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JP2004244381A - 9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法 Download PDF

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JP2004244381A
JP2004244381A JP2003036665A JP2003036665A JP2004244381A JP 2004244381 A JP2004244381 A JP 2004244381A JP 2003036665 A JP2003036665 A JP 2003036665A JP 2003036665 A JP2003036665 A JP 2003036665A JP 2004244381 A JP2004244381 A JP 2004244381A
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dimethylxanthene
dicarboxylic acid
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JP2003036665A
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English (en)
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Tetsuhito Aihara
徹人 相原
Ayako Fujie
彩子 藤江
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Seimi Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seimi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】法的規制や危険性の少ない比較的低圧力範囲で実施できて、高価または特殊な反応設備、器具を必要としない9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法の提供。
【解決手段】(A)0. 08〜1.7MPaの圧力下で、(B)下記式(1)〜(3)で表されるテトラメチルキサンテンを、 (C)低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中、(D)コバルト化合物およびマンガン化合物から選択される少なくとも1つの重金属化合物と、臭素化合物とを含む触媒と、 (E)酸素含有ガスの存在下で酸化反応を行い、それぞれ下記式(4)〜(6)で表される9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を得ることを特徴とする9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【化1】
Figure 2004244381

【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法に関する。詳しくは、 おおよそ大気圧付近の圧力から1.7MPaの圧力範囲において、テトラメチルキサンテンの9位にある2つのメチル基を酸化せずに、残りの2つのメチル基を特異的に酸化してカルボキシル基にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種樹脂原料として有用な9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を合成するための原料であるテトラメチルキサンテンの合成方法は、1968年にOurissonによって初めて発表されたが、その後、1994年に工業的に実施容易な合成方法が開発されるまで、大量に合成する方法はなかった。しかし、テトラメチルキサンテンの工業的合成方法が開発されても、テトラメチルキサンテンから9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸への酸化反応を行うためには、危険の大きな1.72MPa(約17atm)以上の高圧力条件が必要であった(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。そのため法的規制も多く、高価で特殊な反応設備、器具等が必須となり、工業的に実施困難であった。そこで、9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を、法的規制や危険性の少ない低圧力下で、 かつ工業的に実施可能な反応条件で合成する方法が必要とされていた。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5430199号明細書
【非特許文献1】
Andrews et al.,J. Org. Chem.1997, Vol. 62, p1058−1063
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、法的規制や危険性の少ない比較的低圧力範囲で実施できて、高価または特殊な反応設備、器具を必要としない9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(i)(A)0. 08〜1.7MPaの圧力下で、(B)下記式(1)〜(3)で表されるテトラメチルキサンテンを、 (C)低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中、(D)コバルト化合物およびマンガン化合物から選択される少なくとも1つの重金属化合物と、臭素化合物とを含む触媒と、 (E)酸素含有ガスの存在下で酸化反応を行い、それぞれ下記式(4)〜(6)で表される9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を得ることを特徴とする9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0006】
【化3】
Figure 2004244381
【0007】
(ii)前記(C)溶媒が、水、 低級脂肪族カルボン酸無水物および有機溶剤からなる群の中から選択される少なくとも1つの溶媒と、低級脂肪族カルボン酸との混合溶媒であることを特徴とする上記(i)に記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0008】
(iii)テトラメチルキサンテンの酸化反応時の圧力が、 0.08〜1.08MPaであることを特徴とする上記(i)または(ii)に記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0009】
(iv)酸化反応時の圧力が0.08〜0.24MPaで、 かつ低級脂肪族カルボン酸の1atmにおける沸点が130℃以上であることを特徴とする、上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0010】
(v)前記(D)重金属化合物が酢酸塩で、 かつ臭素化合物が臭化水素、 臭化ナトリウム、 臭化カリウムおよび臭化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の臭素化合物であることを特徴とする上記(i)〜(iv)のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0011】
(vi)前記酸化反応を行った反応相より9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を分離して得られる母液、 該母液より回収した低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒を、 原料として再利用することを特徴とする上記(i)〜(v)のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0012】
(vii)混合溶媒中で、再利用されている母液の割合が70Vol%以上であることを特徴とする上記(vi)に記載の9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0013】
(viii)前記母液より回収した重金属化合物または臭素化合物を、反応溶液の触媒として再利用することを特徴とする上記(vi)または(vii)に記載の9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0014】
(ix)前記テトラメチルキサンテンが、下記式(1)で表される3,6,9,9−テトラメチルキサンテンであり、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸が下記式(4)で表される9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸であることを特徴とする上記(i)〜(viii)のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法を提供する。
【0015】
【化4】
Figure 2004244381
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を好適な実施例に基づいて詳細に説明する。本発明は、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を、法的規制の少ない0.08〜1.7MPaの比較的低圧力条件で酸化反応を行うことにより、特殊な反応装置、器具を必要とせず、低コストで製造することを特徴とする(以下、本発明の製造方法と表記する)。具体的には、使用する試薬は非常に汎用されているものであるため、安価かつ入手が容易で、温度、圧力、反応時間等の反応条件は十分に実用性がある、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法である。
【0017】
本発明で言うところのテトラメチルキサンテンとは、下記式(1)〜(3)で表される3つの化合物を指す。また、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸とは、式(1)〜(3)の化合物の9位にある2つのメチル基を除いた残りの2つのメチル基がカルボキシル基に置換された、それぞれ下記式(4)〜(6)で表される3つの化合物を指す。
【0018】
【化5】
Figure 2004244381
【0019】
本発明の製造方法は、(A)0. 08〜1. 7MPaの圧力下で、(B) 前記式(1)〜(3)で表されるテトラメチルキサンテンを、(C)低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中、(D)コバルト化合物またはマンガン化合物から選ばれる1種類以上の重金属化合物と臭素化合物とを含む触媒の存在下、(E)酸素含有ガスにより酸化反応が進行する、前記式(4)〜(6)で表される9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法である。
【0020】
本発明の製造方法の酸化反応時の圧力は、0.08〜1.7MPaであることを必要とする。酸化反応時の圧力とは、テトラメチルキサンテンの3および6位のメチル基のいずれか一方または両方が酸化される時、酸化反応が不可逆的に進行するときの圧力のことをさす。1.7MPaを超える高圧力条件は、危険が多く事故の発生する確率も高くなるので、法的規制が厳しく特殊な反応装置や器具が必要となり、工業的に実施困難である。また、0.08MPa未満は低圧力ではあるが、反応速度が遅くなったり、気化する反応溶液の割合が多くなるので時間生産性が低い。さらに、0.08〜1.7MPaの圧力範囲であれば、酸化反応は添加されている触媒により効率的に進行するため、比較的低圧力下でも反応時間が実用的な範囲にあり、本発明の特性は損なわれない。特に好ましくは、0.08〜1. 08MPaである。この範囲であれば、工業的に実施するにあたり、より法的規制が少なく、必要な反応時間とのバランスがよい。
【0021】
本発明の製造方法を実施する時の酸化反応時の温度は、本発明を実施することができる範囲であれば、特に制限はない。具体的に本発明を実施する温度条件としては、反応圧力に関係なく50〜180℃の反応温度が好ましい。50℃未満であると、反応温度が低くなり過ぎ、触媒活性に十分なエネルギーを得ることが難しく、反応効率の著しい低下、または反応が進行しなくなってしまう。逆に、180℃を超えると、生成した9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸のカルボキシル基の脱炭酸等により、副生成物の割合が増加する傾向にあるからである。より好ましくは、80〜150℃である。この温度範囲であると、生成した9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸のカルボキシル基が脱炭酸し難く、工業的に適用が容易な温度であるので、より安全に効率よく目的の化合物を得ることができるからである。さらに、低級脂肪族カルボン酸、後述の低級脂肪族カルボン酸無水物、有機溶剤等の出発物質や、生成系の物質等の分解も起こりにくいので、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を分離後の母液の再利用にも適するからである。
【0022】
本発明を実施するにあたっては、使用する器具、装置、設備等に特に制限はなく、本発明を実施可能な範囲において、広く公知のものを無制限に使用することができる。例えば、反応容器の材質については、ガラス、金属やその化合物、陶器、磁器等が挙げられる。熱源については、ヒーター、ガスバーナー、熱水、スチーム、電磁波等が挙げられる。
【0023】
9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の合成の主原料となる(B)テトラメチルキサンテンとしては、広く公知の方法で合成されたものを使用することができる。具体的には、以下に挙げるOurisson et al.,p1374 Bull.Soc.Chim.Fr.(1968)、Ibid.p1384(1968)、Nowick et al.,J.Am.Chem.Soc.p8902 Vol.112(1990)、Park et al.,Ibid.p5124 Vol.113(1991)、Park et al.,Ibid.p4529 Vol.114(1992)、特開平9−3056等の文献、論文、公開公報に掲載されている方法である。このような方法で合成されたテトラメチルキサンテンは、蒸留、ろ過等により精製しても、精製せずにそのままの状態でも、本発明の製造方法の原料として用いることができる.
【0024】
テトラメチルキサンテンの酸化反応を行うための(C)溶媒とは、低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒のことである。そして、本発明において(C)溶媒は、出発物質であるテトラメチルキサンテンの質量部に対し、5〜50質量部倍使用することが好ましい。より好ましくは、6〜20質量部倍である。この範囲であれば、使用量が少なすぎて反応系の中間体等が反応溶液から析出し、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の収率が低下してしまうことがないからである。逆に使用量が多すぎると、反応速度が遅くなり予定されていた量の目的物を得るための時間が長くなると共に、反応系が大きくなりすぎるため経済的に好ましくない。
【0025】
本発明の製造方法の(C)溶媒またはその成分として用いられる低級脂肪族カルボン酸とは、公知の炭素数が1〜5のカルボン酸で、 モノカルボン酸に限定されない。カルボキシル基以外の公知の官能基、 例えばヒドロキシル基、ホルミル基、 カルボニル基等が結合したカルボン酸でもよい。このようなカルボン酸は、以下に例示されるものが挙げられる。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、ピバル酸、シュウ酸、コハク酸、 マロン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。このような低級脂肪族カルボン酸の中でも、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、 吉草酸が好ましい。これらのカルボン酸は、水、 エーテル、 アルコールに可溶で、反応溶液の調製が容易だからである。ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酪酸は、特に好ましい。水、 エーテル、 アルコールと任意の割合で溶解するので、 反応溶液の調製が非常に容易となり、酸化反応が速やかに進行するからである。これらのカルボン酸は、1種単独でも2種以上を併用して使用することもできる。
【0026】
本発明の製造方法を、 0.08〜0.24MPaの圧力下で実施する時には、 プロピオン酸、 酪酸、 イソ酪酸等の1atmでの沸点が130℃以上の低級脂肪族カルボン酸が好ましい。これらの低級脂肪族カルボン酸を、 本発明の製造方法の溶媒として用いた時、 低圧力下において気化する量が少ないので、 反応の進行に伴う反応性の低下を抑制することができるからである。また特に、 プロピオン酸が好ましい。上記の特性に加えて、 酸化反応が速やかに進行するからである。このようなカルボン酸は、 1種単独でも2種以上を併用して使用することもできる。
【0027】
本発明で混合溶媒の成分として用いることができる低級脂肪族カルボン酸無水物とは、広く公知のものであれば特に限定されない。ここで無水物とは、1つのカルボキシル基ともう1つのカルボキシル基またはヒドロキシル基が、脱水縮合した化合物のことを指す。脱水反応する低級脂肪族カルボン酸としては、1種単独のもの同士であっても、2種以上が縮合したものであっても、1分子中の1つのカルボキシル基と、同一分子または他の分子のもう1つのカルボキシル基もしくはヒドロキシル基等が縮合したものであってもよい。低級脂肪族カルボン酸無水物の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の炭素数4〜8のものが挙げられる。これらの低級脂肪族カルボン酸無水物の中でも、無水酢酸、無水プロピオン酸が好ましい。
【0028】
本発明において、混合溶媒の成分として用いることができる有機溶剤としては、特に限定されず、広く公知のものを使用することができる。有機溶剤は、溶媒の成分となるだけでなく、酸化反応の助触媒として添加することも可能である。本発明で用いることのできる有機溶剤の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、キシレン類、トルエン類、ジメチルベンゼン類、ナフタレン等の炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、トリハロメタン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化メチレン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、クラウンエーテル類、テトラヒドロピラン(THP)、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル・アセタール類;アセトン、アクロレイン、アセトアルデヒド、アセトフェノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のアルデヒド・ケトン類;アセトアミド、アセトニトリル、アニリン、アリルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、トリアミルアミン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、ヒドラジン等の含窒素化合物;ジメチルスルホキシド(DMSO)、二硫化炭素、ジメチル硫酸、ジフェニルスルホン等の含硫黄化合物;エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、アミルアルコール等のアルコール類;エステル類;多価アルコールとその誘導体;フェノール類;フッ素含有化合物;等が挙げられる。
【0029】
上記の有機溶剤の中でも、アセトン、トルエン、塩化メチレン、ヘキサン、炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール、メチルエチルケトンが好ましい。これらの有機溶剤は、汎用品であるため安価で入手容易、かつ本発明で用いる他の試薬との調和性が高いので、反応系の構築を容易に行えるからである。また、有機溶剤の中でもメチルエチルケトンは、本発明の製造方法で使用される(D)触媒の活性を高める助触媒のような機能に特に優れているので、より好ましい。
【0030】
(D)触媒の構成成分であるコバルト化合物は、広く公知のものを使用することができる。ここでコバルト化合物とは、分子内に少なくとも1つのコバルト原子(Co)を有する化合物で、その酸化数、荷電状態、同位体の存在等の制限はない。コバルト化合物として具体的には、硝酸コバルト(Co(NO)、硫酸コバルト(CoSO、Co(SO)、シアン化コバルト(Co(CN))、チオ硫酸コバルト(Co(SCN))、硫化コバルト(CoS,Co,CoS)、ハロゲン化コバルト(CoX(NO),CoX,CoX:X=F,Cl,Br,I)、酢酸コバルト(Co(CHCOO))、炭酸コバルト(CoCO)、一酸化炭素含有コバルト(Co(CO),Co(CO)12)、水酸化コバルト(Co(OH))、酸化コバルト(CoO,CoO,Co,Co)、スポンジコバルト等やこれらの水和物、コバルト化合物同士の複塩や錯塩、他の金属塩との複塩や錯塩等が挙げられる。
【0031】
本発明において、テトラメチルキサンテンの酸化反応での触媒能が高く、かつ安価で入手が容易であることから、酢酸コバルト、 塩化コバルト、またはその水和物が好ましい。特に、酢酸コバルト4水和物が好ましい。溶媒との親和性が良好で、後述のマンガン化合物や臭素化合物と組み合わせて使用したときに、多様な組み合わせで高い触媒能を示すからである。
【0032】
コバルト化合物と同じく(D)触媒の構成成分であるマンガン化合物は、広く公知のものを使用することができる。マンガン化合物とは、化合物内に少なくとも1つのマンガン原子(Mn)を有するものである。マンガン化合物として具体的には、ハロゲン化マンガン(MnX,MnX)、複ハロゲン化マンガン(MMnX,MMnX,MMnX,MMnX:Mは金属原子を指す)、硫酸マンガン(MnSO,Mn(SO,Mn(SO)、硝酸マンガン(MnNO)、炭酸マンガン(MnCO)、リン酸マンガン(Mn(PO,MnPO)、酢酸マンガン(Mn(CHCOO))、シアン化マンガン(Mn(CN))、チオ硫酸マンガン(Mn(SCN))、シュウ酸マンガン(MnC)、硫化マンガン(MnS,MnS)等や、これらの水和物、マンガン化合物同士の複塩や錯塩、他の塩との複塩や錯塩等が挙げられる。
【0033】
マンガン化合物として、本発明の製造方法には、酢酸マンガン、塩化マンガンおよびその水和物が好ましい。これらのマンガン化合物を構成成分とする触媒を、酸化反応に使用すると、反応が特に速やかに進行すると共に、大量生産されているので入手が容易だからである。その中でも、特に酢酸マンガン4水和物が好ましい。コバルト化合物、臭素化合物と共に触媒とした時に、残りの2成分との調和性が良好だからである。
【0034】
前記(D)触媒の構成成分の臭素化合物としては、特に制限はない。本発明において、臭素化合物とは臭素原子を含む気体、液体、固体の化合物であり、具体的には、臭化水素、臭化水素酸化物(HBrO,HBrO)、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化砒素、臭化セレン(SeBr,SeBr)、臭化テルル(TeBr,TeBr)、臭化ゲルマニウム、臭化ケイ素等や他の金属塩との錯塩等が挙げられる。これらの臭素化合物の中でも、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウムが好ましい。これらの臭素化合物を触媒として含有させて用いると、本発明の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法おいて、酸化反応が特に速やかに進行する。
【0035】
前記(D)触媒は、コバルト化合物およびマンガン化合物から選択される1種以上の重金属化合物と、臭素化合物とを含む。反応溶液において(D)触媒は、(B)テトラメチルキサンテン1モルに対し、0.01〜10モル含まれることが好ましい。これより少ない量では、酸化反応の促進作用が小さく、逆にこれより多いと工業的に不経済である。より好ましくは、0.05〜5モルである。
【0036】
また、(D)触媒中のコバルト化合物およびマンガン化合物の重金属化合物は、テトラメチルキサンテン1モルに対し、0.01〜10モルとなっていることが好ましい。10モルを超えて多量に添加すると、生成物中の金属含有量が高くなり、精製工程が煩雑になるからである。反対に、0.01モル未満では、触媒による酸化反応促進効果が小さい。より好ましくは、テトラメチルキサンテン1モルに対し、0.05〜5モルである。また、(D)触媒中に占める重金属化合物の割合は、20〜80モル%であることが好ましい。この範囲であれば、(D)触媒中に重金属化合物と臭素化合物の2種の化合物を含むことによる、酸化反応の相乗的促進効果が顕著に見られるからである。さらに、重金属化合物と臭素化合物のとのモル比(HM/BR)に制限はないが、HM/BR=80/20〜20/80であるのが好ましく、60/40〜40/60であるのが、より好ましい。そして、コバルト化合物とマンガン化合物のモル比(Co/Mn)に特に制限はないが、Co/Mn=100/0〜20/80であることが好ましく、40/60〜60/40であるのが特に好ましい。
【0037】
(E)本発明で使用される酸素含有ガスとしては、ガス中に酸素を含むものであれば、特に制約はない。本発明の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法において、テトラメチルキサンテンの酸化は酸素ガスによるものである。したがって、酸素は必須の要素であるが、酸素は反応器に提供される時に気体であればよく、それ以外のときには、液体酸素、高度に圧縮された酸素含有ガス、酸素を発生させるための試薬の混合物、他のプラントで化学反応により発生する酸素等、酸素を提供できる状態であればよい。
【0038】
酸素含有ガスに占める酸素の割合は、20〜100Vol%であることが好ましい。より好ましくは、80〜100Vol%である。本発明の酸化反応が速やかに進行し、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の収率が良好だからである。
【0039】
酸素含有ガスの中に含まれる酸素以外の気体としては、本発明の反応条件において気体の状態であるものであれば、特に制約はない。但し、本発明に関わる酸化反応を阻害する作用のある気体や酸素との反応性の高い気体は、除去されていることが好ましい。酸素含有ガスの酸素以外の気体として、次に挙げられるものが例示される。水素、水蒸気、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、メタン、エタン、プロパン、エチレン等である。これらの気体は、1種以上が酸素含有ガスの中に含まれていてもよい。
【0040】
酸素含有ガスを反応器に導入する方法としては、酸素を使用した酸化反応で広く実施されている方法を採用することができる。例えば、酸素含有ガス導入管を反応液の液面より上側に設置する方法、液面内に埋設して導入する方法等が挙げられる。このような方法を適用した中でも、ガス導入管の先端を反応溶液中に入れ、バブリングにより溶液中に溶かし込む方法、反応溶液の上部にガス導入管の先端を設置し、上部から吹き付ける方法が好ましい。
【0041】
生成した9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を反応溶液から分離するには、混合物中から特定物質を単離するための公知の方法を用いることができる。例えば、反応後の混合物を、室温まで冷却してろ過する方法、反応液にアルカリ性溶液を添加して分液ロートで抽出する方法、蒸留により目的物質を分離、または目的以外の物質を除去して最終的に目的物質を分離する方法等が挙げられる。目的物質を分離するための方法は、1つの方法を1回以上用いることができ、2つ以上の方法を組み合わせて用いることもできる。このような方法で分離した9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸は、常温で固体であるが、水、アルコール、低級脂肪族カルボン酸、アセトン等の極性溶媒で洗浄することにより、固体中の不純物を、さらに除去することが可能である。その後、乾燥させることで純度を上げることができる。
【0042】
上記のように、ろ過して固形物を除去した反応液(以下、排液と表記することがある)については、本発明の製造方法において、再利用することができる。ここで再利用とは、排液中の少なくとも1つの成分の一部を、本発明の製造方法の原料、すなわち出発物質として使用することをさし、排液の全成分・全量を利用することに限られない。排液には、本発明の製造方法で、反応系および生成系に存在する、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸、酸素含有ガスを除いた全ての化合物が含まれている。したがって、排液中には、テトラメチルキサンテン、水、低級脂肪族カルボン酸、低級脂肪族カルボン酸無水物、有機溶剤、コバルト化合物、マンガン化合物、臭素化合物、反応中間体、反応により生じた副産物およびこれらの物質の分解物がある。本発明は、出発物質の濃度等に大きな制約がないので、この排液を再び反応の溶媒等として用いることができるのが特徴である。また、蒸留、抽出、塩析等により、排液の各成分を単離した後に再利用しても、2つ以上の成分を同時に分離して再利用することもできる。
【0043】
再利用にあたっては、排液から低級脂肪族カルボン酸を分離して低級脂肪族カルボン酸のみを再利用する方法、排液から混合溶媒を分離して混合溶媒のみを再利用する方法、混合溶媒中の低級脂肪族カルボン酸やその無水物または有機溶剤のみを分離する方法、排液から触媒成分を分離して再利用する方法、触媒成分の重金属化合物のみを分離して再利用する方法が好ましい。これらの再利用法では、各成分が分離されているので、本発明の製造方法を行う時に、至適な条件の反応溶液の調製が容易になるからである。また、排液をそのまま再利用することも好ましい。この再利用法では、排液全てを使用できるので分離、精製等の手間が省け簡便であると共に、極めて経済的で工業生産的に特に有利である。さらに、本発明では、テトラメチルキサンテン、低級脂肪族カルボン酸(やその無水物および有機溶剤)等の有機系化合物、コバルト化合物およびマンガン化合物等の重金属化合物、臭素化合物等の物質を使用している。したがって、これらの物質を再利用することで、環境に配慮した製造方法も提供することができる。
【0044】
本発明を実施するための反応溶液には、本発明の特性または反応を阻害しない範囲で公知の添加剤を加えることができる。具体的には、酸化反応を促進するための過酸化物(ラジカル発生剤)、脱水剤等が挙げられる。
【0045】
過酸化物としては、本発明において広く公知のものを使用することができる。過酸化物は、酸素ラジカルを発生させるため、本発明の製造方法の酸化反応を促進する効果が大きく、反応溶液の原料として有効である。過酸化物として具体的には、オゾン、過酸化水素水、ジ−t−ブチルパーオキシ酸、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−アミルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシサクシン酸、t−アミルサクシン酸などのパーオキシエステル、1,3−ジ(2−イソプロピルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−t−アミルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−t−ヘキシルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)パーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−クミルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1−(2−イソプロピルパーオキシイソプロピル)−3−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。これらの過酸化物は、1種単独でも2種以上を併用して使用することができる。
【0046】
本発明の製造方法には、広く公知の脱水剤を使用することができる。本発明には副産物として水が発生するので、過剰の水を除去することで酸化反応の反応効率の低下を抑制することができる。脱水剤として具体的には、以下のようなものが例示される。オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン等のアミノシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン等である。これらの脱水剤は、1種単独でも2種以上を併用して使用することができる。
【0047】
本発明の製造方法は、9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を、工業的に実施容易な0. 08〜1. 7MPaの比較的低圧力下において製造することができる。そのため、法的規制や危険性が少なく、高価または特殊な設備、器具を必要とせず、比較的安価で9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を合成することができる。反応溶液の原料としては、テトラメチルキサンテンを用いるので、その3および6位のメチル基のみを酸化すればよく、複雑な工程も必要としない。また、これ以外の試薬についても安価なものばかりなので、原料コストを低く抑えることができる。さらに、反応後の溶液については、ろ過して9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を除去後、ろ液に残存している重金属化合物、臭素化合物等の触媒および低級脂肪族カルボン酸やその無水物、低級脂肪族カルボン酸、有機溶剤等、反応に用いた多様な原料を、その種類・量に制限なく再利用できる。したがって、経済的であり、環境に配慮した製造方法となっている。
【0048】
【実施例】
以下に、具体的実施例を詳細に示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下に詳述する実施例1〜3において得られた9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸は、H−NMR,13C−NMR,IR(赤外線吸収スペクトル)によって特異的スペクトルが解析され、生成を確認することができる。本実施例1〜3では、生成した9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸を、H−NMR(JOEL社製、JNM−AL300)を用いて、δ13.02、(br.s .2H)、δ7.65(s.4H)、δ7.52(s.2H)、δ1.58(s.6H)の化学スペクトルを解析することにより確認した。
【0049】
実施例1では、本発明の製造方法を行う装置として、ガラス製の水冷式還流冷却管(還流冷却管)、酸素含有ガスの吹き込み管(ガス導入管)、温度計を装着したガラス製の丸底フラスコの中に、スターラーバーを入れたものを準備した。このフラスコの中に、以下に示す第1表に表記された反応溶液の原料を準備し、ガス導入管の先端および温度計が反応溶液の液面下にあるように設置し、密封しない形式で蓋をした。そして、反応系が大気圧に相当する開放系の状態(反応系が約0.1MPaの状態)で、酸素ガス(100Vol%)を20ml/minの流速で導入し、130℃29時間反応させた。反応終了後、25℃まで冷却し、減圧下で生成物をろ過して、メタノール50mlで洗浄した。得られたろ過物を減圧下で乾燥させ、9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸を11.90g得ることができた(収率79.7%)。
【0050】
実施例2では、加圧下において本発明を実施した一例である。ガス導入管、温度計を装着した1000mlのハステロイC276製の耐圧容器に、以下の第1表に表記の反応溶液の原料を準備し、ガス導入管が反応溶液に液面より上に、温度計の球部が液面下に完全に浸るように設置した。始めに、耐圧容器内の気体が、全て酸素ガス(100Vol%)になるように酸素ガスを導入し、置き換わったところで常圧の状態で耐圧容器を密閉した。次に、耐圧容器を130℃まで加熱し反応を進行させ、酸素が消費され耐圧容器内の圧力が低下してきたら、反応容器内の圧力が0.6〜0.8MPaとなるように、再び酸素を導入する。7時間経過後、25℃に冷却し、減圧下でろ過物を分離した。こうして得られたろ過物を、メタノール250mlで洗浄し、不純物を溶出、除去後、減圧乾燥させ、固形物として9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸を71.37g得ることができた(収率79.8%)。
【0051】
還流冷却管、ガス導入管、温度計を装着した、ガラス製の100ml丸底フラスコの中に、スターラーバーを入れたものを用意した。後記の第1表に記載された反応溶液の原料を準備するが、実施例1で減圧ろ過した際に回収されたろ液を75ml加えることを特徴とする。まず、ガス導入管の先端は反応溶液の液面下に、完全に浸るように入れて、バブリングにより酸素ガスを溶液内に送り込んだ。酸素ガスを20ml/minの流速で導入し、フラスコ内が、常に約0.1MPa前後の圧力になるように保ちながら、130℃29時間反応させた。29時間経過後に、フラスコを25℃まで冷却し、反応後の溶液を減圧濾過により固形物を分離した。ろ過物をメタノール50mlで洗浄後、減圧乾燥させ、固形物を得ることができた。この固形物をの溶媒で溶解して、スペクトルを解析することにより、9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸が生成していることを確認した。最終的に、9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸は12.03g得ることができた(収率80.7%)。
【0052】
【表1】
Figure 2004244381
【0053】
本発明の実施例で使用した試薬、器具類は以下の通りである。
【0054】
3,6,9,9−テトラメチルキサンテンの合成方法
アセトン116.16g(2.0mol)とm−クレゾール1297.68g(12mol)とメタンスルホン酸38.44g(0.4mol)とを丸底フラスコに入れて混合し、100℃で3時間反応させた後、150℃で5時間反応させた。その後、過剰のm−クレゾールを減圧留去し、生成物をトルエンにより分液ロートで抽出した。抽出物を10%NaOH水溶液および水で、それぞれ3回洗浄して、分液して有機層を濃縮乾固し、3,6,9,9−テトラメチルキサンテンの404.07g(収率84.7%、純度97.33%)を得た。
この3, 6, 9, 9− テトラメチルキサンテンは、上記と同様にH−NMR(CDCl3)で以下の特異的な化学スペクトルが観察された:δ7.18(d.2H)、δ6.78(br.m.4H)、δ2.27(s.6H)、1.52(s.6H)。
また、3, 6, 9, 9− テトラメチルキサンテンの合成で用いられた試薬は、全て和光純薬工業社製である。
【0055】
≪試薬≫
3,6,9,9−テトラメチルキサンテン:上記で合成された化合物
プロピオン酸 :和光純薬工業社製
酢酸 :和光純薬工業社製
酢酸コバルト・4水和物:和光純薬工業社製
酢酸マンガン・4水和物:和光純薬工業社製
臭化ナトリウム :和光純薬工業社製
≪器具≫
耐圧容器 :ハステロイ−C276製
【0056】
【発明の効果】
本発明は、比較的低圧力条件下で、テトラメチルキサンテンの酸化反応を行うので、高価または特殊な設備、器具を必要とせず、工業的に十分実施可能な9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法である。したがって、法的規制や危険性が少なく、また使用する原料も安価なものばかりなので、産業的に実施しても有益性が高い。ゆえに、本発明は、 各種樹脂原料として有用な9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を、安価かつ安全に製造する方法として好適である。

Claims (9)

  1. (A)0. 08〜1.7MPaの圧力下で、(B)下記式(1)〜(3)で表されるテトラメチルキサンテンを、 (C)低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中、(D)コバルト化合物およびマンガン化合物から選択される少なくとも1つの重金属化合物と、臭素化合物とを含む触媒と、 (E)酸素含有ガスの存在下で酸化反応を行い、それぞれ下記式(4)〜(6)で表される9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を得ることを特徴とする9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
    Figure 2004244381
  2. 前記(C)溶媒が、水、 低級脂肪族カルボン酸無水物および有機溶剤からなる群の中から選択される少なくとも1つの溶媒と、低級脂肪族カルボン酸との混合溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  3. テトラメチルキサンテンの酸化反応時の圧力が、 0.08〜1.08MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  4. 酸化反応時の圧力が0.08〜0.24MPaで、 かつ低級脂肪族カルボン酸の1atmにおける沸点が130℃以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  5. 前記(D)重金属化合物が酢酸塩で、 かつ臭素化合物が臭化水素、 臭化ナトリウム、 臭化カリウムおよび臭化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の臭素化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  6. 前記酸化反応を行った反応相より9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸を分離して得られる母液、 該母液より回収した低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒を、 原料として再利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  7. 混合溶媒中で、再利用されている母液の割合が70Vol%以上であることを特徴とする請求項6に記載の9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  8. 前記母液より回収した重金属化合物または臭素化合物を、反応溶液の触媒として再利用することを特徴とする請求項6または7に記載の9, 9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
  9. 前記テトラメチルキサンテンが、下記式(1)で表される3,6,9,9−テトラメチルキサンテンであり、9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸が下記式(4)で表される9,9−ジメチルキサンテン−3,6−ジカルボン酸であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の9,9−ジメチルキサンテンジカルボン酸の製造方法。
    Figure 2004244381
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