JP2004061024A - ガス処理塔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状の塔本体1の接続部2に、この塔本体1の中心軸線Oを中心とした円Qの接線方向に向けて延びるダクト中心線Cを有するガス供給ダクト6を接続し、この接続部2のダクト中心線Cに沿った横断面において、ダクト中心線Cを中心軸線Oと交差することなく偏心させ、かつガス供給ダクト6を、ダクト中心線Cが中心軸線Oに対して偏心した側から、ダクト中心線Cに平行で中心線Oと交差する仮想直線Lを越えて反対側にまで開口させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば廃棄物焼却施設において廃棄物を焼却することにより発生した燃焼排ガスを冷却処理するガス冷却塔等のガス処理塔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、このような廃棄物焼却施設においては、ダイオキシン問題から燃焼排ガスをガス冷却塔によって急冷してから排ガス処理を行うようにしている。すなわち、焼却施設の焼却炉等で廃棄物を焼却して生じた燃焼排ガスは、まず廃熱ボイラ等で熱回収され、次いで上記ガス冷却塔に供給されて冷却水が噴霧されたりすることにより200℃程度以下にまで冷却され、しかる後バグフィルターによってダストが除塵されたりして排ガス処理される。従って、ガス冷却塔に供給される燃焼排ガスには除塵前のダストが含有されたままである。また、特に廃棄物の焼却がその焼却灰の溶融まで行われるときには、廃棄物に含まれている塩素と金属類が反応することにより低沸点の塩化物が生成されて排ガス中に多量に含有されることがあるが、このような低沸点の塩化物の他に硫黄化合物が排ガス中に共存しているとこれらの物質の融点が低下する場合があり、従ってそのような場合には高温の燃焼排ガスによって溶融したこれら低沸点物質の液滴が含有されたまま燃焼排ガスがガス冷却塔に供給されることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、このようにダストや低沸点物質の液滴が含まれたままの燃焼排ガスがガス冷却塔に供給されると、これらがガス冷却塔の塔本体の内壁面に付着して腐食を生じたり、圧力損失を増大させたり、あるいはこのガス冷却塔で回収されたダストを排出する排出装置にトラブルを生じたりして廃棄物焼却施設の安定した運転に支障を来すおそれがある。ところが、このようなダストや低沸点物質の液滴が燃焼排ガスに混入することはが避けられないので、上述のような問題が生じるのを防ぐにはこれらダストや液滴がガス冷却塔の内壁に付着するのを極力抑える必要がある。なお、このような課題は、上記廃棄物焼却設備のガス冷却塔以外でも、ダストや液滴等が混入したガスの各種処理を行うガス処理塔において共通したものである。
【0004】
ここで、このようにガス冷却塔の内壁面にダスト等を付着させない方法の1つとして、例えば燃焼排ガスに上記冷却水を噴霧する際に2流体ノズル等を使用して噴霧される冷却水の水滴をできるだけ小さくし、冷却水を燃焼排ガス中で全量蒸発させて内壁面を濡らさないようにすることにより、濡れたガス冷却塔の内壁面に乾燥したダストが付着するのを防ぐ方法があるが、ダスト自体が粘着性をもっていたりした場合や低沸点物質の液滴が直接ガス冷却塔の内壁に付着する場合には効果的ではない。特にこの種のガス冷却塔においては、例えば燃焼排ガスをガス冷却塔内にその接線方向に供給したりすることによって燃焼排ガスの旋回流を形成し、この旋回流の拡散作用によって冷却水の水滴を微細かつ広範囲に拡散させて冷却効果の向上を図ることが行われているが、このような場合において燃焼排ガスの旋回流の旋回速度が速すぎると、遠心力によってダストや低沸点物質の液滴がガス冷却塔内壁面に強くたたきつけられてしまうため、こうして内壁面を濡らさないようにしても液滴や粘着性のダストの付着は避けられない。
【0005】
その一方で、このようにガス冷却塔内壁面にダスト等を付着させない他の一つの方法として、ガス冷却塔への燃焼排ガスの供給口に整流機構や案内羽根を設けるなどしてガス冷却塔内の燃焼排ガスの流れをできるだけ渦の発生のない層流となるようにする方法があり、例えば特許第3176864号公報には、上述のようにガス冷却塔内に燃焼排ガスの旋回流を形成する場合において、この燃焼排ガスの塔本体への供給口に旋回ベーンを設けることにより、所定のガス速度、旋回速度の燃焼排ガスの旋回流を形成することが提案されている。しかるに、このような方法では、こうして塔本体内における燃焼排ガスのガス速度や旋回流の旋回速度を制御することにより、ダストや低沸点物質の液滴が塔本体の内壁面に強くたたきつけられて付着するような事態は防ぐことができるが、特に燃焼排ガスが多くのダストを含んでいる場合や低沸点物質の液滴を含んでいる場合には、これらが今度は整流機構や案内羽根、旋回ベーンに付着してしまってその安定した動作を阻害するおそれが生じる。このため、そのような場合には、これら整流機構や案内羽根、旋回ベーンの手前のガス冷却塔に燃焼排ガスを供給するガス供給ダクトにおいて直管部を長く確保して、該整流機構等に流れ込む燃焼排ガスの流れを整流することにより付着を防止しなければならず、結果的にダクト長が延長されて廃棄物焼却設備の設置面積が増大したり、ダクト工事費やダクト用架台工事費等が増加して経済性を損なったりすることになる。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたもので、特にこうして塔本体内に供給されたガスの旋回流を形成する場合において、上述のような整流機構や案内羽根、旋回ベーン等を要さずとも旋回流の速度が速くなりすぎないように制御することにより、ガスにダストや液滴等が含まれている場合でもこれらが塔本体内壁面に付着するのを防ぐことが可能なガス処理塔を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、筒状の塔本体の接続部に、該塔本体の中心軸線を中心とした円の接線方向に向けて延びるダクト中心線を有するガス供給ダクトを接続し、この接続部のダクト中心線に沿った横断面において、該ダクト中心線を上記中心軸線と交差することなく偏心させ、かつ上記ガス供給ダクトを、上記ダクト中心線が上記中心軸線に対して偏心した側から、該ダクト中心線に平行で上記中心線と交差する仮想直線を越えて反対側にまで開口させたことを特徴とする。従って、このような構成のガス処理塔においては、上記ガス供給ダクトから塔本体内に供給されるガスのうち、上記横断面において塔本体内の外周側の中心軸線から偏心した部分より供給されるガスはこの中心軸線回りの旋回流を形成するものの、これよりも内周側(中心軸線側)の部分より供給されるガスは上記仮想直線に沿って真っ直ぐ塔本体内に供給されて上記旋回流を遮るように流れることとなり、これにより旋回流の強さや速度が抑えられて制御されるので、このガスにダストや液滴が含まれていてもこれらが塔本体の内壁面に押し付けられるようにして付着するのを防ぐことができる。
【0008】
ここで、上記横断面における上記中心軸線からの上記ダクト中心線の偏心量は、この塔本体の上記接続部における内径Dに対して0.05×D〜0.25×Dの範囲内とされるのが望ましく、これよりも偏心量が大きくてダクト中心線が塔本体の中心軸線から離れていると、上記横断面においてガス供給ダクトの上記内周側が上述のように上記仮想直線を越えて反対側に開口するように接続することができなくなるおそれがある一方、この範囲よりも偏心量が小さくてダクト中心線が中心軸線に近すぎると、供給されるガスのうち上記仮想直線に沿って流れ込む成分が大きくなりすぎて必要な旋回流が形成されなくなるおそれがある。また、上記塔本体を、上記接続部における内径Dが他の部分の内径Eよりも小さくされた多段筒状として、この接続部において塔本体内に形成された旋回流の旋回径を拡げつつ内径Eの大きな上記他の部分に導いてガスを効率的に処理するようにしてもよいが、このような場合において、これらの内径Eと内径Dとの比E/Dは2〜2.5の範囲内とされるのが望ましく、この比E/Dが小さすぎると、接続部で十分な強さの旋回流を形成することができなくなったり他の部分におけるガスの処理が不十分となったりするおそれがあり、逆のこの比E/Dが大きすぎると旋回流の旋回径を十分に拡げることができなくなって上下方向に渦を巻くような流れが生じるおそれがある。
【0009】
一方、本発明のガス処理塔は、塔本体内壁面へのダスト等の付着を嫌う各種のガス処理塔に適用することが可能であるが、特に上述のような事情から、廃棄物焼却施設における焼却炉からの燃焼排ガスのガス冷却塔のように、塔本体に、冷却水を噴霧したりすることにより上記ガス供給ダクトから供給されたガスを冷却する冷却手段を備えたものに適用するのが効果的である。また、同様に、本発明において上記ガス供給ダクトから供給されるガスについても、上記焼却炉からの燃焼排ガスのように、該ガス中に含まれるダストの濃度が5g/m3N以上のガスである場合や、融点が300℃〜650℃の低沸点物質を含むガスである場合により効果的である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、上述のような廃棄物焼却施設の焼却炉から排出された燃焼排ガスGを廃熱ボイラ等で廃熱回収した後に冷却処理するガス冷却塔に本発明を適用した場合の一実施形態を示すものである。本実施形態において塔本体1は、上部から下部に向けて順に図1に示すように、上端が閉塞された内径Dの円筒状をなす接続部2と、この接続部2の下端から下方に向かう従い内径が漸次拡径する円錐台面状の肩部3と、この肩部3の下端から延びる上記接続部2の内径Dよりも大きな内径Eで長さの長いやはり円筒状の胴部4と、この胴部4の下端から下方に向かうに従い内径が漸次縮径する下端が閉塞された倒立円錐台面状の底部5とが、その円筒や円錐台の中心線を当該塔本体1の中心軸線Oと同軸として一体に連続させられた概略多段円筒状をなしており、上記廃熱ボイラ等から排出された排ガスGは、上記接続部2に接続されるガス供給ダクト6からこの塔本体1内に供給される。
【0011】
ここで、このガス供給ダクト6は、本実施形態では円筒状に形成されていて、この円筒の中心線すなわちダクト中心線Cが、塔本体1の接続部2において上記中心軸線Oに直交する平面P上に位置するように、かつこの平面Pに沿った横断面において図2に示すように中心軸線Oと交差することなく該中心軸線Oから外周側(図2においては上側)に偏心するように配設されており、従ってこのダクト中心線Cは上記横断面において中心軸線Oを中心とする円Qの接線方向に延びることとなる。また、本実施形態では、このガス供給ダクト6の内周面のうち、上記ダクト中心線Cが中心軸線Oから偏心した側(図2における上側)の部分6Aは接続部2の内壁面に滑らかに接するように接続されており、すなわち上記横断面においてこの部分6Aは図2に示すように接続部2の内壁面がなす円の接線を描くこととなる。従って、こうして塔本体1の中心軸線Oから偏心させられたガス供給ダクト6のダクト中心線Cの上記横断面における中心軸線Oからの偏心量(上記円Qの半径)をRとすると、このガス供給ダクト6の内径は(0.5×D−R)×2=D−2×Rで与えられることとなる。
【0012】
そして、その一方で、このガス供給ダクト6の内周面のうち、上記部分6Aとは逆のダクト中心線Cが中心軸線Oに対して偏心した側とは反対側(図2における下側)の部分6Bは、上記横断面においてこの偏心した側からダクト中心線Cに平行で塔本体1の中心軸線Oを通る仮想直線Lを越えた接続部6の反対側に接続されており、すなわち当該ガス供給ダクト6は接続部2の内壁面に、そのダクト中心線Cが偏心した側とは反対側にまで広がるように開口させられることとなる。なお、このガス供給ダクト6の内周面のうち上記偏心した側とは反対側の部分6Bの上記横断面における仮想直線Lからのオーバー量Sは、本実施形態では上述のようにガス供給ダクト6の内径がD−2×R、仮想直線Lから偏心した側の部分6Aまでの距離が0.5×Dであるので、これらの差0.5×D−2×Rで与えられる。
【0013】
また、本実施形態のガス処理塔は上述のように燃焼排ガスGを冷却するガス冷却塔であって、塔本体1には上記ガス供給ダクト6から供給されたガス(燃焼排ガスG)を冷却する冷却手段7が備えられている。この冷却手段7は、本実施形態では上記肩部3の塔本体1内に斜め下向きに設けられた冷却水Wの噴霧ノズル8であって、この噴霧ノズル8に供給された冷却水Wを同じく噴霧ノズル8に供給される圧縮空気Fによって塔本体1内に噴霧して高温の燃焼排ガスGにより蒸発させ、その代わりに蒸発熱を燃焼排ガスGから奪って該燃焼排ガスGを冷却するようになされている。さらに、塔本体1の上記胴部4の下側には、やはり塔本体1内に斜め下向きにガス排出管9が挿入されていて、このガス冷却塔に供給されて冷却処理された燃焼排ガスGはこのガス排出管9から排出されるようになされている。さらにまた、塔本体1内の上記底部5の閉塞された下端には、上記中心軸線O回りに回転可能なダスト掻き取り装置10が備えられるとともに、この底部5の下端外周側にはダスト排出口11が設けられており、塔本体1内で沈降したダストや塔本体1内壁面に付着して剥離落下したダスト等はこの底部5に回収され、ダスト掻き取り装置10によって掻き寄せられてダスト排出口11から排出される。
【0014】
しかして、このように構成されたガス処理塔(ガス冷却塔)において、上記ガス供給ダクト6から塔本体1内の接続部2に供給された燃焼排ガスGは、そのうちガス供給ダクト6の上記中心軸線Oから偏心した部分6A側を通って流れ込んだ成分が、図2に符号Aで示すように接続部2の内壁面がなす凹円筒面に沿って中心軸線O回りの旋回流を形成する。そして、この旋回流は上記肩部3から胴部4へと導かれつつ、その旋回力により図1に示すように旋回径が広がってゆき、この胴部4において上記冷却手段7の噴霧ノズル8から噴霧される冷却水Wにより上述のように冷却され、ガス排出管9から排出される。
【0015】
ところが、接続部2において上記偏心した部分6Aとは反対側の部分6Bを通った成分は、図2に符号Bで示すようにダクト中心線Cに平行な上記仮想直線Lに沿うように真っ直ぐ塔本体1内に流れ込んで上記成分Aによる旋回流を遮るように作用することとなり、これにより、整流機構や案内羽根、旋回ベーン等を用いることなく、この旋回流の強さや速度を抑制して制御することが可能となる。このため、上記構成のガス処理塔によれば、この燃焼排ガスGに廃棄物の焼却に起因するダストや低沸点物質の液滴が含まれていても、これらが燃焼排ガスGの冷却が行われる塔本体1の胴部4内壁面に強く押し付けられて付着するのを防ぐことができ、かかるダストや低沸点物質の液滴の付着により腐食や圧力損失の増大を招いたり、あるいは上記ダスト掻き取り装置10等の排出装置の動作に支障を来すような事態を確実に防止することが可能となる。
【0016】
また、特に本実施形態のガス処理塔は、上述のように燃焼排ガスGを冷却手段7の噴霧ノズル8から噴霧される冷却水Wによって冷却するガス冷却塔であって、この燃焼排ガスGによる旋回流が強すぎると噴霧された冷却水Wの水滴が胴部4の内壁面に弾き飛ばされて該内壁面を濡らし、これに燃焼排ガスG中のダストが粘着性を有していなくても付着してしまうおそれがあるが、本実施形態のガス処理塔(ガス冷却塔)ではこの旋回流自体の強さや速度を制御可能であって、冷却水Wの水滴が胴部4の内壁面に弾き飛ばされるのも抑えることができ、こうして冷却水Wで内壁面が濡らされることによってダストが付着する事態も防止することが可能であるので、効果的である。しかも、上記廃棄物焼却設備の焼却炉で発生する燃焼排ガスGは、この廃棄物に起因するダストの含有量が多く、また上述のように低沸点物質の液滴が含有されることもあって、塔本体1内壁面への付着が特に懸念されるので、そのようなガスの処理に上記構成のガス処理塔を用いるのは、さらに効果的でもある。
【0017】
ただし、このようにダストを含んだガスの処理を上記ガス処理塔によって行う場合でも、このガス中に含まれるダストの濃度が少なすぎるときには、ダストの付着による塔本体1の腐食や圧力損失の増大、ダスト排出装置の障害が生じるおそれも少なく、その一方で上述のように旋回流の強さが抑制されると冷却水Wの分散効果も抑制されて冷却効率の低下を招いたりするおそれが生じるので、上記構成のガス処理塔は、上記ガス供給ダクト6から供給されるガスが、該ガス中に含まれるダストの濃度が5g/m3N以上のガスである場合に用いて、より効果的である。なお、このダストの濃度が高すぎると、如何に上記構成によって旋回流を制御しても塔本体1内壁面への付着は免れないので、処理前に20g/m3N以下程度にまで除塵してから処理を図るのが望ましい。また、ガス中の低沸点物質についても、この物質の融点が300℃〜650℃であるときには、特に処理すべきガスが高温の燃焼排ガスGである場合に容易に溶融して液滴化してしまうので、そのような融点の低沸点物質がガス中に含まれる場合のガスの処理に用いて、上記構成のガス処理塔はより効果的である。
【0018】
なお、このように制御される旋回流の強さや速度の最適値は、塔本体1に供給される燃焼排ガスGの供給量やダスト濃度、あるいはダストの性状や上記低沸点物質の液滴の量によって決定されるが、旋回流の速度(回転速度)については概ね1rad/s〜20rad/sの範囲内が好適であり、これよりも速度が速いと遠心力でダストが内壁面に付着するおそれが生じる一方、これよりも遅いと胴部4における旋回流の径の拡がりが不十分となり、胴部4内において上下方向に渦を巻くような流れが生じて噴霧された冷却水Wの水滴を巻き上げ、その内壁面を濡らしてダストの付着を招くおそれがある。しかして、本実施形態のガス処理塔が冷却塔として用いられる上記廃棄物焼却施設においては、上記燃焼排ガスGの供給量やダスト濃度、ダストの性状、低沸点物質の液滴の量などは略一定しているので、これに応じて塔本体1の上記内径D,Eやガス供給ダクト6の内径、偏心量Rおよびオーバー量Sを設定することにより、最適な速度の旋回流が形成されるようにすればよい。
【0019】
ところで、本実施形態では、上記ダクト中心線Cに沿った横断面において、ガス供給ダクト6が偏心した側の部分6Aが接続部2がなす円の接線方向に延びるようにされており、このような場合においてこの部分6Aとは反対側の部分6Bが上記仮想直線Lを越えてガス供給ダクト6が偏心した側と反対側に位置するには、中心軸線Oに対するダクト中心線Cの偏心量Rは、接続部2の内径Dに対して0.25×D未満でなければならない。すなわち、この偏心量Rが0.25×D以上であると、上記横断面においてガス供給ダクト6の上記反対側の部分6Bは仮想直線Lと一致するか、これよりも上記偏心した側に位置してしまい、旋回流を抑制する上述の成分Bが発生しなくなってしまう。ただし、例えばガス供給ダクト6の上記偏心した側の部分6Aが接続部2よりも外周に位置するように段差を付けて接続部2にガス供給ダクト6を接続した場合には、偏心量Rが0.25×D以上であっても反対側の部分6Bが仮想直線Lを越えた位置にまで開口させることが可能であるが、このような場合には上記段差の部分でガスの流れに乱れが生じて旋回流の形成に支障を来すおそれがあるので、上記偏心量Rは0.25×D以下とされるのが望ましい。
【0020】
一方、逆にこの偏心量Rが小さすぎると、ダクト中心線Cが接続部2の中心軸線Oや上記仮想直線Lに近づきすぎ、上記旋回流を抑制する成分Bが強くなりすぎて旋回流の形成自体が不可能となるおそれがあるので、偏心量Rは0.05×D以上とされるのが望ましい。因みに、本実施形態のようにダクト中心線Cに沿った横断面においてガス供給ダクト6が偏心した側の部分6Aが接続部2のなす円の接線方向に延びるようにされている場合において、偏心量Rが0.05×Dであったとすると、これとは反対側の部分6Bのオーバー量Sは0.4×Dとなるので、このオーバー量Sは望ましくは0.4×D以下とされることとなる。
【0021】
また、本実施形態では、ガス供給ダクト6が接続される塔本体1の接続部2の内径Dが、塔本体1の他の部分である胴部4の内径Eよりも小さくされていて、塔本体1が多段の円筒状をなすように形成されており、上述のように接続部2で形成された旋回流がその旋回径を拡げつつ胴部4に導入されて円滑かつ効率的に冷却処理されるようになされている。ただし、このような構成を採った場合において、上記接続部2の内径Dに対する他の部分である胴部4の内径Eの比E/Dは2〜2.5の範囲内とされるのが望ましく、この比E/Dがこれよりも小さくて接続部2の内径Dと胴部4の内径Eとの差が少ないと、接続部2で十分な強さの旋回流を形成することができなくなったり、胴部4におけるガスの処理が不十分となったりするおそれがある一方、逆のこの比E/Dがこれよりも大きいと、接続部2で形成された旋回流を胴部4で十分に拡げることができなくなり、旋回流の速度が遅い場合と同様に胴部4内において上下方向に渦を巻くような流れが生じて処理に支障を来すおそれがある。
【0022】
なお、本実施形態においては、塔本体1の上部にガス供給ダクト6が接続される接続部2が配置されているが、この接続部2を塔本体1の下部に設けて旋回流を上昇させつつ拡げるようにしてもよく、このように接続部2を塔本体1の上部に設けるか、下部に設けるかは、当該ガス処理塔に供給されるガスを排出する装置の排ガス出口の位置によって決定すればよい。すなわち、本実施形態のように廃棄物焼却設備のガス冷却塔に本発明を適用する場合においては、その前の廃熱ボイラ等の廃熱回収設備における排ガス出口が上方であれば接続部2も塔本体1の上部に設け、逆に廃熱回収設備における排ガス出口が下方であれば接続部2も塔本体1の下部に設けるのが、ガス供給ダクト6を短縮することができるので、経済的である。また、本実施形態では塔本体1やガス供給ダクト6が円筒状とされているが、特にガス供給ダクト6については断面方形状に形成されていたりしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、塔本体の接続部に接続されるガス供給ダクトを、そのダクト中心線に沿った横断面において該ダクト中心線を上記中心軸線から望ましくは接続部の内径Dに対して0.05×D〜0.25×Dの偏心量で偏心させ、かつこのダクト中心線が偏心した側から該ダクト中心線に平行で上記中心軸線と交差する仮想直線を越えて反対側にまで開口させることにより、上記偏心した側のダクト部分から供給されるガスにより形成される旋回流を、これとは反対側のダクト部分から供給されるガスによって抑制して、整流機構等を用いることなくこの旋回流の強さや速度を制御することができ、ガス中にダストや低沸点物質の液滴が含まれていても、これが塔本体内壁に付着して腐食や圧力損失の増加、ダスト排出装置の故障等を招いたりするのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるZZ横断面図である。
【符号の説明】
1 塔本体
2 接続部
4 胴部(塔本体1の他の部分)
6 ガス供給ダクト
7 冷却手段
O 塔本体1の中心軸線
C ダクト中心線
L ダクト中心線Cに平行で中心軸線Oを通る仮想直線
D 接続部2の内径
R ダクト中心線Cの偏心量
S ガス供給ダクト6の仮想直線Lを越えるオーバー量
E 胴部4の内径
Claims (6)
- 筒状の塔本体の接続部に、該塔本体の中心軸線を中心とした円の接線方向に向けて延びるダクト中心線を有するガス供給ダクトが接続されており、この接続部における上記ダクト中心線に沿った横断面において、該ダクト中心線が上記中心軸線と交差することなく偏心させられ、かつ上記ガス供給ダクトが、上記ダクト中心線が上記中心軸線に対して偏心した側から、該ダクト中心線に平行で上記中心線と交差する仮想直線を越えて反対側にまで開口させられていることを特徴とするガス処理塔。
- 上記横断面における上記中心軸線からの上記ダクト中心線の偏心量が、上記接続部における塔本体の内径Dに対して0.05×D〜0.25×Dの範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載のガス処理塔。
- 上記塔本体は、上記接続部における内径Dが他の部分の内径Eよりも小さくされた多段筒状とされており、これらの内径Eと内径Dとの比E/Dが2〜2.5の範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス処理塔。
- 上記塔本体には、上記ガス供給ダクトから供給されたガスを冷却する冷却手段が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガス処理塔。
- 上記ガス供給ダクトから供給されるガスが、該ガス中に含まれるダストの濃度が5g/m3N以上のガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガス処理塔。
- 上記ガス供給ダクトから供給されるガスが、融点が300℃〜650℃の低融点物質を含むガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のガス処理塔。
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