本発明は、突起電極の形成方法に関する。
複数の大規模集積回路で構成されたシステムおよび機能を、一つの半導体素子に平面的に集約するシステムオンチップ(以後「SOC」と称す)の進歩は、半導体素子の飛躍的な小型化をもたらし、携帯電話、携帯情報端末などの携帯情報機器を急速に普及させる原動力のひとつになってきた。しかしながら、SOCでは、仮に一つの機能変更が生じた場合、半導体素子の設計から製造工程までのすべてに変更が必要であり、機能が変更された半導体素子の開発には膨大な費用と時間を要するという問題がある。
一方、最近では、携帯情報機器のさらなる高機能化が進み、それに伴って商品サイクルが短くなり、開発期間の短縮および開発費用の低減が望まれている。したがって、SOCは携帯情報機器の開発にはそぐわない手法になりつつある。
このSOCに代わって注目を集めているのが、システムインパッケージ(以後「SIP」と称す)である。SIPは、種々の機能を有する複数の半導体素子を一つの基板上に3次元的に搭載する手法であり、種々の利点を有する。たとえば、回路基板の小型化に有効である。また、SIPでは、一部の半導体素子の変更、追加、基板の変更などによって、種々の機能変更に容易に対応でき、SOCに比べて開発期間の大幅な短縮および開発コストの著しい低減を図ることができる。SIPにおいては、バンプなどの突起電極が設けられたベアチップ半導体素子を、その能動素子面を下に向けて電気的に接続するいわゆるフェースダウンに準じ、基板にフリップチップボンディング方式にて実装を行う手法が主流になっている。
しかしながら、SIPでは、仕様の異なる種々の半導体素子を組み合わせて1つのシステムを構成するので、場合によっては、突起電極が設けられていない半導体素子を用いることが必要になる。このような場合、フリップチップボンディング方式以外の他の実装手法が採用されるけれども、他の実装手法は、半導体素子と基板表面に形成された電極端子との距離を拡げるので、回路基板の小型化・高密度化を妨げるという問題がある。
したがって、フリップチップボンディング方式を実施するために、ベアチップ半導体素子の電極上または回路基板の導体配線の電極端子上に突起電極(バンプ)を設けることが行われる。
回路基板の電極端子上への突起電極の形成は、めっきなどによって行われる(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、電極端子の上に無電解銅めっきによって銅からなる厚さ20〜30μm程度の下地金属層を形成し、その上に無電解ニッケルめっきによってニッケルを5μm積層し、さらにその上に無電解金めっきによって金を0.5μm積層することにより、突起電極を形成する。下地金属層は、半導体素子の電極との接合信頼性などを確保するために、20〜30μmという他の金属のめっき厚に比べて非常に大きな範囲を持たせている。しかしながら、無電解銅めっきはめっき条件のわずかな変化などでもめっき厚が不均一になりやすいので、銅のめっき厚にこのような大きい許容範囲を持たせることによって、最終的に形成される突起電極の基板表面からの高さに、±10μm程度の不揃いが生じる。突起電極の高さが不揃いであると、突起電極付き回路基板とベアチップ半導体素子の電極との接合バラツキが発生し、接合信頼性に支障をきたす。
また、フリップチップボンディング方式では、回路基板とベアチップ半導体素子との熱膨張の差によって生じる回路基板の熱変形を吸収しやすいこと、突起電極付き回路基板とベアチップ半導体素子との接合時に回路基板のうねりなどの高低差を吸収しやすいことなどの理由から、突起電極は高いことが望まれる。しかしながら、特許文献1の方法において、さらに高い突起電極を形成するには、銅のめっき厚をさらに大きくしなければならないけれども、前述のように無電解銅めっきではめっき厚がばらつきやすいので、突起電極の高さが一層不揃いになり、好ましくない。
このような問題に鑑み、ベアチップ半導体素子の電極上に形成された多数の突起電極を平坦化治具で加圧し、突起電極高さの不揃いを解消する平坦化処理方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。図4は、従来技術における突起電極の平坦化処理方法の工程を模式的に示す断面図である。
図4(a)では、高さが不均一な突起電極102を有するベアチップ半導体素子101を、吸着ツール104に真空吸着させ、ベアチップ半導体素子101の突起電極102が形成された面103を、平坦化用ツール105に対向させる。そして、図示しない、レーザ光を利用した計測手段により、ベアチップ半導体素子101の突起電極102の高さを計測し、吸着ツール104を平坦化用ツール105に対して下降させるストロークを決定する。図4(b)では、吸着ツール104を、図示しない下降上昇手段によって、予め定められたストロークに従って下降させ、ベアチップ半導体素子101の突起電極102を平坦化用ツール105の上面106に押しつける。これにより、図4(c)に示すように、ベアチップ半導体素子101の突起電極102の高さが均一に揃えられる。
特許文献2に開示の方法は、突起電極が、はんだボール、金ボールなどの硬度が100Hv程度(荷重50g)と低くかつ変形しやすい材料から構成される場合には有効である。一方、回路基板上にめっき法で形成した多層金属突起電極は硬度が200Hv前後と高いので、特許文献2の方法で平坦化するには加圧を高くする必要がある。特許文献2の方法では、突起電極を平坦化用ツールの平らな面に押しつけるだけなので、押しつける圧力を高くすると、突起電極の金属膜の変形などにより、ニッケルなどの金属膜の一部が突起電極の接合面に露出し、半導体素子と回路基板との接合阻害の要因になり、接合に支障をきたすという問題がある。また、ニッケルなどの金属膜に亀裂が生じ、突起電極自体にクラックが発生し、接続信頼性に不具合が起こるという問題もある。
特開2000−208910号公報
特開平11−87431号公報
本発明の目的は、回路基板の表面に突起電極を形成する方法であって、複数の金属層を積層して構成され、高さが均一化され、接合不良、接続信頼性に不具合が起こり難い突起電極を容易に形成する突起電極の形成方法を提供することである。
本発明は、回路基板に突起電極を形成する方法において、
回路基板の表面に第1のメッキレジストを形成する工程と、
回路基板の突起電極を形成しようとする位置の上層にあたる第1のメッキレジストに開口部を形成する工程と、
開口部に金属層を形成する工程と、
第1のメッキレジストを除去する工程と、
金属層の回路基板表面からの高さを均一化する工程と、
回路基板表面の金属層が形成された以外の部分に第2のメッキレジストを形成する工程と、
金属層の表面に金属膜を形成する工程と、
第2のメッキレジストを除去する工程とを含むことを特徴とする突起電極の形成方法である。
また本発明の突起電極の形成方法は、金属層の高さを均一化する工程は、
片面に凹部を有する平坦化用治具を準備し、
平坦化用治具の凹所が形成された面と回路基板の金属層が形成された面とを対向させ、
回路基板表面の金属層と平坦化用治具の凹所とが対応する位置になるように位置決めし、
平坦化用治具の凹所を回路基板の金属層に当接して加圧することにより行われることを特徴とする。
さらに本発明の突起電極の形成方法は、前述の平坦化用治具が、
凹所の深さを、回路基板に形成された金属層の高さよりも小さく形成したことを特徴とする。
さらに本発明の突起電極の形成方法は、前述の金属層の高さを均一化する工程が、
金属層を研磨して金属層の高さを均一化したのち、
研磨によって金属層縁部に生成するばりを除去することにより行われることを特徴とする。
さらに本発明の突起電極の形成方法は、研磨によって金属層縁部に生成するばりの除去は、1以上の刃を有する治具を用いて行われることを特徴とする。
本発明によれば、回路基板の表面に第1のメッキレジストを形成し、回路基板の突起電極を形成しようとする位置の上層にあたる第1のメッキレジストに開口部を形成し、開口部に金属層を形成し、第1のメッキレジストを除去し、金属層の回路基板表面からの高さを均一化し、回路基板表面の金属層が形成された以外の部分に第2のメッキレジストを形成し、金属層の表面に金属膜を形成し、第2のメッキレジストを除去することによって、回路基板の表面に、複数の金属層を積層して構成され、高さが均一化され、接合不良、接続信頼性に不具合が起こり難い突起電極を形成することができる。
本発明の方法は、従来のように突起電極を形成した後に突起電極の高さを均一化するのではなく、突起電極のコアになる金属層を形成した時点で該金属層の高さを均一化し、その後金属層の上に所望の金属膜を被覆して突起電極を形成することを特徴とする。したがって、本発明の方法は、めっきにより形成される、複数の金属膜からなりかつ硬度の高い突起電極を形成する場合にも有利である。また、従来法において突起電極の高さを均一化する際に起こる、ニッケルめっき膜などの金属膜の露出による回路基板と半導体素子との接合不良、ニッケルめっき膜などの金属膜に亀裂が生じ、ひいては突起電極にクラックが発生することによる接続信頼性の不具合などが防止されるので、回路基板に突起電極を形成する工程の歩留りが著しく向上し、コストの低減が可能になる。さらに、回路基板に突起電極を形成した後に突起電極の高さを均一化する場合のように、均一化のための設備が不要になる。
本発明の方法によって突起電極を形成した回路基板は、突起電極の回路基板表面からの高さが均一化されているので、半導体素子の電極との接合ばらつきがない均一な接合強度を確保することが可能になり、良好な接続信頼性を得ることができ、システムインパッケージの小型化および高密度化を図る上で非常に有用である。
本発明によれば、片面に凹部を有する平坦化用治具を準備し、この平坦化用治具の凹所が形成された面と回路基板の金属層が形成された面とを対向させ、回路基板表面の金属層と平坦化用治具の凹所とが対応する位置になるように位置決めし、平坦化用治具の凹所を回路基板の金属層に当接して加圧することによって、回路基板表面に形成された金属層の回路基板表面からの高さを容易に均一化することができる。また、均一化処理に用いられる平坦化用治具は、その片面に凹所が形成されただけの簡単な構造であり、均一化処理自体も該平坦化用治具を金属層に加圧するという簡単な操作により行われるので、突起電極の形成工程に大きな負荷およびコストアップを与えることなく、前述のような優れた効果を有する突起電極を形成することができる。
本発明によれば、前述の平坦化用治具において、凹所の深さを回路基板に形成された金属層の高さよりも小さく形成することによって、金属層の高さの均一化を一層確実に行うことができる。
本発明によれば、高さが不揃いな状態の金属層を研磨して均一化した後、研磨により金属層縁部に生成するばりを除去することによって、金属層の高さの均一化とともに、横方向の形状の不揃いもなくなり、狭ピッチ幅の突起電極の形成にも対応が可能になる。これらに示すように、突起電極を形成する前に高さの均一化を行うことにより、種々の方法を採用でき、それに伴って種々の長所が得られる。
本発明によれば、金属層を研磨した後の金属層縁部に生成するばりの除去を、1以上の刃を有する治具を用いて行うことによって、ばりを効率良く正確に除去することができ、回路基板と半導体素子との接続信頼性がさらに向上する。
図1は、本発明の実施の第1形態である突起電極の形成方法を説明するフローチャートである。以下、図1に示すフローチャートを用いて、本発明の突起電極の形成方法について説明する。
本発明の突起電極の形成方法は、突起電極を形成するための回路基板の導体配線および電極端子が形成された面に第1のメッキレジスト膜を形成する工程と、回路基板表面の突起電極を形成しようとする位置の上層に相当する部分の第1のメッキレジスト膜に開口部を形成する工程と、さらに該開口部に突起電極の下地層になる金属層を形成する工程とを有する工程と、第1のメッキレジスト膜を除去する工程と、回路基板表面に形成された金属層の回路基板表面からの高さを均一化する工程と、回路基板表面の金属層が形成された以外の部分に第2のメッキレジスト膜を形成する工程と、金属層の表面にめっきにより金属膜を被覆して突起電極を形成する工程と、第2のメッキレジスト膜を除去する工程とを含む。
スタートのステップs0では、突起電極を形成するための回路基板が準備される。回路基板の表面には、導体配線および電極端子が形成される。回路基板としては、この分野で常用されるものをいずれも使用でき、たとえば、ガラス繊維布にエポキシ樹脂を含浸させたガラエポ基板、アラミド繊維不織布にエポキシ樹脂を含浸させた基板、液晶ポリマー、ポリエーテルイミドなどの絶縁性材料などから構成される基板などの有機基板、アルミナセラミックスなどの無機材料から構成される無機基板などが挙げられる。その厚さは、0.1〜1.6mm程度である。導体配線および電極端子は、銅その他の導電性金属からなる金属薄膜を含んで構成され、その厚さは、たとえば5〜40μm程度、好ましくは12μm程度である。
ステップs1では、回路基板の表面、すなわち導体配線および電極端子が形成された面に第1のメッキレジスト膜を形成する。第1のメッキレジスト膜は、たとえば、スピンコート法などによって形成される。メッキレジスト膜は、導体配線および電極端子を含む回路基板表面の全面を覆うポジティブタイプのレジスト膜であり、その回路基板の厚み方向の厚さはレジストコータの回転数などによって適宜調整され、たとえば、20〜30μm程度、好ましくは25μmである。
ステップs2では、回路基板表面に形成された第1のメッキレジスト膜に、開口部を形成する。開口部は、回路基板表面の突起電極を形成しようとする位置の上層に相当する部分に形成される。開口部は、たとえば、回路基板に接合される半導体素子の電極位置に対応するマスク(突起電極形成用マスク)を第1のメッキレジスト膜上に配置し、露光処理および現像処理を行うことにより形成される。
ステップs3では、ステップs2において形成された開口部に、突起電極の下地層に相当する金属層を形成する。金属層は、たとえば、銅、銅合金などからなる。金属層はめっき法、たとえば無電解めっき、電解めっきなどによって形成される。金属層の回路基板表面に直交する方向の厚さ(すなわち高さ)は、半導体素子の電極との接続信頼性、突起電極の形成後に回路基板表面に形成されるソルダーレジスト膜の膜厚などを考慮すると、20μm以上、好ましくは20〜30μmである。なお、既に述べたように、銅めっき層である金属層の高さは、メッキレジスト膜の開口部寸法のバラツキ、めっき条件などにより、不揃いになりやすい。一般的には、厚さ(高さ)が30μmになるように条件を選択してめっきを行うと、±10μm程度の不揃いが生じる。
ステップs4では、回路基板表面の第1のメッキレジスト膜を除去する。メッキレジスト膜の除去は公知の方法に従って実施できる。メッキレジスト膜の除去方法としては、たとえば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いる方法が挙げられる。第1のメッキレジスト膜の除去により、回路基板表面に金属層が露出する。なお、第1のメッキレジスト膜の除去は、後述の方法によって金属層の高さを均一化したのちに行うこともできるけれども、金属層の高さを均一化する前に行うのが好ましい。
ステップs5では、回路基板表面に形成された金属層の高さを均一化する。金属層の高さの均一化は、平坦化用治具、研磨装置などを用いて行われる。平坦化用治具を用いる方法によれば、まず金属層が形成された回路基板を基板吸着ステージに固定する。そして、金属層のうちの最も低い金属層の高さをたとえばレーザ光などを利用して計測する。一方、平坦化用治具を準備する。平坦化用治具は、金属層の高さを均一化するための治具であり、たとえば、加圧用ツールと、加圧用ツールの片面に形成される1または複数、好ましくは複数の凹部とを含んで構成される。平坦化用治具の凹所が形成された面と、回路基板の金属層が形成された面とを対向させ、平坦化用治具の凹所の底面と回路基板表面の金属層とが対応する位置になるように位置決めを行う。その後、平坦化用治具を、予め計測された最も低い金属層の高さに基づいて、回路基板に向かって下降させ、平坦化用治具の凹所を回路基板表面の金属層に当接して加圧し、金属層を変形させることにより、金属層の高さの均一化が行われる。このとき、平坦化用治具は、その凹所の深さが、回路基板に形成された金属層の高さ、好ましくは金属層のうちの最も低い金属層の高さよりも小さくなるように形成するのがよい。また加圧時の圧力は金属層の材質に応じて適宜選択できるけれども、たとえば5883KPa(60kgf/mm2)以上にすればよい。金属層を平坦化用治具によって加圧する際に、平坦化用治具および基板吸着ステージを、回路基板のガラス転移温度以下の温度範囲で加熱することもできる。これによって、金属層の高さの均一化が一層円滑に進行する。平坦化用治具および基板吸着ステージの加熱は、たとえば、図示しない電気ヒータなどを用いて行うことができる。
一方、研磨装置を用いる方法によれば、金属層が形成された回路基板を定盤に固定し、回路基板と定盤との距離をフィードバックしながら定盤を下降させ、この定盤を加圧しながら回転盤に押し付け、回路基板表面の金属層を研磨しかつ変形させて高さを均一化する。研磨後に生じる突起電極の下層金属ばりを1以上の刃を有する治具を用いて除去するのが好ましい。
ステップs6では、回路基板の導体配線およびステップs5において高さが均一化された金属層以外の露出表面に第2のメッキレジスト膜を形成する。第2のメッキレジスト膜は第1のメッキレジスト膜と同様にして形成できる。第2のメッキレジスト膜に代えて、ソルダーレジスト膜を形成してもよい。ソルダーレジスト膜を形成することによって、後のめっき処理工程においてめっき面積を減少させることができる。ソルダーレジスト膜は公知の方法に従い、たとえば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、UVおよび熱併用硬化性樹脂などを含んで構成されるソルダーレジストをスクリーン印刷で印刷し、熱硬化させることによって形成することができる。
ステップs7では、高さが均一化された金属層の表面に、所望の金属種を含む金属膜を、めっき法によって積層し、突起電極を形成する。金属膜としては、まずニッケル膜を形成し、さらに半導体素子の電極(たとえばアルミニウム電極)と接合させるためのボンディング用金属膜である金膜を積層するのが好ましい。ニッケル膜の厚みは特に制限はないけれども、一般には5μm程度とすればよい。金膜の厚みも特に制限されないけれども、半導体素子の電極との接合性などを考慮すると、0.1〜1μm程度、好ましくは0.5μm程度とすればよい。金属膜は、たとえば、金、錫などを含んで構成される一層の金属膜でもよく、また銅、金、ニッケル、パラジウム、銀、それらの2種以上の合金などから選ばれる金属種を含んで構成される金属膜が2種以上積層された金属膜でもよい。これらの金属膜は、無電解めっき、電解めっきなどのめっき法によって形成される。この際、金属層の頂面部が平坦化されていること、金属膜のめっき厚が薄いことなどの理由から、突起電極の高さは概ね±1μm以内の範囲に収まるので、突起電極の高さに不揃いがなく、半導体素子との接合に適した突起電極群が得られる。
ステップs8では、金属層の表面に金属膜を形成するために施した第2のメッキレジスト膜を除去し、ステップs9のエンドへ進み、形成された突起電極ならびに外部接続端子以外の部分を、ソルダーレジスト膜で覆い、一連の突起電極の形成を完了する。第2のメッキレジスト膜の除去は、前述の方法と同様にして行うことができる。以上により、高さの不揃いがなく、半導体素子との接合に適した突起電極をその表面に有する回路基板を得ることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
図2は、本発明の実施例である突起電極の形成方法を模式的に示す断面図である。
図2(a)では、回路基板1の表面1aには、図示しない導体配線および電極端子2が形成される。回路基板1は、約300mm×約300mm、厚さ0.5mmのガラエポ基板である。導体配線および電極端子2は、銅からなる薄膜からなり、その厚さは12μmである。この回路基板1の表面1aに、メッキレジストを塗布し、メッキレジスト膜3を形成する。メッキレジスト膜の厚みは25μmである。次に、メッキレジスト膜3の上に図示しない突起電極形成用マスクを配置し、露光処理および現像処理を行うことにより、メッキレジスト膜3に開口部4が形成される。開口部4は、図示しないベアチップ半導体素子の電極と対応する位置に形成され、その開口径は50μmである。さらに、この回路基板1に、回路基板1の表面1aから立ち上がる方向の厚み(すなわち高さ)が理論上30μmになるように、無電解銅めっきを行い、開口部4に金属層5を形成する。形成された金属層5の高さは、30±10μm程度の範囲で不揃いが生じる。なお、メッキレジスト膜3の厚さよりも高く形成された金属層5aは、その頂上部の中央部が盛り上がったドーム形状になる。
図2(b)では、まず、回路基板1の表面1aのメッキレジスト膜3を除去し、回路基板1を基板吸着ステージ6に固定化する。一方、平坦化用治具7を準備する。平坦化用治具7は、加圧用ツール8と、加圧用ツール8の表面8aに設けられ金属層整形用凹所9が形成される押圧部材10とを含んで構成される。金属層整形用凹所9は、回路基板1の表面1aの金属層5が形成された位置に対応するように、かつその深さが金属層5の高さよりも小さくなるように形成される。平坦化用治具7は、金属層整形用凹所9の形成された押圧部材10が、回路基板1の表面1aを臨むように設置され、平坦化用治具7と回路基板1とを当接させる際に、金属層整形用凹所9内に回路基板1の表面1aに形成された金属層5が収容されるように位置決めされる。
次に、平坦化用治具7を図示しない昇降手段によって、平坦化用治具7の金属層整形用凹所9の底部9aが、回路基板1の表面1aの金属層5に当接するように矢符11の方向(鉛直方向)に下降させ、回路基板1を平坦化用治具7と基板吸着ステージ6とで挟み込み、平坦化用治具7によって矢符11の方向に加圧する。加圧の際の圧力は5883KPa(60kgf/mm2)である。
以上のように、加圧用ツール8を下降させ、金属層整形用凹所9内に収容される金属層5を加圧することにより、金属層5の高さが均一化され、図2(c)に示すような、高さが均一化された金属層5を有する回路基板1が得られる。
図2(d)では、まず、図2(c)に示す回路基板1の表面1aの、高さが均一化された金属層5以外の部分に、メッキレジスト膜を形成する(図示せず)。その後、金属層5の表面に金属膜12がめっきにより積層され、突起電極13が形成される。金属膜12は、金属層5の表面に形成される図示しないニッケル膜とニッケル膜の表面に積層される図示しない金膜とを含んで構成される。ニッケル膜は無電解ニッケルめっきによって形成され、その厚さは5μmである。金膜は無電解金めっきによって形成され、その厚さは0.5μmである。この際、金属膜12を構成するニッケル膜および金膜はいずれも厚さが薄く、かつ既に高さが均一化された金属層5の上に金属膜12が形成されるので、形成される突起電極13の高さは概ね均一であり、図示しないベアチップ半導体素子の電極との接合に支障をきたし、接続信頼性などを損なうような大きなばらつきはない。さらに、図示しないメッキレジスト膜が除去される。
図2(e)では、回路基板1の表面1aの、突起電極13および図示しない外部接続端子(導体回路)以外の部分をソルダーレジスト14で被覆することによって、本発明の方法による、突起電極13を有する回路基板1が得られる。
実施例2
図3は、本発明のもう一つの実施例である突起電極の形成方法を模式的に示す断面図である。
図3(a)では、表面1aに銅からなる金属層5が形成された回路基板1を得る。この工程は、図2(a)に示す工程と同様に実施できる。
図3(b)では、まず、回路基板1を、その金属層5が形成された表面1aに対向する面1bが定盤15に密着するように定盤15に固定する。回路基板1の定盤15への固定は、たとえば、回路基板1の面1bに低温で溶融固化する図示しない接着剤を塗布することにより行われる。そして、回路基板1の表面1aと研磨装置16に取り付けられた研磨治具17の表面17aとが略平行に対向するように、定盤15を配置する。定盤15を図示しない昇降手段によって矢符18の方向(鉛直方向)に下降させ、回路基板1の表面1a上に形成された金属層5を研磨用治具17の表面17aに接触させる。この際、金属層5の高さを予め測定し、測定された長さに応じて、研磨しながら定盤15ひいては回路基板1を下降させる。金属層5の研磨は、研磨用治具17を研磨装置16に取り付けられた図示しない回転手段によって矢符19の方向に30rpmで回転させ、かつ研磨用治具17の表面17aに研磨剤を供給しながら、加圧下に、研磨用治具17の表面17aが金属層5の中でも最も高さが小さい金属層5bの頂上部に接する程度までまたは金属層5bの上部をわずかに研磨する程度まで行われる。加圧圧力は10KPa程度である。研磨所要時間は通常は5分程度であるけれども、金属層5の材質、金属層5の高さおよびそのばらつき具合、研磨用治具17の材質、回転速度、加圧圧力などによって適宜変更することができる。研磨終了後、研磨により生じる金属層5の図示しない金属ばりを、図示しない1以上の刃を有する治具を用いて除去する。なお、1以上の刃を有する治具は、加圧用ツールと加圧用ツールの表面に設けられた刃とを含んで構成される。刃は、回路基板1の表面1aの金属層5が形成された金属層周囲の位置に対応するように、かつその深さが金属層5の高さよりも小さくなるように設けられる。刃を有する治具が、回路基板1の表面1aを臨むように設置され、刃を有する治具と回路基板1の表面1aに形成された金属層5の周囲に対応するように位置決めされる。また1つの刃のみで構成される場合は、あらかじめ金属層5の外形データを処理演算機能に記憶させ、個別に動作させてもよい。次いで、回路基板1の表面1aから図示しない研磨くずを除去するために、洗浄を行う。
以上のようにして、図3(c)に示すように、回路基板1の表面1aに、高さが均一化された金属層5が形成される。
図3(d)では、金属層5の表面に金属膜12が積層され、突起電極20が形成される。この工程は、図2(d)に示す工程と同様に実施できる。
図3(e)では、回路基板1の表面1aの、突起電極20および図示しない外部接続端子(導体回路)以外の部分をソルダーレジスト21で被覆することによって、本発明の方法による、突起電極20を有する回路基板1が得られる。この工程は、図2(e)に示す工程と同様に実施できる。
本実施の形態において、図3(b)に示す工程では、研磨により金属層5の高さの均一化を実施しているけれども、図2(b)に示す工程で用いた平坦化用治具7を併用してもよい。すなわち、図2に示す工程と同様にして、金属層5の高さをある程度均一化した後、研磨を行ってもよいし、または研磨後に図2(b)に示す工程を実施してもよい。これによって、金属層5の高さを均一化する時間が削減されるとともに、得られる突起電極20の回路基板1の表面1aに平行な横方向の形状の不揃いを減少させることができる。
本発明の実施の第1形態である突起電極の形成方法を説明するフローチャートである。
本発明の実施例である突起電極の形成方法を模式的に示す断面図である。
本発明のもう一つの実施例である突起電極の形成方法を模式的に示す断面図である。
従来技術における突起電極の平坦化処理の工程を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 回路基板
1a 回路基板の表面
2 電極端子
3 メッキレジスト膜
4 開口部
5,5a,5b 金属層
6 基板吸着ステージ
7 平坦化用治具
8 加圧用ツール
8a 加圧用ツールの表面
9 金属整形用凹所
9a 金属整形用凹所の底部
10 押圧部材
11,18,19 矢符
12 金属膜
13,20 突起電極
14,21 ソルダーレジスト
15 定盤
16 研磨装置
17 研磨用治具
17a 研磨用治具の表面