JP2004098131A - リフロー半田付用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品のセットおよび半田付体の取出しが簡単でありながら、位置精度のよい半田付を可能とするリフロー半田付用治具を提供する。
【解決手段】半田付用治具1は、線膨張率の小さい材料(カーボン等)からなる治具本体60と、治具本体60よりも線膨張率の大きな材料(アルミニウム等)から構成された熱伸張型位置決部材40とを備える。開口部65,67は部品10,20,30を挿通可能な開口形状を有するので、これらの部品を開口部65,67から治具1に容易にセットすることができる。治具1が半田付温度に加熱されると、治具本体60と位置決部材40との線膨張率の違いにより位置決部材40が開口部65の内側にはみ出して部品20の外周に当接し、部品20の位置決めが行われる。治具1が冷えると位置決部材40が収縮するので、治具1から半田付体を簡単に取り出すことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】半田付用治具1は、線膨張率の小さい材料(カーボン等)からなる治具本体60と、治具本体60よりも線膨張率の大きな材料(アルミニウム等)から構成された熱伸張型位置決部材40とを備える。開口部65,67は部品10,20,30を挿通可能な開口形状を有するので、これらの部品を開口部65,67から治具1に容易にセットすることができる。治具1が半田付温度に加熱されると、治具本体60と位置決部材40との線膨張率の違いにより位置決部材40が開口部65の内側にはみ出して部品20の外周に当接し、部品20の位置決めが行われる。治具1が冷えると位置決部材40が収縮するので、治具1から半田付体を簡単に取り出すことができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の部品をリフロー半田付するとき(例えば、半導体素子とその上部電極および/または下部電極をリフロー半田付するとき等)に用いる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】一の部品と他の部品とを、それらの間に固体状の半田を挟んで積層配置し、その状態でリフロー炉内に搬入して加熱することによって半田付(リフロー半田付)する方法が知られている。かかるリフロー半田付工程は、上記一の部品に対する他の部品の半田付位置を決めるために、これらの部品を半田付用治具にセットして行われることが多い。
【0003】
このようなリフロー半田付方法の典型例について図22を用いて説明する。図22に示す半田付用治具100は、主として上型160および下型180により構成されている。下型180の上面には、第一部品110に対応した形状の凹部182が設けられている。半田付を行う際には、まずこの凹部182に第一部品110を収容する。次いで、下型180に設けられた組合ピン184と上型160の穴部164とを位置合わせして、下型180上と上型160とを組み合わせる。ここで、上型160の所定位置には、第二部品120に対応した形状の開口部162が設けられている。第一部品110の上に箔状の半田122を載せ、さらに開口部162に第二部品120を収容する(嵌め込む)と、上型160と下型180との間で第一部品110に対する第二部品120の位置が定まる。このようにして半田付用治具100にセットされた部品110,120をリフロー炉(図示せず)内に搬送し、このリフロー炉内の熱により半田122を溶融させて半田付を行う。冷却後、上型160を取り外し(すなわち上型160と下型180との組み合わせを解除し)、半田付により一体化された部品(半田付体)を下型180から取り出す。
リフロー半田付に関する先行技術文献情報として以下のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−179355号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように上型160と下型180とを組み合わせて用いる半田付用治具100では、治具に部品をセットする操作および治具から部品を取出す操作を行う際に、下型180に上型160を着脱しなくてはならないので操作が煩雑である。
【0006】
そこで本発明は、治具に部品をセットする作業および半田付された部品(半田付体)を治具から取出す操作が簡単でありながら、位置精度のよい半田付を可能とするリフロー半田付用治具を提供することを目的とする。関連する他の目的は、そのような治具を用いて半田付された半田付体を提供することである。さらに、そのような治具を用いたリフロー半田付方法および半田付体の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明者は、治具への部品のセットおよび治具からの半田付体の取出しは、一般に半田付温度に比べて低温(典型的には常温)で行われることに着目した。そして、治具に部品をセットする際の温度と半田付温度との温度差によって治具の形状を部分的に異ならせることにより上記課題を解決し得ることを見出した。
【0008】
本発明は、複数の部品をリフロー半田付するための治具に関する。その治具は、第一部品を収容して位置決めする第一保持部を備える。また、その第一保持部の入口側(部品の収容および取出しを行う側)に、第二部品を収容して位置決めする第二保持部を備える。さらに、半田付温度に加熱されたとき第二部品に当接する熱感応部を備える。ここで第二保持部は、常温時に第一部品を挿通可能な第二開口部を有する。また熱感応部は、半田付温度に加熱されることにより、第二開口部の内側に可逆的にはみ出し、これにより第二部品の位置決めを行う。
【0009】
半田付温度への加熱によって上記熱感応部を第二開口部の内側に可逆的にはみ出させる好適な一方法として、構成材料の線膨張率に応じて生じる伸縮(熱膨張・熱収縮)を利用する方法が挙げられる。この種の伸縮を利用して上記構成を実現するために、例えば、熱感応部の一部または全部を構成する材料として、第二保持部の構成材料よりも線膨張率の大きい材料を用いることができる。治具の温度が上昇すると、熱感応部が第二保持部に対して相対的に膨張し、これにより熱感応部が第二開口部の内側にはみ出す。このはみ出した熱感応部により第二部品が位置決めされる。
【0010】
また、半田付温度への加熱によって上記熱感応部を第二開口部の内側に可逆的にはみ出させる他の好適な一方法として、熱感応部の一部と他部との線膨張率の違いにより生じる変形(熱変形)を利用する方法が挙げられる。この種の熱変形を利用して上記構成を実現するために、例えば、熱感応部の構成材料としてバイメタルを用いることができる。
【0011】
かかる構成の半田付用治具に部品をセットして半田付温度に加熱すると、第二開口部の内側にはみ出した熱感応部が第二部品に当接する。このとき、第二部品の位置が所定の半田付位置からズレている場合には、熱感応部によってその所定の半田付位置に第二部品を押しやることができる。このようにして第二部品が所定の半田付位置に保持(位置決め)された状態でリフロー半田付を行うことにより、第一部品と第二部品とを位置精度よく半田付することができる。
一方、熱感応部のはみ出しは可逆的なものであるので、部品をセットしたり取り出したりする操作を半田付温度よりも低温(典型的には常温)で行うときには、熱感応部が第二開口部にはみ出していないか、少なくともそのはみ出しの程度が半田付温度にあるときよりも小さくなっている。したがって、上記セット操作や取出し操作が熱感応部によって妨げられることはない。また、第二開口部は第一部品を挿通可能(その半田付される向きのままで挿通可能なことをいう。以下同じ。)な形状に形成されているので、図22に示す従来技術とは異なり上型160の着脱を行うことなく、第二開口部を通して第一部品を治具にセットする(第一保持部に収容する)ことができるとともに、得られた半田付体(第一部品を含む)を治具から取り出すことができる。このように、本発明の治具は部品のセットおよび半田付体の取出しが簡単である。
【0012】
本発明の半田付用治具は、第二保持部の入口側に、第三部品を収容して位置決めする第三保持部をさらに備えた構成とすることができる。その第三保持部は、第一部品および第二部品を挿通可能な第三開口部を有する。
かかる構成によると、図22に示す従来技術とは異なり、上型160の着脱を行うことなく、第一部品および第二部品を治具にセットしたり、リフロー後に得られた半田付体を治具から取り出したりすることができる。
このような半田付用治具は、一回のリフロー工程によって第二部品の両側(上下)に第一部品および第三部品を半田付する用途に好適である。また、一度目のリフロー工程によって第一部品と第二部品とを半田付し、次いで、得られた半田付体の上に第三部品をセットして二度目のリフロー工程により半田付する用途に用いてもよい。
【0013】
本発明の好適な態様の一例では、前記半田付温度に加熱されたとき、第二部品が、二以上の熱感応部の間および/または熱感応部と第二開口部の内周との間で、互いに非平行な二方向以上に対して位置決めされる。これにより第二部品の半田付の位置精度をさらに向上させ得る。
本発明の好適な態様の他の例では、この治具が二以上の熱感応部を備える。それらの熱感応部は、第二開口部の周囲に、互いに非平行な二方向以上にはみ出すように配置されている。かかる態様によると、二以上の熱感応部の間および/または熱感応部と第二保持部の内周との間で、第二部品を少なくとも二方向に対して位置決めすることができる。このことによって、第二部品の半田付の位置精度をさらに向上させ得る。
【0014】
なお、本発明の治具を用いて半田付される各部品の典型的な形状はほぼ板状である。本発明の治具を用いて半田付される部品の代表例としては、半導体素子、電極、基板、放熱板、ハウジング等が挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明は、また、下記の形態で実施することを特徴とする。
【0016】
(形態1) 本発明に係る治具により製造される半田付体が、第一部品と第三部品との間に第二部品が半田付された構成であって、その第二部品は、その外周の少なくとも一部が第一部品および第三部品のいずれの外周よりも内側となる位置に半田付されている形状の半田付体である。ここで各部品の「外周」とは、目的とする半田付体をその垂直方向から透視したときの各部品の外周をいう。このような半田付体の一例は、後述する第一実施例により作製された半田付体である(図6参照。ここで、図6中の符号10は第一部品、符号20は第二部品、符号30は第三部品を示す。)。
かかる形状の半田付体を作製する場合には、本発明の治具を用いることによる効果が特によく発揮される。このことにつき図面を用いて説明する。
【0017】
すなわち、図23に示すような従来の半田付用治具200によると、第二部品120の外周が第一部品110および第三部品130の外周よりも内側に位置する部分では、治具200の内周と第二部品120の外周との間に隙間Kが空いてしまう。したがって第二部品120の位置決めを行うことができない。
また、かかる形状の半田付体を位置精度よく作製するために、一度目の半田付工程により第一部品と第二部品とを半田付し、得られた半田付体に対して二度目の半田付工程により第三部品を半田付することが考えられる。例えば、図24(a)に示すように、上型260と下型280とを組み合わせた治具220を用いて、まず第一部品110と第二部品120とを半田122により半田付する(一度目の半田付工程)。次いで、図24(b)に示すように、上型260を形状の異なる他の上型270に交換し、この上型270と下型280とを組み合わせた治具230を用いて、第二部品120と第三部品130を半田124により半田付する(二度目の半田付工程)という方法である。しかしこの方法によると、二種類の上型260,270が必要となる上、半田付工程を二度実施するため製造効率が低下しがちである。
本発明の半田付用治具によれば、各部品が上述のような位置関係にある場合にも、一度のリフロー工程により、第二部品の上下に第一部品および第三部品を位置精度よく半田付することが可能である。
【0018】
(形態2) 本発明に係る治具により製造される半田付体が、第一部品上に第二部品が半田付された構成であって、その第二部品は、その外周の少なくとも一部が第一部品の外周よりも内側となる位置に半田付されている形状の半田付体である。このような半田付体の一例は、後述する第二実施例により作製された半田付体である(図16参照。ここで、図16中の符号10は第一部品、符号20は第二部品を示す。)。
かかる形状の半田付体を作製するにあたって本発明の治具を用いることにより、図22に示す半田付用治具100とは異なり、上型160の脱着を行わなくても部品のセットおよび取出しを行うことができる。
【0019】
(形態3) 本発明に係る治具により製造される半田付体が、複数の第二部品の上下に第一部品および第三部品が共通的に半田付された構成の半田付体である。このような構成では、それらの第二部品の外周の一部が第一部品と第三部品の間に位置することとなる。このような半田付体の一例は、後述する第三実施例により作製された半田付体である(図21参照。ここで、図21中の符号10は第一部品、符号20,20は第二部品、符号30は第三部品を示す。)。
このような半田付体を作製するにあたって本発明の治具を用いることにより、第一部品と第三部品との間に複数の第二部品を、一度のリフロー工程により位置精度よく半田付することが可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0021】
<第一実施例>
この第一実施例は、一度のリフロー工程により、半導体素子(第二部材)の上面および下面に上部電極(第三部材)および下部電極(第一部材)がそれぞれリフロー半田付された三層構造の半導体装置(半田付体)を製造する用途等に適した半田付用治具およびそれを用いた半導体装置製造方法を例示するものである。ここで、図5および図6に示すように、上部電極30と下部電極10とはほぼ同じ平面形状を有する。両電極10,30の間に挟まれた半導体素子20は、それらの電極10,30よりも幅が狭く、その外周の大部分(外周のうち三辺のほぼ全部)が両電極10,30の外周よりも内側となる位置に半田付される。
この半田付は、図1および図2に示すように、大まかにいって有底筒状の治具本体60と、その治具本体60の三箇所に設けられた三つの熱伸張型位置決部材40a,40bおよび40c(以下、これら三つの位置決部材40a〜40cを併せて「熱伸張型位置決部材40」ということもある。)とを備える半田付用治具1を用いて行われる。
【0022】
図2に示すように、治具本体60には、その底面(下側)から入口側(上側)に向かって、第一保持部62、第二保持部64および第三保持部66がこの順に形成されている。第一保持部62の上面中央部には、下部電極10(図4参照)を収容して位置決めする凹部63が設けられている。第二保持部64の中央部には、半導体素子20(図4参照)を収容する第二開口部65が設けられている。第三保持部66の中央部には、上部電極30(図4参照)を収容して位置決めする第三開口部67が設けられている。凹部63、第二開口部65および第三開口部67の横断面形状(開口形状)はほぼ同じであり、これらによって治具60の中央部に、大まかにいって柱状の半田付空間68が形成されている。
図1に示すように、第二開口部65を囲む環状の第二保持部64には、その三辺に、第二開口部65に開口する三つの横穴69がそれぞれ一つづつ設けられている。それらの横穴69に、熱感応部を構成する熱伸張型位置決部材40が設置されている。この位置決部材40は脚部42と頭部44とを有し、頭部44の端面(脚部42とは反対側の面)が横穴69の底面に接着剤(図示せず)等により固定されている。脚部42の先端(頭部44とは反対側の端)は、部品のセットや取出しを行うときの温度(典型的には常温)において、第二保持部64の内周とほぼ同じ面上に位置しており、横穴69の入口から半田付空間68に開放されている。
【0023】
一般に治具本体60は、部品のセットや取出しを行うときの温度(典型的には常温)と半田付温度との間での形状の差異が少ないほうが好都合である。したがって、治具本体60は線膨張率の比較的小さい材料を主体に構成されていることが好ましい。治具本体60を構成するのに適した材料の代表例としてはカーボンが挙げられる。カーボンは、線膨張率が小さいことに加えて、半田の付着しにくさ、熱伝導性のよさ、加工性のよさ等の観点からも治具本体60の構成材料として好適である。治具本体60の構成材料として使用し得る他の材料としては、SUS、セラミックス、チタン等が例示される。本実施例では実質的にカーボンからなる治具本体60を用いた。
【0024】
一方、熱伸張型位置決部材40は、治具本体60に比べて線膨張率の大きな材料を主体に構成されている。例えば、治具本体60の主構成材料(ここではカーボン)の線膨張率の2倍以上、好ましくは10倍以上の線膨張率を有する材料を用いて熱伸張型位置決部材40を構成することができる。治具本体60よりも線膨張率が大きくて、半田付温度に耐えられる耐熱性を有する材料であれば、金属材料、セラミックス材料および有機材料(樹脂材料)等のいずれも使用可能である。これらのうち金属材料または樹脂材料を用いることが好ましい。金属材料としては銅、アルミニウム等を選択することができる。樹脂材料としてはPPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂等を選択することができる。半田付温度よりも高い融点を有し、半田付温度に加熱されたときにも分解ガス等の汚染物質を発生しにくい樹脂材料を選択することが好ましい。本実施例では、実質的にアルミニウムからなる(その一部には半田付着防止のためのコーティングが施されている)熱伸張型位置決部材40を用いた。
【0025】
かかる構成の治具1に、半田付の対象となる部品および半田を所定の順序でセットする。すなわち、図4に示すように、下部電極10、箔状の半田22、半導体素子20、半田24および上部電極30をこの順で治具1に収容する。ここで、図3によく示されるように、凹部63、第二開口部65および第三開口部67の横断面形状(開口形状)は、半導体素子20および電極10,30の平面形状を含んでいる。したがって、この治具1に下部電極10、半導体素子20および上部電極30を容易に(その半田付される向きのままで)挿入し、セットすることができる。なお、このように治具に部品等をセットする操作は、取り扱いやすさ等の観点から、通常はほぼ常温(例えば約10〜30℃)で行うことが好ましい。
【0026】
このようにして部品等がセットされた治具1をリフロー炉(図示せず)に搬入する。リフロー炉内の熱により治具1の温度が上昇すると、熱伸張型位置決部材40は治具本体60よりも顕著に膨張する。すなわち、位置決部材40が治具本体60に対して相対的に膨張することとなる。その結果、図5および図6に示すように、三つの位置決部材40a〜40cの脚部42がそれぞれ第二開口部65の内側にはみ出して(伸長して)、半導体素子20の外周の三辺にそれぞれ当接する。これにより半導体素子20が、図5の左右方向に対しては、互いに対向する位置に設けられた二つの位置決部材40a,40bの間で位置決めされる(図6参照)。また、図5の上下方向(位置決部材40a,40bを結ぶ方向とは非平行な(ほぼ直交する)方向)に対しては、第二保持部64の一辺(図5で上側に位置する部分)の内周と、この一辺と対向する辺に設けられた位置決部材40cとの間で位置決めされる。この状態で半田22,24を溶融させて半田付を行う。
【0027】
その後、治具1をリフロー炉から搬出して冷却すると、図7に示すように、熱伸張型位置決部材40a〜40cが治具本体60に対して相対的に収縮することにより、位置決部材40の先端が第二保持部64の内周とほぼ同じ面上まで後退する。これにより、半導体素子20と電極10,30とが一体に半田付された半導体装置5を治具1から容易に取り出すことができる。この取出工程は、取り扱いやすさ等の観点から、通常はほぼ常温(例えば約10〜30℃)で行うことが好ましい。
【0028】
このように、本実施例によると、一度のリフロー工程によって、半導体素子20の上下に上部電極30および下部電極10が位置精度よく半田付された半導体装置5を製造することができる。また、温度に応じて可逆的に膨張(伸長)・収縮する熱伸長型位置決部材40を備えるので、半田付温度では半導体素子20の位置決めを行うことができるとともに、治具1の開閉を行うことなく(例えば、図22に示す半田付用治具100とは異なり、上型160の着脱を行うことなく)部品等のセットや半導体装置の取出しを行うことができる。
【0029】
(変形例1)
上記実施例では熱伸張型位置決部材40の全体を実質的に一種類の材料(ここではアルミニウム)で構成したが、位置決部材40の一部を他の材料から構成してもよい。例えば図8に示すように、脚部42の根元側42a(すなわち頭部44側)は上記実施例と同様に線膨張率の大きい材料から構成し、脚部42の先端側42bはカーボン(治具本体60と同じ材料等)により構成することができる。図8に示す部品セット時(常温時)の状態から半田付温度に加熱されると、図9に示すように、脚部42の根元側42aが治具本体60に対して相対的に膨張する結果、脚部42が全体として内側に伸長し、その先端側42bが半導体素子20の外周に当接する。このとき、図9に示す構成の熱伸張型位置決部材40によると、溶融した半田22,24が位置決部材40の先端側42b(カーボンから構成されている部分)に付着しにくいので好都合である。
【0030】
(変形例2)
上記実施例では熱伸張型位置決部材を用いて熱感応部を構成したが、バイメタルを用いて熱感応部を構成してもよい。例えば、図10に示すように、第二保持部64(図2参照)の三辺に沿って三つの板状のバイメタル50を設けた構成とすることができる。これらのバイメタル50は、それぞれ相対的に熱膨張率の高い材料からなる高膨張部52と、その高膨張部52よりも熱膨張率の低い材料からなる低膨張部54との二層構造を有し、それぞれ高膨張部52が治具1の外周側となるように配置されている。各バイメタル50の一端50aは第二保持部64に固定され、他端50bは固定されていない。
リフロー炉内の熱により治具1の温度が上昇すると、バイメタル50のうち治具1の外周側にある高膨張部52が内周側にある低膨張部54よりも顕著に熱膨張する。その結果、図11に示すように、バイメタル50が反り変形して、第二保持部64に固定されてない他端50b側が第二開口部65にはみ出す。このはみ出したバイメタル50により部品(ここでは半導体素子)の位置決めを行うことができる。
なお、バイメタル50の構成材料としては、従来公知の各種バイメタルから、使用温度域(半田付温度)等を考慮して適当なものを選択すればよい。例えば、構成金属の組み合わせが黄銅とインバー、青銅とインバー、黄銅とニッケル鋼、モネルメタルとニッケル鋼等であるバイメタルを用いることができる。この他、形状記憶合金等を用いて熱感応部を構成することも可能である。
【0031】
(変形例3)
上記実施例では第二保持部の三辺に一つづつ合計三つの熱感応部(熱伸張型位置決部材)を設けたが、熱感応部の数および配置はこれに限定されるものではない。例えば図12に示すように、治具本体60の肩部61によって半導体素子20の左右方向の位置を規制する(位置決めする)ことができる場合等には、第二保持部64の上下のうち下側の一辺のみに一つの熱伸張型位置決部材40を設けた構成としてもよい。半田付温度では、この位置決部材40が伸長して半導体素子20の外周の一辺(図12で下側に位置する辺)に当接する。これにより半導体素子20は、図12の上下方向に対して、第二保持部66の一辺(図12で上側に位置する部分)の内周と、この一辺と対向する辺に設けられた位置決部材40との間で位置決めされる。
【0032】
また、上記実施例で用いた治具は、半田付の対象となる部品のうち半導体素子(第一部品と第三部品の間に半田付される第二部品)のみに対して熱感応部を利用した位置決めを行うものであるが、他の部品(ここでは上部電極および/または下部電極)の位置決めを行うための熱感応部をさらに備えた構成とすることもできる。かかる構成の例としては、半田付温度に加熱されることにより第三開口部の内側に可逆的にはみ出して上部電極(第三部品)の位置決めを行う熱感応部をさらに備える構成が挙げられる。
【0033】
<第二実施例>
この第二実施例は、電極(第一部材)の上に半導体素子(第二部材)がリフロー半田付された二層構造の半導体装置(半田付体)を製造する用途等に適した半田付用治具およびそれを用いた半導体装置製造方法を例示するものである。以下、第一実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、半導体素子20は電極10よりも幅が狭く、その外周の大部分(三辺のほぼ全部)が電極10の外周よりも内側に半田付される。
【0034】
図13および図14に示すように、本実施例に用いる半田付用治具1は、カーボン製の治具本体60と、この治具本体60の三方向に設けられた三つの熱伸長型位置決部材40とを備える。治具本体60には、その底面から入口側に向かって、第一保持部62および第二保持部64がこの順に形成されている。第一保持部62の上面中央部に設けられた凹部63に電極10が収容されて位置決めされる。また、第二保持部64の中央部に設けられた第二開口部65に半導体素子20が収容される。凹部63および第二開口部65の横断面形状(開口形状)はほぼ同じである。第二保持部64の三辺には、第二開口部65に連なる三つの溝70がそれぞれ一つづつ設けられている。それらの溝70に、第一実施例と同様の材料によって同様の形状に構成された熱伸張型位置決部材40が収容されている。位置決部材40の頭部44の端面は、溝70の外周側端に固定されている。また、位置決部材40の脚部42の先端は、第二保持部64の内周とほぼ同じ面上に位置している。
【0035】
かかる構成の治具1に、図14に示すように、電極10、半田22および半導体素子20をこの順で収容し、リフロー炉(図示せず)に搬入して半田付温度に加熱する。これにより、図15および図16に示すように、三つの位置決部材40の脚部42が第二開口部65の内側にはみ出して(伸長して)、半導体素子20の外周の三辺にそれぞれ当接する。このことによって半導体素子20が、図15の左右方向に対しては位置決部材40a,40bの間で、図15の上下方向に対しては第二保持部66の内周と位置決部材40cとの間で位置決めされる。この状態で半田22を溶融させて半田付を行う。その後、治具1をリフロー炉から搬出して冷却すると、熱伸長型位置決部材40の先端が第二保持部64の内周とほぼ同じ面上(図14に示す位置)まで後退する。これにより、電極10と半導体素子20とが一体に半田付された半導体装置(半田付体)を治具1から容易に取り出すことができる。
【0036】
このように、本実施例によると、電極10と半導体素子20とを位置精度よく半田付することができる。また、図22に示す半田付用治具100とは異なり、上型160の脱着を行わなくても部品等のセットや半導体装置の取出しを行うことができる。
【0037】
<第三実施例>
この第三実施例は、一度のリフロー半田付工程により、間隔を開けて配置された複数(ここでは二つ)の半導体素子の上下に、上部電極(第三部品)および下部電極(第一部品)が共通的に半田付された三層構造の半導体装置(半田付体)を製造する用途等に適した半田付用治具およびそれを用いた半導体装置製造方法を例示するものである。以下、第一実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図20に示すように、二つの半導体素子20,20は、それらの外周の全体が下部電極10の外周よりも内側となる位置に半田付される。また、上部電極30は下部電極10および半導体素子20よりも幅が狭く、その外周の大部分(外周のうち三辺のほぼ全部)は二つの素子20,20のいずれかの外周よりも内側に半田付される。一方、素子20,20は上部電極30により連結されるので、それらの素子20,20は、外周の一部が上部電極30の下方(すなわち上部電極30の外周よりも内側)となる位置に半田付される。
【0038】
図17および図18に示すように、本実施例に用いる半田付用治具1は、カーボン製の治具本体60と、この治具本体60の四方向に上下二段に分けて設けられた合計八つの熱伸長型位置決部材40とを備える。
図18に示すように、治具本体60には、第一保持部62、第二保持部64および第三保持部66がこの順に形成されている。第一保持部62の上面中央部に設けられた凹部63に、下部電極10が収容されて位置決めされる。第二保持部64の中央部に設けられた第二開口部65に二つの半導体素子20,20が収容される。第三保持部66の中央部に設けられた第三開口部67に上部電極30が収容される。凹部63、第二開口部65および第三開口部67の横断面形状(開口形状)はほぼ同じであり、これらによって治具60の中央部に、大まかにいって柱状の半田付空間68が形成されている。
【0039】
図17に示すように、半田付空間68を囲む治具本体60の各辺(四辺)には、熱伸長型位置決部材を設置するための横穴69が形成されている。本実施例では、図18に示すように、これらの横穴69が、第二保持部64および第三保持部66の二段にわたって合計八個設けられている。それらの横穴69に、第一実施例と同様の材料によって同様の形状に構成された熱伸長型位置決部材40が収容されている。以下、下段(第二保持部64)に設けられた四つの位置決部材を421,422,423,424といい、上段(第三保持部66)に設けられた四つの位置決部材を431,432,433,434ということがある。これらは、図17によく示されるように、位置決部材421と422が対向し、位置決部材423と424が対向し、位置決部材431と432が対向し、そして位置決部材433と434が対向する位置に設けられている。
【0040】
かかる構成の治具1に、図18に示すように、下部電極10を収容し、その上に複数(ここでは二つ)の半導体素子20,20を間隔を開けて載置し、それらの素子20,20に跨がるように上部電極30を載置する。下部電極10と素子20,20との間にはそれぞれ箔状の半田22を挟む。また、素子20,20と上部電極30との間にもそれぞれ半田24,24を挟む。
【0041】
このように部品等がセットされた半田付用治具1をリフロー炉(図示せず)に搬入して加熱する。これにより、各位置決部材40が第二開口部65および第三開口部67の内側にはみ出す(伸長する)。このとき、図19に示すように、第二保持部64に設けられた四つの位置決部材421〜424については、図19の左右から伸びる位置決部材421,422が素子20,20の外周に当接する前に、図19の上下から伸びる位置決部材423,424の先端が素子20,20の間に入り込んでいることが好ましい。このことは、位置決部材421〜424の材質の選択や形状の設定等により実現することができる。必要に応じて、位置決部材421,422と位置決部材423,424とを線膨張係数の異なる材料から構成してもよい。これにより、位置決部材421,422が素子20,20の外周に当接してこれらを内側に押しやったとき、素子20,20の間に伸長した位置決部材423,424がスペーサとして機能することにより、二つの素子20,20の間隔を規定することができる(図21参照)。各素子20は、位置決部材421(または422)の先端と位置決部材423の側面との間、および位置決部材421(または422)の先端と位置決部材424の側面との間で、それぞれ互いに非平行な二方向に対して位置決めされる。
【0042】
一方、図20および図21に示すように、第三保持部66に設けられた四つの位置決部材431〜434は上部電極30の外周の四辺にそれぞれ当接する。これにより上部電極20は、位置決部材431、432により図20の左右方向に位置決めされ、位置決部材433、434により図20の上下方向に位置決めされる。その後、治具1をリフロー炉から搬出して冷却すると、位置決部材40の先端が第二保持部64の内周とほぼ同じ面上(図18に示す位置)まで後退する。これにより、下部電極10、二つの素子20,20および上部電極30が一体に半田付された半導体装置を治具1から容易に取り出すことができる。このようにして、一度のリフロー工程により、複数の半導体素子20,20の上下に上部電極30および下部電極10が位置精度よく半田付された半導体装置を製造することができる。
【0043】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係る半田付用治具を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第一実施例に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】第一実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】第一実施例に係る半田付用治具をリフロー炉から取り出して冷却した状態を示す断面図である。
【図8】第一実施例の変形例1に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す断面図である。
【図9】第一実施例の変形例1に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す断面図である。
【図10】第一実施例の変形例2に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図11】第一実施例の変形例2に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図12】第一実施例の変形例3に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図13】第二実施例に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図14】図13の XIV−XIV 線断面図である。
【図15】第二実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図である。
【図17】第三実施例に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図18】図17の XVIII−XVIII 線断面図である。
【図19】第三実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱する途中の状態を、図18の XIX−XIX 断面から見た図である。
【図20】第三実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図21】図20の XXI−XXI 線断面図である。
【図22】従来の半田付用治具を示す断面図である。
【図23】従来の半田付用治具を用いた半田付方法を示す断面図である。
【図24】従来の半田付用治具を用いた半田付方法を示す断面図であって、(a)は一度目の半田付工程を、(b)は二度目の半田付工程を示す。
【符号の説明】
1:半田付用治具(リフロー半田付用治具)
5:半導体装置(半田付体)
10:下部電極(電極、第一部品)
20:半導体素子(第二部品)
22,24:半田
30:上部電極(第三部品)
40:熱伸張型位置決部材(熱感応部)
50:バイメタル(熱感応部)
60:治具本体
62:第一保持部
64:第二保持部
65:第二開口部
66:第三保持部
67:第三開口部
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の部品をリフロー半田付するとき(例えば、半導体素子とその上部電極および/または下部電極をリフロー半田付するとき等)に用いる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】一の部品と他の部品とを、それらの間に固体状の半田を挟んで積層配置し、その状態でリフロー炉内に搬入して加熱することによって半田付(リフロー半田付)する方法が知られている。かかるリフロー半田付工程は、上記一の部品に対する他の部品の半田付位置を決めるために、これらの部品を半田付用治具にセットして行われることが多い。
【0003】
このようなリフロー半田付方法の典型例について図22を用いて説明する。図22に示す半田付用治具100は、主として上型160および下型180により構成されている。下型180の上面には、第一部品110に対応した形状の凹部182が設けられている。半田付を行う際には、まずこの凹部182に第一部品110を収容する。次いで、下型180に設けられた組合ピン184と上型160の穴部164とを位置合わせして、下型180上と上型160とを組み合わせる。ここで、上型160の所定位置には、第二部品120に対応した形状の開口部162が設けられている。第一部品110の上に箔状の半田122を載せ、さらに開口部162に第二部品120を収容する(嵌め込む)と、上型160と下型180との間で第一部品110に対する第二部品120の位置が定まる。このようにして半田付用治具100にセットされた部品110,120をリフロー炉(図示せず)内に搬送し、このリフロー炉内の熱により半田122を溶融させて半田付を行う。冷却後、上型160を取り外し(すなわち上型160と下型180との組み合わせを解除し)、半田付により一体化された部品(半田付体)を下型180から取り出す。
リフロー半田付に関する先行技術文献情報として以下のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−179355号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように上型160と下型180とを組み合わせて用いる半田付用治具100では、治具に部品をセットする操作および治具から部品を取出す操作を行う際に、下型180に上型160を着脱しなくてはならないので操作が煩雑である。
【0006】
そこで本発明は、治具に部品をセットする作業および半田付された部品(半田付体)を治具から取出す操作が簡単でありながら、位置精度のよい半田付を可能とするリフロー半田付用治具を提供することを目的とする。関連する他の目的は、そのような治具を用いて半田付された半田付体を提供することである。さらに、そのような治具を用いたリフロー半田付方法および半田付体の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明者は、治具への部品のセットおよび治具からの半田付体の取出しは、一般に半田付温度に比べて低温(典型的には常温)で行われることに着目した。そして、治具に部品をセットする際の温度と半田付温度との温度差によって治具の形状を部分的に異ならせることにより上記課題を解決し得ることを見出した。
【0008】
本発明は、複数の部品をリフロー半田付するための治具に関する。その治具は、第一部品を収容して位置決めする第一保持部を備える。また、その第一保持部の入口側(部品の収容および取出しを行う側)に、第二部品を収容して位置決めする第二保持部を備える。さらに、半田付温度に加熱されたとき第二部品に当接する熱感応部を備える。ここで第二保持部は、常温時に第一部品を挿通可能な第二開口部を有する。また熱感応部は、半田付温度に加熱されることにより、第二開口部の内側に可逆的にはみ出し、これにより第二部品の位置決めを行う。
【0009】
半田付温度への加熱によって上記熱感応部を第二開口部の内側に可逆的にはみ出させる好適な一方法として、構成材料の線膨張率に応じて生じる伸縮(熱膨張・熱収縮)を利用する方法が挙げられる。この種の伸縮を利用して上記構成を実現するために、例えば、熱感応部の一部または全部を構成する材料として、第二保持部の構成材料よりも線膨張率の大きい材料を用いることができる。治具の温度が上昇すると、熱感応部が第二保持部に対して相対的に膨張し、これにより熱感応部が第二開口部の内側にはみ出す。このはみ出した熱感応部により第二部品が位置決めされる。
【0010】
また、半田付温度への加熱によって上記熱感応部を第二開口部の内側に可逆的にはみ出させる他の好適な一方法として、熱感応部の一部と他部との線膨張率の違いにより生じる変形(熱変形)を利用する方法が挙げられる。この種の熱変形を利用して上記構成を実現するために、例えば、熱感応部の構成材料としてバイメタルを用いることができる。
【0011】
かかる構成の半田付用治具に部品をセットして半田付温度に加熱すると、第二開口部の内側にはみ出した熱感応部が第二部品に当接する。このとき、第二部品の位置が所定の半田付位置からズレている場合には、熱感応部によってその所定の半田付位置に第二部品を押しやることができる。このようにして第二部品が所定の半田付位置に保持(位置決め)された状態でリフロー半田付を行うことにより、第一部品と第二部品とを位置精度よく半田付することができる。
一方、熱感応部のはみ出しは可逆的なものであるので、部品をセットしたり取り出したりする操作を半田付温度よりも低温(典型的には常温)で行うときには、熱感応部が第二開口部にはみ出していないか、少なくともそのはみ出しの程度が半田付温度にあるときよりも小さくなっている。したがって、上記セット操作や取出し操作が熱感応部によって妨げられることはない。また、第二開口部は第一部品を挿通可能(その半田付される向きのままで挿通可能なことをいう。以下同じ。)な形状に形成されているので、図22に示す従来技術とは異なり上型160の着脱を行うことなく、第二開口部を通して第一部品を治具にセットする(第一保持部に収容する)ことができるとともに、得られた半田付体(第一部品を含む)を治具から取り出すことができる。このように、本発明の治具は部品のセットおよび半田付体の取出しが簡単である。
【0012】
本発明の半田付用治具は、第二保持部の入口側に、第三部品を収容して位置決めする第三保持部をさらに備えた構成とすることができる。その第三保持部は、第一部品および第二部品を挿通可能な第三開口部を有する。
かかる構成によると、図22に示す従来技術とは異なり、上型160の着脱を行うことなく、第一部品および第二部品を治具にセットしたり、リフロー後に得られた半田付体を治具から取り出したりすることができる。
このような半田付用治具は、一回のリフロー工程によって第二部品の両側(上下)に第一部品および第三部品を半田付する用途に好適である。また、一度目のリフロー工程によって第一部品と第二部品とを半田付し、次いで、得られた半田付体の上に第三部品をセットして二度目のリフロー工程により半田付する用途に用いてもよい。
【0013】
本発明の好適な態様の一例では、前記半田付温度に加熱されたとき、第二部品が、二以上の熱感応部の間および/または熱感応部と第二開口部の内周との間で、互いに非平行な二方向以上に対して位置決めされる。これにより第二部品の半田付の位置精度をさらに向上させ得る。
本発明の好適な態様の他の例では、この治具が二以上の熱感応部を備える。それらの熱感応部は、第二開口部の周囲に、互いに非平行な二方向以上にはみ出すように配置されている。かかる態様によると、二以上の熱感応部の間および/または熱感応部と第二保持部の内周との間で、第二部品を少なくとも二方向に対して位置決めすることができる。このことによって、第二部品の半田付の位置精度をさらに向上させ得る。
【0014】
なお、本発明の治具を用いて半田付される各部品の典型的な形状はほぼ板状である。本発明の治具を用いて半田付される部品の代表例としては、半導体素子、電極、基板、放熱板、ハウジング等が挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明は、また、下記の形態で実施することを特徴とする。
【0016】
(形態1) 本発明に係る治具により製造される半田付体が、第一部品と第三部品との間に第二部品が半田付された構成であって、その第二部品は、その外周の少なくとも一部が第一部品および第三部品のいずれの外周よりも内側となる位置に半田付されている形状の半田付体である。ここで各部品の「外周」とは、目的とする半田付体をその垂直方向から透視したときの各部品の外周をいう。このような半田付体の一例は、後述する第一実施例により作製された半田付体である(図6参照。ここで、図6中の符号10は第一部品、符号20は第二部品、符号30は第三部品を示す。)。
かかる形状の半田付体を作製する場合には、本発明の治具を用いることによる効果が特によく発揮される。このことにつき図面を用いて説明する。
【0017】
すなわち、図23に示すような従来の半田付用治具200によると、第二部品120の外周が第一部品110および第三部品130の外周よりも内側に位置する部分では、治具200の内周と第二部品120の外周との間に隙間Kが空いてしまう。したがって第二部品120の位置決めを行うことができない。
また、かかる形状の半田付体を位置精度よく作製するために、一度目の半田付工程により第一部品と第二部品とを半田付し、得られた半田付体に対して二度目の半田付工程により第三部品を半田付することが考えられる。例えば、図24(a)に示すように、上型260と下型280とを組み合わせた治具220を用いて、まず第一部品110と第二部品120とを半田122により半田付する(一度目の半田付工程)。次いで、図24(b)に示すように、上型260を形状の異なる他の上型270に交換し、この上型270と下型280とを組み合わせた治具230を用いて、第二部品120と第三部品130を半田124により半田付する(二度目の半田付工程)という方法である。しかしこの方法によると、二種類の上型260,270が必要となる上、半田付工程を二度実施するため製造効率が低下しがちである。
本発明の半田付用治具によれば、各部品が上述のような位置関係にある場合にも、一度のリフロー工程により、第二部品の上下に第一部品および第三部品を位置精度よく半田付することが可能である。
【0018】
(形態2) 本発明に係る治具により製造される半田付体が、第一部品上に第二部品が半田付された構成であって、その第二部品は、その外周の少なくとも一部が第一部品の外周よりも内側となる位置に半田付されている形状の半田付体である。このような半田付体の一例は、後述する第二実施例により作製された半田付体である(図16参照。ここで、図16中の符号10は第一部品、符号20は第二部品を示す。)。
かかる形状の半田付体を作製するにあたって本発明の治具を用いることにより、図22に示す半田付用治具100とは異なり、上型160の脱着を行わなくても部品のセットおよび取出しを行うことができる。
【0019】
(形態3) 本発明に係る治具により製造される半田付体が、複数の第二部品の上下に第一部品および第三部品が共通的に半田付された構成の半田付体である。このような構成では、それらの第二部品の外周の一部が第一部品と第三部品の間に位置することとなる。このような半田付体の一例は、後述する第三実施例により作製された半田付体である(図21参照。ここで、図21中の符号10は第一部品、符号20,20は第二部品、符号30は第三部品を示す。)。
このような半田付体を作製するにあたって本発明の治具を用いることにより、第一部品と第三部品との間に複数の第二部品を、一度のリフロー工程により位置精度よく半田付することが可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0021】
<第一実施例>
この第一実施例は、一度のリフロー工程により、半導体素子(第二部材)の上面および下面に上部電極(第三部材)および下部電極(第一部材)がそれぞれリフロー半田付された三層構造の半導体装置(半田付体)を製造する用途等に適した半田付用治具およびそれを用いた半導体装置製造方法を例示するものである。ここで、図5および図6に示すように、上部電極30と下部電極10とはほぼ同じ平面形状を有する。両電極10,30の間に挟まれた半導体素子20は、それらの電極10,30よりも幅が狭く、その外周の大部分(外周のうち三辺のほぼ全部)が両電極10,30の外周よりも内側となる位置に半田付される。
この半田付は、図1および図2に示すように、大まかにいって有底筒状の治具本体60と、その治具本体60の三箇所に設けられた三つの熱伸張型位置決部材40a,40bおよび40c(以下、これら三つの位置決部材40a〜40cを併せて「熱伸張型位置決部材40」ということもある。)とを備える半田付用治具1を用いて行われる。
【0022】
図2に示すように、治具本体60には、その底面(下側)から入口側(上側)に向かって、第一保持部62、第二保持部64および第三保持部66がこの順に形成されている。第一保持部62の上面中央部には、下部電極10(図4参照)を収容して位置決めする凹部63が設けられている。第二保持部64の中央部には、半導体素子20(図4参照)を収容する第二開口部65が設けられている。第三保持部66の中央部には、上部電極30(図4参照)を収容して位置決めする第三開口部67が設けられている。凹部63、第二開口部65および第三開口部67の横断面形状(開口形状)はほぼ同じであり、これらによって治具60の中央部に、大まかにいって柱状の半田付空間68が形成されている。
図1に示すように、第二開口部65を囲む環状の第二保持部64には、その三辺に、第二開口部65に開口する三つの横穴69がそれぞれ一つづつ設けられている。それらの横穴69に、熱感応部を構成する熱伸張型位置決部材40が設置されている。この位置決部材40は脚部42と頭部44とを有し、頭部44の端面(脚部42とは反対側の面)が横穴69の底面に接着剤(図示せず)等により固定されている。脚部42の先端(頭部44とは反対側の端)は、部品のセットや取出しを行うときの温度(典型的には常温)において、第二保持部64の内周とほぼ同じ面上に位置しており、横穴69の入口から半田付空間68に開放されている。
【0023】
一般に治具本体60は、部品のセットや取出しを行うときの温度(典型的には常温)と半田付温度との間での形状の差異が少ないほうが好都合である。したがって、治具本体60は線膨張率の比較的小さい材料を主体に構成されていることが好ましい。治具本体60を構成するのに適した材料の代表例としてはカーボンが挙げられる。カーボンは、線膨張率が小さいことに加えて、半田の付着しにくさ、熱伝導性のよさ、加工性のよさ等の観点からも治具本体60の構成材料として好適である。治具本体60の構成材料として使用し得る他の材料としては、SUS、セラミックス、チタン等が例示される。本実施例では実質的にカーボンからなる治具本体60を用いた。
【0024】
一方、熱伸張型位置決部材40は、治具本体60に比べて線膨張率の大きな材料を主体に構成されている。例えば、治具本体60の主構成材料(ここではカーボン)の線膨張率の2倍以上、好ましくは10倍以上の線膨張率を有する材料を用いて熱伸張型位置決部材40を構成することができる。治具本体60よりも線膨張率が大きくて、半田付温度に耐えられる耐熱性を有する材料であれば、金属材料、セラミックス材料および有機材料(樹脂材料)等のいずれも使用可能である。これらのうち金属材料または樹脂材料を用いることが好ましい。金属材料としては銅、アルミニウム等を選択することができる。樹脂材料としてはPPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂等を選択することができる。半田付温度よりも高い融点を有し、半田付温度に加熱されたときにも分解ガス等の汚染物質を発生しにくい樹脂材料を選択することが好ましい。本実施例では、実質的にアルミニウムからなる(その一部には半田付着防止のためのコーティングが施されている)熱伸張型位置決部材40を用いた。
【0025】
かかる構成の治具1に、半田付の対象となる部品および半田を所定の順序でセットする。すなわち、図4に示すように、下部電極10、箔状の半田22、半導体素子20、半田24および上部電極30をこの順で治具1に収容する。ここで、図3によく示されるように、凹部63、第二開口部65および第三開口部67の横断面形状(開口形状)は、半導体素子20および電極10,30の平面形状を含んでいる。したがって、この治具1に下部電極10、半導体素子20および上部電極30を容易に(その半田付される向きのままで)挿入し、セットすることができる。なお、このように治具に部品等をセットする操作は、取り扱いやすさ等の観点から、通常はほぼ常温(例えば約10〜30℃)で行うことが好ましい。
【0026】
このようにして部品等がセットされた治具1をリフロー炉(図示せず)に搬入する。リフロー炉内の熱により治具1の温度が上昇すると、熱伸張型位置決部材40は治具本体60よりも顕著に膨張する。すなわち、位置決部材40が治具本体60に対して相対的に膨張することとなる。その結果、図5および図6に示すように、三つの位置決部材40a〜40cの脚部42がそれぞれ第二開口部65の内側にはみ出して(伸長して)、半導体素子20の外周の三辺にそれぞれ当接する。これにより半導体素子20が、図5の左右方向に対しては、互いに対向する位置に設けられた二つの位置決部材40a,40bの間で位置決めされる(図6参照)。また、図5の上下方向(位置決部材40a,40bを結ぶ方向とは非平行な(ほぼ直交する)方向)に対しては、第二保持部64の一辺(図5で上側に位置する部分)の内周と、この一辺と対向する辺に設けられた位置決部材40cとの間で位置決めされる。この状態で半田22,24を溶融させて半田付を行う。
【0027】
その後、治具1をリフロー炉から搬出して冷却すると、図7に示すように、熱伸張型位置決部材40a〜40cが治具本体60に対して相対的に収縮することにより、位置決部材40の先端が第二保持部64の内周とほぼ同じ面上まで後退する。これにより、半導体素子20と電極10,30とが一体に半田付された半導体装置5を治具1から容易に取り出すことができる。この取出工程は、取り扱いやすさ等の観点から、通常はほぼ常温(例えば約10〜30℃)で行うことが好ましい。
【0028】
このように、本実施例によると、一度のリフロー工程によって、半導体素子20の上下に上部電極30および下部電極10が位置精度よく半田付された半導体装置5を製造することができる。また、温度に応じて可逆的に膨張(伸長)・収縮する熱伸長型位置決部材40を備えるので、半田付温度では半導体素子20の位置決めを行うことができるとともに、治具1の開閉を行うことなく(例えば、図22に示す半田付用治具100とは異なり、上型160の着脱を行うことなく)部品等のセットや半導体装置の取出しを行うことができる。
【0029】
(変形例1)
上記実施例では熱伸張型位置決部材40の全体を実質的に一種類の材料(ここではアルミニウム)で構成したが、位置決部材40の一部を他の材料から構成してもよい。例えば図8に示すように、脚部42の根元側42a(すなわち頭部44側)は上記実施例と同様に線膨張率の大きい材料から構成し、脚部42の先端側42bはカーボン(治具本体60と同じ材料等)により構成することができる。図8に示す部品セット時(常温時)の状態から半田付温度に加熱されると、図9に示すように、脚部42の根元側42aが治具本体60に対して相対的に膨張する結果、脚部42が全体として内側に伸長し、その先端側42bが半導体素子20の外周に当接する。このとき、図9に示す構成の熱伸張型位置決部材40によると、溶融した半田22,24が位置決部材40の先端側42b(カーボンから構成されている部分)に付着しにくいので好都合である。
【0030】
(変形例2)
上記実施例では熱伸張型位置決部材を用いて熱感応部を構成したが、バイメタルを用いて熱感応部を構成してもよい。例えば、図10に示すように、第二保持部64(図2参照)の三辺に沿って三つの板状のバイメタル50を設けた構成とすることができる。これらのバイメタル50は、それぞれ相対的に熱膨張率の高い材料からなる高膨張部52と、その高膨張部52よりも熱膨張率の低い材料からなる低膨張部54との二層構造を有し、それぞれ高膨張部52が治具1の外周側となるように配置されている。各バイメタル50の一端50aは第二保持部64に固定され、他端50bは固定されていない。
リフロー炉内の熱により治具1の温度が上昇すると、バイメタル50のうち治具1の外周側にある高膨張部52が内周側にある低膨張部54よりも顕著に熱膨張する。その結果、図11に示すように、バイメタル50が反り変形して、第二保持部64に固定されてない他端50b側が第二開口部65にはみ出す。このはみ出したバイメタル50により部品(ここでは半導体素子)の位置決めを行うことができる。
なお、バイメタル50の構成材料としては、従来公知の各種バイメタルから、使用温度域(半田付温度)等を考慮して適当なものを選択すればよい。例えば、構成金属の組み合わせが黄銅とインバー、青銅とインバー、黄銅とニッケル鋼、モネルメタルとニッケル鋼等であるバイメタルを用いることができる。この他、形状記憶合金等を用いて熱感応部を構成することも可能である。
【0031】
(変形例3)
上記実施例では第二保持部の三辺に一つづつ合計三つの熱感応部(熱伸張型位置決部材)を設けたが、熱感応部の数および配置はこれに限定されるものではない。例えば図12に示すように、治具本体60の肩部61によって半導体素子20の左右方向の位置を規制する(位置決めする)ことができる場合等には、第二保持部64の上下のうち下側の一辺のみに一つの熱伸張型位置決部材40を設けた構成としてもよい。半田付温度では、この位置決部材40が伸長して半導体素子20の外周の一辺(図12で下側に位置する辺)に当接する。これにより半導体素子20は、図12の上下方向に対して、第二保持部66の一辺(図12で上側に位置する部分)の内周と、この一辺と対向する辺に設けられた位置決部材40との間で位置決めされる。
【0032】
また、上記実施例で用いた治具は、半田付の対象となる部品のうち半導体素子(第一部品と第三部品の間に半田付される第二部品)のみに対して熱感応部を利用した位置決めを行うものであるが、他の部品(ここでは上部電極および/または下部電極)の位置決めを行うための熱感応部をさらに備えた構成とすることもできる。かかる構成の例としては、半田付温度に加熱されることにより第三開口部の内側に可逆的にはみ出して上部電極(第三部品)の位置決めを行う熱感応部をさらに備える構成が挙げられる。
【0033】
<第二実施例>
この第二実施例は、電極(第一部材)の上に半導体素子(第二部材)がリフロー半田付された二層構造の半導体装置(半田付体)を製造する用途等に適した半田付用治具およびそれを用いた半導体装置製造方法を例示するものである。以下、第一実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、半導体素子20は電極10よりも幅が狭く、その外周の大部分(三辺のほぼ全部)が電極10の外周よりも内側に半田付される。
【0034】
図13および図14に示すように、本実施例に用いる半田付用治具1は、カーボン製の治具本体60と、この治具本体60の三方向に設けられた三つの熱伸長型位置決部材40とを備える。治具本体60には、その底面から入口側に向かって、第一保持部62および第二保持部64がこの順に形成されている。第一保持部62の上面中央部に設けられた凹部63に電極10が収容されて位置決めされる。また、第二保持部64の中央部に設けられた第二開口部65に半導体素子20が収容される。凹部63および第二開口部65の横断面形状(開口形状)はほぼ同じである。第二保持部64の三辺には、第二開口部65に連なる三つの溝70がそれぞれ一つづつ設けられている。それらの溝70に、第一実施例と同様の材料によって同様の形状に構成された熱伸張型位置決部材40が収容されている。位置決部材40の頭部44の端面は、溝70の外周側端に固定されている。また、位置決部材40の脚部42の先端は、第二保持部64の内周とほぼ同じ面上に位置している。
【0035】
かかる構成の治具1に、図14に示すように、電極10、半田22および半導体素子20をこの順で収容し、リフロー炉(図示せず)に搬入して半田付温度に加熱する。これにより、図15および図16に示すように、三つの位置決部材40の脚部42が第二開口部65の内側にはみ出して(伸長して)、半導体素子20の外周の三辺にそれぞれ当接する。このことによって半導体素子20が、図15の左右方向に対しては位置決部材40a,40bの間で、図15の上下方向に対しては第二保持部66の内周と位置決部材40cとの間で位置決めされる。この状態で半田22を溶融させて半田付を行う。その後、治具1をリフロー炉から搬出して冷却すると、熱伸長型位置決部材40の先端が第二保持部64の内周とほぼ同じ面上(図14に示す位置)まで後退する。これにより、電極10と半導体素子20とが一体に半田付された半導体装置(半田付体)を治具1から容易に取り出すことができる。
【0036】
このように、本実施例によると、電極10と半導体素子20とを位置精度よく半田付することができる。また、図22に示す半田付用治具100とは異なり、上型160の脱着を行わなくても部品等のセットや半導体装置の取出しを行うことができる。
【0037】
<第三実施例>
この第三実施例は、一度のリフロー半田付工程により、間隔を開けて配置された複数(ここでは二つ)の半導体素子の上下に、上部電極(第三部品)および下部電極(第一部品)が共通的に半田付された三層構造の半導体装置(半田付体)を製造する用途等に適した半田付用治具およびそれを用いた半導体装置製造方法を例示するものである。以下、第一実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図20に示すように、二つの半導体素子20,20は、それらの外周の全体が下部電極10の外周よりも内側となる位置に半田付される。また、上部電極30は下部電極10および半導体素子20よりも幅が狭く、その外周の大部分(外周のうち三辺のほぼ全部)は二つの素子20,20のいずれかの外周よりも内側に半田付される。一方、素子20,20は上部電極30により連結されるので、それらの素子20,20は、外周の一部が上部電極30の下方(すなわち上部電極30の外周よりも内側)となる位置に半田付される。
【0038】
図17および図18に示すように、本実施例に用いる半田付用治具1は、カーボン製の治具本体60と、この治具本体60の四方向に上下二段に分けて設けられた合計八つの熱伸長型位置決部材40とを備える。
図18に示すように、治具本体60には、第一保持部62、第二保持部64および第三保持部66がこの順に形成されている。第一保持部62の上面中央部に設けられた凹部63に、下部電極10が収容されて位置決めされる。第二保持部64の中央部に設けられた第二開口部65に二つの半導体素子20,20が収容される。第三保持部66の中央部に設けられた第三開口部67に上部電極30が収容される。凹部63、第二開口部65および第三開口部67の横断面形状(開口形状)はほぼ同じであり、これらによって治具60の中央部に、大まかにいって柱状の半田付空間68が形成されている。
【0039】
図17に示すように、半田付空間68を囲む治具本体60の各辺(四辺)には、熱伸長型位置決部材を設置するための横穴69が形成されている。本実施例では、図18に示すように、これらの横穴69が、第二保持部64および第三保持部66の二段にわたって合計八個設けられている。それらの横穴69に、第一実施例と同様の材料によって同様の形状に構成された熱伸長型位置決部材40が収容されている。以下、下段(第二保持部64)に設けられた四つの位置決部材を421,422,423,424といい、上段(第三保持部66)に設けられた四つの位置決部材を431,432,433,434ということがある。これらは、図17によく示されるように、位置決部材421と422が対向し、位置決部材423と424が対向し、位置決部材431と432が対向し、そして位置決部材433と434が対向する位置に設けられている。
【0040】
かかる構成の治具1に、図18に示すように、下部電極10を収容し、その上に複数(ここでは二つ)の半導体素子20,20を間隔を開けて載置し、それらの素子20,20に跨がるように上部電極30を載置する。下部電極10と素子20,20との間にはそれぞれ箔状の半田22を挟む。また、素子20,20と上部電極30との間にもそれぞれ半田24,24を挟む。
【0041】
このように部品等がセットされた半田付用治具1をリフロー炉(図示せず)に搬入して加熱する。これにより、各位置決部材40が第二開口部65および第三開口部67の内側にはみ出す(伸長する)。このとき、図19に示すように、第二保持部64に設けられた四つの位置決部材421〜424については、図19の左右から伸びる位置決部材421,422が素子20,20の外周に当接する前に、図19の上下から伸びる位置決部材423,424の先端が素子20,20の間に入り込んでいることが好ましい。このことは、位置決部材421〜424の材質の選択や形状の設定等により実現することができる。必要に応じて、位置決部材421,422と位置決部材423,424とを線膨張係数の異なる材料から構成してもよい。これにより、位置決部材421,422が素子20,20の外周に当接してこれらを内側に押しやったとき、素子20,20の間に伸長した位置決部材423,424がスペーサとして機能することにより、二つの素子20,20の間隔を規定することができる(図21参照)。各素子20は、位置決部材421(または422)の先端と位置決部材423の側面との間、および位置決部材421(または422)の先端と位置決部材424の側面との間で、それぞれ互いに非平行な二方向に対して位置決めされる。
【0042】
一方、図20および図21に示すように、第三保持部66に設けられた四つの位置決部材431〜434は上部電極30の外周の四辺にそれぞれ当接する。これにより上部電極20は、位置決部材431、432により図20の左右方向に位置決めされ、位置決部材433、434により図20の上下方向に位置決めされる。その後、治具1をリフロー炉から搬出して冷却すると、位置決部材40の先端が第二保持部64の内周とほぼ同じ面上(図18に示す位置)まで後退する。これにより、下部電極10、二つの素子20,20および上部電極30が一体に半田付された半導体装置を治具1から容易に取り出すことができる。このようにして、一度のリフロー工程により、複数の半導体素子20,20の上下に上部電極30および下部電極10が位置精度よく半田付された半導体装置を製造することができる。
【0043】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係る半田付用治具を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第一実施例に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】第一実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】第一実施例に係る半田付用治具をリフロー炉から取り出して冷却した状態を示す断面図である。
【図8】第一実施例の変形例1に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す断面図である。
【図9】第一実施例の変形例1に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す断面図である。
【図10】第一実施例の変形例2に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図11】第一実施例の変形例2に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図12】第一実施例の変形例3に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図13】第二実施例に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図14】図13の XIV−XIV 線断面図である。
【図15】第二実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図である。
【図17】第三実施例に係る半田付用治具に常温で部品等をセットした状態を示す平面図である。
【図18】図17の XVIII−XVIII 線断面図である。
【図19】第三実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱する途中の状態を、図18の XIX−XIX 断面から見た図である。
【図20】第三実施例に係る半田付用治具に部品等をセットして半田付温度に加熱した状態を示す平面図である。
【図21】図20の XXI−XXI 線断面図である。
【図22】従来の半田付用治具を示す断面図である。
【図23】従来の半田付用治具を用いた半田付方法を示す断面図である。
【図24】従来の半田付用治具を用いた半田付方法を示す断面図であって、(a)は一度目の半田付工程を、(b)は二度目の半田付工程を示す。
【符号の説明】
1:半田付用治具(リフロー半田付用治具)
5:半導体装置(半田付体)
10:下部電極(電極、第一部品)
20:半導体素子(第二部品)
22,24:半田
30:上部電極(第三部品)
40:熱伸張型位置決部材(熱感応部)
50:バイメタル(熱感応部)
60:治具本体
62:第一保持部
64:第二保持部
65:第二開口部
66:第三保持部
67:第三開口部
Claims (6)
- 複数の部品をリフロー半田付するための治具であって、
第一部品を収容して位置決めする第一保持部と、
その第一保持部の入口側に形成されており、第二部品を収容して位置決めする第二保持部と、
半田付温度に加熱されたとき前記第二部品に当接する熱感応部とを備え、
前記第二保持部は、常温時に前記第一部品を挿通可能な第二開口部を有し、
前記熱感応部は、半田付温度に加熱されることにより前記第二開口部の内側に可逆的にはみ出して前記第二部品の位置決めを行うリフロー半田付用治具。 - 前記第二保持部の入口側に形成されており、第三部品を収容して位置決めする第三保持部をさらに備え、
その第三保持部は、常温時に前記第一部品および前記第二部品を挿通可能な第三開口部を有する請求項1に記載のリフロー半田付用治具。 - 前記熱感応部は、前記第二保持部の構成材料よりも線膨張率の大きい材料からなる部分を有する請求項1または2に記載のリフロー半田付用治具。
- 前記熱感応部はバイメタルを用いて構成されている請求項1または2に記載のリフロー半田付用治具。
- 前記半田付温度に加熱されたとき、前記第二部品は、二以上の前記熱感応部の間および/または前記熱感応部と前記第二保持部の内周との間で、互いに非平行な二方向以上に対して位置決めされる請求項1から4のいずれか一項に記載のリフロー半田付用治具。
- 二以上の前記熱感応部を備え、それらの熱感応部は前記第二開口部の周囲に、互いに非平行な二方向以上にはみ出すように配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載のリフロー半田付用治具。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008130587A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Honda Motor Co Ltd | リフロー装置 |
| JP2019125740A (ja) * | 2018-01-18 | 2019-07-25 | トヨタ自動車株式会社 | 位置決め治具 |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002263813A patent/JP2004098131A/ja active Pending
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| JP2008130587A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Honda Motor Co Ltd | リフロー装置 |
| JP2019125740A (ja) * | 2018-01-18 | 2019-07-25 | トヨタ自動車株式会社 | 位置決め治具 |
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