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JP2005307270A - キャリア箔付電解銅箔及びそのキャリア箔付電解銅箔の製造方法 - Google Patents

キャリア箔付電解銅箔及びそのキャリア箔付電解銅箔の製造方法 Download PDF

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JP2005307270A
JP2005307270A JP2004125587A JP2004125587A JP2005307270A JP 2005307270 A JP2005307270 A JP 2005307270A JP 2004125587 A JP2004125587 A JP 2004125587A JP 2004125587 A JP2004125587 A JP 2004125587A JP 2005307270 A JP2005307270 A JP 2005307270A
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Atsushi Yoshioka
淳志 吉岡
Akiko Sugioka
晶子 杉岡
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Mitsui Kinzoku Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

【課題】ピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔であって、より安価な製品を提供する。
【解決手段】キャリア箔の表面に回路形成層を備えるキャリア箔付電解銅箔であって、当該回路形成層とキャリア箔との、いずれか一方が電解により形成した有機剤を含有する析出銅層であり且つ当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶をもち、他方が99.9wt%以上の純度の純銅層であるものとしたキャリア箔付電解銅箔等を採用する。
【選択図】 図1

Description

キャリア箔付電解銅箔及びそのキャリア箔付電解銅箔の製造方法に関する。特に、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔は接合界面が無くとも、キャリア箔の引き剥がしが可能となるピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔を提供する。
近年、電子・電気機器の軽薄短小化の要求より、その中に搭載するプリント配線板のダウンサイジングも同時に行われ、プリント配線板の配線回路密度、実装密度、高多層化には著しいものがある。そして、従来より、キャリア箔付電解銅箔は、広く電気、電子産業の分野で、ファインピッチ回路を備えるプリント配線板製造の基礎材料として用いられてきた。このキャリア箔付電解銅箔は、ガラス−エポキシ基材、フェノール基材、ポリイミド等の高分子絶縁基材と熱間プレス成形にて張り合わされ銅張積層板とし、プリント配線板製造に用いられるものである。
例えば、このキャリア箔付電解銅箔は、Bステージに硬化させたプリプレグと、高温雰囲気下で高圧をかけ熱圧着し(以下、この工程を「プレス成形」と称する。)、銅張積層板を製造する際に発生する薄い銅箔層の皺を防止し、皺部において銅箔にクラックが生じ、プリプレグからの樹脂の染み出しを防止することを可能にする。そして、薄い銅箔層を銅張積層板の表面に設けることを容易にするのである。
このキャリア箔付電解銅箔は、一般にピーラブルタイプとエッチャブルタイプに大別することが可能である。違いを一言で言えば、ピーラブルタイプはプレス成形後にキャリア箔を引き剥がして除去するタイプのものであり、エッチャブルタイプとは、プレス成形後にキャリア箔をエッチング法にて除去するタイプのものである。
図13に示すように、一般的なピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔8においては、キャリア箔2と回路形成層3との間に無機系若しくは有機系のいずれかの接合界面層7が存在するという構成のものであった。この内、特許文献1に開示されているようなクロム等の無機系の接合界面を備えるキャリア箔付電解銅箔は、基材樹脂とのプレス成形後、そのキャリア箔の引き剥がし強度の値が極めて不安定であり、極端な場合には、キャリア箔が引き剥がせないという事態も生じ、目的の引き剥がし強度が得られにくいと言う欠点を有していた。この問題を解決する観点からは、本件発明者らは、特許文献2に開示したように無機系接合界面に代えて有機系接合界面層を備えるキャリア箔付電解銅箔を提唱してきた。この有機系接合界面を備えるキャリア箔付電解銅箔は、従来の金属系接合界面層を用いたピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔と比べると、通常のFR−4プリプレグを用いる場合の185℃前後のプレス後においても、非常に良好な性能を示し、キャリア箔は極めて容易に引き剥がしが可能である。
特開2001−301087号公報 特開2000−309898号公報
しかしながら、接合界面層に無機材若しくは有機剤を用いる場合には、それぞれのメリットもデメリットも存在していた。
接合界面層に無機材を用いた場合: 接合界面に無機材を用いる場合には、亜鉛、クロム、ニッケル、合金系、金属と金属化合物との混合等が用いられる。この無機系接合界面層の場合には、高温耐熱特性に優れ、高温加熱後でもキャリア箔が容易に引き剥がし可能という長所が存在するが、量産ベースでの接合界面の安定した作り込みが困難であるという欠点がある。その結果、キャリア箔の引き剥がし後に接合界面を構成する金属成分が銅箔層の表面に残留しエッチング不良を引き起こすこともあった。また、接合界面を構成する無機材の量が僅かに変動するだけで、キャリア箔があまりにも容易に脱落し、プレス成形後まで銅箔表面を汚染から保護できないという事態も生じキャリア箔の存在する意義の一つが没却する結果となっていたのである。
接合界面層に有機剤を用いた場合: 接合界面にカルボキシベンゾトリアゾール等の有機剤を用いると、キャリア箔を引き剥がすときの引き剥がし強度の安定性が得られキャリア箔の引き剥がし作業が容易となり、しかも無機材を用いた場合の欠点であるキャリア箔の引き剥がし後の銅箔層表面への金属成分の残留が発生することはなくなるというメリットがある。しかしながら、接合界面を構成するのが有機剤であるため、200℃を超える範囲でのプレス成形後には、有機剤で構成した接合界面は、熱による損傷を受け有機剤が変質し、キャリア箔層と銅箔層とが焼き付きキャリア箔の引き剥がしが出来ないという現象が発生していた。
以上のように、接合界面層に無機材を用いた場合と接合界面層に有機剤を用いた場合のメリット及びデメリットがある。これらの従来のキャリア箔付電解銅箔に共通するデメリットは、必ず接合界面の形成が必要であり、通常の電解銅箔と比べると製造工程は煩雑化し、その結果として製造コストが高くなるという点であった。従って、市場では、より安価なキャリア箔付電解銅箔の供給が求められてきた。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、従来のキャリア箔付電解銅箔に必須とされた接合界面層を省略しても、プレス加工後にキャリア箔の引き剥がしが可能なキャリア箔付電解銅箔に想到したのである。本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔は、接合界面層が不要であるため、製造プロセス及び製造コストを削減することが可能となる。以下、本件発明に関して説明する。
<キャリア箔付電解銅箔>
本件発明に係る第1キャリア箔付銅箔は、「キャリア箔の表面に回路形成層を備えるキャリア箔付電解銅箔であって、当該回路形成層は、電解により形成した有機剤を含有する析出銅層であり、且つ、当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶であり、当該キャリア箔は99.9wt%以上の純度の純銅層であることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔。」である。
また、本件発明に係る第2キャリア箔付銅箔は、「キャリア箔の表面に回路形成層を備えるキャリア箔付電解銅箔であって、当該回路形成層は、99.9wt%以上の純度の純銅層であり、当該キャリア箔は、電解により形成した有機剤を含有した析出銅層であり、且つ、当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶であるキャリア箔付電解銅箔。」である。
第1キャリア箔付電解銅箔1aの模式断面を図1に示している。そして、第2キャリア箔付電解銅箔1bの模式断面を図2に示している。この図1及び図2から明らかなように、極めて単純なキャリア箔層2と回路形成層3との2層の層構成をしている。この図1と図2との関係は、キャリア箔を構成する組成と回路形成層を構成する組成とを、相互に入れ替えたものである。従って、いずれの面をキャリア箔として使用するか、回路形成層として使用するかは任意である。共通するのは、キャリア箔層と回路形成層とが電析境界をもって接合した状態となっているのである。なお、図面中では、銅張積層板を製造するときに、基材の張り合わせに用いる粗化処理(微細銅粒、凹凸形状等である)、防錆処理層等の記載は省略している。従って、この粗化処理、防錆処理等は必要に応じて施せばよいのである。以下、第1キャリア箔付電解銅箔と第2キャリア箔付電解銅箔とに分けて説明する。
(第1キャリア箔付電解銅箔)
第1キャリア箔付電解銅箔の回路形成層は、電解により形成した有機剤を含有する析出銅層であり、且つ、当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶であることが必要である。そして、当該キャリア箔に99.9wt%以上の純度の純銅層を組み合わせる点に特徴があるのである。このように回路形成層の組成と、キャリア箔との組成が異なる組み合わせを採用しなければ、接合界面層を省略した状態で、プレス加工レベルの熱量が加わった後にキャリア箔を容易に引き剥がすことが出来なくなるのである。以下、キャリア箔付電解銅箔の特定要素ごとに説明する。
回路形成層: まず、回路形成層は、電解により形成した有機剤を含有する析出銅層(以下、「高炭素含有銅層」と称する。)である。即ち、この回路形成層は、有機剤を含有する銅電解液を用いて、キャリア箔の表面に電析により析出させて得るものであり、例えば硫酸銅系溶液、ピロリン酸銅系溶液に膠等の有機剤を添加し、電解することで電析させる結晶粒内に有機剤をインクルードさせるのである。この製造方法に関しては、以下に於いて詳説する。
そして、この回路形成層(高炭素含有銅層)を構成する結晶組織は、次の2種類に分類することができる。即ち、一つは図3に示すような、「析出開始位置DSから析出終了位置DFまで、ほぼ連続的に成長した針状組織(本件明細書では柱状組織と称している。)であり且つ微細な結晶組織であるもの。」、もう一つは図4に示すように、「極めて微細な結晶組織であると思われるが、析出開始位置DSから析出終了位置DFまで、不連続に成長した結晶組織(デンドライト状の結晶が縦方向に堆積したように思われる。)であるもの。」である。このうち、前者の結晶組織を用いるのである。後者の結晶組織を用いると、プレス加工レベルの熱量が加わった後にキャリア箔を容易に引き剥がすことが出来なくなるのである。
上述した2つの高炭素含有銅の結晶組織の造り分けは可能である。厳密に言えば、電解液中の膠等の有機剤濃度との関係もあるため、明確な電流値として記載することは困難であるが、例えば、前者の結晶組織を得ようとすると10A/dm以下の低電流密度を採用し、後者の結晶組織を得ようとすると20A/dm以上の高電流密度を採用する等である。
そして、結晶内の有機物の含有量をモニタするために、回路形成層を構成する析出銅層の炭素含有量を指標として用いることとした。その結果、前記回路形成層を構成する析出銅層は、炭素含有量として0.1wt%〜0.4wt%含有する事が好ましいのである。炭素含有量が0.1wt%未満の場合には、仮に結晶組織が柱状組織の形状を示していても、キャリア箔と回路形成層との良好な電析境界が得られず、プレス加工レベルの熱量が加わった後にキャリア箔を容易に引き剥がすことが困難となるのである。一方、上限の0.4wt%は、所謂飽和量であり、これ以上の炭素含有量とすることが出来ないのである。そして、回路形成層中の炭素濃度が高いほど、キャリア箔層と回路形成層との引き剥がし強度は低位で安定化する傾向にある。しかし、炭素含有量が多くなりすぎると、高炭素含有銅が脆化しやすく、より好ましくは0.3wt%程度が上限と考えられる。炭素含有量が0.3wt%を超えると高炭素含有銅の組織の脆化が急に激しくなり、同時に電気抵抗の著しい上昇等を見せるようになるのである。
そして、ここで述べてきた回路形成層は、張り合わせられる基材等との密着性を得るための粗化処理、シランカップリング剤処理、そして長期保存性と耐薬品及び耐吸湿性等のプリント配線板に求められる要求特性を満足させるための各種の表面処理が施されるのが一般的である。従って、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔でも、回路形成層表面に粗化処理層を備え、更に必要な表面処理層を備えることが市場供給する際には求められるのである。ここで言う、粗化処理には限定はなく、微細な銅粒を付着形成させる方法、銅箔表面をエッチングして粗化する方法等種々のものが採用できる。また、防錆等の表面処理に関しても、同様に特段の限定はない。ベンゾトリアゾールやイミダゾール等を用いる有機防錆でも亜鉛や真鍮に代表される無機防錆でも使用することが可能である。即ち、銅箔の使用環境、使用条件に応じて適宜選択的に用いればよいのである。但し、近年では、よりファインな回路形成を目的として、粗化処理が省略され、化学的結合力のみで銅箔層と基材層との密着性を得ようとする動きがあり、粗化処理に関しては防錆処理以上に必須のものとは言えないのである。
キャリア箔層: このキャリア箔には、99.9wt%以上の純度の純銅層を組み合わせるのである。従って、99.9wt%以上の純度があれば、電解銅箔であっても圧延銅箔であっても構わない。回路形成層の構成に用いた高炭素含有銅の炭素含有量との関係で、キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔には、99.9wt%以上の純度の銅箔を用いることが好ましいのである。キャリア箔の組成と、表面に電析形成する回路形成層の高炭素含有銅層の組成との差異が一定レベル以上なければ、プレス加工レベルの熱量が加わった後にキャリア箔を容易に引き剥がすことが出来なくなるのである。
そして、この高炭素含有銅層は、その析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在するのである。即ち、高炭素含有銅と言っても、その結晶組織内での、有機物の存在状態に差異が存在するのである。なお、図5〜図8の透過型電子顕微鏡像は、J.Electrochem.Soc.131(10)2246(1984)に開示されている方法を用いて、結晶内の有機物の存在を確認したものであり、結晶成長方向に対して垂直に切断して観察したものである。
ここで、有機剤が分散して存在するとは、以下に述べる図5〜図8の状態の全てを示す総称として用いているのである。以下、有機剤の分散の形態に関して説明する。図5及び図6に示す透過型電子顕微鏡像から分かるように、結晶粒内に見える芋虫状、球状等に見える状態を言い、何点かを矢印で指し示している。ここで、図5は、電解した直後に何ら加熱処理を施していない常態での結晶組織であり、図6は本件発明に係る電解銅箔を用いて185℃×60分程度の熱処理が行われた後の結晶組織である。これらの図から分かるように、プレスによる加熱前には、結晶粒界におけるハレーションが起こっており、透過型電子顕微鏡による分析で、ここに有機物が偏析していることが確認できた。ところが、プレスにより結晶粒界の有機物が拡散を起こしたか、分解消失したかにより、結晶粒界のハレーションはなくなり、粒界が確認し難くなっている。
これに対し、炭素含有量としてはほぼ同一の高炭素含有銅と認識できる電解銅箔であっても、図7及び図8に示すように、加熱の前後において結晶粒内に有機物が分散して存在しているような状態は見られない場合があるのである。図7では、結晶粒界に沿って有機物が塊状に偏析しているように見て取れるのである。しかも、図8に示した加熱を受けた後の結晶組織でも、結晶粒内に図5及び図6で確認された結晶粒内に分散したような有機物の存在状態は見られず、やはり結晶粒界での有機物の存在が確認されるのである。
なお、この高炭素含有銅の結晶内での有機剤の存在状態は、エッチング速度に関係する。エッチング速度は、図7及び図8に相当する電解銅箔の場合にはエッチング速度が1.0μm/min程度であるのに対して、図5及び図6に相当する電解銅箔の場合には、2.0μm/minを超えるエッチング速度となるのである。なお、銅エッチング速度の測定は、FR−4基材に185℃×60分でキャリア箔付電解銅箔をプレス加工した5cm角の試料から、キャリア箔を引き剥がし、20秒間、銅エッチング液(硫酸40ml/L、過酸化水素水32ml/L、液温30℃)に浸漬し、水洗、乾燥、計量を4回繰り返し、トータル80秒間のエッチングを行い銅箔の減量からエッチング速度を換算した。
キャリア箔層と回路形成層との剥離状態: 本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の回路形成層からキャリア箔を引き剥がす操作は、加熱される以前の常態での引き剥がしがむしろ困難で、170℃×1時間程度の熱量が負荷された後の方がキャリア箔が容易に引き剥がせるようになる傾向にある。これに対し、通常のピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔では、常態での引き剥がしが最も容易であり、加熱後に引き剥がし強度が上昇する傾向にある。従って、キャリア箔の引き剥がし強度に関する挙動は、全く従来のキャリア箔付電解銅箔とは異なるものとなっている。
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔が、通常のFR−4基材の標準的プレス成形時に受ける熱量として185℃×1時間の加熱を受けた後のキャリア箔と回路形成層との表面形状を示すこととする。図9に回路形成層の引き剥がし面の走査型イオン顕微鏡像を示し、図10にキャリア箔の引き剥がし面の走査型イオン顕微鏡像を示している。この図9と図10とを比較してみると、各々の引き剥がし面は双方のレプリカ的形状を示しており、物理的に引き剥がされたが故に、ミクロ的に引きちぎられ微視的な凹凸のある状態が確認できるのである。回路形成層が、通常の電解銅箔の表面には存在しない微小な凹凸形状は、表面の整面を行う際の化学研磨液との接触界面面積を増加させるためバフ研磨等による物理研磨を省略しても反応速度が速くなる。また、その表面にドライフィルム等のエッチングレジスト層を形成しようとしたときのレジスト密着性を高め、エッチングパターンを露光現像するときの露光ボケを無くし、回路のエッチングファクターを向上させることができるのである。
(第2キャリア箔付電解銅箔)
第2キャリア箔付電解銅箔の回路形成層は、99.9wt%以上の純度の純銅層であり、当該キャリア箔に電解により形成した有機剤を含有する析出銅層であり、且つ、当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶を用いるのである。従って、第1キャリア箔付電解銅箔の回路形成層とキャリア箔層との組成が逆転したものである。第1キャリア箔付電解銅箔と対比してみれば明確に理解できるが、回路形成を行う予定の層を回路形成層と称し、他方をキャリア箔と称しているのである。また、接合界面層が無くとも、キャリア箔の引き剥がし除去が可能な理由は、回路形成層の組成と、キャリア箔との組成が異なる組み合わせを採用したからであり、第1キャリア箔付電解銅箔の場合と同様である。
従って、第2キャリア箔付電解銅箔の回路形成層には、第1キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔に関する概念を適用すればよい。但し、係る場合の回路形成層は、第1キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔として圧延銅箔を用いる如き概念は適用できず、電解銅箔として99.9wt%以上の純度を持たなければならない。そして、第2キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔には、第1キャリア箔付電解銅箔の回路形成層に関する概念を適用すればよい。但し、第2キャリア箔付電解銅箔は、キャリア箔として高炭素含有銅を用いるのであるから、第1キャリア箔付電解銅箔の回路形成層としての高炭素含有銅層とは異なり、エッチング速度等を考慮する必要はない。以上のことから、重複した記述を避けるため、第2キャリア箔付電解銅箔の回路形成層とキャリア箔とに関する説明は省略することとする。
<キャリア箔付電解銅箔の製造方法>
(第1キャリア箔付電解銅箔の製造方法)
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の製造方法は、キャリア箔としての99.9wt%以上の純度の純銅層の表面に、膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドのいずれか一種又は二種以上を300ppm〜3000ppm含有し、液温20℃〜52℃とした硫酸銅溶液を用い、電流密度1A/dm〜10A/dmで電解することを特徴とするものである。
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の製造方法は、キャリア箔を出発材料として、そのキャリア箔の表面に回路形成層を直接形成する。そして、更に必要に応じて粗化処理、防錆処理等の表面処理を施すものである。
本件発明では、キャリア箔を有機剤を含有した銅電解液中でカソード分極して、電解法でキャリア箔の表面上に回路形成層を直接析出させる方法を採用する。通常のキャリア箔付電解銅箔の場合も、硫酸銅溶液であって、電解銅箔の伸び率の改善のためなどに20ppm以下のレベルで膠を添加する手法が採用されている。これに対して、本件発明に係る製造方法では、300ppm以上の膠等の濃度を採用するのである。300ppm以上の濃度とすることで、接合界面層を設けなくともキャリア箔の引き剥がし可能な電解銅箔中の炭素含有濃度(0.1wt%以上)とすることが出来るのである。
そして、銅電解液中の有機物濃度が3000ppm付近で、析出銅中へ含ませることのできる有機物量が飽和して炭素含有量が約0.4wt%となり、それ以上に炭素量は増加しないようになるのである。なお、炭素含有量を最も好ましい上限値である0.3wt%とするためには、銅電解液中の有機物濃度を800ppm程度とすることが必要である。
本件発明における回路形成層の製造方法において、液温は20℃〜52℃であり、電流密度1A/dm〜10A/dm という電解条件を用いるのである。単に、結晶粒内に有機剤が分散して存在する高炭素含有銅とするには、ここに掲げたよりも広い領域の電解条件を採用することが出来る。しかしながら、この条件を満たす電解を行うことによって、析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在する高炭素含有銅であり、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶となるのである。この条件をはずれると、例え析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在する高炭素含有銅であっても、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶でなくなり、プレス成型時と同様の熱量が付加された後にキャリア箔の容易な引き剥がしが不可能となるのである。そして、より安定的に柱状の結晶組織を得るためには電流密度1A/dm〜7.5A/dm とすることが好ましく、更に好ましくは電流密度1A/dm〜5A/dm という電解条件を用いるのである。
そして、上記有機物である膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドには、その数平均分子量が3500以上のものを用いることが好ましいのである。数平均分子量が3500未満の場合には、有機物を含有した状態での電析自体が困難となる傾向にあり、プレス成形後のキャリア箔の引き剥がし強度のバラツキが大きく、キャリア箔の引き剥がし自体が不可能となる場合もあるのである。更に好ましくは、数平均分子量4500以上の膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドを用いるのである。使用可能な電流密度範囲が広く、しかもキャリア箔の引き剥がし強度の安定性が飛躍的に高まるのである。
ここで、上記有機物の数平均分子量の測定方法について説明する。本件発明に言う数平均分子量は、上記有機物を水に溶解させた濃度3ppm〜5ppmの試料溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法を用いて測定したものである。本件発明では、移動相としてアセトニトリル20容量%、濃度5mMの希硫酸80容量%の混合溶液を用い、この移動相を送液ポンプで送り出し、これに200μlの試料溶液を注入し、その後直列配置した3本のカラムを通過させた。第1カラムはアムシャムファルマシアバイオテク株式会社製のSephadex G−15(排除限界分子量1500)の粒径66μm以下の充填剤を収容した内径7.5mm、長さ250mmのPEEK製カラムである。第2及び第3カラムは、昭和電工株式会社製のAsahipak GS−320HQ(排除限界分子量40000)、内径7.6mm、長さ300mmのカラムである。第1カラム〜第3カラムを通過して吸光度検出器(UV210nm)を用いて有機剤の分子量分布を測定し、数平均分子量を算出した。
なお、有機剤の数平均分子量の測定において、検量線の作成に用いた試薬は以下のとおりである。また、有機剤の濃度は、同種の有機剤の濃度既知の水溶液を用いて検量線を作成することにより測定した。
(試薬)
・ALBUMIN,BOVINE SERUM(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量66000)
・CYTOCHROME C(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量12400)
・APROTININ(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量6500)
・INSULIN(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量5734)
・INSULIN CHAIN B,OXIDIZED(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量3496)
・NEUROTENSIN(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量1673)
・ANGIOTENSIN II(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量1046)
・VAL−GLU−GLU−ALA−GLU(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、分子量576)
以下、任意的に用いることの出来る粗化処理及び防錆処理等に関して触れることとする。回路形成層の表面に粗化処理を施す場合には、微細銅粒を析出付着させる方法、回路形成層の表面を化学処理することにより凹凸形状を形成する等である。粗化処理としては、一般的に微細銅粒を析出付着させる方法が採用される。硫酸銅系溶液を用いて微細銅粒を析出付着させる場合は、例えば、濃度が銅5〜20g/l、硫酸50〜200g/l、その他必要に応じた添加剤(α−ナフトキノリン、デキストリン、ニカワ、チオ尿素等)、液温15〜40℃、電流密度10〜50A/dmのヤケ銅メッキ条件とする等である。そして、析出付着させた微細銅粒の脱落を防止するために、平滑メッキ条件で微細銅粒を被覆するように銅を均一析出させる処理を施すことも好ましいのである。例えば、硫酸銅系溶液を用いるのであれば、濃度が銅50〜80g/l、硫酸50〜150g/l、液温40〜50℃、電流密度10〜50A/dmの平滑メッキ条件とする等である。
更に、銅張積層板及びプリント配線板の製造過程で支障をきたすことの無いよう、必要に応じて回路形成層の表面が酸化腐食することを防止するための防錆処理を施すのである。防錆処理に用いられる方法は、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等を用いる有機防錆、若しくは亜鉛、クロメート、亜鉛合金等を用いる無機防錆のいずれを採用しても問題はない。キャリア箔付電解銅箔の使用目的に合わせた防錆を選択すればよい。亜鉛防錆処理を行う場合には、亜鉛濃度5〜30g/l、ピロ燐酸カリウム濃度50〜500g/l、液温20〜50℃、pH9〜12、電流密度0.3〜10A/dmの条件とする等である。
更に、回路形成層の表面には、基材樹脂との接着性を高めるため、シランカップリング剤を用いたシランカップリング剤処理層を設けることも好ましいのである。シランカップリング剤には、最も一般的なエポキシ官能性シランカップリング剤を始めオレフィン官能性シラン、アクリル官能性シラン、アミノ官能性シランカップリング剤又はメルカプト官能性シランカップリング剤等種々のものを用いることができる。
これらのシランカップリング剤は、溶媒としての水に0.5g/l〜10g/l溶解させて、室温レベルの温度で用いるものである。シランカップリング剤は、回路形成層の表面に突きだしたOH基と縮合結合することにより、被膜を形成するものであり、いたずらに濃い濃度の溶液を用いても、その効果が著しく増大することはない。従って、本来は、工程の処理速度等に応じて決められるべきものである。但し、0.5g/lを下回る場合は、シランカップリング剤の吸着速度が遅く、一般的な商業ベースの採算に合わず、吸着も不均一なものとなる。また、10g/lを越える以上の濃度であっても、特に吸着速度が速くなることもなく不経済となるのである。以上の工程を経て、最後に、必要に応じて十分に水洗し、乾燥処理することで、第1キャリア箔付電解銅箔1aが得られるのである。
(第2キャリア箔付電解銅箔の製造方法)
第2キャリア箔付電解銅箔の製造方法は、膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドのいずれか一種又は二種以上を300ppm〜3000ppm含有し、液温20℃〜52℃とした硫酸銅溶液を用い、電流密度5A/dm〜10A/dmで電解して高炭素含有銅箔をキャリア箔として用い、このキャリア箔上に銅電解液を電解して純度99.9wt%以上の純銅層である回路形成層を析出形成することを特徴とするものである。
この製造方法は、キャリア箔となる高炭素含有銅箔を最初に製造し、その表面に純度99.9wt%以上の純銅層である回路形成層を析出形成するというものである。このときのキャリア箔としての高炭素含有銅箔及び純度99.9wt%以上の純銅層である回路形成層に関する製造概念は、第1キャリア箔付電解銅箔の製造方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(第1キャリア箔付電解銅箔及び第2キャリア箔付電解銅箔の双方の製造が可能な方法)
この製造方法は、チタン若しくはステンレス鋼を素材とした電極板の表面に、銅電解液を電解して回路形成層若しくはキャリア箔として用いる純度99.9wt%以上の純銅層を析出形成する。そして、その純銅層上に膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドのいずれか一種又は二種以上を300ppm〜3000ppm含有し、液温20℃〜52℃とした硫酸銅溶液を用い、電流密度1A/dm〜20A/dmで電解しキャリア箔若しくは回路形成層となる高炭素含有銅層を析出形成し、電極板から引き剥がすことを特徴とするものである。従って、純度99.9wt%以上の銅層をキャリア箔層として用いる場合には、その後形成する高炭素含有銅層は回路形成層となり第1キャリア箔付電解銅箔となる。そして、純度99.9wt%以上の銅層を回路形成層として用いる場合には、その後形成する高炭素含有銅層はキャリア箔層となり第2キャリア箔付電解銅箔となる。
このようにチタン若しくはステンレス鋼を素材とした電極板を用い、その表面へ本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の層構成を平面的に形成することで、固く脆い高炭素含有銅層へ曲げ応力の付加を無くし、マイクロクラックの発生を防止することが出来るのである。この製造方法の手順を示したのが図11及び図12である。なお、チタン若しくはステンレス鋼を素材とした電極板4を用いたのは、その表面から銅箔層を引き剥がすことが容易で耐久性に優れるからである。このときの高炭素含有銅箔と純度99.9wt%以上の純銅層である回路形成層に関する製造概念は、第1キャリア箔付電解銅箔の製造方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
<本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔を用いて得られる銅張積層板>
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔は、プレス成形が終了するまでキャリア箔が誤って剥離することがないため、このキャリア箔付電解銅箔を用いて得られる銅張積層板は確実に回路形成に用いる回路形成層の表面を汚染等から防御することが出来る。そして、キャリア箔を引き剥がした以降の回路形成層の表面が、通常の電解銅箔の表面には存在しない微小な凹凸形状を持つものとなる。この微小な凹凸形状が存在することで、エッチングプロセスにおける整面を行う際の化学研磨液との接触界面面積を増加させるため、バフ研磨等による物理研磨を省略しても化学研磨速度が速くなる。また、その表面にドライフィルム等のエッチングレジスト層を形成しようとしたときのレジスト密着性を高め、エッチングパターンを露光現像するときの露光ボケを無くし、回路のエッチングファクターを向上させることができるのである。
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔は、通常のピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔には必須の接合界面層を必要としない。そのため、接合界面層を構成する成分の回路形成層表面への残留が無く、回路エッチングが阻害されることがない。しかも、接合界面層を形成する工程の省略が出来るため、製造コストを抑制でき、安価な製品としての市場供給が可能となる。
また、本件発明に係る製造方法を用いることで、上記キャリア箔付電解銅箔を効率よく生産することが可能となる。特に、キャリア箔若しくは回路形成層を構成する高炭素含有銅層を形成する際に、有機物である膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドに数平均分子量が3500以上のものを用いることで更に品質安定性に優れたキャリア箔付電解銅箔の効率の良い生産が可能となる。
以下に、上述してきたキャリア箔付電解箔を製造し、プレス成形後にキャリア箔の引き剥がし強度を測定した結果を実施例を通じて説明する。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図1に示した回路形成層3を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1aを製造した。即ち、35μm厚さの電解銅箔をキャリア箔2として用い、キャリア箔2の表面を酸洗処理して、付着している油脂成分等の汚染分を除去し、余分な表面酸化被膜除去を行った。この酸洗処理には、濃度100g/l、液温30℃の希硫酸溶液を用い、浸漬時間30秒として行った。なお、キャリア箔2として用いた電解銅箔の純度は99.9wt%以上であった。
酸洗処理の終了したキャリア箔3は、その片面上に回路形成層としての高炭素含有銅層を形成した。回路形成層は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量3500の膠)濃度1000ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解することで、キャリア箔の表面上に高炭素含有銅を直接析出させたものである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.35wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を測定した。上記キャリア箔付電解銅箔1aの回路形成層3をFR−4基材に185℃×1時間の熱間プレス加工により張り合わせ、キャリア箔と回路形成層とが重なったまま同時にエッチングして、10mm幅の直線回路を形成し、これをキャリア箔の引き剥がし強度測定用試料とした。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は83gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図1に示した回路形成層3を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1aを製造した。即ち、35μm厚さの電解銅箔をキャリア箔2として用い、実施例1と同様に酸洗処理を行い、その片面上に回路形成層としての高炭素含有銅層を形成した。回路形成層は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4000の膠)濃度900ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解することで、キャリア箔の表面上に高炭素含有銅を直接析出させたものである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.33wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は68gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図1に示した回路形成層3を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1aを製造した。即ち、35μm厚さの電解銅箔をキャリア箔2として用い、実施例1と同様に酸洗処理を行い、その片面上に回路形成層としての高炭素含有銅層を形成した。回路形成層は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4500の膠)濃度800ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度5.0A/dmで電解することで、キャリア箔の表面上に高炭素含有銅を直接析出させたものである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.32wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は40gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図1に示した回路形成層3を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1aを製造した。即ち、35μm厚さの電解銅箔をキャリア箔2として用い、実施例1と同様に酸洗処理を行い、その片面上に回路形成層としての高炭素含有銅層を形成した。回路形成層は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量8800の膠)濃度700ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度5.0A/dmで電解することで、キャリア箔の表面上に高炭素含有銅を直接析出させたものである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.28wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は37gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図2に示したキャリア箔層2を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1bを製造した。即ち、35μm厚さの高炭素含有銅で構成した電解銅箔をキャリア箔2として用い、その片面上に回路形成層として純度99.9wt%以上の回路形成層を形成した。キャリア箔は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量3500の膠)濃度300ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解してチタン板上に析出させたものを引き剥がした30cm角の高炭素含有銅シートである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.17wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。
そして、この高炭素含有銅シートを、フリー硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の硫酸銅溶液中に入れ、その高炭素含有銅シートに対し平板のアノード電極を平行配置し、電流密度15A/dmの平滑メッキ条件で電解し、5μm厚さの純度99.9wt%以上の回路形成層を高炭素含有銅シートの片面に形成した。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を測定した。ここでは、キャリア箔層2が高炭素含有銅箔であり靱性に欠けるため、電解銅箔層3からキャリア箔層2を引き剥がそうとすると引き剥がし強度の測定誤差が大きくなる可能性が高い。そこで、上記キャリア箔付電解銅箔1bのキャリア箔層2をFR−4基材に185℃×1時間の熱間プレス加工により張り合わせ、回路形成層を12μmまでメッキアップし、キャリア箔と回路形成層とが重なったまま同時にエッチングして、10mm幅の直線回路を形成し、当該回路のメッキアップした回路形成層を引き剥がして引き剥がし強度測定を行った。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は82gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図2に示したキャリア箔層2を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1bを製造した。即ち、35μm厚さの高炭素含有銅で構成した電解銅箔をキャリア箔2として用い、その片面上に回路形成層として純度99.9wt%以上の回路形成層を形成した。キャリア箔は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4000の膠)濃度400ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解してチタン板上に析出させたものを引き剥がした30cm角の高炭素含有銅シートである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.17wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以下、実施例5と同様にして、純度99.9wt%以上の回路形成層を高炭素含有銅シートの片面に形成した。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例5と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は67gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図2に示したキャリア箔層2を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1bを製造した。即ち、35μm厚さの高炭素含有銅で構成した電解銅箔をキャリア箔2として用い、その片面上に回路形成層として純度99.9wt%以上の回路形成層を形成した。キャリア箔は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4500の膠)濃度300ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解してチタン板上に析出させたものを引き剥がした30cm角の高炭素含有銅シートである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.18wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以下、実施例5と同様にして、純度99.9wt%以上の回路形成層を高炭素含有銅シートの片面に形成した。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例5と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は38gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図2に示したキャリア箔層2を高炭素含有銅で構成したキャリア箔付電解銅箔1bを製造した。即ち、35μm厚さの高炭素含有銅で構成した電解銅箔をキャリア箔2として用い、その片面上に回路形成層として純度99.9wt%以上の回路形成層を形成した。キャリア箔は、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量8800の膠)濃度400ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解してチタン板上に析出させたものを引き剥がした30cm角の高炭素含有銅シートである。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.21wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。以下、実施例5と同様にして、純度99.9wt%以上の回路形成層を高炭素含有銅シートの片面に形成した。以上のようにして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例5と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は36gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。即ち、電極板であるチタン板の表面に、フリー硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の硫酸銅溶液中に入れ、電流密度15A/dmの平滑メッキ条件で電解し、キャリア箔層として用いる35μm厚さの純度99.9wt%以上の純銅層を形成した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量3500の膠)濃度800ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、回路形成層として用いる5μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.33wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と高炭素含有銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は86gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に実施例9と同様にして35μm厚さのキャリア箔層として純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4000の膠)濃度600ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、回路形成層として用いる5μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.28wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。
そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と純銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は74gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に実施例9と同様にして35μm厚さのキャリア箔層として純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4500の膠)濃度700ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、回路形成層として用いる5μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.29wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。
そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と純銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は45gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に実施例9と同様にして35μm厚さのキャリア箔層として純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量8800の膠)濃度750ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、回路形成層として用いる5μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.30wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。
そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と純銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は31gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。即ち、電極板であるチタン板の表面に、フリー硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の硫酸銅溶液中に入れ、電流密度15A/dmの平滑メッキ条件で電解し、回路形成層として用いる5μm厚さの純度99.9wt%以上の純銅層を形成した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量3500の膠)濃度300ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、キャリア箔層として用いる35μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.17wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と高炭素含有銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例5と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は88gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。即ち、電極板であるチタン板の表面に、実施例13と同様にして、回路形成層として用いる5μm厚さの純度99.9wt%以上の純銅層を形成した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4000の膠)濃度350ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、キャリア箔層として用いる35μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.19wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と高炭素含有銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は73gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。即ち、電極板であるチタン板の表面に、実施例13と同様にして、回路形成層として用いる5μm厚さの純度99.9wt%以上の純銅層を形成した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量4500の膠)濃度350ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、キャリア箔層として用いる35μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.21wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と高炭素含有銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は46gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この実施例では、図12に示した手順で、チタン板を電極板として用い、その片面に純度99.9wt%以上の純銅層を形成し、その純銅層の表面に、高炭素含有銅層を形成し、電極板と純銅層との間から剥離してキャリア箔付電解銅箔を製造した。即ち、電極板であるチタン板の表面に、実施例13と同様にして、回路形成層として用いる5μm厚さの純度99.9wt%以上の純銅層を形成した。
そして、この純銅層の上に、フリー硫酸濃度70g/l、硫酸銅濃度250g/l、有機剤(数平均分子量8800の膠)濃度350ppm、液温40℃の溶液を用いて、電流密度2.5A/dmで電解して、回路形成層として用いる35μm厚さの高炭素含有銅層を形成した。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.22wt%であり、当該高炭素含有銅は析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在し、且つ、断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶のものであった。そして、十分に水洗し、乾燥させた後に、電極板と高炭素含有銅層との界面から引き剥がして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1bを得た。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を実施例1と同様にして測定した。その結果、回路形成層からのキャリア箔の引き剥がし強度は31gf/cmであった。なお、加熱前の常態でのキャリア箔の引き剥がしは困難であった。
比較例1
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この比較例では、実施例1の高炭素含有銅層を形成する際の、有機剤(数平均分子量8800の膠)濃度を10ppmと低濃度にして、電流密度5A/dmで電解することとして、純銅層で構成したキャリア箔の表面上に炭素含有量の低い(0.003wt%)銅を直接析出させたものとして、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aと同様の層構成の製品とした。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔層2と回路形成層3との引き剥がし強度を測定した。その結果、加熱前の常態、FR−4基材に185℃×1時間の熱間プレス加工により張り合わせた後共に、キャリア箔の引き剥がしはできなかった。
比較例2
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この比較例では、実施例1の高炭素含有銅層を形成する際の、有機剤(数平均分子量8800の膠)濃度を3000ppm、電流密度の適正範囲をはずれる電流密度20A/dmで電解することとして、純銅層で構成したキャリア箔の表面上に高炭素含有銅を直接析出させ、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aと同様の層構成の製品とした。なお、この高炭素含有銅の炭素含有量は0.27wt%であったが、当該高炭素含有銅の断面観察したときの結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶では無かった。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔層と回路形成層との引き剥がし強度を測定した。その結果、加熱前の常態、FR−4基材に185℃×1時間の熱間プレス加工により張り合わせた後共に、キャリア箔の引き剥がしはできなかった。
比較例3
<キャリア箔付電解銅箔の製造>
この比較例では、実施例1の高炭素含有銅層を形成する際の、有機剤に低い数平均分子量を持つ膠(数平均分子量2200)を濃度1000ppmとして用い、電流密度2.5A/dmで電解することとして、純銅層で構成したキャリア箔の表面上に高炭素含有銅を直接析出させ、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aと同様の層構成の製品とした。このときの高炭素含有銅の炭素含有量は0.34wt%であったが、当該高炭素含有銅の断面観察したときの結晶形状は、完全な柱状結晶とはなっていなかった。
<キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度>
このキャリア箔層と回路形成層との引き剥がし強度を測定した。その結果、加熱前の常態、FR−4基材に185℃×1時間の熱間プレス加工により張り合わせた後共に、キャリア箔の引き剥がしはできなかった。
以上のように、本件発明にかかるピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔は、通常のピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔に必須の接合界面層を必要としない。そのため、接合界面層を構成する成分の回路形成層表面への残留が無く、回路エッチングが阻害されないためファインピッチ回路の形成に好適である。しかも、接合界面層を形成するための工程管理を不要とし、製造プロセスを短縮化することができるため、キャリア箔付電解銅箔の製造コストを抑制でき、結果として、これを用いた銅張積層板及びプリント配線板の価格を引き下げることが可能となる。
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の模式断面図。 本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の模式断面図。 高炭素含有銅層の断面から見た結晶組織。 高炭素含有銅層の断面から見た結晶組織。 収束イオンビーム加工により試料調整した高炭素含有銅層の析出結晶中に分散して存在する有機物(膠)の分散状態を表すTEM像。 収束イオンビーム加工により試料調整した高炭素含有銅層の析出結晶中に分散して存在する有機物(膠)の分散状態を表すTEM像。 収束イオンビーム加工により試料調整した高炭素含有銅層の析出結晶中に分散して存在する有機物(膠)の分散状態を表すTEM像。 収束イオンビーム加工により試料調整した高炭素含有銅層の析出結晶中に分散して存在する有機物(膠)の分散状態を表すTEM像。 回路形成層の引き剥がし面の走査型イオン顕微鏡像。 キャリア箔の引き剥がし面の走査型イオン顕微鏡像。 電極板を用いた場合のキャリア箔付電解銅箔の製造フローを示す模式図。 電極板を用いた場合のキャリア箔付電解銅箔の製造フローを示す模式図。 従来のキャリア箔付電解銅箔の模式断面図。
符号の説明
1a 第1キャリア箔付電解銅箔
1b 第2キャリア箔付電解銅箔
2 キャリア箔
3 回路形成層
4 電極板
5 高炭素含有銅層
6 純銅層
7 接合界面層
8 キャリア箔付電解銅箔

Claims (11)

  1. キャリア箔の表面に回路形成層を備えるキャリア箔付電解銅箔であって、
    当該回路形成層は、電解により形成した有機剤を含有する析出銅層であり、且つ、当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶であり、
    当該キャリア箔は99.9wt%以上の純度の純銅層であることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔。
  2. 前記回路形成層を構成する析出銅層は、炭素含有量として0.1wt%〜0.4wt%含有する請求項1に記載のキャリア箔付電解銅箔。
  3. 前記回路形成層を構成する析出銅層は、析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャリア箔付電解銅箔。
  4. キャリア箔の表面に回路形成層を備えるキャリア箔付電解銅箔であって、
    当該回路形成層は、99.9wt%以上の純度の純銅層であり、
    当該キャリア箔は、電解により形成した有機剤を含有した析出銅層であり、且つ、当該析出銅層の析出結晶は、結晶形状が微細で且つ連続的な柱状結晶であるキャリア箔付電解銅箔。
  5. 前記キャリア箔を構成する析出銅層は、炭素含有量として0.1wt%〜0.4wt%を含有する請求項4に記載のキャリア箔付電解銅箔。
  6. 前記キャリア箔を構成する析出銅層は、析出結晶の粒内に有機剤が分散して存在するものであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のキャリア箔付電解銅箔。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔の製造方法であって、
    キャリア箔としての99.9wt%以上の純度の純銅層の表面に、膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドのいずれか一種又は二種以上を300ppm〜3000ppm含有し、液温20℃〜52℃とした硫酸銅溶液を用い、電流密度1A/dm〜10A/dmで電解し回路形成層とすることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔の製造方法。
  8. 請求項4〜請求項6のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔の製造方法であって、
    膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドのいずれか一種又は二種以上を300ppm〜3000ppm含有し、液温20℃〜52℃とした硫酸銅溶液を用い、電流密度1A/dm〜10A/dmで電解して高炭素含有銅箔をキャリア箔として用い、このキャリア箔上に銅電解液を電解して純度99.9wt%以上の純銅層である回路形成層を析出形成することを特徴とするキャリア箔付電解銅箔の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔の製造方法であって、
    チタン若しくはステンレス鋼を素材とした電極板の表面に、銅電解液を電解して回路形成層若しくはキャリア箔として用いる純度99.9wt%以上の純銅層を析出形成し、
    その純銅層上に膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドのいずれか一種又は二種以上を300ppm〜3000ppm含有し、液温20℃〜52℃とした硫酸銅溶液を用い、電流密度1A/dm〜10A/dmで電解しキャリア箔若しくは回路形成層となる高炭素含有銅層を析出形成し、電極板から引き剥がすことを特徴とするキャリア箔付電解銅箔の製造方法。
  10. 膠、ゼラチン、コラーゲンペプチドは、数平均分子量3500以上のものを用いることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔の製造方法。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔を用いて得られる銅張積層板。
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