JP2004321894A - 排気ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温でのHC吸着浄化、低温及びリーン域でのNOx浄化を1つの触媒で実現し、NOx浄化性能を向上した排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】一体構造型担体に、HC吸着浄化層、吸着浄化内層、吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層この順で積層して成る排気ガス浄化触媒である。HC吸着浄化層が、Pt担持セリア材及びゼオライトを含有し、吸着浄化内層は、アルカリ金属等、Ce及びPt等を含有し、吸着浄化外層は、アルカリ金属等、Ce、Rh及びPt等を含有し、吸着浄化内層及び外層のCe量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lである。
この触媒を製造する方法である。各層別にPt等担持セリア材含有スラリーを調製する。各層形成用のスラリーをコート・乾燥・焼成する。
【選択図】 なし
【解決手段】一体構造型担体に、HC吸着浄化層、吸着浄化内層、吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層この順で積層して成る排気ガス浄化触媒である。HC吸着浄化層が、Pt担持セリア材及びゼオライトを含有し、吸着浄化内層は、アルカリ金属等、Ce及びPt等を含有し、吸着浄化外層は、アルカリ金属等、Ce、Rh及びPt等を含有し、吸着浄化内層及び外層のCe量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lである。
この触媒を製造する方法である。各層別にPt等担持セリア材含有スラリーを調製する。各層形成用のスラリーをコート・乾燥・焼成する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、150℃以下の低温での炭化水素(HC)吸着浄化性能、150〜250℃の低温及び酸素過剰雰囲気下(リーン域)での窒素酸化物(NOx)吸着浄化性能に優れた排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からリーン域のNOxを浄化する触媒は種々提案されており、例えば、白金とランタンを多孔質担体に担持した触媒(例えば、特許文献1参照。)に代表されるように、リーン域でNOxを吸着し、ストイキからリッチ域の時にNOxを放出させて浄化する触媒が知られている。
また、エンジン始動時等の低排温時にHCを浄化する触媒としては、例えば、ゼオライトを含む触媒が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−168860号公報
【特許文献2】
特開平11−47596号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リーンバーンエンジンやディーゼルエンジンでは、低温でのHC吸着浄化、リーン域でのNOx浄化のために上記のような触媒を2個配置する必要があり、貴金属使用量の増加や排圧の上昇などの多くの問題点が存在した。本発明のように、2つの触媒の機能を1つの触媒で満たせるようにすれば、上記のような問題は解決できると考えられ、具体的には、HC吸着材であるゼオライト層の上に貴金属とNOx吸着材であるアルカリを含む層を積層し、下層において、低温でのHCの吸着、上層において、NOxの吸着、浄化及び下層で吸着したHCの浄化を行わせるという触媒が挙げられる。
しかし、このような触媒は、それぞれの触媒層が薄くなるため、それぞれの機能が十分に発揮できないという問題がある。
【0005】
本発明者らが細かく解析すると、上層のNOx浄化を行う層からのNOx脱離、浄化が十分に行われていないことがわかった。これは、触媒入口温度が250℃以下であると、より顕著であり、この温度範囲でも十分にNOxを脱離、浄化するためにはH2が必要であることも明らかになった。近年、低燃費化のためエンジンの燃焼効率が上がり、低排温化が進むにつれて、この問題は益々大きくなりつつある。
【0006】
本発明は、このような知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、150℃以下の低温での炭化水素(HC)吸着浄化、150〜250℃の低温及びリーン域での窒素酸化物(NOx)浄化を1つの触媒で実現でき、NOx浄化性能を向上した排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、HC吸着浄化層に、ゼオライトと白金等の貴金属を担持したセリア材を共存させ、更に吸着浄化内層及び吸着浄化外層に、所定量のセリウムを存在させることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の排気ガス浄化触媒は、一体構造型担体に、HCを吸着・浄化するHC吸着浄化層、NOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化内層、及びNOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層をこの順で積層して成る。
上記HC吸着浄化層が、ゼオライトと、白金(Pt)及び/又はパラジウム(Pd)と、セリア材とを含有し、かかるセリア材にはPt及び/又はPdが担持されており、上記吸着浄化内層が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と、セリウム(Ce)と、Pt及び/又はPdと、アルミナとを含有し、上記吸着浄化外層が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と、Ceと、ロジウム(Rh)と、Pt及び/又はPdと、アルミナとを含有し、上記吸着浄化内層及び外層のCe量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lであって、低温でのHC吸着浄化能、低温及び酸素過剰雰囲気下でのNOx吸着浄化能を併有する排気ガス浄化触媒である。
【0009】
また、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法は、上述の如き排気ガス浄化触媒を製造する方法であって、下記の工程▲1▼〜▲4▼を含むものである。
▲1▼セリア材にPt及び/又はPdを含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及び/又はPd担持粉末を作成し、次いで、この粉末とゼオライトを用いてHC吸着浄化層を形成するためのHC吸着浄化層スラリーを作成する工程。
▲2▼アルミナにCeとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及び/又はPdを含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及び/又はPd担持粉末を作成し、これら粉末を用いて吸着浄化内層を形成するための内層スラリーを作成する工程。
▲3▼アルミナにCeとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及び/又はPdを含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及び/又はPd担持粉末を作成し、一方、アルミナに硝酸ロジウム水溶液を含浸させてRh担持粉末を作成し、これら粉末を用いて吸着浄化外層を形成するための外層スラリーを作成する工程。
▲4▼その後、一体構造型担体に、▲1▼〜▲3▼工程で得られたHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を積層形成する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0011】
上述の如く、本発明の排気ガス浄化触媒は、一体構造型担体に、HCを吸着・浄化するHC吸着浄化層、NOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化内層、及びNOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層をこの順で積層して構成され、低温でのHC吸着浄化能、低温及び酸素過剰雰囲気下でのNOx吸着浄化能を併有する。
ここで、一体構造型担体としては、例えばコーディエライトなどのセラミックスやフェライト系ステンレスなどの金属等の耐熱性材料から成るモノリス担体やハニカム担体が用いられる。
【0012】
従来技術によれば、HCを吸着する触媒とリーン時のNOxを浄化する触媒のすくとも2種の触媒が必要となり、これにより、排圧上昇が生じて燃費に悪影響を及ぼし、また少なくとも触媒2個分の貴金属量が必要となり資源枯渇を招くが、本発明の排気ガス浄化触媒は、上述した複合機能を1個の触媒に集約した触媒であり、このような問題を改善することができる。
【0013】
また、本発明の排気ガス浄化触媒のHC吸着浄化層は、ゼオライトとPt及びPdの一方又は双方を担持したセリア材とを含有し、吸着浄化内層は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方と、Ceと、Pt及びPdの一方又は双方と、アルミナとを含有し、吸着浄化外層は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方と、Ceと、Rhと、Pt及びPdの一方又は双方と、アルミナとを含有する。
ここで、「セリア材」とは、少なくともCeを含有する酸化物のことをいう。
【0014】
かかるHC吸着浄化層において、ゼオライトは、150℃以下の低温でHCの吸着や浄化を行い、PtやPdを担持したセリア材は、水(H2O)とゼオライトのHC浄化で発生した一酸化炭素(CO)からCOシフト反応によって、NOx浄化に有効な水素(H2)を生成する。
一方、かかる吸着浄化内層及び外層において、アルミナは高表面積基材として触媒成分を担持し、アルカリ金属やアルカリ土類金属が形成する化合物(NOx吸着材)はNOxの吸着を行い、Pt、Pd及びRhはNOx浄化やHC浄化を行うが、特にRhはNOx浄化に優れた性能を示し、セリア材は上述したH2生成によるNOxの脱離や浄化の機能を向上させる。
これにより、150℃以下の低温でのHC吸着や浄化が可能となり、150〜250℃の低温でのNOx浄化性能を向上させることができる。
【0015】
更に、本発明の排気ガス浄化触媒は、吸着浄化内層及び外層のCe量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lであることを要する。
40g/L未満では、COシフト反応を十分に進行させることができない可能性があり、100g/Lを超えると、HC、CO、H2などの還元材を酸化する機能の方が強く発現し、NOxの脱離が行われなくなる可能性がある。
【0016】
本発明の排気ガス浄化触媒においては、吸着浄化内層のCe量が吸着浄化外層のCe量より多いことが好ましく、吸着浄化内層のCe量と吸着浄化外層のCe量の比がCeO2換算で6:4〜8:2であることが更に好ましい。
吸着浄化内層のCe量より吸着浄化外層のCe量が多いと、上述の還元材を酸化して消費してしまい、NOxの脱離や浄化に悪影響を及ぼす可能性がある。Ceが吸着浄化外層にあると、NOxの浄化に必要な上述の還元材を酸化してしまうため、Ceは理想的には吸着浄化外層には含有されないことが望ましい。
しかし、含有されない場合は、硫黄化合物(S)被毒解除に有効なH2は、PtやPdを担持したセリア材によって生成することから、S被毒によってNOx浄化性能に悪影響が及ぶ可能性が高い。
このような観点から、上述の比率で吸着浄化内層及び外層に含有させることが好ましく、これにより、内層及び外層の双方において、NOxの吸着、脱離及び浄化ができるようになり、更にS被毒解除性能も向上する。
【0017】
また、本発明の排気ガス浄化触媒においては、吸着浄化外層に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の量が、吸着浄化内層に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の量より対応するそれぞれの酸化物換算で、多いことが好ましい。
本発明の触媒は250℃以下の低温で使用するので、NOx吸着性能を最大限発揮するためである。また、S被毒解除も吸着浄化外層側ほど起こり易いので、S被毒解除に関しても有効なアルカリ金属やアルカリ土類金属の配置となる。
【0018】
更に、本発明の排気ガス浄化触媒においては、吸着浄化内層及び外層のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の金属が、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はナトリウム(Na)及びこれらの任意の組合せに係る金属を含有することが望ましく、これら金属が形成する化合物の一部又は全部が、炭酸バリウムマグネシウム(BaMg(CO3)2)であることが特に望ましい。
【0019】
本発明の触媒は250℃以下の低温で使用するので、上記アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有する化合物より弱いアルカリ(例えば、希土類などが挙げられる。)では、NOxの吸着ができず、また、強いアルカリ(例えば、カリウム(K)やセシウム(Cs)などが挙げられる。)では、これらが吸着したNOxが脱離することができず、NOx浄化性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
このようなNOx吸着材としては、BaやNaを含有する化合物が好適であるが、Naはその化合物(例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)が挙げられる。)が、水溶性であるため、触媒作成時にゼオライトを含有するHC吸着浄化層に溶け出してしまい、HC吸着性能に悪影響を及ぼす可能性が高い。
【0020】
一方、S被毒解除を考慮した場合には、NOx吸着材の安定性が非常に重要な課題となり、この点はNOx浄化性能に関しても同様であるが、そのためには、複合化という手段を用いることが有効である。現時点において、本発明の触媒を用いる温度範囲において好適なNOx浄化性能を発揮し、且つ複合化することができる良好なものとして、例えばBaMg(CO3)2が挙げられる。また、複合化することは、ゼオライトへの吸着材の溶け出しを考慮した場合にも有効である。
このように吸着材を複合化することにより、S被毒を抑制、NOx浄化性能の低下を抑制、及びゼオライトへの溶け出しを防止などの多くの問題点を解決することができる。
【0021】
また、本発明の排気ガス浄化触媒のHC吸着浄化層において、PtやPdを担持したセリア材に、更にアルカリ土類金属を含有させることが望ましい。
NOx吸着材をHC吸着浄化層に含有させることにより、NOx浄化性能を向上させることが可能となり、ゼオライト以外のPtやPdを担持したセリア材にアルカリ土類金属を担持させることにより、ゼオライトへ溶け出し、及びその結果発生する細孔閉塞が防止されHC吸着性能を維持することができる。
【0022】
更に、本発明の排気ガス浄化触媒のHC吸着浄化層において、PtやPdを担持したセリア材に、更にジルコニウム(Zr)を含有させることが好ましく、セリア材中のCeとZrとの含有比率が、それぞれCeO2、ZrO2換算の重量比で70:30〜80:20であることが更に好ましく、その重量比が75:25であることが特に好ましい。
セリア材の安定性を向上させるためにジルコニウムと複合化させることは有効であり、また、H2生成機能の劣化を抑制することもできる。現時点における、その好適形態は上述のCe−Zr複合酸化物である。
【0023】
次に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法につき詳細に説明する。
この製造方法は、上述した本発明の排気ガス浄化触媒を製造する方法であり、上記HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を形成するためのHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーを調製し、これらスラリーをハニカム担体などの一体構造型担体に順次塗布し、乾燥及び焼成等を行う方法であり、具体的には、下記の▲1▼〜▲4▼の工程を含む。
【0024】
▲1▼セリア材にPt及びPdの一方又は双方を含有するアルカリ性水溶液を含浸させて、Pt及びPdの一方又は双方を担持する粉末を作成し、次いで、この粉末とゼオライトを用いてHC吸着浄化層スラリーを作成する工程。
▲2▼アルミナにCeとアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及びPdの一方又は双方を含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及びPdの一方又は双方を担持する粉末を作成し、これら粉末を用いて内層スラリーを作成する工程。
▲3▼アルミナにCeとアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及びPdの一方又は双方を含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及びPdの一方又は双方を担持した粉末を作成し、一方、アルミナに硝酸ロジウム水溶液を含浸させてRh担持粉末を作成し、これら粉末を用いて外層スラリーを作成する工程。
▲4▼しかる後、ハニカム担体などの一体構造型担体に、▲1▼〜▲3▼工程で得られたHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を積層形成する工程。
【0025】
▲1▼工程、▲2▼工程及び▲3▼工程において、PtやPdをセリア材に担持させるのは、このような粉末がHC吸着浄化層において、上述したようにH2生成に寄与するからである。
また、HC吸着浄化層にアルカリ土類金属を含有させる場合には、▲1▼工程において、まず、セリア材にアルカリ土類金属を担持させることが望ましい。このように、ゼオライト以外のセリア材に担持させることによって、ゼオライトの細孔がNOx吸着材によって閉塞されることが防止され、HC吸着性能を維持でき、また、NOx浄化性能を向上することが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
酢酸セリウム水溶液と酢酸バリウム水溶液とを混合、攪拌し、この中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成し、2種担持粉末を得た。これを粉末Aとした(粉末AのBa担持濃度はBaOとして7.3%、Ce担持濃度はCeO2として20%)。
粉末Aに2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Bとした(粉末BのPt担持濃度は1.04%)。
【0028】
酢酸ジルコニウム水溶液中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、900℃で1時間焼成して粉末を得、得られた粉末に6%の硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Rh担持粉末を得た。これを粉末Cとした(粉末CのRh担持濃度は2.4%、Zrの担持濃度はZrO2として3%)。
粉末Aに2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Dとした(粉末DのPt担持濃度は3.41%)。
酸化セリウムに2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Eとした(粉末EのPt担持濃度は3.2%)。
【0029】
ベータゼオライトを627.5g、粉末Eを92.6g、シリカゾルを179.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、HC吸着浄化層スラリーを得た。
粉末Bを767.8g、粉末Aを50.5g、酸化Ceを47.8g、アルミナゾル33.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、内層スラリーを得た。
粉末Cを272.0g、粉末Dを403.9g、粉末Aを84.8、酸化セリウムを81.1g、アルミナゾルを58.1g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、外層スラリーを得た。
【0030】
HC吸着浄化層スラリーをコーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層172.1g/Lの触媒を得た。これを触媒aとした。
内層スラリーを触媒aに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層167.5g/Lの触媒を得た。これを触媒bとした。
外層スラリーを触媒bに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層97.6g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0031】
(実施例2)
粉末Aに12%の硝酸パラジウム溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pd担持粉末を得た。これを粉末Fとした(粉末FのPd担持濃度は1.04%)。
粉末Aに12%の硝酸パラジウム溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pd担持粉末を得た。これを粉末Gとした(粉末FのPd担持濃度は3.41%)。
酸化セリウムに12%の硝酸パラジウム溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pd担持粉末を得た。これを粉末Hとした(粉末HのPd担持濃度は3.2%)。
【0032】
ベータゼオライトを627.5g、粉末Eを69.4g、粉末Hを23.2g、シリカゾルを179.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、HC吸着浄化層スラリーを得た。
粉末Bを575.8g、粉末Fを192.0g、粉末Aを50.5g、酸化Ceを47.8g、アルミナゾル33.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、内層スラリーを得た。
粉末Cを272.0g、粉末Dを302.9g、粉末Gを101.0g、粉末Aを84.8、酸化Ceを81.1g、アルミナゾルを58.1g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、外層スラリーを得た。
【0033】
HC吸着浄化層スラリーをコーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層172.1g/Lの触媒を得た。これを触媒cとした。
内層スラリーを触媒cに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層167.5g/Lの触媒を得た。これを触媒dとした。
外層スラリーを触媒dに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層97.6g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0034】
(実施例3)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸カルシウム水溶液に変えた(この粉末のCa担持濃度はCaOとして、2.65%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0035】
(実施例4)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸ストロンチウム水溶液に変えた(この粉末のSr担持濃度はSrOとして、4.91%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0036】
(実施例5)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸ナトリウム水溶液に変えた(この粉末のNa担持濃度はNa2Oとして、2.99%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0037】
(実施例6)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸バリウムと酢酸マグネシウムの混合溶液に変えた(この粉末のBa担持濃度はBaOとして、7.3%、Mg担持濃度はMgOとして、2.3%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0038】
(実施例7)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸バリウムと酢酸ナトリウムの混合溶液に変えた(この粉末のBa担持濃度はBaOとして、7.3%、Na担持濃度はNa2Oとして、3.48%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0039】
(実施例8)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸バリウムと酢酸ストロンチウムの混合溶液に変えた(この粉末のBa担持濃度はBaOとして、7.3%、Sr担持濃度はSrOとして、5.85%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0040】
(実施例9)
内層スラリーの粉末BのCe担持濃度をCeO2として25%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として25%、外層スラリーの粉末DのCe担持濃度をCeO2として15%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として15%とした以外は実施例6と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0041】
(実施例10)
内層スラリーの粉末BのBa担持濃度をBaOとして3%、粉末AのBa担持濃度をBaOとして3%、外層スラリーの粉末DのBa担持濃度をBaOとして20%、粉末AのBa担持濃度をBaOとして20%とした以外は実施例6と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0042】
(実施例11)
酸化セリウムに酢酸バリウム水溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して粉末を得、得られた粉末に2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Iとした(粉末IのPt担持濃度は3.2%、Ba担持濃度はBaOとして7.6%)。HC吸着浄化層スラリーの粉末Eの代わりに粉末Iを用いた以外は実施例10と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0043】
(実施例12)
CeO2(75%)−ZrO2(25%)の複合酸化物に2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Jとした(粉末JのPt担持濃度は3.2%)。HC吸着浄化層スラリーの粉末Eの代わりに粉末Jを用いた以外は実施例10と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0044】
(比較例1)
ベータゼオライトを720.1g、シリカゾルを179.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、HC吸着浄化層スラリーを得、これを代わりに使用した以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0045】
(比較例2)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸カリウム水溶液に変えた(この粉末のK担持濃度はK2Oとして、4.51%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0046】
(比較例3)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸セシウム水溶液に変えた(この粉末のCs担持濃度はCs2Oとして、13.41%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0047】
(比較例4)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸ランタン水溶液に変えた(この粉末のLa担持濃度はLa2O3として、15.53%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0048】
(比較例5)
粉末AのCe担持濃度をCeO2として10%とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0049】
(比較例6)
内層スラリーの粉末BのCe担持濃度をCeO2として25%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として25%、外層スラリーの粉末DのCe担持濃度をCeO2として3%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として3%とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0050】
(比較例7)
内層スラリーの粉末BのCe担持濃度をCeO2として13%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として13%、外層スラリーの粉末DのCe担持濃度をCeO2として40%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として40%とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0051】
上記各例の排気ガス浄化触媒の仕様を表1に示す。なお、表1中の第一層、第二層及び第三層は、それぞれHC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を表すものである。
【0052】
【表1】
【0053】
[性能評価]
(試験例1)
排気量4500ccのエンジンの排気系に上記各例の触媒を装着して、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、50時間運転して耐久させた。
排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に上記耐久後の各例の触媒を装着して、11モードを走り、排気浄化率(11モード−HC転化率)を求めた。
【0054】
(試験例2)
排気量4500ccのエンジンの排気系に上記各例の触媒を装着して、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、50時間運転して耐久させた。
その後、軽油(S=400ppm)を使用し、触媒入口温度250℃とし、3時間運転してS被毒処理を行った後、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、30分運転してS脱離処理を行った。
排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に上記耐久後の各例の触媒を装着して、リーン(A/F=30)40秒、次いで、リッチ(A/F=11)4秒の運転を行い、この区間における排気浄化率(S被毒処理前NOx転化率及びS被毒・脱離処理後NOx転化率)を求めた。触媒入口温度は250℃とした。得られた結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2より、本発明の範囲に属する実施例1〜12の排気ガス浄化触媒は、本発明外の比較例1〜7よりも、S被毒解除性能とNOx浄化性能の双方に優れていることが分かる。
また、現時点では、NOx浄化性能、HC浄化性能、S被毒解除性能の全てが優れているという観点から、実施例10が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、HC吸着浄化層に、ゼオライトとPt等の貴金属を担持したセリア材を共存させ、更に吸着浄化内層及び吸着浄化外層に、所定量のCeを存在させることなどとしたため、150℃以下の低温でのHC吸着浄化、150〜250℃の低温及びリーン域でのNOx浄化を1つの触媒で実現でき、NOx浄化性能を向上した排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、150℃以下の低温での炭化水素(HC)吸着浄化性能、150〜250℃の低温及び酸素過剰雰囲気下(リーン域)での窒素酸化物(NOx)吸着浄化性能に優れた排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からリーン域のNOxを浄化する触媒は種々提案されており、例えば、白金とランタンを多孔質担体に担持した触媒(例えば、特許文献1参照。)に代表されるように、リーン域でNOxを吸着し、ストイキからリッチ域の時にNOxを放出させて浄化する触媒が知られている。
また、エンジン始動時等の低排温時にHCを浄化する触媒としては、例えば、ゼオライトを含む触媒が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−168860号公報
【特許文献2】
特開平11−47596号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リーンバーンエンジンやディーゼルエンジンでは、低温でのHC吸着浄化、リーン域でのNOx浄化のために上記のような触媒を2個配置する必要があり、貴金属使用量の増加や排圧の上昇などの多くの問題点が存在した。本発明のように、2つの触媒の機能を1つの触媒で満たせるようにすれば、上記のような問題は解決できると考えられ、具体的には、HC吸着材であるゼオライト層の上に貴金属とNOx吸着材であるアルカリを含む層を積層し、下層において、低温でのHCの吸着、上層において、NOxの吸着、浄化及び下層で吸着したHCの浄化を行わせるという触媒が挙げられる。
しかし、このような触媒は、それぞれの触媒層が薄くなるため、それぞれの機能が十分に発揮できないという問題がある。
【0005】
本発明者らが細かく解析すると、上層のNOx浄化を行う層からのNOx脱離、浄化が十分に行われていないことがわかった。これは、触媒入口温度が250℃以下であると、より顕著であり、この温度範囲でも十分にNOxを脱離、浄化するためにはH2が必要であることも明らかになった。近年、低燃費化のためエンジンの燃焼効率が上がり、低排温化が進むにつれて、この問題は益々大きくなりつつある。
【0006】
本発明は、このような知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、150℃以下の低温での炭化水素(HC)吸着浄化、150〜250℃の低温及びリーン域での窒素酸化物(NOx)浄化を1つの触媒で実現でき、NOx浄化性能を向上した排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、HC吸着浄化層に、ゼオライトと白金等の貴金属を担持したセリア材を共存させ、更に吸着浄化内層及び吸着浄化外層に、所定量のセリウムを存在させることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の排気ガス浄化触媒は、一体構造型担体に、HCを吸着・浄化するHC吸着浄化層、NOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化内層、及びNOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層をこの順で積層して成る。
上記HC吸着浄化層が、ゼオライトと、白金(Pt)及び/又はパラジウム(Pd)と、セリア材とを含有し、かかるセリア材にはPt及び/又はPdが担持されており、上記吸着浄化内層が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と、セリウム(Ce)と、Pt及び/又はPdと、アルミナとを含有し、上記吸着浄化外層が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と、Ceと、ロジウム(Rh)と、Pt及び/又はPdと、アルミナとを含有し、上記吸着浄化内層及び外層のCe量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lであって、低温でのHC吸着浄化能、低温及び酸素過剰雰囲気下でのNOx吸着浄化能を併有する排気ガス浄化触媒である。
【0009】
また、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法は、上述の如き排気ガス浄化触媒を製造する方法であって、下記の工程▲1▼〜▲4▼を含むものである。
▲1▼セリア材にPt及び/又はPdを含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及び/又はPd担持粉末を作成し、次いで、この粉末とゼオライトを用いてHC吸着浄化層を形成するためのHC吸着浄化層スラリーを作成する工程。
▲2▼アルミナにCeとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及び/又はPdを含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及び/又はPd担持粉末を作成し、これら粉末を用いて吸着浄化内層を形成するための内層スラリーを作成する工程。
▲3▼アルミナにCeとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及び/又はPdを含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及び/又はPd担持粉末を作成し、一方、アルミナに硝酸ロジウム水溶液を含浸させてRh担持粉末を作成し、これら粉末を用いて吸着浄化外層を形成するための外層スラリーを作成する工程。
▲4▼その後、一体構造型担体に、▲1▼〜▲3▼工程で得られたHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を積層形成する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0011】
上述の如く、本発明の排気ガス浄化触媒は、一体構造型担体に、HCを吸着・浄化するHC吸着浄化層、NOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化内層、及びNOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層をこの順で積層して構成され、低温でのHC吸着浄化能、低温及び酸素過剰雰囲気下でのNOx吸着浄化能を併有する。
ここで、一体構造型担体としては、例えばコーディエライトなどのセラミックスやフェライト系ステンレスなどの金属等の耐熱性材料から成るモノリス担体やハニカム担体が用いられる。
【0012】
従来技術によれば、HCを吸着する触媒とリーン時のNOxを浄化する触媒のすくとも2種の触媒が必要となり、これにより、排圧上昇が生じて燃費に悪影響を及ぼし、また少なくとも触媒2個分の貴金属量が必要となり資源枯渇を招くが、本発明の排気ガス浄化触媒は、上述した複合機能を1個の触媒に集約した触媒であり、このような問題を改善することができる。
【0013】
また、本発明の排気ガス浄化触媒のHC吸着浄化層は、ゼオライトとPt及びPdの一方又は双方を担持したセリア材とを含有し、吸着浄化内層は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方と、Ceと、Pt及びPdの一方又は双方と、アルミナとを含有し、吸着浄化外層は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方と、Ceと、Rhと、Pt及びPdの一方又は双方と、アルミナとを含有する。
ここで、「セリア材」とは、少なくともCeを含有する酸化物のことをいう。
【0014】
かかるHC吸着浄化層において、ゼオライトは、150℃以下の低温でHCの吸着や浄化を行い、PtやPdを担持したセリア材は、水(H2O)とゼオライトのHC浄化で発生した一酸化炭素(CO)からCOシフト反応によって、NOx浄化に有効な水素(H2)を生成する。
一方、かかる吸着浄化内層及び外層において、アルミナは高表面積基材として触媒成分を担持し、アルカリ金属やアルカリ土類金属が形成する化合物(NOx吸着材)はNOxの吸着を行い、Pt、Pd及びRhはNOx浄化やHC浄化を行うが、特にRhはNOx浄化に優れた性能を示し、セリア材は上述したH2生成によるNOxの脱離や浄化の機能を向上させる。
これにより、150℃以下の低温でのHC吸着や浄化が可能となり、150〜250℃の低温でのNOx浄化性能を向上させることができる。
【0015】
更に、本発明の排気ガス浄化触媒は、吸着浄化内層及び外層のCe量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lであることを要する。
40g/L未満では、COシフト反応を十分に進行させることができない可能性があり、100g/Lを超えると、HC、CO、H2などの還元材を酸化する機能の方が強く発現し、NOxの脱離が行われなくなる可能性がある。
【0016】
本発明の排気ガス浄化触媒においては、吸着浄化内層のCe量が吸着浄化外層のCe量より多いことが好ましく、吸着浄化内層のCe量と吸着浄化外層のCe量の比がCeO2換算で6:4〜8:2であることが更に好ましい。
吸着浄化内層のCe量より吸着浄化外層のCe量が多いと、上述の還元材を酸化して消費してしまい、NOxの脱離や浄化に悪影響を及ぼす可能性がある。Ceが吸着浄化外層にあると、NOxの浄化に必要な上述の還元材を酸化してしまうため、Ceは理想的には吸着浄化外層には含有されないことが望ましい。
しかし、含有されない場合は、硫黄化合物(S)被毒解除に有効なH2は、PtやPdを担持したセリア材によって生成することから、S被毒によってNOx浄化性能に悪影響が及ぶ可能性が高い。
このような観点から、上述の比率で吸着浄化内層及び外層に含有させることが好ましく、これにより、内層及び外層の双方において、NOxの吸着、脱離及び浄化ができるようになり、更にS被毒解除性能も向上する。
【0017】
また、本発明の排気ガス浄化触媒においては、吸着浄化外層に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の量が、吸着浄化内層に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の量より対応するそれぞれの酸化物換算で、多いことが好ましい。
本発明の触媒は250℃以下の低温で使用するので、NOx吸着性能を最大限発揮するためである。また、S被毒解除も吸着浄化外層側ほど起こり易いので、S被毒解除に関しても有効なアルカリ金属やアルカリ土類金属の配置となる。
【0018】
更に、本発明の排気ガス浄化触媒においては、吸着浄化内層及び外層のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の金属が、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はナトリウム(Na)及びこれらの任意の組合せに係る金属を含有することが望ましく、これら金属が形成する化合物の一部又は全部が、炭酸バリウムマグネシウム(BaMg(CO3)2)であることが特に望ましい。
【0019】
本発明の触媒は250℃以下の低温で使用するので、上記アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有する化合物より弱いアルカリ(例えば、希土類などが挙げられる。)では、NOxの吸着ができず、また、強いアルカリ(例えば、カリウム(K)やセシウム(Cs)などが挙げられる。)では、これらが吸着したNOxが脱離することができず、NOx浄化性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
このようなNOx吸着材としては、BaやNaを含有する化合物が好適であるが、Naはその化合物(例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)が挙げられる。)が、水溶性であるため、触媒作成時にゼオライトを含有するHC吸着浄化層に溶け出してしまい、HC吸着性能に悪影響を及ぼす可能性が高い。
【0020】
一方、S被毒解除を考慮した場合には、NOx吸着材の安定性が非常に重要な課題となり、この点はNOx浄化性能に関しても同様であるが、そのためには、複合化という手段を用いることが有効である。現時点において、本発明の触媒を用いる温度範囲において好適なNOx浄化性能を発揮し、且つ複合化することができる良好なものとして、例えばBaMg(CO3)2が挙げられる。また、複合化することは、ゼオライトへの吸着材の溶け出しを考慮した場合にも有効である。
このように吸着材を複合化することにより、S被毒を抑制、NOx浄化性能の低下を抑制、及びゼオライトへの溶け出しを防止などの多くの問題点を解決することができる。
【0021】
また、本発明の排気ガス浄化触媒のHC吸着浄化層において、PtやPdを担持したセリア材に、更にアルカリ土類金属を含有させることが望ましい。
NOx吸着材をHC吸着浄化層に含有させることにより、NOx浄化性能を向上させることが可能となり、ゼオライト以外のPtやPdを担持したセリア材にアルカリ土類金属を担持させることにより、ゼオライトへ溶け出し、及びその結果発生する細孔閉塞が防止されHC吸着性能を維持することができる。
【0022】
更に、本発明の排気ガス浄化触媒のHC吸着浄化層において、PtやPdを担持したセリア材に、更にジルコニウム(Zr)を含有させることが好ましく、セリア材中のCeとZrとの含有比率が、それぞれCeO2、ZrO2換算の重量比で70:30〜80:20であることが更に好ましく、その重量比が75:25であることが特に好ましい。
セリア材の安定性を向上させるためにジルコニウムと複合化させることは有効であり、また、H2生成機能の劣化を抑制することもできる。現時点における、その好適形態は上述のCe−Zr複合酸化物である。
【0023】
次に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法につき詳細に説明する。
この製造方法は、上述した本発明の排気ガス浄化触媒を製造する方法であり、上記HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を形成するためのHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーを調製し、これらスラリーをハニカム担体などの一体構造型担体に順次塗布し、乾燥及び焼成等を行う方法であり、具体的には、下記の▲1▼〜▲4▼の工程を含む。
【0024】
▲1▼セリア材にPt及びPdの一方又は双方を含有するアルカリ性水溶液を含浸させて、Pt及びPdの一方又は双方を担持する粉末を作成し、次いで、この粉末とゼオライトを用いてHC吸着浄化層スラリーを作成する工程。
▲2▼アルミナにCeとアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及びPdの一方又は双方を含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及びPdの一方又は双方を担持する粉末を作成し、これら粉末を用いて内層スラリーを作成する工程。
▲3▼アルミナにCeとアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末にPt及びPdの一方又は双方を含有するアルカリ性水溶液を含浸させてPt及びPdの一方又は双方を担持した粉末を作成し、一方、アルミナに硝酸ロジウム水溶液を含浸させてRh担持粉末を作成し、これら粉末を用いて外層スラリーを作成する工程。
▲4▼しかる後、ハニカム担体などの一体構造型担体に、▲1▼〜▲3▼工程で得られたHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を積層形成する工程。
【0025】
▲1▼工程、▲2▼工程及び▲3▼工程において、PtやPdをセリア材に担持させるのは、このような粉末がHC吸着浄化層において、上述したようにH2生成に寄与するからである。
また、HC吸着浄化層にアルカリ土類金属を含有させる場合には、▲1▼工程において、まず、セリア材にアルカリ土類金属を担持させることが望ましい。このように、ゼオライト以外のセリア材に担持させることによって、ゼオライトの細孔がNOx吸着材によって閉塞されることが防止され、HC吸着性能を維持でき、また、NOx浄化性能を向上することが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
酢酸セリウム水溶液と酢酸バリウム水溶液とを混合、攪拌し、この中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成し、2種担持粉末を得た。これを粉末Aとした(粉末AのBa担持濃度はBaOとして7.3%、Ce担持濃度はCeO2として20%)。
粉末Aに2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Bとした(粉末BのPt担持濃度は1.04%)。
【0028】
酢酸ジルコニウム水溶液中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、900℃で1時間焼成して粉末を得、得られた粉末に6%の硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Rh担持粉末を得た。これを粉末Cとした(粉末CのRh担持濃度は2.4%、Zrの担持濃度はZrO2として3%)。
粉末Aに2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Dとした(粉末DのPt担持濃度は3.41%)。
酸化セリウムに2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Eとした(粉末EのPt担持濃度は3.2%)。
【0029】
ベータゼオライトを627.5g、粉末Eを92.6g、シリカゾルを179.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、HC吸着浄化層スラリーを得た。
粉末Bを767.8g、粉末Aを50.5g、酸化Ceを47.8g、アルミナゾル33.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、内層スラリーを得た。
粉末Cを272.0g、粉末Dを403.9g、粉末Aを84.8、酸化セリウムを81.1g、アルミナゾルを58.1g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、外層スラリーを得た。
【0030】
HC吸着浄化層スラリーをコーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層172.1g/Lの触媒を得た。これを触媒aとした。
内層スラリーを触媒aに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層167.5g/Lの触媒を得た。これを触媒bとした。
外層スラリーを触媒bに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層97.6g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0031】
(実施例2)
粉末Aに12%の硝酸パラジウム溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pd担持粉末を得た。これを粉末Fとした(粉末FのPd担持濃度は1.04%)。
粉末Aに12%の硝酸パラジウム溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pd担持粉末を得た。これを粉末Gとした(粉末FのPd担持濃度は3.41%)。
酸化セリウムに12%の硝酸パラジウム溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pd担持粉末を得た。これを粉末Hとした(粉末HのPd担持濃度は3.2%)。
【0032】
ベータゼオライトを627.5g、粉末Eを69.4g、粉末Hを23.2g、シリカゾルを179.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、HC吸着浄化層スラリーを得た。
粉末Bを575.8g、粉末Fを192.0g、粉末Aを50.5g、酸化Ceを47.8g、アルミナゾル33.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、内層スラリーを得た。
粉末Cを272.0g、粉末Dを302.9g、粉末Gを101.0g、粉末Aを84.8、酸化Ceを81.1g、アルミナゾルを58.1g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、外層スラリーを得た。
【0033】
HC吸着浄化層スラリーをコーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層172.1g/Lの触媒を得た。これを触媒cとした。
内層スラリーを触媒cに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層167.5g/Lの触媒を得た。これを触媒dとした。
外層スラリーを触媒dに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層97.6g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0034】
(実施例3)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸カルシウム水溶液に変えた(この粉末のCa担持濃度はCaOとして、2.65%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0035】
(実施例4)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸ストロンチウム水溶液に変えた(この粉末のSr担持濃度はSrOとして、4.91%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0036】
(実施例5)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸ナトリウム水溶液に変えた(この粉末のNa担持濃度はNa2Oとして、2.99%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0037】
(実施例6)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸バリウムと酢酸マグネシウムの混合溶液に変えた(この粉末のBa担持濃度はBaOとして、7.3%、Mg担持濃度はMgOとして、2.3%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0038】
(実施例7)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸バリウムと酢酸ナトリウムの混合溶液に変えた(この粉末のBa担持濃度はBaOとして、7.3%、Na担持濃度はNa2Oとして、3.48%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0039】
(実施例8)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸バリウムと酢酸ストロンチウムの混合溶液に変えた(この粉末のBa担持濃度はBaOとして、7.3%、Sr担持濃度はSrOとして、5.85%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0040】
(実施例9)
内層スラリーの粉末BのCe担持濃度をCeO2として25%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として25%、外層スラリーの粉末DのCe担持濃度をCeO2として15%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として15%とした以外は実施例6と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0041】
(実施例10)
内層スラリーの粉末BのBa担持濃度をBaOとして3%、粉末AのBa担持濃度をBaOとして3%、外層スラリーの粉末DのBa担持濃度をBaOとして20%、粉末AのBa担持濃度をBaOとして20%とした以外は実施例6と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0042】
(実施例11)
酸化セリウムに酢酸バリウム水溶液を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して粉末を得、得られた粉末に2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Iとした(粉末IのPt担持濃度は3.2%、Ba担持濃度はBaOとして7.6%)。HC吸着浄化層スラリーの粉末Eの代わりに粉末Iを用いた以外は実施例10と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0043】
(実施例12)
CeO2(75%)−ZrO2(25%)の複合酸化物に2%のテトラアンミンPt水酸塩溶液(pH=10.5)を含浸させ、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、Pt担持粉末を得た。これを粉末Jとした(粉末JのPt担持濃度は3.2%)。HC吸着浄化層スラリーの粉末Eの代わりに粉末Jを用いた以外は実施例10と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0044】
(比較例1)
ベータゼオライトを720.1g、シリカゾルを179.9g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、HC吸着浄化層スラリーを得、これを代わりに使用した以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0045】
(比較例2)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸カリウム水溶液に変えた(この粉末のK担持濃度はK2Oとして、4.51%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0046】
(比較例3)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸セシウム水溶液に変えた(この粉末のCs担持濃度はCs2Oとして、13.41%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0047】
(比較例4)
粉末Aの酢酸バリウム水溶液を酢酸ランタン水溶液に変えた(この粉末のLa担持濃度はLa2O3として、15.53%)以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0048】
(比較例5)
粉末AのCe担持濃度をCeO2として10%とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0049】
(比較例6)
内層スラリーの粉末BのCe担持濃度をCeO2として25%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として25%、外層スラリーの粉末DのCe担持濃度をCeO2として3%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として3%とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0050】
(比較例7)
内層スラリーの粉末BのCe担持濃度をCeO2として13%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として13%、外層スラリーの粉末DのCe担持濃度をCeO2として40%、粉末AのCe担持濃度をCeO2として40%とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
【0051】
上記各例の排気ガス浄化触媒の仕様を表1に示す。なお、表1中の第一層、第二層及び第三層は、それぞれHC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を表すものである。
【0052】
【表1】
【0053】
[性能評価]
(試験例1)
排気量4500ccのエンジンの排気系に上記各例の触媒を装着して、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、50時間運転して耐久させた。
排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に上記耐久後の各例の触媒を装着して、11モードを走り、排気浄化率(11モード−HC転化率)を求めた。
【0054】
(試験例2)
排気量4500ccのエンジンの排気系に上記各例の触媒を装着して、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、50時間運転して耐久させた。
その後、軽油(S=400ppm)を使用し、触媒入口温度250℃とし、3時間運転してS被毒処理を行った後、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、30分運転してS脱離処理を行った。
排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に上記耐久後の各例の触媒を装着して、リーン(A/F=30)40秒、次いで、リッチ(A/F=11)4秒の運転を行い、この区間における排気浄化率(S被毒処理前NOx転化率及びS被毒・脱離処理後NOx転化率)を求めた。触媒入口温度は250℃とした。得られた結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2より、本発明の範囲に属する実施例1〜12の排気ガス浄化触媒は、本発明外の比較例1〜7よりも、S被毒解除性能とNOx浄化性能の双方に優れていることが分かる。
また、現時点では、NOx浄化性能、HC浄化性能、S被毒解除性能の全てが優れているという観点から、実施例10が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、HC吸着浄化層に、ゼオライトとPt等の貴金属を担持したセリア材を共存させ、更に吸着浄化内層及び吸着浄化外層に、所定量のCeを存在させることなどとしたため、150℃以下の低温でのHC吸着浄化、150〜250℃の低温及びリーン域でのNOx浄化を1つの触媒で実現でき、NOx浄化性能を向上した排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
Claims (11)
- 一体構造型担体に、HCを吸着・浄化するHC吸着浄化層、NOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化内層、及びNOxを吸着・浄化し且つHCを浄化する吸着浄化外層の少なくとも3つの触媒層をこの順で積層して成り、低温でのHC吸着浄化能、低温及び酸素過剰雰囲気下でのNOx吸着浄化能を併有する排気ガス浄化触媒であって、
HC吸着浄化層は、ゼオライトと白金及び/又はパラジウムとセリア材とを含有し、このセリア材には白金及び/又はパラジウムが担持されており、
吸着浄化内層は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とセリウムと白金及び/又はパラジウムとアルミナとを含有し、
吸着浄化外層は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とセリウムとロジウムと白金及び/又はパラジウムとアルミナとを含有し、
吸着浄化内層及び外層のセリウム量の合計がCeO2換算で、この触媒1L当り40〜100g/Lであることを特徴とする排気ガス浄化触媒。 - 吸着浄化内層のセリウム量が吸着浄化外層のセリウム量より多いことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
- 吸着浄化内層のセリウム量と吸着浄化外層のセリウム量の比がCeO2換算で6:4〜8:2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒。
- 吸着浄化外層のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の量が、吸着浄化内層のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の量より当該酸化物換算で多いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- 吸着浄化内層及び外層のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ナトリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が形成する化合物の一部又は全部が、炭酸バリウムマグネシウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- HC吸着浄化層の白金及び/又はパラジウムを担持したセリア材が、更にアルカリ土類金属を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- HC吸着浄化層の白金及び/又はパラジウムを担持したセリア材が、更にジルコニウムを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- セリア材中のセリウムとジルコニウムとの含有比率が、酸化物換算の重量比で70:30〜80:20であることを特徴とする請求項8に記載の排気ガス浄化触媒。
- 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒を製造するに当たり、
▲1▼セリア材に白金及び/又はパラジウムを含有するアルカリ性水溶液を含浸させて白金及び/又はパラジウム担持粉末を作成し、次いで、この粉末とゼオライトを用いてHC吸着浄化層を形成するためのHC吸着浄化層スラリーを作成し、
▲2▼アルミナにセリウムとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末に白金及び/又はパラジウムを含有するアルカリ性水溶液を含浸させて白金及び/又はパラジウム担持粉末を作成し、これら粉末を用いて吸着浄化内層を形成するための内層スラリーを作成し、
▲3▼アルミナにセリウムとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末に白金及び/又はパラジウムを含有するアルカリ性水溶液を含浸させて白金及び/又はパラジウム担持粉末を作成し、一方、アルミナに硝酸ロジウム水溶液を含浸させてロジウム担持粉末を作成し、これら粉末を用いて吸着浄化外層を形成するための外層スラリーを作成し、
▲4▼しかる後、一体構造型担体に、▲1▼〜▲3▼工程で得られたHC吸着浄化層スラリー、内層スラリー及び外層スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、HC吸着浄化層、吸着浄化内層及び吸着浄化外層を積層形成する、
ことを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。 - ▲1▼工程において、セリア材にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を担持した粉末を作成し、次いで、この粉末に白金及び/又はパラジウムを含有するアルカリ性水溶液を含浸させて白金及び/又はパラジウム担持粉末を作成することを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
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