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JP2004074183A - 取鍋及び取鍋の生産方法 - Google Patents

取鍋及び取鍋の生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えばアルミニウム溶湯の運搬に用いる取鍋に関して、生産期間の短縮、並びに溶湯収容炉が亀裂等で損傷した場合の修理期間の短縮を図ること。
【解決手段】上面に開口部を有する容器状の炉枠6の内側に断熱層7を介して溶湯収容炉8を有する取鍋において、断熱層7にプレキャスト製品の溶湯収容炉8を分離可能に接着してあることを特徴とする取鍋。容器状の炉枠6の内側に有する断熱層7の中に、上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉8を相対的に挿入し、断熱層7と溶湯収容炉8を接着剤で分離可能に接着することを特徴とする取鍋の生産方法。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばアルミニウム溶湯の運搬に用いる取鍋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の取鍋は、鉄板等で形成した容器状の炉枠の内側に、三層以上の耐火物を内張りした構造である。そして、その生産方法は、炉枠の内側に型枠を組み、一層ごとに耐火物の原料となる不定形材を水で混練して型枠の中に流し込み、耐火物を乾燥し、さらに型枠を取り外す工程を、三回以上繰り返す工法を用いている。三層の耐火物のうち外側の二層は断熱効果が発揮できればよいので、ある程度硬化したら、その内側に型枠を組んで不定形材を流し込むので、最も内側の耐火物となる不定形材を流し込んで最後の乾燥をすることによって三層の耐火物は炉枠と完全に一体となり、各層は分離不能となる。また、最も内側の耐火物(以後、溶湯収容炉と呼ぶ)は、溶湯が抜けないように、巣のない緻密な構造とするため、充分に乾燥させる。
【0003】
しかし、乾燥をするので、生産期間が長く(一基につき20日間程度)かかった。特に、溶湯収容炉は、溶湯を抜けないようにするために不定形材への水の混入率が他の二層に比べて多く、乾燥に最も時間がかかる。従って、最後の乾燥が不十分なまま納品されやすい。この場合、溶湯を入れると、亀裂が入って溶湯が浸透し保温効果が弱まり、取鍋の役目を果たせないことがある。さらに、取鍋は、受湯口から圧縮空気を送り込むことによって、注湯口から溶湯を排出することもできるが、受湯口と注湯口を仕切る隔壁部分に亀裂が入ると、受湯口と注湯口との距離が亀裂部分によって短絡するので、圧縮空気を送り込んでも溶湯が排出されなくなる。
【0004】
上述したように溶湯収容層に亀裂が入ると、修理する必要があるが、その修理方法は、炉枠内の耐火物を三層ともブレーカで破壊した後に、前述した生産方法と同じ方法を用いる工法であった。従って、修理期間も同様に長くかかることになった。なお、耐火物を三層とも破壊するのは、前述したように三層の耐火物が完全に一体となっているので、溶湯収容炉のみを取り外せないからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情を考慮して開発されたもので、その課題は、生産期間の短縮、並びに溶湯収容炉が亀裂等で損傷した場合の修理期間の短縮を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の取鍋は、上面に開口部を有する容器状の炉枠の内側に断熱層を介して溶湯収容炉を有する取鍋において、断熱層にプレキャスト製品の溶湯収容炉を分離可能に接着してあることを特徴とする。
【0007】
ここでの接着は、断熱層と溶湯収容炉を接着剤を用いて接着する場合だけでなく、断熱層自体が接着剤となって溶湯収容炉に接着する場合も含む概念である。
【0008】
請求項2に係る発明の取鍋は、溶湯収容炉にプレキャスト製品を用いると共に、断熱層には溶湯収容炉の重量によって収縮する柔軟性を有するものを用い、その柔軟性によって断熱層の内側にプレキャスト製品の溶湯収容炉を隙間なく且つ取り出し可能に収容してあることを特徴とする。
【0009】
溶湯収容炉に亀裂等が生じて修理する場合は、溶湯収容炉を取り外す。取り外すには、溶湯収容炉にフックの先部を打ち込んでから、フックを引き上げる仕方もあるが、フックを打ち込む手間を省くには、請求項3に係る発明の取鍋のように、溶湯収容炉の上部にフック用係止具を有することが望ましい。
【0010】
請求項4に係る発明の取鍋の生産方法は、容器状の炉枠の内側に有する断熱層の中に、上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉を相対的に挿入し、断熱層と溶湯収容炉を接着剤で分離可能に接着することを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明の取鍋の生産方法は、内周及び底に位置決め用のスペーサを有する容器状の炉枠の中に、上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉を相対的に挿入し、スペーサによって形成される炉枠と溶湯収容炉との空間に断熱材を充填し、断熱材の固化による断熱層よって、断熱層と溶湯収容炉が分離可能に接着することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明の取鍋の生産方法は、フェルト状又は綿状の断熱材を容器状の炉枠の内周及び底に装着し、断熱層の内側に炉枠の上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉を相対的に挿入し、溶湯収容炉の重量によって断熱材を収縮させて断熱層を形成し、断熱層の内側に溶湯収容炉を隙間なく且つ取り出し可能に収容することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
取鍋は図1又は図2に示すように、上面に開口部を有する取鍋本体1と、その開口部を塞ぐ蓋2とからなる。
【0014】
取鍋本体1の一例は、上面開口部を受湯口3とし、内部に通じる注湯路4を底から斜め上向きに延長し、注湯路4の先端を注湯口5とし、容器状をなす金属製の炉枠6の内側に断熱層7を有し、断熱層7の内側にプレキャスト製品の溶湯収容炉8を接着層9を介して分離可能に接着したものである。
【0015】
炉枠6は、上面に開口部を有する筒形容器で、図2(ロ)に示すように注湯路4に対応する部分を外側に突出し、図2(イ)に示すように底には断面コ字状のフォーク差込用部材10を有し、フォークリフトのフォークを差し込んで昇降させる。
【0016】
断熱層7の一例は二層からなる。外側の層は内側の層よりも断熱効果に優れた材料を用い、内側の層は断熱効果もあるが、外側の層よりも耐火性に優れたものを用いる。
【0017】
溶湯収容炉8は、巣のない緻密なプレキャスト製品である。また、上端面からフック用係止具11を突出し、そのフック用係止具11の収納空間12を、蓋2の底面にあけてある。また、溶湯収容炉8は、注湯路4の管先部13には別のプレキャスト製品を用い、管先部13の周囲を炉枠6と同じ材料のカバー14で覆ってある。そして、管先部13を、収容炉本体15にモルタルで接着し、炉枠6とカバー14で取鍋本体1の外面全域を覆ってある。なお、収容炉本体15と管先部13は、別々に成形してあるが、一体成形しても良い。
【0018】
接着層9の材料(接着剤)には、モルタルを用いる。
【0019】
上述した取鍋本体1の生産方法は以下の手順で行う。まず、炉枠6の内側に型枠を組み、断熱層7の原料となる不定形材を水で混練して型枠の中に流し込み、乾燥し、その後、型枠を外す工程を、二回繰り返して断熱層7を製作する。また、断熱層7の製作とは別に、溶湯収容炉8の型枠を組み、不定形材を水で混練して型枠の中に流し込み、乾燥し、その後、型枠を外して溶湯収容炉8を製作する。その後、図1に示すようにプレキャスト製品の溶湯収容炉8をフック用係止具11を介してフック16で吊り下げ、その外面に接着剤を塗布し、そのまま断熱層7の中に上面開口部から挿入する。そして、接着剤が乾燥して接着層9となれば生産が完了する。接着剤の乾燥具合は、取鍋を運送した際にその振動等で溶湯収容炉8が断熱層7の内側でがたつかない程度であれば良い。また、溶湯収容炉8はプレキャスト製品であり、完全に乾燥固化しているので、断熱層7に接着してあっても分離可能となる。なお、接着剤を塗布することなく、溶湯収容炉8を断熱層7の中に挿入し、その後、溶湯収容炉8と断熱層7の隙間に接着剤を空気圧を利用して充填して、接着層9を形成しても良い。
【0020】
取鍋本体1の別の例は図3(ハ)に示すように、断熱層7が一層であり且つそれ自体が接着剤の役割を果たして、断熱層7の内側に直にプレキャスト製品の溶湯収容炉8を分離可能に接着するもので、断熱層7の中には、位置決め用のスペーサ17を炉枠6の内周及び底に有する。
【0021】
その生産方法は、図3(イ)に示すように、炉枠6の内周及び底に位置決め用のスペーサ17を間隔をあけてモルタルで接着し、その炉枠6の中にプレキャスト製品の溶湯収容炉8を上方からフック用係止具11を介してフック16で吊り下げて挿入する。スペーサ17と溶湯収容炉8との間には挿入用にわずかな隙間が必要であるが、スペーサ17によって溶湯収容炉8の挿入位置がほぼ決まる。そして、図3(ロ)と図3(ハ)に示すように、炉枠6と溶湯収容炉8との間には、スペーサ17の厚み分の空間18が形成され、その空間18に断熱材を充填して乾燥させ、断熱材の固化による断熱層7自体の接着能力によって、断熱層7と溶湯収容炉8が分離可能に接着して完成する。断熱材の乾燥具合は、固化した断熱層7内で溶湯収容炉8が、がたつかない程度であればよい。
【0022】
スペーサ17は、溶湯収容炉8を支える強度を有するもの、例えば耐火物のブロックを用いる。また、スペーサ17で溶湯収容炉8を支えるので、断熱層7は溶湯収容炉8を支える強度は不要となる。従って、断熱材には、二層からなる従来の断熱層の材料よりも、耐火性と断熱性の双方に優れ、しかも、充填作業が容易なもの、例えばセラミックバルクを用いることができる。
【0023】
また、取鍋本体1のさらに別の例としては、図4に示すように、断熱層7には溶湯収容炉8の重量によって収縮する柔軟性を有するものを用い、その柔軟性によって断熱層7の内側にプレキャスト製品の溶湯収容炉8を隙間なく且つ取り出し可能に収容したものがある。
【0024】
この生産方法は、図4(イ)に示すように、まず、炉枠6の内周にフェルト状や綿状の断熱材19をモルタル等の接着剤で貼り付けたり、炉枠6の底に断熱材19を敷いたりして装着する。装着の際には、断熱材19の肉厚を、この後に挿入する溶湯収容炉8の重量によって収縮することを考慮して、完成時の肉厚よりも厚くしておく。そして、断熱層7の内側に上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉8を吊り下げて挿入する。そうすると、図4(ロ)に示すように、断熱材19が柔軟性によって収縮して断熱層7となり、断熱層7の内側に溶湯収容炉8が隙間なく且つ取り出し可能に収容される。
【0025】
上述した生産方法で製作された取鍋本体1は、溶湯収容炉8が損傷したときには、溶湯収容炉8を取り外して交換すれば良いが、プレキャスト製品の溶湯収容炉8をあらかじめ在庫しておけば、修理依頼後から溶湯収容炉8を製作する場合に比べて、修理期間が一段と短縮する。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、断熱層と溶湯収容炉を分離可能に接着してあるので、断熱層内から溶湯収容炉を引き出すことができる。従って、溶湯収容炉を修理する場合は、断熱層内から溶湯収容炉を引き出した後に、再度、別の溶湯収容炉を入れて接着すれば、従来品と比べて短期間で補修できる。また、プレキャスト製品の溶湯収容炉を用いるので、水抜けが充分になされており、溶湯を入れた際に亀裂が生じるという不良を防げる。さらに、接着してあるので、断熱層内での溶湯収容炉のがたつきが防止でき、運搬中の振動等でも溶湯収容炉が壊れない。
【0027】
請求項2に係る発明は、断熱層の柔軟性によって断熱層の内側に溶湯収容炉を取り出し可能に収容してあるので、断熱層内から溶湯収容炉を引き出すことができる。従って、溶湯収容炉を修理する場合は、断熱層内から溶湯収容炉を引き出した後に、再度、別の溶湯収容炉を入れるだけで良く、従来品と比べて短期間で補修できる。また、プレキャスト製品の溶湯収容炉を用いるので、溶湯を入れた際に亀裂が生じるという不良を防げる。さらに、断熱層の内側に溶湯収容炉を隙間なく収容してあるので、断熱層内での溶湯収容炉のがたつきが防止でき、運搬中の振動等でも溶湯収容炉が壊れない。
【0028】
請求項3に係る発明は、溶湯収容炉の上部にフック用係止具を有するので、溶湯収容炉をフックで吊り下げやすく、炉枠内への溶湯収容炉の出し入れが迅速に行える。
【0029】
請求項4に係る発明は、溶湯収容炉がプレキャスト製品なので、溶湯収容炉の製作を、断熱層の完成を待たずに行え、その結果、断熱層の完成後に溶湯収容炉を製作する従来の方法に比べて、生産期間が短縮する。
【0030】
請求項5に係る発明は、炉枠の内側のスペーサに溶湯収容炉を載せると、断熱材を充填する空間が形成され、溶湯収容炉が型枠の役割を果たすので、型枠の組立及び取り外しが不要となる。しかも、断熱材の充填作業が一回ですむので、断熱材を二回充填する従来の方法に比べて、充填作業も迅速に行える。従って、生産期間が短縮する。
【0031】
請求項6に係る発明は、断熱材の内側にプレキャスト製品の溶湯収容炉を挿入するだけで、炉枠の内側に装着した断熱材が、溶湯収容炉の重量によって収縮して断熱層となるので、従来の方法、即ち断熱材を乾燥させて断熱層を製作しその後に溶湯収容炉を製作する方法に比べて、生産期間が短縮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶湯収容炉を挿入する工程を示す断面図である。
【図2】(イ)(ロ)取鍋の縦断面図、A−A線断面図である。
【図3】(イ)(ロ)(ハ)取鍋の別の生産方法を示す断面図である。
【図4】(イ)(ロ)取鍋の別の生産方法を示す断面図である。
【符号の説明】
6 炉枠
7 断熱層
8 溶湯収容炉
11 フック用係止具
17 スペーサ
18 空間
19 断熱材

Claims (6)

  1. 上面に開口部を有する容器状の炉枠(6)の内側に断熱層(7)を介して溶湯収容炉(8)を有する取鍋において、
    断熱層(7)にプレキャスト製品の溶湯収容炉(8)を分離可能に接着してあることを特徴とする取鍋。
  2. 上面に開口部を有する容器状の炉枠(6)の内側に断熱層(7)を介して溶湯収容炉(8)を有する取鍋において、
    溶湯収容炉(8)にプレキャスト製品を用いると共に、断熱層(7)には溶湯収容炉(8)の重量によって収縮する柔軟性を有するものを用い、その柔軟性によって断熱層(7)の内側に溶湯収容炉(8)を隙間なく且つ取り出し可能に収容してあることを特徴とする取鍋。
  3. 溶湯収容炉(8)の上部にフック用係止具(11)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の取鍋。
  4. 容器状の炉枠(6)の内側に有する断熱層(7)の中に、上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉(8)を相対的に挿入し、断熱層(7)と溶湯収容炉(8)を接着剤で分離可能に接着することを特徴とする取鍋の生産方法。
  5. 内周及び底に位置決め用のスペーサ(17)を有する容器状の炉枠(6)の中に、上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉(8)を相対的に挿入し、スペーサ(17)によって形成される炉枠(6)と溶湯収容炉(8)との空間(18)に断熱材を充填し、断熱材の固化による断熱層(7)よって、断熱層(7)と溶湯収容炉(8)が分離可能に接着することを特徴とする取鍋の生産方法。
  6. フェルト状又は綿状の断熱材(19)を容器状の炉枠(6)の内周及び底に装着し、断熱材(19)の内側に炉枠(6)の上面開口部からプレキャスト製品の溶湯収容炉(8)を相対的に挿入し、溶湯収容炉(8)の重量によって断熱材(19)を収縮させて断熱層(7)を形成し、断熱層(7)の内側に溶湯収容炉(8)を隙間なく且つ取り出し可能に収容することを特徴とする取鍋の生産方法。
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