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JP2005268185A - 有機elディスプレイパネルの製造方法および装置 - Google Patents

有機elディスプレイパネルの製造方法および装置 Download PDF

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JP2005268185A JP2004083058A JP2004083058A JP2005268185A JP 2005268185 A JP2005268185 A JP 2005268185A JP 2004083058 A JP2004083058 A JP 2004083058A JP 2004083058 A JP2004083058 A JP 2004083058A JP 2005268185 A JP2005268185 A JP 2005268185A
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Abstract

【課題】 リーク電流の発生を効果的に防止することができ、発光不良や有機EL素子の破壊を確実に防止することができる有機ELディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる有機ELディスプレイパネルの製造方法は、基板と、透明なホール注入電極と、電子注入電極と、ホール注入電極と電子注入電極の間に、有機発光層を含む有機層を備えた有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、ホール注入電極の表面に、ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、蒸着層を形成して、有機発光層を形成するステップを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルの製造方法および装置に関するものであり、さらに詳細には、リーク電流の発生を効果的に防止することができ、発光不良や有機EL素子の破壊を確実に防止することができる有機ELディスプレイパネルの製造方法および装置に関するものである。
近年、有機EL素子が大きな注目を集めるようになっている。
有機EL素子は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などによって形成された透明なホール(正孔)注入電極と、有機蛍光材料を含む有機発光層と、マグネシウムなどの仕事関数の小さな金属によって形成された電極(電子注入電極)とを基本構成として有するもので、10ボルト前後の電圧によって、数百ないし数万cd/mというきわめて高い輝度が得られるという特徴を有している。
かかる有機EL素子を含んだ有機ELディスプレイパネルは、ディスプレイ装置、とりわけ、カラーディスプレイ装置への応用が期待されている。
有機ELディスプレイパネルは、通常、絶縁性透明基板上に、列状に形成された複数の透明なホール注入電極上に、蒸着によって、有機発光層を形成し、あるいは、ホール輸送層、有機発光層および電子輸送層を、順次、蒸着によって形成し、さらに、有機発光層あるいは電子輸送層上に、複数のホール注入電極と交差するように、蒸着によって、複数の電子注入電極を形成して、作製されている。
しかしながら、このような真空プロセスによって、有機ELディスプレイパネルを作製する場合には、異物が混入しやすく、ホール注入電極上に異物が存在すると、ホール注入電極上に、蒸着によって形成された有機発光層あるいはホール輸送層の膜厚が、異物の近傍で薄くなり、その結果、有機発光層あるいは電子輸送層上に、蒸着によって、電子注入電極を形成したときに、ホール注入電極と電子注入電極との距離が不均一になって、有機ELディスプレイパネルに電圧を印加したときに、ホール注入電極と電子注入電極とが近接した部分で、リーク電流が発生して、発光不良が生じ、場合によっては、有機EL素子が破壊するという問題があった。
従来は、絶縁膜で、異物を被覆したり、有機発光層あるいは電子輸送層を、ガラス転移点以上、融点以下の温度に加熱して、異物を覆うことによって、かかる問題の解決が図られていた。
しかしながら、絶縁膜によって、異物を被覆することによって、かかる問題の解決を図る場合には、異物のみを選択的に被覆することは困難であり、また、有機発光層あるいは電子輸送層を、ガラス転移点以上、融点以下の温度に加熱して、異物を覆うことにより、かかる問題の解決を図る場合には、有機発光層あるいは電子輸送層を形成するための適切な材料を選択することが困難であるという問題があった。
異物に起因して、あるいは、異物と無関係に、ホール注入電極上に凸部が形成されている場合にも、同様の問題があった。
絶縁性基板上に、列状に形成された複数の電子注入電極上に、蒸着によって、有機発光層を形成し、あるいは、電子輸送層、有機発光層およびホール輸送層を、順次、蒸着によって形成し、さらに、有機発光層あるいはホール輸送層上に、複数のホール注入電極と交差するように、蒸着によって、ホール注入電極を形成して、有機ELディスプレイパネルを作製する場合にも、異物が混入したときは、同様な問題があった。
したがって、本発明は、リーク電流の発生を効果的に防止することができ、発光不良や有機EL素子の破壊を確実に防止することができる有機ELディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の別の目的は、リーク電流の発生を効果的に防止することができ、発光不良や有機EL素子の破壊を確実に防止することができる有機ELディスプレイパネルの製造装置を提供することにある。
本発明のかかる目的は、基板と、少なくとも一方が透明な2つの電極と、前記2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層を備えた有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、前記2つの電極の一方の表面に、前記2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、蒸着層を形成して、前記有機層を形成することを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法によって達成される。
本発明によれば、2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、蒸着層を形成して、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層が形成されるから、異物が混入して、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に異物が存在する場合においても、また、異物に起因して、あるいは、異物と無関係に、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に凸部が形成されている場合においても、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に、蒸着によって、ほぼ均一な膜厚を有する有機発光層もしくはホール輸送層または有機発光層もしくは電子輸送層を形成することができ、したがって、つねに、所望の距離を隔てて、ホール注入電極と電子注入電極とを形成することが可能になるから、有機ELディスプレイパネルに電圧を印加したときに、リーク電流が発生して、発光不良が生じることを効果的に防止することができ、有機EL素子が破壊することを確実に防止することが可能になる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記2つの電極の一方の表面に、前記2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成するように構成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成するように構成されている。
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、ホール輸送層を形成するように構成されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記2つの電極が、ホール注入電極と、透明な電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成するように構成されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記2つの電極が、ホール注入電極と、透明な電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、ホール輸送層を形成するように構成されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記電子注入電極の表面に、前記電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成するように構成されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記電子注入電極の表面に、前記電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、電子輸送層を形成するように構成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蒸着層の膜厚分布が、±10%以下になるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成するように構成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記基板が略矩形状をなし、蒸着源を、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、前記蒸着源の中心線が含まれ、かつ、前記蒸着源の前記中心線が、前記基板の前記一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、前記蒸着源の前記中心線と、前記基板を含む前記平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置して、前記基板を、前記基板を含む平面内で、回転させつつ、蒸着によって、前記蒸着層を形成するように構成されている。
本発明者の研究によれば、蒸着源を、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、蒸着源の中心線が含まれ、かつ、蒸着源の中心線が、基板の一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、蒸着源の中心線と、基板を含む平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置して、基板を、基板を含む平面内で、回転させつつ、蒸着によって、蒸着層を形成する場合には、2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、蒸着層を形成し得ることが見出されており、したがって、本発明の好ましい実施態様によれば、異物が混入して、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に異物が存在する場合においても、また、異物に起因して、あるいは、異物と無関係に、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に凸部が形成されている場合においても、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に、蒸着によって、ほぼ均一な膜厚を有する有機発光層もしくはホール輸送層または有機発光層もしくは電子輸送層を形成することができ、したがって、つねに、所望の距離を隔てて、ホール注入電極と電子注入電極とを形成することが可能になるから、有機ELディスプレイパネルに電圧を印加したときに、リーク電流が発生して、発光不良が生じることを効果的に防止することができ、有機EL素子が破壊することを確実に防止することが可能になる。
本発明において、好ましくは、蒸着源は、基板を含む平面から、垂直方向に、81mmないし600mmだけ離間した位置に配置されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記基板に対して、前記蒸着源の反対側に位置し、かつ、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線および前記蒸着源の前記中心線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、第二の蒸着源を配置して、蒸着によって、前記蒸着層を形成するように構成されている。
本発明者の研究によれば、さらに、基板に対して、蒸着源の反対側に位置し、かつ、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線および蒸着源の中心線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、第二の蒸着源を配置して、蒸着によって、蒸着層を形成する場合には、2つの電極の一方の表面に、蒸着層を、より一層均一に形成し得ることが見出されており、したがって、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、異物が混入して、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に異物が存在する場合においても、また、異物に起因して、あるいは、異物と無関係に、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に凸部が形成されている場合においても、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に、蒸着によって、均一な膜厚を有する有機発光層もしくはホール輸送層または有機発光層もしくは電子輸送層を形成することができ、したがって、つねに、所望の距離を隔てて、ホール注入電極と電子注入電極とを形成することが可能になるから、有機ELディスプレイパネルに電圧を印加したときに、リーク電流が発生して、発光不良が生じることを効果的に防止することができ、有機EL素子が破壊することを確実に防止することが可能になる。
本発明の前記目的はまた、略矩形状の基板と、少なくとも一方が透明な2つの電極と、前記2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層を備えた有機ELディスプレイパネルを製造する装置であって、前記基板を、前記基板を含む平面内で、回転させる回転機構と、蒸着源を備え、前記蒸着源が、前記回転機構によって、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、前記蒸着源の中心線が含まれ、かつ、前記蒸着源の前記中心線が、前記基板の前記一頂点の近傍を通るように、配置されるとともに、前記蒸着源の前記中心線と、前記基板を含む前記平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置されたことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造装置によって達成される。
本発明者の研究によれば、略矩形状の基板と、少なくとも一方が透明な2つの電極と、2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層を備えた有機ELディスプレイパネルを製造する装置であって、基板を、基板を含む平面内で、回転させる回転機構と、蒸着源を備え、蒸着源が、回転機構によって、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、蒸着源の中心線が含まれ、かつ、蒸着源の中心線が、基板の一頂点の近傍を通るように、配置されるとともに、蒸着源の中心線と、基板を含む平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置された有機ELディスプレイパネルの製造装置を用いて、2つの電極の一方の表面に、蒸着によって、蒸着層を形成する場合には、2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着層を形成し得ることが見出されており、したがって、本発明によれば、異物が混入して、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に異物が存在する場合においても、また、異物に起因して、あるいは、異物と無関係に、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に凸部が形成されている場合においても、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に、蒸着によって、ほぼ均一な膜厚を有する有機発光層もしくはホール輸送層または有機発光層もしくは電子輸送層を形成することができ、したがって、つねに、所望の距離を隔てて、ホール注入電極と電子注入電極とを形成することが可能になるから、有機ELディスプレイパネルに電圧を印加したときに、リーク電流が発生して、発光不良が生じることを効果的に防止することができ、有機EL素子が破壊することを確実に防止することが可能になる。
本発明において、好ましくは、蒸着源は、基板を含む平面から、垂直方向に、81mmないし600mmだけ離間した位置に配置されている。
本発明の好ましい実施態様においては、有機ELディスプレイパネルの製造装置は、さらに、前記基板に対して、前記蒸着源の反対側に配置され、かつ、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線および前記蒸着源の前記中心線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、配置された第二の蒸着源を備えている。
本発明者に研究によれば、さらに、基板に対して、蒸着源の反対側に配置され、かつ、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線および蒸着源の中心線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、配置された第二の蒸着源を備えた有機ELディスプレイパネルの製造装置を用いて、2つの電極の一方の表面に、蒸着によって、蒸着層を形成する場合には、2つの電極の一方の表面に、蒸着層を、より一層均一に形成し得ることが見出されており、したがって、本発明の好ましい実施態様によれば、異物が混入して、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に異物が存在する場合においても、また、異物に起因して、あるいは、異物と無関係に、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に凸部が形成されている場合においても、ホール注入電極あるいは電子注入電極上に、蒸着によって、均一な膜厚を有する有機発光層もしくはホール輸送層または有機発光層もしくは電子輸送層を形成することができ、したがって、つねに、所望の距離を隔てて、ホール注入電極と電子注入電極とを形成することが可能になるから、有機ELディスプレイパネルに電圧を印加したときに、リーク電流が発生して、発光不良が生じることを効果的に防止することができ、有機EL素子が破壊することを確実に防止することが可能になる。
本発明によれば、リーク電流の発生を効果的に防止することができ、発光不良や有機EL素子の破壊を確実に防止することができる有機ELディスプレイパネルの製造方法を提供することが可能になる。
また、本発明によれば、リーク電流の発生を効果的に防止することができ、発光不良や有機EL素子の破壊を確実に防止することができる有機ELディスプレイパネルの製造装置を提供することが可能になる。
本発明において製造される有機ELディスプレイパネルは、支持基板として機能する基板と、少なくとも一方が透明な2つの電極と、2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層とを、基本構成として有している。
本発明において、有機ELディスプレイパネルが、支持基板として機能する基板を介して、光が取り出されるように構成されている場合には、基板は、透明であることを要し、一方、有機ELディスプレイパネルが、基板の反対側から、光が取り出されるように構成されている場合には、基板は不透明であってもよい。
本発明において、基板を形成するための材料は、絶縁性を有していれば、とくに限定されるものではなく、積層される電極の材質によって、適宜選択することができる。
透明な基板を形成するために好ましく使用することのできる材料としては、ガラスが挙げられ、ガラスのうち、とくに、無アルカリガラスが好ましく使用される。
本発明において、有機ELディスプレイパネルが、基板を介して、光が取り出されるように構成されている場合には、透明な基板上に、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタが形成されてもよく、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを形成するためには、顔料および/または有機染料を用いることができ、顔料としては、無機顔料および有機顔料のいずれをも使用可能であり、無機顔料としては、たとえば、金属の複合酸化物などを用いることができ、無機顔料と有機顔料の混合物を使用することもできる。
顔料および有機染料のうちでは、カラーバリエーションの多さから、有機顔料および有機染料が好ましく使用され、有機顔料および有機染料のうちでも、有機顔料は、耐熱性があり、有機溶媒や水に溶解しないため、とくに好ましい。
本発明において、有機顔料および有機染料としては公知の材料を使用することができ、たとえば、赤色用の有機顔料および有機染料としては、ジケトピロロピロール系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ペリレン系、アゾ系、ベンズイミダゾロン系などが挙げられ、緑色用の有機顔料および有機染料としては、ハロゲン化銅フタロシアニン系、アンスラキノン系などが挙げられ、青色用の有機顔料および有機染料としては、銅フタロシアニン系、インダントロン系などが挙げられる。また、混色用の黄色用の有機顔料および有機染料としては、イソインドリン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ジスアゾ系などが挙げられる。
これらの有機顔料および有機染料の中で、赤色カラーフィルタを形成するためには、アゾ系の有機顔料または有機染料が好ましく用いられ、青色カラーフィルタを形成するためには、銅フタロシアニン系の有機顔料または有機染料が好ましく用いられる。また、緑色カラーフィルタは、銅フタロシアニン系の有機顔料または有機染料とジスアゾ系の有機顔料もしくは有機染料を混合して形成することが好ましい。
本発明において、赤色カラーフィルタは、573ないし780nmの波長の光を透過させる光透過特性を有し、好ましくは、578ないし620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有している。また、緑色カラーフィルタは、493ないし573nmの波長の光を透過させる光透過特性を有し、好ましくは、520ないし570nmの波長の光を透過させる光透過特性を有している。一方、青色カラーフィルタは、380ないし493nmの波長の光を透過させる光透過特性を有し、好ましくは、430ないし470nmの波長の光を透過させる光透過特性を有している。
本発明において、透明な基板上に、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを形成する場合には、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタは、それぞれ、各画素ごとに、フォトリソグラフィプロセスによって、透明な基板の表面に、列状に、互いに略平行になるように、形成され、有機ELディスプレイパネルの画素は、それぞれ、1つの赤色カラーフィルタ、1つの青色カラーフィルタおよび1つの緑色カラーフィルタを備えている。
本発明において、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタは厚いほど、色度が向上し、薄すぎると、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタとしての機能が低下するが、厚くなりすぎると、顔料の結晶が析出したり、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタにひび割れが生じるため、一般に1.5μm以下であることが好ましい。具体的には、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタの好ましい厚さは、色によって異なり、赤色カラーフィルタは、400ないし15000オングストロームの厚さを有していることが好ましく、緑色カラーフィルタは、1200ないし12000オングストロームの厚さを有していることが好ましく、青色カラーフィルタは、400ないし15000オングストロームの厚さを有していることが好ましい。これら赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタおよび青色カラーフィルタの厚さは、要求される光学特性に応じて、変化させることができる。
本発明において、透明な基板上に、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを形成する場合には、好ましくは、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタの表面に、パッシベーション層が形成される。赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタの表面に、パッシベーション層を形成することによって、透明な電極をパターニングする際に施されるエッチング処理や洗浄処理によって、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタが損傷を受けることを防止して、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを保護することが可能になる。
また、本発明において、有機ELディスプレイパネルが、支持基板として機能する基板とは反対側に、支持基板として機能する基板と対向する透明な基板を設け、支持基板として機能する基板と対向する透明な基板を介して、光が取り出されるように構成され、基板に対向する透明な基板上に、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを形成する場合には、好ましくは、基板に対向する透明な基板上に形成された赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタの表面に、パッシベーション層が形成される。
本発明において、パッシベーション層は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNy)、酸窒化ケイ素(SiOxNy)などのケイ素化合物によって形成することができるが、酸化ケイ素と窒化ケイ素の複合膜によって形成することもできる。
本発明において、パッシベーション層は、酸化ケイ素や窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などのケイ素化合物によって形成されることが好ましいが、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタに悪影響を与えない材料であれば、有機系の透明樹脂あるいは無機系の透明樹脂などによって、パッシベーション層を形成することもできる。
本発明において、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素あるいは酸化ケイ素と窒化ケイ素の複合膜によって形成されたパッシベーション層に、ピンホールなどの欠陥や異物などが含まれている可能性がある場合には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素あるいは酸化ケイ素と窒化ケイ素の複合膜によって形成されたパッシベーション層を保護するために、有機系の透明樹脂あるいは無機系の透明樹脂などによって、パッシベーション層上に、保護膜を形成することもできる。
パッシベーション層は、632nmにおける屈折率が1.40ないし1.55であることが好ましく、632nmにおける屈折率が1.44ないし1.48であると、さらに好ましい。パッシベーション層の632nmにおける屈折率がこれよりも高いと、有機発光層中の成分から、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを保護する機能が低下し、一方、これよりも低いと、水分などから、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを保護する機能が低下してしまう。
パッシベーション層を、酸化ケイ素(SiOx)によって形成する場合には、xが1.8ないし2.2であることが好ましく、さらに好ましくは、1.90ないし2.05である。xの値は、パッシベーション層の平均値として、この範囲にあればよく、パッシベーション層の厚さ方向に、xの値が一定の割合で変化していてもよい。
パッシベーション層を、窒化ケイ素(SiNy)によって形成する場合には、yが0.1ないし0.5であることが好ましい。yの値は、パッシベーション層の平均値として、この範囲にあればよく、パッシベーション層の厚さ方向に、yの値が一定の割合で変化していてもよい。
パッシベーション層を、酸窒化ケイ素(SiOxNy)によって形成する場合には、xが0.80ないし1.97、yが0.02ないし0.80であることが好ましい。x、yの値は、パッシベーション層の平均値として、この範囲にあればよく、パッシベーション層の厚さ方向に、x、yの値が一定の割合で変化していてもよい。
パッシベーション層は、不純物として、0.5重量%以下のC、Arなどを含んでいてもよく、さらに、層内の応力を緩和させるために、30原子%以下のHを含んでいてもよい。
本発明において、パッシベーション層は、2ないし50nmの平均表面粗さ(Ra)を有していることが好ましく、10ないし50nmの最大表面粗さ(Rmax)を有していることが好ましい。
また、パッシベーション層は、有機光層から発せられた光の80%以上を透過する透過率を有していることが好ましい。
パッシベーション層の厚さはとくに限定されるものではないが、5ないし50nm、とくに10ないし30nmであることが好ましい。
パッシベーション層は、スパッタリング法、プラズマCVD法などによって、形成することができる。
スパッタリング法によって、パッシベーション層を形成する場合には、RF電源を用いた高周波スパッタリング法によって、パッシベーション層を成膜することが好ましい。RF電源を用いた高周波スパッタリングの電力は10ないし100W/平方センチメートルの範囲が好ましく、周波数は13.56MHz、成膜速度は5ないし50nm/分、成膜中の圧力は0.1ないし1.0パスカルであることが好ましい。
スパッタリング法を用いて、パッシベーション層を成膜する場合、スパッタリング用ガスには、通常のスパッタリング装置に使用される不活性ガスを使用することができるが、Ar、Kr、Xeよりなる群から選ばれる1種の不活性ガスあるいは2種以上の混合不活性ガスを用いることが好ましい。Ar、Kr、Xeのいずれかを、主たるスパッタリング用ガスとして用いるときは、基板とターゲットの間の距離は20ないし60パスカル・cmの範囲にあることが好ましく、とくに、30ないし50パスカル・cmの範囲にあることが好ましい。Ar、KrおよびXeのうち、Arを用いることが最も好ましい。
本発明において、有機ELディスプレイパネルが、基板を介して、光を取り出すように構成され、透明な基板が用いられる場合には、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタに代えて、有機発光層からの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を設けることもできる。
蛍光変換層は、有機発光層から入射した光によって、励起され、入射光とは異なる波長の光を生成して、放出する蛍光物質を含んでいる。蛍光物質は、そのエネルギー順位で決定される波長の光を放出する物質であり、蛍光変換層に含まれる蛍光物質としては、赤色、緑色、青色などの光の三原色に対応する蛍光を発する化合物が好ましく使用される。蛍光物質は、短波長の光を長波長の光に変換することができるため、青色の発光光を赤色、緑色、黄色の光に変換させることによって、任意の色(波長)の光を生成することができる。
本発明において、蛍光変換層に好ましく使用することのできる蛍光物質の例としては、たとえば、特開昭63−264692号公報に開示されているキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素などおよびクマリン、ルモゲンなどの化合物から選択される少なくとも1種の化合物を挙げることができる。また、下式の構造を有するトリス(8−キノリナト)アルミニウム(Alq3)などの8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体などの蛍光物質も、蛍光変換層に好ましく使用することができる。さらには、特開平8−12600号公報に開示されたフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号に開示されたテトラアリールエテン誘導体なども、蛍光変換層用の蛍光物質として使用することができる。
Figure 2005268185
本発明において、蛍光変換層を設ける場合、蛍光変換層の膜厚は、2000nm以下が好ましく、300nmないし600nm程度がとくに好ましい。
本発明において、蛍光変換層を設ける場合には、蛍光物質を蒸着して、蛍光変換層が形成されることが好ましい。
本発明において、蛍光変換層は、2種類以上の蛍光物質を蒸着して、形成されていてもよい。
本発明において、2種類以上の蛍光物質を蒸着して、蛍光変換層を形成する場合には、蛍光物質を含む各ボートを個別に温度制御して、2種類以上の蛍光物質を共蒸着して、蛍光変換層を形成することが好ましい。2種類以上の蛍光物質を共蒸着する場合には、同時に蒸着をすることができるから、2以上の蒸着膜を積層する場合に比し、作業時間を短縮することが可能になり、また、2種類以上の蛍光物質を混合して、蒸着する場合に比し、それぞれの蛍光物質の蒸気圧が大きく異なっていても、所望のように、2種類以上の蛍光物質を含む蛍光変換層を形成することが可能になる。
本発明において、2種類以上の蛍光物質を用いて、蛍光変換層を形成する場合には、2種類以上の蛍光物質を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層を積層して、蛍光変換層を形成することができる。2種類以上の蛍光物質を共蒸着して、蛍光変換層を形成する場合には、それぞれの添加量を正確に制御することが必要不可欠で、操作が煩雑であるが、2種類以上の蛍光物質を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層を積層して、蛍光変換層を形成する場合には、簡易に、所望の波長変換特性を有する蛍光変換層を形成することが可能になるだけでなく、それぞれの蛍光物質の蒸気圧が大きく異なっていても、所望の波長変換特性を有する蛍光変換層を形成することが可能になる。
また、本発明において、2種類以上の蛍光物質を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層を積層して、蛍光変換層を形成する場合、各蒸着層を、2種類以上の蛍光物質を共蒸着して形成することもできる。
本発明において、蛍光物質を蒸着する条件は、とくに限定されるものではないが、1×10−4パスカル以下で、蒸着速度を0.01ないし1nm/秒程度とすることが好ましい。
本発明において、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタに代えて、蛍光変換層を設けた場合には、パッシベーション層は、蛍光変換層の表面に形成される。
本発明において、有機ELディスプレイパネルが、支持基板として機能する基板を介して、光を取り出すように構成され、透明な基板が用いられる場合には、透明な基板、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタ、蛍光変換層あるいはパッシベーション層上に、ホール注入電極として機能する透明電極が形成される。
これに対して、有機ELディスプレイパネルが、基板の反対側から、光を取り出すように構成されている場合には、支持基板として機能する基板上に、電子注入電極が形成される。
本発明において、ホール注入電極として機能する透明電極あるいは電子注入電極上に、少なくとも一層の有機発光層を備えた有機層が形成される。
有機発光層は、少なくとも発光機能に関与する1種または2種の有機化合物を含んでいる。
本発明において、透明な基板上に、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを形成する場合には、少なくとも一層の有機発光層から発せられる光の波長は、白色光の波長であればよく、とくに限定されるものではないが、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層が、少なくとも380ないし780nmの連続した発光スペクトルを有する白色光を発するように構成されている。
本発明において、透明な基板上に、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタおよび緑色カラーフィルタを形成する場合には、少なくとも一層の有機発光層が、430nmないし650nm以下の連続した発光スペクトルを有する白色光を発するように構成されていると、とくに好ましい。
本発明において、透明な基板上に、蛍光変換層を形成する場合には、少なくとも一層の有機発光層から発せられる光の波長は、青色光の波長であればよく、とくに限定されるものではないが、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層が、380ないし493nmの連続した発光スペクトルを有する青色光を発するように構成されている。
本発明において、透明な基板上に、蛍光変換層を形成する場合には、少なくとも一層の有機発光層が、430ないし470nmの連続した発光スペクトルを有する青色光を発するように構成されていると、とくに好ましい。
本発明において、少なくとも一層の有機発光層は、ホール輸送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質を含み、ホール(正孔)および電子の注入機能、ホールおよび電子の輸送機能ならびにホールおよび電子の再結合により、励起子を生成させる機能を有しており、電子的に比較的ニュートラルな化合物を含んでいることが好ましい。
少なくとも一層の有機発光層のホスト物質として用いられるホール輸送性化合物としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体が挙げられ、さらに、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく使用できる。
トリフェニルジアミン誘導体の例としては、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)がとくに好ましい。
テトラアリールベンジシン化合物(TDP)の好ましい具体例は、以下のとおりである。
Figure 2005268185
Figure 2005268185
Figure 2005268185
少なくとも一層の有機発光層のホスト物質として用いられる電子輸送性化合物としては、キノリン誘導体が好ましく使用することができ、さらには、8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、とくに、下式の構造を有するトリス(8−キノリナト)アルミニウム(Alq3)が好ましく使用される。また、フェニルアントラセン誘導体やテトラアリールエテン誘導体も、電子輸送性化合物として使用することができる。
Figure 2005268185
本発明において、少なくとも一層の有機発光層は、ホール輸送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質に、蛍光物質であるドーパントがドープされた構造を有していることが好ましい。
また、有機ELディスプレイパネルは、互いに積層された二層の有機発光層を備えていてもよい。二層の有機発光層を形成する場合には、それぞれに、異なった発光波長を有する蛍光物質をドーピングすることによって、広い発光波長帯域を確保し、また、発光色の色彩の自由度を向上させることができる。
本発明において、ドーパントとして含有させる蛍光物質としては、たとえば、特開昭63−264692号公報に開示された化合物、具体的には、ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合物、ジシアノメチルピラン系化合物などの化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用できる。
本発明に好ましく使用できる蛍光物質の例を挙げると、以下のとおりである。
Figure 2005268185
Figure 2005268185
Figure 2005268185
Figure 2005268185
さらに、本発明においては、特開2000−26334号公報および特開2000−26337号公報に記載されているナフタセン系化合物も、ドーパントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することができ、ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合物、ジシアノメチルピラン系化合物などと併用することによって、有機ELディスプレイパネルの寿命を飛躍的に向上させることができる。
本発明において、ドーパントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することのできるナフタセン系化合物は、式(I)で示される基本骨格を有している。
Figure 2005268185
式(I)において、RないしRは、それぞれ、非置換または置換基を有するアルキル基、アリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル基のいずれかを表わし、アリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル基のいずれかであることが好ましい。
ないしRで表わされるアリール基としては、単環でも、多環でもよく、縮合環や環集合のものも含んでいる。総炭素数は、6ないし30であることが好ましく、置換基を有していてもよい。
ないしRで表わされるアリール基としては、フェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、(1−、および2−)ナフチル基、アントリル基、(o−,m−,p−)ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリル基などが好ましい。
ないしRで表わされるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基などのいずれであってもよい。これらは、総炭素数1ないし6の脂肪族および/または1なし4環の芳香族炭素環を有していることが好ましい。具体的には,ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスジフェニルアミノ基、ビスナフチルアミノ基などが含まれる。
ないしRで表わされる複素環基としては、ヘテロ原子として、O、N、Sを含有する5員環または6員環の芳香族複素環基、炭素数2ないし20の縮合多環芳香族複素環基などが挙げられる。
ないしRで表わされるアルケニル基としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有する(1−および2−)フェニルアルケニル基、(1,2−および2,2−)ジフェニルアルケニル基、(1,2,2−)トリフェニルアルケニル基などが好ましいが、非置換のものであってもよい。
芳香族複素環基および縮合多環芳香族複素環基としては、たとえば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジン基、キノリル基、キノキサリルなどが挙げられる。
ないしRが置換基を有する場合、これらの置換基のうちの少なくとも2つがアリール基、アミノ基、複素環基、アルケニル基およびアリーロキシ基のいずれかであることが好ましい。アリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル基については、RないしRと同様のものが使用できる。
ないしRの置換基となるアリーロキシ基としては、総炭素数6ないし18のアリール基を有するものが好ましく、具体的には、(o−,m−,p−)フェノキシ基などが挙げられる。
これらの置換基の2種以上が、縮合環を形成し、あるいは、さらに、置換されていてもよい。置換されている場合、好ましい置換基は、前記置換基を同様である。
ないしRが置換基を有する場合には、少なくとも、その2種以上が前記置換基を有していることが好ましい。その置換位置は、とくに限定されるものではなく,メタ、パラ、オルト位のいずれであってもよい。また、RとR、RとRは、それぞれ同じものであることが好ましいが、互いに異なるものであってもよい。
式(I)において、RないしRのうち、少なくとも5種以上、好ましくは6種以上が、非置換または置換基を有するアルキル基、アリール基、アミノ基、アルケニル基または複素環基である。
、R、RおよびRで表わされるアルキル基としては、炭素数が1ないし6のものが好ましいが、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。R、R、RおよびRで表わされるアルキル基の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、(n,i)プロピル基、(n,i,sec,tert)−ブチル基、(n,i,neo,tert)−ペンチル基などが挙げられる。
、R、RおよびRで表わされるアリール基、アミノ基およびアルケニル基としては、RないしRと同様のものが使用できる。また、RとR、RとRは、それぞれ同じものであることが好ましいが、互いに異なるものであってもよい。
本発明において、ドーパントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することのできる化合物には、たとえば、次のものが挙げられる。
Figure 2005268185
Figure 2005268185
二層の有機発光層を設ける場合、各有機発光層が、2種以上のこれらの蛍光物質を含み、2種以上の蛍光物質が、異なった発光波長を有していることが好ましい。
本発明において、有機発光層におけるドーパントの含有量は、0.01ないし20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは,0.1ないし15重量%である。
本発明において、有機発光層の厚さはとくに限定されるものではなく、その好ましい厚さは、形成方法によっても異なるが、通常、5ないし500nm、さらに好ましくは、10ないし300nmである。
本発明において、二層以上の有機発光層を形成する場合、各有機発光層の厚さは、分子層一層分に相当する厚さから、有機発光層全体の厚さ未満の範囲にあり、具体的には、1ないし85nm、好ましくは5ないし60nm、さらに好ましくは5ないし50nmである。
本発明において、有機発光層は蒸着によって形成される。
本発明においては、有機発光層は、透明なホール注入電極あるいは電子注入電極の表面に、ホール注入電極あるいは電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着により、蒸着層を形成することによって、形成される。
本発明において、蒸着源を、略矩形状の基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、蒸着源の中心線が含まれ、かつ、蒸着源の中心線が、基板の一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、蒸着源の中心線と、基板を含む平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置して、基板を、基板を含む平面内で、回転させつつ、蒸着によって、蒸着層を形成し、有機発光層を形成することが好ましい。
本発明において、さらに好ましくは、さらに、基板に対して、蒸着源の反対側に位置し、かつ、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線および蒸着源の中心線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、第二の蒸着源を配置して、蒸着によって、蒸着層を形成し、有機発光層が形成される。
本発明において、有機発光層を、蒸着によって形成する条件は、とくに限定されるものではないが、1×10−4パスカル以下で、蒸着速度を0.01ないし1nm/秒程度とすることが好ましい。
本発明において、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層は、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる。
少なくとも一層の有機発光層が、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合には,キャリアのホッピング伝導パスが形成されるため、各キャリアは極性的に優勢な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入が起こり難くなり、したがって、有機発光層に含まれた化合物がダメージを受けることが防止されるので、有機ELディスプレイパネルの寿命を向上させることができるという利点がある。
さらに、蛍光物質からなるドーパントを、ホール輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層に含有させることによって、有機発光層自体が有する発光波長特性を変化させることができ,発光波長を長波長側に移行させるとともに、発光強度を向上させ、さらには、有機ELディスプレイパネルの安定性を向上させることが可能になる。
少なくとも一層の有機発光層が、ホール輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度にしたがって決定されるが、一般的には、重量比で、1/99ないし99/1、好ましくは、10/90ないし90/10、さらに好ましくは、20/80ないし80/20、最も好ましくは、40/60ないし60/40が選ばれる。
ホール輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合には、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物を、異なる蒸着源に入れて、蒸発させ、共蒸着することが好ましいが、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の蒸気圧が同程度あるいは非常に近い場合には、あらかじめ同じ蒸着源内で混合させておき、蒸着することもできる。
ホール輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合には、有機発光層内で、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物とが均一に混合していることが好ましいが、均一に混合していることは必ずしも必要でない。
本発明において、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層に加えて、ホール注入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホールを安定的に輸送する機能および電子の輸送を妨げる機能を有するホール輸送層、ならびに、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定的に輸送する機能およびホールの輸送を妨げる機能を有する電子輸送層が形成される。これらの層を形成することによって、有機発光層に注入されるホールや電子を増大させるとともに、有機発光層内に閉じ込めさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を向上させることが可能になる。
本発明において、少なくとも一層の有機発光層に加えて、ホール輸送層および電子輸送層を形成する場合には、ホール輸送層および電子輸送層は蒸着によって形成され、透明なホール注入電極あるいは電子注入電極の表面に、ホール注入電極あるいは電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着により、蒸着層を形成することによって、ホール輸送層および電子輸送層が形成される。
本発明において、蒸着源を、略矩形状の基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、蒸着源の中心線が含まれ、かつ、蒸着源の中心線が、基板の一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、蒸着源の中心線と、基板を含む平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置して、基板を、基板を含む平面内で、回転させつつ、蒸着によって、蒸着層を形成し、ホール輸送層および電子輸送層を、それぞれ、形成することが好ましい。
本発明において、さらに好ましくは、さらに、基板に対して、蒸着源の反対側に位置し、かつ、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線および蒸着源の中心線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、第二の蒸着源を配置して、蒸着によって、蒸着層を形成し、ホール輸送層および電子輸送層が、それぞれ、形成される。
本発明において、さらに好ましくは、少なくとも一層の有機発光層、ホール輸送層および電子輸送層に加えて、ホール注入電極と、ホール輸送層の間に、ホール注入電極からのホールの注入を容易にする機能を有するホール注入層が形成され、電子注入電極と、電子輸送層との間に、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能を有する電子注入層が形成される。
本発明において、少なくとも一層の有機発光層、ホール輸送層および電子輸送層に加えて、ホール注入層および電子注入層を形成する場合には、ホール注入層および電子注入層は蒸着によって形成され、透明なホール注入電極あるいは電子注入電極の表面に、ホール注入電極あるいは電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着により、蒸着層を形成することによって、ホール注入層および電子注入層が形成される。
本発明において、蒸着源を、略矩形状の基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、蒸着源の中心線が含まれ、かつ、蒸着源の中心線が、基板の一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、蒸着源の中心線と、基板を含む平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置して、基板を、基板を含む平面内で、回転させつつ、蒸着によって、蒸着層を形成し、ホール注入層および電子注入層を、それぞれ、形成することが好ましい。
本発明において、さらに好ましくは、さらに、基板に対して、蒸着源の反対側に位置し、かつ、基板を、基板を含む平面内で回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線および蒸着源の中心線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、第二の蒸着源を配置して、蒸着によって、蒸着層を形成し、ホール注入層および電子注入層が、それぞれ、形成される。
本発明において、有機発光層、ホール輸送層およびホール注入層、ならびに、電子輸送層および電子注入層の各層を、蒸着によって形成する条件はとくに限定されるものではないが、1×10−4パスカル以下で、蒸着速度を0.01ないし1nm/秒程度とすることが好ましい。各層は、1×10−4パスカル以下の減圧下で、連続して、形成されることが好ましい。1×10−4パスカル以下の減圧下で、連続して、各層を形成することによって、各層の界面に不純物が吸着されることを防止することができるから、高特性の有機ELディスプレイパネルを得ることが可能になるとともに、有機ELディスプレイパネルの駆動電圧を低下させ、ダークスポットが発生し、成長することを抑制することができる。
本発明において、ホール輸送層あるいはホール輸送層およびホール注入層に、好ましく使用することができる化合物としては、例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェンなどを挙げることができる。これらのうち、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、WO/98/30071号に記載されているトリアリールアミン多量体(ATP)が、とくに好ましく使用することができる。
トリアリールアミン多量体(ATP)の好ましい具体例は、以下のとおりである。
Figure 2005268185
Figure 2005268185
Figure 2005268185
本発明において、さらには、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EP0650955A1などに記載されている各種有機化合物も、ホール輸送層あるいはホール輸送層およびホール注入層に使用することができる。
本発明において、2種以上のこれらの化合物を併用してもよく、2種以上のこれらの化合物を併用する場合には、一層中に混合しても、また、2以上の層として、積層してもよい。
ホール輸送層およびホール注入層を設ける場合には、前記化合物の中から、好ましい組み合わせを選択して、ホール注入電極として機能するITOなどの透明電極側から、イオン化ポテンシャルの小さい化合物の層の順に、積層することが好ましい。また、ホール注入電極として機能する透明電極の表面には、薄膜性の良好な化合物の層を形成することが好ましい。とくに、前記ATPをホール注入層に用い、前記TPDをホール輸送層に用いると、好ましい。前記ATPをホール注入層に用い、前記TPDをホール輸送層に用いることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生および成長を防止することができる。
本発明において、ホール輸送層およびホール注入層を蒸着によって、形成する場合には、均一で、ピンホールのない1ないし10nm程度の薄膜を形成することができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視波長の光を吸収する化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による発光効率の低下を防止することができる。
本発明において、電子輸送層あるいは電子輸送層および電子注入層に、好ましく使用することができる化合物としては、たとえば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体などを挙げることができる。
本発明において、有機発光層、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層あるいは電子注入層に、2種以上の化合物を含有させる場合には、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して、共蒸着によって、有機発光層、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層あるいは電子注入層を形成することが好ましい。
本発明において、ホール注入電極は、ホール輸送層あるいはホール注入層に、ホールを効率よく、注入することのできる材料によって形成されることが好ましく、仕事関数が4.5ないし5.5eVの材料によって、形成されることが好ましい。
ホール注入電極を形成するために、好ましく使用できる材料としては、たとえば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)および酸化亜鉛(ZnO)のいずれかを主成分とした酸化物が挙げられる。これらの酸化物は、その化学量論組成から、多少偏倚した組成を有していてもよい。錫ドープ酸化インジウム(ITO)における酸化インジウムに対する酸化錫の混合比は1ないし20重量%が好ましく、さらに好ましくは、5ないし12重量%である。また、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)における酸化インジウムに対する酸化亜鉛の混合比は、通常、12ないし32重量%である。
本発明において、ホール注入電極は、仕事関数を調整するために、酸化シリコン(SiO)を含んでいてもよい。酸化シリコン(SiO)の含有量は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)に対するモル比で、0.5ないし10%であることが好ましい。酸化シリコンを含有させることによって、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を増大させることができる。
本発明において、ホール注入電極には、ホールの導通パスを備え、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホール注入輸送層が形成されていてもよい。
このように、ホールの導通パスを備え、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホール注入輸送層を設けることによって、有機発光層にホールを効率よく注入することができ、発光効率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させることが可能になる。さらには、ホールの導通パスを備え、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホール注入輸送層を設けることによって、有機ELディスプレイパネルの厚さを減少させることができ、有機ELディスプレイパネルを薄層化することが可能となる。
本発明において、無機ホール注入輸送層の主成分として、シリコンやゲルマニウムなどの金属あるいは半金属の酸化物を用い、これに、仕事関数が4.5eV以上、好ましくは、4.5ないし6.0eVの金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を含有させて、ホールの導通パスを形成すると、ホール注入電極から有機発光層へ、ホールを効率よく注入することができるだけでなく、有機発光層からホール注入電極への電子の移動を抑制して、有機発光層において、ホールと電子とを効率よく再結合させることができ、好ましい。
高抵抗の無機ホール注入輸送層を設ける場合には、従来の有機のホール輸送層や、有機のホール注入層を有する有機ELディスプレイパネルに比して、同等か、それ以上の輝度を得ることができ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので、寿命が長く、無機材料であるホール注入電極との接続性も良好になり、そのため、リークやダークスポットの発生も少ないという利点がある。さらには、比較的高価な有機物質とは異なり、無機ホール注入輸送層を形成するための無機物質は、安価で、入手がしやすく、無機ホール注入輸送層の形成も容易であるので、有機ELディスプレイパネルの製造コストを低減させることが可能になる。
高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率は、1Ω・cmないし1×1011Ω・cmであることが好ましく、1×10Ω・cmないし1×10Ω・cmであることが、とくに好ましい。無機ホール注入輸送層の抵抗率をかかる範囲に設定することによって、高い電子ブロック性を維持しつつ、ホール注入効率を飛躍的に向上させることが可能になる。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも、求めることができる。
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、シリコンとゲルマニウムの酸化物(Si1−xGe)Oを主成分とすることが好ましく、ここに、xは0ないし1、yは1.7ないし2.2、好ましくは、1.7ないし1.99である。無機ホール注入輸送層の主成分は、酸化シリコン(すなわち、xが0.5以下)でも、酸化ゲルマニウム(すなわち、xが0.5を越えている)でもよく、それらの混合薄膜であってもよい。yが、この範囲より大きくても、小さくても、ホール注入機能が低下し、好ましくない。組成は、たとえば、ラザフォード後方散乱、化学分析などによって調べることができる。
無機ホール注入輸送層は、さらに、仕事関数が4.5eV以上、好ましくは、4.5ないし6.0eVの金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を含有していることが好ましい。仕事関数が4.5eV以上、好ましくは、4.5ないし6.0eVの金属、半金属としては、Au、Cu、Fe、Ni、Ru、Sn、Cr、Ir、Nb、Pt、Mo、W、Ta、Pd、Coを挙げることができる。これらの金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物は混合して用いることができ、その場合の混合比は任意である。これらの含有量は、好ましくは、0.2ないし40モル%、より好ましくは、1ないし20モル%である。これらの含有量が、0.2モル%よりも少ないと、ホール注入機能が低下し、一方、40モル%よりも多いと、電子ブロック機能が低下し、好ましくない。これらを2種以上併用する場合には、合計の含有量がかかる範囲内にあることが好ましい。
前記金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物は、通常、高抵抗の無機ホール注入輸送層中に、分散状態で、含有されている。分散粒子の粒径は、通常、1ないし5nm程度である。これらの導体である分散粒子間に、主成分である高抵抗のシリコンとゲルマニウムの酸化物を介して、ホールを輸送するためのホッピングパスが形成されるものと考えられる。
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、さらに、不純物として、Hや、スパッタガスとして用いるNe、Ar、Kr、Xeなどを、合計5分子%以下含有していてもよい。
高抵抗の無機ホール注入輸送層の組成は均一でなくてもよく、平均として、かかる組成を有していれば、膜厚方向に濃度勾配を有していてもよい。
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、0.3ないし100nmの膜厚を有していることが好ましく、より好ましくは、1ないし100nmであり、5ないし30nmの膜厚を有していると、とくに好ましい。高抵抗の無機ホール注入輸送層の膜厚が、0.3nm未満でも、100nmを越えていても、ホール注入の機能が十分に発揮されなくなる。
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、スパッタリング、蒸着など、各種の物理的あるいは化学的な薄膜形成方法によって、形成することができるが、スパッタリング法によって形成することが好ましい。とくに、主成分であるシリコンとゲルマニウムの酸化物と、仕事関数が4.5eV以上の金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を、ターゲットとして、別個にスパッタリングする多元スパッタリング法によって、無機ホール注入輸送層を形成することが好ましい。多元スパッタリング法によれば、それぞれのターゲットに適した条件で、スパッタリングすることができる。また、主成分のターゲット上に、金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上の小片を配置し、これらの面積比を適当に調整することによって、組成を調整すれば、一元スパッタリング法によって、無機ホール注入輸送層を形成することもできる。
無機ホール注入輸送層をスパッタリング法によって形成する場合、スパッタガスの圧力は、0.1ないし1パスカルの範囲に設定することが好ましい。スパッタガスとしては、スパッタリングに、通常、用いられる不活性ガス、たとえば、Ar、Ne、Xe、Krなどを使用することができ、必要に応じて、窒素ガスを用いることもできる。スパッタリング時において、これらのスパッタガスに加えて、1ないし99%の酸素ガスを混合するようにしてもよい。
スパッタリング法としては、RF電源を用いた高周波スパッタリング法や、DCスパッタリング法を使用することができ、RF電源を用いた高周波スパッタリングの電力は0.1ないし10W/平方センチメートルの範囲が好ましく、成膜速度は0.5ないし10nm/分、とくに、1ないし5nmの範囲が好ましい。
成膜時の基板温度は、25ないし150℃程度である。
本発明において、電子注入電極は、電子輸送層あるいは電子注入層に、電子を効率よく、注入することのできる材料によって形成されることが好ましい。
本発明において、電子注入電極には、電子の導通パスを備え、ホールをブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層が形成されていてもよい。
このように、電子の導通パスを備え、ホールをブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層を、有機発光層と電子注入電極との間に、設けることによって、有機発光層に電子を効率よく注入することができ、発光効率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させることが可能になる。さらには、電子の導通パスを備え、ホールをブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層を設けることによって、有機ELディスプレイパネルの厚さを減少させることができ、有機ELディスプレイパネルを薄層化することが可能となる。
高抵抗の無機電子注入輸送層は、好ましくは、第一成分として、仕事関数が4eV以下、好ましくは、1eVないし4eVであって、Li、Na、K、Rb、CsおよびFrよりなる群から選ばれる1種以上のアルカリ金属元素、または、Mg、CaおよびSrよりなる群から選ばれる1種以上のアルカリ金属土類元素、または、LaおよびCeよりなる群から選ばれる1種以上のランタノイド系元素の酸化物を含有している。これらの中では、とくに、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セリウムが好ましい。これらの元素を混合して用いる場合、混合比は任意に決定することができる。これらの元素を混合して用いる場合、混合物中に、酸化リチウムが、LiO換算で、50モル%以上が含有されていることが好ましい。
高抵抗の無機電子注入輸送層は、さらに、第二成分として、Zn、Sn、V、Ru、SmおよびInよりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有している。第二成分の含有量は、好ましくは、0.2ないし40モル%、より好ましくは、1ないし20モル%である。第二成分の含有量が、0.2モル%より少ないと、電子注入機能が低下し、他方、40モル%を越えると、ホールブロック機能が低下し、好ましくない。第二成分として、2種以上の元素を併用する場合、合計の含有量がかかる範囲内にあることが好ましい。第二成分は、金属の状態で存在しても、酸化物の状態で存在してもよい。
このように、高抵抗である第一成分中に、第二成分として、Zn、Sn、V、Ru、SmおよびInよりなる群から選ばれる1種以上の元素を、0.2ないし40モル%含有させて、導電パスを形成することにより、電子注入電極から有機発光層に、効率よく、電子を注入することができる。これは、第一成分中に、第二成分を含有させることによって、絶縁物質中に、導電物質が島状に存在することになり、電子注入のためのホッピングパスが形成されるためと考えられる。
第一成分中に、第二成分を、0.2ないし40モル%含有させることにより、さらに、発光層から電子注入電極へのホールの移動を抑制することが可能になり、発光層において、ホールと電子とを効率よく再結合させることができる。
高抵抗の無機電子注入輸送層を設ける場合には、従来の有機の電子輸送層や、有機の電子注入層を有する有機EL素子に比して、同等か、それ以上の輝度を得ることができ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので、寿命が長く、無機材料である電子注入電極との接続性も良好になり、そのため、リークやダークスポットの発生も少ないという利点がある。さらには、比較的高価な有機物質とは異なり、無機電気注入輸送層を形成するための無機物質は、安価で、入手がしやすく、無機電子注入輸送層の形成も容易であるので、有機ELディスプレイパネルの製造コストを低減させることができる。
高抵抗の無機電子注入輸送層の抵抗率は、1Ω・cmないし1×1011Ω・cmであることが好ましく、1×10Ω・cmないし1×10Ω・cmであることが、とくに好ましい。無機電子注入輸送層の抵抗率をかかる範囲に設定することによって、高いホールブロック性を維持しつつ、電子注入効率を飛躍的に向上させることが可能になる。この場合、シート抵抗は4端子法などによって測定することができる。
第一成分の酸化物は、通常、化学量論組成(stoichiometric composition)であるが、これから、多少偏倚して、非化学量論組成(non‐stoichiometry)となっていてもよい。第二成分の酸化物も同様である。
高抵抗の無機電子注入輸送層は、さらに、不純物として、Hや、スパッタガスとして用いるNe、Ar、Kr、Xeなどを、合計5分子%以下含有していてもよい。
高抵抗の無機電子注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
高抵抗の無機電子注入輸送層は、0.2ないし30nmの膜厚を有していることが好ましく、0.2ないし20の膜厚を有していると、とくに好ましい。高抵抗の無機電子注入輸送層の膜厚が、0.2nm未満でも、30nmを越えていても、電子注入の機能が十分に発揮されなくなる。
高抵抗の無機電子注入輸送層は、スパッタリング、蒸着など、各種の物理的あるいは化学的な薄膜形成方法によって、形成することができるが、スパッタリング法によって形成することが好ましい。とくに、第一成分と第二成分を、ターゲットとして、別個にスパッタリングする多元スパッタリング法によって、無機電子注入輸送層を形成することが好ましい。多元スパッタリング法によれば、それぞれのターゲットに適した条件で、スパッタリングすることができる。また、第一成分と第二成分の混合ターゲットを用いて、一元スパッタリング法によって、無機電子注入輸送層を形成することもできる。
無機電子注入輸送層をスパッタリング法によって形成する場合、スパッタガスの圧力は、0.1ないし1パスカルの範囲に設定することが好ましい。スパッタガスとしては、スパッタリング法に、通常、用いられる不活性ガス、たとえば、Ar、Ne、Xe、Krなどを使用することができ、必要に応じて、窒素ガスを用いることもできる。スパッタリング時において、これらのスパッタガスに加えて、1ないし99%の酸素ガスを混合するようにしてもよい。
スパッタリング法としては、RF電源を用いた高周波スパッタリング法や、DCスパッタリング法を使用することができ、RF電源を用いた高周波スパッタリングの電力は0.1ないし10W/平方センチメートルの範囲が好ましく、成膜速度は0.5ないし10nm/分、とくに、1ないし5nmの範囲が好ましい。
成膜時の基板温度は、25ないし150℃程度である。
本発明において、電子輸送層あるいは電子注入層が形成されている場合には、電子注入電極を形成するために、好ましく使用できる材料としては、たとえば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Zrなどの金属元素単体、または、安定性を向上させるために、これらの金属元素を含む二成分もしくは三成分の合金を挙げることができる。これらの金属元素を含む二成分もしくは三成分の合金の具体例としては、Ag・Mg(Ag:0.1ないし50原子%)、Al・Li(Li:0.01ないし14原子%)、In・Mg(Mg:50ないし80原子%)、Al・Ca(Ca:0.01ないし20原子%)を挙げることができる。
これに対して、電子注入電極に、無機電子注入輸送層が形成されている場合には、低仕事関数で、電子注入性を有している必要がないので、電子注入電極を形成するための材料はとくに限定されるものではなく、通常の金属を用いることができる。金属の中では、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、PdおよびNiよりなる群、とくに、AlおよびAgよりなる群から選ばれる1種または2種以上の金属元素が、導電率や取り扱いやすさの観点から、好ましく使用することができる。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる有機ELディスプレイパネルの製造装置の略斜視図であり、図2は、その略平面図である。
図1および図2に示されるように、本実施態様にかかる有機ELディスプレイパネルの製造装置は、第一の蒸着源1と、第二の蒸着源2を備え、基板3がセットされる基板ホルダー4を備えている。
図2に示されるように、基板3は矩形形状を有し、基板ホルダー4は、回転機構(図示せず)によって、回転可能に構成されている。
図1および図2に示されるように、第一の蒸着源1は、回転機構によって、基板3を、基板3を含む平面内で回転させ、基板3の一頂点3aが、第一の蒸着源1に最も近接するように位置させたときに、基板3の一頂点3aと、一頂点3aに対向する基板の頂点3bとを結ぶ対角線3cを含み、基板3を含む平面3dに垂直な平面内に、第一の蒸着源1の中心線1aが含まれ、かつ、第一の蒸着源1の中心線1aが、基板3の一頂点3aの近傍を通るように、配置されるとともに、第一の蒸着源1の中心線1aと、基板3を含む平面3dとのなす角度θが、10度ないし45度となるように配置されている。
また、第一の蒸着源1は、基板3を含む平面3dの下方、100mmの位置に配置されている。
これに対して、第二の蒸着源2は、図1および図2に示されるように、基板3に対して、第一の蒸着源1の反対側で、基板3を含む平面3dの下方、500mmの位置に配置され、かつ、回転機構によって、基板3を、基板3を含む平面内で回転させ、基板3の一頂点3aが、第一の蒸着源1に最も近接するように位置させたときに、基板3の一頂点3aと、一頂点3aに対向する基板の頂点3bとを結ぶ対角線3cおよび第一の蒸着源1の中心線1aを含み、基板3を含む平面3dに垂直な平面内に、その中心線2aが位置するように配置されている。
有機ELディスプレイパネルを製造するにあたっては、まず、ホール輸送性化合物が収容された第一の蒸着源1および第二の蒸着源2が所定の位置にセットされるとともに、表面に、ホール注入電極として機能する透明電極5が形成された基板3が、基板ホルダー4上に、セットされる。
次いで、減圧下で、回転機構(図示せず)が駆動されて、基板ホルダー4が回転され、第一の蒸着源1および第二の蒸着源2から蒸発したホール輸送性化合物が、透明電極5の表面に蒸着され、ホール輸送層が形成される。
本発明者の研究によれば、このようにして、ホール輸送層を形成するときは、図3に示されるように、透明電極5の表面に異物10が付着している場合においても、また、図4に示されるように、何らかの原因で、透明電極5の表面に凸部11が形成されている場合においても、透明電極5上に、蒸着によって、ほぼ均一な膜厚を有するホール輸送層6を形成し得ることが見出されている。
次いで、発光機能に関与する1種または2種の有機化合物が収容された第一の蒸着源1および第二の蒸着源2が所定の位置にセットされ、減圧下で、回転機構(図示せず)が駆動されて、基板ホルダー4が回転され、第一の蒸着源1および第二の蒸着源2から蒸発した発光機能に関与する1種または2種の有機化合物が、ホール輸送層6の表面に蒸着されて、有機発光層が形成される。
本発明者の研究によれば、このようにして、有機発光層を形成するときは、ホール輸送層6を形成する場合と同様に、ホール輸送層6の表面に異物が付着している場合においても、また、何らかの原因で、ホール輸送層6の表面に凸部が形成されている場合においても、ホール輸送層6上に、蒸着によって、ほぼ均一な膜厚を有する有機発光層を形成し得ることが見出されている。
さらに、電子輸送性化合物が収容された第一の蒸着源1および第二の蒸着源2が所定の位置にセットされ、減圧下で、回転機構(図示せず)が駆動されて、基板ホルダー4が回転され、第一の蒸着源1および第二の蒸着源2から蒸発した電子輸送性化合物が、有機発光層上に蒸着されて、電子輸送層が形成される。
本発明者の研究によれば、このようにして、有機発光層を形成するときは、ホール輸送層6を形成する場合と同様に、有機発光層の表面に異物が付着している場合においても、また、何らかの原因で、有機発光層の表面に凸部が形成されている場合においても、有機発光層上に、蒸着によって、ほぼ均一な膜厚を有する電子輸送層を形成し得ることが見出されている。
次いで、電子輸送層の表面に、電子注入電極がパターニングされ、ガラスによって、封止されて、有機ELディスプレイパネルが作製される。
以下、本発明の効果をより明瞭なものとするため、実施例および比較例を掲げる。
実施例
絶縁性透明基板として、300mm×400mmのサイズを有するコーニングジャパン株式会社製のガラス基板#1737を用い、絶縁性透明基板上に、ホール注入電極として機能する錫ドープ酸化インジウム(ITO)の透明電極を、100nmの厚さを有するように、パターニングして、合計768本の透明電極を成膜した。
次いで、透明電極がパターニングされた絶縁性透明基板を、中性洗剤を用いて、超音波洗浄し、乾燥後、UVオゾン洗浄を施した。
こうして洗浄した絶縁性透明基板を、真空成膜槽内に移し、回転可能な基板ホルダーに固定した後、真空成膜槽内を、1×10−4Pa以下に減圧した。
次いで、真空成膜槽内に、第一の蒸着源を、基板ホルダーを回転させ、基板の一頂点が、蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、第一の蒸着源の中心線が含まれ、かつ、第一の蒸着源の中心線が、基板の一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、第一の蒸着源の中心線と、基板を含む平面とのなす角度が10度になるように、基板ホルダーにセットされた基板よりも100mmだけ下方の位置に配置し、さらに、基板に対して、第一の蒸着源の反対側に位置し、かつ、基板ホルダーを回転させ、基板の一頂点が、第一の蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線および第一の蒸着源の中心線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置し、その中心線と、基板を含む平面とのなす角度が60度になるように、基板ホルダーにセットされた基板よりも400mmだけ下方の位置に、第二の蒸着源を配置して、第一の蒸着源および第二の蒸着源に収容されたN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル−(4−アミノフェニル))−1,1’−ビスフェニル−4,4’−ジアミンを、透明電極上に、0.1nm/secの蒸着速度で、蒸着し、10nmの厚さを有するホール注入層を形成した。
さらに、真空成膜槽内に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−4,4−ジアミンを収容した第一の蒸着源および第二の蒸着源をセットし、ホール注入層上に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−4,4−ジアミンを、0.1nm/secの蒸着速度で、蒸着し、40nmの厚さを有するホール輸送層を形成した。
次いで、真空成膜槽内に、下記構造式で示されるジスチリルアリーレン誘導体と、下記構造式で示されるルブレンを、体積比率100:3で収容した第一の蒸着源および第二の蒸着源をセットし、ジスチリルアリーレン誘導体と、ルブレンを体積比率100:3で含む混合物を、蒸着速度0.1nm/secで、ホール輸送層上に、共蒸着し、10nmの厚さを有する下部発光層を形成した。
Figure 2005268185
ここに、Arはアリール基であり、Rはメチル基である。
Figure 2005268185
さらに、真空成膜槽内に、下記構造式で示されるクマリンと、下記構造式で示されるキナクリドンを、体積比率100:3で収容した第一の蒸着源および第二の蒸着源をセットし、クマリンと、キナクリドンを、体積比率100:3で含む混合物を、蒸着速度0.1nm/secで、下部発光層上に、共蒸着し、30nmの厚さを有する上部発光層を形成した。
Figure 2005268185
Figure 2005268185
次いで、真空成膜槽内に、上述したジスチリルアリーレン誘導体を収容した第一の蒸着源および第二の蒸着源をセットし、ジスチリルアリーレン誘導体を、蒸着速度0.1nm/secで、上部発光層上に、蒸着し、30nmの厚さを有する電子輸送層を形成した。
さらに、真空成膜槽内に、LiFを収容した第一の蒸着源および第二の蒸着源をセットし、LiFを、蒸着速度0.01nm/secで、電子輸送層上に、蒸着し、0.7nmの厚さを有する無機電子注入層を形成した。
次いで、真空成膜槽内に、Alを収容した第一の蒸着源および第二の蒸着源をセットし、Alを、蒸着速度0.8nm/secで、無機電子注入層上に、透明電極に略直交するように、蒸着し、合計64本の300nmの厚さを有する電子注入電極を形成した。
こうして、それぞれが、350μm×350μmのサイズを有する256×64の画素が形成された有機ELディスプレイパネルサンプルを作製した。
同様にして、合計100個の有機ELディスプレイパネルサンプルを作製した。
こうして作製された合計100個の有機ELディスプレイパネルサンプルを観察したところ、基板上に形成された層の膜厚の変動は、8.0%であり、基板上に、十分に均一な層が形成されていることが確認された。
さらに、合計100個の有機ELディスプレイパネルサンプルのそれぞれに、逆方向に電圧を印加したところ、0.1μAの電流が流れた有機ELディスプレイパネルサンプルは認められず、リーク電流の発生を防止し得ることが判明した。
比較例
第一の蒸着源を用いることなく、第二の蒸着源を、基板に対して、実施例において用いた第二の蒸着源と同じ側で、かつ、基板ホルダーを回転させ、基板の一頂点が、第二の蒸着源に最も近接するように位置させたときに、基板の一頂点と、一頂点に対向する基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、基板を含む平面に垂直な平面内に、その中心線が位置し、その中心線と、基板を含む平面とのなす角度が75度になるように、基板ホルダーにセットされた基板よりも500mmだけ下方の位置に配置した点を除き、実施例と同様にして、合計100個の有機ELディスプレイパネル比較サンプルを作製した。
こうして作製された合計100個の有機ELディスプレイパネル比較サンプルを観察したところ、基板上に形成された層の膜厚の変動は、8.4%であった。
さらに、合計100個の有機ELディスプレイパネル比較サンプルのそれぞれに、逆方向に電圧を印加したところ、10個の有機ELディスプレイパネル比較サンプルに0.1μAの電流が流れ、リーク電流の発生が認められた。
本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、図1ないし図4に示された実施態様においては、基板3に形成された透明電極5上に、蒸着によって、ホール輸送層6が形成されているが、透明電極5上に、蒸着によって、ホール輸送層6を形成することは必ずしも必要でなく、透明電極5上に、蒸着によって、ホール注入層を形成し、ホール注入層上に、蒸着によって、ホール輸送層6を形成するようにしてもよいし、また、透明電極5上に、蒸着によって、有機発光層を形成することもできる。
さらに、図1ないし図4に示された実施態様においては、基板3に形成された透明電極5上に、ホール輸送層6および有機発光層が形成され、有機発光層上に、蒸着によって、電子輸送層が形成されているが、有機発光層上に、蒸着によって、電子輸送層を形成することは必ずしも必要でなく、基板3に形成された電子注入電極上に、蒸着によって、電子輸送層を形成することもでき、さらには、基板3に形成された電子注入電極上に、蒸着によって、電子注入層を形成し、電子注入層上に、蒸着によって、電子輸送層を形成し、あるいは、有機発光層を形成するようにしてもよい。
また、前記実施態様においては、支持体として機能する基板あるいは支持体として機能する基板の反対側に設けられ、支持体として機能する基板に対向する基板が透明である場合につき、説明を加えたが、支持体として機能する基板および支持体として機能する基板に対向する基板の一方のみが透明であることは必ずしも必要でなく、支持体として機能する基板および支持体として機能する基板に対向する基板の双方が透明材料によって形成されていてもよい。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる有機ELディスプレイパネルの製造装置の略斜視図である。 図2は、図1の略平面図である。 図3は、ホール注入電極として機能する透明電極上に異物が付着している場合に、透明電極上に蒸着されたホール輸送層の拡大略断面図である。 図4は、ホール注入電極として機能する透明電極上に凸部が形成されている場合に、透明電極上に蒸着されたホール輸送層の拡大略断面図である。
符号の説明
1 第一の蒸着源
1a 第一の蒸着源の中心線
2 第二の蒸着源
2a 第二の蒸着源の中心線
3 基板
3a 基板の一頂点
3b 基板の一頂点に対向する頂点
3c 基板の対角線
3d 基板を含む平面
4 基板ホルダー
5 透明電極
6 ホール輸送層

Claims (13)

  1. 基板と、少なくとも一方が透明な2つの電極と、前記2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層を備えた有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、前記2つの電極の一方の表面に、前記2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、蒸着層を形成して、前記有機層を形成することを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記2つの電極の一方の表面に、前記2つの電極の一方の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、ホール輸送層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記2つの電極が、ホール注入電極と、透明な電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前記2つの電極が、ホール注入電極と、透明な電子注入電極によって構成され、前記ホール注入電極の表面に、前記ホール注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、ホール輸送層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記電子注入電極の表面に、前記電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、前記有機発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  8. 前記2つの電極が、透明なホール注入電極と、電子注入電極によって構成され、前記電子注入電極の表面に、前記電子注入電極の表面が一様に覆われるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成して、電子輸送層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記蒸着層の膜厚分布が、±10%以下になるように、蒸着によって、前記蒸着層を形成することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  10. 前記基板が略矩形状をなし、蒸着源を、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、前記蒸着源の中心線が含まれ、かつ、前記蒸着源の前記中心線が、前記基板の前記一頂点の近傍を通るように、配置するとともに、前記蒸着源の前記中心線と、前記基板を含む前記平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置して、前記基板を、前記基板を含む平面内で、回転させつつ、蒸着によって、前記蒸着層を形成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  11. さらに、前記基板に対して、前記蒸着源の反対側に位置し、かつ、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線および前記蒸着源の前記中心線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、第二の蒸着源を配置して、蒸着によって、前記蒸着層を形成することを特徴とする請求項10に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  12. 略矩形状の基板と、少なくとも一方が透明な2つの電極と、前記2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含む有機層を備えた有機ELディスプレイパネルを製造する装置であって、前記基板を、前記基板を含む平面内で、回転させる回転機構と、蒸着源を備え、前記蒸着源が、前記回転機構によって、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、前記蒸着源の中心線が含まれ、かつ、前記蒸着源の前記中心線が、前記基板の前記一頂点の近傍を通るように、配置されるとともに、前記蒸着源の前記中心線と、前記基板を含む前記平面とのなす角度が、10度ないし45度となるように配置されたことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造装置。
  13. さらに、前記基板に対して、前記蒸着源の反対側に配置され、かつ、前記基板を、前記基板を含む平面内で回転させ、前記基板の一頂点が、前記蒸着源に最も近接するように位置させたときに、前記基板の前記一頂点と、前記一頂点に対向する前記基板の頂点とを結ぶ対角線および前記蒸着源の前記中心線を含み、前記基板を含む前記平面に垂直な平面内に、その中心線が位置するように、配置された第二の蒸着源を備えたことを特徴とする請求項12に記載の有機ELディスプレイパネルの製造装置。
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