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JP2003081731A - 歯科用組成物 - Google Patents

歯科用組成物

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JP2003081731A
JP2003081731A JP2001276377A JP2001276377A JP2003081731A JP 2003081731 A JP2003081731 A JP 2003081731A JP 2001276377 A JP2001276377 A JP 2001276377A JP 2001276377 A JP2001276377 A JP 2001276377A JP 2003081731 A JP2003081731 A JP 2003081731A
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JP
Japan
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polymerizable monomer
weight
composition
dental composition
meth
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JP2001276377A
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Kazumitsu Nakatsuka
和光 中塚
Mayumi Yamashita
真弓 山下
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で重合硬化せしめることが可能であ
り、かつ優れた撥水性及び耐着色性を示しながらも、歯
質や接着剤とのなじみが良く、優れた接着性を得ること
のできる歯科用組成物を提供すること。 【解決手段】 親水性重合性単量体(a)、フルオロカ
ーボン基を有し、かつ分子内に2つ以上のオレフィン性
二重結合を有する重合性単量体(b)および重合開始剤
(c)を含有することを特徴とする歯科用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯科用組成物に関す
る。さらに詳しくは、歯の矯正用セメント、歯のマニキ
ュア、歯面コート材、フィッシャーシーラント、充填材
等のように、歯質及び/又は接着剤に対して優れた接着
性と耐汚染性の両方の特性を必要とするような用途に特
に好適に用いることができる歯科用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療においては、レジン系の材料が
しばしば使用されているが、これらのレジン系材料を口
腔内に装着した場合、例えば、歯牙の欠損部に充填した
り、歯牙の表面をコーティングした場合、装着直後は審
美的に満足できるものの、長期間装着するに伴ってレジ
ン材料が変色してしまい、審美的に満足できなくなるこ
とがある。また、最近の歯科用接着剤や歯科用合着材の
歯質に対する接着力の向上は目覚ましいものであるが、
それでも歯質との接合部に目立った変色が認められた
り、装着したレジン材料周辺の歯牙において、齲蝕が誘
発されたりする場合がある。例えば、歯列矯正治療のよ
うにブラケットをレジン系材料にて接着した場合には、
歯磨きなどでは十分に清掃できない部位が残るなどして
不潔になり、齲蝕が誘発されることがある。
【0003】これらのレジン材料の変色やプラークの付
着などを抑制する方法としては、例えば、撥水性に優れ
る材料をレジン材料中に配合して、プラークや食物中の
着色成分等のレジン材料への付着や浸透を抑制させる方
法がある。撥水性に優れる材料としては、フルオロカー
ボン基含有重合性単量体が一般化学工業界ではよく知ら
れており、歯科材料の分野においても応用されつつあ
る。例えば、「歯科材料・器械」第18巻、特別号3
3、31頁(1999年)や「歯科材料・器械」第18
巻、特別号34、187頁(1999年)には、疎水性
重合性単量体である[2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタ
クリレート(UDMA)にフルオロカーボン基含有重合
性単量体である1,6−(2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロ)ヘキサンジオールジメタクリ
レート(FHDDMA)を配合したコンポジットレジン
の吸水性や色調変化が改善できることが記載されてい
る。しかしながら、これらのレジン材料には、歯質や接
着剤との親和性が悪く、高い接着性を得ることができな
いという欠点がある。
【0004】また、特開平1−152179号公報に
は、特定構造のフルオロカーボン基含有重合性単量体を
配合した歯科用接着剤が、優れた撥水性と歯質接着性を
示すことが記載されている。しかしながら、該公報に使
用されているフルオロカーボン基含有重合性単量体はオ
レフィン性二重結合を1つしか有さないため、硬化性が
非常に劣っており、該フルオロカーボン基含有重合性単
量体を十分な撥水効果が期待できる程度の量まで含有さ
せると、その組成物を十分に重合硬化せしめるには、加
熱重合させたり、光照射器にて長時間光照射しなければ
ならないという欠点がある。従って、例えば光照射器を
用いて短時間照射しただけでは、撥水性や歯質に対する
接着性が著しく低下するという問題がある。更に、該公
報の実施例に具体的に記載されている組成物は、いずれ
も親水性に乏しく、歯質に対して十分な接着力を得るこ
とができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、短時
間で重合硬化が可能であり、かつ優れた撥水性や耐着色
性を示しながらも、歯質(エナメル質、象牙質、セメン
ト質など)や接着剤(セルフエッチングプライマー、ボ
ンディング材など)とのなじみが良く、優れた接着性を
得ることのできる歯科用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、親水性重合性単量体
と、フルオロカーボン基を有し、かつ分子内に2つ以上
のオレフィン性二重結合を有する重合性単量体とを併用
することにより、予想以上に優れた硬化性、撥水性及び
耐着色性を有しながらも、歯質や接着剤に対して優れた
接着性を有している歯科用組成物が得られることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、親水性重合性単量体
(a)、フルオロカーボン基を有し、かつ分子内に2つ
以上のオレフィン性二重結合を有する重合性単量体
(b)および重合開始剤(c)を含有することを特徴と
する歯科用組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用される親水性重合性
単量体(a)としては、フルオロカーボン基を有し、か
つ分子内に2つ以上のオレフィン性二重結合を有する重
合性単量体(b)を溶解することができ、かつ25℃に
おける水に対する溶解度が5重量%以上、より好ましく
は10重量%以上、更に好ましくは任意の割合で水に溶
解可能な重合性単量体が使用される。かかる親水性重合
性単量体(a)としては、例えば、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メ
タ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチ
レングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレ
ン基の数が9以上のもの)等を挙げることができる。中
でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び
ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキ
シエチレン基の数が9又は14のもの)が好適である。
なお、本発明においては(メタ)アクリルをもってメタ
クリルとアクリルの両者を包括的に表現する。
【0009】これらの親水性重合性単量体(a)は、1
種類または複数種類の組み合わせで用いられる。これら
の親水性重合性単量体(a)の含有量は、本発明の歯科
用組成物を構成する重合性単量体の合計重量に対して、
好ましくは1〜95重量%であり、より好ましくは10
〜80重量%であり、さらに好ましくは25〜70重量
%である。1重量%よりも少ない場合には、歯質や接着
剤に対する接着性が低下する場合がある。また、95重
量%よりも多い場合には、撥水性や耐着色性が低下する
場合がある。
【0010】本発明に使用される、フルオロカーボン基
を有し、かつ分子内に2つ以上のオレフィン性二重結合
を有する重合性単量体(b)〔以下、「フルオロカーボ
ン基含有重合性単量体(b)」と略称することがある〕
は、優れた重合硬化性、撥水性及び耐着色性等を発現す
るために必要な成分であり、より具体的には分子内に下
記の式(I)で表されるフルオロカーボン基を有し、か
つ分子内に2つ以上のオレフィン性二重結合を有する重
合性単量体を挙げることができる。
【0011】
【化1】
【0012】かかるフルオロカーボン基含有重合性単量
体(b)としては、例えば、一般式(1)〜(10)で
表される重合性単量体を挙げることができる。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】これらのフルオロカーボン基含有重合性単
量体(b)は1種または複数種類の組み合わせで用いら
れる。これらのフルオロカーボン基含有重合性単量体
(b)の含有量は、本発明の歯科用組成物を構成する重
合性単量体の合計重量に対して、好ましくは5〜99重
量%であり、より好ましくは20〜90重量%であり、
さらに好ましくは30〜75重量%である。5重量%よ
りも少ない場合には、撥水性や耐着色性が低下する場合
がある。また、99重量%よりも多い場合には、歯質に
対する接着性が低下する場合がある。
【0016】本発明に使用される重合開始剤(c)は、
公知の重合開始剤であれば、何ら制限することなく使用
することができる。かかる重合開始剤としては、例え
ば、α−ジケトン類、ケタール類、チオキサントン類、
アシルホスフィンオキサイド類、クマリン類、ハロメチ
ル基置換−s−トリアジン誘導体、過酸化物等が挙げら
れる。
【0017】α−ジケトン類の例としては、カンファー
キノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオンなどが挙げ
られる。ケタール類の例としては、ベンジルジメチルケ
タール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。チ
オキサントン類の例としては、2−クロロチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド類の例としては、例えば、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(ベンゾイ
ル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、
トリス(2,4−ジメチルベンゾイル)ホスフィンオキ
サイド、トリス(2−メトキシベンゾイル)ホスフィン
オキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テト
ラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネ
ート、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェ
ニルホスフィンオキサイドおよび特公平3−57916
号公報に開示されている水溶性のアシルホスフィンオキ
サイド化合物などが挙げられる。
【0018】クマリン類としては、3,3’−カルボニ
ルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メ
トキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリン
等の特開平10−245525号公報に記載されている
化合物が挙げられる。ハロメチル基置換−s−トリアジ
ン誘導体としては、2,4,6−トリス(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブ
ロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−
ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の特開平
10−245525号公報に記載されている化合物が挙
げられる。
【0019】過酸化物としては、例えば、ジアシルパー
オキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパー
オキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキ
サイド類、ハイドロパーオキサイド類等があげられる。
具体的には、ジアシルパーオキサイド類としてはベンゾ
イルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパー
オキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等が挙げら
れる。パーオキシエステル類としては、例えば、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオ
キシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート等が挙げられる。ジアルキ
ルパーオキサイド類としては、例えば、ジクミルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等が挙げられる。パーオキシケタール類
としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げ
られる。ケトンパーオキサイド類としては、例えば、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド
等が挙げられる。ハイドロパーオキサイド類としては、
例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンヒ
ドロパーオキサイド、p−ジイソプロピルベンゼンパー
オキサイド等が挙げられる。
【0020】これらの重合開始剤は、1種または複数種
類の組み合わせで用いられる。これらの重合開始剤の中
では、光重合開始剤を用いると本発明の歯科用組成物を
短時間で重合硬化せしめることができ、特にα−ジケト
ン類及び/又はアシルホスフィンオキサド類が好適に使
用される。これらの重合開始剤の含有量は、本発明の歯
科用組成物を構成する重合性単量体の合計重量に対し
て、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ま
しくは0.05〜5重量%であり、更に好ましくは0.
1〜3重量%である。これらの重合開始剤は単独で使用
してもよいが、より硬化性を促進させる目的として、重
合促進剤と併用して用いるとよい。
【0021】かかる重合促進剤としては、例えば、芳香
族第3級アミン、脂肪族第3級アミン、スルフィン酸ま
たはその塩、アルデヒド類、チオール基を有する化合物
などが挙げられる。芳香族第3級アミンとしては、例え
ば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p
−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、
N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル
−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,
4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチル
アニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリ
ン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,
N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチル
アニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−
トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−
3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチ
ルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−
3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステ
ル、4−N,N―ジメチルアミノ安息香酸メチルエステ
ル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシ
エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸
2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4−
N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられ
る。
【0022】脂肪族第3級アミンとしては、例えば、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n
−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、2−(ジメチルアミ
ノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールア
ミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミン
ジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリ
レート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリ
エタノールアミントリメタクリレート等が挙げられる。
【0023】スルフィン酸またはその塩としては、例え
ば、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナト
リウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスル
フィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、
トルエンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウ
ム、トルエンスルフィン酸カリウム、トルエンスルフィ
ン酸カルシウム、トルエンスルフィン酸リチウム、2,
4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6
−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,
4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、
2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウ
ム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチ
ウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、
2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウ
ム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリ
ウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カ
ルシウム、2,4,6−イソプロピルベンゼンスルフィ
ン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィ
ン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼ
ンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピ
ルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられる。
【0024】アルデヒド類の例としては、ジメチルアミ
ノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げら
れる。チオール基を有する化合物の例としては、2−メ
ルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸等
が挙げられる。これらの重合促進剤は、1種または複数
種類の組み合わせで用いられる。
【0025】これらの重合促進剤の含有量は、本発明の
歯科用組成物を構成する重合性単量体の合計重量に対し
て、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ま
しくは0.05〜7重量%であり、さらに好ましくは
0.1〜5重量%である。
【0026】本発明の歯科用組成物においては、硬化
性、接着性、機械的強度及び塗布性等を向上させる目的
として、必要に応じて疎水性重合性単量体(d)を配合
することができる。疎水性重合性単量体(d)として
は、25℃における水に対する溶解度が5重量%よりも
小さく、上記のフルオロカーボン基含有重合性単量体
(b)以外の重合性単量体である。かかる疎水性重合性
単量体としては、具体例を以下に示すが、一つのオレフ
ィン性二重結合を有する単量体を一官能性単量体とし、
オレフィン性二重結合の数に応じて、二官能性単量体、
三官能性単量体等と表現する。
【0027】一官能性単量体:メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0028】二官能性単量体:エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAジグリシジルメタアクリレート;
Bis−GMA、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロ
イルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アク
リロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニ
ル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタ
エリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオ
キシエチル)]ジメタクリレート;UDMA、1,3−
ジ(メタ)アクリロリルオキシ−2−ヒドロキシプロパ
ン等が挙げられる。
【0029】三官能性以上の単量体:トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタ
ントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキ
シ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレー
ト、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−
テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン
等が挙げられる。
【0030】これらの疎水性重合性単量体(d)は、1
種類または複数種類の組み合わせで用いられる。また、
これらの疎水性重合性単量体(d)の含有量は特に限定
されないが、通常、本発明の歯科用組成物を構成する重
合性単量体の合計重量に対して、80重量%以下であ
り、好ましくは1〜80重量%であり、より好ましくは
1〜70重量%であり、更に好ましくは1〜60重量%
である。80重量%を越える場合には、歯質に対する接
着力が低下する場合がある。
【0031】本発明の歯科用組成物においては、硬化
性、接着性、流動性、色調適合性及び機械的強度等を向
上させるために、更にフィラー(e)を配合することが
できる。かかるフィラー(e)としては、無機系フィラ
ーあるいは有機系フィラー及びこれらの複合体が用いら
れる。無機系フィラーとしては、シリカあるいはカオリ
ン、クレー、雲母、マイカなどのシリカを基材とする鉱
物、シリカを基材とし、Al、B、TiO
、ZrO、BaO、La、SrO、Ca
O、P等を含有するセラミックスやガラスの類、
特にランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウム
ガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラ
ス、亜鉛ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、
ホウ珪酸ガラス、バイオガラス等が挙げられる。さらに
は結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チ
タン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、フッ化イッテ
ルビウム等も好適に用いられる。有機系フィラーとして
は、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、多官能メタクリレートの重合体、ポリアミド、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニト
リルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。
また、これらの有機系フィラーに無機フィラーが分散し
たり、無機フィラーを種々の重合性単量体にてコーティ
ングした無機/有機複合フィラー等も挙げられる。
【0032】これらのフィラー(e)は、本発明の歯科
用組成物の硬化性、機械的強度、塗布性、接着性等を向
上させるためにシランカップリング剤等の公知の表面処
理剤で予め表面処理してから用いてもよい。かかる表面
処理剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン等が挙げられる。これらのフィラー
は、1種類または複数種類を組み合わせて配合される。
【0033】これらのフィラー(e)を使用する場合、
その含有量は、本発明の歯科用組成物の適用用途によっ
て最適な量が異なるので特に限定されないが、例えば、
歯のマニキュア、歯牙の表面コーティング材、充填用接
着剤等として使用する場合には、歯科用組成物の全重量
に対して好ましくは0.1〜30重量%であり、より好
ましくは1〜20重量%である。また、合着材、歯列矯
正用のセメント、ライニング材として使用する場合に
は、歯科用組成物の全重量に対して好ましくは30〜8
0重量%であり、より好ましくは50〜80重量%であ
る。充填材として使用する場合には、歯科用組成物の全
重量に対して好ましくは50〜90重量%であり、より
好ましくは60〜85重量%である。
【0034】本発明の歯科用組成物に、更にフッ素イオ
ン放出性物質(f)を配合することによって、歯質に耐
酸性を付与させることができる歯科用組成物が得られ
る。かかるフッ素イオン放出性物質(f)としては、上
記にフィラーとして記載したフルオロアルミノシリケー
トガラス等のフッ素ガラス類、フッ化ナトリウム、フッ
化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リ
チウム、フッ化イッテルビウム等の金属フッ化物類、ま
た、特開平5−85912号公報に記載されているメタ
クリル酸メチルとメタクリル酸フルオライドとの共重合
体のようなフッ素イオン放出性ポリマー類、更にはセチ
ルアミンフッ化水素酸塩のような有機フッ化水素酸塩類
等を挙げることができる。
【0035】本発明の歯科用組成物には、必要に応じて
重合禁止剤、顔料、蛍光剤、紫外線吸収剤などを含有さ
せてもよい。また、抗菌性を付与する目的で、セチルピ
リジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、(メ
タ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイ
ド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニ
ウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルア
ンモニウムクロライド、トリクロサン等の抗菌性物質を
含有させてもよい。
【0036】本発明の歯科用組成物に少量の水を含有さ
せることによって、歯質接着性をさらに向上させること
も可能であり、この場合の水の最適な含有量は、本発明
の歯科用組成物の全重量に対して、好ましくは30重量
%以下、より好ましくは10%以下である。30重量%
よりも多く水を含有させると、硬化性が低下する場合が
ある。
【0037】本発明の歯科用組成物は、特に、歯牙表面
をコーティングすることによって、接着性、撥水性、耐
着色性等の効果を得ることができるので、歯の矯正用セ
メント、フィッシャーシーラント、歯のマニキュア、歯
面コート材等に好適に使用される。また、該歯科用組成
物は、術者や患者の負担を軽減するため、通常3分以
内、より好ましくは1分以内、更に好ましくは30秒以
内に重合硬化し、優れた撥水性と接着性を示すものが好
ましい。また、該歯科用組成物は、歯質のみならず、金
属、陶材、セラミックス、コンポジット硬化物などの歯
冠修復材料のコーティング材に使用することもできる。
また、本発明の歯科用組成物は、酸エッチング剤、接着
性プライマー、接着剤だけでなく、市販の歯科用金属プ
ライマー、陶材接着用のプライマー、次塩素酸塩等の歯
面清掃剤と組み合わせて使用することもできる。
【0038】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、略称・略号については次の通りである。
【0039】〔水溶性重合性単量体〕 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート 9G:ポリエチレングルコールジメタクリレート(オキ
シエチレン基の数が9) 14G:ポリエチレングルコールジメタクリレート(オ
キシエチレン基の数が14) GM−1:1,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレー
ト GM−2:2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレー
【0040】〔フルオロカーボン基含有重合性単量体〕
【0041】
【化4】
【0042】〔疎水性重合性単量体〕 UDMA:[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビ
ス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレー
ト Bis−GMA:ビスフェノールAジグリシジルメタク
リレート HD:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
【0043】〔重合開始剤、還元剤〕 CQ:カンファーキノン TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド BPO:ベンゾイルパーオキサイド DEPT: N,N―ジ(2−ヒドロキシエチル)−p
−トルイジン DMABE:4−N,N―ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル TPSS:2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスル
フィン酸ナトリウム
【0044】〔その他〕 NaF:微粒子(1μm以下)のフッ化ナトリウム BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
【0045】実施例1 HEMA(40重量部)、DPEPA19F(60重量
部)およびTMDPO(3重量部)を混合して組成物を
調製した。この組成物を用いて、後述の撥水性試験、耐
着色試験、接着力試験(1)及び(2)に従って、水の
接触角、ターメリックの着色性および歯質接着性を評価
し、結果を表1に示した。
【0046】撥水性試験:ガラス板にテープ(Scot
ch Brand Tape;3M製)を貼り、その上
に直径1cm、厚さ1mmの穴をあけたテフロン(登録
商標)製の型を置いた。その穴の中に実施例1の組成物
を入れ、上にポリエステル製のフィルムを置いて、更
に、ガラス板を用いて軽く押しあてた。押し当てたガラ
ス板をとり、かかる状態で光照射器(α−ライト;モリ
タ製)にて3分間光照射して硬化させた。テフロン製の
型から硬化物を取り出し、接触角計(C−P型;協和界
面科学(株)製)にセットした。その後、硬化物(テー
プに接触させた側)の表面に、マイクロシリンジを用い
て蒸留水(3μl)を滴下し、滴下1分後の気/液界面
と該表面がなす接触角を測定した。測定は5回繰り返
し、その平均値を求めた。
【0047】耐着色試験:ターメリック(0.005
g)〔ギャバンスパイス(株)製〕を蒸留水(100m
l)の中に入れ、黄色のターメリック懸濁液を作製し
た。その中に、上記の撥水性試験に使用した実施例1の
硬化物を浸漬した。37℃の恒温器に18時間保管した
後、硬化物を取り出し、流水で1分間洗浄した後の硬化
物の着色の度合いを目視にて観察した。
【0048】接着力試験方法(1):ウシの前歯を#1
000シリコン・カーバイド紙〔日本研紙(株)製〕で
平滑に湿潤下にて研磨した。エナメル質または象牙質表
面を露出させた後、表面の水分を歯科用エアーシリンジ
にて吹き飛ばした。露出したエナメル質表面または象牙
質表面に、直径3mmの穴を空けた厚さ150μmのテ
ープを貼り、接着面積を規定した。MDP(15重量
部)、HEMA(40重量部)、水(20重量部)、B
is−GMA(20重量部)、エタノール(5重量
部)、CQ(0.5重量部)、DMABE(0.5重量
部)、DEPT(2重量部)からなる接着剤をテープの
穴の中に塗布した。そのまま20秒間静置した後、歯科
用エアーシリンジにて該接着剤の流動性がなくなる程度
まで乾燥させた。その表面に実施例1の歯科用組成物を
塗布し、その上にポリエステル製のフィルムをかぶせた
後、かかる状態で歯科用可視光照射器(JETライト;
モリタ製)にて60秒間光照射を行い、硬化させた。そ
の硬化面に市販の歯科用レジンセメント(パナビア2
1;クラレ製)を用いてステンレス製の円柱の棒(直径
5mm、長さ1.5cm)を接着した。30分後に試験
片を37℃水中に1日浸漬させた後に接着強度を測定し
た。接着強度の測定は、万能試験機(インストロン製、
MODEL1175)を用い、クロス・ヘッドスピード
2mm/minの条件で引張接着強度を測定した。各接
着強度の測定値は、8個の試験片の測定値の平均値で示
した。
【0049】接着試験方法(2):上記の接着剤の代わ
りに、40%のリン酸水溶液を塗布し、その後、水洗し
てリン酸を除去した。水分は、綿球で徐々に拭き取り、
歯質の表層が少し湿った状態で実施例1の組成物を塗布
して硬化させた。その他の方法は、接着試験方法(1)
に準拠して実施した。
【0050】実施例2〜4 HEMA、DPEPA19F、水およびTMDPO等を
表1に示す重量比で混合した組成物をそれぞれ調製し
た。これらの組成物を用いて、実施例1の撥水性試験、
耐着色試験および接着力試験に従って、接触角、着色性
および歯質接着性を評価し、結果を表1に示した。
【0051】比較例1 HEMA、UDMAおよびTMDPOを表1に示す重量
比で混合した組成物を調製した。この組成物を用いて、
実施例1の撥水性試験、耐着色試験および接着力試験に
従って、接触角、着色性および歯質接着性を評価し、結
果を表1に示した。
【0052】比較例2 DPEPA19F 、3GおよびTMDPOを表1に示
す重量比で混合した組成物を調製した。この組成物を用
いて、実施例1の撥水性試験、耐着色試験および接着力
試験に従って、接触角、着色性および歯質接着性を評価
し、結果を表1に示した。
【0053】比較例3 HEMA、8FMAおよびTMDPOを表1に示す重量
比で混合した組成物を調製した。この組成物を用いて、
実施例1の撥水性試験、耐着色試験および接着力試験に
従って、接触角、着色性および歯質接着性を評価し、結
果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、親水性重合性単
量体(HEMA)、多官能性のフルオロカーボン基含有
重合性単量体(DPEPA19F)及び重合開始剤(T
MDPO)を含有する実施例1〜4の組成物は、接触角
が80°以上の優れた撥水性を示し、また、ターメリッ
クによる着色の度合い(黄色み)も小さかった。更に、
これらの組成物を使用して接着力試験を実施した場合、
歯質に対して優れた接着力を示した。これに対して、フ
ルオロカーボン基含有重合性単量体を含有していない比
較例1の組成物では、接触角は70℃以下であり、撥水
性は劣っており、ターメリックによる着色の度合い(黄
色味)も大きかった。また、親水性重合性単量体(HE
MA)を含有していない比較例2の組成物では、歯質に
対する接着力が低値を示した。多官能性のフルオロカー
ボン基含有重合性単量体(DPEPA19F)の代わり
に、オレフィン性二重結合を一つしか有さないフルオロ
カーボン基含有重合性単量体(8FMA)を使用した場
合、硬化性が著しく悪く、歯質に対して殆ど接着しなか
った。
【0056】実施例5〜8 HEMA、H12FDM、UDMA、TMDPO、CQ
及びDMABE等を表2に示す重量比で混合した組成物
をそれぞれ調製した。これらの組成物を用いて、実施例
1の撥水性試験、耐着色試験および接着力試験に従っ
て、接触角、着色性および歯質接着性を評価し、結果を
表2に示した。
【0057】比較例4 HEMA、UDMA、TMDPOおよびDMABEを表
2に示す重量比で混合した組成物を調製した。この組成
物を用いて、実施例1の撥水性試験、耐着色試験および
接着力試験に従って、接触角、着色性および歯質接着性
を評価し、結果を表2に示した。
【0058】比較例5 H12FDM、UDMA、3G、TMDPOおよびDM
ABEを表2に示す重量比で混合した組成物を調製し
た。この組成物を用いて、実施例1の撥水性試験、耐汚
染性試験および接着力試験に従って、接触角、着色性お
よび接着力を評価し、結果を表2に示した。
【0059】比較例6 HEMA、8FMA、UDMA、TMDPOおよびDM
ABEを表2に示す重量比で混合した組成物を調製し
た。この組成物を用いて、実施例1の撥水性試験、耐着
色試験および接着力試験に従って、接触角、着色性およ
び歯質接着性を評価し、結果を表2に示した。
【0060】
【表2】
【0061】表2から明らかなように、親水性重合性単
量体(HEMA)、多官能性のフルオロカーボン基含有
重合性単量体(H12FDM)、UDMA及び重合開始
剤を含有する実施例5〜8の組成物は、接触角が80°
以上の優れた撥水性を示し、また、ターメリックによる
着色の度合い(黄色み)も小さかった。実施例7の組成
物は、CQ由来の黄色が残るものの、ターメリック懸濁
液に浸漬させた前後で、特に著しい変化はなかった。更
に、これらの組成物を使用して接着力試験を実施した場
合、歯質に対して優れた接着力を示した。これに対し
て、フルオロカーボン基含有重合性単量体を含有してい
ない比較例4の組成物では、接触角は70℃以下であ
り、撥水性は劣り、ターメリックによる着色の度合い
(黄色味)も大きかった。また、親水性重合性単量体
(HEMA)を含有していない比較例5の組成物では、
歯質に対する接着力が低値を示した。二官能性のフルオ
ロカーボン基含有重合性単量体(H12FDM)の代わ
りに、オレフィン性二重結合を一つしか有さないフルオ
ロカーボン基含有重合性単量(8FMA)を使用した場
合、硬化性が著しく悪く、歯質に対して殆ど接着しなか
った。
【0062】実施例9〜12 実施例1において親水性重合性単量体(HEMA)の代
わりに、9G、14G、GM−1又はGM−2を配合し
た組成物をそれぞれ調製した。これらの組成物を用い
て、実施例1の撥水性試験、耐着色試験および接着力試
験に従って、接触角、着色性および歯質接着性を評価
し、結果を表3に示した。
【0063】
【表3】
【0064】表3から明らかなように、実施例1の組成
物のHEMAの代わりに、種々の親水性重合性単量体を
配合した組成物は、いずれも接触角が80°以上の優れ
た撥水性を示し、また、ターメリックによる着色の度合
い(黄色み)も小さかった。更に、これらの組成物を使
用して接着力試験を実施した場合、歯質に対して優れた
接着力を示した。
【0065】実施例13〜15 実施例5においてフルオロカーボン基含有重合性単量体
(H12FDM)の代わりに、FHDDMA、P13F
DM、又はPETMFを配合した組成物をそれぞれ調製
した。これらの組成物を用いて、実施例1の撥水性試
験、耐着色試験および接着力試験に従って、接触角、着
色性および歯質接着性を評価し、結果を表4に示した。
【0066】
【表4】
【0067】表4から明らかなように、実施例5のH1
2FDMの代わりに、種々のオレフィン性二重結合を2
つ以上有するフルオロカーボン基含有重合性単量体を配
合した組成物は、いずれも接触角が80°以上の優れた
撥水性を示し、また、ターメリックによる着色の度合い
(黄色み)も小さかった。更に、これらの組成物を使用
して接着力試験を実施した場合、歯質に対して優れた接
着力を示した。
【0068】実施例16及び17、比較例7及び8 UDMA、Bis−GMA、HD、HEMA、H12F
DM、DPEPA19F、TMDPO、BPO、BHT
及びシラン処理した石英粉末等から組成物Aペーストを
それぞれ調製した。また、UDMA、Bis−GMA、
HD、HEMA、H12FDM、 DPEPA19F、
DEPT、TPSS、BHT、NaF及びバリウムガラ
ス粉末等から組成物Bペーストをそれぞれ調製した。こ
れらの組成物AペーストとBペーストは、使用直前に等
重量部ずつ採取して練和し、その練和ペーストを用いて
実施例1の撥水性試験、耐着色試験および接着力試験に
従って硬化させ、接触角、着色性および歯質接着性を評
価し、結果を表5に示した。
【0069】
【表5】
【0070】表5から明らかなように、親水性重合性単
量体(HEMA)、多官能性のフルオロカーボン基含有
重合性単量体(H12FDM又はDPEPA19F)及
び重合開始剤を含有する実施例16及び17の組成物
は、接触角が80°以上の優れた撥水性を示し、ターメ
リックによる着色の度合い(黄色み)も小さかった。ま
た、歯質に対して優れた接着力を示した。これに対し
て、フルオロカーボン基含有重合性単量体を含有してい
ない比較例7の組成物では、撥水性は劣り、ターメリッ
クによる着色の度合い(黄色み)も大きかった。また、
親水性重合性単量体(HEMA)が配合されていない比
較例7及び比較例8の組成物では、歯質に対する接着力
が低かった。
【0071】試験例 ポリエステルフィルムの上にテフロン製の型を置き、型
の中に実施例17又は比較例8の組成物を充填し、その
上にポリエステルフィルムを被せて、ガラス板で圧接し
た後、光照射器(α−ライト;モリタ製)にて3分間光
照射して、直径1.5cm、厚さ1mmの円盤状の硬化
物を作製した。これら硬化物を37℃のリン酸緩衝液
(pH7.0)4mlに14日間浸漬し、円盤状硬化物
からのフッ素イオン放出量を定量した。その結果、いず
れの硬化物も撥水性に優れていたが、 HEMAを配合
した実施例17の組成物の硬化物からは、予想以上にフ
ッ素イオンが放出され、その放出量は205μg/gで
あった。これに対して、HEMAが配合されていない比
較例8の組成物の硬化物からは、154μg/gのフッ
素イオンが放出され、実施例17の組成物よりも明らか
に少なかった。
【0072】
【発明の効果】本発明の歯科用組成物は、硬化性に優れ
るので短時間で重合硬化せしめることが可能であり、ま
た、優れた撥水性及び耐着色性を示しながらも、歯質や
接着剤とのなじみが良く、高い接着力を得ることのでき
る。従って、優れた歯質接着性と耐汚染性の両方の特性
を必要とする歯の矯正用セメント、歯のマニキュア、歯
面コート材、フィッシャーシーラント、充填材等の歯科
用組成物として、非常に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性重合性単量体(a)、フルオロカ
    ーボン基を有し、かつ分子内に2つ以上のオレフィン性
    二重結合を有する重合性単量体(b)および重合開始剤
    (c)を含有することを特徴とする歯科用組成物。
  2. 【請求項2】 更に疎水性重合性単量体(d)を含有す
    る請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 【請求項3】 更にフィラー(e)を含有する請求項1
    又は2に記載の歯科用組成物。
  4. 【請求項4】 更にフッ素イオン放出性物質(f)を含
    有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用組成
    物。
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