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JP2001288014A - 抗菌・抗カビ加工用ピリチオン亜鉛含有分散液及び該分散液を用いた繊維類の抗菌・抗カビ加工方法 - Google Patents

抗菌・抗カビ加工用ピリチオン亜鉛含有分散液及び該分散液を用いた繊維類の抗菌・抗カビ加工方法

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JP2001288014A
JP2001288014A JP2000103228A JP2000103228A JP2001288014A JP 2001288014 A JP2001288014 A JP 2001288014A JP 2000103228 A JP2000103228 A JP 2000103228A JP 2000103228 A JP2000103228 A JP 2000103228A JP 2001288014 A JP2001288014 A JP 2001288014A
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JP
Japan
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dispersion
zinc pyrithione
antibacterial
fibers
antifungal
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Application number
JP2000103228A
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English (en)
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JP3779124B2 (ja
JP2001288014A5 (ja
Inventor
Kimio Suzuki
公雄 鈴木
Osamu Goshi
修 合志
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Kasei Co Ltd
Original Assignee
Osaka Kasei Co Ltd
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Publication date
Application filed by Osaka Kasei Co Ltd filed Critical Osaka Kasei Co Ltd
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Publication of JP2001288014A5 publication Critical patent/JP2001288014A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌・抗カビ処理用の分散液として処理効率
が極めて高く、安定性に極めて優れる分散液を提供す
る。 【解決手段】 ピリチオン亜鉛を界面活性剤及び水の存
在下、懸濁状態で粉砕することにより得た抗菌・抗カビ
加工用ピリチオン亜鉛含有分散液であって、分散液中の
鉄及び銅の含有率をピリチオン亜鉛に対して0.1重量
%以下としたことを特徴とする抗菌・抗カビ加工用ピリ
チオン亜鉛含有分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊
維、アクリル繊維及びナイロン繊維等の合成繊維類並び
にアセテート繊維等の半合成繊維類、更には、天然繊
維、もしくは合成繊維、半合成繊維類と天然繊維類との
混合繊維からなる繊維製品に抗菌性、抗カビ性を付与す
るピリチオン亜鉛含有分散液及び該分散液を用いた繊維
類の抗菌・抗カビ加工方法に関する。
【0002】特に、これらの繊維製品に黄色ブドウ球
菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、肺炎
桿菌、大腸菌、病原性大腸菌O157、更に緑膿菌等に
対する抗菌性を付与する分散液及び該分散液を用いた加
工処理方法に関する。また、分散液としての安定性、取
り扱い性に優れ、極めて高い耐洗濯性を備えた抗菌抗カ
ビ性を繊維類に付与することのできる分散液及び該分散
液を用いた加工方法に関する。
【0003】
【従来の技術】衣料用繊維製品をはじめ布団カバー、カ
ーテン、タオル、壁布(壁紙)等の身のまわりの繊維製
品の衛生指向の高まりと共に、各種繊維製品に対する抗
菌・抗カビ加工の開発が盛んである。加えて、近年医療
現場における所謂、院内感染の問題が大きくクローズア
ップされ、その対策としての手術衣をはじめシーツ、布
団カバー、間仕切り、力ーテン、白衣、寝間着等などの
医療施設内の繊維製品の抗菌・抗カビ加工技術の研究が
急がれている。
【0004】合成繊維等からなる製品の抗菌・抗カビ加
工技術には、合成繊維においては、その紡糸原液に抗菌
剤や抗カビ剤などの薬剤を練り込み、紡糸して抗菌、抗
カビ特性を有する繊維を製造し、それを必要に応じて他
の繊維類と混合して編織して製品を得る方法や普通に紡
糸された合成、半合成繊維やそれを必要に応じて他の繊
維類と混合して得た布、更にはそれを縫製して得た製品
に抗菌剤や抗カビ剤を付着(含浸)させる方法がある。
【0005】抗菌剤や抗カビ剤などを繊維に付着させる
方法としては、繊維や繊維製品を抗菌剤や抗カビ剤を含
む溶液に浸漬し加圧下に保持する方法、繊維や繊維製品
に抗菌剤や抗カビ剤を含む溶液を含浸させ次いで加熱す
る方法、更には、バインダー樹脂等の接着成分を用いて
抗菌剤や抗カビ剤を繊維や繊維製品に付着させ乾燥固定
する方法等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらいずれ
の方法により抗菌・抗カビ加工された製品も、次々に出
現する新しい耐性菌によりその効果は弱められ、また医
療施設内で使われた繊維製品は感染防止の安全上の理由
から強力に洗濯するため、より強力な耐洗濯性を備えた
抗菌・抗カビ特性の付与が要求されるようになってい
る。
【0007】メチシリン耐性ブドウ球菌、所謂MRSA
や最近ではバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)といっ
たより耐性の強い菌の出現、そして、一方繊維製品新機
能評価協議会(JAFETと略称されている)で規定す
る特定制菌加工、更には病院リネンサプライといった過
酷な工業洗濯にも耐える新しい抗菌・抗カビ加工技術の
開発が待たれている。
【0008】本発明者等は、先にポリエステル繊維製品
に抗菌防カビ性能を付与する方法について広範な研究を
行い、極めて有効な方法を開発した(特公平5−124
75号公報参照)が、その後引続き研究を重ね、この成
果を基に更に発展させる研究の中で、極めて有効な方法
を見出したのである。本発明は、主に、合成繊維類を主
体とする繊維類に対し、MRSA、黄色ブドウ球菌、大
腸菌、病原性大腸菌O157:H7及び緑膿菌等に対し
て強い抗菌性を付与することのできる新しいピリチオン
亜鉛含有分散液及び該分散液を用いた耐洗濯性を備えた
繊維類の加工方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ピリチ
オン亜鉛を界面活性剤及び水の存在下、懸濁状態で粉砕
することにより得た抗菌・抗カビ加工用ピリチオン亜鉛
含有分散液であって、分散液中の鉄及び銅の含有率をピ
リチオン亜鉛に対して0.1%以下としたことを特徴と
する抗菌・抗カビ加工用ピリチオン亜鉛含有分散液及び
分散液中のピリチオン亜鉛濃度が4〜80重量%である
ことを特徴とする上記に記載の抗菌・抗カビ加工用ピリ
チオン亜鉛含有分散液に存する。
【0010】また、繊維類を上記に記載のピリチオン亜
鉛含有分散液もしくはその希釈液に浸漬し、常圧又は加
圧下、80〜160℃で浴中で加熱処理するか、または
前記繊維類に前記分散液もしくはその希釈液を含浸又は
付着させ、次いで110〜230℃で気中で加熱処理す
ることを特徴とする繊維類の抗菌・抗カビ加工方法も要
旨の一つである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のピリチオン亜鉛含有分散
液を用い得る繊維類としては、木綿等の天然繊維、ポリ
エステル繊維、ナイロン繊維、ポリアクリロニトリル繊
維等の合成繊維、アセテート繊維等の半合成繊維類及び
これらを混合した繊維が挙げられる。
【0013】繊維の形態としては、糸、編物、織物、
布、及び各種製品が挙げられ、製品としては例えば衣料
品、寝装寝具、敷物、カーテン、屋内壁布等、特に病院
等医療施設で使用される手術衣、看護衣、シーツ・カバ
ー等の寝装寝具、間仕切りカーテン、包帯、タオル、ふ
きん等の製品が挙げられる。本発明で使用する抗菌・抗
カビ剤としては、ピリチオン亜鉛が用いられる。ピリチ
オン亜鉛とは下記[1]式で示される化合物である。
【0014】
【化1】
【0015】ピリチオン亜鉛は亜鉛が人体の必須成分で
あり、安全性が高いこと、この亜鉛(Zn)の入った化
合物は皮膚から吸収されにくいこと等の特徴がある。
【0016】これらの特性を備えていることからピリチ
オン亜鉛は、化粧品や洗髪剤の分野において広く使用さ
れている実績がある。ピリチオン亜鉛は通常粉末状を呈
するが、そのままでは、繊維類を抗菌・抗カビ加工用と
しては用い得ない。即ち、繊維にピリチオン亜鉛を強力
な耐洗濯性を備えた状態で、かつ、着色等を起こさず担
持させるためにはピリチオン亜鉛を特殊な状態にする必
要が生じる。
【0017】第1の大きな要件は、ピリチオン亜鉛の安
定性を阻害し、繊維に対するピリチオン亜鉛の固定率を
低下させ、また着色の原因となる鉄及び銅の含有量のコ
ントロールである。本発明においては、分散液中の鉄及
び銅の含有率をピリチオン亜鉛に対して0.1重量%以
下、好ましくは0.01重量%以下、更に好ましくは
0.001重量%以下とする。
【0018】分散液に鉄や銅が混入すると、ピリチオン
亜鉛の一部がピリチオン鉄やピリチオン銅に変化してし
まう。このピリチオン鉄やピリチオン銅の量が増加する
と、即ち、鉄及び銅の含有率がピリチオン亜鉛に対して
0.1重量%を越えると、分散液に発色を生じ、繊維加
工の際着色という問題を生じるし、分散液の安定性や繊
維の加工性(処理効率)にも問題を生じる。
【0019】ピリチオン亜鉛の分散液は、取り扱い上、
保管容量等の点から、通常ピリチオン亜鉛を4〜80重
量%含有した分散液とされるが、実際に繊維処理用に用
いる分散液はこの濃い分散液を希釈した所謂「加工液」
とされて用いられる。実際に繊維加工に用いる加工液
は、用途目的に応じ、そのまま、もしくは適当に希釈し
て用いるが、通常は加工液中のピリチオン亜鉛濃度を
0.001重量%〜4重量%未満に調製して用いる。
【0020】処理法において具体的に述べると、浴中法
では加工液中のピリチオン亜鉛が0.001〜0.2重
量%程度の濃度になるように、気中法の場合は加工液中
のピリチオン亜鉛が0.05〜4重量%程度好ましくは
0.1〜2重量%程度の濃度になるように希釈して用い
るのが良い。この繊維処理用に用いる分散液(加工液)
はそれ単独で繊維に適用しても良いが、通常は繊維を染
色する際や難燃処理する際に併用して用いられることが
多い。このような場合、染料や難燃処理剤やそれらの助
剤がピリチオン亜鉛分散液(加工液)と混合されること
になるので、染料や難燃処理剤やそれらの助剤の成分に
よっては鉄や銅の量や後述するpHの外乱要因となる。
【0021】なお、上述したように、繊維加工用に用い
る分散液(加工液)はピリチオン亜鉛濃度が4〜80重
量%の分散液を希釈して用いるがこの加工液の場合に
は、ピリチオン亜鉛に対する鉄や銅の量が希釈前の分散
液中の濃度より高濃度になっても着色が分散媒によって
希釈されて使用可能となる場合がある。場合によっては
希釈された加工液の場合、加工液中の鉄及び銅の含有率
はピリチオン亜鉛に対して20重量%程度まで、通常は
2重量%程度まで許容される。
【0022】鉄及び銅をこのような濃度にコントロール
することにより、分散液の着色を防ぎ、更に分散液の安
定状態を保ち、繊維に対するピリチオン亜鉛の固定率が
向上する。原料段階では鉄、銅等の2価の金属はピリチ
オン亜鉛の亜鉛以外入らないように調整するが、外乱要
因が、粉砕工程や原料系にある。
【0023】即ち、本発明では、ピリチオン亜鉛を界面
活性剤及び水の存在下、懸濁状態で粉砕することにより
ピリチオン亜鉛含有分散液を得る。この際、ボールミ
ル、ハンマーミル等の粉砕器を使用することになるが、
粉砕に当たっては、ピリチオン亜鉛が粉砕されるのみな
らず、僅かではあるが、装置側、即ち、ミルのボールや
ハンマーが削られ、分散液中に混入する。
【0024】ボールミル等の湿式粉砕装置として金属製
のボール等を用いた場合は粉砕具が微量削られて分散液
に混入する原因となる。分散液に鉄や銅が混入すると、
ピリチオン亜鉛の一部がピリチオン鉄やピリチオン銅に
変化してしまう。このピリチオン鉄やピリチオン銅の量
が増加すると、即ち、鉄及び銅の含有率がピリチオン亜
鉛に対して0.1重量%を越えると、分散液に発色を生
じ、繊維加工の際着色という問題を生じるし、分散液の
安定性や繊維の加工性(ピリチオン亜鉛の固定率)も低
下する。
【0025】また、分散媒として用いる水に由来する
鉄、銅の混入も考えられ、分散媒として用いる水は活性
炭、イオン交換樹脂等で処理して、鉄や銅等の2価の金
属を取り除いた水を用いるのが望ましい。次に、繊維に
ピリチオン亜鉛を強力な耐洗濯性を備えた状態で、担持
させるための要因としてはピリチオン亜鉛の粒径も影響
する。
【0026】しかも、単なる粒径ではなく、懸濁状態で
粉砕する際の粒径コントロールが重要な意味を持つ。ピ
リチオン亜鉛を乾燥状態で微粉砕し、水等の溶媒に分散
させて分散液とすることもできるが、このような手段を
用いた場合、ピリチオン亜鉛の粉末が一部再凝集したり
して粒度分布が乱れ、種々の粒径のピリチオン亜鉛を含
有する分散液となってしまう。
【0027】このような粒度分布の乱れたピリチオン亜
鉛分散液を用いて、繊維類の抗菌・抗カビ加工を行って
も、ピリチオン亜鉛が繊維間や繊維分子間に入り込めず
加工効率が悪い。また、耐洗濯性の低いものしか得られ
ない。これは、凝集した大粒子が自体が繊維分子間に入
り込めないことは勿論、他の細粒が繊維分子間に入り込
もうとする(染み込む)のを妨害するためと推測され
る。
【0028】また、細かすぎる粒子は、工業的に不利に
なるほど相当長時間粉砕を行わなければならないし、再
凝集しやすくなることが考えられる。本発明の分散液
は、ピリチオン亜鉛を界面活性剤及び水の存在下、懸濁
状態で粉砕することにより、再凝集を防止しつつ、繊維
分子間に旨く固定される大きさ、即ち、大きすぎも小さ
すぎもしないピリチオン亜鉛粒子が分散された分散液を
得る。
【0029】分散液中のピリチオン亜鉛は、平均粒径が
0.1〜1μm好ましくは0.3〜0.6μmであっ
て、2μm以上の粒径のピリチオン亜鉛が全ピリチオン
亜鉛に対し5重量%以下、好ましくは3重量%以下、好
ましくは1重量%以下となるように粉砕するのが良い。
ピリチオン亜鉛を界面活性剤と水との存在下、このよう
な粒径範囲とすることにより、繊維類に適用すると、ピ
リチオン亜鉛が繊維間や繊維分子間に入り込み、しかも
脱落することなく固定されやすい状態の分散液となる。
【0030】しかも、この分散液は、分散液中のピリチ
オン亜鉛濃度を4〜80重量%とすることにより、粒径
と濃度のバランスから、粉砕された粒子が再び凝集する
ことが少なく、また、比較的長期に渡って安定した分散
液状態を保つ。分散液中のピリチオン亜鉛の粒径は、J
IS R1629に準拠してレーザー回折粒度分布測定
装置を用いて測定したものであり、平均粒径とは累積5
0%に相当するメジアン径を意味する。
【0031】更に、繊維にピリチオン亜鉛を強力な耐洗
濯性を備えた状態で、担持させるための要因としては上
述した鉄、銅の含有量と同じように、分散液のpHが大
きな要因となる。安定状態を長期に渡って保ち、繊維に
対するピリチオン亜鉛の固定率を向上させるため、分散
液は、粉砕中又は粉砕後にpHを4〜10の間、好まし
くは5.5〜8.5、より好ましくは6〜8の間に調整
される事が望ましい。
【0032】ピリチオン亜鉛の分散液又はこの分散液を
希釈した繊維加工用分散液(加工液)が所定の範囲から
アルカリ性側や酸性側にずれると、ピリチオン亜鉛の分
解が進み、所望の効力が得られなくなり易いし、経時的
に安定な分散液(加工液)とならない。安定状態を長期
に渡って保ち、繊維に対するピリチオン亜鉛の固定率を
向上させるため、分散液(加工液)は、粉砕中又は粉砕
後にpHを上記の範囲内に調整される事が望ましい。
【0033】pHの調整は、分散液のpHがアルカリ性
側にある場合は、酢酸、塩酸、リン酸等の酸を所定量添
加し、上記のpHの範囲に調整すれば良いし、酸性側に
有る場合には炭酸ナトリウム、苛性ソーダ等のアルカリ
を所定量添加すればよい。分散液は、通常、pHが4〜
10の間に有るように原料段階では調整するが、pHの
外乱要因が、ピリチオン亜鉛の粉砕工程や繊維の染色工
程、繊維の機能性加工工程等にある。
【0034】即ち、本発明では、ピリチオン亜鉛を界面
活性剤及び水の存在下、懸濁状態で粉砕することにより
ピリチオン亜鉛含有分散液を得る。この際、ボールミ
ル、ハンマーミル等の粉砕器を使用することになるが、
粉砕に当たっては、ピリチオン亜鉛が粉砕されるのみな
らず、僅かではあるが、装置側、即ち、ミルのボールや
ハンマーが削られ、分散液中に混入する。
【0035】ボールミル等の湿式粉砕装置では、セラミ
ックボール、ガラスボール等からなる粉砕具が用いられ
るが、これらが微量削られて分散液に混入すると分散液
はアルカリ性側に変化してしまう。分散液がアルカリ性
側になるとピリチオン亜鉛の分解が始まり、分散液の安
定状態を保てない。
【0036】粉砕装置の材質によっては分散液が酸性側
に変化する場合もあり、この場合にもピリチオン亜鉛の
分解が始まり、分散液の安定状態を保てない。酸性側に
変化した場合には、上述した炭酸ナトリウム、苛性ソー
ダ等のアルカリを添加して、pHが4〜10、好ましく
は5.5〜8.5の間に有るように調整すればよい。
【0037】粉砕装置として、分散液のpHを変化させ
ない、即ち、粉砕の際全くそれ自体が削られず、分散液
中に混入することがない材質からなる粉砕装置を用いる
か、切削されてもpHを変化させない中性の材質からな
る粉砕装置を用いるかすればこのような問題は生じない
が、現実的には、効率的に粉砕が可能な装置で、pHを
変化させない材質からなる粉砕機は見出していない。
【0038】pHが4〜10を外れると、前述もした
が、ピリチオン亜鉛の分解が始まり、分散液(加工液)
の安定状態を保てない。また加工性(処理効率)も低下
する。このような場合にも、pHの調製が必要になる。
分散液のpHがアルカリ性側にある場合は、酢酸、塩
酸、リン酸等の酸を所定量添加し、上記のpHの範囲に
調整すれば良いし、酸性側に有る場合には炭酸ナトリウ
ム、苛性ソーダ等のアルカリを所定量添加すればよい。
【0039】ピリチオン亜鉛の粉砕の際、水と共に用い
る界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物、ポリアクリル酸ナトリウム、リグニンスルフォン
酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、アルキルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等の陽イオ
ン界面活性剤、長鎖アルキルアミノ酸、アルキルベタイ
ン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非
イオン界面活性剤が用途に応じ適宜用い得る。
【0040】界面活性剤の使用量としては、通常、分散
液中0.5〜10重量%程度である。ピリチオン亜鉛含
有分散液はピリチオン亜鉛を界面活性剤及び水の存在
下、懸濁状態で粉砕することにより得るが、水性懸濁液
形の原液を調製する際に、ポリナフタレンスルホン酸塩
やリグニンスルホン酸塩等のアニオン系分散剤、スチレ
ン化フェノール、ポリオキシエチレン・硬化ヒマシ油等
の非イオン系分散剤、第4級アンモニウム塩系のカチオ
ン系分散剤又はこれらの混合物からなる分散剤を用いて
も良い。
【0041】更に、必要に応じて増粘剤、凍結防止剤及
び消泡剤等を加えても良い。ピリチオン亜鉛を用いて繊
維類を処理する方法としては、繊維類を上記に記載のピ
リチオン亜鉛含有分散液もしくはその希釈液に浸漬し、
常圧又は加圧下、80〜160℃で浴中で加熱処理(浴
中法)するか、または前記繊維類に前記分散液もしくは
その希釈液を含浸又は付着させ、次いで常圧で110〜
230℃で気中で加熱処理(気中法)することにより行
われる。
【0042】上記のピリチオン亜鉛含有分散液は取り扱
いの安定性等から濃度を4〜80重量%としてあるが、
実際に繊維加工に用いる場合は、用途目的に応じ、その
まま、もしくは適当に希釈して用いる。前述したが、通
常は浴中法では加工液中のピリチオン亜鉛が0.001
〜0.2重量%程度の濃度になるように、気中法の場合
は加工液中のピリチオン亜鉛が0.05〜4重量%程度
の濃度になるように希釈して用いるのが良い。
【0043】ピリチオン亜鉛含有分散液は繊維加工に用
いる場合、通常、水性乳化液あるいは水性懸濁液の形で
適用される。本発明による繊維類の抗菌・抗カビ加工は
以下の様な方法により行われる。まず、抗菌・抗カビ加
工を加圧下に行う場合こは耐圧密閉容器中に、被加工繊
維重量に対し0.001〜20重量%程度になるように
ピリチオン亜鉛を入れ、これに繊維類を浸し(浴中
法)、0〜620KPa程度の圧力下80〜160℃で
加熱処理する。
【0044】気中下に行う場合には開放容器中でピリチ
オン亜鉛含有分散液錯体を用い、被加工繊維重量に対し
0.001〜20重量%程度になるようにピリチオン亜
鉛を入れ、これに繊維類を浸すか、噴霧等により付着さ
せ、これを気中に取り出し、乾燥の要領で乾熱もしくは
場合により湿熱を用い110〜230℃で気中で加熱処
理する。
【0045】繊維類の抗菌・抗カビ加工は繊維の種類に
よって条件が多少変わるが、ポリエステル繊維の場合は
加圧下、110〜140℃程度の温度で、ナイロン、ア
セテート及びアクリル繊維の場合は常圧下、80〜10
0℃程度の温度で処理することが望ましい。いずれの場
合も処理時間は30秒から2時間程度でよい。
【0046】このようにすることにより本発明のピリチ
オン亜鉛は良好に繊維類の繊維分子間に入り込み、旨く
固定される。
【0047】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の、洗濯法や各種試験方法は、
次の方法に従った。 1.洗濯法 1)JIS L0217−103(40℃の家庭洗濯)
JIS L1042−F2(60℃のエ業洗濯) 2)JAFET特定制菌加工の洗濯法(JAFET標準
配合洗剤を使用して、80℃で50回の洗濯を繰り返
す。なお、本実施例では100回の洗濯も実施した。
【0048】2.抗菌性試験 1)抗細菌性試験 黄色ブドウ球菌2種(Staphylococcus
aureus FDA209P及びメチシリン耐性黄色
ブドウ球菌:MRSA)、肺炎桿菌(Klebsiel
la pneumoniae IFO13277),大
腸菌2種(Escherichia coli IF0
3301及びE.coli O157:H7)及び緑膿
菌(Pseudomonas aeruginosa
IFO3755)について、JAFETの統一試験法に
より、無加工布及び加工布の生菌数を測定した。
【0049】抗菌評価の判定は、各試験布の回収菌数が
接種菌数未満の場合を有効(○)、以上の場合を無効
(×)とした。なお、表中、黄色ブドウ球菌はS、メチ
シリン耐性黄色ブドウ球菌はM、大腸菌はE、病原性大
腸菌O157:H7はEO、肺炎桿菌はK及び緑膿菌は
Pとそれぞれ略記した。
【0050】2)抗かび性試験 JIS Z2911の繊維製品のカビ抵抗性試験法に従
って以下の判定に従って評価した。 ・試料又は試験片の接種した部分に菌糸の発育が認めら
れない。・・・3 ・試料又は試験片の接種した部分に認められる菌糸の発
育部分の面積は、全面積の1/3を超えない。・・・2 ・試料又は試験片の接種した部分に認められる菌糸の発
育部分の面積は、全面積の1/3を超える。・・・1 3.測定法 1)粒径測定 分散液中のピリチオン亜鉛の粒径は、JIS R162
9に準拠してレーザー回折粒度分布測定装置を用いて測
定した。
【0051】平均粒径とは累積50%に相当するメジア
ン径を意味する。 2)処理効率 分散液を用いて繊維類を処理後繊維に吸着されたピリチ
オン亜鉛量(残った処理液中のピリチオン亜鉛量から逆
算)の元の処理液中のピリチオン亜鉛量に対する比率
(%) 実施例1 ピリチオン亜鉛(アーチ・ケミカルズ社製粉末状態、粒
径ほぼ0.025mm)を20重量部、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油(分散剤)を3重量部、ポリアクリル
酸ソーダ(増粘剤)を0.5重量部、グリセリン(凍結
防止剤)を2重量部、水を74.5重量部用意し、ボー
ルミル(ガラス製ボール使用)に仕込み、粉砕を行っ
た。
【0052】粉砕開始時点の溶液のpHは6.5であっ
たが、12時間粉砕した後のpHは10.5となった。
この時点で、pHを調節するため酢酸を添加し、pHを
8.0に調節した。得られた分散液中のピリチオン亜鉛
濃度は20重量%であり、均一な分散状態を示した。こ
の分散液の一部を1リットルの容器に移し、24時間放
置したが、極端な分離は認められなかった。
【0053】粉砕後のピリチオン亜鉛の平均粒径は0.
5μmで、2μm以上の粒径のピリチオン亜鉛は全ピリ
チオン亜鉛に対し0.5重量%であった。分散液中の鉄
及び銅の含有率はピリチオン亜鉛対して0.001重量
%であった。この鉄分は使用した水に由来するものと考
えられる。ポリエステル織布(表中、Tと略記する)、
ポリエステル・綿85/15混織布(表中、T/Cと略
記する)、トリアセテート織布(表中、Aと略記する)
及びナイロン織布(表中、NYと略記する)及びアクリ
ル織布(表中、ACと略記する)それぞれに対して上記
で得られた分散液を用い、抗菌・抗カビ加工を施した。
【0054】加工液はピリチオン亜鉛が加工液中0.0
4重量%、浴比(繊維重量:加工液重量)が1:10と
なるように水で希釈して用いた。加工条件は、ポリエス
テル及びポリエステル綿混は135℃、60分とした。
また、トリアセテート、ナイロン及びアクリルは90
℃、60分とした。加工後、水洗、還元洗浄(ポリエス
テルのみ)、水洗を施し、130℃、2分間乾燥した。
なお、ポリエステル織布とポリエステル・綿85/15
混織布については、190℃、30秒間のヒートセット
を行った後に工業洗濯を100回を行った。トリアセテ
ート織布とナイロン織布及びアクリル織布については家
庭洗濯を100回行った。
【0055】得られた織布それぞれに抗菌性試験を行っ
た。抗菌性評価は抗菌・抗カビ加工した全ての織布にお
いて(○)であった。ブランクとして、抗菌・抗カビ加
工しなかった全ての種類の織布についての抗菌性評価を
調べたが全て(×)であり、またカビ抵抗性は全て
(1)であった。表1に評価結果を纏めた。
【0056】
【表1】 表1の記載から明らかなように、本発明の分散液は処理
効率が極めて高い事、安定性に極めて優れることが分か
る。
【0057】また、本発明の方法に従って加工処理の施
された各織布は過酷な条件下の洗濯後も十分な抗菌性を
発揮していることが分る。 実施例2 実施例1において、ピリチオン亜鉛粉砕時の水の一部を
蒸留水にして粉砕を行い、分散液中のピリチオン亜鉛濃
度20重量%の分散液を得た。分散液中の鉄及び銅の濃
度は全ピリチオン亜鉛に対し0.0005重量%であっ
た。
【0058】実施例1と同様の試験を行ったところ、全
ての織布について実施例1と同程度の抗菌性、抗カビ性
を示した。 実施例3 実施例1において、ピリチオン亜鉛粉砕時の水の一部を
蒸留水にして粉砕を行い、分散液中のピリチオン亜鉛濃
度20重量%の分散液を得た。分散液中の鉄及び銅の濃
度は全ピリチオン亜鉛に対し0.0002重量%であっ
た。
【0059】実施例1と同様の試験を行ったところ、全
ての織布について実施例1と同程度の抗菌性、抗カビ性
を示した。 比較例1 実施例1において、ボールミルとして鉄系合金のボール
を用いた以外は実施例1と同様にして分散液を得た。
【0060】粉砕後のピリチオン亜鉛の濃度は20重量
%であり、その平均粒径は0.4μmで、2mμ以上の
粒径のピリチオン亜鉛は全ピリチオン亜鉛に対し0.1
重量%であったが鉄分がピリチオン亜鉛に対し0.2重
量%混入していた。この分散液の一部を1リットルの容
器に移し、放置したところ、ピリチオン亜鉛は分解し、
ゲル化を起こし、しかも青桃色に着色した。
【0061】上記で得られた分散液を用い、ポリエステ
ル織布に抗菌・抗カビ加工を施した。処理液はピリチオ
ン亜鉛が加工液中0.04重量%(浴比1:10)とな
るように水で希釈して用いた。加工条件は、135℃、
60分とした。
【0062】加工後、ポリエステル織布に水洗、還元洗
浄、水洗を施し、130℃、2分間乾燥した。得られた
織布は変色し、実用に耐えないものとなった。 比較例2 実施例1において、ボールミルのボールとして、鉄−銅
合金系製のボールを用いた他は実施例1と同様にして粉
砕を行ない分散液を得た。
【0063】粉砕後のピリチオン亜鉛の濃度は20重量
%であり、平均粒径は0.4μmで、2μm以上の粒径
のピリチオン亜鉛は全ピリチオン亜鉛に対し0.1重量
%であったが鉄分がピリチオン亜鉛に対し0.12重量
%、銅分がピリチオン亜鉛に対し0.05重量%混入し
ていた。この分散液の一部を1リットルの容器に移し、
放置したところ、ピリチオン亜鉛は分解し、ゲル化を起
こし、しかも黄緑褐色に変色した。
【0064】上記で得られた分散液を用い、ポリエステ
ル織布に抗菌・抗カビ加工を施した。加工液はピリチオ
ン亜鉛が加工液中0.04重量%(浴比1:10)とな
るように水で希釈して用いた。加工条件は、135℃、
60分とした。
【0065】加工後、ポリエステル織布に水洗、還元洗
浄、水洗を施し、130℃、2分間乾燥した。得られた
織布は変色し、実用に耐えないものとなった。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌・抗カビ処理用の
分散液として処理効率が極めて高く、安定性に極めて優
れる分散液が提供される。また、ポリエステル、アクリ
ル、ナイロン、アセテートといった人造繊維製品及びこ
れらと天然繊維との混合繊維製品に対してMRSAはじ
め黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌等の菌及びかびに対
して抗菌抗かび性を発揮する加工処理を施すことがで
き、付与された抗菌・抗かび性は、過酷な洗濯にも十分
耐える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AA02 AA03 BA02 BB09 BB18 BC06 BC07 BC19 DC04 DD07 DF04 DH02 DH03 4L033 AB01 AC10 BA55 BA99

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピリチオン亜鉛を界面活性剤及び水の存
    在下、懸濁状態で粉砕することにより得た抗菌・抗カビ
    加工用ピリチオン亜鉛含有分散液であって、分散液中の
    鉄及び銅の含有率をピリチオン亜鉛に対して0.1重量
    %以下としたことを特徴とする抗菌・抗カビ加工用ピリ
    チオン亜鉛含有分散液。
  2. 【請求項2】 分散液中のピリチオン亜鉛濃度が4〜8
    0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌
    ・抗カビ加工用ピリチオン亜鉛含有分散液。
  3. 【請求項3】 繊維類を請求項1に記載のピリチオン亜
    鉛含有分散液もしくはその希釈液に浸漬し、常圧又は加
    圧下、80〜160℃で浴中で加熱処理するか、または
    前記繊維類に前記分散液もしくはその希釈液を含浸又は
    付着させ、次いで110〜230℃で気中で加熱処理す
    ることを特徴とする繊維類の抗菌・抗カビ加工方法。
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