以下、本発明に係る各実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、本発明に係る第1実施形態を図1〜図9を参照しつつ説明する。図1〜図7は、それぞれ本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図8は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。また、図9は、本実施形態に係る半導体装置の内部の配線構造および装置内部に生じる熱応力を模式的に示す断面図である。
この第1実施形態では、層間絶縁膜として低比誘電率膜(low-k膜)を採用した半導体装置において、配線等の熱膨張によって半導体装置の内部に生じる応力を抑制する技術について説明する。また、本実施形態では、半導体装置が備える配線層を2層に積層して設ける。以下、本実施形態の半導体装置およびその製造方法を、製造工程の順番に沿ってまとめて説明する。
先ず、図1(a)に示すように、図示しない各種電子回路を構成する能動領域や下層配線などが形成されたシリコン基板(半導体基板)1上に、絶縁膜3、層間絶縁膜(ILD:Inter-level Dielectrics)4、および他の絶縁膜2を順次積層して設ける。具体的には、先ずSi基板1の表面上に、例えばCVD法を用いてヤング率が約30GPa以上である絶縁膜3をその膜厚が約50nmとなるまで堆積させる。この絶縁膜3は、第1の補強膜(補強材)として機能するものであり、本実施形態では、絶縁膜3として、例えばSiCN膜を採用する。続けて、このSiCN膜3の表面上に、CVD法を用いて第1層目の層間絶縁膜4をその膜厚が約300nmとなるまで堆積させる。
層間絶縁膜4には、比誘電率が約3.4以下である、いわゆる低比誘電率膜(low-k膜)を採用する。このような低比誘電率膜4としては、例えば、SiOC組成のMSQ(Methyl-Polysiloxane)系のlow-k膜、あるいはPAE(ポリアリーレンエーテル)系のlow-k膜などが挙げられる。本実施形態では、層間絶縁膜4として、特にヤング率が約5GPaであるとともに、線膨張係数が約40ppmであるPAE系の低比誘電率膜4を採用する。したがって、本実施形態では、ヤング率が約30GPa以上であるSiCN膜3が、比誘電率が約3.4以下であり、ヤング率が約5GPaであり、かつ線膨張係数が約40ppmであるPAE系の低比誘電率膜4の下側(裏面)に直接接触して設けられている。続けて、この低比誘電率膜4の表面上に、CVD法を用いてヤング率が約30GPa以上である第1層目の絶縁膜2をその膜厚が約50nmとなるまで堆積させる。この低比誘電率膜4の表面上の絶縁膜2は、第1層目のキャッピング層(キャッピング膜)として機能する。また、前述したSiCN膜3を第1の補強膜とすると、この低比誘電率膜4上の絶縁膜2は、第2の補強膜として機能する。本実施形態では、絶縁膜2として、例えばSiC膜を採用する。
次に、図1(b)に示すように、低比誘電率膜4上のSiC膜2から低比誘電率膜4の直下のSiCN膜3にかけて、後述する第1層目の導電層14および導電プラグ15を形成するための第1層目の配線層用凹部5を形成する。導電プラグ15は導電層14に電気的に接続されるように形成され、導電層14とともに実際に通電される通電経路を構成する。すなわち、導電層14および導電プラグ15は、実際に通電されることにより本来の配線として機能する配線層(実効配線層)13を構成する。本実施形態では、配線層13は、導電層14と導電プラグ15とが一体に形成される。すなわち、配線層13は、いわゆるデュアルダマシン構造に形成される。したがって、配線層用凹部5を、その上側が導電層用凹部6、その下側が導電プラグ用凹部7からなる2段構造に形成する。この際、導電層用凹部6と導電プラグ用凹部7とを一体に形成する。なお、第1層目の導電プラグ15は、Si基板1に形成されている電子回路などとの導通を確保するためのコンタクトプラグ15として形成される。したがって、第1層目の導電プラグ用凹部7は、通常のコンタクトプラグ用凹部7として形成される。
配線層用凹部5は、例えばRIE法を用いて形成される。この際、コンタクトプラグ用凹部7は、コンタクトプラグ15とSi基板1に形成されている電子回路などとの導通を確保するために、Si基板1の表面を露出するように、第1層目のSiCN膜3などを貫通して形成される。
また、配線層13(導電層14)には、後述するように、導電部としての配線層13および絶縁膜としての低比誘電率膜4の内部に発生する熱応力に対する配線層13の耐久性の向上を図るための、第1の補強プラグ(機械的補強プラグ)16が接続される。本実施形態では、1個の第1の補強プラグ16を、その上端部(トップ部)を導電層14の下面(裏面)に直接接続して形成する。すなわち、前述した導電層14および導電プラグ15と同様に、導電層14と第1の補強プラグ16とは、一体構造であるデュアルダマシン構造に形成される。したがって、第1の補強プラグ16を形成するための第1補強プラグ用凹部8は、導電層用凹部6と一体に形成される。実際には、第1補強プラグ用凹部8は、RIE法を用いてコンタクトプラグ用凹部7と並行して形成される。したがって、第1補強プラグ用凹部8は、Si基板1の表面を露出するように、第1層目のSiCN膜3などを貫通して形成される。
次に、図2(a)に示すように、第1層目のSiC膜(第1層目のキャッピング層)2の表面上、配線層用凹部5の内側、および第1補強プラグ用凹部8の内側に、バリアメタル膜9を設ける。バリアメタル膜9には、金属層であるTa膜10および導電性を有する層であるTaN膜11からなるTa/TaN積層膜9を採用する。具体的には、バリアメタル膜9を、配線層13に直接接触する内側がTa膜10であり、このTa膜10の外側がTaN膜11である2層構造に形成する。バリアメタル膜9は、その膜厚が約10nmとなるまで、例えばバイアス印加形式のスパッタリング成膜方法を用いて成膜される。
続けて、バリアメタル膜9が形成されたSi基板1が大気に晒されることのないようにSi基板1を高真空中で搬送して、導電層14の基礎(下地)となるめっきシード層(膜)12aを形成するための図示しないスパッタリング装置の処理室内に搬入する。この後、Ta膜10の表面上に、導電層14、導電プラグ15、および第1の補強プラグ16の形成材料を設ける。本実施形態では、導電層14、導電プラグ15、および第1の補強プラグ16を、銅(Cu)を用いて一体に形成する。具体的には、先ずTa膜10の表面上に、Cuからなるめっきシード層(膜)12aを設ける。このCuめっきシード層12aは、その膜厚がべた膜換算で約70nmとなるまで、例えば自己イオン化方式のスパッタリング法(SIS法:Self Ionized Sputtering Method)を用いて成膜される。
次に、図2(b)に示すように、Cuめっきシード層12aの表面上に、Cuめっき膜12bを設ける。このCuめっき膜12bは、例えば電解めっき法を用いて成膜される。Cuめっき膜12bは、Cuめっきシード層12aと一体化されつつ成膜される。これにより、Ta膜10の表面上に、導電層14、導電プラグ15、および第1の補強プラグ16のそれぞれの形成材料となるCu膜12が成膜される。
次に、図3(a)に示すように、不要なバリアメタル膜9およびCu膜12を除去する。具体的には、CMP法を用いて、第1層目のSiC膜(第1層目のキャッピング層)2の表面上のバリアメタル膜9およびCu膜12を研磨して除去する。これにより、配線層用凹部5および第1補強プラグ用凹部8の外側の不要なバリアメタル膜9およびCu膜12をキャッピング層2上から除去して、配線層用凹部5および第1補強プラグ用凹部8の内側にのみ、バリアメタル膜9およびCu膜12を残す。すなわち、配線層用凹部5および第1補強プラグ用凹部8の内側にのみ、Ta膜10およびTaN膜11の積層膜からなるバリアメタル膜9、ならびに導電層14、導電プラグ15、および第1の補強プラグ16となるCu膜12が埋め込まれる。この結果、第1層目のSiC膜2から第1層目のSiCN膜3にかけて、Cu導電層14およびCu導電プラグ(Cu導電コンタクトプラグ)15からなる第1層目のCu配線層13、ならびに第1層目のCu第1補強プラグ16が形成される。Cu配線層13は、いわゆるCuデュアルダマシン配線である。
Cu第1補強プラグ16は、Cuコンタクトプラグ15と同様に、Si基板1の表面にバリアメタル膜9を介して間接的に接触するように、ヤング率が約30GPa以上である第1層目のSiCN膜3を貫通して形成されている。すなわち、Cu第1補強プラグ16は、その下端部(ボトム部)において、Si基板1および第1層目のSiCN膜3にバリアメタル膜9を介して実質的に接続されるように形成されている。Cu第1補強プラグ16は、実質的に配線として機能しない、いわゆるダミープラグ(犠牲プラグ)である。また、第1層目のCu第1補強プラグ16は、Cu補強コンタクトプラグ、あるいはCu犠牲コンタクトプラグとも称することができる。
次に、図3(b)に示すように、第1層目のSiC膜2および第1層目のCu配線層13などの上に、第2層目のSiCN膜3、第2層目の低比誘電率膜4、および第2層目のSiC膜(第2層目のキャッピング層)2を順次積層して設ける。具体的には、先ず第1層目のSiC膜2および第1層目のCu配線層13などのそれぞれの表面上に、CVD法を用いて第2層目のSiCN膜3をその膜厚が約50nmとなるまで堆積させる。この第2層目のSiCN膜3は、第1層目のトップバリア層(トップバリア膜)として機能する。続けて、第2層目のSiCN膜3の表面上に、CVD法を用いて第2層目の低比誘電率膜4をその膜厚が約300nmとなるまで堆積させる。続けて、第2層目の低比誘電率膜4の表面上に、CVD法を用いて第2層目のSiC膜2をその膜厚が約50nmとなるまで堆積させる。
次に、図4に示すように、第2層目のSiC膜2から第2層目のSiCN膜3にかけて、後述する第2層目の導電層26および導電プラグ27を形成するための第2層目の配線層用凹部17を形成する。第1層目の導電層14および導電プラグ15と同様に、第2層目の導電プラグ27は第2層目の導電層26に電気的に接続されるように形成され、導電層26とともに実際に通電される通電経路を構成する。すなわち、導電層26および導電プラグ27は、実際に通電されることにより本来の配線として機能する配線層(実効配線層)25を構成する。また、第1層目の配線層13と同様に、第2層目の配線層25は、導電層26と導電プラグ27とが一体に形成される。すなわち、配線層25はデュアルダマシン構造に形成される。したがって、配線層用凹部17を、その上側が導電層用凹部18、その下側が導電プラグ用凹部19からなる2段構造に形成する。この際、導電層用凹部18と導電プラグ用凹部19とを一体に形成する。なお、第2層目の導電プラグ27は、第1層目の低比誘電率膜4内に形成されている第1層目の配線層13との導通を確保するためのヴィアプラグ27として形成される。したがって、第2層目の導電プラグ用凹部19は、通常のヴィアプラグ用凹部19として形成される。
配線層用凹部17は、例えばRIE法を用いて形成される。この際、ヴィアプラグ用凹部19は、ヴィアプラグ27と第1層目の配線層13との導通を確保するために、第1層目の配線層13の表面を露出するように、第2層目のSiCN膜3などを貫通して形成される。
また、第1層目の配線層13と同様に、第2層目の配線層25(導電層26)には、配線層25および低比誘電率膜4の内部に発生する熱応力に対する配線層25の耐久性の向上を図るための、第2層目の第1の補強プラグ28(機械的補強プラグ)が接続される。本実施形態では、3個の第1の補強プラグ28を、それらの上端部(トップ部)を導電層26の下面(裏面)に直接接続して形成する。すなわち、前述した導電層26および導電プラグ27と同様に、導電層26と3個の第1の補強プラグ28とは、一体構造であるデュアルダマシン構造に形成される。したがって、第1の補強プラグ28を形成するための3個の第2層目の第1補強プラグ用凹部20は、導電層用凹部18と一体に形成される。実際には、各第1補強プラグ用凹部20は、RIE法を用いてヴィアプラグ用凹部19と並行して形成される。したがって、各第1補強プラグ用凹部20は、第1層目のSiC膜2の表面を露出するように、第2層目のSiCN膜3などを貫通して形成される。
なお、実際のRIE工程においては、図4に示すように、第1補強プラグ用凹部20の底部が第1層目のSiC膜2の表面よりも下側に達する、いわゆるオーバーエッチング現象が生じる可能性がある。このオーバーエッチング現象が生じた場合でも、第1補強プラグ用凹部20の深さが、その内部に形成される第2層目の第1の補強プラグ28がその下方の図示しない本来の配線層などに電気的に接続されない深さであれば、何ら問題はない。
次に、図5に示すように、第2層目のSiC膜(第2層目のキャッピング層)2の表面上、配線層用凹部17の内側、および各第1補強プラグ用凹部20の内側に、第2層目のバリアメタル膜21を設ける。第1層目のバリアメタル膜9と同様に、第2層目のバリアメタル膜21には、Ta膜22およびTaN膜23からなるTa/TaN積層膜21を採用する。具体的には、バリアメタル膜21を、配線層25に直接接触する内側がTa膜22であり、このTa膜22の外側がTaN膜23である2層構造に形成する。バリアメタル膜21は、その膜厚が約10nmとなるまで、バイアス印加形式のスパッタリング成膜方法を用いて成膜される。
続けて、バリアメタル膜21が形成されたSi基板1が大気に晒されることのないように、Si基板1を高真空中で搬送してスパッタリング装置の処理室内に搬入する。この後、Ta膜22の表面上に、導電層26、導電プラグ27、および第1の補強プラグ28の形成材料を設ける。第1層目の導電層14、導電プラグ15、および第1の補強プラグ16と同様に、第2層目の導電層26、導電プラグ27、および第1の補強プラグ28を、Cuを用いて一体に形成する。具体的には、先ずTa膜22の表面上に、Cuからなるめっきシード層(膜)24aを設ける。このCuめっきシード層24aは、その膜厚がべた膜換算で約70nmとなるまで、SIS法を用いて成膜される。
次に、図6に示すように、Cuめっきシード層24aの表面上に、Cuめっき膜24bを設ける。第1層目のCuめっき膜12bと同様に、Cuめっき膜24bは、電解めっき法を用いて成膜される。Cuめっき膜24bは、Cuめっきシード層24aと一体化されつつ成膜される。これにより、Ta膜22の表面上に、導電層26、導電プラグ27、および第1の補強プラグ28の形成材料となる第2層目のCu膜24が成膜される。
次に、図7に示すように、不要なバリアメタル膜21およびCu膜24を除去する。具体的には、CMP法を用いて、第2層目のSiC膜(第2層目のキャッピング層)2の表面上のバリアメタル膜21およびCu膜24を研磨して除去する。これにより、配線層用凹部17および第1補強プラグ用凹部20の外側の不要なバリアメタル膜21およびCu膜24をキャッピング層2上から除去して、配線層用凹部17および第1補強プラグ用凹部20の内側にのみ、バリアメタル膜21およびCu膜24を残す。すなわち、配線層用凹部17および第1補強プラグ用凹部20の内側にのみ、Ta膜22およびTaN膜23の積層膜からなるバリアメタル膜21、ならびに導電層26、導電プラグ27、および第1の補強プラグ28となるCu膜24が埋め込まれる。この結果、第2層目のSiC膜2から第2層目のSiCN膜3にかけて、Cu導電層26およびCu導電プラグ(Cu導電ヴィアプラグ)27からなる第2層目のCu配線層25、ならびに第2層目の3個のCu第1補強プラグ28が形成される。Cu配線層25は、いわゆるCuデュアルダマシン配線である。
3個のCu第1補強プラグ28は、第2層目のSiCN膜3を略貫通して、第1層目のSiC膜2にバリアメタル膜21を介して間接的に接触するように形成されている。すなわち、各Cu第1補強プラグ28は、その下端部(ボトム部)において、ヤング率が約30GPa以上である第2層目のSiCN膜3および第1層目のSiC膜2にバリアメタル膜21を介して実質的に接続されるように形成されている。第1層目のCu第1補強プラグ16と同様に、第2層目の各Cu第1補強プラグ28は、実質的に配線として機能しないダミープラグ(犠牲プラグ)である。また、第2層目の各Cu第1補強プラグ28は、Cu補強ヴィアプラグ、あるいはCu犠牲ヴィアプラグとも称することができる。
これまでの工程により、第1層目のCu配線層13および第2層目のCu配線層25などから構成され、実際に配線として機能する2層構造の実効配線部29がSi基板1上に形成される。
次に、図8に示すように、第2層目のSiC膜2および第2層目のCu配線層25などの上に、第3層目のSiCN膜3およびパッシベーション膜30を順次積層して設ける。具体的には、先ず第2層目のSiC膜2および第2層目のCu配線層25のそれぞれの表面上に、CVD法を用いて第3層目のSiCN膜3をその膜厚が約50nmとなるまで堆積させる。この第3層目のSiCN膜3は、第2層目のトップバリア層(トップバリア膜)として機能する。続けて、この第2層目のトップバリア層(SiCN膜)3の表面上に、例えばCVD法を用いて所定の材料および膜厚からなるパッシベーション膜30を成膜する。以後、予め決められている所定の工程を経て、図8に示す所望の半導体装置31を得る。すなわち、2層の積層配線構造を有する本実施形態の半導体装置31を得る。
次に、半導体装置31に熱を加えた際に、2層構造の低比誘電率膜4、第1層目のCu配線層13およびCu補強コンタクトプラグ16、ならびに第2層目のCu配線層25およびCu補強ヴィアプラグ28などに生じる熱応力、ならびにこの熱応力に起因する負荷などについて、図9を参照しつつ説明する。なお、図9においては、半導体装置31の内部に生じる主な熱応力の向きを見易くするために、低比誘電率膜4、Cu配線層13、Cu補強コンタクトプラグ16、Cu配線層25、およびCu補強ヴィアプラグ28のハッチングを省略して描いている。
図9において、各実線矢印および各破線矢印は、半導体装置31の内部に生じる主な熱応力の向きを示す。具体的には、図9中破線矢印は、半導体装置31に熱を加えた際に、低比誘電率膜4、Cu配線層13、およびCu配線層25に発生する熱応力、およびこの熱応力に起因する負荷の向きを示す。また、図9中実線矢印は、半導体装置31に熱を加えた際に、前記熱応力および熱応力負荷に抗してCu導電コンタクトプラグ15、Cu補強コンタクトプラグ16、Cu導電ヴィアプラグ27、およびCu補強ヴィアプラグ28に生じる応力(抗力)の向きを示す。以下の説明において、図9中破線矢印で示される前記熱応力および熱応力負荷のうち、Cu配線層13(Cu導電層14)およびCu配線層25(Cu導電層26)の長手方向に沿った向きの熱応力および熱応力負荷を、水平負荷応力と総称することとする。同様に、図9中破線矢印で示される前記熱応力および熱応力負荷のうち、低比誘電率膜4の厚さ方向に沿った向きの熱応力および熱応力負荷を、垂直負荷応力と総称することとする。
図9に示すように、第1層目のCu配線層13(Cu導電層14)の下側に設けられたCu補強コンタクトプラグ16は、Si基板1および第1層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。同様に、第2層目のCu配線層25(Cu導電層26)の下側に設けられたCu補強ヴィアプラグ28は、第1層目のSiC膜(第1層目のキャッピング層)2および第2層目のSiCN膜(第1層目のCu配線トップバリア層)3に実質的に接続されている。そして、Cu補強コンタクトプラグ16は、Cu導電コンタクトプラグ15に対して所定の間隔Cで近接して配設されている。また、3個のCu補強ヴィアプラグ28は、Cu導電ヴィアプラグ27から所定の範囲A内で互いに離間して配設されている。さらに、3個のCu補強ヴィアプラグ28のうち、Cu導電ヴィアプラグ27に最も近いCu補強ヴィアプラグ28は、Cu導電ヴィアプラグ27に対して所定の間隔Bで近接して配設されている。このような構造によれば、Cu導電コンタクトプラグ15およびCu導電ヴィアプラグ27に水平負荷応力および垂直負荷応力が集中するおそれを低減できる。ひいては、Cu配線層13およびCu配線層25からなる実効配線部29に水平負荷応力および垂直負荷応力が集中するおそれを低減できる。以下、具体的に説明する。
低比誘電率膜4は、その機械的強度を示すヤング率が一般的な層間絶縁膜であるSiO2系の絶縁膜のヤング率に比べて1〜20GPa程度と本質的に小さいことが分かっている。本発明者らが行った実験によれば、低比誘電率膜4の比誘電率とヤング率との間にはある程度の相関関係があることが確認されている。例えば比誘電率kが3.4程度の低比誘電率膜4では、そのヤング率は20GPa程度に相当することが確認されている。そして、ヤング率が約20GPa以下の強度である低比誘電率膜4を層間絶縁膜として採用すると、加熱工程などにおいて熱によるさまざまな問題が発生することが危惧される。
すなわち、層間絶縁膜である低比誘電率膜4のヤング率が小さいと、低比誘電率膜4内に設けられたCu配線層13およびCu配線層25に熱が加えられた際に、各配線層13,25に生じる熱歪を抑えていた力が弱くなる。すると、各配線層13,25の内部に生じる熱応力は低下するが、各配線層13,25の変形(伸縮)が自由になる。この結果、各配線層13,25の端部に形成されているCu導電コンタクトプラグ15およびCu導電ヴィアプラグ27に、各配線層13,25の変形(変位)による負荷が掛かる。この各配線層13,25の長手方向に沿った応力は、前述した水平負荷応力を構成する。
また、低比誘電率膜4は、その線膨張係数が一般的なSiO2系の絶縁膜や配線の膨張係数に比べて20〜70ppm程度と高いことが分かっている。例えば、各配線層13,25の材料となるCuの膨張係数は16ppm程度である。このため、例えば低比誘電率膜4に熱が加えられると、低比誘電率膜4はその厚さ方向に沿って熱膨張し易く、厚さ方向に沿った熱応力による負荷が膜内に生じ易い。すなわち、低比誘電率膜4には、Si基板1の表面に対して垂直な方向、あるいは膜中の各プラグ15,16,27,28の高さ方向に沿って熱応力による負荷が生じ易い。この低比誘電率膜4の厚さ方向に沿った応力は、前述した垂直負荷応力を構成する。
ところが、図9に示すように、本実施形態の半導体装置31では、Cu導電コンタクトプラグ15およびCu補強コンタクトプラグ16が低比誘電率膜4の内部に設けられたCu導電層14に一体に形成されているとともに、Si基板1および第1層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。これにより、Cu導電層14は、Cu補強コンタクトプラグ16を介してSi基板1および第1層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。同様に、1個のCu導電ヴィアプラグ27および3個のCu補強ヴィアプラグ28が低比誘電率膜4の内部に設けられたCu導電層26に一体に形成されているとともに、第1層目のCu導電層14(Cu配線層13)/第1層目のSiC膜2、および第2層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。これにより、Cu導電層26は、各Cu補強ヴィアプラグ28を介して、第1層目のSiC膜2および第2層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。第1層目のSiC膜2、ならびに第1層目および第2層目のSiCN膜3は、いずれもそのヤング率が30GPa以上であり、低比誘電率膜4よりも高い強度を有している。また、Si基板1もそのヤング率が30GPa以上であり、低比誘電率膜4よりも高い強度を有しているのはもちろんである。したがって、Si基板1も第3の補強材として機能する。
このような構造によれば、例えば半導体装置31の製造プロセス中の加熱工程において、低比誘電率膜4の内部におけるCu導電層14,26のそれぞれの長手方向に沿った熱による変形(伸び)を、Cu補強コンタクトプラグ16および各Cu補強ヴィアプラグ28などによって抑制することができる。ひいては、Cu導電層14,26およびCu導電プラグ15,27などの導電部に生じる熱応力による負荷を、Cu補強コンタクトプラグ16および各Cu補強ヴィアプラグ28などによって分散させて緩和または吸収したり、あるいは逃がしたりすることができる。
また、例えば低比誘電率膜4の厚さ方向に沿った熱膨張をCu補強コンタクトプラグ16および各Cu補強ヴィアプラグ28などによって抑制することができる。ひいては、低比誘電率膜4の熱膨張によって低比誘電率膜4の内部に生じる熱応力による負荷を、Cu補強コンタクトプラグ16および各Cu補強ヴィアプラグ28によって分散させて緩和または吸収したり、あるいは逃がしたりすることができる。これにより、低比誘電率膜4の熱膨張による負荷が、Cu導電層14,26およびCu導電プラグ15,27などの導電部に集中することを抑制できる。
このように、本実施形態の半導体装置31では、水平負荷応力および垂直負荷応力がCu導電コンタクトプラグ15およびCu導電ヴィアプラグ27などに集中するおそれを、Cu補強コンタクトプラグ16やCu補強ヴィアプラグ28などによって低減できる。特に、水平負荷応力および垂直負荷応力が、Cu導電コンタクトプラグ15およびCu導電ヴィアプラグ27のそれぞれの上下両端部に集中するおそれを低減できる。
また、図9に示すように、Cu補強コンタクトプラグ16およびCu補強ヴィアプラグ28に水平負荷応力および垂直負荷応力が掛かると、これら各応力に対する抗力が各補強プラグ16,28自体に生じる。図9中実線矢印で示すように、各補強プラグ16,28自体に生じる抗力の向きは、図9中破線矢印で示す各補強プラグ16,28に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力の向きと反対である。したがって、各補強プラグ16,28に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力を、各補強プラグ16,28自体に生じる熱応力に対する抗力によって低減することができる。ひいては、各補強プラグ16,28に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力を、各補強プラグ16,28自体に生じる熱応力に対する抗力によって相殺することができる。このように、本実施形態の半導体装置31では、Cu導電層14,26およびCu導電プラグ15,27などの導電部に生じる熱応力による負荷を、各補強プラグ16,28自体に生じる熱応力に対する抗力によって低減させたり、あるいは相殺させたりすることができる。
すなわち、前述した構造からなる半導体装置31では、その内部に発生する水平負荷応力および垂直負荷応力を、Cu補強コンタクトプラグ16やCu補強ヴィアプラグ28を含めた実効配線部29全体で低減できる。Cu導電コンタクトプラグ15やCu導電ヴィアプラグ27に掛かる負荷は、Cu補強コンタクトプラグ16およびCu補強ヴィアプラグ28によって低減されている。したがって、Cu導電コンタクトプラグ15やCu導電ヴィアプラグ27が、これらに掛かる負荷によって劣化するおそれは殆ど無い。
このように、本実施形態の半導体装置31では、Cu導電コンタクトプラグ15やCu導電ヴィアプラグ27が、熱により生じる水平負荷応力および垂直負荷応力によって破壊されるおそれは殆ど無い。また、Cu導電コンタクトプラグ15やCu導電ヴィアプラグ27を覆っているバリアメタル膜が、水平負荷応力および垂直負荷応力によって破壊されるおそれも殆ど無い。つまり、Cu導電層14,26およびCu導電プラグ15,27などから構成される導電部(Cu配線層13,25)が破壊されるおそれは殆ど無い。これにより、配線材料であるCuが各導電プラグ15,27から低比誘電率膜(層間絶縁膜)4内に突出することによる各配線層13,25のオープン不良、隣接する導電部同士でのショート、あるいは装置31内のデバイス不良などが起きるおそれは殆ど無い。すなわち、本実施形態の半導体装置31では、致命的なプラグ欠陥が起きるおそれは殆ど無い。ひいては、実際に本来の配線として機能する実効配線部29に致命的な欠陥が生じるおそれは殆ど無い。
したがって、本実施形態の半導体装置31は、それ自体およびその製造プロセスにおいて致命的な不具合が生じるおそれは殆ど無い。この結果、半導体装置31の性能や品質などが低下し、半導体装置31の信頼性が低下するおそれは殆ど無い。それとともに、不良品が製造されて半導体装置31の歩留まりが低下し、半導体装置31の生産効率が低下するおそれも殆ど無い。
次に、本発明者らが行った試験およびその結果について、図9および表1〜表3を参照しつつ説明する。
まず、ここでは、Cu補強ヴィアプラグ28による応力緩和の効果を評価するため、第1層目の層間絶縁膜4をそのヤング率が約60GPaであるTEOS膜とし、第2層目の層間絶縁膜4を低ヤング率の低比誘電率膜とした。その上で、Cu導電コンタクトプラグ15、Cu補強コンタクトプラグ16、Cu導電ヴィアプラグ27、およびCu補強ヴィアプラグ28の径をそれぞれ約0.13μmに形成した。そして、図9中Bで示す各プラグ27,28同士の間隔およびこれら各プラグ27,28の個数を、表1〜表3に示す大きさおよび個数に設定してCu配線層(Cuデュアルダマシン配線)13,25を形成した。さらに、Cu配線層13,25をそれぞれ単配線として形成した。この際、Cu配線層13,25のそれぞれの各配線パターンの配線幅を約0.13μmに、またそれらの配線長を約100μmに設定した。なお、図示は省略するが、Cu補強ヴィアプラグ28同士の間隔も前記間隔Bに準ずるものとする。
そして、第1層目のCu配線層13および第2層目のCu配線層25を、電気回路機能を有する単一のCu導電ヴィアプラグ27で積層方向で電気的に接続した、いわゆるボーダーレスチェーンパターンに形成した。また、このパターンの電気回路機能を有するプラグ規模は10k個とした。Cu配線層13,25のそれぞれの図示しない終端は4端子接続され、2層配線層(多層配線層)であるCu配線層13,25の電気抵抗変動を測定した。さらに、プラグのボーダーレスチェーンパターンを、約2μm間隔で多数個併設した。
さらに、補強材であるトップバリア膜(トップバリア層)およびキャッピング膜(キャッピング層)を同種膜にて形成した。具体的には、それら各膜を形成材料のヤング率が約30GPaであるSiC系膜、約20GPaであるMSQ系膜、そして約60GPaであるp−SiH4膜の3種類の異なる膜に作り分けた。また、これらのヤング率は、MTSシステムズ社製のナノインデンター(Nano Indenter)を用いて測定した。
このような設定に基づいて、実効配線部29ひいては半導体装置31全体の信頼性を評価する目的より、多層配線プロセス工程において室温から約400℃までの熱サイクルを10回加えた後、電気抵抗変化を測定した。この結果も表1に併記した。評価は、次に述べる基準で行った。試験後のCu配線層13,25の電気抵抗増加率が10%以上のものを不良とする。そして、半導体装置31の製造プロセスにおける歩留まりが90%以下である場合を×、90〜99%である場合を△、そして99%以上である場合を○とした。
表1〜表3に示すように、この試験の結果、Cu補強プラグ28を有しないプラグ数1の比較材(サンプル)は、トップバリア層およびキャッピング層のヤング率の大きさに拘らず、全て不良であった。これに対し、Cu導電プラグ27を含めてプラグが3個以上(Cu補強プラグ28が2個以上)であり、しかもCu導電プラグ27、Cu補強プラグ28同士の間隔が約1μm以下のサンプルでは、トップバリア層およびキャッピング層のヤング率が約30GPa以上の場合に、歩留まりがすべて99%以上であった。すなわち、極めて良好な結果を得ることができた。なお、図示は省略するが、本発明者らが行った追試によれば、Cu導電プラグ27を含めてプラグを3個以上設けた場合、各プラグの径の大きさによっては、Cu導電プラグ27、Cu補強プラグ28同士の間隔が約1.5μm程度でもサンプルの歩留まりが99%以上となった。すなわち、極めて良好な結果を得ることができた。
また、表2から分かるように、たとえCu導電プラグ27を含めてプラグを5個(Cu補強プラグ28を4個)設けた場合でも、トップバリア層およびキャッピング層のヤング率が約30GPaを下回ると、歩留まりが低下し、良好な結果を得ることはできなかった。これより、また、Cu補強プラグ28の下端部(底部)が接する補強膜(補強材)は、そのヤング率が約30GPa以上の強度を有している必要があることが判明した。
このように、本試験によれば、各プラグ15,16,27,28同士の間隔B,C、および補強材のヤング率を適宜、適正な値に設定することにより、信頼性の高い半導体装置31を形成することが可能であることが分かった。
なお、Cu補強プラグ16,28の間隔B,Cが狭いほど応力の低減効果が大きくなる。ただし、水平および垂直の各負荷応力別の適正なプラグの個数および間隔は、前述した試験の結果より、以下に述べる値が望ましい。
垂直負荷応力の緩和を目的とする場合、プラグ間隔Bは約5μm以下であることが望ましく、Cu補強プラグ16,28を1個設けただけでも、垂直負荷応力が緩和され得る。一方、水平負荷応力の緩和をも考慮すると、電気回路機能を有するCu導電プラグ15,27を含めてプラグを3個以上(Cu補強プラグ28が2個以上)設けることが望ましい。そして、プラグ間隔B,Cが約1μm以内になるように、Cu導電プラグ15,27およびCu補強プラグ16,28を配設することが望ましい。ただし、プラグ間隔B,Cは、前述した約1μm(規定間隔)以下であればよく、全て等間隔である必要はない。また、垂直負荷応力および水平負荷応力のいずれの応力緩和を目的とする場合でも、図9中Aで示すプラグの配設範囲は、約5μm以下であればよいことが分かった。さらに、図示は省略するが、電気的に接続が無く、かつ、交差する導電配線が配設されている領域では、規定間隔内に補強プラグを配設せずともそれら各配線自体の強度によって応力緩和効果に劣化は認められないことが分かっている。
以上説明したように、この第1実施形態によれば、低比誘電率膜4からなる層間絶縁膜を具備する半導体装置31において、導電部であるCu配線層13,25および低比誘電率膜4内に発生する熱応力による負荷に対するCu配線層13,25の耐久性の向上が図られており、信頼性が向上されている。なお、例えば補強プラグを有しない配線層においては、単一の導電プラグに集中していた応力(水平負荷応力)の分散は、配線層自体を短配線に分割して多層化することによっても可能である。ところが、短配線分割の場合には、1層分の導電機能を保持するために2層を要することとなり、設計制約を大きく受ける。これに対して、本実施形態の半導体装置31では、補強プラグ16,28をそれらの下層の導電配線を避けるように形成することにより、垂直負荷応力、水平負荷応力ともに応力低減機能を発揮することが可能となる。したがって、本実施形態の半導体装置31によれば、配線層数を増やすこと無く、信頼性の高いCu配線層/low−k膜構造からなる多層配線層を有する半導体装置31を提供することが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を図10〜図12を参照しつつ説明する。図10は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図11は、本実施形態に係る半導体装置の内部の配線構造および装置内部に生じる熱応力を模式的に示す断面図である。図12は、本実施形態に係る半導体装置の配線層および補強層のそれぞれの配設領域を示す平面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
本実施形態では、図10に示すように、Cu配線層13,25が形成されていない広範囲の低比誘電率膜4のスペース領域(フィールド部)に、多層構造の補強配線部(犠牲多層配線)54を形成することを特徴とする。補強配線部(犠牲多層配線)54は、電気回路的機能を有さない補強配線層(補強導電層、犠牲配線)を補強プラグ47,53を用いて積層方向で繋ぐことにより構成されている。以下、2層構造を例に挙げて具体的に説明する。
図10に示すように、第1層目には、1個の補強金属層46および2個の補強プラグ(第2の補強プラグ)47から構成される第1層目の補強配線層45が、Cu配線層13に近接して設けられている。補強配線層45は、Cu配線層13と同様に、Cuにより形成されている。また、補強配線層45は、補強金属層46および各補強プラグ47が一体であるデュアルダマシン構造に形成されている。したがって、この第1層目の補強配線層45が形成される第1層目の補強配線層用凹部42は、その上側が補強金属層用凹部43、その下側が補強プラグ用凹部44からなる2段構造に形成される。この際、補強金属層用凹部43と補強プラグ用凹部44とは一体に形成される。また、補強プラグ用凹部44は、各補強プラグ47がSi基板1に実質的に接触できるように、第1層目のSiCN膜3などを貫通してSi基板1の表面を露出するように形成される。この第1層目の補強配線層用凹部42は、RIE法を用いて第1層目の配線層用凹部5と並行して形成される。
補強配線層45の外側には、Ta膜10およびTaN膜11の積層膜からなるバリアメタル膜9が設けられている。各補強プラグ47は、Cu導電コンタクトプラグ15およびCu補強コンタクトプラグ16と同様に、Si基板1の表面にバリアメタル膜9を介して間接的に接触するように、ヤング率が約30GPa以上である第1層目のSiCN膜3を貫通して形成されている。すなわち、補強プラグ47は、その下端部(ボトム部)において、Si基板1および第1層目のSiCN膜3にバリアメタル膜9を介して実質的に接続されるように形成されている。なお、このように補強配線部54の補強プラグ47を補強材としてのSi基板1に接続する場合は、実効配線部29におけるコンタクトプラグ15が接続されるSi基板1の領域と、補強プラグ47が接続されるSi基板1の領域とを互いに電気的に絶縁しておく。
また、補強金属層46は、Cu配線層13と電気的に切断されて形成されている。すなわち、補強配線層45とCu配線層13とは絶縁されている。したがって、補強配線層45は実際に配線として機能しないダミー配線(犠牲配線)として形成されている。第1層目の補強プラグ47は、補強コンタクトプラグ、あるいは犠牲コンタクトプラグとも称することができる。
この第1層目の補強配線層45およびバリアメタル膜9は、第1層目のCu配線層13およびバリアメタル膜9を形成する際に並行して形成される。また、以下の説明において、補強配線層45、補強金属層46、および補強プラグ47を、それぞれCu補強配線層45、Cu補強金属層46、およびCu補強コンタクトプラグ47と称することとする。
第2層目には、1個の補強金属層52および1個の補強プラグ(第2の補強プラグ)53から構成される第2層目の補強配線層51が設けられている。この第2層目の補強配線層51は、層間絶縁膜(低比誘電率膜)4の積層方向に沿って第1層目の補強配線層45に連続するように設けられている。補強配線層51も、Cu配線層25と同様に、Cuにより形成されている。また、補強配線層51は、補強金属層52および各補強プラグ53が一体であるデュアルダマシン構造に形成されている。したがって、この第2層目の補強配線層51が形成される第2層目の補強配線層用凹部48は、その上側が補強金属層用凹部49、その下側が補強プラグ用凹部50からなる2段構造に形成される。この際、補強金属層用凹部49と補強プラグ用凹部50とは一体に形成される。また、補強プラグ用凹部50は、各補強プラグ53が第1層目のCu補強配線層45(Cu補強金属層46)に実質的に接触できるように、第2層目のSiCN膜3などを貫通して第1層目のCu補強配線層45(Cu補強金属層46)を露出するように形成される。この第2層目の補強配線層用凹部48は、RIE法を用いて第2層目の配線層用凹部17と並行して形成される。
補強配線層51の外側には、Ta膜22およびTaN膜23の積層膜からなるバリアメタル膜21が設けられている。各補強プラグ53は、Cu導電ヴィアプラグ27と同様に、第2層目のSiCN膜3を略貫通して、Cu補強配線層45(Cu補強金属層46)の表面にバリアメタル膜21を介して間接的に接触するように形成されている。すなわち、各補強プラグ53は、その下端部(ボトム部)において、ヤング率が約30GPa以上であるCu補強金属層46および第2層目のSiCN膜3にバリアメタル膜21を介して実質的に接続されるように形成されている。
また、補強金属層52は、Cu配線層25と電気的に切断されて形成されている。すなわち、補強配線層51とCu配線層25とは絶縁されている。したがって、補強配線層51は実際に配線として機能しないダミー配線(犠牲配線)として形成されている。第2層目の補強プラグ53は、補強ヴィアプラグ、あるいは犠牲ヴィアプラグとも称することができる。
この第2層目の補強配線層51およびバリアメタル膜21は、第2層目のCu配線層25およびバリアメタル膜21を形成する際に並行して形成される。また、以下の説明において、補強配線層51、補強金属層52、および補強プラグ53を、それぞれCu補強配線層51、Cu補強金属層52、およびCu補強ヴィアプラグ53と称することとする。
このように、第1層目のCu補強配線層45および第2層目のCu補強配線層51は、実際に配線として機能しないダミー配線(犠牲配線)である。すなわち、各Cu補強配線層45,51は、隣接する実効配線部29の機械的強度を向上させるための2層構造からなる補強配線部54を構成するものである。したがって、図10に示すように、本実施形態の半導体装置41は、それぞれ2層の積層配線構造からなる実効配線部29および補強配線部54を備えている。このような構造によれば、Cu配線層13およびCu配線層25からなる実効配線部29に水平負荷応力および垂直負荷応力が集中するおそれを低減できる。特に、実効配線部29に垂直負荷応力が集中するおそれを低減できる。以下、図11を参照しつつ具体的に説明する。
なお、図11においては、半導体装置41の内部に生じる主な熱応力の向きを見易くするために、低比誘電率膜4、Cu配線層13、Cu補強コンタクトプラグ16、Cu配線層25、Cu補強ヴィアプラグ28、Cu補強配線層45、およびCu補強配線層51のハッチングを省略して描いている。また、図11中の実線矢印および破線矢印が示す応力(負荷、抗力)は、図9中の実線矢印および破線矢印と同様である。
図11に示すように、本実施形態の半導体装置41では、Cu配線層13と電気的に切断されたCu補強金属層46が、低比誘電率膜4からなる第1層目の層間絶縁膜の内部にCu配線層13に近接して設けられている。また、2個のCu補強コンタクトプラグ47がCu補強金属層46と一体に形成されているとともに、Si基板1および第1層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。これにより、Cu補強金属層46は、各Cu補強コンタクトプラグ47を介してSi基板1および第1層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。同様に、Cu配線層25と電気的に切断された2個のCu補強金属層52が、低比誘電率膜4からなる第2層目の層間絶縁膜の内部でCu補強金属層46の上方に設けられている。また、Cu補強ヴィアプラグ53が各Cu補強金属層52と一体に形成されているとともに、第1層目のCu補強金属層46(Cu補強配線層45)および第2層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。これにより、各Cu補強金属層52は、各Cu補強ヴィアプラグ53を介して第1層目のCu補強金属層46(Cu補強配線層45)および第2層目のSiCN膜3に実質的に接続されている。
このような構造によれば、例えば半導体装置41の製造プロセス中の加熱工程において、低比誘電率膜4の厚さ方向に沿った熱膨張をCu補強コンタクトプラグ47および各Cu補強ヴィアプラグ53などによって抑制することができる。ひいては、低比誘電率膜4の熱膨張によって低比誘電率膜4の内部に生じる熱応力による負荷を、Cu補強コンタクトプラグ47および各Cu補強ヴィアプラグ53によって分散させて緩和または吸収したり、あるいは逃がしたりすることができる。これにより、低比誘電率膜4の熱膨張による負荷が、Cu導電層14,26およびCu導電プラグ15,27などの導電部(実効配線部29)に集中することを抑制できる。また、低比誘電率膜4の内部に生じる熱応力による負荷を、Cu補強金属層46,52自体および各Cu補強プラグ47,53自体に生じる熱応力に対する抗力によって低減することができる。
次に、本発明者らが行った試験およびその結果について、図11および図12、ならびに表4を参照しつつ説明する。
第1実施形態と同様の試験プロセスにより、半導体装置41の実効配線部29に対する垂直負荷応力耐性のパターン依存性評価を行った。なお、評価方法も第1実施形態に準じた。ただし、本試験では、第1層目および第2層目の層間絶縁膜4には、ヤング率が約10GPaであり、線膨張係数が約60ppmの物性値を有するMSQ(Methyl-Polysiloxane)系の低比誘電率膜(low−k膜)を採用した。また、トップバリア膜3には、ヤング率が約30GPaであるSiCN膜3を採用した。
本試験においては、電気回路機能を有する実効配線部29の周辺構造を次のように設定した。第1実施形態の試験結果に基づいて、Cu導電コンタクトプラグ15およびCu補強コンタクトプラグ16を併せて4個、またCu導電ヴィアプラグ27およびCu補強ヴィアプラグ28を併せて4個設けた。また、Cu導電コンタクトプラグ15とCu補強コンタクトプラグ16との間隔C、およびCu補強コンタクトプラグ16同士の間隔を約0.26μmに設定した。一方、第2層目のCu配線層25には、表4記載の間隔でCu導電ヴィアプラグ27およびCu補強ヴィアプラグ28を配設した。さらに、図11および図12に示すように、実効配線部29に隣接するスペース部(フィールド部)には、補強配線部(補強多層配線)54を表4に記載の間隔(E)で配設した。
また、補強配線部54のCu補強プラグ47,53同士の間隔は、第1実施形態の試験結果に基づいて、電気回路機能を有する実効配線部29に形成したプラグ間隔Bと同じ間隔で配設した。さらに、補強配線部54は、各層間でCu補強配線層45,51が略直交するように並べられた構造となっている。また、配線幅は、Cu補強配線層45,51のそれぞれに隣接するスペースの幅と等間隔となるように形成した。つまり、補強配線部54を、いわゆるライン・アンド・スペース・パターンが等間隔となるように形成した。併せて、Cu補強配線層45,51を、層ごとに決められているデザインルールの最小ルール幅となるように形成した。
図11に示すように、Cu補強コンタクトプラグ47同士、およびCu補強ヴィアプラグ53同士の間隔をDとする。また、図11および図12に示すように、第1層目のCu導電層14と第1層目のCu補強金属層46との間隔をEとする。ただし、図12に示すCu配線層13,25およびCu補強配線層45,51のそれぞれの大きさや配線パターンの形状などは、図10および図11に示すCu配線層13,25およびCu補強配線層45,51のそれぞれの大きさや配線パターンの形状などと一致していない。図面を見易くして本発明の趣旨を理解し易くするために、Cu配線層13,25およびCu補強配線層45,51のそれぞれの大きさや配線パターンの形状などを、図10および図11と図12とで意図的に相違させて描いて示してある。
以上説明した設定に基づいた試験の結果、表4に示すように、Cu配線層25に配設したプラグ間隔Bは、約5μm以下が望ましいことが判明した。すなわち、垂直負荷応力を緩和する観点からは、Cu配線層13,25に配設されるプラグ間隔B,Cは、約5μm以下とすればよい。同様に、各Cu補強配線層(犠牲多層配線)45,51のプラグ間隔Dも約5μm以下が望ましい。また、実効配線部29の第1層目のCu導電層14と、補強配線部54の第1層目のCu補強金属層46との間隔(パターン間距離)Eも約5μm以下が望ましいことが判明した。さらに、本試験のサンプルである2層構造をはじめとして、配線層が多層構造に形成されている多層配線構造では、各層において、実効配線部29のCu導電層14(26)と、補強配線部54のCu補強金属層46(52)との間隔(パターン間距離)Eを約5μm以下とすることがより好ましいことが判明した。さらに、垂直負荷応力を緩和するためには、Cu導電コンタクトプラグ15とCu補強コンタクトプラグ47とのプラグ間隔や、Cu導電ヴィアプラグ27とCu補強ヴィアプラグ53とのプラグ間隔を、本実施形態より得られた規定の間隔(約5μm以下)に配設することが望まれる。
また、補強配線部(補強多層配線)54のパターン形状に関しては、後述する図16〜図18に示すような様々な形状を取り得ることが判明した。これらの場合でも、本実施形態と同様の効果を得ることができる。これらについては、後述する第6実施形態において詳しく説明する。
また、前述したように、補強配線部54では、補強的機能を担う部分は主にCu補強コンタクトプラグ47およびCu補強ヴィアプラグ53である。これにより、各Cu補強配線層45,51は最小ルール線幅で形成される必要は無い。各Cu補強配線層45,51が幅広配線に形成されていても、各プラグ47,53同士の間隔Dが前述した規定範囲内であれば良好な結果を得ることができた。
以上説明したように、この第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、特に、Cu導電層14とCu補強金属層46との間隔Eを約5μm以下に設定することにより、実効配線部29に掛かる垂直負荷応力を大幅に低減できる。
また、通電経路を構成しない補強配線部54では、トップバリア層としての各層のSiCN膜3およびキャッピング層としてのSiC膜2は必ずしも必要ではない。そして、本実施形態の半導体装置41によれば、これらSiCN膜3およびSiC膜2からなる補強材を設けずとも、実効配線部29に掛かる垂直負荷応力を低減できる。すなわち、補強配線部54における機械的補強機能を発揮できる。これは次に述べる理由による。
前述したように、ダミー配線(犠牲配線)である第1層目のCu補強配線層45の各Cu補強コンタクトプラグ47は、バリアメタル膜9を介してSi基板1に実質的に接続されている。Si基板1は、当然そのヤング率が30GPa以上であり、SiCN膜3およびSiC膜2と同様に補強材として機能し得る。したがって、第1層目のSiCN膜3が省略された場合でも、各Cu補強コンタクトプラグ47は実質的に補強材に接続されている。これにより、第1層目のCu補強配線層45(Cu補強金属層46)は、各Cu補強コンタクトプラグ47を介して補強材としてのSi基板1に実質的に接続されている。
また、前述したように、ダミー配線である第2層目のCu補強配線層51は、層間絶縁膜(低比誘電率膜)4の積層方向に沿って第1層目のCu補強配線層45に連続するように形成されている。第2層目のCu補強配線層51の各Cu補強ヴィアプラグ53は、バリアメタル膜21を介して第1層目のCu補強配線層45(Cu補強金属層46)に実質的に接続されている。Cu補強配線層45は、当然そのヤング率が30GPa以上であり、SiCN膜3およびSiC膜2と同様に補強材として機能し得る。したがって、第2層目のSiCN膜3およびSiC膜2が省略された場合でも、各Cu補強コンタクトプラグ53は実質的に補強材に接続されている。これにより、第2層目のCu補強配線層51(Cu補強金属層52)は、各Cu補強ヴィアプラグ53を介して補強材としての第1層目のCu補強配線層45(Cu補強金属層46)に実質的に接続されている。
このように、本実施形態の半導体装置41では、第1層目のCu補強配線層45が補強材としてのSi基板1に実質的に接続されているとともに、第2層目のCu補強配線層51が補強材としての第1層目のCu補強配線層45に実質的に接続されている。したがって、補強材としてのSiCN膜3およびSiC膜2を省略しても、補強配線部54における機械的補強機能を発揮できる。これにより、実効配線部29に掛かる垂直負荷応力を低減できる。
また、本実施形態によれば、このような補強配線部54を有することで、トップバリア層3やキャッピング層2と低比誘電率膜4との界面における密着強度の向上も図ることができ、信頼性の高いCu配線層/low−k膜構造からなる多層配線層を有する半導体装置41を提供することも可能となる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る第3実施形態を図13を参照しつつ説明する。図13は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態の半導体装置61では、第2層目のCu配線層25にCu補強ヴィアプラグ28をさらに1個付け加える。以下、具体的に説明する。
通常、電気回路機能を有するヴィアプラグは、配線レイアウト(デザインルール)の効率上の観点から、各層の配線層の最端部に配設されることが好ましい。ただし、配線層が形成されている層間絶縁膜の内部に配線層を延長できる余裕がある領域においては、電気回路機能を有するヴィアプラグを補強ヴィアプラグ(犠牲ヴィアプラグ)に挟まれた位置に配設することが好ましい。すなわち、電気回路機能を有するヴィアプラグが形成されている配線層の部分から、本来の配線層が形成されている側とは反対側に延長部(リザーバー)を形成する。そして、このリザーバーに補強ヴィアプラグを形成する。
図13に示すように、半導体装置61では、第2層目のCu配線層25のCu導電層26が、3個のCu補強ヴィアプラグ28が形成されている側とは反対側に延長されて形成されている。この延長部がリザーバー62となる。そして、このリザーバー62のCu導電ヴィアプラグ27から遠い側の端部に、Cu補強ヴィアプラグ28が1個形成されている。これにより、Cu導電ヴィアプラグ27の両側に、Cu補強ヴィアプラグ28が配設された構造となっている。
以上説明したように、この第3実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、Cu導電ヴィアプラグ27がその両側からCu補強ヴィアプラグ28によって挟まれた(囲まれた)構造となっているので、Cu導電ヴィアプラグ27に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力が大幅に低減される。したがって、本実施形態の半導体装置61では、導電部であるCu配線層13,25および低比誘電率膜4内に発生する熱応力による負荷に対するCu配線層13,25の耐久性がより向上されている。すなわち、半導体装置61は、その信頼性がより向上されている。
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る第4実施形態を図14を参照しつつ説明する。図14は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態の半導体装置71では、各Cu補強ヴィアプラグ28が下方に向けて延長されて、第2層目のSiCN膜3および第1層目のSiC膜2を完全に貫通して形成されている。そして、各Cu補強ヴィアプラグ28の下端部が第1層目の低比誘電率膜(層間絶縁膜)4の内部に突入している。したがって、各Cu補強ヴィアプラグ28は、その中間部(中腹部)において補強材(補強膜)であるSiCN膜3およびSiC膜2に実質的に接続されている。
以上説明したように、この第4実施形態によれば、前述した第1および第2の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態のCu補強ヴィアプラグ28は、図14に示すように、下層(第1層)の低比誘電率膜(層間絶縁膜)4の内部に形成されているCu導電層14(Cu配線層13)などと電気的に接触しない位置および形状に形成すればよい。これにより、装置71内で層間におけるショートなどの電気的不良が生じるおそれを殆ど無くすことができる。それとともに、第2層目のCu導電層26およびCu導電ヴィアプラグ27からなるCu配線層25に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力を低減させることができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る第5実施形態を図15を参照しつつ説明する。図15は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態の半導体装置81では、キャッピング層となるSiC膜が設けられていない。補強材として、Cu補強ヴィアプラグ28,53が実質的に接続されるSiCN膜3だけが第1層目および第2層目の低比誘電率膜(層間絶縁膜)4に直接接触して設けられている。
以上説明したように、この第5実施形態によれば、前述した第1〜第4の各実施形態と同様の効果を得ることができる。SiC膜が省かれていても、Cu補強ヴィアプラグ28,53が補強膜であるSiCN膜3に実質的に接続されている。したがって、導電部であるCu配線層13,25および低比誘電率膜4内に発生する熱応力による負荷に対するCu配線層13,25の耐久性の向上が図られている。すなわち、半導体装置81の信頼性が向上されている。
また、前述した第2実施形態の半導体装置41と同様に、本実施形態の半導体装置81においても、通電経路を構成しない補強配線部54では、トップバリア層としての各層のSiCN膜3は必ずしも必要ではない。そして、補強材である各SiCN膜3を設けずとも、実効配線部29に掛かる垂直負荷応力を低減できる。すなわち、補強配線部54における機械的補強機能を発揮できる。この理由は、第2実施形態において説明した通りである。
(第6の実施の形態)
次に、本発明に係る第6実施形態を図16〜図18を参照しつつ説明する。図16〜図18は、本実施形態に係る半導体装置の補強配線層の様々な配設パターンを示す平面図および断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図16に示す半導体装置91では、Cu補強金属層93およびCu補強コンタクトプラグ94(Cu補強ヴィアプラグ94)からなるCu補強配線層92が3層(n−1層、n層、n+1層)に積層されて形成されている。すなわち、半導体装置91は、多層補強配線構造を有している。そして、図16(a),(b)に示すように、各層のCu補強配線層92は、それらの長手方向が隣接する層のCu補強配線層92の長手方向と略直交するように配設されている。なお、図16(b)は、図16(a)中一点鎖線X−Xに沿って示す断面図である。
また、図17に示す半導体装置101では、前述した半導体装置91と同様に、Cu補強金属層93およびCu補強コンタクトプラグ94(Cu補強ヴィアプラグ94)からなるCu補強配線層92が、3層(n−1層、n層、n+1層)に積層されて形成されている。すなわち、半導体装置101も、多層補強配線構造を有している。ただし、半導体装置101では、図17(a),(b)に示すように、各層のCu補強配線層92は、それらの長手方向がすべての層で一致する(略平行になる)ように、積層方向で略同じ位置に配設されている。なお、図17(b)は、図17(a)中一点鎖線Y−Yに沿って示す断面図である。
さらに、図18に示す半導体装置111では、Cu補強コンタクトプラグ(Cu補強ヴィアプラグ)114、および補強プラグ114と略同じ大きさ(サイズ)および形状のCu補強金属層113からなるCu補強配線層112が、3層(n−1層、n層、n+1層)に積層されて形成されている。すなわち、半導体装置111も、多層補強配線構造を有している。なお、図18(b)は、図18(a)中一点鎖線Z−Zに沿って示す断面図である。
なお、図16〜図18においては、図面を見易くするために、最上層のSiCN膜3およびパッシベーション膜30を省略して描いてある。また、各半導体装置91,101,111のそれぞれの実効配線部の構成も、前述した第1〜第5のいずれかの実施形態の実効配線部29を3層構造とした場合と同様であるので、それらの図示を省略した。
以上説明したように、この第6実施形態によれば、前述した第2、第4、および第5の各実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、本実施形態の半導体装置91,101,111のように、Cu補強配線層92,112を適宜、適正な大きさおよび形状に形成するとともに、適正な位置に配設することにより、補強効果を保持しつつデザインルールから要請されるCu補強配線層(犠牲多層配線)92,112の設計上の制約を低減できる。すなわち、Cu補強配線層92,112の機械的補強効果を保持しつつ、設計上の自由度を向上できる。なお、配線層が多層構造に形成されている多層配線構造では、各層において、図示しない実効配線部のCu導電層と、補強配線部のCu補強金属層93,113との間隔(パターン間距離)を約5μm以下とすることがより好ましい。
(第7の実施の形態)
次に、本発明に係る第7実施形態を図19および図20を参照しつつ説明する。図19は、本実施形態に係る半導体装置のダミーヴィアチェーンの配設パターンを示す平面図および断面図である。また、図20は、本発明者らが行ったシミュレーション結果をグラフにして示す特性図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
本実施形態では、例えばCu多層配線構造を有する半導体装置において、実効配線部のヴィアプラグ(コンタクトプラグ)が設けられている複数層の絶縁膜(層間絶縁膜)のうち少なくとも1層の絶縁膜を、そのヤング率が約20Gpa以下である低比誘電率膜を用いて形成する。この際、実効配線の近辺に、いわゆるヴィアチェーンからなるダミー配線(ダミーヴィアチェーン)を配設する。これにより、プラグを覆って設けられたバリアメタル膜、およびプラグ周辺の絶縁膜に亀裂(クラック)が発生するおそれを抑制する。
先ず、本実施形態に対する従来技術について説明する。前述したように、層間絶縁膜として用いられる一般的な低比誘電率膜は、そのヤング率が約20Gpa以下と低く、かつ、線膨張係数が約20ppm以上と大きいものが殆どである。また、例えば配線材料となるCuの線膨張係数は、室温から約500℃までの温度範囲では、約16ppm〜30ppmである。これに対して、Cu配線と層間絶縁膜との間に用いられるバリアメタル膜は、TaやTiなどの高融点金属やその化合物が多く、それらの線膨張係数は約10ppm以下である。このため、アニールやシンターなどの高温プロセス中に、Cuと低比誘電率絶縁膜との間に挟まれたバリアメタル膜には、それら各材料の線膨張係数の差により大きな熱応力が生じる。この熱応力が、バリアメタル膜の材料の種類に応じて定まっている所定の値以上に大きくなると、バリアメタル膜にクラックが発生する。一般的に、ヴィアプラグの側壁部を覆って設けられているバリアメタル膜は、他の箇所に設けられているバリアメタル膜よりも膜厚が薄いので、クラックが生じ易い。
また、例えばCMPを行う際のディッシングや外部応力による層間絶縁膜の剥がれを防ぐ目的で、いわゆる孤立配線の周りにダミー配線をめぐらせる施策が取られている。以下、孤立配線の周りにダミー配線をめぐらせる技術について、図44(a),(b)を参照しつつ、簡潔に説明する。
図44(a),(b)は、後述する本実施形態に係る半導体装置に対する、比較例としての半導体装置の配線構造を示す平面図である。図44(a)には、ヴィアプラグ301が設けられた孤立配線(実効配線)302の周りに、ヴィアプラグや継ぎ目の無い単一構造からなり、配線長の長いダミー配線303をめぐらせた配線構造を示す。これに対して、図44(b)には、ヴィアプラグ301が設けられた孤立配線302のみからなる配線構造を示す。また、図44(a),(b)に示す各半導体装置においては、ヴィアプラグ301および孤立配線302の周囲の層間絶縁膜304として、ヤング率が約5Gpa、かつ、線膨張係数が約40ppmの低比誘電率絶縁膜を使用した。ただし、図44(a),(b)においては、図面を見易くするために、バリアメタル膜の図示を省略した。
本発明者らは、シミュレーションにより、図44(a),(b)に示す各半導体装置に対してアニール処理を施す際のヴィアプラグ301および孤立配線302のバリアメタル膜に生じる熱応力を求めた。このシミュレーションの結果によれば、孤立配線302の周囲にダミー配線303を配置した場合、孤立配線302のみの場合に比べて、ヴィアプラグ301の側壁部のバリアメタル膜に生じる熱応力が大きいことが分かった。すなわち、孤立配線302の周囲に単一かつ配線長の長い従来のダミー配線303を配設すると、ヴィアプラグ301の側壁部のバリアメタル膜に熱応力によるクラックが発生し易いことが分かった。バリアメタル膜にクラックが発生すると、このクラックが低比誘電率絶縁膜304内にまで進展して、絶縁膜304にもクラックが発生するおそれがある。絶縁膜304にクラックが発生すると、その内部に高温の圧縮応力状態にあるCu等の配線材料が突出し易くなる。そして、絶縁膜304内のクラックに配線材料が突出すると、ショート不良が発生し、半導体装置の歩留まりが低くなる。
このような問題点を解決するために、本実施形態では、前述したダミー配線をいわゆるダミーヴィアチェーンとして構成し、このダミーヴィアチェーンを孤立配線等の実効配線の近辺に配設する。これにより、実効配線やヴィアプラグなどを覆って設けられたバリアメタル膜や絶縁膜に、クラックが生じるおそれを抑制する。以下、詳しく説明する。
先ず、図19(a),(b)を参照しつつ、この第7実施形態のダミーヴィアチェーンの構造について説明する。なお、図19(b)は、図19(a)中破断線W−Wに沿って示す断面図である。また、図19(a)においては、図面を見易くするために、バリアメタル膜9(10,11)の図示を省略している。
図19(a)に示すように、本実施形態の半導体装置121においては、孤立配線(実効配線)としてのCu配線層25をその周りから囲んで、ダミー配線としてのダミーヴィアチェーン122が低比誘電率膜4の表面に沿って広がるように設けられている。本実施形態のダミーヴィアチェーン122は、1個のCu補強金属層124および2個のCu補強ヴィアプラグ125からなるCu補強配線層123が、Cu補強ヴィアプラグ125により複数個接続されて構成されている。各Cu補強配線層123は、図19(b)に示すように、低比誘電率膜4の積層方向とは直交する方向に沿って連続して延びるように、2層に積層されて設けられている。
より詳しく説明すると、Si基板1上に各低比誘電率膜4が複数層設けられている。そして、各Cu補強金属層124は、各低比誘電率膜4の積層方向において互いに重なり合いつつ、各低比誘電率膜4の積層方向とは垂直な方向に沿って互いにずらされて、各低比誘電率膜4のうち隣接する2層の低比誘電率膜4内に複数個ずつ設けられている。また、各Cu補強金属層124は、各低比誘電率膜4の表面に沿ってCu補強ヴィアプラグ125の径よりも長く延ばされた長尺形状に形成されている。ただし、各Cu補強金属層124は、Cu導電層26よりも十分短く形成されている。各Cu補強金属層124は、それらの端部に一体に設けられたCu補強ヴィアプラグ125により、各低比誘電率膜4の積層方向に沿って互いに接続されている。このような構成からなるダミーヴィアチェーン122が、図19(a)に示すように、Cu配線層25をその周りから囲んで、低比誘電率膜4の表面に沿って広がるようにSi基板1上に複数本設けられている。
なお、各Cu補強金属層124は、実際には図19(b)に示すように、Ta膜10およびTaN膜11からなるバリアメタル膜9を介してCu補強ヴィアプラグ125により互いに接続されている。ただし、図19(b)においては、図面を見易くするために、最上層のSiCN膜3およびパッシベーション膜30を省略して描いてある。さらに、以下の説明においては、簡略のため、各Cu補強金属層124同士の接続については、バリアメタル膜9を省略して説明する。また、本実施形態で各Cu補強金属層124同士を接続するCu補強ヴィアプラグ125は、図19(b)に示すように、Cu補強金属層124および補強材(補強膜)としてのSiCN膜3に接続されている。したがって、本実施形態のCu補強ヴィアプラグ125は、実際には前述した第2および第4〜第6の各実施形態のCu補強ヴィアプラグ53,94,114と同様の補強プラグである。
また、本実施形態のダミーヴィアチェーン122の形成方法は、前述した第2実施形態の第1層目のCu補強配線層45および第2層目のCu補強配線層51と同様である。すなわち、ダミーヴィアチェーン122の形成方法は、前述した第1〜第5の各実施形態の第1層目のCu配線層13および第2層目のCu配線層25と同様なので、その説明を省略する。
次に、図20を参照しつつ本発明者らが行ったシミュレーションについて説明する。本発明者らは、複数本のダミーヴィアチェーン122を図19(a),(b)に示す構成および配置状態に設定した。そして、半導体装置121にアニール処理を施す場合に、孤立配線であるCu配線層25のCu導電ヴィアプラグ27の側壁部に設けられている図示しないバリアメタル膜9に生じる最大熱応力を、シミュレーションにより計算した。さらに、その最大熱応力の、ダミーヴィアチェーン122を構成している各Cu補強金属層124の長さ(単位配線長)に対する依存性をプロットし、これをグラフにして示した。この結果、図20から明らかなように、単位配線長が約2μm以下になると、Cu導電ヴィアプラグ27の側壁部に設けられているバリアメタル膜9に生じる熱応力が良好に低減されることが分かる。
また、図示は省略するが、本発明者らは、それぞれ異なるダミー配線を備える3種類の半導体装置を実際に作成して実験を行った。1つは、ダミー配線として、単位配線長が約1μmのCu補強金属層124からなるダミーヴィアチェーンを備えた半導体装置である。この半導体装置を第1の実験例とする。また、他の1つは、ダミー配線として、単位配線長が約10μmのCu補強金属層124からなるダミーヴィアチェーンを備えた半導体装置である。この半導体装置を第2の実験例とする。これら2個の半導体装置において、各ダミーヴィアチェーンは、図19(a),(b)に示すように配設されている。さらに、残りの1つは、補強ヴィアプラグが設けられていないダミー配線を備えた比較例としての半導体装置である。この半導体装置を第3の実験例とする。この半導体装置においては、ダミー配線は、図44(a)に示すように配設されている。本発明者らは、これら3種類の半導体装置に対してアニール処理を施し、その後の歩留まりを調べた。
この実験の結果、第1の実験例では、その歩留まりが略100%であった。これに対して、第2および第3の各実験例では、孤立配線(実効配線)に接続されている導電ヴィアプラグの側壁部に設けられているバリアメタル膜にクラックが生じ、ショート不良が発生した。
以上説明したように、この第7実施形態によれば、前述した第1〜第6の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ダミーヴィアチェーン122を構成する各Cu補強金属層124の単位配線長を約2μm以下とすることにより、層間絶縁膜として低比誘電率膜4を用いても、アニールやシンターといった高温プロセス中にCu導電ヴィアプラグ27の側壁部に設けられているバリアメタル膜9に生じる熱応力を良好に低減できる。これにより、Cu導電ヴィアプラグ27(コンタクトプラグ)の周囲に設けられているバリアメタル膜9にクラックが発生するおそれを殆ど無くすことができる。ひいては、このバリアメタル膜9のクラックに起因して低比誘電率膜4にクラックが生じるおそれを殆ど無くすことができる。この結果、品質、性能、および信頼性が高く、かつ、生産性が高い半導体装置121を得ることができる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明に係る第8実施形態を図21〜図23を参照しつつ説明する。図21は、本実施形態に係る半導体装置のパッド部付近の実効配線の構造を示す断面図および平面図である。図22は、本実施形態に係る半導体装置のダミーヴィアチェーンの配設パターンを示す平面図である。また、図23は、本発明者らが行ったシミュレーション結果をグラフにして示す特性図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、半導体装置のパッド部の実効配線付近に、第7実施形態において説明したダミーヴィアチェーン122を含む、異なる数種類のダミー配線を配設した半導体装置を複数個作製する。それとともに、ダミー配線を一切設けない半導体装置を作製する。そして、これら各半導体装置に熱処理を施したり、あるいは各半導体装置のパッド部にワイヤボンディングしたりするなどの試験を行い、各ダミー配線構造ごとの効果を比較する。あわせて、各半導体装置のパッド部に対する荷重シミュレーションを行い、各ダミー配線構造ごとの効果を比較する。以下、詳しく説明する。
図21(a)には、本実施形態の半導体装置131内に多層にわたって設けられた実効配線層132のうち、パッド部133付近の実効配線層132の構造を示す。この半導体装置131においては、Si基板1上に、低比誘電率膜4またはTEOS膜134からなる層間絶縁膜が複数層に積層されて設けられている。そして、最上層のTEOS膜134の表面上には、SiN膜135が設けられている。パッド136はAlにより形成されており、最上層のTEOS膜134内に設けられている。Alパッド136は、これと一体に形成された複数本のAl導電ヴィアプラグ137を介して、下層のCu配線層140に電気的に接続されている。Alパッド136および複数本のAl導電ヴィアプラグ137は、実効配線層132としてのパッド部実効配線層138を構成する。また、Alパッド136の上方には、最上層のTEOS膜134およびSiN膜135を貫通してパッド開口部139が形成されている。
パッド部実効配線層138の下方には、Cu配線層140を構成するCu導電層141が2層に積層されて設けられている。これら各Cu導電層141は、それぞれ低比誘電率膜4内に設けられており、Cu導電ヴィアプラグ142により電気的に接続されている。各Cu導電層141のうち、上層のCu導電層141は、その配線長を約100μmに、またその配線幅を約0.1μmに形成されている。なお、前述した第1〜第4の各実施形態、第6実施形態、および第7実施形態と異なり、本実施形態の低比誘電率膜4同士の間、および低比誘電率膜4とAl導電ヴィアプラグ137が設けられているTEOS膜134との間には、SiCN膜3およびSiO2膜143が積層されて設けられている。また、Alパッド136が設けられているTEOS膜134と、Al導電ヴィアプラグ137が設けられているTEOS膜134との間には、SiN膜144が設けられている。
また、図21(b)は、図21(a)に示す各Cu導電層141の付近を、上層のCu導電層141の上方から臨んで示す平面図である。図21(b)中内側および外側の2本の一点鎖線で囲まれている領域が、本実施形態におけるダミー配線形成領域(補強配線部)145である。本実施形態では、図21(b)中Fで示す各Cu導電層141とダミー配線形成領域145の内側との間隔を、約0.2μmに設定する。なお、図21(a),(b)においては、図面を見易くするために、各Cu導電層141およびCu導電ヴィアプラグ142の周りに設けられているバリアメタル膜の図示を省略している。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。本発明者らは、それぞれ異なる形状および配設パターンからなるダミー配線146を、各Cu導電層141が設けられている2層の低比誘電率膜4内においてダミー配線形成領域145内に設けた、3種類の半導体装置を実際に作成した。1つは、図22(a)に示すように、上層と下層とで互いに直交する方向に沿って長く延ばされて並べられた複数本の長尺形状のCu補強金属層147同士を、それぞれ1個のCu補強ヴィアプラグ(補強プラグ)148により接続したダミー配線146aをダミー配線形成領域145内に設けた半導体装置である。これを第4の実験例とする。
また、他の1つは、図22(b)に示すように、上層および下層ともに同じ方向に沿って長く延ばされて並べられた複数本の長尺形状のCu補強金属層149同士を、それぞれ2個のCu補強ヴィアプラグ148により接続したダミー配線としてのダミーヴィアチェーン146bをダミー配線形成領域145内に設けた半導体装置である。ただし、各Cu補強金属層149の長さ(単位配線長)は、約1μmであり、前述した第4の実験例の各Cu補強金属層147よりも十分に短い。また、各Cu補強金属層149の配置状態、および各Cu補強金属層149同士の接続状態は、図19(b)に示す前述した第7実施形態のダミーヴィアチェーン122と同様である。これを第5の実験例とする。
さらに、残りの1つは、図22(c)に示すように、上層および下層ともに孤立した島形状の孤立配線として形成された複数個のCu補強金属層150同士を、それぞれ1個のCu補強ヴィアプラグ148により接続したダミー配線146cをダミー配線形成領域145内に設けた半導体装置である。各Cu補強金属層150は、層間絶縁膜4の積層方向(上下方向)に沿って互いに略重なり合う位置に設けられている。また、各Cu補強金属層150の長さは、Cu補強ヴィアプラグ148の径の大きさと略同じであり、前述した第5の実験例の各Cu補強金属層149よりもさらに短い。これを第6の実験例とする。
この第6の実験例の各ダミー配線146cと、前述した第5の実験例の各ダミーヴィアチェーン146bとの違いは、図22(b)および図22(c)から明らかである。第5の実験例の各ダミーヴィアチェーン146bでは、図22(b)に示すように、それらの長手方向に沿って隣接する少なくとも3個の上層および下層の各Cu補強金属層149同士が、それぞれ1個のCu補強ヴィアプラグ148により接続されている。すなわち、上層および下層の各Cu補強金属層149のうち、各ダミーヴィアチェーン146bの長手方向に沿って並べられている各Cu補強金属層149は、その上層または下層で隣接する他のCu補強金属層149とCu補強ヴィアプラグ148を介して接続されている。これに対して、第6の実験例の各ダミー配線146cでは、図22(c)に示すように、上層の各Cu補強金属層150と下層の各Cu補強金属層150のうち、層間絶縁膜4の積層方向において互いに重なり合っているCu補強金属層150同士だけがCu補強ヴィアプラグ148を介して接続されている。すなわち、上層の各Cu補強金属層150同士は全く接続されていない。同様に、下層の各Cu補強金属層150同士も全く接続されていない。
なお、これら第4〜第6の各実験例に対する比較例として、本発明者らは、ダミー配線形成領域145内にダミー配線を全く設けない半導体装置も併せて作成した。これを第7の実験例とする。本発明者らは、これら第4〜第7の各実験例の半導体装置に対して、フォーミングガス中において約370℃で約1時間の熱処理試験(シンター)を行った。そして、試験後の第4〜第7の各実験例の半導体装置(サンプル)を図示しない光学顕微鏡および走査電子顕微鏡を用いて観察した。この結果、以下の事実が観測された。
第4の実験例および第7の実験例の各サンプルでは、前述した約100μmの長さを有する上層のCu導電層141と一体に形成されているCu導電ヴィアプラグ142の側壁部に設けられている、バリアメタル膜にクラックが観測された。同様に、Cu導電ヴィアプラグ142の側壁部の周りの低比誘電率膜4にクラックが観測された。これに対して、第5の実験例および第6の実験例の各サンプルでは、そのようなバリアメタル膜のクラックおよび低比誘電率膜4のクラックは観測されなかった。これは、前記第7実施形態において図20を参照しつつ説明したように、ダミー配線146b,146cを構成する各Cu補強金属層149,150の長さ(単位配線長)が約2μm以下になると、Cu導電ヴィアプラグ142の側壁部に生じる熱応力を抑制する効果が大きくなるためであると考えられる。
また、本発明者らは、前述した第4〜第7の各実験例の半導体装置について、パッド部133のボンディング密着試験も行った。具体的には、先ず、図示しないアルミニウム製のワイヤ(Alワイヤ)に約50g重の荷重を掛けつつ、Alパッド136にボンディングした。その後、Alワイヤに引張り荷重を掛けて密着力を試験した。この結果、以下の事実が判明した。
第4の実験例および第5の実験例の各サンプルでは、良好な密着力を得ることができた。これに対して、第6の実験例および第7の実験例の各サンプルは不良品となった。この試験後、第6の実験例および第7の実験例の各サンプルを光学顕微鏡および走査電子顕微鏡を用いて観察した。すると、第6の実験例および第7の実験例の各サンプルでは、Alパッド136直下のTEOS膜134にクラックが生じていた。そして、Alワイヤに引張り荷重を掛けた際に、Alパッド136がAlワイヤごとTEOS膜134から剥がれてしまっていることが分かった。
表5に、以上説明した試験の結果をまとめて示す。この表5において、○はサンプルに前述した不具合が生じなかったことを意味し、×はサンプルに不具合が生じたことを意味するものとする。
この表5から、図22(b)に示すダミーヴィアチェーン146bからなる第5の実験例のダミー配線構造は、熱応力に起因する絶縁膜破壊、および外部応力に起因する絶縁膜破壊のいずれに対しても強い耐性を有していることが分かる。
次に、図23を参照しつつ本発明者らが行ったシミュレーションについて説明する。本発明者らは、前述した第4〜第7の各実験例の半導体装置(サンプル)について、それぞれのAlパッド136に約50g重の荷重を加えた際の、Alパッド136直下のTEOS膜134に生じる応力集中をシミュレーションした。このシミュレーションによれば、図23の各棒グラフに示すような結果を得ることができた。
具体的には、第4の実験例および第5の実験例の各サンプルでは、Alパッド136直下のTEOS膜134に生じた応力の大きさは、約700MPaであった。これは、次の理由によるものと考えることができる。第4の実験例および第5の実験例のダミー配線構造では、図22(a),(b)から明らかなように、上層および下層の各Cu補強金属層147,149がCu補強ヴィアプラグ148により接続されて、ダミー配線146a,146bが長距離のネットワークを作っている。これにより、パッド部133付近の実効配線層132に対する外部からの印加荷重を、ダミー配線146a,146bにより広範囲に分散させて受け止めることができる。この結果、Alパッド136直下のTEOS膜134に、大きな応力集中が生じ難いと考えることができる。
これに対して、第6の実験例のサンプルでは、Alパッド136直下のTEOS膜134に生じた応力の大きさは、約1500MPaであった。すなわち、第6の実験例のサンプルでは、第4の実験例および第5の実験例の各サンプルの約2倍の大きさの応力がAlパッド136直下のTEOS膜134に集中した。これは、次の理由によるものと考えることができる。第6の実験例のダミー配線構造では、図22(c)から明らかなように、上層および下層の各Cu補強金属層150は、上下方向において互いに重なり合う各Cu補強金属層150同士のみが、1対1でCu補強ヴィアプラグ148により接続されている。そして、上層の各Cu補強金属層150同士、あるいは下層の各Cu補強金属層150同士は、それぞれの層内で互いに接続されていない。すなわち、第6の実験例のダミー配線構造では、各ダミー配線146cが1つ1つ分断されている。これにより、第6の実験例のダミー配線構造は、第4の実験例および第5の実験例の各ダミー配線構造に比べて、応力緩和能力が小さい。この結果、Alパッド136直下のTEOS膜134に、大きな応力集中が生じ易いと考えることができる。
また、第7の実験例のサンプルでは、Alパッド136直下のTEOS膜134に生じた応力の大きさは約1700MPaであり、第4〜第7の各実験例のサンプルのうちで最も大きかった。これは、次の理由によるものと考えることができる。第7の実験例のサンプルにはダミー配線が全く設けられていないので、Alパッド136およびその直下のTEOS膜134に生じる応力を緩和する能力が殆ど無い。この結果、Alパッド136に加えられた荷重が、殆ど全てAlパッド136直下のTEOS膜134に伝わるためであると考えられる。
以上説明したように、この第8実施形態によれば、前述した第1〜第7の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ダミー配線146をダミーヴィアチェーン146bとして構成し、これをパッド部133に近接して配設することにより、パッド部133に不具合が生じるおそれを殆ど無くすことができる。ひいては、半導体装置の歩留まりを向上させて、品質、性能、および信頼性が高く、かつ、生産性が高い半導体装置を得ることができる。
(第9の実施の形態)
次に、本発明に係る第9実施形態を図24〜図27を参照しつつ説明する。図24〜図27は、本実施形態に係るダミーヴィアチェーンの配設パターンおよび形状を示す平面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、第7および第8の各実施形態において説明した各ダミーヴィアチェーン122、146bと同様の効果を得ることができるダミーヴィアチェーンの、平面視における様々な配設パターンについて説明する。
先ず、図24(a)〜(c)に示す各ダミーヴィアチェーン161について説明する。図24(a)〜(c)には、それぞれ第7および第8の各実施形態のダミーヴィアチェーン122,146bと同様に、複数個の長尺形状のCu補強金属層162およびCu補強ヴィアプラグ(補強プラグ)163を用いて構成されたダミーヴィアチェーン161a,161b,161cを示す。
図24(a)に示す各ダミーヴィアチェーン161aは、前述した図22(b)に示す第8実施形態の各ダミーヴィアチェーン146bと同様に構成されて設けられている。具体的には、各ダミーヴィアチェーン161aは、図示しない各層間絶縁膜の積層方向とは垂直な方向に沿って、互いに並行に複数本並べられて配置されている。各ダミーヴィアチェーン161aを構成する上層および下層の複数個のCu補強金属層162は、全て同じ方向に長く延ばされて形成されている。具体的には、各Cu補強金属層162は、各ダミーヴィアチェーン161aの長手方向に沿って長く延ばされて形成されている。そして、各Cu補強金属層162は、それらの長手方向が各ダミーヴィアチェーン161aの長手方向に沿うように1列に並べられている。
また、図24(a)中破線で示す下層の各Cu補強金属層162は、図24(a)中実線で示す上層の各Cu補強金属層162の各端部と重なるように、上層の各Cu補強金属層162に対してダミーヴィアチェーン161bの長手方向に沿ってずらされて配置されている。さらに、隣接するダミーヴィアチェーン161a間において、上層の各Cu補強金属層162同士は、各ダミーヴィアチェーン161aの長手方向に沿って互いにずらされて配置されている。この際、上層の各Cu補強金属層162は、それぞれの端部が各ダミーヴィアチェーン161aの長手方向と直交する方向に沿って略一直線状に位置するように配置されている。同様に、隣接するダミーヴィアチェーン161a間において、下層の各Cu補強金属層162同士は、各ダミーヴィアチェーン161aの長手方向に沿って互いにずらされて配置されている。この際、下層の各Cu補強金属層162は、それぞれの端部が各ダミーヴィアチェーン161aの長手方向と直交する方向に沿って略一直線状に位置するように配置されている。
また、図24(b)に示すダミーヴィアチェーン161bでは、その長手方向に沿って上層の各Cu補強金属層162が2列に並べられて配置されている。各Cu補強金属層162は、それらの長手方向がダミーヴィアチェーン161bの長手方向に沿って配置されている。また、ダミーヴィアチェーン161bの長手方向と直交する方向に沿って隣接する上層の各Cu補強金属層162同士は、ダミーヴィアチェーン161bの長手方向に沿って互いにずらされて配置されている。この際、上層の各Cu補強金属層162は、それぞれの端部がダミーヴィアチェーン161bの長手方向と直交する方向に沿って略一直線状に位置するように配置されている。そして、このように配置された上層の各Cu補強金属層162の各端部と重なるように、下層に複数個のCu補強金属層162がダミーヴィアチェーン161bの長手方向に沿って配置されている。これら下層の各Cu補強金属層162は、それらの長手方向がダミーヴィアチェーン161bの長手方向と直交する方向に沿うように配置されている。
さらに、図24(c)に示す各ダミーヴィアチェーン161cでは、上層の各Cu補強金属層162が、それらの長手方向と直交する方向に沿って複数列に並べられて配置されている。それとともに、上層の各Cu補強金属層162は、それらの長手方向と直交する方向に沿って隣接する各Cu補強金属層162同士が、各Cu補強金属層162の長手方向に沿って互いにずらされて配置されている。この際、上層の各Cu補強金属層162は、それぞれの端部が各Cu補強金属層162の長手方向と直交する方向に沿って略一直線状に位置するように配置されている。そして、このように配置された上層の各Cu補強金属層162の各端部と重なるように、下層に複数個のCu補強金属層162が配置されている。これら下層の各Cu補強金属層162は、それらの長手方向が上層の各Cu補強金属層162の長手方向と直交する方向に沿うように配置されている。また、下層の各Cu補強金属層162は、上層の各Cu補強金属層162と各Cu補強ヴィアプラグ163を介して接続された際に、ダミーヴィアチェーン161cが上層および下層の各Cu補強金属層162のそれぞれ長手方向に沿って延びるように配置されている。これにより、各ダミーヴィアチェーン161cは、層間絶縁膜の表面に沿って、層間絶縁膜の積層方向と直交する方向に2次元的に広がるように設けられる。
次に、図25(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン161について説明する。図25(a),(b)には、複数個のL字形状のCu補強金属層164およびCu補強ヴィアプラグ163を用いて構成されたダミーヴィアチェーン161d,161eを示す。
図25(a)に示すダミーヴィアチェーン161dでは、その長手方向に沿って、上層に複数個のL字形状のCu補強金属層164が1列に並べられて配置されている。これら上層の各Cu補強金属層164は、全て同じ姿勢で配置されている。より詳しくは、上層の各Cu補強金属層164は、それぞれの1辺がダミーヴィアチェーン161dの長手方向に沿うように、かつ、他の1辺がダミーヴィアチェーン161dの長手方向と直交する方向に沿うように配置されている。そして、このように配置された上層の各Cu補強金属層164に対して、下層に複数個のCu補強金属層164がダミーヴィアチェーン161dの長手方向に沿ってずらされて配置されている。この際、下層の各Cu補強金属層164は、それぞれの端部が上層の各Cu補強金属層164の各端部と重なるように配置されている。それとともに、下層の各Cu補強金属層164は、それらの向きを上層の各Cu補強金属層164の向きに対して反転させられている。
また、図25(b)に示す各ダミーヴィアチェーン161eは、前述した図24(c)に示す各ダミーヴィアチェーン161cにおいて、長尺形状の各Cu補強金属層162に代えて、L字形状の各Cu補強金属層164を用いて構成した構造である。ただし、各ダミーヴィアチェーン161eにおいては、図25(a)に示すダミーヴィアチェーン161dと異なり、上層および下層の各Cu補強金属層164が全て同じ向きに向けられて配置されている。このダミーヴィアチェーン161eも、前述した図24(c)に示す各ダミーヴィアチェーン161cと同様に、層間絶縁膜の表面に沿って、層間絶縁膜の積層方向と直交する方向に2次元的に広がるように設けられる。
次に、図26(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン161について説明する。図26(a),(b)には、複数個の長尺形状のCu補強金属層162、四角枠形状のCu補強金属層165、およびCu補強ヴィアプラグ163を用いて構成されたダミーヴィアチェーン161f,161gを示す。
図26(a)に示すダミーヴィアチェーン161fでは、その長手方向に沿って、上層に複数個の四角枠形状のCu補強金属層165が1列に並べられて配置されている。これら上層の各Cu補強金属層165は、全て同じ姿勢で配置されている。より詳しくは、上層の各Cu補強金属層165は、それぞれの対向する2辺がダミーヴィアチェーン161fの長手方向に沿うように、かつ、残りの2辺がダミーヴィアチェーン161fの長手方向と直交する方向に沿うように配置されている。そして、このように配置された上層の各Cu補強金属層165に対して、下層に複数個の長尺形状の各Cu補強金属層162がダミーヴィアチェーン161dの長手方向に沿ってずらされて配置されている。この際、下層の各Cu補強金属層162は、それぞれの端部が上層の各Cu補強金属層165の各端部と重なるように配置されている。また、下層の各Cu補強金属層162は、それぞれの長手方向がダミーヴィアチェーン161fの長手方向に沿うように、上層の各Cu補強金属層165と略同じ幅で2列に並べられて配置されている。
また、図26(b)に示すダミーヴィアチェーン161gでは、所定の一方向に沿って、上層に複数個のCu補強金属層165が複数列に並べられて配置されている。これら上層の各Cu補強金属層165は、全て同じ姿勢で配置されている。より詳しくは、上層の各Cu補強金属層165は、それぞれの対向する2辺が一方向に沿うように、かつ、残りの2辺が他の一方向に沿うように配置されている。また、隣接するCu補強金属層165の列間において、上層の各Cu補強金属層165同士は、各列の長手方向に沿って互いにずらされて配置されている。この際、上層の各Cu補強金属層165は、それぞれの角部が各列の長手方向と直交する方向に沿って略一直線状に位置するように配置されている。そして、このように配置された上層の各Cu補強金属層165に対して、下層に複数個の長尺形状の各Cu補強金属層162が配置されている。この際、下層の各Cu補強金属層162は、それぞれの端部が上層の各Cu補強金属層165の各角部と重なるように配置されている。また、下層の各Cu補強金属層162は、それぞれの長手方向が複数個のCu補強金属層165からなる各列の長手方向と直交する方向に沿うように、上層の各Cu補強金属層165と略同じ幅で2列に並べられて配置されている。さらに、下層の各Cu補強金属層162は、Cu補強金属層165の列の長手方向と直交する方向において、隣接するCu補強金属層165同士を各Cu補強ヴィアプラグ163を介して接続できる位置に配置されている。このダミーヴィアチェーン161eも、前述した図24(c)に示す各ダミーヴィアチェーン161cおよび図25(b)に示す各ダミーヴィアチェーン161eと同様に、層間絶縁膜の表面に沿って、層間絶縁膜の積層方向と直交する方向に2次元的に広がるように設けられる。
次に、図27(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン161について説明する。図27(a),(b)には、複数個の四角枠形状のCu補強金属層165およびCu補強ヴィアプラグ163を用いて構成されたダミーヴィアチェーン161h,161iを示す。
図27(a)に示すダミーヴィアチェーン161hは、前述した図26(a)に示すダミーヴィアチェーン161fにおいて、下層の長尺形状の各Cu補強金属層162に代えて、四角枠形状の各Cu補強金属層165を用いて構成した構造である。
また、図27(b)に示すダミーヴィアチェーン161iは、前述した図26(b)に示すダミーヴィアチェーン161gにおいて、下層の長尺形状の各Cu補強金属層162に代えて、四角枠形状の各Cu補強金属層165を用いて構成した構造である。
以上説明したように、この第9実施形態によれば、前述した第1〜第8の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、L字形状のCu補強金属層164を用いて構成された各ダミーヴィアチェーン161d,161eは、長尺形状のCu補強金属層162のみから構成された各ダミーヴィアチェーン161a,161b,161cに比べて、より様々な方向から加えられる外力に対抗することができる。同様に、四角枠形状のCu補強金属層165を用いて構成された各ダミーヴィアチェーン161f,161gは、少なくとも上層においては、L字形状のCu補強金属層164のみから構成された各ダミーヴィアチェーン161d,161eに比べて、より様々な方向から加えられる外力に対抗することができる。さらに、四角枠形状のCu補強金属層165から構成された各ダミーヴィアチェーン161f,161g,161h,161iは、上層および下層の両層において、Cu補強金属層165および長尺形状のCu補強金属層162を組み合わせて構成された各ダミーヴィアチェーン161f,161gに比べて、より様々な方向から加えられる外力に対抗することができる。
なお、前述した図26(a),(b)および図27(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン161f,161g,161h,161iにおいては、四角枠形状の各Cu補強金属層165に代えて、図27(c)に示す四角形状のCu補強金属層166を用いても構わない。四角枠形状の各Cu補強金属層165に代えて、四角形状のCu補強金属層166を用いることにより、Cu補強金属層165から構成された各ダミーヴィアチェーン161f,161g,161h,161iよりも、さらに様々な方向から加えられる外力に対抗できるダミーヴィアチェーンを作成することができる。
さらに、図24〜図27に示す各ダミーヴィアチェーン161a〜161iは、それぞれの単体の構造が同じであれば、層間絶縁膜の表面に沿って全体を様々な方向に向けてずらしたり、傾けたり、あるいは回転させたりして設けても構わない。例えば、各ダミーヴィアチェーン161a〜161iを、それぞれ図24〜図27に示す向きに対して約90°回転させて配置しても構わない。このような配置でも、前記各ダミーヴィアチェーン161a〜161iと同様の効果を得ることができる。
(第10の実施の形態)
次に、本発明に係る第10実施形態を図28〜図40を参照しつつ説明する。図28〜図40は、本実施形態に係る半導体装置のダミーヴィアチェーンの構造を示す断面図である。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、第7〜第9の各実施形態において説明した各ダミーヴィアチェーン122,146b,161と同様の効果を得ることができるダミーヴィアチェーンの、断面視における様々な構造および配設パターンについて説明する。
先ず、図28(a),(b)および図29(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン171について説明する。図28(a),(b)および図29(a),(b)には、それぞれ2個の補強金属層172と少なくとも1個のヴィアプラグ173とから構成されたダミーヴィアチェーン171a,171b,171c,171dを示す。
図28(a)に示すダミーヴィアチェーン171aでは、隣接する2層の層間絶縁膜(低比誘電率膜)4内に補強金属層172がそれぞれ1個ずつ設けられている。上層の補強金属層172は、これと一体に設けられた1個のヴィアプラグ173を介して、下層の補強金属層172に接続されている。上層の補強金属層172および下層の補強金属層172は、ヴィアプラグ173を略中心にして、それぞれ反対側に向かって延びるように形成されている。このダミーヴィアチェーン171aは、様々な構成を取り得るダミーヴィアチェーンの中で、実質的に最小単位をなすものである。なお、このダミーヴィアチェーン171aにおいては、ヴィアプラグ173が補強金属層172および補強材(補強膜)としてのSiCN膜3に接続されている。したがって、このダミーヴィアチェーン171aのヴィアプラグ173は、前述した第2および第4〜第9の各実施形態のCu補強ヴィアプラグ53,94,114,125,148,163と同様の補強プラグ174である。
また、図28(b)に示すダミーヴィアチェーン171bでは、連続する3層の低比誘電率膜4のうち、上層および下層の低比誘電率膜4内に補強金属層172がそれぞれ1個ずつ設けられている。上層の補強金属層172には、2個の補強プラグ174が一体に設けられている。また、下層の補強金属層172には、1個の補強プラグ174が一体に設けられている。上層の補強金属層172は、中間層の低比誘電率膜4内に設けられた1個のヴィアプラグ173、および上層の補強金属層172に設けられた1個の補強プラグ174を介して、下層の補強金属層172に接続されている。前述したダミーヴィアチェーン171aと同様に、このダミーヴィアチェーン171bも、上層の補強金属層172および下層の補強金属層172が、ヴィアプラグ173を略中心にして、それぞれ反対側に向かって延びるように形成されている。
このダミーヴィアチェーン171bのように、上層の補強金属層172および下層の補強金属層172は、必ずしも隣接する2層の低比誘電率膜4内に設けられる必要は無い。上層の補強金属層172と下層の補強金属層172との間には、補強金属層172が設けられていない低比誘電率膜4が1層以上設けられていても構わない。また、ダミーヴィアチェーン171が設けられている複数層の低比誘電率膜4の中に実効配線が設けられていない低比誘電率膜4があるとする。この場合、実効配線が設けられていない低比誘電率膜4には、必ずしも補強金属層172を設ける必要は無い。少なくとも実効配線が設けられている低比誘電率膜4内にのみ、補強金属層172を設ければよい。これは、3個以上の補強金属層172を、複数層の低比誘電率膜4に設ける場合においても同様である。
すなわち、ダミーヴィアチェーン171が備える補強金属層172の個数と、ダミーヴィアチェーン171が設けられる層間絶縁膜4の層数とは、必ずしも一致させる必要は無い。ダミーヴィアチェーン171が備える補強金属層172の個数が、ダミーヴィアチェーン171が設けられる層間絶縁膜4の層数より少なくても構わない。あるいは、ダミーヴィアチェーン171が備える補強金属層172の個数が、ダミーヴィアチェーン171が設けられる層間絶縁膜4の層数より多くても構わない。層間絶縁膜4の積層方向に沿って連続しない複数層の層間絶縁膜4内に、複数個の補強金属層172を設けるとする。この場合、補強金属層172が設けられない層間絶縁膜4にヴィアプラグ173を設けて、各補強金属層172同士を層間絶縁膜4の積層方向に沿って接続すればよい。
また、図29(a)に示すダミーヴィアチェーン171cでは、前述したダミーヴィアチェーン171a,171bと異なり、上層の補強金属層172と下層の補強金属層172とが、それぞれの長手方向の中心が略一致するように設けられている。ただし、上層の補強金属層172が下層の補強金属層172よりも長く形成されている。すなわち、上層の補強金属層172と下層の補強金属層172とが、実質的に層間絶縁膜4の積層方向とは垂直な方向に沿って互いにずらされて設けられている。
同様に、図29(b)に示すダミーヴィアチェーン171dも、前述したダミーヴィアチェーン171a,171bと異なり、上層の補強金属層172と下層の補強金属層172とが、それぞれの長手方向の中心が略一致するように設けられている。ただし、図29(a)に示すダミーヴィアチェーン171cと異なり、上層の補強金属層172が下層の補強金属層172よりも短く形成されている。しかし、このような構成でも、前述したダミーヴィアチェーン171cと同様に、上層の補強金属層172と下層の補強金属層172とは、実質的に層間絶縁膜4の積層方向とは垂直な方向に沿って互いにずらされて設けられている。
これら各ダミーヴィアチェーン171c,171dのように、上層の補強金属層172と下層の補強金属層172とを、それぞれの長手方向の中心が略一致するように設けた場合でも、上層の補強金属層172と下層の補強金属層172との長さを異なる大きさに設定する。これにより、前述したダミーヴィアチェーン171a,171bと同様に、層間絶縁膜4の積層方向あるいは層間絶縁膜4の積層方向と直交する方向のいずれの方向にも、複数個のダミーヴィアチェーン171c,171d同士をヴィアプラグ173を用いて接続して延ばすことができる。
次に、図30および図31に示す各ダミーヴィアチェーン171について説明する。図30および図31には、それぞれ3個の補強金属層172と少なくとも2個の補強プラグ173とから構成されたダミーヴィアチェーン171e,171fを示す。
図30に示すダミーヴィアチェーン171eでは、連続する4層の低比誘電率膜4のうち、最上層、上から2つ目の層、および最下層の低比誘電率膜4内に補強金属層172がそれぞれ1個ずつ設けられている。最上層の補強金属層172は、上から2つ目の層の補強金属層172と、1個の補強プラグ174(ヴィアプラグ173)を介して接続されている。それとともに、最上層の補強金属層172は、最下層の補強金属層172と、1個の補強プラグ174および2個のヴィアプラグ173を介して接続されている。前述した図19(a),(b)に示す第7実施形態のダミーヴィアチェーン122と異なり、このダミーヴィアチェーン171eは、低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向において中央部に設けられた補強金属層172が、両端部に設けられた各補強金属層172よりも上層に設けられている。このような構成からなるダミーヴィアチェーン171eでも、第7実施形態のダミーヴィアチェーン122と同様の効果を得ることができるのはもちろんである。
また、図31に示すダミーヴィアチェーン171fでは、連続する6層の低比誘電率膜4のうち、最上層、最下層、および下から3つ目の層の低比誘電率膜4内に補強金属層172がそれぞれ1個ずつ設けられている。最上層の補強金属層172は、下から3つ目の層の補強金属層172と、1個の補強プラグ174および2個のヴィアプラグ173を介して接続されている。また、下から3つ目の層の補強金属層172は、最上層の補強金属層172と、1個の補強プラグ174および1個のヴィアプラグ173を介して接続されている。前述した第7実施形態のダミーヴィアチェーン122および図30に示すダミーヴィアチェーン171eと異なり、このダミーヴィアチェーン171fは、低比誘電率膜4の積層方向に対して傾いて延びるように形成されている。すなわち、ダミーヴィアチェーン171fにおいては、その一端部側から他端部側に向けて単純に斜め方向に延びるように、各補強金属層172が配置および接続されている。このような構成からなるダミーヴィアチェーン171fでも、ダミーヴィアチェーン122,171eと同様の効果を得ることができるのはもちろんである。
次に、図32(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン171について説明する。図32(a),(b)には、それぞれ4個の補強金属層172と複数個の補強プラグ174とから構成されたダミーヴィアチェーン171g,171hを示す。
図32(a)に示すダミーヴィアチェーン171gでは、隣接する2層の低比誘電率膜4内に補強金属層172が4個設けられている。上層の低比誘電率膜4内には、補強金属層172が1個設けられている。そして、下層の低比誘電率膜4内には、補強金属層172が3個設けられている。上層の補強金属層172は、下層の各補強金属層172と、5個の補強プラグ174を介して接続されている。また、このダミーヴィアチェーン171gは、前述した図29(a)に示すダミーヴィアチェーン171cと同様に、上層の補強金属層172の長さが、下層の各補強金属層172を合わせた長さよりも大きく形成されている。すなわち、上層の補強金属層172と下層の各補強金属層172とが、実質的に層間絶縁膜4の積層方向とは垂直な方向に沿って互いにずらされて設けられている。これにより、低比誘電率膜4の積層方向あるいは低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向のいずれの方向にも、複数個のダミーヴィアチェーン171g同士をヴィアプラグ173を用いて接続して延ばすことができる。
また、図32(b)に示すダミーヴィアチェーン171hでは、隣接する3層の低比誘電率膜4内に補強金属層172が4個設けられている。最上層および最下層の各低比誘電率膜4内には、補強金属層172がそれぞれ1個ずつ設けられている。そして、中間層の低比誘電率膜4内には、補強金属層172が2個設けられている。最上層の補強金属層172は、最下層の各補強金属層172と、1個の補強プラグ174および1個のヴィアプラグ173を介して接続されている。また、中間層の各補強金属層172は、最下層の各補強金属層172と、1個または2個の補強プラグ174を介して接続されている。
このダミーヴィアチェーン171hは、最上層の補強金属層172が、その下層の各補強金属層172の上方から外側に張り出されて形成されている。すなわち、最上層の補強金属層172とその下層の各補強金属層172とが、実質的に層間絶縁膜4の積層方向とは垂直な方向に沿って互いにずらされて設けられている。これにより、低比誘電率膜4の積層方向あるいは低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向のいずれの方向にも、複数個のダミーヴィアチェーン171h同士をヴィアプラグ173を用いて接続して延ばすことができる。
次に、図33〜図35に示す各ダミーヴィアチェーン171について説明する。図33〜図35には、低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向に沿って延びるように設けられたダミーヴィアチェーン171i,171j,171k,171m,171n,171pを示す。
図33には、2種類のダミーヴィアチェーン171i,171jが、低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向に沿って延びるように、交互に設けられた構成を示す。各ダミーヴィアチェーン171i,171jは、ともに3個の補強金属層172が隣接する2層の低比誘電率膜4内に設けられた構成からなる。一方のダミーヴィアチェーン171iは、前述した図30に示すダミーヴィアチェーン171eと同様に、中央部に設けられた補強金属層172が、両端部に設けられた各補強金属層172よりも上層に設けられている。また、他方のダミーヴィアチェーン171jは、前述した図19(a),(b)に示す第7実施形態のダミーヴィアチェーン122と同様に、両端部に設けられた補強金属層172が、中央部に設けられた各補強金属層172よりも下層に設けられている。
それらのような構成からなる各ダミーヴィアチェーン171i,171jを、図33に示すように交互に組み合わせて配置する。この際、隣接するダミーヴィアチェーン171i,171jの端部同士が低比誘電率膜4の積層方向に沿って互いに重なり合うように配置する。これにより、隣接するダミーヴィアチェーン171i,171j同士が、実質的にヴィアプラグ(補強プラグ)によって接続された場合に近い効果を得ることができる。すなわち、各ダミーヴィアチェーン171i,171jを1個の単位ダミーヴィアチェーンとして、これら複数個のダミーヴィアチェーン171i,171jからなるダミーヴィアチェーン171kを、隣接する2層の低比誘電率膜4内に設けたものとみなすことができる。
また、図34には、前述した図33に示すダミーヴィアチェーン171kにおいて、隣接するダミーヴィアチェーン171i,171jがそれぞれ1個ずつの補強プラグ174により接続された構成を示す。すなわち、1個のダミーヴィアチェーン171iと1個のダミーヴィアチェーン171jとが1個の補強プラグ174を介して接続されたダミーヴィアチェーン171mが、低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向に沿って延びるように設けられた構成を示す。また、各ダミーヴィアチェーン171mは、隣接するダミーヴィアチェーン171mの端部同士が低比誘電率膜4の積層方向に沿って互いに重なり合うように配置されている。これにより、前述したダミーヴィアチェーン171kと同様に、各ダミーヴィアチェーン171mを1個の単位ダミーヴィアチェーンとして、これら複数個のダミーヴィアチェーン171mからなるダミーヴィアチェーン171nを、隣接する2層の低比誘電率膜4内に設けたものとみなすことができる。なお、各ダミーヴィアチェーン171mの下層側の両端部の補強金属層172は、1個または2個の補強プラグ174を介して補強材(補強膜)3に接続されている。
このような構成からなるダミーヴィアチェーン171mは、ダミーヴィアチェーン171i,171jよりも強靭であり、外力に対する抗力が大きい。ひいては、複数個のダミーヴィアチェーン171mからなるダミーヴィアチェーン171nは、複数個のダミーヴィアチェーン171i,171jからなるダミーヴィアチェーン171kよりも外力に対する抗力が大きい。この結果、ダミーヴィアチェーン171nは、ダミーヴィアチェーン171kよりも応力緩和能力が高くなる。
さらに、図35には、前述した図33に示すダミーヴィアチェーン171kにおいて、隣接する全てのダミーヴィアチェーン171i,171jがそれぞれ1個ずつの補強プラグ174により接続された構成を示す。すなわち、複数個のダミーヴィアチェーン171iと複数個のダミーヴィアチェーン171jとが1個の補強プラグ174を介して接続されたダミーヴィアチェーン171pが、低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向に沿って延びるように設けられた構成を示す。なお、各ダミーヴィアチェーン171i,171jの下層側の補強金属層172は、全て2個の第2の補強プラグ174を介して補強材(補強膜)3に接続されている。このような構成からなるダミーヴィアチェーン171pは、前述したダミーヴィアチェーン171nよりもさらに強靭であり、かつ、応力緩和能力もさらに高い。
また、各ダミーヴィアチェーン171i,171jの代わりに、図28(a),(b)および図29(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン171a,171b,171c,171dのように、2個の補強金属層172と少なくとも1個のヴィアプラグ173とから構成されたダミーヴィアチェーンを用いても、図33〜図35に示す各ダミーヴィアチェーン171k,171n,171pと同様の効果を得ることができるのはもちろんである。
次に、図36〜図39に示す各ダミーヴィアチェーン171について説明する。図36〜図39には、低比誘電率膜4の積層方向に沿って延びるように設けられたダミーヴィアチェーン171q,171r,171s,171t,171uを示す。
図36には、前述した図33に示すダミーヴィアチェーン171iが、隣接する複数層の低比誘電率膜4内に、その積層方向に沿って略一直線状に重なり合うように複数個積層された構成を示す。このような構成によれば、隣接するダミーヴィアチェーン171i同士が、低比誘電率膜4の積層方向に沿って実質的にヴィアプラグ173によって接続された場合に近い効果を得ることができる。すなわち、各ダミーヴィアチェーン171iを1個の単位ダミーヴィアチェーンとして、これら複数個のダミーヴィアチェーン171iからなるダミーヴィアチェーン171qを、隣接する8層の低比誘電率膜4内に設けたものとみなすことができる。
また、図37には、前述した図36に示すダミーヴィアチェーン171qにおいて、隣接するダミーヴィアチェーン171iがそれぞれ1個ずつの補強プラグ174により接続された構成を示す。すなわち、隣接する2個のダミーヴィアチェーン171iが1個の補強プラグ174を介して接続されたダミーヴィアチェーン171rが、低比誘電率膜4の積層方向に沿って延びるように設けられた構成を示す。これにより、前述したダミーヴィアチェーン171qと同様に、各ダミーヴィアチェーン171rを1個の単位ダミーヴィアチェーンとして、これら複数個のダミーヴィアチェーン171rからなるダミーヴィアチェーン171sを、隣接する複数層の低比誘電率膜4内に設けたものとみなすことができる。
このような構成からなるダミーヴィアチェーン171rは、ダミーヴィアチェーン171iよりも強靭であり、外力に対する抗力が大きい。ひいては、複数個のダミーヴィアチェーン171rからなるダミーヴィアチェーン171sは、複数個のダミーヴィアチェーン171iからなるダミーヴィアチェーン171qよりも外力に対する抗力が大きい。この結果、ダミーヴィアチェーン171sは、ダミーヴィアチェーン171qよりも応力緩和能力が高くなる。
また、図38には、前述した図36に示すダミーヴィアチェーン171qにおいて、隣接する全てのダミーヴィアチェーン171iがそれぞれ2個ずつの補強プラグ174により接続された構成を示す。すなわち、複数個のダミーヴィアチェーン171i同士がそれぞれ2個の補強プラグ174を介して接続されたダミーヴィアチェーン171tが、低比誘電率膜4の積層方向に沿って延びるように設けられた構成を示す。なお、ダミーヴィアチェーン171tの最下層の両端部の補強金属層172は、それぞれ1個の補強プラグ174を介して補強材(補強膜)3に接続されている。このような構成からなるダミーヴィアチェーン171tは、前述したダミーヴィアチェーン171qよりもさらに強靭であり、かつ、応力緩和能力もさらに高い。
さらに、図39には、前述した図33に示すダミーヴィアチェーン171iおよびダミーヴィアチェーン171jが、隣接する3層の低比誘電率膜4内にその積層方向に沿って積層された構成を示す。隣接する各ダミーヴィアチェーン171i,171jは、補強プラグ174(ヴィアプラグ173)を介して接続されている。これにより、各ダミーヴィアチェーン171i,171jは、低比誘電率膜4の積層方向および低比誘電率膜4の積層方向とは垂直な方向の2方向に沿って延ばされている。
なお、低比誘電率膜4の積層方向に関しては、図33に示す各ダミーヴィアチェーン171i,171jの下層側の各補強金属層172の下側に、各ダミーヴィアチェーン171i,171jの上層側の補強金属層172のみが複数個、補強プラグ174(ヴィアプラグ173)を介して接続された構成に相当する。あるいは、図33に示す各ダミーヴィアチェーン171i,171jの上層側の各補強金属層172の上側に、各ダミーヴィアチェーン171i,171jの下層側の補強金属層172のみが複数個、補強プラグ174(ヴィアプラグ173)を介して接続された構成に相当する。これにより、複数本のダミーヴィアチェーン171i,171jおよび複数個の補強金属層172からなる3層構造のダミーヴィアチェーン171uが構成されている。このような構成からなるダミーヴィアチェーン171uは、図33に示すダミーヴィアチェーン171kよりもさらに強靭であり、かつ、応力緩和能力もさらに高い。
また、ダミーヴィアチェーン171i,171jの代わりに、図28(a),(b)および図29(a),(b)に示す各ダミーヴィアチェーン171a,171b,171c,171dのように、2個の補強金属層172と少なくとも1個のヴィアプラグ173とから構成されたダミーヴィアチェーンを用いても、図36〜図39に示す各ダミーヴィアチェーン171q,171s,171t,171uと同様の効果を得ることができるのはもちろんである。
次に、図40に示す各ダミーヴィアチェーン171について説明する。図40には、低比誘電率膜4の積層方向および低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向の両方向に沿って延びるように設けられたダミーヴィアチェーン171v,171wを示す。
図40には、図40中二点鎖線で示すように、Si基板1から連続して、低比誘電率膜4の積層方向および低比誘電率膜4の積層方向と直交する方向の両方向に沿って延びるように設けられた複数本のダミーヴィアチェーン171vを示す。すなわち、各ダミーヴィアチェーン171vは、低比誘電率膜4の積層方向に対して傾いて延びるように、Si基板上に設けられている。より詳しくは、ダミーヴィアチェーン171vにおいては、その一端部(下端部)側から他端部(上端部)側に向けて単純に斜め上方に延びるように、各補強金属層172が配置および接続されている。
それら各ダミーヴィアチェーン171vのうちの幾つかは、図40中実線の円で囲んで示す部分H1,H2のように、隣接するダミーヴィアチェーン171v間において、上下方向に隣接する最上層の補強金属層172と最上層の1つ下の層の補強金属層172とが補強プラグ174(ヴィアプラグ173)を介して接続されている。同様に、各ダミーヴィアチェーン171vのうちの幾つかは、図40中実線の円で囲んで示す部分M1,M2のように、隣接するダミーヴィアチェーン171v間において、中間層で上下方向に隣接する補強金属層172同士が補強プラグ174を介して接続されている。同様に、各ダミーヴィアチェーン171vのうちの幾つかは、図40中実線の円で囲んで示す部分L1,L2のように、隣接するダミーヴィアチェーン171v間において、上下方向に隣接する最下層の補強金属層172と最下層の1つ上の層の補強金属層172とが補強プラグ174を介して接続されている。
このような構成によれば、各ダミーヴィアチェーン171vを1個の単位ダミーヴィアチェーンとして、これら複数個のダミーヴィアチェーン171vからなるダミーヴィアチェーン171wを、最下層の低比誘電率膜4から最上層の低比誘電率膜4までSi基板1から連続して設けたものとみなすことができる。なお、各ダミーヴィアチェーン171vの最下層の補強金属層172は、全て2個の補強プラグ174を介して補強材(補強膜)3およびSi基板1に接続されている。また、図40においては、各ダミーヴィアチェーン171vの延びる方向および各ダミーヴィアチェーン171v同士の接続部が分かり易いように、各補強金属層172のハッチングを省略した。
以上説明したように、この第10実施形態によれば、前述した第1〜第9の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態の各ダミーヴィアチェーン171の断面視における配設パターンを、前述した第9実施形態のダミーヴィアチェーン161の平面視における配設パターンと組み合わせることにより、ダミーヴィアチェーンの配設パターンを極めて多様に構成することができる。すなわち、多層配線構造を有する半導体装置において、実効配線の平面視および断面視における配設パターンに応じて適宜、適正な応力緩和能力を得ることができるダミーヴィアチェーンの配設パターンを得ることができる。これは、前述した第7実施形態のダミーヴィアチェーン122および第8実施形態のダミーヴィアチェーン146bにおいても同様である。
さらに、それら各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の配設パターンは、本実施形態や第9実施形態において説明した各配設パターンには限定されない。各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171は、その他様々な配設パターンを取り得る。
例えば、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の両端部のうち少なくとも一方の端部となっている補強金属層124,149,162,164,165,166,172が設けられている層とは異なる層の層間絶縁膜4中に、さらに少なくとも1個の補強金属層124,149,162,164,165,166,172が設けられているとする。そして、この補強金属層124,149,162,164,165,166,172が、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の一端部となっている補強金属層124,149,162,164,165,166,172に,補強ヴィアプラグ125,148,163,173を介してさらに接続されている構成としても構わない。このように、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の端部に補強金属層124,149,162,164,165,166,172を接続しても、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の長さが長くなるだけであり、その応力緩和効果が低減するおそれはない。同様に、前述した単位ダミーチェーンの長さも適宜、適正な長さに設定することができる。
また、各補強金属層124,149,162,164,165,166,172は、全ての層で同じ方向に長く延ばされて形成されてもよい。あるいは、各補強金属層124,149,162,164,165,166,172は、各層ごとに異なる方向に長く延ばされて形成されてもよい。同様に、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171は、全ての層で同じ方向に沿って並べられて設けられてもよい。あるいは、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171は、各層ごとに異なる方向に沿って並べられて設けられてもよい。さらに、各補強金属層124,149,162,164,165,166,172は、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の並べられた方向に沿って長く延ばされて形成されてもよい。あるいは、各補強金属層124,149,162,164,165,166,172は、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の並べられた方向とは垂直な方向に沿って長く延ばされて形成されてもよい。このように、各補強金属層124,149,162,164,165,166,172の形状や向きは、各ダミーヴィアチェーン122,146b,161,171の形状、向き、および配置方向などに対して、様々な状態に設定することができる。
なお、本発明に係る半導体装置は、前述した第1〜第10の各実施形態には制約されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、それらの構成、あるいは製造工程などの一部を種々様々な設定に変更したり、あるいは各種設定を適宜、適当に組み合わせて用いたりして実施することができる。
例えば、各補強プラグは、それらの一部が機械的強度(ヤング率)の高い補強材(補強膜)に実質的に接続されていればよい。接続箇所は、下端部や中間部(中腹部)以外でも構わない。さらに、導電層または補強金属層の上面に接続する補強プラグを、その上方に設けた補強材に接続されるように別に設けても構わない。あるいは、各補強プラグは、これが接続されている導電層または補強金属層の下方に設けられている全ての補強材に接続されるように形成されていても構わない。また、導電層と導電プラグ、導電層と第1の補強プラグ、補強金属層と第2の補強プラグは、それぞれが別体である、いわゆるシングルダマシン構造に形成されても構わない。導電層または補強金属層と各補強プラグとの接合部における強度が、この接合部に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力よりも大きければよい。
また、比誘電率が3.4以下である低比誘電率膜としては、例えばポリシロキサン、ハイドロジェンシロセスキオキサン、ポリメチルシロキサン、メチルシロセスキオキサンなどのシロキサン骨格を有する膜や、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾシクロブテンなどの有機樹脂を主成分とする膜や、あるいは多孔質シリカ膜などのポーラス膜などを用いることができる。
また、ヤング率が30GPa以上である補強材(補強膜)は、SiCN膜やSiC膜には限られない。ヤング率が約30GPa以上であり、かつ、電気的機能(導電性)を有していない材料により形成されていればよい。例えば、セラミックなどによって形成されていてもよい。具体的には、d−TEOS,p−SiH4,SiO2,SiO,SiOP,SiOF,SiN,SiON,SiCH,SiOC,SiOCHなどを用いることができる。また、キャッピング膜(キャッピング層)のヤング率が約30GPa以上であり、このキャッピング膜を補強材(補強膜)として用いることができる場合、配線の材料などによっては、トップバリア膜(トップバリア層)を省略することもできる。すなわち、補強材は、少なくとも1種類(1層)設けられていればよい。ただし、補強材を複数種類(複数層、多層)設けても構わないのはもちろんである。所望する半導体装置の構成や機能などに応じて適宜、適正な種類数(層数)に設定すればよい。
また、導電層、導電プラグ、第1の補強プラグ、補強金属層、第2の補強プラグの形成材料は、銅(Cu)に限られない。具体的には、Cu、Al、W、Ta、Nb、Ti、V、Ru、Moなどの金属元素のうちの1種類以上を主成分とする金属膜、あるいはこれらの元素を組み合わせた金属積層膜により形成しても構わない。また、導電層、導電プラグ、および第1の補強プラグと、補強金属層および第2の補強プラグとを互いに異なる材料により形成しても構わない。補強金属層および第2の補強プラグからなる補強配線部が、導電層、導電プラグ、および第1の補強プラグからなる実効配線部に掛かる水平負荷応力および垂直負荷応力を低減できる材料により形成されればよい。
また、バリアメタル膜はTaおよびTaNの積層膜に限定されず、TiおよびTiN、NbおよびNbN、WおよびWN、あるいはZrおよびZrNの各組み合わせなどでも構わない。さらに、これらの各金属や、化合物、あるいはTaSiN、TiSiNなどを単体で設けてもよい。また、化合物からなる層は、窒化物に限らず、例えば前記各金属元素を主成分とした炭化物や、あるいはホウ化物などでも構わない。すなわち、バリアメタル膜は、導電層、導電プラグ、第1の補強プラグ、補強金属層、および第2の補強プラグなどのそれぞれの形成材料に応じて、実効配線部の水平負荷応力および垂直負荷応力に対する耐久性、および補強配線部の補強機能を向上できる材料により形成されればよい。そのようなバリアメタル膜の形成材料としては、例えば、IV−A族、V−A族、またはVI−A族の金属とその化合物などの中から選択して用いればよい。
また、以上説明した低比誘電率膜、補強材、配線、およびバリアメタル膜の形成材料は、それらの間で互いの機能を向上し合えることができる材料を組み合わせて用いることが好ましいのはもちろんである。
また、第1〜第10の各実施形態の実効配線部または補強配線部の配線パターンの形状などは、図8、図10、図13〜図18、図19、図21、図22、および図24〜図40で示した形状には限られない。例えば、図13に示す第3実施形態のすべてのCu補強ヴィアプラグ28を、図14に示す第4実施形態のCu補強ヴィアプラグ28のように、下層の低比誘電率膜4の内部に突入させる形状に形成しても構わない。そして、図15に示す第5実施形態のように、低比誘電率膜4に隣接して設けられる絶縁膜をSiCN膜3だけとしても構わない。このような設定としても、本発明の効果を十分に得ることができる。
また、層間絶縁膜、補強材、配線層、および補強配線層の積層数は、2層あるいは3層には限られない。1層でも、あるいは4層以上でも構わないのはもちろんである。
さらに、第7実施形態においては、Si基板1上の各絶縁膜の構成を、第1実施形態と同様の構成としたが、これに限定されるものではない。たとえば、SiC膜2の代わりに、SiO2膜を用いても構わない。同様に、SiCN膜3の代わりに、SiN膜を用いても構わない。SiC膜2およびSiCN膜3に相当する膜は、そのヤング率が約30GPa以上であればよい。また、導電プラグ27が設けられている層の絶縁膜4のうち、少なくとも1層の絶縁膜4のヤング率が20Gpa以下であればよい。このような構成は、第8〜第10の各実施形態においても同様である。
1…Si基板、2…SiC膜(補強膜、ヤング率が30GPa以上である補強材)、3…SiCN膜(補強膜、ヤング率が30GPa以上である補強材)、4…低比誘電率膜(層間絶縁膜、比誘電率が3.4以下である絶縁膜)、13,25,140…Cu配線層(配線層)、14,26,141…Cu導電層(導電層)、15…Cu導電コンタクトプラグ(Cu導電プラグ、導電プラグ)、16…Cu補強コンタクトプラグ(Cu補強プラグ、第1の補強プラグ)、27,142…Cu導電ヴィアプラグ(Cu導電プラグ、導電プラグ)、28…Cu補強ヴィアプラグ(Cu補強プラグ、第1の補強プラグ)、31,41,61,71,81,91,101,111,121,131…半導体装置、45,51,92,112,123…Cu補強配線層(補強配線層)、46,62,93,113,124,147,149,150,162,164,165,166,172…Cu補強金属層(補強金属層)、47…Cu補強コンタクトプラグ(Cu補強プラグ、第2の補強プラグ)、53,94,114,125,148,163,174…Cu補強ヴィアプラグ(Cu補強プラグ、第2の補強プラグ)、122,146,146a,146b,146c,161,161a,161b,161c,161d,161e,161f,161g,161h,161i,171,171a,171b,171c,171d,171e,171f,171g,171h,171i,171j,171k,171m,171n,171p,171q,171r,171s,171t,171u,171v,171w…ダミーヴィアチェーン(ダミー配線)、173…Cuヴィアプラグ