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JP2000230060A - 滑水性高分子組成物皮膜 - Google Patents

滑水性高分子組成物皮膜

Info

Publication number
JP2000230060A
JP2000230060A JP3537699A JP3537699A JP2000230060A JP 2000230060 A JP2000230060 A JP 2000230060A JP 3537699 A JP3537699 A JP 3537699A JP 3537699 A JP3537699 A JP 3537699A JP 2000230060 A JP2000230060 A JP 2000230060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
polymer
silicone
film
polymer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3537699A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Abe
紘一 安部
Yukio Doi
幸夫 土井
Ikuo Narisawa
郁夫 成澤
Makoto Takeishi
誠 武石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP3537699A priority Critical patent/JP2000230060A/ja
Publication of JP2000230060A publication Critical patent/JP2000230060A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑水性が一層向上し、環境にやさしく、かつ
取扱いの安全な滑水性高分子組成物皮膜を提供するこ
と。 【解決手段】 重合性シリコーン含有モノマーとラジカ
ル重合性モノマーとを共重合したシリコーンを結合鎖の
一部とする高分子を含む組成物から作製される皮膜であ
って、該皮膜の表面自由エネルギーの凝集力成分γs d
よび同極性力成分γs pが、γs d=25〜40erg/c
2かつγs p=0〜5erg/cm2の範囲にあり、該皮
膜の傾斜角度が水平方向に対し30度以内であっても、
該皮膜上にある質量12mgの水滴が自重により滑落し
得る皮膜。ただし、γs dおよびγs pは、水およびヨウ化
メチレンの前進接触角θおよび表面張力γLから、下記
式を用いて求めた。 (1+cosθ)・γL/2=(γs d・γL d1/2+(γs p
・γL p1/2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は滑水性高分子組成物
皮膜に関し、水滴、水、雪、および氷とそれらに接触す
る材料との間の摩擦低減を課題とする技術分野に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記課題に対し従来から行われている対
応は材料表面への撥水性賦与である。すなわち、パラフ
ィン、シリコーン、フッ素樹脂など撥水性物質を被加工
材表面へ塗布する、あるいは化学結合させる、あるいは
さらにそうした上で塗布面に微少な凹凸を形成する、な
どの方法が総説として報告されている(徳海明夫他3
名、塗料と塗装、No.571、p.37、199
8)。水との接触角の最も大きいものとされているポリ
テトラフロロエチレンのそれは120度程度であり、さ
らに疎水性を高めた撥水性材料として、水との接触角1
40゜以上、その上パラフィンとの接触角もポリテトラ
フロロエチレン以上の材料を求めて、アルコキシシロキ
サン含有モノマー、シリコーン含有モノマー、それらと
共重合可能なモノマーとの共重合体を調製し、これにシ
リカ微粒子を添加し、それから作製した皮膜が優れた水
滴滑落性を示すという報告はその一例である(特開平2
−8263号公報)。さらに撥水性維持の観点から、汚
れにくく、水滴が付着しにくい表面を有する建築用窓ガ
ラスとして撥水性フッ素樹脂とシリコーンと光触媒性酸
化物粒子とから表面層を形成する提案(例えば特開平1
0−131134号公報)もなされているが、そこでも
該表面層の水と接触角を90度以上にするのが好ましい
とされている。
【0003】これに対し、直鎖状のシロキサン結合を含
む分子および/またはフッ化炭素基を含む分子を基体表
面に共有結合によって結合し、水に対する接触角を97
±10度に制御して高離水膜を得るという提案(特開平
6−248095号公報)も見られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】滑水特性を表示する場
合には、水滴接触角でなく水滴の滑り易さそのもので表
示される方が良い。これは上記接触角と水滴を滑らせる
最小傾斜角(以後滑水角と言う)とが必ずしも正相関し
ないこと(例えばH.MURASE,K.NANISH
I,H.KOGURE,T.FUJIBAYASHI,
K.TAMURA,and N.HARUTA,J.A
pplied Polymer Sci.vol.5
4,p.2051〜2062,1994によれば、ポリ
テトラフロロエチレンとポリプロピレンとを比較する
と、滑水性は後者が大きいのに水に対する接触角は前者
が104.3度であるのに対し、後者は96.4度と小
さい)を考慮すると、容易に理解され、その意味で水滴
の転がり易さは滑水角で表されるのが適当である。
【0005】従来発表されている公知技術をその点で眺
めてみると、直近時点で発表された特許第280469
3号においては、水滴重量80mg、滑水角13度〜6
度となっている。滑水角は水滴の重さがある値より軽く
なると飛躍的に増大すること(例えば前出H.MURA
SEらの報告によれば、ポリプロピレンの場合、水滴重
量80mgの場合滑水角は約15度、10mgと小さく
なると約53度へ急増)、降雨時の水滴の平均重量が
0.004〜100mgであることを考え併せると一層
の滑水性向上の求められていることがわかる。
【0006】それとは別にいわゆる従来の撥水性賦与物
質は、シリコーン、フッ素樹脂など疎水性の大きなもの
であり、従って有機溶剤を利用して溶液とし塗布を行う
ことが多く、環境保全上問題である。また撥水性物質を
化学結合させる場合、シリコーンやフッ化炭化水素基を
含む物質の末端はクロルシリル基であり、基体物質との
化学結合の結果塩酸が発生し、取扱い安全上改善が求め
られている。すなわち本発明の目的は、滑水性が一層向
上し、環境にやさしく、かつ取扱いの安全な滑水性高分
子組成物皮膜の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合性シリコ
ーン含有モノマーとラジカル重合性モノマーとを共重合
せしめて得られるシリコーンを結合鎖の一部とする高分
子、あるいは該高分子を含む組成物から作製される皮膜
であって、該皮膜の表面自由エネルギーの凝集力成分γ
s dおよび同極性力成分γs pが、次式(1)および(2)
の範囲にあり、 γs d=25〜40erg/cm2 (1) γs p= 0〜 5erg/cm2 (2) かつ該皮膜の傾斜角度が水平方向に対し30度以内であ
っても、該皮膜上にある質量12mgの水滴が自重によ
り滑落し得ることを特徴とする滑水性高分子組成物皮膜
を提供するものである。ただし、γs dおよびγs pは、水
およびヨウ化メチレンの前進接触角θおよび表面張力γ
Lから、Fowkesの式を拡張したOwensの式お
よびYoungの式を組み合わせた下記式(3)を用い
て求めた。 (1+cosθ)・γL/2=(γs d・γL d1/2+(γs p・γL p1/2 (3) また本発明は、シリコーンを結合鎖の一部とする高分子
が水分散系で得られる前記の滑水性高分子組成物皮膜を
提供するものである。さらに本発明は、シリコーンを結
合鎖の一部とする高分子が有機溶剤溶液あるいは有機溶
剤を媒体とする非水分散系として得られる前記の滑水性
高分子組成物皮膜を提供するものである。さらにまた本
発明は、シリコーンを結合鎖の一部とする高分子が、γ
−メタクリロキシプロピルポリメチルシリコーンと、ス
チレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルからなる群
から選ばれるラジカル重合性モノマーと、を必須成分と
し、これらを共重合せしめて得られる前記の滑水性高分
子組成物皮膜を提供するものである。
【0008】後述するように本発明によれば、12mg
の微細な水滴が滑水角0.5度という極めて小さな傾斜
面を重力のみの影響で滑落移動するという優れた結果が
得られ、そのためにはシリコーンを結合鎖の一部とする
高分子の存在およびそれから得られる皮膜の表面自由エ
ネルギーが、γs d=25〜40erg/cm2およびγs
p=0〜5erg/cm2であることの両方が必須であ
る。これら2つの条件のうちどちらか一方丈では上記の
ような優れた滑水性は得られない。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、小さな滑水角を与えるγs d
およびγs pの上述範囲の意味する所につき説明してお
く。本発明で用いられる重合性シリコーン含有モノマー
の代表例である下記化1で示されるサイラプレーンFM
−0721(チッソ(株)製)
【0010】
【化1】
【0011】のγs dおよびγs pの初期値は夫々43er
g/cm2および11.4erg/cm2であり、拡張濡
れの結果7分後には夫々γs d=72.5erg/cm2
およびγs p=37.8erg/cm2と著しく大きな値
へと変化した。一方ポリジメチルシロキサン鎖を高度に
架橋したシリコーン離型紙の表面自由エネルギーは、γ
s d=16.5erg/cm2、γs p=0.9erg/c
2とそれらに対して小さな値を示し、また経時変化は
しなかった(下記参考例−2参照)。
【0012】前者ではポリジメチルシロキサン鎖はかな
り自由に運動出来、その上に戴置された水に対し最も好
ましい形へと変化出来るのに対し、後者ではポリジメチ
ルシロキサン鎖はその運動性が相当に制限され、より疎
水的であると考えられる。本発明で小さな滑水角を得る
ために選ばれたγs dおよびγs pの範囲は前者と後者との
2つの間に位置する。すなわち水滴の滑落の容易さは水
に接するシリコーンの運動性と配位によって支配され、
本発明で言うγs dおよびγs pはその配位を最適ならしめ
る値を反映したものではないかと解釈される。従って、
本発明は水滴の滑落を容易にするために水との接触角を
大きくする、言い換えればγs dを小さくすると言う多く
の先行技術とは異なったものであるし、また水との接触
角に最適範囲があるとする上述公知例(特開平6−24
8095)とも異なる。表面自由エネルギーを極性力成
分と分散力成分に分け、その両方を用いて優れた滑水性
高分子組成物皮膜に到達したのは本発明をもって嚆矢と
する。
【0013】後述するごとく、本発明の滑水性高分子組
成物皮膜を得るのに用いられる高分子は、水分散系ある
いは臭気を含めた人体への影響が小さい脂肪族炭化水素
溶剤および脂環族炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤
を使用した非水分散系として得られ、環境保全および取
扱い安全両面での向上という課題にも応えている。
【0014】本発明におけるシリコーンを結合鎖の一部
とする高分子を得るための原料につき以下説明する。重
合性シリコーン含有モノマーの例は、上記化1に示す化
合物(但し、式中nは1以上の整数)である。また、化
1と類似の下記化2も用いられる。
【0015】
【化2】
【0016】また下記化3に示す片末端水酸基を有する
ポリジメチルシロキサン化合物とメタクリル酸2−イソ
シアネートエチル、メタクリル酸グリシジル、無水マレ
イン酸などとの反応物、
【0017】
【化3】
【0018】さらに下記化4に示す片末端にエポキシ基
を有するポリジメチルシロキサン化合物
【0019】
【化4】
【0020】あるいは下記化5に示す片末端にカルボキ
シ基を有する化合物
【0021】
【化5】
【0022】とアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル、アリルアミンなどとの
反応物も用いられる。しかして上述諸例中のジメチルシ
ロキシ基の繰返し数nは1以上の整数であるが、それを
含むポリジメチルシロキサン部分の大きさは数平均分子
量にして好ましくは500以上、より好ましくは1,0
00以上である。なお、重合性シリコーン含有モノマー
は、必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
また下記化6に示す化合物も使用され得る。
【0023】
【化6】
【0024】重合性シリコーン含有モノマーと共重合さ
れるラジカル重合性モノマーは、例えばアクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどアクリル酸エス
テル;例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロ
ヘキシルなどのメタクリル酸エステル;例えば含フッ素
アルコールのアクリル酸およびメタクリル酸エステル;
例えばスチレンなど芳香族不飽和化合物;例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル化合
物;例えば酢酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどビニル化
合物;さらにはエチレン、テトラフロロエチレン、塩化
ビニル、塩化ビニリデンなどの常温ガス状モノマー;お
よびこれらと共重合しうる例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリルア
ミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ビニルピリ
ジン;さらにはスルホ基、ホスホ基、アミノ基など酸性
基あるいは塩基性基含有ラジカル重合性モノマー;ある
いはまたN−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸
グリシジル、エチレングリコールジメタクリレートなど
の架橋性モノマーなどである。中でも、γ−メタクリロ
キシプロピルポリメチルシリコーンと、スチレン、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニト
リルおよびメタクリロニトリルからなる群から選ばれる
ラジカル重合性モノマーと、を選択するのが好ましい。
【0025】しかして本発明に言う重合性シリコーン含
有モノマーとこれと共重合されるラジカル共重合性モノ
マーとの重量比率は、得られるシリコーンを結合鎖の一
部とする高分子、あるいはそれを含む組成物から作製さ
れる皮膜の表面自由エネルギーγs d、γs pが、上掲所定
の範囲に入るよう調整されなければならないが、前者/
後者が1/99以上、好ましくは5/95以上である場
合が多い。
【0026】本発明で言うシリコーンを結合鎖の一部と
する高分子を、水分散系で得るため乳化重合によって調
製する場合には、当業者には公知の乳化安定用の界面活
性剤や水溶性保護コロイドと称される水溶性高分子、ラ
ジカル重合開始剤が用いられる。界面活性剤としては物
理吸着型として公知の陰イオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、さらには陰イオ
ン性と非イオン性とを併せ持つタイプのもの、あるいは
アリル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル
基など、ラジカル重合性を持ち生成重合体に化学結合で
組み込まれる反応性乳化剤などが利用され得る。また上
述したラジカル重合開始剤としては、水溶性の過硫酸
塩、過硼酸塩、過酸化水素、アゾビスイソブチルアミジ
ンの如きアゾ型化合物、あるいは2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ型化合物、有
機過酸化物など油溶性重合開始剤が使用され得る。
【0027】また本発明で言うシリコーンを結合鎖の一
部とする高分子を、有機溶剤を媒体とする重合反応によ
って調製する場合には、当業者に公知の有機溶剤、ラジ
カル重合開始剤が使用される。前記有機溶剤としてはト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素類、メチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類と言った汎
用溶剤が挙げられる。ジオキサン、テトラヒドロフラン
など環状エーテル類、ジメチルホルムアミドなどアミド
類、ジメチルスルホオキシドなど含硫黄溶剤類も使用出
来る。
【0028】以上が本発明に言うシリコーンを結合鎖の
一部とする高分子の良溶剤であり、重合生成物は溶液と
して得られるのに対し、例えばイソプロピルアルコール
などのアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、「ロウス」、「ミネラルスピリットEC」、「シ
ェルゾール72」(以上「」内シェル社製)、「ペガソ
ール3040」、「ペガホワイト1520」(以上モー
ビル石油(株)製)など脂肪族炭化水素系溶剤および脂
環族炭化水素系溶剤も使用し得る。ただしこれらを用い
た場合には、生成物は非水分散系となる。重合開始剤と
しては、例えば乳化重合の説明に述べた油溶性化合物が
用いられる。
【0029】本発明の滑水性高分子組成物皮膜は、架橋
剤、フィラー、さらには他の高分子化合物を含有するこ
とが出来る。架橋剤には例えばイソシアネート基、エポ
キシ基、アルコキシシリル基、N−メチロール基、メチ
ロール基、アセトアセトキシ基、カルボキシル基、水酸
基、アミノ基などを同種あるいは異種の組合せで1分子
中に複数含有する化合物が使われる。
【0030】トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
芳香族、脂肪族、脂環族などのジイソシアネート化合
物、あるいはこれらをフェノール、メタノール、カプロ
ラクタムなどでブロック化したジイソシアネートはイソ
シアネート基を有する架橋剤の一例である。
【0031】ビスフェノールAのジグリンジルエーテ
ル、その線状付加重合体などはエポキシ基を有する架橋
剤の一例である。
【0032】γ−(グリシドプロピル)トリメトキシシ
ラン、γ−(グリシドプロピル)メチルジエトキシシラ
ン、γ−(グリシドプロピル)トリエトキシシランなど
はエポキシ基とアルコキシシリル基とを1分子中に持つ
架橋剤の一例であり、γ−(アミノプロピル)トリメト
キシシランはアミノ基とアルコキシシリル基とを1分子
中に持つ架橋剤の一例である。
【0033】尿素ホルマリン樹脂初期縮合物、メラミン
ホルマリン樹脂初期縮合物、例えばジメチロールメラミ
ン、トリメチロールメラミン、さらにはこれらをアルコ
ール変性した例えばヘキサメトキシヘキサメチロールメ
ラミンなどはN−メチロール基を有する架橋剤の一例で
ある。
【0034】本発明に言うシリコーンを結合鎖の一部と
する高分子が乳化重合によって造られる場合、あるいは
有機溶剤を媒体とする重合反応によって得られる生成物
に水を添加し、後有機溶剤を留去して得られる水性分散
液の場合には、例えばポリエチレングリコール、あるい
はポリグリセリンなど親水部分を分子内に持つことによ
り、水と混和されると自ら乳化する自己乳化型と通称さ
れる変性ポリイソシアネートあるいはポリエポキシ化合
物が好ましく用いられる。さらにまた水中に乳化あるい
は分散した形となっている上記高分子がメチルビニルケ
トン、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミドと言っ
た側鎖にカルボニル基を持つモノマーを共重合して造ら
れている場合には、ジアミン、ジヒドラジドなどが架橋
剤として添加使用される。しかして上記架橋剤は、本発
明に言うシリコーンを結合鎖の一部とする高分子が持っ
ている官能基の種類により反応性を考慮して選択され
る。
【0035】本発明の滑水性高分子組成物皮膜は、シリ
カ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの無機質フィ
ラー、チタン白、亜鉛革、鉛白などの白色顔料、カーボ
ンブラック、鉄黒、べんがら、不溶性アゾ顔料、その他
黄、青、紫などの色顔料および亜鉛末、ジンクロメート
などの防錆顔料を含有することが出来る。またシリコー
ンオイル類、可塑剤や皮膜形成助剤、その他使用目的に
応じて各種助剤を含有することが出来る。
【0036】本発明の滑水性高分子組成物皮膜は、本発
明に言うシリコーンを結合鎖の一部とする高分子にさら
に別種の高分子を添加して作製することが出来る。ただ
し、本発明で規定するγs dおよびγs p、さらには滑水性
能を損なわない範囲においてである。一般に異種高分子
は相溶性に乏しい。従って上記別種高分子の添加は、高
分子が水中乳化状態ないしは水中分散状態、さらには非
水溶媒中分散状態である場合有利に行われる。例えばワ
ックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、ポリ
エステルエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポ
リアクリル酸エステル系エマルジョン、スチレン・アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、フッ素樹脂エマル
ジョンなど、あるいは非水分散液(NAD)と通称され
るアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル・
スチレン共重合体などが脂肪族あるいは脂環族炭化水素
系溶剤中に微粒子として分散されているものなどが上記
別種高分子の例である。
【0037】添加する高分子が溶液の場合には、脱混合
による不都合を避けるため、グラフト化による相溶性向
上などが行われる。例えば水酸基含有高分子にエポキシ
基、イソシアネート基を持つラジカル重合性モノマーを
付加させ、その共存下で本発明に言うシリコーンを結合
鎖の一部とする高分子を生成せしめると上記2つの高分
子が化学結合され、これが相溶化剤となって安定な生成
物が得られる。水酸基含有高分子としては、例えばモノ
クロロトリフロロエチレン・アルキルビニルエーテル・
ヒドロキシアルキルビニルエーテル共重合体、スチレン
・アクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル共重合体などがある。それに付加されるラジカル重合
性モノマーの例としては、メタクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸2−イソシアネートエチルなどが挙げられ
る。
【0038】次に本発明のシリコーンを結合鎖の一部と
する高分子の調製方法を、乳化重合、溶液重合およびそ
の生成分の水分散系化あるいは非水分散系化の順に説明
する。乳化重合は界面活性剤、水溶性高分子化合物など
乳化安定剤を含む水相とラジカル重合可能な不飽和化合
物からなる油相とを混合し、これに重合開始剤を加え撹
拌下に所定の温度に維持することによって行われる。乳
化安定剤、重合開始剤は当業者に自明のものが用いられ
るが、1、2特別な点に言及しておく。本発明の重合性
シリコーン含有モノマーは水に対する溶解度が極端に低
く主要な反応場所であるポリマー微粒子へ水相を通って
拡散することが実際上は出来ない。この問題を解決する
ために、重合反応に先立ってラジカル重合可能な不飽和
化合物からなる油相を高性能ミキサーで水相中へサブミ
クロンの微粒子として分散させることが望ましい。この
際水相中に高分子エマルジョンを添加して、いわゆるシ
ード乳化重合を行うことも出来る。しかしてそうした分
散は、例えば超音波乳化装置、ゴーリン型ミキサー、膜
乳化装置などによって行われる。
【0039】溶液重合は、生成物高分子を溶解する有機
溶剤、重合性シリコーン含有モノマーを含むラジカル重
合性モノマー、ラジカル重合開始剤を所定温度に撹拌す
る公知の方法により行われる。有機溶剤として脂肪族あ
るいは脂環族炭化水素または脂肪族アルコールのような
重合物の非溶剤を用いれば非水分散系(NAD)として
生成物が得られる。
【0040】得られた生成物を水分散化するには、ラジ
カル重合性モノマーとして酸性基、あるいは塩基性基が
必ず使用されており、それを中和する塩基または酸を加
え、しかる後水を徐々に加え最後に系中に存在する有機
溶剤を減圧下に蒸留し留去する公知の方法も適用され
る。
【0041】また非水分散液化するには、溶液重合に用
いられた有機溶剤より高沸点の脂肪族あるいは脂環族炭
化水素を主成分とする溶剤を溶液重合物へ加え、上同様
に減圧下に溶液重合に用いられた有機溶媒を留去する方
法も適用される。
【0042】本発明の滑水性高分子組成物皮膜は、シリ
コーンを結合鎖の一部とする高分子、あるいはそれを含
む組成物を通常液状とし、これをスプレー塗り、ハケ塗
り、ロールコート塗装、浸漬塗装、カーテンフローコー
ター塗装などの公知の塗装手段によって対象物上へ塗布
し、常温〜200℃、好ましくは80℃〜150℃で乾
燥することによって作製される。ただし上記高分子、あ
るいはそれを含む組成物が固形で得られる場合は、熱プ
レス成形、押出し成形、ブロー成形などによって目的の
皮膜を得ることが出来る。皮膜の厚さは用途に応じて適
宜選択すればよく、とくに制限されないが、例えば0.
5μm〜50μm程度である。
【0043】このようにして得られる本発明の滑水性高
分子組成物皮膜は、皮膜の傾斜角度が水平方向に対し3
0度以内であっても、該皮膜上にある質量12mgの水
滴が自重により滑落し得るものである。本発明の滑水性
高分子組成物皮膜は、金属板、ガラス板、無機質ボー
ド、ハードボード・チップボードなど木質系ボード、木
の板、さらにはそうした硬質系材料ばかりではなく上質
紙、板紙、アート紙などの紙類、織物、皮革など軟質材
料の上に形成されることにより使用されるが、滑水性高
分子あるいはその組成物が水分散系、あるいは低臭性脂
肪族、または脂環族炭化水素を主成分とする溶剤を含む
非水分散系を包含するため、塗布・乾燥の際に作業者は
勿論、環境に対しても安全である上取扱いが容易との利
点を有する。本発明の結果では12mg水滴に対し滑水
角0.5度という優れた滑水性面が得られるため、本発
明の滑水性高分子組成物皮膜は建築構造物の雨水による
汚染防止、着氷・着雪防止、自動車の前方・測方・後方
ガラス窓およびサイドミラーなどの降雨時の視覚確保、
エアコンディショナーのフィン表面の結露防止、新幹線
下部の水滴付着防止による冬期の着氷防止、レインコー
ト・雨傘などでの水滴残留抑制など水滴滑落の必要とさ
れる用途は勿論船底、レジャーボート、スキー、ウェッ
トスーツなど水との摩擦低減が望まれる用途で使用され
ると期待される。
【0044】
【実施例】以下実施例をもって本発明を説明するが本発
明がこれら実施例の範囲に拘束されるものではない。具
体例に入る前に滑水角など用語説明をしておく。 (コーティング膜形成) 基材:ガラス板 塗布:コーティングバー#10 乾燥:皮膜形成最低温度以上の雰囲気に1夜静置、ある
いは100℃×10分 熱処理:135℃×30分 皮膜厚さ:4〜6μm (滑水角測定) 皮膜:2.6cm×3.5cmのガラス板上の皮膜 水滴:12mgの水滴をマイクロシリンジより皮膜上へ
載置 装置:接触角測定装置(ゴニオメーター式、ERMA
INC.製) 測定:所定傾斜に1分間保ち水滴の滑落する最低傾斜角
を滑水角とする。 (接触角測定)液滴を小さくすること、傾斜角0度とし
たこと、水滴載置後1分毎に5分まで接触角を読み取り
4つの平均を接触角とする以外は滑水角測定に準じて行
った。但し脱イオン水およびヨウ化メチレン(CH
22)試薬特級を測定に用いた。液滴重量は水の場合
2.3mg、ヨウ化メチレンの場合7.6mgとした。
また高分子皮膜の表面自由エネルギーの分散力成分γs d
および極性力成分γs pは、水およびヨウ化メチレンの前
進接触角θおよび表面張力γLから、Fowkesの式
を拡張したOwensの式およびYoungの式を組み
合わせた下記式(3)を用いて求めた。 (1+cosθ)・γL/2=(γs d・γL d1/2+(γs p・γL p1/2 (3)
【0045】実施例−1 撹拌装置、温度計、触媒用滴下ロートおよび冷却用コン
デンサーを備えた5つ口セパラブルフラスコ(内容積1
L)を用意した。スチレン117g、メタクリル酸メチ
ル38g、アクリル酸2−エチルヘキシル61g、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル2g、メタクリル酸2
g、重合性シリコーン含有モノマーであるサイラプレー
ンFM−0721(化1)152g、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)0.8gを混合、均
一溶液とした。反応性陰イオン性非イオン性界面活性剤
(SE−10N、旭電化工業(株)製)の10%水溶液
88gと脱イオン水518.8gと上述モノマー混合液
とを、マントン−ゴーリンラボラトリー ホモジナイザ
ー15M−8TA(APV−GAULIN社製)を40
0kg/cm2にて使用乳化し、粒子径0.5μ以下の
モノマー分散液を得、この全量を上述フラスコ中へ仕込
んだ。水浴加熱でフラスコ内モノマー分散液を80℃に
20分間保った後、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
4gとメタクリル酸4gとの混合液を小型滴下ロートより
加えた。ただし滴下成分の添加は3時間にわたって行っ
た。この間反応温度は78℃〜82℃とした。フラスコ
内温を65℃に下げ、未反応モノマー減少のためパーブ
チルH(有機過酸化物、日本油脂工業(株)製)0.7
0gと上述陰イオン性界面活性剤SE−10Nの10%
水溶液3.7gおよびロンガリット0.4gを脱イオン
水5.1gに溶かした水溶液とを3分割にて加え、夫々
15分間反応させ、さらに1時間同温度に保った。しか
る後フラスコ内溶物を35℃に冷却しアンモニア水2.
5gを加え反応を終了した。かくして固形分濃度37.
3%、粘度140mPa・s、平均粒子径0.23μ、
pH7.9の水分散系生成物を得た。得られた生成物1
00gに自己乳化型エポキシ樹脂系架橋剤デナコールE
X−512(ナガセ化成工業(株)製)2gを加え塗工
液を作製した。かくして得た皮膜の滑水角は1度、表面
自由エネルギーはγs d=31.6erg/cm2、γs p
=2.5erg/cm2であった。なお、水接触角θW
よびヨウ化メチレン接触角θIはθW=90゜、θI=5
5゜であった。
【0046】実施例−2〜8 下記表1の原料組成を用いる他は、実施例−1と同様に
して高分子乳濁液を調製し、後添物を加え、またはその
まま皮膜を作製した。皮膜の表面自由エネルギーγs d
γs pは表1下段に示す通りであった。なお実施例−6は
実施例−1にシリコーンを含まない高分子乳濁液を添加
した例である。なおまた実施例−7および同8は実施例
−1に顔料ペーストを加え塗料とした場合である。
【0047】
【表1】
【0048】(略号説明) SM:スチレン、BA:アクリル酸ブチル、AN:アク
リロニトリル、MMA:メタクリル酸メチル、2EH
A:アクリル酸2−エチルヘキシル、MAA:メタクリ
ル酸、HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 1)化1で示される重合性シリコーン含有モノマー(チ
ッソ(株)製) FM−0725(平均分子量=10,000) FM−0721(平均分子量=5,000) 2)SE−10N(10%):反応性陰イオン性非イオ
ン性界面活性剤SE−10N(旭電化工業(株)製)の
10%水溶液 3)デナコールEX−512:ポリグリセロールポリグ
リシジルエーテル系自己乳化型エポキシ樹脂系架橋剤
(ナガセ化成工業(株)製) 4)ポリゾールAP−4775:アクリル酸エステル共
重合体乳濁液(不揮発分50%、pH9.0、平均粒子
径0.146μ、ガラス転移点−8℃、昭和高分子
(株)製) 5)顔料ペースト:不揮発分70%のチタン白ペースト
(処方次の通り) 水:8.26g ナトロゾール250HR(ハーキュリーズ社製):0.
08g アンモニア水(25%):0.02g ノプコSNデフォーマー371(サンノプコ(株)
製):0.11g ポイズ5218(花王(株)製):0.42g アモルデンFS−140(大和化学(株)製):0.1
1g チタン白(タイペークR−630)(石原産業(株)
製):21.0g 合計 30.0g 6)高分子乳濁液100g当たりの添加量(g) 7)θW;水接触角、θI;ヨウ化メチレン接触角
【0049】実施例−9〜11 下記表2の原料組成を用いる他は、実施例−1と同様に
して高分子乳濁液を調製し、後添物を加え、またはその
まま皮膜を作製した。但し実施例−9は後添物を加えず
して皮膜が架橋構造を有する自己架橋型乳濁液である。
皮膜の表面自由エネルギーγs d、γs pは第2表下段に示
す通りであった。
【0050】
【表2】
【0051】(略号説明)表1に同じ。 1)N−MMAA:N−メチロールメタクリルアミドの
60%水溶液 2)第1表の6)に同じ 3)第1表の7)に同じ
【0052】実施例−12 攪拌機、滴下ロート、冷却コンデンサー、温度計を備え
た1Lの5つ口セパラブルフラスコを用意した。メタク
リル酸メチル48g、アクリル酸ブチル16g、サイラ
プレーンFM−725を48g(化1で平均分子量1
0,000のもの、チッソ(株)製)、アクリル酸9
g、KBM−503(γ−[メタクリロキシプロピル]
トリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)2.4
g、合計123.5gを秤量、混合し、その45gとイ
ソプロパノール45g、さらにAIBN0.3gとをフ
ラスコへ仕込んだ。モノマー混合物の残量にイソプロパ
ノール18gおよびAIBN 0.3gを加えて均一に
溶解させ、これを滴下ロートへ入れた。90℃の湯浴中
へフラスコをセットし、内温が82℃になってから撹拌
を始めた。30分後滴下ロートよりフラスコへの添加を
開始し、2時間で終了した。さらに3時間80℃〜82
℃に維持してからイソプロパノール303gを加え、均
一に至らしめ冷却した。生成物は不揮発分25.0%、
青味を帯びた半透明の乳白色を示した。生成物80gを
300mlセパラブルフラスコへ移し、25%のアンモ
ニア水溶液3.0gを撹拌下に加え均一に至らしめてか
ら、脱イオン水76gを滴々加えた。かくして得られた
生成物63g、脱イオン水40gをバキュームエバポレ
ーターへ入れ減圧、加温下にイソプロパノールを留出さ
せた。減圧は初期155mmHg、最終95mmHg、
加温は湯浴60℃〜62℃であった。留出分は27.5
gであった。生成物は不揮発分20.2%、pH8.
0、青味を帯びた乳白色を示した。これから得られた皮
膜の滑水角は4度、表面自由エネルギーはγs d=31.
9erg/cm2、γs p=0.06erg/cm2であっ
た。
【0053】実施例−13 攪拌機、滴下ロート、冷却コンデンサー、温度計を備え
た300mlの5つ口セパラブルフラスコを用意した。
スチレン34g、アクリル酸0.9g、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル0.9g、サイラプレーン721
(化1)24gからなるモノマー混合物を調製し、その
22.5g、トルエン22.5g、さらにAIBN
0.15gをフラスコへ仕込んだ。モノマー混合物の残
り37.3gにAIBN 0.15gを加えて溶解し滴
下ロートへ入れた。90℃の湯浴中へフラスコをセット
し、内容が80℃になってから撹拌を始めた。30分後
滴下ロートよりフラスコへの添加を開始し、2時間で終
了した。滴下終了後、1時間ごとに2回パーヘキシルO
(有機過酸化物、日本油脂工業(株)製)を0.04g
ずつ加えた。反応開始から滴下終了までフラスコ内温を
80℃〜86℃に保った。滴下終了後6時間、トルエン
69gを加え、均一に至らしめてから冷却した。得られ
た生成物は不揮発分34.3%、微濁状の溶液であっ
た。これから作製した皮膜の滑水角は6度、表面自由エ
ネルギーはγs d=31.3erg/cm2、γs p=0.
05erg/cm2であった。
【0054】実施例−14,17〜19 下記表3の原料組成を用いる他は、実施例−13に準じ
て重合物溶液を調製し、これに後添物を加えて皮膜を作
製した。ただし実施例−18では後添物ヘキサメチレン
ジイソシアネートを重合物中に処方された水酸基に対
し、16.9当量と大量に用いた(他の実施例では0.
89当量である)。得られた皮膜の滑水角および表面自
由エネルギーは、第3表下段に示す通りであった。なお
実施例−19は非水分散系よりの高分子皮膜の例であ
る。
【0055】
【表3】
【0056】(略号説明)AA:アクリル酸、KBM−
503:γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシ
シラン(信越化学工業(株)製)、IPA:イソプロパ
ノール、パーヘキシルO:有機過酸化物(日本油脂
(株)製)、ターペン:ペガホワイト1520(モービ
ル石油(株)製、脂肪族炭化水素系溶剤)、ペガゾー
ル:ペガゾール3040(モービル石油(株)製、脂肪
族炭化水素系溶剤)、HDI:ヘキサメチレンジイソシ
アネート 1)生成物100g当たりの添加量(g) 2)表1の7)に同じ 3)実施例−13の生成物100g当たりの添加量
(g)
【0057】実施例−15,16 実施例−13で得られた重合物溶液100gに脂肪族炭
化水素を主成分とするペガホワイト1520(芳香族
0.1%以下、モービル石油(株)製)59gを加え均
一とし、この111gをバキュームエバポレーターへか
け減圧加温下にトルエンを留去せしめた。減圧は初期9
3mmHg、最終125mmHg、加温のオイルバスは
175℃〜210℃であり、留出減量は42gであっ
た。生成物は半透明な乳白色を示し、不揮発分34.6
%であった。その10gにヘキサメチレンジイソシアネ
ート0.035gを加え(実施例−16)、または加え
ずに(実施例−15)皮膜を作製した。皮膜の滑水角は
共に15度、γs d=30.8erg/cm2、γs p
0.04erg/cm2(実施例−15)、γs d=3
1.5erg/cm2、γs p=0.01erg/cm
2(実施例−16)であった。
【0058】実施例−20 洋傘地(64.7g/m2)に実施例−1の高分子乳濁
液組成物をNo.8バーコーターで塗布し、100℃で
30分間熱処理した。紙の摩擦抵抗測定用JIS P8
147に準じて、200mgの水滴が滑落を開始する角
度を測り、10.7度を得た。また表面自由エネルギー
はγs d=31.9erg/cm2、γs p=0.03er
g/cm2であった。参考迄に傘用撥水スプレー、スコ
ッチガード(成分:フッ素樹脂、イソプロピルアルコー
ル、炭酸ガス、住友スリーエム(株)製)を用いて同一
洋傘地にまんべんなくスプレーし、24時間後測定した
所、上記水滴滑水角は30.5度であった。また表面自
由エネルギーはγs d=51.3erg/cm2、γs p
0.4erg/cm2であった。
【0059】実施例−21 実施例−1の皮膜を家庭用電気冷蔵庫の製氷ケースの内
側に形成せしめた。膜厚は約10μmであった。この中
へ水道水を注ぎ、製氷室で凍結させた。一夜後取出し、
製氷ケースを逆にして軽く叩くと氷はケースから脱離し
た。上記皮膜形成を行わない場合、氷はケースに強く密
着していた。
【0060】比較例−1〜5 下記表4の原料組成を用いる他は、実施例−1と同様に
して高分子乳濁液を調製し、後添物を加え、またはその
まま皮膜を作製した。皮膜の滑水角、γs dおよびγs p
表4下段に示す通りであった。
【0061】
【表4】
【0062】(略号説明)表1に同じ。但し VAc:
酢酸ビニル、CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル。 1)ポリゾールAP−3748;スチレン・アクリル酸
エステル共重合体乳濁液(不揮発分50%、pH9.
0、平均粒子径0.14μm、ガラス転移点12℃、昭
和高分子(株)製)
【0063】比較例−6,7 下記表5の原料組成を用いる他は、実施例−13と同様
にして重合物溶液を調製し、後添物を加え、またはその
まま皮膜を作製した。皮膜の滑水角、γs dおよびγs p
表5下段に示す通りであった。なお比較例−7はシリコ
ーンを含有せずしかも皮膜のγs dおよびγs pが本発明に
指定する以外の例である。
【0064】
【表5】
【0065】(略号説明)表3に同じ。 1)ビニロールS;ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(不揮発分47%、昭和高分子(株)製) 2)表1の7)に同じ
【0066】参考例−1 LindaガラスコートUV[横浜油脂工業(株)製、
シリコーン・イソプロピルアルコール(90%)・酸]
よりなる自動車用ガラス撥水剤を専用フェルトでガラス
板にむらなく塗布し、乾燥後濡れタオルでガラス板が透
明になるまで拭き上げた。このガラス板の滑水角は40
〜45度、表面自由エネルギーはγs d=24.6erg
/cm2、γs p=3.28erg/cm2であった。
【0067】参考例−2 粘着剤用シリコーンタイプ離型紙KP−8(D)(林紙
工(株)製)の滑水角は45度、表面自由エネルギーは
γs d=16.49erg/cm2、γs p=0.88er
g/cm2であった。
【0068】参考例−3 実施例−20に用いたスコッチガードをガラス板へスプ
レーし、室温で24時間乾燥させて得た皮膜の滑水角は
90度、表面自由エネルギーはγs d=11.55erg
/cm2、γs p=1.39erg/cm2であった。
【0069】参考例−4 光学顕微鏡用プレパラートグラスに電気絶縁用ビニルテ
ープを貼付し、その上へ重合性シリコーン含有マクロモ
ノマーサイラプレンFM−0721を滴下し薄膜とし
た。そこへ水滴あるいはヨウ化メチレン滴を載せ、接触
角を測定した。最初の4分間はθW=67.5゜、θI
42.0゜(計算上γs d=43erg/cm2、γs p
11.4erg/cm2)であった。その後は急速に拡
張濡れが進み、7分後はθW=16.0゜、θI=11.
0゜(計算上γs d=72.5erg/cm2、γs p=3
7.8erg/cm2)であった。
【0070】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の滑水性高分
子組成物皮膜は従来品に比べ極めて優れた滑水性能を持
っており、そのことは該皮膜のγs dおよびγs pが、原料
として用いた重合性シリコーン含有モノマーとシリコー
ン架橋体あるいはフッ化炭素系高分子と言った高度な撥
水性皮膜との間のある特定領域に位置することに由来す
るとの発見に深く係わっている。本発明の皮膜は、水あ
るいは低臭気の脂肪族あるいは脂環族炭化水素溶剤を用
いた分散系から得られ、環境保全上もまた人体への影響
の面でも好ましく、ガラスのような硬質面上だけでなく
傘地のような軟質面上でも形成され得るので、水あるい
は雪、氷との摩擦、接着などの低減の望まれる広範囲な
方面へ適用出来る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA09 EA07 EB42 4F071 AA67 AF09 AH19 BC01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性シリコーン含有モノマーとラジカ
    ル重合性モノマーとを共重合せしめて得られるシリコー
    ンを結合鎖の一部とする高分子、あるいは該高分子を含
    む組成物から作製される皮膜であって、該皮膜の表面自
    由エネルギーの凝集力成分γs dおよび同極性力成分γs p
    が、次式(1)および(2)の範囲にあり、 γs d=25〜40erg/cm2 (1) γs p= 0〜 5erg/cm2 (2) かつ該皮膜の傾斜角度が水平方向に対し30度以内であ
    っても、該皮膜上にある質量12mgの水滴が自重によ
    り滑落し得ることを特徴とする滑水性高分子組成物皮
    膜。ただし、γs dおよびγs pは、水およびヨウ化メチレ
    ンの前進接触角θおよび表面張力γLから、Fowke
    sの式を拡張したOwensの式およびYoungの式
    を組み合わせた下記式(3)を用いて求めた。 (1+cosθ)・γL/2=(γs d・γL d1/2+(γs p・γL p1/2 (3)
  2. 【請求項2】 シリコーンを結合鎖の一部とする高分子
    が水分散系で得られる請求項1に記載の滑水性高分子組
    成物皮膜。
  3. 【請求項3】 シリコーンを結合鎖の一部とする高分子
    が有機溶剤溶液あるいは有機溶剤を媒体とする非水分散
    系として得られる請求項1に記載の滑水性高分子組成物
    皮膜。
  4. 【請求項4】 シリコーンを結合鎖の一部とする高分子
    が、γ−メタクリロキシプロピルポリメチルシリコーン
    と、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
    テル、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルから
    なる群から選ばれるラジカル重合性モノマーと、を必須
    成分とし、これらを共重合せしめて得られる請求項1記
    載の滑水性高分子組成物皮膜。
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