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JP2005097374A - 摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法、摩擦材用混合物及び摩擦材 - Google Patents

摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法、摩擦材用混合物及び摩擦材 Download PDF

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JP2005097374A JP2003330800A JP2003330800A JP2005097374A JP 2005097374 A JP2005097374 A JP 2005097374A JP 2003330800 A JP2003330800 A JP 2003330800A JP 2003330800 A JP2003330800 A JP 2003330800A JP 2005097374 A JP2005097374 A JP 2005097374A
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composition
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JP2003330800A
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Shinichi Ozeki
真一 大関
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】 従来の摩擦材用フェノール樹脂組成物や摩擦材が有する問題点を解決するため種々検討の結果完成したものであり、機械的強度を低下させることなく、振動吸収性に優れた摩擦材を得ることを可能にする摩擦材用フェノール樹脂組成物及びその製造方法、及び、この摩擦材用フェノール樹脂組成物を用いた摩擦材用混合物と摩擦材を提供する。
【解決手段】 フェノール樹脂とマイカとを含有し、上記フェノール樹脂と上記マイカとが分散混合されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物、フェノール樹脂とマイカとを分散混合させる工程を有することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法、及び、この摩擦材用フェノール樹脂組成物を用いた摩擦材用混合物と摩擦材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法、摩擦材用混合物及び摩擦材に関するものである。
フェノール樹脂は、優れた耐熱性、接着性を有し、自動車に組み込まれる摩擦材用のバインダーとして広く使用されている。近年、自動車の高性能化、高品質化に伴い、自動車の静粛性が向上したため、摩擦材から発生するかすかな鳴き、異音が問題となってきている。
このような問題を改善するため、摩擦材用バインダーとして変性フェノール樹脂の研究が盛んに行われており、油変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、シリコ−ン変性フェノール樹脂、各種ゴム変性フェノール樹脂が検討されている。これらの変性フェノール樹脂を用いることにより、摩擦材の硬度が低くなり、振動吸収性が向上し、鳴き、異音の発生が抑制されてきたが、一方で、摩擦材の耐熱性が低下する、摩擦材製造時の成形性が悪化するという問題が発生し、特性面で未だ十分とはいえない。
上記のような変性フェノール樹脂を用いる方法のほか、繊維基材、結合剤とともに、添加剤として鱗片状無機物とカシューダストとを配合し、鳴き、異音の低減とともに、耐熱性、成形性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このような方法によると、摩擦材は繊維基材、結合剤、上記添加剤を一括混合したものを成形することで製造されるため、鱗片状無機物と結合剤とが隣接することにより発現される振動吸収の効果を充分に発現できるものではなかった。
特開平06−009946号公報
本発明は、従来の摩擦材用フェノール樹脂組成物や摩擦材が有する問題点を解決するため種々検討の結果完成したものであり、機械的強度を低下させることなく、振動吸収性に優れた摩擦材を得ることを可能にする摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法、及び、この摩擦材用フェノール樹脂組成物を用いた摩擦材用混合物と摩擦材を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(12)により達成される。
(1)フェノール樹脂とマイカとを含有し、上記フェノール樹脂と上記マイカとが分散混合されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(2)上記マイカは、マスコバイト(白雲母)、フロゴパイト(金雲母)、バイオタイト(黒雲母)、及び、フッ素金雲母(人造雲母)から選ばれるものである上記(1)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(3)上記マイカは、重量平均フレーク径が5〜2000μmである上記(1)又は(2)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(4)上記マイカは、重量平均アスペクト比(重量平均フレーク径と平均厚さとの比)が10〜200である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(5)上記摩擦材用フェノール樹脂組成物全体に対して、上記マイカ2〜60重量%を含有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、上記フェノール樹脂と上記マイカとを分散混合させる工程を有することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(7)上記フェノール樹脂の反応前、反応中、あるいは反応後に、上記マイカを添加混合する工程を有する上記(6)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(8)上記フェノール樹脂を、溶融、または溶剤に溶解させ、上記マイカと混合する工程を有する上記(6)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(9)上記フェノール樹脂を粉砕する際に、上記マイカを添加混合する工程を有する上記(6)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(10)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物を配合してなる摩擦材用混合物。
(11)上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の製造方法により得られた摩擦材用フェノール樹脂組成物を配合してなる摩擦材用混合物。
(12)上記(11)又は(12)に記載の摩擦材用混合物を成形してなる摩擦材。
本発明は、フェノール樹脂とマイカとを含有し、フェノール樹脂とマイカとが分散混合されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物である。
また、本発明は、フェノール樹脂とマイカとを分散混合させる工程を有することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であり、上記本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物を工業的に製造する方法として好適なものである。
そして、このような摩擦材用フェノール樹脂組成物を配合した摩擦材用混合物を成形することにより、機械的強度を低下させることなく、振動吸収性に優れた摩擦材を得ることができる。
以下、本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法、及び、この摩擦材用フェノール樹脂組成物を用いた摩擦材用混合物と摩擦材について説明する。
本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、フェノール樹脂とマイカとを含有し、上記フェノール樹脂と上記マイカとが分散混合されているものであることを特徴とする。
本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)は、上記本発明の組成物を製造する方法であって、フェノール樹脂とマイカとを分散混合させる工程を有することを特徴とする。
本発明の摩擦材用混合物は、上記本発明の組成物、あるいは、上記本発明の製造方法により得られた組成物を配合してなるものである。
そして、本発明の摩擦材は、上記本発明の摩擦材用混合物を成形してなるものである。
まず、本発明の組成物について詳しく説明する。
本発明の組成物に用いられるフェノール樹脂としては特に限定されないが、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、摩擦材用としてはノボラック型フェノール樹脂が用いられることが多い。
上記ノボラック型フェノール樹脂を合成する方法としては特に限定されないが、通常、フェノール類とアルデヒド類とを、蓚酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸などの酸性触媒の存在下で、フェノール類(P)に対するアルデヒド類(F)のモル比(F/P)を0.5〜0.9として反応させて得ることができる。
ここで用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシンなどのフェノール類が挙げられ、通常、フェノール、クレゾールが多く用いられる。
また、同様にアルデヒド類としても特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン等のアルデヒド類、あるいはこれらの混合物であり、これらのアルデヒド類の発生源となる物質あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することもできるが、通常はホルムアルデヒドが多く用いられる。
このようにして得られたノボラック型フェノール樹脂の形態は特に限定されず、例えば、液状、固形状、固形粉末状など、いずれの形態のものでも使用することができる。
このノボラック型フェノール樹脂は、本発明の組成物を製造する際の方法などにより、適宜最適な形態のものを選択して使用することができる。例えば、フェノール樹脂とマイカとを粉砕混合する場合は、固形状あるいは固形粉末状のものを用いることができる。また、フェノール樹脂の反応過程でマイカと混合したり、フェノール樹脂を溶融または溶剤に溶解させてマイカと混合したりする場合は、上記いずれの形態ものでも用いることができる。
なお、本発明の組成物において、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂を用いる場合は、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを配合することができる。
ヘキサメチレンテトラミンの配合量は特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して、3〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは7〜17重量部である。ヘキサメチレンテトラミンの配合量が上記下限値未満では、ノボラック型フェノール樹脂の硬化が不十分になることがある。また、上記上限値を超えると、ヘキサメチレンテトラミンの分解により発生するガスが、成形品である摩擦材にふくれ、亀裂などを発生させることがある。
本発明の組成物で用いられるマイカは、一般に雲母類鉱物として分類され、通常、その形状はフレーク形状である。
本発明の組成物において用いられるマイカの種類としては特に限定されないが、例えば、マスコバイト(白雲母)、フロゴパイト(金雲母)、バイオタイト(黒雲母)、及び、フッ素金雲母(人造雲母)から選ばれるものを用いることができる。また、これらは一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用することもできる。
本発明の組成物で用いられるマイカは、層構造を形成しており、その層間において薄片状に剥がれやすい性質を有している。このため、フェノール樹脂とマイカとを含有する本発明の組成物を摩擦材に用い、マイカの層方向に応力が作用した場合には、マイカ粒子間に存在するフェノール樹脂層においてずり応力が発生する。これにより、本発明の組成物を用いた摩擦材の損失弾性率が増大し、振動吸収効果を発現させることができる。
上記マイカの粒径としては特に限定されないが、重量平均フレーク径が5〜2000μmであることが好ましく、特に5〜500μmであることが好ましい。
重量平均フレーク径が上記上限値を超えるとフェノール樹脂との混合精度が低下するようになり、上記下限値未満であると、振動吸収効果が充分に発現しない場合がある。
本発明の組成物で使用するマイカの重量平均アスペクト比(重量平均フレーク径と平均厚さとの比)は特に限定されないが、10〜200であることが好ましい。
アスペクト比が上記上限値を超えると、フレーク径が過大である場合と同様に、フェノール樹脂との混合精度が低下するようになり、上記下限値未満であると振動吸収効果が乏しくなることがある。
本発明の組成物におけるマイカの配合量は特に限定されないが、組成物全体に対して2〜60重量%であることが好ましい。特に好ましくは10〜50重量%である。
マイカの配合量が上記下限値未満であると、摩擦材用混合物への配合量によっては、摩擦材に充分な振動吸収効果が得られないことがある。また、上記上限値を越えると、バインダーであるフェノール樹脂量が減少するため、摩擦材用混合物への配合量によっては、摩擦材として用いた場合の機械的強度が低下する場合がある。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、上記本発明の組成物を製造する方法であって、フェノール樹脂とマイカとを分散混合させる工程を有することを特徴とする。
フェノール樹脂とマイカとを分散混合させる方法としては特に限定されないが、例えば、下記に示した(ア)ないし(ウ)の方法などを適用することができる。
(ア)フェノール樹脂の反応前、反応中、あるいは反応後に、マイカを添加混合する。
(イ)フェノール樹脂を溶融または溶剤に溶解させて、マイカと混合する。
(ウ)フェノール樹脂を粉砕する際に、マイカを添加して混合する。
上記(ア)の方法は、具体的には、フェノール樹脂の合成反応工程において、その反応前、又は、反応中にマイカを添加混合して、フェノール樹脂の合成反応を行い、フェノール樹脂とマイカとの混合物を得る方法、あるいは、反応後のフェノール樹脂(通常、冷却前で流動性を有する状態のもの)にマイカを添加混合して、フェノール樹脂とマイカとの混合物を得る方法である。
これらの中では、反応後のフェノール樹脂にマイカを添加混合する方法が、フェノール樹脂の合成反応中に反応系が粘度増加することがなく、好ましい形態である。
得られた混合物は反応装置から取り出して、冷却後に固形状である場合は、これを適度な粒度に粉砕したものを本発明の組成物として用いることができる。
上記(イ)の方法は、通常、反応が終了して反応装置から取り出されたフェノール樹脂を用いる。
フェノール樹脂を溶融させてマイカと混合する方法としては、例えば、反応が終了した後、冷却固化させたフェノール樹脂を適度な粒度に粉砕したものを、マイカとともに加圧式混練装置を用いて加圧下で混練する方法が挙げられる。混練する際は、フェノール樹脂が溶融する温度で行うことにより、溶融状態のフェノール樹脂相の中にマイカを混合させることができる。
ここで用いられる加圧式混練装置としては特に限定されないが、例えば、ロール式混練機、加圧ニーダー、二軸押出機、単軸押出機などを用いることができる。
このようにして得られた溶融混合物は、固形状である場合はこれを適度な粒度に粉砕したものを本発明の組成物として用いることができる。
また、フェノール樹脂を溶解させてマイカと混合する方法としては、例えば、フェノール樹脂を有機溶剤に溶解または溶剤中で溶融させ、ここにマイカを添加して分散混合装置で混合した後、用いた溶剤を除去する方法が挙げられる。
ここで用いられる分散混合装置としては特に限定されないが、通常の撹拌装置、ホモミキサー、ディスパーザー、ビーズミル、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)などの高速攪拌装置、高圧ホモジナイザーなどの高圧衝突装置、あるいは超音波撹拌装置などが挙げられる。これらの分散混合装置は、フェノール樹脂溶液の粘度、混合するマイカの性状や配合量などにより適宜選択して用いることができる。
このようにして得られた混合物は、溶剤を除去した後、固形状である場合はこれを適度な粒度に粉砕したものを本発明の組成物として用いることができる。
上記(ウ)の方法は、通常、合成反応が終了して反応装置から取り出された固形状のフェノール樹脂を用いる。このフェノール樹脂を適度な粒度に粉砕する際に、マイカを添加して混合することにより、
フェノール樹脂とマイカとが高い精度で混合した組成物を得ることができるとともに、粉砕混合時に与えられる衝突、剪断、摩擦等のエネルギーにより、フェノール樹脂とマイカとを部分的にも複合化した形態とすることができる。
ここで、フェノール樹脂の粉砕に用いられる装置としては特に限定されず、公知の粉砕装置を用いることができる。
このようにして得られた混合物は、通常、このまま本発明の組成物として用いることができる。
なお、フェノール樹脂とマイカとを混合する場合、あるいは、フェノール樹脂とマイカとの混合物を粉砕する場合には、必要に応じて、例えばヘキサメチレンテトラミンを添加してこれを行うことにより、ヘキサメチレンテトラミンを含有した組成物を得ることもできる。
フェノール樹脂とマイカとを分散混合させる方法としては、以上のような形態が挙げられるが、このとき、用いる装置の種類や運転条件によっては、フェノール樹脂とマイカとの混合物に高いエネルギーが作用し、マイカ粒子の粉砕が起こることがあるので、マイカ粒子が好ましくは上記粒径や形状を維持できるように、適宜、条件等の調整を行うことが好ましい。
以上に説明したような方法により、フェノール樹脂とマイカとが分散混合した本発明の組成物を得ることができる。このようにして得られた組成物を摩擦材に用いることにより、以下のような効果を得ることができる。
従来の製造方法においては、摩擦材に用いられる摩擦材用混合物は、フェノール樹脂などの結合剤、アラミド繊維などの繊維基材、及び、無機充填材などを同時に配合して、乾式混合装置等を用いて一括混合することにより得られていた。
しかし、このような製造方法によってフェノール樹脂やマイカを他の材料とともに一括混合すると、これらの成分が摩擦材用混合物中に偏在して分散性が不充分となり、充分な混合精度が得られないことがある。これは、摩擦材用混合物の製造時に与えられる混合エネルギーが、通常、それほど大きなものではなく、かつ、フェノール樹脂やマイカはこの摩擦材用混合物中における配合量が比較的少ないためであると考えられる。
このような摩擦材用混合物を用いた摩擦材の場合には、摩擦材中のマイカ粒子間に存在するフェノール樹脂層において発生するずり応力により、摩擦材の損失弾性率が増大し、振動を吸収する効果を充分に発現させることが難しくなると考えられる。
これに対して、本発明の組成物は、あらかじめフェノール樹脂とマイカとが好ましくは上記の方法により分散混合されているものを用いているので、摩擦材用混合物を製造する前の段階で、フェノール樹脂とマイカとはすでに高い精度で混合しているとともに、その一部が複合化した形態になっていると考えられる。
このように、フェノール樹脂とマイカとをあらかじめ分散混合させた形態とし、これを他の材料と混合して摩擦材用混合物を製造することにより、摩擦材用混合物中においてもこれらの成分の分散精度を向上させることができる。そして、この摩擦材用混合物を摩擦材とした場合にも、上記のずり応力を効果的に発現させることができ、摩擦材の振動吸収効果をより高めることができるものである。
次に、本発明の摩擦材用混合物について説明する。
本発明の摩擦材用混合物は、上記本発明の組成物、あるいは、上記本発明の製造方法により得られた組成物を配合してなるものである。
本発明の摩擦材用混合物において、上記本発明の組成物、あるいは、上記本発明の製造方法により得られた組成物以外の成分としては特に限定されないが、例えば、基材繊維、マイカ以外の無機充填材などが挙げられる。ここで基材繊維としては特に限定されないが、例えば、アラミド繊維、ケブラー繊維、ガラス繊維などの耐熱性の繊維を好適に用いることができる。また、マイカ以外の無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどを好適に用いることができる。
これらの成分の配合量としては特に限定されず、目的とする摩擦材の性状、要求特性等に合わせて、適宜配合量を調整することができるが、一例を挙げると、本発明の組成物10〜20重量%、基材繊維5〜10重量%、マイカ以外の無機充填材70〜85重量を配合して摩擦材用混合物とすることができる。
次に、本発明の摩擦材について説明する。
本発明の摩擦材は、上記本発明の摩擦材用混合物を所定の型で成形してなるものであり、必要に応じて、得られた成形品をさらに焼成することにより得ることができる。
成形する場合は、摩擦材用混合物の組成により適宜最適な条件を選択することができるが、一例を挙げると、温度140〜180℃、圧力100〜300kg/cmで、時間3〜20分間で成形することができる。また、得られた成形品を焼成する条件としても特に限定されないが、例えば、170〜300℃で3〜15時間焼成することができる。このようにして、本発明の摩擦材を製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。しかし本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
1.組成物の製造
実施例1
入口温度150℃、出口温度160℃に制御された二軸押出機へ、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−53195」)1000部、マイカA(クラレ社製・「クラライトマイカ400−D」、重量平均粒径18μm、重量平均アスペクト比30)300部を、単位時間当たりの供給比率が等しくなるよう供給し、出口より常温で固形のフェノール樹脂混合物1290部を得た。
得られた混合物1000部に対してヘキサメチレンテトラミン110部を加え、粉砕混合し、粉末の組成物1090部を得た。
実施例2
加圧ニーダーにノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−53195」)1000部を仕込み、150℃に昇温し、溶融させた。マイカB(クラレ社製・「クラライトマイカ500−D」、重量平均粒径10μm、重量平均アスペクト比20)1000部を加え、マイカが均一に分散するのを確認し、更に30分間の混練を行い、加圧ニーダーより取り出して常温で固形のフェノール樹脂混合物1950部を得た。
得られた混合物1000部に対してヘキサメチレンテトラミン55部を加え、粉砕混合し、粉末の組成物1040部を得た。
実施例3
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置にノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−53195」)1000部、メタノール1000部を仕込み、80℃に昇温、溶融させた。ここにマイカC(クラレ社製・「クラライトマイカ60−C」、重量平均粒径340μm、重量平均アスペクト比80)100部を加え、1時間攪拌を行った後、200℃まで昇温、脱溶剤し、常温で固形のフェノール樹脂混合物1030部を得た。
得られた混合物1000部に対してヘキサメチレンテトラミン110部を加え、粉砕混合し、粉末の組成物1090部を得た。
実施例4
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−53195」)1000部にヘキサメチレンテトラミン110部、マイカA1000部を加え、粉砕混合し、粉末の組成物2100部を得た。
実施例5
実施例1において、マイカAの配合量を150部とした以外は、実施例1と同様にして常温で固形のフェノール樹脂混合物1140部を得た。
得られた混合物1000部に対してヘキサメチレンテトラミン110部を加え、粉砕混合し、粉末の組成物1090部を得た。
比較例1
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社・「PR−53195」)1000部にヘキサメチレンテトラミン110部を加え、粉砕混合し、粉末の組成物1090部を得た。
2.摩擦材用混合物の作製
実施例1〜5及び比較例1で得られた6種類の組成物、繊維基材としてアラミド繊維、及び、無機充填材として炭酸カルシウムと硫酸バリウムとを用い、表1に示す配合割合で仕込み混合して、摩擦材用混合物とした。なお、比較例1についてはこのときマイカを混合した。
3.摩擦材の作製
上記で得られた摩擦材用混合物を、温度160℃、圧力200kg/cmで10分間成形し、100×100×15mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成して、摩擦材を作製した。
Figure 2005097374
表の注:使用した材料
(1)アラミド繊維:ドライパルプ 繊維長2mm
(2)炭酸カルシウム:平均粒径 20μm
(3)硫酸バリウム:平均粒径 20μm
3.摩擦材の評価
上記方法により作製した摩擦材を評価用試料とし、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005097374
表の注:評価方法
(1)常態曲げ強度:JIS K 7203「硬質プラスチックの曲げ試験方法」に準拠して測定した。
(2)動的粘弾性:セイコーインスツルメンツ社製・粘弾性測定装置「DMS6100型」により、tanδを測定した。測定条件は、測定温度30〜300℃、周波数100Hzとし、50℃、150℃、250℃におけるtanδの値の比較を行った。
実施例1〜5はいずれも、フェノール樹脂とマイカとを含有し、フェノール樹脂とマイカとが分散混合されている本発明の組成物である。
これらの組成物を配合した摩擦材用混合物を成形した摩擦材の評価を行った結果、マイカを含有しない樹脂組成物を用い、摩擦材の作製時にマイカを配合した比較例1と比べて、実質的に同等の常態曲げ強度を有しながら、各評価温度におけるtanδの値が高く、振動吸収性に優れたものとなった。
本発明は、機械的強度を低下させることなく、振動吸収性に優れた摩擦材を得ることができる摩擦材用フェノール樹脂組成物であり、これを配合した摩擦材用混合物を成形してなる摩擦材は、例えば、高性能、高品質を要求される自動車の摩擦材として好適に用いられるものである。

Claims (12)

  1. フェノール樹脂とマイカとを含有し、前記フェノール樹脂と前記マイカとが分散混合されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  2. 前記マイカは、マスコバイト(白雲母)、フロゴパイト(金雲母)、バイオタイト(黒雲母)、及び、フッ素金雲母(人造雲母)から選ばれるものである請求項1に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  3. 前記マイカは、重量平均フレーク径が5〜2000μmである請求項1又は2に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  4. 前記マイカは、重量平均アスペクト比(重量平均フレーク径と平均厚さとの比)が10〜200である請求項1ないし3のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  5. 前記摩擦材用フェノール樹脂組成物全体に対して、前記マイカ2〜60重量%を含有する請求項1ないし4のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、前記フェノール樹脂と前記マイカとを分散混合させる工程を有することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記フェノール樹脂の反応前、反応中、あるいは反応後に、前記マイカを添加混合する工程を有する請求項6に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記フェノール樹脂を、溶融、または溶剤に溶解させ、前記マイカと混合する工程を有する請求項6に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記フェノール樹脂を粉砕する際に、前記マイカを添加混合する工程を有する請求項6に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項1ないし5のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物を配合してなる摩擦材用混合物。
  11. 請求項6ないし9のいずれかに記載の製造方法により得られた摩擦材用フェノール樹脂組成物を配合してなる摩擦材用混合物。
  12. 請求項11又は12に記載の摩擦材用混合物を成形してなる摩擦材。
JP2003330800A 2003-09-24 2003-09-24 摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法、摩擦材用混合物及び摩擦材 Pending JP2005097374A (ja)

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