JP2004272069A - 光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ心線16に並行に抗張力体17を配置し、これらの外周に、外被18を施したケーブル部12と、支持線14の外周に外被15を施してなる支持線部11と、ケーブル部12と支持線部11とを連結する連結部13とを備えた光ファイバケーブルにおいて、ケーブル部12の外被18と支持線部11の外被15と連結部13を、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料で形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、架空または地下に布設されている配線ケーブルから一般加入者宅内へ引き込み配線するために使用される光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ通信網を一般住宅やビルなどの加入者宅にまで普及する構想が具体的に進んでおり、それに伴いかかる通信網の構築に必要な各種光ファイバケーブルの開発が続けられている。
【0003】
このうち、架空または地下に布設される配線系ケーブルから一般加入者宅内へ引き込み配線するためのいわゆるドロップケーブルとして、光ファイバ心線の両側または片側に鋼線あるいはFRP(ガラス繊維強化プラスチック)からなる抗張力体を配置し、これらをポリエチレンなどの樹脂で一括被覆したもの、あるいは、かかるケーブルにさらに支持線を沿わせ一体化したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このような光ファイバケーブルにおいては、光ファイバ心線に沿って抗張力体が配置されているため、温度変化による光ファイバの伝送損失の増加を防ぐことができ、また、布設時にケーブルにかかる張力を抗張力体や支持線が負担するため、布設時の外力から光ファイバ心線を保護することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−148737号公報(図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記光ファイバケーブルにおいては、光ファイバを被覆する材料として、上述したポリエチレンの外、難燃化ポリエチレンや塩化ビニル樹脂などが使用されている。
【0007】
しかしながら、これらの被覆材料はいずれも摩擦係数が比較的大きいため、宅内へ引き込み配線する際にケーブル(部)に曲がりが発生しやすく、また、地下の管路内を通す際には、摩擦が大きいために引っ掛かりが生じることがあり、ケーブルの円滑な布設、特に長尺の布設が難しいという問題があった。
【0008】
なお、ケーブル(部)に曲がりが発生しやすい要因には、そもそもケーブルが用途上、曲がりやすい構成になっていることが挙げられる。すなわち、ドロップケーブルは宅内へ引き込み配線するケーブルであるため、配線が容易に行えるよう、曲がりやすい構成になっている。そして、このようにケーブルが曲がりやすくなっているうえ、ケーブル表面の摩擦係数が大きいため、布設時にケーブル部に曲がりが発生しやすくなると考えられる。
【0009】
また、上記光ファイバケーブルにおいては、形状が平型であるという要因もあって、降雪の際にケーブル表面に雪が付着しやすく、その付着量によってはケーブル重量が増加しケーブルが断線するおそれがあった。
【0010】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、ドロップケーブルとして有用な光ファイバケーブルであって、可撓性が良好で、かつ、布設作業性および難着雪性に優れた光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明の光ファイバケーブルは、光ファイバ心線と、この光ファイバ心線に並行に配置された抗張力体と、これらの外周に一括被覆された外被とを備えた光ファイバケーブルにおいて、前記外被は、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料からなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に記載の発明の光ファイバケーブルは、請求項1に記載の光ファイバケーブルにおいて、前記外被は、ポリオレフィンを主成分とする材料で構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に記載の発明の光ファイバケーブルは、請求項1または2に記載の光ファイバケーブルにおいて、前記外被は、脂肪酸アミド系滑剤を0.15〜0.45重量%含有していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載の光ファイバケーブルは、請求項3に記載の光ファイバケーブルにおいて、脂肪酸アミド系滑剤は、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ビスオレイン酸アミド、ベヘニン酸アミドおよびステアリン酸アミドの群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の光ファイバケーブルにおいては、外被を、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料で構成したことにより、ケーブルの可撓性などの特性を損なうことなく、布設時のケーブル(部)の曲がりや管路内での引っ掛かりの発生を防止することができ、その布設作業性を向上させることができる。また、ケーブル形状に関わらず、降雪時の着雪を抑えることができ、着雪に伴うケーブルの断線を防止することができる。特に、外被に、脂肪酸アミド系滑剤を0.15〜0.45重量%含有させた場合には、外被に撥水性を付与することができ、降雪時の着雪をより効果的に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の光ファイバケーブルの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル10は、支持線部11とケーブル部12とこれらを連結する連結部13を有する。支持線部11は、鋼線やFRP(ガラス繊維強化プラスチック)などからなる支持線14の外周に外被15を設けて構成されている。また、ケーブル部12は、上下に並列配置した2本の単心光ファイバ心線16を挟んで、その上下に間隔をおいて鋼線やFRPなどからなる抗張力体17を並行に配置し、これらの外側に外被18を設けて構成されている。ケーブル部12の外被18の両側部のほぼ中央、光ファイバ心線16が位置する部分には、引き裂き用のノッチ19a、19bが設けられており、ケーブル接続作業の際に、これらの引き裂き用ノッチ19a、19bを起点に外被18を引き裂くことにより、内部の単心光ファイバ心線16を容易に取り出すことができるようになっている。
【0018】
そして、本実施形態においては、支持線部11の外被15、ケーブル部12の外被18および連結部13は、JIS K 7125に準拠して測定された動摩擦係数が0.15〜0.40となる材料により形成されている。
【0019】
このような材料としては、滑剤を配合することにより動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40となるように調製したポリエチレンや塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0020】
上記滑剤を配合した熱可塑性樹脂の好ましい例としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ビスオレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤の群から選ばれる少なくとも1種を0.15〜0.45重量%の範囲で配合した低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンが挙げられる。また、難燃性が要求される場合には、日本ユニカー社製のNUC9739やJPO社製のCA1155B(以上、いずれも商品名)などの難燃化ポリエチレンに上記のような脂肪酸アミド系滑剤を上記割合で配合したものが使用される。
【0021】
このように構成される光ファイバケーブル10は、電柱から引き落とした後、支持線部11とケーブル部12とを連結部13で分離し、支持線部11を宅外の軒先に固定して、ケーブル部12のみを宅内に配線するが、ケーブル部12の外被18が、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料で形成されているため、曲がりや引っ掛かりを生ずることなく円滑に宅内配線することができ、長尺の布設も支障なく行うことができる。
【0022】
また、支持線部11の外被15、ケーブル部12の外被18および連結部13が、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料で形成されているため、降雪の際の着雪が抑制され、着雪に伴うケーブルの断線を防止することができる。特に、これらの被覆が上述したような脂肪酸アミド系滑剤を0.15〜0.45重量%配合した材料で形成されている場合には、被覆に優れた撥水性を付与されるため、降雪時の着雪をより効果的に防止することができる。
【0023】
本実施形態において、支持線部11の外被15、ケーブル部12の外被18および連結部13を構成する材料の動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15未満では、布設時のケーブル部の曲がりや引っ掛かりの発生はより抑制されるものの、輸送や布設作業を実施する際の振動により、ボビンやドラムなどに巻き付けられたケーブルに巻き崩れや巻き緩みが発生し、ケーブルの円滑な布設がかえって妨げられるおそれがある。また、巻き崩れや巻き緩みによってケーブルの品質の低下を招くおそれがあり、さらに、巻き緩みによるケーブル端末の突き出しといった問題も発生するおそれがある。
【0024】
一方、支持線部11の外被15、ケーブル部12の外被18および連結部13を構成する材料の動摩擦係数(JIS K 7125)が0.40を超えると、床や壁などに対する摩擦力が大きくなって、布設時にケーブル部の曲がりや引っ掛かりが発生しやすくなり、布設作業性が低下する。また、難着雪性も低下する。
【0025】
支持線部11の外被15、ケーブル部12の外被18および連結部13を構成する材料の動摩擦係数(JIS K 7125)、0.20〜0.35の範囲にあるとより好ましく、巻き崩れや巻き緩みの発生をより確実に防止することができるうえ、布設作業性および難着雪性により優れたものとなる。
【0026】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図2は、本発明の他の実施形態に係る断面図であり、図1に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
本実施形態に係る光ファイバケーブル20は、地下に配線されるいわゆる地下ドロップケーブルとして使用されるものであり、支持線部11および連結部13を持たない点を除いて、図1に示す実施形態と同様に構成されている。
【0028】
すなわち、上下に並列配置した2本の単心光ファイバ心線16を挟んで、その上下に間隔をおいて鋼線からなる抗張力体17を並行に配置し、これらの外側に外被18を設けて構成されている。また、外被18の両側部のほぼ中央、光ファイバ心線16が位置する部分には、引き裂き用のノッチ19a、19bが設けられており、ケーブル接続作業の際に、これらの引き裂き用ノッチ19a、19bを起点に外被18を引き裂くことにより、内部の単心光ファイバ心線16を容易に取り出すことができるようになっている。
【0029】
そして、外被18は、前述したような、JIS K 7125に準拠して測定された動摩擦係数が0.15〜0.40となる材料により形成されている。
【0030】
このように構成される光ファイバケーブル20においても、外被18が、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料で形成されているため、図1に示す実施形態の場合と同様、布設に際して曲がりや引っ掛かりを生ずることなく円滑に配線することができ、長尺の布設も支障なく行うことができる。また、このケーブルは、通常、地下および屋内に布設されるものであるが、屋外に布設された場合には、降雪の際の着雪が抑制され、着雪に伴うケーブルの断線が防止される。
【0031】
ここで、本発明による効果を確認するため、図1に示す光ファイバケーブルを試作し、その特性を評価した結果について記載する。
【0032】
単心光ファイバ心線16には、外径250μmの単心光ファイバ心線を用い、ケーブル部12の抗張力体17には、外径0.4mmの単鋼線を用い、支持線14には、外径1.2mmの単鋼線を用いた。
【0033】
これらの単心光ファイバ心線16と抗張力体17と支持線14とを図1に示すように平行に並べた状態で押出し機に導入し、その外周にエルカ酸アミドおよびオレイン酸アミドを表1に示す割合で配合したノンハロゲン難燃化ポリエチレン(日本ユニカー社製 商品名 NUC9739)を一括押出被覆して、全体の幅が約2mm、同高さが約5mmの光ファイバケーブルを製造した(実施例1〜3)。
【0034】
得られた各光ファイバケーブルについて、実際にケーブル部12を支持線部11から分離して屋内布設および管路布設を試み、作業性やケーブルの曲がりの発生状況を調べた。また、一定の長さに切断した各ケーブルを降雪下に一定時間放置し、難着雪性を評価した。これらの結果を、外被材料の常温(23℃)における動摩擦係数(ケーブルとは別に外被と同じ材料を用いて作製したシートについて、JIS K 7125に準拠して測定)とともに表1に示す。
【0035】
なお、表1には、本発明との比較のために、滑剤の配合量を表1に示すように変えた以外は上記実施例と同様にして製造した光ファイバケーブルについて、同様に特性評価した結果を、比較例として併せ示した。
【0036】
【表1】
【0037】
表1からも明らかなように、本発明に係る光ファイバケーブルは、屋内布設性および管路布設性がいずれも良好で、また、難着雪性試験の結果も良好であった。これに対し、外被材料の動摩擦係数が0.15に満たない比較例1では、難着雪性試験の結果は良好であったものの、屋内布設性および管路布設性がいずれも不良であり、また、外被材料の動摩擦係数が0.40を超える比較例2では、屋内布設性および管路布設性のにならず難着雪性も不良であった。
【0038】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記各実施形態では、外被18内に上下に2本の単心光ファイバ心線16を配置しした構成となっているが、単心光ファイバ心線16の数や配置方法などは特にこれらに限定されるものではなく、単心光ファイバ心線の種類も特に限定されるものではない。また、単心光ファイバ心線16に代えて1枚乃至複数枚の光ファイバテープ心線を使用してもよい。
【0039】
さらに、以上説明した各実施形態では、いずれも抗張力体17を2本、単心光ファイバ心線16を挟んでその上下に間隔をおいて並行に配置しているが、例えば図3に示す光ファイバケーブル30のように、単心光ファイバ心線16の上下のいずれか一方(図3では、下方)にのみ配置するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバケーブルによれば、外被材料の動摩擦係数(JIS K 7125)を特定したことにより、ケーブルの可撓性を損なうことなく、布設作業性および難着雪性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバケーブルの一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図。
【図3】本発明の光ファイバケーブルのさらに他の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
10、20、30………光ファイバケーブル
11………支持線部
12………ケーブル部
13………連結部
14………支持線
15、18………外被
16………単心光ファイバ心線
17………抗張力体
19a、19b……引き裂き用ノッチ
Claims (4)
- 光ファイバ心線と、この光ファイバ心線に並行に配置された抗張力体と、これらの外周に一括被覆された外被とを備えた光ファイバケーブルにおいて、
前記外被は、動摩擦係数(JIS K 7125)が0.15〜0.40の範囲にある材料からなることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 前記外被は、ポリオレフィンを主成分とする材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバケーブル
- 前記外被は、脂肪酸アミド系滑剤を0.15〜0.45重量%含有していることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバケーブル。
- 脂肪酸アミド系滑剤は、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ビスオレイン酸アミド、ベヘニン酸アミドおよびステアリン酸アミドの群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の光ファイバケーブル。
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