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JP2005093158A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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JP2005093158A JP2003322743A JP2003322743A JP2005093158A JP 2005093158 A JP2005093158 A JP 2005093158A JP 2003322743 A JP2003322743 A JP 2003322743A JP 2003322743 A JP2003322743 A JP 2003322743A JP 2005093158 A JP2005093158 A JP 2005093158A
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Yasuhiko Osawa
康彦 大澤
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Abstract

【課題】 イオン拡散距離が短い電極を用いてなるリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、電極の活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高い電流レートでも安定に充電し得るリチウムイオン二次電池および該電池を用いた組電池とこれを搭載した車両に関する。
リチウムイオン二次電池を車両用電源に使用するに当たり、高い電流レートでも安定に充電し得る電池が望まれている。携帯電話用として使用されている従来のリチウムイオン二次電池は、電流を高レートで流す必要が無く、一回の充電で長時間使用できるように、容量重視の電池になっている(例えば、特許文献1参照。)。
反応するということは、界面でイオンの授受が行われ、電極近傍のイオン濃度が変化する。それに伴い、その濃度変化を緩和するように、電解質側から、或いは電解質側へのイオンの拡散がおこることになる。
現状のリチウムイオン電池を高い電流レートで充放電した場合、電極表面での反応が早く進むため、充電時、あるいは放電時に、電極近傍のイオン濃度が急激に低下する。それにより、電解質側からのイオンの拡散が追いつかなくなり、充放電性能が低下するということが起こる。この拡散が律速するために生じる抵抗成分を拡散抵抗という。イオンを運ぶ媒体の粘度が大きいほど、また拡散距離が長いほど、この拡散抵抗は大きくなる。
拡散抵抗を低減させる手法としては、例えば、電解質の粘度を小さくするという方法がある。粘度を低減させるために、鎖状カーボネートを含む溶媒を使うという方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−306547号公報 特開2002−8721号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の方法では、溶媒の沸点が低いので大量には入れられない上、これらの溶媒はイオンを解離させる力が弱いため、入れずぎるとむしろイオンが伝導しにくくなり、性能が低減する。
拡散抵抗を低減させる他の方法としては、イオンの濃度を薄くするといった方法、イオンの拡散距離を短くするという方法が考えられる。しかしながら、前者では、イオン伝導度が低下するという問題があることがわかった。
また、拡散距離を短くする手法としては、電極を薄くして、バルク電解質層と活物質との距離を短くすればよい。電極を薄くするには、小粒径の活物質を使用する必要がある。しかしながら、小粒径の活物質を用いると、活物質同士、活物質と導電助剤の接触性が悪くなり、その結果、反応に関与しない粒子ができてしまい、容量が低下する。そのために導電助剤を電極中に大量に入れる必要がある。その結果、電極中の活物質密度が低下し、電極体積あたりの容量が低下してしまうという新たな問題があることがわかった。
そこで、本発明が目的とするところは、電極中の活物質密度を低下させることなくイオン拡散抵抗を低減してなる電極を用いてなるリチウムイオン二次電池、および該電池を用いた組電池とこれらを搭載した車両を提供するものである。
本発明は、正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、電極の活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであることを特徴とするリチウムイオン二次電池により達成できる。
本発明のリチウムイオン二次電池によれば、集電箔上には活物質粒子が一層しかのっていない電極を用いてなるものである。一層にすることにより、すべての活物質がバルク電解質と接触していることになり、イオンの拡散距離が短くて済む。拡散距離が短いので、拡散抵抗を非常に小さくできる。その結果、高い出力が得られる。また、高い電流レートでも安定に充放電し得る電池を提供することができる。また、導電助剤がいらないので、電極中の活物質密度が大きくなる。なお、本発明では、電極を薄くすることで電池容量が低下するものではない。従来より電極を薄くすることで、単セル(単電池)容量は低下するが、電池の大きさ(容積)を変えないで比較すれば、電池内部に従来よりも多くの単セルを積層(収納)させることができるいため、電池全体としてみた場合には同等になる。すなわち、本発明では電池容量を損なうことなく、高い出力が得ら、高い電流レートでも安定に充放電し得る電池を提供することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態につき、図面を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の1つの電極構造を模式的に表した断面概略図である。
図1、2に示すように、本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の1つ(以下、第1形態ともいう)では、正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、電極1の活物質粒子3の粒子径と電極層(電極活物質層)の厚さTが同じであることを特徴とするものである。ここで、電極1の活物質粒子3の粒子径と電極層の厚さTを同じにするということは、個々の活物質3が集電体(集電箔)5と電解質層7と両方に接触していることになるため、導電助剤が必要なくなる。また、活物質3は常にバルク電解質7と接触していることになるため、拡散距離が短く、イオンの拡散抵抗を小さく抑えることが出来る。
一方、高レート特性、つまり高い電流で充放電を行ったときの性能(具体的には理論容量を100%としたときに対する実際の放電容量の100分率)は、拡散抵抗の大きさに依存する。すなわち、拡散抵抗を小さく抑えることができれば、高レート特性はかなり向上することになる。よって、当該第1形態では拡散抵抗が小さいので、高レート特性が向上し、高出力・電気抵抗が非常に小さいリチウムイオン二次電池を提供することができる。
ここで、「活物質粒子の粒子径と電極層(電極活物質層)の厚さが同じ」とは、活物質粒子の平均粒子径Raと、電極層(電極活物質層)の厚さの平均値Taが略一致する範囲内にあればよく、詳しくは、活物質粒子及び電極層厚さを後述する測定手段にて求めた場合に、活物質粒子の平均粒子径Ra=Ta±20%の範囲内であれば、上記規定を満足するものとする。好ましくは活物質粒子の平均粒子径Ra=Ta±10%の範囲内であるのが望ましい。これは、図1に示すように、電極層が薄くなればなるほど、活物質粒子表面のバインダの厚さが無視できなくなるようになる場合もあるためである。なお、各平均値のサンプル数は10以上とする。これら活物質粒子の粒子径および電極層(電極活物質層)の厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡などにより測定することができる。ただし、活物質粒子の平均粒子径に関しては、製造に用いた活物質の平均粒径を用いてもよい。同様に電極層厚さは、製造段階で測定した電極厚さを用いてもよい。また、電極層内の活物質粒子の粒子径を測定する場合には、電極層の厚さ方向の粒子径を測定するものとする。また、ここでいう電極層の厚さは、図1、2に示すように、集電体の一方の面に形成される電極層の厚さである。
また、当該第1形態での電極層の構成成分に関しては、特に制限されるべきものではなく、後述するように、活物質のほかにも、バインダ、電解質、添加剤などが含まれていてもよいほか、導電助剤も含まれていてもよい。すなわち、当該第1形態の電極構造とすることで、上述したように導電助剤が必要でなくなるものであるが、導電助剤を含んでいても本発明の電極構造をとりえることができ、拡散距離が短く、イオンの拡散抵抗を小さく抑えることが出来るとする本発明の効果を有効に発現することができる以上、本発明の技術範囲に含まれ得るものである。好ましくは上記したように導電助剤は必要でなく、含まれていない方が、電極中の活物質密度が大きくなる点で望ましいことは言うまでも無い。より好ましくは後述する第3形態と同様に、活物質とバインダのみであるのが望ましい。なお、これら個々の構成成分等の説明に関しては、後述するため、ここでの説明は省略する。
なお、活物質粒子の粒子径と電極層(電極活物質層)の厚さが同じとする第1形態の電極構造は、正極或いは負極の少なくともどちらか一方でよいが、好ましくは正極であり、より好ましくは正極及び負極の双方である。
また、図1及び図2は、本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の他の1つの電極構造を模式的に表した断面概略図でもある。
すなわち、本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の他の1つ(第2形態ともいう)としては、図1、2に示すように、正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、活物質粒子3の単層のみで構成された電極1であることを特徴とするものである。かかる電極構造を有する場合にも、活物質粒子3が単層であるため個々の活物質3が集電体(集電箔)5と電解質層7と両方に接触していることになる。そのため、導電助剤が必要なくなる。また、活物質3は常にバルク電解質7と接触していることになるため、拡散距離が短く、イオンの拡散抵抗を小さく抑えることが出来る。よって、当該第2形態でも、拡散抵抗が小さいので、高レート特性が向上し、高出力・電気抵抗が非常に小さいリチウムイオン二次電池を提供することができる。
ここで、「活物質粒子単層のみで構成された電極」とは、図1、2に示すように、電極層内の活物質粒子の層が、2層以上積層されることなく、単層(1層)で構成されていればよい。ただし、これらは、集電体表面全体に活物質粒子が略単層に構成されていればよく、後述する方法にて観察した場合に、局所的(部分的)に極わずか活物質粒子が多層になっているような場合には、上記規定に含まれるものとする。詳しくは、後述する方法にて観察した場合に、観察した領域全体の80%以上において、活物質粒子が単層のみで構成されているものであれば、上記規定を満足するものとする。好ましくは、後述する手段にて観察した場合に、観察した領域全体の90%以上において、活物質粒子が単層のみで構成されているのが望ましい。また、当該第2形態では、電極層内の活物質粒子以外の他の構成成分の構造に関しては何ら制限されるものではない。
なお、電極層内の活物質粒子が単層であることは、走査型電子顕微鏡にて観察することができる。
また、第2形態での電極層の構成成分に関しても、特に制限されるべきものではなく、後述するように、活物質のほかにも、バインダ、電解質、添加剤などが含まれていてもよいほか、導電助剤も含まれていてもよい。すなわち、第2形態の電極構造とすることで、上述したように導電助剤が必要でなくなるものであるが、導電助剤を含んでいても本発明の電極構造をとりえることができ、拡散距離が短く、イオンの拡散抵抗を小さく抑えることが出来るとする本発明の効果を有効に発現することができる以上、本発明の技術範囲に含まれ得るものである。好ましくは上記したように導電助剤は必要でなく、含まれていない方が、電極中の活物質密度が大きくなる点で望ましいことは言うまでも無い。より好ましくは後述する第3形態と同様に、活物質とバインダのみであるのが望ましい。なお、これら個々の構成成分等の説明に関しては、後述するため、ここでの説明は省略する。
なお、活物質粒子単層のみで構成されたとする第2形態の電極構造は、正極或いは負極の少なくともどちらか一方でよいが、好ましくは正極であり、より好ましくは正極及び負極の双方である。
さらに、図1は、本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の更に他の1つ(第3形態ともいう)の電極構造を模式的に表した断面概略図でもあり、ここでは、電極層の厚さT(=活物質粒子3)が1μmより大きい場合の最良の形態を表した図面である。同様に、図2は、本発明の第3形態での電極構造を模式的に表した断面概略図のうち、電極層の厚さT(=活物質粒子3)が1μm未満の場合の最良の形態を表した図面である。
図1および2に示すように、第3形態では、正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、活物質3とバインダ9のみから成ることを特徴とするものである。かかる電極構造では、導電助剤を全く使わない電極1とすることができるものである。これにより、活物質3の配合比を数%高くすることができる。
特に第3形態では、図2に示すように、電極層の厚さT(活物質粒子3)が、1μm以下になってくると、通常の塗布法で塗布した場合、活物質が疎らに塗布され、電極密度が低下するといった問題が起こってくる。そこで、実施例1のような方法で、導電助剤を全く使わず、活物質3とバインダ9のみで電極1を作製すると、電極層の厚さTが1μm以下でも活物質3が密に並び、体積効率の低下が抑えられる。その結果、拡散抵抗を小さくでき、高レート特性が向上し、高出力・電気抵抗が非常に小さいリチウムイオン二次電池を提供することができる。
ここで、「活物質とバインダのみから成る」とは、電極を構成する電極層内の構成成分が活物質とバインダのみからなることをいうものであり、上記した第1、第2形態のように他の成分、例えば、導電助剤や電解質は含まないものである。ただし、図2に示すように、電極の製造方法によっては、バインダが電極層の一部にのみ使用される場合には、活物質粒子間の空隙部には、電解質層から電解質、特に電解液が浸透している状態であってもよいことはいうまでもない。かような状態であっても、本発明の第3形態の要件を満足するものとする。かかる観点から、本発明の第3形態は、電極層内の構成成分に導電助剤を含まないものであればよいともいえる。なお、これら個々の構成成分等の説明に関しては、後述するため、ここでの説明は省略する。
なお、第3形態では、上記第1及び第2形態の要件を必ずしも満足する必要はないが、図1、2に示すように、これらの要件も具備していることが望ましい。すなわち、導電助剤を含まない第3形態の電極構造において、高い電流レートでも安定に充電し得るリチウムイオン二次電池を提供するには、図1、2に示すように、上記上記第1及び第2形態の要件のうちの少なくとも一方は満足していることが望ましいといえる。
本発明では、上記第1〜第3形態のいずれか1つの要件を満足するものであればよいが、上述したように、これら2以上の形態を同時に満足する場合もあり得る。すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池では、上記形態のいずれか1つの要件を満足する電極を有するものであればよく、他の構成要件に関しては特に制限されるものではない。以下に、本発明のリチウムイオン二次電池につき、他の構成要件を含めて、具体的に説明する。
本発明の対象となるリチウムイオン二次電池としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、リチウムイオン二次電池電池の構造・形態で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など特に制限されるべきものではなく、従来公知のいずれの構造にも適用し得るものである。本発明では、扁平型(積層型)の電池構造にすることが好ましい。巻回型(円筒型)の電池構造とする場合には、正極および負極リード端子を取り出す個所のシール性を高めることが困難な場合があり、電気自動車やハイブリッド電気自動車に搭載する高エネルギー密度、高出力密度の電池では、リード端子取り出し部位のシール性の長期の信頼性を確保できないおそれがあるが、扁平型の構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点で有利なためである。
同様にリチウムイオン二次電池の電解質層の種類で区別した場合にも、特に制限されるべきものではなく、電解液をセパレータ(不織布セパレータを含む)に含浸させた液体電解質型電池(液系電池ともいう)、ポリマー電池とも称される高分子ゲル電解質を用いたゲルポリマー電池および固体高分子電解質(全固体電解質)を用いた真性ポリマー電池のいずれにも適用し得るものである。これらの電解質層のうち高分子ゲル電解質および固体高分子電解質(全固体電解質)を用いたポリマー電池に関しては、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質(全固体電解質)を単独で使用することもできるし、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質(全固体電解質)をセパレータ(不織布セパレータを含む)に含浸ないし担持等させて使用することもできるなど、特に制限されるべきものではない。
本発明では、リチウムイオン二次電池がゲルポリマー電池である場合に適しているといえる。高分子ゲル電解質を用いたゲルポリマー電池では、液系電池と比較してイオンが移動しにくいため、拡散抵抗が大きい。このため、拡散距離を短くし、抵抗を低減させることにより、高レート特性が格段に向上するからである。
ゲルポリマー電池とは、上記したように電解質層に高分子ゲル電解質を用いた電池である。高分子ゲル電解質とはイオン導伝性を有する固体高分子電解質に、従来公知のリチウムイオン二次電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。
上記電解液(電解質塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来既知の各種電解液を適宜使用することができるものである。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記イオン導伝性を有する固体高分子電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。これは真性(全固体)ポリマー電解質としても使用されるものである。
上記高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
また、本発明では、リチウムイオン二次電池が真性ポリマー電池である場合により適しているといえる。真性ポリマー電池では、液系電池、或いはゲルポリマー電池と比較してイオンが移動しにくいため、非常に拡散抵抗が大きい。このため、拡散距離を短くし、抵抗を低減させることにより、高レート特性が格段に向上するからである。
真性ポリマー電池は、電解質層にイオン導伝性を有する固体高分子電解質を用いた電池である。イオン導伝性を有する固体高分子電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。
また、本発明の対象となるリチウムイオン二次電池に関して、電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、バイポーラ型ではない(内部並列接続タイプ)電池およびバイポーラ型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。好ましくは、バイポーラ型電池(単に、バイポーラ電池ともいう)である。バイポーラ電池とは1枚の集電体(箔)を挟んで、片側に正極層、反対側に負極層が形成されている単位電池が複数積層されたものである。バイポーラ電池ではない電池を積層する場合は正極、負極それぞれからリード線をとり、そのリード線を介して隣の電池と接続される。そのため、リード線の長さに相当する電子伝導のパスが長くなり、電池の出力が低くなる。それに対して、バイポーラ電池は集電体を介して、縦方向に電流が流れるため、電子伝導のパスが格段に短くなり、その分、高出力になるためである。
以下の説明では、本発明の最適な形態の1つである、バイポーラポリマーリチウムイオン二次電池を例にとり説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるべきものではない。
図3には、バイポーラポリマーリチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表わした概略断面図を示す。図3に示したように、バイポーラポリマー電池21では、1枚または2枚以上で構成される集電体23の片面に正極電極(正極活物質層ともいう)25を設け、もう一方の面に本発明の負極電極(負極活物質層ともいう)27を設けたバイポーラ電極29を、固体電解質層31を挟み隣合うバイポーラ電極29の電極層25、27が対向するようになっている。すなわち、バイポーラポリマーリチウムイオン二次電池21では、集電体23の片方の面上に正極層25を有し、他方の面上に負極層27を有するバイポーラ電極(電極層)29を、電解質層31を介して複数枚積層した構造の電極積層体(バイポーラ電池本体)33からなるものである。また、こうしたバイポーラ電極29等を複数枚積層した電極積層体33の最上層と最下層の電極25a、27aは、バイポーラ電極構造でなくてもよく、集電体23(または端子板)に必要な片面のみの電極層(正極活物質層25aおよび負極活物質層27a)を配置した構造としてもよい。また、バイポーラポリマーリチウムイオン二次電池21では、上下両端の集電体23にそれぞれ正極および負極リード35、37が接合されている。なお、バイポーラ電極の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、バイポーラポリマー電池21では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できるものであるので、バイポーラ電極29の積層回数を少なくしてもよい。また、本発明のバイポーラポリマーリチウムイオン二次電池21では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電極積層体33部分を電池外装材(外装パッケージ)39に減圧封入し、電極リード35、37を電池外装材39の外部に取り出した構造とするのがよい。軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムなど、従来公知の電池外装材を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、電極積層体を収納し減圧封入(密封)し、電極リード35、37を電池外装材39の外部に取り出した構成とするのが好ましい。このバイポーラポリマーリチウムイオン二次電池21の基本構成は、複数積層した単電池層(単セル)が直列に接続された構成ともいえるものである。
以下、本発明のバイポーラポリマーリチウムイオン二次電池の構成要素を中心に説明する。
[集電体]
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、チタン箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、銅等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。
複合集電体における正極集電体および負極集電体の各厚みは、通常通りでよく両集電体とも、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは集電体(複合集電体を含む)の厚さが1〜100μm程度であればよいが、電極層の厚さを電極活物質粒子の粒子径にまで小さくする、電極層内の活物質粒子を単層で構成する、或いは活物質とバインダのみで構成するといった上記第1〜第3形態の電極構造に対応して集電体も薄くするのが望ましいことから、該集電体の厚さとして好ましくは、1〜50μmの範囲である。
[正極層(正極活物質層)]
ここで、正極層の構成材料としては、正極活物質を含むものであれば良く、さらに必要に応じて、正極活物質粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子電解質、添加剤などが含まれ得る。特に、上記第1〜第3形態の電極構造を採用することで、従来、正極層の構成材料として用いられていた導電助剤が必要なくなる。但し、負極にのみ本発明の電極構造を採用する場合や正極層の電極構造に上記第1ないし第2形態を採用する場合には、正極層の構成材料は従来と同様であってもよい。また、電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、バインダバインダや導電助剤が含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。
上記正極活物質としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)を好適に使用できる。具体的には、LiMnO、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物、LiCoOなどのLi−Co系複合酸化物、LiCr、LiCrOなどのLi−Cr系複合酸化物など、LiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物、LiFeO、LiFeOなどのLi−Fe系複合酸化物、LiなどのLi−V系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの(例えば、LiNiCo1−x(0<x<1)等)などが使用できるなど、Li金属酸化物から選択し使用するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる点で有利である。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
上記正極活物質の中では、Li−Mn系複合酸化物が望ましい。これは、Li−Mn系複合酸化物を用いることにより、プロファイルを傾けることが可能となり、異常時信頼性が向上するためである。詳しくは、正極活物質をLi−Mn系複合酸化物にすることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが出来るようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池が特に不安定な過充電、過放電状態を検知し、対処することが出来るようになるため、電池の信頼性を向上させることが可能となる。また、Li−Mn系複合酸化物は過充電、過放電で電池が故障するときにも反応が穏やかであり、異常時の信頼性が高いといえる。その結果、各単電池層及びバイポーラ全体の電圧の検知が容易になる。
上記正極活物質粒子の平均粒径は、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.1〜50μmの範囲とするのが望ましい。特に上記第1〜第3形態の電極構造を採用する場合には、電極層の厚さが正極活物質粒子の粒子径と同じになることから、粉砕後に分級処理などにより粒度分布が狭く、より均一な粒子径のものを用いるのが望ましい。
上記導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、種々炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記高分子電解質のうち高分子ゲル電解質に関しては、上記ゲルポリマー電池にて説明した高分子ゲル電解質を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。すなわち、電池電極中の電解質材料からの電解液の染み出しについては、絶縁層を形成することで効果的にシールすることができる。そのため、上記高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)に関しても、比較的電池特性を優先したものとすることができる。
上記添加剤としては、例えば、電池の性能や寿命を高めるためのトリフルオロプロピレンカーボネート、補強材として各種フィラーなどが挙げられる。
正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、上記第1〜第3形態の電極構造を採用する場合には、正極層の厚さ=正極活物質粒子の粒子径(平均粒径)と同じであればよい。また、上記第1〜第3形態の電極構造を採用しない場合には、特に限定するものではなく、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、0.1〜500μm程度であるが、イオン拡散距離が短い電極構造が望ましいことから、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
正極層における、正極活物質、バインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、リチウム塩、更には導電助剤等の配合量に関しても、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。特に、正極層の厚さが1μmを超える場合には、従来の塗布方法を適用することができるため任意に調整できる。一方、上記第3形態で説明したように、従来法では正極層の厚さを1μm以下にするのが困難であったことから、この場合には、後述する実施例に示す新規な製造方法を採用する必要がある。
[負極層(負極活物質層)]
負極層は、負極活物質活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、負極活物質粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、添加剤などが含まれ得る。特に、上記第1〜第3形態の電極構造を採用することで、従来、負極層の構成材料として用いられていた導電助剤が必要なくなる。但し、正極にのみ本発明の電極構造を採用する場合や負極層の電極構造に上記第1ないし第2形態を採用する場合には、負極層の構成材料は従来と同様であってもよい。高分子電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、バインダや導電助剤などが含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。負極活物質の種類以外は、基本的に「正極層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。具体的には、カーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素、グラファイトなどを用いることができる。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用して用いても良い。上記カーボンとしては、例えば、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボンなど、従来公知のカーボン材料が挙げられる。上記金属化合物としては、LiAl、LiZn、LiBi、LiCd、LiSd、LiSi、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC)等が挙げられる。上記金属酸化物としては、SnO、SnO、GeO、GeO、InO、In、PbO、PbO、Pb、Pb、AgO、AgO、Ag、Sb、Sb、Sb、SiO、ZnO、CoO、NiO、FeO等が挙げられる。Li金属化合物としては、LiFeN、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等が挙げられる。Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)としては、LiTi12などLiTiで表されるリチウム−チタン複合酸化物等が挙げられる。上記ホウ素添加炭素としては、ホウ素添加カーボン、ホウ素添加グラファイト等が挙げられる。ただし、本発明では、これらに制限されるべきものではなく従来公知のものを適宜利用することができる。上記ホウ素添加炭素中のホウ素の含有量は0.1〜10質量%の範囲が望ましいが、これに制限されるべきものではない。
上記負極活物質の中では、結晶性炭素材、非結晶性炭素材から選ばれるものが好ましい。これらを用いることで、プロファイルを傾けることが可能となる。詳しくは、負極活物質を結晶性炭素材、非結晶性炭素材から選ばれるものにすることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが出来るようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池が特に不安定な過充電、過放電状態を検知し、対処することが出来るようになるため、電池の信頼性を向上させることが可能となる。この効果は非晶質炭素において特に顕著であり、有効であるが特に限定は行わない。その結果、各単電池層及びバイポーラ電池全体の電圧の検知が容易になる。ここでいう結晶性炭素材とは、グラファイト系炭素材料をいい、上記グラファイトカーボンなどがこれに含まれる。非結晶性炭素材とは、ハードカーボン系炭素材料をいい、上記ハードカーボンなどがこれに含まれる。
上記負極活物質粒子の平均粒径は、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.1〜50μmの範囲とするのが望ましい。特に上記第1〜第3形態の電極構造を採用する場合には、電極層の厚さが負極活物質粒子の粒子径と同じになることから、粉砕後に分級処理などにより粒度分布が狭く、より均一な粒子径のものを用いるのが望ましい。
負極層の厚さ(負極活物質膜厚)は、上記第1〜第3形態の電極構造を採用する場合には、負極層の厚さ=負極活物質粒子の粒子径(平均粒径)と同じであればよい。また、上記第1〜第3形態の電極構造を採用しない場合には、特に限定するものではなく、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、負極層の厚さ(負極活物質膜厚)は、0.1〜500μm程度であるが、イオン拡散距離が短い電極構造が望ましいことから、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
負極層における、負極活物質、バインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、リチウム塩、更には導電助剤等の配合量に関しても、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。特に、負極層の厚さが1μmを超える場合には、従来の塗布方法を適用することができるため任意に調整できる。一方、上記第3形態で説明したように、従来法では負極層の厚さを1μm以下にするのが困難であったことから、この場合には、後述する実施例に示す新規な製造方法を採用する必要がある。
[電解質層]
本発明では、その使用目的に応じて、(a)高分子ゲル電解質、(b)高分子固体電解質または(c)これらポリマー電解質を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)、のいずれにも適用し得るものである。
(a)高分子ゲル電解質
上記ゲルポリマー電池にて説明した高分子ゲル電解質を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが望ましい。
また、本発明では、ゲル電解質に含まれる電解液の量は、ゲル電解質内部で略均一になるようにしてもよいし、中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていってもよい。前者は、より広範囲で反応性を得ることができるため好ましく、後者は、外周部の全固体高分子電解質部の電解液に対するシール性を高めることができる点で好ましい。中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていく場合には、上記ホストポリマーには、リチウムイオン伝導性のあるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)およびそれらの共重合体を用いることが望ましい。
(b)高分子固体電解質
上記真性ポリマー電池にて説明した固体高分子電解質を用いることができるため、ここでの説明は省略する。なお、固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するために上記リチウム塩が含まれる。またPEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
(c)上記ポリマー電解質を含浸(ないし担持等)させたセパレータ(不織布セパレータを含む)
セパレータに含浸等させることのできるポリマー電解質としては、既に説明した(a)および(b)と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができるものであり、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)などを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
該ポリマーの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
上記セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが望ましい。
上記セパレータの微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がり、その結果として耐熱性が向上するという効果がある。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスがでて電池外装材の熱融着部(シール部)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
上記セパレータの空孔率は20〜50%であることが望ましい。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
上記セパレータへのポリマー電解質の含浸量は、セパレータの保持能力範囲まで含浸させればよいが、当該保持能力範囲を超えて含浸させてもよい。これは、電解質にシール部を設け、電解質層からの電解液の染み出しを防止できるため、該電解質層に保持できる範囲であれば含浸可能である。
電解質を保持させる為に用いる不織布セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、繊維を絡めてシート化することにより製造することができる。また、加熱によって繊維同士を融着することにより得られるスパンボンド等も用いることができる。すなわち、繊維を適当な方法でウェブ(薄綿)状またはマット状に配列させ、適当な接着剤あるいは繊維自身の融着力により接合して作ったシート状のものであればよい。上記接着剤としては、製造及び使用時の温度下で十分な耐熱性を有し、ゲル電解質に対しても反応性や溶解性等がなく安定したものであれば、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用できる。また、使用繊維としては、特に制限されるものではなく、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができ、使用目的(電解質層に要求される機械強度など)に応じて、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性を得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。すなわち、あまり不織布のかさ密度が大きすぎると、電解質層中の非電解質材料が占める割合が大きくなりすぎ、電解質層におけるイオン伝導度などを損なうおそれがあるためである。
不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。空孔率が50%未満では、電解質の保持性が悪化し、90%超では強度が不足する。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは1〜200μmであり、特に好ましくは1〜50μmである。厚さが1μm未満では電解質の保持性が悪化し、200μmを超える場合には抵抗が増大することになる。
なお、上記(1)〜(3)の電解質層は、1つの電池の中で併用してもよい。
また、高分子電解質は、電解質層、正極活物質層、負極活物質層に含まれ得るが、同一の高分子電解質を使用してもよく、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
ところで、現在好ましく使用される高分子電解質用のホストポリマーは、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、溶液系のリチウムイオン電池で一般に使用される、酸化還元電位の高い正極剤を使用する場合には、負極の容量が、高分子電解質層を介して対向する正極の容量より少ないことが好ましい。負極の容量が対向する正極の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。なお、正極および負極の容量は、正極および負極を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。
ただし、負極の容量を対向する正極の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一のセル(単電池層)の平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラポリマーリチウムイオン二次電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。特に従来にない薄い電極を利用する場合には、これに対応する薄い電解質層を採用するのが望ましい。よって、電解質層の厚さは1〜200μm、好ましくは1〜50μmである。
[絶縁層]
絶縁層は、電解液による液絡、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲に形成されてなるものである。本発明では、バイポーラ電池の場合に、必要に応じて、電極の周囲に絶縁層を設けてもよい。これは、車両駆動用ないし補助用電源として利用するような場合には、たとえ固体電解質を用いて電解液による短絡(液落)を完全に防止したとしても、電池への振動や衝撃が長期にわたり負荷される。そのため、電池寿命の長期化の観点からは、絶縁層を設置することがより長期間の信頼性、安全性を確保する上で望ましく、高品質の大容量電源を提供できる点で望ましいためである。
該絶縁層としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどが使用できるが、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、必要に応じて使用すればよい。すなわち、電池の積層ないし巻回構造によっては、最外部の集電体から正極及び負極タブ(電極端子)を直接または電極リードを介して取り出しても良く、この場合には正極および負極端子板は用いなくとも良い。
正極および負極端子板を用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、電極端子板から電極タブまでの内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
正極および負極端子板の材質は、通常のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。これら正極および負極端子板では、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要があれば、電極タブと同様に、高抵抗層を電極端子板の外表面上の必要とされる部分に適宜に設けても良いことはいうまでもない。
[正極および負極リード]
正極および負極リードは、必要に応じて使用すればよい。正極および負極リードは、既存のバイポーラ型ではない通常のリチウムイオン二次電池で用いられる公知の電極リードを用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。正極リードと負極リードとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極リードは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、これら正極および負極リードでも、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要があれば、電極タブと同様に、高抵抗層を電極リード表面上の必要とされる部分に適宜に設けても良いことはいうまでもない。
[正極および負極タブ]
本発明に用いられる正極および負極タブは、最外層の電極の集電体(ないしこれに接続された電極端子板)に接続された正・負極リードとの間で接続されていてもよし、最外層の電極の集電体に接続された正・負極端子板ないし正・負極リードに接続してよいし、最外層の電極の集電体の一部を延長して形成しても良いなど、特に制限されるべきものではない。なお、電池外装材から電池外部に取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておいてもよい。
また、本発明に用いられるタブは、既存のバイポーラ型ではない通常のリチウムイオン二次電池で用いられる公知の電極タブを用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。正極タブと負極タブとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
タブの厚さは、外装材シール部に挟まれている部分の気密性や防水性を高める観点からは薄い方が望ましく、一方、電気抵抗低減の観点からは厚い方が望ましいことから、電池の使用目的に応じて適宜決定すればよいが、通常1〜500μm、好ましくは1〜100μmの範囲である。
また、タブの電池外部への取り出し方としては、正極タブと負極タブとを対向する辺から別々に取り出しても良いし、正極タブと負極タブとを同じ辺から取り出しても良いし、正極タブと負極タブとを隣接する辺から別々に取り出しても良いなど特に制限されるものではないが、これらの電池を複数接続して組電池を形成するには、配線などの関係から正極タブと負極タブとを対向する辺から別々に取り出すのが望ましいといえる。また、タブ金属表面にも、必要に応じて、高抵抗層を設けてもよい。
[電圧検知タブ]
バイポーラ電池の場合には、電池内のセル(単電池層)ごとの電圧を検知し、過充電や過放電状態になったセルをバイパスして充放電が行えるような電圧検知タブを各セルに設けておくのが望ましい。この電圧検知タブの一端はセルの集電体に接続し、もう一方の端を電池外部にまで取り出し、これらタブを電圧検知・バイパス制御回路等に接続するのが望ましい。これにより車両電源に求められる高電圧を確保すべく、数十〜百数十セル(単電池層)を収納した電池内部の各単電池層の容量バラツキによる電池性能の低下を抑制することができ、電池寿命を高めることができる。特に、バイポーラ電池を車両の動力源として使用する場合には、信頼性と安定性が要求されるため、それぞれのバイポーラ電池及び該電池内の各単電池層(セル)が正常に機能しているか否かを常に監視する必要がある。このため、すべてのバイポーラ電池(通常、複数のバイポーラ電池を接続した組電池を、更に複数接続した複合組電池として車両に搭載されている)及び電池内のセルの電圧を常時監視し、劣化したバイポーラ電池及び電池内のセルが検知できるようにするのが望ましいためである。
また、電極タブである正極タブ及び負極タブと、電圧検知タブとは、電池の異なる辺から取り出すのが配線などの都合上便利であるほか、シール部の気密性確保の観点からも望ましいといえる。
更に、電圧検知タブには、各セルごとの電圧(4.2V程度)しか加わらないため、電極タブのように高抵抗層を形成する必要はない。
該電圧検知タブには、上記電極タブと同様の材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。各電圧検知タブの材質は、同一の材質を用いるのが望ましいが、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、電圧検知タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
[電池外装材]
本発明では、従来と同様に電池の防水性、シール性を確保し、更に電池の軽量化を図り、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止する観点から、電池本体である電池積層体(ないし電池巻回体)全体を収納するための電池外装材として、高分子金属複合フィルムを用いてなるものである。かかる高分子金属複合フィルムとしては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜適用することができるものであり、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)層の両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)の樹脂層(表皮樹脂層、金属層−タブ間樹脂層)で被覆した高分子金属複合フィルムなどを用いることができる。上記絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)の樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が挙げられ、これらを目的に応じて、表皮樹脂層側と金属層−タブ間樹脂層側とに適用すればよい。
上記金属層としては、高電圧に対する絶縁性よりも耐熱性や外部からの酸素や水蒸気や光(紫外線など)に対する高バリア性、更に折り曲げなどに対する強度に優れる軟質材が求められることから、アルミニウムが望ましい。該金属層の膜厚としては、上記特性を十分に発現させることが出来ればよく、1〜100μm、好ましくは5〜50μmの範囲である。
上記表皮樹脂層では、熱融着性は必要ではなく、外部絶縁性、耐候性、耐擦過傷、外部からの酸素や水蒸気に対するバリア性、耐熱性などが求められることから、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)など所望の材料を選定すればよい。また、表皮樹脂層の膜厚も、上記特性を十分に発現させることが出来ればよく、1〜50μm、好ましくは5〜30μmの範囲である。
上記金属層−タブ間樹脂層では、内部絶縁性、熱融着性、耐薬品性(電解液等に対する耐性)、酸素や水蒸気、更には充放電で発生するガス等に対するバリア性、耐熱性などが求められることから、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等など所望の材料を選定すればよい。また、金属層−タブ間樹脂層の膜厚も、上記特性を十分に発現させることが出来ればよく、1〜100μm、好ましくは5〜50μmの範囲である。
高分子金属複合フィルム全体の膜厚は、電池外装材に求められる上記機能を発揮することができるものであれば特に制限されるものではないが、通常20〜150μm、好ましくは50〜120μmの範囲である。
また、これら金属層、表皮樹脂層及び金属層−タブ間樹脂層は、それぞれ材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、上下2枚の高分子金属複合フィルムを熱融着させて用いる場合、これら2枚の高分子金属複合フィルム内の各層の材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。
本発明では、高分子金属複合フィルムを用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することによりシール部を形成し、電池積層体を収納し密封した構成とする。この場合、上記正極および負極タブが、上記シール部(熱融着部)に挟まれ、絶縁を確保した状態で、正極および負極タブの先端の取り出し部分が上記電池外装材の外部に露出される構造とすればよい。また熱伝導性に優れた高分子金属複合フィルムなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の用途としては、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)や燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。この場合には、本発明のリチウムイオン二次電池を複数個接続して構成した組電池とすることが望ましい。すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池、特にバイポーラポリマーリチウムイオン二次電池を少なくとも2個以上を用いて、並列接続、直列接続、並列−直列接続および直列−並列接続の少なくとも一つの接続方式を用いて構成した組電池、さらには複合組電池とすることにより、高容量、高出力の電源を形成することが出来る。そのため、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、比較的安価に対応することが可能になる。これらに関しては、後述する。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法としては、上述した電極構造となるように、従来の塗布方法、さらには実施例で採用した方法(集電体表面にバインダを塗布し、これに活物質粒子が単層になるように慎重に付着させた後、バインダを固める方法。詳しくは実施例参照のこと)などを用いて製造する方法を除いては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の各種の方法を適宜利用することができる。以下に、バイポーラポリマーリチウムイオン二次電池を例にとり説明する。
(1)正極用組成物ないしバインダ組成物の塗布
(i)正極用組成物の塗布(正極層の厚さが1μmを超える場合)
まず、適当な集電体を準備する。正極用組成物は通常はスラリー(正極用スラリー)として得られ、集電体の一方の面に塗布される。
正極用スラリーは、正極活物質を含む溶液である。他成分として、導電助剤、バインダ、重合開始剤、電解質の原料(固体電解質用高分子ないしホストポリマー、電解液など)、支持塩(リチウム塩)、その他添加剤およびスラリー粘度調整溶媒などが任意で含まれる。すなわち、正極用スラリーは、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池と同様に、正極活物質のほか、導電助材、電解質の原料、支持塩(リチウム塩)、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤等を任意で含む材料を所定の比率で混合して作製することができる。
電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、正極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助材、溶媒などが含まれていればよく、高分子ゲル電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層として電解液を含浸させたセパレータを用いる場合も同様である。
電解質の高分子原料(高分子ゲル電解質の原料のホストポリマーないし高分子固体電解質の高分子原料)は、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて高分子電解質を架橋することによって、機械的強度が向上する。
正極活物質、導電助剤、バインダ、リチウム塩に関しては、前述した化合物を用いることができる。
重合開始剤は、重合させる化合物に応じて選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール(BDK)られ、熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、t−ヘキシルパーオキシピパレートなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
NMPなどのスラリー粘度調整溶媒は、正極用スラリーの種類に応じて選択する。
正極活物質、リチウム塩、導電助剤の添加量は、バイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよく、通常用いられる量を添加すればよい。重合開始剤の添加量は、高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
(ii)正極用バインダ組成物の塗布(正極層の厚さが1μm以下の場合;但し1μmを超える場合にも適用可能)
適当な集電体を準備する。正極用バインダ組成物はスラリー(バインダスラリー)として得られ、集電体の一方の面に塗布される。
バインダスラリーは、上記正極用組成物から正極活物質を除く溶液である。成分として、バインダ、重合開始剤、電解質の原料(固体電解質用高分子ないしホストポリマー、電解液など)、支持塩(リチウム塩)、その他添加剤およびスラリー粘度調整溶媒などが任意で含まれる。すなわち、バインダスラリーは、バインダのほか、電解質の原料、支持塩(リチウム塩)、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤等を任意で含む材料を所定の比率で混合して作製することができる。
電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、正極活物質粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、溶媒などが含まれていればよく、高分子ゲル電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層として電解液を含浸させたセパレータを用いる場合も同様である。
電解質の高分子原料(高分子ゲル電解質の原料のホストポリマーないし高分子固体電解質の高分子原料)は、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて高分子電解質を架橋することによって、機械的強度が向上する。
バインダ、リチウム塩に関しては、前述した化合物を用いることができる。
重合開始剤は、重合させる化合物に応じて選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられ、熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、t−ヘキシルパーオキシピパレートなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
NMPなどのスラリー粘度調整溶媒は、正極用スラリーの種類に応じて選択する。
リチウム塩の添加量は、バイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよく、通常用いられる量を添加すればよい。重合開始剤の添加量は、高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
(2)正極層の形成
(i)正極層の厚さが1μmを超える場合
上記正極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、正極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子固体電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された正極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。
(ii)正極層の厚さが1μm以下の場合(1μmを超える場合にも適用可能)
上記バインダスラリーが塗布された集電体を、例えば、実施例に示すように、マイクロマニピュレーターで確認しながら、粒度が揃えられた正極活物質粒子に接触させる。さらにマイクロマニピュレーターで確認しながら、集電体と活物質を押し付けた状態で乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、バインダスラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子固体電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥は熱風機や送風機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布されたバインダスラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。
ただし、本発明では、上記方法に制限されるべきものではなく、単層の活物質粒子層が形成できるものであればいかなる方法をもとりえるものである。
(3)負極用組成物ないしバインダ組成物の塗布
(i)負極用組成物の塗布(負極層の厚さが1μmを超える場合)
正極層が形成された面と反対側の面に、負極活物質を含む負極用組成物(負極用スラリー)を塗布する。
負極用スラリーは、負極活物質を含む溶液である。他成分として、バインダ、重合開始剤、(固体電解質用高分子ないしホストポリマー、電解液など)、支持塩(リチウム塩)およびスラリー粘度調整溶媒、更には導電助材などが任意で含まれる。使用される原料や添加量については、「(1)(i)正極用組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(ii)負極用バインダ組成物の塗布(負極層の厚さが1μm以下の場合;但し、1μmを超える場合にも適用可能)
正極層が形成された面と反対側の面に、負極用バインダ組成物(バインダスラリー)を塗布する。
バインダスラリーは、上記正極用組成物から正極活物質を除く溶液である。成分として、バインダ、重合開始剤、電解質の原料(固体電解質用高分子ないしホストポリマー、電解液など)、支持塩(リチウム塩)、その他添加剤およびスラリー粘度調整溶媒などが任意で含まれる。使用される原料や添加量については、「(1)(ii)負極用バインダ組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(4)負極層の形成
(i)負極層の厚さが1μmを超える場合
負極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、負極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子ゲル電解質の機械的強度を高めてもよい。この作業により、バイポーラ電極が完成する。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された負極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。かかる乾燥処理により、集電体上に負極層を形成する。
(ii)負極層の厚さが1μm以下の場合(1μmを超える場合にも適用可能)
上記負極用バインダスラリーが塗布された集電体の面を、例えば、実施例に示すように、マイクロマニピュレーターで確認しながら、粒度が揃えられた負極活物質粒子に接触させる。さらにマイクロマニピュレーターで確認しながら、集電体と負極活物質を押し付けた状態で乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、バインダスラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子固体電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥は熱風機や送風機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布されたバインダスラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。
ただし、本発明では、上記方法に制限されるべきものではなく、単層の活物質粒子層が形成できるものであればいかなる方法をもとりえるものである。
(5)電解質層の形成
高分子固体電解質層を用いる場合には、例えば、高分子固体電解質の原料高分子、リチウム塩等をNMPのような溶媒に溶解させて調製した溶液を硬化させることによって製造される。また、高分子ゲル電解質層を用いる場合には、例えば、高分子ゲル電解質の原料として、ホストポリマーと電解液、リチウム塩、重合開始剤等からなるプレゲル溶液を不活性雰囲気下で加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。また、不織布セパレータに高分子ゲル電解質を保持させてなる高分子ゲル電解質層を用いる場合には、セパレータに、例えば、高分子ゲル電解質の原料として、ホストポリマーと電解液、リチウム塩、重合開始剤等からなるプレゲル溶液を含浸させて、不活性雰囲気下で加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。不織布セパレータに固体高分子電解質を保持させてなる高分子固体電解質層を用いる場合には、セパレータに、例えば、高分子固体電解質の原料として、ホストポリマーと電解液、リチウム塩、重合開始剤等を粘度調整剤に溶解してなる溶液を含浸させて、不活性雰囲気下で加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。
例えば、上記電極の正極層および/または負極層上に、調製された上記溶液またはプレゲル溶液を塗布し、所定の厚さの電解質層またはその一部(電解質層厚さの半分程度の電解質膜)を形成する。その後、電解質層(膜)が積層された電極を不活性雰囲気下で硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって、電解質の機械的強度を高め、電解質層(膜)を製膜形成する(完成させる)。
あるいは、別途、電極間に積層される電解質層またはその一部(電解質層厚さの半分程度の電解質膜)を準備する。電解質層(膜)ないしセパレータに高分子ゲル電解質を保持させてなる高分子ゲル電解質層(膜)は、上記溶液またはプレゲル溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなど適当なフィルム上に塗布し、不活性雰囲気下で硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造されるか、あるいは、上記溶液またはプレゲル溶液を、ポリプロピレン(PP)製など適当な不織布セパレータに含浸し、不活性雰囲気下で硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。
硬化または加熱乾燥は真空乾燥機(真空オーブン)などを用いることができる。加熱乾燥の条件は溶液またはプレゲル溶液に応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。
電解質層(膜)の厚さは、スペーサなどを用いて制御できる。光重合開始剤を用いる場合には、光透過性のギャップに流し込み、乾燥及び光重合ができるような紫外線照射装置を用いて紫外線を照射して、電解質層内のポリマーを光重合させ架橋反応を進行させて製膜するとよい。ただし、この方法に限定されないことは勿論である。重合開始剤の種類に応じて、放射線重合、電子線重合、熱重合などを使いわける。
また、上記で用いるフィルムは、製造過程で80℃程度に加熱されることもありえるため、当該温度程度での十分な耐熱性を有し、さらに溶液またはプレゲル溶液との反応性がなく、製造過程で剥離し除去する必要上、離型性に優れたものを用いるのが望ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンフィルムなどを使用することができるが、これらに制限されるべきものではない。
なお電解質層の幅は、バイポーラ電極の集電体サイズよりも若干小さくすることが多い。
上記溶液またはプレゲル溶液の組成成分やその配合量などについては、使用目的に応じて適宜決定されるべきものである。
(6)バイポーラ電極と電解質層との積層
(i)電解質層(膜)が一面または両面に形成されたバイポーラ電極の場合には、高真空下で十分加熱乾燥してから、電解質層(膜)が形成された電極を適当なサイズに複数個切りだし、切り出された電極を直接貼り合わせて、バイポーラ電池本体(電極積層体)を作製する。
(ii)別々にバイポーラ電極と電解質層(膜)を作製した場合には、高真空下で十分加熱乾燥してから、バイポーラ電極と電解質層(膜)をそれぞれを適当なサイズに複数個切りだす。切りだされたバイポーラ電極と電解質層(膜)とを所定数張り合わせて、バイポーラ電池本体(電極積層体)を作製する。
上記電極積層体の積層数は、バイポーラ電池に求める電池特性を考慮して決定される。また、正極側の最外層には、集電体上に正極層のみを形成した電極を配置する。負極側の最外層には、集電体上に負極層のみを形成した電極を配置する。バイポーラ電極と電解質層(膜)とを積層、あるいは電解質層(膜)が形成された電極を積層させてバイポーラ電池を得る段階は、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下でバイポーラ電池を作製するとよい。
(7)絶縁層の形成
本発明では、例えば、電極積層体の電極形成部の周囲を、所定の幅でエポキシ樹脂(前駆体溶液)等に浸漬または樹脂を注入ないし含浸する。いずれの場合にも、事前に電圧検知タブや電極端子板や電極リードや電極タブ、あるいはこれらを接続する必要のある集電体部分等を離型性マスキング材等を用いてマスキング処理しておく。その後エポキシ樹脂を硬化させて、絶縁部を形成し、その後、マスキング材を剥がせばよい。
(8)端子板、電極リード及びタブ(端子)の接続
バイポーラ電池本体(電池積層体)の両最外層の集電体上にそれぞれ、正極端子板、負極端子板を設置して接続し、該正極端子板、負極端子板に正極リード、負極リードに接合(電気的に接続)し、さらに正極リード、負極リードに正極タブ、負極タブを接合(電気的に接続)する。これら端子板、リードおよびタブの接合方法としては、接合温度の低い超音波溶接等が好適に利用し得るものであるが、これに限定されるべきものではなく、従来公知の接合方法を適宜利用することができる。また、本発明では、単電池層の電圧を検知し、過充電や過放電状態になれば、バイパスすることができるような電圧検知タブを各集電体に接続し、これらを電池外部にまで取り出し、これらタブを電圧検知・バイパス制御回路に接続するのが望ましい。これにより電池内部の各単電池層の容量バラツキによる電池性能の低下を抑制することができ、電池寿命を高めることができる。
(9)パッキング(電池の完成)
最後に、電池積層体全体を、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池外装材で封止し、バイポーラ電池を完成させる。封止の際には、正極タブ、負極タブ、更には電圧検知タブの一端を電池外部に取り出す。
次に、本発明では、上記バイポーラ電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いて組電池とすることができる。これにより、種々の車両用ごとの容量・電圧の要望を基本のバイポーラ電池の組み合わせで対応が可能になる。その結果、必要エネルギー、出力の設計選択性を容易にすることが可能になる。そのため種々の車両用ごとに異なるバイポーラ電池を設計、生産する必要がなく、基本となるバイポーラ電池の大量生産が可能となり、量産化によるコスト削減が可能となる。以下に、当該組電池の代表的な実施形態につき、図面を用いて簡単に説明する。
図4に本発明のバイポーラ電池(24V、50mAh)を2直20並に接続した組電池(42V1Ah)の模式図を示す。並列部分のタブは銅のバスバー56、58で接続し、直列部分はタブ11、13同士を振動溶着して接続した。直列部分の端部を端子42、44に接続して、正負の端子を構成している。電池の両側には、バイポーラ電池1の各層の電圧を検知する検知タブ12を取り出し、それらの検知線53を組電池50の前部に取り出している。詳しくは、図4に示す組電池50を形成するには、バイポーラ電池1を5枚並列にバスバー56で接続し、5枚並列にしたバイポーラ電池1をさらに電極タブ同士を接続して2枚直列にし、これらを4層積層して並列にバスバー58で接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池1を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池50を提供することができる。該組電池50には、正極端子42、負極端子44が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池を直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子42、負極端子44とが端子リード59で接続されている。また、該組電池50には、電池電圧(各単電池層、更にはバイポーラ電池の端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子42及び負極端子44が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池1の電圧検知タブ12が全て検知線53を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の底部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池50を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池50間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また、この組電池50には、使用用途に応じて、上記検知タブ端子54以外にも各種計測機器や制御機器類を設けてもよい。さらにバイポーラ電池1の電極タブ(11、13)同士や検知タブ12と検知線53とを連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットのようなバスバー56、58を用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。さらにバスバー56、58と端子リード59等とを連結するためにも、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
上記外部弾性体52にも、本発明の電池で用いた樹脂群と同様の材料を用いることができるが、これらに制限されるものではない。
また、本発明の組電池では、本発明のバイポーラ電池と、該バイポーラ電池と正負極電極材料を同一とし該バイポーラ電池の構成単位数を直列することにより電圧を同一にした電池(好ましくは本発明のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、以下、一般リチウムイオン二次電池ともいう)と、を並列に接続したものであってもよい。すなわち、組電池を形成する電池は、本発明のバイポーラ電池と本発明のバイポーラ型ではないリチウムイオン二次電池等とを混在させても良い。これにより、出力重視のバイポーラ電池と、エネルギー重視の一般リチウムイオン二次電池の組み合わせでお互いの弱点を補う組電池ができ、組電池の重量・サイズを小さくすることができる。それぞれのバイポーラ電池とバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池をどの程度の割合で混在させるかは、組電池として要求される安全性能、出力性能に応じて決める。
また、図5にバイポーラ電池A(42V、50mAh)と一般リチウムイオン二次電池B(4.2V、1Ah)10直(42V)を並列に連結した組電池を示す。一般リチウムイオン二次電池Bとバイポーラ電池Aは電圧が等しくなり、その部分で並列接続を形成している。この組電池50’は、出力の分担をバイポーラ電池Aが有し、エネルギーの分担を一般リチウムイオン二次電池Bが有する構造である。これは、出力とエネルギーを両立することが困難な組電池において、非常に有効な手段である。この組電池50’でも、並列部分及び図の横方向に隣り合う一般リチウムイオン二次電池B間を直列接続する部分のタブは銅のバスバー56で接続し、図の縦方向に隣り合う一般電池B間を直列接続する部分はタブ11、13同士を振動溶着して接続した。一般リチウムイオン二次電池Bとバイポーラ電池Aを並列接続している部分の端部を端子42、44に接続して、正負の端子を構成している。バイポーラ電池Aの両側には、バイポーラ電池Aの各層の電圧を検知する検知タブ12を取り出し、それらの検知線(図示せず)を組電池50の前部に取り出している以外は、図4の組電池50と同様であるので、同じ部材には同じ符号を付した。詳しくは、図5に示す組電池50’を形成するには、一般リチウムイオン二次電池B10枚を端から順番にバスバー56および振動溶着して直列に接続した。さらに、バイポーラ電池Aと直列接続された両端の一般リチウムイオン二次電池Bとをそれぞれバスバー56で並列に接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池Aを任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池50’を提供することができる。該組電池50’にも、正極端子42、負極端子44が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池A、Bを直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子42、負極端子44とが端子リード59で接続されている。また、該組電池50’には、電池電圧(バイポーラ電池Aの各単電池層、更にはバイポーラ電池A及び一般リチウムイオン二次電池Bの端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子42及び負極端子44が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池A(更には一般リチウムイオン二次電池B)の検知タブ12が全て検知線(図示せず)を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の低部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池50’を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池50’間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また本発明の組電池では、更に上記のバイポーラ電池を直並列接続して第1組電池ユニットを形成するとともに、この第1組電池ユニットの端子間電圧と電圧を同一にするバイポーラ電池以外の二次電池が直並列接続されてなる第2組電池ユニットを形成し、この第1組電池ユニットと第2組電池ユニットを並列接続することによって組電池としても良いなど、特に制限されるものではない。
なお、組電池の他の構成要件に関しては、何ら制限されるべきものではなく、既存のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池を用いた組電池の構成要件と同様のものが適宜適用することができるものであり、従来公知の組電池用の構成部材および製造技術が利用できるため、ここでの説明は省略する。
次に、上記の組電池を、組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続した複合組電池とすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。すなわち、本発明の複合組電池は、組電池(本発明のバイポーラ電池だけで構成したものの他、本発明のバイポーラ電池と他のバイポーラ型でない電池とで構成したものを含む)を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とするものであり、基準の組電池を製造し、それを組み合わせて複合組電池とすることで、組電池の仕様をチューニングできる。これにより、仕様の異なる沢山の組電池種を製造しなくてよいため、複合組電池コストを減少することができる。
複合組電池としては、例えば、図4に記載のバイポーラ電池を用いた組電池(42V、1Ah)6並に接続した複合組電池(42V、6Ah)の模式図が図6である。複合組電池を構成する各組電池は連結版と固定ねじにより一体化し、組電池の間に弾性体を設置して防振構造を形成している。また、組電池のタブは板状のバスバーで連結している。すなわち、図6に示したように、上記の組電池50を6組並列に接続して複合組電池60とするには、各組電池ケース55の蓋体に設けられた組電池50のタブ(正極端子42および負極端子44)を、板状のバスバーである外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板62、組電池負極端子連結板64を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース55の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板66を固定ネジ67で固定し、各組電池50同士を連結する。また、各組電池50の極端子42および負極端子44は、それぞれ正極および負極絶縁カバーにより保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。また、組電池50の間、詳しくは組電池ケース55の底部に外部弾性体52を設置して防振構造を形成している。
このように、組電池を複数直並列接続されてなる複合組電池は、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能である。
また、本発明の車両は、上記組電池および/または上記複合組電池を搭載することを特徴とするものである。これにより、軽く小さい電池にすることでスペース要望の大きな車両要望に合致できる。電池のスペースを小さくすることで、車両の軽量化も達成できる。
図7に示したように、複合組電池60を、車両(例えば、電気自動車等)に搭載するには、電気自動車70の車体中央部の座席(シート)下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部でも良いし、車両前方のエンジンルームでも良い。
なお、本発明では、複合組電池60だけではなく、使用用途によっては、組電池50を車両に搭載するようにしてもよいし、これら複合組電池と組電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の複合組電池または組電池を駆動用電源や補助電源として搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。また、本発明の組電池および/または複合組電池を、例えば、駆動用電源や補助電源等として搭載することのできる車両としては、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車等が好ましいが、これらに制限されるものではない。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:負極に本発明の電極構造を用い、電解質層にゲル電解質を用いた実験
図8(a)〜(c)に本実施例で作製した試験用単電池、試験電極および対極をそれぞれ示す。詳しくは、図8(a)には、本実施例で作製した試験用単電池の構成を模式的に表した概略斜視図を示し、図8(b)には、図8(a)の試験用電極の拡大図を示し、図8(c)には、図8(a)に用いた対極の拡大図を示す。
<ゲル前駆体溶液の調製>
ゲル前駆体溶液は以下の材料を混合して得た。
即ち、ポリエチレンオキシド1gと、電解液EC+PC(体積比1:1)に1.0Mとなるようにリチウム塩LiBETIを溶解させたもの9g、および光重合開始剤としてBDK5mgからなるゲル前駆体溶液(プレゲル溶液)とした。
<試験用単電池の形成>
1.2本の10μmφの白金線71、73をガラス75で封じ、先端を削って10μm径の白金表面を出した。
2.そのうち1本の白金線71の先端に、バインダであるPVdF77を塗り、それをマイクロマニピュレーターで確認しながら、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子79に接触させた。
3.マイクロマニピュレーターで確認しながら、白金線71と活物質79を押し付けておき、ドライヤーでPVdF77を固め、試験電極87とした。試験電極87では、図8(b)に示すように、いわば集電体の働きをする白金線71の先端表面に、活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成されていることが確認できた。
4.もう一方の白金線73の先端に電解めっきにより、予め、白金の表面にリチウム81を析出させ、対極(正極)89とした(図8(c)参照のこと)。
5.図7(a)のような2極式セル83内に上記ゲル前駆体溶液を入れ、活物質79をつけた試験電極87とリチウム81をつけた電極(対極)89をセットした。電解質層の膜厚に相当する試験電極87と電極(対極)89との間隔は100μmとした。
6.2極式セル83に紫外線を当てて光重合し、ゲル前駆体溶液(プレゲル溶液)をゲル化し(ゲル電解質85を形成し)、試験用単電池91を作製した。
<試験用単電池(負極性能)の充放電試験>
1.定電流充電 : 上記により得られた試験用単電池を所定の電流で所定の電圧まで充電した。その後、その電圧で15時間保持した。
2.休止 : 10分間休止した。
3.定電圧放電 : 所定の電流で所定の電圧まで放電した。
4.休止 : 10分休止した。
上記充放電条件は、下記の通りとした。
・充電電流:0.5C
・充電電圧:10mV vs. Li/Li
・放電電流:(サンプルごとに)0.5C、1C、5C、10C、100C
・放電電圧:3V vs. Li/Li
ここで、1Cとは、その電流値で1時間充電すると、ちょうどその電池が満充電(100%充電)状態になる電流値のことである。たとえば、2Cとは1Cの2倍の電流値であり、30分で電池を満充電にできる電流値である。
上記充放電試験により得られた結果(放電効率)を表1に示す。
参考例1
<参考用試験電極(負極)の形成>
負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン27g、バインダとしてPVdF3gおよびスラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gからなる材料を上記配合比率にて混合して負極スラリーを作製した。
上記負極スラリーをCu集電体の上にコーターにより均一に塗布した。塗布によりできた薄膜を120℃で10分間加熱し、NMPを蒸発させて乾燥厚さ40μmの負極を形成した。
パンチで上記負極を16mmφに切り出し、参考用試験電極(負極)とした。
<テストセルの作製>
以下の構成でコイン型のテストセルを作製し、試験を行った。
対極にはLi金属箔(16mmφ)を用いた。ゲル電解質層には、18mmφに切り出した厚さ150μmのガラスセパレータに実施例1と同様のゲル前駆体溶液を染み込ませ、光重合したものを用いた。負極には、上記参考用試験電極(負極)であるハードカーボン電極(16mmφ)を用いた。
得られたテストセルの充放電試験を実施例1の試験用単電池と同じ充放電試験条件で行った。得られた結果(放電効率)を表1に示す。
Figure 2005093158
表中の膜厚以外の値は、放電効率を表す。放電効率とは電池の理論容量を100%とした場合に対する実際の放電容量の100分率である。
実施例2:負極に本発明の電極構造を用い、電解質層にゲル電解質を用いた実験
実施例1において、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径2μmのハードカーボン粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、試験用単電池を作製した。本実施例でも、試験電極では、図8(b)に示すように、いわば集電体の働きをする白金線の先端表面に、活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成されていることが確認できた。
試験用単電池の充放電試験を実施例1と同じ条件で行った。得られた結果(放電効率)を表2に示す。
また、参考例1において、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径2μmのハードカーボン粒子を用い、乾燥厚さ2μmとなるようにコーターにより塗膜厚さが活物質粒子の粒子径と同じになるようにスリットを用いて調製して均一に塗布して負極を形成した以外は、参考例1と同様にしてテストセルを作製した。かかる製造方法でも、平均粒径1μmを超える値(2μm)であるため、疎らに塗布されること無く、活物質が密に並び、試験電極では活物質粒子の粒子径とCu集電体上の電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成できることが確認できた。また、このテストセルの充放電試験を実施例1と同じ条件で行った結果、放電効率は、下記表2の実施例2に近い良好な結果が得られることが確認できた。
参考例2
参考例1において、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径2μmのハードカーボン粒子を用いた以外は、参考例1と同様にして、参考用試験電極(負極)を形成し、テストセルを作製した。
得られたテストセルの充放電試験条件は、実施例1の試験用単電池と同じ充放電試験条件で行った。得られた結果(放電効率)を表2に示す。
Figure 2005093158
表中の膜厚以外の値は、放電効率を表す。
実施例3:負極に本発明の電極構造を用い、電解質層にゲル電解質を用いた実験
実施例1において、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径8μmのハードカーボン粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、試験用単電池を作製した。本実施例でも、試験電極では、図8(b)に示すように、いわば集電体の働きをする白金線の先端表面に、活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成されていることが確認できた。
試験用単電池の充放電試験条件は、実施例1と同じ条件で行った。得られた結果(放電効率)を表3に示す。
また、参考例1において、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径8μmのハードカーボン粒子を用い、乾燥厚さ8μmとなるようにコーターにより塗膜厚さが活物質粒子の粒子径と同じになるようにスリットを用いて調製して均一に塗布して負極を形成した以外は、参考例1と同様にしてテストセルを作製した。かかる製造方法でも、平均粒径1μmを超える値(8μm)であるため、疎らに塗布されること無く、活物質が密に並び、試験電極では活物質粒子の粒子径とCu集電体上の電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成できることが確認できた。また、このテストセルの充放電試験を実施例1と同じ条件で行った結果、放電効率は、下記表3の実施例3に近い良好な結果が得られることが確認できた。
参考例3
参考例1において、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径8μmのハードカーボン粒子を用いた以外は、参考例1と同様にして、参考用試験電極(負極)を形成し、テストセルを作製した。
得られたテストセルの充放電試験条件は、実施例1の試験用単電池と同じ充放電試験条件で行った。得られた結果(放電効率)を表3に示す。
Figure 2005093158
表中の膜厚以外の値は、放電効率を表す。
実施例4:負極に本発明の電極構造を用い、電解質層に固体高分子電解質を用いた実験
<固体高分子電解質の原料溶液の調製>
原料溶液は以下の材料を混合して得た。
即ち、ポリエチレンオキシド5g、リチウム塩LiBETI2.5g、NMP5gおよび光重合開始剤としてBDK0.025gからなる原料溶液とした。
<試験用単電池の形成>
実施例1において、ゲル前駆体溶液(プレゲル溶液)に変えて原料溶液を用い、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径0.8μmのハードカーボン粒子に変えて平均粒径5μmのハードカーボン粒子を用いた以外は、以下に示すように実施例1と同様にして試験用単電池の形成した。
1.2本の10μmφの白金線をガラスで封じ、先端を削って10μm径の白金表面を出した。
2.グローブボックス中で、そのうち1本の白金線の先端に、バインダであるPVdFを塗り、それをマイクロマニピュレーターで確認しながら、負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径5μmのハードカーボン粒子に接触させた。
3.マイクロマニピュレーターで確認しながら、白金線と活物質を押し付けておき、ドライヤーでPVdFを固め、試験電極とした。試験電極では、いわば集電体の働きをする白金線の先端表面に、活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成されていることが確認できた(図8(b)参照のこと)。
4.もう一方の白金線の先端に電解めっきにより、予め、白金の表面にリチウムを析出させ、対極(正極)とした(図8(c)参照のこと)。
5.図8(a)のような2極式セル内に上記原料溶液を入れ、活物質をつけた試験電極とリチウムをつけた電極(対極)をセットした。電解質層の膜厚に相当する試験電極と電極(対極)との間隔は50μmとした。
6.2極式セルに紫外線を当てて光重合し、原料溶液を固化し(固体高分子電解質を形成し)、試験用単電池を作製した。
試験用単電池の充放電試験条件は、実施例1と同じ条件で行った。得られた結果(放電効率)を表4に示す。
参考例4
負極活物質として非結晶性炭素材である平均粒径5μmのハードカーボン5g、高分子固体電解質の原料高分子としてポリエチレンオキシド5g、リチウム塩としてLiBETI2.5g、スラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)5gおよび熱重合開始剤としてAIBN0.025gからなる材料を上記配合比率にて混合して負極スラリーを作製した。
上記負極スラリーをCu集電体の上にコーターにより均一に塗布した。塗布によりできた薄膜を120℃で10分間加熱し、NMPを蒸発させて乾燥厚さ25μmの負極を形成した。
パンチで上記負極を16mmφに切り出し、参考用試験電極(負極)とした。
<テストセルの作製>
以下の構成でコイン型のテストセルを作製し、試験を行った。
対極にはLi金属箔(16mmφ)を用いた。固体高分子電解質層には、板ガラスの両端に厚さ50μmのクリアランスとなるテフロン(登録商標)シートを置き、板ガラス上に実施例4と同様の上記原料溶液を塗り、上からさらに板ガラスを置いて挟み込み、クリップで固定した状態で、光重合したものを18mmφに切り出したものを用いた。負極には、上記参考用試験電極(負極)であるハードカーボン電極(16mmφ)を用いた。
得られたテストセルの充放電試験条件は、実施例1の試験用単電池と同じ充放電試験条件で行った。得られた結果(放電効率)を表4に示す。
Figure 2005093158
表中の膜厚以外の値は、放電効率を表す。
また、参考例4において、乾燥厚さ25μmに変えて乾燥厚さ5μmとなるように、コーターにより塗膜厚さが活物質粒子の粒子径と同じになるようにスリットを用いて調製して均一に塗布して負極を形成した以外は、参考例4と同様にしてテストセルを作製した。かかる製造方法でも、平均粒径1μmを超える値(5μm)であるため、疎らに塗布されること無く、活物質が密に並び、試験電極では活物質粒子の粒子径とCu集電体上の電極層の厚さが同じであり、活物質粒子単層のみで構成された電極(負極)が形成できることが確認できた。また、このテストセルの充放電試験を実施例1と同じ条件で行った結果、放電効率は、下記表4の実施例4に近い良好な結果が得られることが確認できた。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の1つの電極構造を模式的に表した断面概略図であって、電極層の厚さT(=活物質粒子)が1μmより大きい場合の最良の形態を表した図面である。 本発明に係るリチウムイオン二次電池の最良の形態の1つの電極構造を模式的に表した断面概略図であって、電極層の厚さT(=活物質粒子3)が1μm以下の場合の最良の形態を表した図面である。 本発明のリチウムイオン二次電池のより好適な態様の1つであるバイポーラポリマーリチウムイオン二次電池の基本構造を模式的に表わした断面概略図である。 本発明のバイポーラ電池を2直20並に接続した組電池の一例を示す模式図である。図4(a)は組電池の平面図であり、図4(b)は組電池の正面図であり、図4(c)は組電池の右側面図であって、これら図4(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池を直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明のバイポーラ電池Aと本発明のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池B10直を並列に連結した組電池の一例を示す図である。図5(a)は組電池の平面図であり、図5(b)は組電池の正面図であり、図5(c)は組電池の右側面図であって、これら図5(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池Aおよびバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池Bを直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明の複合組電池の一例を示す図である。図6(a)は複合組電池の平面図であり、図6(b)は複合組電池の正面図であり、図6(c)は複合組電池の右側面図である。 複合組電池を搭載した状態の電気自動車を示す模式図である。 図8(a)〜(c)に本実施例で作製した試験用単電池、試験電極および対極をそれぞれ示す。詳しくは、図8(a)には、本実施例で作製した試験用単電池の構成を模式的に表した概略斜視図を示し、図8(b)には、図8(a)の試験用電極の拡大図を示し、図8(c)には、図8(a)に用いた対極の拡大図を示す。
符号の説明
1 電極、
3 活物質粒子、
5 集電体、
7 電解質層(バルク電解質)、
9 バインダ、
21 バイポーラ型のポリマーリチウムイオン二次電池、
23 集電体、
25 正極電極(正極活物質層)、
25a 最下層の正極活物質層、
27a…最上層の負極活物質層、
27 負極電極(負極活物質層)、
29 バイポーラ電極、
31 電解質層、
33 電極積層体(バイポーラ電池本体)、
35 正極リード、
37 負極リード、
39 電池外装材、
42 正極端子、
44 負極端子、
50、50’ 組電池、
52 外部弾性体、
53 検知線、
54 検知タブ端子、
55 組電池ケース、
56、58 バスバー、
59 端子リード、
60 複合組電池、
62 複合組電池正極端子連結板、
64 複合組電池負極端子連結板、
66 連結板、
67 固定ネジ、
70 電気自動車、
71、73 白金線、
75 ガラス、
77 バインダ(PVdF)、
79 負極活物質粒子(ハードカーボン粒子)、
81 リチウム(対極活物質)、
83 2極式セル、
85 ゲル電解質、
87 試験電極、
89 対極、
91 試験用単電池、
A バイポーラ電池、
B バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、
T 電極層の厚さ。

Claims (11)

  1. 正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、電極の活物質粒子の粒子径と電極層の厚さが同じであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、活物質粒子単層のみで構成された電極であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  3. 正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、活物質とバインダのみからなることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  4. 正極或いは負極の少なくともどちらか一方が、請求項1〜3の少なくとも2以上の要件を具備してなることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 前記リチウムイオン二次電池は、ゲルポリマー電池であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記リチウムイオン二次電池は、真性ポリマー電池であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記リチウムイオン二次電池は、バイポーラ電池であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記バイポーラ電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いた組電池。
  9. 請求項7に記載のバイポーラ電池と、
    該バイポーラ電池と正負極電極材料を同一とし、該バイポーラ電池の構成単位数を直列することにより電圧を同一にした電池と、
    を並列に接続することを特徴とする組電池。
  10. 請求項8および/または9に記載の組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とする複合組電池。
  11. 前記組電池および/または前記複合組電池を用いたことを特徴とする車両。
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