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JP2004292270A - 耐食性部材及びその製造方法 - Google Patents

耐食性部材及びその製造方法 Download PDF

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JP2004292270A JP2003089419A JP2003089419A JP2004292270A JP 2004292270 A JP2004292270 A JP 2004292270A JP 2003089419 A JP2003089419 A JP 2003089419A JP 2003089419 A JP2003089419 A JP 2003089419A JP 2004292270 A JP2004292270 A JP 2004292270A
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Toshiyuki Hamada
敏幸 濱田
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】Y焼結体は焼成温度が高いために、温度制御が困難な大量生産に用いられる大容量の大型焼成炉では十分緻密化させることが困難であった。
【解決手段】Yが99.0質量%以上、Tiが酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満、不可避不純物としてSiOが300ppm以下、Feが100ppm以下、アルカリ金属酸化物が100ppmのY焼結体から成り、誘電損失が10MHz〜5GHzのマイクロ波において2×10−4以下Y焼結体とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はY焼結体並びにその製造方法に関し、更にはそのY焼結体を用いた半導体・液晶製造装置の内壁材(チャンバー)、マイクロ波導入窓、シャワーヘッド、フォーカスリング、シールドリング等をはじめとする半導体・液晶製造装置(エッチャーやCVD等)の中でも特に腐食性ガスまたはそのプラズマに対して高い耐食性を求められる耐食性部材に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造におけるドライエッチングプロセスや成膜プロセスなどの各プロセスにおいて、プラズマを利用した技術が盛んに使用されている。半導体の製造時におけるプラズマプロセスでは、特にエッチング、クリーニング用として、反応性の高いフッ素系、塩素系等のハロゲン系腐食性ガスが多用されている。これら腐食性ガス及びプラズマに接触する部分には、高い耐食性が要求される。
【0003】
被処理物以外でこれらの腐食性ガス及びプラズマに接触する部材は、一般に石英ガラスやステンレス、アルミニウム等の耐食性金属が利用されていた。
【0004】
また、セラミックス部材としては、アルミナ焼結体や窒化アルミニウム焼結体、及びこれらセラミックス焼結体に炭化珪素等のセラミック膜を被覆したもの等が使用されていた。
【0005】
更に、最近では上述の部材にかわりイットリウム・アルミニウム・ガーネット(以下YAGと記載)焼結体やY焼結体が耐食性が優れるとして使用されていた。
【0006】
特に、上記Y焼結体は耐食性が優れるとして、最近これらの焼結体をハロゲン系腐食性ガス及びそのプラズマに接触する部材として用いている。
【0007】
その例として、特許文献1では、ハロゲンガスプラズマにより基板を処理する装置に用いられる基板処理用部材に相対密度94%以上、純度99.5%以上のYで構成された低金属汚染の基板処理用部材が示されていた。
【0008】
また、特許文献2では腐食性ガス下でプラズマに曝される少なくとも表面領域をY系焼結体で構成した耐食性部材が示されていた。
【0009】
【特許文献1】
特開2001―179080号公報
【特許文献2】
特願2001−203256号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1、2の記載にもあるように、Y焼結体は難焼結性であり、十分に緻密化させるには原料粒径の微細化と非常に高い焼結温度が必要とされる。よって、原料粒径の微細化のために長時間を要し、原料製造のために非常にコストがかかるという問題があった。
【0011】
また、Yはその焼結性が低いため、Y単体で焼結体を得ようとすると、焼結温度を1700〜1800℃の高温としなければならず、一般によく使用されている焼成炉の使用温度限界ぎりぎりで焼成しなければならない。よって、焼成の際に焼成炉内を1700〜1800℃の高温度域で安定させることが難しく、焼成を繰り返すうちに1700〜1800℃までの昇温過程やキープ温度にバラツキが生じてしまう。この焼成温度のバラツキがY焼結体の密度に大きく影響し、しかも焼成炉の容量が大きく、Y焼結体の投入量が多い程上記バラツキが大きく、場合によっては必要とする密度が得られないという問題があった。
【0012】
よって、従来技術で示した特許文献1、2では相対密度で95%未満の焼結体しか得られず、相対密度が95%未満であると、その焼結体中には気孔が多く存在しており、より緻密化させたものを得ることができなかった。このため、上述したようにY元素自体はハロゲン系腐食性ガスとの反応生成物の融点が高いために、ハロゲン系腐食性ガスやプラズマに対する耐食性が高いものの、その耐食性を生かそうとしてY焼結体とすると緻密化が困難であるために耐食性が低下するという状況であった。
【0013】
また、Y焼結体を用いた製品量産の際に、焼成の繰り返しにより焼成炉の炉壁や焼成炉に用いられる金属製部品には、著しい酸化や熱サイクルによる構造的に弱い部分への応力集中等が発生し易く、劣化が激しい。そのため、部品寿命が短く、メンテナンスや部品交換等に時間や経費を費やさなければならず、製造コストが高くなるという問題も発生していた。
【0014】
また一方では、半導体製造装置ではプラズマを発生させるため、高周波やマイクロ波を印可することが行われているが、従来から耐食性部材として使用されているアルミナ焼結体は高周波及びマイクロ波の吸収が多いために発熱し、エネルギーロスによりプラズマの発生効率が低下するとともに、アルミナ焼結体が部分的に加熱、膨張してクラックが発生するといった問題もあった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑み、Yが99.0質量%以上、Tiが酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満、不可避不純物としてSiOが300ppm以下、Feが100ppm以下、アルカリ金属酸化物が100ppmのY焼結体から成り、誘電損失が、10MHz〜5GHzのマイクロ波において2×10−4以下であることを特徴とする。
【0016】
前記Y焼結体の比重が4.80g/cm以上、平均結晶粒径が2μm以上であることを特徴とする。
【0017】
また、前記耐食性部材の製造方法において、平均粒径が2μm以下の原料粉末により成形された成形体を、1600〜1700℃の温度で焼成してY焼結体を得ることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細を説明する。
【0019】
本発明の耐食性部材は、ハロゲン系腐食性ガス或いはそのプラズマに対して高い耐食性が要求される半導体製造装置に使用される耐プラズマ部材として好適に使用されるものである。
【0020】
上記ハロゲン系腐食性ガスとしては、SF、CF、CHF、ClF、NF、C、HF等のフッ素系、Cl、HCl、BCl、CCl等の塩素系ガス、或いはBr、HBr、BBr等の臭素系ガスなどがあり、これらの腐食性ガスが使用される1〜10Paの圧力雰囲気下でマイクロ波や高周波が導入されると、これらのガスがプラズマ化され半導体製造装置用の各部材に接触することとなる。また、よりエッチング効果を高めるために上記のような腐食性ガスとともに、Ar等の不活性ガスを導入してプラズマを発生させることもある。
【0021】
本発明は上記のような、腐食性ガスやそのプラズマに曝される部材としてYが99.0質量%以上、Tiが酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満、不可避不純物としてSiOが300ppm以下、Feが100ppm以下、アルカリ金属酸化物が100ppm以下のY焼結体を用いる。
【0022】
ここで上記Y焼結体は、Yとフッ素系ガスが反応すると、主にYFを生成し、また塩素系ガスと反応するとYClを生成するが、これらの反応生成物の融点(YF:1152℃、YCl:680℃)は、従来から用いられていた石英や酸化アルミニウム焼結体との反応により生成される反応生成物の融点(SiF:−90℃、SiCl:−70℃、AlF:1040℃、AlCl:178℃)より高いために腐食性ガスやプラズマに高温で曝されたとしても安定した耐食性を備えている。
【0023】
本発明では上記Y焼結体にTiを所定量添加することにより、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対する十分な耐食性を得ることができ、なおかつ従来のより好適とされた焼成温度(特許文献1、2)よりも低い温度域にて、十分な耐食性の得られる焼結体の密度が得られることを見出したものである。
【0024】
ここで、上記Tiの添加量としては、酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満とするのが良い。Tiを添加するのは、TiはY焼結体の焼結温度よりも低い温度で焼結体中に液相を形成し、元素が拡散しやすい状態を作るため、通常Y焼結体が十分に緻密化する温度よりも低温での緻密化が可能となるからである。
【0025】
また、上記Tiの添加量を酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満としたのは、添加量が0.01質量%未満であると、従来よりも低温で緻密化することができないからであり、1質量%以上であると、Tiを添加していないY焼結体と比較してハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対する耐食性が低下してしまうためである。
【0026】
なお、Tiを添加する場合は、酸化チタンの形で添加すればよいが、その他にチタン酸カルシウムやチタン酸バリウム等、Y元素と反応性の低い元素を含むTi化合物であればどのようなものでも添加可能である。
【0027】
また、上記Y焼結体中の不可避不純物の含有量としては、SiOが300ppm以下、Feが100ppm以下、その他アルカリ金属酸化物が100ppm以下とすることが好ましい。
【0028】
ここで、上記不可避不純物の含有量を上記範囲としたのは、不可避不純物を上記範囲より多く含有すると、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対する耐食性が低下するためである。
【0029】
具体的にはSiOはYと反応して主にYSi(ダイシリケート)を生成し、FeはYと反応してYFeOやYFe12等の化合物を形成する。そしてそれらYとの化合物がハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して耐食性が低いために、それらの化合物が含まれるとY焼結体の耐食性も低下してしまう。また、その他アルカリ金属酸化物も上記SiOやFeの場合と同様に、Y焼結体中にそのままの形で存在するか、Yと化合物を形成した形で存在し、それらがハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対し耐食性が低いため、それらを含有するY焼結体としての耐食性も低下する。
【0030】
一方、本発明のY焼結体は、従来のアルミナや石英、YAGと比較して誘電損失が10MHz〜5GHzにおいて、2×10−4以下と低いことも特徴である。このため、半導体製造装置内で発生する高周波及びマイクロ波の吸収を抑えることができ、無駄な発熱がなく、プラズマの発生効率に影響するエネルギーのロスを抑えることができる。更には、焼結体そのものが部分的に加熱、膨張してクラックが発生したりすることがない。
【0031】
従って、半導体製造装置用の各種部材として本発明のTiを添加させたY焼結体を用いることにより、従来よりも高い耐食性を示し、プラズマの発生効率を低下させる発熱もなく、製造コストの安い耐食性部材を提供することが可能となる。
【0032】
なお、上記Y焼結体の誘電損失は、高周波領域(10〜1000MHz)におけるY焼結体の誘電損失(tanδ)を高周波電流電圧法で測定した時の値が、2×10−4以下で、かつマイクロ波領域(1〜5GHz)におけるY焼結体の誘電損失(tanδ)を空洞共振器法で測定した時の値も2×10−4以下である。
【0033】
さらに、上記Y焼結体は比重が4.80g/cm以上、平均結晶粒径が2μm以上であることが好ましい。
【0034】
ここで、上記比重が4.80g/cm以上としたのは、4.80g/cmより低い場合には、焼結体中に多数の気孔が存在し、この影響により焼結体表面には多数の凹凸が存在するため、焼結体表面のハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに曝される表面積が多くなり、耐食性が低下するからである。
【0035】
また、上記平均結晶粒径を2μm以上としたのは、2μmより小さい場合には、焼結体中に誘電損失を大きくする粒界層が多数存在するからであり、平均結晶粒径を2μm以上としてなるべく粒界層を少なくすることが、Y焼結体を低誘電損失とするためには好適である。
【0036】
次に本発明のY焼結体の製造方法を以下に示す。
【0037】
まず、粉砕用のミルにイオン交換水を溶媒として平均粒径2μm以下のイットリア粉末と酸化チタン粉末を0.01以上1質量%未満投入して湿式粉砕した後、有機バインダーを添加してスラリーを作製する。
【0038】
ここで、上記イットリア粉末の粒径を2μm以下としたのは、2μmより大きな粒径とすると、焼結性が悪くなり焼結体としたときに緻密化できなくなるからである。
【0039】
また、上記スラリー作製に使用する粉砕用ミルには例えばボールミルを用いることが可能である。このボールミルのメディアには、メディアの摩耗を抑え、該スラリーにメディアの摩耗粉が不純物として混入するのを防止するためには高純度のZrOボールを用いることが有効である。粉砕時間としては120〜540時間が好適である。
【0040】
更に、粉砕用ミルとしてはビーズミルを使用することもできる。ビーズミルのメディアとしては、ボールミルと同様に高純度のZrOビーズを用いることがより細かい粉砕粒度を得る点においても好適である。粉砕時間としては60〜360時間粉砕すれば所望の粒度は得られるが、粉砕時間を長時間とするほどより細かい粒度とすることができる。
【0041】
更に、上記有機バインダーとしては、パラフィンワックス、ワックスエマルジョン(ワックス+乳化剤)、PVA(ポリビニールアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、PEO(ポリエチレンオキサイド)等の使用が有効である。
【0042】
また、上記溶媒についてはイオン交換水のみならず、有機溶媒等も使用できる。
【0043】
そして、スラリー作製後、前記スラリーをスプレードライ装置にて造粒し、それを用いて金型プレス成形等の成形方法により所定形状に成形する。
【0044】
ここで、上記成形は目的とする部材の形状に合わせてその方法を選択すればよく、具体的には金型プレス成形、静水圧プレス成形等の乾式成形方法や鋳込み成形、押出成形、射出成形、テープ成形等の湿式成形方法等による成形が可能である。
【0045】
そして上記のようにして成形した成形体を必要に応じて400〜600℃の温度で脱脂して、成形体中の有機バインダーを分解除去した後、大気雰囲気または酸素雰囲気中にて1600〜1700℃で焼成する。
【0046】
ここで、上記焼成温度は1600〜1700でも十分にY焼結体を緻密化することが可能であり、従来Y焼結体を焼成する際に必要であった1700〜1800℃という焼成温度域よりも低い温度域で焼成することが可能となる。これにより、焼成炉の温度制御をし易くなるばかりか、焼成炉の限界使用温度に対して低い温度域で焼成を行えるために、焼成炉の炉壁や、周辺の金属製部品等の寿命を長くし、製造コストを抑えることができる。
【0047】
また、上記酸素雰囲気中で焼成する際には、酸素濃度50体積%以上、より好ましくは80体積%以上が焼結体をより高密度化させるためには望ましい。
【0048】
なお、上記酸素雰囲気中での焼成は大気雰囲気中よりも焼結体をより緻密化させることが可能である。一般に焼結体を高密度化させるためには、焼結過程において気孔内に取り込まれた雰囲気ガスが外部に排除されることが必要であり、大気雰囲気中での焼成の場合、気孔内に取り込まれる雰囲気ガスは空気即ち酸素と窒素ガスであるのに対し、酸素雰囲気焼成では酸素ガスのみとなる。本発明の焼結体は酸化物セラミックスであるため、結晶粒界での元素の拡散速度は、窒素に比べ酸素の方が拡散し易い。そのため、酸素雰囲気中で焼成することにより、焼結体の密度向上を図ることが可能となる。
【0049】
次に本発明の耐食性部材を用いたエッチング装置を図1に示す。
図1中、1はチャンバーを、2はクランプリングまたはフォーカスリングを、3は下部電極を、4はウェハーを、5は誘導コイルを示す。
本装置では、チャンバー1の中にハロゲン系腐食性ガスを注入し、周りに巻かれている誘導コイル5に高周波電力を印可して、ガスをプラズマ化する。また、下部電極3にも高周波電力を与え、バイアスを発生させ、クランプリング2で固定されたウェハー4に所望のエッチング加工を行う。
【0050】
本装置にて発生したプラズマはチャンバー1や、ウェハー4を固定しているクランプリング2に接触するために、これらの部品は特に腐食を受けやすい。そこでチャンバー1やクランプリング2を本発明の耐食性セラミック部材で形成することによって、優れた耐食性を示し、また熱衝撃による割れ等も防止することが可能となる。
【0051】
また、本発明は上記チャンバーおよびクランプリング、マイクロ波導入窓、ノズル、シャワーヘッド、フォーカスリング、シールドリング等をはじめとする半導体・液晶製造装置(エッチャーやCVD等)の中でも特に腐食性ガスまたはそのプラズマに対して高い耐食性を求められる部材に適用できるものである。
【0052】
【実施例】
本発明の実施例について以下に詳細を示す。
【0053】
に添加するTi量を表1に示すような範囲で振って添加し、φ50mm、厚さ30mmのY焼結体を作製し、耐食性を評価する試験を実施した。
【0054】
まず、ビーズミルにイオン交換水を溶媒として平均粒径2μm以下のイットリア粉末と酸化チタン粉末を投入してZrOビーズにて360時間湿式粉砕した後、PVAを有機バインダーとして添加してスラリーを作製した。
【0055】
その後、上記スラリーをスプレードライ装置にて造粒して造粒粉体を得て、該造粒粉体を金型プレス成形にて成形した。
【0056】
そして、上記成形体を大気雰囲気中にて1650℃で焼成して、本発明のY焼結体を得た。
【0057】
なお、比較例としてTi添加量が本発明範囲外のものも、上記と同様の製造工程にて製造した。
【0058】
また、Y焼結体中の不可避不純物量としては、SiOが300ppm、Feが100ppm、その他のアルカリ金属酸化物が100ppmとして試験を実施している。
【0059】
次に、上記のようにして作製したY焼結体の耐食性について評価した。試験は試料の一表面にラップ加工を施して鏡面とし、この試料をRIE(Reactive Ion Etching)装置にセットしてClガス雰囲気下でプラズマ中に3時間曝し、その前後の重量減少量から1分間当たりのエッチングレートを算出し、基準試料として用意したアルミナ質焼結体(アルミナ含有量99.5重量%)のエッチングレートを1としたときの相対比較値として求め、この相対比較値が0.5未満のものを優れたものとした。
【0060】
なお、各試料は2ヶずつ作製しており、そのうちの一つを耐食性評価に、もう一方を誘電損失の測定に使用した。誘電損失は、10〜1000MHzの高周波領域は高周波電流電圧法を用い、1〜5GHzのマイクロ波領域は空洞共振器法を用いてそれぞれの誘電損失を測定し、10MHz〜5GHzにおける誘電損失(δ)が2×10 以下であったものを優れたものとしている。また、誘電損失の数値はそれぞれの測定範囲の中で最大値を採用した。
【0061】
結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 2004292270
【0063】
本発明の範囲外であるTi添加していない試料No.1については、1650℃の焼成温度では十分緻密化しないために、耐食性が悪く、誘電損失も高い値を示している。
【0064】
また、試料No.9、10については、Ti添加により、焼結体は十分に緻密化しているものの、Ti添加量が多いために耐食性が悪くなっている。このことから、Ti添加量を1質量%以上添加すると、耐食性部材としては好適ではないと分かる。
【0065】
これらと比較して、本発明の試料No.3〜8のものは、Yとして1650℃と比較的低い焼成温度でも十分に緻密化されており、耐食性もエッチングレート比で0.5以下の値を示し良好であることが分かる。
【0066】
また、誘電損失についても2×10−4以下の値を示しており、これを図1に示す半導体製造装置内のクランプリングまたはフォーカスリング2のような耐食性部材として用いた場合にも、発熱等が少なく、プラズマの発生効率への影響が少ないことが分かる。
【0067】
更には、上記表1において特に耐食性が良好であった本発明の試料No.4について、不可避不純物の量を本発明範囲外として上記と同様の製法、形状で試料を作製し耐食性を評価した。
【0068】
具体的には、SiOを400ppm、Feを200ppm、その他のアルカリ金属酸化物を200ppm含有している。
【0069】
その耐食性試験の結果、エッチングレートは0.85Å/minとなり、本発明範囲内の試料と比較して耐食性に劣っていた。
【0070】
よって、Y焼結体中の不可避不純物量としては、本発明範囲内とすることが好適であることが分かる。
【0071】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、Yが99.0質量%以上、Tiが酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満、不可避不純物としてSiOが300ppm以下、Feが100ppm以下、アルカリ金属酸化物が100ppmのY焼結体の誘電損失が、10MHz〜5GHzのマイクロ波において2×10−4以下とすることにより、従来よりも低温でY焼結体を焼成することが可能となり、温度制御が困難な大容量の焼成炉においても十分に緻密化させたY焼結体の製造が可能となる。
【0072】
また、不可避不純物の含有量を上記範囲内とすることにより、ハロゲン系ガスやそのプラズマに曝される部位に使用される耐食性部材として十分な耐食性が得られる。
【0073】
更には、誘電損失を上記範囲内とすることにより、マイクロ波を吸収しにくく、発熱しにくい耐食性部材とすることが可能であるために、半導体製造装置等におけるプラズマの発生効率を高めることができる。
【0074】
また、Y焼結体の比重を4.80g/cm以上とすることにより、ハロゲン系ガスやそのプラズマに対して十分な耐食性とでき、更には平均結晶粒径が2μm以上とすることにより、誘電損失を上昇させるY焼結体中の粒界層の数を少なくすることができるために、より低誘電損失なY焼結体とすることができる。
【0075】
また、上記耐食性部材に用いられるY焼結体の原料粉末を平均粒径2μm以下として成形体を作製することにより、Y焼結体の焼結性を良好とし、該成形体を従来よりも低温の1600〜1700℃の温度で焼成することにより、焼成炉の温度制御をし易くなるばかりか、焼成炉の限界使用温度に対して低い温度域で焼成を行えるために、焼成炉の炉壁や、周辺の金属製部品等の寿命を長くし、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のY焼結体を用いた耐食性部材の応用例であるエッチング装置の概略図である。
【符号の説明】
1:チャンバー
2:クランプリングまたはフォーカスリング
3:下部電極
4:ウェハー
5:誘導コイル

Claims (3)

  1. が99.0質量%以上、Tiが酸化物換算で0.01質量%以上1質量%未満、不可避不純物としてSiOが300ppm以下、Feが100ppm以下、アルカリ金属酸化物が100ppmのY焼結体からなり、誘電損失が10MHz〜5GHzのマイクロ波において2×10−4以下であることを特徴とする耐食性部材。
  2. 前記Y焼結体の比重が4.80g/cm以上、平均結晶粒径が2μm以上であることを特徴とする請求項1記載の耐食性部材。
  3. 請求項1記載の耐食性部材の製造方法において、平均粒径が2μm以下の原料粉末により成形された成形体を、1600〜1700℃の温度で焼成してY焼結体を得ることを特徴とする耐食性部材の製造方法。
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