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JP2005139280A - ポリエステル樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびフィルム Download PDF

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JP2005139280A
JP2005139280A JP2003376520A JP2003376520A JP2005139280A JP 2005139280 A JP2005139280 A JP 2005139280A JP 2003376520 A JP2003376520 A JP 2003376520A JP 2003376520 A JP2003376520 A JP 2003376520A JP 2005139280 A JP2005139280 A JP 2005139280A
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JP2003376520A
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Hiroshi Niinumadate
浩 新沼舘
Hiroshige Matsumoto
太成 松本
Takeshi Kanzawa
岳史 神澤
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】 耐熱性に優れ、かつフィルム成形性、生産性に優れたポリエステル樹脂組成物およびフィルム、さらには柔軟性が付与されたフィルムとして、耐熱性、フィルム成形性、生産性に優れていることに加えて、十分な柔軟性を有しなおかつ可塑剤の揮発、滲出、抽出(ブリードアウト)が抑制されたポリエステルフィルムを提供することにある。
【解決手段】 ポリ乳酸系重合体を主体とするポリエステルであって、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有してなり、かつ200℃における溶融比抵抗が5×106〜5×109Ω・cmであることを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
また、本発明のフィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、上記ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルフィルムである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリ乳酸系重合体を主体とするポリエステル樹脂組成物およびフィルムに関し、耐熱性、フィルム成形性に優れ、高速かつ効率よいフィルム製造が可能であり、すなわち生産性に優れ、さらには柔軟性が付与されたフィルムとして使用の際には、耐熱性、フィルム成形性、生産性に優れていることに加えて、柔軟性に優れ、可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)の問題が無く実用性に優れたラップフィルムなど物品や食品の包装用フィルムとして好適なポリエステル樹脂組成物およびフィルムに関するものである。
従来、プラスチック廃棄物は主に焼却や埋め立てにより処理されてきたが、焼却による有害副産物の生成・排出や高い燃焼熱による焼却炉の劣化、埋立地の減少、さらには不法投棄による環境汚染などの問題が顕在化してきている。このようなプラスチック廃棄物の処理問題について社会的に関心が高まるにつれて、酵素や微生物で分解される生分解性を有するプラスチックの研究開発が盛んに行われており、その中でも、脂肪族ポリエステルが注目されている。最近、特に積極的な研究開発が行われている生分解性の脂肪族ポリエステルとして、ポリ乳酸が挙げられる。
ポリ乳酸は、トウモロコシや芋類などから得られるでんぷんなどを原料として乳酸を製造しさらに化学合成により得られる重合体であり、脂肪族ポリエステルの中でも機械的物性や耐熱性、透明性に優れているため、フィルム、シート、テープ、繊維、ロープ、不織布、容器などの各種成形品への展開を目的とした研究開発が盛んに行われている。しかしながら、ポリエチレンテレフタレートに代表される汎用樹脂と比較すると、特に耐熱性においては十分な性能を有しているとは言えず、耐熱性を向上する技術検討が行われている。例えば、ポリヒドロキシカルボン酸の固体状物を有機溶媒の存在下、酸性物質と接触させることによりポリマー中の触媒金属を除去する技術、重合触媒の失活剤を添加、減圧下脱揮することにより耐熱性、貯蔵安定性に優れた乳酸系ポリエステルを得る技術が開示されている(特許文献1および2参照)。
ポリ乳酸フィルムの製造は、例えばスリット状の口金より押し出された溶融状態のポリマーをロールあるいはドラム上にキャストして、冷却固化しているが、この際、平面性を良好としドラム上に均一に密着するために、溶融状態のポリマーにエアーナイフで空気を吹き付ける方法や電荷を印加し静電気力により密着させる方法、水膜を介して冷却キャストする方法等が実施されている。
効率よく安価なポリ乳酸フィルムを得る方法としては、この際のポリマー押出量をより増加させ、合わせて冷却ドラムの回転速度をより速くすることで製膜速度を高速化することが有効であるが、触媒金属が除去されたポリマーや失活剤によりの活性が失われたポリマーでは、電荷を印加しても密着力が得られず、溶融状態のポリマーとドラムとの間に空気が入り込み、気泡痕などの表面欠点が発生したり、ドラムへの接地点が変動するため、ポリマーの冷却不足やキャストしたフィルムの幅方向の物性ムラが発生し、また冷却が不十分な状態で高速に引き取られるため、フィルム幅の減少が起こる問題があった。さらには、上記問題により延伸性が不良となり、均一な二軸延伸フィルムが得られなくなる場合があった。この対策として、ポリ乳酸フィルムを製造する際には、静電気力による密着力を高めるため、通常の方法に比較し、高い電圧で電荷を与える必要があるため、エネルギー的に非効率であるとともに、口金、ドラム周辺に放電しやすい等の問題があった。これらの問題は、高速化とともにより顕著となり、高速で効率よく生産する技術においては、未だ不十分であった。
また、例えば包装用ラップフィルムなどの用途においては、ポリ乳酸はそのままでは柔軟性が不十分なために主に可塑剤の添加による柔軟化技術が各種検討されている。
例えば、乳酸や乳酸オリゴマーを可塑剤として使用する技術が開示されている(特許文献4および5参照)。しかしながら、このような乳酸や乳酸オリゴマーを相当量含んだポリ乳酸は成形時の熱安定性が低く、容易に加水分解されてしまうために比較的短期間で強度が落ちるといった問題点があった。また、通常塩化ビニル用として広く用いられているフタル酸エステルなどの可塑剤を用いる技術(特許文献3参照)やポリ乳酸とポリアルキレンエーテルの共重合体中に、ポリアルキレンエーテルを主成分とする可塑剤を混合した組成物に関する技術が開示されている(特許文献6参照)。しかしながら、これらの可塑剤を添加して柔軟化した場合、添加直後は柔軟性を発現するものの、成形品を大気雰囲気下、特に高温の雰囲気下に放置して時間が経過した場合や水中、特に熱水中雰囲気では可塑剤が抽出されるなど柔軟性が著しく低下したり、あるいは透明性が低下するという問題があった。さらに、乳酸を主成分とする重合体と、ポリアルキレンエーテルとポリ乳酸のブロック共重合体とを含む組成物に関する技術が開示されている(特許文献7参照)。しかしながら本技術は帯電防止性の付与を目的とした技術であり、組成物の柔軟性や、成形品として例えばフィルムとした時の添加剤(可塑剤)の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)の抑制といった観点からは不十分な技術であった。
また、柔軟性を有する包装フィルムとして、ラップフィルムに関する技術の検討も行われており、例えば、乳酸系脂肪族ポリエステルを主体とする樹脂に液状添加剤を配合し、フィルムの引張弾性率などの物性を特定の範囲とする技術が開示されている(特許文献8参照)。しかしながら、このような方法では、液状添加剤の揮発、滲出、抽出(ブリードアウト)の抑制が不十分であるため、柔軟性を維持することが困難であり、実用性に劣るものであった。
以上のように、従来からポリ乳酸に可塑剤を添加して柔軟性を付与する試みはなされていたものの、十分な柔軟性を付与しなおかつフィルムとして使用する際の可塑剤の揮発、滲出、抽出(ブリードアウト)が抑制されたフィルムについては未だ達成されていないのが実状であった。
特開平7−102053号公報([0020]〜[0025]段落) 特開平8−301993号公報([0015]〜[0019]段落) 米国特許第5076983号(第4欄第37行〜第5欄第13行) 特開平6−306264号公報([0012]〜[0022]段落) 特開平4−335060号公報([0016]〜[0026]段落) 特開平8−199052号公報([0004]〜[0022]段落) 特開平8−253665号公報([0005]〜[0017]段落) 特開2000−26623号公報([0005]〜[0044]段落)
本発明の課題は、従来技術ではなしえなかった、耐熱性に優れ、かつフィルム成形性、生産性に優れたポリ乳酸系重合体を主体とするポリエステル樹脂組成物およびフィルム、さらには柔軟性が付与されたフィルムとして使用の際には、耐熱性、フィルム成形性、生産性に優れていることに加えて、十分な柔軟性を有しなおかつ可塑剤の揮発、滲出、抽出(ブリードアウト)が抑制されたポリエステルフィルムを提供することにある。さらにはラップフィルムに代表される物品や食品の包装用フィルムとして好適なポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明のポリエステル樹脂組成物は、主として次の構成を有する。すなわち、
ポリ乳酸系重合体を主体とするポリエステルであって、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有してなり、かつ200℃における溶融比抵抗が5×106〜5×109Ω・cmであることを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
また、本発明のフィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、
上記ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルフィルムである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリ乳酸系重合体を主体とするポリエステルであって、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有してなり、かつ200℃における溶融比抵抗が5×106〜5×109Ω・cmであるポリエステル樹脂組成物とすることにより、従来技術ではなしえなかった、耐熱性に優れ、かつフィルム成形性、生産性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することができるものである。さらには柔軟性が付与されたフィルムとして使用の際には、耐熱性、フィルム成形性、生産性に優れていることに加えて十分な柔軟性を有しなおかつ可塑剤の揮発、滲出、抽出(ブリードアウト)が抑制されたポリエステルフィルムであり、特にラップフィルムに代表される物品や食品の包装用フィルムとして有用なポリエステルフィルムを得ることができる。
次に、本発明のポリエステルフィルムについて説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、200℃における溶融比抵抗が5×106〜5×109Ω・cmである必要がある。
200℃における溶融比抵抗が5×106Ω・cm未満である場合には、静電印加法により冷却ドラム上にキャストする際、印加した電荷がフィルム内に留まらず冷却ドラム側に流れやすいため、高速条件での密着力が得られない。さらにはフィルム面上で局所的に電荷が流れる部分と流れない部分が発生し、フィルムの幅方向に均一な密着状態が得られず、スジ状にポリマーとドラムとの間に空気が入り込み、表面欠点が発生する。また、200℃における溶融比抵抗が5×109Ω・cmを超える場合には、フィルムが帯電しにくく、高速条件での密着力が得られない。また、より高い電圧をかけた場合には、電流の流れやすい口金やドラムに放電するなど電荷が漏れて密着力が得られない。この場合には高速条件時にドラムの回転方向に発生する気流によるフィルムへの圧力が高まり、フィルム−ドラム間の密着力を上回ることにより溶融状態のポリマーとドラムとの間に空気が入り込み、気泡痕などの表面欠点が発生する。本発明のポリエステル樹脂組成物の200℃における溶融比抵抗を5×106〜5×109Ω・cmとすることにより、高速キャスト条件での密着力を良好とし、物性の均一なフィルムが得られることに加え、幅の広いフィルムが得られる。すなわち、高品質かつ高効率の生産性に優れたフィルムを得ることができるものである。さらには、結晶化速度の速いポリエステル樹脂組成物やガラス転移温度の低い組成物等溶融状態から急速に低温まで冷却することが必要な場合に特に好適に用いることが可能である。溶融比抵抗の好ましい範囲としては、7×106〜1×109Ω・cmであり、より好ましくは1×107〜7×108Ω・cm、さらに好ましくは1×107〜5×108Ω・cmである。本発明において溶融比抵抗とは、溶融ポリマー中に面積Sの銅製電極を間隔Dを保持して平行に挿入し、ポリマー温度200℃にて電極間に直流電圧Vを加えた際に流れる電流の最大値Iを測定し、式1により求められる値である。
溶融比抵抗(Ω・cm)=(V×S)/(I×D) ・・・(式1)。
本発明のポリエステル樹脂組成物の溶融比抵抗を特定の範囲とする方法としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル中の金属量を調整する方法、ポリエステルにアミノ基、スルホン酸基、塩素などのハロゲン含有化合物など極性の高い官能基やこのような官能基を持つナイロンなどの樹脂、添加物を導入あるいは調整する方法等が挙げられる。 本発明のポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有する必要がある。アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有しない場合には、溶融比抵抗値を特定の範囲とする際に上述のような官能基や金属類を大量に導入する必要があるため、加熱時の影響を受けやすく耐熱性が不良となる。アルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属類として、例えば、Al、Ti、Fe、Zn、Pb、Sn、Sb、Ge等が挙げられるが、溶融比抵抗値を低下させる効果が小さく、大量に導入しなければ必要な溶融比抵抗値が得られない。さらには、これらの金属が大量に導入されることにより、熱の影響を受けやすくなるだけでなく、触媒的な効果による重合度の低下、エステル交換や分解が促進され、低分子量体が増加するなどポリエステルの機械物性の低下や低分子量体の揮散による汚染などの問題が発生する。すなわち、本発明のポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を用いることによって、ポリエステル中の金属元素量を極めて少量で溶融比抵抗値を特定の範囲とすることが可能であり、耐熱性と生産性に優れたフィルムを得ることができるものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物に含有させるアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素としては、Li、Na、K等のアルカリ金属、Ca等のアルカリ土類金属、これらの金属単体あるいは金属の炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩、脂肪酸塩などの塩や酸化物、水酸化物、ハロゲン化物などを用いることができるが、ここでいう金属とは、ポリエステル中に溶解しているものであり、無機粒子や凝集物、金属とポリエステルの反応によって発生する異物や凝集物などの不溶解のものは溶融比抵抗値への影響が小さいため除いたものである。
これらの金属類の中でも自然に影響なく分解あるいは吸収されるもの、生分解性を有するもの、安全性の高いものを選択することが好ましい。中でも、食品添加物等として安全性が確認されている乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウムなどが挙げられるが特に限定されるものではない。また、これらの金属類は、一種類のみ用いても良く、2種類以上の併用でも良い。
本発明のポリエステル樹脂組成物中のアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素量は、所望の溶融比抵抗値によって調整されるが、溶融比抵抗値を良好な範囲とする点で、例えばリン化合物を含有しない系においては10ppm以上500ppm未満であることが好ましい。その他の金属元素量によるが、上記範囲を外れる場合、所望の溶融比抵抗値が得られない場合があるからである。さらには、耐熱性を良好とする点で500ppm未満であることが好ましく、より好ましくは300ppm未満、さらに好ましくは200ppm未満である。
ポリエステル樹脂組成物の溶融比抵抗を特定の範囲とする方法としては、上述したポリエステル中のアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素量を調整する方法が最も好ましく用いられる。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の金属元素や極性の高い官能基を導入あるいはこのような官能基を持つ樹脂を配合してもよいが、上述した耐熱性等の点から、金属元素や官能基をより少量とすることが好ましい。例えば他の金属元素を含有する場合は、他の金属元素量が300ppm未満であることが好ましく、より好ましくは200ppm未満、さらに好ましくは100ppm未満である。また、ポリエステル中の金属元素の総量に対するアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の比率が20%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上である。
本発明のポリエステル中にアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素を配合する方法は、ポリエステルの合成時にあらかじめ配合し調整してもよく、押出・フィルム製膜の際に加え調整してもよいが、熱分解に対する金属元素の影響を小さくする点で、金属を含む状態で熱を受ける時間を短く、金属を含む状態で熱を受けるポリマー量を少なくすることが好ましく、例えばポリエステルの合成に必要な最低限の触媒金属量で合成した後に金属類を配合する方法、ポリエステル合成後に溶媒洗浄や酸性溶媒との接触により触媒金属を減じておき、押出製膜時などに金属類を必要量配合する方法、このような方法で得られた高濃度に含有したマスター原料を希釈し用いる方法等が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、所望とする溶融比抵抗値への調整や熱安定性を良好とする目的でリン化合物を配合しても良い。用いられるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などの塩またはエステルが挙げられ、一分子中に2個以上のリン元素を有する化合物も含むものである。特に限定されるものではないが、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等が挙げられ、アルキルエステルの場合、モノアルキルエステル、ジエステル、トリエステルでもよい。これらのリン化合物の中でも、自然に影響なく分解あるいは吸収されるもの、生分解性を有するもの、安全性の高いものを選択することが好ましい。また、リン化合物の取扱い性や配合量を制御しやすい等の点で低揮発性、高耐熱性の化合物、例えば分子量300以上のものを選択することがより好ましい。また、配合する場合には、本発明の効果を良好とする点から金属元素(M)とリン元素(P)のモル比(M/P)が0.5以上に調整することが好ましく、より好ましくは2以上、さらに好ましくは5以上である。M/Pの上限値は特に限定しないが、所望の溶融比抵抗値、耐熱性により決定される。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムヘイズ値が0.2〜5%であることが好ましい。フィルムヘイズ値は、実施例に記載の方法にて評価され、実際の測定値から比例計算によりフィルム厚さが10μmの場合に換算して得られる値を言う。特に包装用ラップフィルム、中でも食品包装用ラップフィルムの用途においては、フィルムヘイズ値が0.2〜5%であれば内容物を容易に見分けることができ、好適である。フィルムヘイズ値の好ましい範囲としては、0.2〜3%であり、さらに好ましい範囲は0.2〜1.5%である。また、ゴミ袋や農業用マルチフィルムなどむしろ一定の隠蔽性が必要とされたり、光線透過率が低いあるいは太陽光などの吸収率が高い方が好ましい用途においては、必要に応じて例えば着色顔料などを添加すると良い。
本発明のフィルムの23℃における初期引張弾性率は、製膜工程や加工工程で取扱い性、工程通過性が良好となる点、また例えばラップフィルムとして用いた場合に包装する物品の形状に合わせて追随して変形し良好な密着性が得られる点から0.1〜2GPaであることが好ましい。初期引張弾性率のより好ましい範囲としては、0.1〜1.5GPaであり、さらに好ましくは0.15〜1.2GPa、特に好ましくは0.2〜1GPaである。さらには少なくとも1方向で0.1〜2GPaであることが好ましく、より好ましくはフィルムの長手方向の初期引張弾性率が上記範囲であり、さらに好ましくは各方向において上記範囲である。
また、本発明のフィルムは120℃、30分間の乾熱処理後の重量変化率が2%以下であることが、フィルムを加熱して使用する際にも柔軟性が維持され、揮発成分による汚染が発生しにくい点で好ましい。より好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。
本発明におけるポリエステルは、ポリ乳酸系重合体(A)を主体とするものであって、L−乳酸および/またはD―乳酸を主成分とし、ポリエステル中の乳酸由来の成分が50重量%以上のものであり、好ましくは70重量%以上である。このようなポリエステルとして、例えば、L−乳酸および/またはD―乳酸からなるホモポリ乳酸のほか、エステル形成能を有するその他の単量体成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な単量体成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。なお、本発明において用いられるポリ乳酸系重合体の共重合成分としては、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。本発明に用いるポリ乳酸系重合体(A)の重量平均分子量は、通常少なくとも5万、好ましくは8万〜30万、さらに好ましくは10万〜20万である。平均分子量をかかる範囲とする場合には、フィルムとした場合の強度物性を優れたものとすることができる。
本発明におけるポリエステルとして、上述したホモポリ乳酸や乳酸と他の成分との共重合体やこれらの混合物、他の熱可塑性樹脂との混合物、もしくはこれらに可塑剤や滑剤等を添加した組成物等を用いることができるが、良好な柔軟性を付与し、オリゴマー成分や可塑剤の揮発、滲出、抽出(ブリードアウト)を抑制する点から、上述のポリ乳酸系重合体(A)と、一分子中に分子量が1,500以上のポリ乳酸セグメントを一つ以上有し、ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有する可塑剤(B)とを含有するポリエステルを用いることがより好ましい。
さらには、可塑剤(B)の有するポリ乳酸セグメントが母材であるポリ乳酸系重合体(A)から形成される結晶中に取り込まれることで可塑剤の分子を母材につなぎ止める作用を生じ、この作用によって可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)を十分に抑制できることから、母材として用いられるポリ乳酸系重合体は結晶性を有することが好ましい。ポリ乳酸系重合体が結晶性を有するとは、該ポリ乳酸系重合体を加熱下で十分に結晶化させた後に、適当な温度範囲でDSC(示差走査熱量分析装置)測定を行った場合、ポリ乳酸成分に由来する結晶融解熱が観測されることを言う。ポリ乳酸系重合体(A)として、例えば均一なホモポリ乳酸を用いる場合にはその光学純度が70%以上のホモポリ乳酸を使用すればよい。あるいは、使用する際の用途によっては、必要な機能の付与あるいは向上を目的として、光学純度の異なる2種以上のホモポリ乳酸を併用してもよく、例えば、結晶性を有するホモポリ乳酸と非晶性のホモポリ乳酸を併用することも可能である。この場合、非晶性のホモポリ乳酸の割合は本発明の効果を損ねない範囲で決定すれば良い。また、通常、ホモポリ乳酸は光学純度が高いほど融点が高く、例えば光学純度が98%以上のポリL−乳酸では融点が約170℃程度であるが、ポリ乳酸系成形品とした際に高い耐熱性を付与したい際には、使用するポリ乳酸重合体のうち少なくとも1種に光学純度が95%以上のポリ乳酸を含むことが好ましい。
また、本発明で用いられる可塑剤(B)は、可塑剤の有するポリ乳酸セグメント成分の重量割合が、可塑剤(B)全体の50重量%未満であることが、可塑剤の可塑化効率が比較的高く、より少量の添加で所望の柔軟性を付与できるため好ましい。さらにまた、可塑剤一分子中のポリ乳酸セグメントの分子量は、1500以上10000未満であることが、可塑化効率の点およびポリ乳酸セグメントを母材の結晶により多く取り込ませ、可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)を抑制する点から好ましい。より好ましくは、2000以上6000未満である。
なお、可塑剤(B)の有するポリ乳酸セグメントは、L−乳酸由来の成分がその95重量%以上であるか、あるいはD−乳酸由来の成分がその95重量%以上であることが可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)が特に抑制されるため好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、所望の用途で必要な柔軟性や強度などの特性にに合わせて適宜可塑剤(B)の添加量を決定すれば良いが、可塑剤のポリ乳酸セグメント成分を除いた可塑化成分の重量割合が、組成物全体の5重量%以上、30重量%以下であることが好ましい。この場合、柔軟性と強度物性などの機械的物性のバランスに優れた組成物を得ることができる。
また、本発明で用いられる可塑剤(B)は、ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有する。ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを可塑剤に導入することによって、柔軟性をポリ乳酸に付与することができる。ポリエーテル系の中でもポリアルキレンエーテルからなるセグメントを有することが好ましく、ポリエチレングリコールからなるセグメントを有することがさらに好ましい。可塑剤(B)がポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールあるいはポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体などのポリアルキレンエーテル、中でも特にポリエチレングリコールである場合、ポリ乳酸系重合体(A)との親和性が高いため可塑剤の可塑化効率に優れ、特に少量の可塑剤の添加で所望の柔軟性を有するポリ乳酸系重合体組成物を得ることができる。なお、本発明で使用する可塑剤(B)がポリアルキレンエーテルからなるセグメントを有する場合、成形時などで加熱する際にポリアルキレンエーテルセグメント部分が酸化や熱分解され易い傾向があるため、本発明の効果を阻害しない範囲で後述するヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系などの酸化防止剤やリン系などの熱安定剤を併用することが好ましい。
なお、本発明において用いられる可塑剤(B)のポリ乳酸セグメント以外の成分としては、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸(ラセミ体)を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明においてホモポリ乳酸を用いる場合はいずれの製法によって得られたものであってもよいが、ラクチド法によって得られるポリマーの場合にはポリマー中に含有される環状2量体が成形時に気化して、例えば溶融製膜時にはキャストドラム汚れやフィルム表面の平滑性低下の原因となるため、成形時あるいは溶融製膜以前の段階でポリマー中に含有される環状2量体の含有量を0.3重量%以下とすることが望ましい。また、直接重合法の場合には環状2量体に起因する問題が実質的にないため、成型性あるいは製膜性の観点からはより好適である。
なお、本発明のポリ乳酸系重合体(A)を主体とするポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲で上記した特定の可塑剤以外の成分を含有してもよい。例えば、公知の各種可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤あるいは着色顔料等として無機微粒子や有機粒子、有機化合物を必要に応じて添加してもよい。公知の可塑剤としては、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸エステル系、アジピン酸ジ−1−ブチル、アジピン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル系、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸ジフェニルオクチルなどのリン酸エステル系、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチルなどのヒドロキシ多価カルボン酸エステル系、アセチルリシノール酸メチル、ステアリン酸アミルなどの脂肪酸エステル系、グリセリントリアセテート、トリエチレングリコールジカプリレートなどの多価アルコールエステル系、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチルエステル、エポキシステアリン酸オクチルなどのエポキシ系可塑剤、ポリプロピレングリコールセバシン酸エステルなどのポリエステル系可塑剤、ポリアルキレンエーテル系、エーテルエステル系、アクリレート系などが挙げられる。なお、安全性の面から、米食品衛生局(FDA)の認可がなされている可塑剤を用いることが好ましい。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系などが例示される。着色顔料としてはカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの無機顔料の他、シアニン系、スチレン系、フタロシアイン系、アンスラキノン系、ペリノン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、キノクリドン系、チオインディゴ系などの有機顔料等を使用することができる。また、フィルムの易滑性や耐ブロッキング性の向上を目的として、無機微粒子や有機粒子を添加するする際には、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーンなどの粒子を用いることができる。また、透明性を良好とする点から、基材として用いるポリエステルと近い屈折率を有する粒子が好ましく、このような点でシリカ、コロイダルシリカ、ポリメチルメタクリレートなどの粒子がより好ましい。また、本発明のポリエステルフィルムに用いる粒子としては、天然に存在する無機粒子や生分解を有する粒子を選択することが好ましい。その平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm、最も好ましくは0.08〜2μmである。
さらに、本発明のポリ乳酸系重合体(A)を主体とするポリエステルには、溶融粘度を低減させたりあるいは生分解性を向上させるなどの目的で、本発明の効果を損なわない範囲でポリ乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルを含有しても良い。ポリ乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールとコハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなるポリエステル、ポリグリコール酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
なお、本発明のポリエステルに、ポリ乳酸系重合体(A)や一分子中に分子量が1,500以上のポリ乳酸セグメントを一つ以上有し、ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有する可塑剤(B)以外の成分を含有させる場合は、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
本発明に用いる可塑剤(B)は、例えば、あらかじめ分子量が1,500以上のポリ乳酸オリゴマーをラクチド開環法あるいは乳酸縮合重合法などの常法により重合し、一つ以上の官能基を有する、可塑剤の主成分と成すポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有する化合物と適量反応させることで得ることができるが、可塑剤の主成分と成す化合物を重合開始剤としてラクチドの開環重合によりこれに付加する、あるいは可塑剤の主成分と成す化合物を重合開始剤とし乳酸の脱水縮合重合によりこれに付加しても良い。また、分子量が1,500以上のポリ乳酸オリゴマーと可塑剤の主成分と成す化合物の併存下で加熱混練などの処理により、ジカルボン酸無水物系化合物やジイソシアネート系化合物などの2官能性化合物を鎖連結剤として作用させて、両者を化学的に結合させても良い。
次に、一分子中に分子量が1,500以上のポリ乳酸セグメントを一つ以上有し、ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有する可塑剤(B)のより具体的な例を説明する。
両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(PEG)を用意する。両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(PEG)の平均分子量(MPEG)は、通常、市販品などの場合、中和法などにより求めた水酸基価から計算される。両末端に水酸基末端を有するポリエチレングリコール(PEG)wB重量部に対し、ラクチドwA重量部を添加した系において、PEGの両水酸基末端にラクチドを開環付加重合させ十分に反応させると、実質的にPLA(A)−PEG(B)−PLA(A)型のブロック共重合体を得ることができる。この反応は、必要に応じてオクチル酸錫などの触媒併存下でおこなわれる。このブロック共重合体からなる可塑剤の一つのポリ乳酸セグメントの数平均分子量は、実質的に(1/2)×(wA/wB)×MPEGと求めることができる。また、ポリ乳酸セグメント成分の可塑剤全体に対する重量割合は、実質的に100×wA/(wA+wB)%と求めることができる。さらに、ポリ乳酸セグメント成分を除いた可塑化成分の可塑剤全体に対する重量割合は、実質的に100×wB/(wA+wB)%と求めることができる。前記に例示した数値は、実際には平均値としての値となり生成した可塑剤の分子量やポリ乳酸部分のセグメント長などは一定の分布を有するが、前記した値のA−B−A型ブロック共重合体を主成分とする化合物を得ることができる。
可塑剤が未反応PEGや末端のポリ乳酸セグメント分子量が1,500に満たないPEGなどの未反応物や、ラクチドオリゴマーなどの副生成物、あるいは、不純物を多量に含む場合には、例えば次の精製方法によりこれを除去することが好ましい。クロロホルムなどの適当な良溶媒に、合成した可塑剤を均一溶解した後、水/メタノール混合溶液やジエチルエーテルなど適当な貧溶媒を滴下する。あるいは、大過剰の貧溶媒中に良溶媒溶液を加えるなどして沈殿させ、遠心分離あるいはろ過などにより沈殿物を分離した後に溶媒を揮散させる。可塑剤を水に浸漬後50〜90℃に加熱し必要に応じて攪拌の後、可塑剤を含有する有機相を抽出し乾燥して水を除去する。精製方法は上記に限られず、また、必要に応じて上記の操作を複数回繰り返しても良い。
上記した方法で、PLA(A)−PEG(B)−PLA(A)型のブロック共重合体の可塑剤を作成した場合、作成した可塑剤が有する一つのポリ乳酸セグメントの分子量は、次の方法で求めることができる。すなわち、可塑剤の重クロロホルム溶液を用いて、1H−NMR測定により得られたチャートを基に、(1/2)×(IPLA×72)/(IPEG×44/4)×MPEGと算出する。ただし、IPEGは、PEG主鎖部のメチレン基の水素に由来するシグナル積分強度、IPLAは、PLA主鎖部のメチン基の水素に由来するシグナル積分強度である。可塑剤合成時のラクチドの反応率が十分に高くほぼ全てのラクチドがPEG末端部に開環付加する条件にて合成した場合は、多くの場合、1H−NMR測定により得られたチャートを基にした方法が好ましい。
なお、本発明におけるポリエステルから、ポリ乳酸セグメント分子量などの評価のために使用した可塑剤(B)を分離する方法としては、例えばクロロホルムなどの適当な良溶媒にポリエステルを均一溶解した後、水や水/メタノール混合溶液など適当な貧溶媒に滴下してろ過などによりポリ乳酸系重合体(A)を主に含む沈殿物を除去し、ろ液の溶媒を揮散させて分離した可塑剤を得る再沈殿法などが挙げられるが、これに限られるものではなく、使用する可塑剤やポリ乳酸系重合体などに応じて適当な手法を選択し、あるいは組み合わせると良い。
例えば上述した方法により得られた、一分子中に分子量が1,500以上のポリ乳酸セグメントを一つ以上有するPLA(A)−PEG(B)−PLA(A)型のブロック共重合体を可塑剤(B)として使用すれば、従来技術ではなしえなかった、十分な柔軟性を有しなおかつ可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)が抑制された成形品を提供することにあたり十分な効果を得ることができる。
また、ポリ乳酸系重合体(A)に前述した可塑剤(B)を添加する方法としては、ポリ乳酸系重合体の溶融状態で可塑剤を所望の重量割合にて添加・溶融混練することで得ることができるが、ポリ乳酸系重合体の高重合度化、ラクチドなどの残存低分子量物の抑制などの観点から、ポリマーの重合反応終了後に可塑剤を添加・溶融混練することが好ましい。上述したポリ乳酸系重合体と可塑剤の添加・溶融混練としては、例えば、重縮合反応終了直後、溶融状態のポリ乳酸系重合体に可塑剤を添加し攪拌・溶融混練させる方法、ポリ乳酸系重合体のチップに可塑剤を添加・混合した後に反応缶あるいはエクストルーダなどで溶融混練する方法、エクストルーダでポリ乳酸系重合体に可塑剤を連続的に添加し、溶融混練する方法、可塑剤を高濃度含有させたポリ乳酸系重合体のマスターチップとポリ乳酸系重合体のホモチップとを混合しエクストルーダなどで溶融混練する方法などにより行うことができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚さは、用途に応じて適宜調整すればよいが、5〜500μmであることが好ましく、ラップフィルムや袋などの包装用フィルムとして用いた場合の柔軟性、取扱性、強度の点からは、5〜100μmがより好ましく、さらに好ましくは7〜50μm、特に好ましくは7〜30μmである。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じてヒートシール性、水蒸気、酸素、炭酸ガス等のガスバリア性、離型性、印刷性等、袋などに代表される物品や食品の包装材料として要求される特性を付与しても良い。このような方法として、上記のような機能を持つポリマーや化合物をフィルムに配合させる方法、フィルムの少なくとも一方の面にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性、熱可塑性樹脂や帯電防止剤、界面活性剤、離型剤等を表面に塗布する方法、ポリオレフィン系シーラントなど上記のような機能を持つ他のフィルムを押出工程で共押出する方法、接着やラミネートなど貼り合わせによって積層構成とする方法などが挙げられるが、本発明の目的の点から生分解性を有する樹脂あるいは組成物を用いることが好ましい。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明のポリエステルフィルムは、インフレーション法、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法などの既存の延伸フィルムの製造法により得ることが出来る。なかでも電荷を印加し静電気力により冷却ドラムとの密着を高めるキャスト方法を有効に活用可能な逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法が好ましい。いずれの場合にも使用するポリ乳酸系重合体の水分およびラクチド含有量を低減するため、90℃〜130℃にて真空乾燥し、真空度を10Torr以下の高真空とし、乾燥時間は6時間以上とすることが好ましい。延伸フィルムの製造において、例えば、まず真空下で乾燥した上述のポリエステルを公知の方法でスリット状の口金よりシート状に溶融押し出しすることができるが、押出し機やポリマー配管、口金などの温度は200℃以下が好ましく、190℃以下がさらに好ましく、180℃以下がより好ましい。また、ポリ乳酸重合体組成物が押出し機内で溶融されてから口金より吐出されるまでの滞留時間は20分以下であることが好ましく、10分以下であることがさらに好ましく、5分以下であることがより好ましい。また、ポリ乳酸系重合体(A)に可塑剤(B)を添加する場合、例えば、可塑剤を高濃度含有させたポリ乳酸系重合体のマスターチップとポリ乳酸系重合体のホモチップとを混合したブレンドチップをエクストルーダなど製膜機の押出系へ供してで溶融混練しても良いが、組成物の熱劣化を最小限にするためには、真空下乾燥を施した原料を用い、2軸押出機を使用するなどして押出機中で溶融したポリ乳酸系重合体に必要に応じて加熱するなどして液状とした可塑剤を計量しつつ連続的に添加し、溶融混練する方法が好ましい。さらに二軸押出機の途中にベントポートを設け、ベントポートを減圧し、水分や溶融時に発生するオリゴマー類などの低分子量成分を除去しつつ溶融混練する方法が好ましい。
押出されたシート状の溶融物は、キャスティングドラムに密着させて冷却固化せしめて未延伸フィルムを得る。キャスティングドラムに密着させる方法としては、電荷を印加し静電気力により冷却ドラムとの密着を高めるキャスト方法が高速条件において最も好ましく用いられる。ワイヤ状あるいはテープ状、針状の電極に所定の電圧を加え、口金と冷却ドラム間の任意の場所に設置し、シート状の溶融物の幅方向の全面および/またはエッジ部に電荷を印加し、口金より吐出したポリマーをより短時間で冷却ドラム上に接地、密着させるものである。電極の好ましい設置場所は、特に限定されるものではないが口金をドラム頂上としワイヤ状電極を用いる場合を例に挙げると、口金とドラム表面との間隔を10〜50mmとし、電荷を印加せずにドラムを回転させキャストした際にシートがドラム上に接触する線上の位置に設置され、ドラム表面との間隔は10〜30mmの位置にドラム表面と平行となるように設置するものである。好ましい印加電圧は、ポリマーの溶融比抵抗値と所望の密着状態やフィルムの厚さ、電極の形状、印加する長さや幅、電極とドラムの距離等によって変更する必要があるが、ワイヤ状電極を用いて300〜500mm幅のシートをキャストする場合を例に挙げると、5〜12KVである。用いられるワイヤは、直径0.1〜0.5mm、タングステン製のものが好ましく用いられる。また、キャスティングドラムは、硬質クロムメッキ処理を施した鏡面ドラムが好ましく用いられる。
また、より密着力を高めたり、フィルム幅の減少や幅変動の抑制を目的に、エアナイフを用い空気を吹き付ける方法やドラム表面に水膜を介してキャストする方法などを併用することができる。特に水の表面張力により気流の浸入を抑制する点で、ドラム表面に水膜を介してキャストする方法を併用することが好ましい。また、同様の目的で、用いるポリエステルの粘度を変更したり、本発明の効果を阻害しない範囲で冷却ドラムの温度をポリエステルのガラス転移温度以下の範囲でより高く設定し、密着力を高める方法を併用することができる。かかる方法で得た未延伸フィルムを連続して少なくとも一方向に延伸して得ることができる。さらに逐次二軸延伸法を用いる場合には、例えば、未延伸フィルムを加熱ロールの周速差を利用したロール延伸で長手方向に延伸し、次いで連続クリップを有するテンター内で1段目延伸方向と直交する方向への延伸を施し、延伸に引き続いてテンター内および/または巻き取り後に熱処理を施し得ることができる。
フィルムの延伸条件は、目的とする熱収縮特性、寸法安定性、強度、弾性率などに応じて、適宜調整し任意の方法で行うことができるが、少なくとも一軸方向に1.1以上延伸してなることが好ましい。延伸することで母材であるポリ乳酸系重合体を配向結晶化させ、同時に可塑剤(B)のポリ乳酸セグメントがこの結晶中に取り込まれることを促進することで、可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)をさらに抑制することができるため好ましい。また、透明性を保持したまま結晶化を促進させることが可能となり、配向結晶化により強度物性も向上するため、柔軟性と強度を併せ持つフィルムを得ることができる。例えば延伸温度は、用いるポリエステルのガラス転移温度以上、結晶化温度以下で行うことが二軸延伸性やフィルムの透明性の点で好ましく、延伸倍率は、長手方向、幅方向にそれぞれ1.1倍〜10倍の範囲の任意とすることができ、長手方向、幅方向のどちらかを大きくしてもよく、同一であってもよい。フィルムの延伸倍率は、目的とする柔軟性、取扱い性、生産性に応じて適宜調整すればよいが、可塑剤のポリ乳酸セグメントが結晶中に取り込まれることを促進する点、透明性の点から、より好ましくは少なくとも一方向に2〜8倍、さらに好ましくは2.5〜8倍である。特に限定されるものではないが、二軸延伸フィルムとする場合には、1方向の延伸倍率が10倍を超えると、延伸性が低下し、製膜中にフィルムが破断しやすくなったり、フィルムの透明性の悪化等が起こる場合があり、また逐次二軸延伸の場合には2方向目の延伸性が低下する場合があるため、適宜調整されることが好ましい。延伸前後のフィルムの面積割合である面積倍率としては、好ましくは4〜60倍、より好ましくは6〜40倍、さらに好ましくは6〜30倍である。生産性の点からはより高い延伸倍率とすることが好ましい。熱処理条件は、フィルムの強度、寸法安定性の点からポリエステルのガラス転移温度以上融点以下の範囲のより高い温度で行うことが好ましい。また、フィルム中のオリゴマー成分など低分子量成分を低減する目的で100℃以上で10秒以上のより長時間熱処理を行うことがより好ましい。
さらに、フィルムに成形した後に、印刷性、ラミネート適性、コーティング適性などを向上させる目的で各種の表面処理を施しても良い。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などが挙げられ、いずれの方法をも用いることができるが、連続処理が可能であり、既存の製膜設備への装置設置が容易な点や処理の簡便さからコロナ放電処理が最も好ましいものとして例示できる。
本発明のポリエステル樹脂組成物およびフィルムは、耐熱性に優れ、かつフィルム成形性、生産性に優れ、さらには柔軟性が付与されたフィルムとして使用の際には、耐熱性、フィルム成形性、生産性に優れていることに加えて、十分な柔軟性、透明性、強度物性を併せ持ち、従来以上に広い分野での利用が可能である。例えば、包装用ラップフィルムなどの包装材料、農業用フィルム、自動車塗膜保護シート、ごみ袋、堆肥袋などの産業資材、各種軟質塩化ビニルが用いられている工業材料用途、その他の成形品では飲料や化粧品のボトル、ディスポーザブルカップ、トレイなどの容器類、育苗ポット、植木鉢などが挙げらる。
本発明のポリエステル樹脂組成物およびフィルムは、耐熱性に優れ、かつフィルム成形性、生産性に優れた高品質の樹脂組成物及びフィルムである。さらには柔軟性が付与されたフィルムとして使用の際には、耐熱性、フィルム成形性、生産性に優れていることに加えて、実用上十分な柔軟性や透明性および強度物性を併せ持ち、使用時においては可塑剤の揮発や滲出、抽出(ブリードアウト)が事実上ほとんどないために柔軟性や透明性は使用開始時の性能を使用期間の長期にわたって維持することが可能である。また可塑剤として生分解性を有するものを含有させた場合には、使用後は食品などの内容物とともに分別することなくそのままコンポスト化可能な包装用ラップフィルムを得ることができる。さらには経時安定性に富んでいるため製造後長期間経た後でも劣化することもなく当初の性能を発揮するフィルムを得ることができる。また、フィルム製膜など成形した後に行われる、成形品の各種後加工工程で種々の乾熱加工時や高温雰囲気中で処理した後においても、安定した柔軟性や透明性を有するフィルムを得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の物性は次の方法で測定した値である。
(1)溶融比抵抗[Ω・cm]
50mmφの試験管内にポリエステル樹脂組成物を120gを入れ、窒素雰囲気下200℃にて溶融させ、3cm×5cm(面積S)の銅製電極を1cmの間隔Dを保持して平行に対向させて挿入する。次いで電極間に5000Vの直流電圧Vを加えた際に流れる電流の最大値Iを測定し、式1により求めた。これを計3回の測定を行い平均値を求め、これを溶融比抵抗とした。
溶融比抵抗(Ω・cm)=(V×S)/(I×D) ・・・(式1)
サンプルの形態がフィルムの場合も同様にして測定を行った。
(2)金属元素およびリン元素量[ppm]
サンプルを200℃加熱して溶融させ、円形ディスクを作製し、蛍光X線分析を行い、あらかじめ各金属元素量を変更した試料から求めた検量線を用い、金属元素量、リン元素量を求めた。
粒子などの不溶解物が含まれる場合には、ポリエステル樹脂組成物をクロロホルムに溶解し、遠心分離操作をした後、ろ過して粒子等の不溶解物を除去し、溶液中のポリマーを析出させた後に蛍光X線分析を行い、金属元素量を求めた。
この際、Li、Na、K、Ca、Sn、Sbの元素量の合計を金属元素の総量とした。ただし、5ppm未満の金属元素については、除外し総量を求めた。
また、リン元素量についても、同様の方法で求めた。
サンプルの形態がフィルムの場合も同様にして測定を行った。
(3)高速キャスト性
幅300mm口金を用い、温度20℃、直径600mmのキャスティングドラム上にタングステンワイア電極を用い、印加電圧8KVでキャストし未延伸フィルムを得た。このとき未延伸フィルムの厚さが100μmに一定となるように押出量を調整しながら、キャスティングドラムの回転速度を上げていき、密着力の低下による空気の巻き込みを観察した。このとき電極の位置を調整しても巻き込んだ気泡痕が消えなくなった速度をキャスト速度の上限とし評価した。キャスト速度20m/分以上が実用性に優れるものである。なお、気泡痕とは、キャスティングドラム表面とフィルムの間に空気が巻き込まれ、フィルムの表面側(ドラムと非接触の面側)に凸状の形態を示す表面欠点である。この欠点は、キャスト速度の増加に伴いドラムの回転方向に発生する気流によるフィルムへの圧力が高まり、フィルム−ドラム間の密着力を上回った場合に発生するものである。
(4)フィルムのヘイズ値
フィルムサンプルを長手方向40mm、幅方向に30mmに切り出し、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した。この試料を23℃の雰囲気下でJIS K7136に準じて、ヘイズメーターHGM−2DP(スガ試験器株式会社)を用い、計5回測定し、その平均値をフィルムヘイズ値とした。
なお、フィルムヘイズ値は、上記測定器により得られるものであり、散乱光透過率を全光線透過率で除し、100を乗じて得られる値である。
(5)フィルムの初期引張弾性率[GPa]
フィルムサンプルを長手方向150mm、幅方向10mmに切り出し、あらかじめ温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した。この試料を23℃の雰囲気下でJIS K7161およびJIS K7127に準じて、テンシロン万能試験機UTC−100型(株式会社オリエンテック)を用い、初期長50mm、引張速度300mm/分条件で引張試験を行った。次いで引張試験で得られた応力−歪み曲線の最初の直線部分を用いて、直線上の2点間の応力の差を同じ2点間の歪みの差で除し、計5回の試験を行い、平均値を求め、これを初期引張弾性率とした。
(6)乾熱処理後の重量変化率[%]
あらかじめ、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した二軸延伸フィルムサンプルについて処理前の重量を測定し、120℃の熱風オーブン中で30分間処理した後に再度処理前と同様の条件で調湿してから重量を測定した。重量変化率は、処理前後での重量変化(減少)の処理前の重量に対する割合として算出した。
(7)耐熱性
フィルムサンプル10gを入れた試験管に窒素を流した状態で180℃のシリコーンオイルバス中に30分間浸した後、試験管を25℃の水で冷却固化し熱処理サンプルを得た。このサンプル0.3gにo−クロロフェノール10ml加え、100℃30分間溶解した後、o−クロロフェノール流下時間100秒のオストワルド型粘度管を用い、測定温度25℃粘度を測定した。熱処理前後のサンプルについて測定し、熱処理前の粘度に対する変化量の割合を変化率として求めた。同様にして、190、200、210、220℃にて評価し、変化率が5%未満を維持した温度を耐熱温度とした。なお、180℃で変化率が5%を超えたものは耐熱温度180℃未満とした。
本実施例で用いたポリ乳酸系重合体、可塑剤は次のとおりにして得た。
<ポリ乳酸系重合体(P1)>
L−ラクチド100重量部に対しオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で15分間重合し、さらに2軸混練押出し機にてチップ化した後、140℃の窒素雰囲気下で3時間固相重合してポリ乳酸系重合体P1を得た。P1についてDSC測定を行ったところ、P1は結晶性を有し、結晶化温度は128℃、融点は171℃であった。
<ポリ乳酸系重合体(P2)>
0.5Nの塩酸とエタノールが容量比で1:1となるように調整した溶液中に、P1の重合体を固形分濃度10重量%となるように添加し35℃で4時間撹拌しながら処理を行った。次いで、固形分を分離した後、80℃の加熱窒素にて乾燥を施し、ポリ乳酸系重合体P2を得た。
<ポリ乳酸系重合体(P3)>
L−ラクチド68重量部および純度96%のDL−ラクチド32重量部に対しオクチル酸錫を0.08重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で3時間重合し、さらに2軸混練押出し機にてチップ化した。次いで、このチップを用いること以外は、P2と同様にして処理を施し、ポリ乳酸系重合体P3を得た。P3についてDSC測定を行ったところ、結晶性を示さず、結晶化温度および融点は観測されなかった。
<可塑剤(S1)>
平均分子量8,000のポリ(1,3−ブタンジオールアジペート)65重量部とL−ラクチド35重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2,150のポリ乳酸セグメントを有する、ポリ(1,3−ブタンジオールアジペート)とポリ乳酸のブロック共重合物を得た。この共重合物をクロロホルムに溶解し撹拌した後、クロロホルムの20倍体積量のジエチルエーテル中に投入し沈殿物を得た。この沈殿物をろ過・分離し、5torrの高真空下、常温で24時間乾燥して可塑剤(S1)を得た。
<可塑剤(S2)>
平均分子量12,000のポリエチレングリコール72重量部とL−ラクチド28重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2,330のポリ乳酸セグメントを有するポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物を得た。この共重合物をクロロホルムに溶解し撹拌した後、クロロホルムの20倍体積量のジエチルエーテル中に投入し沈殿物を得た。この沈殿物をろ過・分離し、5torrの高真空下、常温で24時間乾燥して可塑剤(S2)を得た。
<可塑剤(S3)>
可塑剤S2と同様の方法で平均分子量2,570のポリ乳酸セグメントを有するポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物を得た。この共重合物をクロロホルムに溶解し撹拌した後、クロロホルムの20倍体積量のジエチルエーテル中に投入し沈殿物を得た。この沈殿物をろ過・分離し、5torrの高真空下、常温で24時間乾燥して可塑剤(S3)を得た。
(実施例1)
ポリ乳酸系重合体(P1)100重量部を120℃5時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、シリンダー温度190℃の2軸混練押出機に供し、酢酸カルシウム0.04重量部を溶融ポリマー内に添加混練し均質化した後にチップ化した。これを120℃5時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、スクリュー径40mmの単軸押出機に供給し、押出機シリンダー温度200℃、Tダイ口金温度200℃で口金スリット部から溶融押出し、25℃に冷却した直径600mmの冷却ドラム上にワイヤー電極を用い、印加電圧8KVで静電印加キャストして未延伸フィルムを作製した。連続して85℃の加熱ロール−冷却ロール間で周速差を用い、3.2倍延伸した後、得られた一軸延伸フィルムをステンター内に導きクリップで把持して、75℃の温度で加熱しつつ横方向に3.0倍延伸し、幅方向に固定した状態で140℃、20秒間の熱処理を行い、厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、1.1×109Ω・cmであった。また、金属元素量は、Ca:72ppm、Sn:280ppmであり、金属元素の総量は、352ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は33m/分であった。
Figure 2005139280
(比較例1)
ポリ乳酸系重合体(P1)100重量部を用い、酢酸カルシウムの代わりに三酸化二アンチモン0.04重量部を添加すること以外は実施例1と同様にして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、1.5×109Ω・cmであった。金属元素量およびリン元素量は、Sn:280ppm、Sb:253ppmであり、金属元素の総量は、533ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は28m/分であった。
(比較例2)
使用する原料をポリ乳酸系重合体(P2)100重量部を用い、酢酸カルシウムの代わりにステアリン酸カルシウム0.01重量部を添加すること以外は実施例1と同様にして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、6×109Ω・cmであった。金属元素量およびリン元素量は、Ca:8ppm、Sn:10ppmであり、金属元素の総量は、18ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は15m/分であった。
(実施例2)
ポリ乳酸系重合体(P1)55重量部と可塑剤(S1)45重量部を110℃5時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、シリンダー温度190℃の2軸混練押出機に供し、酢酸カリウム80%水溶液0.03重量部を溶融ポリマー内に添加し、押出機のベント孔より20torrの減圧にしながら混練し均質化した後にチップ化した。これを120℃5時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、スクリュー径40mmの単軸押出機に供給し、押出機シリンダー温度200℃、Tダイ口金温度200℃で口金スリット部から溶融押出し、5℃に冷却した直径600mmの冷却ドラム上にワイヤー電極を用い、印加電圧8KVで静電印加キャストして未延伸フィルムを作製した。連続して65℃の加熱ロール−冷却ロール間で周速差を用い、3.1倍延伸した後、得られた一軸延伸フィルムをステンター内に導きクリップで把持して、65℃の温度で加熱しつつ横方向に3.1倍延伸し、幅方向に固定した状態で140℃、20秒間の熱処理を行い、厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、7.5×108Ω・cmであった。また、金属元素量は、K:83ppm、Sn:208ppmであり、金属元素の総量は、291ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は37m/分であった。
(実施例3)
ポリ乳酸系重合体(P2)70重量部と可塑剤(S2)30重量部を用い、酢酸カリウム80%水溶液の代わりにグリコール酸ナトリウム0.07重量部を添加し、長手方向、幅方向の延伸温度を60℃とすること以外は、実施例2と同様にして厚さ15μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、9×107Ω・cmであった。また、金属元素量は、Na:146ppm、Sn:30ppmであり、金属元素の総量は、176ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は46m/分であった。
(実施例4)
ポリ乳酸系重合体(P2)65重量部と可塑剤(S3)35重量部を用い、酢酸カリウム80%水溶液の代わりに乳酸カルシウム一水和物0.05重量部を添加し、長手方向、幅方向の延伸温度を60℃とすること以外は、実施例2と同様にして厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、3.5×108Ω・cmであった。また、金属元素量は、Ca:86ppm、Sn:39ppmであり、金属元素の総量は、125ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は43m/分であった。
(実施例5)
ポリ乳酸系重合体(P1)30重量部とポリ乳酸系重合体(P3)40重量部、可塑剤(S3)30重量部を用い、酢酸カリウム80%水溶液の代わりにステアロイル乳酸ナトリウム0.22重量部を添加し、長手方向、幅方向の延伸温度を60℃とすること以外は、実施例2と同様にして厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、1.6×108Ω・cmであった。また、金属元素量は、Na:103ppm、Sn:125ppmであり、金属元素の総量は、228ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は45m/分であった。
(実施例6)
ポリ乳酸系重合体(P1)30重量部とポリ乳酸系重合体(P3)40重量部、可塑剤(S3)30重量部を用い、酢酸カリウム80%水溶液の代わりにステアロイル乳酸ナトリウム0.22重量部を添加すること以外は、実施例2と同様にして均質化したチップを得た。このチップを120℃5時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、旭電化工業株式会社製リン系樹脂改質剤“アデカスタブAX−71”0.1重量部を混合し、押出機に供給すること以外は実施例5と同様にして厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、5.2×108Ω・cmであった。また、金属元素量は、Na:102ppm、Sn:124ppmであり、金属元素の総量は、226ppmであった。リン元素量は62ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は41m/分であった。
(実施例7)
ポリ乳酸系重合体(P2)50重量部とポリ乳酸系重合体(P3)20重量部、可塑剤(S2)30重量部を用い、酢酸カリウム80%水溶液の代わりにグリコール酸ナトリウム0.1重量部、乳酸カルシウム一水和物0.06重量部を添加し、長手方向、幅方向の延伸温度を60℃とすること以外は、実施例2と同様にして厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、8×106Ω・cmであった。また、金属元素量は、Na:220ppm、Ca:105ppm、Sn:30ppmであり、金属元素の総量は、355ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は36m/分であった。
(比較例3)
ポリ乳酸系重合体(P1)55重量部と可塑剤(S1)45重量部を用い、酢酸カリウム80%水溶液の添加量を0.23重量部とすること以外は、実施例2と同様にして厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。このフィルムの溶融比抵抗を測定した結果、4×106Ω・cmであった。また、金属元素量は、K:610ppm、Sn:205ppmであり、金属元素の総量は、815ppmであった。また、別に、高速キャスト性のテストを行った結果、限界速度は12m/分であった。
本発明は、包装用ラップフィルムに限らず、その他静電印加キャスト技術およびその応用が可能な特にフィルムの分野で有効であり、包装材料、農業用フィルム、自動車塗膜保護シート、ごみ袋、堆肥袋などの産業資材用フィルム、各種軟質塩化ビニルが用いられている工業材料用フィルムなどにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。

Claims (12)

  1. ポリ乳酸系重合体(A)を主体とするポリエステルであって、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有してなり、かつ200℃における溶融比抵抗が5×106〜5×109Ω・cmであることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 組成物中の金属元素の総量が500ppm未満であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルフィルム。
  4. フィルムヘイズ値が0.2〜5%であることを特徴とする請求項3に記載のポリエステルフィルム。
  5. 23℃における初期引張弾性率が0.1〜2GPaであることを特徴とする請求項3または4に記載のポリエステルフィルム。
  6. フィルムを120℃の熱風オーブン中で30分間処理したときの重量変化率が2%以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. 該組成物が、結晶性を有するポリ乳酸重合体(A)と、一分子中に分子量が1,500以上のポリ乳酸セグメントを一つ以上有し、ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有する可塑剤(B)とからなることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  8. 可塑剤(B)のポリ乳酸セグメント成分の重量割合が、可塑剤全体の50重量%未満であることを特徴とする請求項7に記載のポリエステルフィルム。
  9. 可塑剤(B)のポリ乳酸セグメント成分を除いた可塑化成分の重量割合が、ポリエステルフィルム中の5重量%以上、30重量%以下であることを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  10. 可塑剤(B)がポリアルキレンエーテルからなるセグメントを有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  11. ポリアルキレンエーテルがポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項10に記載のポリエステルフィルム。
  12. 包装用ラップフィルムであることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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