JP2002061038A - ポリトリメチレンテレフタレート繊維 - Google Patents
ポリトリメチレンテレフタレート繊維Info
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- JP2002061038A JP2002061038A JP2000243075A JP2000243075A JP2002061038A JP 2002061038 A JP2002061038 A JP 2002061038A JP 2000243075 A JP2000243075 A JP 2000243075A JP 2000243075 A JP2000243075 A JP 2000243075A JP 2002061038 A JP2002061038 A JP 2002061038A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 巻締まりおよびバルジの発生無く工業的に製
造可能で、安定して高速での延伸仮撚加工ができるPT
T−POY及び、優れた品質の仮撚加工糸を提供する。 【解決手段】 高重合度のPTTポリマーを用い、溶融
繊維の急激な冷却を抑制するために特定範囲の紡口表面
温度として押出し、極低張力にて巻き取る特殊な紡糸法
を用いて製造した、特定の範囲内の極限粘度、配向性、
伸度及び収縮性を有したPTT−POY、及び該繊維の
仮撚加工糸、およびそれらの製造方法。 【効果】 巻締まりやバルジの発生を無く製造でき、高
速での延伸仮撚加工性を格段に向上でき、高品質の仮撚
加工糸を生産性良く得ることができる。
造可能で、安定して高速での延伸仮撚加工ができるPT
T−POY及び、優れた品質の仮撚加工糸を提供する。 【解決手段】 高重合度のPTTポリマーを用い、溶融
繊維の急激な冷却を抑制するために特定範囲の紡口表面
温度として押出し、極低張力にて巻き取る特殊な紡糸法
を用いて製造した、特定の範囲内の極限粘度、配向性、
伸度及び収縮性を有したPTT−POY、及び該繊維の
仮撚加工糸、およびそれらの製造方法。 【効果】 巻締まりやバルジの発生を無く製造でき、高
速での延伸仮撚加工性を格段に向上でき、高品質の仮撚
加工糸を生産性良く得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速での延伸仮撚
加工に適したポリトリメチレンテレフタレート部分配向
繊維及びそのチーズ状パッケージ及び仮撚加工糸に関す
る。更に詳しくは、本発明は工業的に製造可能で、安定
した高速での延伸仮撚加工ができるポリトリメチレンテ
レフタレート部分配向繊維、チーズ状パッケージ及び高
速での延伸仮撚加工方法に関する。
加工に適したポリトリメチレンテレフタレート部分配向
繊維及びそのチーズ状パッケージ及び仮撚加工糸に関す
る。更に詳しくは、本発明は工業的に製造可能で、安定
した高速での延伸仮撚加工ができるポリトリメチレンテ
レフタレート部分配向繊維、チーズ状パッケージ及び高
速での延伸仮撚加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリトリメチレンテレフタレート(以下
「PTT」と略す)を用いた繊維は、低弾性率(ソフト
な風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリア
ミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定
性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレート(以
下「PET」と略す)繊維に類似した性能を併せ持つ画
期的な繊維である。PTT繊維の特性を最大限に生かせ
る繊維形態の一つとして仮撚加工糸がある。PTT繊維
の仮撚加工糸は、特開平9−78373号公報、特開平
11−093026号公報に開示されているように、P
ET繊維等のポリエステル繊維に比較して、弾性回復
性、ソフト性に富むので、ストレッチ用原糸として極め
て優れたものとなる。
「PTT」と略す)を用いた繊維は、低弾性率(ソフト
な風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリア
ミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定
性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレート(以
下「PET」と略す)繊維に類似した性能を併せ持つ画
期的な繊維である。PTT繊維の特性を最大限に生かせ
る繊維形態の一つとして仮撚加工糸がある。PTT繊維
の仮撚加工糸は、特開平9−78373号公報、特開平
11−093026号公報に開示されているように、P
ET繊維等のポリエステル繊維に比較して、弾性回復
性、ソフト性に富むので、ストレッチ用原糸として極め
て優れたものとなる。
【0003】このようなPTT仮撚加工糸の特徴を生か
して、PETやポリアミド繊維が用いられているような
幅広い分野に用いる場合、生産性を高め、製造コスト低
減を図ることが非常に重要となる。しかしながら、上記
公報等では、生産性の低い、紡糸−延伸といった2段階
の工程により製造する延伸繊維を仮撚加工の原糸として
用いているため、繊維製造コストが高くなってしまう。
また、供給原糸が延伸糸であるため生産性の高い高速で
の延伸仮撚加工を行うことはできない。
して、PETやポリアミド繊維が用いられているような
幅広い分野に用いる場合、生産性を高め、製造コスト低
減を図ることが非常に重要となる。しかしながら、上記
公報等では、生産性の低い、紡糸−延伸といった2段階
の工程により製造する延伸繊維を仮撚加工の原糸として
用いているため、繊維製造コストが高くなってしまう。
また、供給原糸が延伸糸であるため生産性の高い高速で
の延伸仮撚加工を行うことはできない。
【0004】生産性を高め、製造コスト低減を図るため
には、PETやポリアミド繊維と同様に、1段階の工程
で製造した繊維を用いて、高速での延伸仮撚加工を行う
ことが望まれる。1段階の工程で製造したPTT繊維を
用いて、高速での延伸仮撚加工を行う技術としては、
「Chemical Fibers Internat
ional」47巻、1997年2月発行、72〜74
頁にPTTの部分配向繊維(以下「POY」と略す)を
用いて延伸仮撚加工する技術が示されている。ここでは
極限粘度[η]が0.9のPTTポリマーを250〜2
75℃で押出して冷却固化した後、仕上げ剤を付与し、
ゴデットロールを用いず、あるいは冷たいゴデットロー
ルを介した後、600〜3200m/分で巻き取ったP
TT−POY繊維を、450〜1100m/分の加工速
度で仮撚加工する技術が記載されている。
には、PETやポリアミド繊維と同様に、1段階の工程
で製造した繊維を用いて、高速での延伸仮撚加工を行う
ことが望まれる。1段階の工程で製造したPTT繊維を
用いて、高速での延伸仮撚加工を行う技術としては、
「Chemical Fibers Internat
ional」47巻、1997年2月発行、72〜74
頁にPTTの部分配向繊維(以下「POY」と略す)を
用いて延伸仮撚加工する技術が示されている。ここでは
極限粘度[η]が0.9のPTTポリマーを250〜2
75℃で押出して冷却固化した後、仕上げ剤を付与し、
ゴデットロールを用いず、あるいは冷たいゴデットロー
ルを介した後、600〜3200m/分で巻き取ったP
TT−POY繊維を、450〜1100m/分の加工速
度で仮撚加工する技術が記載されている。
【0005】また「Chemical Fibers
International」50巻、2000年2月
発行、53〜56頁にはPTTポリマーを245〜26
5℃で押出して冷却固化した後、仕上げ剤を付与し、ゴ
デットロールを用いず、あるいはゴデットロールを介し
た後600〜3000m/分で巻き取ったPTT−PO
Y繊維を、非接触式ヒーターでは230℃、接触式では
160℃の温度にて500〜700m/分の加工速度で
仮撚加工する技術が記載されている。しかしながら、本
発明者らの検討によると、上記文献に記載されている技
術で500m/分以上といった高速での延伸仮撚加工を
行おうとしても、PET仮撚加工糸や、二段階で製造し
た延伸糸を低速にて仮撚加工したPTT仮撚加工糸と比
較して、十分なけん縮を付与することができず、けん縮
数、伸縮伸長率、伸縮弾性率が低く、ソフトさやストレ
ッチ性に劣った品質の低い仮撚加工糸しか得ることがで
きない。また、この加工糸を用いてもけん縮数が少ない
ために表面がざらざらして粗い品位の低い布帛しか得る
ことができない。
International」50巻、2000年2月
発行、53〜56頁にはPTTポリマーを245〜26
5℃で押出して冷却固化した後、仕上げ剤を付与し、ゴ
デットロールを用いず、あるいはゴデットロールを介し
た後600〜3000m/分で巻き取ったPTT−PO
Y繊維を、非接触式ヒーターでは230℃、接触式では
160℃の温度にて500〜700m/分の加工速度で
仮撚加工する技術が記載されている。しかしながら、本
発明者らの検討によると、上記文献に記載されている技
術で500m/分以上といった高速での延伸仮撚加工を
行おうとしても、PET仮撚加工糸や、二段階で製造し
た延伸糸を低速にて仮撚加工したPTT仮撚加工糸と比
較して、十分なけん縮を付与することができず、けん縮
数、伸縮伸長率、伸縮弾性率が低く、ソフトさやストレ
ッチ性に劣った品質の低い仮撚加工糸しか得ることがで
きない。また、この加工糸を用いてもけん縮数が少ない
ために表面がざらざらして粗い品位の低い布帛しか得る
ことができない。
【0006】このように、高速の延伸仮撚加工でけん縮
特性に優れた仮撚加工糸ができない原因としては次のよ
うに考えられる。PTT分子はコイル状の形状をとって
いるため、隣接する分子との結合力が弱く、分子が活発
に動く温度では部分溶融が起きる。このためPET繊維
やポリアミド繊維とは異なり、PTT繊維は仮撚加工時
のような160℃を越える温度では強度、伸度が低下す
る。この結果、加工時の張力が高くなる高速での仮撚加
工では毛羽や糸切れが発生してしまう。撚数を下げた
り、加工温度を下げたりすると毛羽や糸切れは抑制でき
るが、けん縮数、伸縮伸長率、伸縮弾性率が低く、ソフ
トさやストレッチ性に劣った品質の低い仮撚加工糸しか
得られなくなってしまう。
特性に優れた仮撚加工糸ができない原因としては次のよ
うに考えられる。PTT分子はコイル状の形状をとって
いるため、隣接する分子との結合力が弱く、分子が活発
に動く温度では部分溶融が起きる。このためPET繊維
やポリアミド繊維とは異なり、PTT繊維は仮撚加工時
のような160℃を越える温度では強度、伸度が低下す
る。この結果、加工時の張力が高くなる高速での仮撚加
工では毛羽や糸切れが発生してしまう。撚数を下げた
り、加工温度を下げたりすると毛羽や糸切れは抑制でき
るが、けん縮数、伸縮伸長率、伸縮弾性率が低く、ソフ
トさやストレッチ性に劣った品質の低い仮撚加工糸しか
得られなくなってしまう。
【0007】仮撚加工性を高める技術としては、大韓民
国公開特許第98049300号公報に、極限粘度0.
75〜1.1のPTTポリマーを用いて、2500〜5
500m/分の紡糸速度で紡糸するPTT−POYの製
造方法及び、該POYを用いて加工温度150〜160
℃、加工速度400m/分にて仮撚加工する技術が開示
されている。該公報では仮撚加工性を向上するために、
1.0といった極限粘度[η]の高いポリマーを用い、
可能な限り紡速を高めて、PTT−POYの強度及び耐
熱性を向上させている。また、特開昭57−19353
4号公報には、極限粘度[η]0.97のポリマーを用
い、2500〜3000m/分の紡糸速度で紡糸するP
TT−POYが開示されている。
国公開特許第98049300号公報に、極限粘度0.
75〜1.1のPTTポリマーを用いて、2500〜5
500m/分の紡糸速度で紡糸するPTT−POYの製
造方法及び、該POYを用いて加工温度150〜160
℃、加工速度400m/分にて仮撚加工する技術が開示
されている。該公報では仮撚加工性を向上するために、
1.0といった極限粘度[η]の高いポリマーを用い、
可能な限り紡速を高めて、PTT−POYの強度及び耐
熱性を向上させている。また、特開昭57−19353
4号公報には、極限粘度[η]0.97のポリマーを用
い、2500〜3000m/分の紡糸速度で紡糸するP
TT−POYが開示されている。
【0008】しかしながら、本発明者らの検討による
と、上記特許文献に記載されているような極限粘度の高
いポリマーを用いても、高温時強度を十分に高めること
はできず、高速の延伸仮撚加工にて品質の優れた仮撚糸
を得ることはできない。また、極限粘度の高いポリマー
を用いた場合には、溶融粘度が高くなるため押出圧が高
くなって均一な押出が困難となったり、紡糸張力が高く
なって糸切れが発生しやすくなる。更に、極限粘度の高
いポリマーを用いると、得られる繊維の沸水収縮率や熱
応力のピーク値が高くなるために、糸管上で糸が大きく
収縮して糸管を締め付ける。このため通常工業生産して
いる糸量を巻取ると糸管が変形し、糸管に糸が巻き付け
られているチーズ状パッケージを巻取機のスピンドルよ
り取り外すことが困難となる。上記のように繊維が収縮
する理由としては次の2つが考えられる。
と、上記特許文献に記載されているような極限粘度の高
いポリマーを用いても、高温時強度を十分に高めること
はできず、高速の延伸仮撚加工にて品質の優れた仮撚糸
を得ることはできない。また、極限粘度の高いポリマー
を用いた場合には、溶融粘度が高くなるため押出圧が高
くなって均一な押出が困難となったり、紡糸張力が高く
なって糸切れが発生しやすくなる。更に、極限粘度の高
いポリマーを用いると、得られる繊維の沸水収縮率や熱
応力のピーク値が高くなるために、糸管上で糸が大きく
収縮して糸管を締め付ける。このため通常工業生産して
いる糸量を巻取ると糸管が変形し、糸管に糸が巻き付け
られているチーズ状パッケージを巻取機のスピンドルよ
り取り外すことが困難となる。上記のように繊維が収縮
する理由としては次の2つが考えられる。
【0009】1)PETと異なり、PTTはジグザグ状
の分子構造を有しているのでガラス転移点(以下「T
g」と略す)が30〜50℃と低く、室温でも分子が運
動して収縮してしまう。 2)PETと異なり、PTTは弾性回復率が高いために
巻き取る際の応力が緩和されずに残り、巻き取った後に
収縮する。分子量が高くなると、特に応力が緩和されに
くく強い力で収縮する。 このような状況では、たとえ強度の大きい糸管を使って
糸管の変形を抑えたとしても、バルジと呼ばれるパッケ
ージ側面が膨れる現象が見られたり、チーズの内層で糸
が堅く締まったりする。このため糸を解舒する時の張力
が高くなると共に、張力変動も大きくなり、仮撚加工時
に毛羽、糸切れが多発したり、けん縮むらや染色むらが
発生したりする。
の分子構造を有しているのでガラス転移点(以下「T
g」と略す)が30〜50℃と低く、室温でも分子が運
動して収縮してしまう。 2)PETと異なり、PTTは弾性回復率が高いために
巻き取る際の応力が緩和されずに残り、巻き取った後に
収縮する。分子量が高くなると、特に応力が緩和されに
くく強い力で収縮する。 このような状況では、たとえ強度の大きい糸管を使って
糸管の変形を抑えたとしても、バルジと呼ばれるパッケ
ージ側面が膨れる現象が見られたり、チーズの内層で糸
が堅く締まったりする。このため糸を解舒する時の張力
が高くなると共に、張力変動も大きくなり、仮撚加工時
に毛羽、糸切れが多発したり、けん縮むらや染色むらが
発生したりする。
【0010】また、極限粘度の高いポリマーを用いた場
合、得られる加工糸の強度や伸長回復率が低くなってし
まう。この原因としては次のように考えられる。すなわ
ち、極限粘度の高いポリマーでは溶融によって分子のか
らみあいを十分にときほぐすことができない。このため
延伸によって分子を十分に配向させることができなくな
り、強度や伸長回復率が低くなってしまう。このような
繊維では仮撚加工での糸切れや毛羽の多発してしまう。
仮に溶融温度を高くしてもからみあいを十分ときほぐす
ことができないばかりか、熱分解により重合度が低下
し、強度や伸長回復率が低下してしまう。このように巻
締まりやバルジが発生せず、毛羽や糸切れなく生産性の
高い高速延伸仮撚により工業的に高品質の仮撚加工糸を
得ることのできるPTT繊維について開示している先行
技術は全くない。
合、得られる加工糸の強度や伸長回復率が低くなってし
まう。この原因としては次のように考えられる。すなわ
ち、極限粘度の高いポリマーでは溶融によって分子のか
らみあいを十分にときほぐすことができない。このため
延伸によって分子を十分に配向させることができなくな
り、強度や伸長回復率が低くなってしまう。このような
繊維では仮撚加工での糸切れや毛羽の多発してしまう。
仮に溶融温度を高くしてもからみあいを十分ときほぐす
ことができないばかりか、熱分解により重合度が低下
し、強度や伸長回復率が低下してしまう。このように巻
締まりやバルジが発生せず、毛羽や糸切れなく生産性の
高い高速延伸仮撚により工業的に高品質の仮撚加工糸を
得ることのできるPTT繊維について開示している先行
技術は全くない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討の結
果、1段階の工程にて製造する高速での延伸仮撚加工に
適したPTT−POY及びその製造法において従来技術
では以下の問題があることが分かった。 (1)高速での延伸仮撚加工では毛羽や糸切れが多発
し、安定して仮撚加工することができない。毛羽や糸切
れを抑制するために撚数や加工温度を下げるとけん縮
数、伸縮伸長率、伸縮弾性率が低く、ソフトさやストレ
ッチ性に劣った品質の低い仮撚加工糸しか得られなくな
ってしまう。 (2)高速延伸仮撚加工時の毛羽や糸切れを抑制するた
めに高重合度ポリマーを用いても、十分な効果は得られ
ず、また紡糸時の張力が高まって、糸切れや毛羽が多発
したり、巻締まりやバルジの発生により、工業的に製造
されているPET並みの糸量のチーズ状パッケージを巻
き取ることができない。
果、1段階の工程にて製造する高速での延伸仮撚加工に
適したPTT−POY及びその製造法において従来技術
では以下の問題があることが分かった。 (1)高速での延伸仮撚加工では毛羽や糸切れが多発
し、安定して仮撚加工することができない。毛羽や糸切
れを抑制するために撚数や加工温度を下げるとけん縮
数、伸縮伸長率、伸縮弾性率が低く、ソフトさやストレ
ッチ性に劣った品質の低い仮撚加工糸しか得られなくな
ってしまう。 (2)高速延伸仮撚加工時の毛羽や糸切れを抑制するた
めに高重合度ポリマーを用いても、十分な効果は得られ
ず、また紡糸時の張力が高まって、糸切れや毛羽が多発
したり、巻締まりやバルジの発生により、工業的に製造
されているPET並みの糸量のチーズ状パッケージを巻
き取ることができない。
【0012】本発明の目的は、工業的に製造可能で、安
定して高速での延伸仮撚加工ができるPTT繊維、チー
ズ状パッケージおよび品質の高い仮撚加工糸を提供する
ことである。本発明の目的を達成するために解決すべき
課題は、上記(1)問題に対応して工業的な高速での延
伸仮撚加工を可能とするために、高温での強伸度が高
く、かつ延伸性の良好なPTT−POYとし、上記
(2)問題に対応して工業的な製造を可能とするために
糸切れや、巻締まりおよびバルジの発生を抑制すること
である。
定して高速での延伸仮撚加工ができるPTT繊維、チー
ズ状パッケージおよび品質の高い仮撚加工糸を提供する
ことである。本発明の目的を達成するために解決すべき
課題は、上記(1)問題に対応して工業的な高速での延
伸仮撚加工を可能とするために、高温での強伸度が高
く、かつ延伸性の良好なPTT−POYとし、上記
(2)問題に対応して工業的な製造を可能とするために
糸切れや、巻締まりおよびバルジの発生を抑制すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、驚くべきことに、高重合度のPTTポリマーを
用い、溶融繊維の急激な冷却を抑制するために特定範囲
の紡口表面温度として押出し、極低張力にて巻き取る特
殊な紡糸法を用いて製造した、特定の範囲内の極限粘
度、配向性、伸度及び収縮性を有した繊維では、高温で
の強伸度に優れ、高速での延伸仮撚加工性を格段に向上
できることを見出し本発明を完成した。即ち本発明は以
下のとおりのものである。 1.PTT繊維 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(A)〜(D)の要件を満足することを
特徴とするPTT繊維。 (A)極限粘度 : 1.0〜1.6 (B)複屈折率 : 0.03〜0.07 (C)破断伸度 : 40〜140% (D)熱応力のピーク値 : 0.01〜0.10cN/dtex
た結果、驚くべきことに、高重合度のPTTポリマーを
用い、溶融繊維の急激な冷却を抑制するために特定範囲
の紡口表面温度として押出し、極低張力にて巻き取る特
殊な紡糸法を用いて製造した、特定の範囲内の極限粘
度、配向性、伸度及び収縮性を有した繊維では、高温で
の強伸度に優れ、高速での延伸仮撚加工性を格段に向上
できることを見出し本発明を完成した。即ち本発明は以
下のとおりのものである。 1.PTT繊維 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(A)〜(D)の要件を満足することを
特徴とするPTT繊維。 (A)極限粘度 : 1.0〜1.6 (B)複屈折率 : 0.03〜0.07 (C)破断伸度 : 40〜140% (D)熱応力のピーク値 : 0.01〜0.10cN/dtex
【0014】(II)(I)において160℃での強度
と伸度を用いて、下記式より計算されるタフネスが9以
上であることを特徴とするPTT繊維。 タフネス = 強度(cN/dtex) × √伸度(%) (III)(I)または(II)において、下記(E)
〜(F)を満足することを特徴とするPTT繊維。 (E)密度 : 1.320〜1.340g/cm3 (F)沸水収縮率 : 3〜40% (IV)(I)〜(III)において、繊維軸に対して
直行方向の広角X線回折強度が下記式を満足することを
特徴とするPTT繊維。 I1 /I2 ≧1.0 ここで、I1 :2θ=15.5〜16.5°の最大回折
強度 I2 :2θ=18〜19°の平均回折強度
と伸度を用いて、下記式より計算されるタフネスが9以
上であることを特徴とするPTT繊維。 タフネス = 強度(cN/dtex) × √伸度(%) (III)(I)または(II)において、下記(E)
〜(F)を満足することを特徴とするPTT繊維。 (E)密度 : 1.320〜1.340g/cm3 (F)沸水収縮率 : 3〜40% (IV)(I)〜(III)において、繊維軸に対して
直行方向の広角X線回折強度が下記式を満足することを
特徴とするPTT繊維。 I1 /I2 ≧1.0 ここで、I1 :2θ=15.5〜16.5°の最大回折
強度 I2 :2θ=18〜19°の平均回折強度
【0015】2.チーズ状パッケージ (I)本発明のPTT繊維(I)〜(IV)のいずれか
が巻き付けられ、バルジ率が20%以下であることを特
徴とするチーズ状パッケージ。 3.PTT繊維の製造方法 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成される極限粘度1.0〜1.6のポリト
リメチレンテレフタレートを溶融紡糸する方法であっ
て、紡口表面温度を255〜290℃として紡口より押
出した溶融マルチフィラメントを冷却して固体マルチフ
ィラメントに変えた後、0.02〜0.20cN/dt
exの巻取張力にて2000〜4000m/分の速度で
巻き取ることを特徴とするPTT繊維の製造方法。 (II)(I)において、紡口より押出した溶融マルチ
フィラメントを冷却して固体マルチフィラメントに変え
た後に、50〜170℃で熱処理を行うことを特徴とす
るPTT繊維の製造方法。
が巻き付けられ、バルジ率が20%以下であることを特
徴とするチーズ状パッケージ。 3.PTT繊維の製造方法 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成される極限粘度1.0〜1.6のポリト
リメチレンテレフタレートを溶融紡糸する方法であっ
て、紡口表面温度を255〜290℃として紡口より押
出した溶融マルチフィラメントを冷却して固体マルチフ
ィラメントに変えた後、0.02〜0.20cN/dt
exの巻取張力にて2000〜4000m/分の速度で
巻き取ることを特徴とするPTT繊維の製造方法。 (II)(I)において、紡口より押出した溶融マルチ
フィラメントを冷却して固体マルチフィラメントに変え
た後に、50〜170℃で熱処理を行うことを特徴とす
るPTT繊維の製造方法。
【0016】4.仮撚加工糸 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(G)〜(J)の要件を満足することを
特徴とする仮撚加工糸。 (G)極限粘度 : 1.0〜1.6 (H)伸縮伸長率 : 180〜300% (I)伸縮弾性率 : 80〜100% (J)けん縮数 : 4〜30個/cm 5.仮撚加工糸の製造方法 (I)上記(I)〜(IV)のいずれかに記載のPTT
繊維を用いて、仮撚加工速度500〜1200m/分、
加工温度165〜210℃にて延伸仮撚加工することを
特徴とする仮撚加工糸の製造方法。
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(G)〜(J)の要件を満足することを
特徴とする仮撚加工糸。 (G)極限粘度 : 1.0〜1.6 (H)伸縮伸長率 : 180〜300% (I)伸縮弾性率 : 80〜100% (J)けん縮数 : 4〜30個/cm 5.仮撚加工糸の製造方法 (I)上記(I)〜(IV)のいずれかに記載のPTT
繊維を用いて、仮撚加工速度500〜1200m/分、
加工温度165〜210℃にて延伸仮撚加工することを
特徴とする仮撚加工糸の製造方法。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)ポリマー原料等 本発明に用いるポリマーは、90モル%以上がトリメチ
レンテレフタレート繰返し単位から構成されるポリトリ
メチレンテレフタレート(PTT)である。ここでPT
Tとは、テレフタル酸を酸成分としトリメチレングリコ
ール(1,3−プロパンジオールともいう)をジオール
成分としたポリエステルである。該PTTには、10モ
ル%未満で他の共重合成分を含有してもよい。そのよう
な共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、3,5−ジカ
ルボン酸ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、3,5−ジカルボン酸ベンゼンスルホン酸トリブチ
ルメチルホスホニウム塩、1,4−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、アジピン酸、ドデカン二酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のエステル形成
性モノマーが挙げられる。
レンテレフタレート繰返し単位から構成されるポリトリ
メチレンテレフタレート(PTT)である。ここでPT
Tとは、テレフタル酸を酸成分としトリメチレングリコ
ール(1,3−プロパンジオールともいう)をジオール
成分としたポリエステルである。該PTTには、10モ
ル%未満で他の共重合成分を含有してもよい。そのよう
な共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、3,5−ジカ
ルボン酸ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、3,5−ジカルボン酸ベンゼンスルホン酸トリブチ
ルメチルホスホニウム塩、1,4−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、アジピン酸、ドデカン二酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のエステル形成
性モノマーが挙げられる。
【0018】本発明に用いるポリマーには、必要に応じ
て、各種の添加剤、例えば、艶消剤、熱安定剤、消泡
剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外
線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、酸化チタン以外の艶
消し剤、などを共重合、または混合してもよい。特に、
紡糸時や後加工時の毛羽や糸切れを抑制するために、平
均粒径0.01〜2μmの酸化チタンを0.01〜3重
量%含有することが好ましい。本発明に用いるポリマー
の極限粘度[η]は1.0〜1.6である必要がある。
更に好ましくは1.1〜1.5、特に好ましくは1.2
〜1.4である。この範囲のポリマーを用いることでは
じめて高温でのタフネスを高めることができ、本発明の
目的とする高速での延伸仮撚加工性に優れたPTT−P
OYを得ることができる。極限粘度[η]が1.0未満
の場合は、高速での延伸仮撚加工要求される高温での強
度の発現が困難となる。一方、極限粘度が1.6を越え
る場合は、溶融粘度が高すぎるために紡糸時にメルトフ
ラクチャーや紡糸不良が生じるので好ましくない。
て、各種の添加剤、例えば、艶消剤、熱安定剤、消泡
剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外
線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、酸化チタン以外の艶
消し剤、などを共重合、または混合してもよい。特に、
紡糸時や後加工時の毛羽や糸切れを抑制するために、平
均粒径0.01〜2μmの酸化チタンを0.01〜3重
量%含有することが好ましい。本発明に用いるポリマー
の極限粘度[η]は1.0〜1.6である必要がある。
更に好ましくは1.1〜1.5、特に好ましくは1.2
〜1.4である。この範囲のポリマーを用いることでは
じめて高温でのタフネスを高めることができ、本発明の
目的とする高速での延伸仮撚加工性に優れたPTT−P
OYを得ることができる。極限粘度[η]が1.0未満
の場合は、高速での延伸仮撚加工要求される高温での強
度の発現が困難となる。一方、極限粘度が1.6を越え
る場合は、溶融粘度が高すぎるために紡糸時にメルトフ
ラクチャーや紡糸不良が生じるので好ましくない。
【0019】なお、本発明におけるポリマーの極限粘度
[η]は、オストワルド粘度計を用い、35℃、o−ク
ロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/10
0ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、
以下の式に従って求めた値である。 [η]=lim(ηsp/C) C→0 本発明に用いるポリマーの製法として、公知の方法をそ
のまま用いることができる。
[η]は、オストワルド粘度計を用い、35℃、o−ク
ロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/10
0ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、
以下の式に従って求めた値である。 [η]=lim(ηsp/C) C→0 本発明に用いるポリマーの製法として、公知の方法をそ
のまま用いることができる。
【0020】例えば、テレフタル酸またはテレフタル酸
ジメチルとトリメチレングリコールとを原料とし、チタ
ンテトラブトキシド、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸コバルト、酢酸マンガン、二酸化チタンと二酸
化ケイ素の混合物といった金属塩の1種あるいは2種以
上を加え、常圧下あるいは加圧下でエステル化反応ある
いはエステル交換反応させ、次に、チタンテトラブトキ
シド、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンといった触媒
を添加し、250〜270℃で減圧下重縮合反応させ
る。また、重合の任意の段階で、好ましくは重縮合反応
の前に安定剤を添加することが白度の向上、溶融安定性
の向上、PTTオリゴマーやアクロレイン、アリルアル
コールといった分子量が300以下の有機物の生成を制
御できる観点で好ましい。ポリマーの重合度を高めるた
めには、上記のような溶融重合を行った後に、窒素下あ
るいは減圧下で固相重合を行うことが好ましい。固相重
合を行う温度は、200〜220℃の範囲であること
が、重合速度やポリマーの着色、融着を抑制するという
観点から好ましい。
ジメチルとトリメチレングリコールとを原料とし、チタ
ンテトラブトキシド、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸コバルト、酢酸マンガン、二酸化チタンと二酸
化ケイ素の混合物といった金属塩の1種あるいは2種以
上を加え、常圧下あるいは加圧下でエステル化反応ある
いはエステル交換反応させ、次に、チタンテトラブトキ
シド、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンといった触媒
を添加し、250〜270℃で減圧下重縮合反応させ
る。また、重合の任意の段階で、好ましくは重縮合反応
の前に安定剤を添加することが白度の向上、溶融安定性
の向上、PTTオリゴマーやアクロレイン、アリルアル
コールといった分子量が300以下の有機物の生成を制
御できる観点で好ましい。ポリマーの重合度を高めるた
めには、上記のような溶融重合を行った後に、窒素下あ
るいは減圧下で固相重合を行うことが好ましい。固相重
合を行う温度は、200〜220℃の範囲であること
が、重合速度やポリマーの着色、融着を抑制するという
観点から好ましい。
【0021】(2)PTT繊維 (I)本発明のPTT繊維としては、下記(A)〜
(D)の要件を満足する必要がある。 (A)極限粘度 : 1.0〜1.5 (B)複屈折率 : 0.03〜0.07 (C)破断伸度 : 40〜140% (D)熱応力のピーク値 : 0.01〜0.10cN/dtex 本発明の第一の課題である、毛羽や糸切れの発生のない
安定した高速の延伸仮撚加工を可能にするためには、高
温でのタフネスを高めるために繊維の重合度を高め、特
定範囲の配向度及び分子のからみあいとする必要があ
る。また本発明の第二の課題である、繊維の巻締まりを
解消するためには、糸管上で糸が大きく収縮しないよう
に、分子が過度に配向して緊張した状態になっていない
ことが重要である。このためには繊維を特定範囲の配向
度、緊張状態とする必要がある。
(D)の要件を満足する必要がある。 (A)極限粘度 : 1.0〜1.5 (B)複屈折率 : 0.03〜0.07 (C)破断伸度 : 40〜140% (D)熱応力のピーク値 : 0.01〜0.10cN/dtex 本発明の第一の課題である、毛羽や糸切れの発生のない
安定した高速の延伸仮撚加工を可能にするためには、高
温でのタフネスを高めるために繊維の重合度を高め、特
定範囲の配向度及び分子のからみあいとする必要があ
る。また本発明の第二の課題である、繊維の巻締まりを
解消するためには、糸管上で糸が大きく収縮しないよう
に、分子が過度に配向して緊張した状態になっていない
ことが重要である。このためには繊維を特定範囲の配向
度、緊張状態とする必要がある。
【0022】重合度の指標としては、極限粘度が適して
いる。配向性の指標としては、繊維の複屈折率が適して
いる。分子のからみあいと配向性の指標としては破断伸
度が適している。また、繊維の緊張状態を表す指標とし
ては熱応力のピークが適している。従って、繊維の極限
粘度、複屈折率、破断伸度、熱応力のピーク値が前記の
範囲を満足することで、はじめて毛羽や糸切れ無く安定
した高速での延伸仮撚加工ができ、巻締まりやバルジの
発生がなく工業的に製造可能できるPTT−POYとな
る。
いる。配向性の指標としては、繊維の複屈折率が適して
いる。分子のからみあいと配向性の指標としては破断伸
度が適している。また、繊維の緊張状態を表す指標とし
ては熱応力のピークが適している。従って、繊維の極限
粘度、複屈折率、破断伸度、熱応力のピーク値が前記の
範囲を満足することで、はじめて毛羽や糸切れ無く安定
した高速での延伸仮撚加工ができ、巻締まりやバルジの
発生がなく工業的に製造可能できるPTT−POYとな
る。
【0023】(i)極限粘度(A) 繊維の極限粘度[η]は1.0〜1.6である必要があ
る。繊維の極限粘度がこの範囲であることではじめて高
温でのタフネスを高めることができ、本発明の目的とす
る高速での延伸仮撚加工性に優れたPTT−POYとな
る。極限粘度[η]が1.0未満の場合は、高速での延
伸仮撚加工要求される高温でのタフネスの発現が困難と
なる。一方、極限粘度が1.6を越える場合は、溶融粘
度が高すぎるために紡糸時にメルトフラクチャーや紡糸
不良が生じ、不均一な繊維しか得ることができなくなっ
たり、紡糸条件を調整しても分子が緊張状態となった熱
応力のピーク値が大きく、巻締まりやすい繊維しか得る
ことができなかったりする。繊維の極限粘度は好ましく
は1.1〜1.5、特に好ましくは1.2〜1.4であ
る
る。繊維の極限粘度がこの範囲であることではじめて高
温でのタフネスを高めることができ、本発明の目的とす
る高速での延伸仮撚加工性に優れたPTT−POYとな
る。極限粘度[η]が1.0未満の場合は、高速での延
伸仮撚加工要求される高温でのタフネスの発現が困難と
なる。一方、極限粘度が1.6を越える場合は、溶融粘
度が高すぎるために紡糸時にメルトフラクチャーや紡糸
不良が生じ、不均一な繊維しか得ることができなくなっ
たり、紡糸条件を調整しても分子が緊張状態となった熱
応力のピーク値が大きく、巻締まりやすい繊維しか得る
ことができなかったりする。繊維の極限粘度は好ましく
は1.1〜1.5、特に好ましくは1.2〜1.4であ
る
【0024】(ii)複屈折率(B) 繊維の複屈折率は0.03〜0.07である必要があ
る。繊維の複屈折率が0.07を越えると繊維の配向度
が高くなるために伸度が低くなり、高速での延伸仮撚加
工ができなくなる。また収縮する力が強くなるために巻
締まりが発生してしまう。繊維の複屈折率が0.03未
満では、配向性が低いために室温で保存していても沸水
収縮率などの物性が経時変化してしまったり、繊維が脆
くなってしまったりし、高速での延伸仮撚加工を工業的
に行うことができなくなる。繊維の複屈折率は好ましく
は0.035〜0.065であり、更に好ましくは0.
040〜0.060である。
る。繊維の複屈折率が0.07を越えると繊維の配向度
が高くなるために伸度が低くなり、高速での延伸仮撚加
工ができなくなる。また収縮する力が強くなるために巻
締まりが発生してしまう。繊維の複屈折率が0.03未
満では、配向性が低いために室温で保存していても沸水
収縮率などの物性が経時変化してしまったり、繊維が脆
くなってしまったりし、高速での延伸仮撚加工を工業的
に行うことができなくなる。繊維の複屈折率は好ましく
は0.035〜0.065であり、更に好ましくは0.
040〜0.060である。
【0025】(iii)破断伸度(C) 破断伸度は40〜140%であることが必要である。破
断伸度が40%未満では伸度が低すぎるために、紡糸時
や仮撚加工時に毛羽や糸切れが発生する。破断伸度が1
40%を越える場合は、室温で保存していても沸水収縮
率などの物性が経時変化してしまったり、繊維が脆くな
ってしまったりし、高速での延伸仮撚加工を工業的に行
うことができなくなる。破断伸度の好ましい範囲は50
〜120%であり、更に好ましくは60〜100%であ
る。
断伸度が40%未満では伸度が低すぎるために、紡糸時
や仮撚加工時に毛羽や糸切れが発生する。破断伸度が1
40%を越える場合は、室温で保存していても沸水収縮
率などの物性が経時変化してしまったり、繊維が脆くな
ってしまったりし、高速での延伸仮撚加工を工業的に行
うことができなくなる。破断伸度の好ましい範囲は50
〜120%であり、更に好ましくは60〜100%であ
る。
【0026】(iv)熱応力のピーク値(D) 繊維の熱応力のピーク値は0.01〜0.10cN/d
texである必要がある。繊維の熱応力のピーク値が
0.10cN/dtexを越える場合は、繊維が過度に
緊張した状態になっており、収縮する力が強く、巻き取
った後に大きく収縮して巻締まりが発生してしまう。繊
維の熱応力のピーク値が0.01未満では、収縮する力
が弱すぎるために、巻取り中に繊維が巻崩れたり、配向
性が低いために室温で保存していても沸水収縮率などの
物性が経時変化してしまったり、繊維が脆くなってしま
ったりし、高速での延伸仮撚加工を工業的に行うことは
できなくなる。繊維の熱応力のピーク値は好ましくは
0.015〜0.08cN/dtexであり、更に好ま
しくは0.02〜0.06cN/dtexである。
texである必要がある。繊維の熱応力のピーク値が
0.10cN/dtexを越える場合は、繊維が過度に
緊張した状態になっており、収縮する力が強く、巻き取
った後に大きく収縮して巻締まりが発生してしまう。繊
維の熱応力のピーク値が0.01未満では、収縮する力
が弱すぎるために、巻取り中に繊維が巻崩れたり、配向
性が低いために室温で保存していても沸水収縮率などの
物性が経時変化してしまったり、繊維が脆くなってしま
ったりし、高速での延伸仮撚加工を工業的に行うことは
できなくなる。繊維の熱応力のピーク値は好ましくは
0.015〜0.08cN/dtexであり、更に好ま
しくは0.02〜0.06cN/dtexである。
【0027】(II)PTT繊維の物性等 (i)繊維の高温時物性 160℃での強度と伸度を用いて、下記式より計算され
るタフネスが9以上であることが好ましい。 タフネス = 強度(cN/dtex) × √伸度(%) PTTの仮撚加工時の毛羽や糸切れを抑制するために
は、加工温度で繊維が切れにくいことが重要である。こ
の切れにくさは繊維が切れるときのエネルギーを簡易的
に示す、一般にタフネスと呼ばれている上記式の強度と
伸度の平方根の積で表すのが良い。タフネスが9未満で
は高温で糸切れしやすくなり、高速での延伸仮撚加工を
工業的に行うことはできなくなる。タフネスは10以上
が好ましく、11以上が更に好ましい。タフネスの上限
は特に制限はなく、高ければ高いほど良い。
るタフネスが9以上であることが好ましい。 タフネス = 強度(cN/dtex) × √伸度(%) PTTの仮撚加工時の毛羽や糸切れを抑制するために
は、加工温度で繊維が切れにくいことが重要である。こ
の切れにくさは繊維が切れるときのエネルギーを簡易的
に示す、一般にタフネスと呼ばれている上記式の強度と
伸度の平方根の積で表すのが良い。タフネスが9未満で
は高温で糸切れしやすくなり、高速での延伸仮撚加工を
工業的に行うことはできなくなる。タフネスは10以上
が好ましく、11以上が更に好ましい。タフネスの上限
は特に制限はなく、高ければ高いほど良い。
【0028】(ii)密度(E) 繊維の密度は1.320〜1.340g/cm3 である
ことが好ましい。密度が1.340g/cm3 を越える
と巻崩れが発生してしまう。理由は明確ではないが、密
度の高い繊維は結晶性が高く、繊維自体や繊維の表面が
硬くなる。この結果、糸と糸を接触させたときの面積が
小さくなり、糸−糸間の静摩擦係数が下がるからではな
いかと考えられる。また、仮撚加工の際に毛羽や糸切れ
が発生しやすくなり、工業的に安定して仮撚加工を行う
ことができなくなってしまう。一方、密度が1.320
g/cm3 未満では分子が固定されておらず、繊維が収
縮して巻締まりが発生してしまったり、繊維の物性が経
時変化してしまい長期間にわたって同一条件にて同じ品
位の仮撚加工糸を得ることができない場合がある。密度
は好ましくは1.322〜1.336g/cm3 、更に
好ましくは1.326〜1.334g/cm3 である。
ことが好ましい。密度が1.340g/cm3 を越える
と巻崩れが発生してしまう。理由は明確ではないが、密
度の高い繊維は結晶性が高く、繊維自体や繊維の表面が
硬くなる。この結果、糸と糸を接触させたときの面積が
小さくなり、糸−糸間の静摩擦係数が下がるからではな
いかと考えられる。また、仮撚加工の際に毛羽や糸切れ
が発生しやすくなり、工業的に安定して仮撚加工を行う
ことができなくなってしまう。一方、密度が1.320
g/cm3 未満では分子が固定されておらず、繊維が収
縮して巻締まりが発生してしまったり、繊維の物性が経
時変化してしまい長期間にわたって同一条件にて同じ品
位の仮撚加工糸を得ることができない場合がある。密度
は好ましくは1.322〜1.336g/cm3 、更に
好ましくは1.326〜1.334g/cm3 である。
【0029】(iii)沸水収縮率(F) 繊維の沸水収縮率は3〜40%であることが好ましい。
沸水収縮率が40%を越える場合は、分子が緊張した状
態になっているために巻締まりが発生したり、室温で保
存していても沸水収縮率や熱応力のピーク値などの物性
が変化してしまい、長期間にわたって安定して高速での
延伸仮撚加工ができなくなったりする。また3%未満で
は、繊維が脆くなり毛羽、糸切れが多発するために仮撚
加工が困難となる場合はある。沸水収縮率は好ましくは
4〜20%であり、更に好ましくは、5〜15%であ
る。
沸水収縮率が40%を越える場合は、分子が緊張した状
態になっているために巻締まりが発生したり、室温で保
存していても沸水収縮率や熱応力のピーク値などの物性
が変化してしまい、長期間にわたって安定して高速での
延伸仮撚加工ができなくなったりする。また3%未満で
は、繊維が脆くなり毛羽、糸切れが多発するために仮撚
加工が困難となる場合はある。沸水収縮率は好ましくは
4〜20%であり、更に好ましくは、5〜15%であ
る。
【0030】(iv)広角X線回折による結晶由来の回
折ピークの観察 本発明においては、繊維が結晶化して構造が固定されて
いること、すなわち広角X線回折にて結晶由来の回折ピ
ークが観察されることが好ましい。以下、広角X線回折
について図面を用いて詳述する。X線を繊維に対して垂
直方向より照射した際の繊維軸に対して直行方向の回折
パターンの代表的な例として、図1−(イ)に結晶に由
来する回折ピークが観察される場合のパターンを、図1
−(ロ)に結晶に由来する回折ピークが観察されない場
合のパターンを示す。ここでX線はCuKα線を用いて
いる。PTTが三斜晶形に属した結晶形をとることが知
られており、(Polym.Prepr.Jpn.,V
ol.26,p427(1997))このため繊維が結
晶化している場合は、繊維軸に対して直行方向の2θ=
15.5°付近に(010)面に由来する回折ピークが
観察される。
折ピークの観察 本発明においては、繊維が結晶化して構造が固定されて
いること、すなわち広角X線回折にて結晶由来の回折ピ
ークが観察されることが好ましい。以下、広角X線回折
について図面を用いて詳述する。X線を繊維に対して垂
直方向より照射した際の繊維軸に対して直行方向の回折
パターンの代表的な例として、図1−(イ)に結晶に由
来する回折ピークが観察される場合のパターンを、図1
−(ロ)に結晶に由来する回折ピークが観察されない場
合のパターンを示す。ここでX線はCuKα線を用いて
いる。PTTが三斜晶形に属した結晶形をとることが知
られており、(Polym.Prepr.Jpn.,V
ol.26,p427(1997))このため繊維が結
晶化している場合は、繊維軸に対して直行方向の2θ=
15.5°付近に(010)面に由来する回折ピークが
観察される。
【0031】本発明においては、図1−(イ)に示した
ように、繊維軸に対して直交方向の広角X線回折強度が
下記の式を満足するかどうかで、回折像が観察されたか
どうかの判定を行った。 I1 /I2 ≧1.0 ただし、I1 :2θ=15.5〜16.5°の最大回折
強度 I2 :2θ=18〜19°の平均回折強度 一方、図1−(ロ)では非晶に由来するブロードな回折
が観察されるだけで、図1−(イ)のような結晶に由来
するピークは観察されない。この場合上記式を満足しな
い。広角X線回折にて結晶に由来する回折ピークが観察
されることで、繊維が明らかに結晶化し、構造が固定さ
れていることが分かる。結晶に由来する回折像が観察さ
れない場合は繊維は結晶化していない。従って分子が固
定されていないために、繊維が収縮して巻締まりが発生
したり、繊維の物性が経時変化してしまい長期間にわた
って安定して仮撚加工ができなかったりする。I1 /I
2 の値は好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2
以上である。
ように、繊維軸に対して直交方向の広角X線回折強度が
下記の式を満足するかどうかで、回折像が観察されたか
どうかの判定を行った。 I1 /I2 ≧1.0 ただし、I1 :2θ=15.5〜16.5°の最大回折
強度 I2 :2θ=18〜19°の平均回折強度 一方、図1−(ロ)では非晶に由来するブロードな回折
が観察されるだけで、図1−(イ)のような結晶に由来
するピークは観察されない。この場合上記式を満足しな
い。広角X線回折にて結晶に由来する回折ピークが観察
されることで、繊維が明らかに結晶化し、構造が固定さ
れていることが分かる。結晶に由来する回折像が観察さ
れない場合は繊維は結晶化していない。従って分子が固
定されていないために、繊維が収縮して巻締まりが発生
したり、繊維の物性が経時変化してしまい長期間にわた
って安定して仮撚加工ができなかったりする。I1 /I
2 の値は好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2
以上である。
【0032】(v)強度 本発明のPTT繊維の強度は1.3cN/dtex以上
であることが好ましい。1.3cN/dtex未満では
強度が低いために、糸を解舒する際や仮撚加工を行う際
に毛羽や糸切れが多発してしまう。好ましくは、1.5
cN/dtex以上、更に好ましくは1.7cN/dt
ex以上である。
であることが好ましい。1.3cN/dtex未満では
強度が低いために、糸を解舒する際や仮撚加工を行う際
に毛羽や糸切れが多発してしまう。好ましくは、1.5
cN/dtex以上、更に好ましくは1.7cN/dt
ex以上である。
【0033】(vi)U% 繊維のU%は0〜2%であることが好ましい。U%は、
ツェルベガーウスター株式会社製USTER・TEST
ER3により繊維試料の質量の変動より求めた値であ
る。該装置では電極間に繊維試料を通した際の誘電率の
変化により質量の変動を測定することができる。一定速
度にて該装置を通すと図2に示すようなむら曲線が得ら
れる。この結果より図2中の式(1)に従ってU%を求
めることができる。U%が2%を越える場合は、仮撚加
工時に毛羽や糸切れが多発したり、染めムラやけん縮ム
ラの大きい仮撚加工糸しか得られなくなってしまう。U
%は1.5%以下であることが好ましく、更に好ましく
は1.0%以下である。もちろんU%は低ければ低いほ
ど良い。
ツェルベガーウスター株式会社製USTER・TEST
ER3により繊維試料の質量の変動より求めた値であ
る。該装置では電極間に繊維試料を通した際の誘電率の
変化により質量の変動を測定することができる。一定速
度にて該装置を通すと図2に示すようなむら曲線が得ら
れる。この結果より図2中の式(1)に従ってU%を求
めることができる。U%が2%を越える場合は、仮撚加
工時に毛羽や糸切れが多発したり、染めムラやけん縮ム
ラの大きい仮撚加工糸しか得られなくなってしまう。U
%は1.5%以下であることが好ましく、更に好ましく
は1.0%以下である。もちろんU%は低ければ低いほ
ど良い。
【0034】(vii)繊維の形態 本発明のPTT繊維は、マルチフィラメントが好まし
い。総繊度は特に限定はされないが、通常5〜400d
tex、好ましくは10〜300dtex、単糸繊度は
特に限定はされないが0.1〜20dtex、好ましく
は0.5〜10dtex、更に好ましくは1〜5dte
xである。繊維の断面形状は、丸、三角、その他の多角
形、扁平、L型、W型、十字型、井型、ドッグボーン型
等、制限はなく、中実繊維であっても中空繊維であって
もよい。
い。総繊度は特に限定はされないが、通常5〜400d
tex、好ましくは10〜300dtex、単糸繊度は
特に限定はされないが0.1〜20dtex、好ましく
は0.5〜10dtex、更に好ましくは1〜5dte
xである。繊維の断面形状は、丸、三角、その他の多角
形、扁平、L型、W型、十字型、井型、ドッグボーン型
等、制限はなく、中実繊維であっても中空繊維であって
もよい。
【0035】(3)チーズ状パッケージ 本発明の繊維はチーズ状パッケージに巻かれていること
が好ましい。近年の仮撚加工工程の近代化・合理化に追
随するには、パッケージのラージ化、即ち大量巻きの可
能なチーズ状パッケージで巻かれていることが好まし
い。またチーズ状パッケージとすることで、仮撚加工時
に糸を解舒する際、解舒張力の変動が小さくなり、安定
した加工が可能となる。
が好ましい。近年の仮撚加工工程の近代化・合理化に追
随するには、パッケージのラージ化、即ち大量巻きの可
能なチーズ状パッケージで巻かれていることが好まし
い。またチーズ状パッケージとすることで、仮撚加工時
に糸を解舒する際、解舒張力の変動が小さくなり、安定
した加工が可能となる。
【0036】(i)バルジ率 本発明の繊維が巻かれたチーズ状パッケージはバルジ率
が20%以下であることが好ましい。図3−(イ)は糸
が望ましい形状に巻かれたチーズ状パッケージ(10
0)を示す。糸が糸管等の巻芯(103)上に平らな端
面(102)を形成した円筒状糸層(104)に巻かれ
ている。バルジは、図3−(ロ)に示すように巻糸の収
縮による締め付け力が強く働き、巻糸が滑った時に起こ
るチーズ状パッケージ(100)の膨らみのある端面
(102a)である。
が20%以下であることが好ましい。図3−(イ)は糸
が望ましい形状に巻かれたチーズ状パッケージ(10
0)を示す。糸が糸管等の巻芯(103)上に平らな端
面(102)を形成した円筒状糸層(104)に巻かれ
ている。バルジは、図3−(ロ)に示すように巻糸の収
縮による締め付け力が強く働き、巻糸が滑った時に起こ
るチーズ状パッケージ(100)の膨らみのある端面
(102a)である。
【0037】バルジ率とは、図3−(イ)または図3−
(ロ)に示す最内層の巻幅Q及び、最も膨らんでいる部
分の巻幅Rを測定して、下記式を用いて算出した値であ
る。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100% チーズ状パッケージのバルジ率が20%を越えるものは
運搬時に巻糸が崩れ解舒できなくなったり、解舒張力の
斑による糸切れ、毛羽、染色斑等が起こりやすい。最悪
の場合は端面が糸管よりも出っ張るために運搬すること
ができなくなる。また巻締まりが大きく、巻取機のスピ
ンドルからはずれなくなる場合も多い。好ましくはバル
ジ率は15%以下であり、更に好ましくは10%以下で
ある。もちろん0%が最も好ましい。
(ロ)に示す最内層の巻幅Q及び、最も膨らんでいる部
分の巻幅Rを測定して、下記式を用いて算出した値であ
る。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100% チーズ状パッケージのバルジ率が20%を越えるものは
運搬時に巻糸が崩れ解舒できなくなったり、解舒張力の
斑による糸切れ、毛羽、染色斑等が起こりやすい。最悪
の場合は端面が糸管よりも出っ張るために運搬すること
ができなくなる。また巻締まりが大きく、巻取機のスピ
ンドルからはずれなくなる場合も多い。好ましくはバル
ジ率は15%以下であり、更に好ましくは10%以下で
ある。もちろん0%が最も好ましい。
【0038】(ii)チーズ状パッケージ形状 工業的に製造する上では紡糸の際に糸管を交換する頻度
を減らすことが作業効率の向上、コストダウンの観点よ
り極めて重要である。また、仮撚工程においては、チー
ズ状パッケージを使用した後、次のチーズ状パッケージ
につなぎ込んで使用するが、このつなぎ込みの頻度を減
らすことも作業効率の向上、コストダウンの観点から極
めて重要である。従って、該チーズ状パッケージには1
kg以上の本発明の繊維が巻かれていることが好まし
く、更に好ましくは2kg以上、一層好ましくは4kg
以上である。1kg未満では糸管交換の頻度やつなぎ込
みの頻度が高過ぎ、工業的に製造するのは困難となって
しまう。
を減らすことが作業効率の向上、コストダウンの観点よ
り極めて重要である。また、仮撚工程においては、チー
ズ状パッケージを使用した後、次のチーズ状パッケージ
につなぎ込んで使用するが、このつなぎ込みの頻度を減
らすことも作業効率の向上、コストダウンの観点から極
めて重要である。従って、該チーズ状パッケージには1
kg以上の本発明の繊維が巻かれていることが好まし
く、更に好ましくは2kg以上、一層好ましくは4kg
以上である。1kg未満では糸管交換の頻度やつなぎ込
みの頻度が高過ぎ、工業的に製造するのは困難となって
しまう。
【0039】また、高速で延伸仮撚を行う際は、糸管か
ら繊維を解除する際の張力を下げるとともに、張力の変
動を抑えることが好ましい。PTT繊維はPET等に比
べ摩擦係数が高いため、高速で糸管より繊維を解舒する
と糸切れや毛羽が発生しやすい。また張力が変動しやす
く、均一な仮撚加工糸を得るのは容易でない。このため
には、糸管上の繊維の巻幅Qを40〜300mmとする
ことが好ましい。巻幅が300mmを越えると解除する
際の張力が高くなるとともに、張力変動が大きくなって
しまう。巻幅が40mm未満では張力は低くなるもの
の、解舒の際に巻糸の端部が崩れやすくなってしまう。
巻幅は60〜200mmがより好ましく、70〜150
mmが更に好ましい。糸管は直径が50〜250mmで
あることが好ましく、より好ましくは80〜150mm
である。本発明に用いる糸管はフェノール樹脂などの樹
脂、金属、紙のいずれで形成されていても良い。紙の場
合は5mm以上の厚みであることが好ましい。
ら繊維を解除する際の張力を下げるとともに、張力の変
動を抑えることが好ましい。PTT繊維はPET等に比
べ摩擦係数が高いため、高速で糸管より繊維を解舒する
と糸切れや毛羽が発生しやすい。また張力が変動しやす
く、均一な仮撚加工糸を得るのは容易でない。このため
には、糸管上の繊維の巻幅Qを40〜300mmとする
ことが好ましい。巻幅が300mmを越えると解除する
際の張力が高くなるとともに、張力変動が大きくなって
しまう。巻幅が40mm未満では張力は低くなるもの
の、解舒の際に巻糸の端部が崩れやすくなってしまう。
巻幅は60〜200mmがより好ましく、70〜150
mmが更に好ましい。糸管は直径が50〜250mmで
あることが好ましく、より好ましくは80〜150mm
である。本発明に用いる糸管はフェノール樹脂などの樹
脂、金属、紙のいずれで形成されていても良い。紙の場
合は5mm以上の厚みであることが好ましい。
【0040】(4)PTT繊維の製造方法 次に本発明のPTT繊維およびチーズ状パッケージを得
る方法を例示する。本発明のPTT繊維は、基本的に
は、極限粘度1.0〜1.6のPTTポリマーを用い
て、紡口表面温度を255〜290℃として紡口より押
出した溶融マルチフィラメントを冷却して固体マルチフ
ィラメントに変えた後、0.02〜0.20cN/dt
exの巻取張力にて2000〜4000m/分の速度で
巻き取ることにより得られる。
る方法を例示する。本発明のPTT繊維は、基本的に
は、極限粘度1.0〜1.6のPTTポリマーを用い
て、紡口表面温度を255〜290℃として紡口より押
出した溶融マルチフィラメントを冷却して固体マルチフ
ィラメントに変えた後、0.02〜0.20cN/dt
exの巻取張力にて2000〜4000m/分の速度で
巻き取ることにより得られる。
【0041】以下に本発明のPTT繊維の好ましい製造
方法を図4及び図5を用いて詳述する。 1)まず、乾燥機1で100ppm以下の水分率まで乾
燥されたPTTペレットを250〜290℃に設定され
た押出機2に供給し溶融する。溶融PTTは265〜2
95℃に設定されたスピンヘッド4に送液され、ギヤポ
ンプで計量される。その後、紡口パック5に装着された
複数の孔を有する紡口6を経て溶融マルチフィラメント
として紡糸チャンバー14内に押出される。押出機に供
給するPTTペレットの水分率は、ポリマーの重合度低
下を抑制するという観点から50ppm以下が好まし
く、更に好ましくは30ppm以下である。押出機の温
度は、押出機の能力、PTTペレットの極限粘度や形状
によって上記範囲内より最適な温度を選ぶことが好まし
い。押出機の温度は255〜280℃がより好ましい範
囲である。押出機にて溶融されたポリマーは、次いでス
ピンヘッド4に送液され、ギヤポンプで計量され、紡口
6より押出される。
方法を図4及び図5を用いて詳述する。 1)まず、乾燥機1で100ppm以下の水分率まで乾
燥されたPTTペレットを250〜290℃に設定され
た押出機2に供給し溶融する。溶融PTTは265〜2
95℃に設定されたスピンヘッド4に送液され、ギヤポ
ンプで計量される。その後、紡口パック5に装着された
複数の孔を有する紡口6を経て溶融マルチフィラメント
として紡糸チャンバー14内に押出される。押出機に供
給するPTTペレットの水分率は、ポリマーの重合度低
下を抑制するという観点から50ppm以下が好まし
く、更に好ましくは30ppm以下である。押出機の温
度は、押出機の能力、PTTペレットの極限粘度や形状
によって上記範囲内より最適な温度を選ぶことが好まし
い。押出機の温度は255〜280℃がより好ましい範
囲である。押出機にて溶融されたポリマーは、次いでス
ピンヘッド4に送液され、ギヤポンプで計量され、紡口
6より押出される。
【0042】本発明においては、紡口表面温度を255
〜290℃とすること重要なポイントの一つである。極
限粘度の高いポリマー、すなわち高重合度のポリマーは
溶融粘度や伸長粘度が高いために、POYのように高速
で巻取る紡糸を行う場合、次のような問題が発生する。 ・紡糸張力が高くなってしまって糸切れが多発する。 ・糸ムラが発生する。このため延伸仮撚加工時に糸切れ
や毛羽が多発する。 ・伸長粘度の高いポリマーを無理に引き伸ばすために、
分子が過度に緊張した状態となり、沸水収縮率や熱応力
のピーク値が大きくなる。この結果巻締まりが発生す
る。 ・伸長粘度の高いポリマーを無理に引き伸ばすために分
子の絡み合いを十分解きほぐすことができず、延伸仮撚
加工にて延伸を行うと、張力が高くなって毛羽や糸切れ
が多発したり、分子を十分引きそろえることができない
ために、得られる加工糸の強度や伸縮弾性率が低くなっ
てしまう。
〜290℃とすること重要なポイントの一つである。極
限粘度の高いポリマー、すなわち高重合度のポリマーは
溶融粘度や伸長粘度が高いために、POYのように高速
で巻取る紡糸を行う場合、次のような問題が発生する。 ・紡糸張力が高くなってしまって糸切れが多発する。 ・糸ムラが発生する。このため延伸仮撚加工時に糸切れ
や毛羽が多発する。 ・伸長粘度の高いポリマーを無理に引き伸ばすために、
分子が過度に緊張した状態となり、沸水収縮率や熱応力
のピーク値が大きくなる。この結果巻締まりが発生す
る。 ・伸長粘度の高いポリマーを無理に引き伸ばすために分
子の絡み合いを十分解きほぐすことができず、延伸仮撚
加工にて延伸を行うと、張力が高くなって毛羽や糸切れ
が多発したり、分子を十分引きそろえることができない
ために、得られる加工糸の強度や伸縮弾性率が低くなっ
てしまう。
【0043】溶融粘度や伸長粘度を下げるためにスピン
ヘッド温度を高くすると、熱分解が激しくなって得られ
た繊維が着色したり、重合度が下がるために満足し得る
強度を示さなくなり、高速での延伸仮撚加工ができなく
なったりする。このような問題を解決するためには、紡
口表面温度を本発明の範囲内にすることが必要である。
紡口表面温度が255℃未満では、糸切れや毛羽の多発
や糸ムラ発生等、上記の問題が発生する。また、紡口表
面温度が290℃を越えると熱分解が激しくなり、得ら
れた糸は着色し、また満足し得る強度を示さなくなり、
高速での延伸仮撚加工ができなくなる。紡口表面温度は
260〜285℃が好ましく、265〜280℃が更に
好ましい。
ヘッド温度を高くすると、熱分解が激しくなって得られ
た繊維が着色したり、重合度が下がるために満足し得る
強度を示さなくなり、高速での延伸仮撚加工ができなく
なったりする。このような問題を解決するためには、紡
口表面温度を本発明の範囲内にすることが必要である。
紡口表面温度が255℃未満では、糸切れや毛羽の多発
や糸ムラ発生等、上記の問題が発生する。また、紡口表
面温度が290℃を越えると熱分解が激しくなり、得ら
れた糸は着色し、また満足し得る強度を示さなくなり、
高速での延伸仮撚加工ができなくなる。紡口表面温度は
260〜285℃が好ましく、265〜280℃が更に
好ましい。
【0044】このような紡口表面温度にするためには、
スピンヘッド温度を適切にするとともに、紡口直下に加
熱筒を設置することが好ましい。スピンヘッド温度は2
65〜295℃とすることが好ましく、270〜290
℃とすることが更に好ましく、275〜285℃とする
ことが特に好ましい。また加熱筒温度は100〜350
℃が好ましく、150〜300℃が更に好ましく、20
0〜250℃が特に好ましい。加熱筒の長さは、ポリマ
ーのからみあいをほぐす効果と紡糸の作業性より考えて
50〜300mmが好ましく、100〜250mmが更
に好ましい。
スピンヘッド温度を適切にするとともに、紡口直下に加
熱筒を設置することが好ましい。スピンヘッド温度は2
65〜295℃とすることが好ましく、270〜290
℃とすることが更に好ましく、275〜285℃とする
ことが特に好ましい。また加熱筒温度は100〜350
℃が好ましく、150〜300℃が更に好ましく、20
0〜250℃が特に好ましい。加熱筒の長さは、ポリマ
ーのからみあいをほぐす効果と紡糸の作業性より考えて
50〜300mmが好ましく、100〜250mmが更
に好ましい。
【0045】本発明においては、押出されたポリマーを
過度に引き伸ばさないために、紡糸時のドラフトを10
0〜1000の範囲とすることが好ましい。ここで紡糸
ドラフトとは、下記の式で表される値である。 紡糸ドラフト = V2 /V1 ただし、V1 : 紡口から押し出される際のポリマーの
線速度(m/分) V2 : 第1ロール速度(m/分) (第1ロールを使用しない場合は、巻取り速度) ドラフトが100未満では、紡口径が小さくなりすぎる
ために押出圧力が高くなり、メルトフラクチャーが発生
して伸度等の物性ムラが大きくなったり、巻取り速度が
遅すぎるために配向度や伸度が本発明のPTT−POY
の範囲より外れてしまったりする。ドラフトが1000
を越えるとポリマーを無理に引き伸ばすために、前記し
た種々の問題が発生しやすくなる。紡糸ドラフトは15
0〜800が好ましく、200〜600が更に好まし
い。
過度に引き伸ばさないために、紡糸時のドラフトを10
0〜1000の範囲とすることが好ましい。ここで紡糸
ドラフトとは、下記の式で表される値である。 紡糸ドラフト = V2 /V1 ただし、V1 : 紡口から押し出される際のポリマーの
線速度(m/分) V2 : 第1ロール速度(m/分) (第1ロールを使用しない場合は、巻取り速度) ドラフトが100未満では、紡口径が小さくなりすぎる
ために押出圧力が高くなり、メルトフラクチャーが発生
して伸度等の物性ムラが大きくなったり、巻取り速度が
遅すぎるために配向度や伸度が本発明のPTT−POY
の範囲より外れてしまったりする。ドラフトが1000
を越えるとポリマーを無理に引き伸ばすために、前記し
た種々の問題が発生しやすくなる。紡糸ドラフトは15
0〜800が好ましく、200〜600が更に好まし
い。
【0046】紡口は、直径が0.25〜0.7mm、直
径と長さの比が1:0.25〜1:3の範囲であること
が好ましい。直径が0.25mm未満であったり、直径
と長さの比が3を越えると押出圧力が高くなりすぎ押出
しが困難となったり繊維のムラが大きくなってしまった
りしやすい。一方、直径が0.7mmを越えると繊維の
ムラが大きくなる。また直径と長さの比が0.25未満
では、長期間紡口を用いるうちに紡口が変形したり、欠
けたりしてしまうことがある。
径と長さの比が1:0.25〜1:3の範囲であること
が好ましい。直径が0.25mm未満であったり、直径
と長さの比が3を越えると押出圧力が高くなりすぎ押出
しが困難となったり繊維のムラが大きくなってしまった
りしやすい。一方、直径が0.7mmを越えると繊維の
ムラが大きくなる。また直径と長さの比が0.25未満
では、長期間紡口を用いるうちに紡口が変形したり、欠
けたりしてしまうことがある。
【0047】2)次に、紡口より押し出された溶融マル
チフィラメントは、冷却して固体マルチフィラメントに
変えられる。冷却は0〜40℃の冷風を溶融マルチフィ
ラメントに当てて行うことが好ましい。固体マルチフィ
ラメントは巻き取られるまでに、仕上げ剤付与装置10
によって仕上げ剤を付与されることが好ましい。仕上げ
剤を付与することにより、繊維の集束性、制電性、滑り
性などが良好となり、巻取時や仮撚加工時に毛羽や糸切
れが発生することを抑制したり、巻き取ったチーズ状パ
ッケージのフォームを良好に保つことができる。
チフィラメントは、冷却して固体マルチフィラメントに
変えられる。冷却は0〜40℃の冷風を溶融マルチフィ
ラメントに当てて行うことが好ましい。固体マルチフィ
ラメントは巻き取られるまでに、仕上げ剤付与装置10
によって仕上げ剤を付与されることが好ましい。仕上げ
剤を付与することにより、繊維の集束性、制電性、滑り
性などが良好となり、巻取時や仮撚加工時に毛羽や糸切
れが発生することを抑制したり、巻き取ったチーズ状パ
ッケージのフォームを良好に保つことができる。
【0048】ここで仕上げ剤とは、乳化剤を用いて油剤
を乳化した水エマルジョン液、油剤を溶剤に溶かした溶
液、あるいは油剤そのものであり、繊維の集束性、制電
性、滑り性などを向上させるものである。ここで油剤と
は、脂肪族エステル、鉱物油、分子量1000〜200
00のポリエーテルの1種類以上を含み、これらの和が
40〜90重量%である混合物が好ましく、必要に応じ
て成分を選択することが好ましい。
を乳化した水エマルジョン液、油剤を溶剤に溶かした溶
液、あるいは油剤そのものであり、繊維の集束性、制電
性、滑り性などを向上させるものである。ここで油剤と
は、脂肪族エステル、鉱物油、分子量1000〜200
00のポリエーテルの1種類以上を含み、これらの和が
40〜90重量%である混合物が好ましく、必要に応じ
て成分を選択することが好ましい。
【0049】本発明において、油剤は濃度1〜20重量
%の水エマルジョン液として繊維に付与することが好ま
しい。水エマルジョン液とすることで油剤の付着ムラを
抑制したり、巻糸のフォームを良好にすることが容易と
なる。水エマルジョン液の濃度は2〜10重量%がより
好ましく、3〜7重量%が特に好ましい。油剤の濃度が
低い場合は、好ましい油剤量を繊維に付着させるために
は、多量の仕上げ剤を繊維に付与する必要がある。濃度
が1重量%未満では、仕上げ剤量が多くなりすぎ、繊維
に付与することが困難となる。一方、濃度が20重量%
を越えると、仕上げ剤の粘度が高く、しかも一定量の油
剤を繊維に付着させようとしたときに仕上げ剤の量が少
なくなるため、繊維に均一に油剤を付与しにくくなる。
%の水エマルジョン液として繊維に付与することが好ま
しい。水エマルジョン液とすることで油剤の付着ムラを
抑制したり、巻糸のフォームを良好にすることが容易と
なる。水エマルジョン液の濃度は2〜10重量%がより
好ましく、3〜7重量%が特に好ましい。油剤の濃度が
低い場合は、好ましい油剤量を繊維に付着させるために
は、多量の仕上げ剤を繊維に付与する必要がある。濃度
が1重量%未満では、仕上げ剤量が多くなりすぎ、繊維
に付与することが困難となる。一方、濃度が20重量%
を越えると、仕上げ剤の粘度が高く、しかも一定量の油
剤を繊維に付着させようとしたときに仕上げ剤の量が少
なくなるため、繊維に均一に油剤を付与しにくくなる。
【0050】油剤は繊維の重量に対して0.2〜3重量
%付着させることが好ましい。0.2重量%未満では、
油剤の効果が小さく、静電気により糸がばらけたり、摩
擦により糸切れや毛羽が発生したりする。また3重量%
を越えると、繊維の走行時の抵抗が大きくなりすぎた
り、油剤がロール、熱板、ガイド等に付着してこれらを
汚したりする。油剤は繊維の重量に対して0.25〜
1.0重量%付着させることが好ましく、特に好ましく
は0.3〜0.7重量%である。もちろん油剤の一部が
繊維内部に浸透していてもよい。
%付着させることが好ましい。0.2重量%未満では、
油剤の効果が小さく、静電気により糸がばらけたり、摩
擦により糸切れや毛羽が発生したりする。また3重量%
を越えると、繊維の走行時の抵抗が大きくなりすぎた
り、油剤がロール、熱板、ガイド等に付着してこれらを
汚したりする。油剤は繊維の重量に対して0.25〜
1.0重量%付着させることが好ましく、特に好ましく
は0.3〜0.7重量%である。もちろん油剤の一部が
繊維内部に浸透していてもよい。
【0051】仕上げ剤を付与する方法としては、公知の
オイリングロールを用いる方法や例えば特開昭59−1
16404号公報などに開示されるガイドノズルを用い
る方法を用いることができるが、仕上げ剤付与装置自体
の摩擦による糸切れ、毛羽の発生を抑制するためにはガ
イドノズルを用いる方法が好ましい。仕上げ剤を繊維に
付与する位置は、、チャンバー14内、繊維を熱処理す
るゾーン15内で第1ロール11の前、およびこれらの
ゾーンの間のいずれの場所でもよいが、溶融マルチフィ
ラメントが冷却風9によって室温まで冷却されて固体マ
ルチフィラメント8に変えられた直後で最も紡口口金に
近い位置が好ましい。繊維は仕上げ剤を付与すると同時
に集束されるので、この位置が紡口口金に近いほど空気
抵抗を下げることができ、糸切れ、毛羽の発生を抑える
ことができるからである。
オイリングロールを用いる方法や例えば特開昭59−1
16404号公報などに開示されるガイドノズルを用い
る方法を用いることができるが、仕上げ剤付与装置自体
の摩擦による糸切れ、毛羽の発生を抑制するためにはガ
イドノズルを用いる方法が好ましい。仕上げ剤を繊維に
付与する位置は、、チャンバー14内、繊維を熱処理す
るゾーン15内で第1ロール11の前、およびこれらの
ゾーンの間のいずれの場所でもよいが、溶融マルチフィ
ラメントが冷却風9によって室温まで冷却されて固体マ
ルチフィラメント8に変えられた直後で最も紡口口金に
近い位置が好ましい。繊維は仕上げ剤を付与すると同時
に集束されるので、この位置が紡口口金に近いほど空気
抵抗を下げることができ、糸切れ、毛羽の発生を抑える
ことができるからである。
【0052】3)油剤を付与した固体マルチフィラメン
ト8は直接巻取機にて巻き取っても良いが、第1ロール
11などの回転しているロールに一度巻き付けた後に、
巻取機で巻き取ることが好ましい。ロールと巻取機の速
度を調節することで巻き取り張力を制御することが容易
になるからである。ここで12は自己駆動しないフリー
ロールである。また固体マルチフィラメントは8は、巻
き取る前に熱処理を行うことが好ましい。熱処理を行う
ことで、繊維を結晶化して、構造を固定することがで
き、巻締まりや、保管中の繊維物性の経時変化を抑制で
きるからである。
ト8は直接巻取機にて巻き取っても良いが、第1ロール
11などの回転しているロールに一度巻き付けた後に、
巻取機で巻き取ることが好ましい。ロールと巻取機の速
度を調節することで巻き取り張力を制御することが容易
になるからである。ここで12は自己駆動しないフリー
ロールである。また固体マルチフィラメントは8は、巻
き取る前に熱処理を行うことが好ましい。熱処理を行う
ことで、繊維を結晶化して、構造を固定することがで
き、巻締まりや、保管中の繊維物性の経時変化を抑制で
きるからである。
【0053】繊維の熱処理方法としては、図4の第1ロ
ール11により熱処理する方法の他に、図5−(イ)の
第1ロール11又は/及び第2ロール16により熱処理
する方法、図5−(ロ)の第1ネルソンロール17から
第2ネルソンロール18のうちいずれか一つあるいは複
数のロールで熱処理する方法、図5−(ハ)の第1ヒー
ター19又は/及び第2ヒーター20により熱処理する
方法、図5−(ニ)の第1ヒーター19により熱処理す
る方法などが挙げられる。図5−(ハ)、(ニ)の場合
は、ヒーターでの熱処理に加えてロールで熱処理を行っ
ても良い。
ール11により熱処理する方法の他に、図5−(イ)の
第1ロール11又は/及び第2ロール16により熱処理
する方法、図5−(ロ)の第1ネルソンロール17から
第2ネルソンロール18のうちいずれか一つあるいは複
数のロールで熱処理する方法、図5−(ハ)の第1ヒー
ター19又は/及び第2ヒーター20により熱処理する
方法、図5−(ニ)の第1ヒーター19により熱処理す
る方法などが挙げられる。図5−(ハ)、(ニ)の場合
は、ヒーターでの熱処理に加えてロールで熱処理を行っ
ても良い。
【0054】熱処理に用いるヒーターとしては、接触式
のヒーター、非接触式のヒーターいずれを用いてもかま
わない。また、加熱気体を用いる方法でも良い。これら
のうち、加熱ロールを用いる方法が、上記のロールと巻
取機の速度調整と、熱処理を同時に行うことができるこ
とより最も好ましい。本発明において、ロールで熱処理
するとは、自己駆動しているロールで熱処理し、フリー
ロールでは熱処理していないことを示しているが、もち
ろんフリーロールで熱処理を行ってもかまわない。
のヒーター、非接触式のヒーターいずれを用いてもかま
わない。また、加熱気体を用いる方法でも良い。これら
のうち、加熱ロールを用いる方法が、上記のロールと巻
取機の速度調整と、熱処理を同時に行うことができるこ
とより最も好ましい。本発明において、ロールで熱処理
するとは、自己駆動しているロールで熱処理し、フリー
ロールでは熱処理していないことを示しているが、もち
ろんフリーロールで熱処理を行ってもかまわない。
【0055】熱処理の温度は50〜170℃であること
が好ましい。50℃未満では繊維を十分結晶化して構造
を固定することができないために、巻締まりが起きた
り、物性が経時変化するために工業的に仮撚加工が困難
となったりする。また、170℃を越えると熱処理時に
糸切れや毛羽が発生したり、結晶化が進みすぎて繊維−
繊維間の静摩擦係数が小さくなってバルジ率が大きくな
ったり、仮撚加工が困難になったりする。熱処理の温度
は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜
130℃である。
が好ましい。50℃未満では繊維を十分結晶化して構造
を固定することができないために、巻締まりが起きた
り、物性が経時変化するために工業的に仮撚加工が困難
となったりする。また、170℃を越えると熱処理時に
糸切れや毛羽が発生したり、結晶化が進みすぎて繊維−
繊維間の静摩擦係数が小さくなってバルジ率が大きくな
ったり、仮撚加工が困難になったりする。熱処理の温度
は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜
130℃である。
【0056】また、熱処理時間は0.001〜0.1秒
であることが好ましい。ここで言う熱処理時間とは、複
数のロールやヒーターで熱処理する場合は、これらの合
計時間である。熱処理時間が0.001秒未満では熱処
理時間が短く十分な結晶化を進めることができないた
め、巻締まりやバルジが発生しやすく、また経時変化も
しやすい。一方、熱処理時間が0.1秒を越えると、結
晶化が進みすぎ、繊維−繊維間の静摩擦係数が小さくな
りすぎてしまい、得られるチーズ状パッケージはバルジ
の大きいものとなりやすい。本発明においては、熱処理
温度が高くなっても、熱処理時間が長くなっても、また
巻取速度が大きくなっても結晶化度は高くなる。このた
め熱処理温度、巻取速度に応じた熱処理時間を選ぶこと
がより好ましい。
であることが好ましい。ここで言う熱処理時間とは、複
数のロールやヒーターで熱処理する場合は、これらの合
計時間である。熱処理時間が0.001秒未満では熱処
理時間が短く十分な結晶化を進めることができないた
め、巻締まりやバルジが発生しやすく、また経時変化も
しやすい。一方、熱処理時間が0.1秒を越えると、結
晶化が進みすぎ、繊維−繊維間の静摩擦係数が小さくな
りすぎてしまい、得られるチーズ状パッケージはバルジ
の大きいものとなりやすい。本発明においては、熱処理
温度が高くなっても、熱処理時間が長くなっても、また
巻取速度が大きくなっても結晶化度は高くなる。このた
め熱処理温度、巻取速度に応じた熱処理時間を選ぶこと
がより好ましい。
【0057】4)次に固体マルチフィラメントは、巻取
機13を用いて巻き取られる。巻取速度は2000〜4
000m/分であることが必要である。巻取速度が20
00m/分未満では、繊維の配向が低いために、保管中
に物性が経時変化したり、繊維が脆くなったりして、繊
維の取扱や仮撚加工が困難となる。また、4000m/
分を越えると、繊維の配向や結晶化が進みすぎ、また巻
取時の張力が下げられないために、糸管上で繊維が大き
く収縮し、巻締まりが発生してしまう。好ましくは、2
200〜3800m/分であり、更に好ましくは250
0〜3600m/分である。本発明においては、巻き取
る時の張力が0.02〜0.20cN/dtexである
ことが必要である。
機13を用いて巻き取られる。巻取速度は2000〜4
000m/分であることが必要である。巻取速度が20
00m/分未満では、繊維の配向が低いために、保管中
に物性が経時変化したり、繊維が脆くなったりして、繊
維の取扱や仮撚加工が困難となる。また、4000m/
分を越えると、繊維の配向や結晶化が進みすぎ、また巻
取時の張力が下げられないために、糸管上で繊維が大き
く収縮し、巻締まりが発生してしまう。好ましくは、2
200〜3800m/分であり、更に好ましくは250
0〜3600m/分である。本発明においては、巻き取
る時の張力が0.02〜0.20cN/dtexである
ことが必要である。
【0058】従来行われてきたPETやナイロンの溶融
紡糸でこのように低い張力で巻き取ろうとすると、糸の
走行が安定せず、糸が巻取機のトラバースから外れたり
して糸切れが発生したり、巻糸を次の糸管に自動で切り
替える時に切替ミスが発生したりする。しかしながら、
驚くべきことにPTT繊維では本発明のように極低い張
力で巻き取ってもこのような問題が発生せず、しかも低
い張力とすることで初めて巻締まりなく良好な巻姿のチ
ーズ状パッケージを得ることができる。このように低い
張力でも安定して巻取りができるのはPTT繊維の特徴
である低弾性率と高弾性回復率に起因していると考えら
れる。
紡糸でこのように低い張力で巻き取ろうとすると、糸の
走行が安定せず、糸が巻取機のトラバースから外れたり
して糸切れが発生したり、巻糸を次の糸管に自動で切り
替える時に切替ミスが発生したりする。しかしながら、
驚くべきことにPTT繊維では本発明のように極低い張
力で巻き取ってもこのような問題が発生せず、しかも低
い張力とすることで初めて巻締まりなく良好な巻姿のチ
ーズ状パッケージを得ることができる。このように低い
張力でも安定して巻取りができるのはPTT繊維の特徴
である低弾性率と高弾性回復率に起因していると考えら
れる。
【0059】張力が0.02cN/dtex未満では張
力が弱すぎるために巻取機の綾振りガイドでの綾振りが
良好にできず、巻フォームが悪くなってしまったり、ト
ラバースより糸が外れ、糸切れが起こったりしてしま
う。また、0.20cN/dtexを越えると、たとえ
繊維を熱処理して巻き取ったとしても巻締まりが発生し
てしまう。巻き取るときの張力は好ましくは0.025
〜0.15cN/dtex、更に好ましくは0.03〜
0.10cN/dtexである。巻取機の前にロールを
設置する際のロールの周速度は巻取張力が上記の範囲内
になるように、調整することが好ましい。このロール速
度は通常巻取速度に対して0.80〜1.1倍の速度で
あることが好ましい。
力が弱すぎるために巻取機の綾振りガイドでの綾振りが
良好にできず、巻フォームが悪くなってしまったり、ト
ラバースより糸が外れ、糸切れが起こったりしてしま
う。また、0.20cN/dtexを越えると、たとえ
繊維を熱処理して巻き取ったとしても巻締まりが発生し
てしまう。巻き取るときの張力は好ましくは0.025
〜0.15cN/dtex、更に好ましくは0.03〜
0.10cN/dtexである。巻取機の前にロールを
設置する際のロールの周速度は巻取張力が上記の範囲内
になるように、調整することが好ましい。このロール速
度は通常巻取速度に対して0.80〜1.1倍の速度で
あることが好ましい。
【0060】本発明では、紡糸過程で必要に応じて、交
絡処理を行ってもよい。交絡処理は、仕上げ剤付与前、
熱処理前、巻取前のいずれか、あるいは複数の場所で行
っても良い。本発明に用いる巻取機としては、スピンド
ル駆動方式、タッチロール駆動方式、スピンドルとタッ
チロールの双方が駆動している方式のいずれの巻取機で
もかまわないが、スピンドルとタッチロールの双方が駆
動している方式の巻取機が糸を多量に巻き取るためには
好ましい。
絡処理を行ってもよい。交絡処理は、仕上げ剤付与前、
熱処理前、巻取前のいずれか、あるいは複数の場所で行
っても良い。本発明に用いる巻取機としては、スピンド
ル駆動方式、タッチロール駆動方式、スピンドルとタッ
チロールの双方が駆動している方式のいずれの巻取機で
もかまわないが、スピンドルとタッチロールの双方が駆
動している方式の巻取機が糸を多量に巻き取るためには
好ましい。
【0061】タッチロールあるいはスピンドルどちらか
一方のみが駆動する場合、他方は駆動軸からの摩擦によ
り回転しているため、スピンドルに取り付けられている
糸管とタッチロールでは滑りにより表面速度が異なって
しまう。このためタッチロールからスピンドルに糸が巻
き付けられる際、糸が伸ばされたり、ゆるんだりしてし
まい張力が変わって巻姿が悪化してしまったり、糸がこ
すられてダメージを受けたりしやすい。スピンドルとタ
ッチロールの双方が駆動することによりタッチロールと
糸管の表面速度の差を制御することが可能となって滑り
を減らすことができ、糸の品質や、巻姿を良好にするこ
とができる。
一方のみが駆動する場合、他方は駆動軸からの摩擦によ
り回転しているため、スピンドルに取り付けられている
糸管とタッチロールでは滑りにより表面速度が異なって
しまう。このためタッチロールからスピンドルに糸が巻
き付けられる際、糸が伸ばされたり、ゆるんだりしてし
まい張力が変わって巻姿が悪化してしまったり、糸がこ
すられてダメージを受けたりしやすい。スピンドルとタ
ッチロールの双方が駆動することによりタッチロールと
糸管の表面速度の差を制御することが可能となって滑り
を減らすことができ、糸の品質や、巻姿を良好にするこ
とができる。
【0062】繊維を巻き取る際の綾角は3.5〜8°で
あることが好ましい。3.5°未満では糸同士があまり
交差していないために滑りやすく、綾落ちやバルジの発
生が起こりやすい。また8°を越えると、糸管の端部に
巻かれる糸の量が多くなるために中央部に比べ端部の径
が大きくなる。このため巻き取っている際は端部のみが
タッチロールに接触してしまい糸品質が悪化してしまっ
たり、また巻き取った糸を解舒する際の張力変動が大き
くなり、毛羽や糸切れが多発したりしてしまいやすい。
綾角は4〜7°が更に好ましく、特に好ましいのは5〜
6.5°である。
あることが好ましい。3.5°未満では糸同士があまり
交差していないために滑りやすく、綾落ちやバルジの発
生が起こりやすい。また8°を越えると、糸管の端部に
巻かれる糸の量が多くなるために中央部に比べ端部の径
が大きくなる。このため巻き取っている際は端部のみが
タッチロールに接触してしまい糸品質が悪化してしまっ
たり、また巻き取った糸を解舒する際の張力変動が大き
くなり、毛羽や糸切れが多発したりしてしまいやすい。
綾角は4〜7°が更に好ましく、特に好ましいのは5〜
6.5°である。
【0063】5)本発明のPTT−POYは、延伸仮撚
加工を行うことにより非常にソフトで良好なストレッチ
性、およびその持続性を有した仮撚加工糸とすることが
できる。本発明の仮撚加工糸は極限粘度が1.0〜1.
6である必要がある。この範囲の極限粘度とすること
で、本発明の目的とする高速での延伸仮撚加工が可能と
なる。本発明の仮撚加工糸は、伸縮伸長率が180〜3
00%、伸縮弾性率が80〜100%、けん縮数が4〜
30個/cmである必要がある。これらを満足すること
で非常にソフトで良好なストレッチ性、およびその持続
性を有すとともに、織編等の工程通過性に優れ、また表
面が滑らかな、品位の高い布帛を得ることが可能とな
る。
加工を行うことにより非常にソフトで良好なストレッチ
性、およびその持続性を有した仮撚加工糸とすることが
できる。本発明の仮撚加工糸は極限粘度が1.0〜1.
6である必要がある。この範囲の極限粘度とすること
で、本発明の目的とする高速での延伸仮撚加工が可能と
なる。本発明の仮撚加工糸は、伸縮伸長率が180〜3
00%、伸縮弾性率が80〜100%、けん縮数が4〜
30個/cmである必要がある。これらを満足すること
で非常にソフトで良好なストレッチ性、およびその持続
性を有すとともに、織編等の工程通過性に優れ、また表
面が滑らかな、品位の高い布帛を得ることが可能とな
る。
【0064】伸縮伸長率が180%未満であったり、伸
縮弾性率が80%未満であったり、けん縮数が4個/c
m未満であったりすると、ソフトさや弾性回復性の劣っ
た加工糸となったり、バルキー性が不足し、膨らみ感の
不足したフィラメントタッチの加工糸となったりしてし
まう。一方、伸縮伸長率が300%を越えたり、けん縮
数が30個/cmを越えたりすると織編等の工程通過性
が悪化したり、得られる布帛はがさつき感、ふかつき感
が大きくなり、PTTの持つソフトな風合いを充分に活
かした布帛ではなくなってしまう。伸縮弾性率は高けれ
ば高い程良く、100%が上限である。伸縮伸長率は好
ましくは200〜280%、更に好ましくは220〜2
60%であり、伸縮弾性率は好ましくは85〜100
%、更に好ましくは90〜100%、けん縮数は好まし
くは6〜28個/cm、更に好ましくは8〜25個/c
mである。
縮弾性率が80%未満であったり、けん縮数が4個/c
m未満であったりすると、ソフトさや弾性回復性の劣っ
た加工糸となったり、バルキー性が不足し、膨らみ感の
不足したフィラメントタッチの加工糸となったりしてし
まう。一方、伸縮伸長率が300%を越えたり、けん縮
数が30個/cmを越えたりすると織編等の工程通過性
が悪化したり、得られる布帛はがさつき感、ふかつき感
が大きくなり、PTTの持つソフトな風合いを充分に活
かした布帛ではなくなってしまう。伸縮弾性率は高けれ
ば高い程良く、100%が上限である。伸縮伸長率は好
ましくは200〜280%、更に好ましくは220〜2
60%であり、伸縮弾性率は好ましくは85〜100
%、更に好ましくは90〜100%、けん縮数は好まし
くは6〜28個/cm、更に好ましくは8〜25個/c
mである。
【0065】また、本発明の仮撚加工糸は強度が2.5
cN/dtex以上であることが好ましい。この範囲の
強度とすることで、布帛化する工程での糸切れが減少し
たり、得られる布帛の強度を高くすることができる。強
度は3.0cN/dtex以上がより好ましく、3.2
cN/dtex以上が更に好ましい。強度は高いほど良
いが、通常5cN/dtex以上の加工糸を製造するこ
とは困難である。このような仮撚加工糸は本発明のPT
T−POY及びチーズ状パッケージを用いることで初め
て得ることができる。繊維の極限粘度が高く特定の構造
を有しているために高温時の物性に優れ、チーズ状パッ
ケージからの解舒張力が低くかつ張力ムラが小さいため
に、適正な加熱温度、撚数、ドロー比、ディスク速度/
糸速度の比が選定できるからである。
cN/dtex以上であることが好ましい。この範囲の
強度とすることで、布帛化する工程での糸切れが減少し
たり、得られる布帛の強度を高くすることができる。強
度は3.0cN/dtex以上がより好ましく、3.2
cN/dtex以上が更に好ましい。強度は高いほど良
いが、通常5cN/dtex以上の加工糸を製造するこ
とは困難である。このような仮撚加工糸は本発明のPT
T−POY及びチーズ状パッケージを用いることで初め
て得ることができる。繊維の極限粘度が高く特定の構造
を有しているために高温時の物性に優れ、チーズ状パッ
ケージからの解舒張力が低くかつ張力ムラが小さいため
に、適正な加熱温度、撚数、ドロー比、ディスク速度/
糸速度の比が選定できるからである。
【0066】延伸仮撚加工の方法としては、高速での延
伸仮撚加工が可能なフリクションタイプ、ニップベルト
タイプ、エアー加撚タイプ等が好ましい。加工速度は生
産性より考えると、500m/分以上が好ましく、70
0m/分以上が更に好ましく、800m/分以上が特に
好ましい。加工温度は、接触式のヒーターでは165〜
210℃である必要がある。加工温度が165℃未満で
は十分なけん縮を付与することができない。また、21
0℃を越えると毛羽や糸切れが多発してしまう。非接触
式のヒーターでは、ヒーターと繊維との距離により好ま
しい温度が変化するが、上記範囲はおおよそ240〜5
00℃に相当する。接触式ヒーターでの温度は170〜
200℃がより好ましくは、更に好ましくは175〜1
90℃である。
伸仮撚加工が可能なフリクションタイプ、ニップベルト
タイプ、エアー加撚タイプ等が好ましい。加工速度は生
産性より考えると、500m/分以上が好ましく、70
0m/分以上が更に好ましく、800m/分以上が特に
好ましい。加工温度は、接触式のヒーターでは165〜
210℃である必要がある。加工温度が165℃未満で
は十分なけん縮を付与することができない。また、21
0℃を越えると毛羽や糸切れが多発してしまう。非接触
式のヒーターでは、ヒーターと繊維との距離により好ま
しい温度が変化するが、上記範囲はおおよそ240〜5
00℃に相当する。接触式ヒーターでの温度は170〜
200℃がより好ましくは、更に好ましくは175〜1
90℃である。
【0067】仮撚加工時のドロー比(延伸倍率)は、仮
撚加工糸の伸度が40〜50%となるように調整するこ
とが好ましい。この場合、延伸比は、通常1.05〜
2.0倍である。ディスク式の仮撚機の場合、加撚ディ
スクはセラミック、ウレタン等を用いることが好まし
く、ディスク速度/糸速度の比(D/Y比)は1.7〜
3であることが好ましい。この範囲とすることで、本発
明の範囲のけん縮数とすることが容易となる。
撚加工糸の伸度が40〜50%となるように調整するこ
とが好ましい。この場合、延伸比は、通常1.05〜
2.0倍である。ディスク式の仮撚機の場合、加撚ディ
スクはセラミック、ウレタン等を用いることが好まし
く、ディスク速度/糸速度の比(D/Y比)は1.7〜
3であることが好ましい。この範囲とすることで、本発
明の範囲のけん縮数とすることが容易となる。
【0068】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に実施例な
どを用いて具体的に説明する。言うまでもなく本発明は
実施例などにより何ら限定されるものでない。尚、実施
例中の主な測定値は以下の方法で測定した。 (1)極限粘度 極限粘度[η]は、オストワルド粘度計を用い、35
℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C
(g/100ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロ
に外挿し、以下の式に従って求めた。 [η]=lim(ηsp/C) C→0
どを用いて具体的に説明する。言うまでもなく本発明は
実施例などにより何ら限定されるものでない。尚、実施
例中の主な測定値は以下の方法で測定した。 (1)極限粘度 極限粘度[η]は、オストワルド粘度計を用い、35
℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C
(g/100ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロ
に外挿し、以下の式に従って求めた。 [η]=lim(ηsp/C) C→0
【0069】(2)複屈折率 繊維便覧−原料編、p.969(第5刷、1978年丸
善株式会社)に準じ、光学顕微鏡とコンペンセーターを
用いて、繊維の表面に観察される偏光のリターデーショ
ンから求めた。 (3)強度(破断強度)、伸度(破断伸度) JIS−L−1013に基づいて定速伸長形引張試験機
であるオリエンテック(株)社製テンシロンを用いて、
つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分にて測定し
た。160℃での強度、伸度は同様な装置、条件にて、
サンプルを160℃の高温槽に入れた状態で測定を行っ
た。
善株式会社)に準じ、光学顕微鏡とコンペンセーターを
用いて、繊維の表面に観察される偏光のリターデーショ
ンから求めた。 (3)強度(破断強度)、伸度(破断伸度) JIS−L−1013に基づいて定速伸長形引張試験機
であるオリエンテック(株)社製テンシロンを用いて、
つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分にて測定し
た。160℃での強度、伸度は同様な装置、条件にて、
サンプルを160℃の高温槽に入れた状態で測定を行っ
た。
【0070】(4)熱応力のピーク値 鐘紡エンジニアリング社製のKE−2を用いた。初過重
0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分で測
定した。得られたデーターは横軸に温度、縦軸に熱応力
をプロットし温度−熱応力曲線を描く。熱応力の最大点
の値を熱応力のピーク値とした。 (5)密度 JIS−L−1013に基づいて四塩化炭素およびn−
ヘプタンにより作成した密度勾配管を用いて密度勾配管
法にて測定を行った。 (6)沸水収縮率 JIS−L−1013に基づき、かせ収縮率として求め
た。
0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分で測
定した。得られたデーターは横軸に温度、縦軸に熱応力
をプロットし温度−熱応力曲線を描く。熱応力の最大点
の値を熱応力のピーク値とした。 (5)密度 JIS−L−1013に基づいて四塩化炭素およびn−
ヘプタンにより作成した密度勾配管を用いて密度勾配管
法にて測定を行った。 (6)沸水収縮率 JIS−L−1013に基づき、かせ収縮率として求め
た。
【0071】(7)広角X線回折(カウンター法) 理学電機株式会社(現株式会社リガク)製広角X線回折
装置ロータフレックスRU−200を用いて下記の条件
にて観察を行った。 X線種 : CuKa線 出力 : 40KV 120mA ゴニオメーター : 理学電機株式会社(現株式会社リガク)製 検出器 : シンチレーションカウンター 計数記録装置 : RINT2000、オンラインデータ処理システム スキャン範囲 : 2θ=5〜40° サンプリング間隔 : 0.03° 積算時間 : 1秒 回折強度は、サンプルを測定して得た回折強度と空気散
乱強度より以下の式に従って求めた真の回折強度を用い
た。 真の回折強度 = サンプルの回折強度 − 空気散乱
強度
装置ロータフレックスRU−200を用いて下記の条件
にて観察を行った。 X線種 : CuKa線 出力 : 40KV 120mA ゴニオメーター : 理学電機株式会社(現株式会社リガク)製 検出器 : シンチレーションカウンター 計数記録装置 : RINT2000、オンラインデータ処理システム スキャン範囲 : 2θ=5〜40° サンプリング間隔 : 0.03° 積算時間 : 1秒 回折強度は、サンプルを測定して得た回折強度と空気散
乱強度より以下の式に従って求めた真の回折強度を用い
た。 真の回折強度 = サンプルの回折強度 − 空気散乱
強度
【0072】(8)U% U%はツェルベガーウスター株式会社製USTER・T
ESTER3により下記の条件にて測定して求めた。 測定速度 : 100m/分 測定時間 : 1分 測定回数 : 2回 撚り種類 : S撚り
ESTER3により下記の条件にて測定して求めた。 測定速度 : 100m/分 測定時間 : 1分 測定回数 : 2回 撚り種類 : S撚り
【0073】(9)油剤付着率 JIS−L−1013に基づき、繊維をジエチルエーテ
ルで洗浄し、ジエチルエーテルを留去して繊維表面に付
着した純油剤量を繊維重量で割って求めた比率を油剤付
着率とした。 (10)バルジ率 図3−(イ)または図3−(ロ)に示す糸層(104)
の最内層の巻幅Q及び、最も膨らんでいる部分の巻幅R
を測定して、以下の式に従って算出した。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100%
ルで洗浄し、ジエチルエーテルを留去して繊維表面に付
着した純油剤量を繊維重量で割って求めた比率を油剤付
着率とした。 (10)バルジ率 図3−(イ)または図3−(ロ)に示す糸層(104)
の最内層の巻幅Q及び、最も膨らんでいる部分の巻幅R
を測定して、以下の式に従って算出した。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100%
【0074】(11)仮撚加工糸のけん縮数 JIS−L−1015に基づき、5本の仮撚加工糸につ
いて90℃の空気中で15分間処理した後、仮撚加工糸
25mm間当たりのけん縮数を数え、平均値を求めた。
この結果を1cm当たりのけん縮数に換算した値を用い
た。 (12)仮撚加工糸の伸縮伸長率 JIS−L−1090に基づき、90℃の空気中で15
分間処理した後、伸縮性A法により仮撚加工糸の伸縮伸
長率(%)を求めた。 (13)仮撚加工糸の伸縮弾性率 JIS−L−1090に基づき、90℃の空気中で15
分間処理した後、伸縮性A法により仮撚加工糸の伸縮弾
性率(%)を求めた。
いて90℃の空気中で15分間処理した後、仮撚加工糸
25mm間当たりのけん縮数を数え、平均値を求めた。
この結果を1cm当たりのけん縮数に換算した値を用い
た。 (12)仮撚加工糸の伸縮伸長率 JIS−L−1090に基づき、90℃の空気中で15
分間処理した後、伸縮性A法により仮撚加工糸の伸縮伸
長率(%)を求めた。 (13)仮撚加工糸の伸縮弾性率 JIS−L−1090に基づき、90℃の空気中で15
分間処理した後、伸縮性A法により仮撚加工糸の伸縮弾
性率(%)を求めた。
【0075】
【実施例1〜4】テレフタル酸ジメチルと1,3−プロ
パンジオールを1:2のモル比で仕込み、テレフタル酸
ジメチルの0.1重量%に相当するチタンテトラブトキ
シドを加え、常圧下ヒーター温度240℃でエステル交
換反応を完結させた。次にチタンテトラブトキシドを更
に理論ポリマー量の0.1重量%、二酸化チタンを理論
ポリマー量の0.05重量%添加し、270℃で3時間
反応させた。得られたポリマーを更に減圧下、210℃
にて固相重合し第一表に示した極限粘度のポリマーを得
た。得られたポリマーを図4に示した装置を用いて、定
法により乾燥し、水分を50ppmにした後、260℃
に設定した押出機にて溶融させた後、第一表に示した温
度のスピンヘッドに送液し、直径0.35mm、長さ
0.35mmの孔が36個開いた一重配列の紡口より押
出した。紡口下には第一表に示した温度とした長さ10
0mmの加熱筒を設置した。この時の紡口表面温度を第
一表に示した。
パンジオールを1:2のモル比で仕込み、テレフタル酸
ジメチルの0.1重量%に相当するチタンテトラブトキ
シドを加え、常圧下ヒーター温度240℃でエステル交
換反応を完結させた。次にチタンテトラブトキシドを更
に理論ポリマー量の0.1重量%、二酸化チタンを理論
ポリマー量の0.05重量%添加し、270℃で3時間
反応させた。得られたポリマーを更に減圧下、210℃
にて固相重合し第一表に示した極限粘度のポリマーを得
た。得られたポリマーを図4に示した装置を用いて、定
法により乾燥し、水分を50ppmにした後、260℃
に設定した押出機にて溶融させた後、第一表に示した温
度のスピンヘッドに送液し、直径0.35mm、長さ
0.35mmの孔が36個開いた一重配列の紡口より押
出した。紡口下には第一表に示した温度とした長さ10
0mmの加熱筒を設置した。この時の紡口表面温度を第
一表に示した。
【0076】次に、温度20℃の冷風を風速0.4m/
分にて溶融マルチフィラメントに当てて急冷し固体マル
チフィラメントに変えた後、ガイドノズルを用いて、ス
テアリル酸オクチル60重量%、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル15重量%、リン酸カリウム3重量%を
含んだ油剤を濃度5重量%の水エマルジョン仕上げ剤と
して、繊維に対して油剤付着率が0.5重量%となるよ
うに付与した。油剤を付与した固体マルチフィラメント
は、第一表の温度、速度の第1ロールに6回巻き付けた
後、スピンドルとタッチロールの双方を駆動する方式の
巻取機を用いて、第一表に示した巻取速度、巻取張力に
て、綾角5°として直径124mm、厚み7mmの紙製
の糸管に巻幅90mmにて4kg巻き取って100dt
ex/36fの繊維の巻かれたチーズ状パッケージを得
た。巻き取ったチーズ状パッケージは巻取機のスピンド
ルより容易に抜け、バルジ率も良好な範囲であった。得
られた繊維物性を第二表に記す。得られた繊維はいずれ
も本発明の範囲に相当するものであり、紡糸過程で糸切
れ、毛羽の発生は認められなかった。
分にて溶融マルチフィラメントに当てて急冷し固体マル
チフィラメントに変えた後、ガイドノズルを用いて、ス
テアリル酸オクチル60重量%、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル15重量%、リン酸カリウム3重量%を
含んだ油剤を濃度5重量%の水エマルジョン仕上げ剤と
して、繊維に対して油剤付着率が0.5重量%となるよ
うに付与した。油剤を付与した固体マルチフィラメント
は、第一表の温度、速度の第1ロールに6回巻き付けた
後、スピンドルとタッチロールの双方を駆動する方式の
巻取機を用いて、第一表に示した巻取速度、巻取張力に
て、綾角5°として直径124mm、厚み7mmの紙製
の糸管に巻幅90mmにて4kg巻き取って100dt
ex/36fの繊維の巻かれたチーズ状パッケージを得
た。巻き取ったチーズ状パッケージは巻取機のスピンド
ルより容易に抜け、バルジ率も良好な範囲であった。得
られた繊維物性を第二表に記す。得られた繊維はいずれ
も本発明の範囲に相当するものであり、紡糸過程で糸切
れ、毛羽の発生は認められなかった。
【0077】
【比較例1〜5】第一表に示した条件にて、実施例1と
同様にして繊維を得た。得られた繊維物性を第二表に記
す。比較例1、2は、用いたポリマーの極限粘度が低い
ために繊維の極限粘度が本発明の範囲を外れており、1
60℃でのタフネスも低いものであった。比較例3は、
用いたポリマーの極限粘度が高すぎるために、紡糸中に
糸切れが多発し、繊維を得ることができなかった。比較
例4は、加熱筒を設置しなかったために紡口表面温度が
低くなり、巻締まりが発生して1kg巻き取ってもチー
ズ状パッケージを巻取機のスピンドルより取り出すこと
ができなかった。繊維を200g程度巻き取って繊維物
性を測定したところ、熱応力のピーク値が高く、また糸
ムラが大きくU%も高いものであった。比較例5は、巻
取速度が低いために複屈折率、伸度が本発明の範囲を外
れ、また密度が低く、沸水収縮率が大きいものであっ
た。
同様にして繊維を得た。得られた繊維物性を第二表に記
す。比較例1、2は、用いたポリマーの極限粘度が低い
ために繊維の極限粘度が本発明の範囲を外れており、1
60℃でのタフネスも低いものであった。比較例3は、
用いたポリマーの極限粘度が高すぎるために、紡糸中に
糸切れが多発し、繊維を得ることができなかった。比較
例4は、加熱筒を設置しなかったために紡口表面温度が
低くなり、巻締まりが発生して1kg巻き取ってもチー
ズ状パッケージを巻取機のスピンドルより取り出すこと
ができなかった。繊維を200g程度巻き取って繊維物
性を測定したところ、熱応力のピーク値が高く、また糸
ムラが大きくU%も高いものであった。比較例5は、巻
取速度が低いために複屈折率、伸度が本発明の範囲を外
れ、また密度が低く、沸水収縮率が大きいものであっ
た。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【実施例5、6】第三表に示した繊維を用いて、石川製
作所製FK−6仮撚加工機にてセラミック製の加撚ディ
スクを7枚用いて、ディスク速度/糸速度の比(D/Y
比)2.3にて、第三表に示した条件にて高速での延伸
仮撚加工を行った。仮撚加工の際に毛羽や糸切れは見ら
れず、本発明の範囲内の物性を有したPET並みのけん
縮形態、PTT特有のソフトさ、弾性回復性を持った優
れた仮撚加工糸を得ることができた。得られた加工糸
は、織編性が非常に良好であった。また3ヶ月後でも物
性の経時変化はほとんど見られず、延伸仮撚加工を行っ
たところ上記と同じ条件で同品質の仮撚加工糸を得るこ
とができた。
作所製FK−6仮撚加工機にてセラミック製の加撚ディ
スクを7枚用いて、ディスク速度/糸速度の比(D/Y
比)2.3にて、第三表に示した条件にて高速での延伸
仮撚加工を行った。仮撚加工の際に毛羽や糸切れは見ら
れず、本発明の範囲内の物性を有したPET並みのけん
縮形態、PTT特有のソフトさ、弾性回復性を持った優
れた仮撚加工糸を得ることができた。得られた加工糸
は、織編性が非常に良好であった。また3ヶ月後でも物
性の経時変化はほとんど見られず、延伸仮撚加工を行っ
たところ上記と同じ条件で同品質の仮撚加工糸を得るこ
とができた。
【0081】
【比較例6〜9】第三表に示した繊維を用いて、実施例
7と同様にして高速での延伸仮撚加工を行った。比較例
6では、本発明のPTT−POYを用いても仮撚温度が
低すぎるために、伸縮伸長率、伸縮弾性率等が本発明よ
り外れ、けん縮形態、弾性回復性等が劣った仮撚加工糸
しか得ることができなかった。比較例7、9では、本発
明の範囲より外れたPTT−POYを用いたために、糸
切れが多発し、仮撚加工糸を得ることができなかった。
比較例8では、本発明の範囲より外れたPTT−POY
を用いた場合、仮撚加工温度を本発明の範囲より下げる
ことにより糸切れは抑制できたものの、伸縮伸長率、伸
縮弾性率等が本発明より外れ、けん縮形態、弾性回復性
等が劣った仮撚加工糸しか得ることができなかった。
7と同様にして高速での延伸仮撚加工を行った。比較例
6では、本発明のPTT−POYを用いても仮撚温度が
低すぎるために、伸縮伸長率、伸縮弾性率等が本発明よ
り外れ、けん縮形態、弾性回復性等が劣った仮撚加工糸
しか得ることができなかった。比較例7、9では、本発
明の範囲より外れたPTT−POYを用いたために、糸
切れが多発し、仮撚加工糸を得ることができなかった。
比較例8では、本発明の範囲より外れたPTT−POY
を用いた場合、仮撚加工温度を本発明の範囲より下げる
ことにより糸切れは抑制できたものの、伸縮伸長率、伸
縮弾性率等が本発明より外れ、けん縮形態、弾性回復性
等が劣った仮撚加工糸しか得ることができなかった。
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】本発明のPTT繊維は、高重合度のPT
Tポリマーを用い、溶融繊維の急激な冷却を抑制するた
めに特定範囲の紡口表面温度として押出し、極低張力に
て巻き取る特殊な紡糸法を用いて製造した、特定の範囲
内の極限粘度、配向性、伸度及び収縮性を有した、生産
性の高い1段階の紡糸工程にて工業的に安定して製造で
きるPTT−POYである。このため、生産性の高い高
速での延伸仮撚加工により、安定して高品質の仮撚加工
糸を得ることができる。本発明のPTT繊維を用いて製
造した仮撚加工糸は、ソフトな風合いと高いけん縮率、
伸縮伸長率、伸縮弾性率を持った極めて優れた、ストレ
ッチ素材として好適な仮撚加工糸となる。このためいわ
ゆるゾッキや交編タイプのパンティストッキング、タイ
ツ、ソックス(裏糸、口ゴム)、ジャージー、弾性糸の
カバリング糸、交編パンティストッキング等交編品の伴
糸等に有用である。
Tポリマーを用い、溶融繊維の急激な冷却を抑制するた
めに特定範囲の紡口表面温度として押出し、極低張力に
て巻き取る特殊な紡糸法を用いて製造した、特定の範囲
内の極限粘度、配向性、伸度及び収縮性を有した、生産
性の高い1段階の紡糸工程にて工業的に安定して製造で
きるPTT−POYである。このため、生産性の高い高
速での延伸仮撚加工により、安定して高品質の仮撚加工
糸を得ることができる。本発明のPTT繊維を用いて製
造した仮撚加工糸は、ソフトな風合いと高いけん縮率、
伸縮伸長率、伸縮弾性率を持った極めて優れた、ストレ
ッチ素材として好適な仮撚加工糸となる。このためいわ
ゆるゾッキや交編タイプのパンティストッキング、タイ
ツ、ソックス(裏糸、口ゴム)、ジャージー、弾性糸の
カバリング糸、交編パンティストッキング等交編品の伴
糸等に有用である。
【図1】図1−(イ)は、結晶性に由来するピークの観
察される広角X線回折チャートである。図1−(ロ)
は、結晶性に由来するピークの観察されない広角X線回
折チャートである。
察される広角X線回折チャートである。図1−(ロ)
は、結晶性に由来するピークの観察されない広角X線回
折チャートである。
【図2】繊維をUSTER・TESTER3に通した際
のむら曲線(繊維の質量変化)である。
のむら曲線(繊維の質量変化)である。
【図3】本発明のPTT繊維を糸管に巻き付けたチーズ
状パッケージの状態を示す略図である。図3−(イ)
は、望ましいチーズ状パッケージの概略図である。図3
−(ロ)は、バルジのあるチーズ状パッケージの概略図
である。
状パッケージの状態を示す略図である。図3−(イ)
は、望ましいチーズ状パッケージの概略図である。図3
−(ロ)は、バルジのあるチーズ状パッケージの概略図
である。
【図4】本発明を実施する紡糸機の概略を示す模式図で
ある。
ある。
【図5】本発明を実施する紡糸機の繊維を熱処理するゾ
ーンの他の態様の概略を示す模式図である。
ーンの他の態様の概略を示す模式図である。
1 乾燥機 2 押出機 3 ベンド 4 スピンヘッド 5 紡口パック 6 紡口 7 加熱筒 8 マルチフィラメント 9 冷却風 10 仕上げ剤付与装置 11 第1ロール 12 フリーロール 13 巻取機、パッケージ 13a スピンドル、パッケージ 13b タッチロール 14 紡糸チャンバー 15 繊維を熱処理するゾーン 16 第2ロール 17 第1ネルソンロール 18 第2ネルソンロール 19 第1ヒーター 20 第2ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB33 DD20 EE02 EE20 FF08 HH10 4L036 MA05 MA26 MA33 PA14 PA49 RA04 UA01 UA16
Claims (9)
- 【請求項1】 90モル%以上がトリメチレンテレフタ
レート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフ
タレートからなり、下記(A)〜(D)の要件を満足す
ることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート繊
維。 (A)極限粘度 : 1.0〜1.6 (B)複屈折率 : 0.03〜0.07 (C)破断伸度 : 40〜140% (D)熱応力のピーク値 : 0.01〜0.10cN/dtex - 【請求項2】 160℃での強度と伸度を用いて、下記
式より計算されるタフネスが9以上であることを特徴と
する請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレート繊
維。 タフネス = 強度(cN/dtex) × √伸度(%) - 【請求項3】 下記(E)〜(F)を満足することを特
徴とする請求項1又は2記載のポリトリメチレンテレフ
タレート繊維。 (E)密度 : 1.320〜1.340g/cm3 (F)沸水収縮率 : 3〜40% - 【請求項4】 繊維軸に対して直行方向の広角X線回折
強度が下記式を満足することを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート繊
維。 I1 /I2 ≧1.0 ここで、I1 :2θ=15.5〜16.5°の最大回折
強度 I2 :2θ=18〜19°の平均回折強度 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリト
リメチレンテレフタレート繊維が巻き付けられ、バルジ
率が20%以下であることを特徴とするチーズ状パッケ
ージ。 - 【請求項6】 90モル%以上がトリメチレンテレフタ
レート繰返単位から構成される極限粘度が1.0〜1.
6のポリトリメチレンテレフタレートを溶融紡糸する方
法であって、紡口表面温度を255〜290℃として紡
口より押出した溶融マルチフィラメントを冷却して固体
マルチフィラメントに変えた後、0.02〜0.20c
N/dtexの巻取張力にて2000〜4000m/分
の速度で巻き取ることを特徴とするポリトリメチレンテ
レフタレート繊維の製造方法。 - 【請求項7】 紡口より押出した溶融マルチフィラメン
トを冷却して固体マルチフィラメントに変えた後に、5
0〜170℃で熱処理を行うことを特徴とする請求項6
記載のポリトリメチレンテレフタレート繊維の製造方
法。 - 【請求項8】 90モル%以上がトリメチレンテレフタ
レート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフ
タレートからなり、下記(G)〜(J)の要件を満足す
ることを特徴とする仮撚加工糸。 (G)極限粘度 : 1.0〜1.6 (H)伸縮伸長率 : 180〜300% (I)伸縮弾性率 : 80〜100% (J)けん縮数 : 4〜30個/cm - 【請求項9】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリト
リメチレンテレフタレート繊維を用いて、仮撚加工速度
500〜1200m/分、加工温度165〜210℃に
て延伸仮撚加工することを特徴とする仮撚加工糸の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000243075A JP2002061038A (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | ポリトリメチレンテレフタレート繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000243075A JP2002061038A (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | ポリトリメチレンテレフタレート繊維 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002061038A true JP2002061038A (ja) | 2002-02-28 |
Family
ID=18733989
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000243075A Pending JP2002061038A (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | ポリトリメチレンテレフタレート繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002061038A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7005093B2 (en) | 2003-02-05 | 2006-02-28 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Spin annealed poly(trimethylene terephthalate) yarn |
| EP1927683A2 (en) | 2006-11-28 | 2008-06-04 | Futura Polyesters Limited | Polyester staple fiber (PSF)/filament yarn (POY and PFY) for textile applications |
| JP2011256316A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 微多孔性フィルム及びその製造方法並びに電池用セパレータ |
| CN102776630A (zh) * | 2012-08-17 | 2012-11-14 | 浙江耐隆纤维有限公司 | 一种高强低弹零收缩环保型加弹钻石纤维的生产方法 |
| EP4421223A4 (en) * | 2021-10-19 | 2025-04-16 | Teijin Frontier Co., Ltd. | POLYTRIMETHYLENE TEREPHTHALATE FIBER AND METHOD FOR PRODUCING SAME |
-
2000
- 2000-08-10 JP JP2000243075A patent/JP2002061038A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7005093B2 (en) | 2003-02-05 | 2006-02-28 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Spin annealed poly(trimethylene terephthalate) yarn |
| EP1927683A2 (en) | 2006-11-28 | 2008-06-04 | Futura Polyesters Limited | Polyester staple fiber (PSF)/filament yarn (POY and PFY) for textile applications |
| JP2011256316A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 微多孔性フィルム及びその製造方法並びに電池用セパレータ |
| CN102776630A (zh) * | 2012-08-17 | 2012-11-14 | 浙江耐隆纤维有限公司 | 一种高强低弹零收缩环保型加弹钻石纤维的生产方法 |
| EP4421223A4 (en) * | 2021-10-19 | 2025-04-16 | Teijin Frontier Co., Ltd. | POLYTRIMETHYLENE TEREPHTHALATE FIBER AND METHOD FOR PRODUCING SAME |
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