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JP2004273060A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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JP2004273060A
JP2004273060A JP2003064974A JP2003064974A JP2004273060A JP 2004273060 A JP2004273060 A JP 2004273060A JP 2003064974 A JP2003064974 A JP 2003064974A JP 2003064974 A JP2003064974 A JP 2003064974A JP 2004273060 A JP2004273060 A JP 2004273060A
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Abstract

【課題】漏れ磁界が隣接トラック上のデータを少しずつ消去してゆく状況が発生しても、それを補償して磁気ディスク装置としてデータエラーが発生しないようにすること。
【解決手段】磁気ディスクと、磁気ヘッドと、データのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、データを磁気ディスク上のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、或るトラック上にデータをライトしたライト回数を求め、ライト回数が規定回数に達したことを検知し、検知に基づいて或るトラックの隣接トラックのデータを一旦読み出して隣接トラックにデータを再ライトすること。また、トラックへデータをライトする場合に、物理的なトラックの1本おきにスキップしてライトし、全トラックの半数トラックをライトした後に前記スキップしたトラックにライトすること。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置において、或るトラック上のデータを繰り返しライトすることによって発生する隣接トラックデータの消去によるデータ消失を防ぐ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置はコンピュータ分野のみでなくビデオに代わるハードディスクレコーダーなどへの利用も広まっており、ランダムアクセスの可能な大容量の記憶装置として記憶容量の大容量化への要求はますます高まっている。
【0003】
図2に一般的な磁気ディスク装置の機構部を示す。ガラスなどの非磁性円板上に磁性層を積層した磁気ディスク201と、その磁気ディスクにデータをライトするためのライトヘッドおよび磁気ディスクからデータをリードするためのリードヘッドを持つ。ライトヘッドとリードヘッドは通常一体化した磁気ヘッド構造202をしている。磁気ディスク201は一本のスピンドル203に取り付けられており、ヘッド202は磁気ディスク面の数だけアーム204に取り付けられた状態で配置される。アーム204はVCM(ボイスコイルモータ)205によりディスク面へ可動できる構造をしている。
【0004】
磁気ディスク装置では、データのライト・リードはディスク上に同心円状に位置するエリアで行なわれ、この同心円のことをトラックと呼ぶ。図3は磁気ディスク301上にトラック302が配置されている様子を示している。トラック302は、通常等間隔なトラックピッチ303の間隔で位置し、ヘッドを位置決めする際に必要となる情報が書かれたサーボエリアとユーザがライト・リードすることのできるデータエリアからなる。さらにデータエリアはセクタと呼ばれるアクセス最小単位に分割できる。
【0005】
図4に磁気ディスク装置のデータライト・リードに必要な基本的構成要素を示す。データライト時には、ホストコンピュータ401からデータがハードディスクコントローラ(HDC)402に送られる。HDC402はライトするアドレス即ちヘッド、トラック、セクタ番号を決定し、指定されたセクタ位置にライトヘッド407を移動するようサーボコントローラ404に命令を出す。サーボコントローラ404はR/Wアンプ406、R/Wチャネル405を介して得られた磁気ディスク409上に書かれたサーボ情報をもとに、所望するセクタが存在するトラックへライトヘッドを移動させる。
【0006】
HDC402は、回転する磁気ディスク409のトラック上で指定したセクタのタイミングに合わせてライトデータをR/Wチャネル405へ出力する。ライトデータはR/Wチャネル405、R/Wアンプ406でライトに適したデータに符号化された後、ライトヘッド407で磁気ディスク409に書き込まれる。尚、通常ホストからのデータは一旦データバッファ403に蓄えられ、ライトの準備ができたところでデータバッファ403からR/Wチャネルに送られる。
【0007】
データをリードする際も、ヘッドを所望のセクタが存在するトラック上に位置決めする手順はライトをする場合と同様である。ヘッドの位置決めが完了後、指定したセクタのタイミングに合わせて、リードヘッド408で磁気ディスク409から読み出し、読み出した波形をR/Wアンプ406、R/Wチャネル405で元のデータに復号し、復号されたデータがHDC402へ送られる。最後にHDC402がデータをホストコンピュータへ出力する。
【0008】
以上のような手順でデータのライト・リードを行うが、ホストコンピュータが磁気ディスク装置にアクセスする際に指定するアドレスは論理的アドレスと呼ばれ、実際にディスク上のアドレスである物理アドレスとは必ずしも一致しない。ホストコンピュータ401が指定した論理的アドレスからMPU410が物理的アドレスを計算し、そのアドレスに対して実際のライト・リード動作を行う。磁気ディスク装置にシーケンシャルにアクセスした場合にデータをライト・リードする順序は論理的アドレスの順序である。
【0009】
上記のような構成からなる磁気ディスク装置において、記憶容量の大容量化の要求に応えるためには、たとえばディスクの線記録密度、すなわちトラック円周方向の密度を高めることにより記録密度を向上させたり、あるいはトラック幅を小さくしトラックピッチを狭めることによってトラック密度を高めて記録密度を向上させようという試みが行なわれる。
【0010】
図5にライトヘッドの構造概略図を示す。コイル503に電流を流すと上部磁極502のヘッドの浮上面部504と下部磁極501の間に磁界が発生し、この磁界が磁気ディスク面上を磁化することによってデータをライトする。先に述べたように、記録密度を向上させるためにトラック幅の狭小化が進んでいるが、ライトヘッド先端部の狭小化が進むと、先端部が磁束で飽和してしまうために、本来発生すべき浮上面部504のみではなく側面505からも磁界が漏れてしまう現象が起こる。そして、トラックピッチが狭い場合、この側面からの漏れ磁界が隣接するトラックにまで広がることが起こりうる。漏れ磁界はデータをライトするための本来のライト磁界に比べると微弱であるため、この磁界が隣接トラックにまで広がっても直ちに隣接トラックのデータが影響を受けるわけではないが、多数回繰り返して漏れ磁界を浴びると隣接トラックのデータが少しずつ消去されてしまい、やがてデータが読み出せなくなってしまう。
【0011】
この漏れ磁界による隣接トラックのデータ消失を避けるための方法としては、磁気ディスク装置を構成している部品という観点から言うと、(1)隣接トラックからの漏れ磁界があってもデータが消去されにくいように磁気ディスクの保磁力を上げる、(2)漏れ磁界が発生しにくいような構造のライトヘッドにする、といった方法が挙げられる。
【0012】
さらに、装置としての使い方によって漏れ磁界による隣接トラック消去の発生を抑えるという観点では、(3)トラックピッチを広げることによって隣接トラックが漏れ磁界を浴びる量を減らす、(4)データをライトするときにライトヘッドに与える電流の大きさや、そのライト電流波形のオーバーシュート量を調整して漏れ磁界の発生量そのものを抑える、という方法が挙げられる。
【0013】
また、従来技術として、記録媒体への記録密度を向上させるためにトラック密度TPIを上げることが求められ、この高いTPIによって記録媒体の単位記憶領域に新旧の書き込みデータが共存する状態が生じ得、旧データを読み出すことに起因するデータの不正発生を抑止する改善策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
また、他の従来技術として、記憶装置の故障頻度がアクセス回数や通算通電時間に対して相関性が高いことに着目して、主記憶手段に所定の操作が行われる度に主記憶手段への操作履歴として記憶し、この操作履歴に基づいて主記憶手段の故障発生の可能性有無を判別することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−338468
【0016】
【特許文献2】
特開2001−350596
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
漏れ磁界による隣接トラックのデータ消失を抑制するためには前述のような方法があるが、(1)で述べたように円板の保磁力を上げると、隣接トラックのデータは消えにくくなるが、本来ライトすべきデータ自体もライトしにくくなるためオーバーライト特性が劣化し、本来ライトすべきデータのエラーレートを劣化させてしまう原因となる。(2)については、現状漏れ磁界を抑えるのに有効なライトヘッド構造が十分に判っている訳ではなく、これからの課題である。
【0018】
また、(3)の方法をとった場合、円板あたりの記憶容量を確保しようとすると、トラックピッチを広げた分だけ線記録密度を上げる必要があるが、線記録密度を上げると、再生波形の分解能の低下やS/Nの低下を招き、エラーレートの劣化が生じる。さらに(4)のライト電流値の設定やライト電流のオーバーシュートの調整であるが、漏れ磁界が発生しないような方向、すなわち、ライト電流値を小さめに設定したり、オーバーシュート量を抑えたりすると、(1)と同様にデータ自体の書き込みが不十分になり、エラーレートが劣化してしまう可能性がある。
【0019】
さらに、上記の特許文献1,2には、記録媒体への書き込みデータの故障に対する改善策が提案されているが、漏れ磁界による隣接トラックへのデータ消去に対して改善しようとするものではなく、更に、その改善策には書き込みデータのリフレッシュ処理についての配慮がされていない。
【0020】
本発明の目的は、漏れ磁界が隣接トラック上のデータを少しずつ消去してゆく状況が発生しても、それを補償して磁気ディスク装置としてデータエラーが発生しないようにデータのリフレッシュを実施することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
データを記録するための磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータのライト又はリードを行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドに接続されてデータのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、前記データを前記磁気ディスク上に位置する複数の同心円状のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、
或るトラック上にデータをライトしたライト回数を求め、前記ライト回数が規定回数に達したことを検知し、
前記検知に基づいて前記或るトラックの隣接トラックのデータを一旦読み出して前記隣接トラックに前記データを再ライトする構成とする。
【0022】
また、データを記録するための磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータのライト又はリードを行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドに接続されてデータのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、前記データを前記磁気ディスク上に位置する複数の同心円状のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスク上の全トラックを複数のエリア毎に区分けし、
前記区分けされたエリア内の物理的な偶数トラック上にデータをライトしたライト回数を求め、前記ライト回数が規定回数に達したことを検知し、
前記検知に基づいて前記エリア内の物理的な奇数トラックのデータを一旦読み出して前記奇数トラックに前記データを再ライトする構成とする。
【0023】
また、データを記録するための磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータのライト又はリードを行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドに接続されてデータのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、前記データを前記磁気ディスク上に位置する複数の同心円状のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスク上の全トラックを複数のエリア毎に区分けし、
前記区分けされたエリア内の物理的な奇数トラック上にデータをライトしたライト回数を求め、前記ライト回数が規定回数に達したことを検知し、
前記検知に基づいて前記エリア内の物理的な偶数トラックのデータを一旦読み出して前記偶数トラックに前記データを再ライトする構成とする。
【0024】
また、前記磁気ディスク装置において、前記トラックへデータをライトする場合に、物理的なトラックの1本おきにスキップしてライトし、全トラックの半数トラックをライトした後に前記スキップしたトラックにライトする構成とする。
【0025】
このような構成を採用することにより、本発明は、漏れ磁界が隣接トラック上のデータを少しずつ消去してゆく状況が発生しても、それを補償して磁気ディスク装置としてデータエラーが発生しないようにすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置、特に、漏れ磁界による隣接トラックのデータ消去に対する対処策の概要についてまず説明する。上述したように、漏れ磁界による隣接トラックのデータ消去現象そのものの発生を抑制する方法には限界があるので、本発明の実施形態においては、たとえ漏れ磁界が発生してその磁界が隣接トラック上のデータを少しずつ消去してゆく状況が発生しても、それを補償して磁気ディスク装置としてデータエラーが発生しないようにするためのものである。
【0027】
そのために、磁気ディスク面上へのデータライトの回数が或る設定した回数に達した場合に、当該トラックの隣接トラックのデータが漏れ磁界によって消去されかかっている可能性があるとして、データのリフレッシュ、すなわち磁気ディスク面上に書かれたデータを一旦読み出し、同じトラック上に再ライトを行うものである。
【0028】
図6は磁気ディスク上における物理的なトラック番号と論理的なトラック番号の対応関係を示す一例の図であり、図7は、磁気ディスク上における物理的なトラック番号と論理的なトラック番号の対応関係を示す他の例の図である。本実施形態においては、磁気ディスク面上にデータをライトする際には、あらかじめその順序が物理的に一本おきのトラックになるようにしておく。即ち、物理的なトラック番号と実際に磁気ディスク装置を使用するときの順番を示す論理的なトラック番号を図6のように対応させる。
【0029】
図6に示すように物理的トラック番号と論理的トラック番号を対応させることにより、データを磁気ディスク面上にライトする順番は物理トラック番号の0、2、4、…となる。図6では全トラック数2n本の場合を示したが、この場合、半分以下の容量すなわち使用したトラック本数がn本以下の場合は隣接トラックにはデータがライトされていないので、繰り返しライトを行なっても漏れ磁界によって隣接トラックを消去してしまう恐れがなくデータのリフレッシュ動作を行う必要はない。
【0030】
一本おきに論理トラック番号を割り当てる他の方法としては、図7に示すような割り当て方法も本実施形態として採用できる。さらに、磁気ディスク面毎にライトした回数を物理的な偶数トラックと奇数トラックで別々に記録しておく。このようにすることによって、例えば物理的な偶数トラックのライト回数が規定した回数に達した場合には物理的な奇数トラックのデータリフレッシュを、逆に物理的な奇数トラックのライト回数が規定した回数に達した場合には物理的な偶数トラックのデータリフレッシュのみを行うだけでよく、リフレッシュに必要な時間を短縮することができる。
【0031】
データのリフレッシュは、ホストからの命令による動作を実行していない間に実施しなければならない。したがって、ディスク全面を一度にリフレッシュするのはホストからの命令動作の観点で時間的に困難である。そこで、本実施形態においては、図8に示すように円板面毎に磁気ディスク面をいくつかのエリアに分割し、各エリア毎にデータをライトした回数を記録しておき、それぞれのエリア毎にリフレッシュ動作が必要かどうかを判断するようにする。
【0032】
敷衍すると、本発明は、トラック1本毎のライト回数を管理して当該トラックの隣接トラックにおけるデータの再ライトを実施するという思想であって、更に、物理トラックの一本おきのトラックに記録していって全半数トラックを記録した後に、スキップしたトラックにライトする手法を採用するものである。より具体的な構成としては、上述した思想では管理すべきトラックの対象数が膨大となり、メモリ管理上実際的でないことを考慮して、磁気ディスク面をエリアに分割して、このエリア毎にライト回数や再ライト実施を行うものである。このようにすることで、データをリフレッシュするトラック本数を限定できるので、本来はまだリフレッシュが必要でない領域をリフレッシュしてしまう無駄を減らすことができ、リフレッシュに必要な時間を短縮することができる。
【0033】
図9は、本実施形態に関する、或る磁気ディスク面について、物理偶数トラックと物理奇数トラックのライト回数がエリア毎にメモリ上に記録された状況を示す図である。なお、以下の説明ではトラック番号は特に明示しなくても、物理的なトラック番号を示しているものとする。図8と図9に示す具体的な一例を挙げると、或るディスク面のエリア分割数は10個程度であって良く、或る磁気ディスク面のトラックの総数が4〜5万本とすると、エリア毎に含まれるトラック数は4〜5千本となる。図9において、even[1]というのは、エリア番号1に存する物理トラックの偶数トラックにおけるライト回数を示す変数であって、メモリ上には例えば、even[1]900としてライト回数が記録されているのである。ここで、エリア番号1内の全ての偶数トラックに同じ回数だけライトされる訳では必ずしもないが、エリア番号1内の或るトラックにおけるライト回数の最大値を記録しておいて良い。
【0034】
複数の磁気ディスク面を持つ磁気ディスク装置の場合には、図9に示したテーブルを磁気ディスク面の数だけ持つことになる。エリアyの偶数トラックをライトした回数はeven[y]に、奇数トラックをライトした回数をodd[y]に格納している。磁気ディスク装置の出荷時はこれらの値は全て0である。
【0035】
図9に示すテーブルの値は、磁気ディスク装置の電源が入っていない間も保持されていなければならないので、不揮発性のメモリ、例えばFlashメモリやあるいは磁気ディスク面上に記録される。しかし、磁気ディスク装置の動作中はこれらのライト回数値は頻繁に読み出しあるいは更新されるので、ライト回数はRAMなどの高速に読み書きできるメモリ上に置かれていることが望ましい。
【0036】
この場合、磁気ディスク装置の起動時に、不揮発性のメモリに記録された前回までのライト回数記録を読み出し、この値をRAM上に置いておき、磁気ディスク装置の動作中はRAM上の値を読み出しあるいは更新する。そして、磁気ディスク装置の電源が切られる前に、RAM上の値を不揮発性メモリに書き戻すという手順をとる。磁気ディスク装置の電源は、突然切られる可能性もあるので、磁気ディスク装置の電源がオフされる瞬間だけでなく、時々RAM上の値を不揮発性メモリに保存しておくことが望ましい。
【0037】
次に、本発明の実施形態に関するデータのリフレッシュについての処理手順を説明する。図1には、トラックxがライトされた時にデータリフレッシュ処理が必要であるかどうかを判断する手順、およびリフレッシュ処理を行った後の処理手順について示す。なお、トラックxはエリアyに属していると仮定して以下説明する。
【0038】
まず、手順101でトラックxが偶数トラックであるか奇数トラックであるかを判断する。以下、トラックxは偶数トラックであったと仮定して進める。次に、手順102で隣接トラックが既にライト済みかどうかを判断する。もし、odd[y]=0、すなわちエリアyの奇数トラックが一度もライトされていない場合には、偶数トラックが何回ライトされても漏れ磁界による隣接トラックの消去を考慮する必要はなく、偶数トラックをライトした回数は問題とならないので、処理は手順103へと進み、even[y]の数は常に1となる。もし、odd[y]が0でない場合、すなわち既に奇数トラックにデータがライトされている場合には、手順104へと進み、even[y]の値が1だけインクリメントされる(エリアyの偶数トラックのライト回数が1つ増加する)。
【0039】
even[y]の値が更新された場合には、偶数トラックのライト回数がリフレッシュが必要となる回数に達する可能性があるので、手順105でその回数を判断する。ここでは閾値pに達したかどうかでリフレッシュが必要かどうかを判断している。even[y]の値が閾値p未満の場合にはリフレッシュは必要ないと判断して処理を終了する(106)。しかし、even[y]がp以上となった場合にはリフレッシュが必要となる可能性があるので処理を継続する。
【0040】
エリアyの偶数トラックへのライト回数が閾値pに達した場合には、すぐにリフレッシュ動作を行ってもよいが、手順107に示すように(図1の点線枠を参照)、データをリフレッシュするために現在ライトされているエリアyの奇数トラックデータを一旦リードして(108)、ある回数以上リードリトライ動作が入った場合に実際にデータが消去されかかっていると判断して(109)、データを再ライトする方法を採ることもできる。一般的に磁気ディスク装置では、一回目のリード動作でデータを正しく読み出せなかった場合には、正しく読み出せるまで同じ部分のデータを最大数十回〜百回程度繰り返しリードするリトライ動作が実施され、完全にデータが壊れていなければ、リトライ動作でデータを読み出せることが多い。
【0041】
図1では当該エリアyの奇数トラックをリードした際に、リトライがq回以上の回数発生した場合に、実際にそのエリアのデータがリードしにくくなっていると手順109で判断している。そして、再ライトが必要と判断されると手順110で再ライトを行う(エリアyの全ての奇数トラックを再ライトする)。もし、リトライ動作の発生回数が少なく、まだリフレッシュする必要がないと判断した場合には、データの再ライトは実施されない。この再ライトの不実施を行なう場合には、実際にライトが必要であると判断されたときに(例えば、手順105でpに達したときに)、先ほどリードした当該エリアのデータを再びリードする必要がないように(手順108を繰り返すことのないように)、一旦リードしたデータは再ライトが必要かどうかの判断が下されるまで、一時的にRAMなどの高速なメモリに保存しておくことが望ましい。
【0042】
手順107に示した処理を実施しない場合には、リフレッシュするエリアのデータを一旦全てリードしてからデータを再ライトするのではなく、小さなブロック単位(例えば、4〜5千トラック/エリアに代えて、100トラック/フロック)でリードして、すぐに再ライトを繰り返す方法を採ることによって、リードしたデータを再ライトするまでに一旦ためておくための大きなメモリを準備する必要がなく、コスト的に有利である。
【0043】
手順109でデータのリフレッシュが必要であると判断され、実際に手順110で再ライトが実施された場合には、偶数トラックのライト回数を1回に戻すことができる(111)。
【0044】
また、ライトの回数が閾値pを超えているが、手順109でまだリフレッシュが必要ないと判断されて再ライト動作が実施されなかった場合には、次回当該エリアyの偶数トラックがライトされた場合に、再度リフレッシュが必要かどうかが判断されることになる。ここで、手順107に示した再ライト前のリードによる確認手順を実施している場合、すなわちライト回数pが閾値に達してもすぐにはリフレッシュ動作を行わず、データをリードして確認してからリフレッシュが必要であるかどうかを判断する方法を採用している場合、even[y]の値をそのままの値にしておくと、当該エリアのデータがリフレッシュされるまで、常にeven[y]≧pであり、当該エリアの偶数トラックのライトが1回でも行なわれる度に毎回リフレッシュが必要かどうかを判断するためのリード確認手順が入ってしまうことになる。
【0045】
それまで問題なくリードできていたトラックのデータが、一回の隣接トラックのライトで突然データが読めなくなることは通常起こらないので、一度リード確認(手順109によって)した後は、所定の回数はリフレッシュ動作が必要であるかどうかを判断する手順を行なわなくても問題ないと考えられる。
【0046】
そこで、手順108,109で一度リフレッシュが必要かどうかを確認した場合には、次はr回だけライト動作が入るまでは、再度リフレッシュが必要となるかどうかを確認するためのリード動作が入らないように設定している。その手順が112である。手順112に示すようにeven[y]の値からrを引いておくことによって、エリアyの偶数トラックがr回ライトされるまでは、条件105でeven[y]≧pとならないので、その間はリフレッシュが必要かどうかを判断するためのリード確認は実施されない。こうすることによってあまりにも頻繁にリフレッシュが必要かどうかを判断するためのリード確認動作(108)が行われることを抑えている。具体例で云えば、手順105のpが1000とし、手順112のrを100と設定すると、手順112の処理でeven[y]=1000−100=900となり、手順104のeven[y]=900となるので、偶数トラックへの100回分のライトの間は手順105でyesとならず、エリアyの奇数トラックをリードする(手順108)必要がなくなる。
【0047】
これまで述べた、p、q、rの値は実際に使用する磁気ディスクやヘッドの組み合わせ、あるいはライト電流値などによって最適値が異なってくると考えられるので、円板面、エリア毎に独立で可変なパラメータとしてとしておくことが望ましい。
【0048】
図1において、もし、トラックxが奇数トラックであった場合には、処理が手順101から手順113へと進むが、以下の処理は、既に述べた説明において奇数トラックと偶数トラックを置き換えたものとなり、図1に示す左側ラインと同様の処理となる。
【0049】
以上説明したように、本発明の基本的な特徴は、次のような構成と機能乃至作用を奏するものである。即ち、ライト回数をカウントしておき、ライト回数があらかじめ定めた回数を超えた場合には、データを一旦リードし、再ライトするリフレッシュ動作を行う。ここで、論理的なトラック番号を物理的なトラック番号の1トラックおきに割り当てておき、ライト回数をカウントする際に物理的な偶数トラックへのライト回数と物理的な奇数トラックへのライト回数を別々にカウントしておく。
【0050】
このような構成を採用することにより、リフレッシュが必要なトラックを物理的な偶数トラックあるいは奇数トラックに限定することができ、リフレッシュ時間を減らすことができる。また、1トラックおきに割り当てることによって、磁気ディスク全体の半分の容量を使用するまでは隣接トラックを消去する現象が発生しない。
【0051】
さらに、記録媒体の円板面を複数のエリアに分けて、エリア毎に当該エリア内でライトが行なわれた回数をカウントしておく、こうすることによりリフレッシュが必要なデータを限定し、リフレッシュ時間を節約することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、磁気ディスクの全容量の半分を使用するまでは、ライトヘッド側面部からの漏れ磁界によってデータが消去される現象を防ぐことができる。
【0053】
また、全容量の半分以上を使用した後、データをリフレッシュする必要が生じた際にも、より短時間で効果的な方法でデータを回復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置における、磁気ディスク面のエリアyに属するトラックxにデータライトされたときのデータリフレッシュの処理手順を示すフローチャートである。
【図2】一般的な磁気ディスク装置の機構部の概要を示す図である。
【図3】一般的な磁気ディスク上におけるトラックの配置状況を示す概念図である。
【図4】一般的な磁気ディスク装置におけるデータのリード・ライトに必要な構成を示す図である。
【図5】一般的な磁気ディスク装置におけるライトヘッドの構造の概略を示す図である。
【図6】磁気ディスク上における物理的なトラック番号と論理的なトラック番号の対応関係を示す一例の図である。
【図7】磁気ディスク上における物理的なトラック番号と論理的なトラック番号の対応関係を示す他の例の図である。
【図8】本実施形態に関する、磁気ディスク面上を複数のエリアに分割する構成例を示す図である。
【図9】本実施形態に関する、或る磁気ディスク面について、物理偶数トラックと物理奇数トラックのライト回数がエリア毎にメモリ上に記録された状況を示す図である。
【符号の説明】
201 磁気ディスク
202 磁気ヘッド
203 スピンドル
204 アーム
205 VCM
301 磁気ディスク
302 磁気ディスク上のトラック
303 トラックピッチ
401 ホストコンピュータ
402 HDC
403 データバッファ
404 サーボコントローラ
405 R/Wチャネル
406 R/Wアンプ
407 ライトヘッド
408 リードヘッド
409 磁気ディスク
410 MPU
501 ライトヘッド下部磁極
502 ライトヘッド上部磁極
503 ライトヘッドコイル
504 ライトヘッド浮上面部
505 ライトヘッド側面部
601,701 磁気ディスク上のトラック

Claims (7)

  1. データを記録するための磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータのライト又はリードを行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドに接続されてデータのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、前記データを前記磁気ディスク上に位置する複数の同心円状のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、
    或るトラック上にデータをライトしたライト回数を求め、前記ライト回数が規定回数に達したことを検知し、
    前記検知に基づいて前記或るトラックの隣接トラックのデータを一旦読み出して前記隣接トラックに前記データを再ライトする
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. データを記録するための磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータのライト又はリードを行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドに接続されてデータのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、前記データを前記磁気ディスク上に位置する複数の同心円状のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、
    前記磁気ディスク上の全トラックを複数のエリア毎に区分けし、
    前記区分けされたエリア内の物理的な偶数トラック上にデータをライトしたライト回数を求め、前記ライト回数が規定回数に達したことを検知し、
    前記検知に基づいて前記エリア内の物理的な奇数トラックのデータを一旦読み出して前記奇数トラックに前記データを再ライトする
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  3. データを記録するための磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対してデータのライト又はリードを行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドに接続されてデータのライト又はリード処理を行う記録再生回路と、を備え、前記データを前記磁気ディスク上に位置する複数の同心円状のトラック上に記録又は再生する磁気ディスク装置において、
    前記磁気ディスク上の全トラックを複数のエリア毎に区分けし、
    前記区分けされたエリア内の物理的な奇数トラック上にデータをライトしたライト回数を求め、前記ライト回数が規定回数に達したことを検知し、
    前記検知に基づいて前記エリア内の物理的な偶数トラックのデータを一旦読み出して前記偶数トラックに前記データを再ライトする
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  4. 請求項2において、
    前記奇数トラックに前記データを再ライトした場合に、前記物理的な偶数トラック上のライト回数をクリアすることを特徴とする磁気ディスク装置。
  5. 請求項3において、
    前記偶数トラックに前記データを再ライトした場合に、前記物理的な奇数トラック上のライト回数をクリアすることを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つの請求項において、
    前記トラックへデータをライトする場合に、物理的なトラックの1本おきにスキップしてライトし、全トラックの半数トラックをライトした後に前記スキップしたトラックにライトする
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つの請求項において、
    前記ライト回数が規定回数に達したことを検知した際、前記再ライトすべきデータをリードし、前記データのリトライ発生数が所定値に達した場合には前記データの再ライトを実行する
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
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