JP2004074597A - 偽造防止用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊な構成の真贋判定部を設け、更に、通常状態では視認不能或は視認困難なID情報を施した、ドキュメントのセキュリティ特性を高めた偽造防止用シートを提供する。
【解決手段】シート1の所定部に真贋判定部1aを設け、この真贋判定部1aにサーモクロミックインク又はフォトクロミックインクによりベース層3を印刷等により施す。更に、このベース層3の上にID情報4を印字する。このID情報4を構成する部材を、ベース層3のサーモクロミックインク又はフォトクロミックインクの通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は真贋判定部1aの領域内のシート面と同色の色とした。
【選択図】 図2
【解決手段】シート1の所定部に真贋判定部1aを設け、この真贋判定部1aにサーモクロミックインク又はフォトクロミックインクによりベース層3を印刷等により施す。更に、このベース層3の上にID情報4を印字する。このID情報4を構成する部材を、ベース層3のサーモクロミックインク又はフォトクロミックインクの通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は真贋判定部1aの領域内のシート面と同色の色とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造防止用シートに係り、特にサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料からなる真贋判定部を有する偽造防止用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度変化に反応して特定の色に変化したり、或は発色や消色したりするサーモクロミック材料、紫外線(日光等)が照射されると特定の色に変化したり、或は発色や消色したりするフォトクロミック材料が知られている。このサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を印刷インク又は塗料等に含有させて紙等のシートに印刷又は塗布することにより、有価証券、クレジットカード、重要文書等各種ビジネスフォームのセキュリティ特性を付与することが行われている。即ち、文書、書類、記録、証書等のドキュメントの所定部に、例えばサーモクロミックインクで真贋判定部を印刷しておけば、ドキュメントの真贋判定部を手で触れたり、擦ったり或は他の方法で温めたりするような単純な作業で、温度変化に反応して変色・発色・消色するため真偽を認証することができる。そして、温度が下がれば元の色に戻る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を印刷インク又は塗料等に含有させて紙等のシートに印刷又は塗布するだけでは、ドキュメントの完全なセキュリティを図ることができない場合がある。例えば、複数のシートからなるシート組(ドキュメント)の場合、各シートの所定部に真贋判定部を設け、この真贋判定部にサーモクロミックインクでベタ刷りを付しておいても、これと同じベタ刷りを付した偽のシート(内容を改ざんしたシート)で差し替えることにより簡単に偽造されてしまう。又、単一の証券類、カード類であっても精巧に贋作され、且つ本物と同じ真贋判定部が模倣されてしまうと真偽の判定が困難になってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、サーモクロミックインク又はフォトクロミックインクを用いて真贋判定部を設けるだけでなく、この真贋判定部に、通常状態では視認不能或は視認困難なID情報を印字することによりドキュメントのセキュリティ特性を高めた偽造防止用シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係る請求項1は、シート基材面の所定部にサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料からなる真贋判定部を有し、その真贋判定部の領域内における所定の位置に前記サーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は前記真贋判定部の領域内のシート面と同色のID情報が形成されていることを特徴とする。
【0006】
この請求項1の発明では、通常時は真贋判定部の領域内にID情報が隠蔽されているが、真偽判定時に熱又は光のエネルギーを真贋判定部に付与することでサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を変色・発色・消色させ、真贋判定部にID情報を浮き上がらせることにより真偽を簡単に判定することができる。
【0007】
又、本発明に係る請求項2は、請求項1の偽造防止用シートにおいて、前記ID情報が電子写真方式で用いるトナーにより設けられていることを特徴とする。
【0008】
この請求項2の発明では、オフセット印刷等により真贋判定部に設けられたサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の上に、そのサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は真贋判定部の領域内のシート面と同色の電子写真方式で用いるトナーによって、ID情報を容易に印字することができる。
【0009】
本発明に係る請求項3は、前記真贋判定部上に透明なトナー受容層を設け、このトナー受容層の上に、電子写真方式で用いるトナーにより設けられた前記ID情報が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この請求項3の発明では、真贋判定部上に設けた透明なトナー受容層の上に電子写真方式で用いるトナーでID情報を印字するため、そのID情報の定着性を高めることができる。
【0011】
更に、本発明に係る請求項4は、請求項1の偽造防止用シートにおいて、前記ID情報がインクジェットインクにより設けられていることを特徴とする。
【0012】
この請求項4の発明では、オフセット印刷等により真贋判定部に設けられたサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の上に、そのサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は真贋判定部の領域内のシート面と同色のインクジェットインクによってID情報を容易に印字することができる。
【0013】
本発明に係る請求項5は、前記真贋判定部上に透明なインクジェットインク受容層を設け、このインクジェットインク受容層の上に、インクジェットインクにより設けられた前記ID情報が形成されていることを特徴とする。
【0014】
この請求項5の発明では、真贋判定部上に設けた透明なインクジェットインク受容層の上にインクジェットインクでID情報を印字するため、そのID情報の定着性を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る偽造防止用シートを複数のシートからなるシート組に適用した実施形態について説明する。図1は、通常の印刷機又はプリンタにより印刷された、或は電子写真方式又はインクジェット方式の複写機により複写された複数のシート1からなるシート組2を示している。シート1は白色の紙であり、各シート1の所定部には真贋判定部1aが設けられている。
【0016】
各シート1の真贋判定部1aは、図2のようにサーモクロミック材料(又はフォトクロミック材料)を含有するインクによりベース層3が印刷されると共に、そのベース層3の上にトナーによってID情報4が印字されている。
【0017】
サーモクロミック材料は、サーモクロミズム(熱による変色・発色・消色性)を示す材料であり、サーモクロミズムの厳密な定義はないが、物質を加熱する時に変色・発色・消色を生じる現象のことである。サーモクロミック材料は大きく可逆性材料と不可逆性材料とに分けられる。
【0018】
可逆性材料の例としては、例えば縮合芳香置換エチレン誘導体(ベンゾ−β―ナフトイソスピロピラン、ジ−α,β―ナフトイソスピロピラン、アルキルジ−β―ナフトスピロピラン、ビアントロン、ジキザンチレン、キサチリデンアンスロン等)、電子供与性呈色性化合物と没食子酸プロピルエステルとアルコールの組み合わせ(電子供与性呈色性化合物で色、アルコールで変色・発色・消色温度を制御できる)等がある。そして、電子供与性呈色性化合物としては、3,6−ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノベンツフルオラン、ローダミンBラクタム、クリスタルバイオレットラクトン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等である。上記アルコールとしては、n−オクチルアルコール(−40℃)、n−デシルアルコール(−13℃)、n−ラウリルアルコール(16℃)、n−ミリスチルアルコール(35℃)、n−セチルアルコール(45℃)、n−ステアリルアルコール(53℃)等が挙げられる。
【0019】
又、不可逆性材料の例としては、例えばロイコ染料とフェノール系化合物の組み合わせ(クリスタルバイオレットラクトンとビスフェノールA)、キレート形成反応する金属塩と配位子(鉄塩又はバナジウム塩と没食子酸エステル)等を挙げることができる。
【0020】
本発明で用いるサーモクロミック材料は、上記可逆性材料でも不可逆性材料でもいずれも使用することができ、使用目的にあわせて適宜選択することが可能である。本発明では、変色・発色・消色温度があまり高くなく、例えば約50〜60℃程度のものが好ましく使用でき、更にサーモクロミック材料の色変化は、体温に近い温度で変化するものを選択すると、指で触って色変化させ得るのでより好ましく使用できる。
【0021】
一方、フォトクロミック材料は、フォトクロミズムを示す材料であり、フォトクロミズムとは可逆的変色・発色・消色(吸収スペクトルの変化)のことで、光異性化を起こすものが最も一般的である。
【0022】
このフォトクロミック材料としては、例えばシス−トランス異性化タイプはアゾベンゼン系染料が一般的であり、互変異性化タイプはシッフ塩素系が一般的であり、その他O−ニトロベンジル系があり、ヘテロリティック解裂タイプはスピロピランとメロジアニン色素の異性化があり、ホモリティック解裂タイプはテトラクロロケトジヒドロナフタレンやビス(トリフェニルイミダゾイル)等が挙げられる。尚、フォトクロミックに関しては、例えば特開昭55−76883、特開昭63−223084、特開昭45−28892、特開昭62−145089、特開昭61−501145、特開昭63−66186、特開昭61−291678、特開昭61−263982、特開昭61−263983、特開昭63−51492、特開昭63−93788、特開昭63−199279、特開昭63−250380、特開昭61−204294、特開昭61−276883、特開昭63−301228、特開昭58−173181、特開昭62−252496、特開昭63−234084等の公報に開示されている。
【0023】
本発明では、いずれのタイプのものも使用できるが、可視光線を照射すると可逆的に変化するものと、他の特異な波長光線を照射すると可逆的に変化するものとがあり、簡便に使用できる可視光線で可逆するものが好ましく使用できる。又、色変化は明瞭であるが、低温(−100℃)が要求されるものは、本発明では実用性は低い。上記シス−トランス異性化タイプのアゾベンゼン系染料や、ヘテロリティック解裂タイプのスピロピランとメロジアニン色素の異性化を利用するものは、入手が容易で好ましく使用できる。
【0024】
サーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を含むインクとしては、市販品を使用することができ、例えばChromatic TecnologiesInc.社製のサーモクロミックインク又はフォトクロミックインクを挙げられる。
【0025】
上記ベース層3は、サーモクロミック材料(又はフォトクロミック材料)を含むインクを用いてシート1にオフセット印刷することで形成することができる。インクの色はシート1の白色と同色系の白色インクを選択する。このベース層3は、印刷機又はプリンタによりドキュメントを印刷する前又は後にシート1上に印刷することができ、ドキュメントを電子写真方式又はインクジェット方式の複写機により複写する時は、複写前にシート1上に既に印刷済みであることが望ましい。
【0026】
本実施例の場合、上記ID情報4を印字するトナーは、サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)の通常時の白色と同色系の白色トナーを用いる。この白色トナーは、発像成分とバインダ樹脂成分を主成分とし、電子写真方式で用いられるトナーであって、発像成分を白色顔料のみとし、有色顔料や有色染料等、白色単色以外の有色の発像成分を含んでいない。
【0027】
本実施例で用いる白色顔料としては、天然品及び/又は合成品を用いることができる。具体的には、例えば二酸化チタン(アナターゼやルチル)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン、鉛顔料(炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、塩基性シリコ硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛等)、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、ジルコン、カオリン、粘土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩(ステアタイト、アスベスチン等から得られるタルク等)、雲母、水和アルミナ、軽石、アスベスト、硫酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウムカリウム等を挙げることができる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
【0028】
上記サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)の通常時の色が有色である場合には、トナーもそれに対応させて同色系の有色のものとする。有色トナーの有色顔料及び/又は有色染料は、本発明で用いると識別困難な同色系のものであればよく、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫などあるいはこれらの2種以上の混合色などいずれでもよく、公知の天然品、合成品あるいはこれらの2種以上の混合物を用いることができる。有色トナー中の有色顔料及び/又は有色染料の含有量や粒度などは特に限定されず、本発明で用いるサーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)と識別困難な同色となるように調製することが好ましい。
【0029】
更に、本発明で用いるサーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)が通常時で透明の場合は、真贋判定部1aの領域内のシート1面と同色のトナーを用いることが肝要である。尚、トナーには、更に所望に応じて慣用されている添加成分、例えば帯電制御剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、滑剤等を少量含有させることができる。
【0030】
上記のように白色の紙からなるシート1の真贋判定部1aには、サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)が通常時で透明の場合は、透明なベース層3を介してシート1面の白色が透けて見えるため、トナーを白色トナーとした場合には、印字されたID情報4は、真贋判定部1aのベース層3中では視認不能或は視認困難となる。
【0031】
前記シート組2の一部のシート1が当該シート1の内容を改ざんした偽のシートによって差し替えられたとする。この場合、差し替えた偽のシートに真贋判定部1aが設けられ、その真贋判定部1aに上記ベース層3が設けられていたとしても、ID情報4が印字されていないため容易に真偽判定を行うことができる。即ち、各シート1の真贋判定部1aに適当な手段で熱(フォトクロミックの場合は光)を供給すると、図4のようにべース層3のサーモクロミックが熱反応して色が変わるなどするため、この結果、例えば、有色のベース層3中に白色のID情報4が白抜き状態で表示されることになる。差し替えた偽のシートは、ベース層が有色に変化するだけでID情報が白抜き状態で表示されない。これにより、偽のシートを容易に判別することができる。従って、差し替えによるシート組2の偽造防止が図れる。尚、熱又は光の供給が停止されると、有色のベース層3は元の白色に戻る。
【0032】
本発明におけるID情報としては、例えば通し番号、頁番号、ドキュメント製作の日付や時間、ID情報を印字した責任者の氏名や部署名、或は特定の印刷機、プリンタ、複写機の製造番号、その他暗証番号等を採用することができる。これらのID情報はトナーを用いて印字できるため通常のプリンタ、複写機等を利用することが可能である。
【0033】
図3は、本発明の他の実施形態を示すもので、シート11は上記と同様に白い紙が用いられ、真贋判定部11aに設けられたベース層13の領域内における所定の位置(ID情報14を設ける位置)にトナー受容層15が設けられ、このトナー受容層15上にID情報14が印字されている構成に特徴を有するものである。トナー受容層15は透明性を有するものであって、このトナー受容層15上に印字されたID情報14の定着性が高くなると共に、真贋判定部11aに設けられたベース層3やID情報14がトナー受容層15を透して視認できる。
【0034】
トナー受容層15を形成する方法や手段等は特に限定されるものではない。例えば、紫外線硬化型塗料からなる塗工液を用いてベース層13の上に塗工してトナー受容層15を形成する方法は、ベース層13への塗工が容易で、公知の方法でベース層13に塗工後、必要に応じて乾燥し、紫外線照射してトナー受容層15を容易に形成できる上、トナー定着性を一層向上できるので好ましく使用できる。ベース層13がフォトクロミックインクで構成されている場合は、紫外線照射時に変色・発色・消色するが、その後は元に戻る。
【0035】
トナー受容層15を形成するための紫外線硬化型塗料は、紫外線照射によって生じる塗料のバインダ樹脂成分の重合反応による樹脂形成に伴う硬化手段を応用した、従来公知の紫外線硬化型塗料に基づくものであり、透明性を有する光重合性オリゴマ(プレポリマ)及び/又は光重合性モノマ、光重合開始剤を必須成分として含み、他に必要に応じて帯電防止剤、光重合促進剤、安定剤、ワックス等の各種添加剤を含むものである。
【0036】
そして、この紫外線硬化型塗料が、トナーを構成する前記バインダ樹脂成分と同種のバインダ樹脂成分を含有すると、複写の際の加熱溶融時にトナーと上記トナー受容層15との相溶融性が非常に高くなり、トナー定着性が著しく向上する。紫外線硬化型塗料に含有されるバインダ樹脂成分の含有形態は、バインダ樹脂成分を光重合反応で形成する光重合性オリゴマ乃至モノマの状態で存在させたり、トナーを構成するバインダ樹脂成分を微細粒子状に粉砕し、これを塗料中に分散させたり、或はこれらを共存させるものである。
【0037】
更に、特に好ましくは、スチレンアクリル系熱可塑性樹脂成分又はエポキシアクリル系熱可塑性樹脂成分を重合形成する光重合性オリゴマないし光重合性モノマ或はこの樹脂成分の微細粒子である。これらの樹脂成分を含有したトナー受容層15を設けた場合には、その他の樹脂のものに比べ、トナー定着性が格段に優れる。
【0038】
紫外線硬化型塗料中におけるバインダ樹脂成分の含有量は、50質量%以下であると所定のトナー定着性が得られなく、95質量%を超えると印字適正が損なわれるため、その含有率は50〜95質量%であることが好ましく、更に好ましくは60〜90質量%、特に好ましくは70〜80質量%が望ましい。
【0039】
又、光重合性モノマの量が多いと、トナー受容層15の硬度が硬くなりすぎてベース層13への定着や擦れによる剥離が生じるため、所望の硬度が得られるように適宜調製する。更に、バインダ樹脂成分の微細粒子を含有させる場合は、その含有率が高いと透明性が低下するため、その含有率は20質量%以下が好ましい。
【0040】
光重合開始剤としては、従来公知のラジカル重合タイプのものでよく、例えばベンゾエーテル類、アセトフェノン類、ケタール類、チオキサントン類が挙げられ、具体的には4,4ビスジメチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オルベンゾイル安息香酸メチルエステル等がある。
【0041】
上記実施形態ではトナーを用いてID情報を印字する例であったが、トナーに限定されるものではなく、例えばインクジェットインクを用いてID情報を印字することも可能である。以下にインクジェットインクでID情報を印字する実施形態について説明する。
尚、本発明におけるインクジェットインクは、色材と水溶性有機溶媒を主成分とし、インクジェット方式のプリンタで用いられるインクジェットインクである。
【0042】
以下、別個の図示は省略し、図3及びその符号を利用して、インクジェットインクを用いたID情報の場合について説明する。
前記トナーの場合と同じく、サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)が通常時で透明の場合は、透明なベース層3を介してシート11面の白色が透けて見えるため、インクジェットインクを白色インクジェットインクとした場合には、印字されたID情報4は、真贋判定部1aのベース層3中では視認不能或は視認困難となる。
【0043】
そして、前記シート組2の一部のシート1が当該シート1の内容を改ざんした偽のシートによって差し替えられた場合、真偽判定時に各シート1の真贋判定部1aに適当な手段で熱(フォトクロミックの場合は光)を供給すると、図4のようにべース層3のサーモクロミックが熱反応して色が変わるなどするため、この結果、例えば、有色のベース層3中に白色のID情報4が白抜き状態で表示される。差し替えた偽のシートは、ベース層が有色に変化するだけでID情報が白抜き状態で表示されない。これにより、偽のシートを容易に判別することができる。従って、差し替えによるシート組2の偽造防止が図れる。
【0044】
通常のインクジェットインクは水溶性であるため、インクジェットインク受容層を設けてその上にインクジェットインクを定着させることが好ましい。
【0045】
インクジェットインク受容層15は透明性を有するものであって、インクジェット方式のプリンタで印刷する際にインクジェットインク受容層15の所定部にインクジェットインクによるID情報14(例えばプリント員数)が印字される。インクジェットインク受容層に印字されたID情報14はインクジェットインク受容層15との定着性が高くなると共に、真贋判定部11aに設けられたベース層3やID情報14がインクジェットインク受容層15を透して視認できる。
【0046】
インクジェットインク受容層を形成する方法や手段等は特に限定されるものではない。例えば特定の溶剤を主として含むビヒクルを用い、このビヒクルに対してカチオン性樹脂、多孔質微粒子を配合したインクジェットインク受容層形成用インクを用いることができ、基材面(紙面に限らない)にオフセット印刷等により容易に形成できるので好ましく使用できる。
【0047】
このインクジェットインク受容層形成用インクを用いることにより、特別な乾燥装置(例えば、熱風乾燥装置、高周波乾燥装置、赤外線乾燥装置)やUV照射装置等が不要となり、そして基材に形成されたインクジェットインク受容層へのインクジェットインクの受容性が優れ、印字画像の滲みが起こらず、印字したインクジェットインクの耐水性が改善でき、インクジェット印字の品質を向上できる。更に、オフセット印刷適性に優れるため、基材の必要な箇所に容易にインクジェットインク受容層を形成することができる。
【0048】
インクジェットインク受容層形成用インクは、例えば沸点100℃以上のグリコール系溶剤を主として含有するビヒクルを用いることができ、このビヒクルに対してカチオン樹脂及び/又は多孔質微粒子、及びマイクロカプセルを配合して調製される。このようなグリコール系溶剤を用いることにより特別な乾燥装置やUV照射装置等が不要となる。
【0049】
本発明で用いるグリコール系溶剤は、中沸点及び高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)であり、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)等、及びこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0050】
カチオン樹脂は、1級〜3級アミン又は4級アンモニウム塩のオリゴマ、ポリマである。特に好ましいカチオン性樹脂の例としては、具体的に例えばジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物等、或はこれらの2種以上の混合物等を挙げることができる。
【0051】
グリコール系溶剤を主成分として含むビヒクルとカチオン性樹脂との質量比(ビヒクル:カチオン性樹脂)は1:1〜1:0.1の範囲が好ましい。カチオン性樹脂がこの範囲を超えて多いと印刷特性が劣る恐れがあり、逆にカチオン性樹脂がこの範囲未満であると耐水性が劣る恐れがあり、いずれも好ましくはない。
【0052】
本発明においては前記カチオン性樹脂を単独で用いることもできるが、カチオン性樹脂の代わりに多孔質微粒子を単独で用いることができ、又カチオン性樹脂と多孔質微粒子を併用することもできる。多孔質微粒子の配合量は、ビヒクル100質量部に対して、多孔質微粒子を5〜60質量部、好ましくは10〜50質量部配合することが望ましい。5質量部未満ではべたつきの抑制、耐水性や印字画像の滲みを改善できない恐れがあり、60質量部を超えると印刷インク適性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
【0053】
多孔質微粒質としては、無機系微細粒子でも、有機系微細粒子でも、或は両者の混合物でもよく、特に限定されるものではない。中でも無機系微細粒子は好ましく使用できる。
本発明で用いる無機系微細粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、ミズカシルP−526、P−801、P−527、P−603、P832、P−73、P−78A、P−78F、P−87、P−705、P−707、P−707D(水沢化学社製)、Nipsil E200、E220、SS−10F、SS−15、SS−50(日本シリカ工業社製)、SYLYSIA730、310(富士シリシア化学社製)など、炭酸カルシウム微粒子では、Brilliant−15、Brilliant−S15、Unibur−70、PZ、PX、ツネックスE、Vigot−10、Vigoto−15、Unifant−15FR、Brilliant−1500、ホモカルD、ゲルトン50(白石工業社製)などを、スルホ・アルミン酸カルシウム微粒子では、サチンホワイトSW、SW−B、SW−BL((白石工業社製)などを、アルミナ微粒子では、AL−41G、AL−41、AL−42、AL−43、AL−44、AL−41E、AL−42E、AL−M41、AL−M42、AL−M43、AL−M44、AL−S43、AM−21、AM−22、AM−25、AM−27(住友化学社製)、酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)などを、二酸化チタン微粒子では二酸化チタンT805、P25(日本アエロジル社製)などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0054】
インクジェットインク受容層形成用グリコール系インクには、必要に応じて更にバインダ樹脂を配合したビヒクルを用いることができる。バインダ樹脂を配合することにより、形成されたインクジェット受容層が擦れに対して強くなり、表面が擦られてもインクジェットインク受容層やその受容層に含まれている多孔質微粒子が剥離しなくなるので好ましい。
【0055】
バインダ樹脂は、前記グリコール系溶剤と共に使用可能なものであれば特に限定されない。具体的には、例えばアルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物、或はこれらの2種以上の混合物等のカチオン性樹脂、その他電子線硬化型インク、紫外線硬化型インク、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等のアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸等のアニオン性樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも透明な熱可塑性バインダ樹脂成分は、本発明において好ましく使用できる。とりわけバインダ樹脂成分がインクジェットインクの発像成分(白色顔料)を透視可能な透明性を有するものは白色度が向上し、鮮やかな白として視認できるので更に好ましく使用できる。
【0056】
インクジェットインク受容層形成用インクは、上記のグリコール系インクに限らず、例えばアクリル系インクを用いることができる。
【0057】
アクリル系光硬化性成分としては、公知のアクリル系光重合性モノマ及び/又はアクリル系光重合性オリゴマから任意に選んで用いることができる。
このような光重合性モノマとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなどを挙げることができる。これらの光重合性モノマは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0058】
これらのアクリル系光重合性モノマと共に、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなど、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又はそのエステル、例えばアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレートなど、その他の不飽和化合物、例えばスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどを適宜適量配合して用いることができる。
【0059】
又、ビヒクルの体積収縮率が大きすぎるような場合には、体積収縮率が小さい、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマを適量混合して用いることができる。
【0060】
光重合性オリゴマとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、エポキシ樹脂のジグリシジルエーテルとジアリルアミンとの反応生成物などのエポキシ樹脂系プレポリマーや、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、ピロメリット酸二無水物のジアリルエステル化物に、p,p′−ジアミノジフェニルを反応させて得られるプレポリマーのようなポリアミド系プレポリマーや、エチレン−無水マレイン酸共重合体とアリルアミンとの反応生成物、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。これらの光重合性オリゴマは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0061】
光重合開始剤には、熱によって分解しラジカルを生成する過酸化物やアゾ化合物などの熱分解型ラジカル重合開始剤[例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)、還元剤を加えることによりラジカル生成速度を大にするレドックス系触媒など]の他に、例えば、ベンゾインやベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル−エーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常光硬化成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0062】
上記2つのインクジェットインク受容層形成用インクには、必要に応じて公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば粘度調整剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤グリセリン等のロール転写性向上剤等を挙げることができる。
【0063】
又、上記2つのインクジェットインク受容層形成用インクは、グラビアコータ、フレキソ、エアナイフコータ、バーコーター等の塗工手段により基材の少なくとも一方の面の所定部(例えば前記シート11の所定部11a)に塗工し、インクジェットインク受容層15を形成することができる。
【0064】
本発明において用いるインクジェットインクとしては、たとえば特開平7−228808号公報、同7−228809号公報に記載のものを用いることができる。特に、アントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性インクが好適に用いられる。これらの具体例については特開平7−228809号公報の段落番号0015に例示されている。
このインクに使用する媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。このほかに、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤などを含有させることができる。
【0065】
尚、上記実施形態はいずれも複数のシートからなるシート組の例で説明したが、本発明はシート組に限定されずに、有価証券、クレジットカード等の1枚ものに広く適用することが可能である。又、シートは紙の場合で説明したが、シート基材としてはガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合シート、ポリアミド系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリイミド系樹脂シート、エチレン・ビニルアルコール共重合体シート、ポリビニルアルコール系樹脂シート、ポリ塩化ビニル系樹脂シート、ポリ塩化ビニリデン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂シート、ポリエーテルスルホン系樹脂シートなどのプラスチックシート、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の発明によれば、通常時は真贋判定部の領域内にID情報が隠蔽されているが、真偽判定時に熱又は光のエネルギーを真贋判定部に付与することでサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を変色・発色・消色させ、真贋判定部にID情報を浮き上がらせることにより真偽を簡単に判定することができる。
【0067】
又、請求項2の発明によれば、電子写真方式で用いるトナーを用いて、形状や大きさの異なるID情報を容易に形成でき、更に、請求項3の発明によれば、当該トナーを用いたID情報の定着性を高めることができる。
【0068】
更に、請求項4の発明によれば、請求項1の偽造防止用シートにおいて、インクジェットインクを用いて、形状や大きさの異なるID情報を容易に形成でき、更に、請求項5の発明によれば、当該インクジェットインクを用いたID情報の定着性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偽造防止用シートを複数のシートからなるシート組に適用した実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1におけるX−X線概略断面図である。
【図3】本発明に係る偽造防止用シートの他の実施形態を示すもので、シート上に設けられた真贋判定部の概略断面図である。
【図4】本発明に係る偽造防止用シートにおける真贋判定部に熱又は光を加えてベース層を変色・発色・消色させ、ID情報が白抜き状態で現れた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…シート
1a…真贋判定部
2…シート組
3…ベース層
4…ID情報
11…シート
11a…真贋判定部
13…ベース層
14…ID情報
15…トナー受容層、インクジェットインク受容層
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造防止用シートに係り、特にサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料からなる真贋判定部を有する偽造防止用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度変化に反応して特定の色に変化したり、或は発色や消色したりするサーモクロミック材料、紫外線(日光等)が照射されると特定の色に変化したり、或は発色や消色したりするフォトクロミック材料が知られている。このサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を印刷インク又は塗料等に含有させて紙等のシートに印刷又は塗布することにより、有価証券、クレジットカード、重要文書等各種ビジネスフォームのセキュリティ特性を付与することが行われている。即ち、文書、書類、記録、証書等のドキュメントの所定部に、例えばサーモクロミックインクで真贋判定部を印刷しておけば、ドキュメントの真贋判定部を手で触れたり、擦ったり或は他の方法で温めたりするような単純な作業で、温度変化に反応して変色・発色・消色するため真偽を認証することができる。そして、温度が下がれば元の色に戻る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を印刷インク又は塗料等に含有させて紙等のシートに印刷又は塗布するだけでは、ドキュメントの完全なセキュリティを図ることができない場合がある。例えば、複数のシートからなるシート組(ドキュメント)の場合、各シートの所定部に真贋判定部を設け、この真贋判定部にサーモクロミックインクでベタ刷りを付しておいても、これと同じベタ刷りを付した偽のシート(内容を改ざんしたシート)で差し替えることにより簡単に偽造されてしまう。又、単一の証券類、カード類であっても精巧に贋作され、且つ本物と同じ真贋判定部が模倣されてしまうと真偽の判定が困難になってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、サーモクロミックインク又はフォトクロミックインクを用いて真贋判定部を設けるだけでなく、この真贋判定部に、通常状態では視認不能或は視認困難なID情報を印字することによりドキュメントのセキュリティ特性を高めた偽造防止用シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係る請求項1は、シート基材面の所定部にサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料からなる真贋判定部を有し、その真贋判定部の領域内における所定の位置に前記サーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は前記真贋判定部の領域内のシート面と同色のID情報が形成されていることを特徴とする。
【0006】
この請求項1の発明では、通常時は真贋判定部の領域内にID情報が隠蔽されているが、真偽判定時に熱又は光のエネルギーを真贋判定部に付与することでサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を変色・発色・消色させ、真贋判定部にID情報を浮き上がらせることにより真偽を簡単に判定することができる。
【0007】
又、本発明に係る請求項2は、請求項1の偽造防止用シートにおいて、前記ID情報が電子写真方式で用いるトナーにより設けられていることを特徴とする。
【0008】
この請求項2の発明では、オフセット印刷等により真贋判定部に設けられたサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の上に、そのサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は真贋判定部の領域内のシート面と同色の電子写真方式で用いるトナーによって、ID情報を容易に印字することができる。
【0009】
本発明に係る請求項3は、前記真贋判定部上に透明なトナー受容層を設け、このトナー受容層の上に、電子写真方式で用いるトナーにより設けられた前記ID情報が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この請求項3の発明では、真贋判定部上に設けた透明なトナー受容層の上に電子写真方式で用いるトナーでID情報を印字するため、そのID情報の定着性を高めることができる。
【0011】
更に、本発明に係る請求項4は、請求項1の偽造防止用シートにおいて、前記ID情報がインクジェットインクにより設けられていることを特徴とする。
【0012】
この請求項4の発明では、オフセット印刷等により真贋判定部に設けられたサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の上に、そのサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は真贋判定部の領域内のシート面と同色のインクジェットインクによってID情報を容易に印字することができる。
【0013】
本発明に係る請求項5は、前記真贋判定部上に透明なインクジェットインク受容層を設け、このインクジェットインク受容層の上に、インクジェットインクにより設けられた前記ID情報が形成されていることを特徴とする。
【0014】
この請求項5の発明では、真贋判定部上に設けた透明なインクジェットインク受容層の上にインクジェットインクでID情報を印字するため、そのID情報の定着性を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る偽造防止用シートを複数のシートからなるシート組に適用した実施形態について説明する。図1は、通常の印刷機又はプリンタにより印刷された、或は電子写真方式又はインクジェット方式の複写機により複写された複数のシート1からなるシート組2を示している。シート1は白色の紙であり、各シート1の所定部には真贋判定部1aが設けられている。
【0016】
各シート1の真贋判定部1aは、図2のようにサーモクロミック材料(又はフォトクロミック材料)を含有するインクによりベース層3が印刷されると共に、そのベース層3の上にトナーによってID情報4が印字されている。
【0017】
サーモクロミック材料は、サーモクロミズム(熱による変色・発色・消色性)を示す材料であり、サーモクロミズムの厳密な定義はないが、物質を加熱する時に変色・発色・消色を生じる現象のことである。サーモクロミック材料は大きく可逆性材料と不可逆性材料とに分けられる。
【0018】
可逆性材料の例としては、例えば縮合芳香置換エチレン誘導体(ベンゾ−β―ナフトイソスピロピラン、ジ−α,β―ナフトイソスピロピラン、アルキルジ−β―ナフトスピロピラン、ビアントロン、ジキザンチレン、キサチリデンアンスロン等)、電子供与性呈色性化合物と没食子酸プロピルエステルとアルコールの組み合わせ(電子供与性呈色性化合物で色、アルコールで変色・発色・消色温度を制御できる)等がある。そして、電子供与性呈色性化合物としては、3,6−ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノベンツフルオラン、ローダミンBラクタム、クリスタルバイオレットラクトン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等である。上記アルコールとしては、n−オクチルアルコール(−40℃)、n−デシルアルコール(−13℃)、n−ラウリルアルコール(16℃)、n−ミリスチルアルコール(35℃)、n−セチルアルコール(45℃)、n−ステアリルアルコール(53℃)等が挙げられる。
【0019】
又、不可逆性材料の例としては、例えばロイコ染料とフェノール系化合物の組み合わせ(クリスタルバイオレットラクトンとビスフェノールA)、キレート形成反応する金属塩と配位子(鉄塩又はバナジウム塩と没食子酸エステル)等を挙げることができる。
【0020】
本発明で用いるサーモクロミック材料は、上記可逆性材料でも不可逆性材料でもいずれも使用することができ、使用目的にあわせて適宜選択することが可能である。本発明では、変色・発色・消色温度があまり高くなく、例えば約50〜60℃程度のものが好ましく使用でき、更にサーモクロミック材料の色変化は、体温に近い温度で変化するものを選択すると、指で触って色変化させ得るのでより好ましく使用できる。
【0021】
一方、フォトクロミック材料は、フォトクロミズムを示す材料であり、フォトクロミズムとは可逆的変色・発色・消色(吸収スペクトルの変化)のことで、光異性化を起こすものが最も一般的である。
【0022】
このフォトクロミック材料としては、例えばシス−トランス異性化タイプはアゾベンゼン系染料が一般的であり、互変異性化タイプはシッフ塩素系が一般的であり、その他O−ニトロベンジル系があり、ヘテロリティック解裂タイプはスピロピランとメロジアニン色素の異性化があり、ホモリティック解裂タイプはテトラクロロケトジヒドロナフタレンやビス(トリフェニルイミダゾイル)等が挙げられる。尚、フォトクロミックに関しては、例えば特開昭55−76883、特開昭63−223084、特開昭45−28892、特開昭62−145089、特開昭61−501145、特開昭63−66186、特開昭61−291678、特開昭61−263982、特開昭61−263983、特開昭63−51492、特開昭63−93788、特開昭63−199279、特開昭63−250380、特開昭61−204294、特開昭61−276883、特開昭63−301228、特開昭58−173181、特開昭62−252496、特開昭63−234084等の公報に開示されている。
【0023】
本発明では、いずれのタイプのものも使用できるが、可視光線を照射すると可逆的に変化するものと、他の特異な波長光線を照射すると可逆的に変化するものとがあり、簡便に使用できる可視光線で可逆するものが好ましく使用できる。又、色変化は明瞭であるが、低温(−100℃)が要求されるものは、本発明では実用性は低い。上記シス−トランス異性化タイプのアゾベンゼン系染料や、ヘテロリティック解裂タイプのスピロピランとメロジアニン色素の異性化を利用するものは、入手が容易で好ましく使用できる。
【0024】
サーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を含むインクとしては、市販品を使用することができ、例えばChromatic TecnologiesInc.社製のサーモクロミックインク又はフォトクロミックインクを挙げられる。
【0025】
上記ベース層3は、サーモクロミック材料(又はフォトクロミック材料)を含むインクを用いてシート1にオフセット印刷することで形成することができる。インクの色はシート1の白色と同色系の白色インクを選択する。このベース層3は、印刷機又はプリンタによりドキュメントを印刷する前又は後にシート1上に印刷することができ、ドキュメントを電子写真方式又はインクジェット方式の複写機により複写する時は、複写前にシート1上に既に印刷済みであることが望ましい。
【0026】
本実施例の場合、上記ID情報4を印字するトナーは、サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)の通常時の白色と同色系の白色トナーを用いる。この白色トナーは、発像成分とバインダ樹脂成分を主成分とし、電子写真方式で用いられるトナーであって、発像成分を白色顔料のみとし、有色顔料や有色染料等、白色単色以外の有色の発像成分を含んでいない。
【0027】
本実施例で用いる白色顔料としては、天然品及び/又は合成品を用いることができる。具体的には、例えば二酸化チタン(アナターゼやルチル)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン、鉛顔料(炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、塩基性シリコ硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛等)、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、ジルコン、カオリン、粘土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩(ステアタイト、アスベスチン等から得られるタルク等)、雲母、水和アルミナ、軽石、アスベスト、硫酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウムカリウム等を挙げることができる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
【0028】
上記サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)の通常時の色が有色である場合には、トナーもそれに対応させて同色系の有色のものとする。有色トナーの有色顔料及び/又は有色染料は、本発明で用いると識別困難な同色系のものであればよく、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫などあるいはこれらの2種以上の混合色などいずれでもよく、公知の天然品、合成品あるいはこれらの2種以上の混合物を用いることができる。有色トナー中の有色顔料及び/又は有色染料の含有量や粒度などは特に限定されず、本発明で用いるサーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)と識別困難な同色となるように調製することが好ましい。
【0029】
更に、本発明で用いるサーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)が通常時で透明の場合は、真贋判定部1aの領域内のシート1面と同色のトナーを用いることが肝要である。尚、トナーには、更に所望に応じて慣用されている添加成分、例えば帯電制御剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、滑剤等を少量含有させることができる。
【0030】
上記のように白色の紙からなるシート1の真贋判定部1aには、サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)が通常時で透明の場合は、透明なベース層3を介してシート1面の白色が透けて見えるため、トナーを白色トナーとした場合には、印字されたID情報4は、真贋判定部1aのベース層3中では視認不能或は視認困難となる。
【0031】
前記シート組2の一部のシート1が当該シート1の内容を改ざんした偽のシートによって差し替えられたとする。この場合、差し替えた偽のシートに真贋判定部1aが設けられ、その真贋判定部1aに上記ベース層3が設けられていたとしても、ID情報4が印字されていないため容易に真偽判定を行うことができる。即ち、各シート1の真贋判定部1aに適当な手段で熱(フォトクロミックの場合は光)を供給すると、図4のようにべース層3のサーモクロミックが熱反応して色が変わるなどするため、この結果、例えば、有色のベース層3中に白色のID情報4が白抜き状態で表示されることになる。差し替えた偽のシートは、ベース層が有色に変化するだけでID情報が白抜き状態で表示されない。これにより、偽のシートを容易に判別することができる。従って、差し替えによるシート組2の偽造防止が図れる。尚、熱又は光の供給が停止されると、有色のベース層3は元の白色に戻る。
【0032】
本発明におけるID情報としては、例えば通し番号、頁番号、ドキュメント製作の日付や時間、ID情報を印字した責任者の氏名や部署名、或は特定の印刷機、プリンタ、複写機の製造番号、その他暗証番号等を採用することができる。これらのID情報はトナーを用いて印字できるため通常のプリンタ、複写機等を利用することが可能である。
【0033】
図3は、本発明の他の実施形態を示すもので、シート11は上記と同様に白い紙が用いられ、真贋判定部11aに設けられたベース層13の領域内における所定の位置(ID情報14を設ける位置)にトナー受容層15が設けられ、このトナー受容層15上にID情報14が印字されている構成に特徴を有するものである。トナー受容層15は透明性を有するものであって、このトナー受容層15上に印字されたID情報14の定着性が高くなると共に、真贋判定部11aに設けられたベース層3やID情報14がトナー受容層15を透して視認できる。
【0034】
トナー受容層15を形成する方法や手段等は特に限定されるものではない。例えば、紫外線硬化型塗料からなる塗工液を用いてベース層13の上に塗工してトナー受容層15を形成する方法は、ベース層13への塗工が容易で、公知の方法でベース層13に塗工後、必要に応じて乾燥し、紫外線照射してトナー受容層15を容易に形成できる上、トナー定着性を一層向上できるので好ましく使用できる。ベース層13がフォトクロミックインクで構成されている場合は、紫外線照射時に変色・発色・消色するが、その後は元に戻る。
【0035】
トナー受容層15を形成するための紫外線硬化型塗料は、紫外線照射によって生じる塗料のバインダ樹脂成分の重合反応による樹脂形成に伴う硬化手段を応用した、従来公知の紫外線硬化型塗料に基づくものであり、透明性を有する光重合性オリゴマ(プレポリマ)及び/又は光重合性モノマ、光重合開始剤を必須成分として含み、他に必要に応じて帯電防止剤、光重合促進剤、安定剤、ワックス等の各種添加剤を含むものである。
【0036】
そして、この紫外線硬化型塗料が、トナーを構成する前記バインダ樹脂成分と同種のバインダ樹脂成分を含有すると、複写の際の加熱溶融時にトナーと上記トナー受容層15との相溶融性が非常に高くなり、トナー定着性が著しく向上する。紫外線硬化型塗料に含有されるバインダ樹脂成分の含有形態は、バインダ樹脂成分を光重合反応で形成する光重合性オリゴマ乃至モノマの状態で存在させたり、トナーを構成するバインダ樹脂成分を微細粒子状に粉砕し、これを塗料中に分散させたり、或はこれらを共存させるものである。
【0037】
更に、特に好ましくは、スチレンアクリル系熱可塑性樹脂成分又はエポキシアクリル系熱可塑性樹脂成分を重合形成する光重合性オリゴマないし光重合性モノマ或はこの樹脂成分の微細粒子である。これらの樹脂成分を含有したトナー受容層15を設けた場合には、その他の樹脂のものに比べ、トナー定着性が格段に優れる。
【0038】
紫外線硬化型塗料中におけるバインダ樹脂成分の含有量は、50質量%以下であると所定のトナー定着性が得られなく、95質量%を超えると印字適正が損なわれるため、その含有率は50〜95質量%であることが好ましく、更に好ましくは60〜90質量%、特に好ましくは70〜80質量%が望ましい。
【0039】
又、光重合性モノマの量が多いと、トナー受容層15の硬度が硬くなりすぎてベース層13への定着や擦れによる剥離が生じるため、所望の硬度が得られるように適宜調製する。更に、バインダ樹脂成分の微細粒子を含有させる場合は、その含有率が高いと透明性が低下するため、その含有率は20質量%以下が好ましい。
【0040】
光重合開始剤としては、従来公知のラジカル重合タイプのものでよく、例えばベンゾエーテル類、アセトフェノン類、ケタール類、チオキサントン類が挙げられ、具体的には4,4ビスジメチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オルベンゾイル安息香酸メチルエステル等がある。
【0041】
上記実施形態ではトナーを用いてID情報を印字する例であったが、トナーに限定されるものではなく、例えばインクジェットインクを用いてID情報を印字することも可能である。以下にインクジェットインクでID情報を印字する実施形態について説明する。
尚、本発明におけるインクジェットインクは、色材と水溶性有機溶媒を主成分とし、インクジェット方式のプリンタで用いられるインクジェットインクである。
【0042】
以下、別個の図示は省略し、図3及びその符号を利用して、インクジェットインクを用いたID情報の場合について説明する。
前記トナーの場合と同じく、サーモクロミックインク(又はフォトクロミックインク)が通常時で透明の場合は、透明なベース層3を介してシート11面の白色が透けて見えるため、インクジェットインクを白色インクジェットインクとした場合には、印字されたID情報4は、真贋判定部1aのベース層3中では視認不能或は視認困難となる。
【0043】
そして、前記シート組2の一部のシート1が当該シート1の内容を改ざんした偽のシートによって差し替えられた場合、真偽判定時に各シート1の真贋判定部1aに適当な手段で熱(フォトクロミックの場合は光)を供給すると、図4のようにべース層3のサーモクロミックが熱反応して色が変わるなどするため、この結果、例えば、有色のベース層3中に白色のID情報4が白抜き状態で表示される。差し替えた偽のシートは、ベース層が有色に変化するだけでID情報が白抜き状態で表示されない。これにより、偽のシートを容易に判別することができる。従って、差し替えによるシート組2の偽造防止が図れる。
【0044】
通常のインクジェットインクは水溶性であるため、インクジェットインク受容層を設けてその上にインクジェットインクを定着させることが好ましい。
【0045】
インクジェットインク受容層15は透明性を有するものであって、インクジェット方式のプリンタで印刷する際にインクジェットインク受容層15の所定部にインクジェットインクによるID情報14(例えばプリント員数)が印字される。インクジェットインク受容層に印字されたID情報14はインクジェットインク受容層15との定着性が高くなると共に、真贋判定部11aに設けられたベース層3やID情報14がインクジェットインク受容層15を透して視認できる。
【0046】
インクジェットインク受容層を形成する方法や手段等は特に限定されるものではない。例えば特定の溶剤を主として含むビヒクルを用い、このビヒクルに対してカチオン性樹脂、多孔質微粒子を配合したインクジェットインク受容層形成用インクを用いることができ、基材面(紙面に限らない)にオフセット印刷等により容易に形成できるので好ましく使用できる。
【0047】
このインクジェットインク受容層形成用インクを用いることにより、特別な乾燥装置(例えば、熱風乾燥装置、高周波乾燥装置、赤外線乾燥装置)やUV照射装置等が不要となり、そして基材に形成されたインクジェットインク受容層へのインクジェットインクの受容性が優れ、印字画像の滲みが起こらず、印字したインクジェットインクの耐水性が改善でき、インクジェット印字の品質を向上できる。更に、オフセット印刷適性に優れるため、基材の必要な箇所に容易にインクジェットインク受容層を形成することができる。
【0048】
インクジェットインク受容層形成用インクは、例えば沸点100℃以上のグリコール系溶剤を主として含有するビヒクルを用いることができ、このビヒクルに対してカチオン樹脂及び/又は多孔質微粒子、及びマイクロカプセルを配合して調製される。このようなグリコール系溶剤を用いることにより特別な乾燥装置やUV照射装置等が不要となる。
【0049】
本発明で用いるグリコール系溶剤は、中沸点及び高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)であり、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)等、及びこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0050】
カチオン樹脂は、1級〜3級アミン又は4級アンモニウム塩のオリゴマ、ポリマである。特に好ましいカチオン性樹脂の例としては、具体的に例えばジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物等、或はこれらの2種以上の混合物等を挙げることができる。
【0051】
グリコール系溶剤を主成分として含むビヒクルとカチオン性樹脂との質量比(ビヒクル:カチオン性樹脂)は1:1〜1:0.1の範囲が好ましい。カチオン性樹脂がこの範囲を超えて多いと印刷特性が劣る恐れがあり、逆にカチオン性樹脂がこの範囲未満であると耐水性が劣る恐れがあり、いずれも好ましくはない。
【0052】
本発明においては前記カチオン性樹脂を単独で用いることもできるが、カチオン性樹脂の代わりに多孔質微粒子を単独で用いることができ、又カチオン性樹脂と多孔質微粒子を併用することもできる。多孔質微粒子の配合量は、ビヒクル100質量部に対して、多孔質微粒子を5〜60質量部、好ましくは10〜50質量部配合することが望ましい。5質量部未満ではべたつきの抑制、耐水性や印字画像の滲みを改善できない恐れがあり、60質量部を超えると印刷インク適性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
【0053】
多孔質微粒質としては、無機系微細粒子でも、有機系微細粒子でも、或は両者の混合物でもよく、特に限定されるものではない。中でも無機系微細粒子は好ましく使用できる。
本発明で用いる無機系微細粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、ミズカシルP−526、P−801、P−527、P−603、P832、P−73、P−78A、P−78F、P−87、P−705、P−707、P−707D(水沢化学社製)、Nipsil E200、E220、SS−10F、SS−15、SS−50(日本シリカ工業社製)、SYLYSIA730、310(富士シリシア化学社製)など、炭酸カルシウム微粒子では、Brilliant−15、Brilliant−S15、Unibur−70、PZ、PX、ツネックスE、Vigot−10、Vigoto−15、Unifant−15FR、Brilliant−1500、ホモカルD、ゲルトン50(白石工業社製)などを、スルホ・アルミン酸カルシウム微粒子では、サチンホワイトSW、SW−B、SW−BL((白石工業社製)などを、アルミナ微粒子では、AL−41G、AL−41、AL−42、AL−43、AL−44、AL−41E、AL−42E、AL−M41、AL−M42、AL−M43、AL−M44、AL−S43、AM−21、AM−22、AM−25、AM−27(住友化学社製)、酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)などを、二酸化チタン微粒子では二酸化チタンT805、P25(日本アエロジル社製)などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0054】
インクジェットインク受容層形成用グリコール系インクには、必要に応じて更にバインダ樹脂を配合したビヒクルを用いることができる。バインダ樹脂を配合することにより、形成されたインクジェット受容層が擦れに対して強くなり、表面が擦られてもインクジェットインク受容層やその受容層に含まれている多孔質微粒子が剥離しなくなるので好ましい。
【0055】
バインダ樹脂は、前記グリコール系溶剤と共に使用可能なものであれば特に限定されない。具体的には、例えばアルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物、或はこれらの2種以上の混合物等のカチオン性樹脂、その他電子線硬化型インク、紫外線硬化型インク、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等のアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸等のアニオン性樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも透明な熱可塑性バインダ樹脂成分は、本発明において好ましく使用できる。とりわけバインダ樹脂成分がインクジェットインクの発像成分(白色顔料)を透視可能な透明性を有するものは白色度が向上し、鮮やかな白として視認できるので更に好ましく使用できる。
【0056】
インクジェットインク受容層形成用インクは、上記のグリコール系インクに限らず、例えばアクリル系インクを用いることができる。
【0057】
アクリル系光硬化性成分としては、公知のアクリル系光重合性モノマ及び/又はアクリル系光重合性オリゴマから任意に選んで用いることができる。
このような光重合性モノマとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなどを挙げることができる。これらの光重合性モノマは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0058】
これらのアクリル系光重合性モノマと共に、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなど、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又はそのエステル、例えばアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレートなど、その他の不飽和化合物、例えばスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどを適宜適量配合して用いることができる。
【0059】
又、ビヒクルの体積収縮率が大きすぎるような場合には、体積収縮率が小さい、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマを適量混合して用いることができる。
【0060】
光重合性オリゴマとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、エポキシ樹脂のジグリシジルエーテルとジアリルアミンとの反応生成物などのエポキシ樹脂系プレポリマーや、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、ピロメリット酸二無水物のジアリルエステル化物に、p,p′−ジアミノジフェニルを反応させて得られるプレポリマーのようなポリアミド系プレポリマーや、エチレン−無水マレイン酸共重合体とアリルアミンとの反応生成物、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。これらの光重合性オリゴマは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0061】
光重合開始剤には、熱によって分解しラジカルを生成する過酸化物やアゾ化合物などの熱分解型ラジカル重合開始剤[例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)、還元剤を加えることによりラジカル生成速度を大にするレドックス系触媒など]の他に、例えば、ベンゾインやベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル−エーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常光硬化成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0062】
上記2つのインクジェットインク受容層形成用インクには、必要に応じて公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば粘度調整剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤グリセリン等のロール転写性向上剤等を挙げることができる。
【0063】
又、上記2つのインクジェットインク受容層形成用インクは、グラビアコータ、フレキソ、エアナイフコータ、バーコーター等の塗工手段により基材の少なくとも一方の面の所定部(例えば前記シート11の所定部11a)に塗工し、インクジェットインク受容層15を形成することができる。
【0064】
本発明において用いるインクジェットインクとしては、たとえば特開平7−228808号公報、同7−228809号公報に記載のものを用いることができる。特に、アントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性インクが好適に用いられる。これらの具体例については特開平7−228809号公報の段落番号0015に例示されている。
このインクに使用する媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。このほかに、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤などを含有させることができる。
【0065】
尚、上記実施形態はいずれも複数のシートからなるシート組の例で説明したが、本発明はシート組に限定されずに、有価証券、クレジットカード等の1枚ものに広く適用することが可能である。又、シートは紙の場合で説明したが、シート基材としてはガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合シート、ポリアミド系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シート、ポリイミド系樹脂シート、エチレン・ビニルアルコール共重合体シート、ポリビニルアルコール系樹脂シート、ポリ塩化ビニル系樹脂シート、ポリ塩化ビニリデン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂シート、ポリエーテルスルホン系樹脂シートなどのプラスチックシート、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の発明によれば、通常時は真贋判定部の領域内にID情報が隠蔽されているが、真偽判定時に熱又は光のエネルギーを真贋判定部に付与することでサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料を変色・発色・消色させ、真贋判定部にID情報を浮き上がらせることにより真偽を簡単に判定することができる。
【0067】
又、請求項2の発明によれば、電子写真方式で用いるトナーを用いて、形状や大きさの異なるID情報を容易に形成でき、更に、請求項3の発明によれば、当該トナーを用いたID情報の定着性を高めることができる。
【0068】
更に、請求項4の発明によれば、請求項1の偽造防止用シートにおいて、インクジェットインクを用いて、形状や大きさの異なるID情報を容易に形成でき、更に、請求項5の発明によれば、当該インクジェットインクを用いたID情報の定着性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偽造防止用シートを複数のシートからなるシート組に適用した実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1におけるX−X線概略断面図である。
【図3】本発明に係る偽造防止用シートの他の実施形態を示すもので、シート上に設けられた真贋判定部の概略断面図である。
【図4】本発明に係る偽造防止用シートにおける真贋判定部に熱又は光を加えてベース層を変色・発色・消色させ、ID情報が白抜き状態で現れた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…シート
1a…真贋判定部
2…シート組
3…ベース層
4…ID情報
11…シート
11a…真贋判定部
13…ベース層
14…ID情報
15…トナー受容層、インクジェットインク受容層
Claims (5)
- シート基材面の所定部にサーモクロミック材料又はフォトクロミック材料からなる真贋判定部を有し、その真贋判定部の領域内における所定の位置に前記サーモクロミック材料又はフォトクロミック材料の通常時の色と同色ないし、通常時が透明の場合は前記真贋判定部の領域内のシート面と同色のID情報が形成されていることを特徴とする偽造防止用シート。
- 前記ID情報が電子写真方式で用いるトナーにより設けられていることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用シート。
- 前記真贋判定部上に透明なトナー受容層を設け、このトナー受容層の上に、電子写真方式で用いるトナーにより設けられた前記ID情報が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の偽造防止用シート。
- 前記ID情報がインクジェットインクにより設けられていることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用シート。
- 前記真贋判定部上に透明なインクジェットインク受容層を設け、このインクジェットインク受容層の上に、インクジェットインクにより設けられた前記ID情報が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項4記載の偽造防止用シート。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050805 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081118 |
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| A02 | Decision of refusal |
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