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JP2004080119A - 高周波用分岐・分配回路の消磁方法及び高周波機器の製造方法 - Google Patents

高周波用分岐・分配回路の消磁方法及び高周波機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】双方向CATV増幅器のような,多チャンネルで高出力な増幅器に接続しても,上り信号帯域に発生する歪み成分の少ない高周波用分岐・分配回路を提供する。また,当該分岐・分配回路を備えた高周波機器の消磁方法を提供する。
【解決手段】導線をフェライトに巻き回して成るトランスを備えた高周波用分岐・分配回路において,当該分岐・分配回路を双方向CATV増幅器のような多チャンネルで高出力な増幅器に接続したときに発生する歪みの原因である,前記フェライトの帯磁を安定して消磁するために,前記分岐・分配回路の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,消磁器を用いて前記フェライトの消磁を行うようにした,高周波用分岐・分配回路の消磁方法。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,主に高周波信号の分岐若しくは分配に利用されるフェライトからなるトランスを備えた分岐・分配回路に関し,詳しくはその分岐・分配回路に用いられるフェライトの消磁方法及び当該分岐・分配回路を備えた電子機器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,CATVシステムにおいてVHF・UHF帯の信号や上り信号を伝送するだけでなく,BS放送や110°CS放送の中間周波数帯までを含む広帯域化(例えば10〜2150MHz対応)がなされてきた。それに対して,導線をフェライトに巻き回して成るトランスを備えた高周波用分岐・分配回路においては,この広帯域化に対応するために,フェライトの小型化や,磁性体の改良を行ってきた。
しかし,広帯域化に伴う多チャンネル化と増幅器の高出力化によって,従来の高周波用分岐・分配回路を双方向CATV増幅器に接続して使用すると,当該高周波用分岐・分配回路に備えられたトランスを形成しているフェライトにおいて歪み成分が発生し,この歪み成分のうち,上り伝送周波帯域内の歪み成分が上り流合雑音となってCATVセンター装置に妨害を与えるといった問題が発生してきた。
【0003】
この問題は,前記フェライトが僅かに帯磁することが原因で発生するため,この対策として前記フェライトを,そのフェライト固有のキュリー温度よりやや高い温度で加熱処理することで消磁し,その後に,当該フェライトに導線を巻き回してトランスを形成し,当該トランスを用いて高周波用分岐・分配回路を組み立てる方法や,導線をフェライトに巻き回したトランス単体を組み付けてから,当該トランスを,夫々消磁機を用いて消磁してから前記高周波用分岐・分配回路を組み立てる方法が考えられた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来のフェライトの加熱処理による消磁方法では,加熱処理した後の当該フェライトの取り扱いや,導線を巻き回すときに使用する工具(例えばピンセットなど),または各部品を電気的に接続する半田付け作業時,更には組み付けが完了したプリント配線板をケースにネジで固着するネジ止め作業時等によって,当該フェライトが改めて帯磁してしまうことがあり,また工程管理においても加熱処理の時間がかかると共に,部品単価も高くなるといった問題が有った。
また,トランス単体を夫々消磁機で消磁してから組み立てる方法においても,当該トランスの組み付けにおいて使用する工具(例えばピンセット,半田ごて,ドライバーなど)等によって,当該フェライトが帯磁してしまうといった前述の方法と同じ問題があり,安定した組み付けを行うための工程管理が非常に難しいのが現状であった。
そこで本願の発明は,こうした問題点に鑑みなされたものであり,
その目的は,高周波用の分岐・分配回路を提供することにある。
他の目的は,導線をフェライトに巻き回してなるトランスを備えた高周波用の分岐・分配回路を提供することにある。
他の目的は,歪み発生の少ない,導線をフェライトに巻き回してなるトランスを備えた高周波用の分岐・分配回路を提供することにある。
他の目的は,前記フェライトの消磁方法を提供することにある。
他の目的は,前記フェライトの消磁方法の手順を提供することにある。
他の目的は,前記高周波用の分岐・分配回路を備えた高周波機器の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,導線をフェライトに巻き回してなるトランスを備えた高周波用分岐・分配回路において,
当該高周波用分岐・分配回路の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,前記フェライトの消磁を行うよう構成される。
【0006】
請求項2の発明は,前記高周波用分岐・分配回路を備えた高周波機器の製造方法において,
当該高周波機器の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,前記フェライトの消磁を行うよう構成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は,本発明に係る分岐器・分配器が使用されたCATVシステムブロック図であり,1はヘッドエンド装置,2は伝送線路,3は幹線増幅器,4は幹線分配増幅器,5は幹線分岐増幅器,6はタップオフ,7は保安器,8は引込線,9は高出力双方向増幅器,10は分配器,11は分岐器,12はセットトップボックス,13はTV受像機,14はパーソナルコンピュータ,15は高周波モデムである。
【0008】
次に,本発明を採用した分配器10の製造方法について図2〜図3を用いて詳細に説明する。
図2(A)は分配器の組立て説明図であり,図2(B)は図2(A)に示した分配器の回路図である。
10aはケースで,導電性の良い金属材料,例えば亜鉛ダイカストやアルミダイカスト等で形成されている。前記ケース10aには入力端子10b,出力端子10c,10dが一体成形されている。10eは分配回路が形成されたプリント配線板,10fは蓋体で導電性の良い金属で形成されている。
まず,前記プリント配線板10eに分配回路を構成するために必要な分配トランス20,整合トランス21及び電源電流を一端の出力端子10cまたは10dから入力端子10bに通過させるための電流通過用コイル22及び,低周波の電流や直流電流の通過を阻止したり,周波数補正のための記載しないコンデンサCが実装されている。ここで,分配トランス20及び整合トランス21は,伝送周波数帯域の信号が減衰することなく通過できる閉磁型のフェライトコア23が使用されており,前記フェライトコア23に絶縁電線を所要回数巻き回してある。前記フェライトコア23は,例えば日立フェライト株式会社製のDL・QM・KPシリーズが使用される。本発明に使用するフェライトは,例えばNi−Zn系,Ni−Cu−Zn系に属し,特に高周波での損失(tanσ/μi)が小さいものが採用される。また、フェライトの材質はこれに限定されるものではなく、伝送周波数に応じて適宜選択される。
次に,半田付け作業の終わったプリント配線板10eを前記ケース10に実装し,前記入力端子10b,出力端子10c,10dとを半田付け等により電気的に接続する。
その後,蓋体10fを装着する前に図3に示す手順により,前記フェライトコア23(より詳しくは分配トランス20,整合トランス21)の消磁を行う。図3に示すように,フェライトコアに近接する位置まで消磁機30の作用部31を近づけて消磁機30の動作用電源スイッチ32をONして動作状態に設定し,その後,消磁機30を動作させたまま消磁機30の作用部31を前記フェライトコアより徐々に遠ざけ,消磁機30が作用しない所定値の距離(例えば30cm)まで遠ざけた後,消磁機30の動作用電源スイッチ32をOFFし,非動作状態とする。これで,フェライトの消磁が完了する。
フェライトの消磁が完了したならば,前記蓋体10fをケース10aに装着し,分配器が完成する。
【0009】
次に,動作状態について詳細に説明する。
ヘッドエンド1には,記載しない地上波テレビ放送受信装置や,衛星放送受信装置,インターネット等外部と通信するための各種通信装置(通信制御装置,伝送装置や各種サーバー等)が備えられている。各受信装置で受信されたテレビ放送信号や通信装置からの下りデータ信号は,それぞれ周波数が重複することのない下り伝送信号(例えば,70MHz〜770MHz)に変換され,伝送線路2を介して下流側に出力される。下り伝送信号は,各幹線増幅器3,幹線分配増幅器4,幹線分岐増幅器5で所定レベルまで増幅され,タップオフ6及び保安器7,引込線8を介して棟内施設に引き込まれる。
棟内施設に引き込まれた下り伝送信号は,高出力増幅器9で所定レベルまで増幅され,分配器10に入力される。分配器10を構成する分配トランス20,整合トランス21は消磁されているため,歪み成分は発生しない。このため,前記通信装置を誤動作させることなく,信頼性の高い通信が可能となる。
分配器10で分配された下り伝送信号は,分岐器11で分岐され,セットトップボックス12でテレビ放送信号のうち指定のチャンネルを選局し復調した後,テレビ受像機13で画像・音声を出力する。
また,分岐器11で分岐され,高周波モデム15で復調された通信信号は,パーソナルコンピュータ14に送られて処理される。
一方,セットトップボックス12から引込線8側に出力される上り伝送信号及び,パーソナルコンピュータ14から指示した命令に基づく上りデータ信号は,高周波モデム15で上り伝送信号に変換され引込線8側に出力される。
セットトップボックス12及び高周波モデム15から出力された上り伝送信号は,分岐器11,分配器10を介して高出力増幅器9で所定レベルまで増幅され,引込線8,保安器7,タップオフ6を介して幹線分岐増幅器5まで伝送される。幹線分岐増幅器5まで伝送された上り伝送信号は,幹線分岐増幅器5及び幹線分配増幅器4,幹線増幅器3で所定レベルまで増幅され,ヘッドエンド1に備えられた各通信装置に伝送され処理される。
【0010】
次に,本実施例の効果について説明する。
図5は,消磁の効果を確認するための測定系統図を示す。
40は多チャンネル信号発生器で,下り伝送周波数帯域70MHz〜770MHzにおける6MHz間隔の擬似テレビ信号を発生する。41は高出力増幅器で,前記擬似テレビ信号を所定の出力レベル(本実施例では110dBμ)まで増幅し,カットオフ周波数70MHzのハイパスフィルター42を介してDUT44としての分配器44aの入力端子に供給される。また,分配器44aの出力端子は44b,44cのダミー抵抗器で終端されている。分配器44aの入力端子に入力された高出力レベルの擬似テレビ信号は,分配器44aを構成する分配トランス及び整合トランスの帯磁状況により,下り信号の歪み成分が発生し,分配器44aの入力端子から歪み成分が出力される。
そして,分配器44aの入力端子から出力された歪み成分のうち,上り信号の伝送周波数帯域(10MHz〜55MHz)に含まれる歪み成分を抽出するためのカットオフ周波数55MHzのローパスフィルター43を介して,プリアンプ45(本実施例では利得30dBのフラットアンプ)に入力され,当該増幅器45の出力信号をスペクトラムアナライザー46で測定できるように構成されている。
図4(A)はフェライト(詳しくは分配トランス,整合トランス)を消磁する前の分配器44aの7MHzから60MHzの帯域における歪み成分信号を示したもので,上り信号帯域全域において,高いレベル(最大52dBμ)の歪み信号を発生していることが分かる。
一方,図4(B)はフェライト(詳しくは分配トランス,整合トランス)を消磁した分配器44aの測定データを示したもので,上り信号周波数帯域内には歪み成分が発生していない(測定検知限以下)ことが分かる。
【0011】
次に,本発明の第2の実施形態として図6を参照して説明する。
尚,以下の説明では,上記第1の実施形態の分配回路の消磁方法・製造方法と同様の構成要素については,同一符号を付与し,詳細な説明は省略する。
図6には,ケース及び蓋体が合成樹脂材料で形成した分配器50を示している。図6(A)は,蓋体を除いた状態の斜視図であり,図6(B)は蓋体を実装した状態の側面図であり,50aはケース,50fは蓋体で,各々合成樹脂材料で形成されている。50bは入力端子,50c,50dは出力端子で,フレーム50gに固定されている。50eはプリント配線板を示す。
分配器50の製造方法は,まずプリント配線板50eに分配回路を構成するために必要な分配トランス20,整合トランス21及び低周波の電流や直流電流の通過を阻止したり,周波数補正のための記載しないコンデンサCを実装し,必要に応じて半田付け等により電気的に接続する。
次に,半田付け作業の終わったプリント配線板50eに,入力端子50b,出力端子50c,50dを取り付けたフレーム50gを,半田付け等により固着する。
そして,フレーム50gを取付けたプリント配線板50eをケース50aに装着し,ねじ50iでケース50aのボスに螺入して固着する。
その後,第1の実施例と同様,フェライト(詳しくは分配トランス,整合トランス)の消磁を行い,蓋体50fを取付けると分配器が完成する。
【0012】
尚,本発明は上記実施の形態に限定するものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することも可能である。
本第1の実施例,第2の実施例では,分配回路の消磁方法・製造方法について述べたが,図7に示すように分岐回路であっても同様の効果が得られる。図7(A)は分岐器の組立て説明図であり,図7(B)は図7(A)に示した分岐器の回路図である。60は分岐器,61は分岐トランスで,分配トランス20や整合トランス21と同様に伝送周波数帯域内の信号が減衰することなく通過できる閉磁型のフェライトコアが使用されており,前記フェライトコアに絶縁電線が所定回数巻き回してある。
尚,製造方法及びフェライト(詳しくは分岐トランス61)の消磁方法は第1の実施例,第2の実施例と同一であるので,詳細な説明は省略する。
【0013】
次に,高周波機器に分岐・分配回路を組み込んだ例について詳細に説明する。図8は出力レベル測定端子70aを設けた高出力双方向増幅器70のブロック図である。70bは入力端子,70cは出力端子,71は高出力増幅部であり,72は出力信号レベルの一部を分岐する分岐器である。高出力双方向増幅器70は,出力端子から動作電源を供給できるように構成されており,73は電源分離フィルター,74は電源部である。分岐回路72の消磁方法は,第1の実施例と同一であるので詳細な説明は省略する。
また,図9は出力端子を複数持つ分配器内臓の高出力双方向増幅器80の例を示している。80bは入力端子,80c,80dは出力端子,81は高出力増幅部,82は分配器,83は電源部で電源入力端子80aから供給されている。尚,分配回路82の消磁方法は,上記同様,第1の実施例と同一であるので詳細な説明は省略する。
【0014】
次に,本実施例では消磁機としてハンディタイプの棒状のもので説明したが,図10に示すようにフェライトが消磁できればどのような形状・機能のものでも良い。図10(A)に示した消磁機120はハンディタイプで形状が異なるものである。
また,図10(B)に示した消磁機100は,生産ラインに組み込むことにより無人で消磁が行えるので,生産性が向上する。尚,110はベルトコンベアーである。
また,図10(C)に示した消磁機130は,プレート型に形成されている。消磁機130は,消磁したい面が底になるようにDUT(消磁したい機器)を載置することで消磁する。
また,図10(d)に示した消磁機140はリング状に形成されている。消磁機140は,消磁したい部分(フェライト)をリングの中心近傍に近接させることで消磁する。
更に,本実施例では消磁方法として,DUT(消磁したい機器)から消磁機を徐々に遠ざける方法で説明したが,消磁機が発生する磁界が徐々に弱くなるように構成されている場合は,消磁機をDUTに近づけたまま消磁に必要な所定時間だけ消磁機を動作状態に保つだけでよいということはいうまでもない。
【0015】
【発明の効果】
以上詳述したように,請求項1の発明によれば,導線をフェライトに巻き回してなるトランスを備えた高周波用分岐・分配回路において,
当該高周波用分岐・分配回路の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,前記フェライトの消磁を行うよう構成したので、歪み発生の少ない,導線をフェライトに巻き回してなるトランスを備えた高周波用の分岐・分配回路を提供することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば,前記高周波用分岐・分配回路を備えた高周波機器において,
当該高周波機器の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,前記フェライトの消磁を行うよう構成したので、前記高周波用の分岐・分配回路を備えた、歪み発生の少ない高周波機器の製造方法を提供することができる。さらに、上り伝送帯域内に下り伝送信号の歪み成分が発生しないので、双方向データ通信の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCATVシステムのブロック図である。
【図2】分配器の組立て説明図及び回路図である。
【図3】分配器(分配回路)の消磁方法の手順を示す説明図である。
【図4】消磁効果を説明するための測定データを示す図である。
【図5】消磁の効果を確認するための測定系統図である。
【図6】第2の実施形態の分配器の組立て説明図である。
【図7】異なる実施形態の分岐器の組立て説明図及び回路図である。
【図8】異なる実施形態の出力レベル測定端子付き高出力増幅器のブロック図である。
【図9】異なる実施形態の分配器付き高出力増幅器のブロック図である。
【図10】消磁機の形状・機能が異なる例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ヘッドエンド装置,2…伝送線路,3…幹線増幅器,4…幹線分配増幅器,5…幹線分岐増幅器,6…タップオフ,7…保安器,8…引込線,9・70・80…高出力双方向増幅器,10・50…分配器,11・60…分岐器,12…セットトップボックス,13…TV受像機,14…パーソナルコンピュータ,15…高周波モデム,20…分配トランス,21…整合トランス,22…電流通過用コイル,23…フェライトコア,30・100・120・130・140…消磁機,31…作用部,32…電源スイッチ,40…多チャンネル信号発生器,41…高出力増幅器,42…ハイパスフィルター,43…ローパスフィルター,44…DUT,45…プリアンプ,46…スペクトラムアナライザー。

Claims (2)

  1. 導線をフェライトに巻き回してなるトランスを備えた高周波用分岐・分配回路において,
    当該高周波用分岐・分配回路の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,前記フェライトの消磁を行うことを特徴とした前記高周波用分岐・分配回路の消磁方法。
  2. 前記高周波用分岐・分配回路を備えた高周波機器において,
    当該高周波機器の部品の半田付け作業及び,プリント配線板の取付作業完了後に,前記フェライトの消磁を行うことを特徴とした高周波機器の製造方法。
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