JP2004090405A - 自動車用燃料系ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料低透過性、耐衝撃性、耐加水分解性、層間接着性に優れた自動車用燃料系ホースを提供する。
【解決手段】燃料を流通させる環状の内層1と、その外周の燃料低透過層2を備え、上記内層1と燃料低透過層2とがそれぞれ界面を接した状態で積層され、かつ、上記内層1が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層2がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されている自動車用燃料系ホースである。
【選択図】図1
【解決手段】燃料を流通させる環状の内層1と、その外周の燃料低透過層2を備え、上記内層1と燃料低透過層2とがそれぞれ界面を接した状態で積層され、かつ、上記内層1が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層2がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されている自動車用燃料系ホースである。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用燃料系ホースに関するものであり、詳しくはガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料のような自動車燃料の輸送等に用いられる自動車用燃料系ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
世界的な環境意識の高まりから、自動車用燃料系ホース等からの炭化水素蒸散量の規制が強化されてきており、なかでも米国ではかなり厳しい蒸散規制が法制化されている。このような状況の中で、炭化水素蒸散量の規制に対応するため、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等からなる燃料低透過層を備えた多層ホースが提案されている。しかしながら、上記フッ素系樹脂を用いた多層ホースは、比較的低透過性能が得られるものの、厳しい低透過性要求を満足させるにはフッ素系樹脂層の厚みを厚くせざるを得ず、そのため高価なものになってしまう。一方、上記ポリエステル系樹脂やPPS樹脂は、上記フッ素系樹脂に比べて低透過性能が高いため、比較的薄くても低透過性能が得られ、価格的には有利であるが、接着性が乏しいために積層化が困難である。
【0003】
そこで、上記問題を解決するため、下記の構成のホース▲1▼〜▲5▼が提案されている。
【0004】
〔ホース▲1▼〕
特許第3126275号には、ホース▲1▼として、内層から順にフッ素系樹脂層/第1の接着樹脂層/ポリブチレンナフタレート層/第2の接着樹脂層/熱可塑性樹脂層の5層構造のホースが提案されている。そして、上記フッ素系樹脂層とポリブチレンナフタレート層とを接着する第1の接着樹脂層は、フッ素系材料と結晶性ポリエステルまたはポリエステル系エラストマーとの混合物に、相溶化剤を配合した混合物により形成されている。
【0005】
〔ホース▲2▼〕
特開平7−173446号には、ホース▲2▼として、グラフト変性したETFEで構成された内層の外周面に、ポリブチレンテレフタレートで構成された外層が形成されたホースが提案されている。
【0006】
〔ホース▲3▼〕
国際公開WO98/58973号には、ホース▲3▼として、末端をポリカーボネートにより変性したテトラフルオロエチレン共重合体からなる構成層と、ポリアミド樹脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹脂等の他のポリマーからなる構成層を積層したホースが提案されている。
【0007】
〔ホース▲4▼〕
国際公開WO98/55557号には、ホース▲4▼として、(a)カルボキシル基またはカルボン酸塩を有する含フッ素エチレン性単量体と、(b)上記(a)と共重合可能な官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体との共重合体からなる層と、熱可塑樹脂からなる層との積層ホースが提案されている。
【0008】
〔ホース▲5▼〕
国際公開WO98/45044号には、ホース▲5▼として、カーボネート基またはカルボン酸ハライド基を有する含フッ素エチレン性重合体と、ポリアミド樹脂,ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂等の他のポリマーからなる構成層を積層したホースが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ホース▲1▼は、最内層であるフッ素系樹脂層と、中間層であるポリブチレンナフタレート層との接着性が著しく劣るという難点がある。しかも、上記ホース▲1▼は、ホースの中間に位置するポリブチレンナフタレート層により、内部燃料の透過を抑える構成であるため、ポリブチレンナフタレート層と、それより内側の層との接着力が不足すると、内側の層が剥離してホースの内部空間を狭めるように垂れるため、ホースの内部空間が閉塞し、流量低下を招く危険がある。また、上記フッ素系樹脂層とポリブチレンナフタレート層とを接着する第1の接着樹脂層は、フッ素系材料との混合物で形成されているため、耐衝撃性に劣るとともに、コストが高くなるという難点がある。上記ホース▲2▼は、外層がポリブチレンテレフタレートで構成されているため、燃料低透過性に劣るとともに、燃料中に含まれるアルコールや水によって加水分解されやすいため、耐加水分解性に劣るという難点がある。また、上記ホース▲3▼〜▲5▼は、燃料低透過性、耐衝撃性、層間接着性が不充分である。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、燃料低透過性、耐衝撃性、耐加水分解性、層間接着性に優れた自動車用燃料系ホースの提供をその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の自動車用燃料系ホースは、燃料を流通させる環状の内層と、その外周の燃料低透過層を備え、上記内層と燃料低透過層とがそれぞれ界面を接した状態で積層され、かつ、上記内層が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されているという構成をとる。
【0012】
本発明者らは、燃料低透過性、耐衝撃性、耐加水分解性、層間接着性に優れた自動車用燃料系ホースを得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、官能基を有するフッ素系樹脂で内層を形成し、かつ、その外周にナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で燃料低透過層を形成すると、フッ素系樹脂の官能基と、ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂の末端のカルボキシル基または水酸基とが相互作用して、両者の接着力がより強固となることを突き止めた。すなわち、本発明者らは、研究当初、ポリブチレンナフタレートやポリエチレンナフタレートのようなナフタレン環を有するポリエステル系樹脂は、ナフタレン環が立体障害となるため、官能基を有するフッ素系樹脂との反応性が悪く、接着性が劣ると考えた。しかし、実験を重ねたところ、ナフタレン環を有さないため立体障害が少ないと考えられるポリブチレンテレフタレートを用いた場合よりも、ポリブチレンナフタレートやポリエチレンナフタレートのようなナフタレン環を有するポリエステル系樹脂を用いた方が、官能基を有するフッ素系樹脂との接着力が優れていることを見いだし、本発明に到達した。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0014】
本発明の自動車用燃料系ホースは、例えば、図1に示すように、燃料を流通させる環状の内層1の外周に、燃料低透過層2が形成されて構成されている。上記内層1と燃料低透過層2は、それぞれ界面を接した状態で直接積層されており、界面への接着剤の塗布や、プラズマ処理は不要である。
【0015】
上記内層1用材料としては、官能基を有するフッ素系樹脂が用いられる。上記フッ素系樹脂としては、特に限定するものではなく、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル重合体、等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加工性に優れる点で、ETFE、THVが好適に用いられる。
【0016】
また、上記官能基としては、特に限定はないが、エポキシ基、水酸基、カルボン酸無水物残基、アクリレート基、アミノ基が好ましい。
【0017】
上記官能基を有するフッ素系樹脂は、例えば、フッ素系樹脂に、官能基を有するグラフト性化合物をグラフトさせたり、フッ素系樹脂の主鎖中あるいは末端に、官能基を有する化合物を共重合させること等により得ることができる。
【0018】
上記官能基を有するフッ素系樹脂の衝撃強度は、−40℃の条件下にて30J/m以上であることが好ましく、特に好ましくは45J/m以上である。上記衝撃強度は、ASTM D256(ノッチ付き)に準じて測定することができる。
【0019】
なお、主に燃料ポンプで発生した静電気を帯びた燃料が接触帯電し、スパークによって火災が発生するのを防止するため、上記内層1に導電性を持たせることも可能である。この場合、上記内層1用材料としては、上記官能基を有するフッ素系樹脂に、カーボンブラック、ナノカーボンチューブ、金属粉、金属酸化物粉等の導電剤を配合したものが用いられる。このように導電性を付与した場合の内層(導電性層)の表面電気抵抗は、106 Ω以下の範囲が好ましく、特に好ましくは105 Ω以下である。そして、上記導電剤の配合割合は、導電性層の表面電気抵抗が上記の範囲になるよう設定することが好ましい。
【0020】
上記内層1の外周面に直接積層形成される燃料低透過層2としては、ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂が用いられる。上記ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂としては、特に限定はないが、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好適に用いられる。
【0021】
上記ポリブチレンナフタレート(PBN)は、テトラメチレングリコールと、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル化合物とを縮合して得られる樹脂である。また、上記ポリエチレンナフタレート(PEN)は、エチレングリコールと、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル化合物とを縮合して得られる樹脂である。
【0022】
なお、上記PBNやPENは、低透過性を満足する範囲で、エーテルセグメントもしくはエステルセグメントを共重合させ、柔軟性を持たせた熱可塑性エラストマーとして用いることも可能である。また、上記PBNやPENは、低透過性を満足する範囲で、ナフタレンジカルボン酸とともに、脂肪酸のジカルボン酸を反応させることもできる。あるいは、上記PBNやPENは、低透過性を満足する範囲で、オレフィン系等のエラストマーや微粒子状架橋エラストマーを混合することもできる。
【0023】
上記PBNやPENとしては、透過係数が0.08以下の材料が好ましく用いられる。なお、上記透過係数は、Fuel Cに10体積%のエタノールを混合した燃料の40℃における透過係数(mg/mm/cm2 /day/atm)を示す。上記透過係数は、JIS K 7126のA法に準じて測定した値である。
【0024】
また、上記PBNやPENは、耐衝撃性、耐熱性、耐加水分解性と押出加工性とのバランスの観点から、粘度が90〜260cm3 /gの範囲が好ましい。上記粘度は、ASTM D 2857に準拠し、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用い、35℃、0.005g/cm3 の溶液について測定した値である。
【0025】
なお、本発明の自動車用燃料系ホースは、図1に示した構造に限定されるものではなく、ホースとしての柔軟性確保や石跳ねからの保護等を目的として、燃料低透過層2の外周面に外層を形成した構造であっても差し支えない。
【0026】
上記外層の形成材料としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリアミド6(PA6),ポリアミド66(PA66),ポリアミド612(PA612),ポリアミド11(PA11),ポリアミド912(PA912),ポリアミド12(PA12)のようなポリアミド樹脂、エステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記外層は単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えない。
【0027】
なお、上記燃料低透過層2と外層の接着には、必要に応じて、接着樹脂を用いることも可能である。上記接着樹脂としては、特に限定はなく、例えば、エポキシ系樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、スチレン系熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、上記接着樹脂は、PBN、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PBN系熱可塑性エラストマー、PBT系熱可塑性エラストマー等のブレンド物であっても差し支えない。
【0028】
本発明の自動車用燃料系ホースにおいて、内層1は図1に示したような単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えなく、例えば、内層を2層構造とし、内側層を導電性層、外側層を非導電性層とすることも可能である。なお、上記内層1と同様、外層も2層以上の多層構造にしても差し支えない。
【0029】
前記図1に示した本発明の自動車用燃料系ホースは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、上記官能基を有するフッ素系樹脂を用いた内層1用材料、および上記ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂を用いた燃料低透過層2用材料をそれぞれ準備する。つぎに、内層用押出機および燃料低透過層用押出機を用いて、各材料を押し出して1つのダイに合流させ、この共押出した溶融チューブをサイジングダイスに通すことにより、内層の外周面に燃料低透過層が直接積層形成されてなる自動車用燃料系ホースを作製することができる。また、内層1が2層の場合は、内層(内側層)用押出機および内層(外側層)用押出機をそれぞれ準備し、各押出機より各材料を同時に押し出し、ダイで合流させることにより作製することができる。外層が2層の場合も、上記2層の内層の場合と同様に、成形することができる。なお、ホースを蛇腹状に形成する場合には、上記共押出した溶融チューブをコルゲート成形機に通すことにより、所定寸法の蛇腹状ホースを作製することが可能である。
【0030】
このようにして得られる本発明の自動車用燃料系ホースにおいて、ホース内径は4〜40mmの範囲が好ましく、特に好ましくは6〜30mmの範囲であり、ホース外径は6〜44mmの範囲が好ましく、特に好ましくは8〜32mmの範囲である。また、内層1の厚みは0.02〜1.0mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.6mmの範囲であり、燃料低透過層2の厚みは0.02〜0.8mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.6mmの範囲である。なお、外層を形成する場合は、外層の厚みは、通常、0.3〜1.5mmの範囲であり、好ましくは0.5〜1.0mmの範囲である。
【0031】
本発明の自動車用燃料系ホースは、ガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料、CNG(圧縮天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の自動車用燃料の輸送用ホースとして好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、メタノールや水素、ジメチルエーテル(DME)等の燃料電池自動車用の燃料輸送用ホースとしても使用可能である。
【0032】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0033】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0034】
〔ETFE〕
衝撃強度は、−40℃において150J/mであった。
【0035】
〔導電ETFE〕
ETFEに、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)を15重量%配合して、導電ETFEを作製した。この導電ETFEの衝撃強度は、−40℃において75J/mであった。
【0036】
〔エポキシ変性ETFE〕
ETFE100重量部(以下「部」と略す)に対して、グリシジルメタクリレート2部と、ジクミルパーオキサイド2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、エポキシ変性ETFEを作製した。このエポキシ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において60J/mであった。
【0037】
〔水酸基変性ETFE〕
ETFE100部に対して、ビニルメトキシシラン1.5部と、ジクミルパーオキサイド1.5部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、水酸基変性ETFEを作製した。この水酸基変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において55J/mであった。
【0038】
〔無水カルボン酸変性ETFE〕
ETFE100部に対して、無水マレイン酸1.5部と、ジクミルパーオキサイド0.2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、無水カルボン酸変性ETFEを作製した。この無水カルボン酸変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において62J/mであった。
【0039】
〔導電エポキシ変性ETFE〕
上記エポキシ変性ETFE100部に対して、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)15部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、導電エポキシ変性ETFEを作製した。この導電エポキシ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において49J/mであった。
【0040】
〔アクリレート変性ETFE〕
ETFE100部に対して、アクリル酸メチル2部と、ジクミルパーオキサイド2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、アクリレート変性ETFEを作製した。このアクリレート変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において45J/mであった。
【0041】
〔アミノ変性ETFE〕
ETFE100部に対して、アリルアミン2部と、ジクミルパーオキサイド1.8部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、アミノ変性ETFEを作製した。このアミノ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において50J/mであった。
【0042】
〔カルボン酸塩変性ETFE〕
パーフルオロ−(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノイックアシッド)と、テトラフルオロエチレンと、エチレンを反応させた後、酢酸亜鉛を添加し溶融混練して、カルボン酸塩変性ETFEを作製した。このカルボン酸塩変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において21J/mであった。
【0043】
〔カルボキシ変性ETFE〕
ETFE100部に対して、マレイン酸1.5部と、ジクミルパーオキサイド0.2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、カルボキシ変性ETFEを作製した。このカルボキシ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において28J/mであった。
【0044】
〔エポキシ変性THV〕
THV100部に対して、グリシジルメタクリレート4部と、ジクミルパーオキサイド2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、エポキシ変性THVを作製した。このエポキシ変性THVの衝撃強度は、−40℃において60J/mであった。
【0045】
〔PBN〕
テトラメチレングリコールと、2,6−ナフタレンジカルボン酸の縮合物(帝人化成社製、TQB−OT)
【0046】
〔PBN−エーテル〕
PBN100部に対し、エーテルセグメントとしてポリテトラメチレングリコール10部を共重合させた。
【0047】
〔PBN−エステル〕
PBN100部に対し、エステルセグメントとしてポリカプロラクトン10部を共重合させた。
【0048】
〔PBN−脂肪酸〕
PBNに対し、脂肪酸のジカルボン酸(ユニケマ社製、PRIPOL1008)を3モル%となるように共重合させた。
【0049】
〔TPEE〕
エステル系熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン社製、ハイトレル5577)
【0050】
〔AD▲1▼〕
ETFEとPBNとエチレングリシジルメタクリレートの混練物(重量混合比:5/5/1)。この混練物の衝撃強度は、−40℃において26J/mであった。
【0051】
〔AD▲2▼〕
PA12とPBNと熱可塑性ポリウレタンの混練物(重量混合比:4/4/1)
【0052】
【実施例1】
まず、内層用押出機と、燃料低透過層用押出機と、外層用押出機とをそれぞれ準備し、各押出機から各材料を押し出して1つのダイに合流させ、これをサイジングダイスに通すことにより、エポキシ変性ETFEからなる内層の外周面に、PBNからなる燃料低透過層が直接積層形成され、さらにその外周面にTPEEからなる外層が直接積層形成されてなる燃料ホース(内径6mm、外径8mm)を作製した。
【0053】
【実施例2〜12、比較例1〜6】
内層用材料、燃料低透過層用材料および外層用材料を、後記の表1〜表3に示す組み合わせに変更する以外は、実施例1と同様にして燃料ホースを作製した。なお、内層が内側層と外側層の2層構造の場合は、内層(内側層)用押出機と、内層(外側層)用押出機をそれぞれ用い、実施例1に準じて、燃料ホースを作製した。また、接着層を形成する場合には、接着層用押出機をさらに1台準備し、各材料とともに同時に押し出して1つのダイに合流させ、これをサイジングダイスに通すことにより成形した。
【0054】
このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料ホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1〜表3に併せて示した。
【0055】
〔ガソリン透過量〕
長さ10mの燃料ホース(内径6mm)の両端部を、円錐状の治具を用いて、燃料ホース端部内径が10mmになるように拡径した後、燃料ホース端部の外周をR処理した外径8mmの金属製パイプ(だだし、外径10mmに拡径されたバルジ加工部を2箇所有する)を2本準備し、上記燃料ホースの端部に1本ずつ圧入した。そして、一方の金属製パイプにはネジ式の目くら栓を装着し、他方の金属製パイプには金属製バルブを装着した。ついで、上記金属製バルブを装着した金属製パイプ側から、燃料ホース内にレギュラーガソリン(エタノール10容量%含有)を封入し、40℃で3000時間処理(なお、1週間毎にレギュラーガソリンを交換)した。そして、CARB SHED法 DBLパターンで、3日間ガソリン透過量を測定し、ガソリン透過量が最大であった日の、燃料ホース1m当たりのガソリン透過量を算出した。なお、上記測定方法では、0.1mg/m/日が測定限界であるため、0.1mg/m/日未満であったものは「<0.1」と標記した。
【0056】
〔耐加水分解性〕
各燃料ホースの中に純水を封入し、80℃で1000時間老化させた後、燃料ホースを折り曲げた。評価は、燃料低透過層にクラックが入っていないものを○、クラックが入ったものを×とした。
【0057】
〔接着力〕
各燃料ホースを長手方向に4分割し、そのうちの1つを用いて、内層と燃料低透過層との界面を剥離して接着力(N/cm)を算出した。また、燃料ホース内に燃料(Fuel Cにエタノールを10体積%混合させた混合液)を封入し、60℃で1週間放置した後、上記と同様にして、内層と燃料低透過層の接着力(N/cm)を算出した。
【0058】
〔耐衝撃性〕
各燃料ホースを−40℃で4時間放置した後、JASO M317に準じて、すぐに落錘(先端がR16mmに処理された直径32mmの丸棒、重さ450g)を305mmの高さから燃料ホース上に落下させる落錘試験を行った。その後、ホースを長手方向に半割して、燃料ホース内外面の異常の有無を確認した。評価は、燃料ホース内外面にクラックが入っていないものを○、クラックが入ったものを×とした。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
上記結果から、実施例品は、いずれも燃料低透過性、耐加水分解性、接着性および耐衝撃性に優れていることがわかる。なお、上記燃料低透過層用材料として、PBNに代えて、PENを用いた場合でも、PBNと同様の優れた効果を奏することを実験により確認している。
【0063】
これに対して、比較例1品は、官能基を有しない通常のETFEにより内層が形成されているため、燃料低透過層との接着力が劣る。また、内層と燃料低透過層とを接着する接着層を、フッ素系材料との混合物で形成しているため、低温時の衝撃性に劣るとともに、コストが高くなる。比較例2品は、PBTにより燃料低透過層が形成されているため、燃料低透過性が劣るとともに、耐加水分解性にも劣る。また、燃料低透過層がPBNにより形成されている以外、他のホース構成が同じである実施例1品に比べて、初期および封入後の接着性がいずれも劣ることがわかる。比較例3品は、カルボン酸塩変性ETFEとETFEの共重合体により内層が形成されているため、初期および封入後の接着性がいずれも劣り、また耐衝撃性に劣ることもわかる。比較例4品は、燃料低透過層を形成していないため、燃料低透過性が劣るとともに、耐衝撃性にも劣ることがわかる。比較例5品は、PBTにより燃料低透過層が形成されているため、燃料低透過性が劣るとともに、耐加水分解性にも劣る。また、燃料低透過層がPBNにより形成されている以外、他のホース構成が同じである実施例2品に比べて、初期および封入後の接着性がいずれも劣ることがわかる。比較例6品は、PBTにより燃料低透過層が形成されているため、燃料低透過性が劣るとともに、耐加水分解性にも劣る。また、燃料低透過層がPBNにより形成されている以外、他のホース構成が同じである実施例3品に比べて、初期および封入後の接着性がいずれも劣ることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の自動車用燃料系ホースは、上記内層が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されている。そのため、フッ素系樹脂の官能基と、ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂の末端のカルボキシル基または水酸基とが相互作用して、両者の接着力がより強固となり、内層と燃料低透過層との層間接着性に優れ、耐衝撃性が向上する。また、燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されているため、燃料低透過性、耐加水分解性にも優れている。
【0065】
また、上記内層を構成する官能基を有するフッ素系樹脂の衝撃強度が、−40℃の条件下にて30J/m以上であると、ホースの耐衝撃性が向上し、自動車用燃料系ホースとしての実用性が高くなる。
【0066】
さらに、上記PBNまたはPENを用いて燃料低透過層内層を構成すると、PBNやPENは融点が高く、押出加工温度を高く設定できるため、官能基を有するフッ素系樹脂との接着性がより高くなり、ホースの耐衝撃性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用燃料系ホースの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 内層
2 燃料低透過層
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用燃料系ホースに関するものであり、詳しくはガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料のような自動車燃料の輸送等に用いられる自動車用燃料系ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
世界的な環境意識の高まりから、自動車用燃料系ホース等からの炭化水素蒸散量の規制が強化されてきており、なかでも米国ではかなり厳しい蒸散規制が法制化されている。このような状況の中で、炭化水素蒸散量の規制に対応するため、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等からなる燃料低透過層を備えた多層ホースが提案されている。しかしながら、上記フッ素系樹脂を用いた多層ホースは、比較的低透過性能が得られるものの、厳しい低透過性要求を満足させるにはフッ素系樹脂層の厚みを厚くせざるを得ず、そのため高価なものになってしまう。一方、上記ポリエステル系樹脂やPPS樹脂は、上記フッ素系樹脂に比べて低透過性能が高いため、比較的薄くても低透過性能が得られ、価格的には有利であるが、接着性が乏しいために積層化が困難である。
【0003】
そこで、上記問題を解決するため、下記の構成のホース▲1▼〜▲5▼が提案されている。
【0004】
〔ホース▲1▼〕
特許第3126275号には、ホース▲1▼として、内層から順にフッ素系樹脂層/第1の接着樹脂層/ポリブチレンナフタレート層/第2の接着樹脂層/熱可塑性樹脂層の5層構造のホースが提案されている。そして、上記フッ素系樹脂層とポリブチレンナフタレート層とを接着する第1の接着樹脂層は、フッ素系材料と結晶性ポリエステルまたはポリエステル系エラストマーとの混合物に、相溶化剤を配合した混合物により形成されている。
【0005】
〔ホース▲2▼〕
特開平7−173446号には、ホース▲2▼として、グラフト変性したETFEで構成された内層の外周面に、ポリブチレンテレフタレートで構成された外層が形成されたホースが提案されている。
【0006】
〔ホース▲3▼〕
国際公開WO98/58973号には、ホース▲3▼として、末端をポリカーボネートにより変性したテトラフルオロエチレン共重合体からなる構成層と、ポリアミド樹脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹脂等の他のポリマーからなる構成層を積層したホースが提案されている。
【0007】
〔ホース▲4▼〕
国際公開WO98/55557号には、ホース▲4▼として、(a)カルボキシル基またはカルボン酸塩を有する含フッ素エチレン性単量体と、(b)上記(a)と共重合可能な官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体との共重合体からなる層と、熱可塑樹脂からなる層との積層ホースが提案されている。
【0008】
〔ホース▲5▼〕
国際公開WO98/45044号には、ホース▲5▼として、カーボネート基またはカルボン酸ハライド基を有する含フッ素エチレン性重合体と、ポリアミド樹脂,ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂等の他のポリマーからなる構成層を積層したホースが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ホース▲1▼は、最内層であるフッ素系樹脂層と、中間層であるポリブチレンナフタレート層との接着性が著しく劣るという難点がある。しかも、上記ホース▲1▼は、ホースの中間に位置するポリブチレンナフタレート層により、内部燃料の透過を抑える構成であるため、ポリブチレンナフタレート層と、それより内側の層との接着力が不足すると、内側の層が剥離してホースの内部空間を狭めるように垂れるため、ホースの内部空間が閉塞し、流量低下を招く危険がある。また、上記フッ素系樹脂層とポリブチレンナフタレート層とを接着する第1の接着樹脂層は、フッ素系材料との混合物で形成されているため、耐衝撃性に劣るとともに、コストが高くなるという難点がある。上記ホース▲2▼は、外層がポリブチレンテレフタレートで構成されているため、燃料低透過性に劣るとともに、燃料中に含まれるアルコールや水によって加水分解されやすいため、耐加水分解性に劣るという難点がある。また、上記ホース▲3▼〜▲5▼は、燃料低透過性、耐衝撃性、層間接着性が不充分である。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、燃料低透過性、耐衝撃性、耐加水分解性、層間接着性に優れた自動車用燃料系ホースの提供をその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の自動車用燃料系ホースは、燃料を流通させる環状の内層と、その外周の燃料低透過層を備え、上記内層と燃料低透過層とがそれぞれ界面を接した状態で積層され、かつ、上記内層が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されているという構成をとる。
【0012】
本発明者らは、燃料低透過性、耐衝撃性、耐加水分解性、層間接着性に優れた自動車用燃料系ホースを得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、官能基を有するフッ素系樹脂で内層を形成し、かつ、その外周にナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で燃料低透過層を形成すると、フッ素系樹脂の官能基と、ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂の末端のカルボキシル基または水酸基とが相互作用して、両者の接着力がより強固となることを突き止めた。すなわち、本発明者らは、研究当初、ポリブチレンナフタレートやポリエチレンナフタレートのようなナフタレン環を有するポリエステル系樹脂は、ナフタレン環が立体障害となるため、官能基を有するフッ素系樹脂との反応性が悪く、接着性が劣ると考えた。しかし、実験を重ねたところ、ナフタレン環を有さないため立体障害が少ないと考えられるポリブチレンテレフタレートを用いた場合よりも、ポリブチレンナフタレートやポリエチレンナフタレートのようなナフタレン環を有するポリエステル系樹脂を用いた方が、官能基を有するフッ素系樹脂との接着力が優れていることを見いだし、本発明に到達した。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0014】
本発明の自動車用燃料系ホースは、例えば、図1に示すように、燃料を流通させる環状の内層1の外周に、燃料低透過層2が形成されて構成されている。上記内層1と燃料低透過層2は、それぞれ界面を接した状態で直接積層されており、界面への接着剤の塗布や、プラズマ処理は不要である。
【0015】
上記内層1用材料としては、官能基を有するフッ素系樹脂が用いられる。上記フッ素系樹脂としては、特に限定するものではなく、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル重合体、等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加工性に優れる点で、ETFE、THVが好適に用いられる。
【0016】
また、上記官能基としては、特に限定はないが、エポキシ基、水酸基、カルボン酸無水物残基、アクリレート基、アミノ基が好ましい。
【0017】
上記官能基を有するフッ素系樹脂は、例えば、フッ素系樹脂に、官能基を有するグラフト性化合物をグラフトさせたり、フッ素系樹脂の主鎖中あるいは末端に、官能基を有する化合物を共重合させること等により得ることができる。
【0018】
上記官能基を有するフッ素系樹脂の衝撃強度は、−40℃の条件下にて30J/m以上であることが好ましく、特に好ましくは45J/m以上である。上記衝撃強度は、ASTM D256(ノッチ付き)に準じて測定することができる。
【0019】
なお、主に燃料ポンプで発生した静電気を帯びた燃料が接触帯電し、スパークによって火災が発生するのを防止するため、上記内層1に導電性を持たせることも可能である。この場合、上記内層1用材料としては、上記官能基を有するフッ素系樹脂に、カーボンブラック、ナノカーボンチューブ、金属粉、金属酸化物粉等の導電剤を配合したものが用いられる。このように導電性を付与した場合の内層(導電性層)の表面電気抵抗は、106 Ω以下の範囲が好ましく、特に好ましくは105 Ω以下である。そして、上記導電剤の配合割合は、導電性層の表面電気抵抗が上記の範囲になるよう設定することが好ましい。
【0020】
上記内層1の外周面に直接積層形成される燃料低透過層2としては、ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂が用いられる。上記ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂としては、特に限定はないが、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好適に用いられる。
【0021】
上記ポリブチレンナフタレート(PBN)は、テトラメチレングリコールと、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル化合物とを縮合して得られる樹脂である。また、上記ポリエチレンナフタレート(PEN)は、エチレングリコールと、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル化合物とを縮合して得られる樹脂である。
【0022】
なお、上記PBNやPENは、低透過性を満足する範囲で、エーテルセグメントもしくはエステルセグメントを共重合させ、柔軟性を持たせた熱可塑性エラストマーとして用いることも可能である。また、上記PBNやPENは、低透過性を満足する範囲で、ナフタレンジカルボン酸とともに、脂肪酸のジカルボン酸を反応させることもできる。あるいは、上記PBNやPENは、低透過性を満足する範囲で、オレフィン系等のエラストマーや微粒子状架橋エラストマーを混合することもできる。
【0023】
上記PBNやPENとしては、透過係数が0.08以下の材料が好ましく用いられる。なお、上記透過係数は、Fuel Cに10体積%のエタノールを混合した燃料の40℃における透過係数(mg/mm/cm2 /day/atm)を示す。上記透過係数は、JIS K 7126のA法に準じて測定した値である。
【0024】
また、上記PBNやPENは、耐衝撃性、耐熱性、耐加水分解性と押出加工性とのバランスの観点から、粘度が90〜260cm3 /gの範囲が好ましい。上記粘度は、ASTM D 2857に準拠し、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用い、35℃、0.005g/cm3 の溶液について測定した値である。
【0025】
なお、本発明の自動車用燃料系ホースは、図1に示した構造に限定されるものではなく、ホースとしての柔軟性確保や石跳ねからの保護等を目的として、燃料低透過層2の外周面に外層を形成した構造であっても差し支えない。
【0026】
上記外層の形成材料としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリアミド6(PA6),ポリアミド66(PA66),ポリアミド612(PA612),ポリアミド11(PA11),ポリアミド912(PA912),ポリアミド12(PA12)のようなポリアミド樹脂、エステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記外層は単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えない。
【0027】
なお、上記燃料低透過層2と外層の接着には、必要に応じて、接着樹脂を用いることも可能である。上記接着樹脂としては、特に限定はなく、例えば、エポキシ系樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、スチレン系熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、上記接着樹脂は、PBN、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PBN系熱可塑性エラストマー、PBT系熱可塑性エラストマー等のブレンド物であっても差し支えない。
【0028】
本発明の自動車用燃料系ホースにおいて、内層1は図1に示したような単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えなく、例えば、内層を2層構造とし、内側層を導電性層、外側層を非導電性層とすることも可能である。なお、上記内層1と同様、外層も2層以上の多層構造にしても差し支えない。
【0029】
前記図1に示した本発明の自動車用燃料系ホースは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、上記官能基を有するフッ素系樹脂を用いた内層1用材料、および上記ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂を用いた燃料低透過層2用材料をそれぞれ準備する。つぎに、内層用押出機および燃料低透過層用押出機を用いて、各材料を押し出して1つのダイに合流させ、この共押出した溶融チューブをサイジングダイスに通すことにより、内層の外周面に燃料低透過層が直接積層形成されてなる自動車用燃料系ホースを作製することができる。また、内層1が2層の場合は、内層(内側層)用押出機および内層(外側層)用押出機をそれぞれ準備し、各押出機より各材料を同時に押し出し、ダイで合流させることにより作製することができる。外層が2層の場合も、上記2層の内層の場合と同様に、成形することができる。なお、ホースを蛇腹状に形成する場合には、上記共押出した溶融チューブをコルゲート成形機に通すことにより、所定寸法の蛇腹状ホースを作製することが可能である。
【0030】
このようにして得られる本発明の自動車用燃料系ホースにおいて、ホース内径は4〜40mmの範囲が好ましく、特に好ましくは6〜30mmの範囲であり、ホース外径は6〜44mmの範囲が好ましく、特に好ましくは8〜32mmの範囲である。また、内層1の厚みは0.02〜1.0mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.6mmの範囲であり、燃料低透過層2の厚みは0.02〜0.8mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.6mmの範囲である。なお、外層を形成する場合は、外層の厚みは、通常、0.3〜1.5mmの範囲であり、好ましくは0.5〜1.0mmの範囲である。
【0031】
本発明の自動車用燃料系ホースは、ガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料、CNG(圧縮天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の自動車用燃料の輸送用ホースとして好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、メタノールや水素、ジメチルエーテル(DME)等の燃料電池自動車用の燃料輸送用ホースとしても使用可能である。
【0032】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0033】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0034】
〔ETFE〕
衝撃強度は、−40℃において150J/mであった。
【0035】
〔導電ETFE〕
ETFEに、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)を15重量%配合して、導電ETFEを作製した。この導電ETFEの衝撃強度は、−40℃において75J/mであった。
【0036】
〔エポキシ変性ETFE〕
ETFE100重量部(以下「部」と略す)に対して、グリシジルメタクリレート2部と、ジクミルパーオキサイド2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、エポキシ変性ETFEを作製した。このエポキシ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において60J/mであった。
【0037】
〔水酸基変性ETFE〕
ETFE100部に対して、ビニルメトキシシラン1.5部と、ジクミルパーオキサイド1.5部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、水酸基変性ETFEを作製した。この水酸基変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において55J/mであった。
【0038】
〔無水カルボン酸変性ETFE〕
ETFE100部に対して、無水マレイン酸1.5部と、ジクミルパーオキサイド0.2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、無水カルボン酸変性ETFEを作製した。この無水カルボン酸変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において62J/mであった。
【0039】
〔導電エポキシ変性ETFE〕
上記エポキシ変性ETFE100部に対して、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)15部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、導電エポキシ変性ETFEを作製した。この導電エポキシ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において49J/mであった。
【0040】
〔アクリレート変性ETFE〕
ETFE100部に対して、アクリル酸メチル2部と、ジクミルパーオキサイド2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、アクリレート変性ETFEを作製した。このアクリレート変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において45J/mであった。
【0041】
〔アミノ変性ETFE〕
ETFE100部に対して、アリルアミン2部と、ジクミルパーオキサイド1.8部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、アミノ変性ETFEを作製した。このアミノ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において50J/mであった。
【0042】
〔カルボン酸塩変性ETFE〕
パーフルオロ−(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノイックアシッド)と、テトラフルオロエチレンと、エチレンを反応させた後、酢酸亜鉛を添加し溶融混練して、カルボン酸塩変性ETFEを作製した。このカルボン酸塩変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において21J/mであった。
【0043】
〔カルボキシ変性ETFE〕
ETFE100部に対して、マレイン酸1.5部と、ジクミルパーオキサイド0.2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、カルボキシ変性ETFEを作製した。このカルボキシ変性ETFEの衝撃強度は、−40℃において28J/mであった。
【0044】
〔エポキシ変性THV〕
THV100部に対して、グリシジルメタクリレート4部と、ジクミルパーオキサイド2部を配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、エポキシ変性THVを作製した。このエポキシ変性THVの衝撃強度は、−40℃において60J/mであった。
【0045】
〔PBN〕
テトラメチレングリコールと、2,6−ナフタレンジカルボン酸の縮合物(帝人化成社製、TQB−OT)
【0046】
〔PBN−エーテル〕
PBN100部に対し、エーテルセグメントとしてポリテトラメチレングリコール10部を共重合させた。
【0047】
〔PBN−エステル〕
PBN100部に対し、エステルセグメントとしてポリカプロラクトン10部を共重合させた。
【0048】
〔PBN−脂肪酸〕
PBNに対し、脂肪酸のジカルボン酸(ユニケマ社製、PRIPOL1008)を3モル%となるように共重合させた。
【0049】
〔TPEE〕
エステル系熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン社製、ハイトレル5577)
【0050】
〔AD▲1▼〕
ETFEとPBNとエチレングリシジルメタクリレートの混練物(重量混合比:5/5/1)。この混練物の衝撃強度は、−40℃において26J/mであった。
【0051】
〔AD▲2▼〕
PA12とPBNと熱可塑性ポリウレタンの混練物(重量混合比:4/4/1)
【0052】
【実施例1】
まず、内層用押出機と、燃料低透過層用押出機と、外層用押出機とをそれぞれ準備し、各押出機から各材料を押し出して1つのダイに合流させ、これをサイジングダイスに通すことにより、エポキシ変性ETFEからなる内層の外周面に、PBNからなる燃料低透過層が直接積層形成され、さらにその外周面にTPEEからなる外層が直接積層形成されてなる燃料ホース(内径6mm、外径8mm)を作製した。
【0053】
【実施例2〜12、比較例1〜6】
内層用材料、燃料低透過層用材料および外層用材料を、後記の表1〜表3に示す組み合わせに変更する以外は、実施例1と同様にして燃料ホースを作製した。なお、内層が内側層と外側層の2層構造の場合は、内層(内側層)用押出機と、内層(外側層)用押出機をそれぞれ用い、実施例1に準じて、燃料ホースを作製した。また、接着層を形成する場合には、接着層用押出機をさらに1台準備し、各材料とともに同時に押し出して1つのダイに合流させ、これをサイジングダイスに通すことにより成形した。
【0054】
このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料ホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1〜表3に併せて示した。
【0055】
〔ガソリン透過量〕
長さ10mの燃料ホース(内径6mm)の両端部を、円錐状の治具を用いて、燃料ホース端部内径が10mmになるように拡径した後、燃料ホース端部の外周をR処理した外径8mmの金属製パイプ(だだし、外径10mmに拡径されたバルジ加工部を2箇所有する)を2本準備し、上記燃料ホースの端部に1本ずつ圧入した。そして、一方の金属製パイプにはネジ式の目くら栓を装着し、他方の金属製パイプには金属製バルブを装着した。ついで、上記金属製バルブを装着した金属製パイプ側から、燃料ホース内にレギュラーガソリン(エタノール10容量%含有)を封入し、40℃で3000時間処理(なお、1週間毎にレギュラーガソリンを交換)した。そして、CARB SHED法 DBLパターンで、3日間ガソリン透過量を測定し、ガソリン透過量が最大であった日の、燃料ホース1m当たりのガソリン透過量を算出した。なお、上記測定方法では、0.1mg/m/日が測定限界であるため、0.1mg/m/日未満であったものは「<0.1」と標記した。
【0056】
〔耐加水分解性〕
各燃料ホースの中に純水を封入し、80℃で1000時間老化させた後、燃料ホースを折り曲げた。評価は、燃料低透過層にクラックが入っていないものを○、クラックが入ったものを×とした。
【0057】
〔接着力〕
各燃料ホースを長手方向に4分割し、そのうちの1つを用いて、内層と燃料低透過層との界面を剥離して接着力(N/cm)を算出した。また、燃料ホース内に燃料(Fuel Cにエタノールを10体積%混合させた混合液)を封入し、60℃で1週間放置した後、上記と同様にして、内層と燃料低透過層の接着力(N/cm)を算出した。
【0058】
〔耐衝撃性〕
各燃料ホースを−40℃で4時間放置した後、JASO M317に準じて、すぐに落錘(先端がR16mmに処理された直径32mmの丸棒、重さ450g)を305mmの高さから燃料ホース上に落下させる落錘試験を行った。その後、ホースを長手方向に半割して、燃料ホース内外面の異常の有無を確認した。評価は、燃料ホース内外面にクラックが入っていないものを○、クラックが入ったものを×とした。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
上記結果から、実施例品は、いずれも燃料低透過性、耐加水分解性、接着性および耐衝撃性に優れていることがわかる。なお、上記燃料低透過層用材料として、PBNに代えて、PENを用いた場合でも、PBNと同様の優れた効果を奏することを実験により確認している。
【0063】
これに対して、比較例1品は、官能基を有しない通常のETFEにより内層が形成されているため、燃料低透過層との接着力が劣る。また、内層と燃料低透過層とを接着する接着層を、フッ素系材料との混合物で形成しているため、低温時の衝撃性に劣るとともに、コストが高くなる。比較例2品は、PBTにより燃料低透過層が形成されているため、燃料低透過性が劣るとともに、耐加水分解性にも劣る。また、燃料低透過層がPBNにより形成されている以外、他のホース構成が同じである実施例1品に比べて、初期および封入後の接着性がいずれも劣ることがわかる。比較例3品は、カルボン酸塩変性ETFEとETFEの共重合体により内層が形成されているため、初期および封入後の接着性がいずれも劣り、また耐衝撃性に劣ることもわかる。比較例4品は、燃料低透過層を形成していないため、燃料低透過性が劣るとともに、耐衝撃性にも劣ることがわかる。比較例5品は、PBTにより燃料低透過層が形成されているため、燃料低透過性が劣るとともに、耐加水分解性にも劣る。また、燃料低透過層がPBNにより形成されている以外、他のホース構成が同じである実施例2品に比べて、初期および封入後の接着性がいずれも劣ることがわかる。比較例6品は、PBTにより燃料低透過層が形成されているため、燃料低透過性が劣るとともに、耐加水分解性にも劣る。また、燃料低透過層がPBNにより形成されている以外、他のホース構成が同じである実施例3品に比べて、初期および封入後の接着性がいずれも劣ることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の自動車用燃料系ホースは、上記内層が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されている。そのため、フッ素系樹脂の官能基と、ナフタレン環を有するポリエステル系樹脂の末端のカルボキシル基または水酸基とが相互作用して、両者の接着力がより強固となり、内層と燃料低透過層との層間接着性に優れ、耐衝撃性が向上する。また、燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されているため、燃料低透過性、耐加水分解性にも優れている。
【0065】
また、上記内層を構成する官能基を有するフッ素系樹脂の衝撃強度が、−40℃の条件下にて30J/m以上であると、ホースの耐衝撃性が向上し、自動車用燃料系ホースとしての実用性が高くなる。
【0066】
さらに、上記PBNまたはPENを用いて燃料低透過層内層を構成すると、PBNやPENは融点が高く、押出加工温度を高く設定できるため、官能基を有するフッ素系樹脂との接着性がより高くなり、ホースの耐衝撃性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用燃料系ホースの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 内層
2 燃料低透過層
Claims (5)
- 燃料を流通させる環状の内層と、その外周の燃料低透過層を備え、上記内層と燃料低透過層とがそれぞれ界面を接した状態で積層され、かつ、上記内層が官能基を有するフッ素系樹脂で構成され、上記燃料低透過層がナフタレン環を有するポリエステル系樹脂で構成されていることを特徴とする自動車用燃料系ホース。
- 上記内層を構成する官能基を有するフッ素系樹脂の衝撃強度が、−40℃の条件下にて30J/m以上である請求項1記載の自動車用燃料系ホース。
- 上記燃料低透過層を構成するナフタレン環を有するポリエステル系樹脂が、ポリブチレンナフタレートまたはポリエチレンナフタレートである請求項1または2記載の自動車用燃料系ホース。
- 上記官能基を有するフッ素系樹脂の官能基が、エポキシ基、水酸基、カルボン酸無水物残基、アクリレート基およびアミノ基からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用燃料系ホース。
- 上記フッ素系樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体またはビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車用燃料系ホース。
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