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JP2002241618A - 樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

樹脂複合体の製造方法

Info

Publication number
JP2002241618A
JP2002241618A JP2001040026A JP2001040026A JP2002241618A JP 2002241618 A JP2002241618 A JP 2002241618A JP 2001040026 A JP2001040026 A JP 2001040026A JP 2001040026 A JP2001040026 A JP 2001040026A JP 2002241618 A JP2002241618 A JP 2002241618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
resin composite
curing
phase separation
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001040026A
Other languages
English (en)
Inventor
Sacchin Jane
ジェーン・サッチン
Kazutaka Murata
一高 村田
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
DIC Corp
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawamura Institute of Chemical Research, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Kawamura Institute of Chemical Research
Priority to JP2001040026A priority Critical patent/JP2002241618A/ja
Publication of JP2002241618A publication Critical patent/JP2002241618A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般に強靱性に乏しい熱硬化性樹脂の力学特
性、特に曲げ強度や引張強度が改善された樹脂複合体を
容易に得ることが出来る、熱硬化性性樹脂と鎖状重合体
との樹脂複合体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)熱架橋重合性化合物と(B)鎖状
重合体とを均一に混合した熱硬化性組成物の賦形物を
加温処理して流動性のない固体状の半硬化物と成す第
1硬化工程、 半硬化物を第1硬化工程の処理温度を
越える温度で加熱保持することにより相分離を進行させ
る相分離工程、及び 相分離工程の処理温度を越える
温度で半硬化物を十分に硬化させ、相分離した硬化物と
する第2硬化工程とから成る樹脂複合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、破断強度、破断伸
度、弾性率、耐衝撃性などの力学特性に優れた、鎖状重
合体と熱架橋重合性化合物の硬化物から成る樹脂複合体
の製造方法に関する。本発明の樹脂複合体は、電気・電
子用基板、各種成形材料、各種コーティング材等の各種
分野で有用である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂は、電気・電子
用基板、各種成形材料、塗料、封止剤などに広く利用さ
れている。しかしながら、熱硬化性樹脂は、三次元架橋
構造を形成するため、一般的に柔軟性に乏しく、同程度
の剛性を有する鎖状重合体と比較して強靱性に劣ってい
る。このような欠点を改良するために、熱硬化性樹脂を
鎖状重合体と樹脂複合体化することにより、熱硬化性樹
脂を改良する試みがなされて来た。
【0003】熱硬化性樹脂を鎖状重合体と樹脂複合体化
することによる熱硬化性樹脂の改良法は、特開平7−3
3991号公報などに代表されるような、熱硬化性樹脂
と鎖状重合体が擬似的均一相溶構造を形成する方法と、
特開平7−102175号公報などに代表されるような
熱硬化性樹脂と鎖状重合体が共連続構造、球状ドメイン
構造、或いは海島構造などの相分離構造を有する場合が
挙げられる。
【0004】特開平7−33991号公報に代表される
樹脂複合体は、1つのガラス転移温度(Tg)を示す擬
似相溶系の樹脂複合体である。しかしながらこのような
樹脂複合体は、相構造を持たないことや熱硬化性樹脂の
架橋網目内に鎖状重合体の分子鎖が均質に近い状態に侵
入した構造を形成するために、熱硬化性樹脂の重合度が
十分に向上しない等の問題があり、力学的特性の向上の
程度は、せいぜい熱硬化性樹脂の特性と鎖状重合体の特
性との相加平均程度であり、構成素材の特性を十分発揮
させたものとは言えなかった。
【0005】また、特開平7−102175号公報に代
表される方法では、分子量が小さな熱硬化性化合物を使
用するために、熱硬化性樹脂の加熱硬化時に大きな相分
離構造が形成され易くなって、力学特性を十分に向上さ
せることが困難であったり、かえって力学特性が低下す
る問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、一般に強靱性に乏しい熱硬化性樹脂の力学
特性、特に曲げ強度や引張強度が改善された樹脂複合体
を容易に得ることが出来る、熱硬化性性樹脂と鎖状重合
体との樹脂複合体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するため鋭意検討した結果、熱架橋重合性化合物と
鎖状重合体とを含有する熱硬化性組成物を低温度で硬化
させて半硬化状態とし、次いで加熱保持することにより
相分離を誘発させ、相分離した半硬化物を更に十分に硬
化させることによって、優れた力学特性を有する樹脂複
合体が得られることを見出して本発明を完成するに到っ
た。
【0008】即ち、本発明は、(A)熱架橋重合性化合
物と(B)鎖状重合体とを均一に混合した熱硬化性組成
物の賦形物を 加温処理して流動性のない固体状の半硬化物と成す
第1硬化工程、 半硬化物を第1硬化工程の処理温度を越える温度で
加熱保持することにより相分離を進行させる相分離工
程、及び 相分離工程の処理温度を越える温度で半硬化物を十
分に硬化させ、相分離した硬化物とする第2硬化工程と
から成る樹脂複合体の製造方法である。
【0009】本発明は、更に詳しくは、(A)熱架橋重
合性化合物と(B)鎖状重合体とを均一に混合した熱硬
化性組成物が、第1硬化工程の温度で熱硬化性組成物を
半硬化させることが可能な(C1)低温反応性硬化剤
と、相分離工程の処理温度以下では熱硬化性組成物を十
分に硬化させることが出来ず、相分離工程の処理温度を
越える温度で(A)熱架橋重合性化合物を硬化させる
(C2)潜在硬化性硬化剤とを含み、 加温処理して流動性のない固体状の半硬化物と成す
第1硬化工程、 半硬化物を第1硬化工程の処理温度を越える温度で
加熱保持することにより相分離を進行させる相分離工
程、及び 相分離工程の処理温度を越える温度で半硬化物を十
分に硬化させ、相分離した硬化物とする第2硬化工程と
から成る樹脂複合体の製造方法である。
【0010】また、本発明は第1硬化工程における熱硬
化性組成物の賦形物の半硬化が(A)熱架橋重合性化合
物の熱架橋重合性官能基の反応率が25〜70%なる範
囲の硬化程度である製造方法であり、また第1硬化工程
を熱硬化性組成物の粘度が50Pa・s以上となる温度
で行う樹脂複合体の製造方法であり、第2硬化工程を
(C2)潜在硬化性硬化剤が作用する温度行う樹脂複合
体の製造方法である。
【0011】また、第1硬化工程で得られる半硬化物の
ガラス転移温度(Tg1)が120℃以下であり、相分
離工程の処理温度がTg1〜(Tg1+150℃)の範
囲であることが好ましい樹脂複合体の製造方法であっ
て、熱硬化性組成物が、(A)熱架橋重合性化合物10
0重量部に対して、(B)鎖状重合体7〜900重量部
を含有する。
【0012】更に詳しくは、本発明は(A)熱架橋重合
性化合物がエポキシ樹脂であり、(C1)低反応性硬化
剤が常温硬化性のアミン系硬化剤であり、(C2)潜在
硬化性硬化剤が酸無水物、フェノール樹脂及びジシアン
ジアミンから選ばれる1種以上である樹脂複合体や、
【0013】(A)熱架橋重合性化合物がアクリルポリ
オール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリ
オールから選ばれる1種以上であり、(C1)低温反応
性硬化剤が1種以上の低温反応性のポリイソシアネート
であり、(C2)潜在硬化性硬化剤が1種以上のブロッ
クイソシアネートである樹脂複合体や、
【0014】(A)熱架橋重合性化合物が不飽和ポリエ
ステルであり、(C1)低温反応性硬化剤がケトンペル
オキシド類、ヒドロペルオキシド類、ジアシルペルオキ
シド類から選ばれた1種以上の過酸化物であり、(C
2)潜在硬化性硬化剤が、ペルオキシケタール類、ペル
オキシエステル類、ジアルキルペルオキシド類から選ば
れる1種以上の過酸化物である樹脂複合体の製造方法を
含むものである。
【0015】更に本発明は、用いる(B)鎖状重合体
が、スチレン系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリカ
ーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアセタール系重合体、フェノキシ樹
脂、ポリ酢酸ビニル、熱可塑性ポリウレタン、セルロー
ス誘導体、及びポリ(メタ)アクリレート系重合体から
選ばれる1種以上の重合体である樹脂複合体の製造方法
である。
【0016】また本発明により得られる樹脂複合体は、
2つのガラス転移温度を有すること、0.5μm以下の
大きさの相分離構造を有することを特徴とし、更に樹脂
複合体の強度が、(A)熱架橋重合性化合物の硬化物の
曲げ強度と(B)鎖状重合体の曲げ強度との組成の重み
付き相加平均値以上であるか、(A)熱架橋重合性化合
物の硬化物の引張強度と(B)鎖状重合体の引張強度と
の組成の重み付き相加平均値以上であることを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂複合体の製造方法
は、まず、(A)熱架橋重合性化合物、即ち加熱処理に
より架橋重合体となる化合物、(B)鎖状重合体、及
び、必要に応じて熱架橋重合性化合物の硬化剤を含有
し、これらが相溶した均一な熱硬化性組成物を調製す
る。
【0018】この熱硬化性組成物を比較的低温度で加温
処理して架橋重合性化合物を部分架橋させることによ
り、流動性のない固体状の半硬化物を得る。この工程を
「第1硬化工程」と称する。次いで、この半硬化物を第
1硬化工程の処理温度を越える温度で加熱保持すること
により相分離を進行させる。この工程を「相分離工程」
と称する。更に、相分離した半硬化物を相分離工程の処
理温度を越える温度で硬化を十分に進行させることによ
って樹脂複合体を得る。この工程を「第2硬化工程」と
称する。
【0019】第1硬化工程を相分離が大きく生じにくい
低温度(高粘度)域で行うことにより、相溶状態または
それに近い状態で架橋網目が形成される。引き続き相分
離工程の熱処理を行うが架橋網目が形成されているため
に、相分離の大きな進行が抑制されて100nmオーダ
ー前半〜10nmオーダーの非常に小さな相構造が形成
される。そのため力学特性に優れた樹脂複合体が得られ
るものと推測される。
【0020】本発明に使用される(A)熱架橋重合性化
合物は加熱により重合して架橋重合体となる化合物であ
り、使用する(B)鎖状重合体と均一に混合した熱硬化
性組成物を形成することが可能なものであれば任意に用
いられる。また(A)熱架橋重合性化合物には、重合す
る際に硬化剤や硬化促進剤を必要とするものも含まれ
る。(A)熱架橋重合性化合物が架橋重合する際に硬化
剤を必要とする場合には(A)熱架橋重合性化合物と硬
化剤との混合物が、使用する(B)鎖状重合体と均一に
混合した熱硬化性組成物を形成することが可能なもので
あれば良い。
【0021】また(A)熱架橋重合性化合物は、他の成
分、例えば、反応性希釈剤と呼ばれる低分子量の重合性
化合物と混合使用した場合や、有機溶媒と混合使用した
場合にのみ使用可能なもの、例えば、単独では鎖状重合
体と非相溶な化合物や固体状の化合物であっても良い。
更に、(A)熱架橋重合性化合物には、ポリイソシアネ
ートのように、空気中の水蒸気分、湿度により架橋重合
が進行する湿気硬化性化合物をも含む。
【0022】これら熱架橋重合性化合物としては、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹
脂、尿素樹脂やメラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリイ
ソシアネート、アクリルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオールなどのプレポリマー、
フェノール樹脂、ポリイミドなどを挙げることができ、
これらを単独、又は複数で用いることができる。
【0023】エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキ
シ基(グリシジル基)を2個以上持った数百から数万の
分子量を持つオリゴマー又はモノマーが好ましく用いら
れ、例えば、エピクロロヒドリンと多価アルコール類や
フェノール誘導体との縮合生成物であるグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、エピクロロヒドリンとカルボン酸
類との縮合生成物であるグリシジルエステル型エポキシ
樹脂、エピクロロヒドリンとアミン類から得られるグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0024】上記フェノール誘導体としては、ビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS
型、水添ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA
型などのビスフェノール類、ビフェノール類、ナフタレ
ン類、フルオレン類、フェノールノボラックやオルソク
レゾールノボラックなどのフェノールノボラック類、テ
トラフェニノールエタンなどが挙げられる。
【0025】上記カルボン酸類としてはダイマー酸など
の脂肪酸やフタル酸誘導体が挙げられ、上記アミン類と
しては、アニリン、トルイジン、アミノフェノール、ヒ
ダントイン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌレ
ートなどが挙げられる。
【0026】不飽和ポリエステルとしては、スチレンな
どの液状架橋モノマーと高分子不飽和ポリエステル(ア
ルキッド)の液状混合物が好ましく用いられる。高分子
不飽和ポリエステルは飽和酸、不飽和酸と多価アルコー
ルの縮合により得られるものが好ましく用いられる。
【0027】飽和酸としては、例えば、オルソフタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、ヘッ
ト酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セパシン
酸などが挙げられ、不飽和酸としては無水マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などを挙げることができる。
【0028】また、多価アルコール成分としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、水素
化ビスフェノールAなどを挙げることができる。液状架
橋モノマーとしては、例えば、スチレンモノマー、ビニ
ルトルエン、クロロスチレン、フタル酸ジアリル、シア
ヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチル、アクリルアミ
ドやマレイミドなどが挙げられる。
【0029】ジアリルフタレート樹脂としては、無水フ
タル酸又はイソフタル酸とアリルクロリドなどから合成
されるジアリルオルソフタレートモノマー、ジアリルイ
ソフタレートモノマー、及びジアリルテレフタレートモ
ノマーや、これらモノマーが10〜30程度重合したプ
レポリマーが好ましく用いられる。
【0030】アミノ樹脂としては、アルデヒドとアミノ
基を持つ化合物との反応によって得られる数百から数万
の分子量を持つものが好ましく、アルデヒドとしては主
にホルムアルデヒドが用いられるものが好ましく使用さ
れる。アミノ基を持つ化合物としては、例えば、尿素、
メラミン、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、
アセトグアナミン、ホルムグアナミン、ベンゾグアナミ
ン、アニリンなどを挙げることができる。
【0031】ポリイソシアネートとしては、(1)それ
自体が空気中の湿気などで重合する湿気硬化型の一液型
ポリウレタン樹脂や、(2)ポリエーテルポリオール、
ポリエステルポリオール、アクリル系ポリオール、ポリ
カーボネートポリオール等のポリオールと混合すること
により熱重合する二液型ポリウレタン樹脂が好ましく用
いられる。
【0032】本発明のポリイソシアネートは1分子中に
イソシアネート基を2個以上有する分子量500〜10
000程度の化合物が好ましく、例えば、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラ
メチルキンレンジシアオシアネートなどの脂肪族系ジイ
ソシアネートや、
【0033】トリレンジイソシアネート、パラフェニレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ポリエチレンポリフ
ェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、ナフタリンジソシアネートなどの芳香族系ジイソシ
アネートを挙げることができる。
【0034】また、3官能以上のポリイソシアネートと
しては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソ
シアネート類のイソシアヌレート結合物やビウレット結
合物などのトリイソシアネート、或いはトリアルコール
のイソシアネート変性物などのトリイソシアネートなど
が好ましく用いられる。
【0035】更に、これらポリイソシアネートをマロン
酸ジエチルやアセト酢酸エチルなどのβ−ジケトン類、
ε−カプロラクタムなどのラクタム類、オクタノールな
どのアルコール類、フェノールやキシレノール等のフェ
ノール類、ブタノンオキシムなどのオキシム類などのブ
ロック剤をイソシアネート基に反応させたブロックイソ
シアネートも好ましく使用される。
【0036】アクリルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオールなどのプレポリマーとし
ては、1分子に活性水素基を2個以上有する分子量10
0〜100000程度のものが好ましく用いられる。
【0037】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ンオキシドやプロピレンオキシドをアルカリ触媒などで
重合するなどの方法で得られる(ポリ)エチレングリコ
ール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)プ
ロピレングリコールやこれらの変性体などのポリエーテ
ルポリオールが好ましく用いられる。
【0038】ポリエステルポリオールとしては、フタル
酸、アジピン酸、セバシン酸などの2塩基酸とエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリ
コールや、トリメチロールプロパンなどのトリオールと
の縮合反応により得られる縮合系ポリエステルポリオー
ルや、多価アルコールを開始剤としてε−カプロラクタ
ムの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポ
リオールや、グリコールとエチレンカーボネートなどの
カーボネートとの反応により得られるポリカーボネート
ポリオールが好ましく用いられる。
【0039】アクリルポリオールとしては、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、スチレン、アクリル酸などのアクリル共
重合体に水酸基を導入したアクリル系ポリオールなどが
好ましく使用される。
【0040】フェノール樹脂としては、レゾール型フェ
ノール樹脂やノボラック型フェノール樹脂の他に、アル
キル化フェノール樹脂のような置換型フェノール樹脂な
どが好ましく使用される。これら熱架橋重合性化合物は
必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤を併用することが可
能である。
【0041】エポキシ樹脂の硬化剤としては、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレ
ンジアミンなどの脂肪族ジアミン系やポリアミン系、イ
ソホロンジアミン、13-ビスアミノメチルシクロヘキ
サンなどの脂環族ジアミン系やポリアミン系、ジアミノ
ジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン系、或いはジ
シアンジアミンや有機酸ジヒドラジドなどの(ポリ)ア
ミン系硬化剤や、
【0042】ドデセニル無水コハク酸やポリアゼライン
酸無水物などの脂肪族系酸無水物、メチルナジック酸無
水物、ヘキサヒドロ酸無水物、メチルテトラヒドロ無水
フタル酸などの脂環族系酸無水物、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
などの芳香族系酸無水物、テトラブロモ無水フタル酸や
無水ヘット酸などのハロゲン系酸無水物などの酸無水
物、
【0043】ノボラック型フェノールなどのポリフェノ
ール、ポリサルファイドやチオエーテルなどのポリメル
カプタン、或いはイソシアネートプレポリマーやブロッ
クイソシアネートなどのイソシアネート類が挙げられ、
更に、メチロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メ
ラミン樹脂、レゾール型フェノール樹脂などを用いるこ
とも可能である。
【0044】使用する硬化剤量は硬化剤の種類により異
なるが、通常、エポキシ基数が1に対して、(ポリ)ア
ミン系硬化剤はアミノ基が0.1〜1の範囲、酸無水物
やフェノール樹脂の場合は、活性基が0.8〜1の範
囲、特に0.9〜1が好ましい。エポキシ樹脂の硬化促
進剤などとしては、三級アミン、アミン塩、イミダゾー
ル系化合物が好ましく用いられ、アミン系硬化剤を用い
る場合にはカルボン酸化合物も用いることが可能であ
る。これら硬化促進剤は、通常エポキシ樹脂100重量
部に対して、0.01〜2重量部、特に0.02〜1重量
部の範囲が好ましい。
【0045】不飽和ポリエステルやジアリルフタレート
樹脂では、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイ
ドなどの各種有機過酸化物が好ましく用いられ、硬化促
進剤として、コバルトやマンガンのような金属の有機酸
塩やジメチルアニリンやジメチルパラトルイジンのよう
なアミン類を使用することができる。
【0046】重合開始剤と硬化促進剤の使用量は使用す
る重合開始剤と硬化促進剤により異なるが、通常、不飽
和ポリエステル又はジアリルフタレート樹脂100重量
部に対して、重合開始剤は0.05〜10重量部、特に
0.1〜7重量部の範囲が好ましく、硬化促進剤は0.0
1〜1重量部、特に0.05〜0.7重量部の範囲が好ま
しく用いられる。
【0047】ポリオールは、多くの場合、上述したポリ
イソシアネートやブロックイソシアネートを硬化剤とし
て使用することが可能である。混合の割合は、ポリオー
ル中の水酸基数が1に対し、イソシアネート(-NC
O)含量が0.7〜1.3の範囲、特に0.8〜1.2の範
囲が好ましい。
【0048】本発明では、硬化剤として、室温などの低
温度域で熱架橋重合性化合物の硬化反応を誘発させ得る
(C1)低温反応性硬化剤と、相分離工程の処理温度以
下の温度域では実質的に作用しないが相分離工程の処理
温度を越える高温度域で作用することが可能な(C2)
潜在硬化性硬化剤を併用して、第1硬化工程を低温反応
性硬化剤が作用する温度域で行い、相分離工程を第1硬
化工程の処理温度を越え、且つ潜在硬化性硬化剤が実質
的に作用しない温度域で行い、第2硬化工程を相分離工
程の処理温度を越え、且つ潜在硬化性硬化剤が作用する
高温度域で行う方法が好ましく用いられる。尚、「実質
的に作用しない」とは、工業的に可能な時間内に熱架橋
重合性化合物を十分に硬化させることが出来ないことを
いう。
【0049】(C1)低温反応性硬化剤は、好ましくは
80℃以下、より好ましくは50℃以下の温度で熱架橋
重合性組成物を硬化させることが可能な硬化剤が用いら
れる。 (C2)潜在硬化性硬化剤は、相分離工程の処理温度を
越える温度で作用するものを用いることが出来るため、
相分離工程の処理温度により異なるが、生産上の理由か
ら、好ましくは80〜150℃、より好ましくは100
〜150℃の温度で作用する硬化剤が用いられる。
【0050】エポキシ樹脂の(C1)低温反応性硬化剤
としては、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラ
ミンなどの脂肪族ジアミンや、これら脂肪族ジアミンな
どから得られる末端にアミノ基を持つ脂肪族ポリアミン
が好ましく用いられ、(C2)潜在硬化性硬化剤として
は、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン
やジシアンジアミン、酸無水物、フェノール樹脂などが
好ましく用いられる。
【0051】低温反応性硬化剤と潜在硬化性硬化剤の使
用する割合は、エポキシ基数1に対して、低温反応性硬
化剤の反応基数は0.05〜0.6、特に0.1〜0.5の
範囲が好ましく、潜在硬化剤の反応基数は0.95〜0.
4、特に0.9〜0.5の範囲が好ましく、低温反応性硬
化剤の反応基数と潜在硬化剤の反応基数の和は1以下が
好ましく用いられる。
【0052】不飽和ポリエステル及びジアリルフタレー
ト樹脂の(C1)低温反応性硬化剤として働く重合開始
剤としては、メチルエチルケトンペルソオキシド、シク
ロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキ
シド等のケトンペルオキシド類、クメンヒドロペルオキ
シドなどのヒドロペルオキシド類、ベンゾイルペルオキ
シドやラウロイルペルオキシドなどのジアシルペルオキ
シド類が好ましく用いられる。
【0053】また、(C2)潜在硬化性硬化剤として働
く重合開始剤としては、1,1-ビス(t-ブチルペルオ
キシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス
(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス
(t-ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t-ブ
チルペルオキシ)オクタン等のペルオキシケタール、t
−ブチルペルオキシオクトエートやt−ブチルペルオキ
シベンゾエート等のペルオキシエステル類、ジクミルペ
ルオキシドやジ-t-ブチルペルオキシド等のジアルキル
ペルオキシドが好ましく用いられる。
【0054】ポリオールの(C1)低温反応性硬化剤と
して上述したポリイソシアネートを使用し、(C2)潜
在硬化性硬化剤として上述したブロックイソシアネート
を使用することが可能である。この場合、ポリイソシア
ネートとブロックイソシアネートの混合の割合は、ポリ
イソシアネートのNCO数1に対して、ブロックイソシ
アネートのNCO数は0.6〜5、特に0.8〜4の範囲
が好ましい。
【0055】本発明に使用する(B)鎖状重合体は、使
用する(A)熱架橋重合性化合物や必要に応じて使用す
る硬化剤と均一に混合し、均一な熱硬化性組成物を与え
うるものである。本発明において、鎖状重合体とは、架
橋重合体でない重合体をいい、直鎖状重合体と枝分かれ
重合体を含む。本発明で使用する鎖状重合体は、非晶性
であっても結晶性であってもよい。勿論、鎖状重合体
は、単独で用いることもできるし、二種類以上を混合し
て使用することもできる。
【0056】本発明の樹脂複合体で使用できる(B)鎖
状重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン、スチレン/マレイン酸共重合体、スチ
レン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メチルメ
タクリレート共重合体の如きスチレン系重合体;ポルス
ルホンやポリエーテルスルホンの如きポリスルホン系重
合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリメチルアクリレートの如きポリ(メタ)ア
クリレート系重合体;ポリアクリロニトリル系重合体;
ポリマレイミド系重合体;
【0057】ビスフェノールAタイプポリカーボネー
ト、ビスフェノールZタイプポリカーボネート等のポリ
カーボネート系重合体;ニトロセルロース、酢酸セルロ
ース、エチルセルロースの如きセルロース誘導体;ポリ
酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体の如き酢酸
ビニル系重合体;熱可塑性ポリウレタン系重合体;ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン
や塩素化ポリプロピレンの如き塩素含有重合体;ポリア
ミド系重合体;ポリ乳酸系重合体;ポリイミド系重合
体;ポリフェニレンオキサイド;
【0058】ポリフェニレンサルファイド/ポリスルホ
ン共重合体の如きポリエーテル系やポリチオエーテル系
重合体;テレフタル酸やイソフタル酸などより得られる
芳香族ポリエステル系重合体;ポリカプロラクトンの如
きポリエステル系重合体;フェノキシ樹脂;ポリエチレ
ングリコール系重合体、ポリビニルピロリドン系重合
体;ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールの如
きビニルアセタール系重合体;ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリロ−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ムの如きジエン系ゴム;クロロプレンゴム、イソプレン
ゴムの如きプレン系ゴム;アクリルゴムの如き未架橋ゴ
ムなどが挙げられる。
【0059】鎖状重合体は柔軟性と強度とを兼ね備えた
ものが多いが、特に高い破断伸び率、高いヤング率、高
い耐衝撃性、低摩擦係数、高い耐摩耗性などの物性を有
するものがある。本発明では、改善すべき物性により、
(B)鎖状重合体として好適な鎖状重合体を選択して使
用することが出来る。
【0060】本発明に用いられる(B)鎖状重合体は、
これらの中でも、スチレン/マレイン酸共重合体、スチ
レン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メチルメ
タクリレート共重合体の如きスチレン系重合体、ポリエ
ーテルスルホンやポルスルホンの如きポリスルホン系重
合体、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合
体、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
ビニルアセタール系重合体、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸
ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレ
ート系重合体、セルロース誘導体などが特に好ましい。
【0061】これら(B)鎖状重合体は重合物の種類に
よって特性が異なり、目的に応じて適宜選択される。即
ち、スチレン系重合体やポリ(メタ)アクリレート系重
合体では高い透明性、高強度・高弾性等を付与でき、ポ
リカーボネート系重合体では透明性や高い耐衝撃性など
を、ポリスルホン系重合体では高強度などを、ポリエス
テル系重合体、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール
では高強度と柔軟性などを、ポリ酢酸ビニル、熱可塑性
ポリウレタン、ポリビニルブチラールでは高い柔軟性
を、ポリ塩化ビニルは経済性、高強度などを各々、得ら
れる樹脂複合体に付与することができる。
【0062】熱硬化性組成物中の(A)熱架橋重合性化
合物と(B)鎖状重合体との好ましい配合割合は、用い
る樹脂の種類や求める特性により異なるが、(A)熱架
橋重合性化合物100重量部に対して(B)鎖状重合体
が7〜900重量部の範囲が好ましく、15〜400重
量部の範囲がより好ましく、20〜300重量部の範囲
が更に好ましい。この範囲外では物性の向上が不十分と
なりがちである。
【0063】本発明の製造方法では、まず、(A)熱架
橋重合性化合物、即ち加熱により硬化して架橋重合体を
与える化合物と(B)鎖状重合体、及び必要に応じて
(C)硬化剤とを混合し、相溶した熱硬化性組成物を調
製する。(A)熱重合性化合物と(B)鎖状重合体、及
び必要に応じて使用する(C)硬化剤は、後述する第1
硬化工程を施す温度域で、均一に相溶する組み合わせが
選ばれる。該熱硬化性組成物が均一に混合しているか
は、目視により熱硬化性組成物の透明性を確認する方法
や光学顕微鏡などによる液滴の有無を確認する方法など
により知ることが可能である。
【0064】また(A)熱架橋重合性化合物として、室
温では固体状の化合物や分子量が比較的大きなプレポリ
マーなどを使用する場合は、熱硬化性組成物中に(A)
熱架橋重合性化合物が可溶な溶剤を添加して均一な組成
物とすることも可能である。この場合、熱硬化性組成物
中の溶媒の添加量は後述する第1硬化工程を施す温度域
での熱硬化性組成物の粘度が50Pa・s以上となる量
以下であることが好ましい。
【0065】溶媒量は使用する熱硬化性化合物の分子量
などにより異なるが、通常、熱硬化性組成物中の含有量
は60重量%以下が好ましく、更に好ましくは50重量
%以下である。熱硬化性組成物に含まれる溶媒は任意の
段階で除去することが出来るが、第2硬化工程までの段
階で除去することが好ましい。第1硬化工程あるいは相
分離工程中に除去することもできる。除去方法は任意で
あるが、例えば、風乾、熱風乾燥、赤外線乾燥、真空乾
燥、電磁波による乾燥法などが使用できる。
【0066】使用する溶剤は任意であるが、揮発性溶剤
であることが好ましい。揮発性溶剤は沸点が150℃以
下であることが好ましく、100℃以下であることが更
に好ましい。このような溶剤としては、例えば、塩化メ
チレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロ
ロエタンの如き塩素系溶剤;メタノール、エタノールの
如きアルコール系溶剤;アセトン、2−ブタノンの如き
ケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル
系溶剤;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド
のようなアミド系溶剤;ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル系溶剤;ト
ルエン、シクロヘキサンの如き炭化水素系溶剤などを挙
げることができる。
【0067】熱硬化性組成物には、必要に応じて、その
他の成分を添加することもできる。その他の成分として
は、例えば、反応性溶剤、光重合開始剤、改質剤、着色
剤、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤などが挙げられる。改
質剤としては、例えば、親水性向上剤として作用するシ
リカゲル、酸化チタンの如き無機粉末やセルロースの如
き有機粉末、界面活性剤;滑剤、撥水剤、レベリング剤
などとして作用するシリコンオイル;ポリ4フッ化エチ
レン粉末などの摩擦係数低下剤などが挙げられる。
【0068】熱硬化性組成物に添加することができる着
色剤としては、任意の染料や顔料、蛍光色素が挙げられ
る。これらの添加剤は、必ずしも熱硬化性組成物に均一
に混合する必要はない。また、繊維強化プラスチック、
ラミネートシートなどの複合体とすることも可能であ
る。
【0069】(A)熱架橋重合性化合物と(B)鎖状重
合体及び必要に応じて混合される(C)硬化剤などを混
合して熱硬化性組成物を製造する方法は任意である。混
合時間短縮のため、構成成分が変質しない範囲で温度を
上げた状態で短時間混合することも好ましい。混合温度
は100℃以下が好ましく、80℃以下が更に好まし
く、50℃以下が特に好ましい。また、混合時間短縮の
ため、熱架橋重合性化合物、活性エネルギー線架橋重合
性化合物と鎖状重合体の共通溶剤を用いて任意の順序で
混合し、均質に混合した硬化性組成物の溶液を調製した
後、溶剤を揮発除去する方法も好ましい。
【0070】溶剤を揮発除去させる方法も任意である
が、熱硬化性組成物を調製した段階で、溶剤を減圧や薄
膜蒸留などの方法で除去し、その後に賦形する方法や、
溶剤を含有する熱硬化性組成物を塗膜状などに賦形した
後、溶剤を除去して熱硬化性組成物の賦形物を得る方法
などが可能である。
【0071】使用する溶剤は任意であるが、揮発性溶剤
であることが好ましい。揮発性溶剤は沸点が150℃以
下であることが好ましく、100℃以下であることが更
に好ましい。このような溶剤としては、例えば、塩化メ
チレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロ
ロエタンの如き塩素系溶剤;メタノール、エタノールの
如きアルコール系溶剤;アセトン、2−ブタノンの如き
ケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル
系溶剤;
【0072】ジメチルホルムアミドやジメチルアセトア
ミドのようなアミド系溶剤;ジエチルエーテル、ジブチ
ルエーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル系溶
剤;トルエン、シクロヘキサンの如き炭化水素系溶剤;
蟻酸の如き酸;クロロフェノールの如きフェノール類;
液化二酸化炭素、液化アンモニアの如き液化ガス;超臨
界二酸化炭素の如き超臨界流体などが挙げられる。
【0073】溶剤除去方法も任意であり、例えば、風
乾、熱風乾燥、赤外線乾燥、真空乾燥、電磁波による乾
燥等であり得る。また、ポリイソシアネートのように湿
気により架橋重合が開始する熱架橋重合性化合物を使用
する場合、乾湿空気、乾湿窒素などの乾湿雰囲気中や、
真空中で溶媒を除去する方法が好ましく用いられる。
【0074】熱硬化性組成物は、塗膜状、フィルム状
(シート状、リボン状などを含む)、繊維状、注型物、
含浸物などの任意の形状に賦形される。賦形方法も任意
であり、例えば、塗布、流延、浸漬、注型、含浸、押し
出しなどであり得る。熱硬化性組成物の調製が溶剤を使
用する方法である場合には、賦形は溶剤除去の前、後、
又は同時であっても、また一部除去の後であっても良
い。熱硬化性組成物の粘度が高い場合や、賦形物が塗膜
やフィルムのような厚みの小さいものである場合には、
賦形後に溶剤除去を行なうことが好ましい。
【0075】第1硬化工程は、熱硬化性組成物を比較的
低温度に処理して熱架橋重合性化合物の重合性基の内の
25%程度以上を重合させることにより、賦形した熱硬
化性組成物を流動性のない半硬化状態とする。第1硬化
工程の半硬化物の硬化度合いは、架橋重合性化合物の架
橋重合性基の反応率が25〜70%であることが好まし
く、特に好ましくは30〜65%である。
【0076】反応率がこの範囲未満の場合は、第1硬化
工程に次いで行う相分離工程の際に、相分離が大きく進
行し透明性や力学特性が低下しがちであるために好まし
くなく、反応率が70%を越える場合には、続いて行う
相分離工程の際に相分離の進行が不十分となり力学特性
の改良効果が低下しがちである為、好ましくない。架橋
重合性基の反応率は、(フーリエ変換)赤外吸収スペク
トロメトリー(FT−IR)測定やラマン散乱測定或い
は核磁気共鳴吸収(NMR)測定等により架橋重合性基
部分のスペクトル面積や強度の変化から求めることが出
来る。
【0077】このような半硬化物は、例えば、(C)硬
化剤として、(C1)低温反応性硬化剤と(C2)潜在
硬化性硬化剤とを併用し、(C1)低温反応性硬化剤の
作用温度の選択や(C1)低温反応性硬化剤量の調節な
どにより制御することが可能である。
【0078】また、本発明の半硬化物は1つのガラス転
移温度(Tg1)を有することが、引き続く各工程の自
由度が高くなり、本発明の効果が十分に発揮されるため
特に好ましいが、2つのガラス転移温度を有する場合で
も目的とする樹脂複合体を得ることは可能である。つま
り、相分離していない状態か或いは相分離していても完
全には相分離が進行していない不十分な相分離状態であ
ることが好ましい。
【0079】半硬化物が2つのガラス転移温度を有する
場合には、低温度側のガラス転移温度を該半硬化物のガ
ラス転移温度Tg1とする。また、Tg1は、引き続く
各工程の自由度が高くなる理由で、120℃以下、特に
100℃以下であることが好ましい。このような範囲の
Tg1を得るためには半硬化物の反応率を上述した範囲
内でコントロールしたり、使用する(A)熱架橋重合性
化合物や(C)硬化剤の種類を選択することで得ること
が可能である。
【0080】ガラス転移温度は、一般的なガラス転移温
度(Tg)の測定方法、例えば示差熱分析(DSC)、
動的粘弾性測定(DMA)、比容や線膨張係数の温度変
化等によって測定できる。例えばDMAでは、温度対t
anδ(=損失弾性率/貯蔵弾性率)のグラフにおける
ピークとしてガラス転移温度が得られる。この場合、相
分離していない状態ではピークが1つだけ現れ、不十分
に相分離した状態ではブロードなピークや、肩付きピー
クなどの十分に分離していないピークとして現れる。一
方、相分離した状態ではtanδピークは分離した状態
で2つ観察される。
【0081】但し、ブレンドする熱架橋重合性化合物の
単独硬化物のTgと鎖状重合体のTgに差がない場合に
は、相分離してもピークが1つとなったり、ブロードな
ピークとして現れる場合がある。このような場合には、
相分離状態は、電子顕微鏡や核磁気共鳴(NMR)で判
定する。
【0082】このような半硬化物はまた、第一効果工程
の温度や時間、熱硬化性組成物の粘度を制御することに
よっても得ることができる。ここで言う粘度は、第1硬
化工程の重合温度における粘度を言う。熱硬化性組成物
の粘度は、使用する樹脂の種類やブレンド組成によって
異なるために一概には規定できないが、重合温度におけ
る熱硬化性組成物の粘度は50Pa・s以上、更に好ま
しくは100Pa・s以上である。
【0083】上記の粘度未満では相分離が過剰に進行し
易くなって好ましくない。該粘度の上限については、粘
度が高くて通常の粘度計では測定困難な場合にも本発明
が目的とする半硬化物を得ることが出来、特に制限され
ないが、好ましくは1000000Pa・s以下、更に
好ましくは500000Pa・s以下である。
【0084】第1硬化工程の重合温度は、続く相分離工
程や第2硬化工程を効率的に進行させるための生産上の
理由から、−50℃〜+80℃の範囲が好ましく、−3
0℃〜+60℃の範囲が更に好ましい。このような条件
で重合を進行させ得る低温反応性硬化剤を用いることが
好ましい。更に、該熱硬化性組成物のガラス転移温度を
(Tg0)とすると、第1硬化工程の硬化温度は、好ま
しくは(Tg0+80℃)以下、更に好ましくは(Tg
0+50℃)以下、特に好ましくは(Tg0+30℃)
以下、最も好ましくはTg0以下の温度である。これら
を越える温度の場合、相分離が大きく進行し易くなって
好ましくない。
【0085】第1硬化工程で得られた半硬化物を第1硬
化工程を越える温度域で加熱保持することによって、相
分離を進行させる相分離工程が行われる。本工程による
相分離は、半硬化物中には架橋重合性化合物の低密度の
架橋網目が形成されている為この架橋網目が相分離の大
きな進行を抑制し、微小な相分離構造を与える。
【0086】本発明の相分離工程での相分離は、第1硬
化工程の処理温度より高い温度、好ましくは第1硬化工
程の温度より10℃以上高い温度で行われ、且つ、引き
続き行う第2硬化工程との関係から150℃以下、特に
140℃以下の温度で好ましく行われる。また、更に、
第1硬化工程後に得られた半硬化物のガラス転移温度を
Tg1としたとき、Tg1〜(Tg1+150℃)の温
度範囲が好ましく、Tg1〜(Tg1+130℃)の温
度範囲が更に好ましい。
【0087】Tg1未満では分子運動が不十分であるた
めに相分離が不十分となり、十分な特性改良効果が発揮
されず好ましくない。また、(Tg1+150℃)を越
える場合には、相分離が過度に進行しがちであり、力学
特性が低下するかあるいは向上の程度が低いため好まし
くない。このような温度範囲で好適に熱処理を行うこと
ができる半硬化物は第1硬化工程の半硬化物の反応率や
樹脂の種類を選択することにより得ることができる。
【0088】相分離工程は、相分離が進行する前に熱硬
化性組成物が硬化してしまうことを避ける必要がある。
そのためには本工程の温度の選択が重要である。上記の
温度範囲内であっても、実施する系に好適な温度を選択
する必要がある。このような温度は簡単な実験により選
定することが出来る。相分離が進行する前に熱硬化性組
成物が硬化してしまうことを避ける為に、(C2)潜在
硬化性硬化剤を用いる場合には作用温度の選択が重要で
ある。相分離工程の温度では作用しない(C2)潜在硬
化性硬化剤を選択する必要がある。
【0089】相分離工程の処理時間は、使用する樹脂の
種類やブレンド組成、処理温度により大きく異なるが、
好ましくは0.1〜24時間、更に好ましくは0.2〜5
時間、最も好ましくは0.3〜2時間の範囲で行われる
が、本発明が目的とする効果が現れる、出来るだけ最小
の時間が好ましい。そのような時間最適値は簡単な実験
で見出すことが出来る。
【0090】相分離工程後の半硬化物は、2つ以上のガ
ラス転移温度を有し、相分離した状態になる。但し、使
用する(A)熱架橋重合性化合物の単独硬化物のガラス
転移温度と(B)鎖状重合体のガラス転移温度に大きな
差がない場合や、(A)熱架橋重合性化合物と(B)鎖
状重合値の含有量が大きく異なる場合には、ガラス転移
温度が1つしか観測されない場合もある。しかし、この
場合、電子顕微鏡などで相構造を直接観察する方法やパ
ルス核磁気共鳴吸収法などにより縦緩和時間を測定する
などの方法で相分離を確認することが可能である。
【0091】第2硬化工程では、相分離工程で相分離さ
せた半硬化物の未反応の架橋重合性基を十分に反応さ
せ、熱硬化性組成物を十分に硬化した樹脂複合体と成
す。第2硬化工程は、通常、相分離工程での処理温度よ
り高く、(C2)潜在硬化性硬化剤を使用する場合には
該(C2)潜在硬化性硬化剤が作用する温度以上で加熱
することにより熱重合させる。
【0092】特開平7−33991号公報などに代表さ
れる疑似相溶ブレンド系では熱架橋重合性化合物が形成
する架橋網目の中に鎖状重合体が均質に侵入した構造を
有するために、十分な熱硬化を行っても熱架橋重合性基
の反応率がある程度以上向上しないのに対し、本発明で
は相分離工程で熱架橋重合性化合物と鎖状重合体が相分
離するために、第2硬化工程を施すことにより反応率を
十分に高くすることができる。
【0093】第2硬化工程により得られる樹脂複合体の
熱架橋重合性基の反応率は使用する樹脂の種類やブレン
ド組成により異なり、一概には規定できないが、該樹脂
複合体の熱架橋重合性基の反応率は好ましくは70%を
越え、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90
%以上である。分子量が低い熱架橋重合性化合物を使用
する場合、高い反応率となるが、分子量の大きな熱架橋
重合性化合物を使用する場合、高い反応率が得られなく
なる傾向が見られる。樹脂複合体の熱架橋重合性基の反
応率は、第1硬化工程後に得られた半硬化物の反応率と
同様な方法で求めることができる。
【0094】第2硬化工程の加熱温度の上限は、使用す
る硬化剤の種類などにより大きく異なるために、一概に
は規定できないが、通常、相分離工程の処理温度以上で
350℃以下、更に300℃以下、特に250℃以下が
好ましい。350℃を越えると樹脂の分解や相分離等の
影響が生じるため好ましくない。第2熱処理工程は無酸
素雰囲気又は低酸素雰囲気で実施することも好ましい。
また、最初は相分離工程の処理温度付近の低温から、徐
々に昇温する方法も好ましく用いられる。
【0095】また、本発明では、相分離工程を昇温条件
で実施し、連続的に第2硬化工程に導入することも可能
であり、更に、第1硬化工程から、相分離工程、第2硬
化工程を昇温条件で連続的に実施することも可能であ
る。
【0096】本発明の製造方法で得られた樹脂複合体
は、優れた力学的特性を示す。特に、本発明の樹脂複合
体は、特開平7−33991号公報などの方法で得られ
る熱硬化性樹脂と鎖状重合体が擬似的均一相溶構造を形
成する樹脂複合体や、特開平7−102175号広報な
どの方法で得られる大きな相分離構造を有する樹脂複合
体より、高い力学特性、特に高い曲げ強度や引張強度を
示す。
【0097】即ち、擬相溶状態などの樹脂複合体の場
合、組成を横軸に、特性(引張強度)を縦軸に図示する
と、該構造体の特性は、通常は複合化する2つの樹脂の
単体での特性を結ぶ直線上(以後、この直線に乗る値を
「組成の重み付き相加平均値」又は単に「相加平均値」
と呼ぶ場合がある)に現れるが、本発明の樹脂複合体の
特性、特に引張強度や曲げ強度などの強度は相加平均値
を越える値にすることが出来る。
【0098】本発明の製造方法で得られる樹脂複合体
は、通常2つ以上、好ましくは2つのガラス転移温度を
有する。即ち、相分離した状態にある。相構造の大きさ
は、非常に小さく、例えば構造周期や粒子径を0.5μ
m以下、特に好ましくは0.1μm以下のナノオーダー
のスケールにすることができる。相構造の大きさは透過
型電子顕微鏡(TEM)により観測できるが、透明性か
らも判断できる。本発明の樹脂複合体は、光学的に透明
性を示す程度に小さなスケールの相分離構造を形成する
ことが出来る。樹脂複合体の層構造の寸法は、第1硬化
工程の反応率、半硬化物のTg1、相分離工程の温度、
時間などによって制御することができる。
【0099】本発明の製造方法で得られる樹脂複合体
は、特にフィルムや塗膜の形状に成形することが好まし
く、強靱性に優れるフィルムや塗膜が得られる。これら
フィルムや塗膜の厚みは、好ましくは1mm以下、更に
好ましくは0.5mm以下、最も好ましくは0.3mm以
下である。
【0100】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は以下の実施例の範囲に
限定されるものではない。
【0101】(反応率測定)第1硬化工程後に得られる
半硬化物と第2硬化工程後に得られる樹脂複合体の熱架
橋重合性基の反応率はFT−IR測定より求めた。FT
−IRは日本分光社製のFT−IR 550を使用し
た。
【0102】(ガラス転移温度の測定)ガラス転移温度
(Tg)の測定は、示査走査型熱量計(DSC;パーキ
ンエルマー株式会社製)を用いた。約5mgのサンプル
を用いて、毎分20℃の速度で測定した。また、最終的
に得られる樹脂複合体のガラス転移温度は動的粘弾性測
定によりtanδの温度分散を求め、tanδのピーク
温度として得た場合もある。その場合、レオメトリック
ス株式会社製の固体の動的粘弾性測定装置(DSA-I
I)を用い、樹脂複合体は厚さ150μm、幅5mm、
長さ約40mmとし、昇温速度2℃/分、周波数1Hz
で測定を行った。
【0103】(力学的性質の測定)引張破壊試験及び曲
げ試験は、島津製作所製の引張試験機(オートグラフA
GS−H)を使用した。引張破壊試験は、幅3mm、厚
み約0.15mmの試験片として、サンプル長10m
m、引張速度を毎分5mmとし試験を行った。曲げ試験
は、幅約10mm、厚み約2mmの試験片として、スパ
ン長30mm、毎分2mmの速度で試験を行った。
【0104】(粘度測定)熱硬化性組成物の粘度はレオ
メトリックス株式会社製の動的粘弾性測定装置RDS-
IIを使用し測定した。直径25mmφのパラレルプレ
ートを使用し、サンプル厚約1.5mmとした。複素粘
性率の周波数分散を測定し周波数=0への外挿値を求め
て粘度とした。
【0105】[実施例1/比較例1]熱重合性化合物と
して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン8
50;エポキシ当量190、大日本インキ化学工業株式
会社製)100g、熱重合性化合物の硬化剤として、脂
肪族ポリアミン(エピクロンB-053;活性水素当量
77、大日本インキ化学工業株式会社製)5g、ジシア
ンジアミン(和光純薬株式会社製)0.5g、鎖状重合
体として、ポリサルホン(ユーデルP3703、アムコ
株式会社製)80gを塩化メチレン400gに溶解し、
均質混合した熱硬化性組成物を得た。
【0106】このようにして得た熱硬化性組成物の溶液
をガラス板上に塗布した後、室温で溶剤を揮発させ、更
に室温で真空乾燥させ、熱硬化性組成物の未硬化の塗膜
を得た。塗膜の粘度は50℃で約10000Pa・sで
あった。次いで、この塗膜にガラス板のカバーを密着装
着して、未硬化の塗膜を2枚のガラス板に挟まれた状態
とした。該塗膜を50℃に2時間保持し半硬化塗膜が得
られた。この半硬化塗膜のガラス転移温度は57℃であ
り、FT−IR測定より求めた反応率は約40%であっ
た。反応率は910cm-1のエポキシ部分のバンドと1
605cm-1のバンドの面積比より求めた。
【0107】この半硬化塗膜を100℃で2時間保持し
相分離させた後、170℃で1時間熱処理を施し、樹脂
複合体を得た。樹脂複合体のFT−IR測定より求めた
反応率は約90%であり、粘弾性測定から130℃と1
85℃に2つのガラス転移温度が観察された。
【0108】樹脂複合体の曲げ試験を行った結果、曲げ
強度が130MPa、弾性率が2.6GPa、破断伸び
が30%であった。「エピクロン850」の単独硬化物
は、曲げ強度が105MPa、弾性率が2.4GPa、
破断伸びが8%であるため、力学的特性が大きく向上し
ていることが判る。また、「PSF」の曲げ強度は12
5MPa、弾性率は2.3GPaであり、相加平均値は
曲げ強度が113MPa、弾性率が約2.35GPaで
ある。相加平均値を上回る特性が得られ、興味深いこと
に、複合体の強度は補強樹脂として働くPSFの強度よ
り高強度であった。
【0109】また、走査型電子顕微鏡(SEM:日立製
作所製FE-SEM S-800)を用いて実施例1の樹
脂複合体の断面構造を観察したところ、エポキシ樹脂が
径0.06〜0.08μmの大きさの球状粒子を形成し、
それを包み込むような形でPSFが連続相を形成して分
離しているのが観察された。塩化メチレンでPSFをエ
チングすると球状のエポキシ樹脂も互いに結合しおり、
共連続構造を形成しているのが確認された。
【0110】比較例1として、実施例1の熱硬化性組成
物の未硬化塗膜を170℃で1時間熱処理を施し樹脂複
合体を得た。曲げ強度が60MPa、弾性率が2.2G
Pa、破断伸びが5%であり、ブレンドすることにより
力学特性は著しく低下した。SEMで樹脂複合体の相構
造を観察したところ、粒子径が0.5〜5μm以上の大
きさの粒子が不均質に分散しているのが観察された。
【0111】[実施例2]熱架橋重合性化合物として、
アクリルポリオール(アクリディックA-823;トル
エン50%溶液、OH価=30%、大日本インキ化学工
業株式会社製)10g、鎖状重合体として、フェノキシ
樹脂(PKHH、ユニオン・カーバイド株式会社製)4
g、硬化剤としてポリイソシアネート(バーノック D
N980;酢酸エチル50%溶液、NCO価=15%)
0.5gとブロックイソシアネート(バーノック D5
50;酢酸エチル50%溶液、NCO価=8%)1.8
g、塩化メチレン10gを用いて、均一な混合溶液を調
製した。
【0112】均一混合溶液を基板に塗布し、室温−窒素
雰囲気下で溶媒を揮発させた。均質な未硬化塗膜が得ら
れた。未硬化塗膜を50℃で30分間保持し、半硬化物
を得た。FT−IRにより半硬化物の未反応のNCO量
(約2340cm-1のピーク面積より算出)を求めたと
ころ、約45%であり、ガラス転移温度は約30℃であ
った。該半硬化物を60℃で10分間、次いで80℃で
30分間、更に100℃で30分間保持させて、相分離
を行った後、150℃で1時間保持して十分に硬化さ
せ、樹脂複合体を得た。
【0113】樹脂複合体の引張強度は75(MPa)、
弾性率は2.3(GPa)であった。アクリルオリオー
ルとポリイソシアネート及びブロックイソシアネート
(実施例2と同じ量)だけを150℃で3時間硬化させ
た硬化物の引張強度は60(MPa)、弾性率は2.2
(GPa)であった。フェノキシ樹脂の引張強度は63
(MPa)、弾性率は1.9(GPa)であり、重み付
きの相加平均値は約61(MPa)、2.0(GPa)
である。樹脂複合体の力学特性は相加平均値を上回る特
性となった。
【0114】[実施例3]熱重合性化合物として、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン850)10
0g、熱重合性化合物の硬化剤として、脂肪族ポリアミ
ン(エポクロンB-053)5g、ジシアンジアミン
(和光純薬株式会社製)0.5g、鎖状重合体として、
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(クリアパク
トTS?50、大日本インキ化学工業株式会社製;以下
では「MS樹脂」と省略する)80gを塩化メチレン4
00gに溶解し均質混合溶液を得た。
【0115】このようにして得た熱硬化性組成物の溶液
をガラス板上に塗布した後、室温で溶剤を揮発させ、更
に、室温で真空乾燥させ、熱硬化性組成物の未硬化の塗
膜を得た。塗膜の粘度は50℃で約6000Pa・sで
あった。次いで、この塗膜にガラス板のカバーを密着装
着して、未硬化の塗膜を2枚のガラス板に挟まれた状態
とした。該塗膜を50℃に2時間保持し半硬化塗膜が得
られた。この半硬化塗膜のガラス転移温度は46℃であ
り、実施例1と同様な方法で求めた反応率は約45%で
あった。
【0116】この半硬化塗膜を80℃で2時間保持し相
分離させた後、170℃で1時間熱処理を施し、樹脂複
合体を得た。樹脂複合体のFT−IR測定より求めた反
応率は約88%であった。また、樹脂複合体の引張試験
を行った結果、引張強度が75MPa、弾性率が2.6
GPaであった。「エピクロン850」の単独硬化物
は、引張強度が55MPa、弾性率が2.3GPaであ
るため、力学的特性が大きく向上していることが判る。
また、「MS樹脂」の引張強度は68MPa、弾性率は
2.6GPaであり、相加平均値は引張強度が約60M
Pa、弾性率が約2.45GPaである。相加平均値を
上回る特性が得られた。
【0117】また、実施例1と同じようにSEMによる
樹脂複合体の断面構造の観察を行った。エポキシ樹脂が
径0.1μmの大きさの球状粒子を形成し、それを包み
込むような形でMS樹脂が連続相を形成して分離してい
るのが観察された。塩化メチレンでMS樹脂をエチング
すると球状のエポキシ樹脂も互いに結合しおり、共連続
構造を形成しているのが確認された。
【0118】
【発明の効果】本発明は、一般に強靱性に乏しい熱硬化
性樹脂の力学特性、特に曲げ強度や引張強度が改善され
た樹脂複合体を容易に得ることが出来る、熱硬化性性樹
脂と鎖状重合体との樹脂複合体の製造方法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 A 67/06 67/06 75/04 75/04 // B29K 33:20 B29K 33:20 55:02 55:02 61:04 61:04 63:00 63:00 67:00 67:00 69:00 69:00 (72)発明者 穴澤 孝典 千葉県佐倉市大崎台4−35−5 Fターム(参考) 4F203 AA13 AA15 AA28 AA37 AA39 AA41 AB03 AB04 AH37 DA12 DB01 DC01 DK07 DK13 4J002 AB01X BC02X BD03X BE06X BF02X BG02X CD00W CF00X CF21W CG00X CH08X CK02W CK02X CN03X FD010 FD020 GH02 GQ00 4J027 AB05 AB06 AB07 AB08 AB22 AB23 AB24 AB25 CA02 CA03 CA10 CB03 CB04 CC02 CD02 4J034 BA03 CA03 CA22 DC02 DC19 DC50 DF01 DF03 DF14 DF22 DG02 DG03 DG04 DG05 DG06 HA01 HA07 HA08 HA18 HB08 HC01 HC12 MA21 MA22 MA24 QC04 RA05 RA14 SA02 SB01 SB03 SB04 4J036 AA01 AC01 AD08 AD20 AD21 AF06 AG07 AG09 AH01 AH04 AH15 DA04 DA05 DA06 DB06 DB15 DC02 DC31 FB02 FB03 FB07 FB11 FB15 JA05 JA08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱架橋重合性化合物と(B)鎖状
    重合体とを均一に混合した熱硬化性組成物の賦形物を 加温処理して流動性のない固体状の半硬化物と成す
    第1硬化工程、 半硬化物を第1硬化工程の処理温度を越える温度で
    加熱保持することにより相分離を進行させる相分離工
    程、及び 相分離工程の処理温度を越える温度で半硬化物を十
    分に硬化させ、相分離した硬化物とする第2硬化工程と
    から成る樹脂複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性組成物が、第1硬化工程の温度
    で熱硬化性組成物を半硬化させることが可能な(C1)
    低温反応性硬化剤と、相分離工程の処理温度以下では熱
    硬化性組成物を十分に硬化させることが出来ず、相分離
    工程の処理温度を越える温度で(A)熱架橋重合性化合
    物を硬化させる(C2)潜在硬化性硬化剤とを含む請求
    項1に記載の樹脂複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1硬化工程における熱硬化性組成物の
    賦形物の半硬化が(A)熱架橋重合性化合物の熱架橋重
    合性官能基の反応率が25〜70%なる範囲の硬化程度
    である請求項1又は2に記載の樹脂複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1硬化工程を熱硬化性組成物の粘度が
    50Pa・s以上となる温度で行うことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂複合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第2硬化工程を(C2)潜在硬化性硬化
    剤が作用する温度行うことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の樹脂複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1硬化工程を80℃以下の温度、相分
    離工程を第1硬化工程の処理温度以上で且つ150℃以
    下の温度でそれぞれ行うことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1つに記載の樹脂複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1硬化工程で得られる半硬化物のガラ
    ス転移温度(Tg1)が120℃以下であり、相分離工
    程の処理温度がTg1〜(Tg1+150℃)の範囲で
    ある請求項1〜4のいずれか1つに記載の樹脂複合体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 熱硬化性組成物が、(A)熱架橋重合性
    化合物100重量部に対して、(B)鎖状重合体7〜9
    00重量部を含有する請求項1〜7のいずれか1つに記
    載の樹脂複合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 (A)熱架橋重合性化合物がエポキシ樹
    脂であり、(C1)低反応性硬化剤が常温硬化性のアミ
    ン系硬化剤であり、(C2)潜在硬化性硬化剤が酸無水
    物、フェノール樹脂及びジシアンジアミンから選ばれる
    1種以上である請求項2〜7のいずれか1つに記載の樹
    脂複合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 (A)熱架橋重合性化合物がアクリル
    ポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリエステル
    ポリオールから選ばれる1種以上であり、(C1)低温
    反応性硬化剤が1種以上の低温反応性のポリイソシアネ
    ートであり、(C2)潜在硬化性硬化剤が1種以上のブ
    ロックイソシアネートである請求項2〜7のいずれか1
    つに記載の樹脂複合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 (A)熱架橋重合性化合物が不飽和ポ
    リエステルであり、(C1)低温反応性硬化剤がケトン
    ペルオキシド類、ヒドロペルオキシド類、ジアシルペル
    オキシド類から選ばれた1種以上の過酸化物であり、
    (C2)潜在硬化性硬化剤が、ペルオキシケタール類、
    ペルオキシエステル類、ジアルキルペルオキシド類から
    選ばれる1種以上の過酸化物である請求項2〜7のいず
    れか1つに記載の樹脂複合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 (B)鎖状重合体が、スチレン系重合
    体、ポリスルホン系重合体、ポリカーボネート系重合
    体、ポリエステル系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
    ルアセタール系重合体、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニ
    ル、熱可塑性ポリウレタン、セルロース誘導体、及びポ
    リ(メタ)アクリレート系重合体から選ばれる1種以上
    の重合体である請求項1〜11のいずれか1つに記載の
    樹脂複合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 樹脂複合体が、2つのガラス転移温度
    を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1
    つに記載の樹脂複合体の製造方法。
  14. 【請求項14】 樹脂複合体が、0.5μm以下の大き
    さの相分離構造を有することを特徴とする請求項1〜1
    2のいずれか1つに記載の樹脂複合体の製造方法。
  15. 【請求項15】 樹脂複合体の強度が、(A)熱架橋重
    合性化合物の硬化物の曲げ強度と(B)鎖状重合体の曲
    げ強度との組成の重み付き相加平均値以上であるか、
    (A)熱架橋重合性化合物の硬化物の引張強度と(B)
    鎖状重合体の引張強度との組成の重み付き相加平均値以
    上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1
    つに記載の樹脂複合体の製造方法。
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