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JP2005190750A - 燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極触媒層の位置決めが容易であると共に、ガス拡散層によるプロトン伝導性固体高分子膜の損傷を防止して、燃料電池としての出力低下を未然に防止することができる燃料電池用膜電極接合体を提供する。
【解決手段】プロトン伝導性固体高分子電解質膜2と電極触媒層3とガス拡散層4から成る膜電極接合体1における上記ガス拡散層4と高分子電解質膜2との間に補強層として機能する多孔質体5を介在させ、この多孔質体の内部に電極触媒層3を形成すると共に、当該多孔質体5の外縁部5aがガス拡散層4の外縁部4aよりも外側となるように配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質として、例えばフッ素樹脂系高分子のようなプロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子形燃料電池(PEFC)に係わり、さらに詳しくは、プロトン伝導性固体高分子膜と、この固体高分子膜を挟んだ1対の電極触媒層と、さらにこれらをその外側から挟んだ1対のガス拡散層から成る燃料電池用の膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、その製造方法、さらにはこのような膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池に関するものである。
プロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子形燃料電池は、他のタイプの燃料電池と比較して低温で作動することから、自動車などの移動体用動力源として期待され、その実用も進んでいる。
このような固体高分子形燃料電池においては、プロトン伝導性固体高分子膜を挟んで1対の電極(酸素極と燃料極)に、水素を含有する燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとをそれぞれ供給することにより、次式で示される反応が生じ、電気エネルギーが取出される。
カソード反応(酸素極): 2H+2e+(1/2)O → H
アノード反応(燃料極): H → 2H+2e
固体高分子形燃料電池に使用されるガス拡散電極は、高分子電解質膜(プロトン伝導性固体高分子膜)と同種あるいは異種のイオン交換樹脂(高分子電解質)で被覆された触媒担持カーボン微粒子を含有する電極触媒層と、この触媒層に反応ガスを供給すると共に触媒層に発生する電荷を集電するガス拡散層から成り、当該ガス拡散層の電極触媒層の側を高分子電解質膜に対向させた状態で、ホットプレスにより接合することによって膜電極接合体が形成される。なお、ガス拡散層には、一般に、カーボン繊維を用いて作成されたカーボンペーパーや織布、不織布が用いられる。
そして、このような膜電極接合体をガス流路を備えたセパレータ(ガス流路形成部材)を介して多数積層することによって燃料電池が構成される。
このような固体高分子形燃料電池において、プロトン伝導性固体高分子膜は、柔軟であるためにガス拡散層(特に端部)との接触部位において破損し易く、ガスのクロスリークが生じることがないとは言えず、何らかの補強が必要となることから、例えば、特許文献1には、プロトン伝導性固体高分子膜の周縁部を補強部材(炭化フッソ系樹脂シート)で被覆することによって当該高分子膜の機械的強度を向上させることが記載されている。
また、特許文献2には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から成る多孔質体にパーフルオロスルホン酸樹脂を充填することにより、プロトン伝導性固体高分子膜自体を補強することが開示されている。
特開平10−308228号公報 特開2003−142122号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の固体高分子形燃料電池においては、プロトン伝導性高分子膜の周縁部を補強する場合、補強部材(炭化フッソ系樹脂シート)の開口部と電極触媒層との位置決めが難しいため、両者が干渉した(補強部材が電極触媒層に重なった)ときには、電極触媒層とガス拡散層との接触状態が悪くなるという問題があった。また、このような干渉を避けるために両者の隙間を大きくした場合には、ガス拡散層の端部がプロトン伝導性固体高分子膜に接触して、破損を引き起こすという問題点があった。
一方、特許文献2に記載されているように、PTFE製多孔質体によってプロトン伝導性固体高分子膜自体を補強する場合、プロトン伝導性固体高分子膜は保護されるものの、電極触媒層は弱い状態であるため、電極触媒層がガス拡散層と接触して破損し、出力が低下してしまうという問題点があった。
本発明は、従来の燃料電池用膜電極接合体における上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、電極触媒層の位置決めが容易であると共に、ガス拡散層によるプロトン伝導性固体高分子膜や電極触媒層の損傷を防止して、燃料電池としての出力低下を未然に防止することができる燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法、さらにはこのような膜電極接合体を用いた高性能の固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、ガス拡散電極の材料や構造について鋭意検討を重ねた結果、プロトン伝導性固体高分子膜と電極触媒層の間に無機材料あるいは有機材料から成る多孔質体を配置し、この内部に電極触媒層を形成することによって、ガス拡散層の端部エッジ状部分やカーボン繊維の先端部などによる高分子電解質膜の損傷を防止することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の燃料電池用膜電極接合体は、プロトン伝導性固体高分子膜を電極触媒層とガス拡散層で挟持した燃料電池用膜電極接合体において、電極触媒層が多孔質体の内部に形成され、この多孔質体の外縁部がガス拡散層の外縁よりも外側に位置するように配設したことを特徴としている。
また、本発明の燃料電池用膜電極接合体製造方法は、本発明の上記膜電極接合体の製造に好適に用いられるものであって、プロトン伝導性固体高分子膜に多孔質体を配置する工程と、この多項質体に触媒とプロトン伝導性高分子樹脂と溶媒とを含む溶液を含ませる工程と、多孔質体に含ませた上記溶液の溶媒を除去する工程とを含む構成、またはガス拡散層に多孔質体を配置する工程と、この多項質体に同様の溶液を含ませる工程と、上記ガス拡散層と一体の多孔質体をプロトン伝導性固体高分子膜に配置する工程と、上記溶液の溶媒を除去する工程とを含む構成、あるいは基材シートに多孔質体を配置する工程と、この多項質体に同様の溶液を含ませる工程と、上記基材シートと一体の多孔質体をプロトン伝導性固体高分子膜に配置する工程と、上記溶液から溶媒を除去する工程と、上記固体高分子膜と一体化された多孔質体から基材シートを除去する工程を含む構成としたことを特徴としている。
そして、本発明の固体高分子形燃料電池は、本発明の上記膜電極接合体の複数個をガス流路形成部材を介して積層したことを特徴としている。
本発明の燃料電池用膜電極接合体においては、補強部材として機能する多孔質体の内部に電極触媒層が設けられていることから電極触媒層位置決めが容易なものとなり、これによって電極触媒層とガス拡散層との接触状態が良好になる。また、多孔質体の外縁部がガス拡散層の外縁よりも外側に位置しているため、ガス拡散層端部のエッジ状部分がプロトン伝導性固体高分子膜に接触しなくなることから、プロトン伝導性高分子膜の破損を確実に防止することができるという優れた効果がもたらされる。
そして、本発明の膜電極接合体製造方法によれば、プロトン伝導性固体高分子膜やガス拡散層、あるいは基材シートに多孔質体を配置する工程、この多項質体に触媒とプロトン伝導性高分子樹脂と溶媒とを含む溶液を含ませる工程、多孔質体に含ませた上記溶液中の溶媒を除去する工程などから成るものであるから、本発明の上記燃料電池用膜電極接合体の製造に適用することができる。
さらに、本発明の固体高分子形燃料電池においては、本発明の上記膜電極接合体を複数個使用し、これら膜電極接合体をセパレータとして機能するガス流路形成部材と共に積層して成るものであるから、電極触媒層とガス拡散層との接触抵抗が良好で、しかもプロトン伝導性高分子膜が損傷されることがなく、高性能な燃料電池とすることができる。
以下、本発明の燃料電池用膜電極触接合体及びその製造方法について、さらに詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の燃料電池用膜電極接合体の構造を示すそれぞれ平面図及び断面図であって、図に示す燃料電池用膜電極接合体1は、基本的に、電解質としてのプロトン伝導性固体高分子膜2を電極触媒層3とガス拡散層4から成るガス拡散電極によって挟持した構造をなすものであるが、電極触媒層3は、上記高分子電解質膜2とガス拡散層4の間に挟持された多孔質体5の内部に形成されている。
このとき、上記多孔質体5は、その外縁部5aがガス拡散層4の外縁部4aよりも外側となるように配置されており、これによってガス拡散層4の端部エッジ状部分が高分子電解質膜2に直接接触するようなことがなくなり、ホットプレスによる接合時や電池の運転時などに当該膜電極接合体1に圧力が加わったとしても、ガス拡散層4の端部エッジ状部分における応力集中が回避され、高分子電解質膜2の損傷が防止されることになる。
そして、上記膜電極接合体1のさらに外側にガス流路を設けた導電性材料から成るセパレータ、すなわちガス流路形成部材(図示せず)を配置して、複数個の膜電極接合体1を積層することによって、本発明の固体酸化物形燃料電池が形成される。
なお、上記構造例において、多孔質体5の大きさは、プロトン伝導性固体高分子膜2よりも小さなものとなっており、多孔質体5の外縁部5aが上記固体高分子膜2の外縁よりも内側に位置し、当該固体高分子膜2の外周部の露出部分には、ガスケット6が配設され、ガスシールがなされるようになっている。
上記多孔質体5は、例えばシリカのような無機材料や、例えばポリイミド、架橋ポリエチレン、PTFEなどのような有機材料から成るものを用いることができ、上記したようにガス拡散層4の端部エッジ状部分による応力集中を緩和すると共に、ガス拡散層4を形成する炭素繊維がプロトン伝導性固体高分子膜2に到達するのを防止するに足る強度(剛性)、気孔率、厚さを備えていることが必要となる。
電極触媒層3は、上記高分子電解質膜2と同種又は異種の高分子電解質(プロトン伝導性固体高分子樹脂)と触媒粒子を含有しており、上記多孔質体5の周縁部を残した中央部分にプロトン伝導性固体高分子樹脂と触媒と溶媒を含む溶液(スラリー)を含浸させた後、乾燥して上記溶媒を除去することによって多孔質体5の内部に形成される。
このとき、当該多孔質体5の内部における電極触媒層3が形成された領域がガス拡散層4の外縁4aよりも内側となるように含浸することが望ましく、これによって電極触媒層3がその機能を十分に発揮できる部分のみに設置されるようになり、高価な触媒の使用量が低減されることになる。
図2(a)及び(b)は、本発明の燃料電池用膜電極接合体の他の構造例を示すそれぞれ平面図及び断面図であって、図に示す燃料電池用膜電極接合体1においては、多孔質体5が高分子電解質膜2とほぼ同じ大きさを有し、当該多孔質体5における電極触媒層3が形成された領域よりも外側の外周部分に高分子樹脂から成るシール層7が形成されており、この点以外は、図1に示した膜電極接合体と基本的に同じ構造を有している。
このようなシール層7を形成することによって、多孔質体5の外縁部でガスが遮断され、高分子電解質膜2を損傷することなく電極触媒層3を通過するガスの外部への流出が抑制されることになる。
なお、上記シール層7を構成する高分子樹脂材料としては、ガスのシール作用を発揮するものでありさえすれば、特に限定されるものではないが、高分子電解質膜2や電極触媒層3を構成する樹脂材料に対する反応などによる悪影響が生じることがないように、これらの高分子樹脂と同種の樹脂材料を用いることが望ましい。
上記電極触媒層3に含まれる触媒成分としては、例えば、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、金(Au)、銀(Ag)、Pd(パラジウム)、Ru(ルテニウム)、ロジウム(Rh)などの金属や、これらの合金から選択することができる。
なお、これら触媒金属粒子は、通常、カーボンブラックやグラファイトなどの導電性担体に担持された状態で使用され、上記のようにプロトン伝導性固体高分子樹脂や、必要に応じて撥水性ポリマー等と共に電極触媒層3を構成する。
このような構造を備えた燃料電池用膜電極接合体1は、例えば、プロトン伝導性固体高分子膜2の両面に多孔質体5を配置したのち、この多項質体5の中央部分であって、ガス拡散層4が配置される範囲よりも狭い領域に、触媒とプロトン伝導性高分子樹脂と溶媒とを含む溶液を含ませ、乾燥することによってこの溶液から溶媒を蒸発除去して多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成し、得られた積層体をホットプレスすることにより接合体を得る。この両面にカーボンペーパーやカーボン織布又は不織布から成るガス拡散層4を設置する。
また、上記多孔質体5をガス拡散層4に載置した状態で触媒を含む上記溶液を多孔質体5に同様に含浸させ、これをプロトン伝導性固体高分子膜2の両面に配置したのち、同様に乾燥し、溶媒を除去して多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成し、ホットプレスにより接合体にするようになすこともできる。
あるいは、基材シートに多孔質体5を配置し、この多項質体5に上記触媒溶液を同様に含浸させたのち、触媒溶液から溶媒を除去すべく乾燥させ、これらをプロトン伝導性固体高分子膜2の両面に配置した状態でホットプレスして、得られた積層体から上記基材シートを剥がすことによっても製造することができる。
なお、上記基材シートとしては、例えばPTFEを用いることができる。
さらに、図2(a)及び(b)に示したように、多孔質体5の外周部分にシール層7を形成するには、当該多孔質体5に上記触媒溶液を含浸させた後、当該含浸領域の外側部分に上記のような高分子材料を含浸する。なお、その時期は触媒溶液の含浸後であっても、ホットプレス後であってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。また、この実施例において、「%」は、特記されない限り、質量百分率を意味するものとする。
(実施例1)
まず、多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成するための触媒溶液(スラリー)として、触媒金属としてPt(白金)微粒子を担持させたカーボンブラック粉末(Vulcan XC72)及びプロトン伝導性の固体高分子樹脂溶液(ナフィオン(登録商標)の5%溶液)と共に、溶剤としてのアルコール溶液及び水を用いて、Pt使用量が0.3mg/cm、乾燥後の触媒担持カーボンブラック粉末と高分子樹脂の質量比が1対1となるようなスラリーを調製した。
次に、プロトン伝導性固体高分子膜としてナフィオン112を使用し、当該固体高分子膜2の上にポリイミドから成る多孔質体5(厚さ:18μm、気孔率:85%)を載置し、当該多孔質体5の中央部分であって、後述するガス拡散層4が配設される領域よりも内側の部分に上記スラリーを含浸させると共に、上記固体高分子膜2の裏面側にも同様の多孔質体5を載置し、同様にスラリーを含浸させたのち、乾燥して溶媒成分をスラリーから除去して上記多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成した。
さらに、電極触媒層3を備えた多孔質体5によって固体高分子膜2を挟持した状態をなす上記積層体の両側にカーボンペーパーから成るガス拡散層4を設置したのち、140℃の温度、10MPaの圧力のもとで120秒間ホットプレスすることによって、これらを接合し、図1に示すような膜電極接合体1を得た。
そして、このようにして得られた膜電極接合体1を図示しないガス流路形成部材及び集電体で挟み、燃料電池の単セルとした。
次いで、この単セルの性能を評価するため、1A/cmにおける出力電圧を計測した。
(実施例2)
上記実施例1で使用したガス拡散層4としてのカーボンペーパーの上に、上記多孔質体5を載置し、当該多孔質体5の中央部分に上記スラリーを同様に含浸させたのち、乾燥してスラリーに含まれる溶媒成分を除去し、多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成した。
次に、このようにして作製したガス拡散層4と電極触媒層3を備えた多孔質体5から成る積層体を実施例1と同様のプロトン伝導性固体高分子膜2の両側に設置し、同様の条件のもとにホットプレスしてこれらを接合し、図1に示すような膜電極接合体1を得た。
そして、上記実施例1と同様に、ガス流路形成部材及び集電体を用いて燃料電池の単セルとし、この単セルの出力電圧を同様に計測した。
(実施例3)
PTFEから成る基材シートを用意し、当該基材シートの上に、上記実施例と同様の多孔質体5を載置し、当該多孔質体5の中央部分に上記スラリーを同様に含浸させたのち、乾燥し、多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成した。
次いで、このような電極触媒層3を備えた多孔質体5と基材シートとの積層体を上記プロトン伝導性固体高分子膜2の両側に設置し、同様の条件のもとにホットプレスしたのち、基材シートを剥がし、さらにその両側にガス拡散層4としてのカーボンペーパーを設置して、これらを接合し、図1に示すような膜電極接合体1を得た。
そして、上記実施例と同様に、ガス流路形成部材及び集電体を用いて燃料電池の単セルを形成し、この単セルの出力電圧を同様に計測した。
(実施例4)
上記実施例2と同様に、ガス拡散層4としてのカーボンペーパーの上に載置した多孔質体5の中央部分に上記スラリーを同様に含浸させたのち、乾燥してスラリーに含まれる溶媒成分を除去し、多孔質体5の内部に電極触媒層3を形成した。
次に、上記多孔質体5の電極触媒層3の形成領域の外側に、高分子樹脂材料としてナフィオン溶液を含浸させて、多孔質体5の外周部分にシール層7を形成した。
次いで、このようにして得られたガス拡散層4と電極触媒層3及びシール層7を備えた多孔質体5との積層体を上記プロトン伝導性固体高分子膜2の両側に設置し、同様にホットプレスしてこれらを接合し、図2に示すような膜電極接合体1を得た。
そして、上記実施例と同様に、ガス流路形成部材及び集電体を用いて燃料電池の単セルとし、この単セルの出力電圧を同様に計測した。
(比較例)
多孔質体5を用いることなく、プロトン伝導性固体高分子膜であるナフィオン112の両面に、カーボンペーパー(ガス拡散層)に上記スラリーを用いて電極触媒層を付着させたものをホットプレスすることによって、当該比較例の膜電極接合体を得た。
そして、同様にガス流路形成部材及び集電体を用いて燃料電池の単セルとし、この単セルの出力電圧を同様に計測した。
〔測定結果〕
上記実施例1〜4及び比較例に係わる膜電極接合体を用いた燃料電池単セルにおける開放端での電圧測定結果を図3に示す。
図3の結果から明らかなように、多孔質体を使用することなく、高分子電解質膜とガス拡散層の間に電極触媒層を直接形成した比較例の膜電極接合体を用いた単セルにおいては、ガス拡散層の端部エッジ状部分やガス拡散層を構成するカーボン繊維によって高分子電解質膜がホットプレスによる接合時に損傷されると共に、セルの運転時においても、電解質膜の損傷が伸展することから、ガスのクロスリークが発生していると考えられ、初期電圧が低く、しかも運転時間の経過と共に出力電圧が低下する現象認められた。
これに対し、高分子電解質膜とガス拡散層の間に多孔質体を介在させ、この多孔質体の内部に電極触媒層を設けた本発明の膜電極接合体を用いた単セルにおいては、上記ガス拡散層による高分子電解質膜に対するアタックが緩和され、電解質膜の損傷が回避されることから、初期電圧が高いばかりでなく、経時的な性能劣化幅も小さく、特に多孔質体の外周部にシール層を設けた実施例4の膜電極接合体においては、ガスシールがより完全なものとなることから、経時劣化が極めて少なく、長期に亘って良好な電池性能を維持することができることが確認された。
(a)及び(b)は本発明の燃料電池用膜電極接合体の構造を示すそれぞれ断面図及び平面図である。 (a)及び(b)は本発明の燃料電池用膜電極接合体の他の構造を示すそれぞれ断面図及び平面図である。 実施例及び比較例に係わる膜電極接合体を用いた燃料電池単セルの出力電圧の経時変化を比較して示すグラフである。
符号の説明
1 燃料電池用膜電極接合体
2 プロトンイオン伝導性固体高分子膜(高分子電解質膜)
3 電極触媒層
4 ガス拡散層
5 多孔質体
7 シール層

Claims (8)

  1. プロトン伝導性固体高分子膜と、電極触媒層と、ガス拡散層を備えた燃料電池用の膜電極接合体において、上記電極触媒層が多孔質体の内部に形成され、当該多孔質体の外縁がガス拡散層の外縁よりも外側に位置することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  2. 上記多孔質体における電極触媒層が形成された領域が上記ガス拡散層の外縁よりも内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体。
  3. 上記多孔質体における電極触媒層が形成された領域よりも外側に高分子樹脂から成るシール層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用膜電極接合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、プロトン伝導性固体高分子膜に多孔質体を配置する工程と、該多項質体に触媒とプロトン伝導性高分子樹脂と溶媒とを含む溶液を含ませる工程と、上記溶液から溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、ガス拡散層に多孔質体を配置する工程と、該多項質体に触媒とプロトン伝導性高分子樹脂と溶媒とを含む溶液を含ませる工程と、上記ガス拡散層及び多孔質体をプロトン伝導性固体高分子膜に配置する工程と、上記溶液から溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、基材シートに多孔質体を配置する工程と、該多項質体に触媒とプロトン伝導性高分子樹脂と溶媒とを含む溶液を含ませる工程と、上記基材シート及び多孔質体をプロトン伝導性固体高分子膜に配置する工程と、上記溶液から溶媒を除去する工程と、上記多孔質体から基材シートを除去する工程を含むことを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  7. 上記多孔質体における溶液を含ませた領域よりも外側に高分子樹脂を含ませる工程を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用膜電極接合体とガス流路形成部材を複数個積層して成ることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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