JP2004090110A - 研磨テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨屑の処理を容易にし、しかも砥粒間に研磨屑が堆積することによる目詰まり、あるいは砥粒に研磨屑が固着することによる被研磨部分の損傷を防止し、さらに研磨熱によって研磨屑を溶着させない研磨テープを提供することにある。
【解決手段】ベースフィルム12上にバインダ13を用いて砥粒14を固定した研磨テープ10において、前記ベースフィルム12および前記バインダ13を貫通する研磨屑排出穴11を設けた。
【選択図】 図2
【解決手段】ベースフィルム12上にバインダ13を用いて砥粒14を固定した研磨テープ10において、前記ベースフィルム12および前記バインダ13を貫通する研磨屑排出穴11を設けた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラ形状の部品の表面や光学部品等を精密研削するさいに用いる研磨テープの改良に関し、とくに研磨中における傷等の発生を防止しつつ平滑仕上げすることができる研磨テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式画像形成装置、印刷装置等には、ローラ形状の部品や電子工学部品等が用いられている。これらの部品に対しては、その用途、機能を実現するための要請、或いは高品質化、高精度化の要請から、その表面、反射面等々の各種部分に超精密研磨仕上げが要求されることが多い。
【0003】
このような超精密研磨仕上げ技術の中にはラッピングフィルムテープ(以下、研磨テープと言う)を用いて研磨する技術が知られている。図10は研磨テープを研磨屑目詰まりの状態において示す概略断面図である。図11は図10の研磨テープを砥粒への研磨屑溶着の状態において示す概略断面図である。
【0004】
この研磨テープ(ラッピングフィルムテープ)1は、図10および図11に示すように、フィルム状の基材(ベースフィルム)2の表面に所定粒径の砥粒4をバインダ3によって接着・固定した構成を有し、この砥粒4およびバインダ3からなる研磨面で被研磨物を研磨する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記研磨テープ1を用いた研磨作業においては、研磨を受けた被研磨物から生成された研磨屑5が砥粒4と砥粒4の間を埋めて、砥粒4の研磨能力を著しく低下させるばかりか、研磨屑5によって被研磨物を傷付けることがある。
【0006】
この状態が図10の目詰まり状態である(図10参照)。また、研磨熱により上記研磨屑5が砥粒4の先端に付着して固着し易くなり、この固着した研磨屑5により被研磨物に傷が付くこととなる。この他にも、研磨屑5が研磨熱により被研磨物側に固着する場合もある。この状態が溶着である(図11参照)。
【0007】
一般に、目詰まりは砥粒4が小さい場合に多く発生するので、研磨テープ1の砥粒サイズを大きくすることにより目詰まりを防ぐことが可能である。しかしながら、要求精度が高くなれば砥粒4の小さい研磨テープ1を使用する傾向が強くなるので、目詰まりの発生防止と研磨精度の向上とは相反する要求となる。
【0008】
目詰まりやそれに起因した傷の発生に対する防止策として、ベースフィルム自体に凹凸をつけた上で、前記ベースフィルム上に砥粒を接着して研磨屑が凹所(チップポケット)内に溜まるようにした技術(特開昭62−94272号公報)がある。
【0009】
チップポケットを形成する技術として、ベースフィルムに繊維を用いて繊維自体に存する凹凸を利用したり、砥粒の塗布層表面にあらかじめ凹凸をつくる方法が知られている。
【0010】
図12はチップポケットを備えた研磨テープによって被研磨物の表面を研磨している状態を示す概略図である。図示のように研磨屑5はチップポケット6内に堆積し、その後のチップポケット6部以外の部分にも展開して目詰まり、固着を起こすため、研磨傷を発生させる原因となる。
【0011】
すなわち、このような研磨テープ1にあっては、研磨屑5は凹所(チップポケット)6内に溜まるだけでテープ1上から除去される訳ではなく、研磨屑5は研磨中に被研磨物7表面に常に接触するため、研磨屑5や脱落した砥粒4を巻き込んで傷が発生するという問題がある。
【0012】
すなわち、研磨屑5は凹所6内に溜まって研磨テープ1外へ排出される訳でないので、凹所6内への研磨屑5の堆積によって、目詰まりや研磨屑5による傷付きはやはり発生し、砥粒4の摩耗による寿命到来前に、早期に研磨テープ1の寿命が到来することとなる。
【0013】
また、接着した砥粒に潤滑油やステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布して傷発生を低減する技術(特開平3−245976号公報等)もあるが、このように潤滑剤等を用いる技術は、適用対象が限られ、また洗浄工程を追加する必要が発生するなどコスト面に影響がある。
【0014】
このように研磨テープによる研磨方法は、平滑に仕上げることができる利点を有する反面、多くの課題がある。
【0015】
本発明が解決しようとしている課題は、研磨中に発生して目詰まり等の不具合をもたらす研磨屑の除去処理を容易にし、研磨屑の固着等を惹起する原因となる研磨熱の発生を抑えることにより、研磨能力の早期低下、被研磨物に対する損傷等の不具合を解決することにある。
【0016】
本発明の目的は、上記に鑑みて、研磨屑の処理を容易にし、しかも砥粒間に研磨屑が堆積することによる目詰まり、あるいは砥粒に研磨屑が固着することによる被研磨部分の損傷を防止し、さらに研磨熱によって研磨屑を溶着させない研磨テープを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ベースフィルム上にバインダを用いて砥粒を固定した研磨テープにおいて、前記ベースフィルムおよび前記バインダ層を貫通する研磨屑排出穴を形成した研磨テープを最も主要な特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明では、前記研磨屑排出穴の配列が千鳥形状に設けられている請求項1記載の研磨テープを主要な特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明では、前記研磨屑排出穴の輪郭が半楕円形状に設けられている請求項1記載の研磨テープを主要な特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記研磨屑排出穴の輪郭が扇状形状に設けられている請求項1記載の研磨テープを主要な特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による研磨テープの実施の形態を示す平面図である。図2は図1の研磨テープのA−A断面図である。
【0022】
図1および図2において、本発明の研磨テープ(ラッピングフィルムテープ)10はベースフィルム1に所定の間隔で研磨屑5を排出するための排出穴11を形成することによって、研磨時に発生する研磨屑5を研磨中に研磨テープ10上から排出除去して、目詰まりの発生を防止する。
【0023】
上述のように、目詰まりは研磨屑が砥粒を埋めた状態(図10参照)であり、この目詰まり状態に於いては研磨屑5の逃げ場がなく研磨面に傷をつける。
【0024】
この課題を解決するために本発明では、研磨屑5を研磨テープ10の背面に排出するために円形の研磨屑排出穴11を設けた。すなわち、この研磨テープ10は、ポリエステル等の材料から成るベースフィルム1上にバインダ(層)13を介して砥粒14を固定する。
【0025】
一方で、研磨テープ10を肉厚方向に貫通する所定形状の研磨屑排出穴11を所定の配置、所定の間隔で形成する。研磨屑排出穴11の形状は円形、四角形、多角形、不定形、その他種々のものを採用できる。穴の配置、間隔も任意に選定可能である。
【0026】
図3は図1と異なる第1の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。図4は図3と異なる第2の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。
【0027】
図3において、研磨テープ10は半楕円形状の輪郭を有する多数の研磨屑排出穴11が、千鳥形状の配列、すなわち、研磨テープの送り方向に見て、ある1列の研磨屑排出穴11の数が次の列の研磨屑排出穴11の数と異なる配列になっている。
【0028】
図4において、研磨テープ10は扇形形状の輪郭を有する多数の研磨屑排出穴11が、千鳥形状の配列、すなわち、研磨テープの送り方向に見て、ある1列の研磨屑排出穴11の数が次の列の研磨屑排出穴11の数と異なる配列になっている。
【0029】
研磨テープ10は回転する被研磨物(ローラ)7上を矢印のテープの送り方向に走行して被研磨物7を研磨する。上述のごとく、図3において、研磨屑排出穴11は半楕円形状であり、図4においては、扇形形状である。
【0030】
研磨屑排出穴11の穴径およびピッチは被研磨物(被加工面)との間の接触面積等の条件によって異なるが、本実施の形態では穴径3mm、ピッチ10mmとした。しかし、これは一例に過ぎない。
【0031】
接触面積が大きい場合や被研磨物の材質等の条件によっては、穴径を大きくし、ピッチを短くすることもあり得る。また、研磨屑排出穴11の配列は図1、図3および図4では研磨屑の排出効果から千鳥形状の配列としたが、これも一例に過ぎない。
【0032】
図5は図1の本発明の実施の形態による研磨テープを使用した被研磨物の研磨状態を示す概略図である。図6は集塵機を除いた図5の上面図である。図7は図5の状態を左に略直角にずらして見た概略図である。
【0033】
研磨テープ10は一定の圧力で張設された状態で、回転する被研磨物7に押し当てられているため、研磨テープ10は被研磨物7の表面の曲率に密着することができる。
【0034】
砥粒14により被研磨物7から削られた研磨屑5は、研削力により研磨屑排出穴11まで押し出され、研磨屑排出穴11を介して研磨テープ10の背面に排出される。排出された研磨屑5は研磨テープ10と被研磨物7との面がテープ張力で密着状態にあるため、再びテープ内に戻ることはない。
【0035】
さらに研磨テープ10の背面に出て来た研磨屑5を集塵機15により集塵口16から吸引するようにすれば、研磨屑5は砥粒14と被研磨物(被加工面)の隙間に溜まることなく排出されるため目詰まりの発生はなく、その結果被加工面に傷が形成されない。
【0036】
また、研磨テープ10に研磨屑排出穴11を形成したことによって、研磨屑排出穴11による放熱作用が働き、溶着がほとんどない研磨テープ10を得ることができる。
【0037】
上記のごとき構成を備えた研磨テープ10を用いて研磨を行った結果、被研磨表面の精度が大幅に向上した。図8は本発明の実施の形態による研磨テープで加工した場合の表面のうねり波形を示す波形図である。
【0038】
図9は通常の研磨テープで加工した表面のうねり波形を示す波形図である。図8および図9では同じ研磨テープに研磨屑排出穴を設けた以外は同じ構成の研磨テープを用いて加工した表面うねり波形を比較している。
【0039】
図9に示すように、通常の研磨テープでの波形は研磨屑が溶着された状態で1.4μmあるのに対して、本発明による研磨テープで加工した波形は、図8に示すように、0.78μmであり、約0.4μmの差がある、このことからも、本発明の研磨テープによる研磨を行えば、超高精度の研磨を実現できることが判る。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、研磨テープに研磨屑排出穴が設けてあるため、研磨により発生した研磨屑は迅速に排出穴からテープ背面に排出され、また研磨熱も効率よく排熱されることとなり、砥粒の目詰まりおよび研磨屑の溶着がなくなり、研磨表面に傷付けることがなくなる。
【0041】
請求項2によれば、研磨屑排出穴の配列が千鳥形状に設けられているため研磨屑をもれなく排出させる効果があり、研磨屑が研磨物に付着することがなく、これにより被研磨面が傷付くこともない。
【0042】
請求項3によれば、研磨屑排出穴の配列が半楕円形状の輪郭で設けられているためローラ円周方向研磨時に研磨屑をもれなく排出させる効果があり、研磨屑が研磨物に付着することがなく、これにより被研磨面が傷付くこともない。
【0043】
請求項4によれば、研磨屑排出穴の配列が扇状形状の輪郭で設けられているためローラ円周方向研磨時軸方向に送りを掛けた場合2方向からの研磨屑をもれなく排出させる効果があり、研磨屑が研磨物に付着することがなく、これにより被研磨面が傷付くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨テープの実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1の研磨テープのA−A断面図である。
【図3】図1と異なる第1の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。
【図4】図3と異なる第2の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。
【図5】図1の本発明の実施の形態による研磨テープを使用した被研磨物の研磨状態を示す概略図である。
【図6】集塵機を除いた図5の上面図である。
【図7】図5の状態を左に略直角にずらして見た概略図である。
【図8】本発明の実施の形態による研磨テープで加工した場合の表面のうねり波形を示す波形図である。
【図9】通常の研磨テープで加工した表面のうねり波形を示す波形図である。
【図10】研磨テープを研磨屑目詰まりの状態において示す概略断面図である。
【図11】図10の研磨テープを砥粒への研磨屑溶着の状態において示す概略断面図である。
【図12】チップポケットを備えた研磨テープによって被研磨物の表面を研磨している状態を示す概略図である。
【符号の説明】
5 研磨屑
7 被研磨物
10 研磨テープ
11 研磨屑排出穴
12 ベースフィルム
13 バインダ
14 砥粒
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラ形状の部品の表面や光学部品等を精密研削するさいに用いる研磨テープの改良に関し、とくに研磨中における傷等の発生を防止しつつ平滑仕上げすることができる研磨テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式画像形成装置、印刷装置等には、ローラ形状の部品や電子工学部品等が用いられている。これらの部品に対しては、その用途、機能を実現するための要請、或いは高品質化、高精度化の要請から、その表面、反射面等々の各種部分に超精密研磨仕上げが要求されることが多い。
【0003】
このような超精密研磨仕上げ技術の中にはラッピングフィルムテープ(以下、研磨テープと言う)を用いて研磨する技術が知られている。図10は研磨テープを研磨屑目詰まりの状態において示す概略断面図である。図11は図10の研磨テープを砥粒への研磨屑溶着の状態において示す概略断面図である。
【0004】
この研磨テープ(ラッピングフィルムテープ)1は、図10および図11に示すように、フィルム状の基材(ベースフィルム)2の表面に所定粒径の砥粒4をバインダ3によって接着・固定した構成を有し、この砥粒4およびバインダ3からなる研磨面で被研磨物を研磨する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記研磨テープ1を用いた研磨作業においては、研磨を受けた被研磨物から生成された研磨屑5が砥粒4と砥粒4の間を埋めて、砥粒4の研磨能力を著しく低下させるばかりか、研磨屑5によって被研磨物を傷付けることがある。
【0006】
この状態が図10の目詰まり状態である(図10参照)。また、研磨熱により上記研磨屑5が砥粒4の先端に付着して固着し易くなり、この固着した研磨屑5により被研磨物に傷が付くこととなる。この他にも、研磨屑5が研磨熱により被研磨物側に固着する場合もある。この状態が溶着である(図11参照)。
【0007】
一般に、目詰まりは砥粒4が小さい場合に多く発生するので、研磨テープ1の砥粒サイズを大きくすることにより目詰まりを防ぐことが可能である。しかしながら、要求精度が高くなれば砥粒4の小さい研磨テープ1を使用する傾向が強くなるので、目詰まりの発生防止と研磨精度の向上とは相反する要求となる。
【0008】
目詰まりやそれに起因した傷の発生に対する防止策として、ベースフィルム自体に凹凸をつけた上で、前記ベースフィルム上に砥粒を接着して研磨屑が凹所(チップポケット)内に溜まるようにした技術(特開昭62−94272号公報)がある。
【0009】
チップポケットを形成する技術として、ベースフィルムに繊維を用いて繊維自体に存する凹凸を利用したり、砥粒の塗布層表面にあらかじめ凹凸をつくる方法が知られている。
【0010】
図12はチップポケットを備えた研磨テープによって被研磨物の表面を研磨している状態を示す概略図である。図示のように研磨屑5はチップポケット6内に堆積し、その後のチップポケット6部以外の部分にも展開して目詰まり、固着を起こすため、研磨傷を発生させる原因となる。
【0011】
すなわち、このような研磨テープ1にあっては、研磨屑5は凹所(チップポケット)6内に溜まるだけでテープ1上から除去される訳ではなく、研磨屑5は研磨中に被研磨物7表面に常に接触するため、研磨屑5や脱落した砥粒4を巻き込んで傷が発生するという問題がある。
【0012】
すなわち、研磨屑5は凹所6内に溜まって研磨テープ1外へ排出される訳でないので、凹所6内への研磨屑5の堆積によって、目詰まりや研磨屑5による傷付きはやはり発生し、砥粒4の摩耗による寿命到来前に、早期に研磨テープ1の寿命が到来することとなる。
【0013】
また、接着した砥粒に潤滑油やステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布して傷発生を低減する技術(特開平3−245976号公報等)もあるが、このように潤滑剤等を用いる技術は、適用対象が限られ、また洗浄工程を追加する必要が発生するなどコスト面に影響がある。
【0014】
このように研磨テープによる研磨方法は、平滑に仕上げることができる利点を有する反面、多くの課題がある。
【0015】
本発明が解決しようとしている課題は、研磨中に発生して目詰まり等の不具合をもたらす研磨屑の除去処理を容易にし、研磨屑の固着等を惹起する原因となる研磨熱の発生を抑えることにより、研磨能力の早期低下、被研磨物に対する損傷等の不具合を解決することにある。
【0016】
本発明の目的は、上記に鑑みて、研磨屑の処理を容易にし、しかも砥粒間に研磨屑が堆積することによる目詰まり、あるいは砥粒に研磨屑が固着することによる被研磨部分の損傷を防止し、さらに研磨熱によって研磨屑を溶着させない研磨テープを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ベースフィルム上にバインダを用いて砥粒を固定した研磨テープにおいて、前記ベースフィルムおよび前記バインダ層を貫通する研磨屑排出穴を形成した研磨テープを最も主要な特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明では、前記研磨屑排出穴の配列が千鳥形状に設けられている請求項1記載の研磨テープを主要な特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明では、前記研磨屑排出穴の輪郭が半楕円形状に設けられている請求項1記載の研磨テープを主要な特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記研磨屑排出穴の輪郭が扇状形状に設けられている請求項1記載の研磨テープを主要な特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による研磨テープの実施の形態を示す平面図である。図2は図1の研磨テープのA−A断面図である。
【0022】
図1および図2において、本発明の研磨テープ(ラッピングフィルムテープ)10はベースフィルム1に所定の間隔で研磨屑5を排出するための排出穴11を形成することによって、研磨時に発生する研磨屑5を研磨中に研磨テープ10上から排出除去して、目詰まりの発生を防止する。
【0023】
上述のように、目詰まりは研磨屑が砥粒を埋めた状態(図10参照)であり、この目詰まり状態に於いては研磨屑5の逃げ場がなく研磨面に傷をつける。
【0024】
この課題を解決するために本発明では、研磨屑5を研磨テープ10の背面に排出するために円形の研磨屑排出穴11を設けた。すなわち、この研磨テープ10は、ポリエステル等の材料から成るベースフィルム1上にバインダ(層)13を介して砥粒14を固定する。
【0025】
一方で、研磨テープ10を肉厚方向に貫通する所定形状の研磨屑排出穴11を所定の配置、所定の間隔で形成する。研磨屑排出穴11の形状は円形、四角形、多角形、不定形、その他種々のものを採用できる。穴の配置、間隔も任意に選定可能である。
【0026】
図3は図1と異なる第1の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。図4は図3と異なる第2の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。
【0027】
図3において、研磨テープ10は半楕円形状の輪郭を有する多数の研磨屑排出穴11が、千鳥形状の配列、すなわち、研磨テープの送り方向に見て、ある1列の研磨屑排出穴11の数が次の列の研磨屑排出穴11の数と異なる配列になっている。
【0028】
図4において、研磨テープ10は扇形形状の輪郭を有する多数の研磨屑排出穴11が、千鳥形状の配列、すなわち、研磨テープの送り方向に見て、ある1列の研磨屑排出穴11の数が次の列の研磨屑排出穴11の数と異なる配列になっている。
【0029】
研磨テープ10は回転する被研磨物(ローラ)7上を矢印のテープの送り方向に走行して被研磨物7を研磨する。上述のごとく、図3において、研磨屑排出穴11は半楕円形状であり、図4においては、扇形形状である。
【0030】
研磨屑排出穴11の穴径およびピッチは被研磨物(被加工面)との間の接触面積等の条件によって異なるが、本実施の形態では穴径3mm、ピッチ10mmとした。しかし、これは一例に過ぎない。
【0031】
接触面積が大きい場合や被研磨物の材質等の条件によっては、穴径を大きくし、ピッチを短くすることもあり得る。また、研磨屑排出穴11の配列は図1、図3および図4では研磨屑の排出効果から千鳥形状の配列としたが、これも一例に過ぎない。
【0032】
図5は図1の本発明の実施の形態による研磨テープを使用した被研磨物の研磨状態を示す概略図である。図6は集塵機を除いた図5の上面図である。図7は図5の状態を左に略直角にずらして見た概略図である。
【0033】
研磨テープ10は一定の圧力で張設された状態で、回転する被研磨物7に押し当てられているため、研磨テープ10は被研磨物7の表面の曲率に密着することができる。
【0034】
砥粒14により被研磨物7から削られた研磨屑5は、研削力により研磨屑排出穴11まで押し出され、研磨屑排出穴11を介して研磨テープ10の背面に排出される。排出された研磨屑5は研磨テープ10と被研磨物7との面がテープ張力で密着状態にあるため、再びテープ内に戻ることはない。
【0035】
さらに研磨テープ10の背面に出て来た研磨屑5を集塵機15により集塵口16から吸引するようにすれば、研磨屑5は砥粒14と被研磨物(被加工面)の隙間に溜まることなく排出されるため目詰まりの発生はなく、その結果被加工面に傷が形成されない。
【0036】
また、研磨テープ10に研磨屑排出穴11を形成したことによって、研磨屑排出穴11による放熱作用が働き、溶着がほとんどない研磨テープ10を得ることができる。
【0037】
上記のごとき構成を備えた研磨テープ10を用いて研磨を行った結果、被研磨表面の精度が大幅に向上した。図8は本発明の実施の形態による研磨テープで加工した場合の表面のうねり波形を示す波形図である。
【0038】
図9は通常の研磨テープで加工した表面のうねり波形を示す波形図である。図8および図9では同じ研磨テープに研磨屑排出穴を設けた以外は同じ構成の研磨テープを用いて加工した表面うねり波形を比較している。
【0039】
図9に示すように、通常の研磨テープでの波形は研磨屑が溶着された状態で1.4μmあるのに対して、本発明による研磨テープで加工した波形は、図8に示すように、0.78μmであり、約0.4μmの差がある、このことからも、本発明の研磨テープによる研磨を行えば、超高精度の研磨を実現できることが判る。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、研磨テープに研磨屑排出穴が設けてあるため、研磨により発生した研磨屑は迅速に排出穴からテープ背面に排出され、また研磨熱も効率よく排熱されることとなり、砥粒の目詰まりおよび研磨屑の溶着がなくなり、研磨表面に傷付けることがなくなる。
【0041】
請求項2によれば、研磨屑排出穴の配列が千鳥形状に設けられているため研磨屑をもれなく排出させる効果があり、研磨屑が研磨物に付着することがなく、これにより被研磨面が傷付くこともない。
【0042】
請求項3によれば、研磨屑排出穴の配列が半楕円形状の輪郭で設けられているためローラ円周方向研磨時に研磨屑をもれなく排出させる効果があり、研磨屑が研磨物に付着することがなく、これにより被研磨面が傷付くこともない。
【0043】
請求項4によれば、研磨屑排出穴の配列が扇状形状の輪郭で設けられているためローラ円周方向研磨時軸方向に送りを掛けた場合2方向からの研磨屑をもれなく排出させる効果があり、研磨屑が研磨物に付着することがなく、これにより被研磨面が傷付くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨テープの実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1の研磨テープのA−A断面図である。
【図3】図1と異なる第1の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。
【図4】図3と異なる第2の変形例の研磨屑排出穴の輪郭を有する研磨テープと被研磨物を示す概略平面図である。
【図5】図1の本発明の実施の形態による研磨テープを使用した被研磨物の研磨状態を示す概略図である。
【図6】集塵機を除いた図5の上面図である。
【図7】図5の状態を左に略直角にずらして見た概略図である。
【図8】本発明の実施の形態による研磨テープで加工した場合の表面のうねり波形を示す波形図である。
【図9】通常の研磨テープで加工した表面のうねり波形を示す波形図である。
【図10】研磨テープを研磨屑目詰まりの状態において示す概略断面図である。
【図11】図10の研磨テープを砥粒への研磨屑溶着の状態において示す概略断面図である。
【図12】チップポケットを備えた研磨テープによって被研磨物の表面を研磨している状態を示す概略図である。
【符号の説明】
5 研磨屑
7 被研磨物
10 研磨テープ
11 研磨屑排出穴
12 ベースフィルム
13 バインダ
14 砥粒
Claims (4)
- ベースフィルム上にバインダを用いて砥粒を固定した研磨テープにおいて、前記ベースフィルムおよび前記バインダを貫通する研磨屑排出穴を設けたことを特徴とする研磨テープ。
- 前記研磨屑排出穴の配列が千鳥形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨テープ。
- 前記研磨屑排出穴の輪郭が半楕円形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨テープ。
- 前記研磨屑排出穴の輪郭が扇状形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨テープ。
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|---|---|---|---|
| JP2002251893A JP2004090110A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 研磨テープ |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002251893A JP2004090110A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 研磨テープ |
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|---|---|
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7628829B2 (en) | 2007-03-20 | 2009-12-08 | 3M Innovative Properties Company | Abrasive article and method of making and using the same |
| CN115056150A (zh) * | 2022-07-07 | 2022-09-16 | 杭州永杰研磨材料股份有限公司 | 一种双面砂纸及加工设备 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251893A patent/JP2004090110A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US7628829B2 (en) | 2007-03-20 | 2009-12-08 | 3M Innovative Properties Company | Abrasive article and method of making and using the same |
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| CN115056150B (zh) * | 2022-07-07 | 2023-05-16 | 杭州永杰研磨材料股份有限公司 | 一种双面砂纸及加工设备 |
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