JP2004002605A - ナノ複合透明樹脂組成物およびその製造方法ならびにこれを用いた成形体および部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表層にフェニル基を有するシリカ組成物及び分子内にフェニル基を有する高分子材料より成るナノ複合透明樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機ガラス等の代替に好適な透明樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、シラノール基の一部にフェニル基が結合した改質シリカ組成物を配合することにより、透明樹脂の光線透過性を悪化させることなく、部材の剛性向上ならびに熱膨張の低減が図れる表面改質シリカ組成物が配合されたナノ複合透明樹脂組成物およびその製造方法ならびにこれを用いた成形体および部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機ガラスやプラスチックレンズ等の光学用途に利用し得る透明樹脂としては、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂等がある。有機ガラスは、無機ガラスに比べ耐衝撃性、軽量性、成形性に優れる特徴を有し、特にメタクリル系樹脂は、光線透過率が高く、光散乱性が小さく透明性に優れ、耐候性にも優れるためにその用途や使用量も増加している。
【0003】
このような透明樹脂材料の欠点を克服するための材料の改質手法としては、シラン系材料のハードコートやシリカのスパッタリングなどの表面処理がある。しかしながら、これらの方法は、大型部材への適用が困難である、あるいは熱膨張差による界面剥離の不具合が発生する等から必ずしも推奨される手法とはいえない。また、別の手法としては、透明樹脂に補強材としてガラス繊維を加える改質方法があるが、この方法により得られる樹脂材料は、ガラスの繊維径が10μm、かつ長さが200μm近くあるため可視光線が透過せず視認性の確保が困難であり、この方法は透明樹脂部材には好適ではない。
【0004】
近年このような背景から、可視光線の波長(380〜770nm)よりもはるかに小さい数10nmオーダの粒径(直径)を有する無機系微粒子材料を透明樹脂に配合する有機/無機ナノコンポジット材料の研究開発が活発となり、各種の手法が提案されてきた。例えば、特開平11−343349号公報には、樹脂製ウィンドウの強度または剛性及び透明性を確保することを目的として、可視光線波長(380nm)以下の直径を有するシリカ微粒子を透明な非結晶の有機高分子に分散・混合した透明樹脂組成物からなる樹脂製ウィンドウが開示されている。該組成物は、透明な非結晶の有機高分子を生成する過程で溶剤に分散させたシリカ微粒子を添加して反応系を混合し、次いで凝固剤溶剤で沈降させることでシリカ微粒子と有機高分子との透明樹脂組成物を得るものであり、高分子生成のための重合反応としては懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合のいずれであってもよく、透明な非結晶の有機高分子を生成するモノマーとしては、メタクリル酸メチル等が開示されている。しかしながら、上記公報で記載される樹脂製ウィンドウは、単層構造を有するため、外部からの衝撃に対する耐衝撃性が不足し、また、熱による歪みでそり等の不具合が発生するという問題がある。
【0005】
また、ゾル−ゲル法により有機ポリマーとシリカゲルが分子分散した有機−無機ポリマーハイブリッドの合成が開示される(中條善樹著、季刊化学総説、No.42、75〜82頁、無機有機ナノ複合物質、日本化学会(1999))。この合成方法は、フェニル基間のスタッキング、すなわち、π−π電子相互作用を利用するものであり、例えば、有機ポリマーとしてポリスチレンを使用し、ゾル−ゲル反応の出発原料としてフェニルトリメトキシシランを使用すると、ポリスチレンと無機マトリックスとしてのフェニル置換シリカゲル(フェニルトリメトキシシラン)との間でπ−π電子相互作用が起こり、その結果として、均一透明なポリマーハイブリッドが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報や文献で開示される樹脂組成物は、剛性や熱膨張係数といった機械的特性について満足できるレベルに至っていない。
【0007】
すなわち、従来の有機ガラスや複合材料を用いると、無機ガラスに比べ剛性が低いため、例えば車両のフロントウィンドウ等の大型かつある程度の剛性が要求される部位に適用する場合には該部材の厚みを増す必要があり、軽量化に反する結果となる。一方、強度を増加するためにガラス繊維等の充填材を添加すると透明性が低下し、視界の確保が困難となる。
【0008】
また、これらの有機樹脂材料を製品に適用する場合、いわゆる有機ガラスは無機材料に比べ軽量でかつ成形の自由度が大きいという利点はあるが、弾性率が小さいため剛性が低く、高温時に成形時の残留応力が戻りソリが発生し、外観品質が低下したり、硬度が低いために表面が傷つき易いという問題がある。このため、例えば透明な樹脂材料は、自動車のヘッドランプやサンルーフなど、比較的低剛性でかつ表面処理のしやすい小物部品には採用されているが、例えば、自動車の窓ガラスのような大型の部品に適用しようとする場合には、低い強度・剛性のため厚みを増す必要があるが、そのような対応では形状の自由度は確保できるものの樹脂化の大きな狙いである軽量化の効果が薄れてしまう。したがって、自動車外装のかなりの面積を占める窓ガラスに適用できる機能を満たす透明樹脂材料の開発が希求されている。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特に透明性に優れ、剛性の向上を実現し得る透明樹脂組成物およびその製造方法の提供を課題とする。
【0010】
また、特に、有機樹脂材料は、無機材料に比べて剛性が小さいため、例えば自動車の窓ガラス、ドアー、車体外板部等の大型部品に適用すると厚みを増す必要があるが、これでは形状の自由度は確保できるが樹脂化の大きな狙いである軽量化の効果が薄れる。このため、本発明は、樹脂材料の厚さを増加せず剛性を向上させ軽量化を達成できる弾性率に優れる透明樹脂組成物およびその製造方法の提供を課題とする。
【0011】
さらに、有機樹脂材料は、無機材料に比べて熱膨脹率が大きいため、例えば自動車の窓ガラスのような大型の部品に適用しようとする場合には、窓枠の鋼材との熱ひずみによりガラスそのものが割れたりする問題が発生する。このため、本発明は、樹脂材料の熱膨張率を低減できる透明樹脂組成物およびその製造方法の提供を課題とする。
【0012】
加えて、従来の弾性率の向上と熱膨張率の低減を同時に達成させる手段の一つとしての無機充填材を配合する方法では、部材の弾性率の向上ならびに熱膨張率の低減は図れるものの、透過光線の反射・散乱や吸収が増大して部材の透明性がという問題が発生する。このため、本発明は、透明性を保ちながら透明樹脂部材の弾性率を向上させ、かつ熱膨張率を低減させ得る改質シリカ組成物が配合された透明樹脂組成物およびその製造方法の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、下記の手段によって達成される。すなわち、表層にフェニル基を有するシリカ組成物(本明細書中では、単に「シリカ組成物」とも称する)及び分子内にフェニル基を有する高分子材料(本明細書中では、単に「高分子材料」とも称する)より成るナノ複合透明樹脂組成物である。
【0014】
【発明の効果】
本発明者等は、これらの問題点に鑑み鋭意検討した結果、母材樹脂と無機充填材にフェニル基を導入することにより、両成分間にπ−π結合の相互作用が生じさせて、無機充填材が母材樹脂に微細に分散し、高い透明性を維持したままで弾性率の向上及び熱膨張率の低減が同時に図れる新たな手段を見出し、本発明に至った。以下、本発明の効果を請求項ごとに記載する。
【0015】
請求項1は、シリカ組成物の樹脂への均一かつ微細な分散が可能であり、このような配合によって樹脂に透明性を付与し、透明樹脂組成物の弾性率を向上すると同時に当該組成物の熱膨張性を低減し得る。また、表層にシラノール基及びフェニル基を有するシリカ組成物を用いることにより、モンモリロナイト等の粘土質の無機充填材とは異なり着色を防止することができ、かつ透明性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
【0016】
請求項2は、透明性に優れた高分子材料であることにより、特に優れた透明性が確保できる。
【0017】
請求項3は、特定の高分子材料を選択することにより、特に透明性に優れる。
【0018】
請求項4は、特定の高分子材料を選択することにより、特に透明性に優れる。
【0019】
請求項5は、シリカ組成物の粒径を可視光線の波長以下とすることにより、可視光の透過を妨げることがなく、ゆえに母材樹脂中に微細に分散することによって、透明性を保ちながら透明樹脂部材の弾性率向上と熱膨張率低減を達成することができる。
【0020】
請求項6は、シリカ組成物の平均一次粒子径を低減することで透明性の確保に優れる。
【0021】
請求項7は、シリカ組成物の配合量を特定範囲に制限することで、剛性、耐衝撃性を確保することができる。
【0022】
請求項8に記載の方法によれば、特定のシリコーン系化合物を表面の改質に使用することによって、樹脂に均一にかつ微細に分散できるシリカ組成物を簡便に製造することができる。また、シリカの表層のシラノール基はフェニル基を有するシリコーン系化合物と容易に反応するため、目的に応じて容易にシリカの表面改質を行なうことができる。
【0023】
請求項9は、シリカ中のシラノール基との反応性に優れた特定の官能基を選択することにより、表面の改質を再現性良くかつ迅速に行なうことができる。
【0024】
請求項10に記載の方法によれば、特定のシリカ組成物が高分子溶液中に均一に分散した透明性、剛性に優れる透明樹脂組成物を簡便に製造することができる。
【0025】
請求項11の方法によれば、特定のシリカ組成物が高分子溶液中に均一に分散した透明性、剛性に優れる透明樹脂組成物を簡便に製造することができる。
【0026】
請求項12〜30及び34〜41は、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を用いた各種用途に関するものであり、透明性、剛性、高温時にソリなどが抑制された上記ナノ複合透明樹脂組成物を使用することで、大型かつ剛性および耐衝撃性に対する要求性の強い車両用途に有効に使用でき、特に視野の確保に強い要求性のある樹脂製ウィンドウ等の諸用途としても有効に使用できる。すなわち、本発明のナノ複合透明樹脂組成物による強度が高く、熱膨張率が低くかつ樹脂モノマーや母材樹脂モノマーの種類によっては透明性が高いという特性をいかして、軽量化と成形の自由度が要求される無機ガラス代替用途としての樹脂ウィンドウ(特に、熱線付き樹脂製ウィンドウ);自動車の内外装部品成形体及び車両用外板;樹脂製ワイパーシステム;樹脂製ドアミラーステイ;樹脂製ピラー;樹脂成形体;樹脂製ミラー;樹脂製ランプリフレクター;樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース;樹脂製冷却装置部品;大気と連通した中空構造および/または密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体;ひとつの部品に二種類以上の機能が付与される一体成形部品;可動部と非可動部を有する成形体;ならびに炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器など、透明性、剛性、高温時にソリなどが抑制された上記樹脂組成物を使用することで、大型かつ剛性および耐衝撃性に対する要求性の強い車両用途に有効に使用できる。
【0027】
請求項31は、請求項1〜7のいずれかに記載のナノ複合透明樹脂組成物からなる樹脂シートを金型に挿入し、該挿入積層体間に加圧流体を注入して中空構造を形成することを特徴とする、樹脂一体成形体の製造方法であり、不要の工程を増加させることなく自動車用樹脂一体成形体を製造できる。
【0028】
請求項32は、請求項1〜7のいずれかに記載のナノ複合透明樹脂組成物を金型に充填し、溶融樹脂内に加圧流体を注入して中空構造を形成することを特徴とする、樹脂一体成形体の製造方法であり、不要の工程を増加させることなく自動車用樹脂一体成形体を製造できる。
【0029】
請求項33は、請求項1〜7のいずれかに記載のナノ複合透明樹脂組成物からなる樹脂シートを金型に挿入し、シートに溶融樹脂を金型に充填し、溶融樹脂内に加圧流体を注入して中空構造を形成することを特徴とする、樹脂一体成形体の製造方法であり、不要の工程を増加させることなく自動車用樹脂一体成形体を製造できる。
【0030】
本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、母材樹脂に配合する無機成分としてのシリカの親和性向上に着目して開発検討してきたものである。その結果、透明性を損なわずに強度向上と熱膨張率の低減を図れる手法を見出した。この材料を自動車や家電あるいは住宅等の工業用途に用いれば、部材の軽量化と造型の自由度の拡大を図ることができる。例えば、既述の自動車のウィンドウで使用すれば、無機ガラスと代替でき、車両の軽量化と新規デザインの創出に大いに貢献できる。さらに、車両用途において軽量化が達成できると同時に、省燃費とCO2排出低減から地球環境の保全にも寄与することになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、表層にフェニル基を有するシリカ組成物及び分子内にフェニル基を有する高分子材料より成るナノ複合透明樹脂組成物である。
【0032】
本発明において、母材の透明樹脂として使用される分子内にフェニル基を有する高分子材料は、フェニル基を有しかつ透明であれば特に制限されず、公知の高分子材料が使用できるが、透明性高分子材料であることが好ましい。なお、本明細書における透明性高分子材料とは、全光線透過率が75%以上の高分子材料をいう。このような高分子材料としては、具体的には、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系高分子材料、例えば、スチレンを含む共重合型のメタクリル酸メチル系透明高分子材料、アクリル酸フェニルまたはメタクリル酸フェニルの少なくとも一種を含む共重合型のメタクリル酸メチル系高分子材料;ポリカーボネート系高分子材料、ポリスチレン系高分子材料、及びポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル系高分子材料などが挙げられる。この際、スチレンを含む共重合型のメタクリル酸メチル系透明高分子材料は、メタクリル酸メチル系共重合体においてフェニル基を有するモノマー成分としてスチレンまたはその誘導体を含むものを意味し、例えば、メタクリル酸メチル/スチレン、メタクリル酸メチル/オルソメチルスチレン、メタクリル酸メチル/メタメチルスチレン、メタクリル酸メチル/パラメチルスチレン及びメタクリル酸メチル/α−メチルスチレン等の共重合体などが挙げられる。また、アクリル酸フェニルまたはメタクリル酸フェニルを少なくとも一種を含む共重合型のメタクリル酸メチル系高分子材料は、メタクリル酸メチル系共重合体においてフェニル基を有するモノマー成分としてアクリル酸フェニルおよびメタクリル酸フェニルを含むものを意味し、例えば、メタクリル酸メチル/アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニル等の共重合体などが挙げられる。アクリル酸フェニルまたはメタクリル酸フェニルを少なくとも一種を含む共重合型のメタクリル酸メチル系高分子材料では、カルボキシル基の先端にフェニル基が存在するため、立体障害を受けにくく、従ってπ−π結合の相互作用が良好に発揮されるため、本発明において望ましく使用される。なお、この際、アクリル酸フェニル若しくはメタクリル酸フェニルの一方が、またはアクリル酸フェニル及びメタクリル酸フェニル双方が、メタクリル酸メチル系共重合体に組み込まれる。また、これらのうち、より透明性の高い高分子材料との観点からは、アクリル酸フェニルまたはメタクリル酸フェニルを少なくとも一種を含む共重合型のメタクリル酸メチル系高分子材料、及びスチレンを含む共重合型のメタクリル酸メチル系透明高分子材料が好ましい。加えて、自動車窓ガラスなど屋外での使用頻度の高い部材の場合には、耐候性の良いメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニル及びメタクリル酸メチル/スチレン等の共重合体が特に好ましく使用される。
【0033】
本発明において、表層にフェニル基を有するシリカ組成物は、表層(表面)にフェニル基を有するものであれば特に制限されず、その製造方法もまた公知の方法が使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、シラノール基(−Si−OH)を有するシリカ(好ましくは、微粒子シリカ)を表面改質剤で処理して、シリカのシラノール基がフェニル基による疎水化処理を受けることによって得られる。このような疎水化処理によって、高分子材料(母材樹脂)との親和性が向上する。特に、シリカ組成物の表層のフェニル基と高分子材料側にあるフェニル基との間でπ−π電子相互作用が起こり、前述のようにこの相互作用により、本発明の透明樹脂組成物は、透明性を損なわずに弾性率向上と熱膨張率低減を達成することができる。
【0034】
ここで、シリカをジフェニルジクロロシランで表面改質した本発明に係わる表層にフェニル基を有するシリカ組成物の構造の一例を下記式に示す。下記式において、微粒子シリカの構造は模式的に下記左式に示され、これをジフェニルジクロロシランで表面が改質されたシリカ組成物を模式的に下記式に示す。
【0035】
【化1】
【0036】
上記方法において使用できる表面改質剤としては、特に制限されず、公知の表面改質剤が使用できるが、フェニル基およびシラノール基と反応性のある官能基を有するシリコーン系化合物であることが好ましい。具体的には、シラン系、シラザン系、シロキサン系など種々のシリコーン系化合物などが挙げられる。なお、この際使用できる表面改質剤の特に好ましい例示は、下記本発明の第二で記載されるフェニル基およびシラノール基と反応性のある官能基を有するシリコーン系化合物のものと同様である。
【0037】
また、上記方法において使用できるシリカとしては、シラノール基(−Si−OH)を有する無機シリカであれば特に制限無く使用できる。シラノール基の末端の水素原子は、活性なプロトン性の性質をもちアルカリ成分とよく反応し、かつ酸素原子、窒素原子及びフッ素原子等の電気陰性度の大きい原子を含む官能基との間に水素結合を形成する性質がある。このため、シリカ組成物を樹脂母材としての高分子材料に混合すると、高分子材料中にしっかりと混合される。シリカとしては、一般に市販されている四塩化珪素(SiCl4)の高温加熱分解品や珪酸ソーダ((SiO2)n・Na2O)の加水分解により得られるもの等を原料とすることができる。前者は微粉末状で、後者は水分散型あるいは有機溶媒分散型のコロイド状で販売されているが、本発明では双方の微粒子シリカをシリカ組成物の原料として用いることができる。なお、後者のコロイダルシリカでは、近年、球状シリカが4〜5個連結した、長さが40〜50nmの鎖状シリカが販売され(例えば、日産化学工業(株)製のスノーテックST−UPなど)、本発明では、このような鎖状シリカも、従来の球状シリカと同様にしてシリカ組成物の原料として用いることができる。
【0038】
さらに、本発明において、シリカは、その形状は、特に制限されるものはなく、上述したように、球状であっても鎖状であってもよい。また、シリカは、平均一次粒子径が380nm以下であること、より好ましくは5〜50nmであることが好ましい。これを高分子材料に配合した場合に、透明性を保ちながら透明樹脂部材の弾性率向上と熱膨張率低減を達成することができるためである。
【0039】
上述したようにして表層にフェニル基を有するように改質された本発明によるシリカ組成物の形状については特に限定されず、一般的な粒子状や略球状だけでなく、鎖状、直方体や板状、繊維のような直線形状、枝分かれした分岐形状等も用いることができるが、好ましくは粒子状や鎖状である。また、本発明によるシリカ組成物の粒径もまた、シリカ組成物が高分子材料中に均一に分散できるような粒径であれば特に限定されないが、高強度・低熱膨張率でかつ透明性の高いナノ複合透明樹脂組成物を得ることを考慮すると、出来るだけ粒径の小さいシリカを用いるのが望ましい。より望ましくは、可視光線波長である380nm以下、特に望ましくは5〜50nmの平均一次粒子径を有するシリカが使用できる。平均一次粒子径を380nm以下とすることでこれを配合した樹脂組成物の透明性を担保できる。なお、平均一次粒子径が5〜50nmのものは、透明性の確保の点で優れる。なお、本明細書において、「平均一次粒子径」とは、シリカ組成物の直線距離で最も長い部分の長さの平均値をいう。
【0040】
本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、表層にフェニル基を有するシリカ組成物及び分子内にフェニル基を有する高分子材料からなるものであるが、この際のシリカ組成物の配合量は、シリカ組成物が高分子材料中に均一に配合できるような量であれば特に制限されるものではないが、シリカ組成物を、分子内にフェニル基を有する高分子材料100質量部に対して、1〜80質量部、配合することが好ましい。シリカ組成物の配合量を特定範囲に制限することで、剛性、耐衝撃性を確保し、かつ透明性を付与することができるからである。該シリカ組成物の配合量が増すにつれてナノ複合透明樹脂組成物の強度は増しかつ熱膨張率も低下するが、配合量が80質量部を超えても更なる特性向上は少なく、逆に透明性が低下し、また比重が高くなって部材の質量が増える場合がある。一方、配合量が1質量部を下回ると、熱膨張率の低減効果が低く、ナノ複合透明樹脂組成物の強度向上や熱膨張率低減の機能に劣る場合があるからである。なお、ナノ複合透明樹脂組成物の強度向上は、シリカ組成物の配合量が3質量部以上になると認められ、40質量部以下であると所定の機能の全てを確保でき、かつ重量増加を最小限に押さえることができる。これらより、シリカ組成物の配合量は、分子内にフェニル基を有する高分子材料100質量部に対して、3〜40質量部とすることがより好ましい。
【0041】
本発明による表層にフェニル基を有するシリカ組成物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、フェニル基およびシラノール基と反応性のある官能基を有するシリコーン系化合物を表面改質剤として用いてシリカを改質することによって調製できる。すなわち、本発明の第二は、シリカをフェニル基およびシラノール基と反応性のある官能基を有するシリコーン系化合物で表面改質することを特徴とする、シリカ組成物の製造方法である。
【0042】
本発明による表面改質で表面改質剤として使用されるシリコーン系化合物は、フェニル基およびシラノール基と反応性のある官能基を有する有機ケイ素化合物であれば特に制限されず、シラン系、シラザン系、シロキサン系など種々のシリコーン系化合物などが挙げられる。これらのうち、特にクロル基(塩素原子)、メトキシ基、エトキシ基及びアミノ基をシラノール基と反応性のある官能基として有する化合物が好ましい。これらの官能基がシリカのシラノール基(−Si−OH)と反応しやすく、目的に応じた改質を再現性良く、速やかに行なうことができるからである。この際、シリコーン系化合物は、上記官能基を単独で有していてもあるいは2種以上の官能基を同時に有するものであってもよい。
【0043】
以下、本発明で好ましく使用されるシリコーン系化合物の例を、クロル基、メトキシ基、エトキシ基及びアミノ基を有するものごとに、記載する。
【0044】
まず、クロル基を有するシリコーン系化合物の例としては、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ビス[2−(クロロジメチルシリル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス(クロロジメチルシリルプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチルジメチルシロキ)ベンゼン、ブロモフェニルトリクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、クロロメチルジメチルフェニルシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリn−プロポキシシラン、クロロフェニルメチルジクロロシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、p−クロロフェニルトリメチルシラン、クロロプロピルジフェニルメチルシラン、3−クロロプロピルフェニルジクロロシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリクロロシラン、3−シアノプロピルフェニルジクロロシラン、ジベンジロキシジクロロシラン、1,3−ジクロロ−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、ジクロロフェニルトリクロロシラン、1,3−ジクロロテトラフェニルジシロキサン、ジメシチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジ(p−トリル)ジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン、2−メチル−2−フェニルエチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フェノキシトリクロロシラン、m−フェノキシフェニルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、フェニルビス(ジメチルアミノ)クロロシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシランなどが挙げられる。
【0045】
また、メトキシ基を有するシリコーン系化合物の例としては、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、ベンゾイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ベンジルオキシトリメチルシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、ジメシチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0046】
さらに、エトキシ基を有するシリコーン系化合物の例としては、ベンジルトリエトキシシラン、ビス−(N−メチルベンズアミド)エトキシメチルシラン、t−ブチルジフェニルエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン、ジフェニルホスフィノエチルジメチルエトキシシラン、2−(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシランなどが挙げられる。
【0047】
さらに、アミノ基を有するシリコーン系化合物の例としては、2−アミノエチルアミノメチルベンジルオキシジメチルシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、ビス(p−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、フェネチルジメチル(ジメチルアミノ)シランなどが挙げられる。
【0048】
このようなシリコーン系化合物は、含まれるフェニル基が疎水性を示すため、これによって改質されたシリカ組成物は高分子材料との相溶性に優れ、特にメタクリル酸メチル系高分子材料等との親和性を向上させることができる。高分子材料との親和性の向上によりシリカを母材樹脂としての高分子材料中に均一に分散させることができる。
【0049】
また、本発明の方法によりシリカをシリコーン系化合物で改質するには、シクロヘキサン等の溶媒中にシリカの粉末を分散し、ついで改質剤であるシリコーン系化合物を添加し、還流処理をする、いわゆる液相法によって行なうことができる。反応終了後、生成物をシクロヘキサンで洗浄する。この際、微粒子シリカを分散させる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のパラフィン系炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン、シクロへキサン等のシクロパラフィン系炭化水素;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系炭化水素;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。シリカは、上記溶媒中に10〜45質量%の濃度に調整する。改質条件は、特に制限されず、シリコーン系化合物の種類や濃度等によって異なるが、シリカの疎水化率が15〜50%、より好ましくは25〜45%になるような条件であることが好ましい。本明細書において、「疎水化率」とは、シリカのシラノール基(−SiOH基)の水酸基(−OH基)が消失した割合、即ち、シリカのシラノール基に含まれる水素原子がフェニル基と置換した割合を、パーセント(%)で表わしたものである。例えば、好ましい改質温度は、40〜200℃であり、還流時間は0.5時間以上である。なお、クロル基を有するシリコーン系化合物で改質する場合には、発生する塩化水素を捕捉するために、改質反応には触媒を使用することもできる。このような触媒としてはピリジンがあり、その添加量は、塩素系改質剤100質量部に対して、0〜300質量部である。
【0050】
このような改質は、真空ラインの中でシリカの粉末を加熱して吸着水を除去した後、改質剤である上記シリコーン系化合物の蒸気を導入して200〜300℃で加熱する、いわゆる気相法によっても行なうことができる。改質条件は、特に制限されず、シリコーン系化合物の種類や濃度等によって異なるが、シリカの疎水化率が15〜50%、より好ましくは25〜45%になるような条件であることが好ましい。なお、改質前のシリカが水に分散したコロイド状である場合には、水との反応性を回避するために水を例えばメチルエチルケトン等の有機溶媒に置換する必要がある。このような脱水方法は特開平2000−44226号等で開示されている。
【0051】
本発明のナノ複合透明樹脂組成物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、高分子材料を有機溶媒に溶解し、この溶液中にシリカ組成物を添加、混合することで調製することができる。すなわち、本発明の第三は、本発明による分子内にフェニル基を有する高分子材料を有機溶媒に溶解した高分子材料溶液に、本発明によるシリカ組成物を添加、混合することを特徴とする、本発明のナノ複合透明樹脂組成物の製造方法である。
【0052】
本発明において、高分子材料を溶解するための有機溶媒は、使用される高分子材料の種類によって適宜選択される。例えば、メチルメタアクリレートなどを単量体主成分に含むメタクリル酸メチル系高分子材料の場合には、アセトン、アニリン、キシレン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、トルエン及びメチルエチルケトンなどの芳香族系やケトン系の有機溶媒を好ましく使用することができる。高分子材料溶液における高分子材料の濃度は、特に制限されないが、溶液の均一性や操作性の点から、10〜40質量%であることが好ましい。本発明では、高分子材料溶液とシリカ組成物を混合した後、溶媒を除去することで、本発明のナノ複合透明樹脂組成物を調製することができる。なお、凝固用の溶剤としては、エタノール、メタノール、ブタノールなどのアルコール類が挙げられ、その配合量は、高分子材料溶液100質量部に対して、10〜300質量部、より好ましくは50〜100質量部である。
【0053】
また、本発明において、シリカ組成物は、高分子材料溶液中に直接添加されてもあるいは溶媒に溶解された後溶液の形態で添加されてもよい。後者の場合、使用できる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のパラフィン系炭化水素類;シクロブタン、シクロペンタン、シクロへキサンなどのシクロパラフィン系炭化水素;メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼンなどの芳香族系炭化水素等が挙げられる。シリカ組成物の溶解液中の改質シリカ組成物の濃度としては特に制限はないが、混合の均一性や操作性の点から10〜45質量%であることが好ましい。
【0054】
または、本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、シリカ組成物を、高分子材料の重合過程、例えば、高分子材料の重量開始時または重合工程中に混合することによって調製できる。すなわち、本発明の第四は、本発明によるシリカ組成物を、本発明による分子内にフェニル基を有する高分子材料の重合過程で添加、混合することを特徴とする、本発明のナノ複合透明樹脂組成物の製造方法である。
【0055】
シリカ組成物は、高分子材料の重合過程で添加、混合されるが、添加時期は、特に制限されないが、シリカの分散性、従って物性や透明性を考慮すると、重合開始時あるいは重合工程中にシリカを添加することが好ましい。
【0056】
また、シリカ組成物および/または高分子材料は、そのまま使用されてもあるいは溶液の形態で使用されてもよい。後者の場合に使用される溶媒の種類や量は、それぞれ、本発明の第四においてシリカ組成物及び高分子材料について規定したのと同様である。この場合には、シリカ組成物を高分子材料の重合過程中に添加、混合した後、溶媒を除去することで、本発明のナノ複合透明樹脂組成物を調製することができる。なお、高分子材料の重合を有機溶媒のないバルク重合をする場合は有機溶剤の除去は不要となる。
【0057】
本発明のナノ複合透明樹脂組成物には、必要に応じて透明性を阻害しない程度に、様々な添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、エネルギー消剤、難燃剤、顔料、着色剤等を添加してもよい。
【0058】
本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、強度が高く、熱膨張率が低くかつ透明性が高いという特性を兼ね備えているため、これらの機能が要求される部材に好適であり、例えば、内装材では計器盤の透明カバーならびに外装材では窓ガラス(ウィンドウ)やヘッドランプ、サンルーフ及びコンビネーションランプカバー類などの、自動車や家電そして住宅に用いられる透明部材・備品に適している。特に、本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、軽量化と成形の自由度が要求される無機ガラス代替用途としての樹脂製ウィンドウ(特に、熱線付き樹脂製ウィンドウ);車両用内外装部品成形体及び車両用外板;樹脂製ワイパーシステム;樹脂製ドアミラーステイ;樹脂製ピラー;樹脂成形体;樹脂製ミラー;樹脂製ランプリフレクター;樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース;樹脂製冷却装置部品;大気と連通した中空構造および/または密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体;一の部品に異なる2種以上の機能が付与される一体成形部品;可動部と非可動部を有する成形体;ならびに炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器で、その効果を有効に発揮できる。
【0059】
すなわち、請求項12〜30及び34〜41は、本発明に係わるナノ複合透明樹脂組成物の用途に関するものである。
【0060】
以下、本発明に係わるナノ複合透明樹脂組成物の用途について詳述する。
【0061】
本発明の第五は、上記記載の本発明のナノ複合透明樹脂組成物を用いた車両用内外装部品成形体及び車両用外板である。
【0062】
本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性及び透明性にも優れるため、車両用の内外装部品成形体や車両用外板の用途に好適である。例えば、図1で示すような、ドアモール1、ドアミラーのフレーム枠2、ホイールキャップ3、スポイラー4、バンパー5、ウィンカーレンズ6、ピラーガーニッシュ7、リアフィニッシャー8、ヘッドランプカバー(図示せず)等の車両用外装部品成形体、図2a、図2bで示すような、フロントフェンダー21、ドアパネル22、ルーフパネル23、フードパネル24、トランクリッド25、バックドアパネル(図示せず)等の車両用外板が挙げられる。
【0063】
本発明の第六は、本発明のナノ複合透明樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする樹脂製ワイパーシステム、樹脂製ドアミラーステイ、樹脂製ピラーである。本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性、透明性にも優れるため、例えばワイパーシステム、ドアミラステーやピラー等のような視界の向上が要求される部品の用途に好適である。
【0064】
従来のワイパーシステムは、黒色塗装仕上げの鋼鉄と黒色のゴムで構成され、低速作動時に視界が妨げられるという課題があった。また、従来のドアミラステーは、外板と同色もしくは黒色塗装仕上げの樹脂製であり、右左折時の視界が妨げられるという課題があった。また、従来のピラーは鋼鉄製であり、フロントピラー、センターピラーは通常走行時や右左折時、リアピラーは後方移動時や後方確認時に視界が妨げられるという課題があった。これらの部品に透明な樹脂材料を使用できれば視界は向上するが、高い剛性や耐熱性、加熱時/成形時の寸法安定性も要求されることから、従来の透明樹脂材料では実現が難しかった。これに対して、本発明の高剛性、低熱膨張率及び低熱収縮率を兼ね備えるナノ複合透明樹脂組成物を上記したような透明材として用いることで、これらの課題が解決可能となり、透明な上記部品が得られることが判明した。また、これらの部品の透明化は視界向上だけでなく、意匠性の向上にも寄与できると期待される。
【0065】
本発明のワイパーシステムの一実施態様を、図3に模式的に示す。図3に示されるように、ワイパーシステム30は、ワイパーアーム31とワイパーブレード32から構成され、ワイパーアーム固定用ナット穴33を中心として半弧を描くように作動する。ワイパーブレード32は、一般に弾性を有する支持部分と軟らかいゴム部分とから構成され、本発明のワイパーシステムにおいては、ワイパーアーム、ワイパーブレード、ワイパーブレード支持部分の少なくとも1つに本発明の樹脂組成物を透明材として用いたものである。なお、本発明のワイパーシステムにおいては、該ゴム部分として耐久性が高く比較的透明性の高いシリコンゴム等を用いることが好ましい。また、ワイパーブレードの支持部分として、本発明の樹脂組成物に適量のアクリルゴム成分を加えた樹脂組成物を用いて調製してもよい。ワイパーブレードの支持部分に適度な弾性を与えることができるからである。このような樹脂組成物としては、例えば、本発明の樹脂組成物100質量部に対して、エチルアクリレートもしくはブチルアクリレートを主成分としたコポリマーのアクリルゴム(例えば日本ゼオン株式会社製Nipol AR31、AR32)を0.5〜30質量部添加したものが挙げられる。
【0066】
また、本発明において、ワイパーシステム、ドアミラーステー及びピラーは、本発明のナノ複合透明樹脂組成物のみを透明材として用いてもよいが、例えば、本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体として構成されることも可能である。このような多層積層体は、少なくとも本発明の樹脂組成物からなる層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層が本発明の樹脂組成物からなり、より好ましくは中間層にも該樹脂組成物層を設ける。このように多層積層体とすることで、本発明の樹脂組成物以外の他の付加機能をも付与することが可能となる。多層積層体を用いる場合の各層の厚さは、最終的な成形品の厚さと積層数から至適な厚さを選択することができる。このような多層積層体とする場合の他の樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートが挙げられる。また、本発明の樹脂組成物や上記多層積層体を用いたワイパーシステム、ドアミラーステイやピラーの製造方法や構成は特に限定されず、それぞれ単独の部品としてもよいし、ドアミラーステイやピラーとして使用できるのであれば、例えば後記する一体成形体の製造方法等によって、ドアミラーステーとフロントピラーや各ピラーと樹脂ルーフパネルとの一体成形体とすることもできる。
【0067】
本発明の第七は、透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする樹脂成形体である。本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性、透明性にも優れるため、透明部と不透明部とを有し、これらを一体に成形した樹脂成形体の用途にも好適に使用できる。このような樹脂成形体を、自動車部品を例に説明する。
【0068】
自動車には、各種ランプ類やカバー、ガラス等の透明な部品と、外板や各種内装部品のような不透明な部品が混在している。これらの部品にはそれぞれ透明性、剛性、耐熱性、低線膨張率、低成形収縮率、耐薬品性等、異なる様々な特性が要求されるため、従来の樹脂材料ではこれら透明な部品と不透明な部品との一体化は難しかった。しかしながら、本発明の樹脂組成物は、射出成形、真空圧空成形などによって容易に成形できるため、本発明の樹脂組成物を透明材として使用して、高剛性、高耐熱性、低線膨張率、低成形収縮率、高耐薬品性を確保しつつ、透明な部分と不透明な部分とを一体成形させ、部品点数及び工程数の削減、部品重量を低下させることができる。また、透明部と不透明部の一体形成により、従来分割されていた外形線が一つの連続するラインで形成できるため、部品外観の向上が図れる。より具体的には、透明性を必要とするヘッドランプはその周囲に存在するバンパ、フロントグリル、フェンダ、フードといった不透明の別の部品と接している。これらを一体成形すると部品点数の削減が可能となり、一体化された部品を組み付ければよいため、組み立て時の工程数も削減できる。特に、本発明の樹脂組成物は耐熱性に優れるため、ランプの熱源が近くて樹脂が溶融するなどの問題もない。従来のヘッドランプはポリカーボネート樹脂製でできているため耐光性が低く、太陽光に暴露されると黄変するため表層コーティングが必要であった。しかしながら、本発明の樹脂組成物を用いるとこのような問題も解決される。
【0069】
このような樹脂成形体の製造方法としては特に制限させるものではない。例えば、透明性が必要とされる部品として自動車用ガラスがあり、ドアに付属するサイドガラス、バックドアガラス、リアフェンダーとルーフに接着してあるリアクウォーターガラス、リアガラス等と称呼されている。本発明の樹脂組成物を用いることにより、これらとガラスとの一体成形部品を得ることができる。例えば、サイドガラスやバックドアガラスは、ドアアウターとドアインナーとの間にガラスが配置される構造である。予めドアアウターとドアインナーとを用いて内部に中空部を形成させ、該中空部に本発明の樹脂組成物を流し込むことで、ドアアウター・ドアインナー・ガラスを一体に成形することができる。同様にして、ピラーガーニッシュとリアクウォーターガラスとを一体化することもできる。本発明の樹脂成形体を図4で示すが、上記ピラーガーニッシュとリアクウォーターガラスとを一体化した樹脂成形体に限らず、ランプ・フード・フェンダー一体樹脂成形体41、ピラーガーニッシュ・ガラス一体樹脂成形体42、ルーフ・フェンダ・ガラス一体樹脂成形体43、バックドア・ガラス一体樹脂成形体44、ドア・ガラス一体樹脂成形体45等がある。なお、ドアロックやワイパーモーター等は後工程で部品の中空部に設置すればよい。
【0070】
また、例えば、自動車用内装材としてインストルメントパネルがあるが、従来から、計器類、その透明なカバー、クラスターリッドは別部品で作られている。しかしながら、本発明の樹脂組成物を用いることにより、透明樹脂部と不透明樹脂部が一体で成形できるため、予めインストルメントパネル51と計器類のカバー52を一体的に成形しておき、インストルメントパネルに数種の部品を集約することで、部品点数削減しかつ軽量化を図ることができる。このようなインストルメントパネルと計器類のカバーとの一体化の例を、図5に模式的に示す。
【0071】
また、本発明の樹脂組成物を使用して、樹脂成形体の一部が透明部であり他の部分が不透明である、高強度・高剛性を保持した部材とすることもできる。例えば、ルーフの一部に本発明の樹脂組成物を用いると該部分を透明にすることができ、ガラス製サンルーフを設けなくとも透明なルーフとすることができる。なお、上記樹脂成形体において、不透明部は着色していてもよい。
【0072】
本発明における透明部と不透明部とを有する樹脂成形体において、着色した不透明部の樹脂成形体を得るには、着色した原料樹脂を用いる方法、不透明部に塗装または印刷して着色する方法、または不透明樹脂として着色シートを使用する方法等がある。
【0073】
着色した原料樹脂の調製方法としては、原料樹脂に予め顔料を分散させておく方法の他、原料樹脂ペレットと顔料ペレットを同時に溶融・混練させ、射出成形機を用いて金型内に射出して着色樹脂を得る方法がある。該着色樹脂を用いて本発明の樹脂成形体を製造するには、続いて金型を開き、または溶融樹脂通過経路を新たに作り、別のシリンダを用いて金型の空隙部に透明溶融樹脂を射出すればよい。これによって透明部と着色した不透明部とを有する樹脂成形体を製造することができる。なお、不透明樹脂を先に射出するか透明樹脂を先に射出するかはどちらでも良い。
【0074】
塗装または印刷により着色した不透明部を形成するには、予め透明樹脂を溶融して目的の樹脂成形体を形成し、その後該樹脂成形体の表面または裏面から塗装または印刷を施して着色および不透明性を確保する方法である。溶融樹脂の賦形前に塗装または印刷を施し、その後に賦形することもできる。
【0075】
不透明樹脂として着色シートを使用する場合には、予め着色された不透明シートを予備賦形しておき金型内に配置し、続いて溶融透明樹脂を金型内に注入し、樹脂を冷却固化させ、その後に金型より取り出せば、本発明の樹脂成形体を得ることができる。
【0076】
また、上記方法によれば、例えばルーフ・フェンダ・ガラス一体樹脂成形体として、ガラス部が透明部であり、ルーフとフェンダとが不透明である樹脂成形体に限られず、ガラスの上部とルーフの一部が透明部であり、フェンダとガラスおよびルーフの残部が不透明の樹脂成形体とすることもできる。
【0077】
更に、本発明の透明部と不透明部とが一体成形された樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物と顔料とによって構成できるが、本発明の樹脂組成物と他の樹脂とを積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも該樹脂組成物層を設けることができる。このように多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。なお、多層を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さは、樹脂成形体の用途に応じて適宜選択することができる。
【0078】
本発明の第八は、本発明の樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする樹脂製ウィンドウ、特に好ましくは熱線付き樹脂製ウィンドウ、樹脂製ミラー、樹脂製ランプリフレクター、樹脂製エンジンルーム内カバーおよびケース、樹脂製冷却装置部品である。
【0079】
本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性、透明性にも優れるため、例えば樹脂製ウィンドウや樹脂製ミラー、ランプリフレクター、エンジンルーム内カバーおよびケース等の部品の用途に好適であり、部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。更に本発明の樹脂組成物を透明材として用いることで、透明性が要求される部品の材料代替が可能になり、防曇性や視界の向上が図られる。例えば、図6に示すリアウィンドウ63、ドアウィンドウ(サイドウィンドウ)62、フロントウィンドウ61などの樹脂製ウィンドウは、防曇機能を付与するため成形体の内部や表面に加熱可能な熱線ヒータを設けることがある。このような場合では、ウィンドウは、風雨を防ぐための部品として、図6のように車両の前面と後面そして側面のドアに設置されるが、その使用面積は3〜4m2と大きく、また、従来の無機ガラスの場合では、重量が30〜35kgと重いため、本発明の樹脂組成物を使用することにより、軽量化が期待できる。また、従来の透明樹脂材料を用いた場合には、熱線ヒータによる樹脂材料の耐熱性や熱膨張が課題となるが、本発明の樹脂組成物は加熱時/成形時の寸法安定性に優れるため、本発明の樹脂組成物を用いるとこれらの問題がない。さらに、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するので、図6におけるようなフロントウィンドウ61、ドアウィンドウ62、リヤウィンドウ63等の大型部品に応用可能で軽量化することができる。尚、熱線ヒータの形成方法としては、特に制限されず、公知の方法が使用でき、例えば、フィルム化された熱線部をインサート成形する方法や、室内側表面に熱線部を蒸着・塗布・印刷法等により形成する方法等が挙げられる。
【0080】
また、本発明の透明樹脂を用いて樹脂製サイドミラー64(図6参照)を製造すると、従来のガラスや透明樹脂を用いた場合に比べ軽量化ができ、これに熱線ヒータを設ければ防曇機能を付与することも可能になる。図6に示したサイドミラー以外にも車室内のルームミラー等にも適用可能である。
【0081】
上記したように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物は、透明性と剛性とに優れ、かつ高温にもソリなどが少ないために、安全性と機能面で解決すべき課題があるためまだ本格的な採用までには至っていないウィンドウやミラーなどの様々な用途にも適用することができ、これにより、従来要望の高かった車両の軽量化及びデザインの自由度の拡大が達成できる。また、近年、ワンボックス型のRV車の普及が目覚しくウィンドウの占める割合が増大してきており、軽量化と乗員の視認性と快適性向上から、ウィンドウの樹脂化に対する要求は益々強くなってきているが、本発明のナノ複合透明樹脂組成物により成形される透明樹脂製ガラスはこれら自動車用ウィンドウに要求される機能を備えており、車両の軽量化と快適性向上に貢献できるものである。なお、上記記載の樹脂ウィンドウ以外でも美観、平滑性、透明感等の外観品質が要求され、かつ高剛性や表面の耐擦傷性を求められる用途、例えば建造物の外装材、内装材、鉄道車両の内装材等にも使用できる。
【0082】
また、図7に自動車ランプの横断面図を示す。車体側基体71に固定されたアウタ部材72の内部にリフレクター73が配置され、該リフレクター73にはバルブ74と光軸調整器75が連結し、該アウタ部材ははさらにアウタレンズ76が嵌合されている。従来の樹脂材料を用いてリフレクター73を構成すると、耐熱性・線膨張率・線膨張異方性に劣る場合があったが、本発明の樹脂組成物を用いるとこれらの問題が解決できる。特に、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するため軽量で高耐熱性が確保でき、かつ寸法安定性と表面平滑性に優れるランプリフレクターとでき、ヘッドランプ、フォグランプ、リアコンビランプ等のリフレクター、またはヘッドランプのサブリフレクター等に好適に使用できる。尚、反射部の形成方法としては、例えば該部材を製造する際に反射膜部をインサート成形する方法や、該部材を射出成形・プレス成形により成形後に、反射部に蒸着膜を形成させる方法等がある。
【0083】
また、本発明の樹脂組成物を使用して、エンジンルーム内カバーおよびケースに応用することができる。エンジンルーム内を図8および図9に示す。本発明の樹脂組成物は透明性、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れるため、温度条件の厳しいエンジンルーム内において使用可能で、かつ軽量な部品とすることができる。このような部品としては、例えば、ラジエーター81、冷却液リザーブタンク82、ウオシャータンクインレット83、電気部品ハウジング84、ブレーキオイルタンク85、シリンダーヘッドカバー86、エンジンボディー91、タイミングチェーン92、ガスケット93、フロントチェーンケース94などがある。しかも、本発明の樹脂組成物は透明であるため、上記ウオッシャータンクインレット、電気部品ハウジング、ブレーキオイルタンク、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー等のタンクあるいはカバー内の視認性を向上させることができる。
【0084】
本発明の樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れたより軽量な部品とすることができることから、自動車エンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適に使用される。このような樹脂製冷却装置部品を図10、11に示す。例えば、図10に示すウォータパイプ101、O−リング102、ウォータポンプハウジング103、ウォータポンプインペラ(羽車)104、ウォータポンプ105、ウォータポンププーリ106、図11に示すウォータパイプ111、サーモスタットハウジング112、サーモスタット113、ウォータインレット114等のラジエタータンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部品、冷却液リザーブタンク、バルブなどの部品が挙げられる。該樹脂組成物を使用すると軽量化、耐薬品性向上、燃費向上が図られるため、その実用価値が高い。
【0085】
なお、本発明の上記各部品は、本発明の樹脂組成物のみでも構成できるが、例えば本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも該樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。なお、各層を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さなどは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0086】
本発明の第九は、上記樹脂組成物を含んで成る、大気と連通した中空構造および/あるいは密閉された中空構造を有することを特徴とする樹脂一体成形体である。上記のように、本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、例えばドアやルーフ、フード等のような中空構造を有する部品の用途に好適である。本発明の樹脂一体成形体としては、自動車の外板および内外装部品が好ましく挙げられる。この際、自動車の外板および内外装部品は、鋼板と樹脂パネルより構成され、かつ部品内部に補機等を装着する中空構造を有している部品が多い。例えば、側面ドアおよびバックドアは、外側および内側を鋼板で中空構造を構成し、塗装を経て組み立て工程で内側鋼板に樹脂パネルを取り付け、中空構造内に各種補機等を取り付けている。また、ルーフ、フード、トランクリッド、バックドア等は、外板および補強レインホース等を鋼板で構成し、塗装後に内側に樹脂部品を取り付けている。これらの中空構造を有する部品は大型であり、剛性や寸法安定性も要求されるため、従来の樹脂材料では一体成形が難しかった。しかしながら、高剛性、低熱膨張率、低熱収縮率を有する本発明の樹脂組成物を使用すると一体成形が可能となり、これらの部品の部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0087】
本発明の樹脂一体成形体は、本発明の樹脂組成物のみでも構成できるが、例えば本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも該樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。多層積層体を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さなどは、使用目的に応じて適宜選択することができる。なお、このような多層積層体として、本発明の熱可塑性樹脂積層体を使用することもできる。
【0088】
本発明の樹脂一体成形体は、最表面層に表皮材、意匠印刷層等の加飾層を設けることで意匠性、触感、質感を高め商品性を向上することができるため、一体成形体の最表層が加飾材で構成されることが好ましい。例えば、起毛シート、エンボス紋様シート、レーザー紋様シート、木目調シート等の表皮材を最表面層に設けた成形体は、ルーフ室内側、ピラーガーニッシュ類、インストルメントパネル等に用いることができる。前述の多層積層体を用いた場合には、意匠印刷層はその中間層に設けてもよく、表層を透明材とすることで光沢感、深み感を高めることができる。
【0089】
本発明の中空構造を有する一体成形体において、中空構造は、気体、液体若しくは固体またはこれらの混合物が充填、封入されることが好ましい。断熱性能、遮音性能を向上させることができるからである。充填、封入される材料は、特に制限されず、公知の充填・封入材が使用できるが、例えば、透明性が要求される場合には、窒素、アルゴン、二酸化炭素、空気等の気体が好ましく、透明性が要求されない場合には、前述の気体の他、封入時の加熱で液状を示しかつ封入後の常温では固体状になるパラフイン、ワックス等が好ましい。上記封入材により、夏期には車室内から冷熱の逃げ、外気の高熱の侵入を、冬期には温熱の逃げ、外気の冷熱の侵入を抑制し快適な車室内環境を維持できる。また二重壁で内に中空部を有する構造により、外部からの騒音エネルギーを緩和、あるいは吸収し静粛な車室内環境を達成できる。また、フードに本発明の樹脂一体成形体を適用することでエンジンルームからの放射音、放射熱を低減できる。
【0090】
本発明の中空構造を有する一体成形体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法が適用できるが、例えば、一般的な真空圧空成形法、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法等を用いることができる、また、例えば、下記方法が好適に用いられる。
【0091】
第一の方法としては、加圧流体導入経路を備えたホルダーに、2枚の本発明の樹脂組成物よりなる樹脂シートを固定し、公知の方法でホルダーをシールして2枚のシート間に密閉空間を形成する。各シートを荷重たわみ温度以上に加熱し、開放状態の金型に挿入した後に、軟化したシートの外周部を金型で押圧して溶着する。この際、外周部を溶着する前あるいは溶着しつつあるいは溶着した後に、好ましくは溶着する前あるいは溶着した後に、2枚のシート間の密閉空間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/または拡張後、金型を閉状態にして成形体が冷却するまで加圧流体圧を保持し、これにより中空構造を形成する。好ましくは、真空引き孔を設けた金型を用い、シート拡張時に真空吸引を併用して、金型面とシートとの密着性を高める。真空吸引を用いることによって、得られる一体成形体の転写性を向上できる。すなわち、本発明の第十は、本発明の樹脂組成物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、これを開状態の金型に挿入し、シート外周部を押圧し、外周部を溶着する前あるいは溶着した後にシート間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/または拡張した後に、金型を閉状態にし、加圧流体圧を保持し中空構造を形成する、本発明の樹脂一体成形体の製造方法である。
【0092】
第二の方法としては、閉状態の金型内に溶融した本発明の樹脂組成物を充填しつつあるいは充填した後、金型を後退して、キャビティ容積を拡大しつつ溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。すなわち、本発明の第十一は、閉状態の金型内に溶融した本発明の樹脂組成物を充填しつつ/または充填後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成する、本発明の樹脂一体成形体の製造方法である。
【0093】
第三の方法としては、金型片面のキャビティ面に本発明の樹脂組成物よりなる樹脂シートを1枚インサートし、背面に溶融樹脂を充填しつつ、あるいは充填後に金型を後退しキャビティ容積を拡大しつつ溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法、あるいは2枚の樹脂シートを用い金型両面のキャビティ面にシートをインサートし、シート間に溶融樹脂を充填しキャビティ容積を拡大し加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。すなわち、本発明の第十二は、開状態の金型キャビティ面に本発明の樹脂組成物を含んでなる樹脂シートを1枚もしくは2枚インサートし、金型を閉状態で2枚のシート間もしくは1枚のシート背面に溶融樹脂を充填しつつまたは充填した後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成する、本発明の樹脂一体成形体の製造方法を提供するものである。
【0094】
上記態様において、シートに充填される樹脂の種類は、本発明の樹脂組成物からなるシートと密着する樹脂であれば特に制限されないが、好ましくは、シートの樹脂組成物と接する樹脂種と同種の樹脂またはこれとSP値が近いものが使用される。このような充填樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられ、特にポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。ここにポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAに代表される二価のフェノール系化合物から誘導される重合体で、ホスゲン法、エステル交換法、あるいは固相重合法のいずれにより製造されたものでもよい。更に、従来からあるポリカーボネート樹脂の他にエステル交換法で重合したポリカーボネート樹脂でもよい。
【0095】
本発明において、加圧流体しては、特に制限されず、樹脂シートの成分等を考慮して公知の加圧流体から選択される。例えば、空気、窒素ガス等の気体、水やシリコンオイル等の液体などが好ましく使用される。
【0096】
本発明の中空構造を有する樹脂一体成形体の適用部品としては、図12、13に示すように、例えば、フード121、ドア122、バックドア123、ルーフ124、フェンダー125、ウィンドウ126、トランクリッド127、センターコンソールボックス131、ピラーガーニッシュ132、インストルメントパネル133、ヘッドライニング等を挙げることができる。これらの部品はインナー/アウターおよび付帯する部品やレインホース等を同時にかつ一体で成形でき、部品数の低減および工程数を短縮することができる。更に中空部に気体、液体、固体あるいはこれらの混合物を封入することで、断熱性能、遮音性能等の付加的な機能を付与することができる。例えばフードではレインホースとの一体化や遮音・遮熱機能の付与が可能であり、ルーフではヘッドライニングとの一体化や断熱・遮音機能の付与が可能であり、ドアやフェンダーではインナー/アウターの一体化が可能である。
【0097】
本発明の第十三は、本発明の樹脂組成物を含んで成る、異なる機能を有する2種類以上の部品を統合することを可能にし、ひとつの部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品である。ここに異なる機能とは、例えば、インストルメントパネルのような表示機能、エアコンダクトなどのような通風機能、ルーフレール等の固定機能などをいう。本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性等の多彩な機能を有するため、種々の機能の確保が期待される部材に応用することができ、これらを一体成形することで異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、ひとつの部品に二種類以上の機能が付与された一体成形部品とすることができる。これによって大型部品の一体化、いわゆるモジュール化やインテグレーション(統合化)に好適であり、高品質を維持しながら部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0098】
例えば、大型内装部品である図14に示すインストルメントパネルは、現在、パネル部141とエアコンのエアダクトやケース142、クロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)を別々に作り、これらを車の製造ラインで組み立てている。従来の樹脂材料でパネル部とエアコンのエアダクトやケースを一体成形しようとすると、大型かつ複雑な形状の部品のため、成形収縮によるヒケや歪み、熱時の膨張などが課題となるが、本発明の樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。また、本発明の樹脂組成物は上記したように高耐熱性を有し、加熱時/成形時の寸法安定性に優れているので、このような一体成形により部品全体を構造体とすることが可能で、従来スチールが使用されているクロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)を廃することが可能である。また本発明の樹脂組成物を用いることでスチールでは後付けする必要があったブラケット等も一体成形可能となる。また一体成形時に金型内に表皮材等の加飾材を投入しインサート成形することにより、加飾材との一体成形も可能になる。同様の効果は例えばドアに適用した場合でも得られる。現在のドアインナーパネルはスチール製が主で、ここにサイドウィンドウ用のガイドレールやレギュレータ、ドアロック、スピーカ等の各種部品が製造ラインで組み付けられる。本発明の樹脂組成物を用いることでドアインナーパネル、ガイドレール、スピーカハウジング等を一体成形することができる。
【0099】
図15に本発明の一体成形部品の他の例を示す。図15に示すように、大型外装部品であるルーフレール151を例にすると、前述した本発明の樹脂組成物製のルーフパネル152との一体成形が可能となる。ルーフレールは重量がかかり、また温度的にも厳しい環境で使用されるため、従来の樹脂材料では特に剛性と耐熱性が課題となっていた。しかしながら、本発明の樹脂組成物を用いるとこのような課題が解決可能となる。同様の効果は例えばスポイラーに適用した場合でも得られ、前述した本発明の樹脂組成物製のトランクリッドとの一体成形が可能である。
【0100】
また、大型車体部品であるラジエタコア(図16)を例にすると、現在フロントエンドモジュールとして樹脂製のラジエタコアが世に出つつあるが、本発明の樹脂組成物を用いることで更に耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れた、より軽量な部品とすることができ、またファンシュラウドやブラケット等も一体成形可能となる。また、本発明では、樹脂組成物を透明材として用いることも可能であり、このような場合には、例えば、ラジエタのリザーバタンク、ヘッドランプカバー等の透明部材の一体成形も可能である。さらに、従来は別体であったバンパ補強材の一体化も可能となる。
【0101】
また、エンジンルーム内部品であるエアクリーナーやスロットルチャンバー等を例にすると、耐熱性と耐薬品性に優れ低線膨張の本発明の樹脂組成物を用いることで、これらの一体成形が可能となる。従来よりこのような一体化は試みられているが、エンジンルーム内は高温かつオイル等の薬品による厳しい環境であり、従来の樹脂材料ではこの対策が課題になるが、本発明の樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。同様の効果はインテークマニホールドやシリンダヘッドカバーに適用した場合でも得られ、前述の部品とともに一体成形することも可能である。
【0102】
本発明の一体成形部品は、本発明の樹脂組成物のみでも構成できるが、本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも該樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。このような多層積層体として、上記熱可塑性樹脂積層体がある。
【0103】
本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、例えば、スロットルチャンバーのような可動部と非可動部を有する部品の用途に好適である。したがって、本発明の第十四は、本発明の樹脂組成物を含んで成る可動部と非可動部を有する成形体である。
【0104】
自動車の吸排気系部品やエアコンユニット内には、可動部と非可動部を有する部品が多数用いられている。これらの部品は、主に空気などの気体の流れを制御するためのものであり、非可動部としての、気体を流路となる、即ち、流動気体を導入する筒状の部品(成形体)と、可動部としての、気体流動を制御する開閉可能な蓋から構成され、例えば、スロットルチャンバーやエアコンユニット内の各ドアが挙げられ、これらの部品では気密性が重要となる。
【0105】
従来の樹脂材料を用いてこれらの部品の筒状部分と蓋部分を成形しようとすると、成形収縮率や熱膨張率が大きいため、寸法精度が上げられず、開閉部分の気密性が課題であった。また、特にエンジンルーム内の部品に適用する場合、耐熱性も要求されるため、この点も課題となった。しかしながら、低熱膨張率、低熱収縮率、高耐熱性を有する本発明の樹脂組成物を用いることで、これらの課題が解決可能となり、気密性に優れた部品とすることができる。また、本発明の樹脂組成物は高剛性であるため、これらの樹脂組成物を用いることにより、部品の軽量化とそれによるレスポンスの向上が可能となる。
【0106】
本発明の可動部と非可動部を有する成形体の製造方法は、特に制限されず公知の方法が使用できる。本発明の可動部と非可動部を有する成形体は、例えば、射出成形法を用いて可動部と非可動部を別々に成形した後、これらを組み立てる方法を使用してもよいが、例えば、二色成形法等の方法で可動部と非可動部を一体成形することが好ましい。気密性がより向上し、また工程数や部品数の低減が可能になるためである。図17に示すスロットルチャンバーを例に取ると、例えば、下記方法で製造可能である。
【0107】
スロットルチャンバーは、非可動部である筒状のチャンバー部171と可動部である開閉バルブ172および開閉バルブシャフト173とを有する。まず、二色成形用金型内に、開閉バルブ用金属製シャフトをセットし、次に円筒状のチャンバーを射出成形し、続いて円盤状の開閉バルブを成形するためにスライドコアを後退して円盤状の開閉バルブを射出成形する。このとき金属製シャフトと円盤状の開閉バルブが一体化される。本発明によれば、可動部が気体流動を制御する開閉蓋であり非可動部は流動気体を導入する筒状成形品にも、好ましく応用することができる。
【0108】
本発明の樹脂組成物は、炭化水素系燃料の遮断性、ガスバリア性、耐薬品性に優れるため、炭化水素系燃料を収納する部品または容器、炭化水素系燃料を収納する部品または容器、例えば、燃料タンク等の炭化水素系燃料を収納する車両用の一連の燃料系部品、灯油容器等の家庭用品の用途に好適である。したがって、本発明の第十五は、本発明の樹脂組成物を含んで成る炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器である。
【0109】
図18に、このような部品や容器である、自動車等の車両における樹脂製燃料タンクを示す。フィラーチューブ181を介して炭化水素系燃料であるガソリンが燃料タンク182に注入・貯蔵され、ついで当該ガソリンが燃料ポンプ183によりエンジン(図示せず;付号184としてのみ表示する)に圧送される形式の燃料系システムとなっている。燃料系部品において本発明の樹脂組成物が適用できる部品としては、燃料タンク182、フィラーキャップ185、ベントチューブ186、フューエルホース187、フューエルカットオフバルブ、デリバリーパイプ、エバポチューブ、リターンチューブ、フューエルセンダーモデュール等が挙げられる。燃料タンクはこれら車両の燃料系システム部品の中で最大規模の部品である。近年樹脂化が進み、部品形状の自由度増の効果により金属製に比べ貯蔵燃料量が約10リットルほど増大、かつ重量も25%程度軽減された。この利点から燃料タンクの樹脂化への期待が一層高まっている。
【0110】
ここで、燃料タンクの樹脂化の現状と課題について詳述する。従来から、母材樹脂としてオレフィン系のHDPE(高密度ポリエチレン)が使用され、その工法として吹き込み法で成形が行われてきた。これらの材料と工法には大きな変化はなかったが、タンクの層構造は大きく変化した。例えば、当初は単層型燃料タンクであったが、炭化水素の蒸散規制法の施行に伴い、炭化水素の透過低減のため燃料タンクの多層化が余儀なくされた。その結果、現在燃料タンクはHDPE/PA(ポリアミド)またはHDPE/EVOH(エチレン酢酸ビニル共重合体)の両端をHDPEで構成する3種5層からなる多層構造タンクが主流となっている。この場合の成形は、従来と同じ吹き込成形である。
【0111】
単層型燃料タンクにおいて、タンクより多くの炭化水素系燃料が透過するのは両者の相溶性が良いのが原因である。相溶の尺度である溶解度パラメータ(以下SP値)はHDPEが7.9、炭化水素系燃料が6〜8であり、両者は同じ領域にある。一方、多層タンクに用いるPAのSP値は13.6で、炭化水素系燃料とのSP値の開きが大きい、換言すれば相溶性が悪い領域にある。これらより多層燃料タンクにおけるPA材は炭化水素系燃料のタンク外への透過を阻止するバリアー層として設置されたものである。当該多層燃料タンクの創出により炭化水素の蒸散規制法を満たす技法が確立されたものの成形工程が煩雑となって大幅な価格上昇を招いた。上記問題に加えて、複数の樹脂の積層構造としたため、リサイクルの円滑性が失われ、リサイクル社会という時代の要請に応えがたい新たな課題を残した。
【0112】
これに対して、本発明の樹脂組成物中の表面改質シリカ組成物はシラノール基を残しているためSP値は11を超え、前述のPAやEVOHに相当する炭化水素系燃料の透過阻止の機能がある。また、本発明の樹脂組成物の主たる成分は、アクリル等の極性基を有するSP値が11以上の樹脂が主体であり、炭化水素系燃料としてのガソリンとは馴染みにくい、換言すれば相溶性が悪い材料構成となっているため、燃料タンクとしてより望ましい状態の材料である。従って、本発明の樹脂組成物を用いれば、単層型でも炭化水素の蒸散法規制を満たす車両用の燃料タンクを提供することができる。これにより課題である製造コストの低減が図れ、かつリサイクルの社会的要請に応えることできるようになる。この際、本発明の樹脂組成物は、単層型または必要であれば多層型のいずれの場合であっても、従来と同様、吹き込成形によって車両用燃料タンクに成形することが使用できる。
【0113】
なお、車両用の燃料タンクに比べるとは効果はやや低いものの、本発明の樹脂組成物は灯油容器等の家庭用品に用いることもできる。これにより灯油の大気への蒸散が軽減され、地球環境の保全に寄与することができる。
【0114】
上記したように本発明では、更に、顔料等の着色剤をナノ複合透明樹脂組成物に混練したり、着色層を挿入して所望の色調を有する部品を得ることも可能である。このため、上記記載の自動車以外でも美観、平滑性、透明感等の外観品質が要求され、かつ高剛性や表面の耐擦傷性を求められる用途、例えば建造物の外装材、内装材、鉄道車両の内装材等にも使用できる。
【0115】
このような車両用部品や建築用内装材などを含む各種部材の製造方法としては、上記で詳述したが、射出成形、真空圧空成形等を部品や用途に合わせて適宜選択すればよい。一般的なガラス繊維強化樹脂は、せん断応力を繰り返し受けることによってガラス繊維が壊れるためにその物性が徐々に低下しリサイクル性も低いが、本発明のナノ複合透明樹脂組成物は上記表面改質シリカ組成物を用いているためせん断応力を受けにくく、物性の低下を抑えることができる。
【0116】
その他、本発明のナノ複合透明樹脂組成物を用いて、真空成形法、真空圧空法、加熱圧縮法、ブロー成形法等の公知の樹脂成形法によって賦形し、樹脂ウィンドウ、自動車用外板等の外装部品、あるいは自動車用内装部品を成形することもできる。
【0117】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各種評価は以下の方法により、特記しない場合には、「部」は質量部を、「%」は質量%を示す。
【0118】
(ナノ複合透明樹脂組成物の評価方法)
(1)全光線透過率は、ヘイズメータ(村上色彩研究所製 HM―65)で計測した。75%以上を合格とした。
【0119】
(2)シリカの分散状態は、透過電子顕微鏡(日立製作所(株)製 H−800)で観測した。
【0120】
(3)曲げ強度・弾性率は、オートグラフ(島津製作所(株)製 DCS−10T)で計測した。曲げ強度108MPa以上を合格とした。
【0121】
(4)線膨張係数は、熱機械測定装置(セイコー電子工業(株)製 TMA120C)で計測した。
【0122】
実施例1
三ツ口フラスコに、400gのシクロヘキサンを入れ、さらにここに平均一次粒径が20nmの微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製、アエロジル#90G)2gを仕込んだ。この段階では、微粒子シリカは、シクロヘキサン液中に混合していた。ついで、この溶液に、表面改質剤として、ジフェニルジクロロシラン0.5g、触媒としてピリジンを0.3mlを投入し、液温を80℃として、8時間還流処理をした。微粒子シリカは、シクロヘキサンに均一に分散しており、濁りのない透明な溶液となった。
【0123】
FT−IRにより微粒子シリカの疎水化率を計測したところ43.5%であった。
【0124】
時間反応終了後シクロヘキサンで洗浄し、シラノール基と反応性のある官能基がクロル基である表面改質シリカ組成物を得た。
【0125】
次に、重合割合が80:20の粒状のメタクリル酸メチル/スチレンの共重合樹脂をトルエンで溶解し、樹脂含有率が50質量%のメタクリル酸メチル系高分子材料溶液を得た。この高分子材料溶液200質量部に、上記ジフェニルジクロロシランで表面改質した疎水化率43.5%の表面改質シリカ組成物10質量部を加えて混合攪拌し、ついで凝固用のエタノールで沈降させ、シリカ組成物の含有量がメタクリル酸メチル/スチレンの共重合樹脂100質量部に対して10質量部であるナノ複合透明樹脂組成物(1)を得た。
【0126】
得られた樹脂組成物(1)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。なお、表面改質シリカ組成物を配合しないものを比較例1とした。結果を表1に示す。
【0127】
【表1】
【0128】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(1)は、比較例1の表面改質シリカ組成物を配合しなかったメタクリル酸メチル/スチレンの共重合樹脂に比べて、全光線透過率は遜色がなく合格であった。また、曲げ強度、曲げ弾性率とも大幅に向上しかつ線膨張係数も大きく低減した。これは、母材樹脂としてフェニル基が導入されたメタクリル酸メチル/スチレンの共重合樹脂を用い、かつ無機充填材としてのシリカをジフェニルジクロロシランで表面改質してフェニル基を導入したことにより、母材樹脂と表面改質シリカとの間にπ−π結合の相互作用が生じ、これにより表面改質シリカ組成物がメタクリル酸メチル/スチレンの共重合樹脂中に微細に分散したためと考えられる。
【0129】
実施例2
実施例1と同様にして、微粒子シリカのシクロヘキサン液を調製した。このシリカ分散シクロヘキサン液に、表面改質剤として、ジフェニルジメトキシシラン0.5gを投入し、液温を80℃として、8時間還流処理をした。この際、微粒子シリカは、シクロヘキサンに均一に分散しており、濁りのない透明な溶液となった。
【0130】
FT−IRにより微粒子シリカの疎水化率を計測したところ38.2%であった。
【0131】
時間反応終了後シクロヘキサンで洗浄し、シラノール基と反応性のある官能基がメトキシ基である表面改質シリカ組成物を得た。
【0132】
次に、重合割合が80:20の粒状のメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂をトルエンで溶解し、樹脂含有率が50質量%のメタクリル酸メチル系高分子材料溶液を得た。この高分子材料溶液200質量部に、上記ジフェニルジメトキシシランで表面改質した疎水化率38.2%の表面改質シリカ組成物10質量部を加えて混合攪拌し、ついで凝固用のエタノールで沈降させ、シリカ組成物の含有量がメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂100質量部に対して10質量部であるナノ複合透明樹脂組成物(2)を得た。
【0133】
得られた樹脂組成物(2)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。なお、表面改質シリカ組成物を配合しないものを比較例2とした。結果を上記表1に示す。
【0134】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(2)は、比較例2の表面改質シリカ組成物を配合しなかったメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂に比べて、全光線透過率は遜色がなく合格であった。また、曲げ強度、曲げ弾性率とも大幅に向上しかつ線膨張係数も大きく低減した。これは、母材樹脂としてフェニル基が導入されたメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂を用い、かつ無機充填材としてのシリカをジフェニルジメトキシシランで表面改質してフェニル基を導入したことにより、母材樹脂と表面改質シリカとの間にπ−π結合の相互作用が生じ、これにより表面改質シリカ組成物がメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂中に微細に分散したためと考えられる。
【0135】
実施例3
実施例1と同様にして、微粒子シリカのシクロヘキサン液を調製した。このシリカ分散シクロヘキサン液に、表面改質剤として、ジフェニルジエトキシシラン5gを投入し、液温を80℃として8時間還流処理をした。この際、微粒子シリカは、シクロヘキサンに均一に分散しており、濁りのない透明な溶液となった。
【0136】
FT−IRにより微粒子シリカの疎水化率を計測したところ、実施例2のジフェニルジメトキシシランとほぼ同水準の38.6%であった。
【0137】
時間反応終了後シクロヘキサンで洗浄し、シラノール基と反応性のある官能基がエトキシ基である表面改質シリカ組成物を得た。
【0138】
次に、重合割合が80:20の粒状のメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂をトルエンで溶解し、樹脂含有率が50質量%のメタクリル酸メチル系高分子材料溶液を得た。この高分子材料溶液200質量部に、上記ジフェニルジエトキシシランで表面改質した疎水化率38.6%の表面改質シリカ組成物10質量部を加えて混合攪拌し、ついで凝固用のエタノールで沈降させ、シリカ組成物の含有量がメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂100質量部に対して10質量部であるナノ複合透明樹脂組成物(3)を得た。
【0139】
得られた樹脂組成物(3)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。結果を上記表1に示す。
【0140】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(3)は、比較例2の表面改質シリカ組成物を配合しなかったメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂に比べて、全光線透過率は遜色がなく合格であった。また、曲げ強度、曲げ弾性率とも大幅に向上しかつ線膨張係数も大きく低減した。これは、母材樹脂としてフェニル基が導入されたメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂を用い、かつ無機充填材としてのシリカをジフェニルジエトキシシランで表面改質してフェニル基を導入したことにより、母材樹脂と表面改質シリカとの間にπ−π結合の相互作用が生じ、これにより表面改質シリカ組成物がメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂中に微細に分散したためと考えられる。
【0141】
実施例4
実施例1と同様にして、微粒子シリカのシクロヘキサン液を調製した。このシリカ分散シクロヘキサン液に、表面改質剤として、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン0.5gを投入し、液温を80℃として8時間還流処理をした。この際、微粒子シリカは、シクロヘキサンに均一に分散しており、濁りのない透明な溶液となった。
【0142】
FT−IRにより微粒子シリカの疎水化率を計測したところ、32.7%であった。
【0143】
時間反応終了後シクロヘキサンで洗浄し、シラノール基と反応性のある官能基がアミノ基である表面改質シリカ組成物を得た。
【0144】
次に、重合割合が80:20の粒状のメタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニルの共重合樹脂をトルエンで溶解し、樹脂含有率が50質量%のメタクリル酸メチル系高分子材料溶液を得た。この高分子材料溶液200質量部に、上記3−アミノフェノキシジメチルビニルシランで表面改質した疎水化率32.7%の表面改質シリカ組成物を10質量部を加えて混合攪拌し、ついで凝固用のエタノールで沈降させ、シリカ組成物の含有量がメタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニルの共重合樹脂100質量部に対して10質量部であるナノ複合透明樹脂組成物(4)を得た。
【0145】
得られた樹脂組成物(4)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。なお、表面改質シリカ組成物を配合しないものを比較例3とした。結果を上記表1に示す。
【0146】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(4)は、比較例3の表面改質シリカ組成物を配合しなかったメタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニルの共重合樹脂に比べて、全光線透過率は遜色がなく合格であった。また、曲げ強度、曲げ弾性率とも大幅に向上しかつ線膨張係数も大きく低減した。これは、母材樹脂としてフェニル基が導入されたメタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニルの共重合樹脂を用い、かつ無機充填材としてのシリカを3−アミノフェノキシジメチルビニルシランで表面改質してフェニル基を導入したことにより、母材樹脂と表面改質シリカとの間にπ−π結合の相互作用が生じ、これにより表面改質シリカ組成物がメタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニルの共重合樹脂中に微細に分散したためと考えられる。
【0147】
実施例5
実施例2と同じ方法で、トルエンを媒体とする樹脂含有率50質量%の重合割合が80:20のメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液200部に、実施例2で得られたジフェニルジメトキシシランで表面改質した疎水化率38.2%の表面改質シリカ組成物を0.8、1、3、5、10、20、40、60、80および100質量部の10水準で配合し、実施例2と同様に処理し、10種のナノ複合透明樹脂組成物を得た。
【0148】
得られた樹脂組成物を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。なお、表面改質シリカ組成物を配合しないものを比較例4とした。結果を表2に示す。
【0149】
【表2】
【0150】
表2に示されるように、シリカ組成物の配合量が1部未満では、比較例4の表面改質シリカ組成物を配合しなかったメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂と比較した際の、線膨張係数の低減効果が低く、また、曲げ強度や曲げ弾性率の改善の効果が薄い。また、配合量が80部を超えると、線膨張係数の低減効果ならびに曲げ強度及び曲げ弾性率の改善効果などの物性改善の効果が認められず、逆に、全光線透過率が合格ラインである75%を下回り、透明性が低下する。これに対して、シリカ組成物の配合量を1〜80質量部の範囲では、透明性を損なうことなく、ナノ複合透明樹脂組成物の熱膨張率の低減、ならびに曲げ強度及び曲げ弾性率の改善が達成できる。このため、本発明では、シリカ組成物の配合量は、分子内にフェニル基を有する高分子材料100質量部に対して、1〜80質量部であることが好ましい。また、シリカ組成物の配合量が増えるにつれてナノ複合透明樹脂組成物の比重が増すため、部材の質量が増加することが考えられ、樹脂ウィンドウ等の軽量化が求められる用途によっては好ましくない場合がある。このような点を考慮すると、シリカ組成物の配合量を、高分子材料100質量部に対して、3〜40質量部の範囲とするのがより望ましい。
【0151】
実施例6
粒状のポリスチレン樹脂をトルエンに溶解し、樹脂含有率が50質量%のポリスチレン樹脂溶液を得た。この樹脂溶液200質量部に、実施例1で得られたジフェニルジクロロシランで表面改質した疎水化率43.5%のシリカ組成物10質量部を加えて混合攪拌し、ついで凝固用のエタノールで沈降させ、シリカ組成物の含有量がポリスチレン樹脂100質量部に対して10質量部であるナノ複合透明樹脂組成物(6)を得た。
【0152】
得られた樹脂組成物(6)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。なお、表面改質シリカ組成物を配合しないものを比較例5とした。結果を上記表1に示す。
【0153】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(6)は、比較例5の表面改質シリカ組成物を配合しなかったポリスチレン樹脂に比べて、全光線透過率は遜色がなく合格であった。また、曲げ強度、曲げ弾性率とも大幅に向上しかつ線膨張係数も大きく低減した。これは、母材樹脂としてフェニル基が導入されたポリスチレン樹脂を用い、かつ無機充填材としてのシリカをジフェニルジクロロシランで表面改質してフェニル基を導入したことにより、母材樹脂と表面改質シリカとの間にπ−π結合の相互作用が生じ、これにより表面改質シリカ組成物がポリスチレン樹脂中に微細に分散したためと考えられる。
【0154】
実施例7
粒状のポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し、樹脂含有率が50質量%のポリカーボネート樹脂溶液を得た。この樹脂溶液200質量部に、実施例1で得られたジフェニルジクロロシランで表面改質した疎水化率43.5%のシリカ組成物10質量部を加えて混合攪拌し、ついで凝固用のエタノールで沈降させ、シリカ組成物の含有量がポリカーボネート樹脂100質量部に対して10質量部であるナノ複合透明樹脂組成物(7)を得た。
【0155】
得られた樹脂組成物(7)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。なお、表面改質シリカ組成物を配合しないものを比較例6とした。結果を上記表1に示す。
【0156】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(7)は、比較例6の表面改質シリカ組成物を配合しなかったポリカーボネート樹脂に比べて、全光線透過率は遜色がなく合格であった。また、曲げ強度、曲げ弾性率とも大幅に向上しかつ線膨張係数も大きく低減した。これは、母材樹脂としてフェニル基が導入されたポリカーボネート樹脂を用い、かつ無機充填材としてのシリカをジフェニルジクロロシランで表面改質してフェニル基を導入したことにより、母材樹脂と表面改質シリカとの間にπ−π結合の相互作用が生じ、これにより表面改質シリカ組成物がポリカーボネート樹脂中に微細に分散したためと考えられる。
【0157】
実施例8
1000mlのトルエンに、メタクリル酸メチル80g、アクリル酸フェニル30g、反応開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.2gおよびジフェニルジメトキシシランで表面改質した疎水化率38.2%の表面改質シリカ組成物10gを配合し、80℃の温度で10時間、共重合させた。所定時間反応後、ヘキサンを滴下して沈殿させ、表面改質シリカ組成物を含有するメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルのナノ複合透明樹脂組成物(8)を得た。
【0158】
得られた樹脂組成物(8)を乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。結果を上記表1に示す。
【0159】
表1に示されるように、本発明のナノ複合透明樹脂組成物(8)は、全光線透過率は遜色がなく合格であり、即ち、透明性に優れ、また、実施例2で得られたナノ複合透明樹脂組成物(2)とほぼ同等の曲げ強度、曲げ弾性率が得られ、線膨張係数も大きく低減した。これから、シリカ組成物を高分子材料の重合開始時に添加、混合することにより、透明性に優れ、曲げ強度及び曲げ弾性率が改善され、かつ線膨張係数が低減されたナノ複合透明樹脂組成物が得られることが確認された。
【0160】
比較例1〜3、5及び6
メタクリル酸メチル/スチレンの共重合樹脂(比較例1)、メタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂(比較例2)、メタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニルの共重合樹脂(比較例3)、ポリスチレン樹脂(比較例5)、およびポリカーボネート樹脂(比較例6)の5種を、乾燥して粒とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。結果を上記表1に示す。
【0161】
比較例7
重合割合が80:20の粒状のメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂をトルエンに溶解し、樹脂含有率が50質量%のメタクリル酸メチル系高分子材料溶液を得た。この高分子材料溶液200質量部に、ジメチルジクロロシランで表面改質処理をした平均一次粒径が12nmの微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製 アエロジルR974)を10質量部加えて混合攪拌し、シリカの含有量がメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂100質量部に対して10質量部である比較用樹脂組成物を得た。
【0162】
得られた樹脂組成物よりトルエンを除去した後、乾燥して粒状とし、これを押出法により厚さ2mmのシートに成形した。成形シートについてシリカの分散状態、全光線透過率、曲げ強度、曲げ弾性率及び線膨張係数を計測した。結果を上記表1に示す。
【0163】
表1に示されるように、比較用樹脂組成物を用いて成形された成形シートは、全光線透過率の低下はほとんど無く、線膨張係数は実施例とほぼ同水準であり、シリカの配合効果が認められたが、曲げ強度と曲げ弾性率がシリカ無添加のもの(比較例1〜3、5及び6)と変わらなかった。これは、母材樹脂としてのメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂が有するフェニル基とシリカが有するメチル基との間には、実施例で見られたようなπ−π結合の相互作用がなく、シリカがメタクリル酸メチル/アクリル酸フェニルの共重合樹脂中に微細に分散せず、部材の強度・弾性率向上には繋がらなかったためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例を示す説明図である。
【図2】図2a、図2bは、本発明に係る樹脂組成物の車両用外板用途の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明に係る樹脂製ワイパーシステの模式図である。
【図4】図4は、本発明に係る樹脂製ドアミラーステイの車両用外装部品用途の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、本発明に係る透明樹脂部と不透明樹脂部とを一体で成形したインストルメントパネルを示す図である。
【図6】図6は、本発明に係る樹脂製ミラー、樹脂製ウィンドウを示す図である。
【図7】図7は、本発明の樹脂製ランプリフレクターを用いたヘッドランプ部を示す横断面図である。
【図8】図8は、本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例を示す説明図である。
【図10】図10は、本発明に係る樹脂組成物を用いた樹脂製冷却装置部品の一例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に係る樹脂組成物を用いた樹脂製冷却装置部品の一例を示す図である。
【図12】図12は、本発明に係る樹脂組成物を用いた中空構造を有する樹脂一体成形体の一例を示す図である。
【図13】図13は、本発明に係る樹脂組成物を用いた中空構造を有する樹脂一体成形体の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の一例を示す説明図である。
【図15】図15は、本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の一例を示す説明図である。
【図16】図16は、本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の一例を示す説明図である。
【図17】図17は、本発明に係る樹脂組成物を用いた可動部と非可動部を有する成形体の一例を示す図であり、図18Aは該成形体の横断面図、図18Bは該成形体の上面図である。
【図18】図18は、本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ドアモール、2…ドアミラーのフレーム枠、3…ホイールキャップ、
4…スポイラー、5…バンパー、6…ウィンカーレンズ、
7…ピラーガーニッシュ、8…リアフィニッシャー、
21…フロントフェンダー、22…ドアパネル、23…ルーフパネル、
30…ワイパーシステム、31…ワイパーアーム、
32…ワイパーブレード、33…ワイパーアーム固定用ナット穴、
41…ランプ・フード・フェンダー一体樹脂成形体、
42…ピラーガーニッシュ・ガラス一体樹脂成形体、
43…ルーフ・フェンダ・ガラス一体樹脂成形体、
44…バックドア・ガラス一体樹脂成形体、
45…ドア・ガラス一体樹脂成形体、
51…インストルメントパネル、52…計器類のカバー、
61…フロントウィンドウ、62…ドアウィンドウ、
63…リアウィンドウ、64…サイドミラー、
71…車体側基体、72…アウタ部材、73…リフレクター、
74…バルブ、75…光軸調整器75、76…アウタレンズ、
81…ラジエーター、82…冷却液リザーブタンク、
83…ウオシャータンクインレット、84…電気部品ハウジング、
85…ブレーキオイルタンク、86…シリンダーヘッドカバー、
91…エンジンボディー、92…タイミングチェーン、
93…ガスケット、94…フロントチェーンケース、
101…ウォータパイプ、102…O−リング、
103…ウォータポンプハウジング、
104…ウォータポンプインペラ(羽車)、105…ウォータポンプ、
106…ウォータポンププーリ、
111…ウォータパイプ、112…サーモスタットハウジング、
113…サーモスタット、114…ウォータインレット、
121…フード、122…ドア、123…バックドア、124…ルーフ、
125…フェンダー、126…ウィンドウ、127…トランクリッド、
131…センターコンソールボックス、132…ピラーガーニッシュ、
133…インストルメントパネル、
141…パネル部、142…エアコンのエアダクトやケース、
151…ルーフレール、152…ルーフパネル、
171…チャンバー部、172…開閉バルブ、
173…開閉バルブシャフト、
181…フィラーチューブ、182…燃料タンク、
183…燃料ポンプ、185…フィラーキャップ、
186…ベントチューブ、187…フューエルホース、188…空気室。
Claims (41)
- 表層にフェニル基を有するシリカ組成物及び分子内にフェニル基を有する高分子材料より成るナノ複合透明樹脂組成物。
- 該分子内にフェニル基を有する高分子材料は、透明性高分子材料である、請求項1に記載のナノ複合透明樹脂組成物。
- 該分子内にフェニル基を有する高分子材料は、スチレンを含む共重合型のメタクリル酸メチル系透明高分子材料である、請求項1または2に記載のナノ複合透明樹脂組成物。
- 該分子内にフェニル基を有する高分子材料は、アクリル酸フェニルまたはメタクリル酸フェニルの少なくとも一種を含む共重合型のメタクリル酸メチル系高分子材料である、請求項1または2記載のナノ複合透明樹脂組成物。
- 該シリカ組成物は、その平均1次粒径が380nm以下の粒子状または鎖状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ複合透明樹脂組成物。
- 該平均1次粒径が5〜50nmである、請求項5に記載のナノ複合透明樹脂組成物。
- 該シリカ組成物が、該分子内にフェニル基を有する高分子材料100質量部に対して、1〜80質量部配合される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノ複合透明樹脂組成物。
- シリカをフェニル基およびシラノール基と反応性のある官能基を有するシリコーン系化合物で表面改質することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリカ組成物の製造方法。
- 該シラノール基と反応性のある官能基は、クロル基、メトキシ基、エトキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項8に記載のシリカ組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに1項に記載の分子内にフェニル基を有する高分子材料を有機溶媒に溶解した高分子材料溶液に、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリカ組成物を添加、混合することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノ複合透明樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のシリカ組成物を、請求項1〜7のいずれかに記載の分子内にフェニル基を有する高分子材料の重合過程で添加、混合することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノ複合透明樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる車両用内外装部品成形体または車両用外板。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製ワイパーシステム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製ドアミラーステイ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製ピラー。
- 透明部と不透明部を有する樹脂成形体において、少なくとも透明部が請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなることを特徴とする樹脂成形体。
- 透明部と不透明部が一体成形されてなる請求項16に記載の樹脂成形体。
- 該樹脂成形体の不透明部が樹脂中に分散した顔料により着色され形成されてなる請求項16または17に記載の樹脂成形体。
- 該樹脂成形体の不透明部が成形前あるいは成形後に塗装もしくは印刷され形成される、請求項16または17に記載の樹脂成形体。
- 該樹脂成形体の不透明部が着色シートを用いて形成される、請求項16または17に記載の樹脂成形体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製ウインドウ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製ミラー。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製ランプリフレクター。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製エンジンルーム内カバーおよびケース。
- 透明であることを特徴とする請求項24に記載のエンジンルーム内カバーおよびケース。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂製冷却装置部品。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる、大気と連通した中空構造および/または密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体。
- 中空構造が、気体、液体若しくは固体またはこれらの混合物で充填、封入される、請求項27に記載の樹脂一体成形体。
- 該一体成形体の最表層が、加飾材で構成される、請求項27または28に記載の樹脂一体成形体。
- 該樹脂一体成形体は、自動車の外板あるいは内外装部品である、請求項27〜29のいずれか1項に記載の樹脂一体成形体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、これを開状態の金型に挿入し、シート外周部を押圧し、外周部を溶着する前あるいは溶着した後にシート間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/または拡張した後に、金型を閉状態にし、加圧流体圧を保持し中空構造を形成する、請求項27〜30のいずれか1項に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
- 閉状態の金型内に溶融した請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を充填しつつまたは充填した後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成する、請求項27〜30のいずれか1項に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
- 開状態の金型キャビティ面に請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる樹脂シートを1枚もしくは2枚インサートし、金型を閉状態で2枚のシート間もしくは1枚のシート背面に溶融樹脂を充填しつつまたは充填した後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成する、請求項27〜30のいずれか1項に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる、異なる機能を有する2種類以上の部品を統合し、ひとつの部品に該異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる可動部と非可動部を有する成形体。
- 二色成形により可動部と非可動部が一体で得られる、請求項35に記載の成形体。
- 可動部は気体流動を制御する開閉蓋であり、非可動部は流動気体を導入する筒状成形品である、請求項35または36に記載の成形体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含んでなる炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器。
- 車両用の一連の燃料系部品である、請求項38に記載の炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器。
- 車両用の燃料タンクである、請求項38または39に記載の炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器。
- 吹き込み成形法で成形された車両用の燃料タンクである、請求項40に記載の炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器。
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