JP2005098450A - 等速自在継手の外側継手部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】等速自在継手の、カップ状または筒状のマウス部材を板材または管材からプレス加工などの冷間加工により成形した薄肉の外側継手部材のねじり強度を向上させる。
【解決手段】板材または管材から冷間加工により成形した外側継手部材の、トラック溝部の外周表面に熱処理による硬化層を有する等速自在継手において、前記硬化層の表面にショットピーニング加工を施す。
【選択図】図1
【解決手段】板材または管材から冷間加工により成形した外側継手部材の、トラック溝部の外周表面に熱処理による硬化層を有する等速自在継手において、前記硬化層の表面にショットピーニング加工を施す。
【選択図】図1
Description
この発明は、トリポード型もしくはダブルオフセット型の摺動式等速自在継手またはバーフィールド型の等速自在継手のうち、カップ状または筒状のマウス部材を板材または管材からプレス加工などの冷間加工により成形した薄肉の外側継手部材を有する等速自在継手に関する。
等速自在継手における、内径部と、転動体が係合するトラック溝部が円周方向に交互に列設された、カップ状のマウス部分を有する外側継手部材に対する従来の製造技術としては、一体素材として温間鍛造または熱間鍛造により成形を行う方法や、カップ状または筒状のマウス部材を板材または管材からプレス加工などの冷間加工により成形し、別体として製作したステム部材と接合して外側継手部材を構成する方法などがある。
近年、自動車業界においては、等速自在継手に小型・軽量化が要求されるようになってきており、後者の冷間成形により得られる外側継手部材は、このようなニーズに応えるものである。また、前者の温間または熱間鍛造による成形方法では、鍛造型が熱により劣化することや、多品種にわたる製品形状に対して一品一様で鍛造型が必要になること、鍛造工程および前処理などが煩雑な多工程となること、などの理由から製造コストを低減できないという問題がある。これに対して後者の冷間成形では、工程削減、工具の長寿命化および合理化の点から全体としてコストダウンを図ることができる。
特開平8−49727号公報(段落番号0008)
特開平9−177808号公報(段落番号0006)
プレスなどの冷間成形においては、材料に大きな変形を与える部分において割れが生じやすく、温間または熱間鍛造に比べて材料に加えることができる変形量が小さい。結果として、プレスなどの冷間成形により得られるカップ状または筒状のマウス部材は、温間鍛造または熱間鍛造により得られる外側継手部材のカップ状マウス部分に比べ、横断面において、薄肉であり、かつ、周上の各部位における肉厚の差が小さい略均一な肉厚の断面形状となる。
一方、マウス部分が薄肉になるほど、ねじり破壊強度は低下する。特に、転動体が係合するトラック溝部における、転動体から加わる荷重の作用点から荷重方向に伸ばした線上における外側継手部材のマウス部分の肉厚は、そのねじり破壊強度を左右する主要な要因である。すなわち、トラック溝部が薄肉になるほど、トラック溝部の外周面と荷重方向線との交点付近に転動体から加わる荷重により生じる引張応力が集中し、より低い荷重において破壊に至る。転動体からトラック溝部に加わる荷重は、等速自在継手に加わる負荷トルクに比例して発生するため、外側継手部材のねじり破壊強度が低いと等速自在継手の許容負荷トルクも低くなる。そのため、プレスなどの冷間加工により成形されるマウス部材により構成した外側継手部材は、許容負荷トルクの低い等速自在継手にしか適用できないという問題があった。
このような問題に対し、特開平9−177808号公報にトラック溝部の外周面の硬度を内周面よりも低くすることにより、カップ状部材のねじり破壊強度を改善する方法が開示されている。この方法においては、転動体からトラック溝部に作用する荷重が静的な場合において、ねじり破壊強度を高めることができるが、動的な繰り返し荷重が作用する場合、すなわち、ねじり疲労破壊に対する強度については効果が得られにくい。そのため、等速自在継手の適用状況によりマウス部材のねじり疲労強度が特に重要視される場合に、効果的な対策方法がなかった。
この発明の目的は、等速自在継手の、マウス部材を板材または管材からプレス加工などの冷間加工により成形した薄肉の外側継手部材のねじり疲労強度の向上を図ることにある。
この発明は、浸炭焼入れまたは高周波焼入れなどにより、あらかじめ表面に浅い硬化層が設けられているトラック溝部外周面に対して、ショットピーニング加工を施すことにより、熱処理によって生じた表面異常層を除去し、圧縮残留応力の高い表層部を設けて、マウス部材のねじり疲労強度を改善するようにしたものである。
熱処理によって生じる表面異常層とは、表面の粒界に沿って酸化物が生成する粒界酸化と焼入性低下による不完全な組織をいい、上に述べたような外側継手部材のマウス部材において引張応力が集中する部分では、粒界に沿って初期クラックが発生しやすくなる。ショットピーニング加工により表面異常層を除去することにより、初期クラックの発生を抑えてねじり疲労強度を高めることができる。
また、ショットピーニング加工における加工条件(ショットの材質、硬さ、径、投射速度、投射時間など)により、圧縮残留応力の大きさやその最大となる深さは異なるが、圧縮残留応力は前述の引張応力を打ち消す方向に作用し、疲労き裂の進展を抑制する効果があるため、圧縮残留応力が作用する表層部を設けることにより、マウス部材のねじり疲労強度を高めることができる。
本発明によれば、外側継手部材のねじり疲労強度を改善することができ、低コストで優れた性能をもつ等速自在継手を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず、図12〜14を参照して、ダブルオフセット型等速自在継手の場合を例にとって、マウス部とステム部とからなる外側継手部材の一体化について説明する。
図12に示すように、外側継手部材は、マウス部1とステム部5とからなる。マウス部1は、薄肉の鋼板からなるパイプ素材または有底の円筒状素材をプレス加工して全体がカップ状に成形される。図13(a)および図14(a)に示すように、マウス部1の円周方向等配位置に複数のトラック溝2が形成され、その結果、マウス部1の開口端は花冠状を呈している。なお、図13(a)および図14(a)はトラック溝2が6本の場合を例示したものであるが、6本以外の、たとえば8本の場合もある。図12(b)に想像線で示すように、マウス部1の内部にボールやケージ、内輪などからなるトルク伝達部材3を組み込むことにより等速自在継手が構成される。また、マウス部1の端壁1aの中央には、プレスの打抜き加工によって貫通孔4が形成されている。貫通孔4は、図13(a)に示すような多角形、または図14(a)に示すようなセレーション孔もしくはスプライン孔とし、浸炭処理や高周波焼入れ等の表面効果処理を施す。
一方、マウス部1と接合されるステム部5は、一方の端部にセレーションまたはスプライン6が形成され、他方の端部に大径部8が形成され、その大径部8の先端面に、大径部8より小径の突出部7が形成されている。突出部7は生材のままであり、表面の硬化処理はされていない。また、突出部7の外径寸法は、マウス部1の貫通孔4の内接円径よりも若干大きく設定される。大径部8と突出部7との間の段部に周溝が形成され、その周溝にシール部材9が装着される。
マウス部1とステム部5との接合は、図12(a)に示すように、マウス部1の貫通孔4にステム部5の突出部7を圧入し、マウス部1の内側に突出した突出部7の先端をカシメ具10により軸方向に打撃して図12(b)に示すようにかしめ、マウス部1とステム部5を一体化する。
図1に示す実施の形態について説明すると、図1(a)はトリポード型等速自在継手の縦断面を、図1(b)はその横断面を示す。トリポード型等速自在継手は、駆動軸または従動軸と接続するトリポード部材14と、従動軸または駆動軸と接続する外側継手部材16とで構成される。この実施の形態では、外側継手部材16は、板材より連続プレス加工により成形されるカップ状のマウス部材11と、それとは別体として製作されたステム部材12とが接合されて構成される。
プレス加工により成形されるマウス部材11は、加工上の制約により、図1(b)に示すように、略均一な肉厚の横断面形状を有している。また、プレス加工においては炭素含有量の低い材料の方がより加工が容易であるため、浸炭焼入れ処理用の低炭素鋼が用いられる。マウス部材11は、成形加工後に浸炭焼入れによりトラック溝部15の内外周面を含む全表面に硬化層を設けた後、ステム部材12と接合される。トラック溝部15の外周面にショットピーニング加工を施すのは、浸炭焼入れの後であれば、ステム部材12と接合する前でも後でもどちらでもよい。
内側継手部材14に図1(b)および図2(a)の矢印の方向に作用する回転トルクT1により、転動体13からトラック溝部15に荷重が加わり、トラック溝部15の外周面のZ1部に引張応力が集中する。そのため、Z1部に初期クラックが発生して破損起点となるが、トリポード型等速自在継手のような摺動式等速自在継手においては、外側継手部材16に対する内側継手部材14の相対角度と軸方向位置とが変動しながら回転する用途に用いられるため、転動体13とトラック溝部15の接触位置と、引張応力が集中するZ1部も軸方向に移動する。そのため、ショットピーニング加工は、横断面(図2(a))における外周輪郭上の範囲L1aと、トラック溝部15と転動体13が接触し得る軸方向範囲L1b(図2(b))を含む外周面に対して行う必要があり、その範囲は、トリポード型では6ヶ所ある。そのうち数ヶ所を図2(b)に斜線部にて示した。また、これらの範囲が含まれていれば、ショットピーニング加工を施す範囲はより広い範囲であっても、あるいは外周面全体であってもよい。横断面(図2(a))における外周輪郭上の範囲L1aはトラック溝部15の幅と同程度である。
次に、図3に示す実施の形態について説明すると、図3(a)はダブルオフセット型等速自在継手の縦断面を、図3(b)はその横断面を示す。ダブルオフセット型等速自在継手は、駆動軸または従動軸と接続する内側継手部材24と、従動軸または駆動軸と接続する外側継手部材26とで構成される。この実施の形態では、外側継手部材26は、板材より連続プレス加工により成形されるカップ状のマウス部材21と、それとは別体として製作されたステム部材22とが接合されて構成される。
プレス加工により成形されるマウス部材21は、加工上の制約により、図3(b)に示すように、略均一な肉厚の横断面形状を有している。また、プレス加工においては炭素含有量の低い材料の方がより加工が容易であるため、浸炭焼入れ処理用の低炭素鋼が用いられている。マウス部材21は、成形加工後に浸炭焼入れによりトラック溝部25の内外周面を含む全表面に硬化層を設けた後、ステム部材22と接合される。トラック溝部25の外周面にショットピーニング加工を施すのは、浸炭焼入れの後であれば、ステム部材22と接合する前でも後でもどちらでもよい。
内側継手部材24に図3(b)および図4(a)の矢印の方向に作用する回転トルクT2により、転動体23からトラック溝部25に荷重が加わり、トラック溝部25の外周面のZ2部に引張応力が集中する。そのため、Z2部に初期クラックが発生して破損起点となるが、ダブルオフセット型のような摺動式等速自在継手においては、外側継手部材26に対する内側継手部材24の相対角度と軸方向位置とが変動しながら回転する用途に用いられるため、転動体23とトラック溝部25の接触位置と、引張応力が集中するZ2部も軸方向に移動する。そのため、ショットピーニング加工は、横断面(図4(a))における外周輪郭上の範囲L2aと、トラック溝部25と転動体23が接触し得る軸方向範囲L2b(図4(b))を含む外周面に対して行う必要があり、その範囲は、ダブルオフセット型では12ヶ所ある。そのうち数ヶ所を図4(b)に斜線部にて示した。また、これらの範囲が含まれていれば、ショットピーニング加工を施す範囲はより広い範囲であっても、あるいは外周面全体であってもよい。横断面(図4(a))における外周輪郭上の範囲L2aは転動体23の直径の2/3程度である。
ショットピーニング加工における加工条件は、浸炭焼入れされたマウス部材11,21において表面硬度がHRC60前後の場合には、深さ10〜50μmの範囲において−1000MPa以上の圧縮残留応力を生じるように設定する。一般的に、ショットの径を小さくすれば表面から浅い範囲に高い圧縮残留応力を生じやすく、ショットの径を大きくするほど表層から深い範囲まで圧縮残留応力を生じやすい。また、浸炭焼入れによる表面異常層が除去されにくい場合には、あらかじめ表面異常層の除去を目的とした加工条件により前加工を行うと効果的である。
図1および図2に示すようなトリポード型等速自在継手における、ショットピーニング加工の有無によるカップ状または筒状のマウス部材11のねじり疲労破壊に対する強度の差を、図5および図6に示す構造の試料を用いて確認した結果を、図11に示す。試料の外側継手部材46を固定し、内側継手部材44に一定の回転方向に対して負荷トルクを繰り返し加え、筒状のマウス部材41がトラック溝部45の外周面を起点として疲労破損するまでの繰り返し回数を記録したものである。図1に示した実施の形態に対して図5および図6に示す試料は、マウス部材41とステム部材42とを外周面の境界部49を溶接することにより構造した点と、マウス部材41はプレスなどの冷間加工ではなく素材から削り出し加工によって得られたものである点が異なるが、略均一な肉厚の軸方向断面形状を有するカップ状または筒状のマウス部材における、トラック溝部の外周面へのショットピーニング加工の有無によるねじり疲労強度の違いを確認することができる。
図5の試料の外側継手部材46は、マウス部材41をSCM415素材から削り出し加工により成形した後、浸炭焼入れ焼もどし処理により表面硬化層を設け、別体に製作したステム部材42と溶接により接合したものである。図11における試料1および試料2は、HRC60前後において、表面硬度と硬化層深さの異なる2種類を作製したものである。さらに、試料1、2のそれぞれについて、マウス部材41のトラック溝部45の外周面の、前述した図2に示すマウス部材11の軸方向断面における外周輪郭上の範囲L1aおよび軸方向範囲L1bと同様の6ヶ所の範囲を含む外周面にショットピーニング加工を施したもの(図11中の白丸,白四角)と、そうでないもの(図11中の黒丸,黒四角)を準備した。ショットピーニングの加工条件は、深さ10〜50μmの範囲において−1000MPa以上の圧縮残留応力を生じるように設定した。
図11に示すとおり、試料1または試料2において表面硬度の違いにより効果に差はあるものの、ショットピーニング加工を行うことにより、破損までの繰り返し回数は、試料1において約3.9倍、試料2において約6.6倍以上増加している。これにより、ショットピーニング加工によるマウス部材41のねじり疲労強度に対する改善効果が確認された。
図7および図8に示す実施の形態は、トリポード型等速自在継手において、カップ状のマウス部材51の材料として炭素含有量が0.5%程度の鋼材を使用し、高周波焼入れにより熱処理を行う場合である。図1に示した実施の形態の浸炭焼入れ焼もどしの場合には、マウス部材の全表面に硬化層が生じるのに対し、高周波焼入れでは部分的に加熱・冷却を行って表面硬化層を設ける点が異なる。ショットピーニング加工により圧縮残留応力を得るためには、対象とする表面が熱処理により硬化されている必要があり、外側継手部材56と転動体53との接触による摩耗を抑えるために必要とされるトラック溝部55の内面の表面硬化層57とは別に、ショットピーニング加工を行うトラック溝部55の外周面に比較的浅い表面硬化層58を設ける必要がある。このとき、トラック溝部55の内周面と外周面の表層だけでなく芯部まで硬化させてしまうとねじり疲労強度は著しく低下するので、芯部はHRC45以下の非硬化部分であることが必要である。そのためトラック溝部55の内周面と外周面は二工程に分けて高周波焼入れする必要がある。しかしながら、第一工程での焼入れ部分は第二工程の加熱の影響で焼き戻される可能性がある。そこで、トラック溝部55の外周面を第一工程として高周波焼入れした後、より高い表面硬度を要する内周面を第二工程として高周波焼入れすることで、内周面の表面硬度をHRC60前後、外周面の表面硬度をHRC55前後とした表面硬化層57,58を得る。トラック溝部55の外周面の表面硬度はHRC55程度確保されていれば、ショットピーニング加工によるマウス部材51のねじり疲労強度に対する改善効果が得られやすい。
また、以上の高周波焼入れによりトラック溝部の内周面と外周面の表面硬化層を設けてショットピーニング加工を行う方法を、ダブルオフセット型等速自在継手(図3および図4参照)のマウス部材に適用してもよい。
図9および図10に、外側継手部材66が、板材より連続プレス加工により成形されるカップ状のマウス部材61と、別体として製作されたステム部材62とが、外周面の境界部69を溶接することにより構成される、バーフィールド型等速自在継手における実施の形態を示す。
プレス加工により成形されるカップ状のマウス部材61は、背景技術の項で述べたような加工上の制約により、略均一な肉厚の横断面形状を有している。また、プレス加工においては炭素含有量の低い材料の方がより加工が容易であるため、浸炭焼入れ処理用の低炭素鋼が用いられている。マウス部材61は、成形加工後に浸炭焼入れによりトラック溝部65内外周面を含む全表面に硬化層を設けた後、ステム部材62と接合される。トラック溝部65の外周面にショットピーニング加工を施すのは、浸炭焼入れの後であれば、ステム部材62と接合する前でも後でもどちらでもよい。また、マウス部材61の境界部69付近は、溶接時の割れを防止するため防炭処理を施してもよい。
内側継手部材64に図9(b)および図10(a)の矢印の方向に作用する回転トルクT6により、転動体63からトラック溝部65に荷重が加わり、トラック溝部65の外周面のZ6部に引張応力が集中する。そのためZ6部に初期クラックが発生して破損起点となるが、バーフィールド型等速自在継手においては、外側継手部材66に対する内側継手部材64の相対角度が変動しながら回転する用途に用いられるため、転動体63とトラック溝部65の接触位置と、引張応力が集中するZ6部はトラック溝部65の軌道に沿って移動する。そのためショットピーニング加工は、横断面(図10(a))における外周輪郭上の範囲L6aと、トラック溝部65と転動体63が接触し得る軸方向範囲L6b(図10(b))を含む外周面に対して行う必要がある。そのような範囲はバーフィールド型では12ヶ所あり、そのうちの数ヶ所を図10(b)に斜線部にて図示してある。範囲L6aは転動体63の直径の2/3程度である。
ショットピーニング加工における加工条件は、この実施の形態のような浸炭焼入れされたカップ状のマウス部材において表面硬度がHRC60前後の場合には、深さ10〜50μmの範囲において−1000MPa以上の圧縮残留応力を生じるように設定されている。一般的に、ショットの径を小さくすれば表面から浅い範囲に高い圧縮残留応力を生じやすく、ショットの径を大きくするほど表層から深い範囲まで圧縮残留応力を生じやすい。また、浸炭焼入れによる表面異常層が除去されにくい場合には、あらかじめ表面異常層の除去を目的とした加工条件により前加工を行うと効果的である。
また、その逆に、図7に示すトリポード型等速自在継手の実施の形態に関連して前述した、高周波焼入れによりトラック溝部の内周面の表面硬化層を設けてショットピーニング加工を行う方法を、バーフィールド型等速自在継手のマウス部材に適用してもよい。
尚、本発明の等速自在継手は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
11,21,41,51,61 マウス部材
12,22,42,52,62 ステム部材
13,23,43,53,63 転動体
14,24,44,54,64 内側継手部材
15,25,45,55,65 トラック溝
16,26,46,56,66 外側継手部材
49,69 境界部
57,58 表面硬化層
12,22,42,52,62 ステム部材
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15,25,45,55,65 トラック溝
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57,58 表面硬化層
Claims (2)
- 板材または管材から冷間加工により成形した外側継手部材であって、前記外側継手部材のトラック溝部の外周表面に熱処理による硬化層を有し、前記硬化層の表面にショットピーニング加工を施したことを特徴とする等速自在継手の外側継手部材。
- 板材または管材から冷間加工により外側継手部材を成形し、前記外側継手部材のトラック溝部の外周表面に熱処理による硬化層を設け、前記硬化層の表面にショットピーニング加工を施すことを特徴とする等速自在継手の外側継手部材の製造方法。
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| JP2003335023A JP2005098450A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 等速自在継手の外側継手部材およびその製造方法 |
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Family Applications (1)
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| JP2003335023A Withdrawn JP2005098450A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 等速自在継手の外側継手部材およびその製造方法 |
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Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-09-26 JP JP2003335023A patent/JP2005098450A/ja not_active Withdrawn
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| CN103722065B (zh) * | 2012-10-14 | 2015-09-30 | 江苏威鹰机械有限公司 | Doj等速万向节筒形壳精整成形方法及其精整凸模 |
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