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JP2004347780A - 光学フィルム及びその製造方法 - Google Patents

光学フィルム及びその製造方法 Download PDF

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JP2004347780A
JP2004347780A JP2003143429A JP2003143429A JP2004347780A JP 2004347780 A JP2004347780 A JP 2004347780A JP 2003143429 A JP2003143429 A JP 2003143429A JP 2003143429 A JP2003143429 A JP 2003143429A JP 2004347780 A JP2004347780 A JP 2004347780A
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light
hydrophilic
fine particles
film
layer
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Application number
JP2003143429A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to US10/800,778 priority patent/US20040185238A1/en
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Abstract

【課題】高い光透過性と均一な光拡散性とを有し、LCD、EL、FEDなどのディスプレイに有用な、輝度ムラが防止され、コントラストに優れた画像が得られる光学フィルムを提供する。
【解決手段】親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子を含有した液体を展開し、展開厚みを制御しつつ光透過性微粒子を2次元凝集させてなる単粒子層と、光透過性樹脂層と、を順次設けたことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学フィルム及びその製造方法に関し、詳細には、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクロトルミネッセンス(EL)ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の各種ディスプレイや、その他の光散乱を利用する部材に有用な光学フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LCD、EL、FED等のディスプレイの開発が進んでおり、特に、LCDはパソコン、携帯端末等のあらゆる分野に汎用されるようになってきた。LCDは、液晶パネルを照明する光の取り入れ方式により、反射型と透過型とに大別され、反射型は、反射率の高いアルミニウム膜等を貼った反射板を液晶パネルの背面に配して、ディスプレイ表面側から入射する光を反射板で反射させて液晶パネルを照明して液晶画像を得るものであり、透過型は、液晶パネルの背面に配したバックライトユニットにより液晶パネルを照明する方式をとっている。
【0003】
反射型においては、アルミニウムの地色によるコントラストの悪化を抑制するため、液晶パネルと反射板との間に光を適度に拡散する部材を配置して、背景色を白色に近づけ、画像のコントラストを改良する構造が採用されている。また、透過型においては、バックライトユニットを構成するアクリル導光板の印刷パターンによる視認性の悪化を抑制し、均一な面状光を得る目的で、液晶パネルとバックライトユニットとの間に光を拡散する部材を配置する構造をとっている。
【0004】
このように、LEDは、反射型、透過型のいずれにおいても所望の光拡散性を有する光拡散性部材を必要としている。このような光拡散性部材としては、光透過性の樹脂マトリックスで構成した樹脂層内に該光透過性樹脂とは屈折率の異なる光透過性微粒子を分散させて、樹脂層の内部で光散乱をさせる内部光拡散性部材と、光透過性樹脂フィルムを形成した後、その表面を粗面化して凹凸を形成することで光を拡散させる外部光拡散性部材、光透過性樹脂フィルムを形成する際に光透過性微粒子の一部を表面に突出させることにより表面に凹凸を形成し、フィルム内部の光る透過性微粒子による拡散と表面凹凸による拡散とを応用する内部/外部両方で光を拡散させる内部/外部光拡散性部材などが知られている。
【0005】
これらの一般的な光拡散部材はある程度の光拡散性、光透過性を達成しているものの、例えば、内部光拡散性部材においては、内部光拡散体を構成する透明樹脂中には光透過性微粒子がランダムに分散しており、光線が透明樹脂中を通過する際にはフィルムの厚み方向において複数の光透過性微粒子を通過することになる、微粒子を通過する毎に光散乱が生じるため、結果として光透過性が低下してしまうという問題があった。
また、外部光拡散性部材および内部/部光拡散性部材においては、表面の凹凸を均一に形成することが困難であり、このため光拡散性が均一でなく、ムラが乗じるという問題があった。また。表面に凹凸が形成されているため、付着した汚れが取れにくいという問題もあった。
【0006】
このような問題を解決する方法としては、2層の光透過性樹脂層の間に光透過性微粒子からなる単粒子層を介在させてなる光学フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、入射した光は単層状態に配置された光透過性微粒子中を一回通過するのみとなり、従来の内部拡散性部材において問題となった光透過性を低下させる複数回に及ぶ光散乱を生じさせることはなく、さらに、平滑な表面を有するため、高い光透過性と均一な光拡散性とが達成できるものとして一応の評価を得ている。
このような光学フィルムの製造方法としては、光透過性樹脂層表目に均一な単粒子層を形成し、さらにその単粒子層上に光透過性樹脂層を設ける方法が一般的である。しかしながら、高密度で均一な単粒子層を形成することは困難であり、例えば、光透過性微粒子を適当な溶剤に分散させてコーティングする方法、エアースプレーにより光透過性微粒子を吹き付ける方法、光透過性微粒子を付着させたブラシやロール等から転写する方法等によっては、所望の均一な単粒子層を得ることができず、所望の光拡散性を有する光学フィルムは得られていないのが現状である。
【0007】
近年、均一な単粒子層を形成する方法として、光透過性微粒子を分散したサスペンジョン(例えば水分散液)に、ガラス等の溶媒になじみやすい表面平坦な基板を浸漬し、分散液中の微粒子の濃度や引き上げ速度等を制御することにより、粒子の水膜中での流れを利用し、基板上に単粒子層を形成する粒子集積法(以下、適宜、「移流集積法」と称する)(例えば、特許文献2、3、4、及び、5参照。)や、Langmuir−Blodgett膜作製方法(以下、適宜、LB法と称する。)等が注目されている。このように、支持体表面に水膜を形成させ、その水膜中での粒子の流れを利用した粒子集積法(移流集積法)による単粒子層の作製方法は、水を含む溶剤の蒸発を利用して粒子を移動させ配列する方法であり、各粒子の自立的な集積力を用いるため、溶剤の蒸発条件を制御するための精密な装置が必要であり、且つ、単粒子層の形成に長時間を要するという問題があった。また、LB法は、水性媒体表面に、有機溶媒に溶解させた両親媒性物質を展開し、表面圧をかけることにより水性媒体表面上に単分子の膜を生成し、この膜を基板表面に写し取り、多重層に積層させる薄膜形成方法である。この方法を実施するには高い精度等が要求され、防振構造を有する精密な装置が必要である。
【0008】
これらの方法の中で、特に優れた方法と言われているのは移流集積法であるが、この方法を実施するためには、移流集積法に必要な親水的な表面を作製し、その親水的な表面上に均一な水膜を形成し、その水性成分の蒸発を制御する必要があり、これらが達成されない限り微粒子配列膜の制御は困難であった。この問題を解決するため、微粒子を規則正しく配列させるのに有用な精密な水膜形成方法とそれを達成する装置が提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。この方法によって精密な薄膜形成は可能となったものの、薄膜形成速度が遅く、且つ、装置の複雑さ、蒸発制御の困難性から、このような薄膜の大面積への適用および大量生産が困難であるため、光学フィルムへの適用には不向きであった。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−311214公報
【特許文献2】
特開平7−116502号公報
【特許文献3】
特開平8−155378号公報
【特許文献4】
特開平8−229474号公報
【特許文献5】
特開平9−92617号公報
【特許文献6】
特開平7−116502号公報
【特許文献7】
特開平9−92617号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の欠点を考慮してなされた本発明の目的は、高い光透過性と均一な光拡散性とを有し、LCD、EL、FEDなどのディスプレイに有用な、輝度ムラが防止され、コントラストに優れた画像が得られる光学フィルムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記高品質な光学フィルムを、容易に、且つ、大面積で製造することのできる新規な光学フィルムの製造方法を提供することにある。
【0011】
【発明を解決しようとするための手段】
本発明者らは、親水性グラフトポリマーを表面に有する基材の特性に着眼し研究を進めた結果、光学フィルムの支持体として親水性グラフト表面を有する光透過性の支持体を用いることで、上記問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、請求項1に係る本発明の光学フィルムは、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子からなる単粒子層と、光透過性樹脂層と、を順次設けたことを特徴とする。
また、請求項2に係る本発明の光学フィルムの製造方法は、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子を含有した液体を展開し、展開厚みを制御しつつ光透過性微粒子を2次元凝集させて単粒子層を設ける工程と、該単粒子層上に光透過性樹脂層を設ける工程と、を含むことを特徴とする。
なお、本発明に用いられる光透過性微粒子は、所望の光散乱を得る目的から、少なくとも光透過性の支持体および光透過性樹脂層の一方と光屈折率が異なるものであることが好ましい。
【0012】
本発明の作用は明確ではないが、親水性グラフトポリマー表面の優れた親水性、およびその保水的な効果が、移流集積法を用いた粒子集積に特に有効に作用したためと推定される。
即ち、本発明においては、光透過性の支持体(以下、単に「支持体」と称することがある)上に、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有することから、高い親水性を有する均一な表面が形成され、そこに光透過性微粒子(以下、単に「微粒子」と称することがある)を含有する液体を展開した際に、例えば、部分的に水分が失われた領域が存在することにより生じる微粒子凝集の偏りの発生が抑制され、微粒子の2次元凝集が均一に進行することで、微粒子の配列にむらが生じることなく、規則正しく配列した単粒子層が形成されるものと考えられる。また、本発明の方法によれば、この高親水性の表面の特性を活用することで、従来移流集積法の実施に不可欠であった特別に制御された方法や装置を使用しなくても、微粒子含有液を塗布、乾燥することにより、単粒子層の形成が容易となり、該単粒子層の大面積への適用および大量生産が可能となった。
そのため、このような単粒子層を支持体と光透過性樹脂層との間に設けた本発明の光学フィルムは、前記したように、入射した光が該微粒子中を通過する回数が1回となるため、余分な光散乱を生じさせることがなく、また、前記外部拡散体および内部・外部光拡散体のように表面の凹凸も存在しないため、高い透過性と均一な光拡散性とが得られるものと考えられる。その結果、例えばこのような光学フィルムを利用したLCD、EL、FEDなどのディスプレイは、輝度ムラが防止され、コントラストに優れた画像が得られるものと期待される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の光学フィルムは、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子からなる単粒子層と、光透過性樹脂層と、を順次設けたことを特徴とする。また、このような光学フィルムの製造方法としては、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子を含有した液体を展開し、展開厚みを制御しつつ光透過性微粒子を2次元凝集させて単粒子層を設け、さらに該単粒子層上に光透過性樹脂層を設ければよい。
【0014】
まず、本発明に係る単粒子層の製造方法の基礎的な技術である移流集積法について説明する。移流集積法は、光透過性微粒子の分散したサスペンジョン液(たとえば水系溶媒を用いた分散液)に、ガラスに代表される溶媒になじみやすい表面を有し、且つ、平坦な基板を浸漬し、粒子の濃度や引き上げ速度等を制御することにより基板上に単粒子層や多粒子層を形成する方法である。このような移流集積法は水の蒸発に伴う水の流れにより粒子が運ばれる現象を利用したものであり、この方法を適用して均一な単粒子層を形成するためには、少なくとも基板表面における均一な液膜の形成と、粒子がこの狭い空間で動き回れる滑りやすい基板という2つの要件が前提条件となっており、このことは、永山国昭著、「自己集積の自然と科学」丸善(1997年)に詳細に記載されている。さらに、基板表面に形成された液膜の上を粒子が移動しつつ、集積化するためには、表面張力由来の横毛細管力と液膜の蒸発に伴う液体の流れによる応力の2つの力が必要であり、これらがバランス良く作用しなければ、迅速に、均一な微粒子の配列を形成することは困難であり、従来はこの2つの応力のバランスをとるために特殊な装置を使用していたのは従来の技術の欄で述べたとおりである。
【0015】
本発明の光学フィルムにおいては、高い親水性を有する親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体を用いたことにより、移流集積が起こるための必要な要件のうち、安定なぬれ膜(液膜)の形成が達成された。このことにより、液膜中において、液の流れによる微粒子集積力と横毛細管力が微粒子に与える応力を損なうことなく、微粒子が液膜中、或いは、液膜表面を束縛されずに自由に移動することが可能となったため、塗布法により特別の装置も必要とせず、容易に所望の単粒子層を得ることが可能となった。この特性は、グラフト親水膜中のグラフトポリマー鎖の高い運動性に起因するものと考えられる。即ち、親水性グラフトポリマー鎖は片末端が支持体と結合しているが、他の末端、即ち、親水性の官能基を有する末端はフリーの状態で存在するため、高い運動性と保水性を有している。このため、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を用いてグラフト親水膜を形成することで、いままで困難であった均一な液膜の形成やその制御が容易になり、従来必要とされていた液膜制御のために精密な装置を使用しなくても所望の単粒子層を形成できるものと考えられる。
【0016】
次に、本発明の光学フィルムの構成及びその製造工程について順次説明する。
〔親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面〕
本発明に係る支持体における前記表面とは、親水性グラフトポリマー鎖が存在し、高い親水性を有する表面のことを指し(以下、適宜、「親水性表面」と称する)、このような表面は、親水性グラフトポリマー鎖が直接支持体表面に結合しているものでもよく、また、支持体表面にグラフトポリマーが結合しやすい中間層を設けてその層に親水性ポリマーがグラフトされているものでもよい。
【0017】
更に、本発明における親水性表面には、親水性グラフトポリマー鎖が幹高分子化合物に結合したポリマー、若しくは、親水性グラフトポリマー鎖が幹高分子化合物に結合しており、かつ、架橋しうる官能基が導入されたポリマーを用いて、塗布或いは塗布架橋により支持体表面上に配置されたものや、ポリマー末端に架橋性基を有する親水性ポリマーと架橋剤とを含む組成物を用いて、塗布或いは塗布架橋により支持体表面上に配置されたものも包含される。
【0018】
本発明の親水性グラフトポリマー鎖の特徴は、ポリマーの片末端が支持体表面に直接、若しくは、支持体表面に形成された中間層に結合し、親水性を示すグラフト鎖部分が実質的に架橋されていない構造を有することにある。この構造により親水性を発現するポリマー部分の運動性が制限されたり、強固な架橋構造内に埋没されることがなく、高い運動性を保持できる。このため、高い親水性を発現し、この表面における液膜の形成性が良好で、粒子集積法にに有利に作用するものと考えられる。
このような親水性グラフトポリマー鎖の分子量は、Mw500〜500万の範囲であり、好ましい分子量はMw1000〜100万の範囲であり、更に好ましくはMw2000〜50万の範囲である。
【0019】
本発明においては、(a)親水性グラフトポリマー鎖が直接支持体表面若しくは支持体表面上に設けた中間層の上に結合しているものを「表面グラフト」と称し、(b)親水性グラフトポリマー鎖がポリマー架橋膜構造の中に導入されているものを用いる場合は「親水性グラフト鎖導入架橋親水層」と称する。また、本発明では支持体若しくは支持体上に中間層を設けた材料を「基材」と称する。
以下、前記親水性表面を形成するための方法について説明する。
【0020】
<中間層>
本発明においては、支持体表面に親水性グラフトポリマー鎖が結合しやすいように、支持体表面上に中間層を設けることが好ましい。このような中間層は、以下に説明する(i)重合性化合物や(ii)重合開始剤などを適当な溶媒に溶解し、塗布などの方法で支持体表面上に設け、加熱または光照射により硬膜し、形成することができる。
【0021】
(i)重合性化合物
中間層に用いられる重合性化合物は、支持体との密着性が良好であり、且つ、活性光線照射などのエネルギー付与により、上層に含まれる親水性グラフトポリマー鎖が付加し得るものであれば特に制限はないが、中でも、分子内に重合性基を有する疎水性ポリマーが好ましい。
このような疎水性ポリマーとしては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリぺンタジエンなどのジエン系単独重合体、アリル(メタ)アクリレー卜、2−アリルオキシエチルメタクリレー卜などのアリル基含有モノマーの単独重合体;
さらには、前記のポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエンなどのジエン系単量体またはアリル基含有モノマーを構成単位として含む、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどとの二元または多元共重合体;などが挙げられる。
なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
重合性化合物の含有量は、中間層中、固形分で0〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲が特に好ましい。
【0022】
(ii)重合開始剤
本発明に係る中間層にはエネルギー付与により重合開始能を発現させるための重合開始剤を含有することが好ましい。ここで用いられる重合開始剤は、所定のエネルギー、例えば、活性光線の照射、加熱、電子線の照射などにより、重合開始能を発現し得る公知の熱重合開始剤、光重合開始剤などを目的に応じて、適宜選択して用いることができる。中でも、熱重合よりも反応速度(重合速度)が高い光重合を利用することが製造適性の観点から好適であり、このため、光重合開始剤を用いることが好ましい。
このような光重合開始剤は、照射される活性光線に対して活性であり、中間層に含まれる重合性化合物と、上層に含まれる親水性グラフトポリマー鎖とを重合させることが可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いることができる。
重合開始剤の含有量は、中間層中、固形分で0.01〜20質量%の範囲が好ましく、0.1〜10質量%の範囲が特に好ましい。
【0023】
上記重合性化合物及び重合開始剤を塗布する際に用いる溶媒は、それらの成分が溶解するものであれば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。また、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
中間層を支持体上に形成する場合の塗布量は、乾燥後の質量で、0.1〜20g/mが好ましく、さらに、1〜15g/mが好ましい。この範囲内において、中間層は、膜耐性に優れ、十分な重合開始能を発現し、所望の親水性表面が得られる。
【0024】
本発明においては、上記中間層形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除去することにより成膜させて中間層を形成するが、このとき、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行って予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化が予め行なわれるので、親水性グラフト化を達成した後に中間層ごと脱落するといった事態を効果的に抑制し得るため好ましい。ここで、予備硬化に光照射を利用するのは、前記光重合開始剤の項で述べたのと同様の理由による。
加熱温度と時間は、塗布溶剤が十分乾燥しうる条件を選択すればよいが、製造適正の点からは、温度が100℃以下、乾燥時間は30分以内が好ましく、乾燥温度40〜80℃、乾燥時間10分以内の範囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
【0025】
<(a)表面グラフトの作製方法>
基材上にグラフトポリマーからなる親水性基を有する表面を作製する方法としては、基材とグラフトポリマーとを化学結合にて付着させる方法と、基材を基点として重合可能な2重結合を有する化合物を重合させグラフトポリマーとする2つの方法がある。
【0026】
(基材とグラフトポリマーとを化学結合にて付着させる方法)
まず、基材とグラフトポリマーとを化学結合にて付着させる方法について説明する。
この方法においては、ポリマーの末端若しくは側鎖に基材と反応する官能基を有するポリマーを使用し、この官能基と、基材表面の官能基とを化学反応させることでグラフトさせることができる。基材と反応する官能基としては、基材表面の官能基と反応し得るものであれば特に限定はないが、例えば、アルコキシシランのようなシランカップリング基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エポキシ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等を挙げることができる。ポリマーの末端若しくは側鎖に反応性官能基を有するポリマーとして特に有用な化合物は、トリアルコキシシリル基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、アミノ基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、カルボキシル基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、エポキシ基をポリマー末端に有する親水性ポリマー、イソシアネート基をポリマー末端に有する親水性ポリマーである。
また、この時に使用される親水性ポリマーとしては、親水性であれば特に限定はないが、具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミドなどを挙げることができる。その他、以下の表面グラフト重合で使用される親水性モノマーの重合体、若しくは親水性モノマーを含む共重合体を有利に使用することができる。
【0027】
(基材を基点として重合可能な2重結合を有する化合物を重合させ、グラフトポリマーを形成させる方法)
基材を基点として重合可能な2重結合を有する化合物を重合させ、グラフトポリマーを形成させる方法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれる。表面グラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、加熱などの方法で基材表面上に活性種を与え、基材と接するように配置された重合可能な2重結合を有する化合物を重合によって基材と結合させる方法を指す。
【0028】
本発明を実施するための表面グラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135には、表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203、p695には、γ線、電子線等の放射線照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重合法の具体的方法としては、特開昭63−92658号公報、特開平10−296895号公報及び特開平11−119413号公報に記載の方法を使用することができる。プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法においては、上記記載の文献、及びY.Ikada et al,Macromolecules vol.19、page 1804(1986)などに記載の方法を適用することができる。
【0029】
具体的には、PETなどの高分子表面を、プラズマ、若しくは、電子線にて処理して表面にラジカルを発生させ、その後、その活性表面と親水性官能基を有するモノマーとを反応させることによりグラフトポリマー表面層、即ち、親水性基を有する表面層(親水性表面)を得ることができる。
光グラフト重合は、上記記載の文献のほかに、特開昭53−17407号公報(関西ペイント)や、特開2000−212313号公報(大日本インキ)に記載されるように、フィルム基材の表面に光重合性組成物を塗布し、その後、水性ラジカル重合化合物とを接触させて光を照射することによっても実施することができる。
【0030】
親水性グラフトポリマー鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な2重結合を有しており、かつ、親水性の性質を兼ね備えていることが必要である。これらの化合物としては、分子内に2重結合を有していれば、親水性ポリマーでも、親水性オリゴマーでも、親水性モノマーでも、これらいずれの化合物をも用いることができる。特に有用な化合物は親水性モノマーである。
本発明で有用な親水性モノマーとは、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモノマー、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離し得る酸性基を有するモノマーが挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基、などの非イオン性の基を有する親水性モノマーを用いることもできる。
【0031】
本発明において、特に有用な親水性モノマーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができる。例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン酸塩、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、スチレンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート若しくはそれらの塩、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリレート、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド、などを使用することができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなども有用である。
【0032】
また上記の光グラフト反応以外にも、本発明に必要な表面親水性グラフトポリマーを作製するのに有用な他の方法として、最近注目される表面グラフト重合法として原子移動ラジカル重合を利用する方法が挙げられる。この方法を用いることでグラフトポリマー表面に高密度、且つ、均一に親水性の官能基を有する親水性グラフトポリマーの作製が可能となった。この重合法はマチヤゼウスキら(K.Matyjaszewski et al.), 「ポリマープレプリント(Polymer Preprints)」,2000年,第41巻,p.411、ブルエニングら(M.L. Bruening et al.),「J. Am. Chem. Soc.」, 2000年,第122巻,p.7616、及び「マクロモレキュールス(Macromolecules)」,2002年,第35巻,p.1175に詳細に記載され、この重合方法を本発明の親水性表面の形成に適用することができる。
【0033】
<(b)親水性グラフト鎖導入架橋親水層の作製方法>
本発明における親水性グラフト鎖が導入された架橋親水層は、一般的にグラフト重合体の合成法として公知の方法を用いてグラフトポリマーを作製し、それを架橋することで作製することができる。具体的には、グラフト重合体の合成は“グラフト重合とその応用”井手文雄著、昭和52年発行、高分子刊行会、及び“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)(1995)に記載されている。
【0034】
グラフト重合体の合成は、基本的に、1.幹高分子から枝モノマーを重合させる、2.幹高分子に枝高分子を結合させる、3.幹高分子に枝高分子を共重合させる(マクロマー法)、の3つの方法に分けられる。これらの3つの方法のうち、いずれを使用しても本発明における親水性表面を作製することができるが、特に、製造適性、膜構造の制御という観点からは「3.マクロマー法」が優れている。マクロマーを使用したグラフトポリマーの合成は前記の“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載されている。また、山下雄他著“マクロモノマーの化学と工業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されている。
具体的には、アクリル酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルアセトアミドなど、上記の有機架橋親水層として具体的に記載した親水性モノマー使用して文献記載の方法に従い親水性マクロマーを合成することができる。
【0035】
これらの親水性マクロマーを合成後、親水性グラフト鎖が導入された架橋親水層を作製する一つの方法は、上記の親水性マクロマーと反応性官能基を有する他のモノマーと共重合させ、グラフト共重合ポリマーを合成しその後、合成したグラフト共重合ポリマーとポリマーの反応性官能基と反応する架橋剤とを支持体上に塗布し、熱により反応させて架橋させ作製する方法である。また、他の方法としては、親水性マクロマーと光架橋性基、若しくは重合性基を有するグラフトポリマーを合成し、それを支持体上に塗布して光照射により反応させて架橋させ作製する方法が挙げられる。
【0036】
このようにして、基材上に親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面(親水性表面)を設けることができる。親水性表面を形成する層の膜厚は目的により選択できるが、一般的には0.001μm〜10μmの範囲が好ましく、0.01μm〜5μmの範囲が更に好ましく、0.1μm〜2μmの範囲が最も好ましい。膜厚が薄すぎても、厚すぎても移流集積現象を起こさせる液膜形成には好ましくない。
【0037】
〔光透過性の支持体〕
本発明の光学フィルムに使用される支持体としては、光透過性であり、且つ、寸度的に安定な板状物であり、必要な可撓性、強度、耐久性等を満たせばいずれのものも使用できる。
このような支持体においては、光透過性が高いもの程好ましいが、光透過性であれば、必ずしも目視で透明である必要はなく、非透明状物でも使用することができる。本発明における光透過性の目安としては、JIS C6714に準拠して測定した光線透過率が80%以上であることが挙げられ、より好ましくは85%以上のものが好適に使用される。また、本発明に用いられる支持体の光屈折率は、1.40〜1.70の範囲にあることが好ましい。
【0038】
このような支持体としては、具体的には、例えば、ガラス、プラスチックフィルム(例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアセタール、アクリル、エポキシ、シリコーン、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。
これらの支持体は、使用される目的、または、後述の微粒子の光屈折率などとの関係に応じて適宜選択することができる。また、これら支持体の厚さについても、使用される目的、または、目的の光線透過率などにより適宜選択することができる。
【0039】
〔単粒子層〕
本発明に係る単粒子層とは、前記支持体上に、移流集積法を用いて光透過性微粒子を2次元凝集させた層のことを指す。まず、このような単粒子層を形成する光透過性微粒子について説明する。
(光透過性微粒子)
本発明に用いられる光透過性微粒子とは、光透過性を有する樹脂で形成されたものであれば特に制限はない。なお、これらの微粒子は必ずしも無色である必要はなく、目的や用途に応じて、着色されたものであっても使用することができる。また、本発明に用いられる光透過性微粒子は、少なくとも前記支持体及び後述の光透過性樹脂層の一方と、光屈折率が異なるものであることが好ましく、球状で、且つ、その屈折率が1.42〜1.60の範囲にあるものが光学フィルムとして高い光透過性を得ることができるので好ましい。
【0040】
このような微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、ガラス粉、石英等の無機フィラー;アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録商標)、ジビニルベンゼン、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、酢酸セルロース、ナイロン、セルロース、ベンゾグアナミン、メラミン等の有機微粒子;等が挙げられる。これらの微粒子は、使用される目的、或いは、前記支持体および後述の光透過性樹脂層の屈折率などとの関係により適宜選択可能である。また、本発明に係る微粒子の粒径は、1〜50μm程度であることが好ましく、特に、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いる場合には、1〜10μm程度であることが好ましい。
【0041】
(単粒子層の形成)
本発明に係る単粒子層を形成するには、前記微粒子を含有する微粒子含有液体を調製し、支持体の親水性表面に展開し、液体の膜厚を制御しながら乾燥し、溶媒を除去すればよい。
本発明における単粒子層とは、支持体表面上に粒子が1層で且つ2次元的に細密充填配列された状態の単粒子層を指す。前記微粒子をこのような状態で配列することにより、入射した光が微粒子中を通過する回数が1回となるため、余分な光散乱を生じさせることがなく、高い透過性と均一な光拡散性とが得られるものと考えられる。
【0042】
<微粒子含有液体の調製>
微粒子含有液体は前記微粒子を適当な溶媒中に分散させて調製すればよい。このときの微粒子含有液体中の微粒子の含有量は0.1〜50質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。この範囲において、本発明に係る単粒子層は均一な集積を生じ易くなる。
【0043】
分散媒としては、親水性表面との親和性の観点から水系溶媒が好ましく、具体的には、例えば、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類、THF、ジオキサン、エチレングリコール、ジメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられ、中でも、水、アルコール類、又は、これらの混合物が好ましい。
【0044】
<塗布、乾燥>
前記のように調製した微粒子含有液体を親水性表面に展開するには、これらの液体をスピンコート法、バーコート法など公知の塗布法により塗布すればよい。また、永山国昭らが提案した特開平7−116502号、特開平9−92617号、特開平6−339625号の各公報に記載の、微粒子を配列させる目的で用いられた精密な水膜形成方法やそこに用いられている装置を親水性表面に液膜を形成する際に使用することもできるが、本発明に係る親水性表面を用いれば、前記特開平7−116502号公報等に記載の如き、特殊な装置や方法を用いなくても、一般的な塗布、乾燥方法により大きな面積で規則正しく配列された所望の単粒子層を形成することができることは言うまでもない。
【0045】
また、本発明の光学フィルムにおいて、「(液膜の)展開厚みを制御しつつ微粒子を凝集させ」るためには、下記の如く、微粒子含有液体の塗布量と乾燥条件とを調製すればよい。
微粒子含有液体の塗布量は展開時のウエット塗布量で0.1g/cm〜100g/cmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.5g/cm〜10g/cmの範囲である。支持体表面が高い親水性を有するため、このように単に微粒子含有液体を塗布することにより、支持体表面に均一な膜厚の液膜が形成される。
その後、形成された液膜を乾燥するに従い、溶媒の除去による液の移動が生じ、表面張力とともに液膜中あるいは液膜表面に存在する微粒子に応力が掛かり、微粒子が凝集して支持体表面に単粒子層が配列される。
このとき、乾燥が急激であると微粒子が不均一に凝集したり、微粒子同士が融着を生じるおそれがあり、凝集を生じにくくなるため、使用する溶媒にもよるが、一般に乾燥温度は180℃以下であることが好ましい。乾燥温度は好ましくは室温〜80℃の範囲である。なかでも、室温程度で徐々に時間をかけて乾燥することが均一な単粒子配列を形成する観点から好ましい。
好ましい乾燥時間は10秒〜10時間の範囲で有り、より好ましくは、1分から6時間の範囲である。水を分散媒として用いる場合には、3〜6時間程度が好ましい。
【0046】
また、本発明の光学フィルムにおいては、前記支持体と微粒子との間に空気などの隙間を生じないことが好ましいが、本発明に係る表面親水性層を有する支持体は、その表面に比較的高分子の親水性グラフトポリマー鎖を有するため、該微粒子が表面親水性層内に埋めこまれる傾向があり、支持体と微粒子との間に隙間は生じにくいものと考えられる。さらに、後述する光透過性樹脂層を設ける際に、該樹脂層の形成材料として、流動性を有する樹脂を使用するため、このような樹脂により隙間が充填される。
なお、形成された単粒子層は、例えば、透過型電子顕微鏡にて観察することにより容易に確認することができる。
【0047】
〔光透過性樹脂層〕
本発明の光学フィルムに用いられる光透過性樹脂層としては、光透過性であり、且つ、前記微粒子の立体構造に起因する微粒子間の隙間および微粒子と支持体との隙間を、光透過性樹脂層を形成する樹脂により充填することができるものであれば特に制限はない。
このような光透過性樹脂層を構成する樹脂材料としては、光透過性が高いもの程好ましいが、光透過性であれば、必ずしも目視で透明である必要はなく、非透明状物でも使用することができる。本発明における光透過性の目安としては、JIS C6714に準拠して測定した光線透過率が80%以上であることが挙げられ、より好ましくは85%以上のものが好適に使用される。また、光屈折率は、1.40〜1.70の範囲にあることが好ましい。
【0048】
また、微粒子間の隙間および微粒子と支持体との隙間を該樹脂により充填する方法としては、前記単粒子層上に、少なくとも光透過性樹脂層形成時に流動性を有する樹脂を塗布法や、光透過性樹脂フィルムを加熱、加圧して積層するラミネート法などにより設ける方法が挙げられる。
塗布法により樹脂層を形成する場合に用い得る樹脂としては、常温において終始流動性を有する樹脂、加熱時に流動性を示す樹脂、溶剤に溶解することにより流動性を示す樹脂、光や熱で硬化する材料であってその硬化前の状態の樹脂などが挙げられる。
このような樹脂の塗布方法としては、従来公知の方法を使用することができるが、例えば、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティング等の塗布法、または、フレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が挙げられる。
【0049】
また、ラミネート法により光透過性樹脂層を形成する場合には、常法により目的とする厚みの樹脂フィルムを形成し、それを加熱圧着すればよい。ここで、加熱により軟化した樹脂フィルムが加圧により光透過性微粒子間に隙間なく侵入することが好ましいことから、ラミネート法を適用する場合には熱可塑性樹脂を用いることがこのましい。加熱圧着は、例えば、一組の加熱ロールを通過させることなどにより行なうことができる。また、樹脂フィルムをラミネートする前に余熱してもよい。
【0050】
また、本発明に係る光透過性樹脂層の材料として用いられる樹脂としては、具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ、シリコーン、セルロース等の樹脂及びそれらの各種誘導体が好適なものとして挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの樹脂は、使用される目的、または、前記微粒子の光屈折率などとの関係に応じて適宜選択可能であり、2種類以上の樹脂を混合して用いることもできる。また、これら樹脂により形成された光透過性樹脂層の厚さについても、使用される目的、または、目的の光線透過率などにより適宜選択することができる。
【0051】
〔その他の構成〕
本発明の光学フィルムには、前記光透過性樹脂層の表面に、基体を設けてもよい。前記光透過性樹脂層が流動性を有している場合は、その表面を透明な基体で覆うことにより取扱い性が向上するため好ましい。このような透明な基体としては、光が透過されるものであれば、必ずしも目視で透明である必要はなく、非透明状物でも使用できるが、これら透光性基体の透明性は高いもの程良好であって、光線透過率(JIS C6714)が80%以上、より好ましくは85%以上のもの、また、ヘイズ値(JIS K7105)が3.0以下、より好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.5以下のもの、さらには屈折率が1.40〜1.80の樹脂製のフィルムなどが好適に使用される。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等からなる各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。また、このようなフィルムに限定されず、上記樹脂からなる樹脂板や、石英ガラス、ソーダガラス等、ガラス材料からなるシート状部材も用いることができる。
【0052】
また、特に前記光透過性樹脂層が粘着性を有する場合には、上記透明なフィルム以外にも、離型フィルムまたは離型紙を設けてもよい。表面に粘着性を有する光学フィルムから離型フィルムまたは離型紙を剥がすことにより、光学フィルムの本体を粘着部剤として用いることができることから、LCD等の組み立て時に液晶セルやバックライトユニットとの接着のために、別途接着層等を設ける必要がなく、作業効率が向上する。また、このような離型フィルムまたは離型紙は、剥がして使用することが前提であるため、透明である必要はない。具体的には、上記透明フィルムのほか、紙、または紙に上記透明フィルムとして使用される樹脂がラミネートされたものなどを好適に用いることができる。
以上のようにして得られた、本発明の光学フィルムは、高い光透過性と均一な光拡散性とを兼ね備え、LCD、EL、FEDなどのディスプレイに好適に用いられる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(支持体の作製)
支持体基板として、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(商品名:富士タックUVD80、屈折率1.49、全光線透過率92.4%、ヘイズ値0.15、富士写真フィルム社製)を用いた。この支持体の片面上に、下記の光重合性組成物を、乾燥後の厚さが10μmになるようにリバースコーターで塗工し、100℃で2分間乾燥させた。次にこの塗布されたフィルムを、400W高圧水銀灯(UVL−400P、理工科学産業(株)製)を使用し、10分間照射し、予備硬化させて光重合性組成物からなる中間層を形成した。中間層形成後の基材の屈折率は1.53であった。
【0054】
<光重合性組成物>
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4g
(モル比率80/20、分子量10万)
・エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート 4g
(東亞合成(株)M210)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
【0055】
(親水性表面の形成)
中間層が形成されたトリアセチルセルロースを、アクリル酸(20質量%)及び次亜塩素酸ナトリウム(0.01質量%)を含む水溶液に浸漬し、アルゴン雰囲気下で400W高圧水銀灯を使用し30分間光照射した。
光照射後、得られたフィルムをイオン交換水で良く洗浄し、ポリアクリル酸がグラフトされた親水性表面を有する支持体を得た。グラフトされたポリアクリル酸の厚みをATR−IR(全反射赤外線吸収スペクトル)を用いて測定したところ、0.55μmであった。
【0056】
(移流集積法による単粒子層の形成)
得られた支持体上に以下の方法により光透過性微粒子からなる単粒子層を設ける処理を行った。
光透過性微粒子として、平均粒子径3.0μm、屈折率1.43のシリカ微粒子(商品名:ハイプレシカFQ、宇部日東化成社製)を用いた。まず、この光透過性微粒子の水分散液1wt%を調整し、この分散液をロッドバー#20を使用し、グラフトフィルムの上に塗布し、室温乾燥した。次に、流水による洗浄を行い余剰の光透過性微粒子を除去することで、支持体の表面に光透過性微粒子からなる単粒子層を形成した。
得られた部材の表面を透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて6000倍で観察したところ、該微粒子が単層で規則正しく配列しているのが確認できた。
【0057】
(光透過性樹脂層の形成)
次に、UV硬化型樹脂(商品名:アロニックスUV−3300、東亞合成社製、硬化後の屈折率1.51)をMIBK(メチルイソブチルケトン)で希釈して塗料を調製した。さらに、得られた単粒子層上にこの塗料を、乾燥後の厚さが11μmになるようにブレードコーターで塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、紫外線照射による硬化を行って透明樹脂層を形成し、実施例1の光学フィルムを得た。
【0058】
〔比較例1〕
実施例1において、親水性表面を形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法により光透過性微粒子を配列した。部材の表面を透過型電子顕微鏡(JEOLJEM−200CX)にて、6000倍で観察したところ、微粒子の規則正しい配列は見られず、微粒子の配列はまばらであった。また多層に吸着している個所も見られた。
【0059】
上記微粒子層を設けた支持体上に、実施例1と同様の方法により光透過性樹脂層を設け、比較例1の光学フィルムを得た。
【0060】
〔評価〕
(光学特性試験)
得られた実施例1および比較例1の光学フィルムを、縦60mm、横80mmの大きさに切断し、それらの四隅および中央の5点に対して片面から入射光を施した場合の、全光線透過率(%)、及び、ヘイズ値(%)の平均値、並びに5点のヘイズ値の最大値と最小値の差[ΔHz(%)]を、NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004347780
【0062】
表1の結果から明らかなとおり、実施例1の光学フィルムは、均一な単粒子層が得られなかった比較例1の光学フィルムに比べて、全光線透過率、ヘイズ値とも高い値を示し、ヘイズ値のバラツキも小さくなっており、均一な光拡散性を有することが確認された。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、高い光透過性と均一な光拡散性とを兼ね備え、特にLCD、EL、FEDなどのディスプレイに用いた場合、輝度ムラが防止され、コントラストに優れた画像が得られる光学フィルムを得ることができる。また、本発明の光学フィルムの製造方法によれば、前記高品質な光学フィルムを、容易に、且つ、大面積で製造することができる。

Claims (2)

  1. 親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子からなる単粒子層と、光透過性樹脂層と、を順次設けたことを特徴とする光学フィルム。
  2. 親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を有する光透過性の支持体上に、光透過性微粒子を含有した液体を展開し、展開厚みを制御しつつ光透過性微粒子を2次元凝集させて単粒子層を設ける工程と、該単粒子層上に光透過性樹脂層を設ける工程と、を含む光学フィルムの製造方法。
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