JP2002323037A - 流体軸受装置 - Google Patents
流体軸受装置Info
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- JP2002323037A JP2002323037A JP2001128516A JP2001128516A JP2002323037A JP 2002323037 A JP2002323037 A JP 2002323037A JP 2001128516 A JP2001128516 A JP 2001128516A JP 2001128516 A JP2001128516 A JP 2001128516A JP 2002323037 A JP2002323037 A JP 2002323037A
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- Japan
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- lubricant
- bearing
- film
- fluorine
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- Motor Or Generator Frames (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 軸受の焼き付きや潤滑剤の漏洩を低減して安
定した回転を実現できる流体軸受装置を提供する。 【解決手段】 軸2とこの軸2によって回転自在に支持
された軸受体との間に潤滑剤10を充填する。潤滑剤1
0と接するハブ5の内面に軸受体の磨耗を抑制する皮膜
12aを形成する。潤滑剤10にはフッ素系潤滑剤を用
い、このフッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜12aの臨界
表面張力との差を5mN/m以下とする。
定した回転を実現できる流体軸受装置を提供する。 【解決手段】 軸2とこの軸2によって回転自在に支持
された軸受体との間に潤滑剤10を充填する。潤滑剤1
0と接するハブ5の内面に軸受体の磨耗を抑制する皮膜
12aを形成する。潤滑剤10にはフッ素系潤滑剤を用
い、このフッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜12aの臨界
表面張力との差を5mN/m以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
のスピンドルモータなどに用いられる動圧型の流体軸受
装置に関するものである。
のスピンドルモータなどに用いられる動圧型の流体軸受
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の流体軸受装置を図4に示す。外周
面に動圧発生溝4a,4bが形成された固定軸2の一端
がベース1に圧入され、他端にはスラストプレート3が
固定されて軸部が形成されている。磁気ディスク等を取
り付ける為のハブ6の内周面にはスリーブ5が圧入され
ており、このスリーブ5の一端にスラストフランジ11
が取り付けられて軸受体が形成されている。そして、ス
ラストフランジ11とスラストプレート3とが対向する
ように固定軸2にスリーブ5が装着され、軸部と軸受体
との間隙に潤滑剤10が充填される。
面に動圧発生溝4a,4bが形成された固定軸2の一端
がベース1に圧入され、他端にはスラストプレート3が
固定されて軸部が形成されている。磁気ディスク等を取
り付ける為のハブ6の内周面にはスリーブ5が圧入され
ており、このスリーブ5の一端にスラストフランジ11
が取り付けられて軸受体が形成されている。そして、ス
ラストフランジ11とスラストプレート3とが対向する
ように固定軸2にスリーブ5が装着され、軸部と軸受体
との間隙に潤滑剤10が充填される。
【0003】ベース1に形成された壁1aにはステータ
コイル9が設けられ、ステータコイル9と対向するハブ
6の内周面にはロータヨーク8を介してロータマグネッ
ト7が取り付けられて、モータ駆動部が構成される。
コイル9が設けられ、ステータコイル9と対向するハブ
6の内周面にはロータヨーク8を介してロータマグネッ
ト7が取り付けられて、モータ駆動部が構成される。
【0004】このモータ駆動部によりスリーブ5及びハ
ブ6が回転駆動すると、固定軸2に形成された動圧発生
溝4a,4bのポンピング作用により潤滑剤10に動圧
が発生し、軸受体が軸部から浮上して、軸部と軸受体と
が非接触で回転自在に支持される。
ブ6が回転駆動すると、固定軸2に形成された動圧発生
溝4a,4bのポンピング作用により潤滑剤10に動圧
が発生し、軸受体が軸部から浮上して、軸部と軸受体と
が非接触で回転自在に支持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た流体軸受装置において、固定軸2とスリーブ5の内周
面との間隙、スリーブ5とスラストフランジ11および
スラストプレート3との間隙に充填される潤滑剤10に
は、近年の軸受の高速回転化に伴う摩擦熱やモータ部の
発熱の増大によって、耐熱性や化学安定性の高いフッ素
系潤滑剤を使用することが望まれている。
た流体軸受装置において、固定軸2とスリーブ5の内周
面との間隙、スリーブ5とスラストフランジ11および
スラストプレート3との間隙に充填される潤滑剤10に
は、近年の軸受の高速回転化に伴う摩擦熱やモータ部の
発熱の増大によって、耐熱性や化学安定性の高いフッ素
系潤滑剤を使用することが望まれている。
【0006】しかし、フッ素系潤滑剤は、軸受表面への
吸着性や反応性に乏しく、境界潤滑性が低いという性質
を有している。そのため、十分な動圧が発生しない回転
の起動時や停止時に、スリーブ5及びスラストフランジ
11が固定軸2及びスラストプレート3と接触して摩耗
しやすく、軸受の回転精度が低下するという課題があっ
た。
吸着性や反応性に乏しく、境界潤滑性が低いという性質
を有している。そのため、十分な動圧が発生しない回転
の起動時や停止時に、スリーブ5及びスラストフランジ
11が固定軸2及びスラストプレート3と接触して摩耗
しやすく、軸受の回転精度が低下するという課題があっ
た。
【0007】そこで特公平8−30490号公報には、
軸受体の内面にポリフルオロアルキル重合体やフルオロ
ポリエーテル重合体などのフッ素系皮膜を形成して、軸
部および軸受体の摩耗を低減する方法が提案されてい
る。
軸受体の内面にポリフルオロアルキル重合体やフルオロ
ポリエーテル重合体などのフッ素系皮膜を形成して、軸
部および軸受体の摩耗を低減する方法が提案されてい
る。
【0008】しかし、低い表面エネルギーを持つフッ素
系皮膜は潤滑剤をはじきやすいため、軸受を組み立てる
際に軸部と軸受体との間隙に潤滑剤10を注入すること
が困難であり、潤滑剤10の注入量にばらつきが発生し
て軸受性能が安定しないという問題がある。
系皮膜は潤滑剤をはじきやすいため、軸受を組み立てる
際に軸部と軸受体との間隙に潤滑剤10を注入すること
が困難であり、潤滑剤10の注入量にばらつきが発生し
て軸受性能が安定しないという問題がある。
【0009】また、この流体軸受装置を回転させると、
皮膜と潤滑剤の濡れ性が低いため油膜切れによる軸受の
焼き付きを引き起こしたり、軸受の内部に気泡が発生し
て、この気泡の熱膨張等により潤滑剤が軸受から漏洩し
やすくなる恐れがある。
皮膜と潤滑剤の濡れ性が低いため油膜切れによる軸受の
焼き付きを引き起こしたり、軸受の内部に気泡が発生し
て、この気泡の熱膨張等により潤滑剤が軸受から漏洩し
やすくなる恐れがある。
【0010】本発明は前記問題点を解決し、軸受の焼き
付きや潤滑剤の漏洩を低減して安定した回転を実現でき
る流体軸受装置を提供することを目的とする。
付きや潤滑剤の漏洩を低減して安定した回転を実現でき
る流体軸受装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の流体軸受装置
は、フッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜の臨界表面張力の
差を適正な範囲に設定したことを特徴とする。
は、フッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜の臨界表面張力の
差を適正な範囲に設定したことを特徴とする。
【0012】この本発明によると、皮膜と潤滑剤の濡れ
性が向上するため軸受内部に潤滑剤を均一に充填でき、
軸受の焼き付きや潤滑剤の軸受からの漏洩を低減して安
定した回転を行え、信頼性の高い流体軸受装置を実現で
きる。
性が向上するため軸受内部に潤滑剤を均一に充填でき、
軸受の焼き付きや潤滑剤の軸受からの漏洩を低減して安
定した回転を行え、信頼性の高い流体軸受装置を実現で
きる。
【0013】また、本発明の流体軸受装置は、皮膜の臨
界表面張力を潤滑剤の気液界面側よりも軸受の内部側を
高くするよう設定したことを特徴とする。この本発明に
よると、潤滑剤が軸受内部に引き付けられるため潤滑剤
の軸受からの漏洩を低減できる。
界表面張力を潤滑剤の気液界面側よりも軸受の内部側を
高くするよう設定したことを特徴とする。この本発明に
よると、潤滑剤が軸受内部に引き付けられるため潤滑剤
の軸受からの漏洩を低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の流体軸受
装置は、一方が他方に対して回転自在に支持された軸部
と軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する
前記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一
方の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を
形成した流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系
潤滑剤であり、前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮
膜の臨界表面張力との差が5mN/m以下であることを
特徴とする。
装置は、一方が他方に対して回転自在に支持された軸部
と軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する
前記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一
方の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を
形成した流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系
潤滑剤であり、前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮
膜の臨界表面張力との差が5mN/m以下であることを
特徴とする。
【0015】この構成によると、フッ素系潤滑剤の表面
張力と皮膜の臨界表面表力との差を適正な範囲とするこ
とで潤滑剤と皮膜との濡れ性を向上し、軸部と軸受体と
の間の微小な隙間への潤滑剤の注入量が一定となって軸
受性能が安定するだけでなく、回転時には、皮膜と潤滑
剤の界面での気泡の発生を低減でき、油膜切れによる軸
受の焼き付きや気泡の熱膨張などによる潤滑剤の漏洩を
低減できる。
張力と皮膜の臨界表面表力との差を適正な範囲とするこ
とで潤滑剤と皮膜との濡れ性を向上し、軸部と軸受体と
の間の微小な隙間への潤滑剤の注入量が一定となって軸
受性能が安定するだけでなく、回転時には、皮膜と潤滑
剤の界面での気泡の発生を低減でき、油膜切れによる軸
受の焼き付きや気泡の熱膨張などによる潤滑剤の漏洩を
低減できる。
【0016】本発明の請求項2記載の流体軸受装置は、
一方が他方に対して回転自在に支持された軸部と軸受体
との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する前記軸部
の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一方の面に
前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を形成した
流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤で
あり、前記フッ素系潤滑剤の気液界面付近に形成された
皮膜の臨界表面張力よりも軸受の内部側に形成された皮
膜の臨界表面張力が大きいことを特徴とする。
一方が他方に対して回転自在に支持された軸部と軸受体
との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する前記軸部
の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一方の面に
前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を形成した
流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤で
あり、前記フッ素系潤滑剤の気液界面付近に形成された
皮膜の臨界表面張力よりも軸受の内部側に形成された皮
膜の臨界表面張力が大きいことを特徴とする。
【0017】この構成によると、潤滑剤は相対的に皮膜
の表面エネルギー即ち臨界表面張力が大きい軸受内部の
方向へ引きつけられるため、軸受からの潤滑剤の漏洩を
低減できる。
の表面エネルギー即ち臨界表面張力が大きい軸受内部の
方向へ引きつけられるため、軸受からの潤滑剤の漏洩を
低減できる。
【0018】本発明の請求項3記載の流体軸受装置は、
一方が他方に対して回転自在に支持された軸部と軸受体
との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する前記軸部
の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一方の面に
前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を形成した
流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤で
あり、前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮膜の臨界
表面張力との差が5mN/m以下であり、前記フッ素系
潤滑剤の気液界面付近に形成された皮膜の臨界表面張力
よりも軸受の内部側に形成された皮膜の臨界表面張力が
大きいことを特徴とする。
一方が他方に対して回転自在に支持された軸部と軸受体
との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する前記軸部
の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一方の面に
前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を形成した
流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤で
あり、前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮膜の臨界
表面張力との差が5mN/m以下であり、前記フッ素系
潤滑剤の気液界面付近に形成された皮膜の臨界表面張力
よりも軸受の内部側に形成された皮膜の臨界表面張力が
大きいことを特徴とする。
【0019】この構成によると、皮膜と潤滑剤との濡れ
性がよくなり、油膜切れによる軸受の焼き付き防止や気
泡の熱膨張などによる潤滑剤の漏洩をより確実に低減で
きる。
性がよくなり、油膜切れによる軸受の焼き付き防止や気
泡の熱膨張などによる潤滑剤の漏洩をより確実に低減で
きる。
【0020】本発明の請求項4記載の流体軸受装置は、
請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記皮
膜がフッ素含有物であることを特徴とする。この構成に
よると、フッ素含有物である皮膜は、フッ素系潤滑剤と
同種類の化合物であるため親和力による吸着作用によっ
て潤滑剤を保持しやすく、また低摩擦特性を有するため
潤滑性を向上できる。
請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記皮
膜がフッ素含有物であることを特徴とする。この構成に
よると、フッ素含有物である皮膜は、フッ素系潤滑剤と
同種類の化合物であるため親和力による吸着作用によっ
て潤滑剤を保持しやすく、また低摩擦特性を有するため
潤滑性を向上できる。
【0021】本発明の請求項5記載の流体軸受装置は、
請求項4において、前記フッ素含有物が樹脂であること
を特徴とする。この構成によると、樹脂皮膜は、樹脂成
分を溶解させたコーティング液を塗布、乾燥させること
などにより形成されるため、形成時に高温となる金属や
セラミックスなどより軸受母材の熱による寸法変化も小
さく寸法安定性に優れ、かつ低コストで実現できる。
請求項4において、前記フッ素含有物が樹脂であること
を特徴とする。この構成によると、樹脂皮膜は、樹脂成
分を溶解させたコーティング液を塗布、乾燥させること
などにより形成されるため、形成時に高温となる金属や
セラミックスなどより軸受母材の熱による寸法変化も小
さく寸法安定性に優れ、かつ低コストで実現できる。
【0022】本発明の請求項6記載の流体軸受装置は、
請求項1から請求項3のいずれかにおいて、前記フッ素
系潤滑剤が、パーフルオロポリエーテルまたはパーフル
オロポリエーテル誘導体の少なくとも一方を含むことを
特徴とする。
請求項1から請求項3のいずれかにおいて、前記フッ素
系潤滑剤が、パーフルオロポリエーテルまたはパーフル
オロポリエーテル誘導体の少なくとも一方を含むことを
特徴とする。
【0023】この構成によると、これらはフッ素系潤滑
剤の中でもより耐熱性、化学安定性に優れ、動粘度の温
度変化が小さい特性を有するため、高温域での使用に耐
え、温度によるトルク変動の小さな流体軸受装置が実現
できる。
剤の中でもより耐熱性、化学安定性に優れ、動粘度の温
度変化が小さい特性を有するため、高温域での使用に耐
え、温度によるトルク変動の小さな流体軸受装置が実現
できる。
【0024】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図3
を用いて説明する。なお、従来例を示す図4と同様の構
成をなすものについては同一の符号を用いて説明する。
を用いて説明する。なお、従来例を示す図4と同様の構
成をなすものについては同一の符号を用いて説明する。
【0025】(実施の形態1)図1と図2は、本発明の
実施の形態1を示す。図1に示すように、図4と同様に
構成された流体軸受装置において、潤滑剤10には、高
速回転にも対応できるよう耐熱性や化学安定性の高いフ
ッ素系潤滑剤が使用されている。また、このフッ素系潤
滑剤は軸受表面への吸着性や反応性に乏しく、境界潤滑
性が低いため、軸部および軸受体の摩耗を低減するよう
スリーブ5の内面には、皮膜12aが形成されている。
実施の形態1を示す。図1に示すように、図4と同様に
構成された流体軸受装置において、潤滑剤10には、高
速回転にも対応できるよう耐熱性や化学安定性の高いフ
ッ素系潤滑剤が使用されている。また、このフッ素系潤
滑剤は軸受表面への吸着性や反応性に乏しく、境界潤滑
性が低いため、軸部および軸受体の摩耗を低減するよう
スリーブ5の内面には、皮膜12aが形成されている。
【0026】この実施の形態1では、皮膜12aと潤滑
剤10の濡れ性の向上を図るために、皮膜12aの濡れ
性の指標として固有の物性である臨界表面張力に着目
し、潤滑剤10の表面張力と皮膜12aの臨界表面張力
の差を適正値に設定した点で上記従来例とは異なる。
剤10の濡れ性の向上を図るために、皮膜12aの濡れ
性の指標として固有の物性である臨界表面張力に着目
し、潤滑剤10の表面張力と皮膜12aの臨界表面張力
の差を適正値に設定した点で上記従来例とは異なる。
【0027】ここで、皮膜12aの濡れ性の指標として
臨界表面張力が用いられているのは、一般に、固液界面
において固体の表面エネルギー即ち臨界表面張力が液体
の表面張力より小さい場合に、固体は液体に濡れにくい
性質を持ち、固体の表面張力は測定が困難なためであ
る。なお、臨界表面張力は、固体面上で有機液体化合物
の同族列が示す接触角をθ、その液体の表面張力をγと
すると、cosθとγの関係は直線関係が得られ、その時
のθ=0即ちcosθ=1に相当するγの値となる。
臨界表面張力が用いられているのは、一般に、固液界面
において固体の表面エネルギー即ち臨界表面張力が液体
の表面張力より小さい場合に、固体は液体に濡れにくい
性質を持ち、固体の表面張力は測定が困難なためであ
る。なお、臨界表面張力は、固体面上で有機液体化合物
の同族列が示す接触角をθ、その液体の表面張力をγと
すると、cosθとγの関係は直線関係が得られ、その時
のθ=0即ちcosθ=1に相当するγの値となる。
【0028】潤滑剤10の表面張力と皮膜12aの臨界
表面張力との関係を調べるために、皮膜12aの上に一
定量のフッ素系の潤滑剤10を滴下し、一定時間が経過
した時の潤滑剤10と皮膜12aの接触角と、フッ素系
潤滑剤10の表面張力と皮膜12aの臨界表面張力との
差を20℃雰囲気下で測定した。潤滑剤10にはフッ素
系潤滑剤を用い、皮膜12aにはフッ素系皮膜を用い
た。
表面張力との関係を調べるために、皮膜12aの上に一
定量のフッ素系の潤滑剤10を滴下し、一定時間が経過
した時の潤滑剤10と皮膜12aの接触角と、フッ素系
潤滑剤10の表面張力と皮膜12aの臨界表面張力との
差を20℃雰囲気下で測定した。潤滑剤10にはフッ素
系潤滑剤を用い、皮膜12aにはフッ素系皮膜を用い
た。
【0029】得られた測定結果を図2に示す。グラフか
ら明らかなように、フッ素系潤滑剤の表面張力とフッ素
系皮膜の臨界表面張力との差が5mN/mより大きいと
潤滑剤10は皮膜12aにはじかれ、フッ素系潤滑剤の
表面張力とフッ素系皮膜の臨界表面張力との差が大きい
ほど高い接触角を示す傾向となった。一方、両者の差が
5mN/m以下となると、潤滑剤10は濡れ広がり、接
触角を示さなくなった。また、ここでは図示されていな
いが、皮膜12aの臨界表面張力が潤滑剤10の表面張
力よりも大きい場合、すなわちフッ素系潤滑剤の表面張
力とフッ素系皮膜の臨界表面張力との差がマイナスとな
る場合にも潤滑剤10は濡れ広がり、接触角を示さなか
った。
ら明らかなように、フッ素系潤滑剤の表面張力とフッ素
系皮膜の臨界表面張力との差が5mN/mより大きいと
潤滑剤10は皮膜12aにはじかれ、フッ素系潤滑剤の
表面張力とフッ素系皮膜の臨界表面張力との差が大きい
ほど高い接触角を示す傾向となった。一方、両者の差が
5mN/m以下となると、潤滑剤10は濡れ広がり、接
触角を示さなくなった。また、ここでは図示されていな
いが、皮膜12aの臨界表面張力が潤滑剤10の表面張
力よりも大きい場合、すなわちフッ素系潤滑剤の表面張
力とフッ素系皮膜の臨界表面張力との差がマイナスとな
る場合にも潤滑剤10は濡れ広がり、接触角を示さなか
った。
【0030】なお、フッ素系以外の皮膜12a、例えば
シリコーン系についても同様の傾向が得られた。そこ
で、フッ素系潤滑剤として20℃の表面張力が23mN
/mのパーフルオロポリエーテルを用い、皮膜12aを
臨界表面張力が19mN/mの市販のフッ素系樹脂にて
形成し、図1に示す流体軸受装置を作成したところ、フ
ッ素系潤滑剤10は皮膜12aとなるフッ素系樹脂の上
で十分に濡れ広がり、軸受内に充填する際には、皮膜1
2aにはじかれることなく、また軸受内に気泡の発生な
どを生じることなく規定量の潤滑剤10を充填できた。
シリコーン系についても同様の傾向が得られた。そこ
で、フッ素系潤滑剤として20℃の表面張力が23mN
/mのパーフルオロポリエーテルを用い、皮膜12aを
臨界表面張力が19mN/mの市販のフッ素系樹脂にて
形成し、図1に示す流体軸受装置を作成したところ、フ
ッ素系潤滑剤10は皮膜12aとなるフッ素系樹脂の上
で十分に濡れ広がり、軸受内に充填する際には、皮膜1
2aにはじかれることなく、また軸受内に気泡の発生な
どを生じることなく規定量の潤滑剤10を充填できた。
【0031】また、この流体軸受装置を搭載したモータ
を高温環境下にて連続回転させたところ、安定した性能
が得られ、軸受の焼き付きや潤滑剤の漏洩も確認されな
かった。
を高温環境下にて連続回転させたところ、安定した性能
が得られ、軸受の焼き付きや潤滑剤の漏洩も確認されな
かった。
【0032】この実施の形態1で使用される皮膜12a
としては、軸受の摩耗を低減できる材料であれば特に限
定されるものではなく、金属含有物、セラミックス、炭
素材料、樹脂など種類に関わらず、潤滑性、摩耗性、耐
熱性、硬度、導電性、コスト等を考慮して便宜選択でき
る。中でも、フッ素系潤滑剤と親和性を持たせ、吸着作
用によって軸受内に潤滑剤10を保持しやすくするため
には、フッ素元素を含むフッ素含有物が好ましく、中で
もフッ素系樹脂がより好ましい。
としては、軸受の摩耗を低減できる材料であれば特に限
定されるものではなく、金属含有物、セラミックス、炭
素材料、樹脂など種類に関わらず、潤滑性、摩耗性、耐
熱性、硬度、導電性、コスト等を考慮して便宜選択でき
る。中でも、フッ素系潤滑剤と親和性を持たせ、吸着作
用によって軸受内に潤滑剤10を保持しやすくするため
には、フッ素元素を含むフッ素含有物が好ましく、中で
もフッ素系樹脂がより好ましい。
【0033】フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF)ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げら
れ、その一部は水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イ
ソシアネート基、エポキシ基などの官能基で置換されて
いてもよく、これらを単独もしくは混合もしくは共重合
させて用いることができる。また、市販品として、住友
スリーエム社製フロラードFCやサカタインクス社製の
スミフルノンFP、旭ガラス社製のサイトップなどのフ
ッ素化合物であれば同様の効果が得られる。
ロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF)ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げら
れ、その一部は水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イ
ソシアネート基、エポキシ基などの官能基で置換されて
いてもよく、これらを単独もしくは混合もしくは共重合
させて用いることができる。また、市販品として、住友
スリーエム社製フロラードFCやサカタインクス社製の
スミフルノンFP、旭ガラス社製のサイトップなどのフ
ッ素化合物であれば同様の効果が得られる。
【0034】これらのフッ素系樹脂からなる皮膜12a
は、フッ素系樹脂を溶解あるいは分散したコーティング
液を皮膜12aの形成面に塗布した後、常温もしくは加
熱により乾燥するだけで容易に形成でき、比較的低温で
の膜形成が行えるため、金属やセラミックスなどのよう
に形成時に高温となるものよりも軸受母材の熱による寸
法変化が小さく寸法安定性に優れ、しかも低コストでの
実現が可能となるため、好適に使用できる。コーティン
グ液の塗布方法は、スピンコート、ディツプコート、ス
プレーコート、転写コート、ポッティングコート、刷毛
塗りなど、部材の大きさや形状に応じて任意に選択でき
る。
は、フッ素系樹脂を溶解あるいは分散したコーティング
液を皮膜12aの形成面に塗布した後、常温もしくは加
熱により乾燥するだけで容易に形成でき、比較的低温で
の膜形成が行えるため、金属やセラミックスなどのよう
に形成時に高温となるものよりも軸受母材の熱による寸
法変化が小さく寸法安定性に優れ、しかも低コストでの
実現が可能となるため、好適に使用できる。コーティン
グ液の塗布方法は、スピンコート、ディツプコート、ス
プレーコート、転写コート、ポッティングコート、刷毛
塗りなど、部材の大きさや形状に応じて任意に選択でき
る。
【0035】なお、皮膜12aをフッ素元素を含有しな
い樹脂にて形成する場合には、樹脂にて皮膜を形成した
後、フッ素化プラズマ処理、フッ素イオン注入などして
フッ素化してもよいが、コスト面からフッ素系樹脂を使
用することが好ましい。なお、皮膜の濡れ性をあげるた
め、フッ素系樹脂を形成後プラズマ処理やコロナ処理な
どの表面改質処理を行ってもよい。
い樹脂にて形成する場合には、樹脂にて皮膜を形成した
後、フッ素化プラズマ処理、フッ素イオン注入などして
フッ素化してもよいが、コスト面からフッ素系樹脂を使
用することが好ましい。なお、皮膜の濡れ性をあげるた
め、フッ素系樹脂を形成後プラズマ処理やコロナ処理な
どの表面改質処理を行ってもよい。
【0036】フッ素系潤滑剤としては、パーフルオロポ
リエーテル、パーフルオロポリエーテル誘導体、フルオ
ロエステルなどが挙げられ、中でも、耐熱性がよく、動
粘度の温度変化が小さいパーフルオロポリエーテルまた
はそれらの誘導体が好適に使用できる。パーフルオロポ
リエーテルの市販品として、アウジモント社製のフォン
ブリンY,M,Z、ダイキン工業社製のデムナムSなど
が用いられる。また、その一部を水酸基、カルボキシル
基、イソシアネート基、エステル基などの官能基で変成
させた誘導体を単独、混合して用いることができる。な
お、潤滑剤10はその表面張力により軸受に保持されて
いるため、表面張力が高い方が軸受からの漏れや滲みを
防ぐには望ましい。また、潤滑剤10の性能向上や補完
を目的として、その特性を損なわない程度であれば、極
圧剤、防錆剤、帯電付与剤など市販の添加剤を任意の組
み合わせで添加しても良い。
リエーテル、パーフルオロポリエーテル誘導体、フルオ
ロエステルなどが挙げられ、中でも、耐熱性がよく、動
粘度の温度変化が小さいパーフルオロポリエーテルまた
はそれらの誘導体が好適に使用できる。パーフルオロポ
リエーテルの市販品として、アウジモント社製のフォン
ブリンY,M,Z、ダイキン工業社製のデムナムSなど
が用いられる。また、その一部を水酸基、カルボキシル
基、イソシアネート基、エステル基などの官能基で変成
させた誘導体を単独、混合して用いることができる。な
お、潤滑剤10はその表面張力により軸受に保持されて
いるため、表面張力が高い方が軸受からの漏れや滲みを
防ぐには望ましい。また、潤滑剤10の性能向上や補完
を目的として、その特性を損なわない程度であれば、極
圧剤、防錆剤、帯電付与剤など市販の添加剤を任意の組
み合わせで添加しても良い。
【0037】このように、潤滑剤10としてフッ素系潤
滑剤を用い、このフッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜12
aの臨界表面張力との差を5mN/m以下に設定するこ
とで、潤滑剤10と皮膜12aとの濡れ性が向上し、軸
受を組み立てる際に軸部と軸受体との間隙に潤滑剤10
を容易にしかも均一に注入でき、安定した軸受性能が得
られる。また、油膜切れによる軸受の焼き付きを低減で
き、回転時には軸受の内部に気泡が発生しにくくなるた
め気泡の熱膨張等による潤滑剤の軸受からの漏洩を低減
でき、信頼性の高い軸受装置が実現できる。
滑剤を用い、このフッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜12
aの臨界表面張力との差を5mN/m以下に設定するこ
とで、潤滑剤10と皮膜12aとの濡れ性が向上し、軸
受を組み立てる際に軸部と軸受体との間隙に潤滑剤10
を容易にしかも均一に注入でき、安定した軸受性能が得
られる。また、油膜切れによる軸受の焼き付きを低減で
き、回転時には軸受の内部に気泡が発生しにくくなるた
め気泡の熱膨張等による潤滑剤の軸受からの漏洩を低減
でき、信頼性の高い軸受装置が実現できる。
【0038】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の
形態2を示す。この実施の形態2では、軸受内の3箇所
にそれぞれ臨界表面張力の異なる皮膜を形成した点で、
上記実施の形態とは異なる。
形態2を示す。この実施の形態2では、軸受内の3箇所
にそれぞれ臨界表面張力の異なる皮膜を形成した点で、
上記実施の形態とは異なる。
【0039】具体的には、図1と同様に構成された流体
軸受装置において、潤滑剤10と接するスリーブ5の内
周面に皮膜12aが形成され、スラストフランジ11の
表面に皮膜12bが形成され、固定軸2の表面に皮膜1
2cが形成されている。皮膜12aと皮膜12cは臨界
表面張力19mN/mのフッ素系樹脂からなり、皮膜1
2bは臨界表面張力25mN/mのフッ素系樹脂からな
る。フッ素系潤滑剤10aはパーフルオロポリエーテル
とパーフルオロポリエーテル誘導体の混合物であり、2
0℃の表面張力は21mN/mである。
軸受装置において、潤滑剤10と接するスリーブ5の内
周面に皮膜12aが形成され、スラストフランジ11の
表面に皮膜12bが形成され、固定軸2の表面に皮膜1
2cが形成されている。皮膜12aと皮膜12cは臨界
表面張力19mN/mのフッ素系樹脂からなり、皮膜1
2bは臨界表面張力25mN/mのフッ素系樹脂からな
る。フッ素系潤滑剤10aはパーフルオロポリエーテル
とパーフルオロポリエーテル誘導体の混合物であり、2
0℃の表面張力は21mN/mである。
【0040】このような構成によっても、上記実施の形
態と同様にフッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜12aの臨
界表面張力との差が5mN/m以下に設定されているた
め、フッ素系潤滑剤はフッ素系樹脂の上で十分に濡れ広
がり、油膜切れによる軸受の焼き付きを低減でき、気泡
の熱膨張等による潤滑剤の軸受からの漏洩を低減でき
る。
態と同様にフッ素系潤滑剤の表面張力と皮膜12aの臨
界表面張力との差が5mN/m以下に設定されているた
め、フッ素系潤滑剤はフッ素系樹脂の上で十分に濡れ広
がり、油膜切れによる軸受の焼き付きを低減でき、気泡
の熱膨張等による潤滑剤の軸受からの漏洩を低減でき
る。
【0041】また、フッ素系潤滑剤の気液界面側に形成
された皮膜12a,12cの臨界表面張力よりも軸受の
内部側に形成された皮膜12bの臨界表面張力が高く設
定されているため、潤滑剤10はエネルギー値の高い皮
膜12bの側へ引きつけられ、よりスムーズで、確実な
潤滑剤10の充填が可能となる。
された皮膜12a,12cの臨界表面張力よりも軸受の
内部側に形成された皮膜12bの臨界表面張力が高く設
定されているため、潤滑剤10はエネルギー値の高い皮
膜12bの側へ引きつけられ、よりスムーズで、確実な
潤滑剤10の充填が可能となる。
【0042】このように構成された流体軸受装置のモー
タを高温環境下にて、連続回転させたところ、消費電流
や回転精度など安定した性能が得られ、軸受の焼き付き
や潤滑剤の漏洩も確認されなかった。
タを高温環境下にて、連続回転させたところ、消費電流
や回転精度など安定した性能が得られ、軸受の焼き付き
や潤滑剤の漏洩も確認されなかった。
【0043】なお、上記説明では、皮膜を軸部と軸受体
の両方の側に設けたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、性能やコストに応じて単数あるいは複数設け
てもよい。また、その形成場所も特に限定されるもので
はない。
の両方の側に設けたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、性能やコストに応じて単数あるいは複数設け
てもよい。また、その形成場所も特に限定されるもので
はない。
【0044】また、上記説明では軸部に形成された皮膜
12cと軸受体に形成された皮膜12a,12bにおい
て、皮膜12aと皮膜12bの臨界表面張力に差を設け
たが、軸部のみあるいは軸受体のみに皮膜を形成し、こ
の皮膜の臨界表面張力が潤滑剤10の気液界面側よりも
軸受の内部側で大きくなるよう構成してもよい。あるい
は、軸部に形成した皮膜と軸受体に形成した皮膜に臨界
表面張力の差をつけてもよい。
12cと軸受体に形成された皮膜12a,12bにおい
て、皮膜12aと皮膜12bの臨界表面張力に差を設け
たが、軸部のみあるいは軸受体のみに皮膜を形成し、こ
の皮膜の臨界表面張力が潤滑剤10の気液界面側よりも
軸受の内部側で大きくなるよう構成してもよい。あるい
は、軸部に形成した皮膜と軸受体に形成した皮膜に臨界
表面張力の差をつけてもよい。
【0045】なお、上記各実施の形態では、軸部2の基
端部をベース1に固定した軸固定型の流体軸受装置を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、軸部2の両端を固定したものや、軸回転型の流
体軸受装置や、スリーブの内径穴を両側開放させたも
の、スラスト方向にピポット軸受が形成されたものなど
に適用しても同様の効果が得られる。
端部をベース1に固定した軸固定型の流体軸受装置を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、軸部2の両端を固定したものや、軸回転型の流
体軸受装置や、スリーブの内径穴を両側開放させたも
の、スラスト方向にピポット軸受が形成されたものなど
に適用しても同様の効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明の流体軸受装置によ
ると、一方が他方に対して回転自在に支持された軸部と
軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する前
記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一方
の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を形
成した流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系潤
滑剤であり、前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮膜
の臨界表面張力との差を5mN/m以下とすることで、
潤滑剤と皮膜との濡れ性が向上し、軸部と軸受体との間
の微小な隙間への潤滑剤の注入量が一定となって軸受性
能が安定するだけでなく、回転時には、油膜切れによる
軸受の焼き付きを低減でき、皮膜と潤滑剤の界面での気
泡の発生を低減できるため気泡の熱膨張などによる潤滑
剤の漏洩を低減できる。
ると、一方が他方に対して回転自在に支持された軸部と
軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接する前
記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくとも一方
の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮膜を形
成した流体軸受装置であって、前記潤滑剤がフッ素系潤
滑剤であり、前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮膜
の臨界表面張力との差を5mN/m以下とすることで、
潤滑剤と皮膜との濡れ性が向上し、軸部と軸受体との間
の微小な隙間への潤滑剤の注入量が一定となって軸受性
能が安定するだけでなく、回転時には、油膜切れによる
軸受の焼き付きを低減でき、皮膜と潤滑剤の界面での気
泡の発生を低減できるため気泡の熱膨張などによる潤滑
剤の漏洩を低減できる。
【0047】また、皮膜を、フッ素系潤滑剤の気液界面
付近に形成された皮膜の臨界表面張力よりも軸受の内部
側に形成された皮膜の臨界表面張力が大きくなるよう形
成することで、潤滑剤は相対的に皮膜の表面エネルギー
即ち臨界表面張力が大きい軸受内部の方向へ引きつけら
れるため、軸受からの潤滑剤の漏洩を低減できる。
付近に形成された皮膜の臨界表面張力よりも軸受の内部
側に形成された皮膜の臨界表面張力が大きくなるよう形
成することで、潤滑剤は相対的に皮膜の表面エネルギー
即ち臨界表面張力が大きい軸受内部の方向へ引きつけら
れるため、軸受からの潤滑剤の漏洩を低減できる。
【図1】本発明の(実施の形態1)における流体軸受装
置の縦断面図
置の縦断面図
【図2】同実施の形態における潤滑剤の表面張力と撥油
膜の臨界表面張力の関係を示す測定図
膜の臨界表面張力の関係を示す測定図
【図3】本発明の(実施の形態2)における流体軸受装
置の縦断面図
置の縦断面図
【図4】従来の流体軸受装置の縦断面図
2 固定軸 4a,4b 動圧発生溝 5 スリーブ 10 潤滑剤 12a〜12c 皮膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/08 H02K 7/08 A // C10N 20:00 C10N 20:00 Z 30:06 30:06 40:02 40:02 50:08 50:08 Fターム(参考) 3J011 BA06 CA02 JA02 KA01 KA04 MA02 QA05 SC04 4H104 CD01A CD02A CD04A EA01A LA03 PA01 QA11 5H605 AA04 BB05 BB14 BB19 CC04 DD05 EB03 EB06 EB15 EB39 5H607 AA04 BB01 BB14 BB17 BB25 CC01 GG03 GG09 GG12 GG15 KK10
Claims (6)
- 【請求項1】一方が他方に対して回転自在に支持された
軸部と軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接
する前記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくと
も一方の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮
膜を形成した流体軸受装置であって、 前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤であり、前記フッ素系潤滑
剤の表面張力と前記皮膜の臨界表面張力との差が5mN
/m以下である流体軸受装置。 - 【請求項2】一方が他方に対して回転自在に支持された
軸部と軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接
する前記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくと
も一方の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮
膜を形成した流体軸受装置であって、 前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤であり、 前記フッ素系潤滑剤の気液界面付近に形成された皮膜の
臨界表面張力よりも軸受の内部側に形成された皮膜の臨
界表面張力が大きい流体軸受装置。 - 【請求項3】一方が他方に対して回転自在に支持された
軸部と軸受体との間に潤滑剤を充填し、前記潤滑剤と接
する前記軸部の外面または前記軸受体の内面の少なくと
も一方の面に前記軸部および軸受体の摩耗を低減する皮
膜を形成した流体軸受装置であって、 前記潤滑剤がフッ素系潤滑剤であり、 前記フッ素系潤滑剤の表面張力と前記皮膜の臨界表面張
力との差が5mN/m以下であり、 前記フッ素系潤滑剤の気液界面付近に形成された皮膜の
臨界表面張力よりも軸受の内部側に形成された皮膜の臨
界表面張力が大きい流体軸受装置。 - 【請求項4】前記皮膜がフッ素含有物である請求項1か
ら請求項3のいずれか1項に記載の流体軸受装置。 - 【請求項5】前記フッ素含有物が樹脂である請求項4に
記載の流体軸受装置。 - 【請求項6】前記フッ素系潤滑剤が、パーフルオロポリ
エーテルまたはパーフルオロポリエーテル誘導体の少な
くとも一方を含む請求項1から請求項3のいずれか1項
に記載の流体軸受装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001128516A JP2002323037A (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | 流体軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001128516A JP2002323037A (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | 流体軸受装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002323037A true JP2002323037A (ja) | 2002-11-08 |
Family
ID=18977192
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001128516A Pending JP2002323037A (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | 流体軸受装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002323037A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002295490A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 流体軸受装置およびこれを用いた磁気ディスク装置 |
| JP2005142326A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-02 | Seiko Epson Corp | コンタクトホールの形成方法、コンタクトホール、液晶パネル、半導体装置および電子機器 |
| JP2005344793A (ja) * | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Nippon Densan Corp | 流体動圧軸受および流体動圧軸受の製造方法、スピンドルモータおよび記録ディスク駆動装置。 |
| US7650697B2 (en) | 2004-06-01 | 2010-01-26 | Nidec Corporation | Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing |
| JP2020158783A (ja) * | 2018-11-26 | 2020-10-01 | 昭和電工株式会社 | 潤滑油組成物の製造方法 |
-
2001
- 2001-04-26 JP JP2001128516A patent/JP2002323037A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002295490A (ja) * | 2001-04-04 | 2002-10-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 流体軸受装置およびこれを用いた磁気ディスク装置 |
| JP2005142326A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-02 | Seiko Epson Corp | コンタクトホールの形成方法、コンタクトホール、液晶パネル、半導体装置および電子機器 |
| JP2005344793A (ja) * | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Nippon Densan Corp | 流体動圧軸受および流体動圧軸受の製造方法、スピンドルモータおよび記録ディスク駆動装置。 |
| US7650697B2 (en) | 2004-06-01 | 2010-01-26 | Nidec Corporation | Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing |
| US8087156B2 (en) | 2004-06-01 | 2012-01-03 | Nidec Corporation | Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing |
| JP2020158783A (ja) * | 2018-11-26 | 2020-10-01 | 昭和電工株式会社 | 潤滑油組成物の製造方法 |
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