図1は、本発明の一実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外観構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。このインクジェット式プリンタ100は、例えばJIS規格のA4判からJIS規格のA2判といった比較的大型のサイズのいわゆるカットされた用紙及びロール状の用紙に記録できる卓上型の大型のプリンタであり、全体が幅方向に長く延びる略直方体状のハウジング101で覆われている。
このハウジング101の上面には、矩形状の窓部102が形成されている。この窓部102は、透明もしくは半透明の窓カバー103によって覆われている。窓カバー103は、その上部の回動軸を中心に図示矢印a方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、窓カバー103を持ち上げて窓部102を開放することにより、窓部102を通して内部機構のメンテナンス作業等を行うことができる。
ハウジング101の前面両側には、複数のインクカートリッジが抜き差しされるカートリッジ収納部104がそれぞれ形成されている。各インクカートリッジは、記録用の各色のインクを貯留している。各カートリッジ収納部104は、透明もしくは半透明のカートリッジカバー105によって覆われている。カートリッジカバー105は、その下部の回動軸を中心に図示矢印b方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、カートリッジカバー105を軽く押して係止部を外しカートリッジ収納部104を開放することにより、インクカートリッジの交換作業等を行うことができる。
ハウジング101の前面右側のカートリッジ収納部104の上部には、プリンタ動作を指示する操作部110が配設されている。操作部110は、パワーをオン・オフするパワー系、用紙の頭出し等を操作したりインクのフラッシング等を操作する操作系、画像処理等を行う処理系等のボタン111と、状態を表示する液晶パネル112等を備えている。ユーザは、液晶パネル112を見て確認しながらボタン111を操作することができる。
ハウジング101の前面右側のカートリッジ収納部104の下部には、廃液タンク120が抜き差しされるタンク収納部106が形成されている。この廃液タンク120は、記録ヘッド162(図5参照)のクリーニング処理時やインクカートリッジの交換時に廃棄される廃インクを貯留する。ユーザは、廃液タンク120を引き出すことにより、内部に溜まっている廃インクの廃棄作業等を行うことができる。
ハウジング101の背面には、ロール状の用紙を給紙する給紙部130が上部後方に突き出るように配設されている。給紙部130の内部には、1本のロール状の用紙がセット可能な図示しないロール紙ホルダが配設され、給紙部130の前面には、跳ね上げ式の開閉可能なロール紙カバー131が図示しないロール紙ホルダを覆うように取り付けられている。ユーザは、ロール紙カバー131を持ち上げて給紙部130を開放することにより、ロール状の用紙の取り付け・取り外し作業等を行うことができる。なお、ロール紙カバー131の上面は、カットされた用紙を手差しで給紙案内することが可能な給紙案内面に形成されている。
ハウジング101の前面中央、すなわち一対のカートリッジ収納部104の間には、記録前のカットされた用紙及び記録後のカットされた用紙またはロール状の用紙を積載する給排紙トレイ200が抜き差しされる給排紙部140が形成されている。なお、この給排紙部140は、搬送時に折り曲げることが不可能な厚手の用紙を手差しで給紙することが可能なようにも形成されている。
この給排紙部140には、給排紙トレイ200の前部が差し込まれ、給排紙トレイ200の後部が突き出るようにして固定される。給排紙トレイ200は、カセット型に形成されており、内部に記録前の給紙されるカットされた用紙が積層収納され、上部に記録後の排紙されるカットされた用紙またはロール状の用紙が積層載置されるようなっている。このような給排紙トレイ200の詳細構造について、図2〜図4を参照して以下説明する。
図2は、上記給排紙トレイ200の外観構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。この給排紙トレイ200は、箱状に形成された給紙トレイ210と、この給紙トレイ210の上面を覆う蓋状に形成された排紙トレイ230を備えている。給排紙トレイ200は、給排紙方向に伸縮自在に形成されており、不使用のときはコンパクトに格納しておくことができ、また使用のときは種々のサイズのカットされた用紙に対応可能になっている。
図3及び図4は、給排紙トレイ200が装着された給排紙部140を示す斜視図である。カットされた用紙を積層載置する場合は、図3に示すように、ロール紙案内部240は排紙部材239aの上面に格納した状態、すなわち排紙部材239aの上面はフラットな面にする。これにより、排紙ローラ155(図5参照)を通って排紙されるカットされた用紙は、断面がL字状に形成された案内部145の側面及び底面と排紙部材239a〜239dの上面とで形成される排紙受け面上にスムーズに積層載置される。
なお、案内部145の底面には、スポンジマット145aが貼着されている。このスポンジマット145aは、1枚目のカットされた用紙を載置した後、2枚目のカットされた用紙が排紙されてきたとき、2枚目のカットされた用紙の先端が1枚目のカットされた用紙を突付いて排紙受け面から突き落としてしまうことを防止するための滑り止めの機能を有している。
一方、ロール状の用紙を積層載置する場合は、図4に示すように、排紙部材239aの上面に格納されているロール紙案内部240の第1の案内板241の他長辺側にユーザが指を掛けて後方に向かって旋回させる。すると、第2の案内板242が第1の案内板241に引っ張られて、長手方向の一端側が持ち上げられ、長手方向の他端側が排紙部材239aの上面に形成されている溝239aaに沿って後方に摺動する。そして、第1の案内板241と第2の案内板242とがなす角度が鋭角になるまで、第1の案内板241を旋回させる。
これにより、第2の案内板242は、その長手方向の一端側が案内部の側面の頂部に近接して滑り台状になる。このため、排紙ローラを通って排紙されるロール状の用紙がカールしていても、その先端が案内部側に巻き込まれてしまうことはなく、その先端は滑り台状の第2の案内板242上を滑走して排紙部材239a〜239dの上面側に導かれる。したがって、ロール状の用紙は、第2の案内板242と排紙部材239a〜239dの上面とで形成される排紙受け面上にスムーズに積層載置される。
図5は、図1のインクジェット式プリンタ100の内部構成の概略を示す断面側面図である。ハウジング101内には、給排紙部140と記録部160と本発明の特徴的な部分を含む搬送部150等が配設されている。給排紙部140には、カットされた用紙を給紙するためのホッパ141、給紙ローラ142、分離部材143等が配設されている。ホッパ141は、カットされた用紙が載置可能な平板状に形成されており、一端が給紙ローラ142と分離部材143の近傍に位置し、他端が装着されている給排紙トレイ200の給紙部210の底面に近接して位置するように配設されている。そして、ホッパ141は、一端側の裏面にハウジング101の底面に一端が取り付けられた圧縮バネ144の他端が取り付けられており、この圧縮バネ144の伸縮により他端側を中心に一端側が旋回するように配設されている。
給紙ローラ142は、断面の一部が切り欠かれたD字状に形成されており、間欠的に回転してホッパ141上のカットされた用紙を摩擦搬送するようになっている。分離部材143は、上面が粗面に形成されており、給紙ローラ142によりカットされた用紙が重送されたときに下層のカットされた用紙を最上層のカットされた用紙から摩擦分離するようになっている。ここで、ホッパ141上に載置されたカットされた用紙と給紙ローラ142との関係について図6を参照して説明する。
図6は、ホッパ141上に載置されたカットされた用紙と給紙ローラ142との接触状態を示す図である。図6(A)は、ホッパ141上に最大枚数のカットされた用紙Pが載置された場合であり、この場合はホッパ141が上昇したとき、最上層のカットされた用紙P1が給紙ローラ142の切り欠き部分には接触せず、少なくとも円弧開始点142a以降の円周に接触するように調節されている。
また、図6(B)は、ホッパ141上に最小枚数(1枚)のカットされた用紙P1が載置された場合であり、この場合はホッパ141が上昇したとき、そのカットされた用紙P1が給紙ローラ142の円弧開始点142aから少し回転した点142bに接触するように調節されている。この接触点142bは、接触点142bから円弧終了点142cまでの円周長さが、用紙P1の先端psからサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aまでの間隔と同一長aとなるときの点である。
以上のように調節することにより、ホッパ141上に載置されるカットされた用紙Pが最大枚数以下であれば、最上層のカットされた用紙P1の先端psがサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aに届くまで、カットされた用紙P1は給紙ローラ142からレリースされないので、カットされた用紙P1をサブローラ151に確実に受け渡すことができ、給紙ミスを無くすことができる。
搬送部150には、用紙を搬送するためのサブローラ151とその従動ローラ152a、152b、152c、紙送りローラ153とその従動ローラ154、本発明の特徴的な部分である排出部を構成する排紙ローラ155とその従動ローラ156、用紙を検知する検知センサ157a、157b等が配設されている。サブローラ151は、給紙トレイ210から給紙されるカットされた用紙を排紙トレイ230に排紙するために、カットされた用紙を従動ローラ152a、152b、152cとともに挟持してU字状に反転搬送させるようになっている。また、サブローラ151は、給紙部130から給紙されるロール状の用紙を排紙部230に排紙するために、ロール状の用紙を従動ローラ152cとともに挟持して搬送させるようになっている。
紙送りローラ153は、反転搬送されてきたカットされた用紙もしくは給紙されてくるロール状の用紙を従動ローラ154とともに挟持してプラテン163へ送り出すようになっている。排紙ローラ155は、プラテン163を通過してくる用紙を単独で支持し、あるいは従動ローラ156とともに挟持して排紙トレイ230上へ排紙するようになっている。検知センサ157aは、給紙されてくるカットされた用紙のスキュー取りの際の搬送量を検知するようになっている。検知センサ157bは、反転搬送されてくるカットされた用紙もしくは搬送されてくるロール状の用紙の頭出しの際の搬送量を検知するようになっている。
記録部160には、キャリッジ161、記録ヘッド162、プラテン163及び支持リブ164等が配設されている。キャリッジ161は、図示しないキャリッジベルトに連結されており、図示しないキャリッジ駆動装置によってキャリッジベルトが作動すると、キャリッジベルトの動きに連行され、図示しないガイド軸に案内されて用紙上を搬送直交方向に往復移動するようになっている。さらに、キャリッジ161は、下方の用紙に向けてインク滴を吐出可能な記録ヘッド162が搭載されている。
記録ヘッド162は、例えば2種類のブラックインクを吐出する複数のブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、ダークイエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタの6色のインク滴をそれぞれ吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド162は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口からプラテン163上の用紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。プラテン163は、その上面である記録案内面163aにて、紙送りローラ153及び従動ローラ154から排紙ローラ155及び従動ローラ156に向かって搬送される用紙を支持して案内し、あるいは支持リブ164とともに支持して案内するようになっている。
支持リブ164は、プラテン163の記録案内面163aに形成されているスリット163bから突き出しまたは引っ込むリブ(凸部)21と、このリブ21の突出・引込を切り替える切替軸(第1の切替手段)22を備えている。リブ21は、略三角形の板状に形成されており、円弧状の一角部が記録案内面163aから突き出て用紙を支持するようになっている。切替軸22は、両端がプラテン163の側面163cに軸支持されている。そして、切替軸22の周面には、リブ21が軸方向に所定間隔を空けて複数個配設されている。
このような支持リブ164によれば、切替軸22を回転させることにより、プラテン163の記録案内面163aに形成されているスリット163bにおいて、リブ21における円弧状の一角部と平坦な部分とを任意に切り替えることができる。すなわち、プラテン163の記録案内面163aに形成されているスリット163bに、リブ21の円弧状の一角部を位置決めすることによりリブ21を突き出させることができ、リブ21の平坦な部分を位置決めすることによりリブ21を引っ込めることができる。したがって、上記切替により後で詳述する多くの属性の用紙に対応することができる。
図7及び図8は、本発明の特徴的な部分である上記従動ローラ156の詳細構成を示す斜視図、図9は、その概略三面図である。なお、図8は、図7におけるレバー40を取り外した状態を示している。従動ローラ156は、排紙ローラ155上に搬送されてくる用紙の記録面に対し当接または離間するギザローラ(押え部)11及びコロローラ(押え部)12と、これらのローラ11、12の当接・離間を切り替える切替軸(切替手段)14を備えている。
ギザローラ11は、周面に鋸刃状の突起が形成されており、用紙の記録面に食い込んで用紙を排紙ローラ155と挟持することにより確実に搬送するようになっている。コロローラ12は、周面が滑らかに形成されており、用紙の記録面を押圧して用紙を排紙ローラ155と挟持することにより確実に搬送するようになっている。切替軸14は、両端がフレーム(切替手段)15に形成されている楕円状の穴15aに軸回転可能に、かつ穴15a内で移動可能に軸支持されている。そして、切替軸14の周面には、ギザローラ11とコロローラ12とギザローラ11やコロローラ12が配設されていない図5に示すレリース部(空白部)13が円周方向に所定間隔を空けて配設され、かつこれらが軸方向に所定間隔を空けて複数組配設されている。
このような従動ローラ156によれば、切替軸14を回転させることにより、ギザローラ11とコロローラ12、ギザローラ11とレリース部13、コロローラ12とレリース部13を任意に切り替えることができる。このギザローラ11とレリース部13またはコロローラ12とレリース部13の切替は、用紙の記録面に対するギザローラ11またはコロローラ12の当接・離間を擬似的に行っていることになる。したがって、上記各切替により後で詳述する多くの属性の用紙に対応することができる。なお、従動ローラ156には、ギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の3種を各1個ずつ配設するようにしたが、これに限定されるものではなく、1種以上を2個以上で任意の組み合わせで配設するようにしても良い。
上述した従動ローラ156の切替軸14と支持リブ164の切替軸22は、ギア機構30により連動するようになっている。このギア機構30は、切替軸14の一端に嵌入されたローラギア31、切替軸22の一端に嵌入されたリブギア32、これらのローラギア31とリブギア32の間で噛み合う第1中間ギア33及び第2中間ギア34、この第2中間ギア34と断続的に噛み合う遊星ギア35を備えている。この遊星ギア35は、図示しないモータの正逆回転により切替軸14、22の切替駆動と従動ローラ152a、152b、152cのレリース駆動とを切り替える機能を有している。
さらに、ギア機構30は、ローラギア31と第1中間ギア33と第2中間ギア34の各軸を連結するとともにフレーム15にバネ36を介して係止されているアーム37、切替軸14の一端に嵌入された位置決めカム38(図8参照)、アーム37にバネ39を介して係止されているとともに位置決めカム38に係止されている位置決めレバー40(図9参照)、アーム37の位置によりオンオフするリミットスイッチ41を備えている。また、切替軸14の他端に嵌入された位相検出カム42(図9参照)、この位相検出カム42の位置によりオンオフするリミットスイッチ43(図9参照)を備えている。
バネ36はアーム37を下方に付勢しており、これにより切替軸14は通常は穴15a内の下方の定位置に位置決めされるようになっている。位置決めカム38の周面には、切替軸14の切替位置、すなわちギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の切替位置に合わせて3箇所の位置決め用切り欠き38aが設けられている。位置決めレバー40は、一端に位置決めカム38の位置決め用切り欠き38aに噛み合う突起40aが設けられており、突起40aが位置決めカム38の周面に沿って摺動可能なように、アーム37の側面にスライド自在に取り付けられている。
バネ39は位置決めレバー40をスライド方向に付勢しており、これにより位置決めレバー40の突起40aは位置決めカム38の周面に常時押圧されるようになっている。位相検出カム42の周面には、切替軸14の切替位置、すなわちギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の切替位置に合わせて3箇所の位相検出用切り欠き42aが設けられている。
このようなギア機構30によれば、モータの駆動力は、遊星ギア35を介して第2中間ギア34からリブギア32に伝達されるとともに第1中間ギア33を経てローラギア31に伝達される。したがって、切替軸22と切替軸14を連動させてリブ21の突出・引込の切替及びギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の切替を同時に行うことができる。なお、ギア機構の代わりにプーリとベルト機構によっても従動ローラ156の切替軸14と支持リブ164の切替軸22を連動させることができる。
このギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の切替が行われるとき、切替軸14の回転に伴って位置決めカム38及び位相検出カム42が回転し、位置決めレバー40の突起40aが位置決めカム38の位置決め用切り欠き38aから外れて周面に沿って摺動するとともに、リミットスイッチ43のレバーが位相検出カム42の位相検出用切り欠き42aから外れて周面に沿って摺動する。このリミットスイッチ43からの信号により、上記切替動作中であることを確実に検知することができる。なお、何らかの外的要因で、切替軸14が穴15a内の下方の定位置から浮き上がるような異常が発生した場合、アーム37がリミットスイッチ41から離れるので、このリミットスイッチ41からの信号により、上記異常の発生を確実に検知することができる。
そして、位置決めレバー40の突起40aが位置決めカム38の位置決め用切り欠き38aに再び噛み合うとともに、リミットスイッチ43のレバーが位相検出カム42の位相検出用切り欠き42aに再び噛み合ったとき、ギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の切替が完了する。このように、位置決めレバー40の突起40aと位置決めカム38の位置決め用切り欠き38aとを噛み合せているので、ギザローラ11とコロローラ12とレリース部13の位相を確実に合わせることができる。また、リミットスイッチ43からの信号により、上記切替動作が完了したことを確実に検知することができる。
図10は、従動ローラ156と支持リブ164の切替状態を具体的に示す図である。図10(A)は、従動ローラ156がレリース部13に切り替わり、ギザローラ11とコロローラ12が排紙ローラ155から離間した状態となっており、支持リブ164はリブ21がプラテン163の記録案内面163aから引っ込んだ状態となっている。図10(B)は、従動ローラ156がギザローラ11またはコロローラ12に切り替わり、ギザローラ11またはコロローラ12が排紙ローラ155に当接した状態となっており、支持リブ164はリブ21がプラテン163の記録案内面163aから引っ込んだ状態となっている。
図10(C)は、従動ローラ156がギザローラ11またはコロローラ12に切り替わり、ギザローラ11またはコロローラ12が排紙ローラ155に当接した状態となっており、支持リブ164はリブ21がプラテン163の記録案内面163aから突き出た状態となっている。このような切替を行うことにより、用紙の属性に最適な排紙形態とすることができる。
図11は、用紙の属性に対応した従動ローラ156と支持リブ164の切替状態を示す図である。図11(1)に示すように、用紙の紙種がカット紙であり、紙状態がノーマルな状態であるときは、ギザローラ11に切り替えるとともにリブ21を突出した状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。ノーマルなカット紙の場合、ギザ痕が付き難く、また浮き上がりが発生し易いからである。
図11(2)に示すように、用紙の紙種がカット紙であり、紙状態が傷付き易いときは、コロローラ12に切り替えるとともにリブ21を突出した状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。傷付き易いカット紙の場合、周面が平滑なコロの方が傷付き難く、また浮き上がりが発生し易いからである。
図11(3)に示すように、用紙の紙種がロール紙であり、紙状態がノーマルな状態であるときは、レリース部13に切り替えるとともにリブ21を引っ込めた状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。ノーマルなロール紙の場合、カッタでカットする必要があるのでギザローラ11やコロローラ12が有ると干渉するおそれがあり、またカールしているのでリブ21が有ると擦れるおそれがあるからである。
図11(4)に示すように、用紙の紙種がロール紙であり、紙状態が薄手であるときは、レリース部13からギザローラ11に排紙のときのみ切り替えるとともにリブ21を常時引っ込めた状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。薄手のロール紙の場合、静電気が発生し易いためプラテン163等に貼り付いて排紙困難となるおそれがあり、またカールしているのでリブ21が有ると擦れるおそれがあるからである。
図11(5)に示すように、用紙の紙種がロール紙であり、紙状態が高吸湿性であるときは、レリース部13からギザローラ11に記録から排紙までの間は切り替えるとともにリブ21を常時引っ込めた状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。高吸湿性のロール紙の場合、いわゆるコックリングにより浮き上がりが発生し易いからであり、またカールしているのでリブ21が有ると擦れるおそれがあるからである。
図11(6)に示すように、用紙の紙種がロール紙であり、紙状態が短くカットするときは、レリース部13からギザローラ11に排紙のときのみ切り替えるとともにリブ21を常時引っ込めた状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。短くカットするロール紙の場合、プラテン163上で遊んで排紙困難となるおそれがあり、またカールしているのでリブ21が有ると擦れるおそれがあるからである。
図11(7)に示すように、用紙の紙種が手差し用紙であり、紙状態が厚手であるときは、レリース部13に切り替えるとともにリブ21を引っ込めた状態に切り替えることにより最適な排紙形態とすることができる。厚手の手差し用紙の場合、ギザローラ11やコロローラ12、リブ21が有ると干渉するおそれがあるからである。このようなデータはテーブルとしてインクジェット式プリンタ100の制御部に記憶させておくことにより、従動ローラ156と支持リブ164の切替を自動的に行うことができる。
なお、上述した実施形態では、従動ローラ156の切替軸14と支持リブ164の切替軸22は、ギア機構30により連動するように構成したが、これに限定されるものではなく、従動ローラ156の切替軸14と支持リブ164の切替軸22は、別々のギア機構等により独自に動作するように構成しても良い。また、従動ローラ156のみを設け、支持リブ164は設けなくても多くの属性の用紙に対応することができる。
このような構成において、インクジェット式プリンタ100にてノーマルのカットされた用紙に記録する場合の動作について図12及び図13を参照して説明する。先ず、制御部は、ノーマルのカット紙に対応する従動ローラ156と支持リブ164の切替を自動的に行う。すなわち、従動ローラ156はギザローラ11に切り替えられ、支持リブ164のリブ21は引っ込められる。そして、給排紙部140に装着された給排紙トレイ200の給紙トレイ210内に積層収納されたカットされた用紙Pは、用紙束が給紙ローラ142の回転に機械的に同期した圧縮バネ144の復元によるホッパ141の上昇により給紙ローラ142に押付けられ、最上層のカットされた用紙Pのみが分離部材143により分離されて搬送部150へ給紙される。
そして、図12(A)に示すように、給紙されるカットされた用紙Pがサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aに到達すると、カットされた用紙Pのスキュー取りが行われる。このスキュー取り方法は、用紙厚によって異なる方法が採られる。すなわち、普通紙以下の薄手のカットされた用紙の場合は、カットされた用紙の先端を少しだけサブローラ151とその従動ローラ152aとの間に食い込ませ、その後にローラ151、152aを逆転させてカットされた用紙を撓ませることにより、カットされた用紙の先端を揃えてスキュー取りする方法が採られる。
一方、普通紙より厚手のカットされた用紙の場合は、カットされた用紙の先端をサブローラ151とその従動ローラ152aとの接触点151aに突き当て、給紙ローラ142をスリップさせることでカットされた用紙の先端を揃えてスキュー取りする方法が採られる。なお、上記食い込み量及び突き当て量は、検知センサ157aにより検知され、この検知量にしたがってスキュー取りが制御される。
このように、用紙厚によってスキュー取り方法を異ならせるのは、薄手のカットされた用紙は腰が無いために、給紙ローラ142はカットされた用紙上でスリップせずにカットされた用紙を送り出してしまうおそれがあるからであり、厚手のカットされた用紙は薄手のカットされた用紙を貼り合わせた構造であるため、ローラ151、152aを逆転させたときに剥離してしまうおそれがあるためである。
スキュー取りが完了したカットされた用紙Pは、図示しない紙送りモータにより駆動されているサブローラ151とその従動ローラ152a、152b、152cに挟持されてU字経路で反転、すなわち給紙方向とは逆方向に搬送される。そして、図12(B)に示すように、カットされた用紙Pの先端が検知センサ157bの検知位置DPに到達すると、カットされた用紙Pの記録開始位置決めである頭出しが行われる。
すなわち、カットされた用紙Pの先端が、検知位置DPから紙送りローラ153とその従動ローラ154の間を通って図13(A)に示す頭出し位置HPに到達するまで、検知センサ157bにより搬送量が検知され、この検知量にしたがって頭出しが制御される。なお、従来の頭出しはサブローラ151より上流側に配設されている検知センサ157aにより行っていたが、この頭出しはサブローラ151より下流側に配設されている検知センサ157bにより行うので、検知量が少なくて済み、特に用紙厚による頭出し誤差を無くして頭出し精度を高めることができる。
その後、頭出しが完了したカットされた用紙Pは、図示しない紙送りモータにより駆動されている紙送りローラ153とその従動ローラ154に挟持されて記録部160へ搬送されることになる。したがって、サブローラ151とその従動ローラ152a、152b、152cによるカットされた用紙Pの挟持は搬送精度を悪化させる原因になるので、図13(B)に示すように、各従動ローラ152a、152b、152cはサブローラ151からレリースする。
搬送されるカットされた用紙Pは、図示しない吸引ポンプによりプラテン163上に吸着されて平坦にされ、図示しないキャリッジモータとタイミングベルトにより走査されるキャリッジ161に搭載された記録ヘッド162により記録される。そして、インクジェット式プリンタ100の制御部は、例えばイエロー、ライトイエロー、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアン、ライトシアン、ブラックの計7色のインクカートリッジから記録ヘッド162へ各色インクを供給し、各色インクの吐出タイミング及びキャリッジ161や紙送りローラ153の駆動を制御して、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等を実行する。そして、記録が完了したカットされた用紙Pは、図示しない紙送りモータにより駆動されている排紙ローラ155とギザローラ11とに挟持されて給排紙部140へ排紙され、給排紙トレイ200の排紙トレイ230上へ積層載置される。
以上のように、本実施形態のインクジェット式プリンタ100によれば、用紙の属性に応じてギザローラ11やコロローラ12を用紙の記録面に対して当接させたり離間させたりすることができる。したがって、特に記録面が傷付き易い用紙を排紙するときは、ギザローラ11やコロローラ12を離間、すなわちレリース部13に切り替えておくことにより記録面の傷付きを防止することができ、記録精度を高精度な状態で維持することができる。また、用紙の属性に応じて切替軸14を切り替えるので、インクジェット式プリンタ100の制御部による自動切替に設定することが可能となり、ユーザの切替ミスによる記録むらや用紙の汚染及び記録面の傷付きを確実に防止することができる。
11 ギザローラ、12 コロローラ、13 レリース部、14 切替軸、15 フレーム、21 リブ、22 切替軸、30 ギア機構、100 インクジェット式プリンタ、101 ハウジング、104 カートリッジ収納部、105 カートリッジカバー、110 操作部、111 ボタン、112 液晶パネル、130 給紙部、140 給排紙部、141 ホッパ、142 給紙ローラ、143 分離部材、150 搬送部、151 サブローラ、152a、152b、152c 従動ローラ、153 紙送りローラ、154 従動ローラ、155 排紙ローラ、156 従動ローラ、160 記録部、161 キャリッジ、162 記録ヘッド、163 プラテン、163a 記録案内面、163b スリット、164 支持リブ、200 給排紙トレイ、210 給紙トレイ、230 排紙トレイ