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JP2004268868A - 車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置 - Google Patents

車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置 Download PDF

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JP2004268868A
JP2004268868A JP2003065996A JP2003065996A JP2004268868A JP 2004268868 A JP2004268868 A JP 2004268868A JP 2003065996 A JP2003065996 A JP 2003065996A JP 2003065996 A JP2003065996 A JP 2003065996A JP 2004268868 A JP2004268868 A JP 2004268868A
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Abstract

【課題】起動手段により制御手段が起動されたときにはマスタシリンダとストロークシミュレータとを連通させないことにより、ブレーキペダルの如き制動操作子が更にストロークし、運転者が異和感を感じることを防止する。
【解決手段】ブレーキペダル12が所定量以上踏み込まれ(S20)、電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動されたときには(S30)、踏み込みが解除されない限り(S40)、電磁開閉弁(常閉弁)26が閉弁状態に維持されマスタシリンダ14とストロークシミュレータ28とが遮断されたまま電磁開閉弁(遮断弁)24L及び24Rが閉弁され又は閉弁状態に維持され(S90)、マスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pmaに基づき演算される最終目標減速度Gtに基づき各車輪の制動力がブレーキペダル踏み込み起動時制御モードにてブレーキバイワイヤ式に制御される(S100〜130)。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の制動制御装置に係り、更に詳細には所謂セミブレーキバイワイヤ式の制動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌の制動制御装置として、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれることにより駆動されるマスタシリンダと、高圧の液圧供給源と、各車輪に対応して設けられたホイールシリンダと、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通を制御する遮断弁と、液圧供給源よりホイールシリンダに対する作動液体の給排を制御する増減圧制御弁と、マスタシリンダに接続されマスタシリンダより作動液体の流入を許容するストロークシミュレータと、マスタシリンダとストロークシミュレータとの連通を制御する常閉弁と、遮断弁、増減圧制御弁、常閉弁を制御する電子制御装置とを有するセミブレーキバイワイヤ式の制動制御装置が従来より知られている。
【0003】
電子制御装置は、イグニッションスイッチがオンに切り換えられることにより起動され、遮断弁を閉弁させてマスタシリンダとホイールシリンダとの連通を遮断すると共に、常閉弁を開弁させてマスタシリンダとストロークシミュレータとを連通させ、マスタシリンダ圧力等に応じて増減圧制御弁を制御することによりホイールシリンダ内の圧力を制御し、これにより車輪の制動力を制御する。
【0004】
また電子制御装置は、何れかの増減圧制御弁が失陥し、対応する車輪の制動力を正常に制御することができなくなると、遮断弁を開弁させてマスタシリンダとホイールシリンダとを連通接続すると共に、常閉弁を閉弁させてマスタシリンダとストロークシミュレータとの連通を遮断し、マスタシリンダ圧力によりホイールシリンダ内の圧力を制御し得る状況を確保する。
【0005】
かかるセミブレーキバイワイヤ式の制動制御装置に於いては、イグニッションスイッチがオフの状態にて運転者によりブレーキペダルが踏み込まれる場合があり、かかる場合にも車輪の制動力を制御し得るよう、イグニッションスイッチがオフの状態にて運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると電子制御装置を起動させる起動装置を備えたセミブレーキバイワイヤ式の制動制御装置も既に知られている。
【特許文献1】
特開平11−255107号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き起動装置を備えた従来のセミブレーキバイワイヤ式の制動制御装置に於いては、イグニッションスイッチがオフの状態にて運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、起動装置により電子制御装置が起動され、電子制御装置はイグニッションスイッチがオンに切り換えられることにより起動された場合と同様、遮断弁を閉弁させてマスタシリンダとホイールシリンダとの連通を遮断すると共に、常閉弁を開弁させてマスタシリンダとストロークシミュレータとを連通させる。
【0007】
しかし運転者によりブレーキペダルが踏み込まれてから電子制御装置が起動され常閉弁が電子制御装置により開弁されるまでにタイムラグがあり、ブレーキペダルの踏み込みによりマスタシリンダ圧力が上昇した状況に於いてマスタシリンダが非加圧状態のストロークシミュレータに接続され踏み込み反力が低下するため、運転者が踏力を増大させなくてもブレーキペダルが最初に踏み込まれた状態より更にストロークし、運転者が異和感を感じることが避けられない。
【0008】
本発明は、イグニッションスイッチがオフの状態にて運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、起動装置により電子制御装置が起動され、常閉弁が開弁されることによりマスタシリンダとストロークシミュレータとが連通されるよう構成された従来のセミブレーキバイワイヤ式の制動制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、起動手段により制御手段が起動されたときにはマスタシリンダとストロークシミュレータとを連通させないことにより、運転者が踏力を増大させないにも拘らずブレーキペダルの如き制動操作子が更にストロークし、運転者が異和感を感じることを防止することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち運転者により制動操作子が操作されることにより駆動されるマスタシリンダと、各車輪に対応して設けられたホイールシリンダと、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの連通を制御する遮断弁と、前記ホイールシリンダに対する作動液体の給排を制御する増減圧制御弁と、前記マスタシリンダに接続され前記マスタシリンダより作動液体の流入を許容するストロークシミュレータと、前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとの連通を制御する常閉弁と、前記遮断弁、前記増減圧制御弁、前記常閉弁を制御する制御手段と、前記制御手段が起動されていない状況にて前記制動操作子が操作されたときには前記制御手段を起動させる起動手段とを有する車輌の制動制御装置に於いて、前記制御手段は前記起動手段により起動されたときには前記常閉弁を閉弁状態に維持することを特徴とする車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置によって達成される。
【0010】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制御手段は前記制動操作子が操作されなくなるまで前記常閉弁を閉弁状態に維持するよう構成される(請求項2の構成)。
【0011】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記制動操作子が操作されたことは前記制動操作子の移動量、前記マスタシリンダの液圧、前記制動操作子に対する操作により駆動されるスイッチの少なくとも何れかにより検出されるよう構成される(請求項3の構成)。
【0012】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記制御手段は前記制動操作子が操作されなくなった後再度操作されたときに前記常閉弁を開弁させるよう構成される(請求項4の構成)。
【0013】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、制御手段が起動されていない状況にて制動操作子が操作されたときには起動手段により制御手段が起動されるが、制御手段は常閉弁を開弁させることなく閉弁状態に維持するので、マスタシリンダとストロークシミュレータとが遮断された状態に維持され、従って制動操作子の操作により加圧されたマスタシリンダ内の作動液体が非加圧状態のストロークシミュレータへ流出することに起因して制動操作子のストロークが不自然に増大すること及びこれに起因して運転者が異和感を覚えることを確実に防止することができる。
【0014】
また上記請求項2の構成によれば、常閉弁は制動操作子が操作されなくなるまで閉弁状態に維持されるので、制動操作子が操作されている限りスタシリンダとストロークシミュレータとを確実に遮断し、マスタシリンダ内の作動液体がストロークシミュレータへ流出することを防止することができる。
【0015】
また上記請求項3の構成によれば、制動操作子が操作されたことは制動操作子の移動量、マスタシリンダの液圧、制動操作子に対する操作により駆動されるスイッチの少なくとも何れかにより検出されるので、制動操作子が操作されたこと及び制動操作子が操作されなくなったことを確実に検出することができる。
【0016】
また上記請求項4の構成によれば、制動操作子が操作されなくなった後再度操作されたときに常閉弁が開弁されるので、2回目以降の制動操作時に制動操作子のストロークが初回の制動操作時の如く制限されること及びこれに起因して運転者が異和感を感じることを確実に防止することができる。
【0017】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、制御手段が起動されていないときには、常閉弁は閉弁状態に維持され、遮断弁は開弁状態に維持されるよう構成される(好ましい態様1)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、制御手段はイグニッションスイッチがオンに切り換えられることによっても起動され、制御手段はイグニッションスイッチがオンに切り換えられることにより起動されたときには、常閉弁を開弁させると共に遮断弁を閉弁させ、起動手段により起動されたときには常閉弁を閉弁状態に維持したまま遮断弁を閉弁させるよう構成される(好ましい態様2)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、制御手段はイグニッションスイッチがオンに切り換えられることにより起動されたときには、マスタシリンダ圧力及び制動操作子のストロークに基づき各車輪の目標制動圧を演算し、起動手段により起動されたときにはマスタシリンダ圧力に基づき各車輪の目標制動圧を演算し、各車輪の制動圧が目標制動圧になるよう増減圧制御弁を制御するよう構成される(好ましい態様3)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施の形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明による車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置の一つの実施形態の油圧回路を示す概略構成図、図2は図1に示された実施形態の制御系を示すブロック図である。尚図1に於いては、簡略化の目的で各弁のソレノイドの図示は省略されている。
【0022】
図1に於いて、10は電気的に制御される油圧式のブレーキ装置を示しており、ブレーキ装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
【0023】
マスタシリンダ14は第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ左前輪用のブレーキ油圧供給導管18及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20の一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管18及び20の他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ22FL及び22FRが接続されている。
【0024】
ブレーキ油圧供給導管18及び20の途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)24L及び24Rが設けられ、電磁開閉弁24L及び24Rはそれぞれ第一のマスタシリンダ室14A及び第二のマスタシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダ22FL及び22FRとの連通を制御する遮断弁として機能する。またマスタシリンダ14と電磁開閉弁24FLとの間のブレーキ油圧供給導管18には常閉型の電磁開閉弁(常閉弁)26を介してウェットストロークシミュレータ28が接続されている。
【0025】
マスタシリンダ14にはリザーバ30が接続されており、リザーバ30には油圧供給導管32の一端が接続されている。油圧供給導管32の途中には電動機34により駆動されるオイルポンプ36が設けられており、オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32には高圧の油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。リザーバ30とオイルポンプ36との間の油圧供給導管32には油圧排出導管40の一端が接続されている。
【0026】
尚図1には示されていないが、オイルポンプ36の吸入側の油圧供給導管32と吐出側の油圧供給導管32とを連通接続する導管が設けられ、該導管の途中にはアキュムレータ38内の圧力が基準値を越えた場合に開弁し吐出側の油圧供給導管32より吸入側の油圧供給導管32へオイルを戻すリリーフ弁が設けられている。
【0027】
オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32は、油圧制御導管42により電磁開閉弁24Lとホイールシリンダ22FLとの間のブレーキ油圧供給導管18に接続され、油圧制御導管44により電磁開閉弁24Rとホイールシリンダ22FRとの間のブレーキ油圧供給導管20に接続され、油圧制御導管46により左後輪用のホイールシリンダ22RLに接続され、油圧制御導管48により右後輪用のホイールシリンダ22RRに接続されている。
【0028】
油圧制御導管42、44、46、48の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁50FL、50FR、50RL、50RRが設けられている。リニア弁50FL、50FR、50RL、50RRに対しホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの側の油圧制御導管42、44、46、48はそれぞれ油圧制御導管52、54、56、58により油圧排出導管40に接続されており、油圧制御導管52、54、56、58の途中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁60FL、60FR、60RL、60RRが設けられている。
【0029】
リニア弁50FL、50FR、50RL、50RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する増圧弁(保持弁)として機能し、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する減圧弁として機能し、従ってこれらのリニア弁は互いに共働してアキュムレータ38内より各ホイールシリンダに対する高圧のオイルの給排を制御する増減圧制御弁を構成している。
【0030】
尚各電磁開閉弁、各リニア弁及び電動機34に駆動電流が供給されない非制御時には電磁開閉弁24L及び24Rは開弁状態に維持され、電磁開閉弁26、リニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL〜60RRは閉弁状態に維持される(非制御モード)。またリニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL〜60RRの何れかが失陥し、対応するホイールシリンダ内の圧力を正常に制御できなくなった場合にも各電磁開閉弁等は非制御モードに設定され、これにより各車輪のホイールシリンダ内の圧力は直接マスタシリンダ14により制御される。
【0031】
図1に示されている如く、第一のマスタシリンダ室14Aと電磁開閉弁24Lとの間のブレーキ油圧制御導管18には該制御導管内の圧力を第一のマスタシリンダ圧力Pm1として検出する第一の圧力センサ66が設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14Bと電磁開閉弁24Rとの間のブレーキ油圧制御導管20には該制御導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力Pm2として検出する第二の圧力センサ68が設けられている。ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークStを検出するストロークセンサ70が設けられ、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管32には該導管内の圧力をアキュムレータ圧力Paとして検出する圧力センサ72が設けられている。
【0032】
それぞれ電磁開閉弁24L及び24Rとホイールシリンダ22FL及び22FRとの間のブレーキ油圧供給導管18及び20には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22FL及び22FR内の圧力Pfl、Pfrとして検出する圧力センサ74FL及び74FRが設けられている。またそれぞれ電磁開閉弁50RL及び50RRとホイールシリンダ22RL及び22RRとの間の油圧制御導管46及び48には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22RL及び22RR内の圧力Prl、Prrとして検出する圧力センサ74RL及び74RRが設けられている。
【0033】
電磁開閉弁24L及び24R、電磁開閉弁26、電動機34、リニア弁50FL〜50RR、リニア弁60FL〜60RRは、後に詳細に説明する如く図2に示された制動制御用電子制御装置78により制御される。電子制御装置78はマイクロコンピュータ80と駆動回路82とよりなっている。尚マイクロコンピュータ80は図1には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
【0034】
マイクロコンピュータ80には、圧力センサ66及び68よりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す信号、ストロークセンサ70よりブレーキペダル12の踏み込みストロークStを示す信号、圧力センサ72よりアキュムレータ圧力Paを示す信号、圧力センサ74FL〜74RRよりそれぞれホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、ブレーキスイッチ(BKSW)84よりブレーキペダル12が踏み込まれているか否かを示す信号が入力される。
【0035】
ブレーキペダル12が踏み込まれることによりブレーキスイッチ84がオン状態になると、ブレーキランプ86が点灯されると共に、起動手段としての電源回路88及び90が駆動され、これにより電源回路88より各センサへ駆動電流が供給され、また電源回路90よりマイクロコンピュータ80及び駆動回路82へ駆動電流が供給される。電源回路90はイグニッションスイッチ(IGSW)92がオンに切り換えられることによっても駆動され、電源回路90がブレーキスイッチ84及びイグニッションスイッチ92の何れにより駆動された場合にも、マイクロコンピュータ80及び駆動回路82への駆動電流の供給はイグニッションスイッチ92がオフに切り換えられるまで継続される。
【0036】
マイクロコンピュータ80は、後述の如く図3に示されたフローチャートによる制御ルーチンを記憶しており、イグニッションスイッチ92によって電源回路90が駆動されることにより起動されたときには、ブレーキペダル12が踏み込まれている限り電磁開閉弁26を開弁すると共に、電磁開閉弁24L及び24Rを閉弁し、その状態にて圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2及びストロークセンサ70より検出された踏み込みストロークStに基づき各車輪の目標ホイールシリンダ圧力Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制動圧Piが目標ホイールシリンダ圧力Ptiになるよう各リニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRを制御する(通常制御モード)。
【0037】
またマイクロコンピュータ80は、後述の如く図3に示されたフローチャートに従い、イグニッションスイッチ92がオフの状態にてブレーキスイッチ84によって電源回路90が駆動されることにより起動されたときには、ブレーキペダル12が踏み込まれている限り電磁開閉弁26を閉弁状態に維持したまま電磁開閉弁24L及び24Rを閉弁し、その状態にて圧力センサ66及び68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1及びPm2に基づき各車輪の目標ホイールシリンダ圧力Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制動圧Piが目標ホイールシリンダ圧力Ptiになるよう各リニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRを制御する(ブレーキペダル踏み込み起動時制御モード)。
【0038】
特に図示の実施形態に於いては、マイクロコンピュータ80は、イグニッションスイッチ92がオフの状態にてブレーキスイッチ84によって電源回路90が駆動されることにより起動された場合に於いて、ブレーキペダル12の踏み込みが一旦解除された後ブレーキペダル12が再度踏み込まれたときには、電磁開閉弁26を開弁すると共に電磁開閉弁24L及び24Rを閉弁し、イグニッションスイッチ92により電源回路90が駆動されることによりマイクロコンピュータ80が起動された場合と同様の要領にて各車輪の制動圧を制御する。即ち制御モードがブレーキペダル踏み込み起動時制御モードより通常制御モードへ移行する。
【0039】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける制動制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は電子制御装置78が起動されることにより開始され、イグニッションスイッチ92がオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
【0040】
まずステップ10に於いてはブレーキペダル12が所定量以上踏み込まれているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ20に於いて電磁開閉弁26が閉弁され又は閉弁状態に維持されると共に、電磁開閉弁24L及び24Rが開弁され又は開弁状態に維持され、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0041】
尚ブレーキペダル12が所定量以上踏み込まれているか否かの判別は、ブレーキスイッチ84がオン状態にあるか否かの判別、圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1及びPm2の平均値Pmaが基準値Pmo(正の定数)以上であるか否かの判別、ストロークセンサ70により検出された踏み込みストロークStが基準値Sto(正の定数)以上であるか否かの判別の何れか又はそれらの任意の組み合わせにより行われてよい。
【0042】
ステップ30に於いては電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動されたか否かの判別が行われ、否定判別、即ちイグニッションスイッチ92がオンに切り換えられることにより起動された旨の判別が行われたときにはステップ50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
【0043】
ステップ40に於いては電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動された後ブレーキペダル12の踏み込みが解除されたことがあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ90へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
【0044】
尚ブレーキペダル12の踏み込みの解除はブレーキスイッチ84がオンよりオフに切り換えられたか否か、圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1及びPm2の平均値Pmaが基準値Pmo以下になったか否か、ストロークセンサ70により検出された踏み込みストロークStが基準値Sto以下になったか否かの何れか又はそれらの任意の組み合わせにより判定されてよい。
【0045】
ステップ50に於いては電磁開閉弁26が開弁され又は開弁状態に維持されると共に、電磁開閉弁24L及び24Rが閉弁され又は閉弁状態に維持される。
【0046】
ステップ60に於いては圧力センサ66により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1を示す信号等の読み込みが行われ、マスタシリンダ圧力Pm1及びPm2の平均値Pmaに基づき図4に示されたグラフに対応するマップよりマスタシリンダ圧力に基づく目標減速度Gptが演算される。
【0047】
ステップ70に於いてはストロークセンサ70により検出された踏み込みストロークStに基づき図5に示されたグラフに対応するマップより踏み込みストロークに基づく目標減速度Gstが演算される。
【0048】
ステップ80に於いては前回の最終目標減速度Gtfに基づき図6に示されたグラフに対応するマップより目標減速度Gptに対する重みα(0≦α≦1)が演算されると共に、下記の式1に従って目標減速度Gpt及び目標減速度Gstの重み付け和として最終目標減速度Gtが演算される。尚図示の実施形態に於いては、重みαは前回の最終目標減速度Gtfに基づき演算されるようになっているが、目標減速度Gpt又はGstに基づき演算されるよう修正されてもよい。
Gt=α・Gpt+(1−α)Gst ……(1)
【0049】
ステップ90に於いては電磁開閉弁26が閉弁状態に維持されると共に、電磁開閉弁24L及び24Rが閉弁され又は閉弁状態に維持される。
【0050】
ステップ100に於いては上記ステップ60の場合と同様マスタシリンダ圧力Pm1及びPm2の平均値Pmaに基づき図4に示されたグラフに対応するマップよりマスタシリンダ圧力に基づく目標減速度Gptが演算され、ステップ110に於いては最終目標減速度Gtが目標減速度Gptに設定される。
【0051】
ステップ120に於いては最終目標減速度Gtに対する各車輪の目標ホイールシリンダ圧力の係数(各車輪のブレーキ効き係数を考慮した正の係数)をKi(i=fl、fr、rl、rr)として、下記の式2に従って各車輪の目標ホイールシリンダ圧力Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ130に於いては各車輪のホイールシリンダ圧力が目標制動圧Ptiになるよう油圧フィードバックにより制御される。
Pti=Ki・Gt ……(2)
【0052】
かくして図示の実施形態によれば、ステップ10に於いてブレーキペダル12が所定量以上踏み込まれていると判定されると、ステップ30に於いて電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動されたか否かの判別が行われ、イグニッションスイッチ92がオンに切り換えられることにより電子制御装置78が起動されたと判定されると、ステップ50に於いて電磁開閉弁26が開弁され又は開弁状態に維持されると共に、電磁開閉弁24L及び24Rが閉弁され又は閉弁状態に維持され、ステップ60〜80、120、130に於いてマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pma及びブレーキペダル12の踏み込みストロークStに基づき最終目標減速度Gtが演算され、最終目標減速度Gtに基づき各車輪の制動力が通常制御モードにてブレーキバイワイヤ式に制御される。
【0053】
これに対しステップ30に於いて電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動されたと判定されると、ステップ40に於いてブレーキペダル12の踏み込みが解除されたことがあるか否かの判別が行われ、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されたことがないと判定されると、ステップ90に於いて電磁開閉弁26が閉弁状態に維持されたまま電磁開閉弁24L及び24Rが閉弁され又は閉弁状態に維持され、ステップ100〜130に於いてマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pmaに基づき最終目標減速度Gtが演算され、最終目標減速度Gtに基づき各車輪の制動力がブレーキペダル踏み込み起動時制御モードにてブレーキバイワイヤ式に制御される。
【0054】
従って図示の実施形態によれば、電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動されたときには、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されない限り、電磁開閉弁26が閉弁状態に維持され、マスタシリンダ14とストロークシミュレータ28とが遮断された状態に維持されるので、ブレーキペダル12の踏み込みにより加圧されたマスタシリンダ14内の作動液体が非加圧状態のストロークシミュレータ28へ流出することに起因してブレーキペダル12の踏み込みストロークが不自然に増大すること及びこれに起因して運転者が異和感を覚えることを確実に防止することができる。
【0055】
尚この場合、ブレーキペダル12はドライストロークシミュレータ16の作動によってのみストロークし、通常制御時に比してブレーキペダル12のストロークが小さくなるが、ブレーキペダル12の踏力を増大させなくてもストロークが不自然に増大する従来の場合に比して、運転者が感じる異和感の程度は遥かに小さい。
【0056】
特に図示の実施形態によれば、電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動され、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されたことがないときには、マスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pmaに基づき最終目標減速度Gtが演算され、最終目標減速度Gtに基づき各車輪の制動力が制御されるので、電子制御装置78がブレーキペダル12の踏み込みにより起動され、ブレーキペダル12の踏み込みが解除されたことがない状況に於いても確実に運転者の制動操作量に応じて各車輪の制動力を制御することができる。
【0057】
また図示の実施形態によれば、ステップ30に於いてレーキペダル12の踏み込みにより起動されたと判定された場合であっても、ステップ40に於いてブレーキペダル12の踏み込みが解除されたことがあると判定されると、ステップ50へ移行し、制御モードがブレーキペダル踏み込み起動時制御モードより通常制御モードへ移行するので、2回目以降の制動操作時にはブレーキ装置10はイグニッションスイッチ92がオンに切り換えられることにより電子制御装置78が起動された場合と同様に作動し、2回目以降の制動操作時にブレーキペダル12のストロークがブレーキペダル踏み込み起動時制御モード時の如く制限されること及びこれに起因して運転者が異和感を感じることを確実に防止することができ、またマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pma及びブレーキペダル12の踏み込みストロークStに基づき終目標減速度Gtが演算されるので、各車輪の制動力を正確に運転者の制動操作量に応じて制御することができる。
【0058】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0059】
例えば上述の実施形態に於いては、通常制御モード時には各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の制動操作量を示す値としてのマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pma及びブレーキペダルの踏み込み量Stに基づいて運転者の要求減速度Gtが演算され、各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の要求減速度Gtに基づいて演算されるようになっているが、通常制御モード時に於ける制動力の制御自体は本発明の要旨をなすものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
【0060】
また上述の実施形態に於いては、ブレーキペダル踏み込み起動時制御モード時には各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の制動操作量を示す値としてのマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2の平均値Pmaに基づいて運転者の要求減速度Gtが演算され、各車輪の目標制動圧Ptiは運転者の要求減速度Gtに基づいて演算されるようになっているが、ブレーキペダル踏み込み起動時制御モード時に於ける制動力の制御も本発明の要旨をなすものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
【0061】
また上述の実施形態に於いては、各車輪のホイールシリンダ圧力Piを制御する増減圧制御弁は増圧制御弁としてのリニア弁50FL〜50RR及び減圧制御弁としてのリニア弁60FL〜60RRよりなっているが、これらの弁は増減圧及び保持の機能を備えた制御弁に置き換えられてもよい。
【0062】
また上述の実施形態に於いては、運転者による制動操作量が基準値以上であり運転者により制動操作が行われているか否かの判別は、ブレーキスイッチ84がオン状態にあるか否かの判別、マスタシリンダ圧力の平均値Pmaが基準値Pmo以上であるか否かの判別、ブレーキペダル12のストロークStが基準値Sto以上であるか否かの判別の何れか又はそれらの任意の組み合わせにより行われるようになっているが、これらの判別に代えて又はこれらの何れかの判別との組合せにて例えば踏力センサにより検出されるブレーキペダル12に対する踏力が基準値以上であるか否かの判別が行われてもよい。
【0063】
同様に、上述の実施形態に於いては、ブレーキペダル12の踏み込みの解除はブレーキスイッチ84がオンよりオフに切り換えられたか否か、マスタシリンダ圧力の平均値Pmaが基準値Pmo以下になったか否かの判別、ブレーキペダル12のストロークStが基準値Sto以下になったか否かの判別の何れか又はそれらの任意の組み合わせにより行われるようになっているが、これらの判別に代えて又はこれらの何れかの判別との組合せにて例えば踏力センサにより検出されるブレーキペダル12に対する踏力が基準値以下になったか否かの判別が行われてもよい。
【0064】
更にマスタシリンダ圧力は二つの圧力センサ66及び68により検出されるようになっているが、マスタシリンダ圧力は一つの圧力センサにより検出されるよう修正されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置の一つの実施形態の油圧回路を示す概略構成図である。
【図2】図1に示された実施形態の制御系を示すブロック図である。
【図3】図示の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】マスタシリンダ圧力の平均値Pmaと目標減速度Gptとの間の関係を示すグラフである。
【図5】ブレーキペダルの踏み込みストロークStと目標減速度Gstとの間の関係を示すグラフである。
【図6】前回の最終目標減速度Gtfと目標減速度Gptに対する重みαとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ブレーキ装置
12…ブレーキペダル
14…マスタシリンダ
22FL〜22RR…ホイールシリンダ
24F、24R、26…電磁開閉弁
50FL〜50RR…リニア弁
60FL〜60RR…リニア弁
66、68…圧力センサ
70…ストロークセンサ
72、74FL〜74RR…圧力センサ
76FL〜76RR…車輪速度センサ
78…電子制御装置
84…ブレーキスイッチ
86…ブレーキランプ
88、90…電源回路

Claims (4)

  1. 運転者により制動操作子が操作されることにより駆動されるマスタシリンダと、各車輪に対応して設けられたホイールシリンダと、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの連通を制御する遮断弁と、前記ホイールシリンダに対する作動液体の給排を制御する増減圧制御弁と、前記マスタシリンダに接続され前記マスタシリンダより作動液体の流入を許容するストロークシミュレータと、前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとの連通を制御する常閉弁と、前記遮断弁、前記増減圧制御弁、前記常閉弁を制御する制御手段と、前記制御手段が起動されていない状況にて前記制動操作子が操作されたときには前記制御手段を起動させる起動手段とを有する車輌の制動制御装置に於いて、前記制御手段は前記起動手段により起動されたときには前記常閉弁を閉弁状態に維持することを特徴とする車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置。
  2. 前記制御手段は前記制動操作子が操作されなくなるまで前記常閉弁を閉弁状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置。
  3. 前記制動操作子が操作されたことは前記制動操作子の移動量、前記マスタシリンダの液圧、前記制動操作子に対する操作により駆動されるスイッチの少なくとも何れかにより検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置。
  4. 前記制御手段は前記制動操作子が操作されなくなった後再度操作されたときに前記常閉弁を開弁させることを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌のセミブレーキバイワイヤ式制動制御装置。
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