JP2000299504A - 半導体材料およびその製造方法 - Google Patents
半導体材料およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2000299504A JP2000299504A JP11105514A JP10551499A JP2000299504A JP 2000299504 A JP2000299504 A JP 2000299504A JP 11105514 A JP11105514 A JP 11105514A JP 10551499 A JP10551499 A JP 10551499A JP 2000299504 A JP2000299504 A JP 2000299504A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- laminated
- self
- film
- supporting
- supporting film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Recrystallisation Techniques (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 厚みが数mm程度で積層ピッチが数十nm程
度(積層数が数千〜数万)であり、均一に積層された半
導体材料を得る。 【解決手段】 異なる化合物からなる複数種類の層が順
次繰り返し積層されてなる積層相と、前記複数種類の層
が焼結されてなる焼結反応相とが交互に積層して一体化
されていることを特徴とする半導体材料およびその製造
方法を提供する。
度(積層数が数千〜数万)であり、均一に積層された半
導体材料を得る。 【解決手段】 異なる化合物からなる複数種類の層が順
次繰り返し積層されてなる積層相と、前記複数種類の層
が焼結されてなる焼結反応相とが交互に積層して一体化
されていることを特徴とする半導体材料およびその製造
方法を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の材料からな
る積層構造を有する半導体材料およびその製造方法に関
するものである。
る積層構造を有する半導体材料およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】複数の材
料を順次繰り返し積層することにより形成された半導体
材料は、高温超伝導材料、圧電材料またはコンデンサ材
料などとしての特性を発揮するのに有用であることが知
られている。近年、熱電変換材料として、異なる化合物
からなる2種類の層を交互に積層してなり、一層当たり
の膜厚が数nmである半導体材料、いわゆる超格子構造
を有する半導体材料(Rama Venkatasub
ramanian,et.al, The 12th
International Conferenceo
n Thermoelectrics, 1993,
p.322−327.)が知られ、これを用いた熱電変
換素子が提案されている。
料を順次繰り返し積層することにより形成された半導体
材料は、高温超伝導材料、圧電材料またはコンデンサ材
料などとしての特性を発揮するのに有用であることが知
られている。近年、熱電変換材料として、異なる化合物
からなる2種類の層を交互に積層してなり、一層当たり
の膜厚が数nmである半導体材料、いわゆる超格子構造
を有する半導体材料(Rama Venkatasub
ramanian,et.al, The 12th
International Conferenceo
n Thermoelectrics, 1993,
p.322−327.)が知られ、これを用いた熱電変
換素子が提案されている。
【0003】このような熱電変換素子においては、半導
体材料が微細な積層ピッチで構成されたものであり、半
導体材料の積層界面を垂直方向に通電させるような場合
は、積層界面でフォノン(材料内の結晶格子の振動によ
る熱伝導を量子化した考え方)の散乱が起きるため、熱
伝導率が大幅に低下する。そこで、本発明において、同
様の材料を用いてレーザーアブレーション法により積層
ピッチ10〜50nm、膜厚1μm(積層数200〜1
000)の薄膜材料を作成し、その熱伝導率を測定した
ところ、図7に示すように、積層ピッチの微細化が積層
界面における垂直方向の熱伝導率を大幅に低減すること
が分かった。
体材料が微細な積層ピッチで構成されたものであり、半
導体材料の積層界面を垂直方向に通電させるような場合
は、積層界面でフォノン(材料内の結晶格子の振動によ
る熱伝導を量子化した考え方)の散乱が起きるため、熱
伝導率が大幅に低下する。そこで、本発明において、同
様の材料を用いてレーザーアブレーション法により積層
ピッチ10〜50nm、膜厚1μm(積層数200〜1
000)の薄膜材料を作成し、その熱伝導率を測定した
ところ、図7に示すように、積層ピッチの微細化が積層
界面における垂直方向の熱伝導率を大幅に低減すること
が分かった。
【0004】また、熱電冷却あるいは熱電発電用デバイ
ス(総称して熱電変換デバイス)の熱伝導率は、半導体
材料の構造だけではなく、半導体材料の膜厚によっても
変動する。例えば、一般的な熱電変換デバイスの構造を
図8(ただし、ここでは絶縁基板および電極を図示して
いない)に示す。このデバイスではP型熱電変換素子1
01とN型熱電変換素子102とからなる熱電変換素子
が電極103によって電気的に交互に直列接続されてい
る。このデバイスの第1の終端電極104に「+」、第
2の終端電極105に「−」の直流電圧を印加すれば上
面が吸熱(冷却)下面が放熱(加熱)面となり、ヒート
ポンプとして動作するが、この場合、高温側と低温側の
温度差によって熱の逆流が起きる。この逆流を抑えてデ
バイスの効率を上げるためには、熱電変換素子101お
よび102の膜厚を厚くする(高温側と低温側の距離を
大きくする)必要がある。
ス(総称して熱電変換デバイス)の熱伝導率は、半導体
材料の構造だけではなく、半導体材料の膜厚によっても
変動する。例えば、一般的な熱電変換デバイスの構造を
図8(ただし、ここでは絶縁基板および電極を図示して
いない)に示す。このデバイスではP型熱電変換素子1
01とN型熱電変換素子102とからなる熱電変換素子
が電極103によって電気的に交互に直列接続されてい
る。このデバイスの第1の終端電極104に「+」、第
2の終端電極105に「−」の直流電圧を印加すれば上
面が吸熱(冷却)下面が放熱(加熱)面となり、ヒート
ポンプとして動作するが、この場合、高温側と低温側の
温度差によって熱の逆流が起きる。この逆流を抑えてデ
バイスの効率を上げるためには、熱電変換素子101お
よび102の膜厚を厚くする(高温側と低温側の距離を
大きくする)必要がある。
【0005】熱電変換素子の性質が一定(無次元性能指
数ZT=5)であると仮定して、素子の厚みHと熱電変
換効率(COP)の関係を計算した結果を図9に示す。
このグラフを見れば、膜厚の厚い熱電変換素子が薄いも
のよりもCOPが高く、熱の逆流が小さくなることを示
している。
数ZT=5)であると仮定して、素子の厚みHと熱電変
換効率(COP)の関係を計算した結果を図9に示す。
このグラフを見れば、膜厚の厚い熱電変換素子が薄いも
のよりもCOPが高く、熱の逆流が小さくなることを示
している。
【0006】以上のように、超格子構造を有する半導体
材料または膜厚が厚い半導体材料からなる熱電変換素子
は、熱伝導率を低減することができる。しかしながら、
これらの熱電変換素子は熱電変換効率の点において未だ
満足できるものではなかった。
材料または膜厚が厚い半導体材料からなる熱電変換素子
は、熱伝導率を低減することができる。しかしながら、
これらの熱電変換素子は熱電変換効率の点において未だ
満足できるものではなかった。
【0007】半導体材料の一つであるバルク型熱電材料
の製造方法としては、複数の高純度の原料を秤量し、そ
の原料を不活性ガズ雰囲気に封入した後、ロッキング炉
で融点より高い温度で均一に溶融撹拌し、次いでブリッ
ジマン炉で結晶の方向性を一定にする一方向性の凝固を
行う方法(溶成法)が知られている。この方法によれば
異方性材料が製造でき、結晶軸方向に通電する場合は、
熱電変換効率が高い材料となる。しかしながらこの製造
方法により得られる異方性材料は、劈開性が強く機械的
強度が弱いという問題がある。
の製造方法としては、複数の高純度の原料を秤量し、そ
の原料を不活性ガズ雰囲気に封入した後、ロッキング炉
で融点より高い温度で均一に溶融撹拌し、次いでブリッ
ジマン炉で結晶の方向性を一定にする一方向性の凝固を
行う方法(溶成法)が知られている。この方法によれば
異方性材料が製造でき、結晶軸方向に通電する場合は、
熱電変換効率が高い材料となる。しかしながらこの製造
方法により得られる異方性材料は、劈開性が強く機械的
強度が弱いという問題がある。
【0008】このような問題を解決するために、溶成法
により一旦製造したインゴットを粉砕して粉体にし、こ
の粉体を融点以下で焼結させて熱電材料を製造する焼結
法がある。この方法により製造される熱電材料は、溶成
法により製造された熱電材料のように結晶軸は揃ってい
ないが、機械的強度が強く、組成やドーパントの量を変
えることで熱電性能を向上させることが可能である。
により一旦製造したインゴットを粉砕して粉体にし、こ
の粉体を融点以下で焼結させて熱電材料を製造する焼結
法がある。この方法により製造される熱電材料は、溶成
法により製造された熱電材料のように結晶軸は揃ってい
ないが、機械的強度が強く、組成やドーパントの量を変
えることで熱電性能を向上させることが可能である。
【0009】これらの溶成法および焼結法によって製造
されたインゴットは、所定の素子寸法に切断されて熱電
変換素子となる。P型とN型の熱電変換素子は、その性
質が最大に発揮できる方向(材料の異方性による)に向
けて交互に整列させ、次いで、電極と接触させる面に半
田ペーストを塗布し、電極が形成される。これによりP
型とN型の熱電変換素子は電極を介して直列接続され
る。このようにして図8に示すような熱電変換デバイス
を製造することができる。
されたインゴットは、所定の素子寸法に切断されて熱電
変換素子となる。P型とN型の熱電変換素子は、その性
質が最大に発揮できる方向(材料の異方性による)に向
けて交互に整列させ、次いで、電極と接触させる面に半
田ペーストを塗布し、電極が形成される。これによりP
型とN型の熱電変換素子は電極を介して直列接続され
る。このようにして図8に示すような熱電変換デバイス
を製造することができる。
【0010】また、半導体材料のうち熱電材料以外の積
層材料とその製造方法については、例えば特開平2−3
8313号公報に、Biを含む材料と銅およびアルカリ
土類金属を含む材料を周期的に積層させた高温超伝導材
料およびその製造方法が開示されている。この方法は、
4種類のターゲットを1つの真空容器に設置し、それら
のターゲットをスリットを設けた回転シャッターにてマ
スクしながら順次スパッタすることにより周期的な積層
材料を製造するというものである。
層材料とその製造方法については、例えば特開平2−3
8313号公報に、Biを含む材料と銅およびアルカリ
土類金属を含む材料を周期的に積層させた高温超伝導材
料およびその製造方法が開示されている。この方法は、
4種類のターゲットを1つの真空容器に設置し、それら
のターゲットをスリットを設けた回転シャッターにてマ
スクしながら順次スパッタすることにより周期的な積層
材料を製造するというものである。
【0011】また、結晶性が特に要求されるレーザー素
子の半導体材料を形成する方法としては、基板の加熱温
度を制御し、前記基板上に強度を制御した分子線を入射
させてエピタキシャル成長を行う分子線エピタキシー法
(MBE法)も知られている。
子の半導体材料を形成する方法としては、基板の加熱温
度を制御し、前記基板上に強度を制御した分子線を入射
させてエピタキシャル成長を行う分子線エピタキシー法
(MBE法)も知られている。
【0012】以上に挙げた溶成法や焼結法またはレーザ
ーアブレーション法、スパッタ法、MBE法等の真空装
置による気相法は、制御性が良く、種々の積層材料が製
造できる方法であり、半導体産業において不可欠な技術
である。しかしながら、これらの方法によれば、例え
ば、レーザー素子用のGaAs/AlAs超格子が製造
できるが、成膜に時間を要するため、積層数の多い積層
材料を製造するのは困難であった。したがって、素子の
厚みが数mm程度で、積層ピッチが数十nm程度である
場合、すなわち積層数が数千〜数万にも及ぶ積層材料を
製造する場合には、気相法は非常に時間を要するため、
これらの方法を工業用に用いることは困難であった。ま
た、これらの方法では、たとえ時間をかけて積層して
も、下層で生じた格子欠陥や表面の凹凸が積層するにつ
れて大きくなり、大きな機械的残留応力が生じたり、表
面のマクロ単位での平坦性や表面と基板との平行が保た
れなくなり、厚み方向における下層から上層までを均一
に積層することが困難であった。
ーアブレーション法、スパッタ法、MBE法等の真空装
置による気相法は、制御性が良く、種々の積層材料が製
造できる方法であり、半導体産業において不可欠な技術
である。しかしながら、これらの方法によれば、例え
ば、レーザー素子用のGaAs/AlAs超格子が製造
できるが、成膜に時間を要するため、積層数の多い積層
材料を製造するのは困難であった。したがって、素子の
厚みが数mm程度で、積層ピッチが数十nm程度である
場合、すなわち積層数が数千〜数万にも及ぶ積層材料を
製造する場合には、気相法は非常に時間を要するため、
これらの方法を工業用に用いることは困難であった。ま
た、これらの方法では、たとえ時間をかけて積層して
も、下層で生じた格子欠陥や表面の凹凸が積層するにつ
れて大きくなり、大きな機械的残留応力が生じたり、表
面のマクロ単位での平坦性や表面と基板との平行が保た
れなくなり、厚み方向における下層から上層までを均一
に積層することが困難であった。
【0013】これに対して、超格子レーザー素子を高速
で製造する方法として、真空容器を用いずに、ほぼ大気
圧下で基板上に薄膜を成長させる方法(液相エピタキシ
ー法:LPE法)がある。この方法では、低融点の金属
を溶媒とし、その中に材料結晶を溶質として飽和溶解さ
せておき、溶解度の温度依存性を利用して過飽和状態に
した溶質を種結晶基板上に析出させることにより基板と
同一の結晶方位を持つ単結晶の成長層を得ることができ
る。しかしながら、この方法では、高速で積層材料を製
造できるが、積層すべき材料を溶融分散させる溶媒が必
要であったり、また、積層すべき材料が2種類以上の組
成からなる化合物である場合には、偏析を避けるために
膜面温度と溶液温度を制御する必要があった。このうち
膜面温度は基板温度を調節することにより制御するた
め、積層厚みが数mmにも及ぶような厚みが大きい場合
には、厚みに応じて基板温度を精密に変化させる必要が
あり、製造工程が複雑であった。
で製造する方法として、真空容器を用いずに、ほぼ大気
圧下で基板上に薄膜を成長させる方法(液相エピタキシ
ー法:LPE法)がある。この方法では、低融点の金属
を溶媒とし、その中に材料結晶を溶質として飽和溶解さ
せておき、溶解度の温度依存性を利用して過飽和状態に
した溶質を種結晶基板上に析出させることにより基板と
同一の結晶方位を持つ単結晶の成長層を得ることができ
る。しかしながら、この方法では、高速で積層材料を製
造できるが、積層すべき材料を溶融分散させる溶媒が必
要であったり、また、積層すべき材料が2種類以上の組
成からなる化合物である場合には、偏析を避けるために
膜面温度と溶液温度を制御する必要があった。このうち
膜面温度は基板温度を調節することにより制御するた
め、積層厚みが数mmにも及ぶような厚みが大きい場合
には、厚みに応じて基板温度を精密に変化させる必要が
あり、製造工程が複雑であった。
【0014】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、熱伝導率が低く、熱電変換効率
のよい熱電変換素子を提供し、また、比較的簡便な方法
により短い気相成長時間で上記熱電変換素子を製造する
方法を提供するものである。
になされたものであり、熱伝導率が低く、熱電変換効率
のよい熱電変換素子を提供し、また、比較的簡便な方法
により短い気相成長時間で上記熱電変換素子を製造する
方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、異なる
化合物からなる複数種類の層が順次繰り返し積層されて
なる積層相と、前記複数種類の層が焼結されてなる焼結
反応相とが交互に積層して一体化されていることを特徴
とする半導体材料が提供される。
化合物からなる複数種類の層が順次繰り返し積層されて
なる積層相と、前記複数種類の層が焼結されてなる焼結
反応相とが交互に積層して一体化されていることを特徴
とする半導体材料が提供される。
【0016】また、異なる化合物からなる複数種類の層
を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、該積層自
立膜をその厚さ方向に複数枚積層して加熱しながら加圧
することにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結
反応相を形成するとともに複数の積層自立膜を一体化さ
せることを特徴とする積層相と焼結反応相とが交互に積
層されてなる半導体材料の製造方法が提供される。
を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、該積層自
立膜をその厚さ方向に複数枚積層して加熱しながら加圧
することにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結
反応相を形成するとともに複数の積層自立膜を一体化さ
せることを特徴とする積層相と焼結反応相とが交互に積
層されてなる半導体材料の製造方法が提供される。
【0017】また、異なる化合物からなる複数種類の層
を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、該積層自
立膜を所定の大きさに裁断し、裁断された積層自立膜を
その厚さ方向に複数枚積層して加熱しながら加圧するこ
とにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結反応相
を形成するとともに複数の積層自立膜を一体化させるこ
とを特徴とする積層相と焼結反応相とが交互に積層され
てなる半導体材料の製造方法が提供される。
を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、該積層自
立膜を所定の大きさに裁断し、裁断された積層自立膜を
その厚さ方向に複数枚積層して加熱しながら加圧するこ
とにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結反応相
を形成するとともに複数の積層自立膜を一体化させるこ
とを特徴とする積層相と焼結反応相とが交互に積層され
てなる半導体材料の製造方法が提供される。
【0018】また、異なる化合物からなる複数種類の層
を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、異なる大
きさおよび/または異なる形の積層自立膜を複数枚積層
し、次いで加圧することにより各積層自立膜の隙間に生
じた空間を積層自立膜の破片で充填し、次いで加熱しな
がら加圧することにより各積層自立膜の表面を熔融固着
して焼結反応相を形成するとともに各積層自立膜の隙間
に生じた空間に充填された積層自立膜の破片を熔融固着
して焼結反応相を形成することを特徴とする積層相また
は焼結反応相で分割された積層相と焼結反応相とが交互
に積層されてなる半導体材料の製造方法が提供される。
を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、異なる大
きさおよび/または異なる形の積層自立膜を複数枚積層
し、次いで加圧することにより各積層自立膜の隙間に生
じた空間を積層自立膜の破片で充填し、次いで加熱しな
がら加圧することにより各積層自立膜の表面を熔融固着
して焼結反応相を形成するとともに各積層自立膜の隙間
に生じた空間に充填された積層自立膜の破片を熔融固着
して焼結反応相を形成することを特徴とする積層相また
は焼結反応相で分割された積層相と焼結反応相とが交互
に積層されてなる半導体材料の製造方法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の半導体材料を製造するに
際して、先ず、基板上に異なる化合物からなる複数種類
の層を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成する。基
板としては、通常用いられているものなら特に限定され
ないが、ガラス基板が好適に用いられる。
際して、先ず、基板上に異なる化合物からなる複数種類
の層を順次繰り返し積層して積層自立膜を形成する。基
板としては、通常用いられているものなら特に限定され
ないが、ガラス基板が好適に用いられる。
【0020】複数種類の各層を構成する化合物として
は、例えばBi2 Te3 、Sb2 Te 3 、Bi2 S
e3 、Sb2 Se3 等が挙げられ、なかでもBi2 Te
3 、Sb2Te3 が好ましい。積層する方法としては、
MBE法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、多
元蒸着法等が挙げられる。
は、例えばBi2 Te3 、Sb2 Te 3 、Bi2 S
e3 、Sb2 Se3 等が挙げられ、なかでもBi2 Te
3 、Sb2Te3 が好ましい。積層する方法としては、
MBE法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、多
元蒸着法等が挙げられる。
【0021】複数種類の各層の積層順としては特に限定
されず、どのような順であってもよい。例えば、3種類
のA層、B層、C層を積層する場合は、最下層からA層
/B層/C層、A層/A層/B層/C層、A層/B層/
B層/C層等と順次繰り返し積層したものが挙げられ
る。複数種類の各層を成膜する際に、Te、I、AgI
またはCuBr2 等のドナーを用いてもよく、ドナーを
各層に適宜拡散することによりP型またはN型の積層自
立膜に調製することができる。
されず、どのような順であってもよい。例えば、3種類
のA層、B層、C層を積層する場合は、最下層からA層
/B層/C層、A層/A層/B層/C層、A層/B層/
B層/C層等と順次繰り返し積層したものが挙げられ
る。複数種類の各層を成膜する際に、Te、I、AgI
またはCuBr2 等のドナーを用いてもよく、ドナーを
各層に適宜拡散することによりP型またはN型の積層自
立膜に調製することができる。
【0022】例えば、Bi2 Te3 とSb2 Te3 とを
積層した材料はそのままの状態でP型積層自立膜として
使用できるのに対し、Bi2 Te3 とBi2 Se3 とを
積層した材料ではBi2 Te3 はP型膜で、Bi2 Se
3 はN型膜であり、そのままの状態ではN型の積層自立
膜として使用することが難しい。そこで、Bi2 Te 3
のP型膜に例えばドナーとしてTeを2重量%以上、I
を0.5重量%以上、AgIを0.05重量%以上また
はCuBr2 を0.05重量%以上拡散させることによ
り、Bi2 Te3 のP型膜をN型膜に変えることがで
き、Bi2 Te3とBi2 Se3 とを積層した材料をN
型の積層自立膜として使用できるようになる。なお、ド
ナーを拡散させるときは、積層自立膜の製造工程を簡便
にするためにも、成膜時にP型膜のBi2 Te3 とN型
膜のBi2 Se3 との両方にドナーを拡散させてもよ
く、また、成膜後、積層自立膜にドナーを拡散させても
よい。複数種類の各層の膜厚(積層自立膜の積層ピッ
チ)は、10〜50nmが好ましく、10〜20nmが
さらに好ましい。積層自立膜の膜厚はハンドリングの良
さから1〜10μmが好ましい。
積層した材料はそのままの状態でP型積層自立膜として
使用できるのに対し、Bi2 Te3 とBi2 Se3 とを
積層した材料ではBi2 Te3 はP型膜で、Bi2 Se
3 はN型膜であり、そのままの状態ではN型の積層自立
膜として使用することが難しい。そこで、Bi2 Te 3
のP型膜に例えばドナーとしてTeを2重量%以上、I
を0.5重量%以上、AgIを0.05重量%以上また
はCuBr2 を0.05重量%以上拡散させることによ
り、Bi2 Te3 のP型膜をN型膜に変えることがで
き、Bi2 Te3とBi2 Se3 とを積層した材料をN
型の積層自立膜として使用できるようになる。なお、ド
ナーを拡散させるときは、積層自立膜の製造工程を簡便
にするためにも、成膜時にP型膜のBi2 Te3 とN型
膜のBi2 Se3 との両方にドナーを拡散させてもよ
く、また、成膜後、積層自立膜にドナーを拡散させても
よい。複数種類の各層の膜厚(積層自立膜の積層ピッ
チ)は、10〜50nmが好ましく、10〜20nmが
さらに好ましい。積層自立膜の膜厚はハンドリングの良
さから1〜10μmが好ましい。
【0023】次に、フッ素酸水溶液のような除去液で基
板を除去することにより積層自立膜が得られる。得られ
た積層自立膜を複数枚積み重ね、加熱しながら加圧する
ことにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結反応
相を形成する。ここで、各積層自立膜の表面以外の部分
は溶融固着されないため、積層自立膜の構成がそのまま
残り積層相を形成する。
板を除去することにより積層自立膜が得られる。得られ
た積層自立膜を複数枚積み重ね、加熱しながら加圧する
ことにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結反応
相を形成する。ここで、各積層自立膜の表面以外の部分
は溶融固着されないため、積層自立膜の構成がそのまま
残り積層相を形成する。
【0024】積層自立膜を積み重ねるときは、図2およ
び図5に示されるように各積層自立膜の積層方向が一致
するように積み重ねる。各積層自立膜は、所定の大きさ
の熱電変換素子を製造するために、加圧する前に所定の
大きさに裁断してもよい。所定の大きさとしては特に限
定されないが、最終的に得られる半導体材料の断面積よ
り少し大きいことが好ましい。積み重ねる積層自立膜の
枚数は、積層自立膜の膜厚により変動するが、200〜
2000枚が好ましい。
び図5に示されるように各積層自立膜の積層方向が一致
するように積み重ねる。各積層自立膜は、所定の大きさ
の熱電変換素子を製造するために、加圧する前に所定の
大きさに裁断してもよい。所定の大きさとしては特に限
定されないが、最終的に得られる半導体材料の断面積よ
り少し大きいことが好ましい。積み重ねる積層自立膜の
枚数は、積層自立膜の膜厚により変動するが、200〜
2000枚が好ましい。
【0025】積み重ねた積層自立膜を加熱しながら加圧
するに際して、例えば積層自立膜がBi2 Te3 /Sb
2 Te3 の2層構成では、加熱温度は低沸点成分である
Teの最蒸発、拡散による界面の不明瞭化、および焼結
界面の接着性に影響するため、280〜360℃が好ま
しく、280〜300℃がさらに好ましい。加圧すると
きの圧力は、積層自立膜の割れが起こらないよう、50
kg/cm2 以下が好ましく、10〜30kg/cm2
がさらに好ましい。加圧・加熱時間は20〜60分が適
度であり、それ以上の時間をかけると不要な拡散を生
じ、界面の不明瞭化を引き起こしやすく好ましくない。
するに際して、例えば積層自立膜がBi2 Te3 /Sb
2 Te3 の2層構成では、加熱温度は低沸点成分である
Teの最蒸発、拡散による界面の不明瞭化、および焼結
界面の接着性に影響するため、280〜360℃が好ま
しく、280〜300℃がさらに好ましい。加圧すると
きの圧力は、積層自立膜の割れが起こらないよう、50
kg/cm2 以下が好ましく、10〜30kg/cm2
がさらに好ましい。加圧・加熱時間は20〜60分が適
度であり、それ以上の時間をかけると不要な拡散を生
じ、界面の不明瞭化を引き起こしやすく好ましくない。
【0026】以上の工程により、積層相と焼結反応相と
が交互に積層されてなる半導体材料が得られる。この半
導体材料を所定の大きさに裁断することで、熱電変換素
子が得られる。得られた熱電変換素子は、熱伝導率を低
減させ、かつ機械的強度をもたせるために、好ましくは
1〜5mm程度、更に好ましくは2〜3mm程度の立方
体であるのが好ましい。
が交互に積層されてなる半導体材料が得られる。この半
導体材料を所定の大きさに裁断することで、熱電変換素
子が得られる。得られた熱電変換素子は、熱伝導率を低
減させ、かつ機械的強度をもたせるために、好ましくは
1〜5mm程度、更に好ましくは2〜3mm程度の立方
体であるのが好ましい。
【0027】以下、実施の形態1〜4により、本発明の
半導体材料およびその製造方法を具体的に説明する。 実施の形態1 本発明の半導体材料およびその製造方法の一例を以下に
詳述し、その方法により製造された積層自立膜の構成を
図1に示す。積層自立膜1は、主としてBi2 Te3 の
層18とSb2 Te3 の層19を順次繰り返し積層した
もので、積層ピッチpは50nm、膜厚dは10μmで
ある。この積層自立膜1の製造方法は図示しないが、例
えばガラスを基板として、MBE法、スパッタ法、レー
ザーアブレーション法等によってBi2 Te3 の層18
とSb2 Te3 の層19を交互に気相成長させ、成膜後
にガラス基板のみをフッ素酸水溶液などの除去液にて除
去して得られる。なお、Bi2 Te3 /Sb2Te3 の
積層膜はそれ自体がP型の導電性を示すが、成膜時また
は成膜後に例えばAgIを拡散することによりN型の積
層自立膜とすることができる。
半導体材料およびその製造方法を具体的に説明する。 実施の形態1 本発明の半導体材料およびその製造方法の一例を以下に
詳述し、その方法により製造された積層自立膜の構成を
図1に示す。積層自立膜1は、主としてBi2 Te3 の
層18とSb2 Te3 の層19を順次繰り返し積層した
もので、積層ピッチpは50nm、膜厚dは10μmで
ある。この積層自立膜1の製造方法は図示しないが、例
えばガラスを基板として、MBE法、スパッタ法、レー
ザーアブレーション法等によってBi2 Te3 の層18
とSb2 Te3 の層19を交互に気相成長させ、成膜後
にガラス基板のみをフッ素酸水溶液などの除去液にて除
去して得られる。なお、Bi2 Te3 /Sb2Te3 の
積層膜はそれ自体がP型の導電性を示すが、成膜時また
は成膜後に例えばAgIを拡散することによりN型の積
層自立膜とすることができる。
【0028】積層自立膜1のプレス工程を図2に示す。
積層自立膜1は、ダイサーによって3mm角の正方形に
カットされ、膜厚10μmの積層自立膜片2が複数形成
される〔図2(b)〕。積層自立膜片2は洗浄され乾燥
した後、300枚積み重ねて、3mm角より若干大き
く、深さが5mmであるダイスの凹部3a内に挿入され
る。ダイス3はダイスヒーター4と温度センサー5を内
蔵し、温度制御器6によって温度が制御される。ダイ7
は3mm角であり、積層自立膜片2が挿入されたダイス
3とダイ7はプレス装置8に取り付けられている。油圧
のアクチュエーター9によってダイス3とダイ7を操作
し、積み重ねられた積層自立膜片をプレスする。この
時、ダイス3の温度を約300℃にして、プレス圧力1
00kg/cm2 で約30分焼結する〔図2(c)〕。
これにより約3mmの立方体の熱電変換素子20が製造
される〔図2(d)〕。
積層自立膜1は、ダイサーによって3mm角の正方形に
カットされ、膜厚10μmの積層自立膜片2が複数形成
される〔図2(b)〕。積層自立膜片2は洗浄され乾燥
した後、300枚積み重ねて、3mm角より若干大き
く、深さが5mmであるダイスの凹部3a内に挿入され
る。ダイス3はダイスヒーター4と温度センサー5を内
蔵し、温度制御器6によって温度が制御される。ダイ7
は3mm角であり、積層自立膜片2が挿入されたダイス
3とダイ7はプレス装置8に取り付けられている。油圧
のアクチュエーター9によってダイス3とダイ7を操作
し、積み重ねられた積層自立膜片をプレスする。この
時、ダイス3の温度を約300℃にして、プレス圧力1
00kg/cm2 で約30分焼結する〔図2(c)〕。
これにより約3mmの立方体の熱電変換素子20が製造
される〔図2(d)〕。
【0029】なお、ここではダイス3とダイ7が一対で
あるプレス機を使用しているが、複数の凹部3aを有す
るマルチダイスと、複数の凸部を有するマルチダイとか
らなるプレス機を用いることもできる。実施の形態1に
より製造された熱電変換素子20の構成を図3に示す。
Bi2Te3 の層18とSb2 Te3 の層19が交互に
積層された積層相10は図2の積層自立膜1の構造がそ
のまま残っている部分である。焼結反応相11は積層自
立膜1の表面部分(膜厚約1μm)が、隣接する積層自
立膜の表面部分と反応再結晶し熔融固着したものであ
る。したがって、焼結反応相11は積層構造を有さず、
複数種類の層を構成する化合物の成分、Bi、Te、S
bの微結晶が重なり合った微結晶構造となっている。
あるプレス機を使用しているが、複数の凹部3aを有す
るマルチダイスと、複数の凸部を有するマルチダイとか
らなるプレス機を用いることもできる。実施の形態1に
より製造された熱電変換素子20の構成を図3に示す。
Bi2Te3 の層18とSb2 Te3 の層19が交互に
積層された積層相10は図2の積層自立膜1の構造がそ
のまま残っている部分である。焼結反応相11は積層自
立膜1の表面部分(膜厚約1μm)が、隣接する積層自
立膜の表面部分と反応再結晶し熔融固着したものであ
る。したがって、焼結反応相11は積層構造を有さず、
複数種類の層を構成する化合物の成分、Bi、Te、S
bの微結晶が重なり合った微結晶構造となっている。
【0030】実施の形態2 本発明の半導体材料およびその製造方法の他の例を図4
および図5を使って説明する。積層自立膜1’は、実施
の形態1の積層自立膜1と同様にBi2 Te3 の層1
8’とSb2 Te3 の層19’とを交互に積層したもの
であり、積層ピッチpは50nm、膜厚dは10μmで
ある。ただし、最上表面Bi2 Te3 の層12の膜厚は
約0.5μmであり、最下表面Sb2 Te3 の層13の
膜厚は約0.5μmである(図4)。したがって、積層
自立膜1’の成膜開始直後および成膜終了直前の一定時
間は成膜材料を切換えずに成膜が行われる。
および図5を使って説明する。積層自立膜1’は、実施
の形態1の積層自立膜1と同様にBi2 Te3 の層1
8’とSb2 Te3 の層19’とを交互に積層したもの
であり、積層ピッチpは50nm、膜厚dは10μmで
ある。ただし、最上表面Bi2 Te3 の層12の膜厚は
約0.5μmであり、最下表面Sb2 Te3 の層13の
膜厚は約0.5μmである(図4)。したがって、積層
自立膜1’の成膜開始直後および成膜終了直前の一定時
間は成膜材料を切換えずに成膜が行われる。
【0031】積層自立膜1’を実施の形態1と同様の方
法で切断し、積層自立膜片2’を複数製造する。そして
最上表面Bi2 Te3 層12と最下表面Sb2 Te3 層
13とが接するように各積層自立膜片2’を300枚積
み重ねる(図5)。積み重ねた積層自立膜片2’を実施
の形態1と同様に加熱し加圧することにより熔融焼結し
て、最上表面のBi2 Te3 層12と最下表面のSb2
Te3 層13とを反応させ、焼結反応相11’を形成す
る。その結果、約9μmの積層相10’と約1μmの焼
結反応相11’とが交互に積み重なって構成される熱電
変換素子20’が製造される。この熱電変換素子20’
は実施の形態1で製造された熱電変換素子20と同様の
ものであった。
法で切断し、積層自立膜片2’を複数製造する。そして
最上表面Bi2 Te3 層12と最下表面Sb2 Te3 層
13とが接するように各積層自立膜片2’を300枚積
み重ねる(図5)。積み重ねた積層自立膜片2’を実施
の形態1と同様に加熱し加圧することにより熔融焼結し
て、最上表面のBi2 Te3 層12と最下表面のSb2
Te3 層13とを反応させ、焼結反応相11’を形成す
る。その結果、約9μmの積層相10’と約1μmの焼
結反応相11’とが交互に積み重なって構成される熱電
変換素子20’が製造される。この熱電変換素子20’
は実施の形態1で製造された熱電変換素子20と同様の
ものであった。
【0032】実施の形態3 本発明の半導体材料およびその製造方法の他の例を以下
に説明する。実施の形態1で得られた積層自立膜1を切
断せずに、比較的大きな面積の状態で300枚積み重
ね、実施の形態1と同様の方法で加熱し加圧して熔融焼
結し、得られた半導体材料を所定の寸法に切断して熱電
変換素子20を製造した。
に説明する。実施の形態1で得られた積層自立膜1を切
断せずに、比較的大きな面積の状態で300枚積み重
ね、実施の形態1と同様の方法で加熱し加圧して熔融焼
結し、得られた半導体材料を所定の寸法に切断して熱電
変換素子20を製造した。
【0033】実施の形態4 本発明の半導体材料およびその製造方法の他の例を以下
に説明する。積層自立膜1は基板除去の工程および焼結
の準備工程において不定形に膜の割れが生じることが多
い。この実施の形態は積層自立膜の割れを積極的に利用
して、熱電変換素子20”を得る方法である。この方法
により得られる熱電変換素子20”は、実施の形態1〜
3の熱電変換素子のような積層相10と焼結反応相11
とが整然と並んだ構成を有さず(図3)、積層相または
焼結反応相により分割された積層相と焼結反応相とが交
互に積層する構造を有するものである(図6)。
に説明する。積層自立膜1は基板除去の工程および焼結
の準備工程において不定形に膜の割れが生じることが多
い。この実施の形態は積層自立膜の割れを積極的に利用
して、熱電変換素子20”を得る方法である。この方法
により得られる熱電変換素子20”は、実施の形態1〜
3の熱電変換素子のような積層相10と焼結反応相11
とが整然と並んだ構成を有さず(図3)、積層相または
焼結反応相により分割された積層相と焼結反応相とが交
互に積層する構造を有するものである(図6)。
【0034】成膜基板15(図示せず)上に形成された
積層自立膜を、へら状のジグによって機械的に剥がし取
り、大きさと形が異なる積層自立膜片14が得られる。
その積層自立膜片14を複数枚重ね合わせると〔図6
(a)〕、各積層自立膜片14との隙間に多数の空気層
16が分布した状態となる〔図6(b)〕。熱電変換素
子に空気層16が存在すると、熱電変換素子の性能を低
下させ、かつ機械的強度をも低下させるので、これをま
ず常温でプレスして空気層16を除去する。100kg
/cm2 程度のプレス圧力で空気層16は除去され、そ
の部分にプレスによって割れた積層自立膜片14の破片
14’が充填される〔図6(c)〕。次にプレス圧力を
1ton/cm2 程度にして、焼結温度300℃で約1
時間熔融焼結を行うと、積層自立膜片14の表面が隣接
する積層自立膜片14の表面と熔融固着して焼結反応相
11”を形成するとともにプレス時に割れた破片14’
とその周りの積層自立膜片14の表面とが焼結し、焼結
反応相11”が形成される。最終的に、積層相10”も
しくは焼結反応相11”により分割された積層相10”
と焼結反応相11”とが交互に積層した半導体材料が形
成される。この材料を所定の大きさに切断することによ
り熱電変換素子20”が製造される。
積層自立膜を、へら状のジグによって機械的に剥がし取
り、大きさと形が異なる積層自立膜片14が得られる。
その積層自立膜片14を複数枚重ね合わせると〔図6
(a)〕、各積層自立膜片14との隙間に多数の空気層
16が分布した状態となる〔図6(b)〕。熱電変換素
子に空気層16が存在すると、熱電変換素子の性能を低
下させ、かつ機械的強度をも低下させるので、これをま
ず常温でプレスして空気層16を除去する。100kg
/cm2 程度のプレス圧力で空気層16は除去され、そ
の部分にプレスによって割れた積層自立膜片14の破片
14’が充填される〔図6(c)〕。次にプレス圧力を
1ton/cm2 程度にして、焼結温度300℃で約1
時間熔融焼結を行うと、積層自立膜片14の表面が隣接
する積層自立膜片14の表面と熔融固着して焼結反応相
11”を形成するとともにプレス時に割れた破片14’
とその周りの積層自立膜片14の表面とが焼結し、焼結
反応相11”が形成される。最終的に、積層相10”も
しくは焼結反応相11”により分割された積層相10”
と焼結反応相11”とが交互に積層した半導体材料が形
成される。この材料を所定の大きさに切断することによ
り熱電変換素子20”が製造される。
【0035】熱電変換素子のゼーベック効果(性能Z)
は、ゼーベック係数α、電気伝導率δ、キャリアによる
熱伝導率κcおよびフォノンによる熱伝導率κpを用い
て次式で表される。 Z=α2δ/(κc+κp)
は、ゼーベック係数α、電気伝導率δ、キャリアによる
熱伝導率κcおよびフォノンによる熱伝導率κpを用い
て次式で表される。 Z=α2δ/(κc+κp)
【0036】従来の実用化されている熱電変換素子の性
能Zは3×10-3程度以下であるのに対し、実施の形態
1〜4の製造方法により製造された熱電変換素子20、
20’および20”の性能Zは4.5〜6×10-3程度
であり、従来のものより1.5〜2倍の性能を示す。実
施の形態1〜3の製造方法により製造された熱電変換素
子20および20’と実施の形態4の製造方法により製
造された熱電変換素子20”とは、いずれも高い熱電変
換効率を示すが、その効果を奏するメカニズムはそれぞ
れ異なる。
能Zは3×10-3程度以下であるのに対し、実施の形態
1〜4の製造方法により製造された熱電変換素子20、
20’および20”の性能Zは4.5〜6×10-3程度
であり、従来のものより1.5〜2倍の性能を示す。実
施の形態1〜3の製造方法により製造された熱電変換素
子20および20’と実施の形態4の製造方法により製
造された熱電変換素子20”とは、いずれも高い熱電変
換効率を示すが、その効果を奏するメカニズムはそれぞ
れ異なる。
【0037】一方の熱電変換素子20および20’は、
Venkatasubramanianらの提案に沿っ
たものであり、積層界面でのフォノンの散乱を利用し、
フォノンによる熱伝導率κpを低減させることによりそ
の効果を奏しているものと考えられる。他方の熱電変換
素子20”は、部分的に存在する積層相ではフォノンに
よる熱伝導率κpを低減させ、焼結反応相では積層相よ
りもキャリアの移動度を向上(電気伝導率δを向上)さ
せることによりその効果を奏しているものと考えられ
る。
Venkatasubramanianらの提案に沿っ
たものであり、積層界面でのフォノンの散乱を利用し、
フォノンによる熱伝導率κpを低減させることによりそ
の効果を奏しているものと考えられる。他方の熱電変換
素子20”は、部分的に存在する積層相ではフォノンに
よる熱伝導率κpを低減させ、焼結反応相では積層相よ
りもキャリアの移動度を向上(電気伝導率δを向上)さ
せることによりその効果を奏しているものと考えられ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明の半導体材料は、厚みが数mm程
度で積層ピッチが数十nm程度、すなわち積層数が数千
〜数万にも及び、例えば熱電材料として使用された場合
は、熱伝導率が極めて低いため、熱電変換効率のよい熱
電変換素子となる。また、本発明の半導体材料は、大き
な機械的残留応力が無く、表面のマクロな平坦性や表面
と基板の平行が確保されていて、厚み方向で下層から上
層までの均一な積層構造を有する。 また、本発明の方
法によれば、上記半導体材料が比較的簡便な方法により
短い気相成長時間で製造できる。
度で積層ピッチが数十nm程度、すなわち積層数が数千
〜数万にも及び、例えば熱電材料として使用された場合
は、熱伝導率が極めて低いため、熱電変換効率のよい熱
電変換素子となる。また、本発明の半導体材料は、大き
な機械的残留応力が無く、表面のマクロな平坦性や表面
と基板の平行が確保されていて、厚み方向で下層から上
層までの均一な積層構造を有する。 また、本発明の方
法によれば、上記半導体材料が比較的簡便な方法により
短い気相成長時間で製造できる。
【図1】本発明の半導体材料を構成する積層自立膜の構
成を示す図である。
成を示す図である。
【図2】本発明の方法による積層自立膜のプレス工程を
示す図である。
示す図である。
【図3】本発明の半導体材料(熱電変換素子)の断面図
である。
である。
【図4】本発明の半導体材料を構成する積層自立膜の構
成を示す図である。
成を示す図である。
【図5】本発明の半導体材料を構成する積層自立膜の積
層方向を示す図である。
層方向を示す図である。
【図6】本発明の半導体材料の製造過程を示す図であ
る。
る。
【図7】積層型熱電変換素子材料の積層ピッチと熱伝導
率の関係を示すグラフである。
率の関係を示すグラフである。
【図8】従来の熱電変換デバイスの構成図である。
【図9】熱電変換素子の膜厚と熱電変換素子のCOPの
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
1、1’ 積層自立膜 2、2’ 積層自立膜片 3 ダイス 3a ダイスの凹部 4 ダイスヒーター 5 温度センサー 6 温度制御器 7 ダイ 8 プレス装置 9 アクチュエーター 10、10’、10'' 積層相 11、11’、11'' 焼結反応相 12 積層自立膜の最上表面のBi2 Te3 層 13 積層自立膜の最下表面のSb2 Te3 層 14 不定形の積層自立膜片 14’ 積層自立膜片の破片 15 成膜基板 16 空気層 18、18’ Bi2 Te3 層 19、19’ Sb2 Te3 層 20、20’、20” 熱電変換素子 101 P型熱電変換素子 102 N型熱電変換素子 103 デバイスにおける電極 104 第1の終端電極 105 第2の終端電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/34 H01L 35/34 (72)発明者 山中 良亮 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F052 KA05
Claims (6)
- 【請求項1】 異なる化合物からなる複数種類の層が順
次繰り返し積層されてなる積層相と、前記複数種類の層
が焼結されてなる焼結反応相とが交互に積層して一体化
されていることを特徴とする半導体材料。 - 【請求項2】 焼結反応相において、複数種類の層を構
成する各化合物の成分が均一に分散している請求項1に
記載の半導体材料。 - 【請求項3】 積層相が、焼結反応相により分割された
積層相を含む請求項1または2に記載の半導体材料。 - 【請求項4】 異なる化合物からなる複数種類の層を順
次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、該積層自立膜
をその厚さ方向に複数枚積層して加熱しながら加圧する
ことにより各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結反応
相を形成するとともに複数の積層自立膜を一体化させる
ことを特徴とする積層相と焼結反応相とが交互に積層さ
れてなる半導体材料の製造方法。 - 【請求項5】 異なる化合物からなる複数種類の層を順
次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、該積層自立膜
を所定の大きさに裁断し、裁断された積層自立膜をその
厚さ方向に複数枚積層して加熱しながら加圧することに
より各積層自立膜の表面を熔融固着して焼結反応相を形
成するとともに複数の積層自立膜を一体化させることを
特徴とする積層相と焼結反応相とが交互に積層されてな
る半導体材料の製造方法。 - 【請求項6】 異なる化合物からなる複数種類の層を順
次繰り返し積層して積層自立膜を形成し、異なる大きさ
および/または異なる形の積層自立膜を複数枚積層し、
次いで加圧することにより各積層自立膜の隙間に生じた
空間を積層自立膜の破片で充填し、次いで加熱しながら
加圧することにより各積層自立膜の表面を熔融固着して
焼結反応相を形成するとともに各積層自立膜の隙間に生
じた空間に充填された積層自立膜の破片を熔融固着して
焼結反応相を形成することを特徴とする積層相または焼
結反応相で分割された積層相と焼結反応相とが交互に積
層されてなる半導体材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11105514A JP2000299504A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 半導体材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11105514A JP2000299504A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 半導体材料およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000299504A true JP2000299504A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=14409721
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11105514A Pending JP2000299504A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 半導体材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000299504A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004064169A1 (ja) * | 2003-01-09 | 2004-07-29 | Japan As Represented By President Of Kanazawa University | 構造傾斜材料とこれを用いた機能素子 |
| JP2006140332A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Koyo Thermo System Kk | 熱処理装置 |
| JP2006229174A (ja) * | 2005-02-21 | 2006-08-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 異方熱伝導材料およびそれを用いた熱移送方法 |
| JP2009004520A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-01-08 | Netsusan Heat Kk | 薄膜型熱電対製造方法、それに用いる薄膜型熱電対製造装置及びそれを用いて製造された薄膜型熱電対 |
| JP2010147465A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-07-01 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd | フリップチップ半導体素子の熱電冷却器 |
| WO2010073391A1 (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-01 | 富士通株式会社 | 熱電変換素子及びその製造方法並びに電子機器 |
| JP2013538451A (ja) * | 2010-08-26 | 2013-10-10 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | ナノ粒子がドープされた熱電素子を含む熱電モジュール及びその製造方法 |
| JP2014509074A (ja) * | 2011-01-25 | 2014-04-10 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | ナノ構造のバルク材料を用いた熱電素子とこれを含む熱電モジュール |
| JP2019195006A (ja) * | 2018-05-01 | 2019-11-07 | 国立大学法人広島大学 | 熱電変換材料の製造方法及び熱電変換材料 |
-
1999
- 1999-04-13 JP JP11105514A patent/JP2000299504A/ja active Pending
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004064169A1 (ja) * | 2003-01-09 | 2004-07-29 | Japan As Represented By President Of Kanazawa University | 構造傾斜材料とこれを用いた機能素子 |
| JP2006140332A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Koyo Thermo System Kk | 熱処理装置 |
| JP2006229174A (ja) * | 2005-02-21 | 2006-08-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 異方熱伝導材料およびそれを用いた熱移送方法 |
| JP2009004520A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-01-08 | Netsusan Heat Kk | 薄膜型熱電対製造方法、それに用いる薄膜型熱電対製造装置及びそれを用いて製造された薄膜型熱電対 |
| JP2010147465A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-07-01 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd | フリップチップ半導体素子の熱電冷却器 |
| WO2010073391A1 (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-01 | 富士通株式会社 | 熱電変換素子及びその製造方法並びに電子機器 |
| US8853519B2 (en) | 2008-12-26 | 2014-10-07 | Fujitsu Limited | Thermoelectric conversion device and method of manufacturing the same, and electronic apparatus |
| JP2013538451A (ja) * | 2010-08-26 | 2013-10-10 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | ナノ粒子がドープされた熱電素子を含む熱電モジュール及びその製造方法 |
| JP2014509074A (ja) * | 2011-01-25 | 2014-04-10 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | ナノ構造のバルク材料を用いた熱電素子とこれを含む熱電モジュール |
| KR101876947B1 (ko) * | 2011-01-25 | 2018-07-10 | 엘지이노텍 주식회사 | 나노 구조의 벌크소재를 이용한 열전소자와 이를 포함하는 열전모듈 및 그의 제조 방법 |
| JP2019195006A (ja) * | 2018-05-01 | 2019-11-07 | 国立大学法人広島大学 | 熱電変換材料の製造方法及び熱電変換材料 |
| JP7061361B2 (ja) | 2018-05-01 | 2022-04-28 | 国立大学法人広島大学 | 熱電変換材料の製造方法及び熱電変換材料 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4286053B2 (ja) | 熱電半導体材料、該熱電半導体材料による熱電半導体素子、該熱電半導体素子を用いた熱電モジュール及びこれらの製造方法 | |
| US20090093078A1 (en) | System and Method for High Temperature Compact Thermoelectric Generator (TEG) Device Construction | |
| KR20120086190A (ko) | 나노 구조의 벌크소재를 이용한 열전소자와 이를 포함하는 열전모듈 및 그의 제조 방법 | |
| JP2000299504A (ja) | 半導体材料およびその製造方法 | |
| JP3550390B2 (ja) | 熱電変換素子及び熱電モジュール | |
| JP3032826B2 (ja) | 熱電変換材料及びその製造方法 | |
| JPH11317548A (ja) | 熱電変換材料及びその製造方法 | |
| CN101032038B (zh) | 热电转换器件、以及使用该热电转换器件的冷却方法和发电方法 | |
| JP3958857B2 (ja) | 熱電半導体材料の製造方法 | |
| JP2011198778A (ja) | 熱発電デバイスの製造方法 | |
| JPH11121815A (ja) | 熱電素子 | |
| JP5373225B2 (ja) | 熱電変換素子モジュールの製造方法 | |
| JPH11330569A (ja) | 熱電変換素子およびその製造方法 | |
| JP6869590B2 (ja) | 熱電構造体、熱電素子及びその製造方法 | |
| JPH05152616A (ja) | 半導体素子材チツプの製造方法とその熱電気変換モジユール | |
| JP2005294538A (ja) | 熱電素子、その製造方法及び熱電モジュール | |
| JPH01179376A (ja) | 熱電モジュールおよびその製造方法 | |
| JP4665391B2 (ja) | 熱電半導体材料、該熱電半導体材料による熱電半導体素子、該熱電半導体素子を用いた熱電モジュール並びにこれらの製造方法 | |
| JP2004349566A (ja) | 一方向凝固熱電結晶材料とその製造方法、これを用いた熱電素子とその製造方法、及び熱電モジュール | |
| RU2402111C2 (ru) | Кристаллическая пластина, прямоугольный брусок, компонент для производства термоэлектрических модулей и способ получения кристаллической пластины | |
| JP4925964B2 (ja) | 積層型熱電変換素子及びその製造方法 | |
| JP2000183412A (ja) | 積層材料の製造方法および製造装置 | |
| JP2013012571A (ja) | 熱電変換モジュールとその製造方法 | |
| JP3548560B2 (ja) | 熱電モジュール | |
| JP6022927B2 (ja) | 熱電モジュール |