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JP2004255665A - 光触媒機能を有するセメント系成形物及び該セメント系成形物の製造方法 - Google Patents

光触媒機能を有するセメント系成形物及び該セメント系成形物の製造方法 Download PDF

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JP2004255665A
JP2004255665A JP2003047725A JP2003047725A JP2004255665A JP 2004255665 A JP2004255665 A JP 2004255665A JP 2003047725 A JP2003047725 A JP 2003047725A JP 2003047725 A JP2003047725 A JP 2003047725A JP 2004255665 A JP2004255665 A JP 2004255665A
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cement
photocatalytic function
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sheet
titanium oxide
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Minoru Hata
実 畑
Yukihito Tone
如人 刀根
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TOUMEI KK
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TOUMEI KK
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Abstract

【課題】大気中に存在する有害物質を光触媒組成物によって除去するセメント系硬化材よりなる成形物及びその成形物の製造方法に関するもので、従来のセメント系製品や構造物の成形物の表面に酸化チタンを吹き付け、塗布する方法は、膜厚が薄くなり、大気に充分に触れるほどの量を確保することは難しいという問題点があった。
また、流れ落ちる「タレ」やムラが生じて均一に当該材料を分散被着する表面を得ることはできなかった。
更に、「ハガレ」る危険性が非常に高という問題点があった。
【解決手段】光触媒機能を有する材料を含有したシートを型枠より転移被着してセメント系硬化材の表面に光触媒層を形成してなることを特徴とする光触媒機能を有するセメント系成形物及び型枠の内側面に離型剤を塗布し、該離型剤の塗布面に光触媒機能を有する材料を含有したシートを被着し、該型枠のシート面を覆うようにセメント系硬化材を流し込んで硬化させ、該セメント系硬化材の表面に該シートを型枠より転移被着してなることを特徴とする光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、大気中に存在する有害物質を光触媒組成物によって除去する光触媒機能を有するコンクリート等のセメント系硬化材よりなる成形物及びその成形物の製造方法に関するもので、特に成形物の表面に光触媒機能を有する材料を脱落させることなく大量、且つ強固に被着してなるセメント系成形物及び該セメント系成形物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のセメント系成形物においては、当該成形物の使用場所により、その表面が大気汚染や細菌類の繁殖等により汚染され、また、これらの汚染で当該セメント系成形物から悪臭が発生していた。上記現象を防止する手段としては大気を浄化すること、水質を浄化すること等の手段が考えられている。当該手段の有効なものとしては、酸化チタンの光触媒機能を利用するものがある。当該材料を利用するものとしては特開平9ー157549号公報、特開平11ー93134号公報、特開平11ー263653号公報、特開平11ー193629号公報、特開平11ー323190号公報、特開平11ー323191号公報及び特開平11ー323257号公報等で汚染浄化手段が提案されている。
【0003】
上記手段は、いずれにおいてもセメント系成形物に光触媒機能を有する酸化チタンを組み込ませるもので、これによりセメント系成形物の表面に現れる汚染や悪臭の発生を防止している。
【0004】
上記汚染や悪臭発生の防止手段として上記公報で開示されている内容は下記の通りである。
1)特開平9ー157549号公報で提案されているものは、酸化チタンを有機樹脂のエマルジョンに混合してセメント系成形物の表面に塗布するものである。
2)特開平11ー93134号公報で提案されている防止手段は、セメントと酸化チタンを水を介して混練して酸化チタン含有セメントをセメント系成形物として適用するものである。
3)特開平11ー263653号公報で提案されているものは、酸化チタン粉末とセメントとの混和物をセメント系成形物の表面に吹き付けるものである。
4)特開平11ー193629号公報で提案されている防止手段は、合成樹脂発泡体からなる型枠にバインダー層を介して酸化チタンを付着し、この型枠にセメントを打ち込んで成形するものである。
5)特開平11ー323190号公報、特開平11ー323191号公報及び特開平11ー323257号公報等で提案されている防止手段は、有機溶剤に分散させた酸化チタンと光触媒作用では分解されないバインダーとを混合した光触媒塗料をセメント系成形物に塗布して乾燥定着させたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の防止手段は、1)にあっては、有機樹脂自体が光触媒作用により分解されるので、有機樹脂を介してセメント系成形物の表面に定着している酸化チタンは定着状態が不安定となり早期に該セメント系成形物の表面より脱落する欠点があった。
【0006】
また、上記2)の防止手段にあっては、セメントと酸化チタンとを混練してセメント系コンクリート成形物を成形しているので、光触媒作用を発揮する成形物表面の酸化チタンの量は、酸化チタンの総使用量に対して極めて少なく、該光触媒作用を達成する使用効率が低く、且つ、該酸化チタンはセメントと比較して高価であり大幅なコスト上昇となり非経済的であった。
【0007】
更に、上記3)の防止手段にあっては、セメント系成形物に吹き付けているので均等に付着させのは困難で、所定の効果を得るには所定厚になるまでの吹き付けが必要となり、酸化チタンのバラツキに問題があり、且つ、セメント系成形物の表面の平滑性を損ない、並びにセメント系成形物が基層と表面層の二層構造となり、光触媒機能を有する表層が剥離し易い欠点があった。
【0008】
また、上記4)の防止手段にあっては、発泡スチロール等の合成樹脂発泡体からなる型枠にバインダー層を介して酸化チタンの粉末を付着し、該型枠にセメントを打ち込んで成形しているので、成形後に該合成樹脂発泡体の型枠を破損して脱型することになり、型枠の反復使用ができず非経済的であり、且つ、当該型枠を廃棄物として処理しなければならなかった。更に、該酸化チタンを安定的に型枠に保持させるにはバインダーの量を多くする必要があり、該バインダーは成形後に流出するとはいえ、多くの量が成形物の表面に残留し、残留したバインダーは酸化チタンがセメント系成形物の表面に良好に定着することの妨げとなっていた。
【0009】
また、上記5)の防止手段にあっては、有機溶剤に分散させた酸化チタンと光触媒作用では分解されないバインダーを混合した光触媒塗料を塗布しているが、光触媒塗料に分解されないバインダーはフッ素系のみであり作業環境の汚染、人体への影響、危険性、塗布作業の煩雑さ等々の問題点があった。
【0010】
上記従来例の内、酸化チタンを吹き付ける方法が好ましい手段であるが、該酸化チタンは比重が大きいため、粘度の小さい溶液を使用して吹き付けているので、表面に塗布する酸化チタンの膜厚は10ミクロン以下と薄くなってしまい、大気に充分に触れるほどの量を吹き付けることは困難であった。
【0011】
また、溶液の粘度が小さいため、流れ落ちる「タレ」現象が発生し、表面にムラが生じて均一に酸化チタンが分散被着される表面とはならなかった。表面にムラがあれば、触媒反応がそれだけ低下することになる。
更に、コンクリートやモルタル等のセメント系硬化材が硬化した後の塗布であるため、該硬化材と酸化チタンとの接着力は硬化材の凹凸に頼らざるを得ず、酸化チタンが表面から剥がれる「ハガレ」の危険性が非常に高という問題点があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記様々な課題を解決するために成されたもので、身体に悪影響を及ぼすことなく、空気の浄化や悪臭発生の防止を達成することができ、特にNOx量の数値を下げることにより当該環境基準を達成することが可能で、セメント系成形物の表面に光触媒機能を有する材料を所定量、強固に被着してなるセメント系成形物及び該セメント系成形物の製造方法に関する。
【0013】
その具体的手段として、光触媒機能を有する材料を含有したシートを型枠より転移被着してセメント系硬化材の表面に光触媒層を形成してなる光触媒機能を有するセメント系成形物を特徴とする。
【0014】
上記光触媒機能を有する材料を、酸化チタン或いはアパタイト被覆酸化チタンとした光触媒機能を有するセメント系成形物を特徴とする。
【0015】
上記シートを、水溶性、水解性又はアルカリ崩壊性の紙或いは繊維製とした光触媒機能を有するセメント系成形物を特徴とする。
【0016】
また、型枠の内側面に離型剤を塗布し、該離型剤の塗布面に光触媒機能を有する材料を含有したシートを被着し、該型枠のシート面を覆うようにセメント系硬化材を流し込んで硬化させ、該セメント系硬化材の表面に該シートを型枠より転移被着してなるセメント系成形物の製造方法を特徴とする。
【0017】
更に、型枠の内側面に離型剤を塗布し、該離型剤の表面にセメント系硬化材とは異なる消滅色素を有する材料を被着し、該着色材料の表面側に光触媒機能を有する材料を含有したシートを被着し、該型枠のシート面を覆うようにセメント系硬化材を流し込んで硬化させてなる光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法を特徴とする。
【0018】
上記光触媒機能を有する材料は、酸化チタン或いはアパタイト被覆酸化チタンとした光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法を特徴とする。
【0019】
更に、上記シートを、水溶性、水解性又はアルカリ崩壊性の紙或いは繊維製とした光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法を特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて本発明を詳述する。
【実施例1】
本実施例の光触媒機能を有するセメント系硬化材を製造する方法は、まず、予め型枠内に光触媒材料を均等に分散配置するために、型枠の該セメント系硬化材が打設される側に、界面活性剤や油分を主成分とする油性或いは水溶性の離型剤を吹き付け、或いは塗布し、該離型剤の表面側に光触媒材料を有するシートを被着させる。
【0021】
上記型枠としては、鋼製型枠、木製型枠、ゴム製型枠等のものを採用することにより反復使用しながら各種セメント系成形物を製造することができ、且つそれら型枠の様々な形状により異なった形状の成形物を得ることができる。
【0022】
上記セメント系成形物を成形する型枠内に打設するセメント材料としては、スランプの大小に関係なく、ポルトランドセメント、早強セメント、高炉セメント等の一般的な材料である。
また、上記によって成形されるセメント系成形物としては、縁石等の小型成形物からL字型擁壁や大型積みブロック等の大型成形物まで様々な用途及び形状のものに採用できる。
【0023】
上記光触媒材料としては、酸化チタン(チタニア)を使用する。該酸化チタンは、光が当たると触媒機能を発揮し、大気中の有害物質である窒素酸化物(NOx)等を除去する無機材料であることが知られている。光触媒材料としては多数存在するが、該酸化チタンは他の材料に比較して化学的に安定性があり、毒性が無く、触媒性能が高く、低価格で且つ酸・アルカリに対して安定である等の優れた物質で、工業的にも広く使用されている。この酸化チタンを屋外の構造物や屋外の壁、天井の材料中に混入しておけば光に反応して空気中の有害物質を自動的に除去することが可能である。例えば車が多数行き来する道路脇の建築物や構造物の壁面にこの酸化チタンが含まれていれば、大気中の有害物質と触れて光触媒作用によりこれを除去することが可能となり、大気汚染の問題点を緩和でき、非常に好ましい効果が期待できる。
【0024】
しかし、上記酸化チタンは、触媒性能が高いので、例えばプラスチックに塗布すると該プラスチックが分解し、ぼろぼろになる欠点があり、当該材料を適用する基盤の選択には限られたものがあり、現在のところセメント系が最も適している。
上記酸化チタンは、粉体のまま撒いてもよいが、小量の水や固着材料としてセメント等を混入して溶いてからセメント系成形物に使用するのが好適である。
配合割合は、酸化チタン5〜80重量部、好ましくは60〜80重量部に対し、水が20〜40重量部程度である。
【0025】
固着材料としては、コンクリートやモルタル等と熱膨張率がほとんど等しいシリカ粉末、セメント粉末、針状結晶粉末の例えばフライアッシュ等を1又は複数材料を選択して採用することができる。当該固着材料の重量部としては、前記重量比に対して0〜30重量部程度である。
【0026】
従来の一般的な塗料では、バインダー等を混入させるが、該バインダー等は光触媒としての特性を阻害するため本実施例では採用しない。
【0027】
該光触媒材料を分散配置させる手段としては、シート状の材料を使用する。該シート状材料としては、紙製のものを採用する。
該紙としては、水溶紙、水解紙、アルカリ崩壊性の紙等が使用される。例えば水溶性ポリビニルアルコールを基材としたものがある。
上記紙に、酸化チタンを塗料として吹き付ける。吹き付け塗布量は、100cc以下/m、望ましくは50〜70cc/mとした。
【0028】
上記紙に代わり、繊維シートを使用することができる。該繊維シートとしては、繊維状カルボキシメチルセルロース、繊維状カルボキシエチルセルロース、繊維状カルボキシエチルメチルセルロース等の繊維状カルボキシアルキルセルロースの塩であり、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩或いはメチルアミン、エタノールアミン等とのアミン塩である。
【0029】
また、上記シートとして、アルカリ崩壊性シートを使用することも可能である。上記材料としてはポリプロピレン繊維と水不溶性或いは水難溶性のカルボキシメチルセルロース又はカルボキシエチルセルロースを構成するものがある。上記材料にかかわらず、セメントと接することによりそのアルカリにより溶解或いは解砕されて崩壊するシートであればよい。
【0030】
図1に示すように、型枠の内側面に離型剤を塗布し、該離型剤の表面に光触媒機能を有する材料を含有したシート1を被着し、該型枠を組み込んだ後、該シート1面を覆うようにしてセメント、細骨材、粗骨材等を混入して水で混練したコンクリート2を流し込む。該コンクリート2が硬化する前にバイブレーターにより振動を与えることも効果的である。所定時間の蒸気養生及び型枠の脱型後、硬化したセメント系成形物を完成させる。
【0031】
型枠の内側表面に離型剤が塗布されているので、脱型前にはコンクリートの表面側にシートが転移し、セメント系成形物の表面に該シートが被着されることになる。
コンクリートの硬化前に転移した該シートは、水溶性、水解性或いはアルカリ崩壊性のため、該シートを構成する紙や繊維はセメント系成形物の表面において溶け或いは崩壊することになる。しかし該シート中に含まれた光触媒材料はそのまま残り、コンクリートの表面に強固に被着されることになる。
該シートの材料は、上記に示した材料を含めセメント系成形物が硬化する前に溶けたり、崩壊する材料であれば良い。
【0032】
【実施例2】
上記実施例1で示した水溶性、水解性或いはアルカリ崩壊性等のシート状の材料に、光触媒材料としてアパタイト被覆酸化チタンを塗着使用する。該アパタイト被覆酸化チタンは上記実施例1と同様、粉体のまま撒いてもよいが、小量の水や固着材料としてセメント等を混入して溶いてから該シートに散布させる。
配合割合は、アパタイト被覆酸化チタン5〜80重量部、好ましくは5〜40重量部に対し、水が40〜80重量部程度である。
【0033】
上記アパタイトは、タンパク質や物質の吸着機能に優れた材料で、大量の細菌やウイルス、アンモニアや窒素酸化物、アルデヒド類等を吸着することができる環境浄化材料である。
該アパタイトがNOxを吸着し、その吸着したNOxを酸化チタンが分解除去することにより除去量の向上を図ることが可能となる。
【0034】
図2に示すように、型枠のセメント系硬化材と接する面に離型剤を塗布し、該離型剤の表面に光触媒機能を有する材料であるアパタイト被覆酸化チタンを含有したシート3を被着し、該型枠を組み込んだ後、該シート3面を覆うようにしてセメント、細骨材、粗骨材等を混入して水で混練したコンクリート4を流し込む。該コンクリート4が硬化する前にバイブレーターにより振動を与えることも効果的である。型枠の脱型後、所定時間の蒸気養生を行い、硬化したセメント系製品を完成させる。
【0035】
型枠の表面に離型剤が塗布されているので、脱型前にはセメント系硬化材の表面側にシートが転移し、その表面にシートが被着されることになる。
該シートは水溶性、水解性或いはアルカリ崩壊性のため、該シートを構成する紙や繊維はセメント系成形物の表面において溶け或いは崩壊することになる。しかし該シート中に含まれた光触媒材料はそのまま残り、コンクリートの表面に強固に被着されることになる。
なお、アパタイトを被覆した酸化チタンの粒子は、少なくともその一部が塗膜の表面に露出している必要がある。
【0036】
アパタイト被覆酸化チタンの表面電荷は、周りの水溶液のpHにより変化し、中性領域では非常に小さいことから粉体は凝集状態となるが、アルカリ領域では大きくなることから粉体は分散状態となるため塗料の分散状態は良好となる。更に、塗料のpHをアルカリ性とすることによりフレッシュコンクリートのpHとほぼ同様になることから塗料の成分がコンクリート表面に含浸する。
また、必要に応じて分散剤を使用するが、該分散剤としては一般的な材料が使用される。該分散剤の量は1〜10重量部、望ましくは1〜3重量部で良い。添加の順番は一般的な方法である。
【0037】
上記実施例1、2に係る製造方法によって製造したサンプルを使用して窒素酸化物の除去性能試験を行った。紫外線照射条件は、2リットルの密封容積中に10cm×10cmの大きさのサンプルを置き、流量1リットル/minで窒素酸化物をサンプルに平行に流し、紫外線をサンプルに垂直に照射した場合の値である。
この方法では反応に寄与しない窒素酸化物が大半であるにも関わらず、紫外線照射なしの場合、窒素酸化物濃度が0.92ppmであったものが、紫外線を照射すると0.86ppmへと低下した。NOxは、呼吸器疾病等の健康害を与え、光化学スモックや酸性雨の原因物質となっており、通常、比較的交通量の多い道路では0.5ppm程度であり、高速道路では0.8ppm程度と言われている。紫外線照射によって有害な窒素酸化物(NOx)がHNOへと変化したものである。上記0.86ppmという数値は、従来の有機結着剤を使用して酸化チタンを吹き付けたものなどでは決して得られなかった数値であった。これは酸化チタンの表面を有機結着剤が覆うことがなく、大気とチタンが触れ易くて触媒性能がより有効に引き出された結果であると考えられる。
【0038】
また、図3に示すように、表面フロー式試験の結果、アパタイト被覆酸化チタンを設けた多孔質コンクリートは、模擬汚染ガス中の1ppmの窒素酸化物濃度を0.3ppmまで浄化したのに対し、酸化チタンを単体で使用したものは0.9ppm程度までの浄化であった。
【0039】
これはアパタイトがNOxを吸着し、酸化チタンの表面近傍にNOxが固定化することから反応が容易となったものと推察される。コンクリートをミクロ的に考えると多孔質であることからNOxの吸着反応としては理想的であると考えられる。
【0040】
アパタイトを被覆した酸化チタンを屋外での効果を確認する目的で屋外で試験を行った。アパタイトを被覆した酸化チタンのシートを転写法でSPブロック;2mの表面に固定化した。アパタイトを被覆した酸化チタンのSPブロックを縦2個、横2個に積み、比較用として通常SPブロック(酸化チタン無し)をその横に設置した。NOx源としては10トントラックのエンジンをONにして供給し、ブロックとの距離は12m離した。
予備試験としてトラックとブロックとの距離を近くしてみたが、数値が高くなり測定することはできなかった。
【0041】
測定は、ブロック表面の空気2401を約3時間吸い取り、そのガスについてはJIS k0104(排ガス中の窒素酸化物分析方法)に準じ547nmの吸光度を分析した。データの信頼度を上昇させるため空気分析量を通常の約1.5倍とし信頼数字は小数点3桁とした。
本試験の結果、NOx量は光触媒が無い場合、1回目;0.025ppm、2回目;0.024ppmとなり、通常道路と高速道路との中間値程度のレベルであった。アパタイトを被覆した酸化チタンを採用したブロックの場合の数値は、1回目;0.021ppm、2回目;0.018ppmとなり、通常ブロックの数値と比較すると約20%程度減少することが判った。
【0042】
上記本試験では酸化チタンの表面にアパタイトを被覆しているため吸着性能によりNOxが固定化されるため酸化チタンとNOxとの反応が進行した結果と考えられる。但し、本試験のアパタイトを被覆した酸化チタンでも風の影響を受け強い風では反応が進まず、風が納まってから反応するものと考えられる。
【0043】
【実施例3】
上記実施例1、2で示した型枠の内側における離型剤の表面側に、所定時間経過後に消滅する色素を有する材料を全面に被着し、更に、該色素の表面側に光触媒機能を有する材料を含有したシートを被着する。色素としては、カロテン色素、食用赤色106号、アナトー色素、カラメル色素、クチナシ色素、コチニール色素、スピルリナ色素、パプリカ色素、ベニコウジ色素、紅花色素、アカキャベツ色素等が選定される。
【0044】
その後、当該シートに面する箇所にセメント系硬化材を打設するため、硬化前には該シートはセメント系成形物側へ転移することになるが、離型剤の表面側に被着されてなる色素もセメント系硬化材側へ移行することになる。
【0045】
当該色素において、該セメント系硬化材と区別可能な色を選定すれば、光触媒機能を有する材料が型枠側からセメント系硬化材側へと移行したことの確認を判別することが可能となる。また、当該色素は所定時間後に消滅することになるので、確認後のセメント系成形物に上記色素が残る問題は生じない。
【0046】
【発明の効果】
上記構成より成る本発明の光触媒機能を有するセメント系成形物は、光触媒機能を有する材料を含有したシートを介して該光触媒材料をセメント系成形物の表面に被着しているので、従来の成形物の表面側に光触媒機能を有する材料を吹き付けた場合、或いは塗布により被着した場合等における層の薄さやムラが生じていたものと比較し、光触媒機能層を厚くし、且つ均一に分布させて当該層を保持することができ、光触媒機能が有効に作用する量を多量に確保することが可能となり、長期にわたって大気中に存在する有害物質を除去することが可能となり汚染処理量が増大した。
【0047】
更に、本発明の該セメント系成形物の製造方法により、型枠内側面に離型剤を介して光触媒機能を有するシートを予め被着し、当該シートに面する箇所にセメント系硬化材を打設するため、硬化前には該シートは確実にセメント系成形物側へ転移し、当該箇所においてシートは溶け或いは崩壊し、該シート中に含有されていた光触媒材料はセメント系成形物の表面に大量に且つ強固に固着されることになる。
その結果、該セメント系成形物に熱膨張や収縮が生じても該触媒層にハガレ現象が生じることがない。
【0048】
また、一般的なエポキシ系、アクリル系、フッ素系、シリコン系等の有機系バインダーを使用しないで、セメント系硬化材の硬化力によってのみ光触媒材料をセメント系成形物の表面側に転写付着させるため、それら有機系材料による劣化がなく、酸化チタン或いはアパタイト被覆酸化チタンによる触媒性能が長期にわたり充分に発揮されることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセメント系硬化材の表面に酸化チタンを被着したセメント系成形物の断面図。
【図2】本発明のセメント系硬化材の表面にアパタイト被覆酸化チタンを被着したセメント系成形物の断面図。
【図3】本発明の光触媒機能を有するセメント系硬化材の表面フロー式試験のNOx濃度/ppm変化を現したグラフ。
【符号の説明】
1・・・光触媒機能を有する材料を含有したシート
2・・・コンクリート
3・・・光触媒機能を有する材料を含有したシート
4・・・コンクリート

Claims (7)

  1. 光触媒機能を有する材料を含有したシートを型枠より転移被着してセメント系硬化材の表面に光触媒層を形成してなることを特徴とする光触媒機能を有するセメント系成形物。
  2. 光触媒機能を有する材料を酸化チタン或いはアパタイト被覆酸化チタンとしたことを特徴とする請求項1に記載の光触媒機能を有するセメント系成形物。
  3. シートを水溶性、水解性又はアルカリ崩壊性の紙或いは繊維製としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒機能を有するセメント系成形物。
  4. 型枠の内側面に離型剤を塗布し、該離型剤の塗布面に光触媒機能を有する材料を含有したシートを被着し、該型枠のシート面を覆うようにセメント系硬化材を流し込んで硬化させ、該セメント系硬化材の表面に該シートを型枠より転移被着してなることを特徴とする光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法。
  5. 型枠の内側面に離型剤を塗布し、該離型剤の表面にセメント系硬化材とは異なる消滅色素を有する材料を被着し、該着色材料の表面側に光触媒機能を有する材料を含有したシートを被着し、該型枠のシート面を覆うようにセメント系硬化材を流し込んで硬化させてなることを特徴とする光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法。
  6. 光触媒機能を有する材料を酸化チタン或いはアパタイト被覆酸化チタンとしたことを特徴とする請求項4又は5に記載の光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法。
  7. シートを水溶性、水解性又はアルカリ崩壊性の紙或いは繊維製としたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1に記載の光触媒機能を有するセメント系成形物の製造方法。
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