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JP2004218157A - ポリエステル斑糸 - Google Patents

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JP2004218157A
JP2004218157A JP2003008160A JP2003008160A JP2004218157A JP 2004218157 A JP2004218157 A JP 2004218157A JP 2003008160 A JP2003008160 A JP 2003008160A JP 2003008160 A JP2003008160 A JP 2003008160A JP 2004218157 A JP2004218157 A JP 2004218157A
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Japan
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polyester
yarn
reaction
phosphate
titanium compound
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JP2003008160A
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English (en)
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Tomoo Mizumura
知雄 水村
Ryoji Tsukamoto
亮二 塚本
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】毛羽などの品質斑が少ないため製編織性に優れており、色調が良好であり鮮明な濃淡差が得られるポリエステル斑糸を提供する。
【解決手段】延伸工程において、長さ方向に太繊度部と細繊度部とが形成された単繊維からなるポリエステル斑糸であって、該斑糸を構成するポリエステルを、特定のチタン化合物とリン化合物との反応生成物からなる触媒の存在下に重縮合して得られるポリエステルとする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル斑糸に関するものである。さらに詳しくは、鮮明な濃淡差を発現し、かつ製編織工程通過性に優れたポリエステル斑糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルはその優れた特性を生かし衣料用布帛素材として広く使用されている。近年、衣生活の多様化、高級化、個性化と共に、天然繊維が持つ繊維物性の不規則性によりもたらされる色相、色明度の変化、あるいは複雑な繊維構造によりもたらされる様々な触感をポリエステルで発現する試みがなされている。
【0003】
例えば、ポリエステル未延伸糸を不完全に延伸したポリエステル斑糸は、その布帛において、ドライ感およびスパナイズ外観を表現することができるので、従来多くのポリエステル斑糸が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2など)。
【0004】
しかしながら、通常のポリエステルを製糸した場合、紡糸工程にて紡糸時間の経過とともに紡糸吐出孔周辺に異物が発生することが知られており、こうした異物の蓄積量が時間と共に多くなると、吐出糸条の屈曲、ピクツキ、旋回等が進行し、紡糸した糸に力学的な欠点が内在することになる。かかる力学的欠点を有する糸に斑延伸を施すと、延伸張力変動が大きいため、該欠点部で単繊維の一部が切断され、毛羽が多く発生することになる。そして、こうした毛羽のため、撚糸や製織準備、製織の工程で停台等の不具合が頻発し、布帛の品質が著しく損なわれたり、生産の歩留りが極めて悪くなったりするという問題がある。
【0005】
上述したような突出孔周辺の異物の発生原因は、ポリエステル中に存在するアンチモンに起因することが知られているが、そのアンチモンは、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートの触媒として、優れた重縮合触媒性能を有する、また色調の良好なポリエステルが得られるなどの理由から、最も広く使用されているアンチモン系触媒に由来するものであり、通常のポリエステル中には必然的に存在している。
【0006】
これに対して、該アンチモン化合物以外の重縮合触媒、例えば、チタンテトラブトキシドのようなチタン化合物を用いることも考えられるが、このようなチタン化合物を使用した場合、上記のような、口金異物の付着・堆積は減少するものの、ポリエステル自身の黄色味が強くなり、ポリエステル繊維として衣料用途に使用できない色調となるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特公昭51−7207号公報
【0008】
【特許文献2】
特開昭58−70711号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、毛羽などの品質斑が少ないため製編織性に優れており、色調が良好であり鮮明な濃淡差が得られるポリエステル斑糸を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究したところ、適正な重縮合触媒を用いて得られたポリエステルからなる未延伸糸を斑延伸したときは、毛羽の発生が著しく少なく高品質の斑糸が得られることを見出した。しかも該斑糸は色調にも優れていおり、良好な濃淡差を呈することがわかった。
【0011】
すなわち、本発明によれば、延伸工程において、長さ方向に太繊度部と細繊度部とが形成された単繊維からなる糸であって、該糸が、下記式(I)で表されるチタン化合物と下記式(II)で表されるリン化合物との反応生成物からなる触媒の存在下に重縮合して得られるポリエステルからなることを特徴とするポリエステル斑糸。
【0012】
【化4】
Figure 2004218157
【0013】
(R、R、R、Rは、それぞれ同一もしくは異なって、アルキル基またはフェニル基であり、kは1〜4の整数である。なお、kが2〜4の場合には、複数のRおよびRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
【0014】
【化5】
Figure 2004218157
【0015】
(Rは、炭素原子数1〜20個のアルキル基または炭素原子数6〜20個のアリール基であり、nは1または2である。)
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル斑糸は、延伸工程において、長さ方向に太繊度部と細繊度部とが形成された単繊維からなる糸である。
【0017】
本発明においては、上記斑糸が、上記式(I)で表されるチタン化合物と上記式(II)で表されるリン化合物との反応生成物からなる触媒の存在下に重縮合して得られるポリエステルからなることが肝要である。これにより、毛羽などの品質斑が少なく製織性に優れており、色相が良好で好ましい濃淡差を呈するポリエステル斑糸とすることができる。
【0018】
上記チタン化合物(I)としては、具体的には、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラエトキシドに例示されるチタンテトラアルコキシド、オクタアルキルトリチタネート、ヘキサアルキルジチタネートなどのアルキルチタネートを挙げることができるが、なかでも本発明において使用されるリン化合物との反応性の良好なチタンテトラアルコキシドを用いることが好ましく、特にチタンテトラブトキシドを用いることが好ましい。
【0019】
一方、上記リン化合物(II)としては、具体的には、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノ−n−プロピルホスフェート、モノ−n−ブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノヘプチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノノニルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノドデシルホスフェート、モノラウリルホスフェート、モノオレイルホスフェート、モノテトラコシルホスフェート、モノフェニルホスフェート、モノベンジルホスフェート、モノ(4−メチルフェニル)ホスフェート、モノ(4−エチルフェニル)ホスフェート、モノ(4−プロピルフェニル)ホスフェート、モノ(4−ドデシルフェニル)ホスフェート、モノトリルホスフェート、モノキシリルホスフェート、モノビフェニルホスフェート、モノナフチルホスフェートおよびモノアントリルホスフェートなどのモノアルキルホスフェートまたはモノアリールホスフェート、並びに、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェート、ジラウリルホスフェート、ジオレイルホスフェート、ジテトラコシルホスフェート、ジフェニルホスフェートなどのジアルキルホスフェートまたはジアリールホスフェートを例示することができる。なかでも、上記式(II)においてnが1であるモノアルキルホスフェートまたはモノアリールホスフェートが好ましい。
【0020】
これらのリン化合物は、混合物として用いてもよく、例えばモノアルキルホスフェートとジアルキルホスフェートの混合物、モノフェニルホスフェートとジノフェニルホスフェートの混合物を、好ましい組み合わせとして挙げることができる。特に混合物中、モノアルキルホスフェートが全混合物量を基準として50%以上、特に90%以上を占めるような組成とするのが好ましい。
【0021】
上記式(I)のチタン化合物と上記式(II)のリン化合物との反応生成物の調整方法は特に限定されず、例えば、グリコール中で加熱することにより製造することができる。すなわち、該チタン化合物と該リン化合物とを含有するグリコール溶液を加熱すると、グリコール溶液が白濁して析出物が発生する。この析出物をポリエステル製造用の触媒として用いればよい。
【0022】
ここで用いることのできるグリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等を例示することができるが、得られた触媒を用いて製造するポリエステルを構成するグリコール成分と同じものを使用することが好ましい。例えば、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合にはエチレングリコール、ポリトリメチレンテレフタレートである場合には1,3−プロパンジオール、ポリテトラメチレンテレフタレートである場合にはテトラメチレングリコールをそれぞれ用いることが好ましい。
【0023】
なお、前記触媒は式(I)のチタン化合物、式(II)のリン化合物及びグリコールの3者を同時に混合し、加熱する方法によっても製造することができる。しかし、加熱により式(I)のチタン化合物と式(II)のリン化合物とが反応してグリコールに不溶の析出物が反応生成物として析出するので、この析出までの反応は均一な反応であることが好ましい。したがって、効率よく反応析出物を得るためには、式(I)のチタン化合物と式(II)のリン化合物とのそれぞれについて予めグリコール溶液を調整し、その後、これらの溶液を混合し加熱する方法により製造することが好ましい。
【0024】
また、加熱時の温度は、反応温度が余りに低すぎると、反応が不十分となったり反応に過大な時間を要したりするので、均一な反応により効率よく反応析出物を得るには、50℃〜200℃の温度で反応させることが好ましく、反応時間は1分間〜4時間が好ましい。なかでも、グリコールとしてエチレングリコールを用いる場合には50℃〜150℃、ヘキサメチレングリコールを用いる場合には100℃〜200℃の範囲がより好ましい温度であり、また、反応時間は30分間〜2時間がより好ましい範囲である。
【0025】
グリコール中で加熱する式(I)のチタン化合物と式(II)のリン化合物との配合割合は、チタン原子を基準として、リン原子のモル比率として1.0〜3.0の範囲にあることが好ましく、さらに1.5〜2.5であることが好ましい。該範囲内にある場合には、リン化合物とチタン化合物とがほぼ完全に反応して未完全な反応物が存在しなくなるので、該反応生成物をそのまま使用しても得られるポリエステルの色相改善効果は良好であり、また、過剰な未反応のリン化合物もほとんど存在しないので、ポリエステル重合反応性を阻害することがなく生産性も高いものとなる。
【0026】
上記の触媒においては、前記式(I)(但し、k=1)のチタン化合物と、式(II)のリン化合物成分との反応生成物は、下記(IV)により表される化合物を含有するものが好ましい。
【0027】
【化6】
Figure 2004218157
【0028】
(ただし、式(IV)中のRおよびR基は、それぞれ独立に、前記チタン化合物のR、R、R、Rおよび前記リン化合物のRのいずれか1つ以上に由来する2〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または、6〜12個の炭素原子を有するアリール基である。)
式(IV)で表されるチタン化合物とリン化合物との反応生成物は、高い触媒活性を有しているので、これを用いて得られるポリエステルは、良好な色調(低いb値)を有し、実用上十分に低いアセトアルデヒド、残留金属および環状三量体の含有量を有し、かつ実用上十分なポリマー性能を有する。なお、該式(IV)で表される反応生成物は50質量%以上含まれていることが好ましく、70質量%以上含まれることがより好ましい。
【0029】
本発明においては、チタン化合物を予め下記一般式(III)で表される多価カルボン酸および/またはその酸無水物と反応モル比(2:1)〜(2:5)の範囲で反応させた後、リン化合物と反応させた反応生成物を用いることがより好ましい。
【0030】
【化7】
Figure 2004218157
【0031】
(ただし、mは2〜4の整数である。)
かかる多価カルボン酸およびその無水物としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物を好ましく、特にチタン化合物との反応性がよく、また得られる反応生成物とポリエステルとの親和性が高いことから、トリメリット酸無水物が好ましい。
【0032】
該チタン化合物と多価カルボン酸またはその無水物との反応は、前記多価カルボン酸またはその無水物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物を滴下し、0℃〜200℃の温度で少なくとも30分間、好ましくは30〜150℃の温度で40〜90分間行われる。この際の反応圧力には特に制限はなく、常圧で充分である。なお、このときの溶媒としては、多価カルボン酸またはその無水物の一部または全部を溶解し得るものから適宜選択すればよい。なかでも、エタノール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ベンゼン、キシレンなどが好ましく使用される。
【0033】
この反応におけるチタン化合物と式(III)の化合物またはその無水物とのモル比は適宜に選択することができるが、チタン化合物の割合が多すぎると、得られるポリエステルの色調が悪化したり軟化点が低下したりする傾向があり、逆にチタン化合物の量が少なすぎると重縮合反応が進みにくくなる傾向があるため、チタン化合物と多価カルボン酸化合物またはその無水物との反応モル比は、(2:1)〜(2:5)とすることが好ましい。
【0034】
この反応によって得られる反応生成物は、そのまま前述のリン化合物との反応に供してもよく、あるいはこれをアセトン、メチルアルコールおよび/または酢酸エチルなどで再結晶して精製した後にリン化合物と反応させてもよい。
【0035】
本発明において、上記反応生成物の存在下にポリエステルを重縮合するにあたっては、上記のようにして得た析出物を含むグリコール液は、析出物とグリコールとを分離することなくそのままポリエステル製造用触媒として用いてもよく、遠心沈降処理または濾過などの手段により析出物を分離した後、該析出物を再結晶剤、例えばアセトン、メチルアルコールおよび/または水などにより再結晶して精製した後、この精製物を該触媒として用いてもよい。なお、該触媒は、固体NMRおよびXMAの金属定量分析で、その構造を確認することができる。
【0036】
本発明において、ポリエステルポリマーを得るに当たっては、上記析出物は重縮合反応時に反応系内に存在していればよい。このため該析出物の添加は、原料スラリー調製工程、エステル化工程、液相重縮合工程等のいずれの工程で行ってもよい。また、触媒全量を一括添加しても、複数回に分けて添加してもよい。
【0037】
また、重縮合反応では、必要に応じてトリメチルホスフェートなどのリン安定剤をポリエステル製造における任意の段階で加えてもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、整色剤、消泡剤その他の添加剤などを配合してもよい。
【0038】
さらに、得られるポリエステルの色相の改善補助をするために、ポリエステルの製造段階において、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系等の有機青色顔料等、無機系以外の整色剤を添加することもできる。
【0039】
次に、前記の触媒を用いて、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、脂肪族グリコール(アルキレングリコール)又はそのエステル形成性誘導体とから芳香族ジカルボン酸のアルキレングリコールエステル及び/又はその低重合体を製造し、前記の触媒を用い、これを重縮合させてポリエステルを製造する方法について説明する。
【0040】
ポリエステルの出発原料となる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体を用いることができる。
【0041】
もう一方の出発原料となる脂肪族グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリコールを用いることができる。
【0042】
また、ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸など又はそのエステル形成性誘導体を原料として使用することができ、ジオール成分としても脂肪族ジオールとともに、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式グリコール、ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。
【0043】
さらに、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として使用することができる。
【0044】
上記の芳香族ジカルボン酸のアルキレングリコールエステル及び/又はその低重合体は、いかなる方法によって製造されたものであってもよいが、通常、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とアルキレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを加熱反応させることによって製造される。
【0045】
例えば、ポリエチレンテレフタレートの原料であるテレフタル酸のエチレングリコールエステル及び/又はその低重合体について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタル酸にエチレンオキサイドを付加反応させる方法が一般に採用される。
【0046】
なお、出発原料としてテレフタル酸及びテレフタル酸ジメチルを用いる場合には、ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られた回収テレフタル酸ジメチル又はこれを加水分解して得られる回収テレフタル酸を、ポリエステルを構成する全酸成分の質量を基準として70質量%以上使用したものであってもよい。この場合、前記アルキレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、特に回収されたPETボトル、回収された繊維製品、回収されたポリエステルフィルム製品、さらには、これら製品の製造工程において発生するポリマー屑などをポリエステル製造用原料源として用いることは、資源の有効活用の観点から好ましいことである。
【0047】
ここで、回収ポリアルキレンテレフタレートを解重合してテレフタル酸ジメチルを得る方法には特に制限はなく、従来公知の方法をいずれも採用することができる。例えば、回収ポリアルキレンテレフタレートを用いて解重合した後、解重合生成物を、低級アルコール、例えばメタノールによるエステル交換反応に供し、この反応混合物を精製してテレフタル酸の低級アルキルエステルを回収し、これをアルキレングリコールによるエステル交換反応に供し、得られたテレフタル酸/アルキレングリコールエステルを重縮合すればポリエステルを得ることができる。また、上記、回収された、テレフタル酸ジメチルからテレフタル酸を回収する方法にも特に制限はなく、従来方法をいずれを用いてもよい。例えばエステル交換反応により得られた反応混合物からテレフタル酸ジメチルを再結晶法及び/又は蒸留法により回収した後、高温高圧化で水とともに加熱して加水分解してテレフタル酸を回収することができる。この方法によって得られるテレフタル酸に含まれる不純物において、4−カルボキシベンズアルデヒド、パラトルイル酸、安息香酸及びヒドロキシテレフタル酸ジメチルの含有量が、合計で1ppm以下であることが好ましい。また、テレフタル酸モノメチルの含有量が、1〜5000ppmの範囲にあることが好ましい。上述の方法により回収されたテレフタル酸と、アルキレングリコールとを直接エステル化反応させ、得られたエステルを重縮合することによりポリエステルを製造することができる。
【0048】
次に、本発明における重縮合触媒の存在下に、上記で得られた芳香族ジカルボン酸のアルキレングリコールエステル及び/又はその低重合体を、減圧下で、かつポリエステルポリマーの融点以上分解点未満の温度(通常240℃〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応の脂肪族グリコール及び重縮合で発生する脂肪族グリコールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
【0049】
重縮合反応は、1槽で行ってもよく、複数の槽に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が2段階で行われる場合には、第1槽目の重縮合反応は、反応温度が245〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力が100〜1kPa、好ましくは50〜2kPaの条件下で行われ、最終第2槽での重縮合反応は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜290℃、反応圧力は通常10〜1000Paで、好ましくは30〜500Paの条件下で行われる。
【0050】
このようにして、本発明の触媒を用いてポリエステルを製造することができるが、この重縮合工程で得られるポリエステルは、通常、溶融状態で押し出しながら、冷却後、粒状(チップ状)のものとなす。
【0051】
得られたポリエステルの固有粘度は0.40〜0.80、好ましくは0.50〜0.70であることが望ましい。
【0052】
本発明のポリエステル糸は繊維軸方向に次のような太細斑分布を有していることが好ましい。すなわち、ノーマルテストで得られるスペクトログラフ上に、周期4〜10cmと周期50〜150cmにそれぞれピーク値(Pmax1、Pmax2)を有しており、かつそのピーク値比(Pmax1/Pmax2)が1.5〜4.0であることが好ましい。
【0053】
本発明でいうスペクトログラフとは、スイスのツエルベーガ社で開発されたウスタースペクトログラフのことであり、斑内容の迅速な分析を可能とするもので、特に斑のピッチを知るのに有用である(その詳細は繊維機械学会発行の「むらの理論と実際」第255頁〜第372頁に詳述されている)。測定条件はノーマルテストとし、測定速度は400m/分とした。
【0054】
上記のような斑糸と従来の斑糸のスペクトログラフの例を図1及び図2に示し、図をもって詳細に説明する。ここで図1は後記する本発明実施例1で得た斑糸のスペクトログタフであり、一方図2は従来の斑糸のスペクトログラフである。図1と図2とを比較すると、ピークの数に特徴的な差があることがわかる。つまり、本発明の斑糸は、斑の周期が50〜150cmの長い部分と4〜10cmの短い部分との2箇所に極大値が存在するように斑が分散しているので、従来の長周期領域に極大値が存在しない斑糸と比較してよりナチュラルなスパナイズ外観を呈することができ、好ましい。
【0055】
次に、本発明のポリエステル斑糸は、熱収縮応力が、80〜200℃の間で温度上昇とともに増大し、かつ80〜100℃において10cN/dtex以下であることが好ましく、より好ましくは8cN/dtex以下である。また、熱収縮率の標準偏差(σ)が、80〜200℃の間で温度上昇とともに増大し、かつ80〜100℃において0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4%以下である。
【0056】
通常、ポリエステル斑糸は撚糸後80〜100℃で撚り止めセットが行われる。80〜100℃における熱収縮応力および熱収縮率の標準偏差(σ)が、各々10cN/dtex以下および0.5%以下であるポリエステル斑糸は、80〜100℃の撚り止めセットにおいては、太繊度部と細繊度部の熱収縮斑の発現が少なく、撚り止めセット後も、単糸の乱れが起こることが無く安定したマルチフィラメント構造を維持しており、好ましい。このような乱れの無いマルチフィラメント構造は、以降の整経、製織工程で安定した工程通過性を示す。
【0057】
さらに、本発明のポリエステル斑糸の熱収縮応力平均および熱収縮率の標準偏差(σ)は、80〜200℃の範囲で温度上昇と共に大きくなる特性を有している場合は、製織後の精練、染色、仕上げ工程において、より高い温度で熱処理が行われると、太繊度部と細繊度部の熱収縮斑が強く発現し、布帛でスパナイズ外観とドライ感とが発現するようになり、より好ましい。
【0058】
また、より優れたドライ感を布帛で発現するために、布帛のアルカリ処理が行われる。この際、繊維表面又は繊維内部に、微細孔又は微細溝を形成させる微細孔形成剤をポリエステルに含有させれば、該孔又は溝の形状によって、ドライ感のみならず吸水性、天然絹様風合、鮮明性、等の各種効果を発現させることができるので好ましい。例えば、該微細孔形成剤として下記式(V)で表わされるスルホン酸金属塩を含有している場合には、ドライ感が向上して綿に類似した性能を得ることができる。
【0059】
【化8】
Figure 2004218157
【0060】
(ここで、M及びM′は金属であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛が好ましく、M及びM′は同一でも異なっていてもよい。Rは水素原子又はエステル形成性官能基であり、nは1又は2を示す。)
かかるスルホン酸金属塩は、例えば特公昭61−31231号公報にあげられているものが好ましく用いられ、具体的には3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム−5−カルボン酸ナトリウム、3−ヒドロキシエトキシカルボニルベンゼンスルホン酸ナトリウム−5−カルボン酸1/2マグネシウムをあげることができる。
【0061】
上記スルホン酸金属塩のポリエステルへの添加時期は、ポリエステルを溶融紡糸する以前の任意の段階でよく、例えばポリエステルの原料中に添加配合しても、ポリエステルの合成中に添加してもよい。また、上記化合物の添加量は、少ないと最終的に得られるポリエステル繊維の綿様風合が低下し、一方多いと紡糸時にトラブルを発生しやすくなるので、ポリエステル重量を基準として0.5〜2.5重量%、特に0.6〜1.2重量%の範囲が適当である。
【0062】
本発明の斑糸の見かけ単繊維繊度(太細を長さ方向に平均したもの)や糸条としての総繊度は特に限定されるものではないが、単繊維繊度としては1.5〜5.0dtex、総繊度としては40〜170dtexの範囲が適当である。
【0063】
斑糸の単繊維の横断面形状については特に限定する必要はないが、三角断面とするとよりドライ感やスパナイズ外観が向上するので好ましい。
【0064】
また、本発明の斑糸の熱水(100℃)収縮率は4〜10%、より好ましくは5〜8%であることが、精練、染色工程で布帛の収縮を制御する上で好ましい。
【0065】
本発明のポリエステル斑糸は例えば、次の方法で製造することができる。
すなわち、ペレット状となした前述のポリエステル(好ましくは微細孔形成剤を含有したポリエステル)を常法で乾燥し、スクリュウ押出機を備えた溶融紡糸設備に導入し、溶融混練し、紡糸口金から溶融吐出し、冷却固化した紡出糸条に油剤を付与し、ポリエステルのガラス転移点付近の温度に設定した予熱ローラーで紡糸引き取りしつつ延伸ローラーを介して低倍率で延伸し、半延伸糸として巻き取る(予熱ローラー引取速度:1500〜2500m/分、延伸倍率:1.1〜1.5、が望ましい条件)。
【0066】
本発明においては、紡糸油剤付着前の紡出糸条にかかる紡糸張力を0.1〜0.3cN/dtexの範囲とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.2cN/dtexの範囲である。かかる紡糸張力とすることにより、前述した好ましいスペクトログラフの形状を有する斑糸が得られる。なお、紡糸張力は、糸条を集束する位置(集束距離:紡糸口金面から集束装置までの距離)を変えることによって調整する。メタリングノズル式の給油集束装置は、油剤付与と集束を同時に行うことができるので、好ましく用いられる。
【0067】
次に、本発明においては、油剤付与後、3〜6個の空気噴射孔を有するインターレースノズルを用いて、ノズル圧空圧力を0.1〜0.3MPaの範囲に設定し、走行糸条に交絡を付与することが好ましい。これにより、前述した好ましい熱収縮応力、熱収縮率の標準偏差(σ)、スペクトログラフの形状が得られる。
【0068】
得られた半延伸糸は、更に、60〜90℃に加熱した予熱ローラーおよび170〜240℃に設定した非接触ヒーターを経て、1.1〜1.5倍の延伸倍率で延伸(延伸速度500〜1400m/min)し、20%以下、より好ましくは1〜10%のオーバーフィードを掛けながら接触式ヒーター160〜180℃にて熱セットし、ポリエステル斑糸として巻き取る。
【0069】
この時、オーバーフィード率を20%以下とすることにより、熱セット斑が起こりにくく、熱収縮応力および熱収縮率の標準偏差(σ)を温度上昇と共に増大させることができる。また、オーバーフィード率が1%以上とすることで、前述した好ましい熱収縮応力および熱収縮率の標準偏差(σ)とすることができる。
【0070】
かくして得られた本発明のポリエステル斑糸は、必要に応じて適度な撚りを施し撚り止めセットした後、ウォータージェットルーム等高速で製織することができる。得られた布帛は、必要に応じてアルカリ減量処理を施し、染色、仕上げされ優れたスパナイズ外観とドライ感とを備えたものとなる。
【0071】
なお、スパナイズ外観およびドライ感を意図した場合、複雑な組織に製織するのは好ましくなく、平織もしくはその変化組織、簡単な綾織もしくはその変化組織、サテン織等に製織するのが好ましい。また、布帛中に占める本発明の斑糸の割合は、必ずしも100%である必要はないが、その割合が多いほど好ましい。
【0072】
本発明の斑糸は、婦人紳士衣料用として、具体的にはブラウス、ジャケット、スーツ、パンツ等の一般衣料、ブラックフォーマル用衣料、トーブ、アバヤ等の民族衣装、ランジェリー、ファンデーション、肌着等のインナー衣料などの製品形態として使用されることが好ましい。
【0073】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
(2)スペクトログラフ(Pmax1、Pmax2)
スイスツエルベーガ社のウスタースペクトログラフにて、測定モード:ノーマルテスト、測定速度:400m/分でポリエステル糸のスペクトログラフを記録し、周期4〜10cmと周期50〜150cmとのピーク値を各々Pmax1およびPmax2とした。
(3)熱収縮応力
試料繊維をサンプリング治具を用いて5cmの輪をとし、熱応力測定器の上部と下部のフックに掛けて2.94mN×表示テックス(1/30gf×表示デニール)の初荷重を掛け、一定温度にて熱応力を測定した。測定は3回行い、その平均の値を使用した。測定温度は80℃、100℃、150℃、200℃とした。
(4)熱収縮率
東レエンジニアリング(株)熱収縮斑システムFTA−500を用い、試料繊維を糸速度5m/分でフィードローラーから供給し、走行糸条の張力が0.5gの定荷重(一定張力)となるようにドローローラー速度を制御し、該速度を2分間連続して測定し、一定温度に設定された長さ20cm加熱域中を通過させ、ドローローラーで引き取った。これらのローラーの速度差から試料繊維の収縮率を計算した。この測定を10回繰り返し、その標準偏差(σ)を計算した。測定温度は80℃、100℃、150℃、200℃とした。
(5)製織性
各実施例、比較例で得られたポリエステル斑糸に1000回/mのS撚を掛けた後、80℃で撚り止めセットを行い、該撚糸糸の経糸、緯糸使いとして、ウォータージェットルームで下記条件で製織を実施し、糸要因による停台回数(回/台・日)を調査した。
織組織: 幅1.3mの平織(経糸34本/cm、緯糸31本/cm)
緯糸打ち込み速度: 500rpm
(6)ドライ感、スパナイズ外観
上記(4)で製織した生機を、ボイルオフ(98℃、10sec)、リラックス(120℃、20min)、プレセット(190℃、60sec)、アルカリ減量(減量率15%)、染色(染料:カヤロンポリエステルネイビーブルー2GN−SF200(日本化薬社製))、130℃、20min)および仕上げ(170℃、60sec)処理を行い風合い評価用の織物を得た。該織物を検査員が目視および触感にてスパナイズ外観およびドライ感を下記基準で格付けした。
(スパナイズ外観)
レベル1: 適度に分散し、ナチュラルなカスリ状の濃淡筋が認められる。
レベル2: カスリ状の濃淡筋の分散にやや偏りがあるが、全体として満足できるカスリ状濃淡筋となっている。
レベル3: 一面に短すぎる濃淡筋あるいは長すぎる濃淡筋が認められる。あるいは明瞭な濃淡筋が認められない。
(ドライ観)
レベル1: 綿布帛に似たサラットした手触りが感じられる。
レベル2: サラットした感覚がやや弱く感じられる。
レベル3: プラスチックライクなプレーンな感触である。
(7)熱水(100℃)収縮率
JIS L1013にしたがって測定した。
(8)毛羽数(個/10m)
パッケージ巻き(あるいはパーン巻き)としたポリエステル複合繊維250個を、毛羽検出装置付きの整経機に掛けて、400m/min.の速度で、42時間整経引き取りした。整経機が停止するごとに、目視で毛羽の有無を確認し、確認された毛羽の全個数を繊維糸条長10m当たりに換算し、毛羽数とした。
【0074】
[実施例1]
チタン化合物の調製:
内容物を混合撹拌できる機能を備え付けた2Lの三口フラスコを準備し、その中にエチレングリコール919gと酢酸10gを入れて混合撹拌した中に、チタンテトラブトキシド71gをゆっくり徐々に添加し、チタン化合物のエチレングリコール溶液(透明)を得た。以下、この溶液を「TB溶液」と略記する。本溶液のチタン原子濃度は1.02%であった。
リン化合物の調製:
内容物を加熱し、混合撹拌できる機能を備え付けた2Lの三口フラスコを準備し、その中にエチレングリコール656gを入れて撹拌しながら100℃まで加熱した。その温度に達した時点で、モノラウリルホスフェートを34.5g添加し、加熱混合撹拌して溶解し、透明な溶液を得た。以下、この溶液を「P1溶液」と略記する。
触媒の調製:
引き続き、100℃に加熱コントロールした上記のP1溶液(約690g)の撹拌状態の中に、先に準備したTB溶液310gをゆっくり徐々に添加し、全量を添加した後、100℃の温度で1時間撹拌保持し、チタン化合物とリン化合物との反応を完結させた。この時のTB溶液とP1溶液との配合量比は、チタン原子を基準として、リン原子のモル比率が2.0に調整されたものとなっていた。この反応によって得られた生成物は、エチレングリコールに不溶であったため、白濁状態で微細な析出物として存在した。以下、この溶液を「TP1−2.0触媒」と略記する。
【0075】
得られた反応析出物を分析する為、一部の反応溶液を目開き5μのフィルターでろ過し、その析出反応物を固体として採取した後、水洗、乾燥した。得られた析出反応物をXMA分析法で、元素濃度の分析を行った結果、チタン12.0%,リン16.4%であり、チタン原子を基準として、リン原子のモル比率は、2.1であった。さらに、固体NMR分析を行ったところ、次のような結果を得た。C−13 CP/MAS(周波数75.5Hz)測定法で、チタンテトラブトキシドのブトキシド由来のケミカルシフト14ppm、20ppm、36ppmピークの消失が認められ、また、P−31 DD/MAS(周波数121.5Hz)測定法で、従来モノラウリルホスフェートでは存在しない新たなケミカルシフトピーク−22ppmを確認した。これらより、本条件で得られた析出物は、明らかにチタン化合物とリン化合物とが反応して新たな化合物となっていることを示す。
【0076】
さらに、予め225部のオリゴマーが滞留する反応器内に、撹拌下、窒素雰囲気で255℃、常圧下に維持された条件下に、179部の高純度テレフタル酸と95部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを一定速度供給し、反応で発生する水とエチレングリコールを系外に留去ながら、エステル化反応を4時間し反応を完結させた。この時のエステル化率は、98%以上で、生成されたオリゴマーの重合度は、約5〜7であった。
【0077】
このエステル化反応で得られたオリゴマー225部を重縮合反応槽に移し、3−ヒドロキシエトキシカルボニル・ベンゼンスルホン酸ナトリウム−5−カルボン酸1/2マグネシウムの25%エチレングリコール溶液8.9部、重縮合触媒として、上記で作成した「TP1−2.0触媒」を3.34部投入した。引き続き系内の反応温度を255から280℃、また、反応圧力を大気圧から60Paにそれぞれ段階的に上昇及び減圧し、反応で発生する水,エチレングリコールを系外に除去しながら重縮合反応を行った。
【0078】
重縮合反応の進行度合いを、系内の撹拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所望の重合度に達した時点で、反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押し出し、冷却、カッティングして、固有粘度0.64の、約3mm程度の粒状ペレットを得た。
【0079】
得られたペレットを常法にしたがい乾燥して紡糸口金から溶融吐出し、該吐出糸条を冷却固化させた後に、紡糸張力が0.13cN/dtexとなるようにメタリングノズル位置で集束距離を調整し、該メタリングノズルで油剤を付与し、0.15MPaで圧空が噴射している噴射孔が3個のインターレースノズルを通し、60℃に設定した回転ローラーで2250m/分の速度で引取り、3030m/分の速度で半延伸し(延伸倍率1.35)巻き取った。得られた半延伸糸を、予熱ローラー温度70℃、熱セットヒーター(非接触式)温度200℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度800m/分で延伸した後、2%のオーバーフィードをかけつつ、175℃に設定した熱セットヒーター(接触式)で熱セットして巻き取り、表1に示す物性のポリエステル斑糸(120デシテックス/36フィラメント)を得た。
【0080】
【表1】
Figure 2004218157
【0081】
得られたポリエステル斑糸を前述の方法で製織およびスパナイズ外観、ドライ感の評価を実施した。表2から明らかな如く、製織工程では極めて安定した通過性に示し、布帛は優れたスパナイズ外観およびドライ感を呈していた。
【0082】
【表2】
Figure 2004218157
【0083】
本例においては、紡糸口金吐出孔周辺に異物の蓄積が認められず、ポリマー吐出状態は長期間にわたり安定であり、得られたポリエステル繊維は、毛羽が少なく、後加工での取扱いに優れるものであった。また、染色した布帛(上記(4)のドライ感、スパナイズ感で評価した布帛)は色調に優れ、鮮明な濃淡差を有していた。
【0084】
[実施例2]
ノズル圧空圧力を0.15MPaから0.3MPaに変更した以外は、実施例1と同じ方法、条件で紡糸、延伸を行い、ポリエステル斑糸を得た。表1に各々の物性を示す。得られたポリエステル斑糸を前述の方法で製織し、ドライ感およびスパナイズ外観の評価を実施し、表2に示す結果を得た。また、染色した布帛は色調に優れ、鮮明な濃淡差を有していた。
【0085】
[比較例1]
3酸化アンチモン(Sb)を重合触媒として、固有粘度0.64のポリエステルを得た。このポリエステルを実施例1と同じ方法、条件で紡糸、延伸を行い、ポリエステル斑糸を得た。表1に各々の物性を示す。得られたポリエステル斑糸を前述の方法で製織し、ドライ感およびスパナイズ外観の評価を実施し、表2に示す結果を得た。
【0086】
本例においては、紡糸時間の経過にともなう紡糸口金吐出孔周辺異物の成長により、吐出糸条の屈曲、ピクツキおよび旋回が認められた。得られたポリエステル繊維は、毛羽が1.0個/10mと多く、衣料用として使用できる品質を有していなかった。また、染色した布帛は、実施例1と比較して、色調が若干劣り、濃淡差の鮮明性はやや悪かった。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、毛羽が少なく、高い製織性を有するポリエステル斑糸を提供することができる。また、本発明の斑糸からは、色調に優れ、鮮明な濃淡差を有する布帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル斑糸のスペクトログラフの1例を示す図。
【図2】従来のポリエステル斑糸のスペクトログラフの1例を示す図。

Claims (6)

  1. 延伸工程において、長さ方向に太繊度部と細繊度部とが形成された単繊維からなる糸であって、該糸が、下記式(I)で表されるチタン化合物と下記式(II)で表されるリン化合物との反応生成物からなる触媒の存在下に重縮合して得られるポリエステルからなることを特徴とするポリエステル斑糸。
    Figure 2004218157
    (R、R、R、Rは、それぞれ同一もしくは異なって、アルキル基またはフェニル基であり、kは1〜4の整数である。なお、kが2〜4の場合には、複数のRおよびRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2004218157
    (Rは、炭素原子数1〜20個のアルキル基または炭素原子数6〜20個のアリール基であり、nは1または2である。)
  2. チタン化合物とリン化合物との配合割合が、チタン原子を基準として、リン原子のモル比率として1.0〜3.0の範囲にある、請求項1記載のポリエステル斑糸。
  3. ポリエステルが、チタン化合物を予め下記一般式(III)で表される多価カルボン酸および/またはその酸無水物と反応モル比(2:1)〜(2:5)の範囲で反応させた後にリン化合物と反応させた反応生成物を触媒として重縮合して得られるポリエステルである、請求項1または2に記載のポリエステル斑糸。
    Figure 2004218157
    (但し、mは2〜4の整数である。)
  4. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル斑糸。
  5. ポリエステル斑糸が、ノーマルテストで得られるスペクトログラフ上に、周期4〜10cmと周期50〜150cmにそれぞれピーク値(Pmax1、Pmax2)を有しており、かつそのピーク値比(Pmax1/Pmax2)が1.5〜4.0である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル斑糸。
  6. ポリエステル斑糸の熱収縮応力および熱収縮率の標準偏差(σ)が、80〜200℃の間で温度上昇とともに増大し、かつ80〜100℃において各々10cN/dtex以下および0.5%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル斑糸。
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JP2008133407A (ja) * 2006-10-31 2008-06-12 Dic Corp ポリエステル樹脂の製造方法
JP2011144475A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Teijin Fibers Ltd 細繊度ポリエステル斑糸

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