JP2005082761A - 光学機器機構部品用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂 100重量部に対して、(b)フライアッシュ、(c)繊維状充填剤および/または(d)鱗片状無機充填剤からなる充填剤を40〜400重量部含み、かつ、全充填剤成分中に(b)フライアッシュを5〜95重量%含むことを特徴とする光学機器機構部品用樹脂組成物。
【選択図】選択図なし。
Description
中でも、光学機器機構部品の一つであるコンパクトディスクなどに内蔵されている光ピックアップベースや、コピー機の光学系ハウジングは、アルミニウム、亜鉛等の金属ダイキャストにより製造されていたが、近年、軽量化、生産性向上の観点より、樹脂化への転換が検討されている。これら樹脂化への転換上、樹脂成型品として耐熱性、熱変化に伴う寸法精度の高さが要求されている。
これらの技術としては、ポリフェニレンスルフィドと耐熱性エポキシ樹脂からなる樹脂成分に対して繊維強化剤および粉末状強化剤で構成される樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が光学式ピックアップのレンズホルダーに利用されることが提案されており、またポリフェニレンサルファイド樹脂に無機繊維、パラ系アラミド繊維およびウィスカからなる樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)が光磁気ディスク用キャリッジに利用されることが提案されており、さらにポリアリーレンスルフィドに金属酸化物および繊維状充填材を含有した樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)が光ピックアップ装置用保持容器に利用できることが提案されており、そして更に光学系部品用としてポリフェニレンスルフィド樹脂にカーボンブラック、黒鉛、金属粉等と繊維状充填材からなる樹脂組成物(特許文献4〜5)が提案されている。なお本出願人は、耐熱性と寸法精度が優れた光ディスク機構部品を得るために、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテルおよび特定の相溶化剤を用いた樹脂成分に対して、鱗片状無機質充填剤、または鱗片状無機質充填剤と繊維状強化充填剤からなる組成物(例えば、特許文献6〜7参照)を提案した。
すなわち本発明は、
[1] (a)ポリフェニレンスルフィド樹脂 100重量部に対して、(b)フライアッシュおよび(c)繊維状充填剤からなる充填剤を40〜400重量部含み、かつ、全充填剤成分中に(b)成分を5〜95重量%含むことを特徴とする光学機器機構部品用樹脂組成物、
[3] (a)成分100重量部に対して、(b)成分、(c)成分および(d)成分からなる充填剤を40〜400重量部含み、かつ、全充填剤成分中に(b)成分を5〜95重量%含むことを特徴とする光学機器機構部品用樹脂組成物、
[4] (a)成分の溶融粘度が、1〜10000ポイズである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光学機器機構部品用樹脂組成物、
(但し、JISK−7210に準拠し、フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、ダイ長さ(L)/ダイ径(D)=10mm/1mmで6分間保持した後の測定値)
[6] (b)成分が、JIS A6201−1999で規定したフライアッシュII種である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の光学機器機構部品用樹脂組成物、
[7] (c)成分が、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトからなる群の中から選ばれる少なくとも1種である上記[1]および[3]〜[6]のいずれか1項に記載の光学機器機構部品用樹脂組成物、
である。
[9] 光学機構部品がシャーシー、キャビネット、光ピックアップスライドベースまたは光ファイバー用コネクターフェルールの少なくとも1つの部品である請求項1〜8のいずれかに記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
本発明で用いられる(a)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPSと略記する。)は、下記一般式(式1)で示されるアリーレンスルフィドの繰返し単位を通常50モル%、好ましくは70モル%更に好ましくは90モル%以上を含む重合体である。
[−Ar−S−] (式1)
(ここで、Arはアリーレン基を示し、アリーレン基として、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基が好ましい。)、p,p′−ジフェニレンスルホン基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基等が挙げられる。)
これら構造を有するPPSの中で最も好ましいPPSは、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下であり、かつ末端−SX基(Sはイオウ原子、Xはアルカリ金属または水素原子である)が20μmol/g以上、好ましくは20〜60μmol/gであるポリフェニレンスルフィド樹脂である。
つぎに本発明の(b)成分として用いる、フライアッシュは、本発明の樹脂組成物を用いて成型した光学機器機構部品用成型品の温度変化(−30℃〜100℃)による寸法精度を高く維持することができる効果を奏するものであり、更に詳しくは、成型品の樹脂−フィラー組成物の溶融流動時の配向に起因した成型品の異方性を顕著に減少化できる効果を奏する。
本発明で使用するフライアッシュは、その品質規格がJISA6201−1999にて工業的に品質管理されている物であれば良く、この規格による分類としてフライアッシュI種、フライアッシュII種、フライアッシュIII種、フライアッシュIV種の4つに分類されており、これらはいずれも使用可能であるが、中でも、フライアッシュII種が工業的に安定して供給できる他に、得られる樹脂組成物の加工性と得られる成型品の寸法精度および加工性の観点から好ましい。このフライアッシュII種は、網ふるい方法による45μmふるい残分を40%以下含有するものである。これらフライアッシュはさらに、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪族金属塩等の表面処理剤で処理した物や、インターカレーション法によりアンモニウム塩等による有機化処理した物や、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂をバインダーとして処理した物でも構わない。
(1)(b)成分と(c)成分を併用した系、
(2)(b)成分と(d)成分を併用した系、
(3)(b)成分、(c)成分および(d)成分を併用した系
の3つの系の態様に該当する充填剤を含んだ樹脂組成物である。これら3つの態様系で共通することは、かかる(b)成分のフライアッシュの配合割合が全充填剤中5〜95重量%であり、好ましくは25〜95重量%、さらに好ましくは35〜90重量%である。かかる(b)成分の配合量が5重量%以上であれば、得られる樹脂組成物を用いて成型して得られる成型品の厚み方向の寸法精度が良くなりヒケが減少し、95重量%以下であれば、得られた樹脂組成物を用いて成型した成型品の温度変化(−30℃〜100℃)による優れた寸法精度が得られ、成型品の異方性(樹脂流動に対して直角方向の成型品の線膨張係数/樹脂流動方向の成型品の線膨張係数の比が大きくなると成型品の異方性が悪いとする。この比が1の場合、異方性が無いと言える)が大きく改良される。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記した各成分を用いて、通常、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等の加熱溶融混練機が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が好ましい。
なお、使用した原料は下記の通りである。
(a)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂
a−1: 溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D=10/1で6分間保持した後測定した値。)が500ポイズ、塩化メチレンによる抽出量が0.4重量%、−SX基量が29μmol/gのp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するリニアタイプのPPSをa−1とした。
a−2:a−1と同様に測定した溶融粘度が300ポイズ、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%、−SX基量が30μmol/gのp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するリニアタイプのPPSをa−2とした。
b−1:JIS A6201−1999の品質規格がフライアッシュI種であるフライアッシュ((株)テクノ中部製 中部フライアッシュ)をb−1とした。
b−2:JIS A6201−1999の品質規格がフライアッシュII種であるフライアッシュ((株)テクノ中部製 中部フライアッシュ)をb−2とした。
b−3:JIS A6201−1999の品質規格がフライアッシュIII種であるフライアッシュ((株)テクノ中部製 中部フライアッシュ)をb−3とした。
b−4:JIS A6201−1999の品質規格がフライアッシュIV種であるフライアッシュ((株)テクノ中部製 中部フライアッシュ)をb−4とした。
c−1:平均直径13μm、長さ3mm、アミノシラン系カップリング剤で表面処理し、さらにバインダーとしてエポキシ樹脂で処理した、ガラス繊維を(c−1)とした。
(d)成分の鱗片状無機充填剤
d−1:平均板径600μm、アミノシラン系カップリング剤で表面処理し、さらにバインダーとしてエポキシ樹脂で処理した、ガラスフレークを(d−1)とした。
(その他の無機充填剤)
その他の無機充填剤として、平均粒子径7μmである炭酸カルシウム100重量部に対し、シランカップリング剤[β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]1.5重量部を添加し、ブレンダーを用いてブレンドして得られた炭酸カルシウム。なお、上記成分より得られた樹脂組成物を用いて成形した成型品の評価は次の通りに行った。
(2)線膨張係数(寸法精度) : 3.17mm厚みの引張試験用成型品を用いて、ASTM−D696に準拠し、樹脂の流動方向および流動に対して直角方向の線膨張係数(−30℃〜100℃)を測定した。また異方性は、樹脂流動に対して直角方向の成型品の線膨張係数/樹脂流動方向の成型品の線膨張係数の比で表し、この比が1に近い値は、異方性が少ないと判断する。
(a)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂および(b)〜(d)成分の各充填剤を表1および表2に示した組成で配合し、310℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;COPERION WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて、第一供給口より(a)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂を供給しながら第二供給口より(b)〜(d)成分の充填剤を供給し、スクリュー回転数300rpmの条件下で溶融混練して樹脂組成物をペレットとして得た。このペレットを用いて310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度130℃の条件でASTM−D638に準拠した3.17mm厚みの引張試験用成型品を得た。ここで得た成型品の−30℃〜100℃における寸法精度を知るため3.17mm厚みの引張試験用成型品を用いて線膨張係数を測定した。これらの結果を併せて表1〜2に記載した。
Claims (9)
- (a)ポリフェニレンスルフィド樹脂 100重量部に対して、(b)フライアッシュおよび(c)繊維状充填剤からなる充填剤を40〜400重量部含み、かつ、全充填剤成分中に(b)成分を5〜95重量%含むことを特徴とする光学機器機構部品用樹脂組成物。
- (a)成分100重量部に対して、(b)成分および(d)鱗片状無機充填剤からなる充填剤を40〜400重量部含み、かつ、全充填剤成分中に(b)成分を5〜95重量%含むことを特徴とする光学機器機構部品用樹脂組成物。
- (a)成分100重量部に対して、(b)成分、(c)成分および(d)成分からなる充填剤を40〜400重量部含み、かつ、全充填剤成分中に(b)成分を5〜95重量%含むことを特徴とする光学機器機構部品用樹脂組成物。
- (a)成分の溶融粘度が、1〜10000ポイズである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
(但し、JISK−7210に準拠し、フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、ダイ長さ(L)/ダイ径(D)=10mm/1mmで6分間保持した後の測定値) - (a)成分が、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下であり、かつ−SX基(Sはイオウ原子、Xはアルカリ金属または水素原子である)が20μmol/g以上である請求項1〜4のいずれかに記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
- (b)成分が、JIS A6201−1999で規定したフライアッシュII種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
- (c)成分が、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトからなる群の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1、請求項3〜6のいずれか1項に記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
- (d)成分が、ガラスフレーク、マイカ、タルク、グラファイト、窒化硼素、二硫化モリブデンからなる群の中から選ばれる少なくとも1種である請求項2〜7のいずれか1項に記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
- 光学機構部品がシャーシー、キャビネット、光ピックアップスライドベースまたは光ファイバー用コネクターフェルールの少なくとも1つの部品である請求項1〜8のいずれかに記載の光学機器機構部品用樹脂組成物。
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2003
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