JP2004315464A - アダマンチルアクリレート類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジスト原料や、高機能性ポリマー原料となるアダマンチルアクリレート類の製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で示される2−アダマンタノン類および式(2)で示されるハロゲン化アルキル化合物の混合溶液に、リチウム金属を混合して反応させ、次いで式(3)で示されるアクリル酸化合物と反応させることを特徴とする式(4)で示されるアダマンチルアクリレート類の製造方法。
【化1】
(式中、Yは水素原子、アルキル基を示し、nは1〜14の整数を示す。)
【化2】
(式中、R1は炭化水素基、Xはハロゲン原子を示す。)
【化3】
(式中、R2〜R4は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン含有アルキル基、R5はアルキル基を示す。)
【化4】
(式中、R1〜R4、Y、及びnは前記と同様。)
【解決手段】式(1)で示される2−アダマンタノン類および式(2)で示されるハロゲン化アルキル化合物の混合溶液に、リチウム金属を混合して反応させ、次いで式(3)で示されるアクリル酸化合物と反応させることを特徴とする式(4)で示されるアダマンチルアクリレート類の製造方法。
【化1】
(式中、Yは水素原子、アルキル基を示し、nは1〜14の整数を示す。)
【化2】
(式中、R1は炭化水素基、Xはハロゲン原子を示す。)
【化3】
(式中、R2〜R4は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン含有アルキル基、R5はアルキル基を示す。)
【化4】
(式中、R1〜R4、Y、及びnは前記と同様。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、KrFおよびArF、F2エキシマレーザ用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用各種レジスト原料や、高機能性ポリマー原料として注目を集めているアダマンチルアクリレート類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類は、そのエステル構造に対応する部分を有する2−アダマンタノン誘導体を出発原料とする場合、一般的には通常、2−アダマンタノン誘導体を2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体に変え、その2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体を(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸ハライドなどと反応させることによって製造していた。
【0003】
従来、2−メチル−2−アダマンタノールとメタクリロイルクロリドとのエステル化反応により、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを合成する方法がある(非特許文献1)。また、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの合成に際し、対応する2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体に(メタ)アクリロイルクロリドを反応させる方法もある(特許文献1)。また、対応する2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体またはその金属塩と(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させる方法もある(特許文献2)。
【0004】
さらに第3級アルコールエステルの製造の際に、第3級アルコールを分離、精製することなく、ケトン化合物を有機金属化合物の存在下でカルボン酸ハライドと反応させる方法もある(特許文献3)。
【0005】
また、2−アダマンタノンとハロゲン化アルキルを溶媒に溶解または懸濁させ、この溶液と金属リチウムとを反応させることによって2−アルキル−2−アダマンチルアルコシキリチウムを得、この反応溶液をメタクリル酸ハライドなどを加えて反応させる方法もある(特許文献4、5)。
しかしながら、エステル化試薬として使用される(メタ)アクリル酸ハライドは、高価で取扱いが困難である、除去が困難な副生物が多いという欠点がある。また、(メタ)アクリル酸ハライドを用いると副生成物としてアルキルアダマンチルハロゲン化物が生成し、蒸留生成の際に酸を発生し、目的物質である2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を分解してしまい収率が著しく低下するなどの欠点がある。
【0006】
アルキルアダマンチルハロゲン化物を含む2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類とアルカリ化合物と接触させることにより、アルキルアダマンチルハロゲン化物を蒸留生成に影響を与えない物質にすることにより、収率低下を防ぐことがある(特許文献6)。また、ベンゾイルクロリドまたは三塩化リンと(メタ)アクリル酸とを反応させた酸クロリドを用いることにより2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を高収率で製造する方法も提案されている(特許文献1)。しかしながら、酸ハライドを用いるには特別な工夫を要するため、酸ハライドを用いない、工業的に実施が容易なアダマンチルアクリレート類を高収率で製造することができる製造方法の開発が望まれていた。
【0007】
2−アダマンタノン類を有機金属化合物の存在下で(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる方法がある(特許文献7)。この方法では、十分に高い反応収率で目的のアダマンチル(メタ)アクリレート類が得られる。しかしながら、目的のアダマンチルアクリレート類を合成するためには、あらかじめアルキルリチウムなどやアルキルマグネシウムハライドなどの有機金属試薬を調製する必要があり、長い製造工程が必要となる。また、有機金属試薬の中には、収率の低いものや、また保存安定性が低いものもあり、実際に製造するとなると工業的に難しい場合がある。
【0008】
【非特許文献1】
K.Nozaki et al.,Jpn.J.Appl.Phys.35,528(1996)
【特許文献1】
特開2000−229911号公報
【特許文献2】
特開2000−309558号公報
【特許文献3】
特開平10−182552号公報
【特許文献4】
国際公開第01/87817号パンフレット
【特許文献5】
特開2003−73334号公報
【特許文献6】
特開2001−97924号公報
【特許文献7】
特開2002−241342号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、アダマンチルアクリレート類を2−アダマンタノン類から合成するに際し、(メタ)アクリル酸ハライドを原料とすることなく、また予め有機金属試薬を調製する必要のない、製造工程を大きく簡略化することのできる方法を提供することにある。
【0010】
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、2−アダマンタノン類から、従来に比べより簡便な工程でアダマンチルアクリレート類を効率よく製造できることを見出し本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、式(1)で示される2−アダマンタノン類および式(2)で示されるハロゲン化アルキル化合物の混合溶液に、リチウム金属を混合して反応させ、次いでと式(3)で示されるアクリル酸化合物と反応させることを特徴とする式(4)で示されるアダマンチルアクリレート類の製造方法に関するものである。
【0012】
【化5】
(式中、Yは水素原子、アルキル基を示し、nは1〜14の整数を示す。)
【0013】
【化6】
(式中、R1は炭化水素基、Xはハロゲン原子を示す。)
【0014】
【化7】
(式中、R2〜R4は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン含有アルキル基、R5はアルキル基を示す。)
【0015】
【化8】
(式中、R1〜R4、Y、及びnは前記と同様。)
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の原料である2−アダマンタノン類(2−アダマンタノン及びその誘導体)は下記式(1)で表される。
【0017】
【化9】
【0018】
式中、Yは水素原子、アルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アミル基などの炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましい。nは1〜14の整数を示す。複数のYが存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。2−アダマンタノン類としては、2−アダマンタノンが特に好ましい。
【0019】
本発明ではリチウム金属を用いる。リチウム金属の形状としては、顆粒状、薄片状、微粒子状、リボン状、塊状などが挙げられるが、通常、表面積の大きい形状のものを用いると反応速度が大きく制御も容易になるので好ましい。形状としては、粒子径が1000ミクロン以下の粒子状のものを反応させるのが望ましい。製造に際し、そのようなものを別途用意しておいて予め仕込んでも良いが、塊状など表面積の小さいものを反応容器に仕込み、パラフィンなどの不活性な溶媒中、高温で溶解させ分散させて粒子状にしてから反応に利用しても良い。
【0020】
リチウム金属の使用量としては、原料の2−アダマンタノン類に対して1〜5当量、好ましくは1.8〜2.4当量である。それより少ないと原料の2−アダマンタノン類が転化せずそのまま残り、それより多くても残存するリチウム金属が多くなり、収率を低下させるだけである。
【0021】
【化10】
【0022】
式(2)におけるR1は、炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。また、Xは、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素が例示される。具体的化合物としては、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチルが挙げられる。
【0023】
溶媒としては、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサンやヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、クメンなどの芳香族炭化水素化合物が挙げられるが、反応に不活性ならばそれらに限定されるものではない。溶媒を用いる際、攪拌などに大きく影響を及ぼさなければ、原料などを完全に溶解させる必要はなく、スラリー状でもよい。また、製造工程に影響がなければ、反応溶液が、反応の進行とともに溶解したりスラリー状になったりしてもよい。本特許では、スラリー状も含めて便宜上溶液と記述する。
【0024】
ハロゲン化アルキル化合物は、原料の2−アダマンタノン類に対してそれぞれ1〜10当量、好ましくは1〜1.2当量の範囲の量で使用する。使用量が多いと、ハロゲン化アルキル化合物とリチウム金属との接触で生成するアルキルリチウム試薬の過剰分が、後の反応で添加するアクリル酸化合物を重合させ、目的のアルキルアダマンチルアクリレートの収率を低下させるためである。
【0025】
アダマンタノン類、ハロゲン化アルキル化合物およびリチウム金属との混合方法には特に規定はない。アダマンタノン類とハロゲン化アルキル化合物を溶媒に溶かし、リチウム金属を添加してもよい。また、ハロゲン化アルキルとリチウム金属を溶媒中に先に反応させた後にアダマンタノン類を添加してもよい。添加方法は一括添加でも逐次添加あるいはその両方でもよく、また添加速度に特に規定はないが、通常、反応温度に異常昇温が生じない程度の速度で添加するのが好ましい。
【0026】
上記反応後、2−アダマンタノン類は反応中間体として、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコシキドに転化する。
【0027】
本発明ではアクリル酸化合物として、下記式(3)で表されるアクリル酸エステル類を用いる。
【0028】
【化11】
【0029】
式(3)において、R2〜R4は水素原子、ハロゲン基、アルキル基、またはハロアルキル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基のような炭素数1〜4のアルキル基が例示される。ハロゲン基としては、フッ素基が例示される。ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が例示される。R2〜R4としては水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。R5はアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基のような炭素数1〜6のアルキル基を示す。アクリル酸エステル類の具体例としては、アクリル酸やメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、isoプロピルエステル、トリフルオロアクリル酸メチル、トリフルオロアクリル酸エチル、トリフルオロアクリル酸イソプロピル、トリフルオロアクリル酸−t−ブチル、ペンタフルオロメタクリル酸メチル、ペンタフルオロメタクリル酸エチル、ペンタフルオロメタクリル酸イソプロピル、ペンタフルオロメタクリル酸−t−ブチル、2−フルオロアクリル酸メチル、2−フルオロアクリル酸エチル、2−フルオロアクリル酸イソプロピル、2−フルオロアクリル酸−t−ブチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸メチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸エチル、または2−(トリフルオロメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸−t−ブチルが挙げられる。
【0030】
アクリル酸化合物の添加量は、原料の2−アダマンタノン類に対して1〜100当量、好ましくは1〜20当量である。1当量より少ないと収率が低下し、100当量より多いと釜効率の低下や精製が困難になる。
【0031】
アクリル酸化合物を添加する際、添加方法および添加速度は特に制限されないが、通常、原料の2−アダマンタノン類が反応中間体であるリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコキシドに十分転化した後に、アクリル酸化合物を添加することが好ましい。
【0032】
アクリル酸化合物を添加する前に、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコキシドを必ずしも単離する必要はない。残存するリチウム金属と分離してもよく、また分離しなくてもよい。実質的にほとんどリチウム金属が残存していない場合は、そのままアクリル酸化合物を添加してもよい。
【0033】
本発明では、重合禁止剤として、ニトロソ基を有する重合禁止剤が有効である。特に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリンの重合禁止効果が高い。
【0034】
また、前記の重合禁止剤以外に、他の重合禁止剤を共存させるとより効果が高まる場合がある。そのような重合禁止剤として、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリンなどのニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノールなどのアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどのキノン類、メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)などのフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシムなどのオキシム類、ジアルキルチオジプロピネート類などが挙げられる。一方、これらの重合禁止剤を単独で用いても、重合禁止効果はほとんどみられない。
【0035】
添加する重合禁止剤量として、アクリル酸化合物に対して、0.00001〜0.1重量部、好ましくは0.0001〜0.02重量部を使用する。それ以上少ないと、重合禁止効果が現れず、またそれより多くても、重合禁止効果は向上しない。
【0036】
重合禁止剤を添加する際、添加方法および添加速度に特に規定はないが、通常、アクリル酸化合物を添加する際に同時、あるいはその直前または直後に添加するのが望ましい。添加方法として、重合禁止剤をアクリル酸化合物中に溶解させて添加してもよいし、またアクリル酸化合物の投入口とは別の投入口から重合禁止剤を添加してもよい。添加する際に、溶媒に溶解させてもよいし、またそのまま添加してもよい。
【0037】
本発明における反応温度は、−70℃〜200℃、好ましくは−50℃〜100℃で行う。−70℃より低いと反応速度が低下し、200℃より高いと反応の制御が困難になることや副反応が進行して収率が低下する。また、2−アダマンタノン類とハロゲン化アルキル化合物とリチウム金属の混合時およびその後の反応温度と、アクリル酸エステル類の添加時およびその後の反応温度は同一でも異なっていても良いし、また、加熱あるいは冷却などの操作により−70℃〜200℃の範囲内で変化させてもよい。
【0038】
本発明のエステル化での反応時間として、0.5〜1000時間、好ましくは1〜100時間必要である。反応時間は反応温度に依存し、所望の収率などに応じて決定されるので、上記の範囲に限定されるものではない。
【0039】
本発明のアダマンチルアクリレート類について、式(4)中のR1は、式(2)のハロゲン化アルキル化合物のR1と対応している。また、式(4)中のR2は、式(3)のアクリル酸エステル類のR2と対応している。
【0040】
反応終了後においては、反応液を水洗処理することにより、未反応のリチウム金属やアルキルリチウム由来のリチウム塩が除去される。このとき、洗浄水中に塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、適当な無機塩が含まれていてもよい。また、不純物をアルカリ洗浄により除去してもよい。アルカリ洗浄には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム溶液、アンモニア水などが挙げられるが、用いるアルカリ成分に特に規定はない。また、金属不純物を除去するために、酸洗浄しても良い。酸洗浄には、塩酸水溶液、硫酸水溶液、リン酸水溶液などの無機酸およびシュウ酸水溶液などの有機酸が挙げられるが、塩酸は僅かでも残留すると蒸留精製時に目的物質を分解させるため、通常、塩酸以外の無機酸を用いることが望ましい。
【0041】
また、洗浄に際し、生成したアダマンチルアクリレート類の物性に応じて、反応液に有機溶媒を添加してもよい。添加する有機溶媒は、反応と同一のものを使用することもできるし、異なったものを使用することもできるが、通常、水との分離がよい極性の小さい溶媒を用いることが望ましい。
【0042】
また、着色成分や重合物などの除去に、活性炭処理やシリカゲル吸着処理などの公知方法を用いてもよい。
【0043】
このようにして得られたアダマンチルアクリレート類は、有機層から蒸留、濃縮、濾過、晶析、再結晶、カラムクロクロマトグラフィー等の公知方法で分離精製される。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0045】
実施例1
アルゴン雰囲気下、2L三つ口フラスコにリチウム金属4.6gおよびテトラヒドロフラン(THF)500mL仕込む。別途、50gの2−アダマンタノンおよび臭化エチル44gを窒素雰囲気下、500mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させておく。次いで、三口フラスコに、2−アダマンタノン/臭化エチル溶液を滴下する。そのとき、フラスコ内の溶液の温度が30〜40℃になるよう保ちながら滴下する。滴下終了後、しばらく熟成させ、ガスクロマトグラフ分析により2−アダマンタノンがリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコシキド(ガスクロマトグラフ上は2−エチル−2−アダマンタノールとして検出される)に98%転化したのを確認した後、167gのメタクリル酸メチルをゆっくりと滴下し、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩0.3gを加えた。その後、フラスコをシリコーンバスに浸して、反応温度60℃にて7時間、反応させた。
【0046】
反応終了後、反応液に250mLのヘキサンを添加し、さらに250mLの飽和食塩水を添加し、十分に攪拌した。反応溶液を分液し、有機層を純水200mLで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、溶媒および未反応のメタクリル酸メチルを除去し、粗生成物を得た。この粗生成物を蒸留精製し、晶析したところ、GC−MS分析および1H NMR分析から、58g(収率70%)の純粋な2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが得られた。
【0047】
実施例2
アルゴン雰囲気下、2L三つ口フラスコにリチウム金属4.6gおよびテトラヒドロフラン(THF)500mL仕込む。別途、50gの2−アダマンタノンおよび臭化エチル44gを窒素雰囲気下、500mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させておく。次いで、三口フラスコに、2−アダマンタノン/臭化エチル溶液を滴下する。そのとき、フラスコ内の溶液の温度が30〜40℃になるよう保ちながら滴下する。滴下終了後、しばらく熟成させ、ガスクロマトグラフ分析により2−アダマンタノンがリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコシキド(ガスクロマトグラフ上は2−エチル−2−アダマンタノールとして検出される)に98%転化したのを確認した後、167gのメタクリル酸メチルをゆっくりと滴下し、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩0.3gを加えた。た。その後、フラスコをシリコーンバスに浸して、反応温度60℃にて7時間、反応させた。
【0048】
反応終了後、反応液に250mLのヘキサンを添加し、さらに250mLの純水を添加し、十分に攪拌した。反応溶液を分液し、有機層を純水250mLで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、溶媒および未反応のメタクリル酸メチルを除去し、粗生成物を得た(反応収率75%)。この粗生成物にヘキサンを加え重合物を再沈し、重合物を吸引ろ過により除去した。また、シリカゲル処理して濃縮し、アセトニトリルを加え晶析したところ、GC−MS分析および1H NMR分析から、50g(収率60%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが得られた(純度99%以上)。
【0049】
【発明の効果】
本発明によると、エステル化反応をほぼ定量的に進行させることができ、簡易な製造工程で高純度アダマンチルアクリレート類を高収率で得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、KrFおよびArF、F2エキシマレーザ用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用各種レジスト原料や、高機能性ポリマー原料として注目を集めているアダマンチルアクリレート類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類は、そのエステル構造に対応する部分を有する2−アダマンタノン誘導体を出発原料とする場合、一般的には通常、2−アダマンタノン誘導体を2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体に変え、その2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体を(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸ハライドなどと反応させることによって製造していた。
【0003】
従来、2−メチル−2−アダマンタノールとメタクリロイルクロリドとのエステル化反応により、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートを合成する方法がある(非特許文献1)。また、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの合成に際し、対応する2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体に(メタ)アクリロイルクロリドを反応させる方法もある(特許文献1)。また、対応する2−アルキル−2−アダマンタノール誘導体またはその金属塩と(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させる方法もある(特許文献2)。
【0004】
さらに第3級アルコールエステルの製造の際に、第3級アルコールを分離、精製することなく、ケトン化合物を有機金属化合物の存在下でカルボン酸ハライドと反応させる方法もある(特許文献3)。
【0005】
また、2−アダマンタノンとハロゲン化アルキルを溶媒に溶解または懸濁させ、この溶液と金属リチウムとを反応させることによって2−アルキル−2−アダマンチルアルコシキリチウムを得、この反応溶液をメタクリル酸ハライドなどを加えて反応させる方法もある(特許文献4、5)。
しかしながら、エステル化試薬として使用される(メタ)アクリル酸ハライドは、高価で取扱いが困難である、除去が困難な副生物が多いという欠点がある。また、(メタ)アクリル酸ハライドを用いると副生成物としてアルキルアダマンチルハロゲン化物が生成し、蒸留生成の際に酸を発生し、目的物質である2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を分解してしまい収率が著しく低下するなどの欠点がある。
【0006】
アルキルアダマンチルハロゲン化物を含む2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類とアルカリ化合物と接触させることにより、アルキルアダマンチルハロゲン化物を蒸留生成に影響を与えない物質にすることにより、収率低下を防ぐことがある(特許文献6)。また、ベンゾイルクロリドまたは三塩化リンと(メタ)アクリル酸とを反応させた酸クロリドを用いることにより2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を高収率で製造する方法も提案されている(特許文献1)。しかしながら、酸ハライドを用いるには特別な工夫を要するため、酸ハライドを用いない、工業的に実施が容易なアダマンチルアクリレート類を高収率で製造することができる製造方法の開発が望まれていた。
【0007】
2−アダマンタノン類を有機金属化合物の存在下で(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる方法がある(特許文献7)。この方法では、十分に高い反応収率で目的のアダマンチル(メタ)アクリレート類が得られる。しかしながら、目的のアダマンチルアクリレート類を合成するためには、あらかじめアルキルリチウムなどやアルキルマグネシウムハライドなどの有機金属試薬を調製する必要があり、長い製造工程が必要となる。また、有機金属試薬の中には、収率の低いものや、また保存安定性が低いものもあり、実際に製造するとなると工業的に難しい場合がある。
【0008】
【非特許文献1】
K.Nozaki et al.,Jpn.J.Appl.Phys.35,528(1996)
【特許文献1】
特開2000−229911号公報
【特許文献2】
特開2000−309558号公報
【特許文献3】
特開平10−182552号公報
【特許文献4】
国際公開第01/87817号パンフレット
【特許文献5】
特開2003−73334号公報
【特許文献6】
特開2001−97924号公報
【特許文献7】
特開2002−241342号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、アダマンチルアクリレート類を2−アダマンタノン類から合成するに際し、(メタ)アクリル酸ハライドを原料とすることなく、また予め有機金属試薬を調製する必要のない、製造工程を大きく簡略化することのできる方法を提供することにある。
【0010】
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、2−アダマンタノン類から、従来に比べより簡便な工程でアダマンチルアクリレート類を効率よく製造できることを見出し本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、式(1)で示される2−アダマンタノン類および式(2)で示されるハロゲン化アルキル化合物の混合溶液に、リチウム金属を混合して反応させ、次いでと式(3)で示されるアクリル酸化合物と反応させることを特徴とする式(4)で示されるアダマンチルアクリレート類の製造方法に関するものである。
【0012】
【化5】
(式中、Yは水素原子、アルキル基を示し、nは1〜14の整数を示す。)
【0013】
【化6】
(式中、R1は炭化水素基、Xはハロゲン原子を示す。)
【0014】
【化7】
(式中、R2〜R4は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン含有アルキル基、R5はアルキル基を示す。)
【0015】
【化8】
(式中、R1〜R4、Y、及びnは前記と同様。)
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の原料である2−アダマンタノン類(2−アダマンタノン及びその誘導体)は下記式(1)で表される。
【0017】
【化9】
【0018】
式中、Yは水素原子、アルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アミル基などの炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましい。nは1〜14の整数を示す。複数のYが存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。2−アダマンタノン類としては、2−アダマンタノンが特に好ましい。
【0019】
本発明ではリチウム金属を用いる。リチウム金属の形状としては、顆粒状、薄片状、微粒子状、リボン状、塊状などが挙げられるが、通常、表面積の大きい形状のものを用いると反応速度が大きく制御も容易になるので好ましい。形状としては、粒子径が1000ミクロン以下の粒子状のものを反応させるのが望ましい。製造に際し、そのようなものを別途用意しておいて予め仕込んでも良いが、塊状など表面積の小さいものを反応容器に仕込み、パラフィンなどの不活性な溶媒中、高温で溶解させ分散させて粒子状にしてから反応に利用しても良い。
【0020】
リチウム金属の使用量としては、原料の2−アダマンタノン類に対して1〜5当量、好ましくは1.8〜2.4当量である。それより少ないと原料の2−アダマンタノン類が転化せずそのまま残り、それより多くても残存するリチウム金属が多くなり、収率を低下させるだけである。
【0021】
【化10】
【0022】
式(2)におけるR1は、炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。また、Xは、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素が例示される。具体的化合物としては、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチルが挙げられる。
【0023】
溶媒としては、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサンやヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、クメンなどの芳香族炭化水素化合物が挙げられるが、反応に不活性ならばそれらに限定されるものではない。溶媒を用いる際、攪拌などに大きく影響を及ぼさなければ、原料などを完全に溶解させる必要はなく、スラリー状でもよい。また、製造工程に影響がなければ、反応溶液が、反応の進行とともに溶解したりスラリー状になったりしてもよい。本特許では、スラリー状も含めて便宜上溶液と記述する。
【0024】
ハロゲン化アルキル化合物は、原料の2−アダマンタノン類に対してそれぞれ1〜10当量、好ましくは1〜1.2当量の範囲の量で使用する。使用量が多いと、ハロゲン化アルキル化合物とリチウム金属との接触で生成するアルキルリチウム試薬の過剰分が、後の反応で添加するアクリル酸化合物を重合させ、目的のアルキルアダマンチルアクリレートの収率を低下させるためである。
【0025】
アダマンタノン類、ハロゲン化アルキル化合物およびリチウム金属との混合方法には特に規定はない。アダマンタノン類とハロゲン化アルキル化合物を溶媒に溶かし、リチウム金属を添加してもよい。また、ハロゲン化アルキルとリチウム金属を溶媒中に先に反応させた後にアダマンタノン類を添加してもよい。添加方法は一括添加でも逐次添加あるいはその両方でもよく、また添加速度に特に規定はないが、通常、反応温度に異常昇温が生じない程度の速度で添加するのが好ましい。
【0026】
上記反応後、2−アダマンタノン類は反応中間体として、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコシキドに転化する。
【0027】
本発明ではアクリル酸化合物として、下記式(3)で表されるアクリル酸エステル類を用いる。
【0028】
【化11】
【0029】
式(3)において、R2〜R4は水素原子、ハロゲン基、アルキル基、またはハロアルキル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基のような炭素数1〜4のアルキル基が例示される。ハロゲン基としては、フッ素基が例示される。ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が例示される。R2〜R4としては水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。R5はアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基のような炭素数1〜6のアルキル基を示す。アクリル酸エステル類の具体例としては、アクリル酸やメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、isoプロピルエステル、トリフルオロアクリル酸メチル、トリフルオロアクリル酸エチル、トリフルオロアクリル酸イソプロピル、トリフルオロアクリル酸−t−ブチル、ペンタフルオロメタクリル酸メチル、ペンタフルオロメタクリル酸エチル、ペンタフルオロメタクリル酸イソプロピル、ペンタフルオロメタクリル酸−t−ブチル、2−フルオロアクリル酸メチル、2−フルオロアクリル酸エチル、2−フルオロアクリル酸イソプロピル、2−フルオロアクリル酸−t−ブチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸メチル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸エチル、または2−(トリフルオロメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸−t−ブチルが挙げられる。
【0030】
アクリル酸化合物の添加量は、原料の2−アダマンタノン類に対して1〜100当量、好ましくは1〜20当量である。1当量より少ないと収率が低下し、100当量より多いと釜効率の低下や精製が困難になる。
【0031】
アクリル酸化合物を添加する際、添加方法および添加速度は特に制限されないが、通常、原料の2−アダマンタノン類が反応中間体であるリチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコキシドに十分転化した後に、アクリル酸化合物を添加することが好ましい。
【0032】
アクリル酸化合物を添加する前に、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルアルコキシドを必ずしも単離する必要はない。残存するリチウム金属と分離してもよく、また分離しなくてもよい。実質的にほとんどリチウム金属が残存していない場合は、そのままアクリル酸化合物を添加してもよい。
【0033】
本発明では、重合禁止剤として、ニトロソ基を有する重合禁止剤が有効である。特に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリンの重合禁止効果が高い。
【0034】
また、前記の重合禁止剤以外に、他の重合禁止剤を共存させるとより効果が高まる場合がある。そのような重合禁止剤として、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリンなどのニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノールなどのアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどのキノン類、メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)などのフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシムなどのオキシム類、ジアルキルチオジプロピネート類などが挙げられる。一方、これらの重合禁止剤を単独で用いても、重合禁止効果はほとんどみられない。
【0035】
添加する重合禁止剤量として、アクリル酸化合物に対して、0.00001〜0.1重量部、好ましくは0.0001〜0.02重量部を使用する。それ以上少ないと、重合禁止効果が現れず、またそれより多くても、重合禁止効果は向上しない。
【0036】
重合禁止剤を添加する際、添加方法および添加速度に特に規定はないが、通常、アクリル酸化合物を添加する際に同時、あるいはその直前または直後に添加するのが望ましい。添加方法として、重合禁止剤をアクリル酸化合物中に溶解させて添加してもよいし、またアクリル酸化合物の投入口とは別の投入口から重合禁止剤を添加してもよい。添加する際に、溶媒に溶解させてもよいし、またそのまま添加してもよい。
【0037】
本発明における反応温度は、−70℃〜200℃、好ましくは−50℃〜100℃で行う。−70℃より低いと反応速度が低下し、200℃より高いと反応の制御が困難になることや副反応が進行して収率が低下する。また、2−アダマンタノン類とハロゲン化アルキル化合物とリチウム金属の混合時およびその後の反応温度と、アクリル酸エステル類の添加時およびその後の反応温度は同一でも異なっていても良いし、また、加熱あるいは冷却などの操作により−70℃〜200℃の範囲内で変化させてもよい。
【0038】
本発明のエステル化での反応時間として、0.5〜1000時間、好ましくは1〜100時間必要である。反応時間は反応温度に依存し、所望の収率などに応じて決定されるので、上記の範囲に限定されるものではない。
【0039】
本発明のアダマンチルアクリレート類について、式(4)中のR1は、式(2)のハロゲン化アルキル化合物のR1と対応している。また、式(4)中のR2は、式(3)のアクリル酸エステル類のR2と対応している。
【0040】
反応終了後においては、反応液を水洗処理することにより、未反応のリチウム金属やアルキルリチウム由来のリチウム塩が除去される。このとき、洗浄水中に塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、適当な無機塩が含まれていてもよい。また、不純物をアルカリ洗浄により除去してもよい。アルカリ洗浄には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム溶液、アンモニア水などが挙げられるが、用いるアルカリ成分に特に規定はない。また、金属不純物を除去するために、酸洗浄しても良い。酸洗浄には、塩酸水溶液、硫酸水溶液、リン酸水溶液などの無機酸およびシュウ酸水溶液などの有機酸が挙げられるが、塩酸は僅かでも残留すると蒸留精製時に目的物質を分解させるため、通常、塩酸以外の無機酸を用いることが望ましい。
【0041】
また、洗浄に際し、生成したアダマンチルアクリレート類の物性に応じて、反応液に有機溶媒を添加してもよい。添加する有機溶媒は、反応と同一のものを使用することもできるし、異なったものを使用することもできるが、通常、水との分離がよい極性の小さい溶媒を用いることが望ましい。
【0042】
また、着色成分や重合物などの除去に、活性炭処理やシリカゲル吸着処理などの公知方法を用いてもよい。
【0043】
このようにして得られたアダマンチルアクリレート類は、有機層から蒸留、濃縮、濾過、晶析、再結晶、カラムクロクロマトグラフィー等の公知方法で分離精製される。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0045】
実施例1
アルゴン雰囲気下、2L三つ口フラスコにリチウム金属4.6gおよびテトラヒドロフラン(THF)500mL仕込む。別途、50gの2−アダマンタノンおよび臭化エチル44gを窒素雰囲気下、500mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させておく。次いで、三口フラスコに、2−アダマンタノン/臭化エチル溶液を滴下する。そのとき、フラスコ内の溶液の温度が30〜40℃になるよう保ちながら滴下する。滴下終了後、しばらく熟成させ、ガスクロマトグラフ分析により2−アダマンタノンがリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコシキド(ガスクロマトグラフ上は2−エチル−2−アダマンタノールとして検出される)に98%転化したのを確認した後、167gのメタクリル酸メチルをゆっくりと滴下し、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩0.3gを加えた。その後、フラスコをシリコーンバスに浸して、反応温度60℃にて7時間、反応させた。
【0046】
反応終了後、反応液に250mLのヘキサンを添加し、さらに250mLの飽和食塩水を添加し、十分に攪拌した。反応溶液を分液し、有機層を純水200mLで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、溶媒および未反応のメタクリル酸メチルを除去し、粗生成物を得た。この粗生成物を蒸留精製し、晶析したところ、GC−MS分析および1H NMR分析から、58g(収率70%)の純粋な2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが得られた。
【0047】
実施例2
アルゴン雰囲気下、2L三つ口フラスコにリチウム金属4.6gおよびテトラヒドロフラン(THF)500mL仕込む。別途、50gの2−アダマンタノンおよび臭化エチル44gを窒素雰囲気下、500mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させておく。次いで、三口フラスコに、2−アダマンタノン/臭化エチル溶液を滴下する。そのとき、フラスコ内の溶液の温度が30〜40℃になるよう保ちながら滴下する。滴下終了後、しばらく熟成させ、ガスクロマトグラフ分析により2−アダマンタノンがリチウム2−エチル−2−アダマンチルアルコシキド(ガスクロマトグラフ上は2−エチル−2−アダマンタノールとして検出される)に98%転化したのを確認した後、167gのメタクリル酸メチルをゆっくりと滴下し、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩0.3gを加えた。た。その後、フラスコをシリコーンバスに浸して、反応温度60℃にて7時間、反応させた。
【0048】
反応終了後、反応液に250mLのヘキサンを添加し、さらに250mLの純水を添加し、十分に攪拌した。反応溶液を分液し、有機層を純水250mLで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、溶媒および未反応のメタクリル酸メチルを除去し、粗生成物を得た(反応収率75%)。この粗生成物にヘキサンを加え重合物を再沈し、重合物を吸引ろ過により除去した。また、シリカゲル処理して濃縮し、アセトニトリルを加え晶析したところ、GC−MS分析および1H NMR分析から、50g(収率60%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートが得られた(純度99%以上)。
【0049】
【発明の効果】
本発明によると、エステル化反応をほぼ定量的に進行させることができ、簡易な製造工程で高純度アダマンチルアクリレート類を高収率で得ることができる。
Claims (6)
- 重合禁止剤がニトロソ基を有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- ニトロソ基を有する重合禁止剤が、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミンおよびN−ニトロソ−N−メチルアニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類である請求項2記載の製造方法。
- 重合禁止剤を、式(3)のアクリル酸化合物に対して0.00001〜0.1重量部使用する請求項3記載の製造方法。
- 式(1)の2−アダマンタノン類が2−アダマンタノンである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- リチウム金属として、粒子径が1000ミクロン以下のものを反応させる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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