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JP2002371258A - 溶剤可溶型結晶性ポリエステル接着剤組成物および積層体並びにフラットケーブル - Google Patents

溶剤可溶型結晶性ポリエステル接着剤組成物および積層体並びにフラットケーブル

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Publication number
JP2002371258A
JP2002371258A JP2001179072A JP2001179072A JP2002371258A JP 2002371258 A JP2002371258 A JP 2002371258A JP 2001179072 A JP2001179072 A JP 2001179072A JP 2001179072 A JP2001179072 A JP 2001179072A JP 2002371258 A JP2002371258 A JP 2002371258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
polyester resin
adhesive
mol
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001179072A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Shiga
健治 志賀
Kazunori Komatsu
和憲 小松
Katsuya Emoto
克也 江本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001179072A priority Critical patent/JP2002371258A/ja
Publication of JP2002371258A publication Critical patent/JP2002371258A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用溶剤に対して溶解性が良好で、高固形分
濃度のワニスで優れた安定性を保持する結晶性ポリエス
テル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を混合させること
により、接着力の経時的な低下はもとより、これまで困
難であった湿熱条件下保存後の接着力の低下を抑えるこ
とができる接着剤組成物を提供する 【解決手段】 ポリエステル樹脂を構成する成分中に脂
環族ジカルボン酸または脂環族ジオールのうち少なくと
も1種以上を含有することを特徴とする溶剤可溶型結晶
性ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)からな
ることを特徴とする接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラスチック
フィルム、木材、紙、皮革、金属等に対する接着性、さ
らには各種アンカーコート剤、樹脂改質剤としても有用
であり、特に、金属とプラスチックフィルムを接着させ
る電気配線部品等の用途には、優れた特性を有すると共
に、汎用溶剤に優れた溶解性を示し、かつ良好な保存安
定性を持つポリエステル樹脂とエポキシ樹脂混合系樹脂
組成物および、これを用いた積層体、フラットケーブル
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系ホットメルト樹脂
は、 無溶剤型であることによる低公害性 固化時間が早いという短時間接着性 比較的広範囲の被着材に接着できる という特性等があり、社会的要請に応える接着剤として
製本、包装、繊維、家電、自動車など種々の産業分野で
の利用と広がりをみせている。例えば、自動車用部品、
家電製品、IT関連製品用部品に対しては、高温多湿条
件、低温条件、局部的に温度上昇が発生する条件等、様
々な厳しい環境で性能を保持し続けなければならないと
いう耐久接着性を必要とする。しかし、ポリエステル系
ホットメルト樹脂として、一般に用いられる結晶性ポリ
エステルは、耐熱性、凝集力に優れ、初期接着性が良好
であるが、一方で、被着体への濡れの不完全、または収
縮時の内部歪みから生じる内部応力により接着力の経時
的な低下、及び湿熱条件下保存後の接着力の低下が見ら
れるという大きな欠点がある。このため、この欠点を改
良した耐湿熱性・結晶性ポリエステル接着剤が求められ
ている。
【0003】これまでのポリエステル系結晶性樹脂は、
この内部応力を低減するため、共重合モノマーの選択、
非晶性樹脂のブレンド等の対策が行われてきている。例
えば、特開昭50−63025号公報には、PET10
0部をトリエチレングリコール40部、または50部で
変性させたポリエステル樹脂に、非晶性樹脂(エポキシ
樹脂)を混合する方法により、接着強度を飛躍的に向上
させる処方が提案されている。この報告に用いられてい
る変性ポリエステルは、PETの結晶性を大きく崩した
非晶性樹脂となるため、溶剤に易溶で、接着性も良好で
あるが、この処方によって、樹脂の耐熱性や、凝集力を
低下させてしまうという問題が残る。
【0004】そこで、耐熱性に優れ、かつ耐湿熱接着性
を兼ね備える接着剤を製造するためには、高い軟化点を
持つ結晶性ポリエステル樹脂が、他の非晶性樹脂(エポ
キシ樹脂等)を容易にブレンドできる特性、つまり汎用
溶剤溶解・安定性を持つことが必要となる。
【0005】結晶性ポリエステルを汎用溶剤に溶解・安
定化させる問題に対して、特開昭53−71138号公
報に示されるようにポリテトラメチレンオキシドグリコ
ールのブロック共重合体を用いる方法が提案されている
が、汎用溶剤であるトルエンには溶解が容易でなく、た
とえ溶解できたとしても接着剤の保存安定性に問題があ
る。また、特開平4−164957号公報に示されるよ
うに結晶性ポリエステル樹脂に溶剤に可溶な非結晶性ポ
リエステル樹脂を溶融混合する方法においては、溶融混
合工程が必要となるため大掛かりな装置を導入しなけれ
ばならないという問題が生じた。
【0006】また、特開平06−184515号公報に
は、溶剤溶解性と保存安定性を向上させた結晶性ポリエ
ステル樹脂が提案されている。これら樹脂について検討
したところ、溶解性、安定性には優れているが、軟化点
が低いために、耐熱性が不足気味で、厳しい条件下での
性能は発現されにくい。また、実際に樹脂を使用する場
合、生産性、コスト等の観点を考慮すると、ワニスに対
する樹脂の固形分濃度を高めておくことが必要となる
が、実用上問題が生じないレベルでの溶液安定性を可能
にすることは、非常に難しい。さらに、この樹脂を用い
て、湿熱条件下保存後に接着性を確認したところ、接着
力の経時的な低下、及び湿熱条件下保存後の接着力の低
下するという大きな欠点が見られた。
【0007】つまり、高い耐熱性を持ち、かつ汎用溶剤
に対して溶解性・安定性が良好であり、高固形分濃度の
ワニスにしても優れた安定性を保持する結晶性ポリエス
テル樹脂を用い、様々な目的に適応させて、樹脂または
種々の添加剤、触媒を汎用溶剤中でブレンドできかつ、
接着力の経時的な低下はもとより、これまで困難であっ
た湿熱条件下保存後の接着力の低下を抑えることができ
る系は、まだ見つかっていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種プラス
チックフィルム、木材、紙、皮革、金属等に対する接着
性、さらには各種アンカーコート剤、樹脂改質剤として
も有用であり、特に、金属とプラスチックフィルムを接
着させる電子配線部品等の用途には、優れた耐熱性、機
械特性を有すると共に、汎用溶剤に対して溶解性が良好
で、高固形分濃度のワニスで優れた安定性を保持する結
晶性ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を混
合させることにより、接着力の経時的な低下はもとよ
り、これまで困難であった湿熱条件下保存後の接着力の
低下を抑えることができる接着剤組成物を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、汎用溶剤
に可溶であるだけでなく、高固形分濃度での溶解・保存
安定性を有し、耐熱性、機械特性に優れた軟化点を持
ち、かつ接着力の経時的な低下、及び湿熱条件下保存後
の接着力の低下を抑えることができる接着剤組成物を得
るべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すな
わちポリエステル樹脂を構成する成分中に脂環族ジカル
ボン酸または脂環族ジオールのうち少なくとも1種以上
を含有することを特徴とするポリエステル樹脂(A)と
エポキシ樹脂(B)からなることを特徴とする接着剤組
成物である。さらに、上記の接着剤組成物が電気配線部
品の金属層とプラチックフィルム層とを接着・積層する
ための電気配線部品用接着剤組成物であることを特徴と
する接着剤組成物である。また、電気配線部品がフラッ
トケーブルであることを特徴とする接着剤組成物であ
る。加えて、少なくともプラスチックフィルム層、上記
のポリエステル樹脂を含む接着剤層、金属層を含むこと
を特徴とする積層体である。この積層体は電気配線部品
であることが好ましく、さらにはフラットケーブルであ
ることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】上記組成物を接着剤として用いた
場合、各種プラスチックフィルム、木材、紙、皮革、金
属との接着性に優れ、さらには各種アンカーコート剤、
樹脂改質剤としても有用であり、特に、金属とプラスチ
ックフィルムを接着させる電子配線部品等の用途には、
優れた特性を示すこと、また、汎用溶剤に対して溶解性
が良好で、高固形分濃度のワニスでも優れた安定性を保
持する結晶性ポリエステル樹脂を用い、様々な目的に適
応させて、樹脂または種々の添加剤、触媒を汎用溶剤中
でブレンドできかつ、接着力の経時的な低下はもとよ
り、これまで困難であった湿熱条件下保存後の接着力の
低下を抑えることができることを見出し、本発明を完成
するに至った。以下に、本発明を詳細に述べる。
【0011】本発明の溶剤可溶型結晶性ポリエステル樹
脂は、構成成分中に脂環族ジカルボン酸または脂環族ジ
オールのうち少なくとも1種以上を含有することを特徴
とする。脂環族ジカルボン酸または脂環族ジオールを含
むことにより、ポリエステル樹脂は適度な結晶性を保持
したまま溶剤に対する溶解性を高くすることができ、ホ
ットメルト接着剤等に用いる溶剤可溶型結晶性ポリエス
テル樹脂として適正な特性を示す。脂環族ジカルボン酸
または脂環族ジオールのうち、脂環族ジカルボン酸の
み、脂環族ジオールのみであってもよいし、脂環族ジカ
ルボン酸と脂環族ジオールの両方が含有されていても良
い。特に脂環族ジオールは必須成分として含まれている
ことが好ましい。
【0012】本発明のポリエステル樹脂は脂環族ジカル
ボン酸成分を含むことが好ましい。脂環族ジカルボン酸
とは、化合物中に脂環構造を持ち、かつカルボキシル基
を2つ持つものである。このポリエステル樹脂を構成す
る脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、(以上総称してシクロヘキサンジカルボン酸という
ことがある)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、水
添化無水フタル酸等が挙げられる。これらの中でも、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
【0013】全酸成分中の脂環族ジカルボン酸含有率の
好ましい上限は45モル%、より好ましい上限は40モ
ル%、最も好ましい上限は35モル%、好ましい下限は
5モル%、最も好ましい下限は10モル%であるが、脂
環族ジカルボン酸は含有されていなくても良い。
【0014】ポリエステル樹脂を構成する全酸成分中の
脂環族ジカルボン酸含有率が5モル%未満のとき、樹脂
の溶剤溶解性が低下し、さらには溶液安定性も悪くなる
ことがある。逆に、45モル%以上の場合は、接着剤の
凝集力がなくなり接着性が低下することがあったり、フ
ィルムに塗布乾燥した状態や溶剤に溶解した状態等で高
温高湿条件下で保存中に分子が低下することがある。
【0015】本発明のポリエステル樹脂は脂環族ジオー
ルを必須成分として含むことが好ましい。脂環族ジオー
ルとは、化合物中に脂環構造を持ち、かつ水酸基を2つ
持つものである。脂環族ジオールを用いることにより、
結晶性と溶剤溶解性のバランスを高く保つことができ
る。
【0016】脂環族ジオールとしては、1,4―シクロ
ヘキサンジメタノール、1.3−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,2シクロヘキサンジメタノール、トリシク
ロデカンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、水
素添加ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールAエ
チレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールSエ
チレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールAプ
ロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールS
プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの
中でも、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1.3
−シクロヘキサンジメタノール、1,2シクロヘキサン
ジメタノールが好ましい。
【0017】全グリコール成分に占める脂環族ジオール
の含有率の好ましい上限は70モル%、より好ましい上
限は65モル%、最も好ましい上限は60モル%、好ま
しい下限は10モル%、より好ましい下限は15モル
%、最も好ましい下限は20モル%である。
【0018】ポリエステル樹脂中のグリコール成分を1
00モル%とした場合の脂環族ジオール量が10モル%
未満では、樹脂の溶剤溶解性が低下することがあり、ま
た溶液安定性が不良となることがある。逆に70モル%
を越えると樹脂軟化点が非常に高くなることがあり、溶
剤溶解性と溶液安定性が不良となることがある。
【0019】また、本発明の溶剤溶解型ポリエステル樹
脂はジカルボン酸成分として脂環族ジカルボン酸以外に
テレフタル酸を含有していることが好ましい。脂環族ジ
カルボン酸とテレフタル酸とを併用することにより、結
晶性と溶剤溶解性を高いレベルで両立させることができ
る。
【0020】全酸成分に占めるテレフタル酸含有率の好
ましい上限は80モル%、より好ましい上限は75モル
%、最も好ましい上限は70モル%、好ましい下限は4
0モル%、より好ましい下限は50モル%、最も好まし
い下限は55モル%である。
【0021】全酸成分中のテレフタル酸含有量が40モ
ル%未満では、耐熱性がなくなったり接着性が低下した
り、フィルムに塗布乾燥した状態や溶剤に溶解した状態
等で高温高湿条件下で保存中に分子が低下することがあ
り、逆に80モル%を越えると軟化点が非常に高くなり
接着剤の溶液安定性が不良となることがある。
【0022】さらに本発明の溶剤溶解型ポリエステル樹
脂はイソフタル酸が20モル%以下であることが好まし
い。より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは
10モル%以下、最も好ましくは8モル%である。イソ
フタル酸が20モル%を越えると、結晶性が高くなるた
めか、保存中に白濁したり、ゲル状化することがある。
【0023】本発明の溶剤溶解型ポリエステル樹脂に炭
素数6以上の脂肪酸を共重合することにより樹脂のガラ
ス転移点(Tg)を下げて、接着性、特に銅箔接着性を
向上させることができる。ここで言う炭素数6以上の脂
肪族ジカルボン酸とは、鎖状部分と側鎖部分の炭素が6
以上ある脂肪族カルボン酸のことであり、特に限定され
るものではないが、例えば、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等を上記範
囲内で共重合することができる。全酸成分中における、
炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸含有量の好ましい上
限は45モル%、より好ましい上限は40モル%であ
り、含有量が45モル%を超えると、樹脂の凝集力が下
がり、接着性が低下することがあったり、フィルムに塗
布乾燥した状態や溶剤に溶解した状態等で高温高湿条件
下で保存中に分子が低下することがある。
【0024】本発明の溶剤溶解型ポリエステル樹脂はジ
オール成分として、1,6−ヘキサンジオールを含有す
ることが好ましい。1,6−ヘキサンジオールを用いる
ことにより、溶剤溶解性を向上させ、さらにはガラス転
移点(Tg)を低下させることができる。
【0025】全グリコール成分に占める1,6−ヘキサ
ンジオール含有率の好ましい上限は75モル%、より好
ましい上限は70モル%、最も好ましい上限は65モル
%、好ましい下限は10モル%、より好ましい下限は1
5モル%、最も好ましい下限は20モル%である。
【0026】全グリコール成分中の1,6−ヘキサンジ
オール含有量が10モル%未満では、接着剤の溶液安定
性が不良となり、逆に75モル%を越えると接着性が低
下することがある。
【0027】また、本発明のポリエステル樹脂を構成す
る全グリコール成分中に60モル%以下の1,4−ブタ
ンジオールを含有すると軟化点が上がり、耐熱性を向上
させることができる。耐熱性を重視する場合には、1,
4−ブタンジオールの好ましい含有量は、60モル%以
下、より好ましくは55モル%以下、さらに好ましくは
50モル%以下であり、25%以上、さらには30モル
%以上であることが好ましい。1,4−ブタンジオール
の含有量が、60モル%を超えると、接着剤にした時の
溶剤溶解性と溶液安定性が著しく低下する。なお、溶剤
溶解性と溶液安定性のバランスを重視する場合には1,
4−ブタンジオールの含有量は40モル%以下が好まし
く、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは
20モル%以下、特に好ましくは15モル%以下、最も
好ましくは10モル%以下であり、1,4−ブタンジオ
ールは含まれていなくても良い。
【0028】本発明のポリエステル樹脂を構成する全グ
リコール成分中に30モル%以下のエチレングリコール
を含有すると軟化点が上昇し、耐熱性を向上させること
ができるが、エチレングリコールは溶剤溶解性を低下さ
せたり、フィルムに塗布乾燥した状態や溶剤に溶解した
状態等で高温高湿条件下で保存中に分子が低下すること
がある。エチレングリコール含有量の好ましい量は、3
0モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに
好ましくは10モル%以下、最も好ましくは5モル%以
下であり、エチレングリコールは含まれていなくてもよ
い。含有量が30モル%を超えると接着剤にした時の溶
剤溶解性と溶液安定性が低下することがある。
【0029】ここで、本発明のポリエステル樹脂は、そ
の他に、以下に示す二塩基酸成分、グリコール成分を前
述の範囲内で適宜共重合することができる。酸成分とし
ては、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボンル酸、4,4’−ジ
フェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の
芳香族二塩基酸、アジピン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の
脂肪族や脂環族二塩基酸である。
【0030】また、グリコール成分としては、プロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレン
グリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステ
ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およ
びプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ル
Aのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサ
スド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオク
タンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロ
デカンジメタノール等が挙げられる。ポリエーテルポリ
オールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテルが挙げられる。
【0031】本発明のポリエステル樹脂のガラス転移点
は−60℃〜20℃の範囲が好ましい。また、より好ま
しい下限は−30℃であり、最も好ましい下限はー10
℃である。ガラス転移点が、−60℃未満になると高温
下での弾性率が低下し、接着力が不足することがある。
例えば、自動車用部品や家電製品の接着剤として用いる
場合、夏場の高温環境下での接着強度の低下が起こり、
部品と部品を十分に接着しておくことが難しくなること
がある。さらには、樹脂のブロッキングが生じ易くなる
こともあり、接着剤を塗布したあと、フィルム等の基材
の取り扱いが難しくなることがある。また、ガラス転移
点が20℃を超えると、室温付近での弾性率が高くなり
樹脂自体が堅すぎて被着体に対して接着性が発現しない
ことがある。
【0032】本発明のポリエステル樹脂の軟化点(JIS
規格K2207の環球法による)の好ましい上限は16
0℃で、より好ましい上限は150℃、最も好ましい上
限は145℃であり、好ましい下限は100℃、より好
ましい下限は110℃、最も好ましい下限は115℃で
ある。樹脂の軟化点が100℃未満になると、溶剤に対
する溶解性が非常に良好であるが、軟化点が低くなり、
耐熱性が低下することがる。
【0033】また、樹脂の軟化点が160℃を超えると
耐熱性は向上するが、溶剤溶解性が悪い傾向になる。溶
剤溶解性に関しては、同じ軟化点を持つ樹脂でも、結晶
状態を融解するエネルギーの大小、つまり結晶化度の大
小によって異なる。汎用溶剤、特にトルエン、ケトンの
混合溶剤に溶解するとき、本発明の樹脂の結晶融解エネ
ルギー(示差走査熱量測定による)は、15mJ/mg未
満が好ましく、より好ましくは14mJ/mg未満であ
り、さらに好ましくは12.5mJ/mg未満、よりさら
に好ましくは12mJ/mg以下、特に好ましくは11m
J/mg以下、最も好ましくは10mJ/mg以下であ
る。結晶融解エネルギーが15mJ/mg未満であるとき
には溶剤溶解性が良好で、さらに安定性が優れている。
これは、結晶融解熱が小さい場合、結晶化度が低いので
溶剤溶解性が向上するが、逆に大きいと結晶化度が上が
り、溶剤に難溶となるからである。
【0034】なお、本発明の溶剤可溶型結晶性ポリエス
テル樹脂において、溶剤可溶性とは、トルエン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸エチルの単独またはこれら内の任意の複数種か
らなる任意の混合比からなる混合溶媒の内のいずれか一
種以上に25℃で3%以上溶解するものをいう(濃度3
%で加熱溶解後25℃で24時間保存後ゲル化、析出し
ない)。また、結晶性とは示差走査熱量計測定(昇温速
度20℃/min)による融点ピークが観測されるもの
であり、結晶融解エネルギーは結晶性を維持する面から
好ましくは2mJ/mg以上、より好ましくは4mJ/
mg以上、さらに好ましくは5mJ/mg以上、特に好
ましくは6mJ/mg以上、最も好ましくは7mJ/m
g以上である。
【0035】本発明のポリエステル樹脂を、特に電子部
品用接着剤として使用する場合、その金属からなる導
線、基板、回路に対して高い接着性が必要となる。この
ため、樹脂にカルボキシル基を導入し、金属との密着性
を高めることで接着性を向上させることができる。ポリ
エステル樹脂にカルボキシル基を導入する方法として
は、特に限定されるものではなく、公知の通常の方法に
従って行うことができる。例えば、ポリエステルの製造
後、2価以上の酸無水物を添加して溶融状態で反応を完
了させる方法である。2価以上の酸無水物とは、例え
ば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、ドデセニル無水コハク酸、エチレングリコール
ビストリメリテート、ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物
等が挙げられる。
【0036】本発明ポリエステル樹脂の酸価は40当量
/106g以上であることが好ましく。さらには45当
量/106g以上であることが好ましい。また、酸価は
200当量/106g以下が好ましく、より好ましくは
170当量/106g以下、さらに好ましくは150当
量/106g、よりさらに好ましくは130当量/106
g以下、特に好ましくは110当量/106g以下、最
も好ましくは当量/106g以下である。
【0037】樹脂の酸価が40当量/106g未満のと
き、対金属の接着性が低下することがある。逆に200
当量/106gを超えると、フィルムに塗布乾燥した状
態や溶剤に溶解した状態等で高温高湿条件下で保存中に
ポリエステル自身の加水分解が起こって分子が低下する
ことがある。
【0038】本発明ポリエステル樹脂の数平均分子量
は、5000〜50000(GPCによる測定値)程度
が好ましく、より好ましくは10000以上、最も好ま
しくは15000以上であり、45000以下が好まし
く、さらに好ましくは38000以下である。数平均分
子量が小さいと接着剤の凝集力がなく接着力が低下す
る。逆に大きいと溶剤に難溶となる。
【0039】本発明のポリエステル樹脂(A)にエポキ
シ樹脂(B)をブレンドさせることにより室温保存状態
での接着性はもとより、湿熱条件下保存後の接着性低下
を抑えることができ、非常に効果的である。
【0040】本発明の接着剤構成成分であるエポキシ樹
脂(B)の数平均分子量は、10000以下が好ましし
く、より好ましくは数平均分子量7500以下、最も好
ましくは、数平均分子量6000以下である。数平均分
子量が10000を超えると、ポリエステル樹脂(A)
との相溶性が低下して接着強度が低下することがある。
【0041】本発明ポリエステル樹脂(A)100部に
対するエポキシ樹脂(B)のブレンド量は、0.5部以
上が好ましく、より好ましくは1部以上、さらに好まし
くは2部以上である。また30部以下が好ましく、より
好ましくは20部以下であり、最も好ましくは15部以
下である。ブレンド量が少ない被着対への密着力が小さ
く、接着力が低下することがある。逆にブレンド量が多
いとポリエステル樹脂(A)との相溶性が悪化し、さら
には接着剤の凝集力が低下することがある。
【0042】ここで、本発明の接着剤構成成分であるエ
ポキシ樹脂(B)は、1分子中に2個以上のエポキシ基
を持つもので、具体的にはビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、
ノボラックグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテルタイ
プ、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマ
ー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステルタイ
プ、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルヒン
ダントイン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシ
ジルメタアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジ
グリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレン
ジアミン、ジグリシジルトリブロムアニリン、テトラグ
リシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジ
ルアミン、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エ
ポキシ化大豆油等の脂環族あるいは脂肪族エポキサイド
が挙げられる。このうち、特にビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、ノボラックグリシジルエーテル、グリシジルアミン
をエポキシ樹脂(B)として、ポリエステル(A)にブ
レンドした場合、湿熱後の接着性が良好であるため、こ
れらが好ましく選択される。
【0043】更に、本発明では、上記組成のポリエステ
ル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の混合系接着剤を溶
解してワニスを製造する溶剤としては特に限定されない
が、トルエンとケトン系溶剤が、汎用性や経済性の観点
からより好ましい。本発明のポリエステル樹脂を溶解す
る際の、トルエン/ケトンの比は、5/95〜50/5
0重量%が好ましく、より好ましくは、5/95〜30
/70重量%、最も好ましくは10/90〜25/75
重量%の混合溶媒に溶解させることを特徴としている。
この混合溶媒比において、樹脂の溶解性と溶液の安定性
を十分に発揮することができる。
【0044】なお、ケトンとは、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン等のケトン類を指しているが、このうちメチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンが好ましく使用され
る。ここで、本発明ポリエステル樹脂とトルエン/ケト
ン混合溶媒の配合割合は、5/95〜40/60重量%
が好ましく、より好ましくは10/90〜35/65重
量%、最も好ましくは15/85〜30/70重量%で
ある。ポリエステル樹脂濃度が上がると、接着剤の溶液
安定性が不良となり、逆に下がると、接着層の厚みを高
める際には接着剤の塗布回数を増やすといった操作が必
要となり、効率が悪く生産性が低下する。
【0045】また、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のポリ
エステル樹脂に対する良溶剤を少量添加することで溶解
性が向上する場合、これらの溶剤を効果的に使用するこ
とができる。
【0046】本発明のポリエステル樹脂には各種の添加
剤を混合して接着剤、コーティング剤等に用いることが
できる。添加剤としては、リン酸塩類、ポリリン酸塩系
などのリン系難燃剤、メラミンシアヌレート類、などの
窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等各種難燃剤、タル
ク、雲母、ポリエチレン、各種金属塩等の結晶核剤、着
色顔料、無機、有機系の充填剤、架橋剤、タック性向上
剤等が挙げられる。
【0047】本発明のポリエステル樹脂はそのまま加熱
溶融させてホットメルト接着剤として用いることもでき
るが、上記の有機溶剤に溶解させてプラスチックフィル
ム上に塗工、乾燥する。乾燥膜厚として200μm〜3
μmが好ましい。より好ましくは100μm以下、さら
に好ましくは70μ以下であり、10μ以上がより好ま
しく、15μ以上がさらに好ましい。
【0048】プラスチックフィルムとしては、ポリエス
テルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネート
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィル
ム、ポリオキサベンザゾールフィルム等、任意のプラス
チックフィルムが用いられるが、ポリエステルフィルム
が好ましい。プラスチックフィルムには、易接着層を設
けることができる。
【0049】このようにして得られた本発明のポリエス
テル樹脂が塗布されたプラスチックフィルムは他の素材
やプラスチックフィルムどうしと重ね合わせ、加熱加圧
して接着することができる。他の素材としては、金属類
が好ましく電気配線部品、電気回路して用いるときには
銅箔、銅線が好ましい。
【0050】本発明のポリエステル樹脂およびこれを用
いた接着剤組成物は、PETフィルム、銅箔に対して優れ
た接着性が発現されるので、これを同時に使用している
電気配線部品、特にフラットケーブル等の接着剤として
用いると非常に好適である。
【0051】本発明の溶型結晶性ポリエステル/エポキ
シ樹脂混合系接着剤、およびこれを用いた接着剤組成物
は、各種プラスチックフィルム、木材、紙、皮革、金属
との接着性に優れ、さらには各種アンカーコート剤、樹
脂改質剤としても有用であり、特に、金属とプラスチッ
クフィルムを接着させる電子配線部品(フラットケーブ
ル)等の用途には、優れた特性を示すこと、また、汎用
溶剤に対して溶解性が良好で、高固形分濃度のワニスで
も優れた安定性を保持する結晶性ポリエステル樹脂を用
い、様々な目的に適応させて、樹脂または種々の添加
剤、触媒を汎用溶剤中でブレンドできかつ、接着力の経
時的な低下はもとより、これまで困難であった湿熱条件
下保存後の接着力の低下を抑えることができる。
【0052】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定される
ものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下
の方法によって測定したものである。
【0053】組成:ポリエステル樹脂を重クロロホルム
に溶解し、1H−NMR、13C−NMRにより定量し
た。
【0054】ガラス転移点:示差走査熱量計を用い、測
定試料10mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封
し20℃/minの昇温速度で測定した。装置はDSC2
20C(セイコーインスツルメンツ製)を用いた。
【0055】酸価:樹脂をクロロホルムに溶解し、水酸
化カリウムのエタノール溶液による中和滴定から求め
た。
【0056】数平均分子量:テトラハイドロフラン溶
媒、ポリスチレン標準にて、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーにより測定した。
【0057】軟化点:JISK2207による環球法に準
じで評価した。
【0058】結晶融解熱:示差走査熱量計を用い、測定
試料10mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し
20℃/minの昇温速度で測定し、融解熱を定量し
た。
【0059】ワニス安定性:ポリエステル樹脂(A)お
よびエポキシ樹脂(B)を固形分濃度25%となるよう
に、トルエン/メチルエチルケトン=80/20%の混
合溶媒に溶解し、B型粘度(25℃)を測定した。次に
このワニスを25℃下で1週間静置後、再度B型粘度
(25℃)を測定し、以下に示すB型粘度の増加率によ
って評価した。 B型粘度増加率 5%未満 : ○ 5%以上10%未満 : △ 10%以上 : ×
【0060】対PET接着性:ポリエステル樹脂(A)お
よびエポキシ樹脂(B)を固形分濃度25%となるよう
に、トルエン/メチルエチルケトン=80/20%の混
合溶媒に溶解して接着剤組成物を作製し、これを25μ
mの2軸延伸PETフィルム上に塗布して120℃、15
分の条件で乾燥した。接着層の厚みが30μmになるよ
うに塗布厚を調整した。接着層同志を合わせ、テスター
産業社製ロールラミネータを用いて接着した。なお、ラ
ミネートは温度170℃、圧力9.8×104Pa、速度
0.5m/minで行った。接着強度は島津製作所製オ
ートグラフを用いて、25℃および、60℃雰囲気下
で、50mm/minの引っ張り速度でT型剥離接着力
を測定した。
【0061】対銅箔接着性:ポリエステル樹脂(A)お
よびエポキシ樹脂(B)を固形分濃度25%となるよう
に、トルエン/メチルエチルケトン=80/20%の混
合溶媒に溶解して接着剤組成物を作製し、これを25μ
mの2軸延伸PETフィルム上に塗布して120℃、15
分の条件で乾燥した。接着層の厚みが30μmになるよ
うに塗布厚を調整した。接着層と銅箔を合わせ、テスタ
ー産業社製ロールラミネータを用いて接着した。なお、
ラミネートは温度170℃、圧力9.8×10 4Pa、速
度0.5m/minで行った。接着強度は島津製作所製
オートグラフを用いて、25℃および、60℃雰囲気下
で、50mm/minの引っ張り速度で室温保存1日
後、4日後および、60℃95%保存4日後のT型剥離
接着力を測定した。
【0062】<実施例1>実施例により本発明を具体的
に例示する。実施例中に単に部とあるのは重量部を示
す。なお、実施例中「%」とあるのは、断りのない限り
重量基準を意味する。撹拌器、温度計、流出用冷却機を
装備した反応缶内に、テレフタル酸ジメチル272部、
1、4−ブタンジオール162部、1、6−ヘキサンジ
オール142部、1,4−シクロヘキサンジメタノール
144部、テトラブチルチタネート0.27部を仕込
み、180〜220℃で2時間エステル交換反応を実施
した。次いでエステル交換反応終了後、反応系を175
℃まで降温して、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
34部、セバシン酸81部を仕込み、240℃でエステ
ル化反応を行った。エステル化反応終了後反応系を24
0℃から275℃に昇温する一方、系内を徐々に減圧し
ていき、60分かけて500Paとした。そして、さら
に130Pa以下で65分間重縮合反応を行い、ポリエ
ステルを得た。重合終了後、反応系を200℃まで降下
させ、無水トリメリット酸を1.9部添加して30分溶
融状態で撹拌し、目的のポリエステル樹脂(A)を得
た。
【0063】本発明のポリエステル樹脂(A)は1H−
NMR、13C−NMR分析の結果テレフタル酸70モル
%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸11モル%、
セバシン酸19モル%、1,4−ブタンジオール35モ
ル%、1,6−ヘキサンジオール35モル%、1,4−
シクロヘキサンジメタノール30モル%の組成を有して
おり、数平均分子量25000、ガラス転移点は0℃、
軟化点141℃、酸価110当量/106gの白色結晶性
樹脂であった。
【0064】得られたポリエステル樹脂(A)100部
に対して、エピコート1004(油化シェルエポキシ社
製)を10部ブレンドし、これらの固形分濃度が25%
となるように、トルエン/メチルエチルケトン=80/
20%の混合溶媒に溶解して接着剤組成物を作製した。
【0065】<実施例2〜8、比較例1〜5>実施例1
と同様にして、表1及び、表2に示す原料を用いて、ポ
リエステル樹脂(A)を得、エポキシ樹脂(B)を混合
した接着剤組成物を実施例1と同様に評価した。表3、
4より従来技術と比較して、高い溶液安定性、接着性、
軟化点(耐熱性)を有し、かつ接着力の経時的な低下、
及び湿熱条件下保存後の接着力の低下を抑えることがで
きていることが分かる。
【0066】それに対して、表2に見られるように、比
較例1、2のポリエステルは、耐熱性、溶剤溶解性、溶
液安定性、対PET接着性、室温保存後の対銅箔接着性に
優れるが、エポキシ樹脂がブレンドされていないので、
湿熱条件下保存後の対銅箔接着力が大きく低下してい
る。
【0067】比較例3のポリエステルは、カルボキシル
基が導入されていないので、対箔銅箔接着性が若干低く
なったが、耐熱性、溶解安定性には優れている。しか
し、エポキシ樹脂がブレンドされていないので、湿熱条
件下保存後の対銅箔接着力が大きく低下している。
【0068】比較例4のポリエステル樹脂は、耐熱性、
25℃下PET接着性、対銅箔接着性に優れるが、イソフ
タル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、水添化無水フタ
ル酸のうち少なくとも一種以上のカルボン酸、及び、シ
クロヘキサンジメタノールが共重合されていないので、
溶剤溶解性、溶液安定性が不良である。また、樹脂のTg
が低いため、60℃下のPET接着性も低い。さらに、エ
ポキシ樹脂がブレンドされていないので、湿熱条件下保
存後の対銅箔接着力が大きく低下している。
【0069】比較例5のポリエステル樹脂は、耐熱性、
25℃下PET接着性、対銅箔接着性に優れるが、シクロ
ヘキサンジメタノールが共重合されていないので、溶剤
溶解性、溶液安定性が不良である。また、樹脂のTgが低
いため、60℃下のPET接着性も低い。さらに、エポキ
シ樹脂がブレンドされていないので、湿熱条件下保存後
の対銅箔接着力が大きく低下している。
【0070】比較例6のポリエステル樹脂は、25℃下
PET接着性、対銅箔接着性に優れるが、イソフタル酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、水添化無水フタル酸のう
ち少なくとも一種以上のカルボン酸が共重合されていな
いので、溶剤溶解性、溶液安定性が不良である。また、
樹脂のTgが低いため、60℃下のPET接着性も低い。さ
らに、エポキシ樹脂がブレンドされていないので、湿熱
条件下保存後の対銅箔接着力が大きく低下している。
【0071】比較例7のポリエステル樹脂は、PET接着
性に優れるがイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、水添化無水フタル酸のうち少なくとも一種以上のカ
ルボン酸が共重合されていないので、溶剤溶解性、溶液
安定性が不良である。また、エポキシ樹脂がブレンドさ
れていないので、湿熱条件下保存後の対銅箔接着力が大
きく低下している。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】フラットケーブルの作成 実施例1〜8の対銅箔接着性評価に用いた接着層を設け
たフィルムの接着層側上に銅箔を1mm幅長さ15cm
に切断した導線を1mm間隔で5本並べ、さらにこの上
に接着層を設けたフィルムを接着層が下になるように重
ね合わせ、テスター産業社製ロールラミネータを用いて
接着し、フラットケーブルモデルとした。ラミネートは
温度170℃、圧力9.8×104Pa、速度0.5m/
minで行った。これを60℃95%保存7日後、ピン
セットで導線の接着端部を引き剥がそうとしたが強力に
接着しており、引き剥がすことは困難であった。フラッ
トケーブルとして高い耐湿熱性を有していることが判っ
た。
【0077】
【発明の効果】本発明で得られた溶剤可溶型結晶性ポリ
エステル/エポキシ樹脂混合系接着剤、およびこれを用
いた接着剤組成物は、汎用溶剤に対して溶解性が良好
で、高固形分濃度のワニスでも優れた安定性を保持する
ため、様々な目的に適応させて、樹脂または種々の添加
剤、触媒を汎用溶剤中でブレンドでき、かつ接着力の経
時的な低下はもとより、これまで困難であった湿熱条件
下保存後の接着力低下を抑えることができるという特性
を発現する。本発明は、各種プラスチックフィルム、木
材、紙、皮革、金属との接着性に優れ、さらには各種ア
ンカーコート剤、樹脂改質剤としても有用であり、特
に、金属とプラスチックフィルムを接着させる電子配線
部品等の用途には、優れた特性を示すため非常に有用で
ある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AH02G AK01B AK41G AK54G AL05G BA02 CB00 GB41 JJ03 JL11 4J040 EC022 EC092 EC122 EC192 ED021 ED051 GA07 HB03 HB14 HB18 HB30 JA02 JA12 KA23 LA05 LA07 LA08 MA02 MA08 MA09 MA10 MA13 MB03 NA19 PA23 5G311 CD01 CD10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂を構成する成分中に脂
    環族ジカルボン酸または脂環族ジオールのうち少なくと
    も1種以上を含有することを特徴とする溶剤可溶型結晶
    性ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)からな
    ることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の接着剤組成物が電気配
    線部品の金属層とプラチックフィルム層とを接着・積層
    するための電気配線部品用接着剤組成物であることを特
    徴とする接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 電気配線部品がフラットケーブルである
    ことを特徴とする請求項2に記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 少なくともプラスチックフィルム層、請
    求項1に記載のポリエステル樹脂を含む接着剤層、金属
    層を含むことを特徴とする積層体。
  5. 【請求項5】 少なくともプラスチックフィルム層、請
    求項1に記載のポリエステル樹脂を含む接着剤層、金属
    層を含むことを特徴とするフラットケーブル。
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