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JP2004009405A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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JP2004009405A
JP2004009405A JP2002164166A JP2002164166A JP2004009405A JP 2004009405 A JP2004009405 A JP 2004009405A JP 2002164166 A JP2002164166 A JP 2002164166A JP 2002164166 A JP2002164166 A JP 2002164166A JP 2004009405 A JP2004009405 A JP 2004009405A
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latex
jet recording
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JP2002164166A
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Shuji Kida
木田 修二
Shinichi Suzuki
鈴木 眞一
Hidenobu Oya
大屋 秀信
Tomomi Yoshizawa
吉沢 友海
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】本発明の目的は、インク吸収性に優れ、かつ有害ガス耐性(酸化性ガス耐性)及び耐光性が良好なインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】インクジェット記録媒体に、染料インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録方法において、該染料インクが、紫外線吸収能を有するラテックスを含有し、かつ該インクジェット記録媒体が、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料インクを用いたインクジェット記録方法に関し、詳しくは、インク吸収性に優れ、かつ有害ガス耐性(酸化性ガス耐性)及び耐光性が良好なインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。
【0003】
特に、最近ではプリンターの高画質化が進み写真画質に到達していることから、記録媒体も写真画質を実現し、かつ銀塩写真の風合い(光沢性、平滑性、コシなど)を再現することが求められている。
【0004】
銀塩写真の風合いを再現する方法の1つとして、記録媒体として支持体上にゼラチンやポリビニルアルコールなどの親水性バインダーを塗設した、いわゆる膨潤型のものが知られているが、この方法では、インク吸収速度が遅い、プリント後に表面がべたつきやすい、保存中に湿度の影響を受けて画像がにじみやすい等の欠点を有している。特に、インク吸収速度が遅いため、吸収される前にインクの液滴同士が混ざり合い、異色間のにじみ(ブリーディング)や同色内の色むら(ビーディング)を発生させやすく、銀塩写真画質の達成は非常に困難である。
【0005】
上記膨潤型に代わり主流となりつつあるのがいわゆる空隙型であり、微細な空隙にインクを吸収させるため、吸収速度が速いのが特徴である。
【0006】
特に、水溶性染料インクと空隙型のインクジェット記録媒体との組み合わせにより、高い光沢性と優れたインク吸収性を達成することができ、画質に関しても写真画質レベルに到達しつつある。
【0007】
一方、画質の向上に伴い、インクジェット画像の保存性を従来の銀塩写真と比較するようになり、特に、水溶性染料インクにおいては、インクジェット画像の耐水性、滲み耐性の弱さといった色剤の移動を伴う劣化や、耐光性や耐酸化性ガス性の弱さといった色剤の化学反応を伴う劣化が指摘されている。
【0008】
上記のように、画質を銀塩写真レベルに到達させる試みが数多くなされている。耐光性向上の例としては、特開昭57−74192号、同57−87989号、同57−74193号、同58−152072号、同64−36479号、特開平1−95091号、同1−115677号、同3−13376号、同4−7189号、同7−195824号、同8−25796号、同11−321090号、同11−277893号、特開2000−37951他多数の技術が開示されている。
【0009】
空隙型インクジェット記録媒体の場合は、耐光性だけでなく、その空隙構造に起因して有害ガスによる変褪色、いわゆる酸化性ガスによる褪色を起こしやすい問題がある。特に、一般のカラーインクジェットプリンタに採用されているフタロシアニン系水性染料で起こりやすい。
【0010】
この変褪色のメカニズムは未だ明確にはなっていないが、微細空隙構造は高表面積を有し、かつ用いられている無機微粒子が活性な表面を有しているため、オゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中の極微量の活性な有害ガスが染料を分解していると推察している。
【0011】
変褪色の現象を改善する技術については、例えば、特開昭63−252780号、同64−11877号、特開平1−108083号、同1−216881号、同1−218882号、同1−258980号、同2−188287号、同7−237348号、同7−266689号、同8−164664号等に記載されているが、空隙構造がより微細になる写真画質様の記録媒体では、より劣化しやすい特性にあるため、従来の改良技術では改良の効果が不十分であり、より抜本的な改善が望まれている。
【0012】
上記課題の対策方法の1つとして、膨潤型記録媒体を用いることにより改良はされるが、反面本質的な問題であるインク吸収速度の遅さを改善することが非常に困難である。あるいは、例えば、プリントにラミネート処理を施したり、フレームに入れるなどのガス遮断方法、又は特開昭53−27426号、同59−222381号、同62−271781号、特開平11−157207号、同11−245507号、特開2000−71608に開示されているような、熱可塑性微粒子を表面に含有する記録媒体をプリント後、加熱又は加圧処理してガス遮断層を発現させる方法などは非常に効果的ではあるが、何れも後処理が必要となり、余分な工程が負荷となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インク吸収性に優れ、かつ有害ガス耐性(酸化性ガス耐性)及び耐光性が良好なインクジェット記録方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0015】
1.インクジェット記録媒体に、染料インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録方法において、該染料インクが、紫外線吸収能を有するラテックスを含有し、かつ該インクジェット記録媒体が、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0016】
2.前記紫外線吸収能を有するラテックスが、ベンゾトリアゾール部分構造又はベンゾフェノン部分構造を有することを特徴とする前記1項に記載のインクジェット記録方法。
【0017】
3.前記ベンゾトリアゾール部分構造が、前記一般式〔1〕で表されることを特徴とする前記2項に記載のインクジェット記録方法。
【0018】
4.前記ベンゾフェノン部分構造が、前記一般式〔2〕で表されることを特徴とする前記2項に記載のインクジェット記録方法。
【0019】
5.前記紫外線吸収能を有するラテックスのMFT(最低造膜温度)が、0〜40℃であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0020】
6.前記紫外線吸収能を有するラテックスの平均粒径が、150nm以下であることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0021】
7.前記紫外線吸収能を有するラテックスの含有率が、染料インクの全質量に対し1.0〜10質量%であることを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0022】
8.前記染料インクが、褪色防止剤を含有することを特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0023】
9.前記インクジェット記録媒体の支持体が、非吸収性支持体であることを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0024】
10.前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、シリカ微粒子を含有することを特徴とする前記1〜9項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0025】
11.前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、カチオン性ポリマーを含有することを特徴とする前記1〜10項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0026】
12.前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする前記1〜11項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0027】
13.前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、褪色防止剤を含有することを特徴とする前記1〜12項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0028】
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、インクジェット記録媒体に、染料インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録方法において、染料インクが、紫外線吸収能を有するラテックスを含有し、かつ該インクジェット記録媒体が、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有することにより、インク吸収性に優れ、かつ有害ガス耐性(酸化性ガス耐性)及び耐光性が良好なインクジェット記録方法を実現できることを見いだし、本発明に至った次第である。
【0029】
一般に、色材として染料を用いたインクでは、前述のように画像保存性が大きな課題の1つであるが、特に、インク吸収性が良好である空隙型のインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)を用いた場合に、画像保存性、具体的には、酸化性ガス耐性や耐光性が著しく低下する。これは、インクジェット画像が空隙構造を有する層中に形成されるため、常に、色材が大気中のガスに晒される結果となり、他の記録媒体に比較すると得られるプリントの退色が著しい。
【0030】
上記課題に対して、染料インクと空隙型記録媒体から得られるプリント画像の褪色を防止する方法として、画像を形成した後、画像表面を樹脂等で被覆し、外界からの有害ガスを遮断する方法がある。しかしながら、記録媒体表面に予めガス遮断層を設けると、印字の際にインク吸収性が低下するという問題点がある。
【0031】
上記課題に対し、本発明者らは、先に、ラテックスを含有する染料インクを用いて空隙型記録媒体に画像記録すると、記録媒体上でラテックスが造膜してガス遮断層を形成させる方法を見いだし、提案した。
【0032】
更に検討を進めた結果、上記方法により、有害ガス等による褪色に対しては改良されたが、光に対する褪色、いわゆる耐光性に対しては、ガス遮断層を設けても、ほとんど効果が認められないことが判明し、銀塩写真画像と比較して劣るという問題が残された。
【0033】
本発明者らは、有害ガス等による褪色を改良するだけでなく、耐光性も同時に改良する方法について鋭意検討を進めた結果、ラテックスに紫外線吸収能を付与することにより、ラテックスで形成されるガス遮断層の紫外線遮断効率が高くなり、有害ガスによる褪色と耐光性とを同時に改良できることを見いだし、本発明に至った次第である。更に、本発明の構成において、褪色防止剤(特に、酸化防止剤)を、染料インク中あるいは記録媒体中に含有させることにより、色材の酸化による分解を抑え、相乗的に耐光性を向上することができるものである。
【0034】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明においては、インクジェット記録媒体に、染料インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録方法において、該染料インクが、紫外線吸収能を有するラテックスを含有し、かつ該インクジェット記録媒体が、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有することが特徴である。
【0035】
はじめに、本発明に係る染料インクについて説明する。
本発明に係る染料インクにおいては、紫外線吸収能を有するラテックスを含有することが1つの特徴である。
【0036】
本発明でいうラテックスとは、インク中に添加する樹脂微粒子であり、媒質中、例えば、水中に分散状態にあるポリマー粒子を指す。
【0037】
上記ラテックスは、各種ポリマーの水分散体の形態で用いることができる。具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各ポリマーを挙げることができる。
【0038】
通常これらのラテックスは、乳化重合法によって得られる。そこで用いられる界面活性剤、重合開始剤等については、常法で用いられるものを用いれば良い。ラテックスの合成法に関しては、米国特許第2,852,368号、同2,853,457号、同3,411,911号、同3,411,912号、同4,197,127号、ベルギー特許第688,882号、同691,360号、同712,823号、特公昭45−5331号、特開昭60−18540号、同51−130217号、同58−137831号、同55−50240号等に詳しく記載されている。
【0039】
請求項2に係る発明においては、紫外線吸収能を有するラテックスが、ベンゾトリアゾール部分構造又はベンゾフェノン部分構造を有することが好ましく、更に請求項3に係る発明では、ベンゾトリアゾール部分構造が、前記一般式〔1〕で表されることが好ましい。
【0040】
以下、一般式〔1〕で表されるベンゾトリアゾール部分構造を有する化合物について説明する。
【0041】
前記一般式〔1〕において、R、R、R、R及びRは同一又は異ってもよく、水素原子、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、フッ素等の各原子)、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、アミノプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、クロロブチル、n−アミル、iso−アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ステアリルアミドブチル、デシル、ドデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどの各基)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、メタアリル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、オクタデセニルなどの各基)、アリール基(例えばフェニル、4−メチルフェニル、4−エトキシフェニル、2−ヘキソキシフェニル、3−ヘキソキシフェニルなどの各基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、クロロブトキシ、デコキシ、ジアミノフェノキシ、エトキシ、ペンタデコキシ、オクタデコキシなどの各基)、オキシカルボニル基(例えば、カルボメトキシ、カルボブトキシ、カルボヘキソキシ、カルボペンタデコキシなどの各基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メチルフェノキシ、2−プロピルフェノキシ、3−アミルフェノキシなどの各基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、t−ブチルチオ、t−オクチルチオ、ベンジルチオなどの各基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、エチルフェニルチオ、メトキシフェニルチオ、エトキシフェニルチオ、ナフチルチオなどの各基)、モノ又はジアルキルアミノ基(例えば、N−エチルアミノ、N−t−オクチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジ−t−ブチルアミノなどの各基)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メタンスルホニルアミノなどの各基)、酸素原子又は窒素原子を含む5又は6員の複素環残基(例えば、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジノ、ピペラジノなどの複素環残基)を示し、RはRと共に炭素原子からなる5又は6員環を形成してもよい。
【0042】
一般式〔1〕において、R〜Rで示される置換基は、炭素数5〜36が好ましく、アルキル基は炭素数1〜18であることが好ましい。
【0043】
上記一般式〔1〕で表される化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
UV−1−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール
UV−1−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール
UV−1−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−1−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−1−5:2−(2′−ヒドロキシ−5′−イソオクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール
UV−1−6:2−(2′−ヒドロキシ−5′−n−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール
UV−1−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール
UV−1−8:2−(2′−ヒドロキシ−5′−ドデシルフェニル)−ベンゾトリアゾール
UV−1−9:2−(2′−ヒドロキシ−5′−ヘキサデシルフェニル)−
ベンゾトリアゾール
UV−1−10:2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−アミル−5′−ベンゾフェニル)−ベンゾトリアゾール
【0045】
【化3】
Figure 2004009405
【0046】
なお、本発明においては、上記の化合物を含めて特開昭60−128434号公報第10頁〜第12頁に記載されている化合物例の(IV−1)〜(IV−39)を用いることが出来る。本発明に用いられる上記のベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、特公昭44−29620号に記載の方法、又はそれに準じた方法により容易に合成することができる。
【0047】
また、請求項4に係る発明においては、ベンゾフェノン部分構造が、前記一般式〔2〕で表されることが好ましい。
【0048】
前記一般式〔2〕において、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又は−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0049】
上記において、アルキル基としては例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換分としてはハロゲン原子、例えばクロール、ブロム、フッ素原子など、ヒドロキシ基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基又はハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
【0050】
以下に、一般式〔2〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0051】
UV−2−1:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−2−2:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−2−3:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−2−4:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
【0052】
【化4】
Figure 2004009405
【0053】
【化5】
Figure 2004009405
【0054】
本発明において、ラテックス中への紫外線吸収能を有する化合物の付加方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解し、ラテックスを合成する際に添加し、ラテックス粒子中に含浸させる方法、ラテックス合成時に添加し、ラテックス構造の側鎖等に付加させる方法、あるいは本発明に係る前記一般式(1)又は一般式(2)で表される構造部分を有する共重合可能なモノマーと他のモノマーとを共重合させることにより。ラテックスポリマー中へ導入させる方法等を挙げることができる。
【0055】
上記紫外線吸収能を有する化合物の添加量は、その種類や紫外線吸収能により一概には言えないが、概ね、ラテックスに対して10〜100質量%であり、好ましくは30〜70質量%である。
【0056】
請求項5に係る発明では、紫外線吸収能を有するラテックスの最低造膜温度(MFT)が、0〜40℃であることが好ましい。本発明においては、ラテックスの最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は、可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶媒)であり、例えば「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されている。
【0057】
請求項6に係る発明においては、紫外線吸収能を有するラテックスの平均粒径が150nm以下であることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましく、更に好ましくは10〜100nmである。
【0058】
ラテックスの平均粒径は、光散乱方式やレーザードップラー方式を用いた市販の粒径測定装置、例えば、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)等を用いて、簡便に求めることができる。
【0059】
請求項7に係る発明においては、紫外線吸収能を有するラテックスのインク中での含有量が、1.0〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜5質量%である。ラテックスの添加量が1.0質量%以上であれば、褪色性に対しより十分な効果を発揮することができ、10質量%以下であれば、インク吐出性のより安定となり、更に保存中でのインク粘度の上昇を抑制することができより好ましい。
【0060】
請求項8に係る発明においては、染料インクが褪色防止剤を含有することが好ましい。
【0061】
本発明に係る染料インクで用いることのできる褪色防止剤としては、水溶性還元剤、含硫黄化合物又は疎水性酸化防止剤の乳化分散物を挙げることができる。
【0062】
水溶性還元剤としては、例えば、特開平8−300807号、同8−150773号、同8−108617号、同9−267544号等に記載されており、具体例としては、亜硫酸塩、亜硝酸塩、亜燐酸塩、チオ硫酸塩、アスコルビン酸又はその塩、ヒドロキシルアミン誘導体(N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩、N−ヒドロキシフタルイミド、N,N−ジカルボキシエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩等)、グルコース等が挙げられる。
【0063】
また、含硫黄化合物としては、例えば、特開昭61−177279号、同61−163886号、同64−36479号、特開平7−314883号、同7−314882号、同1−115677号等に記載されており、具体例としては、チオシアン酸塩、チオ尿素、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−トリアゾール、2,4,6−トリメルカプトシアヌル酸、チオサリチル酸、チオウラシル、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン等が挙げられる。
【0064】
疎水性酸化防止剤としては、例えば、特開昭57−74192号、同57−87989号、特開平1−115667号、同3−13376号等に記載されている様な公知の酸化防止剤が利用できる。特に好ましい酸化防止剤は、水酸基のオルト位の少なくとも一方が3級アルキル基で置換されている所謂ヒンダードフェノール系酸化防止剤、窒素原子に連結する二つの炭素原子がアルキル基で共に置換されているピペリジン系酸化防止剤(所謂ヒンダードアミン類)、フェノール類又はポリヒドロキシベンゼン類の少なくとも一つの水酸基がアルキル基によりエーテル化されている酸化防止剤である。
【0065】
上記疎水性酸化防止剤は、好ましくは、疎水性高沸点有機溶媒(ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−i−デシルフタレート、トリクレジルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート等)と共に親水性バインダー中に乳化分散された状態で添加される。この疎水性酸化防止剤をアセトンやメタノール等の有機溶媒に溶解して添加したり、あるいは湿式粉砕法で添加した場合には、褪色防止の持続効果が小さい。疎水性酸化防止剤と高沸点有機溶媒の比率は、質量比で概ね1:5〜10:1である。
【0066】
本発明に係るインクには、上記のラテックスの他に、少なくとも水溶性染料、水及び有機溶剤を含有している。
【0067】
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
【0068】
〔C.I.アシッドイエロー〕
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246
〔C.I.アシッドオレンジ〕
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
〔C.I.アシッドレッド〕
1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415
〔C.I.アシッドバイオレット〕
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126
〔C.I.アシッドブルー〕
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350
〔C.I.アシッドグリーン〕
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
〔C.I.アシッドブラウン〕
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
〔C.I.アシッドブラック〕
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222
〔C.I.ダイレクトイエロー〕
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153
〔C.I.ダイレクトオレンジ〕
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118
〔C.I.ダイレクトレッド〕
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
〔C.I.ダイレクトバイオレット〕
9、35、51、66、94、95
〔C.I.ダイレクトブルー〕
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
〔C.I.ダイレクトグリーン〕
26、28、59、80、85
〔C.I.ダイレクトブラウン〕
44、106、115、195、209、210、222、223
〔C.I.ダイレクトブラック〕
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169
〔C.I.ベイシックイエロー〕
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91
〔C.I.ベイシックオレンジ〕
2、21、22
〔C.I.ベイシックレッド〕
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109
〔C.I.ベイシックバイオレット〕
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39
〔C.I.ベイシックブルー〕
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151
〔C.I.ベイシックグリーン〕
1、4
〔C.I.ベイシックブラウン〕

〔C.I.リアクティブイエロー〕
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176
〔C.I.リアクティブオレンジ〕
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107
〔C.I.リアクティブレッド〕
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235
〔C.I.リアクティブバイオレット〕
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38
〔C.I.リアクティブブルー〕
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236
〔C.I.リアクティブグリーン〕
8、12、15、19、21
〔C.I.リアクティブブラウン〕
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46
〔C.I.リアクティブブラック〕
5、8、13、14、31、34、39
等が挙げられ、これら上記に列挙した染料は、「染色ノート第21版」(出版;色染社)等に記載されている。
【0069】
これら水溶性染料のなかでもフタロシアニン染料が好ましい。
フタロシアニン染料としては、無置換あるいは中心元素を有するものが挙げられ、中心元素としては金属、非金属のものが挙げられ、好ましくは銅であり、より好ましくはC.I.ダイレクトブルー199が挙げられる。
【0070】
本発明で用いることのできる有機溶媒は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0071】
本発明に係るインクにおいて、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0072】
また、本発明におけるインク中に、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
【0073】
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
【0074】
次に、本発明に係るインクジェト記録媒体について説明する。
一般に、インク吸収層としては、大きく分けて膨潤型と空隙型があるが、本発明においては、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有する記録媒体を用いることが特徴である。
【0075】
以下、空隙型インク吸収層について、更に詳しく説明する。
空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子および親水性または疎水性樹脂を含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られている。本発明においては、空隙層に、平均粒径が100nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによって形成されることが、特に好ましい。
【0076】
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
【0077】
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0078】
無機微粒子としては、シリカ、及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
【0079】
請求項10に係る発明においては、空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、シリカ微粒子を含有することが好ましい。
【0080】
本発明で好ましく用いることのできるシリカ微粒子としては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられるシリカ微粒子としては、コロイダルシリカまたは気相法で合成されたシリカ微粒子が好ましく、中でも気相法により合成されたシリカ微粒子は、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられる後述するカチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
【0081】
無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
【0082】
無機微粒子は、その粒径が100nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0083】
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
【0084】
本発明においては、インク吸収層に水溶性バインダーを含有することができる。本発明で用いることのできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
【0085】
請求項12に係る発明においては、空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
【0086】
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0087】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0088】
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0089】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0090】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0091】
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0092】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
【0093】
インク吸収層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には、記録用紙1m当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
【0094】
また、インク吸収層に用いられる無機微粒子と水溶性バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
【0095】
また、請求項11に係る発明においては、空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、カチオン性ポリマーを含有することが好ましい。
【0096】
本発明で用いられるカチオン性ポリマーとして、特に制限はなく、インクジェット記録用紙で従来公知のカチオン性ポリマーが挙げられ、その中でも、インク吸収層が、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを含有することが好ましい。例えば、特開昭57−64591号に記載のグアニジル基を有するカチオン性ポリマー、特開昭59−20696号に記載のジメチルジアリルアンモニウムクロライド、特開昭59−33176号に記載のポリアミンスルホン類、特開昭63−115780号の(メタ)アクリル酸アルキル第4級アンモニウム塩又は(メタ)アクリルアミドアルキル第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマー、特開昭64−9776号および同64−75281号に記載のジメチルアリルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの共重合ポリマー、特開平3−133686号に記載の繰り返し単位中に第4級窒素原子を2個以上含有するカチオン性ポリマー、特開平4−288283号に記載の第4級アンモニウム塩基を有するポリビニルピロリドン、特開平6−92010号および同6−234268号に記載の2級アミンとエピハロヒドリンとの反応により得られるカチオン性ポリマー、国際特許公開99−64248号に記載のポリスチレン型カチオン性ポリマー、特開平11−348409号に記載の2種以上のカチオン性基を有する繰り返し単位からなるカチオン性ポリマーなどを挙げることができる。
【0097】
カチオン性ポリマーを含有量は、インクジェット記録用紙1m当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
【0098】
なた、請求項13に係る発明においては、空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、褪色防止剤を含有することが好ましく、退色防止剤としては、前述の染料インクで用いる退色防止剤と同様のものを挙げることができる。
【0099】
空隙層において、空隙の総量(空隙容量)は記録用紙1m当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。
【0100】
インク保持能を有する空隙層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好ましい。
【0101】
本発明に係るインクジェット記録用紙においては、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤は、インクジェット記録用紙作製の任意の時期に添加することができ、例えば、インク吸収層形成用の塗布液中に添加しても良い。
【0102】
本発明において、硬膜剤を使用する場合には、インク吸収層形成後に、水溶性バインダーの硬化剤を供給する方法を単独で用いても良いが、好ましくは、上述の硬化剤をインク吸収層形成用の塗布液中に添加する方法と併用して用いることである。
【0103】
本発明で用いることのできる硬化剤としては、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
【0104】
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
【0105】
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
【0106】
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
【0107】
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。
【0108】
本発明で用いることのできる支持体としては、従来からインクジェット記録用紙に用いられている支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持体、プラスティック支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体等を、適宜選択して用いることができるが、請求項9に係る発明においては、用いる支持体が、非吸収性支持体であることが好ましい。非吸収性支持体は、記録画像が写真画質に近く、かつ低コストで高品質の画像が得られるため、特に好ましい。
【0109】
本発明においては、非吸収性支持体の中でも、特に、プラスティック支持体又は両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体であることが、より酸化性ガス耐性に優れるため、特に好ましい。
【0110】
以下、原紙支持体の両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体について説明する。
【0111】
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて、木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0112】
上記パルプには、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
【0113】
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は、20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量は、30〜250g/mが好ましく、特に50〜200g/mが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して、高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0114】
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他にLLDPE(リニアローデンシティーポリエチレン)やポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、インク吸収層側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。
【0115】
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って、通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
【0116】
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、空隙層やバック層を設けた後、低湿および高湿下でのカールを最適化するように選択されるが、通常、空隙層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が10〜30μmの範囲である。
【0117】
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下の特性を有していることが好ましい。
【0118】
1.引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で、縦方向が20〜300N、横方向が10〜200Nであることが好ましい
2.引き裂き強度:JIS−P−8116に規定される方法で、縦方向が0.1〜20N、横方向が2〜20Nが好ましい
3.圧縮弾性率≧98.1MPa
4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で、20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い
5.表面粗さ:JIS−B−0601に規定される表面粗さが、基準長さ2.5mm当たり、最大高さは10μm以下であることが好ましい
6.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したとき、80%以上、特に85〜98%が好ましい
7.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL、a、bが、L=80〜95、a=−3〜+5、b=−6〜+2であることが好ましい
8.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される60度鏡面光沢度が、10〜95%であることが好ましい
9.クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm/100である支持体が好ましい
10.中紙の含水率:中紙に対して、通常2〜100質量%、更には2〜6質量%であることが好ましい
また、本発明で用いることのできるプラスティック支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
【0119】
次に、本発明に係る記録用紙の製造方法について説明する。
インクジェット記録用紙の製造方法としては、インク吸収層を含む各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
【0120】
同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
【0121】
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
【0122】
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましい。
【0123】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0124】
《インクジェット記録媒体の作製》
下記の方法に従って、記録媒体1〜4を作製した。
【0125】
〔記録媒体1の作製〕
(支持体1の作製)
含水率が6%、坪量が200g/mの写真用原紙の裏面側に、押し出し塗布法により密度が0.92の低密度ポリエチレンを35μmの厚さで塗布した。次いで、表面側にアナターゼ型酸化チタンを5.5%含有する密度が0.92の低密度ポリエチレンを40μmの厚さで押し出し塗布法で塗布して両面をポリエチレンで被覆した支持体1を作製した。表側にコロナ放電を行いポリビニルアルコールからなる下引き層を0.03g/m、裏面にもコロナ放電を行った後ラテックス層を0.12g/mに成るように塗布した。
【0126】
(塗布液の調製)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000)   50質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)50質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G)    0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120)         0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、塗布液−1を調製した。
【0127】
(塗布)
前記作製した支持体1上に、上記インク吸収層の塗布液−1を、乾燥後の膜質量として8g/mとなるようにバーコート法で塗布し、約7℃に一度冷却した後、20〜65℃の風を吹き付けて乾燥し、膨潤型の記録媒体1を作製した。
【0128】
〔記録媒体2の作製〕
(各分散液の調製)
〈シリカ分散液−1の調製〉
一次粒子の平均粒径が約12nmの気相法シリカ(トクヤマ製:レオロシールQS−20)160kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpHを2.5に調整した480Lの純水(エタノール10Lを含有)中に室温で吸引分散した後、全量を600Lに純水で仕上げて、シリカ分散液−1を調製した。
【0129】
〈シリカ分散液−2の調製〉
カチオン性ポリマー(HP−1)を2.12kg、エタノールを2.2L、n−プロパノールを1.1L含有する水溶液(pH=2.3)15Lに、上記シリカ分散液−1の60.0Lを攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸320gとホウ砂190gを含有する水溶液8.0Lを添加し、サンノブコ株式会社消泡剤SN381を2g含有する水溶液200mlを添加した。
【0130】
この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で85Lに仕上げて、シリカ分散液−2を調製した。
【0131】
【化6】
Figure 2004009405
【0132】
(塗布液の調製)
〈塗布液−2の調製〉
650mlの上記シリカ分散液−2を40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合して、塗布液−2を調製した。
【0133】
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の
10%水溶液                          6ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の
5%水溶液                         260ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の
5%水溶液                          95ml
界面活性剤(S−1)30%溶液                4ml
アニオン性蛍光増白剤(チバスペシャリティーケミカルズ製;UVITEX
NFW LIQUID9)の10%液              10ml
純水で全量を1000mLに仕上げた。塗布液のpHは約4.5であった。
【0134】
【化7】
Figure 2004009405
【0135】
(塗布)
前記作製した支持体1に、上記塗布液−2を湿潤膜厚が140μmになるように塗布し、約7℃に一度冷却した後、20〜65℃の風を吹き付けて乾燥し、空隙型の記録媒体2を作製した。
【0136】
〔記録媒体3の作製〕
上記記録媒体2の作製において、塗布液−2に、酸化防止剤として化合物1(ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム)を、0.1g/mとなるように添加した以外は同様にして、記録媒体3を作製した。
【0137】
〔記録媒体4の作製〕
上記記録媒体2の作製において、塗布液−2に、酸化防止剤として化合物2(2,5−ジ−t−ペンチルハイドロキノンジオクチルエーテル)を、0.3g/mとなるように添加した以外は同様にして、記録媒体4を作製した。
【0138】
なお、化合物2は、酢酸エチルとジイソデシルフタレートとに溶解し、ゼラチン水溶液及び界面活性剤としてサポニンを加えて、超音波分散機により乳化を行って乳化液を調製し、これを塗布液に添加した。
【0139】
《染料インクの調製》
以下の方法に従って、染料インク1〜12を調製した。
【0140】
〔染料インク1の調製〕
C.I.Direct Blue 199           3質量%
ウレタン系ラテックス1(MFT=5℃ 平均粒径=110nm)2質量%
ジエチレングリコール                   25質量%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム          0.01質量%
水で全量を100質量%に仕上げて、染料インク1を調製した。
【0141】
〔染料インク2の調製〕
C.I.Direct Blue 199           3質量%
ウレタン系ラテックス2(MFT=5℃ 平均粒径=110nm 例示化合物UV−1−3を50質量%含有)                2質量%
ジエチレングリコール                   25質量%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム          0.01質量%
水で全量を100質量%に仕上げて、染料インク2を調製した。
【0142】
〔染料インク3の調製〕
C.I.Direct Blue 199           3質量%
ウレタン系ラテックス3(MFT=5℃ 平均粒径=110nm 例示化合物UV−1−6を40質量%含有)                2質量%
ジエチレングリコール                   25質量%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム          0.01質量%
水で全量を100質量%に仕上げて、染料インク3を調製した。
【0143】
〔染料インク4の調製〕
C.I.Direct Blue 199           3質量%
ウレタン系ラテックス4(MFT=5℃ 平均粒径=110nm 例示化合物UV−2−17を55質量%含有)               2質量%
ジエチレングリコール                   25質量%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム          0.01質量%
水で全量を100質量%に仕上げて、染料インク4を調製した。
【0144】
〔染料インク5〜12の調製〕
上記染料インク2の調製において、表1に記載のように、ラテックス2に代えて、MFT又は平均粒径の異なるラテックスを用い、またラテックスの添加量を変更した以外は同様にして、染料インク5〜12を調製した。
【0145】
《インクジェット画像形成》
プリンターとして、セイコーエプソン社製のMJ800Cを用い、プリンターに装備されているインクカートリッジに、上記調製した染料インク1〜12をそれぞれ装填し、表1に記載の各記録媒体との組み合わせにより、吐出量として10ml/mとなるようにベタの印字画像1〜15を出力した。
【0146】
《インクジェット画像の測定及び評価》
以上の様にして形成したシアン画像について、下記の方法に従って各測定及び評価を行った。
【0147】
(インク吸収性の評価)
上記印字した各ベタ印字画像表面を、印字直後(約10秒後)に紙で接触し、インクの紙への転写状況を目視観察し、下記に記載の基準に則りインク吸収性の評価を行った。
【0148】
5:紙にインクが全く転写されなかった
4:紙へのインク転写がわずかに認められた
3:紙へのインク転写がやや認められるが、実用上許容範囲にある
2:紙へのインク転写が明らかに認められ、実用上問題がある
1:紙に著しいインク転写が認められ、実用上問題がある
(酸化性ガス耐性の評価:褪色性)
上記方法で印字した各ベタ印字画像部を、オフィス室内の窓際に貼り、外気流が曝露されるが直射日光の当たらない環境に6ヶ月放置した。放置前後のプリント部の反射濃度を光学濃度計(X−Rite社製X−Rite938)の赤色単色光で測定し、下式に従い濃度残存率を求め、下記の基準に則り酸化性ガス耐性の評価を行った。
【0149】
濃度残存率=(6ヶ月放置後の濃度/放置前の濃度)×100(%)
5:濃度残存率が、95%以上である
4:濃度残存率が、85%以上、95%未満である
3:濃度残存率が、75%以上、85%未満である
2:濃度残存率が、65%以上、75%未満である
1:濃度残存率が、65%未満である
(耐光性の評価)
各画像の耐光性は、シアンベタ画像を、キセノン・フェードメーターを用いて、70000Lxで、240時間照射した後、反射濃度残存率{(キセノン・フェードメーター照射後の反射濃度/キセノン・フェードメーター照射前の反射濃度)×100(%)}を測定し、下記の基準に則り評価を行った。
【0150】
5:反射濃度残存率が95%以上
4:反射濃度残存率が90〜95%未満
3:反射濃度残存率が85〜90%未満
2:反射濃度残存率が80〜85%未満
1:反射濃度残存率が80%未満
(印字後の造膜性)
上記方法で印字した画像表面を目視観察し、下記の基準に則り造膜性の評価を行った。
【0151】
◎:印字部で、均一なガス遮断層が形成されている
○:印字部で、ほぼ良好なガス遮断層が形成されている
△:印字部の一部で造膜されていないが、実用上は許容のレベル
×:印字部で、ほとんど造膜が認められない。
【0152】
以上により得られた結果を、表1に示す。
【0153】
【表1】
Figure 2004009405
【0154】
表1より明らかなように、本発明の構成である紫外線吸収能を有するラテックスを含有する染料インクを用いて、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有する記録媒体上に印字、形成した画像は、比較例に対し、インク吸収性が良好で、酸化性ガス耐性及び耐光性に優れていることが判る。更に、上記効果は、ラテックスのMFT(最低造膜温度)が、0〜40℃であること、ラテックスの平均粒径が、150nm以下であること、ラテックスの含有率が、染料インクの全質量に対し1.0〜10質量%であること、あるいは記録媒体に褪色防止剤を含有することにより、一層発揮されていることを確認することができた。
【0155】
【発明の効果】
本発明により、インク吸収性に優れ、かつ有害ガス耐性(酸化性ガス耐性)及び耐光性が良好なインクジェット記録方法を提供することができた。

Claims (13)

  1. インクジェット記録媒体に、染料インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録方法において、該染料インクが、紫外線吸収能を有するラテックスを含有し、かつ該インクジェット記録媒体が、少なくとも1層の空隙構造を有するインク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記紫外線吸収能を有するラテックスが、ベンゾトリアゾール部分構造又はベンゾフェノン部分構造を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記ベンゾトリアゾール部分構造が、下記一般式〔1〕で表されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 2004009405
    〔式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。〕
  4. 前記ベンゾフェノン部分構造が、下記一般式〔2〕で表されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 2004009405
    〔式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又は−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。〕
  5. 前記紫外線吸収能を有するラテックスのMFT(最低造膜温度)が、0〜40℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記紫外線吸収能を有するラテックスの平均粒径が、150nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記紫外線吸収能を有するラテックスの含有率が、染料インクの全質量に対し1.0〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記染料インクが、褪色防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記インクジェット記録媒体の支持体が、非吸収性支持体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、シリカ微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、カチオン性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記空隙構造を有するインク吸収層の少なくとも1層が、褪色防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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