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JP2005029604A - 軟質難燃樹脂材料およびそれを用いた電線・ケーブル - Google Patents

軟質難燃樹脂材料およびそれを用いた電線・ケーブル Download PDF

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JP2005029604A
JP2005029604A JP2003193288A JP2003193288A JP2005029604A JP 2005029604 A JP2005029604 A JP 2005029604A JP 2003193288 A JP2003193288 A JP 2003193288A JP 2003193288 A JP2003193288 A JP 2003193288A JP 2005029604 A JP2005029604 A JP 2005029604A
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soft
retardant resin
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JP2003193288A
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Minoru Takaishi
稔 高石
Hideo Kawabata
秀雄 川端
Satoshi Kaneko
智 金子
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

【課題】燃焼時に毒性のあるハロゲン化水素を発生しない無公害型難燃性樹脂組成物として、PVCの代わりに、水酸化マグネシウムなどの無機難燃剤を配合した脂組成物が、電線・ケーブル等シース層や絶縁層として使用されているが、これらは配線施工時の端末処理作業が容易でないという難点があり、これらの作業性の良い難燃性樹脂材料を提供する。
【解決手段】エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体、超低密度ポリエチレンの少なくとも1種、軟質材料および/または液状軟化剤、ならびに官能基含有オレフィン重合体を含む樹脂成分100質量部と、無機難燃剤30〜200質量部から構成される難燃樹脂組成物であり、そのシート材のノッチ入り引張衝撃強さが98kJ/m以下、かつ引張弾性率が150MPa以下である軟質難燃樹脂材料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電線・ケーブル等の配線施工時における、端末等の加工の容易な軟質難燃樹脂材料、およびそれを用いた電線・ケーブルに関し、さらに詳しくは製造時の生産性が高く、かつ、シース等の被覆層および/または絶縁体層の剥離が容易で端末処理の効率も良い樹脂材料およびその電線、ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの汎用電線、例えば低圧絶縁電線(IV)、平形ケーブル(VVF)、600V低圧電力ケーブル(CV)、600V低圧電力ケーブル(CVT)、3.3KV高圧電力ケーブル(CV)、6.6KV高圧電力ケーブル(CVT)、制御ケーブル(CVV)などはポリ塩化ビニル樹脂(PVC)が多く用いられてきたが、廃棄焼却する場合において、ハロゲン化水素やダイオキシンの発生等の問題を有している。
昨今ではより高い安全性を求め環境汚染を少なくする等の要望からPVCの代替としてノンハロゲン系の難燃性樹脂組成物を用いた難燃電線・ケーブルが開発されている。
このような難燃性樹脂組成物を用いた電線・ケーブルの燃焼時の煙の発生、その毒性、あるいはそれによる腐食等の二次災害を防止する目的から、燃焼時において、毒性のあるハロゲン化水素を発生しない無公害型難燃性樹脂組成物として水酸化マグネシウムなどの無機難燃剤を配合した難燃性樹脂組成物が特許文献1〜4等に提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−231040号公報
【特許文献2】特開昭61−254646号公報
【特許文献3】特開昭61−255950号公報
【特許文献4】特開平1−141929号公報
【0004】
また、昨今ではより安価な天然鉱石を粉砕した水酸化マグネシウムを使用したエコ−ケーブルが開発され、ポリオレフィン系樹脂とシランカップリング剤で表面処理を施した天然水酸化マグネシウムを用いた樹脂組成物の吸湿性を抑え、発泡を防止した難燃性樹脂組成物が特許文献5、6に示されている。
【0005】
【特許文献5】特開平5−017692号公報
【特許文献6】特開平7−161230号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、電線・ケーブル等の配線施工時における、端末処理としては、被覆層(シース)や絶縁層を冶具等により芯線から剥ぎ取り切断し、芯線を各種のコネクターの圧着あるいははんだ付けをするなどの処理加工を施している。上記PVCからなる電線・ケーブルはこれらの剥離性に非常に優れているが、水酸化マグネシウム等の無機難燃剤を用いたノンハロゲン系難燃性樹脂組成物は、端末加工時に切断しづらく、また絶縁体とシースの密着性もあるため、配線時の作業性に劣るという問題があった。この密着防止対策としては、加工線速(生産性)を低減して、材料温度の上昇を抑えると共に、シース押出加工時に絶縁体表面に、主として無機質の粉体を塗布することで対策を図っているが前記のような易剥離性、易切れ性については十分でなく、PVC電線・ケーブル並ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の問題点を解消したもので、芯線から容易に剥離可能で、またこれらを切断しやすく端末加工が容易な難燃性樹脂組成物からなる材料およびそれを用いた電線・ケーブルを提供するものである。
すなわち、本発明の第1はエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A1)、エチレン・ビニルエステル共重合体(A2)、密度0.88〜0.91g/cmの超低密度ポリエチレン(A3)から選択される少なくとも1種のエチレン共重合体(A)50〜98質量%、軟質材料(B)および/または液状軟化剤(C)1〜30質量%、ならびに官能基含有オレフィン重合体(D)1〜20質量%を含む樹脂成分100質量部と、無機難燃剤(E)30〜200質量部から構成される難燃樹脂組成物からなり、そのシート材のノッチ入り引張衝撃強さが98kJ/m以下、かつ引張弾性率が150MPa以下であることを特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0008】
また、本発明の第2は、前記第1の発明の樹脂成分100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド(F1)および/または有機シリコーン化合物(F2)0.05〜5質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料である。
【0009】
また、本発明の第3は、前記第1または第2の発明の樹脂成分100質量部に対して、酸化カルシウム(G)0.1〜15質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料である。
【0010】
また、本発明の第4は、前記第1から第3のいずれかに記載の発明において、エチレン共重合体(A)がエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0011】
また、本発明の第5は、前記第1から第4のいずれかに記載の発明において、前記軟質材料(B)が、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−オクテン共重合体ゴムから選択される少なくとも1種であること特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0012】
また、本発明の第6は、前記第1から第5のいずれかに記載の発明において、前記官能基含有オレフィン重合体(D)が、酸無水物基含有オレフィン系ランダム共重合体(D1)および/または変性ポリオレフィン系樹脂(D2)からなることを特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0013】
また、本発明の第7は、前記第1から第6のいずれかに記載の発明において、前記無機難燃剤(E)が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの少なくとも1種を主成分とする無機難燃剤であることを特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0014】
また、本発明の第8は、前記第1から第6のいずれかに記載の発明において、前記無機難燃剤(E)が、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種の表面処理剤(H)で処理してなる水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物であることを特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0015】
また、本発明の第9は、前記請求項1から第8のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料を絶縁層および/またはシース層に用いたことを特徴とする電線・ケーブルである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
[エチレン共重合体(A)]
エチレン共重合体(A)としては、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A1)、エチレン・ビニルエステル共重合体(A2)あるいは密度が0.88〜0.91g/cmの超低密度ポリエチレン(A3)の少なくとも1種が用いられる。
【0017】
{エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A1)}
上記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体の代表的な共重合体としては、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体;エチレン・無水マレイン酸・酢酸ビニル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸エチル共重合体等の二元共重合体又は多元共重合体、あるいはそれらの金属塩等が挙げられる。
すなわち、これらのコモノマーである、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%の範囲である。
また、上記金属塩の金属としては、K、Na、Li、Ca、Zn、Mg、Al等が挙げられる。
【0018】
{エチレン・ビニルエステル共重合体(A2)}
上記エチレン・ビニルエステル共重合体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるものであり、エチレンと、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。エチレン50〜99.5質量%、ビニルエステル0.5〜50質量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5質量%からなる共重合体が好ましい。さらにビニルエステル含有量は、より好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%の範囲で選択される。
【0019】
{超低密度ポリエチレン(A3)}
上記超低密度ポリエチレン(VLDPE)とは、密度が0.88〜0.91g/cm、好ましくは0.89〜0.905g/cmの範囲のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエチレンである。
また、MFRは0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分、さらに好ましくは1〜30g/10分の範囲で選択されることが望ましい。
また、α−オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12の範囲のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げることができる。
これらは、高・中・低圧下においてチーグラー系触媒、フィリップス系触媒、メタロセン系触媒等のイオン重合により、溶液法、気相法、スラリー法等の重合法で製造される。
【0020】
[軟質材料(B)]
本発明の軟質材料(B)としては下記ゴム(B1)および熱可塑性エラストマー(B2)の群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
{ゴム(B1)}
本発明のゴム(B1)とは、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−オクテン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレン、エチレンアクリルゴム等のゴム類またはこれらの架橋物等が挙げられる。これらの中でもエチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブテン共重合体ゴムあるいはエチレン・1−オクテン共重合体ゴムが好ましく用いられる。
【0021】
{熱可塑性エラストマー(B2)}
本発明の熱可塑性エラストマー(B2)とは、EPRまたはEPDM、あるいはこれらにポリプロピレンやポリエチレンを混合した後、有機過酸化物の存在下で動的熱処理(加熱溶融混練)して得た部分架橋物や完全架橋物、さらに、これらにポリプロピレン、EPR、EPDMを混合したもの等のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ならびに、スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレンブロック共重合体(SIS)またはその水素添加物(SEBS、SEPS等)などのスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー類を包含する。
これらの中で、相溶性、分散性等の観点からオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0022】
[液状軟化剤(C)]
本発明の液状軟化剤(C)とは、芳香族系オイル、ナフテン系オイルおよびパラフィン系オイルまたはそれらの混合物であるプロセスオイル(C1)、あるいは液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状アクリルポリマー等の液状ポリマーまたはオリゴマー(C2)等が挙げられる。
【0023】
[官能基含有オレフィン重合体(D)]
本発明の官能基含有オレフィン重合体(D)は、ベース樹脂である軟質性のエチレン共重合体(A)および軟質材料(B)と良好な相溶性を有し、かつ無機難燃剤(E)とのカップリング効果が著しく、難燃性樹脂組成物の機械的強度を向上させ、燃焼時の炭化層(チャー)の形成を促して難燃性を向上させる役割を果たすものとして用いられる。
具体的なものとして、酸無水物基含有オレフィン系ランダム共重合体(D1)および変性ポリオレフィン系樹脂(D2)などが挙げられる。
【0024】
{酸無水物基含有オレフィン系ランダム共重合体(D1)}
酸無水物基含有オレフィン系ランダム共重合体は、エチレン、プロピレン等のオレフィンと無水マレイン酸等の酸無水物基含有モノマーとの共重合体であり、前述のエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A1)として使用することも可能であるが、変性ポリオレフィン系樹脂(D2)と同様に難燃性や機械的強度等を向上させる改質用樹脂として用いることができる。
酸無水物基含有モノマーとしては前記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体(A1)で挙げられた無水マレイン酸が挙げられる。その好ましい共重合体としては、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸・酢酸ビニル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸エチル共重合体等の二元又は三元共重合体が挙げられる。
また、その配合量としてはエチレン共重合体(A)50〜98質量%、軟質材料(B)および/または液状軟化剤(C)1〜30質量%に1〜20質量%を配合することが好ましい。
【0025】
{変性ポリオレフィン系樹脂(D2)}
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂(D2)とは、a:不飽和カルボン酸またはその誘導体、b:エポキシ基含有化合物、c:ヒドロキシル基含有化合物、d:アミノ基含有化合物、e:有機シラン化合物、f:有機チタネート化合物等の官能基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂である。
【0026】
(官能基含有化合物)
上記a:不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸または無水物、あるいはそれらの金属塩等が挙げられる。
【0027】
上記b:エポキシ基含有化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステルおよびα−クロロアリル、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸等のグリシジルエステル類またはビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、p−グリシジルスチレンなどが挙げられるが、特に好ましいものとしてはメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエ−テルを挙げることができる。
【0028】
上記c:ヒドロキシル基含有化合物としては、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0029】
上記d:アミノ基を含有化合物としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基が挙げられる。
【0030】
上記e:有機シラン化合物としては、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙げられる。
【0031】
上記f:有機チタネート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタネート、チタンラクテートアンモニウムなどが挙げられる。
【0032】
上記官能基含有化合物の変性ポリオレフィン系樹脂中の含有量は0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5.0質量%の範囲で選択される。上記含有量が0.05質量%未満では、本発明の効果が充分でなく、樹脂と難燃剤とのカップリング効果が発揮されない虞が生じる。
また、10質量%を超える場合は、変性させる際に分解、架橋反応が併発する虞を生じる。
【0033】
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は官能基含有化合物を有機過酸化物の存在下で加熱することにより変性し、その含有量を0.05〜10質量%としたもの、または該変性物を未変性ポリオレフィン系樹脂に混合してその含有量を上記範囲に調整したものが用いられる。
上記変性に用いるポリオレフィン系樹脂としては、前記ポリオレフィン系樹脂及びこれらの混合物を用いることができる。
これらの中でも密度が0.87〜0.97g/cmのポリエチレン、中でも密度が0.91〜0.95g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンを無水マレイン酸変性したものが該ポリオレフィン系樹脂と無機難燃剤との相溶性に優れ軟質材料の可撓性を損なわずに耐熱性を維持し、燃焼時の炭化層の形成を促し難燃性を向上し、機械的強度の向上が望めることから最も好ましい。
【0034】
また、本発明においては、電線・ケーブルの絶縁層あるいはシース層とした時の易切れ性をよくするためには酸無水物基含有オレフィン系ランダム共重合体(D1)の単独使用が望ましいが、機械的強度等の物性バランスを考慮すると変性ポリオレフィン系樹脂(D2)との併用することが好ましい。
【0035】
[無機難燃剤(E)]
本発明の無機難燃剤(E)としては、合成水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物(以下天然水酸化マグネシウムともいう)、水酸化アルミニウム、無水アルミナ、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ハイドロタルサイト等の少なくとも1種の無機難燃剤が挙られる。中でも水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。また、特に水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物は、経済性に優れ、エコ電線用として多用され好適である。
【0036】
[表面処理剤(H)]
前記無機難燃剤(E)は、表面処理剤で表面処理したものを使用することが好ましく、特に水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物は、粒子も不均一であり、吸湿性に富むために表面処理を施すことが望ましい。
表面処理剤(H)としては、脂肪酸および脂肪酸金属塩またはこれらの混合物、ならびに、脂肪酸エステル、ワックスまたはその変性物、硬化性樹脂、有機シラン、有機チタネート、有機ボラン等の表面処理剤が挙げられる。また昨今においては、特許文献7〜11に開示されるように、ポリカルボン酸系分散剤、ポリグリセリン誘導体、N−アシル塩基性アミノ酸、あるいは二塩基酸エリスリトール類エステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル、アルコールリン酸エステル、その他のリン化合物等で表面処理された水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物等も使用されている。本発明では特にこれらに限定されるものではないが、特にエコ電線等においては、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物と、安価で、効果的な点から、脂肪酸および脂肪酸金属塩またはこれらの混合物、脂肪酸エステルとの組み合わせが好ましい。ただし、特に従来のステアリン酸カルシウムは、添加量が多くなると易切れ性が悪化する。一方脂肪酸エステルの場合においては易切れ性が良好となる。したがって、脂肪酸エステルが特に好ましい。これら表面処理した無機難燃剤(E)の具体例としては文献7〜11等に挙げられる。
【0037】
【特許文献7】特開2002−167219号公報
【特許文献8】特開2002−239439号公報
【特許文献9】特開2002−239529号公報
【特許文献10】特開2002−173682号公報
【特許文献11】特開2003−3167号公報
【0038】
前記脂肪酸としては、炭素数8以上の飽和酸または不飽和酸が望ましく、オクタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸;やし油、牛脂、大豆油、パーム油、硬化油等が挙げられる。また、脂肪酸金属塩では、例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリル酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の金属塩であり、金属としては、Na、K、Al、Ca、Mg、Zn、Ba、Co、Sn、Ti、Fe等が挙げられる。
【0039】
脂肪酸エステルには、例えばラウリン酸メチル、ミスチリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミスチリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸オクチル、特殊牛脂脂肪酸オクチルエステル、ラウリン酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、長鎖脂肪酸高級アルコールエステル、ベヘニン酸ベヘニル、ミスチリン酸セチル等のモノエステルが挙げられ、またネオペンチルポリオール長鎖脂肪酸エステル、ネオペンチルポリオール長鎖脂肪酸エステルの部分エステル化物、ネオペンチルポリオール脂肪酸エステル、ネオペンチルポリオール中鎖脂肪酸エステル、ネオペンチルポリオールC9鎖脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル等の特殊脂肪酸エステルが挙げられる。
これらの処理量は無機難燃剤に対して1〜5質量%の範囲で行われている。
【0040】
[難燃助剤]
難燃助剤として、赤リン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、リン酸カルシウム、酸化ジルコン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、二硫化モリブデン、粘土、ケイソウ土、カオリナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、タルク、シリカ、ホワイトカーボン、ゼオライト、ハイドロマグネサイト等を併用しても良い。これら難燃助剤は上記水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物等の無機難燃剤(E)に対して50質量%まで配合することが望ましい。
【0041】
[難燃性樹脂組成物]
本発明の軟質難燃樹脂材料は、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A1)、エチレン・ビニルエステル共重合体(A2)および、密度0.88〜0.91g/cmの超低密度ポリエチレン(A3)から選択される少なくとも1種のエチレン共重合体(A)50〜98質量%、軟質材料(B)および/または液状軟化剤(C)1〜30質量%、官能基含有オレフィン重合体(D)1〜20質量%を含む樹脂成分100質量部と、無機難燃剤(E)30〜200質量部から構成される難燃樹脂組成物からなり、そのシート材のノッチ入り引張衝撃強さが98kJ/m以下であり、かつ引張弾性率が150MPa以下であることを特徴とする軟質難燃樹脂材料である。
【0042】
上記(A)成分が50質量%未満、(B)成分および/または(C)成分が30質量%を超える場合には材料が柔らかくなりすぎ、製品の強度が低下する虞や製品表面にブリードアウトしべたつきが発生する虞が生じる。また、(A)成分が98質量%を超え、(B)成分および/または(C)成分が1質量%未満では、目的とする柔軟性が得られない。また、(D)成分が1質量%未満では樹脂成分と無機難燃剤(E)とのカップリング効果が乏しく、燃焼時の炭化層の形成が望めなくなる。また、(D)成分が20質量%を超える量を配合してもそれ以上の機械的強度の向上は望めない。
上記(E)成分が樹脂成分100質量部に対して、30質量部未満では難燃性の効果に乏しくなる可能性があり、200質量部を超える場合には、材料の可撓性がなくなって脆くなり、機械的強度が失われる虞が生じる。
また、難燃樹脂組成物を後述する試験法(1)の条件でシート材とした時のノッチ入り引張衝撃強さが98kJ/m以下であり、好ましくは88kJ/m以下、より好ましくは78kJ/m以下であることが好ましい。このような条件を満足することにより、被覆層を冶具により芯線から剥ぎ取り切断しやすく、配線施工時の端末加工が容易となる。
また、同様にシート材とした時の、引張弾性率が150MPa以下、より好ましくは120MPa以下、さらに好ましくは100MPa以下であることが望ましい。引張弾性率が150MPaを超える場合には材料が堅いものとなる。
【0043】
[傷付き白化防止剤(F)]
本発明の他の態様は、上記軟質難燃樹脂材料の表面傷付き白化をさらに改良するものである。すなわち、前記難燃樹脂組成物にさらに表面傷付き白化を防止するために傷付き白化防止剤(F)を配合したものである。
該傷付き白化防止剤(F)としては、特許文献12、13等に記載される傷付き白化防止剤を使用することができるが、それらの中でも、特に水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物の場合においては脂肪酸アミド(F1)および/または有機シリコーン化合物(F2)が好ましい。脂肪酸アミド(F1)として具体的にはエルカ酸アミド、オレイン酸アミド等が用いられるが、特にエルカ酸アミドが好ましい。また有機シリコーン化合物(F2)としては、アルキル変性、ポリエーテル変性、脂肪酸変性シリコーンオイル、超高分子量シリコーン等が用いられるが、特に超高分子量シリコーンであるシリコーンガムが好ましい。
これらの傷付き白化防止剤(F)を配合する場合、その配合量はその種類により異なるが、脂肪酸アミド(F1)の場合においては、該難燃樹脂成分100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.05〜3質量部、より好ましくは0.1〜2質量部である。また、有機シリコーン化合物(F2)の場合においては、該樹脂成分100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは、0.5〜5質量部である。これらの配合量が下限に満たない量では耐傷付き白化の効果が具現化されず、また、上限を超える場合には、表面へのブリードアウトが激しくなり、取り扱いが悪化し、かつ埃等の付着等により製品の外観を損ない、製品価値を低下させる虞が生じる。
【0044】
【特許文献12】特開平2−055751号公報
【特許文献13】特開平2−206632号公報
【0045】
[酸化カルシウム(G)]
本発明の他の態様は、上記無機難燃剤を使用した吸湿しやすい難燃樹脂材料の含水量を制御し、電線・ケーブル等の成形品の製造時における発泡を防止し、成形品の品質のばらつきや製品外観の悪化を解消した軟質難燃樹脂材料、及び該軟質難燃樹脂材料を用いて製造した電線、ケーブルに関するものである。
すなわち、吸湿発泡防止のため酸化カルシウム(G)を配合する場合、その配合量は、上記難燃樹脂成分100質量部に対して、酸化カルシウムを0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜8質量部である。
特に、天然の水酸化マグネシウムを用いた難燃性樹脂組成物は、吸湿性に富むため、保管、運搬用の、アルミニウム箔または金属酸化物が蒸着されたフィルムを内袋とした所謂樹脂袋を開封した後は速やかに成形処理を行う必要性がある。そして、夏場や、水分の多い環境下(高温多湿)では表面処理を施したものでも、吸湿して、電線・ケーブル等の被覆成形時に押出機内で吸湿した水分が発泡し、外観不良になるという問題があったが、このような処方とすることにより、これらの問題点を解消することができる。
また、無機難燃剤として水酸化アルミニウムを用いた場合においては当該組成物を製造する際、あるいは組成物をケーブル・電線に押し出し成形する際、温度が200℃以上に上昇すると、脱水により、発泡する場合があるが、酸化カルシウムを配合することにより、このような水分も捕捉できるという相乗効果を発揮する。
【0046】
[その他添加剤等]
本発明の軟質難燃樹脂材料は、機械的強度、耐熱性、加工性、難燃性、耐酸性等を有し、特に電線・ケーブルの配線施工時において、その端末を剥離加工し、コネクター等を圧着したり、はんだ付けする際の作業性に優れるものであり、この材料からなる製品は、電線、ケーブル、ホース類、フィルム、射出製品等に利用可能である。特に電線・ケーブルに好適である。
また、本発明の軟質難燃樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲で、その使用目的に応じて、各種添加剤や補助資材を配合することができる。それら各種添加剤や補助資材としては、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、加工性改良剤、充填剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、カーボンブラック等を挙げることができる。また、架橋剤、例えば有機過酸化物、硫黄またはシラン系架橋剤や架橋助剤を添加することにより架橋したり、電離性放射線を照射する等として架橋することもできる。
【0047】
[電線・ケーブル]
本発明の電線・ケーブルは、上記第1〜8の発明のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料を絶縁層および/またはシース層に用いた電線・ケーブルである。本発明の電線・ケーブルにおいては、内部半導電層および/または外部半導電層、あるいは所望により銅、アルミニウム、鉛等の外部金属遮蔽層やアルミニウムテープ等を巻回した遮水層等の通例電線・ケーブル等において設けられる被覆層を設けても良い。また、該電線・ケーブルの製造方法は一般的な方法でよく特に限定されるものではない。
本発明の軟質難燃樹脂材料を用いた電線・ケーブルは、上記のようにシース層や絶縁層を剥ぎ取り、芯線を切断する等の端末処理の作業性がよく、配線工事が飛躍的に向上するものとなる。
また、上記の特性に加え、特に吸湿性の激しい水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を用いても、樹脂袋等の開封後から成形時までのタイムラグがあっても、発泡がなく、外観がよく、製品のばらつきがなく、また、傷付き白化防止剤を配合したものは傷付けた場合でも白化し難いものである。
【0048】
【実施例】
以下本発明を実施例にて詳述する。
[使用樹脂]
(A1)エチレン・アクリル酸エチル共重合体:(EEAと称す)
MFR=0.8g/10分、EA含量=20質量%
銘柄名:A1200 日本ポリオレフィン(株)製
(A2)エチレン・酢酸ビニル共重合体:(EVAと称す)
MFR=1.5g/10分、VA含量=15質量%
銘柄名:VE330N 日本ポリオレフィン(株)製
(A3)超低密度ポリエチレン:(V−LDPEと称す)
MFR=1g/10分、密度0.900g/cm
銘柄名:D9010 日本ポリオレフィン(株)製
(B1)エチレン・プロピレン共重合体ゴム:(EPRと称す)
銘柄名:ST053T サンアロマー(株)製
(B2)エチレン・1−オクテン共重合体ゴム(E・C8共重合体と称す)
銘柄名:エンゲージ8180 デュポン・ダウ・エラストマーズ 製
(C1)プロセスオイル 銘柄名:PUREX400 エッソ石油(株)製
(C2)液状アクリルポリマー 東亜合成工業(株)製
(D1)エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸メチル共重合体(ET183Bと称す)
銘柄名:レクスパールET183B 日本ポリオレフィン(株)製
(D2)無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(MAH−LLDPEと称す)
密度=0.923g/cm、MFR=2g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に無水マレイン酸0.25質量部、有機過酸化物としてパーヘキシン25Bの0.02質量部を配合し、押出機にて加熱混練し、無水マレイン酸変性したものを用いた(無水マレイン酸含有量0.2質量%)。
(E1)水酸化マグネシウム
▲1▼天然鉱物を粉砕した水酸化マグネシウム(Mg(OH)▲1▼と称す)
銘柄名:マグシーズW−R4 神島化学工業(株)製
▲2▼天然鉱物を粉砕した水酸化マグネシウム(Mg(OH)▲2▼と称す)
銘柄名:マグラックスSTF−2 鋼管鉱業(株)製
▲3▼天然鉱物を粉砕した水酸化マグネシウム(Mg(OH)▲3▼と称す)
表面処理剤(H)、ステアリン酸ブチルで処理した水酸化マグネシウム
(E2)水酸化アルミニウム(Al(OH)と称す)
平均粒径1.1μm
銘柄名:ハイジライト、H42M、昭和電工(株)製
(F1)脂肪酸アミド
エルカ酸アミド 花王(株)製
(F2)有機シリコーン化合物
銘柄名:シリコーンガムマスターバッチ BY27−002 マルチベースアジア(株)製
(G)酸化カルシウム
平均粒径:5μm
銘柄名:Fライム 1300D、同和カルフアイン(株)製
【0049】
[試験法]
(1)ノッチ入り引張衝撃強さ:JIS K6251に準拠
180℃でプレス成形した厚み1mmシートの厚み方向にレザー刃にて0.3mm(残厚み0.7mm)のノッチを入れた4形試験片を使用した。
(2)引張弾性率:JIS K6251に使用したサンプル(1mmシート)を5mm/分の引張速度で測定した。
(3)含水量(水分量):カールフィッシャー法水分計(190℃にて測定)
(4)発泡の有無:キャピラリーレオメータによりストランドを180℃で押し出し、そのストランドを観察し、発泡の有無を判定した。
○:発泡なし ×:発泡あり
(5)引張破壊強さおよび引張破壊伸び:JIS K6251に準拠(180℃でプレス成形したシートを使用)
(6)酸素指数:JIS K7201に準拠(数値が大きいものが難燃性の優れていることを示す)
(7)傷付き白化性:
0.5mmRのサファイア針にて傷をつけ、目視にて観察した。
○:白化なし
【0050】
<実施例1>
エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体としてエチレン・アクリル酸エチル(EEA)(A1)86質量%、軟質材料(B)としてエチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)(B1)5質量%、液状軟化剤(C)としてプロセスオイルPUREX400(C1)5質量%、官能基含有オレフィン重合体(D)として無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(MAH−LLDPE)(D2)4質量%で構成される樹脂成分100質量部に対して、天然水酸化マグネシウム(E1)(Mg(OH)▲2▼)100質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、ノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数を評価した。その結果を表1に示した。柔軟性、適度な機械的強度、難燃性を有する上、端末処理作業性に優れている。
【0051】
<実施例2>
表1に示したように、実施例1の成分(B1)に代え、エチレン・1−オクテン共重合体ゴム(E・C8共重合体)(B2)を用い、また天然水酸化マグネシウム(E1)▲2▼を天然水酸化マグネシウム(E1)(Mg(OH)▲1▼)80質量部に代え、その他は実施例1と同様におこなった。その結果を同じく表1に示した。
【0052】
<実施例3〜6>
それぞれ、表1に示した各成分(A)、(B)あるいは(B)と(C)、(D)からなる樹脂成分100質量部に、無機難燃剤(E)80質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、実施例1と同様にノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数を評価した。その結果を同じく表1に示した。
【0053】
<実施例7、8>
それぞれ、表1に示したように、各成分(A)、(C)および(D)からなる樹脂成分100質量部に、無機難燃剤(E)80質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、実施例1と同様にノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数を評価した。その結果を同じく表1に示した。
【0054】
【表1】
Figure 2005029604
【0055】
<実施例9、10>
表2に示したように、成分(A)として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)(A2)あるいは超低密度ポリエチレン(V−LDPE)(A3)86質量%、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)(B1)5質量%、液状アクリルポリマー(C2)5質量%、および無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(MAH−LLDPE)(D2)4質量%からなる樹脂成分100質量部に、無機難燃剤として天然水酸化マグネシウム(E1)(Mg(OH)▲1▼)80質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、実施例1と同様にノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数を評価した。その結果を同じく表2に示した。
【0056】
<実施例11〜13>
表2に示したように、成分(A)、(B)、(C)および(D)からなる樹脂成分100質量部に、無機難燃剤(E)80あるいは100質量部を配合し、傷付き白化防止剤(F)としてエルカ酸アミド(F1)またはシリコーンガムマスターバッチ(F2)を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、実施例1と同様にノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数を評価するとともに傷付き白化性についても評価した。その結果を同じく表2に示した。柔軟性、適度な機械的強度、難燃性、端末処理作業性に優れている上、耐傷付き白化性も優れている。
【0057】
<実施例14〜16>
表2に示したように、成分(A)、(B)、(C)および(D)からなる樹脂成分100質量部に、無機難燃剤(E)80質量部と所定量の傷付き白化防止剤(F)、ならびに酸化カルシウム(G)を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、実施例11と同様にノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数、耐傷付き白化性を評価するとともに、水分量の測定と、180℃でキャピラリーレオメータによりストランドを押し出し発泡の有無の評価を行った。なお水分量と発泡の有無については難燃樹脂組成物製造直後のものと、23℃の湿度60%の雰囲気中に60分間放置後のものと両方について評価を行った。その結果を同じく表2に示した。柔軟性、適度な機械的強度、難燃性、端末処理作業性、耐傷付き白化性に優れている上、吸水量が少なく、成形時の発泡も少ない。
【0058】
<実施例17>
表2に示したように、実施例16と同一の樹脂成分100質量部に、表面処理剤(H)であるステアリン酸ブチルで処理した水酸化マグネシウム(Mg(OH)▲3▼)100質量部と0.5質量部のエルカ酸アミド(F1)、ならびに酸化カルシウム(G)2.0質量部を配合してなる軟質難燃樹脂材料を用いて、実施例16と同様にノッチ入り引張衝撃強さ、引張弾性率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、酸素指数、耐傷付き白化性、水分量および発泡の有無の評価を行った。その結果を同じく表2に示した。柔軟性、適度な機械的強度、難燃性、端末処理作業性、耐傷付き白化性に優れている上、吸水量が少なく、成形時の発泡も少ない。
【0059】
【表2】
Figure 2005029604
【0060】
<比較例1>
表3に示したように、軟質材料(B)および液状軟化剤(C)のいずれも配合せずに難燃樹脂材料を作成した。結果は同じく表3に示したように、ノッチ入り引張衝撃強さが高く、したがって易切れ性が不良となり端末処理作業性が悪いものであった。
【0061】
<比較例2>
表3に示したように、樹脂成分としてエチレン・アクリル酸エチル(EEA)(A1)のみを用い、難燃樹脂材料を作成した。結果は同じく表3に示したように、ノッチ入り引張衝撃強さが高く、したがって易切れ性が不良となり端末処理作業性が悪く、また引張弾性率も高く固い材料であった。
【0062】
<比較例3>
表3に示したように、成分(A)、(B)、(C)、(D)をいずれも配合した難燃樹脂組成物であるが、ノッチ入り引張衝撃強さが高く、したがって易切れ性が不良となり端末処理作業性が悪いものであった。
【0063】
<比較例4>
表3に示したように、軟質材料(B)あるいは液状軟化剤(C)のいずれも配合せず難燃樹脂材料を作成した。結果は同じく表3に示したように、ノッチ入り引張衝撃強さが高く、したがって易切れ性が不良となり端末処理作業性が悪く、また引張弾性率も高く固い材料であった。
【0064】
【表3】
Figure 2005029604
【0065】
【実施例18】
2層ダイを用いて、絶縁材として低密度ポリエチレン(MFR0.1g/10分、密度0.920g/cm、銘柄:JK311A 日本ポリオレフィン(株)製)を内層とし、シース材として実施例1の樹脂組成物を外層に用い、銅を芯材とする導体上に被覆して電線を製造した。この電線の端部を端末処理冶具でシース層の剥ぎ取り作業を行ったが、伸びもなく容易に剥ぎ取ることができた。
【0066】
【発明の効果】
本発明の軟質難燃樹脂材料は、エチレン共重合体(A)、軟質材料(B)および/または液状軟化剤(C)、ならびに官能基含有オレフィン重合体(D)を含む樹脂成分100質量部と、無機難燃剤(E)30〜200質量部から構成される難燃樹脂組成物とし、そのシート材のノッチ入り引張衝撃強さが98kJ/m以下、かつ引張弾性率が150MPa以下とすることにより、機械的強度、耐熱性、加工性、難燃性、耐酸性等を有し、特に電線・ケーブルの端末を剥離加工し、コネクター等を圧着したり、はんだ付けする際の作業性に優れるものとなる。
また、さらに酸化カルシウム(G)を配合することにより、特に吸湿性の激しい水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を用いても、樹脂袋等の開封後から成形時までのタイムラグがあっても、成形品の発泡がなく、外観がよく、製品のばらつきがない良好な製品を提供することができ、かつ、経済的なエコ電線・ケーブルを提供することが可能となる。
また、脂肪酸アミドおよび有機シリコーン化合物の少なくとも1種を配合することにより上記性能に加え、傷付き白化し難い製品も安価に提供することが可能である。

Claims (9)

  1. 下記(A1)〜(A3)から選択される少なくとも1種のエチレン共重合体(A)50〜98質量%、軟質材料(B)および/または液状軟化剤(C)1〜30質量%、ならびに官能基含有オレフィン重合体(D)1〜20質量%を含む樹脂成分100質量部と、無機難燃剤(E)30〜200質量部から構成される難燃樹脂組成物からなり、そのシート材のノッチ入り引張衝撃強さが98kJ/m以下、かつ引張弾性率が150MPa以下であることを特徴とする軟質難燃樹脂材料。
    (A1)エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、
    (A2)エチレン・ビニルエステル共重合体、
    (A3)密度0.88〜0.91g/cmの超低密度ポリエチレン。
  2. 前記樹脂成分100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド(F1)および有機シリコーン化合物(F2)の少なくとも1種の傷付き白化防止剤(F)0.05〜5質量部を配合してなる請求項1に記載の軟質難燃樹脂材料。
  3. 前記樹脂成分100質量部に対して、酸化カルシウム(G)0.1〜15質量部を配合してなる請求項1または2に記載の軟質難燃樹脂材料。
  4. 前記エチレン共重合体(A)がエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料。
  5. 前記軟質材料(B)が、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−オクテン共重合体ゴムから選択される少なくとも1種であること特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料。
  6. 前記官能基含有オレフィン重合体(D)が、酸無水物基含有オレフィン系ランダム共重合体(D1)および/または変性ポリオレフィン系樹脂(D2)からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料。
  7. 前記無機難燃剤(E)が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの少なくとも1種を主成分とする無機難燃剤であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料。
  8. 前記無機難燃剤(E)が、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルの中から選択される少なくとも1種の表面処理剤(H)で表面処理してなる水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料。
  9. 前記請求項1から8のいずれかに記載の軟質難燃樹脂材料を、絶縁層および/またはシース層に用いたことを特徴とする電線・ケーブル。
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