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JP2005009007A - 丸編地 - Google Patents

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JP2005009007A
JP2005009007A JP2003172956A JP2003172956A JP2005009007A JP 2005009007 A JP2005009007 A JP 2005009007A JP 2003172956 A JP2003172956 A JP 2003172956A JP 2003172956 A JP2003172956 A JP 2003172956A JP 2005009007 A JP2005009007 A JP 2005009007A
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circular knitted
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metal
circular
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JP2003172956A
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Naoki Imaeda
直樹 今枝
Hiroyuki Kotari
博幸 小足
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】本発明は、刃物の切りに対する全方向の防護性はもとより突刺しに対する抵抗も高く、かつ高強度繊維のもつ柔軟性、編地としての伸縮性などの着用性を兼備した、優れた風合いを有する防護材料としての丸編地を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の丸編地は、丸編組織で構成された金属挿入編物であって、該丸編組織が、複数の金属素線を撚り合わして構成された金属ロープおよび合成繊維束とで構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、警察制服、作業服及びスポーツウエア等の着衣の一部、または全体に取付けてなる柔軟で運動性に優れた耐刃防護材を得るための丸編地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の耐刃防護材料は、金属線と水溶性合成繊維糸を編込んだ後に温水で溶かして金属線の手袋編地を得る製造方法(特許文献1参照)や金属ロープと高強度合成繊維からなる織物の防護手袋(特許文献2参照)、金属ロープと高強度合成繊維からなるラッセル編地(特許文献3参照)、金属入り編地ではガラス成型用金属繊維ニット(特許文献4参照)などが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−259550
【0004】
【特許文献2】特開2000−212814
【0005】
【特許文献3】特開2002−161459
【0006】
【特許文献4】特開平11−79766
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の公知例は、金属線のみの編地で作られた手袋は着用性について全く配慮がなされておらず、硬くて手触りが悪いるものであった。また、防護手袋については金属ロープを縦横2軸に配置された織物を得るためには細い金属ロープしか使用できず満足な防刃性能が得られないため、一方向に金属ロープを配置した織物を2枚重ねにしなければならず厚みが増してコスト高になる問題があった。また、ラッセル編地については、切りに対しては全方向とも優れた性能があるものの、太い金属ロープを細かい編目で編成することが困難であり、突刺しに対する刃物には無抵抗に等しい問題があった。また、用途は異なるが金属繊維ニットはステンレス直径0.008〜0.025mmと細い線材で編まれた編地であって、繊維とのカバーリング糸にしても太い金属ロープでは編めず、金属線が突き出て皮膚にチクチク感があり防刃性、着用性とも満足するものは得られていないのが現状である。
【0008】
すなわち従来の防護材を制服等に使用するには、硬くて厚く、着用性に劣り、刃物が刺さった時に隙間が広くなって防刃性能が低下する欠点や価格が高くなるなどの問題があった。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、刃物の切りに対する全方向の防護性はもとより突刺しに対する抵抗も高く、かつ高強度繊維のもつ柔軟性、編地としての伸縮性などの着用性を兼備した、優れた風合いを有する防護材料としての丸編地を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の丸編地は、丸編組織で構成された金属挿入編物であって、該丸編組織が、複数の金属素線を撚り合わして構成された金属ロープおよび合成繊維とで構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の丸編地は、前記課題、つまり防刃性と運動性(柔軟性と伸縮性)と蒸れなどに影響する通気性、つまり快適性を同時に満足する優れた防護材料について鋭意検討したところ、丸編組織の金属挿入編物において、複数の金属素線を撚り合わして構成された金属ロープおよび合成繊維が引き揃えて編成してなる丸編地を制服の裏地として使ったところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0012】
すなわち、かかる手段によって、防刃性に縦横の方向性がなく、切創性は勿論、ある程度の刺しにも耐刃し、かつ、快適性を付与し得たものである。
【0013】
本発明の丸編地は、複数の金属素線を撚り合わして構成された金属ロープおよび合成繊維束を引き揃えて編成することで得られる。防刃性は主に金属ロープによって得られるが、引き揃えて給糸する合成繊維束が高強力繊維の場合は更に性能が高くなり衣服としての柔軟性等の着用性が向上する。
【0014】
この時、該金属ロープ1本と合成繊維束とを引き揃えてもよく、複数本の金属ロープと合成繊維束を引き揃えて編成しても良い。 かかる金属ロープとは、ステンレス線や炭素鋼線の金属材料を伸線して複数本を撚り合わせてストランドを得る。更に該ストランドを複数本揃えて逆の撚りを掛けて得るものである。
【0015】
次に、該金属ロープと共に丸編地を構成する合成繊維束について説明する。
【0016】
かかる合成繊維束はポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維等の汎用されている合成繊維束でも良いが、好ましくは20CN/dtex 以上の繊維強度を有するパラ系アラミド繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリフェニレンベンゾビスヘキサゾール(PBO)繊維等の高強度合成繊維がよい。これらの中でも、更に耐熱性に優れ、切創性が高いパラ系アラミド繊維が最も好ましく使用される。
【0017】
なお、ここで言う合成繊維束とは、単繊維ではなく集合体であり、マルチフイラメント原糸、空気交絡したかさ高加工糸または紡績糸などであり、何れも適用される。
【0018】
該高強度合成繊維は、該金属ロープとの併用により、引張強度はもとより耐切創性が高くなる上に、金属の粗硬感、冷感などの感触を和らげる役割を持つなどの相乗効果が得られる。
【0019】
本発明の丸編地において、柔軟性と温感を良くするためには、編地を該金属ロープと合成繊維束が、表裏のどちらかに偏在して配置されているリバーシブル構造にすることが最も好ましい。すなわち、該金属ロープが編地の表面に偏在して集中的に出現し、該合成繊維束が編地の裏面に偏在して集中的に出現する構造にすると、制服や防護服の内側の裏地として使用する場合は肌側に柔軟な合成繊維束が配備されて感触が優れるのである。また、脚絆や腕カバー等のように外衣の外に取り付けて防護する場合は表面に柔軟な合成繊維束を配備することで手触りや着用感を良くするのである。
【0020】
リバーシブルな編地構造にする方法としては、天竺編機において、該合成繊維と該金属ロープを別の給糸ガイドから編針に供給することで達成できる。すなわち、編針の上部に金属ロープを、下部に合成繊維束を供給することで丸編地の外部には合成繊維束が現れる比率が高くなり、内部には金属ロープが高率で出るリバーシブル編地が得られる。これは、いわゆる添え糸編という手段である。更に両面編機では明確なリバーシブル編地が得られる。
【0021】
天竺編機において、高低のバットを有する編針を1本交互に配置し、給糸する箇所に2個のカムを設置して、編針を上下させることで丸編地の縦方向の編目がウエール1本毎に合成繊維束と金属ロープで構成された編地が得られる。出来上がった編地は、編成ループが大きくなるために、比較的太い糸や太い金属ロープを容易に編成することができ、しかも横伸びの小さい柔軟な丸編地が得られる。この時、一方の給糸ガイドには該金属ロープに合成繊維束を引揃え、他方の給糸ガイドには該合成繊維束を給糸した方がより柔軟な編み地が得られる。
【0022】
該金属ロープは、硬質のステンレス線を使用するのが、曲げ癖が出なく、衣服の部材としては形態安定性がよいという特性の上から最も好ましいが、硬いという欠点があるために、天竺編地では、切断面にカールが発生し、縫製加工で手間が掛かり、さらに仕上がり品位が劣ることがある。したがって、柔軟で外観品位がよい編地を作るためには、硬質ステンレス線の中に、一部軟質のステンレス線を挿入して構成された金属ロープが好ましく使用される。かかる金属ロープを使用することにより、形態安定性を保持しつつ、太い金属素線であっても金属ロープを柔軟なものとすることができる。具体的には、ステンレス素線7本の中に3本の軟線と4本の硬線を撚り合わせてストランドを形成し、該ストランド7本を逆撚りで撚合わせることで49本から成る柔軟な金属ロープ(公称;7×7)が出来上がる。得られた金属ロープを使用した編地は、加工性が良くなり、柔軟でカールが低減したものが得られる。また、撚り線でなくても硬質ステンレス線と軟質ステンレス線を複数本引き揃えて編地を加工しても同様の効果が得られる。 かかる金属ロープは、使用するステンレス素線の径が好ましくは0.03〜0.10mmの範囲内にあり、より好ましくは0.04〜0.07mmの範囲がよい。即ち、ある程度細い程、柔軟で編立て加工性が良く好ましいが、細すぎると切断強度が低下し、かつ製造コストが高くつくことになる。また、素線径が0.10mmを超えると非常に硬くなり編成が困難になるので上記範囲がよい。
【0023】
次に、複数本の金属素線について述べると、ロープの構成本数は7〜75本であり、最も汎用的な7本のコードの公称;(1×7)、7本のストランドを3本撚り合わせた公称;(3×7)、素線19本のストランドを芯にしてその周りに素線7本のストランドを8本巻き付けた(1×19+8×7) が好ましい。(7×19)のように構成本数が多い程柔軟になるが、コスト高になり好ましくない。反面、素線径が太く、ロープ構成が(1×3)のように素線数が少ないと硬くなり好ましくない。しかし、これに限定するものでない。
【0024】
金属ロープの直径は、好ましくは0.12〜0.90mmの範囲内にあり、より好ましくは、0.20〜0.60mmである。金属ロープの直径はステンレス素線径と構成本数で決まるものである。例えば、金属ロープの直径0.18mmのものは素線径0.06mmを7本撚り合わせて作られる。
【0025】
丸編機に供給する金属ロープの太さは編み機のゲージ、編針の太さによって決まり、編機のゲージが粗く太い編針を使う程金属ロープの直径が太くても編成できるが直径が0.9mmを超えると硬い風合いに仕上がるために衣料としては着用性が劣ることになる。そこで同じ切創性を得ながら柔軟な編地を加工する事が重要になる。このために細い金属ロープを複数本引き揃えて編機に供給して丸編地を得ることで上記目的が達成できるのである。金属ロープが0.12mmと更に細くすると本数を多く供給しても切創性が低く、かつコスト高になり好ましくない。一方では、直径が0.4mm以上の金属ロープを1本供給して編地を作成する方法もある。素線径が0.05mmのものを49本撚り合わせて金属ロープ径0.45mmを作成し、編み機に1本供給して粗い密度の編地を得ることで切創性は勿論のこと、柔軟性や通気性がより良くなる。柔軟性を要求される脇腹部等については細い金属ロープを複数本引き揃えた編地を、高い防刃性が要求され、硬い風合いが要求される衿部などについては太い金属ロープ1本と合成繊維束からなる編地を使う等、用途によって使い分けることができる。
【0026】
また、該金属ロープは端面を触ったときのチクリ感を防ぐとともに切断面のバラケを防止、および布帛と熱固定するためにもナイロン樹脂など熱可塑性樹脂で薄膜に被覆することが望ましい。
【0027】
次に、丸編地の組織は天竺が薄くて伸びが小さく、形態が安定しており、最適であるが、伸びを必要とする膝カバー、肘カバー、脚絆及び腕カバー等はゴム編地が好ましい。また、両面編のインターロック編にすると編地が厚くなり、突刺しに対し優れた防護性が得られる。また、ウエール中に表目と裏目が交互に編出したパール編は薄くてカールがなく好ましい。ただし、編機が特殊になるため汎用性に欠ける問題がある。
【0028】
次に、天竺編地のカール対策について述べる。編地組織から来るカールに加えて金属ロープの反発性が助長されてより編地がカールするのである。編地の形態安定化対策には、前述の金属ロープに軟線を入れることにより硬線の曲げ反発性を軟線で抑えられて編地のカールが減少することが判った。ただし、軟線が多くなると曲げ回復性が低下するため混合比率の最適化が必要となる。この混合比率は鋼線:軟線は1:1近辺が適している。
【0029】
また、天竺でカールを防止する別の方法としては、該編地にポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂を含浸加工して熱処理する方法がある。樹脂加工にはコーティング加工もあるが、編み密度が低い場合に樹脂が裏抜けして加工できないことがあり、樹脂含浸後にマングルで液を絞って付着量を調整する含浸加工が適している。
【0030】
一方、パラ系アラミド繊維にナイロン6繊維やポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の熱可塑性繊維を交編して編地を作り、高張力下で170〜250℃で熱処理して熱可塑性繊維を軟化・溶融する方法も適用される。
【0031】
前者は樹脂加工するため材料費が掛かり、重く、硬くなるが編地が安定し、切断面の金属ロープや繊維のバラケがなくなり後工程の作業性が改善される。一方、後者はピンテンターのような熱処理機で加工するだけで済み安価に仕上がり好ましい。このようにして得られた丸編地は、各種用途に幅広く展開できる。
【0032】
服地としては、制服の襟部、脇部、腹部、腕、足部に部分使いできる。単体としては手袋、首カバー、腕カバー、肘、膝サポーター、脚絆、長靴、ヘルメットの垂れなどに使える。該丸編地を使った服としては警察官などの制服、出動服、消防服、競艇用スーツ、ライダースーツ、自転車競技用スーツ、スライディングパンツなどが挙げられる。また、作業用としては工場現場用、森林伐採用、草刈り用などがある。その他の用途としては、布製鞄、安全ネット、ゴムボートなどがある。これらはほんの一例にすぎない。
【0033】
本発明品の丸編地を適度な大きさに裁断してテープ状布帛で縁をパイピングして防護パーツを完成させる。該防護パーツを制服や作業服の脇部、衿部の表地と裏地の間に取り付けて製品に仕上げる。
【0034】
かくして得られる本発明の丸編地は、ナイフ、出刃包丁や草刈り機、チエンソーなどの刃物をどの角度から斬られても金属ロープで食い止めることができるという効果を奏するものである。また、縦横に重ねたワィヤー織物やラッセル編地よりもワィヤー配置が高密度になり、刃物の突刺しについても抵抗が大きく、柔軟で優れた防護性が生じる。
【0035】
本発明を図面により、以下説明する。
【0036】
図1は、丸編組織の概略図の一例である。A図は金属ロープ1と合成繊維束2を引き揃えて編成した天竺組織図である。B図は編地のウエール毎に金属ロープ1と合成繊維束2を交互に編成したものである。この方法により1個の編ループが大きく出来、太い材料を使っても高密度の編地が得られる特徴がある。
【0037】
図2は、図1Bの編地を作成するための編機の概略図である。
編機は編針3、4の下部に突起したバット5、6があり、回転と共にカム7、8によって編針が上下して編ループが形成される構造を有している。
【0038】
金属ロープ1は給糸ガイド9により高バット5の編針3に供給され、カム7によって編針を下げて、図1Bに示した金属ロープ1の編ループが形成される。同様にして合成繊維糸2は給糸ガイド10によって低バット6の編針4に供給されカム8によって合成繊維束2の編ループが形成される。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0040】
実施例1
太さ0.05mmのステンレス鋼線を7本撚り合わせて太さ0.15mmの金属ロープを加工した。
【0041】
次いで該金属ロープ2本とパラ系アラミド糸3300dtexー1500fを5ゲージの丸編機に同時給糸して天竺組織で編成して丸編地を得た。
【0042】
出来上がった筒状の編地をポリエステル275dtex平織物で包込み、周辺を縫製し固定用ファースナを取付けて腕カバーに仕上げた。 この様にして得られた腕カバーの切創性を評価するため、圧力測定用秤にクッション性の高い厚さ10mmのゴム板を置き、その上に腕カバーを置いて出刃包丁を200Nの押圧力にて、速度10cm/minで引いて切断の有無を評価した結果、切断は認められなかった。これら斬りに対する抵抗に優れたものが得られた。また、腕カバーの着用感は軽量で柔軟で体にフイットした良好な製品が得られた。
【0043】
実施例2
実施例1と同じ材料を使用し、天竺編機において、編針の上部ガイドに金属ロープを、下部ガイドに合成繊維束としてパラ系アラミド糸を給糸して丸編地を加工した。これにより編地の表面には合成繊維束が現れ、裏面には金属ロープが多く出るリバーシブル編地が得られた。この編地を裏返して内部に合成繊維束が現れるようにして手袋の甲部に使用したところ切創性は実施例1と同様に優れた性能が得られ、柔軟で肌触りが改善されて着用性が更に良くなった。
【0044】
実施例3
実施例2において編成した丸編地はカールが強く、裁断すると丸くなって縫製に手間取る事が判った。編地のカールをなくすため前述の金属ロープ1本に軟線0.25mm1本を引き揃えて丸編地を加工した。この結果、硬線の曲げ反発性が軟線で抑えられ、編地のカールが減少した。また、屈曲による編地の変形もなく、切創性も実施例1と変わらないものが得られた。
【0045】
実施例4
太さ0.05mmのステンレス鋼線4本とステンレス軟線3本を撚り合わせて太さ0.15mmの金属ロープを加工した。
【0046】
次いで実施例1と同様にして天竺組織の丸編地を得た。出来上がった丸編み地を脇部カバーとしてパーツに切断加工したところカールが減少し加工性が改善された。この様にして得られた丸編み地の切創性は実施例1と同レベルであった。
【0047】
実施例5
実施例3において、該丸編地にエーテル系ポリウレタン樹脂を接着量が15%になるように含浸後、マングルで液を絞って乾燥機で130℃の処理を行った。その後開反して10%拡幅し、220℃で再度熱処理して仕上げた。
【0048】
得られた編地を20×30cmの大きさに裁断し、熱接着テープで縁取りしたパーツを服の裏地として使用したところ切断面のカールが減少し、ホツレもしなくなった。該パーツは実施例4と同レベルの切創性が得られた。同様に、シリコン樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂を含浸加工しシリコーン樹脂の柔軟な編地からアクリル樹脂、エポキシ樹脂のやや硬い編地まで得られ、用途に応じて樹脂を使い分けた。
【0049】
実施例6
実施例1の金属ロープと パラ系アラミド糸を使い、パール編機で同一ウエール中に表目と裏目が交互に編み出したパール組織で丸編地を編成した。得られた編地は全くカールがなくなり寸法が安定し、切創力も300Nの数値が得られた。
【0050】
同様に、ゴム編を編成し伸縮性のある編地が得られ、腕カバーに筒状で使用したところ縫製が簡単にでき、腕にフイットするものが得られた。
【0051】
また、両面編機でインターロック組織に編成したところ厚地の編地が得られ、出刃包丁の刃先を押し込む抵抗力を評価するため、編地を直径10cm、肉厚5mmのパイプに張り付けて中心部に出刃包丁を1分間に10mmの速度直角に差し込んで編地が切断する時の力を貫通抵抗値として測定した。得られた貫通抵抗値は80Nであった。
【0052】
実施例7
太さ0.07mmのステンレス線を7本合わせてS撚を20T/cm掛けて太さ0.21mmのストランドを作成した。次に該ストランドを7本合わせて反対のZ撚50T/cm掛けて太さ0.63mmの金属ロープ(7×7)を作成した。次いで図2の示す様に5ゲージの丸編機に高低のバットを有する編針を1本交互に配置し、かつ、編ループを形成する編針を上下させる2個のカムを取り付け、上針が作用する給糸ガイドに該金属ロープを、下針が作用する給糸ガイドにパラ系アラミド糸3300dtexを仕掛けて編成し図1Bの様なウエール1本毎に合成繊維束と金属ロープが交互に配列した編地が得られた。この結果、太い金属ロープを使ったにも拘わらず高密度の丸編地が得られ、切創力も400Nと高い数値が得られた。
【0053】
比較例1
実施例1の金属ロープの代わりにステンレス鋼線0.36mm1本とパラ系アラミド繊維1670dtexを引き揃えて5ゲージの丸編機で天竺編地を加工した。この編地を腕カバーとして使用したところ硬く、剛直で着用性が非常に悪いものに仕上がった。
【0054】
比較例2
ステンレス軟線0.15mmを3本とパラ系ポリアミド糸1670dtex1000filを引き揃えて実施例1と同様にして編成加工したところ、丸編地は軟線を使用したにもかかわらず硬く曲げ癖が戻らず皺の多い外観不良なものに仕上がり、腕カバーとしては使用困難であった。
【0055】
また、実施例1と同じ切創性試験を実施したところ切創力は250Nと低い数値になった。
【0056】
比較例3
実施例1の金属ロープを3本引き揃えて5ゲージの丸編機で天竺編地を加工した。この編地を実施例1と同様にして腕カバーを作成したところ硬くてざらつきがあり、合成繊維のような柔軟性、手触りがなく着用性が良くなかった。しかも切創力は200Nと低い数値になった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の丸編地によれば、切りに対する防刃性が優れ、従来のものより軽量でかつ薄くて伸びがあり、柔軟で通気性がある上に縦横の方向性がなくバランスの取れた編地が得られ、今までよりも使い勝手が良くなった。これを制服の芯地に使うことにより、警察署員の安全がより確保できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図のA、B図は、本発明の丸編組織の概略図の一例である。
【図2】この図は、図1Bの丸編地を加工するための丸編機の概略図の一例である。
【符号の説明】
1 :金属ロープ
2 :合成繊維束
3、4 :編針
5 ;高バツト
6 ;低バット
7、8 :カム
9、10:給糸イド

Claims (12)

  1. 丸編組織で構成された金属挿入編物であって、該丸編組織が、複数の金属素線を撚り合わして構成された金属ロープと合成繊維束とで構成されていることを特徴とする丸編地。
  2. 該丸編組織を構成する編糸が、少なくとも1本の該金属ロープと合成繊維束とを引き揃えて構成されたものである請求項1に記載の丸編地。
  3. 該丸編地が、その裏面に該金属ロープが偏在し、表面に該合成繊維束が偏在して配置されているリバーシブル構造を有するものである請求項1または2に記載の丸編地。
  4. 該丸編組織が、縦方向の編目が、ウエール1本毎に該合成繊維束と該金属ロープとで交互に編み込まれて構成されているか、または、ウエール1本毎に合成繊維束と、該金属ロープと合成繊維束とからなる引き揃え編糸とが交互に編み込まれて構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の丸編地。
  5. 該合成繊維束が、繊維強度が20CN/dtex 以上を有する高強度合成繊維束である請求項1〜4のいずれかに記載の丸編地。
  6. 該金属ロープが、硬質のステンレス線の複数からなるものである請求項1〜5のいずれかに記載の丸編地。
  7. 該金属ロープが、硬質のステンレス線と軟質のステンレス線とで構成されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の丸編地。
  8. 該金属ロープが、素線径が0.03〜0.10mmで、構成本数が7〜75本の素線からなり、ロープ直径が0.12〜0.9mmの範囲にあるものである請求項1〜7のいずれかに記載の丸編地。
  9. 該合成繊維束が、少なくともパラ系アラミド繊維を含む単繊維の集合体である請求項1〜8のいずれかに記載の丸編地。
  10. 該丸編地が、樹脂加工されてなるものである請求項1〜9のいずれかに記載の丸編地。
  11. 該樹脂加工が、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種で含浸加工してなる請求項10に記載の丸編地。
  12. 該丸編組織が、天竺、パール編、ゴム編およびインターロック編組織から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜11のいずれかに記載の丸編地。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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