JP2004143008A - 合わせガラス用中間膜および合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみで合わせ加工を行うことが可能であり、かつ、特に遮音性に優れる合わせガラスを得ることができる中間膜、および、この中間膜を用いた合わせガラスを提供する。
【解決手段】クリープ弾性率が45℃において4655Pa/%以上であり、100℃において49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在する中間膜、熱可塑性樹脂層が最外層に存在する上記中間膜、熱可塑性樹脂層が可塑化ポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されている可塑化ポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在する可塑化ポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きい上記中間膜、可塑剤が層間で移行することにより、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなる上記中間膜、および、上記中間膜を用いた合わせガラス。
【選択図】 なし
【解決手段】クリープ弾性率が45℃において4655Pa/%以上であり、100℃において49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在する中間膜、熱可塑性樹脂層が最外層に存在する上記中間膜、熱可塑性樹脂層が可塑化ポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されている可塑化ポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在する可塑化ポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きい上記中間膜、可塑剤が層間で移行することにより、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなる上記中間膜、および、上記中間膜を用いた合わせガラス。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用中間膜およびこの合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板の間に、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂のような透明で柔軟性に富む熱可塑性樹脂を製膜してなる合わせガラス用中間膜を介在させ、接着により一体化させて得られる合わせガラスは、破損時に破片が飛散せず安全性に優れているため、例えば、自動車、車輌、建築物等の窓ガラス用として広く用いられている。
【0003】
上記合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜には、優れた透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラス板と合わせガラス用中間膜との適正な接着力等の合わせガラスとして必要な諸性能を発現しうることが要求され、熱可塑性樹脂のなかでも、これらの基本性能のバランスに優れるポリビニルブチラール樹脂が特に好適に用いられている。
【0004】
このような合わせガラスは、通常、少なくとも一対(2枚)のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み、この合わせガラス構成体(積層体)を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れて減圧吸引する方式(真空バッグ方式)や、図1に示すように、この合わせガラス構成体の周囲にスペーサーを入れて圧力が均一にかかるようにした状態でゴムバッグの中に入れて合わせガラス構成体の端部から減圧吸引する方式(スペーサー方式)等の真空脱気法、または、この合わせガラス構成体を例えばニップロール(押圧ロール)に通して扱く扱き脱気法により、ガラス板と合わせガラス用中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備接着(予備圧着)し、次いで、オートクレーブ内で加熱加圧して本接着(本圧着)を行う方法、いわゆるオートクレーブ法により製造される。
【0005】
ところが、上記予備接着工程において合わせガラス用中間膜とガラス板との間に空気が残留し気泡が発生すると、得られる合わせガラスの透明性が損なわれるという問題点が発生するため、予備接着工程における空気の残留や気泡の発生を抑制するために種々の検討がなされている。
【0006】
例えば、特公平1−32776号公報では、合わせガラス製造時の予備接着工程において合わせガラスの中央部近傍に存在する空気をも脱気させるために、表面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されている熱可塑性樹脂製中間膜が開示されている。
【0007】
しかし、上記公報に開示されている熱可塑性樹脂製中間膜には、従来の例えばポリビニルブチラール樹脂からなる合わせガラス用中間膜と同様に、本接着をオートクレーブ内で行う必要があるため、オートクレーブを設置するために多額の設備投資費用を要するという問題点や、オートクレーブによる本接着はバッチ工程になるため、合わせガラスの生産性(生産効率)が悪くなるという問題点がある。
【0008】
一方、上記オートクレーブ使用に伴う問題点を解消するために、オートクレーブを使用しない合わせガラスの作製方法、いわゆる非オートクレーブ法が検討されている。
【0009】
一般に非オートクレーブ法とは、少なくとも一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み、この合わせガラス構成体を、前記真空バッグ方式やスペーサー方式により、真空バッグ(ゴムバッグ)の中に入れ、この真空バッグ(ゴムバッグ)を排気系に接続して、真空バッグ(ゴムバッグ)内の圧力が約−65〜−100kPaの減圧度(絶対圧力約36〜1kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度100℃程度で脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより合わせガラスを製造する方法、いわゆる真空プレス法である。
【0010】
非オートクレーブ法による合わせガラス用中間膜として、例えば、特開平8−104551号公報では、特定の含水量を有するポリビニルブチラール樹脂製中間膜を用いて、上記非オートクレーブ法における真空プレス時の真空プレス条件と湿度とを細かく設定した安全ガラスラミネートを形成する非オートクレーブ法が開示されている。
【0011】しかし、上記公報に開示されている非オートクレーブ法には、予備接着工程が煩雑であったり、合わせ加工の際に調湿条件を非常に厳密に管理しないと発泡が起こるという問題点がある。また、予備接着工程で発生したガラス周辺部の歪みが残存することにより、得られる合わせガラスに光学歪みが発生したり、ポリビニルブチラール樹脂製中間膜の流動温度におけるプレス圧の不足による気泡やエンボス模様の痕跡の残存や、昇温と同時に真空レベルを下げているため、気泡が消滅せず残留してしまうという問題点がある。
【0012】
一方、自動車、車輌、建築物等の窓ガラス用として用いられる合わせガラスには、優れた透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、遮音性、遮熱性、耐湿性、ガラス板と合わせガラス用中間膜との適正な接着力等の諸性能を兼備していることが要求される。
【0013】
ところが、従来の合わせガラスでは、例えば、耐貫通性を向上させるために相対的に硬い合わせガラス用中間膜を用いると遮音性が不十分となったり、逆に遮音性を向上させるために相対的に柔らかい合わせガラス用中間膜を用いると耐貫通性が不十分となるという問題点や、また、遮熱性を向上させるために断熱性無機物質の微粒子を合わせガラス用中間膜中に分散剤により分散させた場合には、この分散剤がガラス板と合わせガラス用中間膜との接着力に影響を与えて耐貫通性を低下させるという問題点がある。このように、合わせガラスに必要とされる複数の優れた性能を兼備させた合わせガラスを得ることは困難であるというのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点や現状に鑑み、合わせガラス製造時にオートクレーブを必要とすることがなく、例えば真空バッグによる真空プレス法のみで合わせ加工を行うことが可能であり、かつ、特に遮音性に優れる合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜、および、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
一般に真空プレス法(非オートクレーブ法)においては、温度上昇途中の低温領域(45℃以下程度)で合わせガラス用中間膜が柔らかすぎると、ガラス板と合わせガラス用中間膜とからなる合わせガラス構成体の周辺部に位置する合わせガラス用中間膜のエンボスが潰れて周辺部が先に接着する現象、いわゆるシール先行現象が発生して、上記合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気の脱気ができなくなり、逆に高温領域(100℃程度)で合わせガラス用中間膜が硬すぎると、合わせガラス用中間膜のエンボスが潰れにくくなり、エンボス模様の痕跡が残存して、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが困難となる。
【0016】
したがって、真空プレス法に適用される合わせガラス用中間膜には、温度上昇途中の低温領域では適度な硬さを有していて、シール先行現象を発生せず、上記合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気をも容易に脱気することが可能であり、逆に高温領域では速やかに柔らかくなって、エンボスが容易に潰れ、エンボス模様の痕跡が残存することがなく、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが可能であることが要求される。これは換言すれば、真空プレス法に適用される合わせガラス用中間膜には、優れた感温性が要求されるということである。
【0017】
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、合わせガラス用中間膜のクリープ弾性率やクリープ弾性率の対数値の温度に対する変化量と合わせガラス用中間膜の感温性ひいては脱気性や得られる合わせガラスの外観とに密接な相関があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
また、本発明者は、合わせガラス用中間膜を2層以上の熱可塑性樹脂層からなる複層構成とし、各層の極性差を制御することによって、各層に含有される可塑剤を経時的に移行させ、各層の平衡可塑剤含有量を所望の分布とすることにより、上記課題を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
すなわち、請求項1に記載の発明(本発明)による合わせガラス用中間膜は、測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%以上であり、測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在することを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1に記載の合わせガラス用中間膜において、熱可塑性樹脂層が最外層に存在することを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1または請求項2に記載の合わせガラス用中間膜において、熱可塑性樹脂層がポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きいことを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜において、最外層以外の層に、アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、残存アセチル基量が8〜30モル%であるポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層が配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜において、可塑剤が層間で移行することにより、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなることを特徴とする。
【0024】
また、請求項6に記載の発明(本発明)による合わせガラスは、少なくとも一対のガラス板の間に上記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする。
【0025】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記する)には、測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%以上であり、測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在する。
【0026】
本発明で言うクリープ弾性率とは、静的粘弾性に分類される緩和弾性率のことであり、以下の方法で測定される。
〔クリープ弾性率の測定方法〕
25℃−25%RHの雰囲気下に3時間以上放置して調温調湿した所定の断面積を有する熱可塑性樹脂層を、その下端に所定の荷重を吊り下げた状態で、所定の温度(測定温度)下に30分間垂直に放置した後、熱可塑性樹脂層の伸びを測定し、下式によりクリープ弾性率(Pa/%)を算出する。なお、測定温度45℃の場合の荷重は154gであり、測定温度100℃の場合の荷重は1.5gである。
クリープ弾性率(Pa/%)=荷重(g)/断面積(cm2 )/伸び(%)
【0027】
熱可塑性樹脂層の測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%未満であると、得られる中間膜の低温領域における硬さが不十分となって、合わせガラス作製時にシール先行現象が発生して、脱気が不十分となる。また、熱可塑性樹脂層の測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%を超えると、得られる中間膜の高温領域における柔らかさが不十分となって、合わせガラス作製時に中間膜のエンボスが潰れにくくなり、エンボス模様の痕跡が残存して、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが困難となる。
【0028】
また、本発明の中間膜においては、上記熱可塑性樹脂層のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上であることが必要である。上記平均変化量が大きいほど、熱可塑性樹脂層ひいては中間膜の感温性が優れていることになる。
【0029】
熱可塑性樹脂層のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃未満であると、得られる中間膜の感温性が不十分となって、合わせガラス作製時に低温領域においてはシール先行現象が発生して、脱気が不十分となり、逆に高温領域においては中間膜のエンボスが潰れにくくなり、エンボス模様の痕跡が残存して、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが困難となる。
【0030】
熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂として例えば後述する可塑化ポリビニルアセタール系樹脂を用いる場合、熱可塑性樹脂層のクリープ弾性率およびクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を上記特定の値とする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、平均重合度の低いポリビニルアルコールを用いて合成された平均重合度の低いポリビニルアセタール系樹脂を用いる方法、ポリビニルアセタール系樹脂の種類および可塑剤の種類を選択して組み合わせる方法、ポリビニルアセタール系樹脂に対する可塑剤の添加量を調整する方法等が挙げられる。これらの方法は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
本発明の中間膜は、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有する熱可塑性樹脂層のみからなる単層構成の中間膜であっても良いし、上記特定の熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在する2層以上の複層構成の中間膜であっても良いが、中間膜が複層構成の中間膜である場合、上記特定の熱可塑性樹脂層は最外層に存在することが好ましい。
【0032】
中間膜が2層構成の中間膜である場合、一方の層を構成する熱可塑性樹脂層および他方の層を構成する熱可塑性樹脂層は、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有するものであるかぎり、同一の熱可塑性樹脂層であっても良いし、異なる熱可塑性樹脂層であっても良い。
【0033】
中間膜が3層以上の複層構成の中間膜である場合、一方の最外層を構成する熱可塑性樹脂層および他方の最外層を構成する熱可塑性樹脂層は、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有するものであるかぎり、同一の熱可塑性樹脂層であっても良いし、異なる熱可塑性樹脂層であっても良い。
【0034】
また、中間膜が3層以上の複層構成の中間膜である場合、両最外層以外の層(内層)を形成する材質としては、得られる中間膜ひいては合わせガラスの透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、遮音性、遮熱性、耐湿性等を阻害しないものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有しない熱可塑性樹脂層、透明なプラスチックフィルムもしくはシート、透明な織布、透明な不織布等が挙げられる。これらの内層を形成する材質は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0035】
本発明の中間膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、(可塑化)飽和ポリエステル系樹脂、(可塑化)ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来から中間膜用として用いられている熱可塑性樹脂が挙げられ、なかでも、優れた透明性、優れた耐候性、強靱な強度およびガラス板に対する適正な接着力等の諸性能のバランスに優れる中間膜を得られることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0036】
上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂とは、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルアセタール系樹脂のことである。
【0037】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記す)を温水もしくは熱水に溶解し、得られたPVA水溶液を所定の温度(例えば0〜95℃)に保持した状態で、アルデヒドおよび酸触媒を添加し、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次いで、反応温度を上げて熟成することにより反応を完結させ、その後、中和、水洗および乾燥の諸工程を経て、粉末状のポリビニルアセタール系樹脂を得る方法が挙げられる。
【0038】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の製造に用いられるPVAは、特に限定されるものではないが、平均重合度が200〜3000のものが好ましく、より好ましくは500〜2000のものである。PVAの平均重合度が200未満であると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いた中間膜の強度が弱くなりすぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にPVAの平均重合度が3000を超えると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いた中間膜の成形(製膜)が困難となることがあり、さらに上記中間膜の強度が強くなりすぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがある。これらのPVAは、単独で用いられても良いし、平均重合度が異なるものが2種類以上併用されても良い。
【0039】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の製造に用いられるアルデヒドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0040】
こうして得られる各種ポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良いが、なかでも、PVAとホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」と記す)等が好適に用いられ、とりわけ、PVBが特に好適に用いられる。ポリビニルアセタール系樹脂としてPVBを用いることにより、得られる中間膜の透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラス板に対する適正な接着力等がより優れたものとなる。
【0041】
上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、アセタール化度が40〜85モル%であるものが好ましく、より好ましくは60〜75モル%のものである。ポリビニルアセタール系樹脂のアセタール化度が40モル%未満であると、後述する可塑剤との相溶性が不十分となることがあり、逆にアセタール化度が85モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂は、反応機構上、合成するのが困難となることがある。
【0042】
また、上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、残存アセチル基量が1〜30モル%であるものが好ましく、より好ましくは8〜24モル%のものである。ポリビニルアセタール系樹脂の残存アセチル基量が1モル%未満であると、可塑剤との相溶性が不十分となることがあり、逆に残存アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂を製造しようとすると、PVAとアルデヒドとの反応率が著しく低下することがある。
【0043】
ポリビニルアセタール系樹脂がPVBである場合、上記アセタール化度(ブチラール化度)および残存アセチル基量は、JIS K−6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定することができる。
【0044】
また、ポリビニルアセタール系樹脂がPVB以外のポリビニルアセタール系樹脂である場合、そのアセタール化度は、JIS K−6729「ポリビニルホルマール試験方法」に準拠して、残存アセチル基量とビニルアルコール量とを測定し、100から上記両成分量を差し引くことにより算出することができる。
【0045】
上記ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、一塩基性有機酸エステル系、多塩基性有機酸エステル系などの有機酸エステル系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系などのリン酸系可塑剤等が挙げられる。
【0046】
一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールと酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸などの一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。
【0047】
多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数4〜8の直鎖状もしくは分岐状アルコールとアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などの多塩基性有機酸との反応によって得られるエステル等が挙げられる。
【0048】
リン酸系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0049】
上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート(以下、「3GH」と記す)、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(以下、「3GO」と記す)、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート(以下、「3G7」と記す)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジn−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジn−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好適に用いられ、なかでも、3GH、3GO、3G7等が特に好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0050】
ポリビニルアセタール系樹脂に対する可塑剤の添加量は、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度、アセタール化度および残存アセチル基量等によっても異なり、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、可塑剤10〜50重量部であることが好ましい。ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が10重量部未満であると、ポリビニルアセタール系樹脂の可塑化が不十分となって、成形(製膜)が困難となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が50重量部を超えると、得られる中間膜の低温領域における硬さが不十分となって、合わせガラス作製時にシール先行現象が発生することがある。
【0051】
本発明の中間膜には、熱可塑性樹脂、好ましくは可塑化ポリビニルアセタール系樹脂に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、接着性調整剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光剤、着色剤、脱水剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上が添加されていても良い。
【0052】
本発明の中間膜の好ましい一つの例として、熱可塑性樹脂層がポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きい中間膜が挙げられる。
【0053】
上記ポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が大きくなるほど、ポリビニルアセタール系樹脂層の極性は低くなる。したがって、上記中間膜においては、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層の極性が相対的に低く、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層の極性が相対的に高いことになる。
【0054】
中間膜を構成する最外層と内層とに予めこのような極性差を設けておくことにより、成形(製膜)直後の最外層および内層の硬さは同等であるが、経時的(常温で2週間程度)に、極性が相対的に高い最外層に含有される可塑剤が極性が相対的に低い内層に移行し、最外層と内層との平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなる。つまり、極性が相対的に高い最外層の平衡可塑剤含有量は、極性が相対的に低い内層の平衡可塑剤含有量よりも少ないものとなる。
【0055】
その結果、成形(製膜)直後の最外層および内層の硬さは同等であったにもかかわらず、経時後においては、つまり出荷時点や使用時点においては、極性が相対的に高い最外層は相対的に硬い層となり、逆に極性が相対的に低い内層は相対的に柔らかい層となる。
【0056】
上記中間膜においては、中間膜を構成する相対的に硬い最外層は優れた感温性を発現するので、真空プレス法(非オートクレーブ法)による合わせガラス製造時の低温領域においてはシール先行現象を発生せず、十分な脱気を行うことが可能となり、逆に高温領域においては中間膜のエンボスが容易に潰れ、エンボス模様の痕跡が残存しない優れた外観を有する合わせガラスを得ることができる。また、中間膜を構成する相対的に柔らかい内層は、得られる合わせガラスの特に遮音性の向上に著しく寄与する。すなわち、中間膜を上記のような構成とすることにより、オートクレーブを使用することなく、真空プレス法(非オートクレーブ法)で生産性良く合わせガラスを製造することができるとともに、得られる合わせガラスは、特に遮音性に優れるものとなる。
【0057】
また、本発明の中間膜の好ましい他の例として、最外層以外の層に、アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、残存アセチル基量が8〜30モル%であるポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層が配置されている中間膜が挙げられる。
【0058】
中間膜を上記のような構成とすることにより、得られる合わせガラスの遮音性はより優れたものとなる。また、最外層に、上記特定のポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層よりも極性が相対的に高い、ポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層を存在させることにより、層間の経時的な可塑剤移行による前記効果がより顕著なものとなる。
【0059】
上記アセタール基の炭素数が4〜6であるポリビニルアセタール系樹脂を得るために用いられる炭素数が4〜6のアルデヒドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙げられる。これらの炭素数が4〜6のアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0060】
上記アルデヒドの炭素数が4未満であると、得られる中間膜ひいては合わせガラスの遮音性が不十分となることがあり、逆にアルデヒドの炭素数が6を超えると、アセタール化反応が困難になることがあるともに、得られる中間膜ひいては合わせガラスの常温付近における遮音性が不十分となることがある。
【0061】
また、上記ポリビニルアセタール系樹脂の残存アセチル基量が8モル%未満であると、得られる中間膜ひいては合わせガラスの遮音性が十分に向上しないことがあり、逆に残存アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂を製造しようとすると、PVAとアルデヒドとの反応率が著しく低下することがある。
【0062】
本発明の中間膜の成形(製膜)方法としては、特に限定されるものではないが、中間膜が単層構成である場合、例えば、中間膜を構成するための熱可塑性樹脂組成物、好ましくはポリビニルアセタール系樹脂組成物を予め調製し、この樹脂組成物を用いて、押出法、カレンダー法、プレス法等により成形(製膜)する方法が挙げられ、いずれの成形(製膜)方法が採られても良い。また、中間膜が複層構成である場合、例えば、各層を形成するための熱可塑性樹脂組成物、好ましくはポリビニルアセタール系樹脂組成物を予め調製し、これらの樹脂組成物を用いて、多層共押出法やプレラミ法などによる押出法、カレンダー法、プレス法等により成形(製膜)する方法が挙げられ、いずれの成形(製膜)方法が採られても良いが、なかでも、生産性に優れることから、多層共押出法を採ることが好ましい。
【0063】
本発明の中間膜の膜厚(総厚み)は、合わせガラスとして必要な耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性等を考慮して適宜設定されれば良く、特に限定されるものではないが、通常の中間膜と同様に、一般的には0.2〜2mm程度であることが好ましい。
【0064】
また、本発明の中間膜は、その両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されていることが好ましい。中間膜の両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成することにより、合わせガラス作製時にガラス板と中間膜とからなる合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気まで十分に脱気されやすくなるので、得られる合わせガラスは気泡の発生による不良を来すことのない高品質のものとなる。
【0065】
中間膜の両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出法等が挙げられ、なかでも、定量的に一定の微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成することができることから、エンボスロール法が好ましい。
【0066】
エンボスの模様(凹凸模様)は、特に限定されるものではなく、例えば、刻線状、格子状、放射状、半球状等のいずれの模様であっても良い。
【0067】
また、エンボスの配置(分布)も、特に限定されるものではなく、整然と規則的に配置(分布)していても良いし、雑然と不規則的に配置(分布)していても良いが、一般的には、エンボス(凹凸)が規則的に配置(分布)している方が好ましい。
【0068】
エンボス凸部の高さは、同一の高さであっても良いし、異なる高さであっても良く、これらの凸部に対応するエンボス凹部の深さも、同一の深さであっても良いし、異なる深さであっても良い。
【0069】
また、エンボス凸部の形状とエンボス凹部の形状も、特に限定されるものではなく、三角錐、四角錐、円錐等の錐体、截頭三角錐、截頭四角錐、截頭円錐等の截頭錐体や、頭部が山型や半球状となった擬錐体等からなる多数の凸部と、これ等の凸部に対応する多数の凹部とから構成されるエンボス形状(凹凸形状)であっても良い。
【0070】
エンボス凸部とエンボス凹部の寸法は、特に限定されるものではないが、一般的には、凸部の配置間隔(ピッチ)は10〜2000μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜1000μmの範囲である。また、凸部の高さは5〜500μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜100μmの範囲である。さらに、凸部の底辺の長さは30〜1000μmの範囲であることが好ましい。
【0071】
次に、本発明の合わせガラスは、少なくとも一対(2枚)のガラス板の間に上述した本発明の中間膜を介在させ、一体化させることにより製造される。
【0072】
上記ガラス板の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、曲板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス、着色されたガラス板などの各種無機ガラス板であっても良いし、ポリカーボネート板やポリメチルメタクリレート板などの各種有機ガラス板であっても良い。これらのガラス板は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記ガラス板の厚みは、合わせガラスの用途や目的に応じて適宜選択されれば良く、特に限定されるものではない。
【0073】
本発明の合わせガラスの構成は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板/中間膜/ガラス板からなる通常の三層構成であっても良いし、ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板からなるような多層構成であっても良い。
【0074】
本発明の合わせガラスの製造方法は、従来行われている真空脱気法または扱き脱気法による脱気および予備接着工程、および、オートクレーブによる本接着工程からなる通常の合わせガラスの製造方法の場合と異なり、オートクレーブを必要とすることなく、例えば真空バッグによる真空プレス法のみで脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより、所望の合わせガラスを製造することができる。
【0075】
真空プレス法のみで合わせガラスを製造する具体的手順としては、特に限定されるものではないが、例えば、2枚の透明な無機ガラス板の間に本発明の中間膜を挟み、この合わせガラス構成体を、前記真空バッグ方式やリング方式により、真空バッグ(ゴムバッグ)の中に入れ、この真空バッグ(ゴムバッグ)を排気系に接続して、真空バッグ(ゴムバッグ)内の圧力が約−64〜−99kPaの減圧度(絶対圧力約37〜2kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度約100℃以上で脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより、本発明の合わせガラスを得ることができる。
【0076】
すなわち、本発明の合わせガラスの製造方法は、多額の設備投資費用を要するオートクレーブが不要であり、かつ、製造工程も一段法の簡便なものであって、生産性に優れるものである。
【0077】
【作用】
本発明の中間膜は、測定温度45℃および100℃においてそれぞれ特定のクリープ弾性率を有し、かつ、上記クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が特定の温度範囲において特定値以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在するので、優れた感温性を発現する。したがって、合わせガラス製造時にオートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法(非オートクレーブ法)のみで、シール先行現象を発生せず、合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気も容易に脱気することが可能であり、かつ、エンボス模様の痕跡の残存がなく、優れた外観を有する合わせガラスを得ることができる。
【0078】
また、本発明の中間膜は、上記特定の熱可塑性樹脂層を最外層に存在させることにより、オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみで容易かつ優れた生産性で合わせガラスを得ることができる。
【0079】
また、本発明の中間膜は、上記特定の熱可塑性樹脂層をポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層とし、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計を、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きくするか、および/または、最外層以外の層に、アセタール基が特定の炭素数であり、かつ、特定の残存アセチル基量を有するポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層を配置することにより、合わせガラスとされた際に優れた遮音性を発現するものとなる。
【0080】
さらに、本発明の中間膜は、上記各層に含有される可塑剤を層間で経時的に移行させ、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量を互いに異なるものとすることにより、オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみでより容易かつより優れた生産性で合わせガラスを得ることができるとともに、合わせガラスとされた際により優れた遮音性を発現するものとなる。
【0081】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の中間膜を用いて製造されるので、製造が容易であって生産性に優れ、かつ、特に優れた遮音性を発現する。
【0082】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0083】
(実施例1)
平均重合度が620のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度620、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)24部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。また、平均重合度が2000のPVA50重量%および平均重合度が3000のPVA50重量%からなる混合PVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、ブチラール化度63.6モル%、残存アセチル基量14.3モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)60部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(B)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)とPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0084】
(実施例2)
実施例1で合成した平均重合度620、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVB100部に対して3GO(可塑剤)14部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)と実施例1で作製したPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0085】
(実施例3)
平均重合度が1700のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度1700、ブチラール化度72.6モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)29部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)と実施例1で作製したPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0086】
(実施例4)
実施例1で合成した平均重合度620、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVB100部に対して3GO(可塑剤)18部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。また、平均重合度が1700のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度1700、ブチラール化度65.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)35部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(B)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)とPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0087】
(比較例1)
平均重合度が1700のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度1700、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)34部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)と実施例1で作製したPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0088】
実施例1〜実施例4、および、比較例1で作製したPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)からなる3層構成の中間膜を20〜25℃−25〜30%RHの雰囲気下に2週間放置した後、PVB層(A)とPVB層(B)とを界面より引き剥がし、エーテルで3GO(可塑剤)を抽出して、層間で3GO(可塑剤)が移行した後のPVB層(A)中およびPVB層(B)中における3GO(可塑剤)の含有量を測定した。また、上記PVB層(A)の45℃および100℃におけるクリープ弾性率を前記方法で測定するとともに、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を求めた。その結果は表1に示すとおりであった。
【0089】
また、実施例1〜実施例4、および、比較例1で作製した中間膜の性能(▲1▼合わせ加工適性、▲2▼遮音性能)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0090】
▲1▼合わせ加工適性の評価方法
20〜25℃−25〜30%RHの雰囲気下に2時間放置して調温調湿した中間膜を2枚の透明な無機ガラス板(2.5mm厚、30.5cm×30.5cm)の間に挟み、図1に示すようなスペーサー方式により、この合わせガラス構成体をゴムバッグの中に入れ、ゴムバッグ内の圧力が−53.2kPa(絶対圧力47.8kPa)となるように合わせガラス構成体の端部から吸引減圧しながら温度を100℃まで昇温し、温度100℃で20分間保持して、脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより、合わせガラスを作製した。各中間膜についてそれぞれ10枚の合わせガラスを作製し、得られた合わせガラスの外観を目視で観察して、各10枚の合わせガラス中における気泡の有無またはエンボス刻線の痕跡の残存の有無を確認することにより、合わせ加工適性を評価した。
【0091】
▲2▼遮音性能の評価方法
▲1▼に記載の方法で作製した合わせガラスから供試体を切り出し、この供試体をダンピング試験用の振動発生機(商品名「G21−005D」、振研社製)により加振し、そこから得られる振動特性を機械インピーダンスアンプ(商品名「XG−81」、リオン社製)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(商品名「FFTスペクトラムアナライザーHP−3582AA」、横河ヒューレットパッカー社製)により解析した。こうして得られた損失係数とガラス板の共振周波数の比とから、図2に示すような、周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、周波数2000Hz付近における極小の音響透過損失{TL値(db)}を求めた。なお、測定は、0℃〜30℃の温度範囲において10℃間隔で行い、遮音性能の合格基準は、TL値(dB)30以上とした。
【0092】
【表1】
【0093】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例4の中間膜は、いずれもオートクレーブを使用することなく、真空プレス法のみで優れた合わせ加工適性を発現した。また、上記実施例1〜実施例3の中間膜を用いて作製した合わせガラスは、いずれも0℃〜30℃の温度範囲において優れた遮音性能を発現した。なお、3GO(可塑剤)がPVB層(B)から両PVB層(A)へ移行した実施例4の中間膜を用いて作製した合わせガラスは、0℃〜20℃の温度範囲における遮音性能は劣っていたものの、30℃における遮音性能は優れていた。
【0094】
これに対し、PVB層(A)の100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%を超えており、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が7.84Pa/%・℃未満であった比較例1の中間膜は、感温性が乏しく、真空プレス法のみで作製した合わせガラスにエンボス刻線の痕跡が残存しており、真空プレス法のみでの合わせ加工適性が悪かった。
【0095】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の中間膜は、測定温度45℃および100℃においてそれぞれ特定のクリープ弾性率を有し、かつ、上記クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が特定の温度範囲において特定値以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在するので、優れた感温性を発現する。したがって、合わせガラス製造時に多額の設備投資費用を要するオートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法(非オートクレーブ法)のみで合わせ加工を行うことができる。
【0096】
また、本発明の中間膜は、上記特定の熱可塑性樹脂層をポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層とし、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計を、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きくするか、および/または、最外層以外の層に、アセタール基が特定の炭素数であり、かつ、特定の残存アセチル基量を有するポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層を配置することにより、合わせガラスとされた際に優れた遮音性を発現する。
【0097】
さらに、本発明の中間膜は、上記各層に含有される可塑剤を層間で経時的に移行させ、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量を互いに異なるものとすることにより、オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみでより容易かつより優れた生産性で合わせガラスを得ることができるとともに、合わせガラスとされた際により優れた遮音性を発現する。
【0098】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の中間膜を用いて真空プレス法のみで製造されるので、製造が容易であって生産性に優れ、かつ、特に優れた遮音性を発現するものであり、自動車、車輌、建築物等の窓ガラス用として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スペーサー方式による真空プレス法を示す断面図である。
【図2】合わせガラスの遮音性能を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用中間膜およびこの合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板の間に、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂のような透明で柔軟性に富む熱可塑性樹脂を製膜してなる合わせガラス用中間膜を介在させ、接着により一体化させて得られる合わせガラスは、破損時に破片が飛散せず安全性に優れているため、例えば、自動車、車輌、建築物等の窓ガラス用として広く用いられている。
【0003】
上記合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜には、優れた透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラス板と合わせガラス用中間膜との適正な接着力等の合わせガラスとして必要な諸性能を発現しうることが要求され、熱可塑性樹脂のなかでも、これらの基本性能のバランスに優れるポリビニルブチラール樹脂が特に好適に用いられている。
【0004】
このような合わせガラスは、通常、少なくとも一対(2枚)のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み、この合わせガラス構成体(積層体)を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れて減圧吸引する方式(真空バッグ方式)や、図1に示すように、この合わせガラス構成体の周囲にスペーサーを入れて圧力が均一にかかるようにした状態でゴムバッグの中に入れて合わせガラス構成体の端部から減圧吸引する方式(スペーサー方式)等の真空脱気法、または、この合わせガラス構成体を例えばニップロール(押圧ロール)に通して扱く扱き脱気法により、ガラス板と合わせガラス用中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備接着(予備圧着)し、次いで、オートクレーブ内で加熱加圧して本接着(本圧着)を行う方法、いわゆるオートクレーブ法により製造される。
【0005】
ところが、上記予備接着工程において合わせガラス用中間膜とガラス板との間に空気が残留し気泡が発生すると、得られる合わせガラスの透明性が損なわれるという問題点が発生するため、予備接着工程における空気の残留や気泡の発生を抑制するために種々の検討がなされている。
【0006】
例えば、特公平1−32776号公報では、合わせガラス製造時の予備接着工程において合わせガラスの中央部近傍に存在する空気をも脱気させるために、表面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されている熱可塑性樹脂製中間膜が開示されている。
【0007】
しかし、上記公報に開示されている熱可塑性樹脂製中間膜には、従来の例えばポリビニルブチラール樹脂からなる合わせガラス用中間膜と同様に、本接着をオートクレーブ内で行う必要があるため、オートクレーブを設置するために多額の設備投資費用を要するという問題点や、オートクレーブによる本接着はバッチ工程になるため、合わせガラスの生産性(生産効率)が悪くなるという問題点がある。
【0008】
一方、上記オートクレーブ使用に伴う問題点を解消するために、オートクレーブを使用しない合わせガラスの作製方法、いわゆる非オートクレーブ法が検討されている。
【0009】
一般に非オートクレーブ法とは、少なくとも一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み、この合わせガラス構成体を、前記真空バッグ方式やスペーサー方式により、真空バッグ(ゴムバッグ)の中に入れ、この真空バッグ(ゴムバッグ)を排気系に接続して、真空バッグ(ゴムバッグ)内の圧力が約−65〜−100kPaの減圧度(絶対圧力約36〜1kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度100℃程度で脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより合わせガラスを製造する方法、いわゆる真空プレス法である。
【0010】
非オートクレーブ法による合わせガラス用中間膜として、例えば、特開平8−104551号公報では、特定の含水量を有するポリビニルブチラール樹脂製中間膜を用いて、上記非オートクレーブ法における真空プレス時の真空プレス条件と湿度とを細かく設定した安全ガラスラミネートを形成する非オートクレーブ法が開示されている。
【0011】しかし、上記公報に開示されている非オートクレーブ法には、予備接着工程が煩雑であったり、合わせ加工の際に調湿条件を非常に厳密に管理しないと発泡が起こるという問題点がある。また、予備接着工程で発生したガラス周辺部の歪みが残存することにより、得られる合わせガラスに光学歪みが発生したり、ポリビニルブチラール樹脂製中間膜の流動温度におけるプレス圧の不足による気泡やエンボス模様の痕跡の残存や、昇温と同時に真空レベルを下げているため、気泡が消滅せず残留してしまうという問題点がある。
【0012】
一方、自動車、車輌、建築物等の窓ガラス用として用いられる合わせガラスには、優れた透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、遮音性、遮熱性、耐湿性、ガラス板と合わせガラス用中間膜との適正な接着力等の諸性能を兼備していることが要求される。
【0013】
ところが、従来の合わせガラスでは、例えば、耐貫通性を向上させるために相対的に硬い合わせガラス用中間膜を用いると遮音性が不十分となったり、逆に遮音性を向上させるために相対的に柔らかい合わせガラス用中間膜を用いると耐貫通性が不十分となるという問題点や、また、遮熱性を向上させるために断熱性無機物質の微粒子を合わせガラス用中間膜中に分散剤により分散させた場合には、この分散剤がガラス板と合わせガラス用中間膜との接着力に影響を与えて耐貫通性を低下させるという問題点がある。このように、合わせガラスに必要とされる複数の優れた性能を兼備させた合わせガラスを得ることは困難であるというのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点や現状に鑑み、合わせガラス製造時にオートクレーブを必要とすることがなく、例えば真空バッグによる真空プレス法のみで合わせ加工を行うことが可能であり、かつ、特に遮音性に優れる合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜、および、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
一般に真空プレス法(非オートクレーブ法)においては、温度上昇途中の低温領域(45℃以下程度)で合わせガラス用中間膜が柔らかすぎると、ガラス板と合わせガラス用中間膜とからなる合わせガラス構成体の周辺部に位置する合わせガラス用中間膜のエンボスが潰れて周辺部が先に接着する現象、いわゆるシール先行現象が発生して、上記合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気の脱気ができなくなり、逆に高温領域(100℃程度)で合わせガラス用中間膜が硬すぎると、合わせガラス用中間膜のエンボスが潰れにくくなり、エンボス模様の痕跡が残存して、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが困難となる。
【0016】
したがって、真空プレス法に適用される合わせガラス用中間膜には、温度上昇途中の低温領域では適度な硬さを有していて、シール先行現象を発生せず、上記合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気をも容易に脱気することが可能であり、逆に高温領域では速やかに柔らかくなって、エンボスが容易に潰れ、エンボス模様の痕跡が残存することがなく、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが可能であることが要求される。これは換言すれば、真空プレス法に適用される合わせガラス用中間膜には、優れた感温性が要求されるということである。
【0017】
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、合わせガラス用中間膜のクリープ弾性率やクリープ弾性率の対数値の温度に対する変化量と合わせガラス用中間膜の感温性ひいては脱気性や得られる合わせガラスの外観とに密接な相関があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
また、本発明者は、合わせガラス用中間膜を2層以上の熱可塑性樹脂層からなる複層構成とし、各層の極性差を制御することによって、各層に含有される可塑剤を経時的に移行させ、各層の平衡可塑剤含有量を所望の分布とすることにより、上記課題を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
すなわち、請求項1に記載の発明(本発明)による合わせガラス用中間膜は、測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%以上であり、測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在することを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1に記載の合わせガラス用中間膜において、熱可塑性樹脂層が最外層に存在することを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1または請求項2に記載の合わせガラス用中間膜において、熱可塑性樹脂層がポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きいことを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜において、最外層以外の層に、アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、残存アセチル基量が8〜30モル%であるポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層が配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明による合わせガラス用中間膜は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜において、可塑剤が層間で移行することにより、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなることを特徴とする。
【0024】
また、請求項6に記載の発明(本発明)による合わせガラスは、少なくとも一対のガラス板の間に上記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする。
【0025】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記する)には、測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%以上であり、測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在する。
【0026】
本発明で言うクリープ弾性率とは、静的粘弾性に分類される緩和弾性率のことであり、以下の方法で測定される。
〔クリープ弾性率の測定方法〕
25℃−25%RHの雰囲気下に3時間以上放置して調温調湿した所定の断面積を有する熱可塑性樹脂層を、その下端に所定の荷重を吊り下げた状態で、所定の温度(測定温度)下に30分間垂直に放置した後、熱可塑性樹脂層の伸びを測定し、下式によりクリープ弾性率(Pa/%)を算出する。なお、測定温度45℃の場合の荷重は154gであり、測定温度100℃の場合の荷重は1.5gである。
クリープ弾性率(Pa/%)=荷重(g)/断面積(cm2 )/伸び(%)
【0027】
熱可塑性樹脂層の測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%未満であると、得られる中間膜の低温領域における硬さが不十分となって、合わせガラス作製時にシール先行現象が発生して、脱気が不十分となる。また、熱可塑性樹脂層の測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%を超えると、得られる中間膜の高温領域における柔らかさが不十分となって、合わせガラス作製時に中間膜のエンボスが潰れにくくなり、エンボス模様の痕跡が残存して、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが困難となる。
【0028】
また、本発明の中間膜においては、上記熱可塑性樹脂層のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上であることが必要である。上記平均変化量が大きいほど、熱可塑性樹脂層ひいては中間膜の感温性が優れていることになる。
【0029】
熱可塑性樹脂層のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃未満であると、得られる中間膜の感温性が不十分となって、合わせガラス作製時に低温領域においてはシール先行現象が発生して、脱気が不十分となり、逆に高温領域においては中間膜のエンボスが潰れにくくなり、エンボス模様の痕跡が残存して、優れた外観を有する合わせガラスを得ることが困難となる。
【0030】
熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂として例えば後述する可塑化ポリビニルアセタール系樹脂を用いる場合、熱可塑性樹脂層のクリープ弾性率およびクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を上記特定の値とする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、平均重合度の低いポリビニルアルコールを用いて合成された平均重合度の低いポリビニルアセタール系樹脂を用いる方法、ポリビニルアセタール系樹脂の種類および可塑剤の種類を選択して組み合わせる方法、ポリビニルアセタール系樹脂に対する可塑剤の添加量を調整する方法等が挙げられる。これらの方法は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
本発明の中間膜は、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有する熱可塑性樹脂層のみからなる単層構成の中間膜であっても良いし、上記特定の熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在する2層以上の複層構成の中間膜であっても良いが、中間膜が複層構成の中間膜である場合、上記特定の熱可塑性樹脂層は最外層に存在することが好ましい。
【0032】
中間膜が2層構成の中間膜である場合、一方の層を構成する熱可塑性樹脂層および他方の層を構成する熱可塑性樹脂層は、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有するものであるかぎり、同一の熱可塑性樹脂層であっても良いし、異なる熱可塑性樹脂層であっても良い。
【0033】
中間膜が3層以上の複層構成の中間膜である場合、一方の最外層を構成する熱可塑性樹脂層および他方の最外層を構成する熱可塑性樹脂層は、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有するものであるかぎり、同一の熱可塑性樹脂層であっても良いし、異なる熱可塑性樹脂層であっても良い。
【0034】
また、中間膜が3層以上の複層構成の中間膜である場合、両最外層以外の層(内層)を形成する材質としては、得られる中間膜ひいては合わせガラスの透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、遮音性、遮熱性、耐湿性等を阻害しないものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、上記特定のクリープ弾性率および上記特定のクリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を有しない熱可塑性樹脂層、透明なプラスチックフィルムもしくはシート、透明な織布、透明な不織布等が挙げられる。これらの内層を形成する材質は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0035】
本発明の中間膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、(可塑化)飽和ポリエステル系樹脂、(可塑化)ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来から中間膜用として用いられている熱可塑性樹脂が挙げられ、なかでも、優れた透明性、優れた耐候性、強靱な強度およびガラス板に対する適正な接着力等の諸性能のバランスに優れる中間膜を得られることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0036】
上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂とは、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルアセタール系樹脂のことである。
【0037】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記す)を温水もしくは熱水に溶解し、得られたPVA水溶液を所定の温度(例えば0〜95℃)に保持した状態で、アルデヒドおよび酸触媒を添加し、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次いで、反応温度を上げて熟成することにより反応を完結させ、その後、中和、水洗および乾燥の諸工程を経て、粉末状のポリビニルアセタール系樹脂を得る方法が挙げられる。
【0038】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の製造に用いられるPVAは、特に限定されるものではないが、平均重合度が200〜3000のものが好ましく、より好ましくは500〜2000のものである。PVAの平均重合度が200未満であると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いた中間膜の強度が弱くなりすぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にPVAの平均重合度が3000を超えると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いた中間膜の成形(製膜)が困難となることがあり、さらに上記中間膜の強度が強くなりすぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがある。これらのPVAは、単独で用いられても良いし、平均重合度が異なるものが2種類以上併用されても良い。
【0039】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の製造に用いられるアルデヒドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0040】
こうして得られる各種ポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良いが、なかでも、PVAとホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」と記す)等が好適に用いられ、とりわけ、PVBが特に好適に用いられる。ポリビニルアセタール系樹脂としてPVBを用いることにより、得られる中間膜の透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラス板に対する適正な接着力等がより優れたものとなる。
【0041】
上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、アセタール化度が40〜85モル%であるものが好ましく、より好ましくは60〜75モル%のものである。ポリビニルアセタール系樹脂のアセタール化度が40モル%未満であると、後述する可塑剤との相溶性が不十分となることがあり、逆にアセタール化度が85モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂は、反応機構上、合成するのが困難となることがある。
【0042】
また、上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、残存アセチル基量が1〜30モル%であるものが好ましく、より好ましくは8〜24モル%のものである。ポリビニルアセタール系樹脂の残存アセチル基量が1モル%未満であると、可塑剤との相溶性が不十分となることがあり、逆に残存アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂を製造しようとすると、PVAとアルデヒドとの反応率が著しく低下することがある。
【0043】
ポリビニルアセタール系樹脂がPVBである場合、上記アセタール化度(ブチラール化度)および残存アセチル基量は、JIS K−6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定することができる。
【0044】
また、ポリビニルアセタール系樹脂がPVB以外のポリビニルアセタール系樹脂である場合、そのアセタール化度は、JIS K−6729「ポリビニルホルマール試験方法」に準拠して、残存アセチル基量とビニルアルコール量とを測定し、100から上記両成分量を差し引くことにより算出することができる。
【0045】
上記ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、一塩基性有機酸エステル系、多塩基性有機酸エステル系などの有機酸エステル系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系などのリン酸系可塑剤等が挙げられる。
【0046】
一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールと酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸などの一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。
【0047】
多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数4〜8の直鎖状もしくは分岐状アルコールとアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などの多塩基性有機酸との反応によって得られるエステル等が挙げられる。
【0048】
リン酸系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0049】
上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート(以下、「3GH」と記す)、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(以下、「3GO」と記す)、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート(以下、「3G7」と記す)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジn−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジn−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好適に用いられ、なかでも、3GH、3GO、3G7等が特に好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0050】
ポリビニルアセタール系樹脂に対する可塑剤の添加量は、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度、アセタール化度および残存アセチル基量等によっても異なり、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、可塑剤10〜50重量部であることが好ましい。ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が10重量部未満であると、ポリビニルアセタール系樹脂の可塑化が不十分となって、成形(製膜)が困難となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が50重量部を超えると、得られる中間膜の低温領域における硬さが不十分となって、合わせガラス作製時にシール先行現象が発生することがある。
【0051】
本発明の中間膜には、熱可塑性樹脂、好ましくは可塑化ポリビニルアセタール系樹脂に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、接着性調整剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光剤、着色剤、脱水剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上が添加されていても良い。
【0052】
本発明の中間膜の好ましい一つの例として、熱可塑性樹脂層がポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きい中間膜が挙げられる。
【0053】
上記ポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が大きくなるほど、ポリビニルアセタール系樹脂層の極性は低くなる。したがって、上記中間膜においては、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層の極性が相対的に低く、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層の極性が相対的に高いことになる。
【0054】
中間膜を構成する最外層と内層とに予めこのような極性差を設けておくことにより、成形(製膜)直後の最外層および内層の硬さは同等であるが、経時的(常温で2週間程度)に、極性が相対的に高い最外層に含有される可塑剤が極性が相対的に低い内層に移行し、最外層と内層との平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなる。つまり、極性が相対的に高い最外層の平衡可塑剤含有量は、極性が相対的に低い内層の平衡可塑剤含有量よりも少ないものとなる。
【0055】
その結果、成形(製膜)直後の最外層および内層の硬さは同等であったにもかかわらず、経時後においては、つまり出荷時点や使用時点においては、極性が相対的に高い最外層は相対的に硬い層となり、逆に極性が相対的に低い内層は相対的に柔らかい層となる。
【0056】
上記中間膜においては、中間膜を構成する相対的に硬い最外層は優れた感温性を発現するので、真空プレス法(非オートクレーブ法)による合わせガラス製造時の低温領域においてはシール先行現象を発生せず、十分な脱気を行うことが可能となり、逆に高温領域においては中間膜のエンボスが容易に潰れ、エンボス模様の痕跡が残存しない優れた外観を有する合わせガラスを得ることができる。また、中間膜を構成する相対的に柔らかい内層は、得られる合わせガラスの特に遮音性の向上に著しく寄与する。すなわち、中間膜を上記のような構成とすることにより、オートクレーブを使用することなく、真空プレス法(非オートクレーブ法)で生産性良く合わせガラスを製造することができるとともに、得られる合わせガラスは、特に遮音性に優れるものとなる。
【0057】
また、本発明の中間膜の好ましい他の例として、最外層以外の層に、アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、残存アセチル基量が8〜30モル%であるポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層が配置されている中間膜が挙げられる。
【0058】
中間膜を上記のような構成とすることにより、得られる合わせガラスの遮音性はより優れたものとなる。また、最外層に、上記特定のポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層よりも極性が相対的に高い、ポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層を存在させることにより、層間の経時的な可塑剤移行による前記効果がより顕著なものとなる。
【0059】
上記アセタール基の炭素数が4〜6であるポリビニルアセタール系樹脂を得るために用いられる炭素数が4〜6のアルデヒドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙げられる。これらの炭素数が4〜6のアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0060】
上記アルデヒドの炭素数が4未満であると、得られる中間膜ひいては合わせガラスの遮音性が不十分となることがあり、逆にアルデヒドの炭素数が6を超えると、アセタール化反応が困難になることがあるともに、得られる中間膜ひいては合わせガラスの常温付近における遮音性が不十分となることがある。
【0061】
また、上記ポリビニルアセタール系樹脂の残存アセチル基量が8モル%未満であると、得られる中間膜ひいては合わせガラスの遮音性が十分に向上しないことがあり、逆に残存アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂を製造しようとすると、PVAとアルデヒドとの反応率が著しく低下することがある。
【0062】
本発明の中間膜の成形(製膜)方法としては、特に限定されるものではないが、中間膜が単層構成である場合、例えば、中間膜を構成するための熱可塑性樹脂組成物、好ましくはポリビニルアセタール系樹脂組成物を予め調製し、この樹脂組成物を用いて、押出法、カレンダー法、プレス法等により成形(製膜)する方法が挙げられ、いずれの成形(製膜)方法が採られても良い。また、中間膜が複層構成である場合、例えば、各層を形成するための熱可塑性樹脂組成物、好ましくはポリビニルアセタール系樹脂組成物を予め調製し、これらの樹脂組成物を用いて、多層共押出法やプレラミ法などによる押出法、カレンダー法、プレス法等により成形(製膜)する方法が挙げられ、いずれの成形(製膜)方法が採られても良いが、なかでも、生産性に優れることから、多層共押出法を採ることが好ましい。
【0063】
本発明の中間膜の膜厚(総厚み)は、合わせガラスとして必要な耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性等を考慮して適宜設定されれば良く、特に限定されるものではないが、通常の中間膜と同様に、一般的には0.2〜2mm程度であることが好ましい。
【0064】
また、本発明の中間膜は、その両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されていることが好ましい。中間膜の両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成することにより、合わせガラス作製時にガラス板と中間膜とからなる合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気まで十分に脱気されやすくなるので、得られる合わせガラスは気泡の発生による不良を来すことのない高品質のものとなる。
【0065】
中間膜の両面に微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出法等が挙げられ、なかでも、定量的に一定の微細な凹凸からなる多数のエンボスを形成することができることから、エンボスロール法が好ましい。
【0066】
エンボスの模様(凹凸模様)は、特に限定されるものではなく、例えば、刻線状、格子状、放射状、半球状等のいずれの模様であっても良い。
【0067】
また、エンボスの配置(分布)も、特に限定されるものではなく、整然と規則的に配置(分布)していても良いし、雑然と不規則的に配置(分布)していても良いが、一般的には、エンボス(凹凸)が規則的に配置(分布)している方が好ましい。
【0068】
エンボス凸部の高さは、同一の高さであっても良いし、異なる高さであっても良く、これらの凸部に対応するエンボス凹部の深さも、同一の深さであっても良いし、異なる深さであっても良い。
【0069】
また、エンボス凸部の形状とエンボス凹部の形状も、特に限定されるものではなく、三角錐、四角錐、円錐等の錐体、截頭三角錐、截頭四角錐、截頭円錐等の截頭錐体や、頭部が山型や半球状となった擬錐体等からなる多数の凸部と、これ等の凸部に対応する多数の凹部とから構成されるエンボス形状(凹凸形状)であっても良い。
【0070】
エンボス凸部とエンボス凹部の寸法は、特に限定されるものではないが、一般的には、凸部の配置間隔(ピッチ)は10〜2000μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜1000μmの範囲である。また、凸部の高さは5〜500μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜100μmの範囲である。さらに、凸部の底辺の長さは30〜1000μmの範囲であることが好ましい。
【0071】
次に、本発明の合わせガラスは、少なくとも一対(2枚)のガラス板の間に上述した本発明の中間膜を介在させ、一体化させることにより製造される。
【0072】
上記ガラス板の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、曲板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス、着色されたガラス板などの各種無機ガラス板であっても良いし、ポリカーボネート板やポリメチルメタクリレート板などの各種有機ガラス板であっても良い。これらのガラス板は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記ガラス板の厚みは、合わせガラスの用途や目的に応じて適宜選択されれば良く、特に限定されるものではない。
【0073】
本発明の合わせガラスの構成は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板/中間膜/ガラス板からなる通常の三層構成であっても良いし、ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板からなるような多層構成であっても良い。
【0074】
本発明の合わせガラスの製造方法は、従来行われている真空脱気法または扱き脱気法による脱気および予備接着工程、および、オートクレーブによる本接着工程からなる通常の合わせガラスの製造方法の場合と異なり、オートクレーブを必要とすることなく、例えば真空バッグによる真空プレス法のみで脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより、所望の合わせガラスを製造することができる。
【0075】
真空プレス法のみで合わせガラスを製造する具体的手順としては、特に限定されるものではないが、例えば、2枚の透明な無機ガラス板の間に本発明の中間膜を挟み、この合わせガラス構成体を、前記真空バッグ方式やリング方式により、真空バッグ(ゴムバッグ)の中に入れ、この真空バッグ(ゴムバッグ)を排気系に接続して、真空バッグ(ゴムバッグ)内の圧力が約−64〜−99kPaの減圧度(絶対圧力約37〜2kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度約100℃以上で脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより、本発明の合わせガラスを得ることができる。
【0076】
すなわち、本発明の合わせガラスの製造方法は、多額の設備投資費用を要するオートクレーブが不要であり、かつ、製造工程も一段法の簡便なものであって、生産性に優れるものである。
【0077】
【作用】
本発明の中間膜は、測定温度45℃および100℃においてそれぞれ特定のクリープ弾性率を有し、かつ、上記クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が特定の温度範囲において特定値以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在するので、優れた感温性を発現する。したがって、合わせガラス製造時にオートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法(非オートクレーブ法)のみで、シール先行現象を発生せず、合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気も容易に脱気することが可能であり、かつ、エンボス模様の痕跡の残存がなく、優れた外観を有する合わせガラスを得ることができる。
【0078】
また、本発明の中間膜は、上記特定の熱可塑性樹脂層を最外層に存在させることにより、オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみで容易かつ優れた生産性で合わせガラスを得ることができる。
【0079】
また、本発明の中間膜は、上記特定の熱可塑性樹脂層をポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層とし、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計を、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きくするか、および/または、最外層以外の層に、アセタール基が特定の炭素数であり、かつ、特定の残存アセチル基量を有するポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層を配置することにより、合わせガラスとされた際に優れた遮音性を発現するものとなる。
【0080】
さらに、本発明の中間膜は、上記各層に含有される可塑剤を層間で経時的に移行させ、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量を互いに異なるものとすることにより、オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみでより容易かつより優れた生産性で合わせガラスを得ることができるとともに、合わせガラスとされた際により優れた遮音性を発現するものとなる。
【0081】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の中間膜を用いて製造されるので、製造が容易であって生産性に優れ、かつ、特に優れた遮音性を発現する。
【0082】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0083】
(実施例1)
平均重合度が620のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度620、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)24部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。また、平均重合度が2000のPVA50重量%および平均重合度が3000のPVA50重量%からなる混合PVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、ブチラール化度63.6モル%、残存アセチル基量14.3モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)60部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(B)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)とPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0084】
(実施例2)
実施例1で合成した平均重合度620、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVB100部に対して3GO(可塑剤)14部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)と実施例1で作製したPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0085】
(実施例3)
平均重合度が1700のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度1700、ブチラール化度72.6モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)29部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)と実施例1で作製したPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0086】
(実施例4)
実施例1で合成した平均重合度620、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVB100部に対して3GO(可塑剤)18部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。また、平均重合度が1700のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度1700、ブチラール化度65.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)35部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(B)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)とPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0087】
(比較例1)
平均重合度が1700のPVAとn−ブチルアルデヒドとのアセタール化(ブチラール化)反応を行って、平均重合度1700、ブチラール化度68.0モル%、残存アセチル基量1.0モル%のPVBを合成した。得られたPVB100部に対して3GO(可塑剤)34部を添加し混練した可塑化PVBを製膜して、厚み0.25mmのPVB層(A)を作製した。次いで、得られたPVB層(A)と実施例1で作製したPVB層(B)とをPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)となるように積層した後、両PVB層(A)の表面にエンボス加工を施して、両表面に微細な凹凸からなる多数の刻線状のエンボスが形成された、総厚みが0.75mmの3層構成の中間膜を作製した。
【0088】
実施例1〜実施例4、および、比較例1で作製したPVB層(A)/PVB層(B)/PVB層(A)からなる3層構成の中間膜を20〜25℃−25〜30%RHの雰囲気下に2週間放置した後、PVB層(A)とPVB層(B)とを界面より引き剥がし、エーテルで3GO(可塑剤)を抽出して、層間で3GO(可塑剤)が移行した後のPVB層(A)中およびPVB層(B)中における3GO(可塑剤)の含有量を測定した。また、上記PVB層(A)の45℃および100℃におけるクリープ弾性率を前記方法で測定するとともに、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量を求めた。その結果は表1に示すとおりであった。
【0089】
また、実施例1〜実施例4、および、比較例1で作製した中間膜の性能(▲1▼合わせ加工適性、▲2▼遮音性能)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0090】
▲1▼合わせ加工適性の評価方法
20〜25℃−25〜30%RHの雰囲気下に2時間放置して調温調湿した中間膜を2枚の透明な無機ガラス板(2.5mm厚、30.5cm×30.5cm)の間に挟み、図1に示すようなスペーサー方式により、この合わせガラス構成体をゴムバッグの中に入れ、ゴムバッグ内の圧力が−53.2kPa(絶対圧力47.8kPa)となるように合わせガラス構成体の端部から吸引減圧しながら温度を100℃まで昇温し、温度100℃で20分間保持して、脱気、予備接着および本接着を一貫して連続的に行うことにより、合わせガラスを作製した。各中間膜についてそれぞれ10枚の合わせガラスを作製し、得られた合わせガラスの外観を目視で観察して、各10枚の合わせガラス中における気泡の有無またはエンボス刻線の痕跡の残存の有無を確認することにより、合わせ加工適性を評価した。
【0091】
▲2▼遮音性能の評価方法
▲1▼に記載の方法で作製した合わせガラスから供試体を切り出し、この供試体をダンピング試験用の振動発生機(商品名「G21−005D」、振研社製)により加振し、そこから得られる振動特性を機械インピーダンスアンプ(商品名「XG−81」、リオン社製)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(商品名「FFTスペクトラムアナライザーHP−3582AA」、横河ヒューレットパッカー社製)により解析した。こうして得られた損失係数とガラス板の共振周波数の比とから、図2に示すような、周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、周波数2000Hz付近における極小の音響透過損失{TL値(db)}を求めた。なお、測定は、0℃〜30℃の温度範囲において10℃間隔で行い、遮音性能の合格基準は、TL値(dB)30以上とした。
【0092】
【表1】
【0093】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例4の中間膜は、いずれもオートクレーブを使用することなく、真空プレス法のみで優れた合わせ加工適性を発現した。また、上記実施例1〜実施例3の中間膜を用いて作製した合わせガラスは、いずれも0℃〜30℃の温度範囲において優れた遮音性能を発現した。なお、3GO(可塑剤)がPVB層(B)から両PVB層(A)へ移行した実施例4の中間膜を用いて作製した合わせガラスは、0℃〜20℃の温度範囲における遮音性能は劣っていたものの、30℃における遮音性能は優れていた。
【0094】
これに対し、PVB層(A)の100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%を超えており、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が7.84Pa/%・℃未満であった比較例1の中間膜は、感温性が乏しく、真空プレス法のみで作製した合わせガラスにエンボス刻線の痕跡が残存しており、真空プレス法のみでの合わせ加工適性が悪かった。
【0095】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の中間膜は、測定温度45℃および100℃においてそれぞれ特定のクリープ弾性率を有し、かつ、上記クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が特定の温度範囲において特定値以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在するので、優れた感温性を発現する。したがって、合わせガラス製造時に多額の設備投資費用を要するオートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法(非オートクレーブ法)のみで合わせ加工を行うことができる。
【0096】
また、本発明の中間膜は、上記特定の熱可塑性樹脂層をポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層とし、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計を、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きくするか、および/または、最外層以外の層に、アセタール基が特定の炭素数であり、かつ、特定の残存アセチル基量を有するポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層を配置することにより、合わせガラスとされた際に優れた遮音性を発現する。
【0097】
さらに、本発明の中間膜は、上記各層に含有される可塑剤を層間で経時的に移行させ、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量を互いに異なるものとすることにより、オートクレーブを必要とすることがなく、真空プレス法のみでより容易かつより優れた生産性で合わせガラスを得ることができるとともに、合わせガラスとされた際により優れた遮音性を発現する。
【0098】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の中間膜を用いて真空プレス法のみで製造されるので、製造が容易であって生産性に優れ、かつ、特に優れた遮音性を発現するものであり、自動車、車輌、建築物等の窓ガラス用として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スペーサー方式による真空プレス法を示す断面図である。
【図2】合わせガラスの遮音性能を示すグラフである。
Claims (6)
- 測定温度45℃におけるクリープ弾性率が4655Pa/%以上であり、測定温度100℃におけるクリープ弾性率が49Pa/%以下であり、かつ、クリープ弾性率の対数値の温度に対する平均変化量が20〜120℃の温度範囲において7.84Pa/%・℃以上である熱可塑性樹脂層が少なくとも1層存在することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
- 熱可塑性樹脂層が最外層に存在することを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
- 熱可塑性樹脂層がポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層であって、内層に配置されているポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計が、最外層に存在するポリビニルアセタール系樹脂層のアセタール化度と残存アセチル基量との合計よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合わせガラス用中間膜。
- 最外層以外の層に、アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、残存アセチル基量が8〜30モル%であるポリビニルアセタール系樹脂と可塑剤とからなるポリビニルアセタール系樹脂層が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
- 可塑剤が層間で移行することにより、少なくとも2層の平衡可塑剤含有量が互いに異なるものとなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
- 少なくとも一対のガラス板の間に請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする合わせガラス。
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