JP2005011540A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】短絡や過充電等による温度の上昇時に、破裂、発火、漏液を未然に防止することが可能な非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】正極7、セパレータ8および負極9を有する電極群6と、非水電解液とを具備し、前記正極7および負極9のうち、いずれか一方の電極は集電体、電極層およびこれら集電体と電極層との間に介在された導電性薄膜を有し、前記導電性薄膜はカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】正極7、セパレータ8および負極9を有する電極群6と、非水電解液とを具備し、前記正極7および負極9のうち、いずれか一方の電極は集電体、電極層およびこれら集電体と電極層との間に介在された導電性薄膜を有し、前記導電性薄膜はカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解液二次電池に関し、詳しくは異常電流等による温度上昇時に充放電を停止する機構を電極群の正負極のいずれか一方の電極に内蔵した非水電解液二次電池に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やVTRなどの電子機器の小型化と需要の増大に伴い、これら電子機器の電源である二次電池に対する高容量化が要求されている。また、自動車からの排ガスによる大気汚染が社会問題となっており、電気自動車用電源として軽量で高性能な二次電池を用いることが期待されている。
【0003】
特に、非水電解液二次電池であるリチウムイオン二次電池は電圧が高く、高いエネルギー密度が得られるため、小型、軽量化が可能である。このため、リチウムイオン二次電池は今後、ポータブル機器用の電源として使用されることが期待されている。
【0004】
しかしながら、リチウムイオン二次電池は短絡や過充電等により温度が上昇すると、内部に収容された非水電解液からガスを発生し、内圧が上昇する。この状態が継続すると、電池が破裂し、最終的には発火の危険性もある。
【0005】
このようなことから、従来より1)電池内部の圧力が所定の圧力になると電池内部のガスを外部に放出することができるラプチャーが備えられた非水電解液二次電池、2)所定の内圧で電流の流れを遮断する電流遮断弁が設置された非水電解液二次電池、3)電池温度が上昇することにより電池の抵抗が上昇し、電流を流れ難くするPTC素子が装着された非水電解液二次電池、4)電池内部の温度上昇により空孔が閉るセパレータ、つまり非水電解液中のイオンに対して所定温度でシャットダウン可能なセパレータを有する非水電解液二次電池、が開発され、前記ガス発生に伴う内圧上昇に対処している。
【0006】
一方、特許文献1には電池ケース内で、非水電解液を含む発電要素から離れた箇所に不燃ガス供与体を配置し、短絡や過充電等による電池の温度上昇により前記不燃ガス供与体から不燃ガスを発生させ、前記ケース内に配置した電流遮断機構を破断して電池の電流経路を遮断して、電池ケース等の破裂を未然に防止する非水電解液電池が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−270011号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した電池の温度上昇、内圧上昇に対処した構造の非水電解液二次電池において、電池の温度上昇に対して直接安全機構が働くものとしてはPTC素子、シャットダウン可能なセパレータが挙げられる。
【0009】
しかしながら、PTC素子は外部短絡により大電流が流れると、抵抗値が急激に上昇し、電流値をある程度低く抑えることができるが、電流が流れ続けて電池温度が十分に下がらない問題がある。
【0010】
シャットダウン可能なセパレータは、その材料が限定され、シャットダウン温度の選択が困難である。また、温度上昇によりセパレータの空孔が閉じられてイオンの移動を低減できるものの、セパレータの収縮により正極、負極の短絡の発生が生じる。内部短絡による温度上昇時には、大きな短絡電流を発生するため、この発熱により電池の温度が上昇し、さらに短絡電流が上昇する問題を生じる。
【0011】
本発明は、不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を従来の特許文献1と異なる電極群の正負極のいずれか一方の電極の形態で使用することによって、短絡や過充電等による温度の上昇時に、破裂、発火、漏液を未然に防止することが可能な非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解液二次電池は、正極、セパレータおよび負極を有する電極群と、非水電解液とを具備し、
前記正極および負極のうち、いずれか一方の電極は集電体、電極層およびこれら集電体と電極層との間に介在された導電性薄膜を有し、前記導電性薄膜はカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含むことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解液二次電池を詳細に説明する。
【0014】
この非水電解液二次電池は、正極、負極およびこれら正負極間に介在されたセパレータを有する電極群と非水電解液とを外装部材に収納、密閉した構造を有する。前記正極および負極のうち、いずれか一方の電極(例えば正極)は集電体、正極層(正極活物質層)およびこれら集電体と正極活物質層との間に介在された導電性薄膜を有する。前記導電性薄膜は、カーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含有する。
【0015】
前記正極、前記負極および電解液を以下に具体的に説明する
(1)正極
この正極は、1−1)正極集電体と、1−2)正極層(正極活物質層)と、前記正極集電体と正極活物質層との間に介在された1−3)導電性薄膜とを有する。
【0016】
1−1)正極集電体
この正極集電体としては、例えば厚さ10〜40μmのアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を挙げることができる。
【0017】
1−2)正極活物質層
この正極活物質層は、正極活物質、導電剤および結着剤を含有する。
【0018】
前記正極活物質としては、例えばリチウム複合金属酸化物を使用することができる。具体的にはLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4などを用いることができる。
【0019】
前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
【0020】
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、あるいは他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重合体させたものを挙げることができる。他のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体としては、例えばテトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−フッ化ビニリデンの共重合体を挙げることができる。前記結着剤は、単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
前記正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
【0022】
1−3)導電性薄膜
この導電性薄膜は、カーボン系導電剤、結着剤および電池温度が上昇すると不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含有する。
【0023】
前記カーボン系導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末等を挙げることができる。
【0024】
前記結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等を挙げることができる。
【0025】
前記不燃性ガス発生剤は、電池温度の上昇時に、不燃性ガスを発生する物質であれば如何なるものでもよいが、正極活物質、負極活物質と非水電解液との反応性を考慮すると、二酸化炭素ガスを不燃性ガスとして発生するものが好ましい。具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機系炭酸塩、またはマロン酸、アジピン酸、蓚酸、アセト酢酸などの有機系酸等を挙げることができる。特に、不燃性ガス発生剤は130〜150℃前後の温度で分解して二酸化炭素ガスを発生するマロン酸、アジピン酸のようなジカルボン酸が好ましい。
【0026】
前記導電性薄膜を構成するカーボン系導電剤、結着剤および不燃性ガス発生剤の配合割合は、カーボン系導電剤60〜95重量%、結着剤5〜40重量%および不燃性ガス発生剤0.01〜10重量%にすることが好ましい。
【0027】
前記カーボン系導電剤の配合割合を60重量%未満にすると、導電性薄膜に良好な導電性を付与することが困難になり、前記集電体と正極活物質層との間での導通性を十分に取れなくなる虞がある。一方、カーボン系導電剤が95重量%を超えると、他の2つの成分である結着剤および不燃性ガス発生剤の配合量が実効的に低下して前記集電体への密着性、不燃ガスの発生量の低下を招く虞がある。
【0028】
前記結着剤の配合割合を5重量%未満にすると、前記集電体への導電性薄膜の密着性の低下を生じる虞がある。一方、前記結着剤の配合割合が40重量%を超えると、例えばカーボン系導電剤の配合量が実効的に低下して十分な導電性を有する導電性薄膜を得ることが困難になる。
【0029】
前記不燃性ガス発生剤の配合割合を0.01重量%未満にすると、電池温度の上昇時に十分な量の不燃性ガスを発生することが困難になる。その結果、不燃性ガスを発生する効果、すなわち集電体と正極活物質層との間の導通遮断効果を達成することが困難になる。一方、前記不燃性ガス発生剤の配合割合が10重量%を超えると、例えばカーボン系導電剤の配合量が実効的に低下して十分な導電性を有する導電性薄膜を得ることが困難になる。
【0030】
前記導電性薄膜は、前記正極活物質層に対する厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)で1/40〜1/15にすることが好ましい。前記導電性薄膜の前記正極活物質層に対する厚さ比を1/40未満にすると、電池温度の上昇時での不燃性ガスの発生、これに伴う導電性薄膜の膨張による抵抗増大、集電体と正極活物質層との間の導通遮断を十分になすことが困難になる。一方、前記導電性薄膜の前記正極活物質層に対する厚さ比が1/15を超えると、正極に対する導電性薄膜の体積占有率が増大し、結果として正極活物質層の量が相対的に減少して電池容量が低下する虞がある。
【0031】
前述した正極は、例えば次のような方法により作製される。まず、結着剤および不燃ガス発生剤を水溶媒または有機溶媒に溶解させ、これにカーボン系導電剤を分散装置を用いて分散させてスラリーを調製する。このスラリーを正極集電体の両面にそれぞれ塗布、乾燥して導電性薄膜を形成する。つづいて、正極活物質、導電剤および結着剤を溶媒に分散装置を用いて分散させて正極ペーストを調製する。この正極ペーストを前記集電体両面の導電薄膜層にそれぞれ塗布し、乾燥し、さらに圧延した後、所望寸法に裁断することにより正極を作製する。
【0032】
前記スラリーおよび正極ペーストを調製するための有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル等が使用される。
【0033】
前記分散装置としては、ボールミル、ビーズミル、ディゾルバー、サンドグラインダー、ロールミル等が採用される。
【0034】
前記2回の乾燥処理は、使用した不燃性ガス発生剤の分解温度未満にすることが好ましい。
【0035】
(2)負極
この負極は、例えばリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物およびカルコゲン化合物から選ばれる負極材料および結着剤を含む負極材料層を負極集電体に形成した構造を有する。このようなリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物またはカルコゲン化合物を含む負極は、二次電池のサイクル寿命などの電池特性を向上できるために好適である。
【0036】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物としては、例えばコークス、炭素繊維、熱分解気相炭素物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維またはメソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げることができる。中でも、2500℃以上で黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維を用いると負極容量を向上することが可能になる。
【0037】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)、セレン化ニオブ(NbSe2)などを挙げることができる。このようなカルコゲン化合物を負極材料層に用いると、二次電池の電圧が降下するものの、負極の容量増加により二次電池の容量を向上することが可能になる。また、前記カルコゲン化合物を含む負極はリチウムイオンの拡散速度が大きいため、二次電池の急速充放電性能を向上させることが可能になる。
【0038】
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、あるいは他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重合体させたものを挙げることができる。かかる他のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体としては、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−フッ化ビニリデンの共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロースを挙げることができる。
【0039】
前記集電体としては、例えば銅箔、ニッケル箔等を用いることができる。銅箔は、厚さが8μm〜20μmであることが好ましい。
【0040】
前記負極材料、結着剤の配合割合は、負極材料80〜98重量%、結着剤2〜20重量%にすることが好ましい。特に、前記負極材料として炭素質物を選択した場合、前記負極材料層の片面当たりの塗布量として50〜200g/m2の範囲にすることが好ましい。
【0041】
前記負極は、例えば次のような方法により作製される。まず、前記炭素質物および結着剤を溶媒に分散させて負極ペーストを調製する。この負極ペーストを集電体の片側もしくは両面に塗布し、乾燥して負極材料層を形成した後、所望寸法に裁断することにより負極を作製する。
【0042】
前記溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、水等が使用される。
【0043】
また、前記負極はアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム金属、リチウム合金などの軽金属から作製することができる。
【0044】
(3)非水電解液
この非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解した組成を有する。
【0045】
前記非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエーテル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エステル、アセトニトリル(AN)などの窒素化合物、スルホラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)などの硫黄化合物などから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0046】
特に、前記非水溶媒としてはEC、PC、γ−BLから選ばれる少なくとも1種、またはEC、PC、γ−BLから選ばれる少なくとも1種とDMC、MEC、DEC、DME、DEE、THF、2−MeTHF、ANから選ばれる少なくとも1種とからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0047】
また、負極に前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いる場合に、前記負極を備えた二次電池のサイクル寿命を向上させる観点から、非水溶媒としてECとPCとγ−BL、ECとPCとMEC、ECとPCとDEC、ECとPCとDEE、ECとAN、ECとMEC、PCとDMC、PCとDEC、またはECとDECからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0048】
前記電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、四塩化アルミニウムリチウム(LiAlCl4)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]などのリチウム塩を挙げることができる。中でもLiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2を用いると、導電性や安全性が向上されるために好ましい。
【0049】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5モル/L〜2.0モル/Lの範囲にすることが好ましい。
【0050】
非水系電解質二次電池が薄型の場合、前記非水電解液の代わりにゲル状非水電解質を用いることができる。
【0051】
なお、正極を前述したように正極集電体と正極活物質層との間に導電性薄膜を介在した構造にしたが、正極を正極集電体に正極活物質層を形成した構造にし、負極を負極集電体と負極材料層との間に前述した導電性薄膜を介在した構造にしてもよい。
【0052】
本発明に係る非水電解液二次電池は、後述する正極および負極のうち、いずれか一方の電極に設けた導電性薄膜の効果を有効に働かせることを考慮して、前記電極群を構成する正極、セパレータおよび負極を積層した形態にすることが好ましい。ただし、電極群は正極、セパレータおよび負極を重ね、この積層物を捲回し、プレスするか、または加熱・プレスするかいずれかにより扁平状にした形態でもよい。
【0053】
本発明に係る非水電解液二次電池としては、外装部材として金属製の有底矩形筒状外装缶を有する角形非水電解液二次電池、外装部材として中間にガスバリヤフィルム(例えばAl箔)を介在したラミネートフィルムを用いた薄型非水電解液二次電池が挙げられる。このような角形非水電解液二次電池および薄型非水電解液二次電池を図面を参照して以下に説明する。
【0054】
(1)角形非水電解液二次電池;電極群が積層タイプ
図1に示すように角型の外装部材1は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる有底矩形筒状をなす外装缶2と、この外装缶2の開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合され、注液孔3を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる蓋体4とから構成されている。前記外装缶2は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁紙5が配置されている。
【0055】
電極群である電極体6は、前記外装部材1の外装缶2内に収納されている。この電極体6は、例えば正極7、セパレータ8および負極9の積層物を複数重ね構造を有する。なお、前記電極体6は前記外装缶2の内面と接する側にセパレータ8を配置している。
【0056】
前記正極7は、図2に示すように正極集電体10の両面に前述した組成の導電性薄膜11がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜11に正極活物質層12が形成された構造を有する。
【0057】
前記負極8は、図3に示すように負極集電体13両面に負極材料層14がそれぞれ形成されている。
【0058】
非水電解液は、前記蓋体4の注液孔3を通して前記外装缶2内に注液されている。注液後は、例えばアルミニウム製またはアルミニウム合金製の円板からなる封止蓋15が超音波溶接等により接合され、前記外装部材1を密封している。この封止蓋は、矩形板であってもよい。
【0059】
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ16は、前記外装缶2内の前記電極体6上に配置されている。前記蓋体4の中心付近には、負極端子の取出し穴が開口されている。負極端子17は、前記蓋体4の穴および前記スペーサ16の穴を貫通し、前記蓋体4の穴の箇所でガラス製または樹脂製の絶縁材18を介してハーメティクシールされている。前記負極端子17の下端面は、図示しないリードを通して前記電極体6の各負極9に接続されている。正極端子を兼ねる前記外装缶2は、図示しないリードを通して前記電極体6の各正極7に接続されている。
【0060】
(2)角形非水電解液二次電池;電極群が捲回された扁平形タイプ
図4に示す角型の外装部材21は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる有底矩形筒状をなす外装缶22と、この外装缶22の開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合され、注液孔23を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる蓋体24とから構成されている。前記外装缶22は、例えば正極端子を兼ね、底面に下部側絶縁紙25が配置されている。
【0061】
電極群である電極体26は、前記外装部材21の外装缶22内に収納されている。この電極体26は、例えば負極27とセパレータ28と正極29とを前記正極29が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製される。なお、前記正極29は図示しない正極集電体の両面に前述した組成の導電性薄膜(図示せず)がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜に図示しない正極活物質層が形成された構造を有する。前記負極27は、図示しない負極集電体両面に負極材料層(図示せず)がそれぞれ形成された構造を有する。
【0062】
非水電解液は、前記蓋体24の注液孔23を通して前記外装缶22内に注液されている。注液後は、例えばアルミニウム製またはアルミニウム合金製の円板からなる封止蓋30が超音波溶接等により接合され、前記外装部材21を密封している。この封止蓋は、矩形板であってもよい。
【0063】
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ31は、前記外装缶22内の前記電極体26上に配置されている。前記蓋体24の中心付近には、負極端子の取出し穴32が開口されている。負極端子33は、前記蓋体24の穴32および前記スペーサ31の穴を貫通し、前記蓋体24の穴32の箇所でガラス製または樹脂製の絶縁材34を介してハーメティクシールされている。前記負極端子33の下端面には、リード35が接続され、かつこのリード35の他端は前記電極体26の負極27に接続されている。
【0064】
上部側絶縁紙36は、前記蓋体24の外表面全体に被覆されている。外装チューブ37は、前記外装缶22の側面から下面および上面の絶縁紙25、36の周辺まで延出するように配置され、前記下部側絶縁紙25を前記外装缶22の底面に、前記上部側絶縁紙36を前記蓋体24の外表面にそれぞれ固定している。
【0065】
(3)薄型非水電解液二次電池;電極群が積層タイプ
図5は、薄型非水電解液二次電池を示す斜視図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【0066】
図5および図6に示すように電極群41は、正極42、セパレータ43、負極44を順次積層した構造を有する。前記正極42は、図6に示すように集電体45の両面に前述した組成の導電性薄膜46がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜46に正極活物質層47がそれぞれ形成された構造を有する。前記負極44は、図6に示すように集電体48両面に負極材料層49がそれぞれ形成されている。前記正極42、負極44に接続された外部リード端子50、51は、それぞれ前記電極群41の同一側面から外部に延出されている。
【0067】
前記電極群41は、図5に示すように例えば2つ折りのカップ型外装フィルム52のカップ53内にその折曲げ部が前記電極群41の前記外部リード端子50、51が延出された側面と反対側の側面側に位置するように包み込まれている。この外装フィルム52は、図6に示すように内面側に位置するシーラントフィルム54、アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔55および剛性を有する有機樹脂フィルム56をこの順序で積層した構造を有する。前記外装フィルム52における前記折り曲げ部を除く前記電極群41の2つの長側面および1つの短側面に対応する3つの側部は、前記シーラントフィルム54同士を熱シールして水平方向に延出したシール部57a、57b、57cが形成され、これらのシール部57a、57b、57cにより前記電極群41を封口している。前記電極群41の正極42、負極44に接続された外部端子50,51は、前記折り曲げ部と反対側のシール部57bを通して外部に延出されている。前記電極群41内部および前記シール部57a、57b、57cで封口された前記外装フィルム52内には、非水系電解液が含浸・収容されている。
【0068】
(4)薄型非水電解液二次電池;電極群が捲回された扁平形タイプ
図7は、薄型非水電解液二次電池を示す斜視図、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0069】
正極61、セパレータ62および負極63を渦巻状に捲回し、さらに所望の圧力でプレス加工した扁平で矩形状をなす電極群64は、2つ折りの外装フィルム65内にその折曲げ部が電極群64の短辺に位置するように包み込まれている。なお、前記正極61は図示しない集電体の両面に前述した組成の導電性薄膜(図示せず)がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜に図示しない正極活物質層がそれぞれ形成された構造を有する。前記負極63は、図示しない集電体両面に負極材料層(図示せず)がそれぞれ形成された構造を有する。
【0070】
前記外装フィルム65は、内面側に位置するシーラントフィルム66、アルミニウム箔67および剛性を有する有機樹脂フィルム68をこの順序で積層した構造を有する。前記外装フィルム65における前記折り曲げ部を除く前記電極群64の2つの長辺および1つの短辺に対応する3つの辺は、前記シーラントフィルム66同士を熱シールすることによりシール部69a、69b、9cが形成され、これらのシール部69a、69b、69cにより前記電極群64を封口している。前記電極群64の正負極61、63に接続された外部端子70、71は、前記折り曲げ部と反対側のシール部69bを通して外部に延出されている。
【0071】
なお、前記薄型非水電解液二次電池において外装フィルムはカップ型に限らず、ピロー型、パウチ型にしてもよい。
【0072】
以上説明した本発明の非水電解液二次電池は、正極および負極のうち、いずれか一方の電極(例えば正極)が正極集電体、正極活物質層およびこれら正極集電体と正極活物質層との間に介在された導電性薄膜を有し、かつ前記導電性薄膜がカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含む組成を有する。
【0073】
このような構成において、二次電池が短絡、過充電等により発熱して温度が上昇すると、前記正極の集電体と活物質層との間に介在された導電性薄膜中の不燃性ガス発生剤が分解して不燃性ガスを発生する。この不燃性ガスの発生により前記導電性薄膜が膨張してその導電性薄膜自体の抵抗値が増大する。また、前記導電性薄膜が前記集電体に対して部分的に剥離してそれら導電性薄膜と集電体との間の接触抵抗が増大する。このような抵抗増大を生じさせる導電性薄膜は、PTC素子に類似した作用をなし、集電体と活物質層の間の導通を遮断するため、電池の温度上昇を抑えて電池が破裂するのを未然に防ぐことができる。
【0074】
前記効果は、電極群として正極、セパレータおよび負極を積層した構造、つまり前記導電性薄膜が前記集電体に対して剥離し易い構造においてより顕著に発揮される。
【0075】
また、前記短絡、過充電等による発熱は正極を含む電極群で最初に起こるため、前述したように正極にPTC素子に類似した作用を持つ導電性薄膜を介在させることによって、電池の温度上昇に速やかに感知して集電体と活物質層の間の導通を迅速に遮断することが可能になる。
【0076】
したがって、本発明によれば短絡、過充電等による温度上昇を抑えて破裂、発火、漏液を未然に防止できる信頼性、安全性の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【0077】
特に、前記導電性薄膜を構成するカーボン系導電剤、結着剤および不燃性ガス発生剤の配合割合をカーボン系導電剤60〜95重量%、結着剤5〜40重量%および不燃性ガス発生剤0.01〜10重量%にすることによって、短絡、過充電等による発熱、電池の温度上昇時に正極集電体と正極活物質層の間の導通をより一層適確に遮断することができる。
【0078】
また、前記導電性薄膜を前記正極活物質層に対する厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)で1/40〜1/15にすることによって、適正な電池容量を維持しつつ、短絡、過充電等による発熱、電池の温度上昇時に正極集電体と正極活物質層の間の導通をより一層適確に遮断することができる。
【0079】
なお、負極が負極集電体、負極材料層およびこれら負極集電体と負極材料層との間に介在された導電性薄膜を有し、かつ前記導電性薄膜がカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含む組成を有する構造の場合も、前述した過充電(特に短絡)等において短絡電流が流れて温度が上昇しても、短絡電流の増大を迅速に抑制することが可能な安全性の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【0080】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0081】
(実施例1)
<正極の作製>
ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解した。このN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンの結着剤を、アセチレンブラック100重量部に対して結着剤量が50重量部となるよう混合した。その後、不燃性ガス発生剤としてのマロン酸を1重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)添加してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)の両面に塗布し、120℃で乾燥することにより厚さ5μmの導電性薄膜を形成した。
【0082】
次いで、LiCoO2粉末100重量部と、平均粒径50nmのアセチレンブラック2重量部と、平均粒径1μmの燐片状黒鉛(人造黒鉛)3重量部とをミキサで混合し、この混合物を結着剤であるポリフッ化ビニリデン5重量部を溶解したN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極ペーストを調製した。この正極ペーストを前記アルミニウム箔の両面の導電性薄膜にそれぞれ塗布し、90℃で乾燥して厚さ140μmの正極活物質層を前記導電性薄膜にそれぞれ形成した後、圧延して充填密度3.1g/cm3の正極を作製した。
【0083】
なお、得られた正極は前記集電体片面において導電性薄膜と正極活物質層の厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)は1/28であった。
【0084】
<負極の作製>
メソフェーズピッチを原料としたメソフェーズピッチ炭素繊維を黒鉛化することによりメソフェーズピッチ系炭素繊維を製造した。このメソフェーズピッチ系炭素繊維90重量部と天然黒鉛10重量部とを混合した炭素質材粉末100重量部に7重量部のポリフッ化ビニリデンが溶解されたN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状にした後、集電体基板である銅箔の両面に塗布し、90℃で乾燥後、ロールプレスを行い充填密度1.4g/cm3の負極を作製した。
【0085】
<角形リチウムイオン二次電池の組立て>
前記正極、ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータおよび前記負極の積層を1ユニットとして、例えば10ユニット重ね、さらに両側に前記セパレータをそれぞれ重ねて電極群を作製した。
【0086】
次いで、前記電極群をアルミニウムからなる有底矩形筒状外装缶内に収納し、注液孔を有するアルミニウムからなる蓋体を前記外装缶の開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合した。つづいて、非水電解液を前記蓋体の注液孔を通して前記外装缶内に注液した。この非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比1:2)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/L溶解した組成のものを用いた。その後、アルミニウム製の円板からなる封止蓋を前記注液孔を含む前記蓋体に超音波溶接により接合し、密封することにより設計定格容量600mAhの角形リチウムイオン二次電池(厚さ5.5mm、幅30mm、高さ40mmサイズ)を組み立てた。
【0087】
(実施例2)
不燃性ガス発生剤として蓚酸0.8重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)を配合した導電性薄膜を集電体と正極活物質層の間に介在した以外、実施例1と同様な構成の角形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0088】
(実施例3)
不燃性ガス発生剤としてアジピン酸1.2重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)を配合した導電性薄膜を集電体と正極活物質層の間に介在した以外、実施例1と同様な構成の角形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0089】
(比較例1)
不燃性ガス発生剤を含まない導電性薄膜を集電体と正極活物質層の間に介在した以外、実施例1と同様な構成の角形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0090】
得られた実施例1〜3および比較例1の二次電池について、次のような過充電試験を行った。充電は、20℃において充電電流600mA(1C)、4.2Vの定電圧で保持し、計3時間行った。放電は、600mAの定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vとした。充電、放電の後の休止時間はそれぞれ30分間とした。このような充放電を繰り返し、2サイクル行った。つづいて、1C/4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、20℃において、600mA(1C)、10V過充電試験を行った。この過充電試験において、二次電池の破裂、発火、漏液に至らない確率を調べた。試験セル数は、各々10セルとした。その結果を下記表1に示す。
【0091】
また、得られた実施例1〜3および比較例1の二次電池について次のような短絡試験を行った。充電は、20℃において充電電流600mA(1C)、4.2Vの定電圧で保持し、計3時間行った。放電は、600mAの定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vとした。充電、放電の後の休止時間はそれぞれ30分間とした。このような充放電を繰り返し、2サイクル行った。次に、1C/4.4Vの定電圧で5時間充電した。その後、50℃環境下で外部短絡試験を行った。この短絡試験において、破裂、発火、漏液に至らない確率を調べた。試験セル数は、各々10セルとした。その結果を下記表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
前記表1から明らかなように実施例1〜3の二次電池は、過充電試験において殆ど破裂、発火、漏液が認められず、電極群の正極がPTC素子に類似した作用をなし、高い過充電安全性を示すことがわかる。
【0094】
これに対し、比較例1の二次電池は過充電試験において破裂、発火に至る確率が実施例1〜3の二次電池に比べて高く、過充電安全性が低いことがわかる。
【0095】
また、前記表1から明らかなように実施例1〜3の二次電池は短絡試験において殆ど破裂、発火、漏液が認められず、電極群の正極がPTC素子に類似した作用をなし、高い外部短絡安全性を示すことがわかる。
【0096】
これに対し、比較例1の二次電池は短絡試験において破裂、発火に至る確率が実施例1〜3の二次電池に比べて高く、外部短絡安全性が低いことがわかる。
【0097】
(実施例4)
<正極の作製>
ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解した。このN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンの結着剤を、アセチレンブラック100重量部に対して結着剤量が50重量部となるよう混合した。その後、不燃性ガス発生剤としてのマロン酸を1重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)添加してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)の両面に塗布し、90℃で乾燥することにより厚さ5μmの導電性薄膜を形成した。
【0098】
次いで、正極活物質として平均粒径3μmのLiCoO289重量部、導電フィラーとしてグラファイト(ロンザ社製KS6)6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製商品名;#1100)3重量部を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン25重量部に加え、均一せん断攪拌した後、ビーズミルを用いて分散して正極スラリーを調製した。このスラリーの見掛けの粘度は、7500mPa・sであった。つづいて、この正極スラリーを前記アルミニウム箔の両面の導電性薄膜にそれぞれ塗布し、90℃で乾燥して厚さ105μmの正極活物質層を前記導電性薄膜にそれぞれ形成した後、加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより正極を作製した。その後、前記正極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのアルミニウム製外部リードを溶接により取り付けた。
【0099】
なお、得られた正極は前記集電体片面において導電性薄膜と正極活物質層の厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)は1/21であった。
【0100】
<負極の作製>
カルボキシメチルセルロース1.5重量部に鱗片状黒鉛50重量部を分散し、カーボンのマスターバッチ塗料を調製した。この分散液に繊維状炭素材を50重量部添加し同様にせん断分散し、更にスチレンブタジエンゴムラテックス2.4重量部を添加し均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。このスラリーの見掛けの粘度は、4500mPa・sであった。つづいて、この負極スラリーを集電体である厚さ10μmの銅箔の両面に均一に塗付し、溶剤を乾燥させ、更にロールプレス機で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより負極を作製した。その後、前記負極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのニッケル製外部リードを溶接により取り付けた。
【0101】
<薄型リチウムイオン二次電池の組立て>
前記正極、厚さ25μm、気孔率50%、透気度300秒/100ccのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータおよび前記負極の積層を1ユニットとして、例えば9ユニット重ね、さらに両側に前記セパレータをそれぞれ重ねて電極群を作製した。
【0102】
次いで、厚さが25μmの延伸ナイロンフィルムと厚さ40μmのアルミニウム箔と厚さ70μmのマレイン化ポリプロピレンフィルム(シーラントフィルム)とをこの順序でウレタン系接着剤を介して積層・接着した外装フィルム用素材を用意し、この素材の前記マレイン化ポリプロピレンフィルム側から成形パンチおよび成形ダイを用いて加熱押圧してカップ成形した。つづいて、これを短冊状に切断して、マレイン化ポリプロピレンフィルム面が内側で対向するように、外装フィルム用素材のカップの短辺側を成形機により180°折り曲げた。ひきつづき、前記電極群を60℃に真空加熱乾燥し、水分を300ppm以下になるよう除去した後、前記外装フィルム用素材のカップ内にその正負極の外部リードが外装フィルム用素材の外部に突き出すように収納し、平坦な素材部分を前記電極群に重なるように折り曲げた。この状態で、重ねられた3辺のマレイン化ポリプロピレンフィルム同士を接着させて、シール部を形成した。
【0103】
次いで、非水電解液を外装フィルム用素材の開放された長辺側部分を通して1torr以下の真空下で注入・含浸させた。この非水電解液としては、エチレンカーボネート/メチルエチルカーボネート/LiPF6=34.9/53.1/12(重量比)の混合液にトリオクチルフォスフェート(TOP)を0.5重量%加えたものを用いた。その後未シール部を接着し、余分な外装フィルム用素材部分を裁断除去して定格外寸法が厚さ3.8mm、幅35mm、高さ62mmで、容量が750mAh(0.2C)の薄形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0104】
得られた実施例4の二次電池について、次のような過充電試験および外部短絡試験を実施した。試験セル数は、各々10セルとした。
【0105】
(過充電試験)
得られた実施例4の二次電池について、次のような過充電試験を行なった。充電は、20℃において750mA(1C)の電流、4.2Vの定電圧に保持し、トータル3時間行なった。放電は、750mA(1C)の定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vにした。充電、放電後の休止時間は、それぞれ30分間とした。つづいて、1C/4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、20℃において1500mA(2C)、1.2Vの過充電試験を行なった。
【0106】
(外部短絡試験)
得られた実施例4の二次電池について、次のような外部短絡試験を行なった。充電は、20℃において750mA(1C)の電流、4.2Vの定電圧に保持し、トータル3時間行なった。放電は、750mA(1C)の定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vにした。充電、放電後の休止時間は、それぞれ30分間とした。つづいて、1C/4.4Vの定電圧で5時間充電した。その後、80℃の雰囲気で外部短絡試験を行なった。
【0107】
このような過充電試験および外部短絡試験において、二次電池の破裂、発火、漏液に至らない確率を調べた。その結果、過充電試験において破裂、発火、漏液に至らない確率が95%、外部短絡試験において破裂、発火、漏液に至らない確率が95%で、電極群の正極がPTC素子に類似した作用をなし、高い過充電安全性、外部短絡安全性を示すことがわかった。
【0108】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、短絡や過充電等による温度の上昇時に、破裂、発火、漏液を未然に防止でき、信頼性、安全性の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【0109】
また、本発明は正極および負極のいずれか一方の電極にPTC素子に類似した作用を持つ導電性薄膜を介在させることによって、従来、PTC素子を組み込むことが困難であった角形非水電解液二次電池および薄型非水電解液二次電池に有効に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角形非水電解液二次電池の一形態を示す部分切欠斜視図。
【図2】図1に組み込まれる正極を示す斜視図。
【図3】図1に組み込まれる負極を示す斜視図。
【図4】本発明に係る角形非水電解液二次電池の他の形態を示す部分切欠斜視図。
【図5】本発明に係る薄形非水電解液二次電池の一形態を示す斜視図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】本発明に係る薄形非水電解液二次電池の他の形態を示す斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1、21…外装部材、2、22…外装缶、4、24…蓋体、6、26、41、64…電極群、7、29、44,61…正極、8、28、43、62…セパレータ、9,27、44、63…負極、10、45…正極集電体、11、46…導電性薄膜、12、47…正極活物質層、13,48…負極集電体、14、49…負極材料層、52、65…外装フィルム。
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解液二次電池に関し、詳しくは異常電流等による温度上昇時に充放電を停止する機構を電極群の正負極のいずれか一方の電極に内蔵した非水電解液二次電池に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やVTRなどの電子機器の小型化と需要の増大に伴い、これら電子機器の電源である二次電池に対する高容量化が要求されている。また、自動車からの排ガスによる大気汚染が社会問題となっており、電気自動車用電源として軽量で高性能な二次電池を用いることが期待されている。
【0003】
特に、非水電解液二次電池であるリチウムイオン二次電池は電圧が高く、高いエネルギー密度が得られるため、小型、軽量化が可能である。このため、リチウムイオン二次電池は今後、ポータブル機器用の電源として使用されることが期待されている。
【0004】
しかしながら、リチウムイオン二次電池は短絡や過充電等により温度が上昇すると、内部に収容された非水電解液からガスを発生し、内圧が上昇する。この状態が継続すると、電池が破裂し、最終的には発火の危険性もある。
【0005】
このようなことから、従来より1)電池内部の圧力が所定の圧力になると電池内部のガスを外部に放出することができるラプチャーが備えられた非水電解液二次電池、2)所定の内圧で電流の流れを遮断する電流遮断弁が設置された非水電解液二次電池、3)電池温度が上昇することにより電池の抵抗が上昇し、電流を流れ難くするPTC素子が装着された非水電解液二次電池、4)電池内部の温度上昇により空孔が閉るセパレータ、つまり非水電解液中のイオンに対して所定温度でシャットダウン可能なセパレータを有する非水電解液二次電池、が開発され、前記ガス発生に伴う内圧上昇に対処している。
【0006】
一方、特許文献1には電池ケース内で、非水電解液を含む発電要素から離れた箇所に不燃ガス供与体を配置し、短絡や過充電等による電池の温度上昇により前記不燃ガス供与体から不燃ガスを発生させ、前記ケース内に配置した電流遮断機構を破断して電池の電流経路を遮断して、電池ケース等の破裂を未然に防止する非水電解液電池が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−270011号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した電池の温度上昇、内圧上昇に対処した構造の非水電解液二次電池において、電池の温度上昇に対して直接安全機構が働くものとしてはPTC素子、シャットダウン可能なセパレータが挙げられる。
【0009】
しかしながら、PTC素子は外部短絡により大電流が流れると、抵抗値が急激に上昇し、電流値をある程度低く抑えることができるが、電流が流れ続けて電池温度が十分に下がらない問題がある。
【0010】
シャットダウン可能なセパレータは、その材料が限定され、シャットダウン温度の選択が困難である。また、温度上昇によりセパレータの空孔が閉じられてイオンの移動を低減できるものの、セパレータの収縮により正極、負極の短絡の発生が生じる。内部短絡による温度上昇時には、大きな短絡電流を発生するため、この発熱により電池の温度が上昇し、さらに短絡電流が上昇する問題を生じる。
【0011】
本発明は、不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を従来の特許文献1と異なる電極群の正負極のいずれか一方の電極の形態で使用することによって、短絡や過充電等による温度の上昇時に、破裂、発火、漏液を未然に防止することが可能な非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解液二次電池は、正極、セパレータおよび負極を有する電極群と、非水電解液とを具備し、
前記正極および負極のうち、いずれか一方の電極は集電体、電極層およびこれら集電体と電極層との間に介在された導電性薄膜を有し、前記導電性薄膜はカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含むことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解液二次電池を詳細に説明する。
【0014】
この非水電解液二次電池は、正極、負極およびこれら正負極間に介在されたセパレータを有する電極群と非水電解液とを外装部材に収納、密閉した構造を有する。前記正極および負極のうち、いずれか一方の電極(例えば正極)は集電体、正極層(正極活物質層)およびこれら集電体と正極活物質層との間に介在された導電性薄膜を有する。前記導電性薄膜は、カーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含有する。
【0015】
前記正極、前記負極および電解液を以下に具体的に説明する
(1)正極
この正極は、1−1)正極集電体と、1−2)正極層(正極活物質層)と、前記正極集電体と正極活物質層との間に介在された1−3)導電性薄膜とを有する。
【0016】
1−1)正極集電体
この正極集電体としては、例えば厚さ10〜40μmのアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を挙げることができる。
【0017】
1−2)正極活物質層
この正極活物質層は、正極活物質、導電剤および結着剤を含有する。
【0018】
前記正極活物質としては、例えばリチウム複合金属酸化物を使用することができる。具体的にはLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4などを用いることができる。
【0019】
前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
【0020】
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、あるいは他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重合体させたものを挙げることができる。他のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体としては、例えばテトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−フッ化ビニリデンの共重合体を挙げることができる。前記結着剤は、単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
前記正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
【0022】
1−3)導電性薄膜
この導電性薄膜は、カーボン系導電剤、結着剤および電池温度が上昇すると不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含有する。
【0023】
前記カーボン系導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末等を挙げることができる。
【0024】
前記結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等を挙げることができる。
【0025】
前記不燃性ガス発生剤は、電池温度の上昇時に、不燃性ガスを発生する物質であれば如何なるものでもよいが、正極活物質、負極活物質と非水電解液との反応性を考慮すると、二酸化炭素ガスを不燃性ガスとして発生するものが好ましい。具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機系炭酸塩、またはマロン酸、アジピン酸、蓚酸、アセト酢酸などの有機系酸等を挙げることができる。特に、不燃性ガス発生剤は130〜150℃前後の温度で分解して二酸化炭素ガスを発生するマロン酸、アジピン酸のようなジカルボン酸が好ましい。
【0026】
前記導電性薄膜を構成するカーボン系導電剤、結着剤および不燃性ガス発生剤の配合割合は、カーボン系導電剤60〜95重量%、結着剤5〜40重量%および不燃性ガス発生剤0.01〜10重量%にすることが好ましい。
【0027】
前記カーボン系導電剤の配合割合を60重量%未満にすると、導電性薄膜に良好な導電性を付与することが困難になり、前記集電体と正極活物質層との間での導通性を十分に取れなくなる虞がある。一方、カーボン系導電剤が95重量%を超えると、他の2つの成分である結着剤および不燃性ガス発生剤の配合量が実効的に低下して前記集電体への密着性、不燃ガスの発生量の低下を招く虞がある。
【0028】
前記結着剤の配合割合を5重量%未満にすると、前記集電体への導電性薄膜の密着性の低下を生じる虞がある。一方、前記結着剤の配合割合が40重量%を超えると、例えばカーボン系導電剤の配合量が実効的に低下して十分な導電性を有する導電性薄膜を得ることが困難になる。
【0029】
前記不燃性ガス発生剤の配合割合を0.01重量%未満にすると、電池温度の上昇時に十分な量の不燃性ガスを発生することが困難になる。その結果、不燃性ガスを発生する効果、すなわち集電体と正極活物質層との間の導通遮断効果を達成することが困難になる。一方、前記不燃性ガス発生剤の配合割合が10重量%を超えると、例えばカーボン系導電剤の配合量が実効的に低下して十分な導電性を有する導電性薄膜を得ることが困難になる。
【0030】
前記導電性薄膜は、前記正極活物質層に対する厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)で1/40〜1/15にすることが好ましい。前記導電性薄膜の前記正極活物質層に対する厚さ比を1/40未満にすると、電池温度の上昇時での不燃性ガスの発生、これに伴う導電性薄膜の膨張による抵抗増大、集電体と正極活物質層との間の導通遮断を十分になすことが困難になる。一方、前記導電性薄膜の前記正極活物質層に対する厚さ比が1/15を超えると、正極に対する導電性薄膜の体積占有率が増大し、結果として正極活物質層の量が相対的に減少して電池容量が低下する虞がある。
【0031】
前述した正極は、例えば次のような方法により作製される。まず、結着剤および不燃ガス発生剤を水溶媒または有機溶媒に溶解させ、これにカーボン系導電剤を分散装置を用いて分散させてスラリーを調製する。このスラリーを正極集電体の両面にそれぞれ塗布、乾燥して導電性薄膜を形成する。つづいて、正極活物質、導電剤および結着剤を溶媒に分散装置を用いて分散させて正極ペーストを調製する。この正極ペーストを前記集電体両面の導電薄膜層にそれぞれ塗布し、乾燥し、さらに圧延した後、所望寸法に裁断することにより正極を作製する。
【0032】
前記スラリーおよび正極ペーストを調製するための有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル等が使用される。
【0033】
前記分散装置としては、ボールミル、ビーズミル、ディゾルバー、サンドグラインダー、ロールミル等が採用される。
【0034】
前記2回の乾燥処理は、使用した不燃性ガス発生剤の分解温度未満にすることが好ましい。
【0035】
(2)負極
この負極は、例えばリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物およびカルコゲン化合物から選ばれる負極材料および結着剤を含む負極材料層を負極集電体に形成した構造を有する。このようなリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物またはカルコゲン化合物を含む負極は、二次電池のサイクル寿命などの電池特性を向上できるために好適である。
【0036】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物としては、例えばコークス、炭素繊維、熱分解気相炭素物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維またはメソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げることができる。中でも、2500℃以上で黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維を用いると負極容量を向上することが可能になる。
【0037】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)、セレン化ニオブ(NbSe2)などを挙げることができる。このようなカルコゲン化合物を負極材料層に用いると、二次電池の電圧が降下するものの、負極の容量増加により二次電池の容量を向上することが可能になる。また、前記カルコゲン化合物を含む負極はリチウムイオンの拡散速度が大きいため、二次電池の急速充放電性能を向上させることが可能になる。
【0038】
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、あるいは他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重合体させたものを挙げることができる。かかる他のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体としては、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−フッ化ビニリデンの共重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロースを挙げることができる。
【0039】
前記集電体としては、例えば銅箔、ニッケル箔等を用いることができる。銅箔は、厚さが8μm〜20μmであることが好ましい。
【0040】
前記負極材料、結着剤の配合割合は、負極材料80〜98重量%、結着剤2〜20重量%にすることが好ましい。特に、前記負極材料として炭素質物を選択した場合、前記負極材料層の片面当たりの塗布量として50〜200g/m2の範囲にすることが好ましい。
【0041】
前記負極は、例えば次のような方法により作製される。まず、前記炭素質物および結着剤を溶媒に分散させて負極ペーストを調製する。この負極ペーストを集電体の片側もしくは両面に塗布し、乾燥して負極材料層を形成した後、所望寸法に裁断することにより負極を作製する。
【0042】
前記溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、水等が使用される。
【0043】
また、前記負極はアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム金属、リチウム合金などの軽金属から作製することができる。
【0044】
(3)非水電解液
この非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解した組成を有する。
【0045】
前記非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエーテル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エステル、アセトニトリル(AN)などの窒素化合物、スルホラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)などの硫黄化合物などから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0046】
特に、前記非水溶媒としてはEC、PC、γ−BLから選ばれる少なくとも1種、またはEC、PC、γ−BLから選ばれる少なくとも1種とDMC、MEC、DEC、DME、DEE、THF、2−MeTHF、ANから選ばれる少なくとも1種とからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0047】
また、負極に前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いる場合に、前記負極を備えた二次電池のサイクル寿命を向上させる観点から、非水溶媒としてECとPCとγ−BL、ECとPCとMEC、ECとPCとDEC、ECとPCとDEE、ECとAN、ECとMEC、PCとDMC、PCとDEC、またはECとDECからなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0048】
前記電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、四塩化アルミニウムリチウム(LiAlCl4)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]などのリチウム塩を挙げることができる。中でもLiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2を用いると、導電性や安全性が向上されるために好ましい。
【0049】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5モル/L〜2.0モル/Lの範囲にすることが好ましい。
【0050】
非水系電解質二次電池が薄型の場合、前記非水電解液の代わりにゲル状非水電解質を用いることができる。
【0051】
なお、正極を前述したように正極集電体と正極活物質層との間に導電性薄膜を介在した構造にしたが、正極を正極集電体に正極活物質層を形成した構造にし、負極を負極集電体と負極材料層との間に前述した導電性薄膜を介在した構造にしてもよい。
【0052】
本発明に係る非水電解液二次電池は、後述する正極および負極のうち、いずれか一方の電極に設けた導電性薄膜の効果を有効に働かせることを考慮して、前記電極群を構成する正極、セパレータおよび負極を積層した形態にすることが好ましい。ただし、電極群は正極、セパレータおよび負極を重ね、この積層物を捲回し、プレスするか、または加熱・プレスするかいずれかにより扁平状にした形態でもよい。
【0053】
本発明に係る非水電解液二次電池としては、外装部材として金属製の有底矩形筒状外装缶を有する角形非水電解液二次電池、外装部材として中間にガスバリヤフィルム(例えばAl箔)を介在したラミネートフィルムを用いた薄型非水電解液二次電池が挙げられる。このような角形非水電解液二次電池および薄型非水電解液二次電池を図面を参照して以下に説明する。
【0054】
(1)角形非水電解液二次電池;電極群が積層タイプ
図1に示すように角型の外装部材1は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる有底矩形筒状をなす外装缶2と、この外装缶2の開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合され、注液孔3を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる蓋体4とから構成されている。前記外装缶2は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁紙5が配置されている。
【0055】
電極群である電極体6は、前記外装部材1の外装缶2内に収納されている。この電極体6は、例えば正極7、セパレータ8および負極9の積層物を複数重ね構造を有する。なお、前記電極体6は前記外装缶2の内面と接する側にセパレータ8を配置している。
【0056】
前記正極7は、図2に示すように正極集電体10の両面に前述した組成の導電性薄膜11がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜11に正極活物質層12が形成された構造を有する。
【0057】
前記負極8は、図3に示すように負極集電体13両面に負極材料層14がそれぞれ形成されている。
【0058】
非水電解液は、前記蓋体4の注液孔3を通して前記外装缶2内に注液されている。注液後は、例えばアルミニウム製またはアルミニウム合金製の円板からなる封止蓋15が超音波溶接等により接合され、前記外装部材1を密封している。この封止蓋は、矩形板であってもよい。
【0059】
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ16は、前記外装缶2内の前記電極体6上に配置されている。前記蓋体4の中心付近には、負極端子の取出し穴が開口されている。負極端子17は、前記蓋体4の穴および前記スペーサ16の穴を貫通し、前記蓋体4の穴の箇所でガラス製または樹脂製の絶縁材18を介してハーメティクシールされている。前記負極端子17の下端面は、図示しないリードを通して前記電極体6の各負極9に接続されている。正極端子を兼ねる前記外装缶2は、図示しないリードを通して前記電極体6の各正極7に接続されている。
【0060】
(2)角形非水電解液二次電池;電極群が捲回された扁平形タイプ
図4に示す角型の外装部材21は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる有底矩形筒状をなす外装缶22と、この外装缶22の開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合され、注液孔23を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる蓋体24とから構成されている。前記外装缶22は、例えば正極端子を兼ね、底面に下部側絶縁紙25が配置されている。
【0061】
電極群である電極体26は、前記外装部材21の外装缶22内に収納されている。この電極体26は、例えば負極27とセパレータ28と正極29とを前記正極29が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製される。なお、前記正極29は図示しない正極集電体の両面に前述した組成の導電性薄膜(図示せず)がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜に図示しない正極活物質層が形成された構造を有する。前記負極27は、図示しない負極集電体両面に負極材料層(図示せず)がそれぞれ形成された構造を有する。
【0062】
非水電解液は、前記蓋体24の注液孔23を通して前記外装缶22内に注液されている。注液後は、例えばアルミニウム製またはアルミニウム合金製の円板からなる封止蓋30が超音波溶接等により接合され、前記外装部材21を密封している。この封止蓋は、矩形板であってもよい。
【0063】
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ31は、前記外装缶22内の前記電極体26上に配置されている。前記蓋体24の中心付近には、負極端子の取出し穴32が開口されている。負極端子33は、前記蓋体24の穴32および前記スペーサ31の穴を貫通し、前記蓋体24の穴32の箇所でガラス製または樹脂製の絶縁材34を介してハーメティクシールされている。前記負極端子33の下端面には、リード35が接続され、かつこのリード35の他端は前記電極体26の負極27に接続されている。
【0064】
上部側絶縁紙36は、前記蓋体24の外表面全体に被覆されている。外装チューブ37は、前記外装缶22の側面から下面および上面の絶縁紙25、36の周辺まで延出するように配置され、前記下部側絶縁紙25を前記外装缶22の底面に、前記上部側絶縁紙36を前記蓋体24の外表面にそれぞれ固定している。
【0065】
(3)薄型非水電解液二次電池;電極群が積層タイプ
図5は、薄型非水電解液二次電池を示す斜視図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【0066】
図5および図6に示すように電極群41は、正極42、セパレータ43、負極44を順次積層した構造を有する。前記正極42は、図6に示すように集電体45の両面に前述した組成の導電性薄膜46がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜46に正極活物質層47がそれぞれ形成された構造を有する。前記負極44は、図6に示すように集電体48両面に負極材料層49がそれぞれ形成されている。前記正極42、負極44に接続された外部リード端子50、51は、それぞれ前記電極群41の同一側面から外部に延出されている。
【0067】
前記電極群41は、図5に示すように例えば2つ折りのカップ型外装フィルム52のカップ53内にその折曲げ部が前記電極群41の前記外部リード端子50、51が延出された側面と反対側の側面側に位置するように包み込まれている。この外装フィルム52は、図6に示すように内面側に位置するシーラントフィルム54、アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔55および剛性を有する有機樹脂フィルム56をこの順序で積層した構造を有する。前記外装フィルム52における前記折り曲げ部を除く前記電極群41の2つの長側面および1つの短側面に対応する3つの側部は、前記シーラントフィルム54同士を熱シールして水平方向に延出したシール部57a、57b、57cが形成され、これらのシール部57a、57b、57cにより前記電極群41を封口している。前記電極群41の正極42、負極44に接続された外部端子50,51は、前記折り曲げ部と反対側のシール部57bを通して外部に延出されている。前記電極群41内部および前記シール部57a、57b、57cで封口された前記外装フィルム52内には、非水系電解液が含浸・収容されている。
【0068】
(4)薄型非水電解液二次電池;電極群が捲回された扁平形タイプ
図7は、薄型非水電解液二次電池を示す斜視図、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0069】
正極61、セパレータ62および負極63を渦巻状に捲回し、さらに所望の圧力でプレス加工した扁平で矩形状をなす電極群64は、2つ折りの外装フィルム65内にその折曲げ部が電極群64の短辺に位置するように包み込まれている。なお、前記正極61は図示しない集電体の両面に前述した組成の導電性薄膜(図示せず)がそれぞれ形成され、さらにこれら導電性薄膜に図示しない正極活物質層がそれぞれ形成された構造を有する。前記負極63は、図示しない集電体両面に負極材料層(図示せず)がそれぞれ形成された構造を有する。
【0070】
前記外装フィルム65は、内面側に位置するシーラントフィルム66、アルミニウム箔67および剛性を有する有機樹脂フィルム68をこの順序で積層した構造を有する。前記外装フィルム65における前記折り曲げ部を除く前記電極群64の2つの長辺および1つの短辺に対応する3つの辺は、前記シーラントフィルム66同士を熱シールすることによりシール部69a、69b、9cが形成され、これらのシール部69a、69b、69cにより前記電極群64を封口している。前記電極群64の正負極61、63に接続された外部端子70、71は、前記折り曲げ部と反対側のシール部69bを通して外部に延出されている。
【0071】
なお、前記薄型非水電解液二次電池において外装フィルムはカップ型に限らず、ピロー型、パウチ型にしてもよい。
【0072】
以上説明した本発明の非水電解液二次電池は、正極および負極のうち、いずれか一方の電極(例えば正極)が正極集電体、正極活物質層およびこれら正極集電体と正極活物質層との間に介在された導電性薄膜を有し、かつ前記導電性薄膜がカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含む組成を有する。
【0073】
このような構成において、二次電池が短絡、過充電等により発熱して温度が上昇すると、前記正極の集電体と活物質層との間に介在された導電性薄膜中の不燃性ガス発生剤が分解して不燃性ガスを発生する。この不燃性ガスの発生により前記導電性薄膜が膨張してその導電性薄膜自体の抵抗値が増大する。また、前記導電性薄膜が前記集電体に対して部分的に剥離してそれら導電性薄膜と集電体との間の接触抵抗が増大する。このような抵抗増大を生じさせる導電性薄膜は、PTC素子に類似した作用をなし、集電体と活物質層の間の導通を遮断するため、電池の温度上昇を抑えて電池が破裂するのを未然に防ぐことができる。
【0074】
前記効果は、電極群として正極、セパレータおよび負極を積層した構造、つまり前記導電性薄膜が前記集電体に対して剥離し易い構造においてより顕著に発揮される。
【0075】
また、前記短絡、過充電等による発熱は正極を含む電極群で最初に起こるため、前述したように正極にPTC素子に類似した作用を持つ導電性薄膜を介在させることによって、電池の温度上昇に速やかに感知して集電体と活物質層の間の導通を迅速に遮断することが可能になる。
【0076】
したがって、本発明によれば短絡、過充電等による温度上昇を抑えて破裂、発火、漏液を未然に防止できる信頼性、安全性の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【0077】
特に、前記導電性薄膜を構成するカーボン系導電剤、結着剤および不燃性ガス発生剤の配合割合をカーボン系導電剤60〜95重量%、結着剤5〜40重量%および不燃性ガス発生剤0.01〜10重量%にすることによって、短絡、過充電等による発熱、電池の温度上昇時に正極集電体と正極活物質層の間の導通をより一層適確に遮断することができる。
【0078】
また、前記導電性薄膜を前記正極活物質層に対する厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)で1/40〜1/15にすることによって、適正な電池容量を維持しつつ、短絡、過充電等による発熱、電池の温度上昇時に正極集電体と正極活物質層の間の導通をより一層適確に遮断することができる。
【0079】
なお、負極が負極集電体、負極材料層およびこれら負極集電体と負極材料層との間に介在された導電性薄膜を有し、かつ前記導電性薄膜がカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含む組成を有する構造の場合も、前述した過充電(特に短絡)等において短絡電流が流れて温度が上昇しても、短絡電流の増大を迅速に抑制することが可能な安全性の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【0080】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0081】
(実施例1)
<正極の作製>
ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解した。このN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンの結着剤を、アセチレンブラック100重量部に対して結着剤量が50重量部となるよう混合した。その後、不燃性ガス発生剤としてのマロン酸を1重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)添加してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)の両面に塗布し、120℃で乾燥することにより厚さ5μmの導電性薄膜を形成した。
【0082】
次いで、LiCoO2粉末100重量部と、平均粒径50nmのアセチレンブラック2重量部と、平均粒径1μmの燐片状黒鉛(人造黒鉛)3重量部とをミキサで混合し、この混合物を結着剤であるポリフッ化ビニリデン5重量部を溶解したN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極ペーストを調製した。この正極ペーストを前記アルミニウム箔の両面の導電性薄膜にそれぞれ塗布し、90℃で乾燥して厚さ140μmの正極活物質層を前記導電性薄膜にそれぞれ形成した後、圧延して充填密度3.1g/cm3の正極を作製した。
【0083】
なお、得られた正極は前記集電体片面において導電性薄膜と正極活物質層の厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)は1/28であった。
【0084】
<負極の作製>
メソフェーズピッチを原料としたメソフェーズピッチ炭素繊維を黒鉛化することによりメソフェーズピッチ系炭素繊維を製造した。このメソフェーズピッチ系炭素繊維90重量部と天然黒鉛10重量部とを混合した炭素質材粉末100重量部に7重量部のポリフッ化ビニリデンが溶解されたN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状にした後、集電体基板である銅箔の両面に塗布し、90℃で乾燥後、ロールプレスを行い充填密度1.4g/cm3の負極を作製した。
【0085】
<角形リチウムイオン二次電池の組立て>
前記正極、ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータおよび前記負極の積層を1ユニットとして、例えば10ユニット重ね、さらに両側に前記セパレータをそれぞれ重ねて電極群を作製した。
【0086】
次いで、前記電極群をアルミニウムからなる有底矩形筒状外装缶内に収納し、注液孔を有するアルミニウムからなる蓋体を前記外装缶の開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合した。つづいて、非水電解液を前記蓋体の注液孔を通して前記外装缶内に注液した。この非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比1:2)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/L溶解した組成のものを用いた。その後、アルミニウム製の円板からなる封止蓋を前記注液孔を含む前記蓋体に超音波溶接により接合し、密封することにより設計定格容量600mAhの角形リチウムイオン二次電池(厚さ5.5mm、幅30mm、高さ40mmサイズ)を組み立てた。
【0087】
(実施例2)
不燃性ガス発生剤として蓚酸0.8重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)を配合した導電性薄膜を集電体と正極活物質層の間に介在した以外、実施例1と同様な構成の角形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0088】
(実施例3)
不燃性ガス発生剤としてアジピン酸1.2重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)を配合した導電性薄膜を集電体と正極活物質層の間に介在した以外、実施例1と同様な構成の角形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0089】
(比較例1)
不燃性ガス発生剤を含まない導電性薄膜を集電体と正極活物質層の間に介在した以外、実施例1と同様な構成の角形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0090】
得られた実施例1〜3および比較例1の二次電池について、次のような過充電試験を行った。充電は、20℃において充電電流600mA(1C)、4.2Vの定電圧で保持し、計3時間行った。放電は、600mAの定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vとした。充電、放電の後の休止時間はそれぞれ30分間とした。このような充放電を繰り返し、2サイクル行った。つづいて、1C/4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、20℃において、600mA(1C)、10V過充電試験を行った。この過充電試験において、二次電池の破裂、発火、漏液に至らない確率を調べた。試験セル数は、各々10セルとした。その結果を下記表1に示す。
【0091】
また、得られた実施例1〜3および比較例1の二次電池について次のような短絡試験を行った。充電は、20℃において充電電流600mA(1C)、4.2Vの定電圧で保持し、計3時間行った。放電は、600mAの定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vとした。充電、放電の後の休止時間はそれぞれ30分間とした。このような充放電を繰り返し、2サイクル行った。次に、1C/4.4Vの定電圧で5時間充電した。その後、50℃環境下で外部短絡試験を行った。この短絡試験において、破裂、発火、漏液に至らない確率を調べた。試験セル数は、各々10セルとした。その結果を下記表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
前記表1から明らかなように実施例1〜3の二次電池は、過充電試験において殆ど破裂、発火、漏液が認められず、電極群の正極がPTC素子に類似した作用をなし、高い過充電安全性を示すことがわかる。
【0094】
これに対し、比較例1の二次電池は過充電試験において破裂、発火に至る確率が実施例1〜3の二次電池に比べて高く、過充電安全性が低いことがわかる。
【0095】
また、前記表1から明らかなように実施例1〜3の二次電池は短絡試験において殆ど破裂、発火、漏液が認められず、電極群の正極がPTC素子に類似した作用をなし、高い外部短絡安全性を示すことがわかる。
【0096】
これに対し、比較例1の二次電池は短絡試験において破裂、発火に至る確率が実施例1〜3の二次電池に比べて高く、外部短絡安全性が低いことがわかる。
【0097】
(実施例4)
<正極の作製>
ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解した。このN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデンの結着剤を、アセチレンブラック100重量部に対して結着剤量が50重量部となるよう混合した。その後、不燃性ガス発生剤としてのマロン酸を1重量部(アセチレンブラック100重量部に対して)添加してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)の両面に塗布し、90℃で乾燥することにより厚さ5μmの導電性薄膜を形成した。
【0098】
次いで、正極活物質として平均粒径3μmのLiCoO289重量部、導電フィラーとしてグラファイト(ロンザ社製KS6)6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製商品名;#1100)3重量部を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン25重量部に加え、均一せん断攪拌した後、ビーズミルを用いて分散して正極スラリーを調製した。このスラリーの見掛けの粘度は、7500mPa・sであった。つづいて、この正極スラリーを前記アルミニウム箔の両面の導電性薄膜にそれぞれ塗布し、90℃で乾燥して厚さ105μmの正極活物質層を前記導電性薄膜にそれぞれ形成した後、加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより正極を作製した。その後、前記正極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのアルミニウム製外部リードを溶接により取り付けた。
【0099】
なお、得られた正極は前記集電体片面において導電性薄膜と正極活物質層の厚さ比(導電性薄膜/正極活物質層)は1/21であった。
【0100】
<負極の作製>
カルボキシメチルセルロース1.5重量部に鱗片状黒鉛50重量部を分散し、カーボンのマスターバッチ塗料を調製した。この分散液に繊維状炭素材を50重量部添加し同様にせん断分散し、更にスチレンブタジエンゴムラテックス2.4重量部を添加し均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。このスラリーの見掛けの粘度は、4500mPa・sであった。つづいて、この負極スラリーを集電体である厚さ10μmの銅箔の両面に均一に塗付し、溶剤を乾燥させ、更にロールプレス機で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより負極を作製した。その後、前記負極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのニッケル製外部リードを溶接により取り付けた。
【0101】
<薄型リチウムイオン二次電池の組立て>
前記正極、厚さ25μm、気孔率50%、透気度300秒/100ccのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータおよび前記負極の積層を1ユニットとして、例えば9ユニット重ね、さらに両側に前記セパレータをそれぞれ重ねて電極群を作製した。
【0102】
次いで、厚さが25μmの延伸ナイロンフィルムと厚さ40μmのアルミニウム箔と厚さ70μmのマレイン化ポリプロピレンフィルム(シーラントフィルム)とをこの順序でウレタン系接着剤を介して積層・接着した外装フィルム用素材を用意し、この素材の前記マレイン化ポリプロピレンフィルム側から成形パンチおよび成形ダイを用いて加熱押圧してカップ成形した。つづいて、これを短冊状に切断して、マレイン化ポリプロピレンフィルム面が内側で対向するように、外装フィルム用素材のカップの短辺側を成形機により180°折り曲げた。ひきつづき、前記電極群を60℃に真空加熱乾燥し、水分を300ppm以下になるよう除去した後、前記外装フィルム用素材のカップ内にその正負極の外部リードが外装フィルム用素材の外部に突き出すように収納し、平坦な素材部分を前記電極群に重なるように折り曲げた。この状態で、重ねられた3辺のマレイン化ポリプロピレンフィルム同士を接着させて、シール部を形成した。
【0103】
次いで、非水電解液を外装フィルム用素材の開放された長辺側部分を通して1torr以下の真空下で注入・含浸させた。この非水電解液としては、エチレンカーボネート/メチルエチルカーボネート/LiPF6=34.9/53.1/12(重量比)の混合液にトリオクチルフォスフェート(TOP)を0.5重量%加えたものを用いた。その後未シール部を接着し、余分な外装フィルム用素材部分を裁断除去して定格外寸法が厚さ3.8mm、幅35mm、高さ62mmで、容量が750mAh(0.2C)の薄形リチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0104】
得られた実施例4の二次電池について、次のような過充電試験および外部短絡試験を実施した。試験セル数は、各々10セルとした。
【0105】
(過充電試験)
得られた実施例4の二次電池について、次のような過充電試験を行なった。充電は、20℃において750mA(1C)の電流、4.2Vの定電圧に保持し、トータル3時間行なった。放電は、750mA(1C)の定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vにした。充電、放電後の休止時間は、それぞれ30分間とした。つづいて、1C/4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、20℃において1500mA(2C)、1.2Vの過充電試験を行なった。
【0106】
(外部短絡試験)
得られた実施例4の二次電池について、次のような外部短絡試験を行なった。充電は、20℃において750mA(1C)の電流、4.2Vの定電圧に保持し、トータル3時間行なった。放電は、750mA(1C)の定電流で行い、放電終止電圧は3.0Vにした。充電、放電後の休止時間は、それぞれ30分間とした。つづいて、1C/4.4Vの定電圧で5時間充電した。その後、80℃の雰囲気で外部短絡試験を行なった。
【0107】
このような過充電試験および外部短絡試験において、二次電池の破裂、発火、漏液に至らない確率を調べた。その結果、過充電試験において破裂、発火、漏液に至らない確率が95%、外部短絡試験において破裂、発火、漏液に至らない確率が95%で、電極群の正極がPTC素子に類似した作用をなし、高い過充電安全性、外部短絡安全性を示すことがわかった。
【0108】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、短絡や過充電等による温度の上昇時に、破裂、発火、漏液を未然に防止でき、信頼性、安全性の高い非水電解液二次電池を提供することができる。
【0109】
また、本発明は正極および負極のいずれか一方の電極にPTC素子に類似した作用を持つ導電性薄膜を介在させることによって、従来、PTC素子を組み込むことが困難であった角形非水電解液二次電池および薄型非水電解液二次電池に有効に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角形非水電解液二次電池の一形態を示す部分切欠斜視図。
【図2】図1に組み込まれる正極を示す斜視図。
【図3】図1に組み込まれる負極を示す斜視図。
【図4】本発明に係る角形非水電解液二次電池の他の形態を示す部分切欠斜視図。
【図5】本発明に係る薄形非水電解液二次電池の一形態を示す斜視図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】本発明に係る薄形非水電解液二次電池の他の形態を示す斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1、21…外装部材、2、22…外装缶、4、24…蓋体、6、26、41、64…電極群、7、29、44,61…正極、8、28、43、62…セパレータ、9,27、44、63…負極、10、45…正極集電体、11、46…導電性薄膜、12、47…正極活物質層、13,48…負極集電体、14、49…負極材料層、52、65…外装フィルム。
Claims (4)
- 正極、セパレータおよび負極を有する電極群と、非水電解液とを具備し、
前記正極および負極のうち、いずれか一方の電極は集電体、電極層およびこれら集電体と電極層との間に介在された導電性薄膜を有し、前記導電性薄膜はカーボン系導電剤、結着剤および電池温度の上昇時に不燃性ガスを発生する不燃性ガス発生剤を含むことを特徴とする非水電解液二次電池。 - 前記電極群は、セパレータを挟んで正極および負極を積層した構造を有することを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
- 前記不燃性ガス発生剤は、ジカルボン酸であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解液二次電池。
- 前記導電性薄膜は、カーボン系導電剤60〜95重量%、結着剤5〜40重量%および不燃性ガス発生剤0.01〜10重量%の配合組成を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の非水電解液二次電池。
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