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JP2001089679A - 有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途 - Google Patents

有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途

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JP2001089679A
JP2001089679A JP27009899A JP27009899A JP2001089679A JP 2001089679 A JP2001089679 A JP 2001089679A JP 27009899 A JP27009899 A JP 27009899A JP 27009899 A JP27009899 A JP 27009899A JP 2001089679 A JP2001089679 A JP 2001089679A
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metal
organic
compound
inorganic composite
group
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JP27009899A
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Kazuyuki Takami
和之 高見
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Akira Fujishima
昭 藤嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機基材と強固に密着し、かつ表面側が実質
上金属系化合物からなり、新規な機能性材料として有用
な、厚さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合
傾斜材料を提供する。 【解決手段】 有機高分子化合物と金属系化合物との化
学結合物を含み、材料中の金属系化合物の含有率が、材
料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造
を有すると共に、上記金属系化合物が金属元素の異なる
2種以上の混合金属系化合物からなり、かつその部分に
おいても、各金属系化合物の組成比が材料の厚み方向に
連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合
傾斜材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な有機−無機
複合傾斜材料、その製造方法および該傾斜材料の用途に
関する。さらに詳しくは、本発明は、有機高分子化合物
と2種以上の混合金属系化合物との化学結合物を含有す
る有機−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有
率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を
有すると共に、混合金属系化合物の部分においても、そ
の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜
構造を有し、機能性材料として各種用途に有用な有機−
無機複合傾斜材料、このものを効率よく製造する方法並
びに該傾斜材料からなる被膜形成用コーティング剤およ
び該傾斜材料を使用した基材や物品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機高分子材料の性能、機能に関
する要求の多様化に伴い、単一の高分子化合物では満足
させることが困難となり、高分子化合物に異なる性質を
もつ異種材料を加え、複合化することが行われている。
例えば、強化材を有機高分子材料中に分散させることに
よる物性改質が広く行われており、具体的には、炭素繊
維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維、アラミ
ド繊維などの有機や無機の繊維状物質、あるいは炭酸カ
ルシウム、シリカ、アルミナなどの粉末状の無機フィラ
ーなどを添加し、均質に分散させることが行われてい
る。
【0003】また、異種の高分子化合物を混合し、場合
により相溶化剤を介して相溶化させ、ポリマーアロイ化
することにより、新しい機能を発現させる研究も盛んに
行われている。
【0004】一方、最近、材料の組成を少しずつ変化さ
せ、表と裏で性質が全く異なる複合材料である傾斜機能
材料が注目され、例えばセラミックスの耐熱性と金属の
強度を併せもつ金属−セラミックス複合傾斜機能材料が
超音速航空機の機体材料などとして開発されている。こ
のような傾斜機能材料は、無機傾斜材料、有機傾斜材料
および有機−無機複合傾斜材料に分類され、そして、複
数の材料、例えば複数の異種の無機材料同士、複数の異
種の有機材料同士、あるいは1種以上の有機材料と1種
以上の無機材料を混合し、場所によって異なる分布密
度、配向などを制御することで、複数の成分材料の物性
を発現させうることから、例えば宇宙・航空分野、自動
車分野、エレクトロニクス分野、医療分野、エネルギー
分野、さらには放射線や電磁波のシールド分野などにお
ける利用が期待される。
【0005】他方、プラスチック基材上に、様々な無機
系または金属系材料、例えば光触媒活性材料、導電性材
料、ハードコート剤、光記録材料、磁性粉、赤外線吸収
材料などからなる層を設け、機能性材料を作製すること
が広く行われている。プラスチック基材上に、このよう
な無機系または金属系材料層を設ける場合、一般に基材
との密着性が不十分であるために、例えばプラスチック
基材上に無機系プライマー層を設け、その上に無機系ま
たは金属系材料層を形成させる方法が、よく用いられ
る。しかしながら、この方法においては、無機系プライ
マー層と無機系または金属系材料層との密着性は良好で
あるものの、プラスチック基材と無機系プライマー層と
の密着性は必ずしも十分ではなく、耐熱密着性に劣った
り、あるいは経時により密着性が低下したりするなどの
問題があった。したがって、プラスチック基材上に無機
系または金属系材料層を密着性よく形成させる技術の開
発が望まれていた。
【0006】近年、偏光板に使用されるハードコートフ
ィルムやディスプレイ保護用ハードコートフィルム等に
代表される光学用途のハードコートフィルムは、その表
面に反射防止処理を施すことがよく行われる。この反射
防止処理は、ハードコート層の上に屈折率を調整するた
めの金属酸化物などの薄膜を、蒸着やスパッタリングな
どにより単層又は複数層形成することにより、反射防止
膜を設けるものである。
【0007】また、プラスチックレンズにおいては、そ
の表面に反射防止の目的で、各種金属酸化物からなる多
層膜を、蒸着やスパッタリングなどにより設けることが
よく行われている。しかしながら、ハードコートフィル
ムやプラスチックレンズなどの有機基材上に、蒸着やス
パッタリングなどで金属酸化物からなる反射防止膜を設
ける場合、操作が煩雑である上、反射防止膜と有機基材
との密着性が不充分であるという問題が生じる。
【0008】さらに、建物の窓、乗物の窓、あるいは冷
蔵、冷凍ショーケースの窓などにおいては、暑さの軽
減、省エネルギー化を図る目的で、これらの窓に熱線
(赤外線)を反射させるために、例えば透明フィルムの
表面に、アルミニウム、銀、金等の金属薄膜をスパッタ
リングや蒸着により形成してなる熱線反射フィルムを貼
付することが行われている。しかしながら、この場合も
上記と同様に操作が煩雑である上、フィルムと金属薄膜
との密着性が不充分であるという問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、有機基材と強固に密着し、かつ表面側が
実質上金属系化合物層からなり、反射防止膜や光・熱線
反射膜などの用途に有用な、厚さ方向に組成が連続的に
変化する新規な有機−無機複合傾斜材料、このものを効
率よく製造する方法およびその用途を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機高分子化
合物と混合金属系化合物の化合結合物を含有し、該混合
金属系化合物の含有率が厚み方向に連続的に変化すると
共に、混合金属系化合物の組成比も厚み方向に連続的に
変化する構造の材料が、有機−無機複合傾斜材料として
その目的に適合しうること、そして、このものは、金属
系化合物が金属酸化物系化合物である場合、分子中に加
水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有す
る有機高分子化合物と、加水分解により金属酸化物を形
成しうると共に、加水分解反応性および金属元素の異な
る金属含有化合物2種以上の組合せとの混合物を、加水
分解処理して得られた塗布液を有機基板上に塗布し、加
熱乾燥処理することにより、効率よく得られることを見
出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもの
である。
【0011】すなわち、本発明は、(1)有機高分子化
合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無
機複合材料であって、材料中の金属系化合物の含有率
が、材料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾
斜構造を有すると共に、上記金属系化合物が金属元素の
異なる2種以上の混合金属系化合物からなり、かつその
部分においても、各金属系化合物の組成比が材料の厚み
方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有することを特
徴とする有機−無機複合傾斜材料、(2)有機高分子化
合物と金属酸化物系化合物との化学結合物を含有する有
機−無機複合材料であって、材料中の金属酸化物系化合
物の含有率が、材料の表面から深さ方向に連続的に変化
する成分傾斜構造を有すると共に、上記金属酸化物系化
合物が金属元素の異なる2種以上の混合金属酸化物系化
合物からなり、かつその部分においても、各金属酸化物
系化合物の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する
成分傾斜構造を有する有機−無機複合材料を製造する方
法であって、(A)分子中に加水分解により金属酸化物
と結合しうる金属含有基を有する有機高分子化合物と、
(B)加水分解により金属酸化物を形成しうると共に、
加水分解反応性および金属元素の異なる金属含有化合物
2種以上の組合せとの混合物を加水分解処理して塗布液
を調製したのち、有機材からなる基板上に上記塗布液か
らなる塗膜を形成し、次いで加熱乾燥処理することを特
徴とする有機−無機複合傾斜材料の製造方法、(3)上
記有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を基材上に形成
させることを特徴とするコーティング剤、好ましくは有
機基材に対する塗膜形成用として用いられるコーティン
グ剤、(4)上記有機−無機複合傾斜材料を用いたこと
を特徴とする基材、および(5)上記有機−無機複合傾
斜材料からなるコート層を有することを特徴とする物
品、を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の有機−無機複合傾斜材料
は、有機高分子化合物と金属系化合物とが化学結合して
なる複合体を含有する有機−無機複合材料、好ましくは
該複合体からなる有機−無機複合材料であって、材料中
の金属系化合物の含有率が、材料表面から深さ方向に連
続的に変化する成分傾斜構造を有している。そして、上
記金属系化合物は、金属元素の異なる2種以上の混合金
属系化合物からなり、しかもその部分においても、各金
属系化合物の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化す
る成分傾斜構造を有している。
【0013】このような成分傾斜構造の確認は、例え
ば、有機材からなる基板上に設けた有機−無機複合傾斜
材料の塗膜表面に、スパッタリングを施して膜を削って
いき、経時的に膜表面の炭素原子と各金属原子の含有率
を、X線光電子分光法などにより測定することによっ
て、行うことができる。具体的に例を挙げて説明する
と、図1は、後述の実施例1において、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に設けられた厚さ0.12μm
の有機−無機複合材料(金属原子として、ケイ素原子と
チタン原子を含む)からなる塗膜における、スパッタリ
ング時間と炭素原子、ケイ素原子およびチタン原子の含
有率との関係を示すグラフであって、この図から分かる
ように、スパッタリングを施す前の塗膜表面は、ほぼ1
00%近くシリカで占められているが、スパッタリング
により膜が削られていくに伴い、ケイ素原子の含有率が
連続的に減少していくと共に、チタン原子の含有率が増
加し、チタニア層が現れる。その後さらにスパッタリン
グしていくと、チタン原子の含有率が連続的に減少して
いくと共に、炭素原子の含有率が増加し、有機成分が現
れ、スパッタリング時間が約40分間を過ぎた時点から
膜表面はほぼ有機成分のみとなる。
【0014】すなわち、この傾斜材料においては、材料
中の2種の混合金属酸化物系化合物の含有率が、表面か
ら基板方向に逐次減少していると共に、2種の金属酸化
物系化合物の組成比も、材料の厚み方向に連続的に変化
していることが示されている。
【0015】本発明の有機−無機複合傾斜材料は、有機
高分子化合物に金属元素の異なる2種の混合金属系化合
物が化学結合した複合体を含有し、かつ上述のような傾
斜特性を有することを特徴としており、このような複合
傾斜材料は、後で説明する本発明の方法によって容易に
形成させることができる。
【0016】本発明の傾斜材料における金属系化合物の
種類については特に制限はなく、金属酸化物系化合物、
または金属酸化物系化合物を介して有機高分子化合物に
化学結合してなるポリシラザンのような金属窒化物系化
合物などを挙げることができるが、ゾル−ゲル法により
形成されうるものが好ましい。本発明においては、この
金属系化合物は、金属元素の異なる化合物を2種以上含
む混合物である。
【0017】また本発明の傾斜材料における上記混合金
属系化合物の含有量としては特に制限はないが、金属酸
化物換算で、通常5〜98重量%、好ましくは20〜9
8重量%、特に好ましくは50〜90重量%の範囲であ
る。有機高分子化合物の重合度や分子量としては、製膜
化しうるものであればよく特に制限されず、高分子化合
物の種類や所望の塗膜物性などに応じて適宜選定すれば
よい。さらに、本発明の傾斜材料は、その厚みが10μ
m以下、特に0.01〜2.0μmの範囲のものが、傾
斜性及び塗膜性能などの点から好適である。
【0018】このような有機−無機複合傾斜材料は、そ
の好ましい態様である金属系化合物が、金属酸化物系化
合物である場合、以下に示す本発明の方法により効率よ
く製造することができる。
【0019】本発明においては、まず、(A)分子中に
加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基(以
下、加水分解性金属含有基と称すことがある。)を有す
る有機高分子化合物と、(B)加水分解により金属酸化
物を形成しうると共に、加水分解反応性および金属元素
の異なる金属含有化合物(以下、加水分解性金属含有化
合物と称すことがある。)2種以上の組合せとの混合物
を加水分解処理して塗布液を調製する。
【0020】上記(A)成分である有機高分子化合物中
の加水分解性金属含有基および(B)成分である加水分
解反応性および金属元素の異なる加水分解性金属含有化
合物2種以上の組合せにおける金属としては、例えばケ
イ素、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムの中から
選ばれる少なくとも1種を好ましく挙げることができ
る。
【0021】上記(A)成分である分子中に加水分解に
より金属酸化物と結合しうる金属含有基を有する有機高
分子化合物は、例えば該金属含有基を有する単量体と金
属を含まない単量体とを共重合又は縮重合させることに
より、得ることができる。
【0022】ここで加水分解により金属酸化物と結合し
うる金属含有基としては、例えば一般式(I) −M11 n-1 …(I) (式中、R1は加水分解性基または非加水分解性基であ
るが、その中の少なくとも1つは加水分解により、
(B)成分と化学結合しうる加水分解性基であることが
必要であり、また、R1が複数の場合には、各R1はたが
いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、M1
はケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの
金属原子、nは金属原子M1の価数である。)で表され
る基を挙げることができる。
【0023】上記一般式(I)において、R1のうちの
加水分解により(B)成分と化学結合しうる加水分解性
基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート
基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、
アセチルアセトネート基などが挙げられ、一方、(B)
成分と化学結合しない非加水分解性基としては、例えば
低級アルキル基などが好ましく挙げられる。
【0024】上記一般式(I)で表される金属含有基と
しては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシ
シリル基、トリ−n−プロポキシシリル基、トリイソプ
ロポキシシリル基、トリ−n−ブトキシシリル基、トリ
イソブトキシシリル基、トリ−sec−ブトキシシリル
基、トリ−tert−ブトキシシリル基、トリクロロシリル
基、ジメチルメトキシシリル基、メチルジメトキシシリ
ル基、ジメチルクロロシリル基、メチルジクロロシリル
基、トリイソシアナトシリル基、メチルジイソシアナト
シリル基など、トリメトキシチタニウム基、トリエトキ
シチタニウム基、トリ−n−プロポキシチタニウム基、
トリイソプロポキシチタニウム基、トリ−n−ブトキシ
チタニウム基、トリイソブトキシチタニウム基、トリ−
sec−ブトキシチタニウム基、トリ−tert−ブトキシチ
タニウム基、トリクロロチタニウム基、さらには、トリ
メトキシジルコニウム基、トリエトキシジルコニウム
基、トリ−n−プロポキシジルコニウム基、トリイソプ
ロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブトキシジルコニ
ウム基、トリイソブトキシジルコニウム基、トリ−sec
−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert−ブトキシジル
コニウム基、トリクロロジルコニウム基、またさらに
は、ジメトキシアルミニウム基、ジエトキシアルミニウ
ム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム基、ジイソプロ
ポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキシアルミニウム
基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ−sec−ブトキ
シアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシアルミニウム
基、トリクロロアルミニウム基などが挙げられる。
【0025】上記共重合の例としては、エチレン性不飽
和基および前記一般式(I)で表される金属含有基を有
する単量体と、エチレン性不飽和基を有し、かつ金属を
含まない単量体とをラジカル共重合させることにより、
所望の高分子化合物が得られる。具体的には、一般式
(II)
【化1】 (式中、R2は水素原子またはメチル基、Aはアルキレ
ン基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、R1
1およびnは前記と同じである。)で表される金属含
有基を含むアルキル基をエステル成分とする(メタ)ア
クリル酸エステル1種以上と、一般式(III)
【化2】 (式中、R3は水素原子またはメチル基、Xは一価の有
機基である。)で表されるエチレン性不飽和基を有する
単量体、特に好ましくは一般式(III−a)
【化3】 (式中、R4はアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基であり、R3は前記と同じであ
る。)で表される(メタ)アクリル酸エステル1種以上
とをラジカル共重合させる方法を挙げることができる。
【0026】一方、縮重合の例としては、上記エチレン
性不飽和基の代わりに、縮合により高分子量化可能な
基、例えば縮合によりアミド結合、エステル結合あるい
はウレタン結合などを生成する2つ以上の官能基と前記
一般式(I)で表される金属含有基とを有する単量体
と、縮合により高分子量化可能な基、例えば縮合により
アミド結合、エステル結合あるいはウレタン結合などを
生成する2つ以上の官能基を有し、かつ金属含有基を含
まない単量体とを縮重合させる方法などにより、所望の
高分子化合物が得られる。
【0027】具体的には、いずれか一方の成分が前記一
般式(I)で表される金属含有基を有するアミン成分と
酸成分とを縮重合させ、ポリアミドを形成させる方法、
あるいはいずれか一方の成分が前記一般式(I)で表さ
れる金属含有基を有するアルコール成分と酸成分とを縮
重合させ、ポリエステルを形成させる方法などが挙げら
れる。
【0028】上記(B)成分である加水分解により金属
酸化物を形成しうる金属含有化合物(加水分解性金属含
有化合物)としては、例えば一般式(IV) M25 m …(IV) (式中、R5は加水分解性基または非加水分解性基であ
るが、少なくとも2つは加水分解性基であり、かつ少な
くとも1つは、加水分解により(A)成分と化学結合し
うる加水分解性基であって、複数のR5はたがいに同一
であってもよいし、異なっていてもよく、M2はケイ
素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原
子、mは金属原子M2の価数である。)で表される金属
化合物を挙げることができる。
【0029】上記一般式(IV)におけるR5のうちの加
水分解性基としては、例えばアルコキシル基、イソシア
ネート基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲ
ン基、アセチルアセトネート基などが挙げられ、一方非
加水分解性基としては、例えば低級アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基などが好ましく挙げられる。この加
水分解性金属含有化合物としては、上記一般式(IV)で
表される金属含有化合物から誘導されるオリゴマーや、
一般式(IV)で表される金属含有化合物を複数種混合し
たものも用いることができる。
【0030】上記一般式(IV)で表される金属含有化合
物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソ
プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テト
ライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラ
ン、テトラ−tert−ブトキシシランなど、並びにこれら
に対応するテトラアルコキシチタンおよびテトラアルコ
キシジルコニウム、さらにはトリメトキシアルミニウ
ム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシ
アルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ
−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミ
ニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−ter
t−ブトキシアルミニウムなどの金属アルコキシド、あ
るいは金属アルコキシドオリゴマー、例えば市販品のア
ルコキシシランオリゴマーである「メチルシリケート5
1」、「エチルシリケート40」(いずれもコルコート
社製商品名)など、さらにはテトライソシアナトシラ
ン、メチルトリイソシアナトシラン、テトラクロロシラ
ン、メチルトリクロロシランなどが挙げられるが、この
(B)成分としては、金属のアルコキシドが好適であ
る。
【0031】本発明においては、この(B)成分の加水
分解性金属含有化合物として、加水分解反応性および金
属元素の異なる化合物2種以上を混合して用いることが
必要である。この場合、金属元素が同一の金属含有化合
物は、それぞれ1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。そして、金属元素の異なる金属含
有化合物の加水分解反応性をそれぞれ適宜調節すると共
に、(A)成分と(B)成分との混合物の加水分解処理
条件を適宜選定することにより、金属酸化物系化合物の
含有率が、材料の表面から深さ方向に連続的に変化する
成分傾斜構造を有すると共に、各金属酸化物系化合物の
組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構
造を有する有機−無機複合傾斜材料が得られる。
【0032】本発明においては、上記(B)成分とし
て、炭素数2以上のアルコキシル基を有するジアルコキ
シシラン、トリアルコキシシランおよびテトラアルコキ
シシシランのいずれかを少なくとも含むケイ素含有化合
物と、他の金属を含む金属含有化合物との混合物を用い
るのが好ましい。
【0033】また、保護基により、加水分解反応速度を
低下させた金属含有化合物を含むものも用いることがで
きる。上記保護基としては、加水分解性金属含有化合物
を保護して、加水分解反応速度を低下させうる基であれ
ばよく、特に制限はない。例えばジケトン類などを作用
させて加水分解性金属含有化合物を保護することができ
る。
【0034】なお、この(B)成分である加水分解反応
性および金属元素の異なる2種以上の加水分解性金属含
有化合物からなる混合物の一成分として、加水分解性金
属含有化合物の代わりに、金属窒化物重合体を用いるこ
とができる。
【0035】この金属窒化物重合体としては、例えば一
般式(V)
【化4】 (式中、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
ル基、若しくはこれらの基以外のフルオロアルキル基な
どの炭素原子がケイ素原子に直結する基、アルキルシリ
ル基、アルキルアミノ基またはアルコキシル基である
が、その少なくとも1つは水素原子である。)で表され
る構造単位を含む数平均分子量100〜50000のポ
リシラザンなどを好ましく挙げることができる。
【0036】本発明においては、アルコール、ケトン、
エーテルなどの適当な極性溶剤中において、前記(A)
成分の高分子化合物および(B)成分である2種以上の
加水分解性金属含有化合物からなる混合物を塩酸、硫
酸、硝酸などの酸、あるいは固体酸としてのカチオン交
換樹脂を用い、通常0〜100℃、好ましくは20〜6
0℃の温度にて加水分解処理し、固体酸を用いた場合に
は、それを除去したのち、さらに、所望により溶剤を留
去または添加し、塗布するのに適した粘度に調節して塗
布液を調製する。温度が低すぎる場合は加水分解が進ま
ず、高すぎる場合は逆に加水分解・重合反応が速く進み
すぎ、制御が困難となり、その結果得られる傾斜塗膜の
傾斜性が低下するおそれがある。なお、(B)成分の金
属含有化合物を含む極性溶剤溶液を予め調製し、これに
酸を加えて加水分解反応を進めておき、このものと
(A)成分を混合し、さらに加水分解処理してもよい。
【0037】無機成分は、その種類によっては塗布液調
製後も、加水分解、重縮合が徐々に進行して塗布条件が
変動する場合があるので、塗布液に不溶の固体の脱水
剤、例えば無水硫酸マグネシウムなどを添加することに
より、ポットライフの低下を防止することができる。こ
の場合、塗布液は、該脱水剤を除去してから、塗布に用
いる。
【0038】次に、このようにして得られた塗布液を用
い、有機材からなる基板上に、乾燥塗膜の厚さ、通常1
0μm以下、好ましくは0.01〜2.0μmの範囲に
なるように、ディップコート法、スピンコート法、スプ
レーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロール
コート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビア
コート法などの公知の手段により塗膜を形成し、公知の
乾燥処理、例えば40〜150℃程度の温度で加熱乾燥
処理することにより、本発明の有機−無機複合傾斜材料
が得られる。
【0039】本発明の方法においては、(A)成分と
(B)成分である2種以上の加水分解性金属含有化合物
との混合物の加水分解処理により、(A)成分の高分子
化合物中の加水分解性金属含有基が加水分解するととも
に、(B)成分の2種以上の加水分解性金属含有化合物
も一部加水分解して重合する。次に、この塗布液を有機
材からなる基板(有機基材と称することがある。)に塗
布することにより、(A)成分の高分子化合物中のフレ
キシブルな高分子鎖の部分が基板に吸着されるととも
に、側鎖の金属含有基の加水分解部分は基板から離れた
ところに位置する。この塗膜を加熱乾燥処理することに
より、上記側鎖の金属含有基の加水分解がさらに進行す
るとともに、(B)成分の金属含有化合物の加水分解、
重合もさらに進行し、そしてこの際、上記側鎖の加水分
解により生成した反応性基、例えばシラノール基と
(B)成分の加水分解、重合物とが縮合(化学結合)す
ることにより、高分子化合物と金属酸化物系化合物とが
化学結合した複合体が形成する。そして、この際、
(B)成分として、加水分解反応性および金属元素の異
なる金属含有化合物2種以上からなる混合物を用いてい
るので、各金属含有化合物の加水分解、重合速度が異な
り、したがって、加水分解処理条件を適宜選定すること
により、金属酸化物系化合物の含有率が、材料の表面か
ら深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有すると
共に、高分子化合物と化学結合した各金属酸化物系化合
物の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾
斜構造を有する有機−無機複合傾斜材料が得られる。
【0040】このようにして有機基材上に形成された本
発明の複合傾斜材料においては、材料中の金属系化合物
の含有率が表面ではほぼ100%であるが、基材方向に
逐次減少していき、基材近傍ではほぼ0%になる上、2
種以上の混合金属系化合物からなる部分においても、そ
の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜
構造を有するようになる。
【0041】本発明においては、前記機構により複合傾
斜材料が形成されることから、塗膜の形成後、有機材か
らなる基板に高分子鎖の部分が吸着されるのに必要な時
間、一般的には少なくとも液体状態を数秒間程度保持す
ることが肝要である。使用する有機成分の可溶性溶媒と
無機成分の可溶性溶媒は、通常は異なる溶媒が用いら
れ、それらが混和性を有する必要がある。また、塗工機
あるいはスプレー法等での塗布において、厚み斑がなく
かつ良好な傾斜構造を得るためには、無機成分同士が縮
合する前に高分子化合物の吸着が起こるようにするため
にも、上記無機成分可溶性溶媒の蒸発点を有機成分可溶
性溶媒の蒸発点以上に高くするのが好ましい。なお、有
機成分と無機成分の両者を溶解できるものであれば、単
独溶媒でも使用可能である。
【0042】有機材からなる基板としては特に制限はな
く、例えばポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹
脂、ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,
6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリ
イミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース
系樹脂などからなる基板を挙げることができる。
【0043】これらの基板は、本発明の傾斜材料との密
着性をさらに向上させるために、所望により、酸化法や
凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理
(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処
理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサ
ンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これら
の表面処理法は基板の種類に応じて適宜選ばれる。
【0044】なお、本発明における有機材からなる基板
は、有機系材料以外の材料、例えば金属系材料、ガラス
やセラミックス系材料、その他各種無機系または金属系
材料からなる基材の表面に、有機系塗膜を有するものも
包含する。前述した性状を有する本発明の有機−無機複
合傾斜材料は、新しい機能性材料として、種々の用途に
有用である。
【0045】本発明はまた、該有機−無機複合傾斜材料
からなる被膜を基材上に形成させるコーティング剤をも
提供するものである。このコーティング剤としては、前
記の(A)分子中に加水分解により金属酸化物と結合し
うる金属含有基を有する有機高分子化合物と、(B)加
水分解により金属酸化物を形成しうると共に、加水分解
反応性および金属元素の異なる金属含有化合物2種以上
の組合せとの混合物を加水分解処理して得られた塗布液
からなるものを好ましく挙げることができる。
【0046】このコーティング剤は、例えば有機基材に
対する塗膜形成用として用いることができる。有機基材
上に形成されたコート層は、前述のような成分傾斜構造
を有しているので、金属系化合物それぞれを主体とする
各層の材質や厚さを適宜選択して、その屈折率を調節す
ることにより、光反射防止層として、あるいは、光や熱
線などの高反射層として機能させることができる。
【0047】また、コート層の表面にチタニ層が形成
し、中間部にシリカなどの他の金属系化合物層が形成す
るようなコーティング剤の場合、有機基材上に直接塗布
してコート層を設け、その表面をアナターゼ型に結晶化
することにより、光触媒機能を付与することができる。
有機基材上にチタニアなどの光触媒活性材料層を設ける
場合、該有機基材の光触媒による劣化を抑制するため
に、通常有機基材と光触媒活性材料層との間に無機プラ
イマー層が設けられる。しかし、前記コーティング剤を
用いることにより、コート層の中間部にシリカなどの金
属系化合物層が形成されるので、無機プライマー層を設
けなくても、有機基材の光触媒による劣化を抑制するこ
とができ、しかも無機プライマー層と異なり、有機基材
とコート層との密着性は優れたものとなる。
【0048】次に、本発明のコーティング剤の一般的な
用途について説明する。まず、塗膜としての用途に用い
られる。該有機−無機複合傾斜材料は、有機基材に対す
る接着性に優れており、かつ塗膜表面は金属酸化物など
の性質を有することから、例えば各種プラスチックフィ
ルム上に該材料からなるコート層を設けることにより、
耐擦傷性や耐熱性などに優れると共に、密着性の良好な
ハードコートフィルムを得ることができる。
【0049】本発明は、さらに、前記有機−無機複合傾
斜材料を用いてなる基材、および該複合傾斜材料からな
るコート層を有する物品をも提供する。物品の具体例と
しては、コート層が光反射防止層であるものや、光およ
び/または熱線の高反射層であるものなどを好ましく挙
げることができる。
【0050】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0051】実施例1 (1)有機高分子化合物(A)を含む溶液の調製 メタクリル酸メチル[和光純薬工業(株)製]11.5g
および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
[信越化学工業(株)製]1.4gを混合し、よく撹拌し
た後に、これに2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
[和光純薬工業(株)製]0.2gを添加・溶解させ、撹
拌しながら70℃で2.5時間反応させた。反応終了
後、室温まで冷却させた後、アセトンに重合物を溶解さ
せ、有機高分子化合物(A)を2.0g/リットル濃度
で含む溶液を調製した。
【0052】(2)金属含有化合物(B−1)を含む溶
液の調製 テトラエトキシシラン[和光純薬工業(株)製][金属含
有化合物(B−1)]15gとエタノール10gの混合
溶液に、濃塩酸3gとエタノール5gとの混合溶液を撹
拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続け、金属含
有化合物(B−1)を含む溶液を調製した。
【0053】(3)金属含有化合物(B−2)を含む溶
液の調製 チタンテトライソプロポキシド[和光純薬工業(株)製]
[金属含有化合物(B−2)]15gとエタノール10
gの混合溶液に、濃塩酸3gとエタノール5gとの混合
溶液を撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続
け、金属含有化合物(B−2)を含む溶液を調製した。
【0054】(4)有機−無機複合傾斜膜の形成 上記(1)〜(3)で調製した各溶液を、有機高分子化
合物(A)と金属含有化合物(B−1)と金属含有化合
物(B−2)との体積比が2:1:1になるような割合
で混合して塗布液を調製した。この塗布液をスピンコー
ト法(1500rpm、10秒)にて、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布・成
膜し、70℃にて12時間加熱乾燥処理することによっ
て、厚さ0.12μmの有機−無機複合膜を得た。さら
に該薄膜を0.005Nアンモニア水に5分間浸漬させ
たのち、水洗・乾燥させた。
【0055】比較例1 実施例1の(2)において、テトラメトキシシラン[和
光純薬工業(株)製]15gとエタノール10gの混合溶
液に、8N塩酸5gとエタノール5gとの混合溶液を撹
拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続けた以外
は、実施例1と同じ方法で有機−無機複合膜を得た。
【0056】比較例2 比較例1の(3)において、チタンテトラブトキシド
[和光純薬工業(株)製]15gとエタノール10gの混
合溶液に、濃塩酸3gとエタノール5gとの混合溶液を
撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続けた以外
は、実施例1と同じ方法で有機−無機複合膜を得た。
【0057】〈傾斜性の評価〉実施例1、比較例1およ
び比較例2で得られた有機−無機複合膜を有するPET
フィルムを、XPS装置[PHI−5600:アルバッ
ク・ファイ(株)製]を用い、アルゴン・スパッタリング
(4kV)を3分間隔で施して、膜を削り、膜表面の炭
素原子とケイ素原子およびチタン原子の含有率を、X線
光電子分光法により求め、傾斜性を調べた。
【0058】図1〜3に、それぞれ実施例1、比較例1
および比較例2のものにおける、スパッタリング時間
(膜の深さに相関する)と、炭素原子、ケイ素原子およ
びチタン原子の含有率との関係をグラフで示す。
【0059】実施例1においては、図1から分かるよう
に、複合膜表面はシリカ成分であり、次いで膜の表面か
ら深さ方向にスパッタリングしていくと、シリカ成分が
連続的に減少していき、反対にチタニア成分が増加しチ
タニアからなる層が現れる。その後さらにスパッタリン
グしていくと、チタニア成分が連続的に減少していき、
反対に有機成分が現れる。このように1回のコーティン
グによる層において、表面から、シリカ成分→チタニア
成分→有機成分の順に成分が連続的に傾斜して存在する
ことが明らかになった。
【0060】これに対し、比較例1および比較例2にお
いては、図2および図3から、上記のような傾向は認め
られず、複合膜表面近傍の金属酸化物からなる層はシリ
カ成分とチタニア成分の混合体からなり、次いで膜の表
面から深さ方向にスパッタリングしていくと、金属酸化
物成分が連続的に減少していき、反対に有機成分が現れ
る構造を有していることが分かる。
【0061】〈反射性の評価〉実施例1および比較例2
で得られた有機−無機複合膜を有するPETフィルムの
反射率スペクトルを、可視・紫外分光光度計[(株)島津
製作所製、UV−2100型]を用い、入射角を0゜と
して、400〜800nmの波長領域について測定し
た。その結果を、それぞれ図4および図5に示す。ま
た、PETフィルム自体の反射率スペクトルも同様に測
定した。その結果を図6に示す。図4〜図6から明らか
なように、実施例1のものは、比較例2のものおよびP
ETフィルム自体に比べて、600nm付近の反射率が
大幅に低下しており、低反射膜として有効であることが
分かった。
【0062】
【発明の効果】本発明の有機−無機複合傾斜材料は、有
機高分子化合物と2種以上の混合金属系化合物との化合
結合物を含有するものであって、該金属系化合物の含有
率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を
有すると共に、混合金属系化合物の部分においても、そ
の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜
構造を有し、反射防止層や、光・熱線などの高反射層な
どを形成しうる、新規な機能性材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた有機−無機複合膜における
スパッタリング時間と炭素原子、ケイ素原子およびチタ
ン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図2】比較例1で得られた有機−無機複合膜における
スパッタリング時間と炭素原子、ケイ素原子およびチタ
ン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図3】比較例2で得られた有機−無機複合膜における
スパッタリング時間と炭素原子、ケイ素原子およびチタ
ン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図4】実施例1で得られた有機−無機複合膜を有する
ポリエチレンテレフタレートフィルムの反射率スペクト
ル図である。
【図5】比較例2で得られた有機−無機複合膜を有する
ポリエチレンテレフタレートフィルムの反射率スペクト
ル図である。
【図6】ポリエチレンテレフタレートフィルム自体の反
射率スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591115936 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710ー5 (72)発明者 高見 和之 岐阜県岐阜市藪田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内 (72)発明者 渡部 俊也 神奈川県藤沢市鵠沼海岸6−15−7 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニ ューシティ本郷台 D棟 213号 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710−5 Fターム(参考) 4F100 AA17A AA17H AK01A AK52A AT00B BA01 BA02 BA10A BA10B BA44A CC00A EH462 EJ422 GB90 JA20A JD12A JN06A 4J002 BG041 BG051 BG061 BG071 CF031 CK021 CL031 CP212 EC076 EX036 EX037 GP00 4J038 DL021 DL031 EA011 HA216 JC32

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子化合物と金属系化合物との化
    学結合物を含有する有機−無機複合材料であって、材料
    中の金属系化合物の含有率が、材料の表面から深さ方向
    に連続的に変化する成分傾斜構造を有すると共に、上記
    金属系化合物が金属元素の異なる2種以上の混合金属系
    化合物からなり、かつその部分においても、各金属系化
    合物の組成比が材料の厚み方向に連続的に変化する成分
    傾斜構造を有することを特徴とする有機−無機複合傾斜
    材料。
  2. 【請求項2】 有機−無機複合材料が、有機高分子化合
    物と金属系化合物との化学結合物からなるものである請
    求項1に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  3. 【請求項3】 金属系化合物が金属酸化物系化合物であ
    る請求項1または2に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  4. 【請求項4】 厚みが10μm以下である請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  5. 【請求項5】 有機高分子化合物と金属系化合物との化
    学結合物が、分子中に加水分解により金属酸化物と結合
    しうる金属含有基を有する有機高分子化合物と、加水分
    解により金属酸化物を形成しうる金属元素の異なる金属
    含有化合物2種以上の組合せとの混合物を加水分解処理
    してなるものである請求項3または4に記載の有機−無
    機複合傾斜材料。
  6. 【請求項6】 加水分解により金属酸化物を形成しうる
    金属元素の異なる金属含有化合物2種以上の組合せが、
    それぞれ加水分解反応性の異なる金属含有化合物の混合
    物である請求項5に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  7. 【請求項7】 加水分解反応性の異なる金属含有化合物
    の混合物が、炭素数2以上のアルコキシル基を有するジ
    アルコキシシラン、トリアルコキシシランおよびテトラ
    アルコキシシシランのいずれかを少なくとも含むケイ素
    含有化合物と、他の金属元素を含む金属含有化合物との
    混合物である請求項6に記載の有機−無機複合傾斜材
    料。
  8. 【請求項8】 加水分解反応性の異なる金属含有化合物
    の混合物が、保護基により加水分解反応速度を低下させ
    た金属含有化合物を含むものである請求項6または7に
    記載の有機−無機複合傾斜材料。
  9. 【請求項9】 有機高分子化合物と金属酸化物系化合物
    との化学結合物を含有する有機−無機複合材料であっ
    て、材料中の金属酸化物系化合物の含有率が、材料の表
    面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有す
    ると共に、上記金属酸化物系化合物が金属元素の異なる
    2種以上の混合金属酸化物系化合物からなり、かつその
    部分においても、各金属酸化物系化合物の組成比が材料
    の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有
    機−無機複合材料を製造する方法であって、(A)分子
    中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基
    を有する有機高分子化合物と、(B)加水分解により金
    属酸化物を形成しうると共に、加水分解反応性および金
    属元素の異なる金属含有化合物2種以上の組合せとの混
    合物を加水分解処理して塗布液を調製したのち、有機材
    からなる基板上に上記塗布液からなる塗膜を形成し、次
    いで加熱乾燥処理することを特徴とする有機−無機複合
    傾斜材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 乾燥塗膜の厚みが10μm以下である
    請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を基材上に形
    成させることを特徴とするコーティング剤。
  12. 【請求項12】 有機基材に対する塗膜形成用として用
    いられる請求項11に記載のコーティング剤。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の有機−無機複合傾斜材料を用いたことを特徴とする
    基材。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の有機−無機複合傾斜材料からなるコート層を有する
    ことを特徴とする物品。
  15. 【請求項15】 コート層が光反射防止層である請求項
    14に記載の物品。
  16. 【請求項16】 コート層が光および/または熱線の高
    反射層である請求項14に記載の物品。
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