JP2004010591A - 新規な不飽和酸エステルとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な不飽和酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸の2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンエステルとその製造方法に関する。このような不飽和酸エステルは、酸化防止能を有すると共に、それ自体、重合性を有する重合性酸化防止剤であって、例えば、酸化防止機能を有する重合体や共重合体の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
重合性酸化防止剤として、従来、幾つかが知られているが、それらのなかでも、不飽和酸エステルとしては、例えば、特開昭47−3193号公報、特公昭49−34667号公報、米国特許3629197号公報及び米国特許3953402号公報には、α,β−不飽和カルボン酸の2,6−ジ−t−ブチルハイドロキノンエステルである3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメタアクリレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルシンナメート等が記載されている。
【0003】
近年、このような重合性酸化防止剤に要求される性能も、益々多様化してきており、更なる種々の性能が要求されるに至っている。そこで、例えば、不飽和酸エステルとしては、上述したように、α,β−不飽和カルボン酸の2,6−t−ブチルハイドロキノンエステルは知られているが、しかし、その構造から一層の耐熱安定性が期待されるα,β−不飽和カルボン酸の2,5−t−ブチルハイドロキノンエステルについては、従来、その工業的に有利な製造方法ともども、知られてない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、酸化防止機能を有する重合体や共重合体の原料として有用である新規な不飽和酸エステルとその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。)
で表される不飽和酸エステルが提供される。
【0008】
本発明によれば、このような不飽和酸エステルは、一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。)
で表される不飽和カルボン酸と2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンを有機塩基及びカルボン酸活性化剤の存在下に反応させることによって得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
前記一般式(I)で表される本発明による不飽和酸エステルにおいて、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。従って、本発明による不飽和酸エステルの具体例として、例えば、
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート、
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルシンナメ−ト
棟を挙げることができる。
【0012】
本発明によれば、このような不飽和酸エステルは、第1の方法として、一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。)
で表されるα,β−不飽和カルボン酸と2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンとを有機塩基とカルボン酸活性化剤との存在下に反応させることによって得ることができる。
【0015】
また、第2の方法として、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンと上記一般式(II)で表されるα,β−不飽和カルボン酸の酸ハライドとを有機塩基の存在下に反応させることによっても、本発明による不飽和酸エステルを得ることができる。
【0016】
上記一般式(II)で表されるα,β−不飽和カルボン酸として、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、桂皮酸等を挙げることができる。従って、その酸ハライドとして、例えば、アクリル酸クロライド、メタアクリル酸クロライド、桂皮酸クロライド等を挙げることができる。
【0017】
上記第1の方法においては、α,β―不飽和カルボン酸は、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン1モル部に対し、通常、0.5〜10モル部の範囲、好ましくは、0.5〜2モル部の範囲で用いられる。上記有機塩基は、反応に伴って発生するハロゲン酸を吸収させるために用いられる。従って、そのような作用を有するものであれば、特に、限定されるものではないが、例えば、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、ピリジン等が好ましく用いられる。このような有機塩基は、通常、α,β−不飽和カルボン酸1モル部に対して、1〜50モル部の範囲、好ましくは、2〜10モル部の範囲で用いられる。
【0018】
また、カルボン酸活性化剤は、第1の方法において、カルボン酸と一旦、結合し、カルボニル基を活性化して、求核置換反応を起こしやすくする働きをするものであり、例えば、p−トルエンスルホン酸クロライド、メタンスルホン酸クロライド等が好ましく用いられる。
【0019】
α,β−不飽和カルボン酸と2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンとの反応において、反応溶剤は、必ずしも、用いる必要はないが、しかし、通常、反応溶剤を用いるのが好ましい。反応溶剤としては、反応において不活性であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、テトラヒドロフラン、N,N―ジメチルアセトアミド、ジエチルエーテル、ヘキサン等が用いられる。このような溶剤は、原料の合計量100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部の範囲で用いられる。
【0020】
また、本発明によれば、第1の方法において、触媒として、第3級アミド類を用いることができる。この第3級アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。このような第3級アミド類は、用いるα,β−不飽和カルボン酸100重量部に対して、1〜3000重量部、好ましくは、10〜500重量部の範囲で用いられる。また、この第3級アミド類は、反応溶剤を兼ねることができる。
【0021】
第1の方法において、反応は、通常、室温乃至90℃の範囲、好ましくは、40〜80℃の範囲で行われる。このような反応条件においては、反応は、通常、1〜36時間程度で完結する。
【0022】
反応終了後、必要に応じて、反応生成物を適宜の方法によって精製してもよい。例えば、得られた反応混合物にトルエン等の有機溶剤と水を加えて、濾過し、得られた濾液から水層を分液除去し、かくして、得られた油層をアルカリ水溶液、次いで、酸水溶液で洗浄した後、有機溶剤等を分離し、この後、得られた残渣をメタノール等を用いて再結晶すれば、精製品を結晶として得ることができる。
【0023】
上述した第1の方法は、用いる原料が低廉であり、また、反応条件が穏和であること等から工業的な実施が容易であり、しかも、通常、純度95%以上の不飽和酸エステルを得ることができる。また、原料である置換フェノールに対する収率は、通常、40%以上である。
【0024】
次に、第2の方法においては、α,β−不飽和カルボン酸ハライドは、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン1モル部に対して、通常、0.3〜2モル部の範囲、好ましくは、0.5〜1モル部の範囲で用いられる。
【0025】
第2の方法においても、有機塩基は、反応に伴って発生するハロゲン酸を吸収させるために用いられるものであり、従って、前述したと同様の有機塩基がα,β−不飽和カルボン酸の酸性ハライド1モル部に対して、0.8〜10モル部の範囲、好ましくは、0.8〜1.5モル部の範囲で用いられる。
【0026】
第1の方法におけると同じく、反応溶剤は、必ずしも、用いる必要はないが、しかし、通常、反応溶剤を用いるのが好ましい。反応溶剤としては、第1の方法におけるものと同様のものが用いられる。このような溶剤は、原料の合計量100重量部に対して、通常、50〜1000重量部の範囲で用いられる。
【0027】
第2の方法において、反応は、通常、−10℃から90℃の範囲、好ましくは、0〜80℃の範囲で行われる。このような反応条件においては、反応は、通常、1〜12時間程度で完結する。
【0028】
反応終了後、必要に応じて、反応生成物を適宜の方法によって精製してもよい。例えば、得られた反応混合物にトルエン等の有機溶剤と水を加え、水洗した後、水を分液し,得られた油層から再結晶すれば、精製品を結晶として得ることができる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0030】
実施例1
(第1の方法による2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレートの製造)
温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた1L容量の四つ口フラスコに2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン10.0g(0.045モル)、桂皮酸4.4g(0.03モル)、N,N−ジメチルアセトアミド1.3g及びピリジン11.9g(0.15モル)を仕込み、これら原料の混合物の温度を60℃に調整した。次いで、p−トルエンスルホン酸クロライド6.9g(0.036モル)をピリジン11.9g(0.15モル)に溶解させて溶液を調製し、これを上記原料の混合物に攪拌下に1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌下、温度60℃に保持して、更に、24時間反応を行った。
【0031】
反応終了後、攪拌下、温度60℃で反応混合物にトルエン50g、水50g及びメチルイソブチルケトン50gを加え、析出したジエステル体の結晶を濾別して、目的物であるモノエステル体を含む濾液を得た。得られた濾液から水層を分液除去し、得られた油層に4%水酸化ナトリウム水溶液を加えて洗浄し、水層を分液除去し、更に、4%塩酸で洗浄し、水層を分液除去して、目的物を含む油層を得た。
【0032】
この油層を減圧蒸留し、得られた蒸留残留液にメタノールを加え、析出した結晶を濾過、乾燥して、目的とする2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート5.1gを淡黄色結晶として得た。純度は98.7%(液体クロマトグラフィー分析による)、原料2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンに対する収率は48.1%であった。
【0033】
融点(示差熱分析法):181℃
分子量(質量分析法):353(M+)
プロトンNMR分析(溶媒:DMSO/CDCl3(2/1)混合溶媒、400MHz):
【0034】
【表1】
【0035】
実施例2
(方法2による2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレートの製造)
温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた1L容量の四つ口フラスコに2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン50g(0.225モル)、N,N−ジメチルアニリン20.0g(0.165モル)及びテトラヒドロフラン300gを仕込み、これら原料の混合物の温度を20℃に調整した。次いで、桂皮酸クロライド25g(0.15モル)をテトラヒドロフラン25gに溶解させて溶液を調製し、これを上記原料の混合物に攪拌下に0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、反応混合物を50℃に昇温して、約2時間反応を行った後、還流温度において約6時間反応を行った。
【0036】
反応終了後、攪拌下、室温で反応混合物にトルエン200gを加え、析出したジエステル体の結晶を濾別し、目的物であるモノエステル体を含む濾液を得た。この濾液に4%塩酸を加えて攪拌した後、水層を分液除去した。得られた油層を更に水洗した後、この油層を減圧蒸留した。得られた蒸留残留液にメタノールを加え、析出物を濾過、乾燥して、目的とする2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート9.7gを淡黄色結晶として得た。純度は99.6%(液体クロマトグラフィー分析法)、原料2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンに対する収率は18.4%であった。この化合物の融点、分子量及びプロトンNMR分析の結果は、実施例1で得たものと一致した。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な不飽和酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸の2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンエステルとその製造方法に関する。このような不飽和酸エステルは、酸化防止能を有すると共に、それ自体、重合性を有する重合性酸化防止剤であって、例えば、酸化防止機能を有する重合体や共重合体の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
重合性酸化防止剤として、従来、幾つかが知られているが、それらのなかでも、不飽和酸エステルとしては、例えば、特開昭47−3193号公報、特公昭49−34667号公報、米国特許3629197号公報及び米国特許3953402号公報には、α,β−不飽和カルボン酸の2,6−ジ−t−ブチルハイドロキノンエステルである3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメタアクリレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルシンナメート等が記載されている。
【0003】
近年、このような重合性酸化防止剤に要求される性能も、益々多様化してきており、更なる種々の性能が要求されるに至っている。そこで、例えば、不飽和酸エステルとしては、上述したように、α,β−不飽和カルボン酸の2,6−t−ブチルハイドロキノンエステルは知られているが、しかし、その構造から一層の耐熱安定性が期待されるα,β−不飽和カルボン酸の2,5−t−ブチルハイドロキノンエステルについては、従来、その工業的に有利な製造方法ともども、知られてない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、酸化防止機能を有する重合体や共重合体の原料として有用である新規な不飽和酸エステルとその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。)
で表される不飽和酸エステルが提供される。
【0008】
本発明によれば、このような不飽和酸エステルは、一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。)
で表される不飽和カルボン酸と2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンを有機塩基及びカルボン酸活性化剤の存在下に反応させることによって得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
前記一般式(I)で表される本発明による不飽和酸エステルにおいて、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。従って、本発明による不飽和酸エステルの具体例として、例えば、
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート、
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、
2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルシンナメ−ト
棟を挙げることができる。
【0012】
本発明によれば、このような不飽和酸エステルは、第1の方法として、一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、R1は水素原子又はフェニル基を示し、R2は水素原子又メチル基を示す。)
で表されるα,β−不飽和カルボン酸と2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンとを有機塩基とカルボン酸活性化剤との存在下に反応させることによって得ることができる。
【0015】
また、第2の方法として、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンと上記一般式(II)で表されるα,β−不飽和カルボン酸の酸ハライドとを有機塩基の存在下に反応させることによっても、本発明による不飽和酸エステルを得ることができる。
【0016】
上記一般式(II)で表されるα,β−不飽和カルボン酸として、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、桂皮酸等を挙げることができる。従って、その酸ハライドとして、例えば、アクリル酸クロライド、メタアクリル酸クロライド、桂皮酸クロライド等を挙げることができる。
【0017】
上記第1の方法においては、α,β―不飽和カルボン酸は、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン1モル部に対し、通常、0.5〜10モル部の範囲、好ましくは、0.5〜2モル部の範囲で用いられる。上記有機塩基は、反応に伴って発生するハロゲン酸を吸収させるために用いられる。従って、そのような作用を有するものであれば、特に、限定されるものではないが、例えば、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、ピリジン等が好ましく用いられる。このような有機塩基は、通常、α,β−不飽和カルボン酸1モル部に対して、1〜50モル部の範囲、好ましくは、2〜10モル部の範囲で用いられる。
【0018】
また、カルボン酸活性化剤は、第1の方法において、カルボン酸と一旦、結合し、カルボニル基を活性化して、求核置換反応を起こしやすくする働きをするものであり、例えば、p−トルエンスルホン酸クロライド、メタンスルホン酸クロライド等が好ましく用いられる。
【0019】
α,β−不飽和カルボン酸と2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンとの反応において、反応溶剤は、必ずしも、用いる必要はないが、しかし、通常、反応溶剤を用いるのが好ましい。反応溶剤としては、反応において不活性であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、テトラヒドロフラン、N,N―ジメチルアセトアミド、ジエチルエーテル、ヘキサン等が用いられる。このような溶剤は、原料の合計量100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部の範囲で用いられる。
【0020】
また、本発明によれば、第1の方法において、触媒として、第3級アミド類を用いることができる。この第3級アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。このような第3級アミド類は、用いるα,β−不飽和カルボン酸100重量部に対して、1〜3000重量部、好ましくは、10〜500重量部の範囲で用いられる。また、この第3級アミド類は、反応溶剤を兼ねることができる。
【0021】
第1の方法において、反応は、通常、室温乃至90℃の範囲、好ましくは、40〜80℃の範囲で行われる。このような反応条件においては、反応は、通常、1〜36時間程度で完結する。
【0022】
反応終了後、必要に応じて、反応生成物を適宜の方法によって精製してもよい。例えば、得られた反応混合物にトルエン等の有機溶剤と水を加えて、濾過し、得られた濾液から水層を分液除去し、かくして、得られた油層をアルカリ水溶液、次いで、酸水溶液で洗浄した後、有機溶剤等を分離し、この後、得られた残渣をメタノール等を用いて再結晶すれば、精製品を結晶として得ることができる。
【0023】
上述した第1の方法は、用いる原料が低廉であり、また、反応条件が穏和であること等から工業的な実施が容易であり、しかも、通常、純度95%以上の不飽和酸エステルを得ることができる。また、原料である置換フェノールに対する収率は、通常、40%以上である。
【0024】
次に、第2の方法においては、α,β−不飽和カルボン酸ハライドは、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン1モル部に対して、通常、0.3〜2モル部の範囲、好ましくは、0.5〜1モル部の範囲で用いられる。
【0025】
第2の方法においても、有機塩基は、反応に伴って発生するハロゲン酸を吸収させるために用いられるものであり、従って、前述したと同様の有機塩基がα,β−不飽和カルボン酸の酸性ハライド1モル部に対して、0.8〜10モル部の範囲、好ましくは、0.8〜1.5モル部の範囲で用いられる。
【0026】
第1の方法におけると同じく、反応溶剤は、必ずしも、用いる必要はないが、しかし、通常、反応溶剤を用いるのが好ましい。反応溶剤としては、第1の方法におけるものと同様のものが用いられる。このような溶剤は、原料の合計量100重量部に対して、通常、50〜1000重量部の範囲で用いられる。
【0027】
第2の方法において、反応は、通常、−10℃から90℃の範囲、好ましくは、0〜80℃の範囲で行われる。このような反応条件においては、反応は、通常、1〜12時間程度で完結する。
【0028】
反応終了後、必要に応じて、反応生成物を適宜の方法によって精製してもよい。例えば、得られた反応混合物にトルエン等の有機溶剤と水を加え、水洗した後、水を分液し,得られた油層から再結晶すれば、精製品を結晶として得ることができる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0030】
実施例1
(第1の方法による2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレートの製造)
温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた1L容量の四つ口フラスコに2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン10.0g(0.045モル)、桂皮酸4.4g(0.03モル)、N,N−ジメチルアセトアミド1.3g及びピリジン11.9g(0.15モル)を仕込み、これら原料の混合物の温度を60℃に調整した。次いで、p−トルエンスルホン酸クロライド6.9g(0.036モル)をピリジン11.9g(0.15モル)に溶解させて溶液を調製し、これを上記原料の混合物に攪拌下に1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌下、温度60℃に保持して、更に、24時間反応を行った。
【0031】
反応終了後、攪拌下、温度60℃で反応混合物にトルエン50g、水50g及びメチルイソブチルケトン50gを加え、析出したジエステル体の結晶を濾別して、目的物であるモノエステル体を含む濾液を得た。得られた濾液から水層を分液除去し、得られた油層に4%水酸化ナトリウム水溶液を加えて洗浄し、水層を分液除去し、更に、4%塩酸で洗浄し、水層を分液除去して、目的物を含む油層を得た。
【0032】
この油層を減圧蒸留し、得られた蒸留残留液にメタノールを加え、析出した結晶を濾過、乾燥して、目的とする2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート5.1gを淡黄色結晶として得た。純度は98.7%(液体クロマトグラフィー分析による)、原料2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンに対する収率は48.1%であった。
【0033】
融点(示差熱分析法):181℃
分子量(質量分析法):353(M+)
プロトンNMR分析(溶媒:DMSO/CDCl3(2/1)混合溶媒、400MHz):
【0034】
【表1】
【0035】
実施例2
(方法2による2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレートの製造)
温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた1L容量の四つ口フラスコに2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン50g(0.225モル)、N,N−ジメチルアニリン20.0g(0.165モル)及びテトラヒドロフラン300gを仕込み、これら原料の混合物の温度を20℃に調整した。次いで、桂皮酸クロライド25g(0.15モル)をテトラヒドロフラン25gに溶解させて溶液を調製し、これを上記原料の混合物に攪拌下に0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、反応混合物を50℃に昇温して、約2時間反応を行った後、還流温度において約6時間反応を行った。
【0036】
反応終了後、攪拌下、室温で反応混合物にトルエン200gを加え、析出したジエステル体の結晶を濾別し、目的物であるモノエステル体を含む濾液を得た。この濾液に4%塩酸を加えて攪拌した後、水層を分液除去した。得られた油層を更に水洗した後、この油層を減圧蒸留した。得られた蒸留残留液にメタノールを加え、析出物を濾過、乾燥して、目的とする2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアクリレート9.7gを淡黄色結晶として得た。純度は99.6%(液体クロマトグラフィー分析法)、原料2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンに対する収率は18.4%であった。この化合物の融点、分子量及びプロトンNMR分析の結果は、実施例1で得たものと一致した。
Claims (2)
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| Publication Number | Publication Date |
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ID=30436345
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|---|---|---|---|
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| Country | Link |
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| JP (1) | JP2004010591A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007204448A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Showa Highpolymer Co Ltd | ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート組成物及びその製造方法 |
| US9335632B2 (en) | 2013-09-04 | 2016-05-10 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Positive resist composition and patterning process |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002169928A patent/JP2004010591A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007204448A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Showa Highpolymer Co Ltd | ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート組成物及びその製造方法 |
| US9335632B2 (en) | 2013-09-04 | 2016-05-10 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Positive resist composition and patterning process |
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