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JP2003147015A - 重合体から銅金属錯体を除く方法 - Google Patents

重合体から銅金属錯体を除く方法

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JP2003147015A
JP2003147015A JP2001343700A JP2001343700A JP2003147015A JP 2003147015 A JP2003147015 A JP 2003147015A JP 2001343700 A JP2001343700 A JP 2001343700A JP 2001343700 A JP2001343700 A JP 2001343700A JP 2003147015 A JP2003147015 A JP 2003147015A
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acid
polymer
metal complex
organic
group
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JP2001343700A
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Yutaka Kaneda
豊 金田
Keijun Kin
恵順 金
Takeshi Chiba
健 千葉
Tomoki Hiiro
知樹 日色
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合体から重合触媒残渣などとして含まれる
銅金属錯体を除く方法を提供する 【解決手段】 銅金属錯体を重合触媒として得られる重
合体などで、重合体に含まれる銅金属錯体あるいはその
触媒残渣を除く際、有機スルホン酸あるいは有機カルボ
ン酸など有機酸を加えて除去し、得られる重合体の特性
を高め、その成形体の着色を防止する。工程の簡便な方
法でありながら、重合体に残留する銅の濃度を極めて低
いレベルまで低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合体と銅金属錯体
の混合物から金属錯体を除去する方法に関する。詳しく
は、銅を中心金属とする金属錯体を触媒として使用する
重合によって生成した、重合体と金属錯体の混合物か
ら、金属錯体を除去する方法に関する。さらに詳しく
は、銅金属錯体を触媒として使用する制御ラジカル重合
によって生成した重合体と金属錯体の混合物から金属錯
体を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】重合
体の精密合成法としてリビング重合法が一般的に知られ
ている。リビング重合は分子量や分子量分布のコントロ
ールが可能であるというだけでなく、末端構造が明確な
重合体や異なるポリマーの組み合わせになるブロック共
重合体などが得られる。従って、リビング重合はそのよ
うな制御された重合体を得るための有効な方法の一つと
して挙げられる。最近、ラジカル重合においても、リビ
ング重合が可能な重合系が見いだされ、リビングラジカ
ル重合の研究が活発に行われている。特に原子移動ラジ
カル重合を利用することにより分子量分布の狭いビニル
系重合体が得られる。
【0003】本発明者らは、これらの原子移動ラジカル
重合法を用いて、ビニル系モノマーをラジカル重合し、
ブロック共重合体や、分子鎖の末端に特定の官能基を有
するビニル系重合体が得られることを見出した。しか
し、原子移動ラジカル重合法を利用して製造されたビニ
ル系重合体においては、実用上、重合体から重合触媒を
除く必要がある。重合触媒を除去する方法としては、た
とえば、特開平11-193307に開示された、主鎖が原子移
動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体を、活
性炭、活性アルミナ、アルミニウムシリケート、二酸化
ケイ素などの吸着剤に接触させ、引き続き吸着剤を取り
除くことによってビニル系重合体を精製する方法などが
あげられる。しかしながら、これらの方法においては、
吸着剤が高コストであったり、吸着に時間がかかった
り、吸着が不完全であることが問題となる。本発明はこ
の問題点を解決し、簡便、コスト的に有利であり、残存
する触媒の量をおさえることができる、重合体の精製方
法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重合体と
銅金属錯体を含有する混合物から、金属錯体を除去する
方法において、特定の酸を使用することで、所望の処理
速度、コスト、精製度の重合体が得られることを見出
し、発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、重合体及び銅金属錯
体を含有する混合物に有機酸を添加し銅金属錯体を除去
する方法(請求項1)、有機酸が、有機スルホン酸、あ
るいは有機カルボン酸である、請求項1記載の方法(請
求項2)、有機スルホン酸が、ベンゼンスルホン酸、あ
るいはその誘導体である請求項2記載の方法(請求項
3)、銅金属錯体が、ハロゲン化銅と、窒素を含有する
配位子との反応により生成したものである、請求項1記
載の方法(請求項4)、窒素を含有する配位子が、2以
上の配位座を有するキレート配位子である、請求項4記
載の方法(請求項5)、重合体が、ラジカル重合可能な
ビニル系単量体からなる直鎖状重合体、星状重合体、ラ
ンダム共重合体、グラフト共重合体あるいはブロック共
重合体である請求項1記載の方法(請求項6)、ラジカ
ル重合可能なビニル系単量体が、アクリル酸エステル、
メタアクリル酸エステル、スチレン及びアクリロニトリ
ルからなる群より選ばれる少なくとも一つの単量体であ
る請求項6記載の方法(請求項7)、重合体が、有機ハ
ロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤
とし、銅金属錯体を触媒として製造された重合体である
請求項1記載の方法(請求項8)及び請求項1〜8のい
ずれか1に記載された方法で製造されたことを特徴とす
る重合体(請求項9)に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、重合体と、銅を中心金
属とする金属錯体を含有する混合物に、有機酸を添加す
ることを特徴とする、金属錯体の除去方法である。この
発明は、銅を中心金属とする金属錯体を触媒として使用
する原子移動ラジカル重合によって製造された重合体
と、当該金属錯体を含有する混合物から、当該金属錯体
を除去する場合に好適に使用可能であるが、もちろんそ
れに限定されることなく、種々の重合体と、銅を中心金
属とする種々の金属錯体を含有する混合物について適用
することが出来る。
【0007】本発明における重合体は、特に限定されな
いが、ラジカル重合可能なビニル系単量体からなる重合
体、すなわちビニル系重合体などである。本発明におけ
るビニル系重合体の製法は、特に限定されないが、制御
重合を用いることが好ましい。制御重合としては、リビ
ングアニオン重合、連鎖移動剤を用いるラジカル重合お
よび近年開発されたリビングラジカル重合をあげること
ができる。リビングラジカル重合が、重合可能なビニル
系単量体の種類、重合体の分子量および構造の制御の点
や種々の官能基を有する単量体を共重合できる点から好
ましい。
【0008】リビングラジカル重合は、重合末端の活性
が失われることなく維持されるラジカル重合である。リ
ビング重合とは、狭義においては、末端が常に活性を持
ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性
化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リ
ビング重合も含まれる。本発明における定義も後者であ
る。リビングラジカル重合は近年様々なグループで積極
的に研究がなされている。
【0009】その例としては、ポリスルフィドなどの連
鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(ジ
ャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J. Am. C
hem.Soc.),1994,116,7943)やニトロキシド化合物な
どのラジカル捕捉剤を用いるもの(マクロモレキュール
ズ(Macromolecules),1994,27,7228)、有機ハロゲ
ン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子
移動ラジカル重合(アトムトランスファーラジカルポリ
メリゼーション(Atom Transfer Radical Polymerizati
on):ATRP)などをあげることができる。本発明に
おいて、これらのうちどの方法を使用するかはとくに制
約はないが、制御の容易さなどから原子移動ラジカル重
合が好ましい。
【0010】原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期
律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金
属とする金属錯体を触媒として重合される。たとえば、
マティヤスツェウスキー(Matyjaszewski)ら,ジャー
ナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J. Am. Chem.
Soc.),1995,117,5614、マクロモレキュールズ(Ma
cromolecules),1995,28,7901、サイエンス(Scienc
e),1996,272,866、またはサワモト(Sawamoto)
ら,マクロモレキュールズ(Macromolecules),1995,
28,1721、国際公開特許WO96/30421及びWO
97/18247等に記載の方法が挙げられる。
【0011】これらの方法によると一般に非常に重合速
度が高く、ラジカル同士のカップリングなどの停止反応
が起こりやすいラジカル重合でありながら、重合がリビ
ング的に進行し、分子量分布の狭いMw/Mnが1.1
〜1.5程度の重合体が得られ、分子量はモノマーと開
始剤の仕込み比によって自由にコントロールすることが
できる。
【0012】本発明に用いる重合体は、特に制限されな
いが、直鎖状重合体、星状重合体、ランダム共重合体、
グラフト共重合体、もしくはブロック共重合体、あるい
はそれらの組み合わせ、たとえば、少なくとも一つのブ
ロックがランダム共重合体であるブロック共重合体、少
なくとも一つの腕がブロック共重合体である星状重合
体、などであってもよい。これらは、重合体の組成や数
平均分子量などと併せ、重合体の使用目的に合わせて設
計すればよい。重合体が、直鎖状のブロック共重合体で
ある場合には、A−B型のジブロック共重合体、A−B
−A型のトリブロック共重合体、B−A−B型のトリブ
ロック共重合体、(−A−B−)n型のマルチブロック
共重合体であることができる。また、星状のブロック共
重合体である場合には、前記の直鎖状のブロック共重合
体を基本構造とする星状のブロック共重合体であること
ができる。
【0013】重合体の数平均分子量は特に限定されない
が、好ましくは500〜1,000,000、さらに好
ましくは500〜100,000である。数平均分子量
は、重合体の形状や組成などと併せ、重合体の使用目的
に合わせて設計すればよい。形状や組成が同一であれ
ば、数平均分子量が小さいと粘度が低く、また、数平均
分子量が大きいと粘度が高くなる傾向があるので、必要
とする加工特性に応じて設定すればよい。
【0014】前記重合体のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーで測定した重量平均分子量Mwと数平均分
子量Mnの比Mw/Mnも特に限定されないが、好まし
くは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下である。
Mw/Mnが1.8を超えると重合体の均一性が低下す
る傾向がある。
【0015】重合体がビニル系重合体である場合に、そ
れを構成するビニル系単量体としては、たとえば、アク
リル酸エステル、メタアクリル酸エステル、芳香族アル
ケニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽
和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン
酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド化合物な
どをあげることができる。アクリル酸エステルとして
は、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−
ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノ
ニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸ステアリルなどのアクリル酸脂肪族炭化水素(たと
えばアルキル)エステル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸脂環式炭化水
素エステル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル
などのアクリル酸芳香族炭化水素エステル、アクリル酸
ベンジルなどのアクリル酸アラルキルエステル、アクリ
ル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリル
酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロ
ピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキ
シプロピル)ジメトキシメチルシラン、アクリル酸のエ
チレンオキサイド付加物などのアクリル酸とO、N、S
iなどを有する官能基含有アルコールとのエステル、ア
クリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−ト
リフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロ
エチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2
−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフル
オロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル
酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフ
ルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリ
ル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−
パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオ
ロヘキサデシルエチルなどのアクリル酸フッ化アルキル
エステルなどがあげられる。
【0016】メタアクリル酸エステルとしては、たとえ
ばメタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタ
アクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピ
ル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブ
チル、メタアクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸n−
ペンチル、メタアクリル酸n−ヘキシル、メタアクリル
酸n−ヘプチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタア
クリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、
メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタ
アクリル酸ステアリルなどのメタアクリル酸脂肪族炭化
水素(たとえばアルキル)エステル、メタアクリル酸シ
クロヘキシル、メタアクリル酸イソボルニルなどのメタ
アクリル酸脂環式炭化水素エステル、メタアクリル酸ベ
ンジルなどのメタアクリル酸アラルキルエステル、メタ
アクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイルなどのメ
タアクリル酸芳香族炭化水素エステル、メタアクリル酸
2−メトキシエチル、メタアクリル酸3−メトキシブチ
ル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタアクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸グリシジ
ル、メタアクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリ
ロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メ
タクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラ
ン、メタアクリル酸のエチレンオキサイド付加物などの
メタアクリル酸とO、N、Siなどを有する官能基含有
アルコールとのエステル、メタアクリル酸トリフルオロ
メチルメチル、メタアクリル酸2−トリフルオロメチル
エチル、メタアクリル酸2−パーフルオロエチルエチ
ル、メタアクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パー
フルオロブチルエチル、メタアクリル酸2−パーフルオ
ロエチル、メタアクリル酸パーフルオロメチル、メタア
クリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタアクリル酸
2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチ
ル、メタアクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、
メタアクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、メタア
クリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのメ
タアクリル酸フッ化アルキルエステルなどがあげられ
る。
【0017】芳香族アルケニル化合物としては、たとえ
ば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。
【0018】シアン化ビニル化合物としては、たとえ
ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげ
ることができる。
【0019】共役ジエン系化合物としては、たとえば、
ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。
【0020】ハロゲン含有不飽和化合物としては、たと
えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチ
レン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなど
をあげることができる。
【0021】ケイ素含有不飽和化合物としては、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどを
あげることができる。
【0022】不飽和時カルボン酸化合物としては、たと
えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノ
アルキルエステルおよびジアルキルエステル、フマル
酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキル
エステルなどをあげることができる。
【0023】ビニルエステル化合物としては、例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、
安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどをあげることができ
る。
【0024】マレイミド系化合物としては、たとえば、
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プ
ロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイ
ミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステ
アリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシ
ルマレイミドなどをあげることができる。
【0025】これらは単独でまたは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。これらのビニル系単量体は、
重合体に要求されるガラス転移温度の調整、要求される
物性、たとえば耐油性、耐候性、引っ張り物性、硬度、
耐摩耗性などの調整、他の重合体と組み合わせる場合に
はそれらとの相容性、重合体がブロック共重合体である
場合にはそれぞれのブロックに対する調整などの観点か
ら好ましいものを選択することができる。
【0026】例えば、重合体がブロック共重合体である
場合には、その各ブロックは、メタアクリル系重合体ブ
ロック、アクリル系重合体ブロック、芳香族アルケニル
系重合体ブロック、およびシアン化ビニル系重合体ブロ
ックからなる群より選ばれる少なくとも一つのブロック
であることが好ましく、メタアクリル系重合体ブロッ
ク、およびアクリル系重合体ブロックからなる群より選
ばれる少なくとも一つのブロックであることがさらに好
ましい。さらに具体的には、アクリル系重合体ブロック
のみからなるブロック共重合体、アクリル系重合体ブロ
ックとメタアクリル系重合体ブロックからなるブロック
共重合体、アクリル系重合体ブロックと芳香族アルケニ
ル系重合体ブロックからなるブロック共重合体、アクリ
ル系重合体ブロックとシアン化ビニル系重合体ブロック
からなるブロック共重合体、メタアクリル系重合体ブロ
ックのみからなるブロック共重合体、メタアクリル系重
合体ブロックと芳香族アルケニル系重合体ブロックから
なるブロック共重合体、メタアクリル系重合体ブロック
とシアン化ビニル系重合体ブロックからなるブロック共
重合体、芳香族アルケニル系重合体ブロックのみからな
るブロック共重合体、芳香族アルケニル系重合体ブロッ
クとシアン化ビニル系重合体ブロックからなるブロック
共重合体、あるいはシアン化ビニル系重合体ブロックの
みからなるブロック共重合体が好ましく、アクリル系重
合体ブロックのみからなるブロック共重合体、アクリル
系重合体ブロックとメタアクリル系重合体ブロックから
なるブロック共重合体、あるいはメタアクリル系重合体
ブロックのみからなるブロック共重合体がさらに好まし
く、アクリル系重合体ブロックとメタアクリル系重合体
ブロックからなるブロック共重合体が最も好ましい。
【0027】メタアクリル系重合体ブロックは、前記メ
タアクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合して
なるブロックであり、メタアクリル酸エステル50〜1
00重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体0
〜50重量%とからなることが好ましい。所望する物性
のものを得やすいおよび入手しやすい点から、メタアク
リル酸メチル、メタアクリル酸イソボルニルおよびメタ
アクリル酸シクロヘキシルの1種以上を主成分とする、
すなわち50重量%以上含有することが好ましい。当該
ブロックを構成するメタアクリル酸エステルと共重合可
能なビニル系単量体としては、たとえば、アクリル酸エ
ステル、芳香族アルケニル化合物、共役ジエン系化合
物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合
物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合
物、マレイミド化合物などをあげることができる。
【0028】アクリル系重合体ブロックは、前記アクリ
ル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロ
ックであり、アクリル酸エステル50〜100重量%お
よびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%
とからなることが好ましい。低温特性、耐油性などの物
性、および入手のしやすさの点から、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエ
チルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルよりなる群か
ら選ばれた1種以上の単量体を主成分とする、すなわち
50重量%以上含有することが好ましい。たとえば、入
手のしやすさや物性バランスを優先させたい場合にはア
クリル酸n−ブチル、耐油性を優先させたい場合にはア
クリル酸エチル、低温特性を優先させたい場合にはアク
リル酸2−エチルヘキシル、耐油性と低温特性を両立さ
せたい場合にはアクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチ
ルおよびアクリル酸2−メトキシエチルの組み合わせを
選べばよい。当該ブロックを構成するアクリル酸エステ
ルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、
メタアクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シ
アン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含
有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカ
ルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系
化合物などをあげることができる。
【0029】芳香族アルケニル系重合体ブロックは、前
記芳香族アルケニル化合物を主成分とする単量体を重合
してなるブロックであり、芳香族アルケニル化合物50
〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量
体0〜50重量%とからなることが好ましい。当該ブロ
ックを構成する芳香族アルケニル化合物と共重合可能な
ビニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル、シアン化ビニル化合物、
共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ
素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニ
ルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげるこ
とができる。
【0030】シアン化ビニル系重合体ブロックは、前記
シアン化ビニル系化合物を主成分とする単量体を重合し
てなるブロックであり、シアン化ビニル系化合物50〜
100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体
0〜50重量%とからなることが好ましい。当該ブロッ
クを構成するシアン化ビニル系化合物と共重合可能なビ
ニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、
共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ
素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニ
ルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげるこ
とができる。
【0031】例えば、両末端に反応性官能基を有し、そ
れを架橋させることでゴム弾性を付与することが出来
る、直鎖状重合体の場合は、生成物の物性等から、スチ
レン系モノマー及び(メタ)アクリル系モノマーが好ま
しく、更にアクリル酸エステル系モノマーが好ましく、
特にアクリル酸ブチルが好ましい。この場合において
は、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合
させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマ
ーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。
【0032】一般に原子移動ラジカル重合の触媒として
用いられる遷移金属錯体として好ましいものとしては、
1価および0価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄また
は2価のニッケルの錯体があげられる。本発明では、コ
ストや反応制御性の点から、1価の銅を中心金属とする
金属錯体が好ましく用いられる。
【0033】1価の銅化合物としては、たとえば塩化第
一銅、臭化第一銅などがあげられる。
【0034】1価の銅化合物を用いる場合、触媒活性を
高めるために、2,2′−ビピリジル、その誘導体(た
とえばたとえば4,4′−ジノリル−2,2′−ビピリ
ジル、4,4′−ジ(5−ノリル)−2,2′−ビピリ
ジルなど)などの2,2′−ビピリジル系化合物、1,
10−フェナントロリン、その誘導体(たとえば4,7
−ジノリル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジ
ノリル−1,10−フェナントロリンなど)などの1,
10−フェナントロリン系化合物、テトラメチルジエチ
レントリアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミ
ンなどのポリアミンなどを配位子として添加してもよ
い。
【0035】使用する触媒、配位子の種類は、使用する
開始剤、単量体および溶媒の種類にあわせて決定すれば
よい。たとえば、アクリル酸エステルなどのアクリル系
単量体の重合には、高分子鎖の成長末端が炭素−臭素結
合を持つことが重合の制御の点から好ましいことから、
使用する開始剤が有機臭化物または臭化スルホニル化合
物であり、溶媒がアセトニトリルであるのが好ましく、
臭化銅、好ましくは臭化第一銅に含まれる銅を中心金属
とする金属錯体触媒を用い、ペンタメチルジエチレント
リアミンなどの配位子を用いるのが好ましい。また、メ
タアクリル酸エステルなどのメタアクリル系単量体の重
合には、高分子鎖の成長末端が炭素−塩素結合を持つこ
とが重合の制御の点から好ましいことから、使用する開
始剤が有機塩化物または塩化スルホニル化合物であり、
溶媒がアセトニトリル、必要に応じてトルエンなどとの
混合溶媒であるのが好ましく、塩化銅、好ましくは塩化
第一銅に含まれる銅を中心金属とする金属錯体触媒を用
い、ペンタメチルジエチレントリアミンなどの配位子を
用いるのが好ましい。
【0036】使用する触媒、配位子の量は、使用する開
始剤、単量体および溶媒の量と必要とする反応速度の関
係から決定すればよい。たとえば、分子量の高い重合体
を得ようとする場合には、分子量の低い重合体を得よう
とする場合よりも、開始剤/単量体の比を小さくしなけ
ればならないが、そのような場合に、触媒、配位子を多
くして、反応速度を増大させることができる。また、ガ
ラス転移点が室温より高い重合体が生成する場合、系の
粘度を下げて撹拌効率を上げるために適当な有機溶媒を
添加した場合には、反応速度が低下する傾向があるが、
そのような場合には、触媒、配位子を多くして、反応速
度を増大させることができる。
【0037】臭化銅錯体および塩化銅錯体は、たとえば
臭化第一銅または塩化第一銅と、等モル量のペンタメチ
ルジエチレントリアミンなどの配位子とを、錯体が溶解
する溶媒、たとえばアセトニトリル中で撹拌し、反応さ
せることにより、製造することができる。製造された錯
体は、臭化第一銅と配位子または塩化第一銅と配位子と
が結合した構造であるが、まだ詳細は明らかになってい
ない。
【0038】原子移動ラジカル重合法において、開始剤
として用いられる有機ハロゲン化物またはハロゲン化ス
ルホニル化合物としては、一官能性、二官能性または多
官能性の化合物を使用することができる。これらは目的
に応じて使い分ければよく、通常は一官能性化合物を使
用するのが好ましいが、たとえば、ジブロック共重合体
を製造する場合には、開始剤の入手のしやすさの点から
一官能性化合物を使用するのが好ましく、A−B−A型
のトリブロック共重合体を製造する場合には、反応工程
数、時間の短縮の点から二官能性化合物を使用するのが
好ましく、分岐状ブロック共重合体を製造する場合に
は、反応工程数、時間の短縮の点から多官能性化合物を
使用するのが好ましく、両末端に反応性官能基を導入し
た直鎖状重合体を製造する場合には、反応工程数、時間
の短縮の点から二官能性化合物を使用するのが好まし
い。
【0039】一官能性化合物としては、たとえば一般
式: C65−CH2−X、 C65−CH(CH3)−X、 C65−C(CH32−X、 R1−CH(COOR2)−X、 R1−C(CH3)(COOR2)−X、 R1−CH(CO−R2)−X、 R1−C(CH3)(CO−R2)−X、 R1−C64−SO2−X、 (式中、C65はフェニル基、C64はフェニレン基
(オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよ
い)、R1は水素原子または炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20
のアラルキル基、Xは臭素基、R2は炭素数1〜20の
一価の有機基を表わす)で示される化合物などがあげら
れる。
【0040】R1である炭素数1〜20のアルキル基
(脂環式炭化水素基を含む)の具体例としては、たとえ
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−へプ
チル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、イソボルニル基、炭素数
6〜20のアリール基の具体例としては、たとえばフェ
ニル基、トリイル基、ナフチル基、炭素数7〜20のア
ラルキル基の具体例としては、たとえばベンジル基、フ
ェネチル基などがあげられる。
【0041】一官能性化合物の具体例としては、たとえ
ば臭化トシル、2−臭化プロピオン酸メチル、2−臭化
プロピオン酸エチル、2−臭化プロピオン酸ブチル、2
−臭化イソ酪酸メチル、2−臭化イソ酪酸エチル、2−
臭化イソ酪酸ブチルなどがあげられる。これらのうちで
は2−臭化プロピオン酸エチル、2−臭化プロピオン酸
ブチルが、アクリル酸エステル単量体の構造と類似して
いるために重合を制御しやすい点から好ましい。
【0042】二官能性化合物としては、たとえば一般
式: X−CH2−C64−CH2−X X−CH(CH3)−C64−CH(CH3)−X X−C(CH32−C64−C(CH32−X X−CH(COOR3)−(CH2n−CH(COO
3)−X X−C(CH3)(COOR3)−(CH2n−C(CH
3)(COOR3)−X X−CH(COR3)−(CH2n−CH(COR3)−
X X−C(CH3)(COR3)−(CH2n−C(C
3)(COR3)−X X−CH2−CO−CH2−X X−CH(CH3)−CO−CH(CH3)−X X−C(CH32−CO−C(CH32−X X−CH(C65)−CO−CH(C65)−X X−CH2−COO−(CH2n−OCO−CH2−X X−CH(CH3)−COO−(CH2n−OCO−C
H(CH3)−X X−C(CH32−COO−(CH2n−OCO−C
(CH32−X X−CH2−CO−CO−CH2−X X−CH(CH3)−CO−CO−CH(CH3)−X X−C(CH32−CO−CO−C(CH32−X X−CH2−COO−C64−CO−CH2−X X−CH(CH3)−COO−C64−OCO−CH
(CH3)−X X−C(CH32−COO−C64−OCO−C(CH
32−X X−SO2−C64−SO2−X (式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル
基、nは0〜20の整数、C65、C64、Xは前記と
同様)で示される化合物などがあげられる。
【0043】R3である炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラル
キル基の具体例は、R1である炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
アラルキル基の具体例と同じものがあげられる。
【0044】二官能性化合物の具体例としては、たとえ
ばビス(ブロモメチル)ベンゼン、ビス(1−ブロモエ
チル)ベンゼン、ビス(1−ブロモイソプロピル)ベン
ゼン、2,3−ジブロモコハク酸ジメチル、そのジエチ
ル置換体およびジブチル置換体、2,4−ジブロモグル
タル酸ジメチル、そのジエチル置換体およびジブチル置
換体、2,5−ジブロモアジピン酸ジメチル、そのジエ
チル置換体およびジブチル置換体、2,6−ジブロモピ
メリン酸ジメチル、そのジエチル置換体およびジブチル
置換体、2,7−ジブロモスベリン酸ジメチル、そのジ
エチル置換体およびジブチル置換体などがあげられる。
これらのうちではビス(ブロモメチル)ベンゼン、2,
5−ジブロモアジピン酸ジエチル、2,6−ジブロモピ
メリン酸ジエチルが、原料の入手性の点から好ましい。
【0045】多官能性化合物としては、たとえば一般
式: C63−(CH2−X)363−(CH(CH3)−X)363−(C(CH32−X)363−(OCO−CH2−X)363−(OCO−CH(CH3)−X)363−(OCO−C(CH32−X)363−(SO2−X)3 (式中、C63は三価のフェニル基(3つの結合手の位
置は1位〜6位のいずれにある組み合わせでもよい)、
Xは前記と同じ)で示される化合物などがあげられる。
【0046】多官能性化合物の具体例としては、たとえ
ばトリス(ブロモメチル)ベンゼン、トリス(1−ブロ
モエチル)ベンゼン、トリス(1−ブロモイソプロピ
ル)ベンゼンなどがあげられる。これらのうちではトリ
ス(ブロモメチル)ベンゼンが、原料の入手性の点から
好ましい。
【0047】なお、重合を開始する基以外に官能基を持
つ有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物
を用いると、容易に末端または分子内に重合を開始する
基以外の官能基が導入された重合体が得られる。このよ
うな重合を開始する基以外の官能基としては、アルケニ
ル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド
基、シリル基などがあげられる。
【0048】前記開始剤として用いることができる有機
ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物は、ハ
ロゲン基(ハロゲン原子)が結合している炭素がカルボ
ニル基またはフェニル基などと結合しており、炭素−ハ
ロゲン結合が活性化されて重合が開始する。使用する開
始剤の量は、必要とするブロック共重合体の分子量に合
わせて、単量体との比から決定すればよい。すなわち、
開始剤1分子あたり、何分子の単量体を使用するかによ
って、ブロック共重合体の分子量を制御することができ
る。
【0049】前記原子移動ラジカル重合は、無溶媒(塊
状重合)または各種の溶媒中で行うことができる。ま
た、塊状重合、各種の溶媒中で行う重合において、重合
を途中で停止させることもできる。
【0050】前記溶媒としては、たとえばベンゼン、ト
ルエンなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;塩化メチレン、
クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノー
ルなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネー
ト系溶媒などがあげられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0051】溶媒を使用する場合、その使用量は、系全
体の粘度と必要とする撹拌効率(すなわち、反応速度)
の関係から適宜決定すればよい。また、塊状重合、各種
の溶媒中で行う重合において重合を途中で停止させる場
合においても、反応を停止させる点での単量体の転化率
は、系全体の粘度と必要とする撹拌効率(すなわち、反
応速度)の関係から適宜決定すればよい。
【0052】前記重合は、室温〜200℃の範囲、好ま
しくは50〜150℃の範囲で行うことができる。
【0053】本発明で使用することができる有機酸は、
特に限定されないが、カルボン酸基、もしくは、スルホ
ン酸基を含有する有機物であることが好ましい。本発明
で使用することができる有機カルボン酸、すなわちカル
ボン酸基を含有する有機物としては、特に限定されない
が、たとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ
酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、4−メチル吉
草酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、イコサン酸などの飽
和脂肪族の一官能性のカルボン酸、モノクロロ酢酸、ジ
クロロ酢酸、トリクロロ酢酸などのハロゲンを含有する
飽和脂肪族の一官能性のカルボン酸、アセトキシコハク
酸、アセト酢酸、エトキシ酢酸、4−オキソ吉草酸、グ
リコール酸、グリシド酸、グリセリン酸、2−オキソ酪
酸、グルタル酸などの置換基を含有する飽和脂肪族の一
官能性のカルボン酸、プロピオル酸、アクリル酸、クロ
トン酸、4−ペンテン酸、アリルマロン酸、イタコン
酸、オキサロ酢酸などの脂肪族不飽和の一官能性のカル
ボン酸、安息香酸、アセチル安息香酸、アセチルサリチ
ル酸、アトロパ酸、アニス酸、ケイ皮酸、サリチル酸な
どの芳香環あるいは不飽和結合のα位にカルボン酸の炭
素が結合した一官能性のカルボン酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、3−オキソグルタル酸、ア
ゼライン酸、エチルマロン酸、4−オキソヘプタン2
酸、3−オキソグルタル酸などの飽和脂肪族の二官能性
のカルボン酸、アセチレンジカルボン酸などの不飽和脂
肪族の二官能性のカルボン酸、イソフタル酸などの芳香
族の二官能性のカルボン酸、アニコット酸、イソカンホ
ロン酸などのトリカルボン酸、アミノ酪酸、アラニンな
どのアミノ酸、などがあげられる。これらの2以上を併
用してもかまわない。これらの中では、有機溶媒への分
散しやすさ、酸と金属錯体の反応との生成物の性状、入
手しやすさなどからシュウ酸が好ましい。
【0054】本発明で使用することができる有機スルホ
ン酸、すなわちスルホン酸基を含有する有機物として
は、特に限定されないが、たとえば、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンス
ルホン酸、ペンタンスルホン酸などの飽和脂肪族の一官
能性のスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、1,3
−プロパンスルホン酸、1,4−ブタンスルホン酸、
1,5−ペンタンスルホン酸などの飽和脂肪族の二官能
性のスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンス
ルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸、キシレンスルホン酸、ナフチルアミンスルホン
酸、アミノフェノールスルホン酸などの芳香族の一官能
性のスルホン酸、などがあげられる。これらの2以上を
併用してもかまわない。これらの中では、有機溶媒への
分散しやすさ、酸と金属錯体の反応との生成物の性状、
入手しやすさなどから、ベンゼンスルホン酸もしくはそ
の誘導体が好ましく、それらの中ではp−トルエンスル
ホン酸がより好ましい。
【0055】好適に使用可能な有機酸の選定に当たり、
条件を詳細に説明する。第一に、その有機酸が、除去し
たい銅を中心とする金属錯体と、金属塩を生成すること
である。第二に、生成した金属塩が、重合体の溶液ある
いは融液から分離可能であることである。第三に、有機
酸が、重合体に致命的な影響を与えないことである。有
機酸はそれ自体が液体あるいは固体の場合があるが、上
の条件を満たせばいずれであってもかまわない。
【0056】これらの条件をさらに詳細に説明する。第
一に、有機酸が、除去したい銅を中心とする金属錯体と
金属塩を生成するためには、有機酸が、ある程度以上の
酸性度を有する必要がある。酸性度の指標として有機化
合物の水溶液中の解離定数を用いるならば、第1解離段
の酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が、6.0以下
であることが好ましく、5.5以下であることがより好
ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。この
解離定数については、たとえば、化学便覧(改訂3版、
日本化学会編、1984)基礎編II−339ページの表
10.11などを参考にすることが出来る。たとえば、
酢酸のpKaは4.56、安息香酸のpKaは4.2
0、シュウ酸のpKaは1.04(第1段)、3.82
(第2段)である。上表にはベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸の値が記載されていないが、いずれ
も水に可溶であり、ベンゼンスルホン酸のpKaは−
2.7(有機化合物辞典942ページ、有機合成化学協
会編、1985)、また、p−トルエンスルホン酸は塩
酸や硫酸と同程度の強酸であるとされていることから
(有機化合物辞典645ページ、有機合成化学協会編、
1985)そのpKaは大きくとも2程度であるとする
ことができる。水に溶けない有機酸の場合は、その誘導
体で水溶性の有機酸や、他の酸との強弱関係から類推す
ることができる。第二に、生成した金属塩が、重合体の
溶液あるいは融液から分離可能であるためには、生成し
た金属塩の溶媒に対する溶解度が小さいことが好まし
く、難溶であることがさらに好ましく、不溶であること
が最も好ましい。金属塩の溶解度を事前に予測すること
は難しいが、金属錯体の溶媒に対する溶解度、用いる有
機酸の溶媒に対する溶解度を参考にすることが出来る。
第三に、有機酸が、重合体に致命的な影響を与えないた
めには、重合体の主鎖や側鎖が酸によって分解されない
構造であること、重合体に酸と反応する官能基がないこ
とが好ましい。好ましい場合に該当しない場合は、反応
させる有機酸の量や濃度、反応温度、反応時間、溶媒な
どを調整する必要がある。ただし、重合体の官能基を酸
と反応させることで所望の官能基に変換させる場合や、
官能基が酸と反応しても化学的手段などで元の状態に戻
せる場合などは除く。
【0057】有機酸の作用により金属錯体が一部分解し
てしまう場合を想定して、遊離した配位子をも除去でき
ることが好ましい。すなわち、遊離した配位子が溶媒に
不溶であるか、配位子と有機酸との反応により溶媒に不
溶な有機塩が生成することが好ましい。この塩の溶解度
を事前に予測することは難しいが、配位子の溶媒に対す
る溶解度、用いる有機酸の溶媒に対する溶解度を参考に
することが出来る。有機酸をそのまま使用するか、水溶
液として使用するか、有機溶媒の溶液として使用するか
については、特に制限はないが、上の条件を満たせばい
ずれであってもかまわない。
【0058】本発明で除去できる、銅を中心金属とする
金属錯体は、特に制限されないが、ハロゲン化銅と、窒
素を含有する配位子との反応により生成したものである
金属錯体であってもかまわない。また、ここであげる窒
素を含有する配位子が、2以上の配位座を有するキレー
ト配位子であってもかまわない。これは、前記原子移動
ラジカル重合の触媒として好ましく用いられる金属錯体
は、1価の銅を中心金属とする金属錯体であり、1価の
銅化合物としては、たとえば塩化第一銅、臭化第一銅な
どのハロゲン化銅があげられ、さらに、触媒活性を高め
るために窒素を含有する配位子、たとえば、2,2′−
ビピリジル、その誘導体(たとえばたとえば4,4′−
ジノリル−2,2′−ビピリジル、4,4′−ジ(5−
ノリル)−2,2′−ビピリジルなど)などの2,2′
−ビピリジル系化合物、1,10−フェナントロリン、
その誘導体(たとえば4,7−ジノリル−1,10−フ
ェナントロリン、5,6−ジノリル−1,10−フェナ
ントロリンなど)などの1,10−フェナントロリン系
化合物、テトラメチルジエチレントリアミン(TMED
A)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチ
ル(2−アミノエチル)アミンなどのポリアミン、など
の2以上の配位座を有するキレート配位子が添加される
場合があるためである。もちろん、本発明で除去するこ
とが可能な金属錯体は、前記原子移動ラジカル重合の触
媒に限定されず、触媒機能を持たない金属錯体であって
もかまわない。
【0059】本発明で使用する有機酸の量は、銅を中心
とする金属錯体に含有される銅1モル当たり、有機酸1
モル以上であることが好ましい。また、配位子の配位座
1モル当たり、有機酸0.5モルであることが好まし
く、有機酸1.0モル以上であることがより好ましい。
有機酸の量を増やすと反応時間は短縮されるが、コスト
の観点、余剰の有機酸を除く必要の観点などから、反応
時間を勘案した必要量に抑えることが望ましい。
【0060】本発明の、有機酸を添加する反応は、無溶
媒(ポリマーの融液)または各種の溶媒中で行うことが
できる。この際溶媒としては、たとえばベンゼン、トル
エンなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル系溶媒;塩化メチレン、ク
ロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノー
ルなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネー
ト系溶媒などがあげられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】溶媒を使用する場合、その使用量は、系全
体の粘度と必要とする撹拌効率、および反応速度の関係
から適宜決定すればよい。前記反応は、0℃〜200℃
の範囲、好ましくは室温〜150℃の範囲で行うことが
できる。
【0062】反応の結果生成した金属塩を除去する方法
は特に制限されないが、必要に応じて、フィルタープレ
スなどの濾過、デカンテーション、遠心沈降など公知の
方法を使用することが出来る。また、必要に応じて、金
属塩を除去せずに、次の中和工程に進むことも可能であ
る場合がある。
【0063】重合体と、銅を中心金属とする金属錯体を
含有する混合物に、有機酸を添加することで金属錯体を
除去した後、系が酸性側に寄ることがあり、それが問題
になる場合がある。そのために、系を中和させる工程が
必要になる場合がある。系を中和させる方法としては既
知の方法を使用することができ、特に制限がないが、た
とえば、塩基性の固体を使用する方法があげられる。塩
基性の固体の例としては、塩基性活性アルミナ、塩基性
吸着剤、固体無機酸、陰イオン交換樹脂、セルロース陰
イオン交換体などをあげることができる。塩基性吸着剤
としては、キョーワード500SH(協和化学製)など
をあげることができる。固体無機酸としては、Na
2O、K2O、MgO、CaOなどをあげることができ
る。陰イオン交換樹脂としては、スチレン系強塩基性陰
イオン交換樹脂、スチレン系弱塩基性陰イオン交換樹
脂、アクリル系弱塩基型陰イオン交換樹脂などをあげる
ことができる。
【0064】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0065】なお、実施例におけるEA、BA、ME
A、MMAは、前述のごとく、それぞれエチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリ
レート、メチルメタアクリレートを意味する。
【0066】本実施例に示す分子量は、以下に示すGP
C分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポ
リスチレン換算の分子量を求めたものである。
【0067】システム:Waters社製GPCシステ
ム カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804
(ポリスチレンゲル) 本実施例に示すブロック化率は以下に示す方法で測定し
た。
【0068】エタノールを用いて、可溶分と不溶分に分
離し、可溶分をホモポリアクリル酸エステルとして除い
た。つぎに、クロロホルム/エタノールの重量比15/
85の混合溶媒を用いて、可溶分と不溶分とに分離し、
不溶分をホモポリメタアクリル酸エステル(ホモポリメ
タアクリル酸メチルなど)として除いた。残った可溶分
をブロック共重合体として、その重量分率をブロック化
率とした。また、1H−NMRにより、ブロック共重合
体中のポリアクリル酸エステルとポリメタアクリル酸エ
ステルの重量分率を確認した。
【0069】製造例1(MMA−BA−MMA型ブロッ
ク共重合体、ソフトタイプの合成) MMA−BA−MMA型ブロック共重合体を得るために
以下の操作を行った。500mlのセパラブルフラスコ
の重合容器内を窒素置換したのち、臭化銅(臭化第一
銅、以下同様)12.2g(84.8mモル)を計り取
り、アセトニトリル(モレキュラーシーブスで乾燥後、
窒素バブリングしたもの)180mlを加えた。70℃
で5分間加熱攪拌したのち、室温に冷却し、開始剤2,
5−ジブロモアジピン酸ジエチル6.1g(17.0m
モル)、BA 804.6g(900ml)を加えた。
80℃で加熱攪拌し、配位子ペンタメチルジエチレント
リアミン(以下、トリアミンと略す)1.8ml(8.
5mモル)を加えて系内に触媒を成形させ、重合を開始
させた。重合開始から一定時間、たとえば30分ごと
に、重合溶液約0.2mlを抜き取りサンプリングし、
サンプリング液のガスクロマトグラム分析によりBAの
転化率を求めた。求めた転化率の増大する速度が所望の
速度より遅い場合には、トリアミンを随時追加すること
で系内に触媒を生成させ、重合速度を制御した。
【0070】BAの転化率が96.2%の時点で(5時
間後)、MMA 424.7g(453.7ml)、塩
化銅(塩化第一銅、以下同様)8.4g(84.8mモ
ル)、トリアミン1.8ml(8.5mモル)、トルエ
ン(モレキュラーシーブスで乾燥後、窒素バブリングし
たもの)1633.3mlのすべてを同時に加えた。同
様にして、MMAの転化率を求めた。MMAの転化率が
76.3%、BAの転化率が98.0%の時点(9時間
後)で、トルエン500mlを加え、水浴で反応器を冷
却して反応を終了させた。反応中、重合溶液は常に緑色
であった。反応中、加えたトリアミンの総量は7.1m
l(33.9mモル)であった。
【0071】適量のトルエンを加えることで、所望の固
形分濃度の、ブロック共重合体と残存銅錯体の混合溶液
(M−1)を得た。
【0072】得られたブロック共重合体溶液の一部を活
性アルミナで濾過して銅錯体を除き、GPC分析を行っ
たところ、数平均分子量Mnが111000、分子量分
布Mw/Mnが1.48であった。また、NMRによる
組成分析を行ったところ、BA/MMAの重量比は71
/29であった。ブロック化率は80%であり、ホモP
MMAは検出されなかった。ここで得られたブロック体
はトリブロック体である。2官能開始剤を使用して得ら
れたブロック体であること、ブロック化率が高いこと、
副反応が少ないことから、ジブロック体が主成分である
とは極めて考えにくい。
【0073】製造例2(MMA−BA−MMA型ブロッ
ク共重合体、ハードタイプの合成) 5リットルのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置
換した後、臭化銅11.4g(79.3mモル)を量り
取り、アセトニトリル(モレキュラーシーブスで乾燥後
窒素バブリングしたもの)100mlを加えた。5分間
70℃で加熱攪拌した後、再び室温に冷却し、開始剤
2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.
9mモル)、BA 447.0g(500.0ml)を
加えた。80℃で加熱攪拌し、配位子ジエチレントリア
ミン1.7ml(7.9mモル)を加えて重合を開始し
た。重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプ
リング用として重合溶液約0.2mlを抜き取り、サン
プリング溶液のガスクロマトグラム分析によりアクリル
酸ブチルの転化率を決定した。トリアミンを随時加える
ことで重合速度を制御した。BAの転化率が90%を超
えた時点で、MMA1333.2g(1424.3m
l)、塩化銅7.8g(79.3mモル)、ジエチレン
トリアミン1.7ml(7.9mモル)、トルエン(モ
レキュラーシーブスで乾燥後窒素バブリングしたもの)
1424.3mlを加えた。同様にして、MMAの転化
率を決定した。BAとMMAの転化率が、目的とする組
成比(例えば、BA/MMAの重量比40/60の重合
体を得る場合、BAの添加率が100%であれば、MM
Aの添加率が50%)になるように、トルエン1500
mlを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させ
た。反応中常に重合溶液は緑色であった。反応中、加え
たトリアミンの総量は6.8ml(31.6mモル)で
あった。適量のトルエンを加えることで、所望の固形分
濃度の、ブロック共重合体と残存銅錯体の混合溶液(M
−2)を得た。得られたブロック共重合体溶液の一部を
活性アルミナで濾過して銅錯体を除き、GPC分析を行
ったところ、数平均分子量Mnが114000、分子量
分布Mw/Mnが1.61であった。また、NMRによ
る組成分析を行ったところ、BA/MMAの重量比は3
1/69であった。ブロック化率は90%であり、ホモ
PMMAは検出されなかった。
【0074】実施例1 固形分濃度10%に調整した溶液(M−1)20ml
に、添加したトリアミンの総量の3倍モル量のp−トル
エンスルホン酸0.035g(0.19mモル)を加
え、4時間撹拌した。撹拌中、溶液の緑色が褐色に変化
していくのが観察された。撹拌終了後、濾過を行い、褐
色の不溶分を除き、無色透明の溶液を得た。得られた溶
液を乾固させ、無色透明のブロック共重合体を定量的に
得た。
【0075】実施例2 固形分濃度10%に調整した溶液(M−1)20ml
に、添加したトリアミンの総量の3倍モル量のp−トル
エンスルホン酸・1水和物0.035g(0.19mモ
ル)を加え、4時間撹拌した。撹拌終了後、濾過を行
い、褐色の不溶分を除き、無色透明の溶液を得た。これ
に、塩基性吸着剤であるキョーワード500SH(協和
化学製)0.01gを加え、4時間撹拌した。撹拌終了
後、濾過を行い、吸着剤を除き、無色透明の溶液を得
た。得られた溶液を乾固させ、無色透明のブロック共重
合体を定量的に得た。
【0076】実施例3 固形分濃度10%に調整した溶液(M−2)20ml
に、添加したトリアミンの総量の3倍モル量のp−トル
エンスルホン酸・1水和物0.035g(0.18mモ
ル)を加え、4時間撹拌した。撹拌終了後、濾過を行
い、褐色の不溶分を除き、無色透明の溶液を得た。これ
に、塩基性吸着剤であるキョーワード500SH(協和
化学製)0.01gを加え、4時間撹拌した。撹拌終了
後、濾過を行い、吸着剤を除き、無色透明の溶液を得
た。得られた溶液を乾固させ、無色透明のブロック共重
合体を定量的に得た。
【0077】実施例4 実施例1において、酸をシュウ酸・2水和物0.023
g(0.19mモル)として同様に撹拌した。撹拌中、
溶液の緑色が白色に変化していくのが観察された。撹拌
終了後、濾過を行い、白色の不溶分を除き、無色透明の
溶液を得た。得られた溶液を乾固させ、無色透明のブロ
ック共重合体を定量的に得た。
【0078】実施例5 実施例1において、酸を酢酸0.011g(0.19m
モル)として同様に撹拌した。撹拌中、溶液の緑色が青
色に変化していくのが観察された。撹拌終了後、分液漏
斗で水層を除き、無色透明の溶液を得た。得られた溶液
を乾固させ、無色透明のブロック共重合体を定量的に得
た。
【0079】比較例1 固形分濃度10%に調整した溶液(M−1)20ml
に、酸を何も加えずに、濾過を行い、不溶分を除き、緑
色の溶液を得た。得られた溶液を乾固させ、緑色に着色
したブロック共重合体を得た。
【0080】比較例2 実施例1において、酸を安息香酸0.023g(0.1
9mモル)として同様に撹拌した。撹拌終了後、反応し
たと思われる銅錯体が溶解していたために、銅錯体を除
去することは出来なかった。得られた溶液を乾固させ、
緑色に着色したブロック共重合体を得た。以上の方法で
得られたブロック体に残存して含まれる、銅成分と、配
位子成分を、以下の手順で定量した。
【0081】(銅の定量)試料約100〜200mgを
TPFE製加圧容器に精密に秤量し、超高純度硫酸およ
び超高純度硝酸を加えてマイクロウェーブ分解を行い、
分解物を50mlに定容した。銅の濃度が高いと思われ
る場合には、この溶液をさらに50倍に希釈して測定し
た。上の溶液について、ICP質量分析器(HP−45
00、横河アナリティカルシステムズ株式会社製)を使
用し、ノーマルプラズマ条件で、内部標準物質を用いて
定量し、同時に実施したブランク試験値を減算した。
【0082】(配位子の定量)配位子に窒素原子が含ま
れていて、重合体に窒素原子が含まれていない場合に、
全窒素の定量を行った。ウルトラミクロ天秤で試料10
mg程度を精密秤量し、全窒素分析装置(TN−10、
三菱化学株式会社製)を使用し、以下の条件で定量を行
った。
【0083】 温度:熱分解炉800℃、酸化炉900℃ ガス流量:酸素 300ml/分、アルゴン/酸素 7
00ml/分 検量線作成用溶液:ピリジン/トルエン溶液 検出器:減圧化学発光検出器 レンジ:2ppm また、以上の方法で得られたブロック体に残存して含ま
れる、銅成分、配位子成分の影響を見るために、ブロッ
ク体の一部を取り、200℃、10分間、50kg/c
2の圧力でプレス成形を行った。得られた成形体の色
を記録した。
【0084】
【表1】 このように、実施例1では、比較例に比べて、銅の量が
十分に低減され、成形体の色も良好であることが分か
る。さらに、実施例2では、実施例1に中和工程を加え
ることで、さらに良好なブロック体が得られることが分
かる。実施例3に見るように、発明の効果は、ブロック
体の組成によらないことが確認できる。実施例4、5で
は、有機酸の種類によらずに、比較例に比べて、成形体
の色も良好であることが分かる。比較例1、2では、残
存物を十分に除去できず、成形体の色に悪影響があるこ
とが分かる。
【0085】
【発明の効果】本発明の、重合体から銅を中心金属とす
る金属錯体を除く方法は、工程の簡便な方式でありなが
ら、重合体に残留する銅の濃度を低減することができ
る。
【0086】したがって、本発明の方法は、生産性と品
質を好ましく両立させることができることから、その工
業的価値は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 CA04 4J100 AB02P AB03P AB04P AB07P AC03P AC04P AC24P AC26P AC27P AG02P AG04P AG06P AG08P AJ03P AJ09P AK32P AL03P AL04P AL05P AL08P AL09P AL10P AL11P AL34P AL36P AM02P AM43P AM45P AM47P AM48P AP16P AS02P AS03P BA05P BA29P BA77P BB18P BC04P BC07P BC43P FA08 GA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体及び銅金属錯体を含有する混合物
    に有機酸を添加し銅金属錯体を除去する方法。
  2. 【請求項2】 有機酸が、有機スルホン酸、あるいは有
    機カルボン酸である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 有機スルホン酸が、ベンゼンスルホン
    酸、あるいはその誘導体である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 銅金属錯体が、ハロゲン化銅と、窒素を
    含有する配位子との反応により生成したものである、請
    求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 窒素を含有する配位子が、2以上の配位
    座を有するキレート配位子である、請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 重合体が、ラジカル重合可能なビニル系
    単量体からなる直鎖状重合体、星状重合体、ランダム共
    重合体、グラフト共重合体あるいはブロック共重合体で
    ある請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 ラジカル重合可能なビニル系単量体が、
    アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレ
    ン及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なく
    とも一つの単量体である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 重合体が、有機ハロゲン化物またはハロ
    ゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、銅金属錯体を触
    媒として製造された重合体である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1に記載された
    方法で製造されたことを特徴とする重合体。
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