22とを含む。
トランジスタ12は、n型トランジスタであって、バッテリ電圧VBTが印加された電源ノード24にコレクタが接続され、ソレノイドバルブ14に内蔵されるソレノイド15にエミッタが接続され、電流制御装置18からの駆動信号Sをベースに受ける。そして、トランジスタ12は、電流制御装置18からの駆動信号Sが活性化されているとき、電源ノード24からソレノイド15へ電流を流す。
ソレノイドバルブ14は、クラッチやブレーキなどの摩擦係合要素に供給するライン圧を制御するための油圧バルブであって、誘導性負荷からなるソレノイド15を内部に含む。ソレノイド15は、トランジスタ12のエミッタに一端が接続され、電流センサ16に他端が接続される。ソレノイドバルブ14は、ソレノイド15の通電量に応じてライン圧を増減する。したがって、ソレノイド15の通電量を制御することによって、摩擦係合要素に供給するライン圧を制御することができる。
図2は、図1に示したソレノイド15の通電量とライン圧との関係を示す図である。
図2を参照して、横軸は、ソレノイド15に流れる電流量を示し、縦軸は、ソレノイドバルブ14によって制御されるライン圧を示す。このソレノイドバルブ14は、ソレノイド15に流れる電流が大きくなるに従ってライン圧を低下させる。すなわち、ソレノイド15の通電量を減少させることによってライン圧を増加させ、ソレノイド15の通電量を増加させることによってライン圧を減少させることができる。
再び図1を参照して、電流センサ16は、ソレノイド15と接地ノード26との間に設けられ、ソレノイド15の通電量を検出し、検出した電流実績Iactを電流制御装置18へ出力する。抵抗20は、ソレノイド15に一端が接続され、接地ノード26に他端が接続される。電圧検出部22は、抵抗20に並列に接続される。そして、電圧検出部22は、抵抗20の両端にかかる電圧を検出し、その検出した電圧と抵抗20の抵抗値とに基づいて算出される電流値をソレノイド15に流れる電流実績Iactとして電流制御装置18へ出力する。
電流制御装置18は、電流センサ16から電流実績Iactを受け、その受けた電流実績Iactを用いてソレノイド15の通電量をフィードバック制御する。電流制御装置18は、自動変速機の入力トルクに対応する目標ライン圧を算出し、その算出した目標ライン圧に対応するソレノイド15の電流目標値Irefを算出する。また、電流制御装置18は、算出した電流目標値Irefと電流センサ16から受ける電流実績Iactとの偏差に基づいて、ソレノイド15に流す電流を電流目標値Irefに制御するための制御操作量を算出する。さらに、電流制御装置18は、算出した制御操作量に対応するデューティ比からなる駆動信号Sを生成し、その生成した駆動信号Sをトランジスタ12のベース端子へ出力する。
ここで、電流制御装置18は、電流センサ16から受ける電流実績Iactと電流目標値Irefとの大小関係に応じてフィードバック制御の制御ゲインを切換える。すなわち、電流制御装置18は、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きいときは、ソレノイド15に流れる電流が電流目標値Irefに高応答に追従するように、応答性を重視した第1の制御ゲインを用いてフィードバック制御を行なう。
一方、電流制御装置18は、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さいときは、ソレノイド15に流れる電流が振動的にならずに電流目標値Irefに収束するように、第1の制御ゲインよりも小さく安定性を重視した第2の制御ゲインを用いてフィードバック制御を行なう。
すなわち、上述したように、ライン圧実績が目標ライン圧よりも下回ると、摩擦係合要素において滑りが発生し、一方、目標ライン圧に対するアンダーシュートを考慮して所定の安全率をもって目標ライン圧を高めに設定することは、油圧ポンプの負荷を増大させ、自動変速機の効率低下を招く。そこで、この電流制御装置18は、所定の安全率をもって目標ライン圧を高めに設定することはせず、ライン圧実績が目標ライン圧よりも低い場合に対応する、ソレノイド15の電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きい場合、応答性を重視した第1の制御ゲインを用いることによってソレノイド15の通電量を電流目標値Irefに高応答に追従させる。これによって、目標ライン圧よりも低いライン圧実績を目標ライン圧まで高応答に追従させることができ、摩擦係合要素における滑りの発生が抑制される。
一方、電流制御装置18は、ライン圧実績が目標ライン圧よりも高い場合に対応する、ソレノイド15の電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さい場合、安定性を重視した第2の制御ゲインを用いることによってソレノイド15の通電量を電流目標値Irefに漸近的に追従させる。これによって、ライン圧実績が目標ライン圧をアンダーシュートすることはなく、摩擦係合要素における滑りの発生が防止される。
この油圧制御装置10においては、ソレノイドバルブ14は、トランジスタ12によって制御されるソレノイド15の通電量に応じてライン圧を制御する。電流センサ16は、ソレノイド15の通電量を検出し、その検出した電流実績Iactを電流制御装置18へ出力する。電流制御装置18は、自動変速機の入力トルクに基づいてソレノイド15の電流目標値Irefを算出し、電流センサ16から受ける電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きいときは、応答性重視の第1の制御ゲインを用いてソレノイド電流のフィードバック制御を行なう。一方、電流制御装置18は、ソレノイド15の電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さいときは、安定性重視の第2の制御ゲインを用いてソレノイド電流のフィードバック制御を行なう。
そして、電流制御装置18は、第1または第2の制御ゲインを用いて制御操作量を算出すると、その算出した制御操作量に応じたデューティ比からなる駆動信号Sを生成してトランジスタ12へ出力する。トランジスタ12は、電流制御装置18から受ける駆動信号Sに応じてスイッチング動作を行ない、駆動信号Sのデューティ比に応じた電流を電源ノード24からソレノイド15へ流す。
図3は、図1に示した電流制御装置18の構成を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、電流制御装置18は、入力トルク算出部30と、目標ライン圧算出部32と、目標電流算出部34と、電流制御部36と、駆動信号生成部38とを含む。入力トルク算出部30は、トルクコンバータを介して入力される自動変速機の入力トルクTtを算出する。入力トルク算出部30は、エンジン出力トルクTe、エンジン回転速度Ne(トルクコンバータの入力軸回転速度)およびタービン回転速度Nt(トルクコンバータの出力軸回転速度)に基づいて、自動変速機の入力トルクTtを下式により算出する。
Tt=Te×f(Ne,Nt) …(1)
ここで、f(Ne,Nt)は、速度比e=Nt/Neによって定まるトルクコンバータのトルク比を表わす。
ここで、f(Ne,Nt)は、速度比e=Nt/Neによって定まるトルクコンバータのトルク比を表わす。
目標ライン圧算出部32は、入力トルクTtに応じた目標ライン圧Prefを算出する。目標ライン圧算出部32は、入力トルク算出部30から入力トルクTtを受け、その受けた入力トルクTtに基づいて目標ライン圧Prefを下式の関係を用いて算出する。
Tt=α×Pref−β …(2)
ここで、α,βは、この自動変速機における摩擦係合要素によって定まる予め算出された所定の定数である。
ここで、α,βは、この自動変速機における摩擦係合要素によって定まる予め算出された所定の定数である。
目標電流算出部34は、目標ライン圧Prefを得るためのソレノイド15の電流目標値Irefを算出する。目標電流算出部34は、目標ライン圧算出部32から目標ライン圧Prefを受け、その受けた目標ライン圧Prefに基づいて、ソレノイド15に流す電流目標値Irefを図2に示した関係を用いて算出する。
電流制御部36は、ソレノイド15に流れる電流が電流目標値Irefに追従するようにフィードバック制御を行なう。電流制御部36は、ソレノイド15の電流目標値Irefおよび電流実績Iactをそれぞれ目標電流算出部34および電流センサ16(図示せず)から受け、その受けた電流目標値Irefおよび電流実績Iactの偏差に基づいて制御操作量uを算出する。
ここで、上述したように、電流制御部36は、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きいときは、応答性重視の第1の制御ゲインを用いて制御操作量uを算出し、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さいときは、安定性重視の第2の制御ゲインを用いて制御操作量uを算出する。そして、電流制御部36は、算出した制御操作量uを駆動信号生成部38へ出力する。
駆動信号生成部38は、電流制御部36によって算出された制御操作量uに応じたデューティ比からなる駆動信号Sを生成する。具体的には、駆動信号生成部38は、電流制御部36から受ける制御操作量uが0のときは、駆動信号Sのデューティ比をその状態に維持する。また、たとえば、駆動信号生成部38は、制御操作量uが正のときは、その制御操作量uの大きさに応じて駆動信号Sのオンデューティ比を小さくし、制御操作量uが負のときは、その制御操作量uの大きさに応じて駆動信号Sのオンデューティ比を大きくする。
なお、制御操作量uの符号に応じたオンデューティ比の増減方向は、電流制御部36における電流目標値Irefと電流実績Iactとの偏差演算や制御ゲインの符号に応じて適宜決定される。
図4は、図3に示した電流制御部36の構成を示す機能ブロック図である。
図4を参照して、電流制御部36は、減算部50と、第1コントローラ52と、第2コントローラ54とからなる。減算部50は、目標電流算出部34(図示せず)からの電流目標値Irefおよび電流検出部16(図示せず)からの電流実績Iactを受け、電流目標値Irefから電流実績Iactを減算した偏差eを第1および第2コントローラ52,54へ出力する。
第1コントローラ52は、減算部50から偏差eを受け、たとえばPI(比例積分)制御を行なう。ここで、第1コントローラ52は、第1の比例および積分ゲインを有し、応答性を重視したゲイン設計がなされている。そして、第1コントローラ52は、偏差eが負のとき、すなわち、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きいときのみ制御操作量uを出力し、偏差eが正のときは、制御操作量uを0として出力する。
第2コントローラ54も、第1コントローラ52と同様に、減算部50から偏差eを受け、たとえばPI制御を行なう。ここで、第2コントローラ54は、第1の比例および積分ゲインよりもそれぞれ小さい第2の比例および積分ゲインを有し、安定性を重視したゲイン設計がなされている。そして、第2コントローラ54は、偏差eが正のとき、すなわち、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さいときのみ制御操作量uを出力し、偏差eが負のときは、制御操作量uを0として出力する。
すなわち、この電流制御部36においては、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きいときは、応答性重視の第1の比例/積分ゲインからなる第1コントローラがフィードバック制御を行なう。一方、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さいときは、安定性重視の第2の比例/積分ゲインからなる第2コントローラがフィードバック制御を行なう。
図5は、入力トルクが増加したとき、図1に示した油圧制御装置10により制御されるライン圧の変化の様子を示す図である。
図5を参照して、時刻t1において、自動変速機の入力トルクがT1からT2に増加すると、電流制御装置18は、目標ライン圧PrefをP1からP2へ増圧方向に変更する。そうすると、電流制御装置18は、図2に示したように、ソレノイド15の電流目標値Irefを減少方向に変更するので、ソレノイド15の電流実績Iactは、電流目標値Irefよりも大きい状態となり、電流制御装置18は、応答性重視の第1コントローラ52によってフィードバック制御を行なう。これによって、時刻t1〜t2の間、ライン圧は、高応答に制御される。
時刻t2において、ソレノイド15に流れる電流が電流目標値Irefに到達し、実績ライン圧Pactも目標ライン圧Prefに到達するが、ソレノイド電流が電流目標値Irefをアンダーシュートし、それに応じて実績ライン圧Pactも目標ライン圧Prefをオーバーシュートする。そうすると、ソレノイド15の電流実績Iactは、電流目標値Irefよりも小さい状態となるので、電流制御装置18は、安定性重視の第2コントローラによってフィードバック制御を行なう。
これによって、時刻t2以降においては、ライン圧は、安定的に制御され、目標ライン圧Prefに収束する際に目標ライン圧Prefをアンダーシュートすることはない。
比較として、図6は、入力トルクが増加したとき、従来の油圧制御装置により制御されるライン圧の変化の様子を示す図である。この図6では、フィードバック制御の制御ゲインが応答性重視の制御ゲインのみによって設計されている場合のライン圧の変化の様子が示されている。
図6を参照して、時刻t1において、自動変速機の入力トルクがT1からT2に増加すると、目標ライン圧PrefもP1からP2へ増圧方向に変更される。ここで、フィードバック制御の制御ゲインが応答性を重視して設計されているので、実績ライン圧Pactは、振動的に目標ライン圧Pref(P2)に収束する。
したがって、時刻t3〜t4および時刻t5〜t6において、実績ライン圧Pactが目標ライン圧Prefを下回り、摩擦係合要素において滑りが発生することとなる。
図7は、入力トルクが減少したとき、図1に示した油圧制御装置10により制御されるライン圧の変化の様子を示す図である。
図7を参照して、時刻t1において、自動変速機の入力トルクがT1からT2に減少すると、電流制御装置18は、目標ライン圧PrefをP1からP2へ減圧方向に変更する。そうすると、電流制御装置18は、図2に示したように、ソレノイド15の電流目標値Irefを増加方向に変更するので、ソレノイド15の電流実績Iactは、電流目標値Irefよりも小さい状態となり、電流制御装置18は、安定性重視の第2コントローラ54によってフィードバック制御を行なう。
これによって、ライン圧は、安定的に制御され、実績ライン圧Pactは、目標ライン圧Prefに収束する際に目標ライン圧Prefをアンダーシュートすることはなく、目標ライン圧Prefに漸近的に収束する。
比較として、図8は、入力トルクが減少したとき、従来の油圧制御装置により制御されるライン圧の変化の様子を示す図である。この図8では、フィードバック制御の制御ゲインが応答性重視の制御ゲインのみによって設計されている場合のライン圧の変化の様子が示されている。
図8を参照して、時刻t1において、自動変速機の入力トルクがT1からT2に減少すると、目標ライン圧PrefもP1からP2へ減圧方向に変更される。ここで、フィードバック制御の制御ゲインが応答性を重視して設計されているので、実績ライン圧Pactは、振動的に目標ライン圧Pref(P2)に収束する。
したがって、時刻t2〜t3および時刻t4〜t5において、実績ライン圧Pactが目標ライン圧Prefをアンダーシュートし、摩擦係合要素において滑りが発生することとなる。
以上のように、この実施の形態によれば、ソレノイド15の電流実績Iactが電流目標値Irefよりも大きいとき、すなわち、ライン圧を増圧方向に制御するとき、応答性を重視した第1コントローラ52を用い、電流実績Iactが電流目標値Irefよりも小さいとき、すなわち、ライン圧を減圧方向に制御するとき、安定性を重視した第2コントローラ54を用いるようにしたので、ライン圧の増圧時は、目標ライン圧への追従性を確保でき、ライン圧の減圧時は、実績ライン圧が目標ライン圧をアンダーシュートするのを抑制できる。
したがって、実績ライン圧が目標ライン圧を下回ることによる摩擦係合要素における滑りの発生を抑制できる。また、摩擦係合要素において滑りが発生しないような所定の安全率をもって目標ライン圧を高めに設定する必要がないので、自動変速機の効率低下を防止できる。
なお、上記においては、トランジスタ12、ソレノイドバルブ14におけるソレノイド15、および電流センサ16は、その順に電源ノード24と接地ノード26との間に接続されるものとしたが、トランジスタ12、ソレノイド15および電流センサ16の接続順は、上記の順に限られるものではなく、接続順を変えてもよい。
また、上記においては、トランジスタ12は、n型トランジスタとしたが、p型トランジスタであってもよい。トランジスタ12がp型トランジスタからなる場合、駆動信号生成部38は、制御操作量uが正のとき、その制御操作量uの大きさに応じて駆動信号Sのオンデューティ比を大きくし、制御操作量uが負のとき、その制御操作量uの大きさに応じて駆動信号Sのオンデューティ比を小さくする。
また、上記においては、電流センサ16によってソレノイド15の通電量を検出するものとしたが、電圧検出部22によって検出される抵抗20の両端電圧をそのまま電流制御装置18へ出力し、電流制御装置18側で抵抗20の抵抗値に基づいてソレノイド15の通電量を算出するようにしてもよい。
また、上記においては、ソレノイドバルブ14は、ソレノイド15に流れる電流が大きくなるに従ってライン圧を低下させる特性を示すものとしたが、ソレノイドバルブは、ソレノイドバルブ14と逆特性を示すものであってもよい。すなわち、ソレノイドバルブは、ソレノイドに流れる電流が大きくなるに従ってライン圧を増加させる特性を示すものであってもよい。この場合、ソレノイドの電流実績が電流目標値よりも高いときは、安定性重視のコントローラが用いられ、ソレノイドの電流実績が電流目標値よりも低いときは、応答性重視のコントローラが用いられるようにすればよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 油圧制御装置、12 トランジスタ、14 ソレノイドバルブ、15 ソレノイド、16 電流センサ、18 電流制御装置、20 抵抗、22 電圧検出部、24 電源ノード、26 接地ノード、30 入力トルク算出部、32 目標ライン圧算出部、34 目標電流算出部、36 電流制御部、38 駆動信号生成部、50 減算部、52 第1コントローラ、54 第2コントローラ。
Claims (7)
- 自動変速機における摩擦係合要素に供給する油圧を制御する自動変速機の油圧制御装置であって、
前記油圧を制御するためのソレノイドと、
前記ソレノイドの通電量を制御することによって前記油圧を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記油圧を増圧方向に制御するとき、第1の制御ゲインを用いて前記ソレノイドの通電量を制御し、前記油圧を減圧方向に制御するとき、前記第1の制御ゲインよりも小さい第2の制御ゲインを用いて前記ソレノイドの通電量を制御する、自動変速機の油圧制御装置。 - 前記第1の制御ゲインは、前記第2の制御ゲインが用いられる場合よりも前記ソレノイドの通電量を高応答に制御するための制御ゲインである、請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
- 前記第2の制御ゲインは、前記第1の制御ゲインが用いられる場合よりも前記ソレノイドの通電量を安定的に制御するための制御ゲインである、請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
- 前記ソレノイドの通電量を検出する電流検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記油圧の目標値に対応する目標電流と前記電流検出部によって検出される電流実績との大小関係に基づいて前記第1または第2の制御ゲインを選択する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記ソレノイドの通電量が大きくなるのに応じて前記油圧は減圧され、
前記制御部は、前記電流実績が前記目標電流よりも大きいとき、前記第1の制御ゲインを用いて前記ソレノイドの通電量を制御し、前記電流実績が前記目標電流よりも小さいとき、前記第2の制御ゲインを用いて前記ソレノイドの通電量を制御する、請求項4に記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記制御部は、前記第1および第2の制御ゲインをそれぞれ有する第1および第2の制御器を含み、
前記第1の制御器は、前記電流実績が前記目標電流よりも大きいとき、前記ソレノイドの通電量を制御し、
前記第2の制御器は、前記電流実績が前記目標電流よりも小さいとき、前記ソレノイドの通電量を制御する、請求項5に記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記制御部は、前記電流実績と前記電流目標値との偏差に基づいて前記ソレノイドの通電量をフィードバック制御する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004128228A JP2005308150A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004128228A JP2005308150A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005308150A true JP2005308150A (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=35437139
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004128228A Withdrawn JP2005308150A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005308150A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008180519A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Ono Sokki Co Ltd | 温度制御装置 |
| JP2011252520A (ja) * | 2010-06-01 | 2011-12-15 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 油圧制御装置 |
| JP2017009095A (ja) * | 2015-06-25 | 2017-01-12 | 株式会社ジェイテクト | クラッチ装置及びクラッチ装置の制御方法 |
-
2004
- 2004-04-23 JP JP2004128228A patent/JP2005308150A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060823 |
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| A761 | Written withdrawal of application |
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