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JP2000081290A - 過冷却解放装置、蓄熱体及び加熱暖房装置 - Google Patents

過冷却解放装置、蓄熱体及び加熱暖房装置

Info

Publication number
JP2000081290A
JP2000081290A JP10304536A JP30453698A JP2000081290A JP 2000081290 A JP2000081290 A JP 2000081290A JP 10304536 A JP10304536 A JP 10304536A JP 30453698 A JP30453698 A JP 30453698A JP 2000081290 A JP2000081290 A JP 2000081290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
release element
storage material
release
supercooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10304536A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Tsuruki
充啓 鶴来
Takashi Kishimoto
隆 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP10304536A priority Critical patent/JP2000081290A/ja
Publication of JP2000081290A publication Critical patent/JP2000081290A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D20/02Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
    • F28D20/028Control arrangements therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成及び動作にて過冷却状態にある蓄
熱材の過冷却状態を長期的に安定性良く確実に解放する
過冷却開放装置を提供する。 【解決手段】 過冷却状態にある蓄熱材5の過冷却状態
を解放する過冷却解放装置11である。蓄熱材5の格子
定数と近似する格子定数を有する部材にて形成された微
小空間29を有する解放素子1を具備する。この微小空
間29内で蓄熱材5の結晶核の種2を密集させる密集手
段を具備する。微小空間29内で結晶核の種2を、結晶
化が進行する臨界半径以上の結晶核として蓄熱材5の過
冷却状態の解放を進行させ、蓄熱材5の潜熱を放熱させ
ることができる。蓄熱材5の過冷却状態を解放し、任意
に熱を取り出す際簡単な構成および動作により長期的に
安定性良く確実に過冷却状態を解放することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過冷却状態にある
蓄熱材の過冷却状態を開放して放熱させる過冷却解放装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来無機酸水和物に代表されるような過
冷却を起こしやすい蓄熱材において、過冷却状態にある
この蓄熱材に刺激を与えて過冷却状態を解放することに
より任意に熱を取り出す方法においては、従来から種々
の物理的刺激が提案されている。このような従来から提
案されている物理的刺激としては、例えば過冷却状態に
ある蓄熱材中で2枚の金属を擦り合せることにより蓄熱
材に刺激を与える等の金属摩擦があるが、金属材料の表
面状態や擦り合せる力によって開放する場合としない場
合があって確実性が低いものであり、また擦り合せによ
る経時的な金属材料の磨耗により安定性が低下するとい
う欠点もある。また金属材料の擦り合せを外部からの動
作手段によって行う場合は、この動作手段にて金属材料
に大きな力を加える必要があり、そのため動作手段を作
動させるために大きな電力が必要なものであり、また動
作手段の大きさも大きくなって、蓄熱材や過冷却解放装
置を組み込んだ放熱システムを形成する際にサイズが大
きくなりすぎたり、消費エネルギーが大きくなりすぎた
りするものであった。
【0003】またその他の過冷却状態の解放手段とし
て、蓄熱材に結晶生成の核になる物質を挿入したり、ぺ
ルチェ素子による冷却を行う等の手段があるが、この場
合にも同様の問題があった。
【0004】このように従来は消費エネルギーが小さ
く、かつ小型の装置にて確実かつ長期に亘って繰り返し
蓄熱材の過冷却状態の解放を行うことができる手段は存
在しなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、簡単な構成及び動作にて過冷
却状態にある蓄熱材の過冷却状態を長期的に安定性良く
確実に解放する過冷却開放装置、この過冷却解放装置を
具備する蓄熱体、及びこの蓄熱体を具備する加熱暖房装
置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の過冷却解放装置11は、過冷却状態にある蓄熱材5の
過冷却状態を解放する過冷却解放装置11であって、内
面の少なくとも一部が蓄熱材5の格子定数と近似する格
子定数を有する部材34にて形成された微小空間29を
有する解放素子1と、この微小空間29内で蓄熱材の結
晶核の種2を密集させる密集手段とを具備して成ること
を特徴とするものである。
【0007】また本発明の請求項2に記載の過冷却解放
装置11は、請求項1の構成に加えて、一対の解放素子
部材18を鋭角状に配置して解放素子1を形成すると共
にこの一対の解放素子部材18の間に微小空間29を形
成し、かつ少なくとも一方の解放素子部材18を微小空
間29を小さくする方向に移動可能に形成して成ること
を特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項3に記載の過冷却解放
装置11は、請求項2の構成に加えて、一対の解放素子
部材18を、一端側にて接合すると共に他端側において
この一対の解放素子部材18間に弾性を有する材料を配
設して成ることを特徴とするものである。
【0009】また本発明の請求項4に記載の過冷却解放
装置11は、請求項2又は3の構成に加えて、一対の解
放素子部材18を鋭角が形成される側で接合すると共に
一対の解放素子部材18の少なくとも一方を弾性を有す
る材料で形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】また本発明の請求項5に記載の過冷却解放
装置11は、請求項1の構成に加えて、内側に微小空間
29が形成される凹部30を有する解放素子部材18
と、この凹部30に噛み合う形状の凸部31を有する解
放素子部材18とで解放素子1を形成すると共に、各解
放素子部材18を、凸部31と凹部30が近接離間可能
となるように配置して成ることを特徴とするものであ
る。
【0011】また本発明の請求項6に記載の過冷却解放
装置11は、請求項5に構成に加えて、内側に微小空間
29が形成される凹部30を有する解放素子部材18
と、この凹部30に噛み合う形状の凸部31を有する解
放素子部材18とを、一の材料を劈開することにより形
成して成ることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の請求項7に記載の過冷却解放
装置11は、請求項5の構成に加えて、内側に微小空間
29が形成される凹部30を有する解放素子部材18
と、この凹部30に噛み合う形状の凸部31を有する解
放素子部材18とを、一の材料を切断することにより形
成して成ることを特徴とするものである。
【0013】また本発明の請求項8に記載の過冷却解放
装置11は、請求項1乃至7の構成に加えて、解放素子
1の微小空間29を形成する面を粗面に形成して成るこ
とを特徴とするものである。
【0014】また本発明の請求項9に記載の過冷却解放
装置11は、請求項1の構成に加えて、一面が複数の凹
凸を有する粗面として形成されると共にこの粗面上の複
数の凹部30が微小空間29として形成され、かつ粗面
同士が対向するように配設された一対の解放素子部材1
8にて構成される解放素子1と、この一対の解放素子部
材18間の間隔を近接させて一方の解放素子部材18の
粗面上の凸部31と他方の解放素子部材18の粗面上の
微小空間29を噛み合わせることにより微小空間29内
で蓄熱材の結晶核の種2を密集させる密集手段とを具備
して成ることを特徴とするものである。
【0015】また本発明の請求項10に記載の過冷却解
放装置11は、請求項9の構成に加えて、解放素子部材
18の粗面における凹部30と凸部31との高低差を、
過冷却状態にある蓄熱材の結晶化臨界半径の3〜500
倍として成ることを特徴とするものである。
【0016】また本発明の請求項11に記載の過冷却解
放装置11は、請求項9又は10の構成に加えて、解放
素子部材18を離間させている状態における、一対の解
放素子部材18の粗面間の距離を0.2〜30μmとし
て成ることを特徴とするものである。
【0017】また本発明の請求項12に記載の過冷却解
放装置11は、請求項1乃至11のいずれかの構成に加
えて、解放素子1の、微小空間29内部における蓄熱材
5の格子定数と近似する格子定数を有する部材34にて
形成された面上に、蓄熱材の結晶35を付着させて成る
ことを特徴とするものである。
【0018】また本発明の請求項13に記載の過冷却解
放装置11は、請求項12の構成に加えて、過冷却解放
装置11をあらかじめ少なくとも一回作動させておくこ
とにより、解放素子1の、微小空間29内部における蓄
熱材5の格子定数と近似する格子定数を有する部材34
にて形成された面上に、蓄熱材の結晶35を付着させて
成ることを特徴とするものである。
【0019】また本発明の請求項14に記載の過冷却解
放装置11は、請求項12の構成に加えて、解放素子1
と蓄熱材の結晶35とを接触させることにより、解放素
子1の、微小空間29内部における蓄熱材5の格子定数
と近似する格子定数を有する部材34にて形成された面
上に、蓄熱材の結晶35を付着させて成ることを特徴と
するものである。
【0020】また本発明の請求項15に記載の過冷却解
放装置11は、請求項9乃至14のいずれかの構成に加
えて、解放素子1に形成された互いに対向する粗面の表
面積をそれぞれ0.1m2以上として成ることを特徴と
するものである。
【0021】また本発明の請求項16に記載の過冷却解
放装置11は、請求項1乃至15のいずれかの構成に加
えて、解放素子1の微小空間29を形成する面を構成す
る部材34として、その格子定数a,b,cから算出さ
れる(a×b×c)1/3の値が、蓄熱材5の格子定数a
´、b´、c´から算出される(a´×b´×c´)
1/3の値の40〜100%である部材34を用いて成る
ことを特徴とするものである。
【0022】また本発明の請求項17に記載の過冷却解
放装置11は、請求項1乃至16のいずれかの構成に加
えて、微小空間29を複数個形成して成ることを特徴と
するものである。
【0023】また本発明の請求項18に記載の過冷却解
放装置11は、請求項1乃至17のいずれかの構成に加
えて、微小空間29内で蓄熱材の結晶核の種2を密集さ
せる密集手段が、圧力負荷、振動、又はこれらの複合系
であることを特徴とするものである。
【0024】また本発明の請求項19に記載の過冷却解
放装置11は、請求項1乃至18のいずれかの構成に加
えて、駆動部と、駆動部の運動を一対の解放素子1のう
ちの一方に伝える弾性材料とで構成される密集手段を具
備して成ることを特徴とするものである。
【0025】また本発明の請求項20に記載の過冷却解
放装置11は、請求項1乃至19のいずれかの構成に加
えて、遠隔操作により作動させることが可能な密集手段
を具備して成ることを特徴とするものである。
【0026】また本発明の請求項21に記載の蓄熱体1
0は、請求項1乃至20のいずれかに記載の過冷却解放
装置11と、蓄熱材5とから成ることを特徴とするもの
である。
【0027】また本発明の請求項22に記載の蓄熱体1
0は、請求項21の構成に加えて、酢酸ナトリウム水和
物が含まれている蓄熱材5と、微小空間29を形成する
面を構成する部材34としてマルテンサイト系SUSを
含む材料、あるいはオーステナイト系SUS材又は析出
硬化型SUSを圧延して一部結晶系が立方晶から正方晶
に転移したSUSを含むものを用いた請求項1乃至20
のいずれかに記載の過冷却解放装置11とから成ること
を特徴とするものである。
【0028】また本発明の請求項23に記載の蓄熱体1
0は、請求項21又は22の構成に加えて、蓄熱材5と
して、外乱による過冷却解放素子1の作動を抑制するた
めの解放素子保定剤36が混入されているものを用いて
成ることを特徴とするものである。
【0029】また本発明の請求項24に記載の蓄熱体1
0は、請求項23の構成に加えて、解放素子保定剤36
として、高粘性又はゲル状の材料を用いて成ることを特
徴とするものである。
【0030】また本発明の請求項25に記載の蓄熱体1
0は、請求項24の構成に加えて、解放素子保定剤36
として、多孔性でありかつ柔軟性を有する材料を用いて
成ることを特徴とするものである。
【0031】また本発明の請求項26に記載の蓄熱体1
0は、請求項23乃至25のいずれかの構成に加えて、
微小空間29内部における蓄熱材5の格子定数と近似す
る格子定数を有する部材34にて形成された面上に解放
素子保定剤36が付着することを防ぐ解放素子保定剤付
着防止手段を具備して成ることを特徴とするものであ
る。
【0032】また本発明の請求項27に記載の蓄熱体1
0は、請求項26の構成に加えて、解放素子保定剤付着
防止手段として、解放素子1の、微小空間29内部にお
ける蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有する部
材34にて形成された面上に、蓄熱材の結晶35を付着
させて成ることを特徴とするものである。
【0033】また本発明の請求項28に記載の蓄熱体1
0は、請求項23乃至27のいずれかの構成に加えて、
一対の解放素子部材18間の平均距離を0.2〜10μ
mとして配設された解放素子1を具備して成ること特徴
とするものである。
【0034】また本発明の請求項29に記載の加熱暖房
装置は、請求項21乃至28に記載の蓄熱体10と、蓄
熱体10を加熱する加熱源14とを具備して成ることを
特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0036】過冷却状態にある蓄熱材5の過冷却状態を
解放して結晶化させることにより、蓄熱材5中の潜熱を
取り出すには、過冷却状態の蓄熱材5中に存在する微細
な結晶粒子である結晶核の種2(エンブリオ)を、結晶
化が進行する臨界半径以上の結晶核とすることにより、
蓄熱材5の結晶化を促進すればよい。そのためには、過
冷却状態にある蓄熱材5中の結晶核の種2を局所的に密
集させることにより、臨界半径以上にして結晶核を形成
すれば良いものである。
【0037】請求項1の発明は、過冷却状態にある蓄熱
材5の過冷却状態を解放する過冷却解放装置11であっ
て、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する格子定数を有
する部材34にて形成された微小空間29を有する解放
素子1と、この微小空間29内で蓄熱材5の結晶核の種
2を密集させる密集手段とを具備するものである。蓄熱
材5中の結晶核の種2は、蓄熱材5中の結晶核と近似し
た格子定数を有する物質上に析出しやすいため、図1に
示すように、開口部の幅aが0.01〜50μm、奥行
きbが0.01〜1000μmの外方に開口する微小空
間29を、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する格子定
数を有する部材34にて形成して解放素子1を形成し、
この解放素子1を過冷却状態の蓄熱材5中に配置する
と、結晶核の種2は微小空間29内の内面に析出するも
のであり、しかも一旦析出すると、この微小空間29か
ら遊離しにくくなる。そしてこのようにして微小空間2
9内に析出した結晶核の種2を密集手段にて密集させる
ことにより、結晶化が進行する臨界半径(結晶化臨界半
径)以上の結晶核として、蓄熱材5の結晶化を進行させ
ることができるものである。
【0038】また、図20に示すように、微小空間の内
面の一部のみを、蓄熱材の格子定数と近似する格子定数
を有する部材34にて形成してもよいものである。
【0039】解放素子1及び密集手段の詳細について
は、後述する。
【0040】請求項2の発明は、一対の解放素子部材1
8を鋭角状に配置して解放素子1を形成すると共にこの
一対の解放素子部材18の間に微小空間29を形成し、
かつ少なくとも一方の解放素子18を微小空間29を小
さくする方向に移動可能に形成したものである。
【0041】図3(a)は請求項2の発明に係る過冷却
解放装置11に用いる解放素子1の一例を示したもので
ある。
【0042】この図3(a)に示す例では、蓄熱材5の
結晶の格子定数と近似する格子定数を有する部材34の
板材を折り曲げ成形して素子片20と素子片20の端部
から斜めに突出する固定片19とを備える解放素子部材
18を形成し、このように形成される一対の解放素子部
材18の固定片19同士をその一面同士が対向する状態
で密着させて溶接等の方法で接合して、接合部分を固定
部32として形成すると共に、固定部32の一端から一
対の素子片20が互いに異なる方向へ突出するように形
成することによって、解放素子1を作製したものであ
る。ここで一対の素子片20の対向し合う面同士が成す
角が鋭角になるように形成するものである。この図3
(a)に示すものでは、一対の素子片20の対向し合う
面同士の間の固定部32側に、微小空間29が形成され
るものである。図中に微小空間29が形成されている部
分をイの○で囲って示す。
【0043】図3(b)は請求項2の発明に係る過冷却
解放装置11に用いる解放素子1の他の例を示したもの
であり、図3(a)に示すものと同様にして形成された
解放素子部材18を用い、一対の解放素子部材18同士
の接合を、固定片19同士をボルトとナットの組み合わ
せ等の接続部品3を用いて行うことにより、図3(a)
に示すものと同様に固定部32の一端から一対の素子片
20が互いに異なる方向へ突出するように形成したもの
である。ここで一対の素子片20の対向し合う面同士が
成す角が鋭角になるように形成するものである。このと
き固定部32における固定片19間の隙間が10μm以
下となるように形成することが好ましい。この図3
(b)に示すものでは、一対の素子片20の対向し合う
面同士の間の固定部32側に、微小空間29が形成され
るものである。図中に微小空間29が形成されている部
分をイの○で囲って示す。
【0044】図4は請求項2の発明に係る過冷却解放装
置11に用いる解放素子1の更に他の例を示したもので
ある。この図4に示す例では、蓄熱材5の結晶の格子定
数と近似する格子定数を有する部材34の板材にて、素
子片20のみからなる解放素子1を形成し、この一対の
解放素子部材18を接合せずに離間させて配置すると共
に、一対の解放素子部材18の対向する各面を含む平面
が成す角αが鋭角となるように配置したものである。こ
こで解放素子部材18間の最短距離は10μm以下とす
ることが好ましい。この図4に示すものでは、一対の素
子片20の対向し合う面同士の間の、解放素子1間の距
離が最短距離となる部分側に、微小空間29が形成され
るものである。図中に微小空間29が形成されている部
分をイの○で囲って示す。
【0045】そして上記の図3(a)(b)及び図4に
示す解放素子1では、一対の素子片20のうち一方又は
両方を、密集手段によって、図中の矢印に示すように対
向する他の素子片20側に押し込むことにより、微小空
間29を小さくして微小空間29内の結晶核の種2を密
集させることができるものである。密集手段としては、
人力や、アクチュエーター等を用いることができる。こ
こで図3(a)に示すように固定片19を密着させて固
定部32に隙間が形成されないようにすると、結晶核の
種2を非常に容易に密集させることができるが、図3
(b)に示すように固定部32に10μm以下の隙間が
形成される場合、あるいは図4に示すように解放素子1
間の最短距離が10μm以下となる場合においても充分
に結晶核の種2を密集させることができるものである。
尚、図8に示すように、一枚の板材を、鋭角を形成せず
に屈曲させて解放素子1´を形成したものでは、その凹
面内に微小空間29を形成することが困難であり、解放
素子1としての、結晶核の種2を析出させる効果は低い
ものである。
【0046】請求項3の発明は、一対の解放素子部材1
8を、一端側にて接合すると共に他端側においてこの一
対の解放素子部材18間に弾性を有する材料を配設した
ものである。
【0047】図5は請求項3の発明に係る過冷却解放装
置11に用いる解放素子1の一例を示したものである。
この図5に示す解放素子1を作製するにあたっては、ま
ず解放素子部材18として、蓄熱材5の結晶の格子定数
と近似する格子定数を有する部材34の板材にて固定素
子部材22を形成し、一方、蓄熱材5の結晶の格子定数
と近似する格子定数を有する部材34の板材を折り曲げ
成形して素子片20と素子片20の端部から斜めに突出
する固定片19とを備える可動素子部材21を形成す
る。そして可動素子部材21の固定片19と固定素子部
材22の端部とを接合して接合部を固定部32として形
成すると共に可動素子部材21の素子片20と固定素子
部材22とが対向するように配置し、更に可動素子部材
21の素子片20と固定素子部材22との間にバネ材等
の弾性を有する材料を、この弾性を有する材料の一端を
可動素子部材21の素子片20に接合すると共に他端を
固定素子部材22に接合して配設して解放素子1を形成
したものである。この図5に示すものでは、弾性を有す
る材料としてコイルバネ4を用いている。ここで可動素
子部材21の素子片20と固定素子部材22の対向し合
う面同士が成す角が鋭角になるように形成するものであ
る。この図5に示すものでは、可動素子部材21の素子
片20と固定素子部材22の対向し合う面同士の間の固
定部32側に、微小空間29が形成されるものである。
図中に微小空間29が形成されている部分をイの○で囲
って示す。
【0048】そして可動素子部材21の素子片20を、
密集手段によって、図中の矢印に示すように、対向する
固定素子部材22側に押し込むことにより、微小空間2
9を小さくして微小空間29内の結晶核の種2を密集さ
せることができるものである。そしてその後密集手段に
よる可動素子部材21の素子片20を押し込む力を解放
すると、可動素子部材21の素子片20は弾性を有する
材料の弾性力により元の位置に復元し、更に可動素子部
材21の素子片20を、密集手段によって、対向する固
定素子部材22側に押し込むことにより、繰り返し結晶
核の種2を密集させる動作を行うことができるものであ
る。ここで密集手段としては、人力やアクチュエーター
等を用いることができる。このとき解放素子部材18を
弾性を有する材料で形成する必要がないものである。こ
こで弾性を有する材料は、解放素子1の周囲に存在する
蓄熱材5の粘性を考慮し、蓄熱材5の粘性に対抗して可
動素子部材21の素子片20を元の位置に復元すること
ができるだけの強さのバネ定数を有するものを用いるこ
とが好ましい。
【0049】請求項4の発明は、一対の解放素子部材1
8を鋭角が形成される側で接合すると共に一対の解放素
子部材18の少なくとも一方を弾性を有する材料で形成
したものである。
【0050】図6は請求項4に係る過冷却解放装置11
に用いる解放素子1の一例を示したものである。この図
6に示す解放素子1を作製するにあたっては、まず解放
素子部材18として、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似
する格子定数を有する部材34の板材にて固定素子部材
22を形成し、一方蓄熱材5の結晶の格子定数と近似す
る格子定数を有する部材34の薄板材を湾曲成形したバ
ネ板からなる可動素子部材21を形成する。そして可動
素子部材21と固定素子部材22の一端部同士を接合し
て固定部32を形成すると共に可動素子部材21の凸面
と固定素子部材22とが対向するように配置して解放素
子1を形成したものである。ここで可動素子部材21と
固定素子部材22の対向し合う面同士が成す角が鋭角に
なるように形成するものである。この図5に示すもので
は、可動素子部材21と固定素子部材22の対向し合う
面同士の間の固定部32側に、微小空間29が形成され
るものである。図中に微小空間29が形成されている部
分をイの○で囲って示す。
【0051】そして可動素子部材21の素子片20を、
密集手段によって、図中の矢印に示すように、対向する
固定素子部材22側に押し込むことにより、微小空間2
9を小さくして微小空間29内の結晶核の種2を密集さ
せることができるものである。そしてその後密集手段に
よる可動素子部材21の素子片20を押し込む力を解放
すると、可動素子部材21は自身の弾性力により元の位
置に復元し、更に可動素子部材21を、密集手段によっ
て、対向する固定素子部材22側に押し込むことによ
り、繰り返し結晶核の種2を密集させる動作を行うこと
ができるものである。ここで密集手段としては、人力や
アクチュエーター等を用いることができる。このとき可
動素子部材21自体が弾性を有する材料で形成されてい
るので、他に弾性を有する材料を配設する必要がないも
のである。また可動素子部材21は、解放素子1の周囲
に存在する蓄熱材5の粘性を考慮し、蓄熱材5の粘性に
対抗して可動素子部材21の素子片20を元の位置に復
元することができるだけの強さのバネ定数を有するもの
を用いることが好ましい。
【0052】図7(a)乃至(c)は、請求項4の発明
の他の例を示すものである。
【0053】図7(a)に示す解放素子1を作製するに
あたっては、まず蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する
格子定数を有し、かつ弾性を有する部材の板材を解放素
子部材18とすると共に、この解放素子部材18の一端
付近及び他端付近の部分をそれぞれ素子片20とし、こ
の解放素子部材18を湾曲させて素子片20の内面同士
を対向させ、対向する素子片20の端部を重ねてボルト
とナットの組み合わせ等の接続部品3にて接合して接合
部分を固定部32として形成すると共に、固定部32の
一端から一対の素子片20が互いに異なる方向へ突出す
るように形成することによって、解放素子1を作製した
ものである。ここで一対の素子片20の対向し合う面同
士が成す角が鋭角になるように形成するものである。こ
の図7(a)に示すものでは、一対の素子片20の対向
し合う面同士の間の固定部32側に、微小空間29が形
成されるものである。図中に微小空間29が形成されて
いる部分をイの○で囲って示す。
【0054】そして上記の図7(a)に示す解放素子1
では、一対の素子片20のうち一方又は両方を、密集手
段によって、図中の矢印に示すように対向する他の素子
片20側に押し込むことにより、微小空間29を小さく
して微小空間29内の結晶核の種2を密集させることが
できるものである。密集手段としては、人力やアクチュ
エーター等を用いることができる。
【0055】図7(b)に示す解放素子1は、図7
(a)に示すものにおいて、解放素子部材18の端部を
接合する際に、接続部品3を用いずに、溶接により接合
したものである。この図7(b)に示す解放素子1にお
いても、図7(a)に示すものと同様に、一対の素子片
20のうち一方又は両方を、密集手段によって、図中の
矢印に示すように対向する他の素子片20側に押し込む
ことにより、微小空間29を小さくして微小空間29内
の結晶核の種2を密集させることができるものである。
【0056】図7(c)に示す解放素子1を作製するに
あたっては、まず蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する
格子定数を有し、かつ弾性を有する部材の板材を解放素
子部材18とすると共に、この解放素子部材18の一端
付近及び他端付近の部分をそれぞれ素子片20とし、一
方の素子片20の端部を固定部19とすると共に、他方
の素子片20の端部からやや離れた位置を固定部19と
して形成する。そしてこの解放素子部材18を湾曲させ
て、固定部19を端部に形成した素子片20を他方の素
子片20の内側まで巻き込み、この内側まで巻き込まれ
た素子片20の固定部19の外面と、他方の素子片20
の固定部19の内面とを重ねてボルトとナットの組み合
わせ等の接続部品3にて接合して接合部分を固定部32
として形成すると共に、固定部32の一端から一対の素
子片20が互いに異なる方向へ突出するように形成する
ことによって、解放素子1を作製したものである。ここ
で一対の素子片20の対向し合う面同士が成す角が鋭角
になるように形成するものである。この図7(b)に示
すものでは、一対の素子片20の対向し合う面同士の間
の固定部32側に、微小空間29が形成されるものであ
る。図中に微小空間29が形成されている部分をイの○
で囲って示す。
【0057】そして上記の図7(c)に示す解放素子1
では、解放素子部材18の、固定部32と対向する部分
に向けて、固定部32を密集手段によって、図中の矢印
に示すように押し込むことにより、微小空間29を小さ
くして微小空間29内の結晶核の種2を密集させること
ができるものである。密集手段としては、人力やアクチ
ュエーター等を用いることができる。
【0058】請求項5の発明は、内側に微小空間29が
形成される凹部30を有する解放素子部材18と、この
凹部30に噛み合う形状の凸部31を有する解放素子部
材18とで解放素子1を形成すると共に、各解放素子部
材18を、凸部31と凹部30が近接離間可能となるよ
うに配置したものである。
【0059】図2は請求項5に係る過冷却解放装置11
に用いる解放素子1の一例を示したものである。この図
2に示す解放素子1は、凹部30が形成された一方の解
放素子部材18と、凸部31が形成された他方の解放素
子部材18にて構成されるものである。凹部30の内面
は蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する格子定数を有す
る部材34にて形成するものであり、かつ凹部30の内
奥には、開口部の幅aが0.01〜50μm、奥行きb
が0.01〜1000μmの外方に開口する微小空間2
9を形成するものである。また凸部31は、凹部30と
噛み合わせることが可能であり、かつ凸部31を凹部3
0と噛み合わせることにより凸部31を凹部30内に配
置した際に、凸部31の先端部分と凹部30の最奥部と
の隙間の最短距離βを0.01〜1μmとすることがで
きるような形状に形成することが好ましい。またこの一
方の解放素子部材18と他方の解放素子部材18は、密
集手段により凹部30と凸部31とが離間した状態か
ら、凹部30と凸部31とが近接して凹部30と凸部3
1とが噛み合う状態の間で近接離間可能に配置するもの
である。ここで密集手段としては、人力やアクチュエー
ター等を用いることができる。
【0060】そして密集手段により、図2(a)に示す
ような凹部30と凸部31とが離間した状態から、図2
(b)に示すような凹部30と凸部31とを近接させて
凹部30と凸部31とが噛み合った状態とすることによ
り、図2(b)に示すように微小空間29を小さくして
微小空間29内の結晶核の種2を密集させることができ
るものである。
【0061】図20は、請求項5に係る過冷却解放装置
11に用いる解放素子1の他例を示したものである。こ
の図20に示す解放素子1は、凹部30が形成された一
方の解放素子部材18と、凸部31が形成された他方の
解放素子部材18にて構成されるものである。凹部30
の内面の一部は、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する
格子定数を有する部材34¥にて形成するものである。
そしてこの一方の解放素子部材18と他方の解放素子部
材18は、密集手段により凹部30と凸部31とが離間
した状態から、凹部30と凸部31とが近接して凹部3
0と凸部31とが噛み合う状態の間で近接離間可能に配
置するものである。ここで密集手段としては、人力やア
クチュエーター等を用いることができる。
【0062】そして密集手段により、図20(a)に示
すような凹部30と凸部31とが離間した状態から、図
20(b)に示すような凹部30と凸部31とを近接さ
せて凹部30と凸部31とが噛み合った状態とすること
により、図20(b)に示すように、微小空間29の、
蓄熱材5の結晶の格子定数と近似する格子定数を有する
部材34の上に付着した結晶核の種2を、凸部31の先
端にて凹部30の内奥に集めて微小空間29内の結晶核
の種2を密集させることができるものである。
【0063】請求項6の発明は、内側に微小空間29が
形成される凹部30を有する解放素子部材18と、この
凹部30に噛み合う形状の凸部31を有する解放素子部
材18とを、解放素子素材を劈開することにより形成す
るものである。
【0064】図10は請求項6に係る過冷却解放装置1
1に用いる解放素子1の一例を示したものである。解放
素子素材としては、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似す
る格子定数を有する均一な材料で形成された薄型の板材
を用いることが好ましく、この解放素子素材をポンチ等
の工具で叩くなどして劈開させて、一対の解放素子部材
18に分離するものである。このようにすると、各解放
素子部材18の劈開面には、複数の凹部30と凸部31
が形成され、しかもこの凹部30と凸部31を、凸部3
1が凹部30内に形成される微小空間29まで噛み合う
相似形に形成することができるものであるそして密集手
段を用いて、一対の解放素子部材18の劈開面同士を近
接させて、劈開面の凹部30と凸部31とが離間した状
態から、図10(b)に示すような複数の凹部30と凸
部31とを近接させて複数の凹部30と凸部31とが噛
み合った状態とすることにより、図10(b)に示すよ
うに凹部30内に形成されている微小空間29を小さく
して微小空間29内の結晶核の種2を密集させることが
できるものである。密集手段としては、人力やアクチュ
エーター等を用いることができる。このとき複数の微小
空間29を一回の操作で同時に小さくすることができ、
蓄熱材5の過冷却状態を解放させる確率を向上すること
ができるものである。
【0065】請求項7の発明は、内側に微小空間29が
形成される凹部30を有する解放素子部材18と、この
凹部30に噛み合う形状の凸部31を有する解放素子部
材18とを、解放素子素材を切断することにより形成し
たものである。
【0066】図11は請求項7に係る過冷却解放装置1
1に用いる解放素子1の一例を示したものである。解放
素子素材としては、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似す
る格子定数を有する均一均質な材料で形成された薄型の
板材を用いることが好ましく、この解放素子素材を押し
切り等の方法により、一部を残して切断すると、この切
断し残した部分にて接合された一対の解放素子部材18
を形成することができ、その各解放素子部材18の切断
面には複数の凹部30と凸部31が形成され、しかもこ
の凹部30と凸部31を、凹部30内に形成される微小
空間29まで噛み合う相似形に形成することができるも
のであるそして密集手段を用いて、図11に示すような
一対の解放素子部材18の一方を上方に湾曲させると共
に、他方を下方に湾曲させた状態から、上方に湾曲され
た解放素子部材18を下方に押し込むと共に下方に湾曲
された解放素子部材18を上方に押し込んで、切断面同
士を近接させ、切断面の凹部30と凸部31とが離間し
た状態から、図10(b)に示すような複数の凹部30
と凸部31とを近接させて複数の凹部30と凸部31と
が噛み合った状態とすることにより、図10(b)に示
すように凹部30内に形成されている微小空間29を小
さくして微小空間29内の結晶核の種2を密集させるこ
とができる。密集手段としては、人力やアクチュエータ
ー等を用いることができる。このとき複数の微小空間2
9を一回の操作で同時に小さくすることができ、蓄熱材
5の過冷却状態を解放させる確率を向上することができ
るものである。
【0067】請求項8の発明は、解放素子1の微小空間
29を形成する面を粗面に形成するものである。このよ
うにすると、過冷却状態の蓄熱材5中を浮遊する結晶核
の種2と、解放素子1の微小空間29を形成する面との
接触面積が大きくなり、解放素子1の微小空間29を形
成する面上に結晶核の種2が析出しやすくなって、蓄熱
材5の過冷却状態を解放させる確率を向上することがで
きるものである。このとき解放素子1の微小空間29を
形成する面は、その面上の凹凸の差が0.1〜10μm
となるように粗面化することが好ましいものである。
【0068】請求項9の発明は、一面が複数の凹凸を有
する粗面として形成されると共にこの粗面上の複数の凹
部30が微小空間29として形成され、かつ粗面同士が
対向するように配設された一対の解放素子部材18にて
構成される解放素子1と、この一対の解放素子部材18
間の間隔を近接させて一方の解放素子部材18の粗面上
の凸部31と他方の解放素子部材18の粗面上の微小空
間29を噛み合わせることにより微小空間29内で蓄熱
材5の結晶核の種2を密集させる密集手段とを具備する
ものである。
【0069】図21は、請求項9の発明に係る過冷却解
放装置11に用いる解放素子1の一例を示したものであ
る。
【0070】この図21に示す例では、蓄熱材5の結晶
の格子定数と近似する格子定数を有する部材34の板材
の一面を、複数の凹凸を有する粗面として形成すること
により、解放素子部材18を作製したものであり、この
ようにして作製された一対の解放素子部材18を、粗面
同士が対向するように配設することにより、解放素子1
を構成したものである。ここで粗面の凹部30の内面
は、微小空間29として形成されるものである。
【0071】そして、この図21に示す解放素子1で
は、図21(a)に示すような、一対の解放素子部材1
8が、一定の隙間を介して配設されている状態から、図
21(b)に示すように、一対の解放素子部材18のう
ち、一方又は両方を、密集手段により、対向する解放素
子部材18と近接させることにより、一方の解放素子部
材18の粗面上の凸部31と、他方の解放素子部材18
の粗面上の凹部30とを噛み合わせることにより、凹部
30内に形成されている微小空間29を小さくし、ある
いは微小空間29の内面の、蓄熱材5の格子定数と近似
する格子定数を有する部材34に付着している結晶核の
種2を凸部31の先端にて微小空間29の内奥に集める
ことにより、微小空間29内の結晶核の種2を密集させ
ることができるものである。密集手段としては、人力や
アクチュエーター等を用いることができる。このとき複
数の微小空間29において、一回の操作で同時に結晶核
の種2を密集させることができ、蓄熱材5の過冷却状態
を解放させる確率を向上することができるものである。
【0072】請求項10の発明は、解放素子部材18の
粗面における凹部30と凸部31との高低差を、過冷却
状態にある蓄熱材5の結晶化臨界半径の3〜500倍と
するものである。
【0073】すなわち、図21に示すような解放素子1
において、図22に拡大して示すように、解放素子部材
18の一面に形成された粗面の凹部30と凸部31との
高低差αを過冷却状態にある蓄熱材5の結晶化臨界半径
の3〜500倍とすると、粗面上の一つの凹部30内に
形成された微小空間29内に、十分な量の結晶核の種2
を存在させることができ、この微小空間29内の結晶核
の種2を、密集手段にて、図21(b)に示すように対
向する解放素子部材18同士を近接させて密集させるこ
とにより、容易に結晶化臨界半径以上の結晶核とするこ
とができ、蓄熱材5の結晶化を容易に進行させることが
できるものである。ここ結晶核の種2の結晶化臨界半径
は、蓄熱材5の種類により0.005μm〜0.5μm
の範囲で変動するものであり、粗面の凹部30と凸部3
1との高低差αの範囲は、用いる蓄熱材5の結晶核の種
2の結晶化臨界半径により適宜決定されるものである。
【0074】請求項11の発明は、解放素子部材18を
離間させている状態における、一対の解放素子部材18
の粗面間の距離を0.2〜30μmとするものである。
【0075】対向する解放素子部材18は、密集手段に
より、図21(a)に示す離間された状態から、図21
(b)に示す近接された状態となることにより、蓄熱材
5の過冷却状態を解放するものであり、また一旦過冷却
状態が解放された蓄熱材5を加熱溶融させた後冷却する
ことにより、再度過冷却状態とし、再び過冷却解放装置
11を作動させて過冷却状態を解放する場合、図22に
拡大して示す、解放素子部材18を離間させている状態
における、一対の解放素子部材18の粗面間の平均距離
βを0.2〜30μmとすると、結晶核の種2が、解放
素子部材18間の隙間の外へ拡散しにくくなり、再度過
冷却状態を解放させる際に解放素子部材18間の隙間に
十分な量の結晶核の種2を存在させることができるもの
であり、この状態で過冷却解放装置11を作動させるこ
とにより、蓄熱材5の結晶化を容易に進行させることが
できるものである。
【0076】請求項12の発明は、解放素子1の、微小
空間29内部における蓄熱材5の格子定数と近似する格
子定数を有する部材34にて形成された面上に、蓄熱材
5の結晶35を付着させるものである。図23(a)
は、図21に示す解放素子1において、請求項12の発
明を適用したものを示すものであり、蓄熱材5の格子定
数と近似する格子定数を有する部材34にて形成された
微小空間29の内部の面上に、蓄熱材5の結晶35を付
着させたものである。このような解放素子1を用いて過
冷却解放装置11を構成し、解放素子1を蓄熱材5内に
配置した後、蓄熱材5を過冷却状態とすると、図23
(b)に示すように、蓄熱材5の結晶核の種2が、解放
素子1の、微小空間29内部における蓄熱材5の格子定
数と近似する格子定数を有する部材34にて形成された
面上に付着した状態となる傾向が発生するものであり、
微小空間29の内面に十分な量の結晶核の種2を付着さ
せておくことができるものである。そしてこの状態で過
冷却解放装置11を作動させると、微小空間29の内面
に付着した十分な量の結晶核の種2を密集させることに
より、蓄熱材5の過冷却状態を容易に解放することがで
きるものである。従って、過冷却解放装置11にて蓄熱
材5の過冷却状態を初めて解放させる場合であっても、
蓄熱材5の過冷却状態を容易に解放することができるも
のである。
【0077】請求項13の発明は、過冷却解放装置11
をあらかじめ少なくとも一回作動させておくことによ
り、解放素子1の、微小空間29内部における蓄熱材5
の格子定数と近似する格子定数を有する部材34にて形
成された面上に、蓄熱材5の結晶35を付着させるもの
である。すなわち、製品として出荷する前に過冷却解放
装置11の解放素子1を過冷却状態の蓄熱材5中に配置
してあらかじめ作動させ、蓄熱材5の過冷却状態を解放
させると、蓄熱材5が結晶化し、解放素子1の微小空間
29内部における蓄熱材5の格子定数と近似する格子定
数を有する部材34にて形成された面上に蓄熱材5の結
晶35が付着することとなる。従って解放素子1の微小
空間29内部における蓄熱材5の格子定数と近似する格
子定数を有する部材34にて形成された面上に蓄熱材5
の結晶を容易に付着させることができるものである。
【0078】請求項14の発明は、解放素子1と蓄熱材
5の結晶とを接触させることにより、解放素子1の、微
小空間29内部における蓄熱材5の格子定数と近似する
格子定数を有する部材34にて形成された面上に、蓄熱
材5の結晶35を付着させるものである。このようにす
ると、解放素子1の微小空間29内部における蓄熱材5
の格子定数と近似する格子定数を有する部材34にて形
成された面上に蓄熱材5の結晶35を容易に付着させる
ことができるものである。
【0079】請求項15の発明は,図21に示すような
解放素子1において、解放素子1に形成された互いに対
向する粗面の表面積をそれぞれ0.1m2以上とするも
のである。このようにすると、解放素子1の、互いに対
向する粗面に、多数の微小空間29を形成することがで
き、このような解放素子1を有する過冷却解放装置11
を作動させると、一回の操作で多数の微小空間29にて
結晶核の種2を密集させることができるものであり、蓄
熱材5の過冷却状態を解放させる確率を向上することが
できるものである。また下記に示すように解放素子保定
剤36が混入された蓄熱材5中に解放素子1を配置して
過冷却解放素子1を作動させる場合においては、解放素
子保定剤36が、解放素子1の互いに対向する粗面間に
浸入することを防ぐことができ、過冷却解放装置11を
作動させる際に蓄熱材5の結晶核の種2を密集させる動
作が解放素子保定剤36によって阻害されるようなこと
を防ぐことができるものである。
【0080】請求項16の発明は、解放素子1の微小空
間29を形成する面を構成する部材として、その格子定
数a,b,cから算出される平均線径(a×b×c)
1/3の値が、蓄熱材5の結晶の格子定数a´、b´、c
´から算出される平均線径(a´×b´×c´)1/3
値の40〜100%である部材を用いるものである。蓄
熱材5の結晶の格子定数と近似する格子定数を有する部
材34として、特にこのようなものを用いると、解放素
子1の微小空間29を形成する面を構成する部材の結晶
に、過冷却状態の蓄熱材5の結晶が嵌り込みやすくな
り、そのため解放素子1の微小空間29を形成する面上
に結晶核の種2が析出しやすくなって、蓄熱材5の過冷
却状態を解放させる確率を向上することができるもので
ある。
【0081】請求項17の発明は、微小空間29を複数
個形成した解放素子1を用いるものである。このような
解放素子1の例を、図9乃至14に示す。尚、図10及
び図11に示すものについては、既に詳述した。
【0082】図9(a)に示すものは、蓄熱材5の結晶
の格子定数と近似する格子定数を有する部材34で形成
された薄型の板材にて解放素子部材18を形成し、この
解放素子部材18を複数枚重ね、中央部においてビスや
ボルトとナットの組み合わせ等の接続部品3にて接合す
ることによって、解放素子1を形成したものである。こ
の図9に示すものでは、重ね合わされた複数の解放素子
部材18間の隙間の接続部品3側に微小空間29が形成
されるものである。図中に微小空間29が形成されてい
る部分をイの○で囲って示す。このように形成される解
放素子1を、図9(c)のように蓄熱材5中に配置し、
密集手段にて、図中に矢印で示すように接続部品3を解
放素子部材18の厚み方向に押し込むと、各解放素子部
材18は蓄熱材5の粘性による抵抗の影響を受けて撓
み、それに従って解放素子部材18間の隙間が小さくな
って、複数の微小空間29が同時に小さくなり、各微小
空間29内の結晶核の種2を密集させることができるも
のである。密集手段としては、人力やアクチュエーター
等を用いることができる。ここで各解放素子部材18
は、蓄熱材5の粘性の影響をうけやすくなるように、平
面寸法を充分大きく形成すると共に、厚みを0.01〜
3mmに形成することが好ましい。また各解放素子部材
18を図9(b)に示すように短冊状に形成すると共
に、その中央部を中心に少しづつずらして放射状に重ね
た状態で接続部品3にて接合することにより解放素子1
を形成すると、各解放素子部材18にかかる蓄熱材5の
粘性による抵抗を大きくすることができる。
【0083】図12に示すものは、蓄熱材5の結晶の格
子定数と近似する格子定数を有する部材34で薄型の板
材を形成し、この板材の中央部を湾曲させて形成したバ
ネ板にて解放素子部材18を形成したものであり、そし
てこの一対の解放素子部材18をその中央部の凹面同士
が対向するように配置すると共に、解放素子部材18の
一端部同士及び他端部同士を接合して接合部分を固定部
32として形成することにより、解放素子1を構成した
ものである。この図12に示すものでは、各解放素子部
材18間の隙間の、各固定部32側に微小空間29が形
成されるものである。ここで一対の解放素子部材18の
対向し合う面同士が成す角が鋭角になるように形成する
ものである。
【0084】そしてこの解放素子1の一方又は双方の解
放素子部材18を、図中に矢印で示すように密集手段に
て対向する他方の解放素子部材18に向けて押し込むこ
とにより、解放素子部材18間の隙間が小さくなって、
一対の微小空間29が同時に小さくなり、各微小空間2
9内の結晶核の種2を密集させることができるものであ
る。そしてその後、密集手段による解放素子部材18を
押し込む力を解放すると、解放素子部材18は自身の弾
性力により元の位置に復元し、更に解放素子部材18
を、密集手段によって、対向する解放素子部材18側に
押し込むことにより、繰り返し結晶核の種2を密集させ
る動作を行うことができるものである。密集手段として
は、人力やアクチュエーター等を用いることができる。
このとき解放素子部材18自体が弾性を有する材料で形
成されているので、他に弾性を有する材料を配設する必
要がないものである。ここで解放素子部材18は、解放
素子1の周囲に存在する蓄熱材5の粘性を考慮し、蓄熱
材5の粘性に対抗して可動素子部材21の素子片20を
元の位置に復元することができるだけの強さのバネ定数
を有するものを用いることが好ましい。
【0085】図13に示すものは、蓄熱材5の結晶の格
子定数と近似する格子定数を有する部材34で板材を形
成し、この板材を屈曲成形することにより、解放素子部
材18を形成したものである。ここでこの解放素子部材
18は、中央部に弾性を有する材料が接合される接合凹
部33が設けられ、この接合凹部33の両端から素子片
20が接合部の凹部30の開口方向に斜めに延設され、
この各素子片20の端部から固定片19が延設された形
状に形成するものである。そして一対の解放素子部材1
8をその中央部の接合凹部33の開口が対向するように
配置すると共に、一端の固定片19同士及び他端の固定
片19同士を接合して接合部分を固定部32として形成
し、更にバネ材等の弾性を有する材料を、その一端を一
方の解放素子部材18の接合凹部33に接合すると共に
他端を他方の解放素子部材18の接合凹部33に接合し
て一対の解放素子部材18間に配設することにより、解
放素子1を形成したものである。ここで図13に示すも
のでは弾性を有する材料としてコイルバネ4を用いてい
る。この図13に示すものでは、対向する解放素子部材
18の素子片20間の各固定部32側に、一対の微小空
間29が形成されるものである。図中に微小空間29が
形成されている部分をイの○で囲って示す。ここで一対
の解放素子部材18の対向し合う素子片20同士が成す
角が鋭角になるように形成するものである。
【0086】そして一方又は双方の解放素子部材18
を、密集手段によって、図中に矢印で示すように対向す
る解放素子部材18側に押し込むことにより、一対の微
小空間29を小さくして各微小空間29内の結晶核の種
2を密集させることができるものである。そしてその後
密集手段による解放素子部材18を押し込む力を解放す
ると、解放素子部材18は弾性を有する材料の弾性力に
より元の位置に復元し、更に解放素子部材18片を、密
集手段によって、対向する解放素子部材18側に押し込
むことにより、繰り返し結晶核の種2を密集させる動作
を行うことができるものである。密集手段としては、人
力やアクチュエーター等を用いることができる。このと
き解放素子部材18を弾性を有する材料で形成する必要
がないものである。ここで弾性を有する材料は、解放素
子1の周囲に存在する蓄熱材5の粘性を考慮し、蓄熱材
5の粘性に対抗して解放素子部材18を元の位置に復元
することができるだけの強さのバネ定数を有するものを
用いることが好ましい。
【0087】図14に示すものは、蓄熱材5の結晶の格
子定数と近似する格子定数を有する部材34の板材を折
り曲げ成形して素子片20と素子片20の両端から斜め
上方及び斜め下方に突出する固定片19とを備える解放
素子部材18を形成し、このように形成される解放素子
部材18の両端の固定片19に他の解放素子1の固定片
19を固定片19の一面同士が対向する状態で密着させ
て溶接等の方法で接合して接合部分を固定部32として
形成すると共に、固定部32の一端から一対の素子片2
0が互いに異なる方向へ突出するように形成することに
よって、複数の解放素子部材18が接合された解放素子
1を作製したものである。ここで一つの固定片19から
突出する素子片20の対向し合う面同士が成す角が鋭角
になるように形成するものである。この図14に示すも
のでは、複数の各固定部32から突出する一対の素子片
20の対向し合う面同士の間の固定部32側に、微小空
間29が形成されるものである。図中に微小空間29が
形成されている部分をイの○で囲って示す。尚、この図
14に示すものでは、解放素子1の両端に配設され、一
端のみに他の解放素子部材18が接合されている解放素
子1として、他の解放素子部材18が接合されていない
側の端部には固定片19が形成されていないものを用い
ている。
【0088】そして、この解放素子1の両端に配設され
ている解放素子部材18のうちの一方又は双方を、密集
手段によって、図中の矢印に示すように対向する他の素
子片20側に押し込むことにより、解放素子1を構成す
る各解放素子部材18と、その解放素子部材18に対向
して配設されている他の解放素子部材18との間の隙間
を全て同時に小さくすることができ、複数の微小空間2
9を同時に小さくして微小空間29内の結晶核の種2を
密集させることができるものである。密集手段として
は、人力やアクチュエーター等を用いることができる。
【0089】上記のように請求項17の発明では、複数
の微小空間29を一回の操作で同時に小さくすることが
でき、蓄熱材5の過冷却状態を解放させる確率を向上す
ることができるものである。
【0090】請求項18の発明は、微小空間29内で蓄
熱材5の結晶核の種2を密集させる密集手段を、圧力負
荷、振動、又はこれらの複合系としたものである。具体
的には、圧力負荷は、空気圧、磁力、電流等による制御
によって作動するアクチュエーターを使用して行うこと
ができるものであり、また振動を与える場合は、後述す
るバイモルフ型アクチュエーターや、超音波振動等のよ
うな、電圧印加による素子の変形を利用した振動機器等
を用いることができる。
【0091】請求項19の発明は、駆動部と、駆動部の
運動を一対の解放素子1のうちの一方に伝える弾性材料
とで構成される密集手段を具備するものである。
【0092】図27は、請求項19に係る過冷却解放装
置11を示すものである。この過冷却解放装置11は、
有底円筒状の上ハウジング部材38と、有底円筒状の下
ハウジング部材39とで構成されるハウジング37を備
えている。このハウジング37は、ポリプロピレン樹脂
等により成形されたものを用いることができる。この上
ハウジング部材38の上底面には、上下に貫通する上貫
通孔46を設け、外周面には、雄ねじ溝41を設けてい
る。また下ハウジング部材39の下底面には上下に貫通
する下貫通孔47を設け、内周面には、上ハウジング部
材37の雄ねじ溝41に螺合される雌ねじ溝40を設け
ている。また上ハウジング部材37の上部には、駆動部
としてソレノイド7を、その可動鉄心24が上貫通孔4
6から下方に挿通してハウジング37の内部に配置され
るように配設する。また下ハウジング部材39の底面に
は、シリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料や蛇腹状
に形成された材料等の弾性材料からなる弾性シート8
を、下貫通孔47を覆うように、あるいは下貫通孔47
から下方に突出するように設ける。ここで弾性シート8
は、上ハウジング部材38の下端と下ハウジング部材3
9の底面にて挟持して設けることができる。一方、解放
素子1としては、図21に示すようなものを用い、この
解放素子1の、対向して配置される一対の素子部材を、
その一面同士が所定の間隔をあけて対向するように配置
すると共に、この一対の解放素子部材18の端部を、ビ
ス43とナット44の組み合わせ等の固着具42に固着
して解放素子1を形成する。ここで解放素子1として
は、略同一寸法の解放素子部材18を対向させて配置し
たものを用いてもよく、また図27に示すように、ハウ
ジング37側に配置される解放素子部材18の側方への
突出寸法を大きく形成し、この突出部分を下貫通孔47
の下方に配置するようにしても良い。そして固着具42
の脚部45を下ハウジング部材39の下底部に固着する
と共に、一対の解放素子部材18のうちの一方を、下貫
通孔47の下方に配置して、過冷却解放装置11を構成
している。ここで密集手段は、駆動部であるソレノイド
7と、弾性材料である弾性シート8にて構成されてい
る。また弾性シート8と解放素子1とは、弾性シート8
が、下貫通孔47の下方に配置される解放素子部材18
に当接するように設けることが好ましい。
【0093】この過冷却解放装置11を用いて過冷却状
態の蓄熱材5の過冷却状態を解放させるにあたっては、
まず過冷却解放装置11の解放素子1を蓄熱材5内に、
駆動部であるソレノイド7を蓄熱材5外に配置し、この
状態で駆動部であるソレノイド7を作動させる。このと
きソレノイド7の可動鉄心24は、下方に突出して弾性
シート8を下方に押圧すると共に、弾性シート8を介し
て解放素子1の、下貫通孔47の下方に配置されている
解放素子部材18を下方に押圧し、この解放素子部材1
8を弾性変形させ、一対の解放素子部材18間の間隔を
近接させて一方の解放素子部材18の粗面上の凸部31
と他方の解放素子部材18の粗面上の凹部30内の微小
空間29を噛み合わせ、微小空間29内で蓄熱材5の結
晶核の種2を密集させて蓄熱材5の過冷却状態を解放さ
せる。ここで解放素子1として図27に示すようなもの
を用いる場合は、ハウジング部材側に配置される解放素
子部材18が、駆動部の運動により下方に弾性変形した
際に、この解放素子部材18の付け根において、この解
放素子部材18と、対向する解放素子部材18とが近接
して、過冷却状態の解放が行われる。このとき可動鉄心
24を複数回往復運動させることにより、より確実に過
冷却状態を解放させることもできる。このような構成の
過冷却解放装置11を用いると、密集手段の駆動部と、
解放素子1とを、弾性材料にて分離して、駆動部の周囲
に蓄熱材5が存在しないようにすることができ、駆動部
にかかる摩擦抵抗を低減して動作性を向上することがで
きるものである。ここで弾性材料としては、駆動部の運
動を、なるべく減衰させることなく解放素子部材18に
伝達できるものを選択することが好ましい。
【0094】請求項20の発明は、遠隔操作により作動
させることが可能な密集手段を具備するものである。
【0095】図15は請求項20の発明に係る過冷却解
放装置11の一例を示したものであり、解放素子1にバ
イモルフ型アクチュエーター6を組み合わせることによ
り、遠隔操作できるようにしたものである。ここでバイ
モルフ型アクチュエーター6は、金属弾性板を中心電極
として、二枚の圧電素子の薄板をこの金属弾性板の両面
に貼り合わせた構造を有し、この二枚の圧電素子が、電
圧により、一方が伸びる際に他方が縮んで変形するよう
に結線して形成したものである。そして、図15に示す
か冷却解放装置11を作製するにあたっては、まず解放
素子部材18として、蓄熱材5の結晶の格子定数と近似
する格子定数を有する部材34の板材にて固定素子部材
22と可動素子部材21とを形成し、可動素子部材21
の一面の全面に上記のようなバイモルフ型アクチュエー
ター6を貼着する。そして可動素子部材21と、固定素
子部材22とを、可動素子部材21のバイモルフ型アク
チュエーター6が貼着されていない面と固定素子部材2
2とが対向するように配置すると共に、可動素子部材2
1と固定素子部材22の端部同士をボルトとナットの組
み合わせ等の接続部品3によって接合して、接合部分を
固定部32として形成する。ここで可動素子部材21の
素子片20と固定素子部材22の対向し合う面同士が成
す角が鋭角になるように形成するものである。図中に微
小空間29が形成されている部分をイの○で囲って示
す。そしてバイモルフ型アクチュエーターからリード線
を引き、過冷却解放装置11から離れた位置にある操作
部に接続し、操作部にてバイモルフ型アクチュエーター
6に流れる電流を制御するようにするものである。
【0096】そして操作部にてバイモルフ型アクチュエ
ーター6が固定素子部材22側へ変形するように電流制
御を行うと、可動素子部材21がバイモルフ型アクチュ
エーター6の変形に追随して固定素子部材22側へ押し
込まれ、微小空間29を小さくして微小空間29内の結
晶核の種2を密集させることができるものである。また
バイモルフ型アクチュエーター6が固定素子部材22側
への変形と固定素子部材22の反対側への変形を繰り返
すように電流制御すると、微小空間29を繰り返し小さ
くすることができるものであり、微小空間29内の結晶
核の種2を密集させて蓄熱材5の過冷却状態を解放する
確率を向上することができるものである。
【0097】図16は請求項20の発明に係る過冷却解
放装置11の他の例を示したものである。この図16に
示す過冷却解放装置11に用いている解放素子1は、ま
ず解放素子部材18として、蓄熱材5の結晶の格子定数
と近似する格子定数を有する部材34の板材にて固定素
子部材22を形成し、一方蓄熱材5の結晶の格子定数と
近似する格子定数を有すると共に弾性を有するバネ板か
らなる可動素子部材21を形成する。そして可動素子部
材21と固定素子部材22の一端部同士を接合して固定
部32を形成すると共に可動素子部材21と固定素子部
材22とが対向するように配置して解放素子1を形成し
たものである。ここで可動素子部材21と固定素子部材
22の対向し合う面同士が成す角が鋭角になるように形
成するものである。この図5に示すものでは、可動素子
部材21と固定素子部材22の対向し合う面同士の間の
固定部32側に、微小空間29が形成されるものであ
る。図中に微小空間29が形成されている部分をイの○
で囲って示す。そしてこのようにして形成される解放素
子1の、可動素子部材21側に密集手段としてソレノイ
ド7を配設することにより、過冷却解放装置11を構成
したものである。ここでソレノイド7は、ソレノイド7
の可動鉄心24の先端が解放素子1の可動素子部材21
に近接させて配置され、かつソレノイド7に電流が流れ
た際に可動鉄心24が可動素子部材21側に突出して可
動素子部材21を固定素子部材22側に押し込むような
位置に配設するものである。そしてこのソレノイド7か
らリード線を引いて過冷却解放装置11から離れた位置
にある操作部に接続し、操作部にてソレノイド7に流れ
る電流を制御するようにするものである。
【0098】そして操作部にてソレノイド7に電流が流
れるように制御して、ソレノイド7の可動鉄心24を突
出させ、解放素子1の可動素子を固定素子側に押し込ま
せることにより、微小空間29を小さくして微小空間2
9内の結晶核の種2を密集させることができるものであ
る。
【0099】また請求項20の発明は、上記の図15、
16に示した構成に限るものではなく、磁気や電磁波を
発生すると共にこの磁気や電磁波を運動に変換する装置
にて形成される密集手段と解放素子1とを組み合わせて
過冷却解放装置11を構成し、この密集手段からリード
線をリード線を引いて過冷却解放装置11から離れた位
置にある操作部に接続し、操作部にて密集手段を操作す
ることができるもので構成することができるものであ
る。
【0100】このように請求項20の発明では、操作す
る者と過冷却解放装置11が離れた位置にあるときであ
っても、容易に過冷却解放装置11を作動させることが
できるものである。
【0101】請求項21の発明は、以上に示したような
過冷却解放装置11と、蓄熱材5とから成る蓄熱体10
である。図28は、請求項21に係る蓄熱体10の一例
を示すものである。この図28に示すものでは、ポリプ
ロピレン製等の容器9内に蓄熱材5を充填することによ
り、蓄熱ボード48を構成している。この蓄熱ボード4
8の容器9には開口部49を形成し、この開口部49に
図27に示すような過冷却解放装置11を配設してい
る。ここで過冷却解放装置11は、容器9の開口部49
を通して解放素子1を容器9内の蓄熱材5中に配置する
と共に、駆動部であるソレノイド7を容器9外に配置し
た状態で、容器9の開口部49を過冷却解放装置11の
ハウジング37にて溶着、接着、あるいはねじ込み等の
方法で密栓することにより、蓄熱ボード48に配設する
ものである。溶着にて蓄熱ボード48に過冷却解放装置
11を配設する場合は、超音波による溶着や、過冷却解
放装置11のハウジング37を容器9の開口部49に密
接させた状態で回転させることにより摩擦熱を発生させ
て溶着するスピンウェルドを適用することができる。
【0102】請求項22の発明は、蓄熱材5として酢酸
ナトリウム水和物が含まれているものを用い、微小空間
29を形成する面を構成する部材としてマルテンサイト
系SUSを含む材料、あるいはオーステナイト系SUS
材又は析出硬化型SUSを圧延して一部結晶系が立方晶
から正方晶に転移したSUSを含むものを用いるもので
ある。ここで酢酸ナトリウム水和物が含まれている蓄熱
材5としては、例えば酢酸ナトリウム3水和物を100
重量部、水15重量部、キサンタンガム2重量部の組成
を有するものなどを用いることができる。
【0103】酢酸ナトリウム水和物の結晶系は単斜晶で
あり、その格子定数はa´=12.4、b´=10.
5、c´=10.4なので、本発明のように蓄熱材5と
して酢酸ナトリウム水和物が含まれているものを用い、
解放素子1の微小空間29を形成する面を構成する部材
として、この酢酸ナトリウム水和物の格子定数に近似し
た格子定数を有するマルテンサイト系のSUSを使用す
ることにより、解放素子1の微小空間29を形成する面
に結晶核の種2が析出しやすくなるものである。
【0104】またオーステナイト系SUS又は析出硬化
型SUSでも、圧延加工等を施すことにより、一部の結
晶系が立方晶から正方晶に転移するものであり、この転
移により生じた正方晶系の結晶の格子定数a,b,cか
ら算出される(a×b×c) 1/3の値が、酢酸ナトリウ
ム水和物の格子定数a´、b´、c´から算出される
(a´×b´×c´)1/3の値の40〜100%の範囲
となる。そのため蓄熱材5として酢酸ナトリウム水和物
が含まれているものを用い、解放素子1の微小空間29
を形成する面を構成する部材として、このようにオース
テナイト系SUS材を圧延して一部結晶系が立方晶から
正方晶に転移したSUSを使用することにより、解放素
子1の微小空間29を形成する面に結晶核の種2が析出
しやすくなるものである。
【0105】ここで、微小空間29を形成する面を構成
する部材として、酢酸ナトリウム水和物と同じ単斜晶系
の結晶格子を有するものを用いると、この微小空間29
を形成する面を構成する部材自体が結晶核となってしま
う可能性があって、蓄熱材5の過冷却状態を自然解放し
てしまうおそれがあり、蓄熱材5の結晶と同一の結晶系
を有する部材は、微小空間29を形成する面を構成する
部材としては好ましくないものである。
【0106】請求項23の発明は、蓄熱材5として、外
乱による過冷却解放素子1の作動を抑制するための解放
素子保定剤36が混入されているものを用いるものであ
る。すなわち、過冷却解放装置11と、蓄熱材5とから
成る蓄熱体10に、不意の振動、圧力、衝撃等の外乱が
加わった場合に解放素子1に力が加わり、解放素子1が
作動して蓄熱材5の過冷却状態が解放してしまうことを
防ぐために、解放素子1を保定して安定に過冷却状態を
維持するための解放素子保定剤36を蓄熱材5中に混入
するものである。
【0107】請求項24の発明は、解放素子保定剤36
として、高粘性又はゲル状の材料を用いるものである。
【0108】図24は、請求項24の発明に係る蓄熱体
10を示すものであり、図中において密集手段は省略し
ている。この図24に示すものでは、容器9内に蓄熱材
5を充填させて構成される蓄熱ボード48中に、図21
に示すような解放素子1を配置している。そして、蓄熱
材5中には、解放素子保定剤36として、蓄熱材5中に
分散し、静止状態において高粘度を示す増粘剤等の材料
や、蓄熱材5中において三次元骨格構造を形成すること
によりゲル状となる材料を混入することにより、解放素
子1を蓄熱材5中に保定して、外乱による解放素子1の
作動を防ぐものである。ここで高粘性の材料としては、
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、酸化ポリエチ
レン等の、水溶性のポリマー全般を使用することができ
る。またゲル状の材料としては、キサンタンガムに代表
される多糖類、ベントナイト、アタパルジャイト等の粘
土、シリカ、セルロース全般、ラポナイト(商品名、日
本シリカ工業株式会社製)等を用いることができる。こ
こでラポナイトとは、天然クレー鉱物に属し、天然ヘク
トライトに類似した図31(a)に示すような構造と組
成を有する無機白色粉末であり、溶液中で分散して図3
1(b)、(c)に示すようなガードハウス構造をと
り、強いゲル強度を示すものである。このようにする
と、蓄熱材5の粘度が高くなって、蓄熱材5に不意の振
動、圧力、衝撃等の外乱が加わった場合でもその振動等
が蓄熱材5に吸収されると共に、解放素子1は高粘度の
蓄熱材5中に保持されるため、解放素子1が勝手に作動
して蓄熱材5の過冷却状態が解放されてしまうことを防
ぐことができるものである。
【0109】請求項25は、解放素子保定剤36とし
て、多孔性でありかつ柔軟性を有する材料を用いるもの
である。
【0110】図25は請求項25の発明に係る蓄熱体1
0を示すものであり、図中において密集手段は省略され
ている。この図25に示すものでは、容器9内に蓄熱材
5を充填させて構成される蓄熱ボード48中に、図21
に示すような解放素子1を配置している、そして蓄熱材
5中には、連続孔を有すると共に柔軟性の成る多孔性の
材料を混入することにより、解放素子1を蓄熱材5中に
保定して、外乱による解放素子1の作動を防ぐものであ
る。ここで多孔性でありかつ柔軟性を有する材料として
は、不織布やスポンジ等を用いることができる。このよ
うにすると、蓄熱材5に不意の振動、圧力、衝撃等の外
乱が加わった場合でもその振動等が蓄熱材5中の多孔性
でありかつ柔軟性を有する材料に吸収されると共に、解
放素子1はこの多孔性でありかつ柔軟性を有する材料に
保持されるため、解放素子1が勝手に作動して蓄熱材5
の過冷却状態が解放されてしまうことを防ぐことができ
るものである。
【0111】請求項26の発明は、微小空間29内部に
おける蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有する
部材34にて形成された面上に解放素子保定剤36が付
着することを防ぐ解放素子保定剤付着防止手段を備させ
たものである。すなわち蓄熱材5中に上記のような解放
素子保定剤36を混入する場合、微小空間29内部にお
ける蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有する部
材34にて形成された面上にまで解放素子保定剤36が
浸入してくると、微小空間29の内面に結晶核の種2を
付着させることができなくなり、過冷却解放装置11を
作動させても微小空間29内で結晶核の種2を密集させ
ることが困難となって、蓄熱材5の過冷却状態を解放さ
せる確率が低下するおそれがあるため、微小空間29内
部における蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有
する部材34にて形成された面上に解放素子保定剤36
が付着することを防ぐ解放素子保定剤付着防止手段を設
けることにより、微小空間29内面における結晶核の種
2の付着が阻害されることを防ぎ、過冷却解放素子1を
作動させた際の蓄熱材5の過冷却状態を解放させる確率
を向上させたものである。
【0112】請求項27の発明は、解放素子保定剤付着
防止手段として、解放素子1の、微小空間29内部にお
ける蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有する部
材34にて形成された面上に、蓄熱材5の結晶を付着さ
せたものである。
【0113】図26は図21に示すような解放素子1
を、解放素子保定剤36が混入された蓄熱材5中に配置
した構成において、請求項27の発明を適用したものを
示すものであり、図26(a)は、蓄熱材5の格子定数
と近似する格子定数を有する部材34にて形成された微
小空間29の内部の面上に、蓄熱材5の結晶35を付着
させたものである。図中において密集手段は省略してい
る。このような状態で、解放素子1を蓄熱材5内に配置
した後、蓄熱材5を過冷却状態とすると、図23(b)
に示すように、蓄熱材5の結晶核の種2が、解放素子1
の、微小空間29内部における蓄熱材5の格子定数と近
似する格子定数を有する部材34にて形成された面上に
付着した状態となる傾向が発生するものであり、図中に
示すように、解放素子1の微小空間29内に解放素子保
定剤36が浸入している場合であっても、微小空間29
の内面に結晶核の種2を確実に付着させておくことがで
きるものである。そしてこの状態で過冷却解放装置11
を作動させると、微小空間29の内面に付着した結晶核
の種2を密集させることにより、微小空間29内に解放
素子保定剤36が浸入している場合であっても蓄熱材5
の過冷却状態を容易に解放することができるものであ
る。
【0114】蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を
有する部材34にて形成された微小空間29の内部の面
上に、蓄熱材5の結晶35を付着させる方法としては、
過冷却解放装置11をあらかじめ少なくとも一回作動さ
せておくことにより、解放素子1の、微小空間29内部
における蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有す
る部材34にて形成された面上に、蓄熱材5の結晶を付
着させる方法を挙げることができる。すなわち、製品と
して出荷する前に過冷却解放装置11の解放素子1を過
冷却状態の蓄熱材5中に配置してあらかじめ作動させ、
蓄熱材5の過冷却状態を解放させると、蓄熱材5が結晶
化し、解放素子1の微小空間29内部における蓄熱材5
の格子定数と近似する格子定数を有する部材34にて形
成された面上に蓄熱材5の結晶35が付着することとな
る。従って解放素子1の微小空間29内部における蓄熱
材5の格子定数と近似する格子定数を有する部材34に
て形成された面上に蓄熱材5の結晶35を容易に付着さ
せることができるものである。
【0115】また、解放素子1と蓄熱材5の結晶とを接
触させることにより、解放素子1の、微小空間29内部
における蓄熱材5の格子定数と近似する格子定数を有す
る部材34にて形成された面上に、蓄熱材5の結晶35
を付着させることもできるものであり、このようにする
と、解放素子1の微小空間29内部における蓄熱材5の
格子定数と近似する格子定数を有する部材34にて形成
された面上に蓄熱材5の結晶35を容易に付着させるこ
とができるものである。
【0116】請求項28の発明は、解放素子保定剤36
が混入された蓄熱材5中に解放素子1を配置する構成に
おいて、一対の解放素子部材18間の平均距離を0.2
〜10μmとして配設された解放素子1を用いるもので
ある。解放素子保定剤36が混入された蓄熱材5中に解
放素子1を配置する構成においては、解放素子保定剤付
着防止手段を備えない場合はもちろんのこと、図26に
示すような、解放素子保定剤付着防止手段を備える場合
においても、一対の解放素子部材18間に解放素子保定
剤36が極力浸入しないようにすると、過冷却解放装置
11を作動させたときの蓄熱材5の過冷却状態を解放さ
せる確率を向上することができるものであり、そのため
に、一対の解放素子部材18間の平均距離を0.2〜1
0μmとして、解放素子部材18間に解放素子保定剤3
6が浸入しにくくするものである。
【0117】請求項29の発明は、加熱暖房装置を、以
上に示したような過冷却解放装置11を備える蓄熱体1
0と、蓄熱体10を加熱する加熱源14とで構成したも
のである。
【0118】すなわち蓄熱材5を容器9に入れると共
に、過冷却解放装置11を解放素子1が蓄熱材5中に配
設されるように設置して蓄熱体10を構成し、更にこの
蓄熱材5を融点以上に加熱する加熱源14を設置するこ
とにより、繰り返し放熱制御運転を行うことができる加
熱機器や暖房機器を得ることができるものであり、この
とき、蓄熱材5を加熱源14にて融点以上に加熱して溶
融させ、その後冷却されて過冷却状態とし、過冷却解放
装置11を作動させて過冷却状態を解放して蓄熱材5か
ら潜熱を取り出し、この潜熱を加熱や暖房に利用するも
のであり、また過冷却状態が解除された蓄熱材5を再び
加熱源14にて加熱して溶融させ、繰り返し蓄熱材5か
ら潜熱を取り出して、加熱や暖房に利用することができ
るものである。
【0119】このようにして構成される加熱暖房装置を
例えば車載用としてエンジンルームに設置すると、エン
ジン廃熱や補助加熱源を加熱源14として蓄熱材5を加
熱溶融して蓄熱し、夜間に過冷却状態となった蓄熱材5
を、翌朝遠隔操作にて過冷却解放装置11を作動させる
ことにより過冷却状態を解放させて蓄熱材5から潜熱を
取り出して、エンジンを急激に温めるようにすることが
できる。このようにすると、真冬であってもエンジンが
かかりやすくなり、エンジン加熱のためのアイドリング
を行う必要がなくなって、環境保護に貢献することがで
きるものである。
【0120】またこのようにして構成される加熱暖房装
置を車載用暖房機器や家庭用暖房機器に設け、これらの
暖房機器を起動した際に蓄熱材5から潜熱を取り出すよ
うにして、暖房の立ち上がりの悪さを解消し、起動時に
速やかに暖房効果を発揮することができる即暖の暖房機
器を得ることができるものである。
【0121】また上記のような技術を床暖房に利用する
ことができる。図19はこのような床暖房装置27の一
例を示したものである。この図19に示すものでは、床
暖房装置27は、床下断熱材26の上面に下床材16を
貼って形成された床下地上に根太13が配設されてお
り、この根太13の間に床暖房装置27を配設し、さら
に根太13の上に上床材12を配設して構成されている
ものである。この床暖房装置27は、ヒーター断熱材1
5の上面に、加熱源14として電熱線28が配設された
ヒーター14a等の加熱源14を設け、更にその上面
に、蓄熱材5を容器9に入れると共に、過冷却解放装置
11を解放素子1が蓄熱材5中に配設されるように設置
して形成した蓄熱体10を設けたものである。
【0122】このような床暖房装置27を用い、例えば
夜中の23時から翌朝7時までの夜間電力のみで加熱源
14を作動させて床暖房を行うと共に蓄熱材5を加熱溶
融して蓄熱し、加熱源14の作動を停止した後、昼間の
任意の時間に過冷却解放装置11を作動させて過冷却状
態の蓄熱材5から潜熱を取り出すようにすると、夜間電
力のみで加熱源14を作動させるだけで一日中平均して
快適な床暖房温度を保つことができるものであり、ラン
ニングコストを低減することができるものである。この
とき従来のような、蓄熱した熱を自然放熱するだけの機
能しか有さない蓄熱材5を用いたとすると、加熱源14
の作動を停止した後、蓄熱材5に蓄熱された熱はは速や
かに自然放熱してしまい、次に加熱源14による加熱を
行う夜23時には熱を放熱しきって暖房性能が低下する
おそれがあったものである。また昼間に家に人がいなく
なる家庭においては、図19に示すような床暖房装置2
7を用い、夜間帰宅したときに過冷却解放装置11を作
動させて過冷却状態の蓄熱材5から潜熱を取りだ出して
暖房を行い、蓄熱材5が放熱しきった時点で加熱源14
を作動させるようにし、朝7時に加熱源14の作動を停
止させるようにすると、夜間に加熱源14を作動させて
暖房及び蓄熱材5への蓄熱を行う時間を短縮することが
でき、更にランニングコストを低減することができるも
のである。
【0123】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
尚、本発明は以下の実施例に限られるものではない。 (実施例1〜11、比較例1〜3)各実施例について、
表1に示す素子素材にて、表1の解放素子1形状の欄
に、図面の番号で示す形状の解放素子1を形成した。こ
こで接続部品3を使用する解放素子1については、接続
部品3として解放素子1を構成する素子素材にて形成さ
れたボルトとナットの組み合わせを用いた。一方0.5
mm厚のPVCシート製の可撓性素材にて形成された容
器内に、表1に示す蓄熱材5を、解放素子1と共に封入
した。この状態で蓄熱材5を70℃まで加熱した後30
℃まで冷却して過冷却状態とし、解放素子1に外力を加
えて作動させ、蓄熱材5の過冷却状態の解放の発生の有
無を、表1の評価の欄に示した。
【0124】
【表1】 ここで表1中の蓄熱材の平均線径の欄の数値は格子定数
a´、b´、c´から算出される(a´×b´×c´)
1/3の値、解放素子の平均線径の欄の数値は格子定数
a,b,cから算出される(a×b×c)1/3の値をそ
れぞれ示すものである。また*1の欄の数値は、{(a
×b×c)1/3/(a´×b´×c´)1/3}×100
(%)の式で算出される値を示したものである。また寸
法*2の欄の記載は、解放素子を構成する解放素子部材
の、厚み×幅×全長の寸法を、mm単位で示したもので
ある。
【0125】表1から判るように、実施例1乃至11で
は、過冷却解放装置11を作動させることにより、蓄熱
材5の過冷却状態を解放することができた。それに対し
て解放素子1として図8に示すようなものを用いた比較
例1及び解放素子1を構成する材料として、蓄熱材5の
格子定数と近似しないものを用いた比較例2では、過冷
却状態を解放することができず、また蓄熱材5の結晶系
と同一の結晶系である単斜晶の材料にて解放素子1を構
成した比較例3では、過冷却状態が過冷却解放装置11
を作動させる以前に自然解放されてしまい、蓄熱材5の
放熱を制御することができなかった。 (実施例12)容器内に図15に示す形状の過冷却解放
装置11を設置し、バイモルフ型アクチュエーター6に
続するリード線を容器外に引き出し、この容器内に実施
例1と同様の蓄熱材5を入れて密封した。ここで過冷却
解放装置11の解放素子1は、実施例1と同様のものを
使用した。そしてこの状態で蓄熱材5を70℃まで加熱
した後30℃まで冷却して過冷却状態とし、リード線に
電流を流して解放装置を作動させた。 (比較例4)比較例2と同様の素子材料を用いた以外
は、実施例12と同様に行った。 (実施例13)容器内に図16に示す形状の過冷却解放
装置11を設置し、ソレノイド7に接続するリード線を
容器9外に引き出し、この容器内に実施例1と同様の蓄
熱材5を入れて密封した。ここで過冷却解放装置11の
解放素子1は、実施例1と同様のものを使用した。そし
てこの状態で蓄熱材5を70℃まで加熱した後30℃ま
で冷却して過冷却状態とし、リード線に電流を流して解
放装置を作動させた。 (比較例5)実施例13と同様の実験を素子材料として
比較例2と同様のものを用いて行った。
【0126】実施例12、13、比較例4、5の蓄熱材
5の過冷却状態の解放の発生の有無を、表2の評価の欄
に示す。
【0127】
【表2】 表2に示すように、実施例12、13では蓄熱材5の過
冷却状態を電流制御による遠隔操作により、低電力消費
量にて短時間で解放することができた。それに対して、
解放素子1を構成する材料として、蓄熱材5の格子定数
と近似しないものを用いた比較例4、5では、実施例1
2又は13と同様の構成の過冷却解放装置11を用いて
60秒以上作動させても過冷却状態を解放することがで
きなかった。 (実施例14)図17に示すように、過冷却解放装置1
1が設置されているPP製の中空の容器9内に蓄熱材5
を充填して蓄熱体10を形成し、図19に示すように床
下の根太13間にヒーター14、ヒーター断熱材15及
び床下断熱材26と共に設置して、床暖房装置27とし
ての性能を確認した。
【0128】ここで過冷却解放装置11としては、図1
8に示すようなものを用いた。すなわち、圧延SUS6
31で形成された50mm×5mm×0.1mmtの寸
法の一対の解放素子1を、その一面同士が対向するよう
に配置すると共に、この一対の解放素子1の端部を、こ
の解放素子1の端部の一面同士を密着させた状態で、中
空の容器9の内面から内方に向けて立設された接続部品
3に固着して解放素子1を形成した。ここで一対の解放
素子1の対向し合う面同士が成す角が、30°となるよ
うにした。一方中空の容器9の外側にソレノイド7を、
その可動鉄心24の先端が、一対の解放素子1のうち
の、中空の容器9の外側に配置されているものに、中空
の容器9の外壁の一部として設けられた弾性シート8を
介して当接するように配設した。
【0129】また他の条件は、下記の通りである。 <気象条件>東京1月(平均外気温4℃) <建物条件>二階建て一軒屋の一階東南角部屋(十畳
間) <敷設条件> 蓄熱材5及びヒーター14敷設率:60% <床構成> 根太13高さ:45mm 上床材12:耐熱フローリング15mm 蓄熱体10厚み:23mm(内寸20mm) ヒーター断熱材15:(フェルト5mm) 床下断熱材26:ウレタン80mm <蓄熱材条件> 融点:50℃ 潜熱量:160kJ/kg <加熱及び加温条件> ヒーター容量:350W/m2 加熱時間:23時〜7時(8時間) 過冷却解放時刻:12時 (比較例6)蓄熱材5に過冷却防止剤として、ピロリン
酸ナトリウム10水和物を1重量部混入し、また蓄熱体
10に過冷却解放装置11を設けなかった以外は、実施
例14と同様に行った。
【0130】実施例14及び比較例6について、床表面
温度と室内温度の測定を行った結果を図30に示す。
【0131】図30から判るように、比較例6では蓄熱
体10に蓄熱された熱は自然放熱されるため、18時以
降の床表面温度が快適温度である25℃を下回ったのに
対して、実施例14では、蓄熱体10からの放熱を制御
して昼間に放熱されるはずの熱を夜間にシフトし、一日
中25℃以上の床表面温度を確保することができた。 (実施例15〜22、比較例7)各実施例及び比較例に
ついて、表3に示す素子素材にて、表3の解放素子1形
状の欄に、図面の番号で示す形状の解放素子1を形成
し、この解放素子を用いて図27に示すような過冷却解
放装置11を作製した。ここで駆動部としては、プッシ
ュ型ソレノイド7を、弾性材料としては厚み0.5mm
のシリコンゴム製の弾性シート8を用い、ハウジング3
7としては、ポリプロピレン製のものを用いた。一方
1.75mm厚のポリプロピレンシートにて形成され、
開口部49にて開口する、150(w)×200(l)
×20(h)mmの容量を有する容器9内に、表3に示
す蓄熱材5を充填して蓄熱ボート゛48を構成し、この蓄
熱ボード48に上記の過冷却解放装置11を、ハウジン
グ37を開口部49に溶着することにより配設すると共
に、容器9を密栓して、図28に示すような蓄熱体10
を作製した。
【0132】このようにして形成された蓄熱体10を用
い、蓄熱材5を70℃まで加熱した後25℃まで冷却し
て過冷却状態とし、ソレノイド7を作動させることによ
り解放素子1に外力を加えて作動させ、このときの過冷
却状態の蓄熱材5の解放確率を測定した。ここで解放確
率は、蓄熱材5の過冷却状態を解放させるまでに要した
ソレノイド7の可動鉄心24の往復運動の回数をNとし
て、(1/N)×100(%)の値で示されるものであ
る。各実施例及び比較例について、10回ずつ実験を行
った場合の解放確率の平均値を表3に示す。
【0133】
【表3】 表3から判るように、蓄熱材5の格子定数と近似しない
材料にて解放素子1を構成した比較例7では、蓄熱材5
の過冷却状態を解放することはできなかった。これに対
して、実施例15〜22の、ものでは、蓄熱材5の過冷
却状態を解放することができた。
【0134】また、解放素子部材18のうちの一方のも
のにおける粗面の高低差が、蓄熱材5の結晶化臨界半径
よりも小さい実施例20、解放素子部材18の粗面の高
低差が、蓄熱材5の結晶化臨界半径よりも小さい実施例
21、及び解放素子部材18の粗面の表面積が0.1m
2よりも小さい実施例22と比べて、実施例15〜1
9では、蓄熱材5の過冷却状態を解放させる確率が向上
した。 (実施例23〜29)各実施例について、表4に示す素
子素材にて、表4の解放素子1形状の欄に、図面の番号
で示す形状の解放素子1を形成し、実施例23〜29に
示すものについては、この解放素子1の粗面に、結晶付
着方法の欄に示されるような方法にて、表4に示される
蓄熱材5の結晶を付着させた。ここで表中において、解
法履歴とは、解法素子1を用いて蓄熱材5の過冷却状態
を一回解法させたことを示す。この解放素子1を用いて
実施例15〜22及び比較例7と同様にして図27に示
すような過冷却解放装置11を作製した。一方1.75
mm厚のポリプロピレンシートにて形成され、開口部4
9にて開口する、150(w)×200(l)×20
(h)mmの容量を有する容器9内に、表4に示す蓄熱
材5を充填して蓄熱ボート゛48を構成し、この蓄熱ボー
ド48と上記の過冷却解放装置11にて実施例15〜2
2及び比較例7と同様にして図28に示すような蓄熱体
10を作製した。
【0135】このようにして形成された蓄熱体10を用
い、蓄熱材5を70℃まで加熱した後25℃まで冷却し
て過冷却状態とし、ソレノイド7を作動させることによ
り解放素子1に外力を加えて作動させ、このときの過冷
却状態の蓄熱材5の解放確率を測定した。ここで解放確
率は、蓄熱材5の過冷却状態を解放させるまでに要した
ソレノイド7の可動鉄心24の往復運動の回数をNとし
て、(1/N)×100(%)の値で示されるものであ
る。そしてこのような蓄熱材5の加熱、冷却、過冷却状
態の解放のサイクルを繰り返し行い、1サイクル目、2
000サイクル目、及び4000サイクル目の解放確率
を導出した。このような実験を、各実施例及び比較例に
ついて、6回ずつ行った場合の、解放確率の平均値を表
4に示す。
【0136】
【表4】 表4から判るように、蓄熱材5の格子定数と近似しない
材料にて解放素子1を構成した比較例7では、蓄熱材5
の過冷却状態を解放することはできなかった。これに対
して、実施例23〜29のものでは、蓄熱材5の過冷却
状態を解放することができた。
【0137】また、解放素子1に蓄熱材5の結晶を付着
させなかった実施例29と比べると、実施例23〜28
では、1サイクル目から高い確率で蓄熱材5の過冷却状
態を解放させることができた。 (実施例30〜33)各実施例について、表5に示す素
子素材にて、表5の解放素子1形状の欄に、図面の番号
で示す形状の解放素子1を形成し、この解放素子1の粗
面に、結晶付着方法の欄に示されるような方法にて、表
5に示される蓄熱材5の結晶を付着させた。この解放素
子1を用いて実施例15〜22及び比較例7と同様にし
て図27に示すような過冷却解放装置11を作製した。
一方1.75mm厚のポリプロピレンシートにて形成さ
れ、開口部49にて開口する、150(w)×200
(l)×20(h)mmの容量を有する容器9内に、表
5に示す蓄熱材5を充填して蓄熱ボート゛48を構成し、
この蓄熱ボード48と上記の過冷却解放装置11にて実
施例15〜22及び比較例7と同様にして図28に示す
ような蓄熱体10を作製した。
【0138】このようにして形成された蓄熱体10を用
い、蓄熱材5を70℃まで加熱した後25℃まで冷却し
て過冷却状態とし、ソレノイド7を作動させることによ
り解放素子1に外力を加えて作動させ、このときの過冷
却状態の蓄熱材5の解放確率を測定した。ここで解放確
率は、蓄熱材5の過冷却状態を解放させるまでに要した
ソレノイド7の可動鉄心24の往復運動の回数をNとし
て、(1/N)×100(%)の値で示されるものであ
る。各実施例及び比較例について、10回ずつ実験を行
った場合の解放確率の平均値を表5に示す。
【0139】また各実施例において作製した蓄熱体10
を用い、蓄熱材5を70℃まで加熱した後25℃まで冷
却して過冷却状態とした状態で、この蓄熱体10を30
cmの高さからゴム板の上に落下させた。この操作を1
0回行い、蓄熱材5の過冷却状態が解放されずに安定に
保たれる確率を、百分率で導出して、表5の安定確率の
欄に示した。
【0140】
【表5】 表5から判るように、蓄熱材5の格子定数と近似しない
材料にて解放素子1を構成した比較例7では、蓄熱材5
の過冷却状態を解放することはできなかった。これに対
して、実施例30〜33のものでは、蓄熱材5の過冷却
状態を解放することができた。
【0141】また蓄熱材5中に、解放素子保定剤36が
混入されていな実施例33では、蓄熱材5の安定確率が
低かったのに対して、蓄熱材5中に解放素子保定剤36
としてラポナイト、不織布、キサンタンガムがそれぞれ
混入されている実施例30〜32では、衝撃を加えても
蓄熱材5の過冷却状態は解放されず、安定に保たれた。 (実施例34)表6に示す素子素材にて、表6の解放素
子1形状の欄に、図面の番号で示す形状の解放素子1を
形成し、この解放素子1の粗面に、結晶付着方法の欄に
示されるような方法にて、表6に示される蓄熱材5の結
晶を付着させた。この解放素子1を用いて実施例15〜
22及び比較例7と同様にして図27に示すような過冷
却解放装置11を作製した。一方1.75mm厚のポリ
プロピレンシートにて形成され、開口部49にて開口す
る、150(w)×200(l)×20(h)mmの容
量を有する容器9内に、表6に示す蓄熱材5を充填して
蓄熱ボート゛48を構成し、この蓄熱ボード48と上記の
過冷却解放装置11にて実施例15〜22及び比較例7
と同様にして図28に示すような蓄熱体10を作製し
た。
【0142】このようにして形成された蓄熱体10を用
い、蓄熱材5を70℃まで加熱した後25℃まで冷却し
て過冷却状態とし、ソレノイド7を作動させることによ
り解放素子1に外力を加えて作動させた。
【0143】そしてこのような蓄熱材5の加熱、冷却、
過冷却状態の解放のサイクルを繰り返し行い、1サイク
ル目、1000サイクル目、2000サイクル目、及び
4000サイクル目における、蓄熱体10の蓄熱量減及
び融点の変化を測定した。その結果を表7に示す
【0144】
【表6】
【0145】
【表7】 このように、実施例34では、蓄熱材5が容器9内に、
過冷却解放装置11により密栓された状態で充填されて
いるため、蓄熱材5の成分が蒸発等により失われるよう
なことがなく、蓄熱材5の組成が変化することを防い
で、蓄熱量や融点の変動が生じることを防ぎ、蓄熱体1
0の性能を一定に保つことができることが確認できた。
【0146】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
過冷却解放装置は、過冷却状態にある蓄熱材の過冷却状
態を解放する過冷却解放装置であって、内面の少なくと
も一部が蓄熱材の格子定数と近似する格子定数を有する
部材にて形成された微小空間を有する解放素子と、この
微小空間内で蓄熱材の結晶核の種を密集させる密集手段
とを具備するため、微小空間内で結晶核の種を、結晶化
が進行する臨界半径以上の結晶核として蓄熱材の過冷却
状態の解放を進行させ、蓄熱材の潜熱を放熱させること
ができるものであり、蓄熱材の過冷却状態を解放し、任
意に熱を取り出す際簡単な構成および動作により長期的
に安定性良く確実に過冷却状態を解放することができる
ものである。
【0147】また本発明の請求項2に記載の過冷却解放
装置は、請求項1の構成に加えて、一対の解放素子部材
を鋭角状に配置して解放素子を形成すると共にこの一対
の解放素子部材の間に微小空間を形成し、かつ少なくと
も一方の解放素子部材を微小空間を小さくする方向に移
動可能に形成するため、微小空間内の結晶核の種を効率
良く密集させて蓄熱材の過冷却状態を効率良く解放する
ことができるものである。
【0148】また本発明の請求項3に記載の過冷却解放
装置は、請求項2の構成に加えて、一対の解放素子部材
を、一端側にて接合すると共に他端側においてこの一対
の解放素子部材間に弾性を有する材料を配設するため、
密集手段により少なくとも一方の解放素子部材を他方の
解放素子側に押し込みし、またその押し込み力を解除す
る動作を繰り返すことにより、繰り返し蓄熱材の過冷却
状態の解放を行うことができるものであり、またこのと
き解放素子部材を弾性を有する材料料にて形成する必要
がないものである。
【0149】また本発明の請求項4に記載の過冷却解放
装置は、請求項2又は3の構成に加えて、一対の解放素
子部材を鋭角が形成される側で接合すると共に一対の解
放素子部材の少なくとも一方を弾性を有する材料で形成
するため、密集手段により弾性を有する材料にて形成さ
れた解放素子部材を他方の解放素子側に押し込みし、ま
たその押し込み力を解除する動作を繰り返すことによ
り、繰り返し蓄熱材の過冷却状態の解放を行うことがで
きるものであり、またこのとき他に弾性を有する材料を
配設する必要がないものである。
【0150】また本発明の請求項5に記載の過冷却解放
装置は、請求項1の構成に加えて、内側に微小空間が形
成される凹部を有する解放素子部材と、この凹部に噛み
合う形状の凸部を有する解放素子部材とで解放素子を形
成すると共に、各解放素子部材を、凸部と凹部が近接離
間可能となるように配置するため、微小空間内の結晶核
の種を効率良く密集させて蓄熱材の過冷却状態を効率良
く解放することができるものである。
【0151】また本発明の請求項6に記載の過冷却解放
装置は、請求項5に構成に加えて、内側に微小空間が形
成される凹部を有する解放素子部材と、この凹部に噛み
合う形状の凸部を有する解放素子部材とを、一の材料を
劈開することにより形成するため、各解放素子部材の劈
開面に複数の凹部と凸部を容易に形成することができ、
しかも凸部が凹部内に形成される微小空間まで噛み合う
相似形に形成することができるものである。また密集手
段を用いて、一対の解放素子部材の劈開面同士を近接さ
せて、劈開面の凹部と凸部とが離間した状態から、複数
の凹部と凸部とを近接させて複数の凹部と凸部とが噛み
合った状態とすることにより、凹部内に形成されている
微小空間を小さくして微小空間内の結晶核の種を密集さ
せることができ、このとき複数の微小空間を一回の操作
で同時に小さくすることができるものであって、蓄熱材
の過冷却状態を解放させる確率を向上することができる
ものである。
【0152】また本発明の請求項7に記載の過冷却解放
装置は、請求項5の構成に加えて、内側に微小空間が形
成される凹部を有する解放素子部材と、この凹部に噛み
合う形状の凸部を有する解放素子部材とを、一の材料を
切断することにより形成するため、各解放素子部材の切
断面に複数の凹部と凸部を容易に形成することができ、
しかも凸部が凹部内に形成される微小空間まで噛み合う
相似形に形成することができるものである。また密集手
段を用いて、一対の解放素子部材の切断面同士を近接さ
せて、切断面の凹部と凸部とが離間した状態から、複数
の凹部と凸部とを近接させて複数の凹部と凸部とが噛み
合った状態とすることにより、凹部内に形成されている
微小空間を小さくして微小空間内の結晶核の種を密集さ
せることができ、このとき複数の微小空間を一回の操作
で同時に小さくすることができるものであって、蓄熱材
の過冷却状態を解放させる確率を向上することができる
ものである。
【0153】また本発明の請求項8に記載の過冷却解放
装置は、請求項1乃至7の構成に加えて、解放素子の微
小空間を形成する面を粗面に形成するため、過冷却状態
の蓄熱材中を浮遊する結晶核の種と、解放素子の微小空
間を形成する面との接触面積が大きくなり、解放素子の
微小空間を形成する面上に結晶核の種が析出しやすくな
って、蓄熱材の過冷却状態を解放させる確率を向上する
ことができるものである。
【0154】また本発明の請求項9に記載の過冷却解放
装置は、請求項1の構成に加えて、一面が複数の凹凸を
有する粗面として形成されると共にこの粗面上の複数の
凹部が微小空間として形成され、かつ粗面同士が対向す
るように配設された一対の解放素子部材にて構成される
解放素子と、この一対の解放素子部材間の間隔を近接さ
せて一方の解放素子部材の粗面上の凸部と他方の解放素
子部材の粗面上の微小空間を噛み合わせることにより微
小空間内で蓄熱材の結晶核の種を密集させる密集手段と
を具備するため、一対の解放素子部材のうち、一方又は
両方を、密集手段により、対向する解放素子部材と近接
させることにより、一方の解放素子部材の粗面上の凸部
と、他方の解放素子部材の粗面上の凹部とを噛み合わせ
ることにより、凹部内に形成されている微小空間を小さ
くし、あるいは微小空間の内面の、蓄熱材の格子定数と
近似する格子定数を有する部材に付着している結晶核の
種を凸部の先端にて微小空間の内奥に集めることによ
り、微小空間内の結晶核の種を密集させることができる
ものであり、このとき複数の微小空間において、一回の
操作で同時に結晶核の種を密集させることができ、蓄熱
材の過冷却状態を解放させる確率を向上することができ
るものである。
【0155】また本発明の請求項10に記載の過冷却解
放装置は、請求項9の構成に加えて、解放素子部材の粗
面における凹部と凸部との高低差を、過冷却状態にある
蓄熱材の結晶化臨界半径の3〜500倍とするため、粗
面上の一つの凹部内に形成された微小空間内に、十分な
量の結晶核の種を存在させることができ、この微小空間
内の結晶核の種を、密集手段にて、対向する解放素子部
材同士を近接させて密集させることにより、容易に結晶
化臨界半径以上の結晶核とすることができ、蓄熱材の結
晶化を容易に進行させることができるものである。
【0156】また本発明の請求項11に記載の過冷却解
放装置は、請求項9又は10の構成に加えて、解放素子
部材を離間させている状態における、一対の解放素子部
材の粗面間の距離を0.2〜30μmとするため、結晶
核の種が、解放素子部材間の隙間の外へ拡散しにくくな
り、再度過冷却状態を解放させる際に解放素子部材間の
隙間に十分な量の結晶核の種を存在させることができる
ものであり、この状態で過冷却解放装置を作動させるこ
とにより、蓄熱材の結晶化を容易に進行させることがで
きるものである。
【0157】また本発明の請求項12に記載の過冷却解
放装置は、請求項1乃至11のいずれかの構成に加え
て、解放素子の、微小空間内部における蓄熱材の格子定
数と近似する格子定数を有する部材にて形成された面上
に、蓄熱材の結晶を付着させるため、解放素子を蓄熱材
内に配置した後、蓄熱材を過冷却状態とすると、蓄熱材
の結晶核の種が、解放素子の、微小空間内部における蓄
熱材の格子定数と近似する格子定数を有する部材にて形
成された面上に付着した状態となる傾向が発生するもの
であり、微小空間の内面に十分な量の結晶核の種を付着
させておくことができ、そしてこの状態で過冷却解放装
置を作動させると、微小空間の内面に付着した十分な量
の結晶核の種を密集させることにより、蓄熱材の過冷却
状態を容易に解放することができるものであって、過冷
却解放装置にて蓄熱材の過冷却状態を初めて解放させる
場合であっても、蓄熱材の過冷却状態を容易に解放する
ことができるものである。
【0158】また本発明の請求項13に記載の過冷却解
放装置は、請求項12の構成に加えて、過冷却解放装置
をあらかじめ少なくとも一回作動させておくことによ
り、解放素子の、微小空間内部における蓄熱材の格子定
数と近似する格子定数を有する部材にて形成された面上
に、蓄熱材の結晶を付着させるため、解放素子の微小空
間内部における蓄熱材の格子定数と近似する格子定数を
有する部材にて形成された面上に蓄熱材の結晶を容易に
付着させることができるものである。
【0159】また本発明の請求項14に記載の過冷却解
放装置は、請求項12の構成に加えて、解放素子と蓄熱
材の結晶とを接触させることにより、解放素子の、微小
空間内部における蓄熱材の格子定数と近似する格子定数
を有する部材にて形成された面上に、蓄熱材の結晶を付
着させるため、解放素子の微小空間内部における蓄熱材
の格子定数と近似する格子定数を有する部材にて形成さ
れた面上に蓄熱材の結晶を容易に付着させることができ
るものである。
【0160】また本発明の請求項15に記載の過冷却解
放装置は、請求項9乃至14のいずれかの構成に加え
て、解放素子に形成された互いに対向する粗面の表面積
をそれぞれ0.1m2以上とするため、解放素子の、互
いに対向する粗面に、多数の微小空間を形成することが
でき、このような解放素子を有する過冷却解放装置を作
動させると、一回の操作で多数の微小空間にて結晶核の
種を密集させることができるものであり、蓄熱材の過冷
却状態を解放させる確率を向上することができるもので
ある。また解放素子保定剤が混入された蓄熱材中に解放
素子を配置して過冷却解放素子を作動させる場合におい
ては、解放素子保定剤が、解放素子の互いに対向する粗
面間に浸入することを防ぐことができ、過冷却解放装置
を作動させる際に蓄熱材の結晶核の種を密集させる動作
が解放素子保定剤によって阻害されるようなことを防ぐ
ことができるものである。
【0161】また本発明の請求項16に記載の過冷却解
放装置は、請求項1乃至15のいずれかの構成に加え
て、解放素子の微小空間を形成する面を構成する部材と
して、その格子定数a,b,cから算出される(a×b
×c)1/3の値が、蓄熱材の格子定数a´、b´、c´
から算出される(a´×b´×c´)1/3の値の40〜
100%である部材を用いるため、解放素子の微小空間
を形成する面を構成する部材の結晶に、過冷却状態の蓄
熱材の結晶が嵌り込みやすくなり、そのため解放素子の
微小空間を形成する面上に結晶核の種が析出しやすくな
って、蓄熱材の過冷却状態を解放させる確率を向上する
ことができるものである。
【0162】また本発明の請求項17に記載の過冷却解
放装置は、請求項1乃至16のいずれかの構成に加え
て、微小空間を複数個形成するため、複数の微小空間を
一回の操作で同時に小さくすることができるものであっ
て、蓄熱材の過冷却状態を解放させる確率を向上するこ
とができるものである。
【0163】また本発明の請求項18に記載の過冷却解
放装置は、請求項1乃至17のいずれかの構成に加え
て、微小空間内で蓄熱材の結晶核の種を密集させる密集
手段が、圧力負荷、振動、又はこれらの複合系であるた
め、蓄熱材の結晶核の種を良好に密集させることができ
るものである。
【0164】また本発明の請求項19に記載の過冷却解
放装置は、請求項1乃至18のいずれかの構成に加え
て、駆動部と、駆動部の運動を一対の解放素子のうちの
一方に伝える弾性材料とで構成される密集手段を具備す
るため、密集手段の駆動部と、解放素子とを、弾性材料
にて分離して、駆動部の周囲に蓄熱材が存在しないよう
にすることができ、駆動部にかかる摩擦抵抗を低減して
動作性を向上することができるものである。
【0165】また本発明の請求項20に記載の過冷却解
放装置は、請求項1乃至19のいずれかの構成に加え
て、遠隔操作により作動させることが可能な密集手段を
具備するため、操作する者と過冷却解放装置が離れた位
置にあるときであっても、容易に過冷却解放装置を作動
させることができるものである。
【0166】また本発明の請求項21に記載の蓄熱体
は、請求項1乃至20のいずれかに記載の過冷却解放装
置と、蓄熱材とから成るため、微小空間内で結晶核の種
を、結晶化が進行する臨界半径以上の結晶核として蓄熱
材の過冷却状態の解放を進行させ、蓄熱材の潜熱を放熱
させることができるものであり、蓄熱材の過冷却状態を
解放し、任意に熱を取り出す際簡単な構成および動作に
より長期的に安定性良く確実に過冷却状態を解放するこ
とができるものである。
【0167】また本発明の請求項22に記載の蓄熱体
は、請求項21の構成に加えて、酢酸ナトリウム水和物
が含まれている蓄熱材と、微小空間を形成する面を構成
する部材としてマルテンサイト系SUSを含む材料、あ
るいはオーステナイト系SUS材又は析出硬化型SUS
を圧延して一部結晶系が立方晶から正方晶に転移したS
USを含むものを用いた請求項1乃至20のいずれかに
記載の過冷却解放装置とから成るため、解放素子の微小
空間を形成する面に結晶核の種が析出しやすくなり、蓄
熱材の過冷却状態を解放させる確率を向上することがで
きるものである。
【0168】また本発明の請求項23に記載の蓄熱体
は、請求項21又は22の構成に加えて、蓄熱材とし
て、外乱による過冷却解放素子の作動を抑制するための
解放素子保定剤が混入されているものを用いるため、過
冷却解放装置と、蓄熱材とから成る蓄熱体に、不意の振
動、圧力、衝撃等の外乱が加わった場合に解放素子に力
が加わり、解放素子が作動して蓄熱材の過冷却状態が解
放してしまうことを防ぐことができるものである。
【0169】また本発明の請求項24に記載の蓄熱体
は、請求項23の構成に加えて、解放素子保定剤とし
て、高粘性又はゲル状の材料を用いるため、蓄熱材の粘
度が高くなって、蓄熱材に不意の振動、圧力、衝撃等の
外乱が加わった場合でもその振動等が蓄熱材に吸収され
ると共に、解放素子は高粘度の蓄熱材中に保持されるも
のであって、解放素子が勝手に作動して蓄熱材の過冷却
状態が解放されてしまうことを防ぐことができるもので
ある。
【0170】また本発明の請求項25に記載の蓄熱体
は、請求項24の構成に加えて、解放素子保定剤とし
て、多孔性でありかつ柔軟性を有する材料を用いるた
め、蓄熱材に不意の振動、圧力、衝撃等の外乱が加わっ
た場合でもその振動等が蓄熱材中の多孔性でありかつ柔
軟性を有する材料に吸収されると共に、解放素子はこの
多孔性でありかつ柔軟性を有する材料に保持されている
ものであって、解放素子が勝手に作動して蓄熱材の過冷
却状態が解放されてしまうことを防ぐことができるもの
である。
【0171】また本発明の請求項26に記載の蓄熱体
は、請求項23乃至25のいずれかの構成に加えて、微
小空間内部における蓄熱材の格子定数と近似する格子定
数を有する部材にて形成された面上に解放素子保定剤が
付着することを防ぐ解放素子保定剤付着防止手段を具備
するため、微小空間内面における結晶核の種の付着が解
放素子保定剤によって阻害されることを防ぎ、過冷却解
放素子を作動させた際の蓄熱材の過冷却状態を解放させ
る確率を向上させたものである。
【0172】また本発明の請求項27に記載の蓄熱体
は、請求項26の構成に加えて、解放素子保定剤付着防
止手段として、解放素子の、微小空間内部における蓄熱
材の格子定数と近似する格子定数を有する部材にて形成
された面上に、蓄熱材の結晶を付着させるため、解放素
子を蓄熱材内に配置した後、蓄熱材を過冷却状態とする
と、蓄熱材の結晶核の種が、解放素子の、微小空間内部
における蓄熱材の格子定数と近似する格子定数を有する
部材にて形成された面上に付着した状態となる傾向が発
生するものであって、解放素子の微小空間内に解放素子
保定剤が浸入している場合であっても、微小空間の内面
に結晶核の種を確実に付着させておくことができるもの
である。
【0173】また本発明の請求項28に記載の蓄熱体
は、請求項23乃至27のいずれかの構成に加えて、一
対の解放素子部材間の平均距離を0.2〜10μmとし
て配設された解放素子を具備するため、解放素子部材間
に解放素子保定剤が浸入するkとを抑制することがで
き、過冷却解放装置を作動させたときの蓄熱材の過冷却
状態を解放させる確率を向上することができるものであ
る。
【0174】また本発明の請求項29に記載の加熱暖房
装置は、請求項21乃至28に記載の蓄熱体と、蓄熱体
を加熱する加熱源とを具備するため、蓄熱材を加熱源に
て融点以上に加熱して溶融させ、その後冷却されて過冷
却状態で、過冷却解放装置を作動させて過冷却状態を解
放して蓄熱材から潜熱を取り出し、この潜熱を加熱や暖
房に利用することができるものであり、また過冷却状態
が解除された蓄熱材を再び加熱源にて加熱して溶融さ
せ、繰り返し蓄熱材から潜熱を取り出して、加熱や暖房
に利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す一部の正面図
である。
【図2】(a)、(b)は本発明の実施の形態の他の例
の動作を示す一部の正面図である。
【図3】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の形
態の更に他の例を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面図
である。
【図5】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面図
である。
【図6】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面図
である。
【図7】(a)乃至(c)はそれぞれ本発明の実施の形
態の更に他の例を示す正面図である
【図8】本発明に不適当な解放素子の形状を示す正面図
である。
【図9】本発明の実施の形態の更に他の例を示すもので
あり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は動作
を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態の更に他の例を示すもの
であり、(a)は平面図、(b)はイ部分の拡大図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態の更に他の例を示すもの
であり、(a)は平面図、(b)は動作を示す斜視図で
ある。
【図12】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図13】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図14】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図15】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図16】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図17】本発明において用いる蓄熱体を示す正面図で
ある。
【図18】実施例14において用いた本発明の過冷却解
放装置の構成を示す一部破断した正面図である。
【図19】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図20】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の
形態の更に他の例を示す一部の概略断面図である。
【図21】(a)、(b)本発明の実施の形態の更に他
の例の動作を示す概略断面図である。
【図22】同上の一部の概略断面図である。
【図23】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の
形態の更に他の例を示す概略断面図である。
【図24】本発明の実施の形態の更に他の例を示す概略
断面図である。
【図25】本発明の実施の形態の更に他の例を示す概略
断面図である。
【図26】(a)、(b)本発明の実施の形態の更に他
の例の動作を示す概略断面図である。
【図27】本発明の実施の形態の更に他の例を示す正面
図である。
【図28】本発明の実施の形態の更に他の例を示す断面
図である。
【図29】本発明の実施の形態の更に他の例を示す一部
の正面図である。
【図30】実施例14及び比較例6における床表面温度
および室内温度の経時変化の測定結果を示すグラフであ
る。
【図31】(a)はラポナイトの構造を示す概念図、
(b)、(c)はラポナイトのガードハウス構造を示す
概念図である。
【符号の説明】
1 解放素子 2 結晶核の種 5 蓄熱材 10 蓄熱体 11 過冷却解放装置 14加熱源 18 解放素子部材 29 微小空間 30 凹部 31 凸部 34 部材 35 蓄熱材の結晶 36 解放素子保定剤

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過冷却状態にある蓄熱材の過冷却状態を
    解放する過冷却解放装置であって、内面の少なくとも一
    部が蓄熱材の格子定数と近似する格子定数を有する部材
    にて形成された微小空間を有する解放素子と、この微小
    空間内で蓄熱材の結晶核の種を密集させる密集手段とを
    具備して成ることを特徴とする過冷却解放装置。
  2. 【請求項2】 一対の解放素子部材を鋭角状に配置して
    解放素子を形成すると共にこの一対の解放素子部材の間
    に微小空間を形成し、かつ少なくとも一方の解放素子部
    材を微小空間を小さくする方向に移動可能に形成して成
    ることを特徴とする請求項1に記載の過冷却解放装置。
  3. 【請求項3】 一対の解放素子部材を、一端側にて接合
    すると共に他端側においてこの一対の解放素子部材間に
    弾性を有する材料を配設して成ることを特徴とする請求
    項2に記載の過冷却解放装置。
  4. 【請求項4】 一対の解放素子部材を鋭角が形成される
    側で接合すると共に一対の解放素子部材の少なくとも一
    方を弾性を有する材料で形成して成ることを特徴とする
    請求項2又は3に記載の過冷却解放装置。
  5. 【請求項5】 内側に微小空間が形成される凹部を有す
    る解放素子部材と、この凹部に噛み合う形状の凸部を有
    する解放素子部材とで解放素子を形成すると共に、各解
    放素子部材を、凸部と凹部が近接離間可能となるように
    配置して成ることを特徴とする請求項1に記載の過冷却
    解放装置。
  6. 【請求項6】 内側に微小空間が形成される凹部を有す
    る解放素子部材と、この凹部に噛み合う形状の凸部を有
    する解放素子部材とを、一の材料を劈開することにより
    形成して成ることを特徴とする請求項5に記載の過冷却
    解放装置。
  7. 【請求項7】 内側に微小空間が形成される凹部を有す
    る解放素子部材と、この凹部に噛み合う形状の凸部を有
    する解放素子部材とを、一の材料を切断することにより
    形成して成ることを特徴とする請求項5に記載の過冷却
    解放装置。
  8. 【請求項8】 解放素子の微小空間を形成する面を粗面
    に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れかに記載の過冷却解放装置。
  9. 【請求項9】 一面が複数の凹凸を有する粗面として形
    成されると共にこの粗面上の複数の凹部が微小空間とし
    て形成され、かつ粗面同士が対向するように配設された
    一対の解放素子部材にて構成される解放素子と、この一
    対の解放素子部材間の間隔を近接させて一方の解放素子
    部材の粗面上の凸部と他方の解放素子部材の粗面上の微
    小空間を噛み合わせることにより微小空間内で蓄熱材の
    結晶核の種を密集させる密集手段とを具備して成ること
    を特徴とする請求項1に記載の過冷却解放装置。
  10. 【請求項10】 解放素子部材の粗面における凹部と凸
    部との高低差を、過冷却状態にある蓄熱材の結晶化臨界
    半径の3〜500倍として成ることを特徴とする請求項
    9に記載の過冷却解放装置。
  11. 【請求項11】 解放素子部材を離間させている状態に
    おける、一対の解放素子部材の粗面間の距離を0.2〜
    30μmとして成ることを特徴とする請求項9又は10
    に記載の過冷却解放装置。
  12. 【請求項12】 解放素子の、微小空間内部における蓄
    熱材の格子定数と近似する格子定数を有する部材にて形
    成された面上に、蓄熱材の結晶を付着させて成ることを
    特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の過冷却
    解放装置。
  13. 【請求項13】 過冷却解放装置をあらかじめ少なくと
    も一回作動させておくことにより、解放素子の、微小空
    間内部における蓄熱材の格子定数と近似する格子定数を
    有する部材にて形成された面上に、蓄熱材の結晶を付着
    させて成ることを特徴とする請求項12に記載の過冷却
    解放装置。
  14. 【請求項14】 解放素子と蓄熱材の結晶とを接触させ
    ることにより、解放素子の、微小空間内部における蓄熱
    材の格子定数と近似する格子定数を有する部材にて形成
    された面上に、蓄熱材の結晶を付着させて成ることを特
    徴とする請求項12に記載の過冷却解放装置。
  15. 【請求項15】 解放素子に形成された互いに対向する
    粗面の表面積をそれぞれ0.1m2以上として成ること
    を特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の過冷
    却解放装置。
  16. 【請求項16】 解放素子の微小空間を形成する面を構
    成する部材として、その格子定数a,b,cから算出さ
    れる(a×b×c)1/3の値が、蓄熱材の格子定数a
    ´、b´、c´から算出される(a´×b´×c´)
    1/3の値の40〜100%である部材を用いて成ること
    を特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の過冷
    却解放装置。
  17. 【請求項17】 微小空間を複数個形成して成ることを
    特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の過冷却
    解放装置。
  18. 【請求項18】 微小空間内で蓄熱材の結晶核の種を密
    集させる密集手段が、圧力負荷、振動、又はこれらの複
    合系であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれ
    かに記載の過冷却解放装置。
  19. 【請求項19】 駆動部と、駆動部の運動を一対の解放
    素子のうちの一方に伝える弾性材料とで構成される密集
    手段を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至18
    のいずれかに記載の過冷却解放装置。
  20. 【請求項20】 遠隔操作により作動させることが可能
    な密集手段を具備して成ることを特徴とする請求項1乃
    至19のいずれかに記載の過冷却解放装置。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至20のいずれかに記載の
    過冷却解放装置と、蓄熱材とから成ることを特徴とする
    蓄熱体。
  22. 【請求項22】 酢酸ナトリウム水和物が含まれている
    蓄熱材と、微小空間を形成する面を構成する部材として
    マルテンサイト系SUSを含む材料、あるいはオーステ
    ナイト系SUS材又は析出硬化型SUSを圧延して一部
    結晶系が立方晶から正方晶に転移したSUSを含むもの
    を用いた請求項1乃至20のいずれかに記載の過冷却解
    放装置とから成ることを特徴とする請求項21に記載の
    蓄熱体。
  23. 【請求項23】 蓄熱材として、外乱による過冷却解放
    素子の作動を抑制するための解放素子保定剤が混入され
    ているものを用いて成ることを特徴とする請求項21又
    は22に記載の蓄熱体。
  24. 【請求項24】 解放素子保定剤として、高粘性又はゲ
    ル状の材料を用いて成ることを特徴とする請求項23に
    記載の蓄熱体。
  25. 【請求項25】 解放素子保定剤として、多孔性であり
    かつ柔軟性を有する材料を用いて成ることを特徴とする
    請求項24に記載の蓄熱体。
  26. 【請求項26】 微小空間内部における蓄熱材の格子定
    数と近似する格子定数を有する部材にて形成された面上
    に解放素子保定剤が付着することを防ぐ解放素子保定剤
    付着防止手段を具備して成ることを特徴とする請求項2
    3乃至25のいずれかに記載の蓄熱体。
  27. 【請求項27】 解放素子保定剤付着防止手段として、
    解放素子の、微小空間内部における蓄熱材の格子定数と
    近似する格子定数を有する部材にて形成された面上に、
    蓄熱材の結晶を付着させて成ることを特徴とする請求項
    26に記載の蓄熱体。
  28. 【請求項28】 一対の解放素子部材間の平均距離を
    0.2〜10μmとして配設された解放素子を具備して
    成ること特徴とする請求項23乃至27のいずれかに記
    載の蓄熱体。
  29. 【請求項29】 請求項21乃至28に記載の蓄熱体
    と、蓄熱体を加熱する加熱源とを具備して成ることを特
    徴とする加熱暖房装置。
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