JP2004300308A - 外装塗料用水性被覆組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】水系塗料からなる塗膜において屋外に曝露されたとき従来に比べ雨筋状汚染または雨じみの汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染または雨じみ汚染を防ぐ持続性に優れた外装塗料用水性被覆組成物を提供する。
【解決手段】水性分散体と、コロイダルシリカと、特定の界面活性剤とからなる外装塗料用水性被覆組成物。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】水性分散体と、コロイダルシリカと、特定の界面活性剤とからなる外装塗料用水性被覆組成物。
【選択図】 選択図なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚染防止性と耐候性に優れた塗料用途に利用することができる外装塗料用水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系エマルジョン塗料は有機溶剤塗料と異なり、火災の危険や、毒性あるいは環境汚染の問題となる有機溶剤を含まないことや常温あるいは加熱乾燥化で成膜し、比較的耐久性の良好な塗膜を形成することから内外装の塗料用として広く使用されている。しかし、屋外に曝露された場合、日光や雨風または砂、ほこり、煤煙、廃棄ガス等の汚染物質等により、アクリル系エマルジョン塗料より得られた塗膜を劣化または汚してしまい、塗膜直後の美観を維持することができない。近年、耐候性に関しては満足する水性エマルジョン塗料も提案されているが、耐汚染性に関しては満足する塗料は得られていなかった。(耐候性とは屋外で日光、雨風、などの自然作用に抵抗して変化しにくい塗膜の性質。耐汚染性とは大気中のすすやごみによる汚れがつきにくい性質。)
特開平6−122734号公報では、耐候性に関しては満足いくものであるが耐汚染性に関しては充分なものではなかった。
【0003】
汚染性で近年、問題視されているのは、建築物の壁面に見られる雨筋あるいは雨だれの汚染である。これは、雨水が流れ落ちる箇所に発生し、雨筋が付いていない場所との汚れの差が建築物の美観を損ねてしまうことである。通常この雨筋汚染を防ぐには、塗膜表面の親水性を高めることによって達成できる。溶剤系塗料においてはアルコキシシランで塗膜表面を親水性化させる技術が提案されている。この技術の問題点は塗膜形成直後の1ヶ月前後の気象条件により、加水分解の程度が左右されるため、とくに乾燥した条件が続くことで加水分解が遅れ、塗膜が汚れてしまうという欠点があった。
【0004】
水系塗料において、この雨筋汚染を防ぐ方法として特開平9−52974号公報では、特定の溶剤を水性エマルジョンへ添加することによりその塗膜の水接触角が小さくなり、雨筋を低減できることが提案されているが、その効果は充分なものではなく、長期にわたりその効果を持続することが充分ではなかった。
特開平10−46099号公報では、特定の不飽和単量体と重合性界面活性剤にて乳化重合により雨筋を低減できることが提案されているが、長期にわたりその効果を持続することが充分ではなかった。
【0005】
特開平10−298489号公報では、特定のブロックコポリマーの架橋剤とジヒドラジド化合物架橋剤を併用し、ポリカルボニル化合物との架橋塗膜により雨筋を低減できることが提案されているが、耐水性が充分なものではなく、その持続性も充分ではなかった。
特開平11−217480号公報では、重合乳化剤にオキシアルキレン基を使用する方法が開示されているが、汚染防止には充分なものではなかった。
【0006】
特開昭54−139938号公報では、アクリル系樹脂とコロイダルシリカの混合物の上塗り塗料を、無機質充填剤を含有するコロイダルシリカ水分散体無機塗料の塗膜上に塗装する方法が提案されているが、上塗り塗料だけでは、充分な表面硬度と汚染性は得られなかった。
特開平7−26165号公報では耐熱ブロッキング性と塗液の貯蔵安定性改良を目的に、反応性界面活性剤を使用して乳化重合して得たエマルジョンにコロイダルシリカをブレンドすることが提案されているが、コロイダルシリカの添加量が多く、得られる塗膜の耐水性が充分ではなかった。
【0007】
特開昭56−57860号公報では無機建材用の下塗り塗料として密着性の改善を目的に、また特開平11−116885号公報では塗料塗膜の耐汚染性を付与する目的で、両者ともエチレン性基を持つアルコキシシランを乳化重合時に共重合したエマルジョンと、コロイダルシリカとをブレンドすることが提案されているが、塗液の貯蔵安定性として混合塗液を保存すると凝集を起こし塗装が困難となるか、安定化のために多量の乳化剤を添加すると塗膜の耐水性に改善が必要であった。
【0008】
特開昭59−152972号公報では、エマルジョンに対してコロイダルシリカの添加量が多く、得られる塗膜の耐水性が充分ではなく、また塗液の貯蔵安定性として混合塗液を保存すると凝集を起こし塗装が困難であった。
特開平7−118573号公報では、防滑性を目的にコロイダルシリカ含有エマルジョンとコロイダルシリカのブレンド品をコーティングすることが提案されているが、塗料へ利用した場合、充分な光沢を得ることができなかった。
【0009】
特開昭59−217702号公報では、コロイダルシリカと乳化能のある重合性モノマーの存在下での乳化重合で得られた水分散体樹脂組成物が提案されているが、重合安定性と耐水性が劣りまたコロイダルシリカ含有量が少なく低汚染性を発揮するに至らなかった。
特開平11−1893号公報では、コロイダルシリカ、活性剤と水の存在下でのエチレン性不飽和化合物を乳化重合して得られた水性コーティング組成物が提案されているが、コロイダルシリカ含有量が多く、重合安定性と耐水性が劣った。
【0010】
特開平9−165554号公報では、ジメチルシロキサン単位を多く含み、およびケト基を含有するラテックスと、ヒドラジド化合物と、コロイダルシリカとからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中のコロイダルシリカを多く必要とするため、塗液の貯蔵安定性が充分なものではなかった。
特開平10−168393号公報では、ケト基およびシラノール基含有エマルジョンと、ヒドラジド化合物と、加水分解性シランで表面処理したコロイダルシリカとからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中の表面処理コロイダルシリカを多く必要とするため、塗液の貯蔵安定性が充分なものではなかった。
【0011】
特開2001−335721号公報では、表面をノニオン系界面活性剤やビニルポリマーで被覆したコロイダルシリカとエマルジョンをブレンドした組成物が開示されているが、安定性を維持するために多くの界面活性剤を必要とし、結果として耐水性が劣るものになってしまった。また安定性も充分なものでなかった。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−122734号公報
【特許文献2】
特開平9−52974号公報
【特許文献3】
特開平10−46099号公報
【特許文献4】
特開平10−298489号公報
【特許文献5】
特開平11−217480号公報
【特許文献6】
特開昭54−139938号公報
【特許文献7】
特開平7−26165号公報
【特許文献8】
特開昭56−57860号公報
【特許文献9】
特開平11−116885号公報
【特許文献10】
特開昭59−152972号公報
【特許文献11】
特開平7−118573号公報
【特許文献12】
特開昭59−217702号公報
【特許文献13】
特開平11−1893号公報
【特許文献14】
特開平9−165554号公報
【特許文献15】
特開平10−168393号公報
【特許文献16】
特開2001−335721号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、水系塗料からなる塗膜において屋外に曝露されたとき従来に比べ雨筋状汚染または雨染みの汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染または雨染み汚染を防ぐ持続性に優れ、かつ塗液の保存安定性が良好な外装塗料用水性被覆組成物を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するため鋭意検討をかさねた結果、水性分散体と、コロイド状無機粒子または特定の界面活性剤とから選ばれる少なくとも1つ以上とを含む組成物から得られる塗膜は水に対する接触角を75度以下に低下でき、塗膜の雨筋が目立たないという効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明の第1は、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と(A) アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と共重合可能な(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10〜98.9質量%と(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10〜98.9質量%と共重合可能な(C)他の重合性単量体1〜89.9質量%よりなる重合性単量体組成物を乳化重合して得られた(D)水性分散体であって、その(D)水性分散体並びに、(E)コロイド状無機粒子および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上とを含むことを特徴とする外装塗料用水性被覆組成物である。
【0016】
本発明の第2は、(D)水性分散体および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第3は、(D)水性分散体、(E)コロイド状無機粒子、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第4は、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
【0017】
本発明の第5は、(D)水性分散体が、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を用いて乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第6は、成膜した塗膜の水接触角が75°以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
【0018】
本発明の第7は、(D)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.1から20質量部であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第8は、(E)コロイド状無機粒子が有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
【0019】
本発明の第9は、(E)コロイド状無機粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。本発明の第10は、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体5〜15質量%、(B)シクロアルキル基含有重合性単量体50〜94質量%、(C)他の重合性単量体1〜45質量%である請求項1から9に記載された外装塗料用水性被覆組成物である。
【0020】
本発明の第11は、アルコキシシラン基含有重合性単量体がγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである請求項1から10に記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第12は、シクロアルキル基含有重合性単量体がシクロヘキシル(メタ)アクリレートである請求項1から11に記載された外装塗料用水性被覆組成物である。
【0021】
本発明の第13は(C)の他の重合性単量体が、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1から12に記載された外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第14は乳化重合がレドックス触媒を用い60℃以下の温度で、かつpH4〜8で行う乳化重合である請求項1から13に記載された外装塗料用水性被覆組成物。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明において詳細に説明する。本発明に使用される(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体としては、アルコキシルシラン基と重合性二重結合を有することが好ましい。より好ましくは、下記式(a)で表される、シロキサン構造を有するシランから選ばれる少なくとも1種である。
(R1 )n −Si−(R2 )4−n (a)
(式中nは1〜3の整数であり、R1 は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR1 は同一であっても、異なっても良いが、少なくとも1個は重合性二重結合を有するビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。R2 は炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR2 は同一であっても、異なっても良い。)
【0023】
特に、良好な水分散体の重合安定性と汚染防止効果を得るためには式(a)においてn=1とおいたシラン(aII)の少なくとも1種を含んでいることが好まし。
シラン(aII)のR2 はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。
また、柔軟性を必要とされる場合には、式(a)においてn=2とおいて得られるシラン(aIII)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、シラン(aII)と、環状シラン及びシラン(aIII)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることより、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体が形成するシリコーン重合体の架橋密度を低くし、重合体の構造が複雑になるのを防ぐことができ、これによって、水性エマルジョンまたはアクリル系エマルジョンから提供される塗膜に柔軟性を付与することができるためであり、シラン(aII)と併用した場合に特に好ましい。
【0024】
具体的な(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどであり、これらの群から選ばれた1または2以上が使用される。特に好ましくは、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
【0025】
本発明に使用される(B)シクロアルキル基含有重合性単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、第3級ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどであり、これらの群から選ばれた1または2以上が使用される。特に好ましくは、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0026】
本発明に併用することのできる共重合可能な(C)他の重合性単量体としては、耐候性からメタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸isoブチルエステル、メタクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸ステアリルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸isoブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、アクリル酸ステアリルエステル等のアルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが使用される。 アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの一部を本願の効果が損なわれない範囲でメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル:酢酸ビニル、プロピル酸ビニルなどのビニルエステル:アクリロニトリル、スチレンおよび2,2,2トリフロロエチルメタクリレート、2,2,3,3テトラフロロプロピルメタクリレート、2−(パーフロロオクチル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロオクチル)エチルアクリレートに置き換えて使用することもできる。
【0027】
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体やジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレートなどの不飽和基を2以上有する単量体なども併用される。
架橋構造には、シロキサン結合以外にもエポキシ基による架橋、N −メチロール基による架橋、イソシアネート基による架橋などが知られているが、これらの架橋構造は何れも紫外線の作用を受けやすく、これらの架橋構造を有する合成樹脂は著しく耐久性が悪い。したがって、グリシジルアクリレートなどのエポキシ基含有単量体やN−メチロールアクリルアミドなどのN−メチロール含有単量体などは、本発明の耐久性を損なわない範囲において使用しなければならない。
【0028】
さらに(C)他の重合性単量体については耐汚染性向上の効果からアルド基あるいはケト基を有するエチレン性不飽和カルボニル基含有単量体を使用することが好ましく、ヒドラジン誘導体を用いて架橋させることが必要好ましい。エチレン性不飽和カルボニル基含有単量体の具体例としてはアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、シアセトンメタクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート等が挙げられる。ヒドラジン誘導体の具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等あるいは分子中に2個以上の−NH−NH2基を有するポリマー等が挙げられる。
【0029】
本願の外装塗料用水性被覆組成物には、本願の効果を損なわない範囲で、加水分解性シラン(H)として、下記式(b)で表される、シロキサン構造を有するシランから選ばれる少なくとも1種を含んでも良い。
(R1 )n −Si−(R2 )4−n (b)
(式中nは0〜3の整数であり、R1 は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基から選ばれる。n個のR1 は同一であっても、異なっても良い。R2 は炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR2は同一であっても、異なっても良い。)
【0030】
特に、加水分解性シランには、式(b)においてn=0としたシラン(I)および/またはn=1とおいたシラン(II)の少なくとも1種を含んでいることが好ましく、良好な水分散体の重合安定性と汚染防止効果を得るためにはn=1のシラン(II)であることがさらに好ましい。
シラン(I)のR2 はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。シラン(I)の好ましい具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどがある。
シラン(II)のR1 としてはメチル基、フェニル基が好ましく、R2 はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。シラン(II)の好ましい具体例としては、メチルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランなどがある。
【0031】
また、柔軟性を必要とされる場合には、(H)加水分解性シランが、環状シラン及び式(b)においてn=2とおいて得られるシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、シラン(II)と、環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることより、(H)加水分解性シランが形成するシリコーン重合体の架橋密度を低くし、重合体の構造が複雑になるのを防ぐことができ、これによって、水性エマルジョンまたはアクリル系エマルジョンから提供される塗膜に柔軟性を付与することができるためであり、シラン(II)と併用した場合に特に好ましい。
【0032】
環状シランの具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、などが上げられる。
シラン(III)の具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルシランが挙げられる。水接触角60°以下を達成するには、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが特に好ましい。
【0033】
加水分解性シランに、シラン(I)および/またはシラン(II)と、環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種の、両者を含む場合は、シラン(I)および/またはシラン(II)の、上記の環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種に対するモル比が、良好な汚染防止効果を得るには10/100以上が好ましく、35/100以上がより好ましく、100/100以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性が必要とされる場合は、100/1以下使用することもできる。
【0034】
さらに、加水分解性シランには、加水分解基を有する線状シロキサン、アルコシシシランオリゴマー及び式(b)においてn=3とおいて得られるシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでも良い。
シラン(IV)の具体例として、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。
加水分解基を有する線状シロキサンの例としては、下記の一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
(式中、R1 は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、各R2 はそれぞれ、独立して炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、アルキレンオキサイド基又はポリアルキレンオキサイド基から選ばれ、mは1〜999の正の整数を表す。)
【0039】
加水分解性シランが、シラン(I)および/またはシラン(II)と、加水分解基を有する線状シロキサン及びシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種の、両者を含む場合は、シラン(I)および/またはシラン(II)の、加水分解基を有する線状シロキサン及びシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種に対するモル比が、良好な汚染防止効果を得るには10/100以上が好ましく、35/100以上がより好ましく、100/100以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性が必要とされる場合には、100/1以下使用することもできる。
【0040】
シラン(III)またはシラン(IV)において、R1 としてはメチル基、フェニル基が特に好ましく、R2 としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が特に好ましい。
(H)加水分解性シランは、シラン(II)および、環状シラン、シラン(III)、線状シロキサン、アルコキシシランオリゴマー、シラン(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種に加え、クロロシラン、例えばメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、を含むことができる。
【0041】
(H)加水分解性シランを用いる場合は、(A)アルコキシシラン基含有単量体1モルに対して1000モル以下が好ましく、より好ましくは100モル以下である。
本発明の水性分散体は、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1から20質量%、(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10から98.9質量%、(C)他の重合性単量体0から89.9質量%、よりなる重合性単量体組成物を乳化重合して得られる。(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体の使用量は、0.1から20質量%であり、0.1質量%以上で、シロキサン結合の架橋による効果が充分に得られ、耐候性、耐薬品性、耐水性、強度なども0.1質量%以上で良い。また、水性分散体の安定性を維持し塗料用組成物として使用するためには20質量%以下が好ましい。特に好ましい使用量は5〜15質量%である。
【0042】
(B)シクロアルキル基含有重合性単量体の使用量は、10〜98.9質量%であり、10質量%以上用いると、シクロアルキル基の効果が得られ、充分な耐候性が得られる。耐候性、耐薬品性、耐水性を満足するためには98.9質量%以下にする好ましい。特に好ましい使用量は50から95質量%である。
所望により併用される(C)他の重合性単量体が89.9質量%以下でないとシクロアルキル基含有重合性単量体の使用量が10質量%以上、あるいはアルコキシシラン基含有重合性単量体の使用量が0.1質量%以上とならず、前述の通り耐久性のためには89.9質量%以下が好ましい。
【0043】
次に乳化重合について説明する。本発明の乳化重合方法はバッチ重合、モノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合など適宜の乳化重合の手段を用いることができる。特に乳化モノマー滴下重合が、製造時の安定性を確保する上で好適である。
乳化重合時には、アルコキシシラン基の反応を出来だけ抑えることが好ましく、レドックス触媒を用いて60℃以下で重合を行うこと、pHを4〜8で行うことが好ましい結果を与える。さらに乳化重合系内に重金属イオンが存在すると、アルコキシシラン基の反応を促進するために、重金属イオンを含むものは使用しない方が好ましい。エチレンアミン4酢酸2ナトリウムのようなキレート剤を併用してもよい。レドックス触媒としては過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムと酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットの組み合わせ、過酸化水素とアスコルビン酸の組み合わせ、有機過酸化物(t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなど)と酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットの組み合わせが好ましい。シロキサン結合形式を促進させるために、得られたエマルジョンベース塗料の使用時にジブチルスズマレートやパラトルエンスルホン酸などの化合物を触媒として使用することも出来る。
【0044】
本発明における(E)コロイド状無機粒子としては、コロイダルシリカの入手が容易で、安価であり好ましい。コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。コロイド状シリカをゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62−69 (1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6, 792−801 (1990)、色材協会誌,61 [9] 488−493 (1988) などを参照できる。コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水または水溶性溶媒の分散体であり、その平均粒子径は好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜80nmである。粒子径が5nm以上では塗液の貯蔵安定性が良く、120nm以下では耐水白化性が良い。上記範囲の粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができ、混合する(D)水性分散体の安定領域に応じて、適宜選択することができる。水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば市販品として日産化学工業(株) 製スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OL、旭電化工業(株)製アデライト(商標)AT−20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25などが利用できる。
【0045】
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、例えば日産化学工業(株)製スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−Lなど、旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50など、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50など、デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30などを挙げることができる。
【0046】
また、水溶性溶剤を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)などを挙げることができる。 また、これらの一種または二種類以上組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
【0047】
また、(E)コロイド状無機粒子としては、シリカ以外のコロイド状粒子を与える無機化合物を使用してもよく、当該無機化合物の具体例としては、TiO2、TiO3、SrTiO3、FeTiO3、WO3、SnO2、Bi2O3、In2O3、ZnO、Fe2O3、RuO2、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3、MoS2、LaRhO3、GaN、CdP、ZnS、ZnSe、ZnTe、Nb2O5、ZrO2、InP、GaAsP、InGaAlP、AlGaAs、PbS、InAs、PbSe、InSbなどの光触媒能を有する半導体の他、Al2O3、AlGa、As、Al(OH)3、Sb2O5、Si3N4、Sn−In2O3、Sb−In2O3、MgF、CeF3、CeO2、3Al2O3・2SiO2、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−FeOX、CrO2、Fe4N、BaTiO3、BaO−Al2O3−SiO2、Baフェライト、SmCO5、YCO5、CeCO5PrCO5、Sm2CO17、Nd2Fe14B、Al4O3、α−Si、SiN4、CoO、Sb−SnO2、Sb2O5、MnO2、MnB、Co3O4、Co3B、LiTaO3、MgO、MgAl2O4、BeAl2O4、ZrSiO4、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi2、CrSi2、CoSi2、MnSi1.73、Mg2Si、β−B、BaC、BP、BaC、BP、TiB2、ZrB2、HfB2、Ru2Si3、TiO2(ルチル型)、TiO3、PbTiO3、Al2TiO5、Zn2SiO4、Zr2SiO4、2MgO2−Al2O2−5SiO2、Nb2O5、Li2O−Al2O3−4SiO2、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなど挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0048】
本発明で用いる(E)コロイド状無機粒子は有機ポリマーで被覆されていても良い。有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えばエチレン性不飽和単量体、ラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランを、コロイダルシリカを乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−71316号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、陰イオン性重合性単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−217702号公報に開示)、無機粒子に水溶性高分子化合物を吸着させついでラジカル重合性モノマーの重合物で被覆する方法より得られる粒子(例えば、特開昭60−58237号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平6−199917号公報で開示)、コア/シェル構造を有し、コア中に有機高分子と有機高分子と共有結合していないシリカおよび/またはコロイダルシリカを配し、シェル中に有機高分子を配し、コア有機高分子/シェル有機高分子間に三次元架橋網目構造および/またはIPN構造を形成せしめることにより、コア中のシリカおよび/またはコロイダルシリカを共有結合によることなく物理化学的に粒子内に保持した粒子(例えば、特開平8−290912号公報に開示)、コロイダルシリカ、活性剤および水の存在下、エチレン性不飽和化合物を乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平11−1893号公報に開示)、カチオン性残基を介して、コロイド状シリカ粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開平11−209622号公報に開示さ)、直接またはノニオン界面活性剤を介して無機または有機粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開2000−290464号公報に開示)、無機または有機粒子表面にノニオン界面活性剤が集合または凝集して沈着しているコロイド状微粒子(例えば、特開2001−335721号公報に開示)などであることが好ましい。
【0049】
本発明において、(E)コロイド状無機粒子は、(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、好ましくは0.1〜95質量部用いられ、より好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは0.5〜20質量部用いる。
本発明において、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤は、下記式(4)で表されるスルフォコハク酸系化合物が挙げられる。
【0050】
【化4】
【0051】
{式中、Ra,Rbは同一でも、異なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基またはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基を示す。}
【0052】
さらに詳しくは、上記式(4)で表される化合物のRa,Rbにおいて、Raおよび/またはRbが下記式(5)、(6)、(7)で表される化合物が挙げられる。
【0053】
【化5】
【0054】
【化6】
【0055】
【化7】
【0056】
{式(5)、(6)、(7)、のそれぞれにおいて、R21は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基であり、Aは炭素数2〜4個のアルキレン基または置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R22は水素またはメチル基である。)}
【0057】
本発明において、一般式(4)〜(7)で表されるものとして、例えばスルフォコハク酸ジオクチルナトリウム{花王(株)製ペレックス(商標)OT−P、または三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)OT−75など}、スルフォコハク酸ジヘキシルナトリウム{三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)MA−80など}、三洋化成(株)製エレミノール(商標)JS−2,JS−5、花王(株)製ラテムル(商標)S−120,S−180,S−180A、三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)TR−70、A−196−85、AY−100、IB−45、A−102,A−103、501などがある。
【0058】
本発明において、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤は、(D)水性分散体の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部用いられ、好ましくは、0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5質量部用いる。この範囲で使用すると、耐水性良好なフィルムが形成される。
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であってアニオン性界面活性剤は下記式(8)、(9)で表される化合物が挙げられる。
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】
(上記式(8)、(9)中、R51は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0062】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤は下記式(10)、(11)、(12)で表される化合物が挙げられる。
【0063】
【化10】
【0064】
(式中、R71は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R72は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R73は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0065】
【化11】
【0066】
(式中、R81は水素またはメチル基、R82は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜50の整数、mは0〜20の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0067】
【化12】
【0068】
(式中、R91は炭素数8〜30のアルキル基、R92は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムもしくはアルカノールアミン残基である。)
【0069】
上記式(10)で表されるアルキルフェノールエーテル系化合物として、例えば第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)HS−10などがあり、上記式(11)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE−1025A、SR−1025A、SR−10N、SR−20Nなどがあり、上記式(12)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)KH−5、KH−10などが挙げられる。その他アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤として例えば、日本乳化剤(株)製Antox(商標)−MS−60などがあり、花王(株)製ラテムルPD−101、PD−104などがあり、三洋化成(株)製エレミノール(商標)RS−30などがある。
【0070】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤において、ノニオン性の界面活性剤は下記式(13)、(14)で示される化合物が挙げられる。
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
(上記式(13)、(14)中、R101は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R102は水素またはメチル基である。)
【0074】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤は下記式(15)、(16)、(17)で表される化合物が挙げられる。
【0075】
【化15】
【0076】
(式中、R121は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R122は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R123は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数である。)
【0077】
【化16】
【0078】
(式中、R131は水素またはメチル基、R132は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは0〜50の整数である。)
【0079】
【化17】
【0080】
(式中、R141は炭素数8〜30のアルキル基、R142は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数である。)
【0081】
上記式(15)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)RN−10、RN−20、RN−30、RN−50などが挙げられる。上記式(16)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)NE−20、NE−30、NE−40、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40などが挙げられる。
【0082】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤の使用量は、特に限定はしないが、耐水性良好なフィルムを得るためには使用量が少ないことが好ましく、(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、0.1〜5質量%使用することができる。
【0083】
本発明において乳化重合に使用される界面活性剤として(F)スルフォコハク酸系界面活性剤、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤以外には、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルカリウム、メタクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルカリウム、メタクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルナトリウム、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0084】
本発明において、(D)水性分散体、(E)コロイド状無機粒子、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤および(G)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤を混合する順序はとくに限定されるものではないが、(D)、(E)、(F)、(G)を混合する方法として具体的には、(D)へ(E)、(F)、(G)の順に混合する方法、(D)へ(E)、(F)、(G)の順に混合する方法、(D)へ(F)、(E)、(G)の順に混合する方法、(D)へ(F)、(G)、(E)の順に混合する方法、(D)へ(G)、(E)、(F)の順に混合する方法、(D)へ(G)、(F)、(E)の順に混合する方法、(D)へ、(E)と(F)の混合物、(G)の順に混合する方法、(D)へ、(G)、(E)と(F)の混合物の順に混合する方法、(D)へ、(E)と(G)の混合物、(F)の順に混合する方法、(D)へ、(F)、(E)と(G)の混合物の順に混合する方法、(D)へ、(F)と(G)の混合物、(E)の順に混合する方法、(D)へ、(E)、(F)と(G)の混合物の順に混合する方法、(D)へ、(E)、(F)、(G)の混合物を混合する方法が挙げられる。
【0085】
(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用した具体例としては、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)を混合する方法、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)、(F)を混合する方法{この場合(F)は同一であっても異なっていてもよい}、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)、(G)を混合する方法{この場合(G)は同一であっても異なっていてもよい}、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)、(F)、(G)を混合する方法{この場合(F)、(G)は同一であっても異なっていてもよい}が挙げられる。混合する際、室温で混合すること、または90℃を上限として加熱混合することもできる。
【0086】
本発明において、(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子の固形分が0.1〜95質量部および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.1〜20質量部であり、好ましくは(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子の固形分が0.1〜50質量部および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子の固形分が0.5〜20質量部および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が1.0〜5質量部である。(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子がこの範囲内であると得られる塗膜の耐水性が良好であり、かつ塗膜の雨筋が目立たない。(F)スルフォコハク酸系界面活性剤がこの範囲内であると得られる塗膜の耐水性が良好であり、かつ塗膜の雨筋が目立たない。また塗液の貯蔵安定性が良好となる。
【0087】
本発明において、混合時にあるいは塗料顔料の前分散のために(F)スルフォコハク酸系界面活性剤と(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤とその他の界面活性剤を併用することができる。具体的には、例えばヘキサメタリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、トリポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を持つポリマーのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩。その他、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、スルホン酸アルキルアリル、スルホン化ひまし油等の塩に代表されるアニオン性界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコールまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0088】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部および%は、それぞれ質量部および質量%を示す。また、得られた外装塗料用水性被覆組成物の物性試験については、該外装塗料用水性被覆組成物を用いて下記に示す配合組成で塗料を調整し、以下に示す試験方法に従って試験を実施した。
上記、配合物を卓上サンドミルにて20分分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
【0089】
<試験方法>
・水性分散体等の固形分
水性分散体等固形分測定対象物を105℃にて3時間乾燥させた後の乾燥質量である。
・水性分散体等の固形分率の測定
予め質量の分かっているアルミ皿に、約1gの水性分散体等固形分率測定対象物を正確に秤量し、恒温乾燥機で105℃にて3時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中で、30分放冷後に精秤する。当該物質の乾燥後質量を乾燥前質量で割ったものを固形分率とした。
【0090】
・雨染み汚染性
図1に示したアルマイト板上に、各実施例、比較例の配合物を塗料としたものを、乾燥膜厚100g/m2 となるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。この試験体を屋外(川崎市川崎区夜光)にて地面に塗膜面が垂直に、かつ北方向になるように固定し、2001年4月25日〜2001年7月31日まで試験を実施し、曝露開始後3カ月後について雨染み汚染を目視判定した。判定基準は以下の通り。
◎;雨筋が全く見られない。
〇;全体は汚れているが、雨筋が見られない。
×;雨筋が見られる。
【0091】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0092】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0093】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0094】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0095】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約2時間熟成を行い、冷却後にアジピン酸ジヒドラジド10部を入れ、適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0096】
[実施例1]
製造例1により得られた水性分散体222.2部にスルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部、アルキレンオキサイド基を含有するアニオン性界面活性剤(製品名:レベノールWZ(有効分:約26%)、花王(株)製)2部、アルキレンオキサイド基を含有するノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン920、花王(株)製)の20%水溶液2.5部、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率42.6%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0097】
[実施例2]
製造例2により得られた水性分散体222.2部にスルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部、アルキレンオキサイド基を含有するアニオン性界面活性剤(製品名:エマール20C(有効分:約25%)、花王(株)製)2部、アルキレンオキサイド基を含有するノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液2.5部、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率42.6%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0098】
[実施例3]
製造例1により得られた水分散体222.2部に、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:エアロゾルOT−75(有効分:約75%)、三井サイテック(株)製)1.5部、コロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.2%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行い、結果を表1に示した。
【0099】
[実施例4]
実施例3において使用した水性分散体を製造例2に変えた以外は、実施例2と同様にして外装塗料用水性被覆組成物を得た。これらの外装塗料用水性被覆組成物について前期した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0100】
[実施例5]
製造例3により得られた水性分散体222.2部にコロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部を加え、均一に混合して、固形分率 43.0%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0101】
[実施例6]
実施例5において使用した水性分散体を製造例4に変えた以外は、実施例5と同様にして外装塗料用水性被覆組成物を得た。これらの外装塗料用水性被覆組成物について前期した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0102】
[実施例7]
実施例5において使用した水性分散体を製造例5に変えた以外は、実施例5と同様にして外装塗料用水性被覆組成物を得た。これらの外装塗料用水性被覆組成物について前期した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0103】
[比較例1と2]
製造例1と2で得た水性分散体を用い、前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0104】
【表1】
【0105】
【発明の効果】
本発明の外装塗料用水性被覆組成物は、水系塗料に利用され、該組成物からなる塗膜が屋外に曝露されたとき雨筋状汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染の低減化を長期にわたり維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた屋外曝露板の形状の概略図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は汚染防止性と耐候性に優れた塗料用途に利用することができる外装塗料用水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系エマルジョン塗料は有機溶剤塗料と異なり、火災の危険や、毒性あるいは環境汚染の問題となる有機溶剤を含まないことや常温あるいは加熱乾燥化で成膜し、比較的耐久性の良好な塗膜を形成することから内外装の塗料用として広く使用されている。しかし、屋外に曝露された場合、日光や雨風または砂、ほこり、煤煙、廃棄ガス等の汚染物質等により、アクリル系エマルジョン塗料より得られた塗膜を劣化または汚してしまい、塗膜直後の美観を維持することができない。近年、耐候性に関しては満足する水性エマルジョン塗料も提案されているが、耐汚染性に関しては満足する塗料は得られていなかった。(耐候性とは屋外で日光、雨風、などの自然作用に抵抗して変化しにくい塗膜の性質。耐汚染性とは大気中のすすやごみによる汚れがつきにくい性質。)
特開平6−122734号公報では、耐候性に関しては満足いくものであるが耐汚染性に関しては充分なものではなかった。
【0003】
汚染性で近年、問題視されているのは、建築物の壁面に見られる雨筋あるいは雨だれの汚染である。これは、雨水が流れ落ちる箇所に発生し、雨筋が付いていない場所との汚れの差が建築物の美観を損ねてしまうことである。通常この雨筋汚染を防ぐには、塗膜表面の親水性を高めることによって達成できる。溶剤系塗料においてはアルコキシシランで塗膜表面を親水性化させる技術が提案されている。この技術の問題点は塗膜形成直後の1ヶ月前後の気象条件により、加水分解の程度が左右されるため、とくに乾燥した条件が続くことで加水分解が遅れ、塗膜が汚れてしまうという欠点があった。
【0004】
水系塗料において、この雨筋汚染を防ぐ方法として特開平9−52974号公報では、特定の溶剤を水性エマルジョンへ添加することによりその塗膜の水接触角が小さくなり、雨筋を低減できることが提案されているが、その効果は充分なものではなく、長期にわたりその効果を持続することが充分ではなかった。
特開平10−46099号公報では、特定の不飽和単量体と重合性界面活性剤にて乳化重合により雨筋を低減できることが提案されているが、長期にわたりその効果を持続することが充分ではなかった。
【0005】
特開平10−298489号公報では、特定のブロックコポリマーの架橋剤とジヒドラジド化合物架橋剤を併用し、ポリカルボニル化合物との架橋塗膜により雨筋を低減できることが提案されているが、耐水性が充分なものではなく、その持続性も充分ではなかった。
特開平11−217480号公報では、重合乳化剤にオキシアルキレン基を使用する方法が開示されているが、汚染防止には充分なものではなかった。
【0006】
特開昭54−139938号公報では、アクリル系樹脂とコロイダルシリカの混合物の上塗り塗料を、無機質充填剤を含有するコロイダルシリカ水分散体無機塗料の塗膜上に塗装する方法が提案されているが、上塗り塗料だけでは、充分な表面硬度と汚染性は得られなかった。
特開平7−26165号公報では耐熱ブロッキング性と塗液の貯蔵安定性改良を目的に、反応性界面活性剤を使用して乳化重合して得たエマルジョンにコロイダルシリカをブレンドすることが提案されているが、コロイダルシリカの添加量が多く、得られる塗膜の耐水性が充分ではなかった。
【0007】
特開昭56−57860号公報では無機建材用の下塗り塗料として密着性の改善を目的に、また特開平11−116885号公報では塗料塗膜の耐汚染性を付与する目的で、両者ともエチレン性基を持つアルコキシシランを乳化重合時に共重合したエマルジョンと、コロイダルシリカとをブレンドすることが提案されているが、塗液の貯蔵安定性として混合塗液を保存すると凝集を起こし塗装が困難となるか、安定化のために多量の乳化剤を添加すると塗膜の耐水性に改善が必要であった。
【0008】
特開昭59−152972号公報では、エマルジョンに対してコロイダルシリカの添加量が多く、得られる塗膜の耐水性が充分ではなく、また塗液の貯蔵安定性として混合塗液を保存すると凝集を起こし塗装が困難であった。
特開平7−118573号公報では、防滑性を目的にコロイダルシリカ含有エマルジョンとコロイダルシリカのブレンド品をコーティングすることが提案されているが、塗料へ利用した場合、充分な光沢を得ることができなかった。
【0009】
特開昭59−217702号公報では、コロイダルシリカと乳化能のある重合性モノマーの存在下での乳化重合で得られた水分散体樹脂組成物が提案されているが、重合安定性と耐水性が劣りまたコロイダルシリカ含有量が少なく低汚染性を発揮するに至らなかった。
特開平11−1893号公報では、コロイダルシリカ、活性剤と水の存在下でのエチレン性不飽和化合物を乳化重合して得られた水性コーティング組成物が提案されているが、コロイダルシリカ含有量が多く、重合安定性と耐水性が劣った。
【0010】
特開平9−165554号公報では、ジメチルシロキサン単位を多く含み、およびケト基を含有するラテックスと、ヒドラジド化合物と、コロイダルシリカとからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中のコロイダルシリカを多く必要とするため、塗液の貯蔵安定性が充分なものではなかった。
特開平10−168393号公報では、ケト基およびシラノール基含有エマルジョンと、ヒドラジド化合物と、加水分解性シランで表面処理したコロイダルシリカとからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中の表面処理コロイダルシリカを多く必要とするため、塗液の貯蔵安定性が充分なものではなかった。
【0011】
特開2001−335721号公報では、表面をノニオン系界面活性剤やビニルポリマーで被覆したコロイダルシリカとエマルジョンをブレンドした組成物が開示されているが、安定性を維持するために多くの界面活性剤を必要とし、結果として耐水性が劣るものになってしまった。また安定性も充分なものでなかった。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−122734号公報
【特許文献2】
特開平9−52974号公報
【特許文献3】
特開平10−46099号公報
【特許文献4】
特開平10−298489号公報
【特許文献5】
特開平11−217480号公報
【特許文献6】
特開昭54−139938号公報
【特許文献7】
特開平7−26165号公報
【特許文献8】
特開昭56−57860号公報
【特許文献9】
特開平11−116885号公報
【特許文献10】
特開昭59−152972号公報
【特許文献11】
特開平7−118573号公報
【特許文献12】
特開昭59−217702号公報
【特許文献13】
特開平11−1893号公報
【特許文献14】
特開平9−165554号公報
【特許文献15】
特開平10−168393号公報
【特許文献16】
特開2001−335721号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、水系塗料からなる塗膜において屋外に曝露されたとき従来に比べ雨筋状汚染または雨染みの汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染または雨染み汚染を防ぐ持続性に優れ、かつ塗液の保存安定性が良好な外装塗料用水性被覆組成物を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するため鋭意検討をかさねた結果、水性分散体と、コロイド状無機粒子または特定の界面活性剤とから選ばれる少なくとも1つ以上とを含む組成物から得られる塗膜は水に対する接触角を75度以下に低下でき、塗膜の雨筋が目立たないという効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明の第1は、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と(A) アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と共重合可能な(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10〜98.9質量%と(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10〜98.9質量%と共重合可能な(C)他の重合性単量体1〜89.9質量%よりなる重合性単量体組成物を乳化重合して得られた(D)水性分散体であって、その(D)水性分散体並びに、(E)コロイド状無機粒子および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上とを含むことを特徴とする外装塗料用水性被覆組成物である。
【0016】
本発明の第2は、(D)水性分散体および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第3は、(D)水性分散体、(E)コロイド状無機粒子、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第4は、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
【0017】
本発明の第5は、(D)水性分散体が、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を用いて乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第6は、成膜した塗膜の水接触角が75°以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
【0018】
本発明の第7は、(D)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.1から20質量部であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第8は、(E)コロイド状無機粒子が有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
【0019】
本発明の第9は、(E)コロイド状無機粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物である。本発明の第10は、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体5〜15質量%、(B)シクロアルキル基含有重合性単量体50〜94質量%、(C)他の重合性単量体1〜45質量%である請求項1から9に記載された外装塗料用水性被覆組成物である。
【0020】
本発明の第11は、アルコキシシラン基含有重合性単量体がγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである請求項1から10に記載の外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第12は、シクロアルキル基含有重合性単量体がシクロヘキシル(メタ)アクリレートである請求項1から11に記載された外装塗料用水性被覆組成物である。
【0021】
本発明の第13は(C)の他の重合性単量体が、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1から12に記載された外装塗料用水性被覆組成物である。
本発明の第14は乳化重合がレドックス触媒を用い60℃以下の温度で、かつpH4〜8で行う乳化重合である請求項1から13に記載された外装塗料用水性被覆組成物。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明において詳細に説明する。本発明に使用される(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体としては、アルコキシルシラン基と重合性二重結合を有することが好ましい。より好ましくは、下記式(a)で表される、シロキサン構造を有するシランから選ばれる少なくとも1種である。
(R1 )n −Si−(R2 )4−n (a)
(式中nは1〜3の整数であり、R1 は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR1 は同一であっても、異なっても良いが、少なくとも1個は重合性二重結合を有するビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。R2 は炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR2 は同一であっても、異なっても良い。)
【0023】
特に、良好な水分散体の重合安定性と汚染防止効果を得るためには式(a)においてn=1とおいたシラン(aII)の少なくとも1種を含んでいることが好まし。
シラン(aII)のR2 はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。
また、柔軟性を必要とされる場合には、式(a)においてn=2とおいて得られるシラン(aIII)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、シラン(aII)と、環状シラン及びシラン(aIII)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることより、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体が形成するシリコーン重合体の架橋密度を低くし、重合体の構造が複雑になるのを防ぐことができ、これによって、水性エマルジョンまたはアクリル系エマルジョンから提供される塗膜に柔軟性を付与することができるためであり、シラン(aII)と併用した場合に特に好ましい。
【0024】
具体的な(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどであり、これらの群から選ばれた1または2以上が使用される。特に好ましくは、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
【0025】
本発明に使用される(B)シクロアルキル基含有重合性単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、第3級ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどであり、これらの群から選ばれた1または2以上が使用される。特に好ましくは、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0026】
本発明に併用することのできる共重合可能な(C)他の重合性単量体としては、耐候性からメタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸isoブチルエステル、メタクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸ステアリルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸isoブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、アクリル酸ステアリルエステル等のアルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが使用される。 アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの一部を本願の効果が損なわれない範囲でメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル:酢酸ビニル、プロピル酸ビニルなどのビニルエステル:アクリロニトリル、スチレンおよび2,2,2トリフロロエチルメタクリレート、2,2,3,3テトラフロロプロピルメタクリレート、2−(パーフロロオクチル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロオクチル)エチルアクリレートに置き換えて使用することもできる。
【0027】
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体やジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレートなどの不飽和基を2以上有する単量体なども併用される。
架橋構造には、シロキサン結合以外にもエポキシ基による架橋、N −メチロール基による架橋、イソシアネート基による架橋などが知られているが、これらの架橋構造は何れも紫外線の作用を受けやすく、これらの架橋構造を有する合成樹脂は著しく耐久性が悪い。したがって、グリシジルアクリレートなどのエポキシ基含有単量体やN−メチロールアクリルアミドなどのN−メチロール含有単量体などは、本発明の耐久性を損なわない範囲において使用しなければならない。
【0028】
さらに(C)他の重合性単量体については耐汚染性向上の効果からアルド基あるいはケト基を有するエチレン性不飽和カルボニル基含有単量体を使用することが好ましく、ヒドラジン誘導体を用いて架橋させることが必要好ましい。エチレン性不飽和カルボニル基含有単量体の具体例としてはアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、シアセトンメタクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート等が挙げられる。ヒドラジン誘導体の具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等あるいは分子中に2個以上の−NH−NH2基を有するポリマー等が挙げられる。
【0029】
本願の外装塗料用水性被覆組成物には、本願の効果を損なわない範囲で、加水分解性シラン(H)として、下記式(b)で表される、シロキサン構造を有するシランから選ばれる少なくとも1種を含んでも良い。
(R1 )n −Si−(R2 )4−n (b)
(式中nは0〜3の整数であり、R1 は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基から選ばれる。n個のR1 は同一であっても、異なっても良い。R2 は炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR2は同一であっても、異なっても良い。)
【0030】
特に、加水分解性シランには、式(b)においてn=0としたシラン(I)および/またはn=1とおいたシラン(II)の少なくとも1種を含んでいることが好ましく、良好な水分散体の重合安定性と汚染防止効果を得るためにはn=1のシラン(II)であることがさらに好ましい。
シラン(I)のR2 はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。シラン(I)の好ましい具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどがある。
シラン(II)のR1 としてはメチル基、フェニル基が好ましく、R2 はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。シラン(II)の好ましい具体例としては、メチルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランなどがある。
【0031】
また、柔軟性を必要とされる場合には、(H)加水分解性シランが、環状シラン及び式(b)においてn=2とおいて得られるシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、シラン(II)と、環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることより、(H)加水分解性シランが形成するシリコーン重合体の架橋密度を低くし、重合体の構造が複雑になるのを防ぐことができ、これによって、水性エマルジョンまたはアクリル系エマルジョンから提供される塗膜に柔軟性を付与することができるためであり、シラン(II)と併用した場合に特に好ましい。
【0032】
環状シランの具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、などが上げられる。
シラン(III)の具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルシランが挙げられる。水接触角60°以下を達成するには、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが特に好ましい。
【0033】
加水分解性シランに、シラン(I)および/またはシラン(II)と、環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種の、両者を含む場合は、シラン(I)および/またはシラン(II)の、上記の環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種に対するモル比が、良好な汚染防止効果を得るには10/100以上が好ましく、35/100以上がより好ましく、100/100以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性が必要とされる場合は、100/1以下使用することもできる。
【0034】
さらに、加水分解性シランには、加水分解基を有する線状シロキサン、アルコシシシランオリゴマー及び式(b)においてn=3とおいて得られるシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでも良い。
シラン(IV)の具体例として、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。
加水分解基を有する線状シロキサンの例としては、下記の一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
(式中、R1 は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、各R2 はそれぞれ、独立して炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、アルキレンオキサイド基又はポリアルキレンオキサイド基から選ばれ、mは1〜999の正の整数を表す。)
【0039】
加水分解性シランが、シラン(I)および/またはシラン(II)と、加水分解基を有する線状シロキサン及びシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種の、両者を含む場合は、シラン(I)および/またはシラン(II)の、加水分解基を有する線状シロキサン及びシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種に対するモル比が、良好な汚染防止効果を得るには10/100以上が好ましく、35/100以上がより好ましく、100/100以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性が必要とされる場合には、100/1以下使用することもできる。
【0040】
シラン(III)またはシラン(IV)において、R1 としてはメチル基、フェニル基が特に好ましく、R2 としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が特に好ましい。
(H)加水分解性シランは、シラン(II)および、環状シラン、シラン(III)、線状シロキサン、アルコキシシランオリゴマー、シラン(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種に加え、クロロシラン、例えばメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、を含むことができる。
【0041】
(H)加水分解性シランを用いる場合は、(A)アルコキシシラン基含有単量体1モルに対して1000モル以下が好ましく、より好ましくは100モル以下である。
本発明の水性分散体は、(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1から20質量%、(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10から98.9質量%、(C)他の重合性単量体0から89.9質量%、よりなる重合性単量体組成物を乳化重合して得られる。(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体の使用量は、0.1から20質量%であり、0.1質量%以上で、シロキサン結合の架橋による効果が充分に得られ、耐候性、耐薬品性、耐水性、強度なども0.1質量%以上で良い。また、水性分散体の安定性を維持し塗料用組成物として使用するためには20質量%以下が好ましい。特に好ましい使用量は5〜15質量%である。
【0042】
(B)シクロアルキル基含有重合性単量体の使用量は、10〜98.9質量%であり、10質量%以上用いると、シクロアルキル基の効果が得られ、充分な耐候性が得られる。耐候性、耐薬品性、耐水性を満足するためには98.9質量%以下にする好ましい。特に好ましい使用量は50から95質量%である。
所望により併用される(C)他の重合性単量体が89.9質量%以下でないとシクロアルキル基含有重合性単量体の使用量が10質量%以上、あるいはアルコキシシラン基含有重合性単量体の使用量が0.1質量%以上とならず、前述の通り耐久性のためには89.9質量%以下が好ましい。
【0043】
次に乳化重合について説明する。本発明の乳化重合方法はバッチ重合、モノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合など適宜の乳化重合の手段を用いることができる。特に乳化モノマー滴下重合が、製造時の安定性を確保する上で好適である。
乳化重合時には、アルコキシシラン基の反応を出来だけ抑えることが好ましく、レドックス触媒を用いて60℃以下で重合を行うこと、pHを4〜8で行うことが好ましい結果を与える。さらに乳化重合系内に重金属イオンが存在すると、アルコキシシラン基の反応を促進するために、重金属イオンを含むものは使用しない方が好ましい。エチレンアミン4酢酸2ナトリウムのようなキレート剤を併用してもよい。レドックス触媒としては過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムと酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットの組み合わせ、過酸化水素とアスコルビン酸の組み合わせ、有機過酸化物(t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなど)と酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットの組み合わせが好ましい。シロキサン結合形式を促進させるために、得られたエマルジョンベース塗料の使用時にジブチルスズマレートやパラトルエンスルホン酸などの化合物を触媒として使用することも出来る。
【0044】
本発明における(E)コロイド状無機粒子としては、コロイダルシリカの入手が容易で、安価であり好ましい。コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。コロイド状シリカをゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62−69 (1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6, 792−801 (1990)、色材協会誌,61 [9] 488−493 (1988) などを参照できる。コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水または水溶性溶媒の分散体であり、その平均粒子径は好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜80nmである。粒子径が5nm以上では塗液の貯蔵安定性が良く、120nm以下では耐水白化性が良い。上記範囲の粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができ、混合する(D)水性分散体の安定領域に応じて、適宜選択することができる。水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば市販品として日産化学工業(株) 製スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OL、旭電化工業(株)製アデライト(商標)AT−20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25などが利用できる。
【0045】
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、例えば日産化学工業(株)製スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−Lなど、旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50など、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50など、デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30などを挙げることができる。
【0046】
また、水溶性溶剤を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)などを挙げることができる。 また、これらの一種または二種類以上組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
【0047】
また、(E)コロイド状無機粒子としては、シリカ以外のコロイド状粒子を与える無機化合物を使用してもよく、当該無機化合物の具体例としては、TiO2、TiO3、SrTiO3、FeTiO3、WO3、SnO2、Bi2O3、In2O3、ZnO、Fe2O3、RuO2、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3、MoS2、LaRhO3、GaN、CdP、ZnS、ZnSe、ZnTe、Nb2O5、ZrO2、InP、GaAsP、InGaAlP、AlGaAs、PbS、InAs、PbSe、InSbなどの光触媒能を有する半導体の他、Al2O3、AlGa、As、Al(OH)3、Sb2O5、Si3N4、Sn−In2O3、Sb−In2O3、MgF、CeF3、CeO2、3Al2O3・2SiO2、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−FeOX、CrO2、Fe4N、BaTiO3、BaO−Al2O3−SiO2、Baフェライト、SmCO5、YCO5、CeCO5PrCO5、Sm2CO17、Nd2Fe14B、Al4O3、α−Si、SiN4、CoO、Sb−SnO2、Sb2O5、MnO2、MnB、Co3O4、Co3B、LiTaO3、MgO、MgAl2O4、BeAl2O4、ZrSiO4、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi2、CrSi2、CoSi2、MnSi1.73、Mg2Si、β−B、BaC、BP、BaC、BP、TiB2、ZrB2、HfB2、Ru2Si3、TiO2(ルチル型)、TiO3、PbTiO3、Al2TiO5、Zn2SiO4、Zr2SiO4、2MgO2−Al2O2−5SiO2、Nb2O5、Li2O−Al2O3−4SiO2、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなど挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0048】
本発明で用いる(E)コロイド状無機粒子は有機ポリマーで被覆されていても良い。有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えばエチレン性不飽和単量体、ラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランを、コロイダルシリカを乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−71316号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、陰イオン性重合性単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−217702号公報に開示)、無機粒子に水溶性高分子化合物を吸着させついでラジカル重合性モノマーの重合物で被覆する方法より得られる粒子(例えば、特開昭60−58237号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平6−199917号公報で開示)、コア/シェル構造を有し、コア中に有機高分子と有機高分子と共有結合していないシリカおよび/またはコロイダルシリカを配し、シェル中に有機高分子を配し、コア有機高分子/シェル有機高分子間に三次元架橋網目構造および/またはIPN構造を形成せしめることにより、コア中のシリカおよび/またはコロイダルシリカを共有結合によることなく物理化学的に粒子内に保持した粒子(例えば、特開平8−290912号公報に開示)、コロイダルシリカ、活性剤および水の存在下、エチレン性不飽和化合物を乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平11−1893号公報に開示)、カチオン性残基を介して、コロイド状シリカ粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開平11−209622号公報に開示さ)、直接またはノニオン界面活性剤を介して無機または有機粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開2000−290464号公報に開示)、無機または有機粒子表面にノニオン界面活性剤が集合または凝集して沈着しているコロイド状微粒子(例えば、特開2001−335721号公報に開示)などであることが好ましい。
【0049】
本発明において、(E)コロイド状無機粒子は、(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、好ましくは0.1〜95質量部用いられ、より好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは0.5〜20質量部用いる。
本発明において、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤は、下記式(4)で表されるスルフォコハク酸系化合物が挙げられる。
【0050】
【化4】
【0051】
{式中、Ra,Rbは同一でも、異なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基またはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基を示す。}
【0052】
さらに詳しくは、上記式(4)で表される化合物のRa,Rbにおいて、Raおよび/またはRbが下記式(5)、(6)、(7)で表される化合物が挙げられる。
【0053】
【化5】
【0054】
【化6】
【0055】
【化7】
【0056】
{式(5)、(6)、(7)、のそれぞれにおいて、R21は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基であり、Aは炭素数2〜4個のアルキレン基または置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R22は水素またはメチル基である。)}
【0057】
本発明において、一般式(4)〜(7)で表されるものとして、例えばスルフォコハク酸ジオクチルナトリウム{花王(株)製ペレックス(商標)OT−P、または三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)OT−75など}、スルフォコハク酸ジヘキシルナトリウム{三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)MA−80など}、三洋化成(株)製エレミノール(商標)JS−2,JS−5、花王(株)製ラテムル(商標)S−120,S−180,S−180A、三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)TR−70、A−196−85、AY−100、IB−45、A−102,A−103、501などがある。
【0058】
本発明において、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤は、(D)水性分散体の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部用いられ、好ましくは、0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5質量部用いる。この範囲で使用すると、耐水性良好なフィルムが形成される。
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であってアニオン性界面活性剤は下記式(8)、(9)で表される化合物が挙げられる。
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】
(上記式(8)、(9)中、R51は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0062】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤は下記式(10)、(11)、(12)で表される化合物が挙げられる。
【0063】
【化10】
【0064】
(式中、R71は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R72は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R73は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0065】
【化11】
【0066】
(式中、R81は水素またはメチル基、R82は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜50の整数、mは0〜20の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0067】
【化12】
【0068】
(式中、R91は炭素数8〜30のアルキル基、R92は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムもしくはアルカノールアミン残基である。)
【0069】
上記式(10)で表されるアルキルフェノールエーテル系化合物として、例えば第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)HS−10などがあり、上記式(11)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE−1025A、SR−1025A、SR−10N、SR−20Nなどがあり、上記式(12)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)KH−5、KH−10などが挙げられる。その他アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤として例えば、日本乳化剤(株)製Antox(商標)−MS−60などがあり、花王(株)製ラテムルPD−101、PD−104などがあり、三洋化成(株)製エレミノール(商標)RS−30などがある。
【0070】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤において、ノニオン性の界面活性剤は下記式(13)、(14)で示される化合物が挙げられる。
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
(上記式(13)、(14)中、R101は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R102は水素またはメチル基である。)
【0074】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤は下記式(15)、(16)、(17)で表される化合物が挙げられる。
【0075】
【化15】
【0076】
(式中、R121は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R122は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R123は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数である。)
【0077】
【化16】
【0078】
(式中、R131は水素またはメチル基、R132は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは0〜50の整数である。)
【0079】
【化17】
【0080】
(式中、R141は炭素数8〜30のアルキル基、R142は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数である。)
【0081】
上記式(15)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)RN−10、RN−20、RN−30、RN−50などが挙げられる。上記式(16)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)NE−20、NE−30、NE−40、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40などが挙げられる。
【0082】
本発明において、(G)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤の使用量は、特に限定はしないが、耐水性良好なフィルムを得るためには使用量が少ないことが好ましく、(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、0.1〜5質量%使用することができる。
【0083】
本発明において乳化重合に使用される界面活性剤として(F)スルフォコハク酸系界面活性剤、(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤以外には、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルカリウム、メタクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルカリウム、メタクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルナトリウム、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0084】
本発明において、(D)水性分散体、(E)コロイド状無機粒子、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤および(G)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤を混合する順序はとくに限定されるものではないが、(D)、(E)、(F)、(G)を混合する方法として具体的には、(D)へ(E)、(F)、(G)の順に混合する方法、(D)へ(E)、(F)、(G)の順に混合する方法、(D)へ(F)、(E)、(G)の順に混合する方法、(D)へ(F)、(G)、(E)の順に混合する方法、(D)へ(G)、(E)、(F)の順に混合する方法、(D)へ(G)、(F)、(E)の順に混合する方法、(D)へ、(E)と(F)の混合物、(G)の順に混合する方法、(D)へ、(G)、(E)と(F)の混合物の順に混合する方法、(D)へ、(E)と(G)の混合物、(F)の順に混合する方法、(D)へ、(F)、(E)と(G)の混合物の順に混合する方法、(D)へ、(F)と(G)の混合物、(E)の順に混合する方法、(D)へ、(E)、(F)と(G)の混合物の順に混合する方法、(D)へ、(E)、(F)、(G)の混合物を混合する方法が挙げられる。
【0085】
(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用した具体例としては、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)を混合する方法、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)、(F)を混合する方法{この場合(F)は同一であっても異なっていてもよい}、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)、(G)を混合する方法{この場合(G)は同一であっても異なっていてもよい}、(D)を製造する際に(F)および/または(G)を使用し、その後(E)、(F)、(G)を混合する方法{この場合(F)、(G)は同一であっても異なっていてもよい}が挙げられる。混合する際、室温で混合すること、または90℃を上限として加熱混合することもできる。
【0086】
本発明において、(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子の固形分が0.1〜95質量部および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.1〜20質量部であり、好ましくは(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子の固形分が0.1〜50質量部および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは(D)水性分散体の固形分100質量部に対し、(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子の固形分が0.5〜20質量部および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が1.0〜5質量部である。(E)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子がこの範囲内であると得られる塗膜の耐水性が良好であり、かつ塗膜の雨筋が目立たない。(F)スルフォコハク酸系界面活性剤がこの範囲内であると得られる塗膜の耐水性が良好であり、かつ塗膜の雨筋が目立たない。また塗液の貯蔵安定性が良好となる。
【0087】
本発明において、混合時にあるいは塗料顔料の前分散のために(F)スルフォコハク酸系界面活性剤と(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤とその他の界面活性剤を併用することができる。具体的には、例えばヘキサメタリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、トリポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を持つポリマーのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩。その他、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、スルホン酸アルキルアリル、スルホン化ひまし油等の塩に代表されるアニオン性界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコールまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0088】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部および%は、それぞれ質量部および質量%を示す。また、得られた外装塗料用水性被覆組成物の物性試験については、該外装塗料用水性被覆組成物を用いて下記に示す配合組成で塗料を調整し、以下に示す試験方法に従って試験を実施した。
上記、配合物を卓上サンドミルにて20分分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
【0089】
<試験方法>
・水性分散体等の固形分
水性分散体等固形分測定対象物を105℃にて3時間乾燥させた後の乾燥質量である。
・水性分散体等の固形分率の測定
予め質量の分かっているアルミ皿に、約1gの水性分散体等固形分率測定対象物を正確に秤量し、恒温乾燥機で105℃にて3時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中で、30分放冷後に精秤する。当該物質の乾燥後質量を乾燥前質量で割ったものを固形分率とした。
【0090】
・雨染み汚染性
図1に示したアルマイト板上に、各実施例、比較例の配合物を塗料としたものを、乾燥膜厚100g/m2 となるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。この試験体を屋外(川崎市川崎区夜光)にて地面に塗膜面が垂直に、かつ北方向になるように固定し、2001年4月25日〜2001年7月31日まで試験を実施し、曝露開始後3カ月後について雨染み汚染を目視判定した。判定基準は以下の通り。
◎;雨筋が全く見られない。
〇;全体は汚れているが、雨筋が見られない。
×;雨筋が見られる。
【0091】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0092】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0093】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0094】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約1時間熟成を行い、冷却後に適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0095】
を仕込んだ乳化重合装置へ、上記乳化モノマー組成物の10%と重合触媒の30%を加えて50℃で乳化重合を開始した。乳化モノマー組成物の90%と重合触媒の70%を約3時間かけて滴下し、乳化重合を行った。乳化重合中、重合温度は約50℃に保ち、重合反応液のpHは、適時10%アンモニア水溶液を添加してpH7に保った。滴下終了後、約2時間熟成を行い、冷却後にアジピン酸ジヒドラジド10部を入れ、適量の水で濃度を45%に調整して水性分散体を得た。
【0096】
[実施例1]
製造例1により得られた水性分散体222.2部にスルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部、アルキレンオキサイド基を含有するアニオン性界面活性剤(製品名:レベノールWZ(有効分:約26%)、花王(株)製)2部、アルキレンオキサイド基を含有するノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン920、花王(株)製)の20%水溶液2.5部、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率42.6%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0097】
[実施例2]
製造例2により得られた水性分散体222.2部にスルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部、アルキレンオキサイド基を含有するアニオン性界面活性剤(製品名:エマール20C(有効分:約25%)、花王(株)製)2部、アルキレンオキサイド基を含有するノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液2.5部、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率42.6%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0098】
[実施例3]
製造例1により得られた水分散体222.2部に、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:エアロゾルOT−75(有効分:約75%)、三井サイテック(株)製)1.5部、コロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.2%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行い、結果を表1に示した。
【0099】
[実施例4]
実施例3において使用した水性分散体を製造例2に変えた以外は、実施例2と同様にして外装塗料用水性被覆組成物を得た。これらの外装塗料用水性被覆組成物について前期した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0100】
[実施例5]
製造例3により得られた水性分散体222.2部にコロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部を加え、均一に混合して、固形分率 43.0%の外装塗料用水性被覆組成物を得た。この外装塗料用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0101】
[実施例6]
実施例5において使用した水性分散体を製造例4に変えた以外は、実施例5と同様にして外装塗料用水性被覆組成物を得た。これらの外装塗料用水性被覆組成物について前期した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0102】
[実施例7]
実施例5において使用した水性分散体を製造例5に変えた以外は、実施例5と同様にして外装塗料用水性被覆組成物を得た。これらの外装塗料用水性被覆組成物について前期した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0103】
[比較例1と2]
製造例1と2で得た水性分散体を用い、前記した塗料配合をし、試験を行い、結果を表1に示した。
【0104】
【表1】
【0105】
【発明の効果】
本発明の外装塗料用水性被覆組成物は、水系塗料に利用され、該組成物からなる塗膜が屋外に曝露されたとき雨筋状汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染の低減化を長期にわたり維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた屋外曝露板の形状の概略図である。
Claims (14)
- (A)アルコキシシラン基含有重合性単量体0.1〜20質量%と(A) アルコキシシラン基含有重合性単量体と共重合可能な(B)シクロアルキル基含有重合性単量体10〜98.9質量%と(A)アルコキシシラン基含有重合性単量体と(B)シクロアルキル基含有重合性単量体と共重合可能な(C)他の重合性単量体1〜89.9質量%よりなる重合性単量体組成物を乳化重合して得られた(D)水性分散体であって、その(D)水性分散体並びに、(E)コロイド状無機粒子および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上とを含むことを特徴とする外装塗料用水性被覆組成物。
- (D)水性分散体および(F)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (D)水性分散体、(E)コロイド状無機粒子、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (D)水性分散体が、(F)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(G)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を用いて乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- 成膜した塗膜の水接触角が75°以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (D)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して(F)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.1から20質量部であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (E)コロイド状無機粒子が有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (E)コロイド状無機粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (A)アルコキシシラン基含有重合性単量体5〜15質量%、 (B)シクロアルキル基含有重合性単量体50〜94質量%、 (C)他の重合性単量体1〜45質量%である請求項1から9に記載された外装塗料用水性被覆組成物。
- (A)アルコキシシラン基含有重合性単量体がγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである請求項1から10に記載の外装塗料用水性被覆組成物。
- (B)シクロアルキル基含有重合性単量体がシクロヘキシル(メタ)アクリレートである請求項1から11に記載された外装塗料用水性被覆組成物。
- (C)他の重合性単量体が、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1から12に記載された外装塗料用水性被覆組成物。
- 乳化重合がレドックス触媒を用い60℃以下の温度で、かつpH4〜8で行う乳化重合である請求項1から13に記載された外装塗料用水性被覆組成物。
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